JP2004530536A - フィルターベント用途のためのオリゴマー重合による疎油性膜材料 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
本発明は、疎水性(撥水性)および疎油性(撥油性)両方の性質を有する濾過媒体に関する。この性能は、疎水性または親水性の膜などの基材あるいは他の濾過媒体をコートするフルオロスルホンオリゴマーの形成によって引き起こされる。本発明はさらに、このような濾過媒体の調製方法に関する。
【背景技術】
【0002】
疎水性フィルターは、ベント(ガス抜き)フィルターにおけるガスの濾過において、およびガスベントとして、使用される。これらの疎水性フィルターは、ガスと蒸気をフィルター通過させ、一方で液体の水はフィルターによってはじかれる。
【0003】
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)は、ガスベント用のフィルターにおける材料として最も一般的に使用されている。PTFEは化学的および生物学的に不活性であり、高い安定性を有し、そして疎水性である。そのため、PTFEフィルターはガスを選択的にベントさせ、一方、液体の水を通さない。
【0004】
疎水性膜は、ヘルスケアおよび関連産業でフィルターとして使用され、例えば静脈注射(IV)液および他の医療デバイス用のベントフィルターとして使用される。ヘルスケア産業では、膜は使用前に滅菌される。PTFE膜を、これらの健康関連用途において、スチームまたは化学的滅菌を用いて、完全性を失うことなく滅菌することができる。
【0005】
PTFE膜をスチームで処理すると、スチームを発生させるのに使用される機械からのオイルの濃縮に由来する孔の詰まりが生じる場合がある。生じる空気透過性の損失は、空気ベントとして役に立つ膜の能力を減少させる。化学滅菌はオイルに対する膜の露出を最小化するが、しかしながら、化学的滅菌は有害な化学物質を使用し、そして廃棄物処理問題を引き起こす副生成物をもたらし得る。電離放射線も、医療および生物学的デバイスにおいて使用される材料の滅菌に使用されている。PTFEは、電離放射線に曝されると不安定になる場合がある。照射されたPTFE膜は、機械的強度が大きく低下し、並の圧力に供する用途でさえも使用することができない。
【0006】
恐らく、ガスベント用のフィルターとしてのPTFEにとっての2つのとても大きな障害は、PTFE膜の高いコストと低い空気透過性である。PTFE膜はPTFEの押出および伸張によって形成される。PTFE原材料およびPTFE膜の形成加工の両方共高価である。さらに、PTFE膜の形成に用いられる押出工程および伸長工程は、比較的低い空気透過性を有する膜を作り出す。
【0007】
PTFEの疎油性(oleophobicity)は、シロキサン(例えば、米国特許第4764560号)、フッ素化ウレタン(米国特許第5286279号)、またはペルフルオロ-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソール(米国特許第5116650号)の含浸またはこれらとPTFEとの共押出によって改善することができる。PTFEの耐油性が改善されるがしかし、処理されたPTFE膜は高価であり、空気透過性はかなり低いままである。
【0008】
従って、高価でなく、PTFEより高い空気透過性を有し、そして疎水性および疎油性を変性させることができる、代わりの基材を見出すための努力が払われてきた。
【0009】
濾過基材のコーティングは、基材の所望のバルク性質を保持させ、その一方で基材の表面および界面の性質のみを変える。疎水性および疎油性の性質を強めたコーティング基材は実用性がなく、何故ならばコーティングが透過性を減少させ得るからである。さらに、幾つかのコーティング材料は高価である。
【0010】
Scarmoutzos(米国特許第5217802号)は、ナイロン、ポリビニリデンジフルオリド(PVDF)、およびセルロースから作成される基材の表面を、フッ素化アクリレートモノマーを用いてその基材を処理することによって変性した。この基材を2枚のポリエチレンのシートの間に挟み、そして紫外線に曝すことによってモノマーを重合させる。得られる複合フィルターは、疎水性および疎油性の表面を有する。フィルターの空気透過性は経時的に減少する。
【0011】
Moya(米国特許第5554414号)は、Scarmoutzosと同様の方法を用いて、ポリエーテルスルホンおよびPVDF膜から複合フィルターを形成した。得られたフィルターは、水にもヘキサンにもぬれなかった。Moyaのフィルターの不都合な点は、処理されたフィルターの空気透過性が、処理されていない基材のものよりも低く、そしてフッ素化モノマーが高価であることである。
【0012】
Sugiyamaら(米国特許第5462586号)は、ナイロンファブリックおよびPTFE膜を、2つの異なるプレ形成されたフルオロポリマーを含む溶液で処理した。処理されたフィルターは、水および油に対して耐性であった。しかしながら、プレ形成されたポリマーでコートしたフィルターの耐久力は、たいていは、基材の表面上でモノマーを重合してコーティングを形成した場合のフィルターよりも低かった。
【0013】
Kenigsbergら(米国特許第5156780号)は、種々の膜およびファブリックを、フルオロアクリレートモノマーの溶液で処理し、そしてモノマーを重合させることによって、基材上にコーティングを形成した。このコーティングは、基材上に、撥油性および撥水性を与えた。しかしながら、処理された膜を通過する空気流量は、処理されていない膜と比べて減少した。
【0014】
米国特許第5260360号に開示されているように、衣類用に適した疎水性媒体が、ポリプロピレンまたはPTFEとフルオロ化学品のオキサゾリジノンとの混合物の押出によって作成されている。押出によって作成されるこの媒体は、比較的低い空気透過性を有する。
【0015】
1999年6月1日に出願された、同時係属の米国特許出願第09/323709号(参照して全体を本明細書に導入)では、疎油性および疎水性フィルターが、触媒の存在下でハイドロケイ素などの架橋剤を用いてビニル末端シロキサンを重合することによって、重合基材上にポリジメチルシロキサンコーティングを形成して調製される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
安価であって高い空気透過性を有する疎油性および疎水性フィルターが必要とされている。特に、基材を疎油性および疎水性にする、フィルター媒体基材用のコーティングが求められており、また、疎油性フィルターを作成する、より費用効率が高い工程が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の実施態様では、基材およびコーティングを含む疎油性フィルターであって、この基材がポリマーを含み、そしてコーティングがこのポリマーと共有結合可能なフルオロスルホンオリゴマーを含み、ここでこの基材はフルオロスルホンオリゴマーの基材へのグラフトによって疎油性が与えられるものである、が提供される。
【0018】
第1の実施態様の種々の態様では、ポリマーには、ポリスルホン、例えば、ポリアルキルスルホン、ポリエーテルスルホンおよびポリアリールスルホン、が含まれる。このポリマーは、ポリビニリデンフルオリド、ポリエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-エチレン)、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロンまたはポリウレタンも含んでもよい。
【0019】
第1の実施態様の他の態様では、この基材は多孔性膜を有する。多孔性膜は、等方性膜または異方性膜(非対称の膜など)を有してもよい。この基材が非対称膜である場合は、非対称膜は、支持構造体、第1多孔性面および第2多孔性面を有してもよく、各多孔性面はそれぞれ孔直径を有し、ここで第1多孔性面および第2多孔性面の孔直径の間の非対称性は、少なくとも約2:1、少なくとも約5:1、または少なくとも約10:1である。支持構造体は、第2多孔性面に隣接する等方性領域を有してもよく、この等方性領域は実質的に一定の孔サイズを有し、支持構造体はさらに等方性領域に隣接する非対称領域を有してもよい。非対称領域は、支持構造体の少なくとも約50%にわたってよいが、しかし支持構造体の約85%を超えない。第2多孔性面の孔の平均直径は、約0.01μm〜約50μm、約0.01μm〜約10μmであってよく、または約0.01μm未満であってもよい。
【0020】
第1の実施態様のさらなる態様では、この重合基材が、不織材料、織材料または溶融吹込材料を含む材料を含む。
【0021】
第1の実施態様の他の態様では、フルオロスルホンオリゴマーがポリフルオロスルホンアクリレートを含む。
【0022】
第1の実施態様のさらなる態様では、疎油性フィルターはさらに支持体を含み、ここでこの基材は支持体に結合している。支持体はファブリックを含んでもよい。この支持体は、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-エチレン)、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロンまたはポリウレタンを含み得る。
【0023】
第1の実施態様の他の態様では、フルオロスルホンオリゴマーは式
【化1】
[式中、nは約5〜約20の整数であり、mは約2〜約10の整数である。]
の構造を有する。
【0024】
本発明の第2の実施態様では、疎油性フィルターの製造方法を提供し、この方法は、重合基材を供する工程;基材とフルオロスルホンオリゴマーを含むグラフト配合物とを接触させる工程;フルオロスルホンオリゴマーを基材にグラフトさせる工程;および疎油性フィルターを回収する工程、を包含する。
【0025】
第2の実施態様の態様では、この方法はさらに、支持体を供する工程、および支持体に基材を結合させる工程を包含する。
【0026】
第2の実施態様のさらなる態様では、この方法はさらに、支持体を供する工程;および支持体に重合基材を結合させる工程、を包含し、ここでこの基材は、グラフト配合物と基材とを接触させる前または後に、支持体に結合される。
【0027】
第2の実施態様の他の態様では、このグラフト配合物は、フルオロスルホンオリゴマー用の溶媒を含む。この溶媒は、非極性溶媒または、極性溶媒(イソプロピルアルコール、水、またはイソプロピルアルコールと水との混合物など)を含んでもよい。
【0028】
第2の実施態様のさらなる態様では、このグラフト配合物が約0.05〜約40重量%、約0.1〜約10重量%、約0.5〜約5重量%、または約1〜約2重量%のフルオロスルホンオリゴマーを含んでもよい。
【0029】
第2の実施態様の他の態様では、グラフト工程が、コート基材を紫外線に曝す工程を包含する。
【0030】
第2の実施態様のさらなる態様では、この方法はさらに疎油性フィルターをすすぎ液ですすぐ工程を包含し得る。すすぎ液は、水、イソプロピルアルコール、またはイソプロピルアルコールと水との混合物を含んでもよい。
【0031】
第2の実施態様の他の態様では、この方法がさらに、疎油性フィルターを高温で乾燥させる工程を包含し、ここで乾燥工程はすすぎ工程の後に行なわれる。
【0032】
本発明の第3の実施態様では、医療デバイスが提供され、このデバイスが疎油性フィルターを有し、この疎油性フィルターが基材およびコーティングを含み、この基材はポリマーを含みそしてコーティングはポリマーに共有結合可能なフルオロスルホンオリゴマーを含み、ここでこの基材は、フルオロスルホンオリゴマーを基材にグラフトすることによって疎油性が与えられる。
【0033】
第3の実施態様のある態様では、疎油性フィルターが静脈注射流体ベントフィルターを有する。
【0034】
本発明の第4の実施態様では、静脈注射流体のベント方法を提供し、この方法は、静脈注射流体を供する工程;容器を供する工程であって、この容器が静脈注射流体を含み、この容器がベントを有し、このベントが基材およびコーティングを含む疎油性フィルターを有し、基材がポリマーを含みそしてコーティングがポリマーと共有結合可能なフルオロスルホンオリゴマーを含み、ここで基材はフルオロスルホンオリゴマーを基材にグラフトすることによって疎油性が与えられる;および疎油性フィルターを通して流体をベントする工程、を包含する。
【0035】
第4の実施態様の態様では、この方法はさらに、疎油性フィルターをスチーム滅菌する工程を包含する。
【0036】
第4の実施態様の他の態様では、この方法はさらに、電離放射線を用いて疎油性フィルターを滅菌する工程を包含する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下の記載および実施例は、本発明の好ましい実施態様を詳細に説明する。当業者は、その範囲に包含される本発明の多くの改変および変更を認識するであろう。従って、好ましい実施態様のこの記載は、本発明の範囲を限定するものと考えるべきではない。
【0038】
本発明は、高いガス透過性を有し、そして水および他の液体はじく、疎水性および疎油性フィルターを提供する。本発明は、このようなフィルターを調製する方法も提供する。
【0039】
フィルター媒体基材は、架橋フルオロスルホンを含むオリゴマーを含むコーティング材料で処理され、これは基材の表面をコートする。架橋フルオロスルホンを含む材料での基材のコーティングは、フィルターに、永続的な疎油性および疎水性を与える。処理されたフィルターは、空気流量における高い透過性を有し、そして高い水貫通圧(water penetration pressure)によって証明されるように、液体の水を排除する。このフィルターは、例えば、静脈注射(IV)または他の医療デバイス用の空気フィルターまたはベントフィルターとして有用である。拡散に対する臨界表面張力(γc)、これは固体表面のぬれ性として定義され、最も低い表面張力の場合でさえも、液体は固体上の0度を超える接触角(θ)を有し示す、は、基材の本発明の方法による処理後において、格段に減少される。
【0040】
序論
架橋は、低分子量活性基(オリゴマーなど)が、親ポリマー(例えば、ポリスルホンまたはPVDF)と共有結合して、ポリマーの表面を変性する工程である。このような化学グラフト工程のある実施態様では、重合基材を、1またはそれ以上の疎油性フルオロスルホンオリゴマーおよび重合開始剤を含む溶液中に浸し、次いで紫外線で後処理して、重合基材に対するフルオロスルホンオリゴマーのグラフトを誘導する。こうして、永続的な疎油性基が重合基材に共有結合され得る。
【0041】
重合基材
好ましい実施態様の濾過媒体の膜または他の基材を、フルオロスルホンオリゴマーとグラフト可能な任意の適したポリマーから調製することができる。このポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、またはさらに複合のポリマーであってよい。単独のポリマーであっても好ましく、あるいは2またはそれ以上のポリマーの組合せであっても好ましい。このポリマーに、前処理(例えば膜キャスティングドープ処理の形成前のスルホン化またはグラフト化)を施してもよく、あるいは膜がキャストされた後または基材が形成された後に、例えばグラフトまたは架橋などの後処理を施してもよい。
有用なポリマーにおける分子量範囲の限定は特にない。
【0042】
特に好ましい実施態様では、このポリマーはスルホンポリマー、例えばポリスルホン、ポリエーテルスルホン(PES)またはポリアリールスルホンである。他の適したポリマーとして、フッ素化ポリマー(ポリビニリデンフルオリド(PVDF)など)、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどを含むポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFEまたはテフロン( 商標 ))、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-エチレン)(ECTFEまたはHalar( 商標 ))、アクリルコポリマー、ポリアミドまたはナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン-ポリ塩化ビニル、ポリアクリロニトリル、セルロースおよびこれらの混合物または組み合わせが含まれる。
【0043】
コートされ得る基材は、任意の適した形状または形態であってよい。基材が膜である場合は、適した形態として、限定するものではないが、シートおよび中空の繊維キャストポリマー膜が含まれる。適した膜はさらに、単独のポリマー溶液またはドープ処理からキャストされた膜両方を含み、これらは一般に「一体(integral)」膜といわれ、加えて、1を超えるポリマー溶液またはドープ処理からキャストされ層になったまたは複合の膜を形成する、非一体または複合膜も含む。複合膜は、キャスティング後の2またはそれ以上の完全に形成された膜から、例えばラミネーションまたは他の適した方法によって組み立てられてもよい。適した複合膜は、同時係属の米国特許出願第09/694120号、2000年10月20日出願、表題「LAMINATES OF ASYMMERIC MEMBRANES」にさらに記載されており、これを参照して全体を本明細書に導入する。膜以外の重合基材も、好ましい実施態様によるフルオロスルホンオリゴマーのグラフトに適している。他の適した基材の非限定的な例として、中空繊維媒体、溶融吹込または他の不織媒体、織媒体、押出媒体、および堆積媒体が含まれる。適した溶融吹込基材として、限定するものではないが、ポリエステル、ポリプロピレンまたはECTFEが含まれ、これらはメリーランド州TimoniumのU.S. Filter/ Filterite Divisionから市販されている。
【0044】
好ましい実施態様の濾過媒体は、複合物、例えば、任意の上記媒体の異なる層を有する複合物、同じ媒体の複数の層を有する複合物、または同じ媒体の層であるが、異なる孔サイズ、間隙率(porosities)、ジオメトリー、配向性などが異なる層を有する複合物など、であり得る。
【0045】
本発明によるコーティングに適した基材は、対称のまたは非対称の孔構造を有する膜を含み得る。この中で使用される「非対称」の用語は、孔サイズ勾配を有する膜に関係する。すなわち、非対称膜は、膜の1表面中にまたはそれに隣接して、最も小さいまたは細かい孔を有し、これは一般に膜の「スキン」表面または「光沢のある」側といわれる。膜のスキン表面と反対側の表面との間における孔サイズの増加は、一般に段階的であり、スキン表面の最も近くで一番小さい孔サイズがあり、そして最も大きい孔は、その反対側の粗い孔の表面でまたはそれに隣接してみられ、一般に膜の「オープン」表面または「光沢のない」側といわれる。他の種々の非対称膜であって、通常「ネックを有する漏斗(funnel-with-a-neck)」構造を有するとして記載されるものは、非対称領域および等方性領域の両方を含み、この等方性領域は均一の孔サイズを有する。等方性領域は、典型的には膜のスキン表面から、膜の厚さの約5〜80%を通じて広がり、より好ましくは膜の厚さの約15〜50%からである。
【0046】
好ましい実施態様の膜は、膜の2面(両面)の間の多孔性の支持構造体も有する。膜の多孔性の支持構造体の性質は、キャスティングドープ処理および凝固バスの組成物に依存し得る。支持構造体は、閉じたセル、膜の片側から他方への実質的に同じ孔サイズを有する開いたセル、膜の片側から他方への段階の孔サイズを有する開いたセル、または一般に「マクロ空間(macrovoids)」といわれる指型構造、を有し得る。マクロ空間は典型的には、周囲の間隙率からのサイズ内で実質的に変化し、そして一般に表面孔に通じない。好ましい実施態様では、多孔性の支持構造体は、フィルターの流れと接触可能な構造的表面のネットワークを有し、ここでフィルターの流れは液体およびガスを含む任意の流体物質を含むとして本明細書で定義され、多孔性の支持構造体を介して膜を通って通過する。
【0047】
等方性、非対称またはネックを有する漏斗構造の何れを有する膜であっても、ポリマー、溶媒および非溶媒のタイプおよび濃度;ナイフギャップなどのキャスティング条件、およびドープ処理温度;キャスティングとクエンチとの間の露光時間、および露光状況の湿度などの周囲ファクター;およびクエンチバスの組成および温度、を含む、膜の調製に伴う幾つかのファクターに依存し得る。種々の実施態様では、膜のスキン側と光沢のない側との間の孔サイズにおける非対称性は、典型的には、約1:2、1:5、1:10、1:20、1:50、1:100、または1:200から、約1:1000または1:10000またはそれ以上まで、より好ましくは約1:2、1:5、1:10または1:20から、約1:50、1:100、1:200または1:1000までであり得る。
【0048】
本発明によるグラフトに適した膜として、事実上任意に形成された疎水性または親水性ポリマー膜が含まれる。適した膜は典型的には、膜のスキン側上に、約0.001μm〜約50μmまたはそれ以上、好ましくは約0.01μm〜約50μmの孔直径を有する。好ましい実施態様によるコーティングに適した膜として、例えば、典型的にはミクロ濾過膜に特徴的な間隙率を有する膜が含まれる。ミクロ濾過膜は典型的には、膜のスキン側上に少なくとも約0.01または0.05μmから、約5、8、10または20μmまでの孔直径を有する。限外濾過範囲内の膜もまた、好ましい実施態様によってグラフトされ得る。限外濾過膜は、典型的には、約10,000ダルトンから約1,000,000ダルトンまでの分子量境界を有し、そして膜のスキン側上に典型的には約0.001μmから約0.050μmの孔直径を有する。
【0049】
特に好ましい膜の前後処理(架橋またはグラフトなど)として、米国特許第5886059号(参照して全体を本明細書に導入)に記載の高度非対称ポリエーテルスルホン膜が含まれる。典型的な高度非対称PES膜は、PES膜のある側は比較的小さな直径孔を有するスキン面であり、膜の反対側または光沢のない面は、比較的大きな直径孔を有する。スキン面と反対側面との間の間隙率の差異は、典型的には少なくとも約1:2、1:5または1:10から、約1:20、1:50、1:100、1:200または1:10,000までである。好ましくは、間隙率の差異は、約1:2から約1:10,000までである。より好ましくは、間隙率の差異は、約1:2から約1:200までである。最も好ましくは、間隙率の差異は、約1:5から約1:20までである。加えて、このような膜は一般に、スキン面から反対側の面まで、孔サイズの緩やかな上昇を有する。従って、濾過中、大きな粒子はより大きな孔を通って膜に入り得るがしかし、より小さな孔を通って抜け出ない。より大きな粒子は外部表面範囲内でまさにロッジ(lodged)となるため、本明細書の方法によって作成された膜は大きい粒子によって容易には詰まらない。
【0050】
他の好ましい実施態様では、基材は、最小孔を有するミクロ多孔性の表面、および最大孔を有する反対側の表面を有する、ミクロ多孔性のPVDFポリマー膜である。このような膜は、PVDF HYLAR-461(ニュージャージー州ThorofareのAusimont USA, Inc.から入手できる)から調製することができ、そして典型的にはポリビニルピロリドン(PVP)約1%〜約30重量%を含む。
【0051】
親水性膜を、本発明によってコートしてもよい。このような親水性膜として、界面活性剤または膜の親水性を供することが可能な他の材料を用いて後処理された疎水性膜が含まれ、また、疎水性ポリマーに加えて親水性材料を含むキャスティングドープ処理によって調製された膜が含まれる。
【0052】
好ましい実施態様の濾過媒体として複合膜が含まれ得る。複合膜は複数の層を有する膜であり、多様な分離用途において好ましい。幾つかの事例では、複合膜の種々の層それぞれが、複合物に対して異なる所望の性質を与える。例えば幾つかの用途では、極めて薄い膜が、非常に小さな粒子やガスなどの分離における、平均流量を有し得る。しかし、このような薄膜は壊れやすいことがあり、そして取扱いまたはカートリッジへの梱包が困難であり得る。このような場合、壊れやすい薄層膜を、裏打ちまたは強度のあるより多孔性膜と組合せて、薄層膜の分離特性を損なうことなく、改善された強度および取扱い性を有する複合物を形成することができる。他の媒体へ膜をラミネートすることによって与えられる他の所望の性質として、増強された爆発強度、高められた厚さ、プレ濾過能力の提供、およびデバイスの組み立てを容易にする接着層の提供が含まれ得る。
【0053】
複合膜を、ラミネーション技術を用いて調製することができる。ラミネーションでは、シートを併せて積み重ねて層にし、必要に応じてシートの間に1またはそれ以上の接着材料を置いてシートの互いの結合およびラミネーションを容易にすることができ、そして加熱塗布および/または圧力塗布によって、積み重ねを一体複合膜にラミネートする。複合膜の作成の異なるアプローチは、他の層の表面上のその場で、1の膜層をキャストまたは形成する。ベース層は繊維状の裏打ち材料であってよく、または膜であってもよい。複合物として、例えば、上記媒体の任意の異なる層を有する複合物、同じ媒体の複数の層を有する複合物、または同じ媒体の層であるが、孔サイズ、間隙率、ジオメトリー、配向性などが異なる層を有する複合物など、が含まれ得る。複合物を、好ましい実施態様によって膜成分がフルオロスルホンオリゴマーでコートされる前に形成してもよく、その後に形成してもよい。
【0054】
好ましい実施態様の複合濾過媒体は、膜を含む複合物に限定されない。他の濾過媒体、例えば不織または織繊維、あるいは任意の他の適した非膜濾過媒体などを含む複合物も、意図される。
【0055】
複合物のあるタイプにおいて、好ましい実施態様の疎油性濾過媒体を、織物ファブリックあるいは他の織材料または不織材料に結合させて、液体の通過を排除でき、一方それを通じて蒸気およびガスを通過させる、層になったファブリックを形成する。このような層になったファブリックは、当業者に認識されるであろうように、好ましい種々の用途があり得る。疎油性濾過媒体(膜など)のファブリックへの結合は、通常使用される接着剤、熱結合形成などによって、達成され得る。この実施態様では、層形成前に濾過媒体をコートすることができ、またはファブリックを用いて、コーティングを濾過媒体の層形成中に同時にまたはその後に行なってもよい。
【0056】
通常使用される方法(例えば溶融吹込技術)を用いて濾過媒体に処理することが可能な、またはキャスティングまたは他の工程によって膜を形成することができ、そしてフルオロスルホンオリゴマーのグラフトによって疎油性を与えることができる、任意のポリマーが、一般に本発明の使用に適している。一般に、疎油性は油に対する反発を示す材料の特性である。疎油性材料は、油に反発し、低い表面張力値を有し、そしてアルコールなどの表面張力の低い液体に対してぬれることが可能である。
【0057】
フルオロスルホンオリゴマー
好ましい実施態様の基材は、共有結合が形成されるような、基材のポリマーへのフルオロスルホンオリゴマーのグラフトを経て、疎油性が与えられる。好ましい実施態様における使用に適したフルオロスルホンオリゴマーには、基材のポリマーにグラフト可能な官能基が導入されたものが含まれる。ここで使用される「オリゴマー」の用語は広義語であり、通常の意味で使用され、限定するものではないが、約20までまたはそれ以上の繰返しユニット、例えば約1、2、3、5、10、12、または15から、約20までまたはそれ以上の繰返しユニットが組み込まれたオリゴマーが含まれる。より小さな孔サイズを有する膜について、少ない繰返し単位を有するオリゴマーが好ましい。コートされる基材がより大きな孔の膜である場合は、より短いまたはより長い鎖長を有するオリゴマーが好ましい。一般に、膜の孔サイズがより大きい場合、オリゴマーの鎖長はより長いのが、顕著な孔詰まりを伴わず、膜のコートに好ましい。しかしながら、より長い鎖長のオリゴマーは、対応するより短い鎖長を有するオリゴマーと比べて反応性が低い傾向がある。従って、グラフトに対してポリマー基材が抵抗する場合は、より短いオリゴマー鎖長が好ましい。
【0058】
1を超えるフルオロスルホンオリゴマーを同時に使用することができる。フルオロスルホンオリゴマーは、例えば化学的におよび/または鎖長が異なっていてもよい。ここで好ましいフルオロスルホンオリゴマーは、低い表面張力の流体による低減されたぬれ性を有するように表面を誘導する能力を有するものである。定義によると、ぬれは、固体表面上で、1の流体(液体またはガスを含む)の他の流体と置き換わる工程をいう。しかしながら、多くの事例では、この用語は、液体による空気の置換を示すように使用される。
【0059】
適したフルオロスルホンオリゴマーは、アクリレートまたはメタクリレート基などの化学官能基を含み得る。好ましい実施態様では、フルオロスルホンオリゴマーはポリフルオロスルホンアクリレートである。このようなフルオロスルホンオリゴマーの非限定的な例は、以下の構造:
【0060】
【化2】
【0061】
[式中、nおよびmは約20までまたはそれ以上の整数であり、典型的には約1、2、3、5、10、12、または15から約20までまたはそれ以上、好ましくは約2、3、または5から約10、12、15または20まで、より好ましくは約5から約10、12、15または20まで、最も好ましくは約10を超える整数である。]
を有するものである。
【0062】
フルオロスルホンオリゴマーは、好ましくは溶液の形態で重合基材に塗布される。適した溶媒として、極性溶媒および非極性溶媒の両方が含まれ、フルオロカーボン、炭化水素およびアルコール(例えばイソプロパノールなど)が含まれる。好ましくは、この溶媒は基材の溶媒ではないものである。好ましい実施態様では、イソプロパノールと水との混合物が溶媒として好ましい。他の適した溶媒の非限定的な例として、t-アミルアルコール、2-メトキシエタノール、エタノールおよびメタノールが含まれる。フルオロスルホンオリゴマーの溶解性は、特定の溶媒に限定され得、懸濁液またはエマルションの構成が得られる。このような懸濁液またはエマルションから、フルオロスルホンオリゴマーを重合基材に塗布するのも適している。
【0063】
オリゴマー溶液は、実質的な孔詰まりを伴わずに、十分な疎油性のコートされた膜を与えるのに十分なフルオロスルホンオリゴマーを含む。オリゴマー溶液は、約0.05重量%またはそれ未満から約40重量%またはそれ以上のオリゴマーを含み得、好ましくは約0.1重量%〜約10重量%まで、より好ましくは約0.5〜約5重量%まで、最も好ましくは約1〜約2重量%まで含み得る。より高い濃度では、膜の孔の実質的な詰まりが認められることがあり、膜を通る空気流量の低下が生じ得る。より低い濃度では、不十分な量のフルオロスルホンオリゴマーがグラフトに使用されることがあり、十分でない疎油性を有するコートされた膜が得られることがある。何れの事例も、コートされた濾過媒体の性能は、好ましい範囲の溶液から調製されたコートされた濾過媒体のものと比較して、満足に満たないまたは不満足であり得る。オリゴマーの必要に応じた濃度は、コートされる基材に応じて変化し得る。例えば、オリゴマーの必要に応じた濃度は、より小さな孔サイズを有する膜についてはより低く、そしてより大きな孔サイズまたは編み目の粗い織基材を有する膜ではより高い。
【0064】
溶液は、必要に応じて1またはそれ以上のグラフト開始剤も含み得る。適したグラフト開始剤は、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンである。溶液中のグラフト開始剤の濃度は、約0.05重量%〜約1重量%、好ましくは約0.1重量%〜約0.5重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約0.2重量%である。
【0065】
グラフト工程
グラフト工程は、オリゴマー溶液にポリマー基材を浸す工程、および溶液を基材に実質的に貫通させる工程、を包含する。約1、5、10または15秒から約1、2、5分またはそれ以上までの浸漬時間は、オリゴマー溶液を基材に浸透させるのに、典型的には十分である。より典型的には、約15秒〜約2分の浸漬時間が好ましい。約30秒〜約1分の浸漬時間が最も好ましい。他の時間も、膜およびオリゴマー配合に依存して有利であり得る。溶液中への基材の浸漬は、任意の適した温度で、好ましくは環境温度で処理され得る。
【0066】
基材と、例えばオリゴマーの溶液、分散液またはエマルションとの接触によって、オリゴマーがポリマー基材に塗布された後、オリゴマーは基材にグラフトし、疎油性コートされた基材が得られる。グラフトは、任意の適切な方法によって開始され得る。フルオロスルホンオリゴマーを重合基材にグラフトさせるアプローチの幾つかの非限定的な例として、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オンなどのグラフト開始剤の使用、紫外(UV)線に対する露光またはグラフトを誘導するのに十分な温度への加熱が包含され得る。適した温度として、典型的には、例えば、周囲温度以上の温度からフィルターが実質的な損傷を被ることなく耐えることが可能な最も高い温度まで、典型的にはフィルターの最も低い溶融成分の融点のすぐ下の温度まで、が含まれ得る。100℃を上回る温度が好ましい。
【0067】
好ましい実施態様では、基材とオリゴマー溶液とを接触させた後、溶液から基材を取り除き、そして放射線に曝して、基材のポリマーに対するオリゴマーのグラフトを誘導する。放射線の適したタイプとして、紫外線、混合色光、赤外線、マイクロ波放射線、またはグラフト誘導可能な任意の他の放射線が含まれる。紫外線が好ましく、これはグラフトの誘導に特に効果的であるからである。紫外線は、約15nm〜約400nmまでの波長を有する。グラフトの誘導に好ましい紫外線の波長は、UV−C放射線の典型的なものであり、約15nm〜約280nmの波長が含まれる。より好ましくは、紫外線の波長は254nmである。グラフトが紫外線によって誘導される場合、照射時間は典型的には約10秒、15秒、30秒、1分、2分、5分、10分、30分またはそれ以上から、約1時間、2時間またはそれ以上までであり得る。当業者に認められるであろうように、基材およびオリゴマーの性質に依存して、他の時間が好ましい場合もある。より典型的には、照射時間は約1分〜約1時間であり、最も典型的には約1時間である。照射時間は、基材のポリマーに対するフルオロスルホンオリゴマーのグラフトの誘導の容易性または困難性に依存し得る。一般に、ポリマーがより不活性である場合は、より長いUV照射時間が必要とされる。照射は、例えば、窒素またはアルゴンパージなどの不活性雰囲気下で行なってもよい。
【0068】
照射が完了した後、好ましくはコート基材をすすいで、残りのオリゴマーを取り除く。適したすすぎ溶液として、水、アルコール、水とアルコールの混合物、またはコートされた膜に対して実質的な損傷をもたらすことなく残りのオリゴマーの除去が可能な任意の他の溶媒が含まれ得る。高温で、例えばオーブン中でコートされた基材を乾燥させることも好ましい。乾燥温度は、周囲より僅かに高い温度からコートされた膜が実質的な損傷を伴うことなく耐えることが可能な任意の高温度までの間であり得る。例えば、約100℃〜約150℃の乾燥温度が、コートされたポリスルホン基材において典型的には好ましい。あるいは、コートされた基材を、コートされた基材の性質または完全性に実質的に影響を及ぼさない、任意の他の適した方法(例えば空気乾燥など)によって乾燥させてもよい。
【0069】
基材は、好ましくは、フィルターを通過する空気流量に実質的に影響を及ぼさずに、コートされたフィルターに対して疎水性を与えるのに十分な量のフルオロスルホンオリゴマーでコートされる。
【0070】
コートされる基材
変性されたフィルターおよび変性されていない基材の相対的な疎油性は、フィルターおよび基材(まとめて「濾過媒体」という)の、表面張力の低い流体によってぬれる能力についての試験によって決められる。15℃において表面張力31.8(dynes/cm2)を有する2-メトキシエタノール少量を、ガラスピペットを用いて濾過媒体の表面上に静かに置き、そしてぬれ時間を記録する。媒体が30秒以内に2-メトキシエタノールによってぬれない場合は、結果は「ぬれなし」と記録される。好ましい実施態様の濾過媒体は一般に2-メトキシエタノールによるぬれに対して耐性であり、そして処理されていない基材と比べて、比較的より疎油性である。
【0071】
濾過媒体を通る空気流量は、ガーレー流量(Gurley Flow)単位で測定される。ガーレー流量は、空気300mlが、5オンス重量の力のもと、1”直径膜を通って通過するのにかかる時間(秒)である。ガーレー流量は、ニューヨーク州TroyのGurley Precision Instrumentsによって製造される、モデル4320 GENUINE GURLEYTMデンソメーターを用いて測定することができる。
【0072】
洗浄液貫通試験は、食器用(dishwashing)洗剤の希釈溶液による、貫通に対する膜の抵抗性の測定に好ましい。洗浄液は、静脈注射ライン中の膜と接触して、ビタミン溶液の挙動に似た挙動を示す。消費者グレードの食器用洗剤(オハイオ州CincinnatiのProctor & Gambleから入手できるDawn( 商標 )など)を希釈して、1:100の水溶液を調製する。溶液を試験用の25mm直径の膜の片側に接触させて、上部圧力のワンメーター(one meter)を適用する。1分後に洗浄液が膜を貫通しない場合は、その膜は洗浄フロー試験合格である。
【0073】
水貫通は、濾過媒体に水を強制的に通させるのに必要とされるポンド/平方インチ差異(psid)の圧力を測定することによって決定される。ポンド/平方インチ差異は、濾過媒体の反対側に存在する圧力の差異である。同程度の間隙率を有する2つの濾過媒体の比較において、水貫通圧は濾過媒体の相対的疎水性と相関関係があり、ここで水貫通圧が高いことは、その濾過媒体は低い水貫通圧を有する濾過媒体よりも疎水性が高いことを示している。
【実施例】
【0074】
以下の実施例を提供して本発明を例示説明する。しかしながら、これらの実施例は単に例示説明であって、本出願にかかる事項を限定するものではない。
【0075】
実施例1 ポリスルホン膜(BTS−65H)および1重量%オリゴマー
0.1μm疎水性ポリスルホン膜(BTS−65H、65psi バブルポイント、カリフォルニア州San DiegoのUSF Filtration and Separations Group販売)に、フルオロスルホンオリゴマーのグラフトを介して、疎油性を与えた。フルオロスルホンアクリレートオリゴマー(サウスカロライナ州West ColumbiaのFluoroChem USAから入手)1重量%、イソプロピルアルコール45重量%、および脱イオン水54重量%を含むエマルションを調製した。フルオロスルホンオリゴマーは、下記式
【0076】
【化3】
【0077】
[式中、mは約2〜10であり、nは約5〜20である。]
を有する繰返し単位種々の数のオリゴマーの混合物からなる。
【0078】
膜をエマルションに1分間浸し、次いでエマルションから取り除き、アルゴンがパージされたポリエチレンバッグに置いた。この膜を、波長254nmを有するUV光に1時間曝した。得られたコートされた膜を、イソプロピルアルコールおよび水の混合物で10分間すすぎ、次いで温度100℃で10分間乾燥させた。コートされた膜を、水貫通圧、洗浄液貫通および空気流量の試験にかけた。フルオロスルホンアクリレートオリゴマーのグラフトによる膜変性は、処理されていない膜(30psi)よりも実質的に高い水貫通圧(44psi)を示した。コートされていない膜を通る空気流量を、コートされた膜の9.0(秒/平方インチ/5オンス@10ml)と比較して、8.5(秒/平方インチ/5オンス@10ml)で測定し、フルオロスルホンオリゴマーを用いる膜のコーティングは、膜を通る空気流量に実質的に影響を及ぼさないことを示している。空気流量の影響を観測した場合、典型的には流れの速度が改善される。コートされた膜を、1メーター上部圧力洗浄液試験にかけた。ポリフルオロスルホンアクリレートコートされた膜は洗浄液試験に合格したが、一方変性前の膜は試験に不合格であった。
【0079】
実施例2 ポリスルホン膜 [( BTS−45 ) および1重量%オリゴマー
45psiのバブルポイントを有するポリスルホン膜(BTS−45、USF Filtration and Separations Group販売)に、フルオロスルホンオリゴマーのグラフトを介して疎油性を与えた。t-アミルアルコール中、実施例1のフルオロスルホンアクリレートオリゴマー1重量%を含むエマルションを調製した。実施例1と同じ手順で膜をコートした。コートされた膜を、水貫通圧、洗浄液貫通および空気流量の試験にかけた。フルオロスルホンアクリレートオリゴマーのグラフトにより変性された膜は、処理されていない膜(27psi)より実質的に高い水貫通圧(37psi)を示した。コートされていない膜を通る空気流量を、コートされた膜の5.3(秒/平方インチ/5オンス@10ml)と比較して、4.8(秒/平方インチ/5オンス@10ml)で測定し、フルオロスルホンオリゴマーを用いる膜のコーティングは、膜を通る空気流量に実質的に影響を及ぼさないことを示している。空気流量の影響を観測した場合、典型的には流れの速度が改善される。コートされた膜を、1メーター上部圧力洗浄液試験にかけた。ポリフルオロスルホンアクリレートコートされた膜は洗浄液試験に合格したが、一方変性前の膜は試験に不合格であった。
【0080】
実施例3 ポリスルホン膜 ( BTS−65H ) および、10、15または20重量%オリゴマー
疎水性ポリスルホン膜(BTS−65H)に、フルオロスルホンオリゴマーのグラフトを介して疎油性を与えた。イソプロピルアルコール中、実施例1のフルオロスルホンアクリレートオリゴマー10、15および20重量%を含むエマルションを調製した。各エマルションに1分間それぞれの膜を浸し、次いでエマルションから取り除き、アルゴンがパージされたポリエチレンバッグに置いた。この膜を、波長254nmを有するUV光に1時間曝した。得られたコートされた膜を、イソプロピルアルコールおよび水の混合物で15秒間すすぎ、空気中で30分間乾燥させ、次いで50℃の温度で15分オーブン乾燥させた。各コートされた膜について水貫通圧を測定し、それらを洗浄液貫通試験にもかけた。各膜上の異なる3点で空気流量を測定し、それぞれコートされた膜の平均空気流量を得た。実験結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】
フルオロスルホンアクリレートオリゴマー混合物をグラフトして変成した膜は、処理されていない膜と比較して、実質的に高い水貫通圧を示した。フルオロスルホンオリゴマーを用いる膜のコーティングは、膜を通る空気流量に実質的に影響を及ぼさないことがわかった。各コートされた膜は、洗浄液試験に合格した。
【0083】
実施例4 PVDF膜および30重量%オリゴマー
ポリビニリデンジフルオリド膜(USF Filtration and Separations Group販売の親水性0.45μm孔サイズPVDF)に、実施例1と同じフルオロスルホンオリゴマー混合物のグラフトを介して疎油性を与えた。イソプロピルアルコール中、フルオロスルホンオリゴマー混合物30重量%を含むエマルションを調製した。実施例3と同じ手順で膜をコートした。コートされた膜を、洗浄液貫通および空気流量の試験にかけた。試験結果を表2に示す。
【0084】
【表2】
【0085】
膜を通る空気流量は、フルオロスルホンオリゴマー混合物30重量%を含むエマルションでコートされたコーティングに実質的に影響されなかった。それぞれコートされた膜は、洗浄液試験に合格した。
【0086】
実施例5 ポリスルホン膜 ( CVO ) および25重量%オリゴマー
ポリスルホン膜(1.0μm孔サイズCVO、USF Filtration and Separations Group販売)に、実施例1と同じフルオロスルホンオリゴマー混合物のグラフトを介して疎油性を与えた。イソプロピルアルコール中、フルオロスルホンオリゴマー混合物25重量%を含むエマルションを調製した。実施例3と同じ手順で膜をコートした。コートされた膜を、コーティング処理後すぐに、洗浄液貫通、水侵入および空気流量(膜上の3つのポイントで個々3回)の試験をした。空気流量は、12時間、48時間および3週間後にも試験した。空気流量の測定中に、コートされた膜を室温で貯蔵した。試験結果を表3に示す。
【0087】
【表3】
【0088】
膜を通る空気流量は、フルオロスルホンオリゴマー混合物25重量%を含むエマルションのコーティングによって実質的に影響を受けなかった。空気流量は、最初のコーティング処理から3週間後まで、通過時間によって影響されなかった。水貫通はコーティング後において有意に高まった。コートされた膜は、洗浄液試験に合格した。
【0089】
本発明を、これらの実施態様との関連において記載してきた。さらなる変更が可能であることは理解されるであろうし、そしてこの出願は特許請求の範囲の本発明、一般的に、発明の本質の、任意の変化、使用または適合をカバーを意図しており、発明に関連する当業者の知識または通例の実行の範囲内からくる、本開示からのこのような逸脱も包含され、そしてここに記載した本質的な特徴が適用され、そして発明およびそれらの任意の均等物も範囲に含まれる。
Claims (39)
- 基材およびコーティングを含む疎油性フィルターであって、該基材がポリマーを含み、および該コーティングが該ポリマーと共有結合可能なフルオロスルホンオリゴマーを含み、
ここで該基材は、フルオロスルホンオリゴマーの該基材へのグラフトによって疎油性が与えられる、疎油性フィルター。 - 前記ポリマーがポリアルキルスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリールスルホンおよびこれらの混合物からなる群から選択されるポリスルホンを含む、請求項1記載の疎油性フィルター。
- 前記ポリマーが、ポリエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-エチレン)、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリウレタン、およびポリビニリデンフルオリドからなる群から選択される、請求項1の疎油性フィルター。
- 前記基材が多孔性膜を有する、請求項1記載の疎油性フィルター。
- 前記多孔性膜が等方性膜を含む、請求項4記載の疎油性フィルター。
- 前記多孔性膜が異方性膜を含む、請求項4記載の疎油性フィルター。
- 前記異方性膜が非対称膜を含む、請求項6記載の疎油性フィルター。
- 前記非対称膜が、支持構造体、第1多孔性面および第2多孔性面を有し、各多孔性面がそれぞれ孔直径を有し、ここで第1多孔性面および第2多孔性面の孔直径の間の非対称性が少なくとも約2:1である、請求項7記載の疎油性フィルター。
- 第1多孔性面および第2多孔性面の孔直径の間の非対称性が少なくとも約5:1である、請求項8記載の疎油性フィルター。
- 第1多孔性面および第2多孔性面の孔直径の間の非対称性が少なくとも約10:1である、請求項8記載の疎油性フィルター。
- 前記支持構造体が前記第2多孔性面に隣接する等方性領域を有し、該等方性領域が実質的に一定の孔サイズを有し、該支持構造体がさらに等方性領域に隣接する非対称領域を有する、請求項8記載の疎油性フィルター。
- 前記非対称領域が前記支持構造体の少なくとも約50%に通じて広がるが、しかし支持構造体の約85%を超えない、請求項8記載の疎油性フィルター。
- 前記第2多孔性面の孔の平均直径が約0.01μm〜約50μmである、請求項8記載の疎油性フィルター。
- 前記第2多孔性面の孔の平均直径が約0.01μm〜約10μmである、請求項8記載の疎油性フィルター。
- 前記第2多孔性面の孔の平均直径が約0.01μm未満である、請求項8記載の疎油性フィルター。
- 前記重合基材が、不織材料、織材料および溶融吹込材料からなる群から選択される材料を含む、請求項1記載の疎油性フィルター。
- 前記フルオロスルホンオリゴマーがポリフルオロスルホンアクリレートを含む、請求項1記載の疎油性フィルター。
- さらに支持体を含み、前記基材が該支持体に結合される、請求項1記載の疎油性フィルター。
- 前記支持体がファブリックを含む、請求項18記載の疎油性フィルター。
- 前記支持体が、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリ(テトラフルオロエチレン-コ-エチレン)、ポリアミド、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリエステル、ポリプロピレン、ナイロンおよびポリウレタンからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項18記載の疎油性フィルター。
- 重合基材を供する工程;
該基材と、フルオロスルホンオリゴマーを含むグラフト配合物とを接触させる工程;
フルオロスルホンオリゴマーを該基材にグラフトさせる工程;および
疎油性フィルターを回収する工程
を包含する、疎油性フィルターの製造方法。 - さらに、
支持体を供する工程;および
前記基材と該支持体とを結合させる工程、
を包含する、請求項22記載の方法。 - 前記基材と前記支持体とを結合させる工程が、基材とグラフト配合物とを接触させる前に行なわれる、請求項23記載の方法。
- 前記基材と前記支持体とを結合させる工程が、基材とグラフト配合物とを接触させた後に行なわれる、請求項23記載の方法。
- 前記グラフト配合物がフルオロスルホンオリゴマー用の溶媒を含む、請求項22記載の方法。
- 前記溶媒が非極性溶媒を含む、請求項26記載の方法。
- 前記溶媒が極性溶媒を含む、請求項27記載の方法。
- 前記溶媒がイソプロピルアルコール、水またはそれらの混合物を含む、請求項28記載の方法。
- 前記グラフト配合物がフルオロスルホンオリゴマー約0.05〜約40重量%を含む、請求項22記載の方法。
- 前記グラフト配合物がフルオロスルホンオリゴマー約0.1〜約10重量%を含む、請求項22記載の方法。
- 前記グラフト配合物がフルオロスルホンオリゴマー約0.5〜約5重量%を含む、請求項22記載の方法。
- 前記グラフト配合物がフルオロスルホンオリゴマー約1〜約2重量%を含む、請求項22記載の方法。
- 前記グラフト工程が、コートされた基材を紫外線に曝す工程を包含する、請求項22記載の方法。
- 医療デバイスであって、
該デバイスが疎油性フィルターを有し、該疎油性フィルターが基材およびコーティングを含み、該基材がポリマーを含み、および該コーティングが該ポリマーと共有結合可能なフルオロスルホンオリゴマーを含み、ここで該基材はオリゴマーの該基材へのグラフトによって疎油性が与えられる、医療デバイス。 - 前記疎油性フィルターが静脈注射流体ベントフィルターを含む、請求項35記載の医療デバイス。
- 静脈注射流体のベント方法であって、該方法が:
静脈注射流体を供する工程;
容器を供する工程であって、該容器が静脈注射流体を含み、該容器がベントを有し、該ベントが基材およびコーティングを含む疎油性フィルターを有し、該基材がポリマーを含みおよび該コーティングが該ポリマーと共有結合可能なフルオロスルホンオリゴマーを含み、ここで該基材は、フルオロスルホンオリゴマーの該基材へのグラフトによって疎油性が与えられる;および
疎油性フィルターを通して流体をベントする工程、
を包含する、方法。 - 前記疎油性フィルターをスチーム滅菌する工程をさらに包含する、請求項37記載の方法。
- 電離放射線を用いて疎油性フィルターを滅菌する工程をさらに包含する、請求項37記載の方法。
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