JP2004530116A - 空気サンプル中の燻蒸剤を検出するための方法および装置 - Google Patents

空気サンプル中の燻蒸剤を検出するための方法および装置 Download PDF

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Abstract

本発明は、空気サンプル中の燻蒸剤を検出するための方法および装置に関する。この装置は、例えば、土壌から空気サンプルを取り出すためのゾンデ(11)を備える携帯型分析装置として構成することができる。検出手段(16)は、空気サンプルと接触すると電気的シグナルを発生し、このシグナルは、空気サンプル中の検出しようとする燻蒸剤の濃度に応じて発生する。本発明による検出手段(16)は、適切な選択的表面層を有する質量感受性センサー、例えば水晶発振子のアレイを備える。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、空気サンプル中の燻蒸剤を検出するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
農業または園芸で用いられる土壌には、線虫、土壌昆虫、発芽中の植物、土壌細菌または土壌真菌などの、植物に危害を与える生物(植物病原体としても知られる)が蔓延している可能性がある。例えば、有益な植物が土壌線虫または根こぶ線虫により攻撃されることによって起こる収穫量の損失は、世界的にみて約12%であると見積もられ、これは生産者の少なくとも70億米ドルの収入損失に相当する。更に、国際植物検疫条例は、輸出および輸入される植物材料には線虫がいないこと、ならびに、それが線虫を含まない土壌で生育されたものであることを規定している。したがって、農業用に使用される土壌を、次の植付けまたは植替えの前に、例えば殺真菌剤または殺線虫剤による処理によって駆除/消毒することがしばしば必要となる。
【0003】
多くの場合、燻蒸剤(土壌用の燻煙剤またはガス発生製品)と呼ばれるものが、土壌の駆除/消毒に用いられる。燻蒸剤は通常、液状形態または固形形態で適用される。液状の燻蒸剤は、蒸気圧が高いために土壌中で作用し、一方、例えば顆粒の形態で土壌に投入された固形化合物は、土壌の水分の存在下で分解して、ガス状の殺生物的に活性な化合物になる。製剤は、土壌の毛管系を通って拡散し、そこで害虫と接触し、呼吸性の毒薬として作用する。燻蒸剤はまた、直接接触した際に接触型毒薬として作用することができる。
【0004】
ここ何十年の間、臭化メチルが最も広く用いられる土壌用のガス発生製品であった。しかし、臭化メチルは、地球のオゾン層の破壊の一因となる物質であることが知られている。このために、1997年、「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」の第2回協議会において、100国以上の国々が、工業的国では2005年から、発展途上国では2015年から、臭化メチルをもう使用してはならないことを決定した。1998年、米国議会は、「モントリオール議定書」に合わせて、既に2001には発効させようとしていた臭化メチルの禁止令を2005年まで延期した。
【0005】
こうした理由から、臭化メチルの代替として、他の土壌用駆除剤/消毒剤が益々もって検討されている。
【0006】
かくして、米国特許明細書US-A-2,838,389号は、一般名が「ダゾメット(dazomet)」である、式:
【化1】
Figure 2004530116
のテトラヒドロ-3,5-ジメチル-1,3,5-チアジアジン-2-チオンの、農業および園芸における土壌の駆除/消毒用製品としての使用を記載している。ダゾメットが適用されると、式:
Me−N=C=S
のイソチオシアン酸メチル(MITC)が実際の生物活性物質として放出される。したがって、ダゾメット自体は、プロドラッグ前駆体として知られるものを構成しているにすぎない。もっと最近の文献では、ダゾメットをバスアミド(Basamid)(登録商標)顆粒(バスアミドはBASF AG, Ludwigshafenの登録商標である)の形態で用いる土壌の駆除/消毒が、Forest Prod. J. 43(2) (1993), pp. 41-44;Acta Horticulture 382 (1995) pp. 110以下、およびFrand Fiber Science 27(2) (1995), pp. 183-197に記載されている。
【0007】
バスアミド(登録商標)顆粒は、湿潤な土壌に適用した場合だけ活性になる、比較的不活性な固形物質である。バスアミド(登録商標)の好ましい適用分野は、観葉植物、野菜およびタバコ、苗木、果実、ワインおよびホップの生産、ならびにコンポストおよび温室の土壌の駆除/消毒である。バスアミド(登録商標)顆粒は、98〜100%のダゾメットを含み、噴霧により適用され、20〜30cmの深さ、必要によっては50cmの深さで土壌に取り込まれる。次に、土壌を通常、プラスチック製シートで覆って、処理時間の間ずっと湿潤状態に保ち、気体状の活性成分が必要以上に早く失われないようにする。
【0008】
ダゾメットと同様にMITCを放出する別の液状土壌駆除剤/消毒剤は、メチルカルバモジオン酸ナトリウムであり、VAPM、METHAMFLUID、AAMONANまたはDICIDの商品名で販売されている。また、MITCは、燻蒸用に、直接的に、またはTRAPEXおよびVORAXの商品名の製剤として使用されることが多い。それはまた、メタムとの混合物として使用することもできる。この物質は、典型的には、有機溶剤中の濃度20%の溶液として使用され、その有機溶剤は活性成分の揮発性を促進することを意図している。
【0009】
もう1つの液状の土壌駆除剤/消毒剤および殺線虫剤は、1,3-ジクロロプロペン(1,3-DCP)であり、DCP50、SCHELL-DD、TELONEまたはDI-TRAPEXという商品名で販売されており、MITCと組み合わせて使用することも可能である。
【0010】
既知の土壌用のガス発生製品は、高い植物毒性を示す。したがって、それらは、作物が処理しようとする領域から既にきれいに取り除かれている場合にのみ使用可能である。土壌の駆除剤/消毒剤の各使用の後は、新しい有益な植物および作物植物が播種または植付けできるようになるまで一定期間を空けなければならない。これは、新たに播種された、または新たに植付けられた作物に対する副作用の危険が確実に無くなるようするためである。
【0011】
しかし、上記で述べた土壌用のガス発生製品の生物活性物質の活性化、放出および分解については比較的ほとんど知られていない。しかし、土壌中でのガス発生製品の代謝に影響を及ぼす重要な要因は、土壌の温度、含水量、およびpHである。土壌のタイプ(例えば遷移金属の存在)もまた、これに関してある役割を担っている。
【0012】
同様に、肥料および他の物質の適用が、土壌用のガス発生製品が土壌から放出される速度にかなりの影響を及ぼす。したがって、近年、チオ硫酸を含む肥料が、通常は高い1,3-DCPの揮発性を低下させることが示されているだけである(Ganら, Journal of Environmental Quality 29(5) (2000), 1476-1481頁)。
【0013】
こうした多くの要因によって、特定の適用の場合の時間の関数としての土壌中のMITCまたは1,3-DCPの濃度は、測定を行わない限り、十分な精度で見積もることはできない。
【0014】
しかし、MITCおよび1,3-DCPには植物毒性があるために、土壌中の正確な残留MITCおよび1,3-DCP含有量を知ることが使用者にとって重要であるだけでなく、これらの物質には有害作用があるために、作業安全性の理由から、室内空気および大気をモニターすることが必要である。かくして、ダゾメット顆粒が用いられる場合、MITCは、30℃以上の高い土壌温度および十分に高い土壌含水量において非常に急速に放出されることが示されている。特に温室に適用する場合、この顆粒が土壌に取り込まれた際に、換気や用途が不適切であると、放出されたMITCによって粘膜および眼の一過性の刺激が起こることが観察されている。これに関して、メタム(metam)液体またはメタムナトリウムは、非常に急速且つ大量に気体を発生させる傾向があるので、温室ではある制限範囲内でのみ使用可能であること、あるいは、例えばカリフォルニアのように、そうした用途には承認されていないことも知られている。したがって、迅速且つ信頼性のある測定方法がなければ、農業作業者および他の使用者が、不必要に長時間放出されるMITCもしくは1,3-DCPまたは必要以上に高濃度のこれらの気体に暴露される危険がある。
【0015】
土壌気体のMITCおよび/または1,3-ジクロロプロペンを検出するための分析方法またはクロマトグラフィー法として様々なHPLC法およびGC法が知られている(例えば、Subramanian, Environm. Toxicol. Chem. 15 (1996), 503-513頁を参照のこと)。したがって、例えば、馬鈴薯生産における農業作業者の殺線虫剤cis-1,3-ジクロロプロペン(cis-DCP)への暴露の検出、およびヒトに及ぼすその影響の測定は、従来は尿分析により行われてきた。近年になってからやっと、あるオランダ人の研究において、観察期間の日数の20%以上において、一日暴露量の法的上限を上回っていることが判明した(Brouwerら, Occupational and Environmental Medicine, 57(11) (2000), 738-744頁)。
【0016】
イソチオシアネートの化学的(特に湿化学的)、有機的および無機的な検出方法が同様に知られている。かくして、Bull. Chem. Soc. Jap. 52, (1979), 2155-2156頁では、イソチオシアネートをアルキルアミンと反応させてアルキルチオ尿素を形成させることによる、一塩化ヨウ素を用いたイソチオシアネートの検出が開示されている。
【0017】
しかし、これらの検出方法は、感度が十分でないか、非常に煩雑で、設備が十分に整っている施設でしか実施できない。したがって、これらの方法は、作物保護製品の使用者による日常的な使用には不適当である。
【0018】
しかし、メタム-ナトリウム、1,3-ジクロロプロペンおよび/またはダゾメットの適用を利用した後、使用者は、未だ無機物化も分解もしていないMITCおよび/または1,3-DCPの土壌中の残留量の存在を試験することが特に重要である。存在する場合、使用者は一定期間が経過するのを待たなければならない。何故ならば、新たな有益な植物および作物植物を播種または植付けした場合に、土壌中のこれらの物質の残留量が植物被害を引き起こす可能性があるからである。特に固形製品ダゾメットを使用する場合、MITCの検出は特に重要である。これは、既に上記で説明したように、MITCの放出および無機物化は土壌の構造、温度、水分量、肥料のタイプおよび濃度、ならびに他の要因によって多大に影響を受けるからである。
【0019】
通常、使用者は現在、クレソンおよびタバコの種子を用いたバイオテストシステムを利用している。これは、特に現場での適用向けに開発されたものである。それは、これらの種子が微量のMITCにより発芽抑制されるので、残留MITCを間接的な指標になる、という事実に基づく。しかし、クレソン試験として知られているこの試験は煩雑であり、そのため、例えばクレソンが出芽すること、すなわちそれ自体が定着することが実証できるまで数日かかる。そうしたバイオテストのもう1つの欠点は、例えば流入水の管理による、MITCの擬陽性もしくは擬陰性の検出または徴候である。
【0020】
国際特許出願WO99/66304から、人工的な嗅覚検査法を用いたアナライトの微量レベルの検出のための方法および装置が知られている。本来は悪臭呼気や歯周病の検出のような医学的用途に関するものであるが、燻蒸剤の検出を含む多くの他の適用分野、および多くの異なるセンサータイプについても簡単に述べられている。しかし、WO99/66304は、流体濃縮装置を提供することを示唆していること以外に、どうすれば空気サンプル中で微量レベルのアナライトが確実に検出できるかについての技術的教示については開示していない。特に、この文献は、MITCまたは1,3-DCPの検出には関連していない。
【0021】
イソチオシアン酸メチル(MITC)の感覚的検出のためのバイオセンサーは、既に開発されている(Iwuohaら, Analytical Chemistry, 69(8) 1674-1681 (1997))。このバイオセンサーは、液状の有機相中で作動するアンペロメトリック酵素電極(OPEE=有機相酵素電極)を用いる。酸化還元酵素の基質として適格であるこれらの化合物は、それらの利用可能性のために、適当な溶剤中(すなわち液相中)で検出でき、煩雑なサンプル調製は必要ない。OPEEが利用できる前は、水に可溶性のアナライトだけが分析可能であった。しかし、OPEEにより発せられるセンサーシグナルは、天然酵素が固定されている電極によって水中で得られるセンサーシグナルよりもかなり弱い。Iwuohaら(上記)によれば、OPEEの感度は、2つの方法、すなわち、天然酵素を有機媒体(例えばアセトニトリル、CH3CN)と水からなる溶剤混合物中で用いるか、天然酵素を、そのアミノ酸ユニットを変えることにより改変させること(つまり、人工酵素を使用すること)により、改善できる。Iwuohaらにより記載されている2つのバイオセンサーのタイプはそれぞれ、これら2つの原理の一方を用いるものである。西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)は、基本酵素として普遍的に作用する。この酵素は、H2O2と反応して、センサーシグナルを生じる。しかし、MITCはHRPを阻害するので、既存濃度のMITCは、適切にコーティングされたバイオセンサーの、特定のH2O2濃度に対する応答挙動を変化させる。この目的に適合させた改変型酵素は、ホモビファンクショナル剤であるスベリン酸ビス(N-ヒドロキシスクシンイミデート)で改変されていてSA-NHSを生じるHRP、またはエチレングリコールビス(N-ヒドロキシスクシンイミデート)で改変されていてEG-NHSを生じる酵素のいずれかである。電極は、文献に記載されている静電的複合化法を利用して製造した。
【0022】
しかし、既知のMITC用バイオセンサーは、農業および園芸用途における使用には不適当である。この理由は、ガス状のアナライトは、まず最初に適切な溶剤に溶解されなければならず、次に溶解した形態で実際のセンサーと接触しなければならないからである。そのようなセンサーは、新しい溶剤と使用済みの溶剤、ならびに洗浄液およびパージガス用に容器が必要であること、そしてそれに伴ってラインの配置が煩雑であることから、製造に費用がかかるだけでなく、非常に重く、非常に複雑で取扱いに注意を要するので、移動式の分析装置には不適当である。更に、達成可能な検出感度は、農業および園芸における使用には低すぎる。
【発明の開示】
【0023】
本発明の目的は、空気サンプル中の燻蒸剤の簡易で確実な検出方法を提供する、という技術的問題に対処することであり、この方法は、土壌駆除剤/消毒剤の使用者が、農業および市場向け野菜栽培園において現場使用でき、土壌空気中または大気中の燻蒸剤の残留量を確実かつ正確に検出するのに十分な感度を持っている。特に、本発明による方法を使用することにより、使用者が従来使用されてきた煩雑で時間のかかるクレソンテストを使用しなくても、有益な植物および作物植物の新たな播種または新たな植付けにおいて起こる危険、例えばバスアミドまたは1,3-ジクロロプロペンの適用の後で起こる危険を回避するものである。また、土壌駆除剤/消毒剤のより確実でより制御された使用を可能にする、土壌駆除剤/消毒剤による植物病原体の防除方法を提供しようとするものである。最後に、分析化学の知識が無くても使用可能で、軽量で小型の携帯型分析装置として使用可能な、空気サンプル中の燻蒸剤を検出するための安価で小型の装置を提供しようとするものである。
【0024】
本発明者らは、この目的が、空気サンプル中の燻蒸剤を化学センサーによって測定することにより達成されることを見出した。化学センサーとは、化学物質に特異的である測定可能な変数を、評価可能なシグナル(特に電気的シグナル)へと変換するセンサーである。そうしたセンサーは、異なる物理的測定原理に基づくものとすることができる。例えば、金属酸化物半導体(MOS)または金属酸化物半導体電界効果型トランジスター(MOSFET)などの半導体素子、ならびに導電性ポリマーセンサー(CPS)としても知られる導電性ポリマーは、感受性センサー要素として作動し得る。驚くべきことに、ここで、検出しようとする燻蒸剤に選択的な表面層でコーティングされている質量感受性センサーが、空気サンプル中の燻蒸剤を、農業および園芸における使用に要求される感度レベルで検出するのに非常に特に適することが判明した。
【0025】
質量感受性センサーは、例えば「水晶発振子」(QMB)または「弾性表面波装置」(SAW)として知られている。水晶発振子は、例えば塗装プラント(例えばスパッタリングプラント)において、塗装厚をモニターするのに用いられる。通常、水晶発振器が電気的共振回路に組み込まれている。水晶を金属電極と接触させ、逆圧電効果を引き出し、水晶の機構上自然な周波数に対応する周波数(典型的には無線周波数範囲)で刺激する。これにより、共振振動の刺激が起こり、これが共振回路の安定な振動周波数を決定する。ここで、共振周波数は水晶発振器の質量に依存するので、例えばアナライトの吸収または吸着による質量の変化は共振周波数の変化として検出できる。1Hzの範囲の周波数変化は、電気的ブリッジ回路により測定できる。
【0026】
したがって、本発明は、空気サンプル中の燻蒸剤の検出方法に関するものであり、そこでは、空気サンプルを吸い込み、吸い込んだ空気サンプルを、少なくとも1つの質量感受性センサーと接触させ、但し、その質量感受性センサーは、検出しようとする燻蒸剤に対して選択的な表面層でコーティングされており、そのセンサーの質量変化を電気的シグナルの形で検出し、その電気的シグナルを評価する。
【0027】
本発明によれば、燻蒸剤は、例えば、土壌駆除剤/消毒剤で処理されている土壌からの土壌空気中で検出できる。農業作業者または温室での作業者への暴露をモニターするためには、質量感受性センサーもまた、土壌近傍(好ましくは地面から1〜3m上)の空気中または室内空気(特に温室)中の燻蒸剤を検出するのに使用できる。
【0028】
質量感受性センサーは、MITCおよび/または1,3-ジクロロプロペン(1,3-DCP)の検出に特に好ましく使用される。しかし、質量感受性センサーは、他のガス状燻蒸剤の検出、特に臭化メチルの検出にも使用可能である。
【0029】
このセンサーは、検出しようとする物質(例えばMITC)に対して可能な限り選択的なコーティングを備えている。したがって、理想的には、関心のある物質を検出するには、高度に特異的なコーティングを備えた単一のセンサーであれば十分である。しかし、空気サンプル中(特に農業地区からの土壌空気中)には、複数の異なる物質が存在する。大気中に存在する気体に加えて、土壌空気は、主に分解性有機物質が微生物により分解される結果として、CO2含有量の増大を示す(典型的には0.3〜3.0容量%、場合によっては最大10容量%)。更に、主に微生物処理によって、土壌中には他の気体も形成される。種々の土壌の存在物質およびEh-pH条件(季節毎に異なる)に応じて、これらは、例えば、N2O、NO、NO2、NH3、SO2、H2S、CH4、C2H4、および蒸気圧が比較的高い他の物質である。更に、周囲空気および土壌の汚染の程度によって、燃料、溶剤、および人為改変源に由来する他の物質などの揮発性有機化合物の存在が土壌空気中に見られる、と見込んでおかなくてはならない。およそ15年前、南ドイツの殆ど汚染されていない土壌でさえも、土壌空気中に0.1〜112μg/m3のテトラクロロエチレン含有量が測定され、ほぼ同様のトリクロロエテン含有量及びトリクロロエタン含有量の増大が測定された。
【0030】
通常、コーティングされた質量感受性センサーは、気体混合物中の個々の(しかし通常は複数種の)成分に対して、ある程度の際だった感度を示す。化学センサーは、いわゆる交差感受性というものによって、関連する性質を持つ物質に対してほぼ同程度の感度を示すことが多い。したがって、通常、これらの物質同士を区別するためには、または1つの化学的化合物だけを明確に検出するためには、センサーアレイとして知られる、複数のセンサーを好適に組み合わせたものが必要になる。広範な化学的感受性測定原理に基づくそうしたシステムは、燻蒸剤の検出以外の用途のための「電子ノーズ」という名称で既に文献に記載されている。
【0031】
したがって、本発明によれば、好ましくは異なる選択的層でコーティングされている複数のセンサーを使用することが好ましい。基本的に、検出しようとする物質に対する個々のセンサーのコーティングの特異性が低いほど、そしてセンサーアレイの適用範囲が広いほど、それだけ多くのセンサーが必要になる。燻蒸剤を検出するためには、特に例えばMITCまたは1,3-DCPなどの数種の物質を検出するためには、2〜12個、特に大体6個の異なるセンサーが用いられる。
【0032】
しかし、これまでに文献に記載されている選択的コーティングでは、空気サンプル中の燻蒸剤の検出には不適当であるか、感度が不十分である。適切な層の選択および組合せの選定基準は、例えば、Nakamuraら, Sensors and Actuators B 69/3, 295-301(2000)に記載されている。更に、ポリジメチルシロキサン、ポリエーテルウレタン、ポリエチルセルロースまたはポリシアノプロピルメチルシロキサンでコーティングされ、4つの圧電センサーからなるアレイとして操作される、金電極およびAT-カット水晶結晶板を備えた圧電センサーシステムが記載されている。水晶を、一定温度に維持可能であり、且つ気体の吸気口および排気口が備わったチャンバーに配置した。データ集め、気体混合物およびそのチャンバー内での流れは、パーソナルコンピューターで制御した。チャンバー内の気体の濃度およびセンサーの感度の標準化は、室温での等温暴露により行った。気体の濃度は、トルエンとクロロホルムの場合は100〜1000ppm、n-オクタンの場合は250〜2000ppmとした。
【0033】
驚くべきことに、ここで、大環状分子および/またはデンドリマーによる質量感受性センサーのコーティングが、燻蒸剤の検出にとって特に好適な選択的コーティングであることが判明した。そうしたコーティングは、例えば、Ehlenら, Angew. Chem., Int. Ed. English 32, 111-112(1993)により溶剤蒸気の重量測定による検出用として既に記載されている。更に、そのような選択的コーティングは、気相のカルボニル化合物およびアンモニアの検出に使用されている。
【0034】
本発明によるセンサーの好ましい適用分野は農業部門であり、その場合、計測の技術分野にあまり習熟していないオペレーターによる使用も意図される。したがって、質量感受性センサーは、特に頑丈で、取り扱い易く、安価であることが望ましい。そうであっても感度の高い測定が実行できるようにするためには、検出しようとする燻蒸剤は、本発明による方法の特に好ましい実施形態では、まず、質量感受性センサーと接触させる前に濃縮される。この目的のために、例えば、まず土壌気体を、例えばシリカゲルまたは「TENAX」で作られた吸着材または吸収材に通過させるか、あるいはアナライトをまず濃縮し、続いて濃縮形態で不活性気体(例えば空気または窒素)を利用してセンサーに送り出す。
【0035】
有利には、空気サンプルの水分含有量を更に測定して、例えば過度に乾燥した空気の場合には土壌中のダゾメットの変換が不十分であることの指標が得られるようにする。例えば過度に乾燥した空気の場合は、より多くの未反応のダゾメットが土壌中に依然として存在している可能性があるので、シグナルによって、読取り値が信頼できない可能性があることを示すことが可能である。
【0036】
例えば土壌-空気サンプルを測定するために、プローブを土壌に、数センチメートル〜数十センチメートルの深さに挿入することができ、そのプローブを通じて吸引ポンプにより特定量の空気を吸い込み、質量感受性センサーを通過させることができる。検出しようとする物質は質量感受性センサー上に析出し、センサーが組み込まれている共振回路の共振周波数を変化させる。
【0037】
本発明のもう1つの実施形態によれば、試験しようとする土壌サンプル(例えば数百グラム)を容器に充填する。続いて、土壌サンプルから放出された燻蒸剤を含む空気を、その容器から抜き取り、センサーアレイを収容している測定チャンバーに移す。
【0038】
測定の精度を高めるために、空気サンプルを測定チャンバーに抜き取る前に、空気サンプルから水分を除去してもよい。
【0039】
また、本発明は、植物病原体の防除方法であって、土壌を有効量のその土壌に対するガス発生製品で処理し、次に、放出された燻蒸剤を、質量感受性センサーを使用する上記の方法により検出することを含む方法にも関する。
【0040】
本発明は更に、空気サンプルを取り出すためのサンプリング手段と、空気サンプルと接触すると、その空気サンプル中の検出しようとする燻蒸剤の濃度に応じた電気的シグナルを発生する検出手段と、空気サンプル中に存在する燻蒸剤の濃度を上記検出手段により与えられる電気的シグナルに基づいて算出する評価手段とを備えてなり、但し、この装置の検出手段は、検出しようとする燻蒸剤に対して感受性の表面層でコーティングされている少なくとも1つの質量感受性センサーを備えている、空気サンプル中の燻蒸剤の検出装置に関する。
【0041】
質量感受性センサーは、例えば、弾性表面波装置を備えることができる。質量占有率の変化は、弾性表面波装置を用いて非常に好感度で測定できるが、そのようなセンサーは温度に対しても非常に感受性が高いので、共振器の一定温度を維持するためには広範な測定を行わなければならない。したがって、弾性表面波装置は、本発明の目的にとって好ましい農業分野における適用にはあまり適さない。したがって、質量感受性センサーとしては、少なくとも1つの水晶発振子が特に好ましく用いられる。水晶共振器は、電気共振回路内の圧電共振器を構成する。共振器において質量が変化すると、共振回路の共振周波数のシフトが起こり、これを電子的に評価することができる。
【0042】
そのうちの少なくとも1つが検出しようとする燻蒸剤に対して選択的な表面層でコーティングされているセンサーである質量感受性センサーアレイが好ましく使用される。しかし、好ましくは、2つ以上のセンサーが異なる選択的な層でコーティングされており、得られたシグナルはケモメトリカル法として知られる方法により評価される。
【0043】
検出しようとする燻蒸剤に対して選択的な表面層は、好ましくは、大環状分子(例えばラクタムアミド型の大環状分子)および/またはデンドリマーを含む。その大環状分子および/またはデンドリマーの分子組成を適切に調整することにより、MITCまたは1,3-DCPの取込み/吸着に対するその層の高い選択性を得ることができることが判った。
【0044】
本発明による装置の1つの好ましい別タイプによれば、検出しようとする燻蒸剤のための少なくとも1つの濃縮ユニットが更に設けられる。
【0045】
好ましくは、測定チャンバーの上流にある流体経路内に、検出しようとする燻蒸剤に対しては透過性であるが空気サンプルに含まれる水分に対しては非透過性である水分または蒸気の防壁が配置される。好ましくは、その水分防壁は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)箔を含む。試験しようとする土壌用のサンプル容器を含む1つの実施形態では、この水分防壁は、土壌が詰め込まれていてもよいLLDPEバッグまたはインライナーとすることができる。典型的には、LLDPE箔の厚さは5〜50μm、好ましくは5〜10μmである。したがって、使い捨てLLDPEバッグは、水分防壁として機能するだけでなく、各使用の後でサンプル容器(例えば、燻蒸剤を妨げないステンレス鋼または他の表面で作られた箱)を清浄に保てるようにする。
【0046】
本発明による検出装置は、特に頑丈で安価に製造でき、また、濃縮ユニットと共に設計することで非常に小型とすることができる。したがって、特に、本発明による装置により携帯型の分析装置が実現できる。例えば、農業における使用の場合、この分析装置は、サンプリングのために土壌に刺し込むことができる棹状のプローブを含むことが可能である。
【0047】
また、読取り値を(好ましくは無電で)中心のデータ収集ステーションへと伝送する伝送器を含む据置き型の分析装置も設計することが可能である。
【0048】
以下、本発明を、添付の図面に示される使用実施例に関連して、更に詳細に説明する。
【0049】
図面において、
図1は、土壌空気中の燻蒸剤を検出するための、本発明による携帯型分析装置の概略図を示し;
図2は、図1の分析装置の測定チャンバーの概略図を示し;
図3は、図2の測定チャンバーにおいて使用される、選択的表面層を有する2つの質量感受性センサー要素の概略図を示し;
図4は、選択的表面層のための超分子ユニットの合成原理の一例を示し;
図5は、選択的表面層の大環状分子の概略的な合成戦略を示し;
図6は、選択的表面層の製造に適する大環状分子の一例を示し;
図7〜12は、選択的表面層の製造に適するデンドリマーの例を示す。
【0050】
図1は、空気サンプル中の燻蒸剤を検出するための、本発明による装置の1つの実施形態を示す。この本発明による装置は、携帯型の突刺プローブ10として設計される。このプローブ10は、土壌空気をサンプリングするためにその先端部12と共に土壌Bに挿入可能なシャフト11を有する。シャフト11の外周縁には、シャフトが土壌に挿入されると段(step)として作用するえり形のシート13が備わっていて、サンプリングが常に規定の深度で行われるようになっている。シャフト11の内部には、先端部12にあるシャフトの外周縁に通じて開口している導管14が備わっている。導管14の開口部は、土壌空気を吸い込んだ時に土壌または他の固体粒子が吸い込まれないようにする細かいメッシュ15で覆われている。導管14は、検出手段16に通じており、この検出手段16は、燻蒸剤を検出するための水晶発振子アレイが配置されている測定チャンバーを含む。検出手段16の好ましい1つの実施形態を、更に詳細に図示している図2と関連して、以下に更に詳細に説明する。排出管17は、検出手段16から延びており、搬送手段18に向かって開口している。搬送手段18は、例えば送風機や吸引ポンプとして設計でき、土壌空気を導管14を経て検出手段16を通して搬送する。更に、パージ用および/または較正用ガスを含む1つ以上のカートリッジ19を設けることができる。図示の例では、プローブ10上のハンドル20内には、プローブに電力を供給する電源手段(例えばバッテリー21)が配置されている。
【0051】
プローブは、読取り値を視覚的かつ/または聴覚的に示す適当な表示ユニットとなり得る。更に、遠隔制御およびデータ転送のための転送および受動ユニットを設けることも可能である。そうしたユニットは当業者には公知であり、ここでは更に詳細には説明しない。
【0052】
図2は、質量感受性センサーを有する検出手段16の1つの好ましい実施形態の概略図である。当然、検出手段16は、土壌用のサンプル容器(図示せず)が用いられる場合にも使用できる。検出手段16は測定チャンバー22を含み、この測定チャンバー22は、例えば図示の例では、水晶薄板23、24によって上下の範囲が規定されている。複数の金属スポット25は、アレイの個々のセンサーを規定するものであり、水晶薄板上に蒸着されている。個々のセンサーは、例えばエレクトロスプレーにより選択的表面層でコーティングされている。コーティングのうちの幾つかは、検出しようとする燻蒸剤に対して特に高い選択性を有することが好ましい。また、1つ以上のセンサーが、検出しようとする燻蒸剤に対しては非感受性であるが空気中に存在する水分に対しては特に感受性である物質でコーティングされていてもよい。1つの好ましい水分感受性物質は、例えばポリビニルピロリドン(PPy)である。また、1つ以上のセンサーがコーティングされていなくてもよいし、あるいは水分にも土壌気体中の他の成分にも感受性ではない特に不活性なコーティングが施されていてもよい。そのようなセンサーは、例えば温度の変化によって起こるような、評価エレクトロニクスにおけるズレをモニターするのに特に適する。そうしたセンサーシステムの更に詳細な図面、特に気体の濃度を測定する場合に有利な測定モードの記載は、Boekerら, Sensors and Actuators B 70 (2000), 37-42に見られる。個々のセンサー要素の構成を、図3の図面に関連して、以下に更に詳細に説明する。
【0053】
図2に示す例において、濃縮ユニット26は、測定チャンバー22の上流に配置される。例えば土壌中の水分だけを測定しようとする場合、または検出しようとする燻蒸剤がより高い濃度で存在する場合、この濃縮ユニットはバイパス27を通って迂回させることができる。流路は、適当なバルブユニット28、29によって調節され、そのバルブユニットは制御ユニット(図示せず)により自動的に制御される。上流濃縮を用いる測定を行うために、まず土壌空気を導管14を経て濃縮ユニット26および導管30を通ってポンプ18(図2には図示せず)へと搬送する。測定チャンバー22への連結管31を閉じる。濃縮ユニット26の内部には、吸着剤または吸収剤として例えばシリカゲルまたはTENAXを配置することができる。所与の濃縮時間の後、導管30を閉じ、測定チャンバー22に繋がる導管31を開く。吸収/吸着した物質を加熱装置32によって熱的に脱着させ、搬送ポンプおよび/またはカートリッジ19内に入れたパージガスを利用して濃縮ユニット26から測定チャンバー22へと移送する。本発明の特定の実施形態では、測定チャンバー22の上流に水分防壁46(例えばLLDPE箔)が設けられる。
【0054】
燻蒸剤を検出するために本発明に従って使用される水晶発振子の測定原理は、分析論の他の分野の習熟者には公知であり、したがって、図3の図面に関連して簡単に述べるに留める。センサーアレイのそれぞれ個々の要素(図3では、これらの要素のうち2つを示す)は、土壌空気サンプル33(記号として丸34、三角35または四角36として示す)の個々の成分に対する選択性に関して異なる選択的表面層31、32となる。例えば、層31は、丸34の空気成分に対して特異的に選択的であり、層32は三角35として示される空気成分に対して特異的に選択的である。空気サンプルの成分の吸着または吸収による個々のセンサー要素の質量の変化は、周波数カウンター39、40によって、発振回路37、38(概略的に図示)の共振周波数の変化で評価される。しかし、実際には、個々のセンサー要素は決して100%選択的という訳ではない。そのため、例えば、実際の測定を行う場合、センサー要素31は、空気の構成成分35、36に対してもある程度は応答する。したがって、個々のセンサー要素31、32により得られる読取り値は、電子的シグナル評価ステージ41に供される。このステージは、下流に配置され、それ自体公知であるケモメトリック法により土壌-空気サンプル33中の個々の成分の濃度を測定するものである。
【0055】
驚くべきことに、空気サンプル中の燻蒸剤を検出するための選択的コーティング31、32には超分子系が特に適することが判明した。特に、その単分散性のために、大環状分子およびデンドリマーとして知られるものが魅力的である。何故ならば、それらは可逆性で、迅速に応答し、且つ再現性のある気体センサーの構築を可能にするからである。更に、それらは、多くの方法で設計でき、且つ検出しようとするアナライトの空間的要件に特に適合させることができる空隙があるために、多様性および自由度に優れた設計を可能にする。ホスト−ゲスト相互作用(個々に形成された水素結合も起因している)を利用することにより、あるいは特定のドナー−アクセプター相互作用を利用することにより、個々に調整されたホスト系を合成することができる。超分子ホスト系は、例えばデンドリマーが種々のタイプの官能基に対して高い許容を示すので、当該のホストへの理想的な適合をある程度まで可能にする。
【0056】
図4は、一例として、ナノメートル規模での超分子ユニットの合成原理を示し、ゲスト分子42は、2個の超分子ユニット43、44の環化のための鋳型として働いて、ホスト分子45を生じる。魅力的なホスト45の具体的合成はこのようにしてなされ、本文脈における関心のある燻蒸剤のための基質選択的層システムとしてのその適応性は、本発明の装置を用いて試験し最適化することができる。
【0057】
図5は、選択的表面層として適する大環状分子の合成戦略の一例を示す。大環状分子を製造するための汎用性の高い合成戦略が特に有利であることが判明している。大環状分子となるべき側方成分A、Cだけでなく、スペーサーBも、互いに独立して様々に変えることができる。これにより、ホスト−ゲスト相互作用のタイプおよび強度を目的とする様式に予め設定しておくことが可能になる。このことは、これらのホスト分子が、センサー活性層として担うべきものに容易に適合させることができることを意味する。
【0058】
特定のゲスト分子の吸着および脱着のためのインターカレーションプロセスの熱力学的パラメーターおよび動力学的パラメーターの両者が測定できる。得られた情報は、ゲスト分子の関連する種同士の最適化または正確な区別に使用して、カルボニル化合物の関連する種間での検出および区別のための本発明による装置のセンサー活性層の選択性および感受性を実質的に向上させることができる。大環状分子およびカテナンの化学に関しては、特にVogtleら, Angew. Chem. 104 (1992), 1628-1631;Angew. Chem. Int. Ed. Engl. 31 (1992), 1619-1622のパイオニア的研究を参照することができる。また、合成戦略は、例えばOttens-Hildebrandtら, J. Chem. Soc., Chem. Commun. (1995), 777-779にも見られる。
【0059】
予め構成され、且つアミド基があるために水素結合できるホストの構造は、特に好適なセンサー活性層であることが判明している。これらの要件を満たす環状分子の一例として、図6にラクタム系大環状分子を示す。環は4つの可能性のある配位中心をアミド基、チオアミド基またはスルホンアミド基の形態で有する。
【0060】
最後に、特にMITCおよび/または1,3-ジクロロプロペンの検出に適する、選択的表面層を製造するための好ましいデンドリマーを図7〜12に示す。
【0061】
実施例
空気サンプル中のイソチオシアン酸メチル(MITC)を検出するための装置は、ラクタムアミド型大環状分子(J1と命名)の表面層を有する6つの個々の水晶発振子(HKR Sensorsysteme GmbH(Munich, Germany)社製の市販の電子回路を用いて得たもの)を設けることにより製造した。操作または発振の周波数は10MHz付近の範囲とした。
【0062】
J1 の製造
J1、すなわち、31’-tert-ブチル-5’,19’,25’,37’,40’,42’,45’,47’-オクタメチル-8’,16’,28’,34’-テトラオキソジスピロ[シクロヘキサン-1,2’-[7’,17’,27’,35’,]テトラアザ[10’]オキシヘプタシクロ[34.2.2.23’,6’.218’,21’.223’26’.111’,15’.129’,33’]-ヘプタテトラコンタル[3’,5’,11’,13’,15’,(41’),18’,20’,23’,25’,29’,31’,33’,(46’),36’,38’,39’,42’,44’]オクタ-デカエン-20’,1’’-シクロヘキサン]の形のラクタムアミド大環状分子は、次のようにして製造した。
【0063】
50mlの無水ジクロロメタン中の10.00g(32.30mmol)の1,1-ビス(4’-アモ-3’,5’-ジメチルフェニル)シクロヘキサンおよび2.2mlのトリエチルアミンの溶液に、100mlの無水ジクロロメタン中の3-フェノキシアセチルジクロリドの溶液を、十分に熱乾燥しアルゴンをフラッシュした装置内で、連続撹拌下で、室温で5時間かけて滴下した。得られた混合物を一夜撹拌したら、溶剤をロータリーエバポレーターを用いて減圧除去した。
【0064】
残渣を、シリカを用いるカラムクロマトグラフィーにより精製した。それにより、1.4g(37%)の無色固体が得られた(Mp=149〜151℃)。そのうちの1.20g(1.50mmol)を、0.4mlのトリエチルアミンと共に、250mlのジクロロメタンに溶解させた。同様にして、0.39g(1.50mmol)の5-tert-ブチルイソフタル酸クロライドを250mlのジクロロメタンに溶解させた。両者の溶液を同時に、1リットルの同じ溶剤(ジクロロメタン)に8時間かけて室温で添加した。その後、反応混合物を更に2日間撹拌して、溶剤を減圧除去した。シリカでのクロマトグラフィー精製により0.47g(32%)の無色固体を得た(Mp>260℃)。この無色固体は、Maldi-MSを用いて、J1(上記で概記した組成および構造を有する)であると同定された:m/z=991.2[M]、1014.2[M+Na]、1030.2[M+K]。
【0065】
表面層の調製
J1表面コーティングは、J1の溶液を適当な大きさのシリンジのキャピラリーからそれぞれ個々の水晶発振子(QMB)の上部電極にエレクトロスプレーし、同時に約5kVの高いDC電圧をキャピラリーとQMBの上部電極との間に印加することにより一回塗布した。コーティングプロセスはin situでモニターした。得られたコーティングの厚さは、発振周波数が5kHz低下した時にエレクトロスプレーを停止することにより標準化した。
【0066】
結果
一定で規定された純粋窒素の流れを(MITC)の溶融物に泡立たせることにより、規定濃度のMITCが得られた。次に、この流れを、−12℃の一定温度に維持された有効な冷却装置により冷却した。続いて、窒素中のこの規定濃度のMITCを、純粋窒素の規定された流れと混合することにより更に希釈して、窒素中の様々な濃度のMITCの流れを得た。
【0067】
窒素中のMITCの濃度が10、25、50、100または200ppmである流れを、QMBアレイが収容されている測定チャンバーに、吸引により22ml/分で供給した。QMBならびに測定チャンバーは35℃に維持した。個々のQMBの発振周波数がMITCの濃度に比例して低下すること、即ち、それぞれ2.5、7.0、14.0、24.0および37.5Hz低下することが観察された。
【0068】
すなわち、数ppmの範囲のMITC濃度が、本発明の装置を用いて、正確かつ再現性をもって検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、土壌空気中の燻蒸剤を検出するための、本発明による携帯型分析装置の概略図を示す。
【図2】図2は、図1の分析装置の測定チャンバーの概略図を示す。
【図3】図3は、図2の測定チャンバーにおいて使用される、選択的表面層を有する2つの質量感受性センサー要素の概略図を示す。
【図4】図4は、選択的表面層のための超分子ユニットの合成原理の一例を示す。
【図5】図5は、選択的表面層の大環状分子の概略的な合成戦略を示す。
【図6】図6は、選択的表面層の製造に適する大環状分子の一例を示す。
【図7】図7は、選択的表面層の製造に適するデンドリマーの例を示す。
【図8】図8は、選択的表面層の製造に適するデンドリマーの例を示す。
【図9】図9は、選択的表面層の製造に適するデンドリマーの例を示す。
【図10】図10は、選択的表面層の製造に適するデンドリマーの例を示す。
【図11】図11は、選択的表面層の製造に適するデンドリマーの例を示す。
【図12】図12は、選択的表面層の製造に適するデンドリマーの例を示す。

Claims (15)

  1. 空気サンプル中の燻蒸剤の検出方法であって、
    空気サンプルを吸い込み、
    吸い込んだ空気サンプルを、少なくとも1つの質量感受性センサーと接触させ、但し、その質量感受性センサーは、検出しようとする燻蒸剤に対して選択的な表面層でコーティングされており、
    そのセンサーの質量変化を電気的シグナルの形で検出し、
    その電気的シグナルを評価する
    ことを含む上記方法。
  2. 表面層がイソチオシアン酸メチルおよび/または1,3-ジクロロプロペンの取込みに対して選択的である、請求項1に記載の方法。
  3. 異なる選択的な層でコーティングされている複数のセンサーが用いられる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 検出しようとする燻蒸剤を、質量感受性センサーと接触させる前に濃縮する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 空気サンプルの水分含量が更に測定される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 空気サンプルをセンサーと接触させる前に、空気サンプルから水分を除去する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 植物病原体の防除方法であって、土壌を有効量のその土壌用のガス発生製品で処理し、続いて放出された燻蒸剤を、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法により検出することを含む上記方法。
  8. 特に請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法を行うための、空気サンプル中の燻蒸剤の検出装置であって、
    空気をサンプリングするためのサンプリング手段(11、18)、
    空気サンプルに接触すると、その空気サンプル中の検出しようとする燻蒸剤の濃度に応じた電気的シグナルを発生する検出手段(16)、
    その空気サンプル中に存在する燻蒸剤の濃度を、検出手段により与えられる電気的シグナルに基づいて算出する評価手段(41)
    を備えてなり、その検出手段(16)は、検出しようとする燻蒸剤に対して選択性の表面層(31、32)でコーティングされた少なくとも1つの質量感受性センサー(33)を備えている、上記装置。
  9. 表面層がイソチオシアン酸メチルおよび/または1,3-ジククロロプロペンの取込みに対して感受性である、請求項8に記載の装置。
  10. 表面層が大環状分子および/またはデンドリマーを含む、請求項9に記載の装置。
  11. 質量感受性センサーが少なくとも1つの弾性表面波装置を備える、請求項8〜10のいずれか1項に記載の装置。
  12. 質量感受性センサーが少なくとも1つの水晶発振子を備える、請求項8〜10のいずれか1項に記載の装置。
  13. サンプリング手段が、検出しようとする燻蒸剤の濃縮ユニット(26)を備える、請求項8〜12のいずれか1項に記載の装置。
  14. サンプリング手段が、空気サンプルから水分を除去するための手段(46)を備える、請求項8〜13のいずれか1項に記載の装置。
  15. 請求項9〜14のいずれか1項に記載の装置と、評価手段(41)により算出される燻蒸剤の濃度を表示かつ/または伝送するためのユニットとを備える、携帯型分析装置。
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