JP2004527480A - ワクチン組成物 - Google Patents

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JP2004527480A JP2002562386A JP2002562386A JP2004527480A JP 2004527480 A JP2004527480 A JP 2004527480A JP 2002562386 A JP2002562386 A JP 2002562386A JP 2002562386 A JP2002562386 A JP 2002562386A JP 2004527480 A JP2004527480 A JP 2004527480A
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ジャック ベルセット,フランソワ−サビエール
ロベ,イブ
プールマン,ジャン
ヴェルラン,ヴァンサン,ジョルジュ,クリスティアン,ルイ
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グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム
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    • C07K14/295Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from bacteria from Chlamydiales (O)
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    • A61K39/118Chlamydiaceae, e.g. Chlamydia trachomatis or Chlamydia psittaci
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Abstract

本発明は、グラム陰性細菌ワクチン組成物、それらの製造、およびそのような組成物の医療用の使用の分野に関する。特に、本発明は、異種発現されたクラミジア抗原を含む有用なグラム陰性細菌外膜小胞(または気泡体)組成物、およびこれらの組成物をワクチンとしてより効果的かつより安全にする有利な方法の分野に関する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、グラム陰性細菌ワクチン組成物、それらの製造、およびそのような組成物の医療用の使用の分野に関する。特に、本発明は、異種発現されたクラミジア抗原を含む有用なグラム陰性細菌外膜小胞(または気泡体(bleb))組成物、およびこれらの組成物をワクチンとしてより効果的かつより安全にする有利な方法の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
クラミジアは、真核生物細胞の細胞質内封入体においてのみ複製する偏性細胞内グラム陰性細菌である。クラミジアは、2つの主要な形態により代表される独特の発達サイクルを有する。すなわち、細胞から細胞に移る感染形態の胞子様小体(spore-like elementary body)(EB)、および宿主細胞中で複製する非感染性の代謝的に活性な網状体(RB)である。
【0003】
公知の4つのクラミジア種のうち、クラミジア・トラコマチスおよびC.ニューモニエは重要なヒト病原体である。最近定義された種であるC.ニューモニエは(Grayston 1989)は、現在、気管感染の主な原因であると認識されており(Grayston 1993)、アテローム硬化症と関連づけられるデータが増えつつある。この関連性は、血清疫学研究、アテローム硬化症病巣における細菌の存在を実証する研究、アテローム硬化症病巣に存在する異なる細胞型においてC.ニューモニエが複製できるという能力を示す研究、冠状動脈疾患を患う患者において抗生物質を使った介入試験、およびウサギまたはアポリポタンパク質E欠損マウスにおける、大動脈において炎症性の変化を生じる実験的な気管感染により裏付けられている(Danesh 1997、Fong 1997、Laitinen 1997、Moazed 1997)。総体的に、これらのデータは、C.ニューモニエが、アテローム硬化症の原因および/または悪化させる要因であることを含意している。
【0004】
C.トラコマチスは、主要なヒト病原体である;ヒトからヒトに移り(動物の感染の貯蔵庫は知られていない)、眼および生殖器感染を起こし、これは長期後遺症を生じ得る。クラミジア眼感染であるトラコーマは、いくつかの発展途上国においては風土病であり、世界中でこの疾患に罹った何百万もの人々の予防可能な失明の主な原因である。生殖器クラミジア感染は、世界中で最もよくある細菌による性感染病(STD)である。1996年に、WHOは、発表および未発表の普及データの大規模な調査により、4つの主要なSTDについて新しい国際的推定値を出した(Gerbase 1998)。1995年には、北アメリカおよび西ヨーロッパにおいてそれぞれ4および5.2百万件のC.トラコマチス感染が新たに15〜49歳の個人で発生したと推定されている;世界的には、C.トラコマチスは、新たに推定89.1百万件に到達した。総合的に、データは、男性に比べて女性の方が感染率が高いことを示している(Washington 1987、Peeling 1995、Cates 1991);高い罹患率は、青年期および若年成人において見とめられており、約70%のクラミジア感染が15〜24歳の年齢層において報告されている(Peeling 1995)。
【0005】
クラミジア・トラコマチスおよびクラミジア・ニューモニエに対する有効なワクチンの必要性は明白である。
【0006】
外膜小胞 ( 気泡体 )
グラム陰性細菌は、2枚の膜構造の連続層により外部媒体と隔たれている。細胞質膜および外膜(OM)と呼ばれるこれらの構造は、構造的にも機能的にも異なる。外膜は、病原体細菌とそれらのそれぞれの宿主との相互作用において重要な役割を果たす。その結果、表面に曝される細菌分子は、宿主免疫応答の重要な標的であり、このため、外膜成分は、ワクチン、診断および治療試薬を提供するための魅力的な候補である。
【0007】
全細胞細菌(死菌または弱毒化)ワクチンは、それらの微環境において複数の抗原を供給するという利点を有する。このアプローチの欠点は、内毒素およびペプチドグリカン断片等の細菌成分により引き起こされる副作用である。他方で、外膜由来の精製成分を含む無細胞サブユニットワクチンは、限定された防御しか提供できず、宿主の免疫系に適切に抗原を提示しないかもしれない。
【0008】
タンパク質、リン脂質およびリポ多糖類は、全てのグラム陰性細菌の外膜において見とめられる3つの主要構成要素である。これらの分子は、非対称的に分配されている;膜リン脂質(主に内部小葉状部分(inner leaflet)に存在)、リポオリゴ糖類(外部小葉状部分(outer leaflet)のみに存在)、ならびにタンパク質(内部および外部小葉状部分リポタンパク質、内在またはポリトピック型(polytopic)膜タンパク質)。ヒトの健康に影響を与える多くの細菌病原体について、リポ多糖類および外膜タンパク質は、免疫原生であり、免疫化によって対応する疾患に対して防御を付与し易いことが示されている。
【0009】
グラム陰性細菌のOMは、動的で、環境条件に応じて、大幅な形態学的形質変換を経ることができる。これらの現象のうち、多くのグラム陰性細菌において、外膜小胞あるいは「気泡体」の形成が研究され、文献化されている(Zhou, Lら1998. FEMS Microbiol. Lett. 163: 223-228)。これらのうち、気泡体を生成することが報告されている細菌病原体の網羅しない一覧として:百日咳菌、ボレリア・ブルグトルフェリ(Borrelia burgdorferi)、マルタ熱菌、ブルセラ・オビス菌、オウム病クラミジア、クラミジア・トラコマチス、大腸菌、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、淋菌、髄膜炎菌、緑膿菌およびエルシニア・エンテロコリチカが挙げられる。OM気泡体の生成に関与する生化学的メカニズムは完全には理解されていないが、外膜タンパク質調製物をその自然なコンホメーションのまま単離するための強力な方法論であるために、これらの外膜小胞は大規模に研究されてきた。
【0010】
気泡体ワクチンが作製できる細菌種の例は、WO 01/09350(参照により本明細書に援用)において概説されている。例えば、髄膜炎菌血清群(serogroup)B(menB)は、十分量の外膜気泡体を分泌して、それらの産業的な規模での製造を可能にする。このような天然型menB株由来の多成分(multicomponent)外膜タンパク質ワクチンは、menB疾患からティーンエイジャーを守るのに有効であることが分かり、ラテンアメリカにおいて登録された(registered)。外膜小胞を調製する代替的な方法は、細菌細胞の界面活性剤抽出(detergent extraction)のプロセスを介するものである。
【発明の開示】
【0011】
発明の概要
本発明者らは、グラム陰性細菌気泡体が、クラミジア外膜タンパク質を提示するのに理想的な状態であることを発見した。特に、淋菌気泡体はC.トラコマチスOMPを提示する場合に有用であり、髄膜炎菌性気泡体はC.ニューモニエOMPを提示する場合に有用である。これは、a)これらの外膜タンパク質は天然型(またはほぼ天然型)コンフォメーションのままこのような気泡体に組み込まれることができるために、有用な免疫学的効果を保持したままであるため;b)気泡体(特にナイセリア株由来のもの)は、産業的規模の量で産生できるため、c)気泡体は粘膜を介して投与され得るため、およびd)クラミジア抗原と天然型気泡体抗原との組み合わせは、卵管炎等の特定の症状のために重要な相互作用を有し得るためである。
【0012】
従って、本発明は、クラミジア・トラコマチスまたはクラミジア・ニューモニエ由来の1つ以上の組換え(好ましくは異種)タンパク質抗原を表面に提示する(上記一覧した気泡体産生細菌株から誘導され、好ましくはクラミジアからは誘導されない)有利なグラム陰性細菌気泡体調製物を提供する。有利なワクチン剤形および投与方法も提供する。
【0013】
発明の説明
本発明は、クラミジア由来の1つ以上の外膜タンパク質を表面に提示するグラム陰性細菌気泡体を提供する。
【0014】
本明細書の文脈においては、「表面に提示する」とは、クラミジアタンパク質が気泡体の外面に曝され、(好ましくは、外膜に組み込まれることにより)外膜に固定されていることを指す。異種気泡体状態内でその天然型の折り畳みを取ることが最も好ましい。
【0015】
このようにして気泡体調製物の組成をモジュレートする効率的な戦略は、該クラミジア外膜タンパク質をコードする遺伝子を含む発現カセットを含むDNAセグメントの1つ以上のコピーを、グラム陰性細菌のゲノムに送達することである。
【0016】
このようなカセットのためのレシピエントとして使用され得る好ましい細菌種の網羅しない一覧として:百日咳菌、ボレリア・ブルグトルフェリ、マルタ熱菌、ブルセラ・オビス菌、オウム病クラミジア、クラミジア・トラコマチス、大腸菌、インフルエンザ菌、レジオネラ・ニューモフィラ、淋菌、髄膜炎菌、緑膿菌、およびエルシニア・エンテロコリチカが挙げられる。髄膜炎菌、淋菌、モラクセラ・カタラーシス(Moraxella catarrhalis)、インフルエンザ菌、緑膿菌、クラミジア・トラコマチス、クラミジア・ニューモニエがこの目的のためにより好ましく、淋菌および髄膜炎菌が本発明の気泡体を作製するために最も好ましい。クラミジアOMPは、異種的に発現され、このような状況でクラミジア株は本発明の気泡体を作製するのに使用されないことが好ましい。
【0017】
発現カセット中に含まれる遺伝子は、同種(あるいは内因性)(すなわち、操作する細菌のゲノムに自然に存在する)であってもよいし、または好ましくは異種(すなわち、操作する細菌のゲノムに自然に存在しない)であってもよい。導入する発現カセットは、非改変「天然型」プロモーター/遺伝子/オペロン配列、またはプロモーター領域および/もしくはコード領域もしくは両方とも改変された操作型発現カセットから構成されてもよい。発現のために使用され得る好ましい(好ましくは強力な)プロモーターの網羅しない一覧としては、髄膜炎菌もしくは淋菌由来のプロモーターporA、porB、lbpB、tbpB、p110、lst、hpuAB、インフルエンザ菌由来のプロモーターp2、p5、p4、ompF、p1、ompH、p6、hin47、M.カタラーシス由来のプロモーターompH、ompG、ompCD、ompE、ompB1、ompB2、ompA、大腸菌のプロモーターλpL、lac、tac、araB、または大腸菌バクテリオファージT7等のバクテリオファージRNAポリメラーゼにより特異的に認識されるプロモーターが挙げられる。
【0018】
本発明の好適な実施形態では、発現カセットは、相同組換えおよび/または部位特異的組換えにより細菌染色体に送達および組み込まれる(参照により本明細書に援用するWO 01/09350で議論されている)。このような遺伝子および/またはオペロンを送達するのに使用される組込み型(integrative)ベクターは、条件付きで、複製もしくは自殺プラスミド、バクテリオファージ、トランスポゾン、または制限加水分解もしくはPCR増幅により得られる線状DNA断片であり得る。組込みは、in vitroでの成長に無くても済む染色体領域を標的化することが好ましい。DNA組込みを標的化するために使用できる好ましい遺伝子座の網羅しない一覧として、髄膜炎菌および淋菌のporA、porB、opa、opc、rmp、omp26、lecA、cps、lgtB遺伝子、NTHiのP1、P5、hmw1/2、IgA-プロテアーゼ、fimE遺伝子;モラクセラ・カタラーシスのlecA1、lecA2、omp106、uspA1、uspA2遺伝子が挙げられる。あるいはまた、気泡体成分の発現をモジュレートするのに使用する発現カセットは、環状/線状複製プラスミド、コスミド、ファージミド、溶原性バクテリオファージまたは細菌人工染色体等のエピソームベクターにより、選択した細菌に送達できる。組換え体の選択は、抗生物質(例えば、カナマイシン、エリスロマイシン、クロラムフェニコールまたはゲンタマイシン)に対する耐性を付与する遺伝子、重金属および/もしくは毒性化合物に対する耐性を付与する遺伝子、または栄養要求性変異を完全にする遺伝子(例えば、pur、leu、met、aro)等の選択可能遺伝子マーカーにより選択できる。気泡体は、得られる改変型菌株から作製され得る。
【0019】
細菌気泡体中での一部の異種タンパク質の発現は、外膜標的化シグナルの付加を必要とする場合がある。この課題を解決するための好適な方法は、組換えタンパク質を気泡体に標的化させるための具体的なアプローチとして、異種遺伝子と、内在OMPをコードする遺伝子との遺伝子的融合を生じさせることである。最も好ましくは、異種遺伝子を、このようなOMPのシグナルペプチド配列と融合させることである。
【0020】
本発明の特に好適な適用は、クラミジア(トラコマチスまたはニューモニエ)防御性抗原(好ましくは外膜タンパク質)を、(好ましくはクラミジア株由来でない)グラム陰性細菌気泡体に導入することである。これは、このような気泡体(およびそれらを含むワクチン)が粘膜投与に極めて適しており、気泡体中に存在するクラミジア抗原に対する粘膜(IgA)免疫応答が、粘膜において現れるクラミジア感染に対してより防御的になるために有益であるという事実を含めて、いくつかの利点を有する。本発明の気泡体を生成可能な組換え細菌、このような細菌を作製するプロセス、および気泡体調製物を作製するプロセスは、本発明のさらなる態様である。
【0021】
グラム陰性細菌気泡体に組み込まれたクラミジア・トラコマチス抗原
特に好適な実施形態は、性感染症(STD)の予防または治療の分野にある。医師にとって、STDの主要な原因が、淋菌によるものか、またはクラミジア・トラコマチス感染によるものかを判断することは難しいことが多い。これらの2つの生物は、卵管炎(宿主において不妊を生じ得る疾患)の主な原因である。STDが、両方の生物による疾患に対してワクチン接種できるか、または有効な混合ワクチンで治療できれば有用である。C.トラコマチスの主要外膜タンパク質(MOMPまたはOMP1もしくはOMPI)は、防御抗体の標的として提示されてきた。しかし、この内在膜タンパク質の構造的完全性が、このような抗体を誘導するために重要である。さらに、これらの抗体により認識されるエピトープは可変性であり、10を上回る血清亜型(serovar)が定義される。本発明の気泡体状態は、ワクチン目的のために、1つ以上のMOMPまたは他のクラミジア膜タンパク質の正確な折り畳みを可能にする。外膜上の1つ以上のC.トラコマチスMOMP血清亜型および/または外膜にある1つ以上の他の防御性クラミジアOMPを発現する(好ましくは)淋菌株の遺伝子操作、ならびにそれらからの気泡体の産生は、正確に折り畳まれた膜タンパク質、十分なMOMP血清亜型および/または他のクラミジアOMPの提示により幅広いスペクトルの血清亜型に対して防御すること、ならびに淋菌感染の同時予防/治療の複数の課題に対する唯一の解決法である(そして結果的に、どの生物が具体的な臨床症状を引き起こしているのか医師により最初に決める必要性が無くなる(両方の生物が同時にワクチン化できるため、非常に初期の段階でSTDを治療できる))。淋菌染色体における遺伝子挿入のために好ましい遺伝子座は、上記した。取り込まれ得る他の好ましい防御性C.トラコマチス遺伝子は、HMWP、PmpG、およびWO 99/28475(参照により本明細書に援用する)に開示されているOMPである。
【0022】
本発明の具体的な好適な実施形態は、クラミジア・トラコマチス由来のPorB外膜タンパク質(以下参照)を表面に提示するグラム陰性細菌気泡体(好ましくは淋菌)を提供する。このような気泡体を産生可能な細菌株は、本発明のさらなる態様である。
【0023】
PorB クラミジア・トラコマチス血清亜型D (D/UW-3/Cx)DNA 配列
Figure 2004527480
翻訳アミノ酸配列
Figure 2004527480
Figure 2004527480
気泡体中のPorBの存在は、抗原が、単独で投与されるよりも、粘膜を介して投与し易く、効果的な防御を提供することを意味する。
【0024】
本発明は、クラミジア・トラコマチス由来の以下のタンパク質を1つ以上、またはC.トラコマチスPorBと以下のタンパク質の1つ以上との組合せを表面に提示するグラム陰性細菌気泡体(好ましくは淋菌)をさらに提供する。当業者には、以下の配列(および上記PorB配列)の代わりに、他のC.トラコマチス血清亜型または血清型由来の配列の天然型類似体を使用できることは、コードタンパク質の免疫学的性質に無影響な列挙した配列由来の、挿入、欠失または置換を含むタンパク質の機能的類似体をコードする遺伝子を使用できることと同様に明確であろう。血清亜型D株由来の配列を選択することが好ましい。このような気泡体を生成可能な細菌株は、本発明のさらなる態様である。
【0025】
>gi|6578118|gb|AAC68456.2|IRBPおよびDHRドメインを含む推定プロテアーゼ[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|6578109|gb|AAC68227.2|CHLPN 76kDa相同体[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
>gi|3329350|gb|AAC68472.1|推定外膜タンパク質I[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3329346|gb|AAC68469.1|推定外膜タンパク質G[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3329345|gb|AAC68468.1|推定外膜タンパク質F[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3329344|gb|AAC68467.1|推定外膜タンパク質E[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3329279|gb|AAC68408.1|推定外膜タンパク質D[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3329169|gb|AAC68308.1|外膜タンパク質類似体[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
>gi|3328866|gb|AAC68034.1|亜硫酸レダクターゼ[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
>gi|3328843|gb|AAC68011.1|推定外膜タンパク質C[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3328815|gb|AAC67986.1|仮定タンパク質[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3328651|gb|AAC67834.1|Omp85類似体[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3328587|gb|AAC67774.1|CMP-2-ケト-3-デオキシオクツロソン酸シンセターゼ[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
>gi|3329039|gb|AAC68197.1|チオ:ジスルフィド互換(interchange)タンパク質[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3329000|gb|AAC68161.1|Yopタンパク質転位リポタンパク質J[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
>gi|3328905|gb|AAC68071.1|仮定タンパク質[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
>gi|3328884|gb|AAC68051.1|ホスファチド酸シチジリル・トランスフェラーゼ[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3328855|gb|AAC68022.1|仮定タンパク質[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
>gi|3328772|gb|AAC67946.1|仮定タンパク質[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3329347|gb|AAC68470.1|推定外膜タンパク質H[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3328874|gb|AAC68042.1|60kDaシステイン富化OMP[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
>gi|3328841|gb|AAC68010.1|推定外膜タンパク質B[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3328840|gb|AAC68009.1|推定外膜タンパク質A[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3328763|gb|AAC67938.1|O-シアロ糖タンパク質エンドペプチダーゼファミリー[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
>gi|6578102|gb|AAC67897.2|ATPシンターゼサブユニットK[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
>gi|3329252|gb|AAC68382.1|S14リボソームタンパク質[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3329133|gb|AAC68276.1|主要外膜タンパク質[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
>gi|3328987|gb|AAC68150.1|仮定タンパク質[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
>gi|3328972|gb|AAC68136.1|アポリポタンパク質N-アセチルトランスフェラーゼ[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3328612|gb|AAC67797.1|フルクトース-6-Pホスホトランスフェラーゼ[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
>gi|3328517|gb|AAC67709.1|仮定タンパク質[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
Figure 2004527480
>gi|3328482|gb|AAC67677.1|L28リボソームタンパク質[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
>gi|3328436|gb|AAC67635.1|SS DNA結合タンパク質[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
>gi|3328411|gb|AAC67611.1|仮定タンパク質[クラミジア・トラコマチス]
Figure 2004527480
crpA、CHLTR 15 kDシステインリッチタンパク質(クラミジア・トラコマチス血清亜型D(D/UW-3/Cx))
DNA配列
Figure 2004527480
翻訳アミノ酸配列
Figure 2004527480
OmcA、CHLTR 9 kDシステイン富化外膜複合体リポタンパク質(クラミジア・トラコマチス血清亜型D(D/UW-3/Cx))
DNA配列
Figure 2004527480
翻訳アミノ酸配列
Figure 2004527480
cutE、アポリポタンパク質N-アシルトランスフェラーゼ(クラミジア・トラコマチス血清亜型D(D/UW-3/Cx))
DNA配列
Figure 2004527480
翻訳アミノ酸配列
Figure 2004527480
pal、ペプチドグリカン関連リポタンパク質(クラミジア・トラコマチス血清亜型D(D/UW-3/Cx))
DNA配列
Figure 2004527480
Figure 2004527480
翻訳アミノ酸配列
Figure 2004527480
【0026】
以下のクラミジア・トラコマチス外膜タンパク質(完全配列は上記)は、C.トラコマチスワクチンにおいて有用なものとして初めて開示する。これらのタンパク質(またはその天然型もしくは機能的類似体)を1つ以上含むワクチンは、本発明のさらなる態様である(特に、気泡体の表面に提示される状態において)。
【0027】
Figure 2004527480
【0028】
再度言及するが、このような気泡体がワクチン剤形に存在する場合、単離したタンパク質を使用するよりも、クラミジア・トラコマチス感染に対して防御的であり得る。
【0029】
特に有益なクラミジア・トラコマチス抗原の対が、本発明のさらに好適な実施形態である。従って、さらなる態様では、グラム陰性気泡体(好ましくは淋菌由来)は、クラミジア・トラコマチス由来のPorBおよびPmpG外膜タンパク質の両方を表面に提示して提供される。さらに、グラム陰性気泡体(好ましくは淋菌由来)は、クラミジア・トラコマチス由来のPorBおよびMOMPの(1つ以上の血清亜型に由来)両方の外膜タンパク質を表面に提示して提供される。最後に、グラム陰性気泡体(好ましくは淋菌由来)は、クラミジア・トラコマチス由来のPmpGおよびMOMP(1つ以上の血清亜型に由来)外膜タンパク質の両方を表面に提示して提供される。
【0030】
1つ以上(1、2、3、4、5、6、7、8、9または10以上)の血清亜型由来のMOMP(またはOMP1もしくはOMPI)については、B、Ba、D、Da、E、L1、L2、L2a、F、G、K、L3、A、C、H、I、IaおよびJからなる血清亜型の一群;より好ましくは、D、E、F、G、K、H、IおよびJからなる一群より1つ以上が選択されることが好ましい。1つ以上のMOMPが、血清亜型DまたはE(最も好ましくはD)由来のMOMPを少なくとも含むことが最も好ましい。さらなる好適な戦略は、以下の3つの血清群のそれぞれから1つ以上のMOMPを選択することである:B-血清群(血清亜型B、Ba、D、Da、E、L1、L2およびL2aからなり、好ましくは血清亜型D、DaおよびEから選択される);F-G血清群(血清亜型FおよびGからなる);ならびにC-血清群(血清亜型A、C、H、I、Ia、J、KおよびL3からなり、好ましくは血清亜型H、I、Ia、JおよびKから選択される)。
【0031】
クラミジア・トラコマチス抗原の遺伝子は、ナイセリア(好ましくは淋菌)のPorA遺伝子座に挿入されることが最も好ましい。
【0032】
ワクチンとして処方されるこのような調製物は、単一抗原が投与された場合よりも、クラミジア・トラコマチスに対する宿主の防御を増強し得る。
【0033】
気泡体は、1つ以上の防御外膜抗原を(以下に記載するように)アップレギュレートするように改変された株(好ましくは淋菌)から誘導されることが好ましい。
【0034】
気泡体は、1つ以上の可変性主要(immunodominant variable)抗原または非防御性外膜抗原を(以下に記載するように)ダウンレギュレートするように改変された株(好ましくは淋菌)から誘導されることが好ましい。
【0035】
気泡体は、LPSを毒性にする1つ以上の遺伝子(以下の遺伝子、またはその相同体htrB、msbBおよびlpxKから選択されることが好ましい;以下の節を参照)の発現を低減またはスイッチオフするように株を操作することにより、細菌LPSの解毒化脂質A部分を有する株(好ましくは淋菌)から誘導されることが好ましい。
【0036】
気泡体は、LPSを解毒可能な遺伝子産物を産生する1つ以上の遺伝子(以下の遺伝子、またはその相同体:pmrA、pmrB、pmrEおよびpmrFから選択されることが好ましい;以下の節を参照)を高度なレベルで発現するように株を操作することにより、細菌LPSの解毒化された脂質A部分を有する株(好ましくは淋菌)から誘導されることが好ましい。
【0037】
本発明の気泡体および製薬上適切な賦形剤またはキャリアを含むワクチン組成物も構想に入っている。ワクチンは、さらに粘膜アジュバントを含むことが好ましい。粘膜アジュバントは、当該分野で周知である(Vaccine Design "The subunit and adjuvant approach"(Powell M.F.およびNewman M.J.編)(1995)Plenum Press New Yorkを参照)。好ましい粘膜アジュバントはLT2(または、LTIIaおよびLTIIbに分けられるLTIIである(MartinらInfection and Immunity, 2000, 68:281-287を参照))。このようなワクチンは、以下の「ワクチン剤形」において記載するように剤形化および投与されることが好ましい。
【0038】
ワクチンの用量ごとの気泡体の含量は、典型的に、1〜100μg、好ましくは5〜50μg、最も典型的には5〜25μgの範囲にある。
【0039】
具体的なワクチンについての成分の最適量は、被検体における適切な免疫応答を観察することを伴う標準的な調査により確認できる。初回ワクチン化後、被検体は、十分に間隔をあけられて、1回または数回の二次免疫化を受けてもよい。
【0040】
宿主においてクラミジア・トラコマチス感染を予防する方法であって、それを必要とする宿主に有効量の上記ワクチンを投与するステップを含む方法も提供する。ワクチンは、鼻腔内、経口、皮内または膣内経路のいずれかで粘膜的に投与されることが好ましい。
【0041】
グラム陰性細菌気泡体に組み込まれたクラミジア・ニューモニエ抗原
さらなる態様では、本発明は、クラミジア・ニューモニエ由来の防御性抗原を表面に提示するグラム陰性気泡体を提供する。髄膜炎菌、モラクセラ・カタラーシス、およびインフルエンザ菌が、該気泡体の産生のために好ましい種である。このような気泡体を産生可能な細菌株は、本発明のさらなる態様である。このような防御性抗原は、以下に一覧するもののうちの1つ以上のものであることが好ましい。
【0042】
1)細胞エンベロープ:膜タンパク質、リポタンパク質およびポーリン
Figure 2004527480
2)コード遺伝子(C.トラコマチス中には無い)
Figure 2004527480
3)クラミジア特異的タンパク質
Figure 2004527480
【0043】
(完全な配列情報は、クラミジアゲノム計画ウェブサイト上で公表されている:http://chlamydia-www.berkeley.edu:4231/index.html)。
【0044】
OMV ワクチン調製物のためにグラム陰性細菌中での発現に適した、追加のクラミジア遺伝子およびコードタンパク質
Figure 2004527480
Figure 2004527480
Figure 2004527480
Figure 2004527480
Figure 2004527480
Figure 2004527480
【0045】
このような気泡体がワクチン剤形中に存在する場合、単離したタンパク質/抗原を使用するよりも、クラミジア・ニューモニエ感染に対して防御的であり得る。
【0046】
特に有益なクラミジア・ニューモニエ抗原の対も見つかっている。従って、さらなる態様では、クラミジア・ニューモニエ由来のPorBおよびMOMP外膜タンパク質の両方を表面に提示するグラム陰性気泡体(好ましくは髄膜炎菌由来)を提供する。さらに、クラミジア・ニューモニエ由来のMOMPおよび1つ以上のPmp外膜タンパク質の両方を表面に提示するグラム陰性気泡体(好ましくは髄膜炎菌由来)を提供する。クラミジア・ニューモニエ由来のPorBおよび1つ以上のPmp外膜タンパク質の両方を表面に提示するグラム陰性気泡体(好ましくは髄膜炎菌由来)をさらに提供する。クラミジア・ニューモニエ由来のPorBおよびNpt1の両方を表面に提示するグラム陰性気泡体(好ましくは髄膜炎菌由来)も提供する。クラミジア・ニューモニエ由来のNpt1および1つ以上のPmpタンパク質を表面に提示するグラム陰性気泡体(好ましくは髄膜炎菌由来)をさらに提供する。最後に、クラミジア・ニューモニエ由来のNpt1およびMOMPタンパク質の両方を表面に提示するグラム陰性気泡体(好ましくは髄膜炎由来)を提供する。これらの気泡体が誘導される細菌株は、本発明のさらなる態様である。
【0047】
ワクチンとして処方されるこのような調製物は、単一抗原が投与された場合よりも、クラミジアに対する宿主の防御を増強し得る。
【0048】
気泡体は、1つ以上の防御性外膜抗原を(以下参照;髄膜炎菌防御性外膜抗原の例としては、アップレギュレートされるのが好ましい抗原について記載する「ナイセリア(Neisserial)気泡体調製物」の節を参照)アップレギュレートするように改変された株から誘導されることが好ましい。
【0049】
気泡体は、1つ以上の可変性主要抗原または非防御性外膜抗原を(以下に記載するように;例えば、髄膜炎菌可変部/非防御性外膜抗原については、ダウンレギュレートされるのが好ましい抗原について記載する「ナイセリア気泡体調製物」の節を参照)ダウンレギュレートするように改変された株から誘導されることが好ましい。
【0050】
気泡体は、LPSを毒性にする1つ以上の遺伝子(以下の遺伝子、またはその相同体htrB、msbBおよびlpxKから選択されることが好ましい;以下の節を参照)の発現を低減またはスイッチオフするように操作された株により、細菌LPSの解毒化脂質A部分を有する株から誘導されることが好ましい。
【0051】
気泡体は、LPSを解毒可能な遺伝子産物を産生する1つ以上の遺伝子(以下の遺伝子、またはその相同体:pmrA、pmrB、pmrEおよびpmrFから選択されることが好ましい;以下の節を参照)が高いレベルで発現されるように操作された株により、細菌LPSの解毒化脂質A部分を有する株から誘導されることが好ましい。
【0052】
本発明の気泡体および製薬上適切な賦形剤またはキャリアを含むワクチン組成物も構想に入っている。ワクチンは、さらに粘膜アジュバントを含むことが好ましい。粘膜アジュバントは、当該分野で周知である(Vaccine Design "The subunit and adjuvant approach"(Powell M.F.およびNewman M.J.編)(1995)Plenum Press New Yorkを参照)。好ましい粘膜アジュバントはLT2(または、LTIIaおよびLTIIbに分けられるLTIIである(Martinら Infection and Immunity, 2000, 68:281-287を参照))。このようなワクチンは、以下の「ワクチン剤形化」において記載するように剤形化および投与されることが好ましい。
【0053】
ワクチンの用量ごとの気泡体の含量は、典型的に、1〜100μg、好ましくは5〜50μg、最も典型的には5〜25μgの範囲にある。
【0054】
具体的なワクチンについての成分の最適量は、被検体における適切な免疫応答を観察することを伴う標準的な調査により確認できる。初回ワクチン化後、被検体は、十分に間隔をあけられて、1回または数回の二次免疫化を受けてもよい。
【0055】
C.ニューモニエワクチンの効力は、Murdinら, 2000, J. Infect. Dis. 181 (suppl 3):S5444-51に記載されるもののように、感染マウスモデルにおいて評価できる。ワクチン剤形により引き出される防御は、C.ニューモニエでの誘発免疫試験(challenge)感染後の肺における細菌放出量(load)の低下により評価できる。
【0056】
宿主においてクラミジア・ニューモニエ感染を予防する方法であって、それを必要とする宿主に有効量の上記ワクチンを投与するステップを含む方法も提供する。ワクチンは、鼻腔内、皮内または経口経路のいずれかで粘膜的に投与されることが好ましい。
【0057】
本発明の細菌および気泡体におけるさらなる改善
本発明のグラム陰性細菌は、以下のグループから選択される1つ以上のプロセスによりさらに遺伝子操作され得る:すなわち、(a)可変性主要抗原または非防御性抗原の発現をダウンレギュレートするプロセス、(b)防御性OMP抗原の発現をアップレギュレートするプロセス、(c)LPSの脂質A部分を毒性にするのに関与する遺伝子をダウンレギュレートするプロセス、(d)LPSの脂質Aの毒性を低くするのに関与する遺伝子をアップレギュレートするプロセス、および(e)ヒト構造と構造類似性を有し、ヒトにおいて自己免疫応答を誘導可能であり得るかもしれない抗原の合成をダウンレギュレートするプロセス。これらのプロセスは、WO 01/09350(参照により本明細書に援用する)に詳細に記載されている。
【0058】
本発明のこのような気泡体ワクチンは、数個の防御性(好ましくは保存された)抗原またはエピトープに対する免疫応答に焦点を合わせるように設計される(多成分ワクチンとして処方される)。このような抗原が内在OMPの場合、気泡体ワクチンの外膜小胞は、適切な折り畳みを確実にする。本発明は、免疫主要可変部および非防御性OMPを欠失させることにより、可変部領域を欠失させて保存型OMPを作製することにより、防御性OMPの発現をアップレギュレートすることにより、そして、防御性OMPの発現の制御メカニズム(鉄制御(iron restriction)等)を無くすことにより、OMV(気泡体)ワクチンのOMPおよびLPS組成物を最適化する方法を提供する。さらに、本発明は、脂質部分を改変するか、またはホスホリル組成物を変えることにより(アジュバント活性を保持したままかまたはそれをマスキングした状態で)、脂質Aの毒性の低下について提供する。これらの新規の改善方法はそれぞれ気泡体ワクチンを改善するが、これらの方法を1つ以上組み合わせると共に作用して、特に小児科での使用に適した、免疫防御性かつ非毒性の最適化された操作気泡体ワクチンが作製される。
【0059】
(a) 可変性主要抗原または非防御性抗原の発現をダウンレギュレートするプロセス
多くの表面抗原は、細菌株において可変的であり、その結果、密接に関係する株の限定されたセットに対してのみ防御性である。本発明の一態様は、発現の低減、好ましくは、ワクチンに投与されると、ワクチンの免疫系上の(外膜上に保持された)保存タンパク質により発揮されるより高い影響により様々な株に対する交差反応について強力な可能性を有する細菌株産生気泡体を生じる様々な表面タンパク質をコードする遺伝子の欠失を網羅する。このような様々な抗原として:ナイセリアについては、抗原性変異(variation)を経るピリ(pili)(PilC)、PorA、Opa、TbpB、FrpB;インフルエンザ菌については、P2、P5、ピリン、IgA1-プロテアーゼ;およびモラクセラについては、CopB、OMP106が挙げられる。
【0060】
ダウンレギュレートまたはスイッチオフできる他の種類の遺伝子としては、in vivoで、細菌により簡単にスイッチオンされる(発現される)かまたはオフされる遺伝子である。そのような遺伝子によりコードされる外膜タンパク質は、常に細菌上に存在するわけではないので、気泡体調製物中のこのようなタンパク質の存在は、上記理由のためにワクチンの効果に弊害をもたらし得る。ダウンレギュレートまたは欠失の好ましい例は、ナイセリアOpcタンパク質である。Opc含有気泡体ワクチンにより誘導される抗Opc免疫は、感染生物がOpcになり易いことから、限定された防御能力しかもたない。インフルエンザ菌HgpAおよびHgpBはこのようなタンパク質の別の例である。
【0061】
プロセスa)では、これらの可変部または非防御性遺伝子は、発現をダウンレギュレートされるか、または永久的にスイッチオフされる。これは、気泡体の表面上に低い量で存在するより良い抗原に免疫系を集中させるという驚くべき利点を有する。
【0062】
トランスポゾン挿入して遺伝子のコード領域もしくはプロモーター領域を妨害するか、または点突然変異もしくは欠失により同様の結果を得る等の多数の戦略により、このように株を操作できる。相同組換えも、染色体から遺伝子を欠失するために使用できる(ここで、配列Xは、目的の遺伝子のコード配列の一部(好ましくは全体)を含む)。またこれは、強力なプロモーターを弱いプロモーターに変える(またはプロモーターを無くす)ためにも使用し得る。これらの技術は全て、WO 01/09350(8/2/01にWIPOから公表され、参照により本明細書に援用する)に記載されている。
【0063】
(b) 防御性 OMP 抗原の発現をアップレギュレートするプロセス
これは、このような防御性OMPのコピーをゲノムに挿入することにより(好ましくは相同組換えにより)、または天然型プロモーターをより強力なプロモーターに置き換えるか、問題の遺伝子の上流に強力なプロモーターを挿入して(同じく相同組換えにより)、天然型遺伝子の発現をアップレギュレートすることにより行うことができる。このような方法は、WO 01/09350(8/2/01にWIPOから公表され、参照により本明細書に援用する)に記載される技術を用いて達成できる。
【0064】
このような方法は、外膜タンパク質およびリポタンパク質等(好ましくは、通常気泡体中に低い濃度で存在する保存されたOMP)の免疫学的に関連する気泡体成分の産生を向上させる上で特に有用である。
【0065】
(c)LPS の脂質A部分を毒性にするのに関与する遺伝子をダウンレギュレートするプロセス
気泡体ワクチンの毒性は、気泡体をワクチン中に使用する上での最大の問題の1つである。本発明のさらなる態様は、気泡体中に存在するLPSを遺伝子的に解毒する方法に関する。脂質Aは、細胞活性化の原因であるLPSの主要成分である。この経路に関与する遺伝子における多くの突然変異は、必須の表現型を生じる。しかし、最終改変ステップに関与する遺伝子における突然変異は、温感(htB)または許容(permissive)(msbB)表現型を生じる。これらの遺伝子の発現を低減させる(または発現を生じさせない)突然変異は、脂質Aの改変された毒性活性を生じる。事実、非ラウロイル化(non-lauroylated)(htrB変異体)[結果得られる、両方の二次アシル鎖を欠くLPSによっても規定される]または非ミリストイル化(msbB変異体)[結果得られる、単一の二次アシル鎖のみを欠くLPSによっても規定される]脂質Aは、野生型脂質Aよりも毒性が低い。脂質A4'-キナーゼコード遺伝子(lpxK)もまた、脂質Aの毒性活性を低下させる。
【0066】
従って、プロセスc)は、1つ以上の上記オープンリーディングフレームまたはプロモーターの一部(または好ましくは全体)の欠失を伴う。あるいはまた、プロモーターは、より弱いプロモーターと置換され得る。このプロセスを行うためには、相同組換え技術を使用することが好ましい。WO 01/09350(8/2/01にWIPOから公表され、参照により本明細書に援用する)に記載されている方法を使用することが好ましい。髄膜炎菌B、モラクセラ・カタラーシス、およびインフルエンザ菌由来のhtrBおよびmsbB遺伝子の配列は、この目的のためにWO 01/09350で提供されている。
【0067】
(d)LPS の脂質A部分の毒性を低くするのに関与する遺伝子をアップレギュレートするプロセス
LPS毒性活性は、ポリミキシンB耐性(このような耐性は、脂質Aの4'リン酸塩上へのアミノアラビノースの付加と相関されている)に関与する遺伝子/遺伝子座に突然変異を導入することによっても変えることができる。これらの遺伝子/遺伝子座は、UDP-グルコースデヒドロゲナーゼ、またはアミノアラビノース合成および伝達(transfer)に関与し得る多くの腸内細菌に共通する抗菌ペプチド耐性遺伝子の領域をコードするpmrEであり得る。この領域に存在する遺伝子pmrFは、ドリコールリン酸マンノシル(manosyl)トランスフェラーゼをコードする(Gunn J.S., Kheng, B.L., Krueger J., Kim K., Guo L., Hackett M., Miller S.I. 1998. Mol. Microbiol. 27:1171-1182)。
【0068】
リン酸リレー型二成分(two component)調節系(例えば、PhoP構成的表現型PhoPc)、または低いMg++環境もしくは(PhoP-PhoQ調節系を活性化する)培養条件であるPhoP-PhoQ調節系における突然変異により、4'-リン酸塩上にアミノアラビノースが付加され、ミリスチン酸塩が2-ヒドロキシミリスチン酸塩に置き換わる(ミリスチン酸塩の水酸化)。この改変型脂質Aは、ヒト内皮細胞によるEセレクチン発現、およびヒト単球からのTNF-α分泌を刺激する能力が低下している。
【0069】
プロセスd)は、WO 01/09350(8/2/01にWIPOから公表され、参照により本明細書に援用する)に記載されている戦略を用いてこれらの遺伝子をアップレギュレートすることを伴う。
【0070】
(e) ヒト構造と構造的類似性を共有し、ヒトにおいて自己免疫応答を誘導可能であり得る抗原の合成をダウンレギュレートするプロセス
カプセル化グラム陰性細菌から細菌外膜気泡体を単離することは、莢膜多糖の同時精製を生じることが多い。場合により、この「汚染」物質は、有用であることが分かり得る。なぜなら、多糖は他の気泡体成分により付与される免疫応答を増強し得るからである。しかし、その他の場合、細菌気泡体調製物中の汚染多糖物質の存在は、ワクチン中での気泡体の使用に弊害をもたらすことが分かるかもしれない。例えば、少なくとも髄膜炎菌の場合、血清群B莢膜多糖は、防御性免疫を付与せず、ヒトにおいて有害な自己免疫応答を誘発することが疑われている。その結果、本発明のプロセスe)は、莢膜多糖が含まれていない気泡体産生のための細菌株の操作である。そうすれば、気泡体はヒトにおける使用に適切となる。このような気泡体調製物の特に好ましい例は、莢膜多糖を欠いた髄膜炎菌血清群Bに由来するものである。
【0071】
これは、莢膜生合成および/または輸出(export)に必要な遺伝子が、WO 01/09350(8/2/01にWIPOから公表され、参照により本明細書に援用する)に記載されているように損なわれている改変型気泡体産生株を用いることにより達成され得る。好ましい方法は、多糖生合成および輸出に必要とされる髄膜炎菌cps遺伝子の一部または全体を欠失させることである。この目的のために、置換プラスミドpMF121(Froshら1990, Mol. Microbiol. 4:1215-1218に記載)を使用して、cpsCAD(+galE)遺伝子クラスターを欠失する突然変異を実現させることができる。あるいはまた、siaD遺伝子を欠失、または発現をダウンレギュレートしてもよい(髄膜炎菌siaD遺伝子はα-2,3-シアリルトランスフェラーゼ、すなわち莢膜多糖およびLOS合成に必要な酵素、をコードする)。このような突然変異は、細菌のLPSの糖部分上の宿主類似構造も除去し得る。
【0072】
方法 a) e) の組合わせ
上記プロセスの1つ以上を使用して、本発明の改善された気泡体調製物を作製する改変型株を生成してもよい。好ましくはそのようなプロセスの1つを使用し、より好ましくは2つ以上(2、3、4または5)のプロセスを使用して、気泡体ワクチンを製造する。気泡体ワクチンの製造のために各追加の方法を使用するにつれて、それぞれの改善が他の使用する方法と共に作用して、最適化された操作型気泡体調製物が作製される。
【0073】
好ましい髄膜炎菌(好ましくは髄膜炎菌B)気泡体調製物は、プロセスb)、c)およびe)の使用を含む(任意にプロセスa)と組み合わせられる)。このような気泡体調製物は、安全であり(宿主構造と同様の構造がない)、非毒性であり、宿主免疫応答が、高度なレベルの防御性(そして好ましくは保存型の)抗原に集中するように構成されている。上記エレメントは全て共に作用して、最適化気泡体ワクチンを提供する。
【0074】
M.カタラーシスについても同様に、分類不可能なインフルエンザ菌、淋菌および非血清型B髄膜炎菌株(例えば、血清型A、C、YまたはW)について、好ましい気泡体調製物は、プロセスb)およびc)の(任意にプロセスa)と組み合わせた)使用を含む。
【0075】
好ましいナイセリア気泡体調製物
1つ以上の以下の(防御性抗原をコードする)遺伝子が、プロセスb)を介したアップレギュレートをナイセリア株(淋菌および髄膜炎菌(特に髄膜炎菌B)を含む)において行う場合に好ましい:すなわち、NspA(WO 96/29412)、Hsf-like(WO 99/31132)、Hap(PCT/EP99/02766)、PorA、PorB、OMP85(WO 00/23595)、PilQ(PCT/EP99/03603)、PldA(PCT/EP99/06718)、FrpB(WO 96/31618)、TbpA(US 5,912,336)、TbpB、FrpA/FrpC(WO 92/01460)、LbpA/LbpB(PCT/EP98/05117)、FhaB(WO 98/02547)、HasR(PCT/EP99/05989)、lipo02(PCT/EP99/08315)、Tbp2(WO 99/57280、MltA(WO 99/57280)、およびctrA(PCT/EP00/00135))。これらは、他のグラム陰性細菌に異種導入され得る遺伝子としても好ましい。
【0076】
1つ以上の以下の遺伝子が、プロセスa)を介したダウンレギュレートのために好ましい:すなわち、PorA、PorB、PilC、TbpA、TbpB、LbpA、LbpB、OpaおよびOpc(最も好ましくはPorA)。
【0077】
1つ以上の以下の遺伝子が、プロセスc)を介したダウンレギュレートのために好ましい:すなわち、htrB、msbBおよびlpxK(最も好ましくは、LPS分子から単一の二次アシル鎖のみを除去するmsbB)。
【0078】
1つ以上の以下の遺伝子が、プロセスd)を介したアップレギュレートのために好ましい:すなわち、pmrA、pmrB、pmrEおよびpmrF。
【0079】
1つ以上の以下の遺伝子が、プロセスe)を介したダウンレギュレートのために好ましい:すなわち、galE、siaA、siaB、siaC、siaD、ctrA、ctrB、ctrCおよびctrD(遺伝子は、WIPOから公表され、参照により本明細書に援用するWO 01/09350に記載されている)。
【0080】
上記オープンリーディングフレームおよび上流領域の多くがWO 01/09350(参照により本明細書に援用する)に記載されている。
【0081】
プロセスb)を介してアップレギュレートするのに好ましい淋菌遺伝子としては、以下のうちの1つ以上が挙げられる:
淋菌ラクトフェリン受容体前駆体(IbpA)遺伝子、完全コード配列
Figure 2004527480
Figure 2004527480
Figure 2004527480
淋菌ラクトフェリン結合タンパク質B前駆体
Figure 2004527480
淋菌トランスフェリン結合タンパク質A(tbpA)遺伝子、完全コード配列
Figure 2004527480
Figure 2004527480
Figure 2004527480
淋菌株UU1008トランスフェリン結合タンパク質2(tbpB)遺伝子、完全コード配列
Figure 2004527480
Figure 2004527480
淋菌線毛生物発生(pilus biogenesis)遺伝子クラスター、pilO、pilPおよびpilQ遺伝子、完全コード配列
Figure 2004527480
Figure 2004527480
NspA
淋菌外膜タンパク質遺伝子、完全コード配列
Figure 2004527480
淋菌外膜タンパク質(omp85)遺伝子、完全コード配列
Figure 2004527480
Figure 2004527480
淋菌中のPldA1相同体
Figure 2004527480
Figure 2004527480
PldA1様アミノ酸配列
Figure 2004527480
PldA1様配列の上流1000塩基対(プロモーターをより強力な配列に置換するのに有用)
>GONOCTG01_15塩基140001由来のgonoctg01の続き(22のうちの15)
Figure 2004527480
【0082】
プロセスa)を介してダウンレギュレートするのに好ましい淋菌遺伝子としては、以下のうちの1つ以上が挙げられる:
淋菌鉄調節型外膜タンパク質preFrpB(frpB)遺伝子、完全コード配列
Figure 2004527480
Figure 2004527480
淋菌タンパク質III(PIII)の淋菌構造遺伝子
Figure 2004527480
【0083】
好ましい緑膿菌気泡体調製物
1つ以上の以下の(防御性抗原をコードする)遺伝子は、プロセスb)を介してアップレギュレートするのに好ましい:すなわち、PcrV、OprF、OprI。これらはまた、他のグラム陰性細菌に異種導入され得る遺伝子としても好ましい。
【0084】
好ましいモラクセラ・カタラーシス気泡体調製物
1つ以上の以下の(防御性抗原をコードする)遺伝子は、プロセスb)を介してアップレギュレートするのに好ましい:すなわち、OMP106(WO 97/41731およびWO 96/34960)、HasR(PCT/EP99/03824)、PilQ(PCT/EP99/03823)、OMP85(PCT/EP00/01468)、lipo06(GB 9917977.2)、lipo10(GB 9918208.1)、lipo11(GB 9918302.2)、lipo18(GB 9918038.2)、P6(PCT/EP99/03038)、ompCD、CopB(Helminen MEら(1993) Infect. Immun. 61:2003-2010)、D15(PCT/EP99/03822)、OmplA1(PCT/EP99/06781)、Hly3(PCT/EP99/03257)、LbpAおよびLbpB(WO 98/55606)、TbpAおよびTbpB(WO 97/13785およびWO 97/32980)、OmpE、UspA1およびUspA2(WO 93/03761)、FhaB(WO 99/58685)、ならびにOmp21。これらはまた、他のグラム陰性細菌に異種導入され得る遺伝子としても好ましい。
【0085】
1つ以上の以下の遺伝子は、プロセスa)を介してダウンレギュレートするのに好ましい:すなわち、CopB、OMP106、OmpB1、TbpA、TbpB、LbpA、およびLbpB。
【0086】
1つ以上の以下の遺伝子は、プロセスc)を介してダウンレギュレートするのに好ましい:すなわち、htrB、msbBおよびlpxK(最も好ましくはmsbB)。
【0087】
1つ以上の以下の遺伝子は、プロセスd)を介してアップレギュレートするのに好ましい:すなわち、pmrA、pmrB、pmrE、およびpmrF。
【0088】
上記オープンリーディングフレームおよび上流領域の多くは、WO 01/09350(参照により本明細書に援用する)に記載されている。
【0089】
好ましいインフルエンザ菌気泡体調製物
1つ以上の以下の(防御性抗原をコードする)遺伝子は、プロセスb)を介してアップレギュレートするのに好ましい:すなわち、D15(WO 94/12641)、P6(EP 281673)、TbpA、TbpB、P2、P5(WO 94/26304)、OMP26(WO 97/01638)、HMW1、HMW2、HMW3、HMW4、Hia、Hsf、Hap、Hin47、Iomp1457(GB 0025493.8)、YtfN(GB 0025488.8)、VirG(GB 0026002.6)、Iomp1681(GB 0025998.6)、OstA(GB 0025486.2)およびHif(ピリンをアップレギュレートするために、このオペロン中の遺伝子は全てアップレギュレートするべきである)。これらはまた、他のグラム陰性細菌に異種導入され得る遺伝子としても好ましい。
【0090】
1つ以上の以下の遺伝子は、プロセスa)を介してダウンレギュレートするのに好ましい:すなわち、P2、P5、Hif、IgA1-プロテアーゼ、HgpA、HgpB、HMW1、HMW2、Hxu、TbpAおよびTbpB。
【0091】
1つ以上の以下の遺伝子は、プロセスc)を介してダウンレギュレートするのに好ましい:すなわち、htrB、msbBおよびlpxK(最も好ましくはmsbB)。
【0092】
1つ以上の以下の遺伝子は、プロセスd)を介してアップレギュレートするのに好ましい:すなわち、pmrA、pmrB、pmrEおよびpmrF。
【0093】
上記オープンリーディングフレームおよび上流領域の多くは、WO 01/09350(参照により本明細書に援用する)に記載されている。
【0094】
本発明の膜小胞 ( 気泡体 ) の調製
上記改変型株のいずれかからの気泡体調製物の製造は、細菌により自然に放たれた気泡体を回収するか、または当業者に周知の任意の(例えば、EP 301992、US 5,597,572、EP 11243またはUS 4,271,147に開示されているような)方法により達成され得る。ナイセリアについては、以下の実施例に記載する方法を使用することが好ましい。
【0095】
本発明の細菌から得た膜小胞の調製物は、本発明のさらなる態様である。膜小胞の調製物は、0.22μm膜を濾過可能であることが好ましい。
【0096】
本発明の細菌由来の膜小胞を0.22μm膜に通すことにより得られる膜小胞の滅菌(好ましくは同種)調製物も意図に含まれる。
【0097】
ワクチン剤形
本発明の好適な実施形態は、製薬上許容可能な賦形剤も含み得るワクチンに入った、本発明の気泡体調製物の剤形化である。
【0098】
ワクチン調製は、Vaccine Design("The subunit and adjuvant approach"(Powell M.F.およびNewman M.J.編)(1995)Plenum Press New York)に全般的に記載されている。
【0099】
本発明の気泡体調製物は、本発明のワクチン剤形中でアジュバントを受けられ得る(adjuvanted)。適切なアジュバントとしては、水酸化アルミニウムゲル(ミョウバン)もしくはリン酸アルミニウム等のアルミニウム塩が挙げられるが、カルシウム(好ましくは炭酸カルシウム)、鉄もしくは亜鉛の塩、またはアシル化チロシンもしくはアシル化糖の不溶性懸濁液、陽イオンもしくは陰イオン的に誘導体化された多糖類、またはポリホスファゼンであってもよい。
【0100】
使用され得る適切なTh1アジュバント系としては、モノホスホリル脂質A、特に3-デ(de)-O-アシル化モノホスホリル脂質A、およびモノホスホリル脂質A(好ましくは3-デ-O-アシル化モノホスホリル脂質A)(3D-MPL)とアルミニウム塩との組合せが挙げられる。増強系は、モノホスホリル脂質Aとサポニン誘導体との組合せ、特にWO 94/00153に開示されるQS21と3D-MPLとの組合せ、またはWO96/33739に開示されるようにコレステロールでQS21がクエンチングされた、反応生成(reactogenic)がより低い組成物を伴う。水中油型エマルジョンに入ったQS21 3D-MPLおよびトコフェロールを伴う特に強力なアジュバント剤形は、WO95/17210に記載されており、好ましい剤形である。
【0101】
ワクチンは、サポニン、より好ましくはQS21を含み得る。水中油型エマルジョンおよびトコフェロールも含み得る。オリゴヌクレオチドを含む非メチル化CpG(WO 96/02555)も、TH1応答の好ましい誘発物であり、本発明において使用するのに適している。
【0102】
本発明のワクチン調製物は、全身または粘膜経路を介して該ワクチンを投与することにより、感染し易い哺乳動物を予防または治療するために使用され得る。これらの投与としては、筋内、腹腔内、皮内もしくは皮下経路を介した注射;または経口/食事、呼吸、尿生殖器管への粘膜投与が挙げられる。従って、本発明の一態様は、グラム陰性細菌の感染により生じる疾患に対してヒト宿主を免疫化する方法であって、免疫防御的用量の本発明の気泡体調製物を宿主に投与することを含む方法である。
【0103】
各ワクチン用量中の抗原の量は、典型的なワクチン被検体において有意な有害な副作用を伴わずに、免疫防御性応答を誘発する量として選択する。このような量は、どの具体的な免疫原を採用し、どのように提供するかに応じて異なる。一般的に、各用量は、1〜100μgのタンパク質抗原、好ましくは5〜50μg、そして最も典型的には5〜25μgの範囲で含むことが予想される。
【0104】
具体的なワクチンについての最適な量は、被検体における適切な免疫応答の観察を伴う標準的な調査により確認できる。初回ワクチン化後、被検体は、十分に間隔をあけられて1回または数回の二次免疫化を受けてもよい。
【0105】
ゴーストまたは殺傷全細胞 (killed whole cell) ワクチン
本発明者らは、上記改変型細菌株が、ワクチンにおいて有用な気泡体調製物を生成するためだけに有用ではなく、(同じ利点を有した)ゴーストまたは殺傷全細胞調製物およびワクチンを作製するためにも使用し易いかもしれないと考えた。グラム陰性株からゴースト調製物(無傷のエンベロープを有する空の細胞)を作製する方法は当該分野で周知である(例えば、WO 92/01791を参照)。全細胞を殺傷して、ワクチンにおいて使用する不活化細胞調製物を作製する方法も周知である。従って、本書類にわたり記載する「気泡体調製物」および「気泡体ワクチン」という用語、ならびにプロセスは、本発明の目的において、「ゴースト調製物」および「ゴーストワクチン」、ならびに「殺傷全細胞調製物」および「殺傷全細胞ワクチン」にそれぞれ該当する。
【0106】
実施例
以下の実施例は、特に詳細に記載しない場合以外は、当業者に周知で常套手段である標準的な技術を使用して行われる。実施例は例示的なものであり、本発明を限定しない。
【0107】
実施例1:既に報告されている実施例
莢膜多糖類を欠く髄膜炎菌血清群B株の構築;髄膜炎菌のporA遺伝子座への組込みを標的化する万能(versatile)遺伝子送達ベクター(pCMKシリーズ)の構築;莢膜多糖類および主要免疫優性抗原PorAの両方を欠く髄膜炎菌血清群B株の構築;機能的porAおよびcps遺伝子を欠く組換え髄膜炎菌血清群B株から誘導される気泡体におけるNspA外膜タンパク質産生のアップレギュレート;機能的cps遺伝子を欠くがPorAは発現する組換え髄膜炎菌血清群B株から誘導される気泡体におけるD15/Omp85外膜タンパク質抗原のアップレギュレート;万能プロモーター送達ベクターの構築;組換え気泡体を産生するための発酵プロセス;アップレギュレート抗原コード遺伝子に適した細菌プロモーターの同定;プロモーター置換による髄膜炎菌血清群B Omp85遺伝子のアップレギュレート;機能的cps遺伝子を欠くがPorAは発現する組換え髄膜炎菌血清群B株におけるHsfタンパク質抗原のアップレギュレート;機能的cps遺伝子を欠くがPorAは発現する組換え髄膜炎菌血清群B株における緑色蛍光タンパク質の発現;プロモーター置換による髄膜炎菌血清群B NspA遺伝子のアップレギュレート;プロモーター置換による髄膜炎菌血清群B pldA(omplA)遺伝子のアップレギュレート;プロモーター置換による髄膜炎菌血清群B tbpA遺伝子のアップレギュレート;プロモーター置換による髄膜炎菌血清群BpilQ遺伝子のアップレギュレート;髄膜炎菌染色体に「純粋(clean)」な非マーク化突然変異を導入するためのkanR/sacBカセットの構築;髄膜炎菌の染色体において相同組換えを可能にするための小さい組換え生成(recombinogenic)配列(43bp)の使用;WTおよび組換え髄膜炎菌気泡体で免疫化されたマウスの能動的防御;ならびに全細胞および特異的ELISA方法により測定された組換え気泡体の免疫原性、を説明している実施例は、WO 01/09350(参照により本明細書に援用する)に記載されている。
【0108】
実施例2:ワクチン組成物において使用するための、クラミジア・トラコマチスタンパク質を表面に発現する淋菌気泡体
クラミジア・トラコマチスおよび淋菌の両方ともが性感染症(尿道炎、子宮頸管炎、卵管炎および骨盤炎症性疾患が挙げられる)を生じる。CTおよびGCの両方での混合感染も起こり得る。従って、これらの疾患の1つ以上を標的化するワクチンを設計する上で、単一の剤形により両方の生物に対する防御を提供する可能性は技術的に利点となる。
【0109】
淋菌に対する防御
淋菌OMVワクチンは、1つまたはいくつかの遺伝子の発現がアップレギュレートおよび/またはダウンレギュレートされた気泡体産生株から得られる。発現をアップレギュレート/ダウンレギュレートするのに特に有用な、淋菌タンパク質をコードする遺伝子の一覧は、上記提示している。
【0110】
淋菌による感染を予防するのに功を奏するワクチンは、以下のエレメントを2つ以上必要とするかもしれない:すなわち、淋菌の補体仲介型殺傷を容易にする、ならびに/または多形核白血球などの白血球による食作用および微生物殺傷を増強する、ならびに/または淋菌が宿主組織に付着するのを防ぐ、ための血清および/または粘膜抗体の生成;細胞仲介型免疫応答の誘導も防御に参加し得る。
【0111】
気泡体淋菌(gono)ワクチン調製物の素質は、他に記載されているように(McChesney Dら, Infect. Immun. 36: 1006, 1982;Boslego Jら: Efficacy trial of a purified gonococcl pilus vaccine, Program and Abstracts of the 24th Interscience Conference on Antimicrobial Agents and Chemotherapy, Washington, American Society for Microbiology, 1984に掲載;Siegel Mら, J. Infect. Dis 145:300, 1982;de la pas, Microbiology, 141 (Pt4):913-20, 1995)、抗付着および/またはオプソニン作用性質および/または殺菌活性を有する血清および/または粘膜抗体について誘導された免疫応答を分析することにより、評価できる。
【0112】
淋菌による生殖器感染のマウスモデルが最近記載された(Plante M, J. Infect. Dis., 182: 848-55, 2000)。気泡体淋菌ワクチンの効率は、この感染マウスモデルにおける淋菌によるコロニー化を予防または低下させる能力によっても評価できる。
【0113】
CT に対する防御
GC/CT気泡体ワクチンは、1つ以上のクラミジア遺伝子(好ましくは予想される外膜タンパク質をコードする上記一覧した遺伝子から選択)を発現する株から得ることができる。
【0114】
ナイセリア中での過剰発現のための目的の他の遺伝子は、C.ニューモニエにおいて相同体が見とめられていないC.トラコマチス遺伝子である。このような遺伝子のセットは、Richard S.;p:9-27,StephensStephens編 ASM Press, Washington DC, Chlamydia: Intracellular Biology, Pathogenesis, and Immunity ISBN: 1-55581-155-8 頁:380に記載されている。
【0115】
クラミジア・トラコマチス遺伝子の最も好ましい組合せは以下の通りである:すなわち、(1つ以上の異なる血清亜型由来の)主要外膜タンパク質MOMPおよび外膜タンパク質類似体(PorBとしても知られている)、(1つ以上の異なる血清亜型由来の)MOMPおよび推定外膜タンパク質G(pmpG);ならびにPorBおよびpmpG。
【0116】
CTに対する免疫性は完全に理解されていないが、Abが防御において役割を果たすことは証明されている。生殖器液中のCTに対するAbは、CTに対する免疫と関連づけられている(Brunham RC, Infect Immun. 1983 Mar; 39(3): 1491-4)。クラミジア生殖器感染に対する免疫における血清抗体の防御的役割も示されている(Rank RG, Infect Immun. 1989 Jan; 57(1):299-301)。抗体(例えばMOMP特異的抗体)は、CT感染をin vitroおよびin vivoで中和できることが示されている(Caldwellら1982 Infect. Immun. 38:745-54、Luceroら, 1985, Infect. Immun. 50: 595-97、Zhangら1987 J. Immunol. 138: 575-581)。CTのMOMP表面抗原は、中和化抗体の標的である非線状表面エピトープを担持することが示されている(Fan J, J. Infect Dis 1997, 176(3):713-21)。
【0117】
従って、防御性クラミジアワクチンの設計における重要な目的には、クラミジア特異的抗体応答の誘導を最適化可能なCT抗原の剤形の同定が含まれる。Ab応答の最適化には、生殖器粘膜への標的化、および/または正確に折り畳まれたクラミジア抗原の提示、および/またはいくつかの抗体標的の組合せが挙げられる。
【0118】
クラミジア抗原に対する免疫応答の粘膜標的化は、ワクチンの粘膜投与により達成できる。外膜小胞ワクチンの鼻腔内投与は、ヒトにおいて強力な殺菌活性を有する持続的な局部粘膜抗体および血清抗体を誘導できる。
【0119】
特定のB細胞エピトープ(非線状エピトープ等)については、正確に折り畳まれた状態での免疫系に対する抗原の提示が重要である。クラミジア抗原を発現する株から調製された気泡体ワクチンは、クラミジアOMPに、これらの抗原を正確に折り畳まれた構造で維持するために重要となり得る外膜環境を提供する。
【0120】
いくつかの抗体標的の組合せは、細胞の異なるライフサイクルの段階における感染(宿主細胞への付着、宿主細胞による内在化、および/またはさらなる段階の細胞内発達での妨害等)に立ち向かうことにより効力を高めることができる。
【0121】
Th1細胞の誘導および局部生殖器粘膜への補充(recruitment)は、クラミジアに対する免疫のために重要である。従って、防御性抗クラミジアワクチンを設計する上での重要な目的としては、クラミジア特異的Th1細胞の誘導、そして好ましくはこれらの細胞の生殖器粘膜への補充を最適化できるCT抗原の剤形を同定することである。クラミジア抗原を発現する株から調製された気泡体ワクチンは、クラミジア特異的CMI応答を誘導できる。抗原特異的T細胞応答は、ヒトにおいて、外膜小胞ワクチンでの鼻腔内免疫化の後に誘導できる。
【0122】
GC/CT気泡体ワクチンの具体的な利点は、AbおよびCMI応答の両方を誘導可能な能力である。
【0123】
GC/CT気泡体ワクチンの効力は、Agまたはクラミジア特異的Abおよび/もしくはCMI応答を引き出す能力により評価できる。Ab応答は、ELISAまたはウェスタンブロット等の古典的な技法により評価できる。誘導された抗体は、in vitroアッセイにおいてクラミジアの感染力を中和できるものであることが好ましい(Byrne G.ら(J Infect Dis. 1993 Aug; 168(2):415-20))。CMI応答は、Th1表現型に偏っていることが好ましい。Th1偏向性免疫応答は、マウスにおいて高くなる抗原特異的IgG2a/IgG1比により評価できる(Snapperら1987, Science 236:944-47)。Th1/Th2サイトカインの高い比(例えば、高いIFN-γ/IL-5)、抗原での免疫T細胞のin vitro再刺激の際の比も、このような偏向性Th1応答を示し得る。
【0124】
Ag特異的粘膜Abを引き出す剤形の能力は特に関心が高く、生殖器管分泌、膣洗浄等の粘膜液中のIgGおよび/またはIgAなどの抗体の検出により実証できる。このために、鼻腔内、経口、膣内、皮内送達等、ワクチンの特定の投与経路が特に望ましくあり得る。
【0125】
GC/CT気泡体ワクチンの効力は、動物モデルにおけるクラミジア誘発免疫試験に対する防御を誘導する能力により評価できる。このような動物モデルの例は、文献に記載されている:すなわち、マウスにおけるMoPnによる生殖器感染(BarronらJ. Infect. Dis. 1143:63-66)、マウスにおけるヒト株による生殖器感染(Igietsemeら2000, Infect. Immun. 68:6798-806、Tuffreyら1992 J. Gen. Microbiol. 138: 1707-1715), Tuffrey)、モルモットにおけるGPIC株による生殖器感染(Rankら1992 Am. J. Pathol. 140:927-936)。感染に対する防御は、免疫化動物における誘発免疫試験感染後の、感染部位から放たれるクラミジアの減少および/または組織病理学的反応の減少により評価できる。
【0126】
(上記した)2つ以上のクラミジア抗原を組み合わせる利点は、1つ以上の以下の技術により評価できる:すなわち、
−複数標的Abおよび/またはT細胞防御性応答を引き出す能力
−in vitro中和アッセイにおいてAb力価を引き出す能力、および/または複数の株(抗原性的に異なる)に対してAbを中和化させる能力
−誘発免疫試験後の細菌の放出および/または病変(pathology)の低下により評価した場合の、生殖器感染のマウスモデルにおいてクラミジアに対して防御性免疫応答を引き出す能力
実施例3:機能的 porA および cps 遺伝子を欠く組換え髄膜炎菌血清群B株から誘導された気泡体における異種抗原 ( クラミジア・トラコマチス MOMP および PorB) の発現
ナイセリアにおける過剰発現についての他の目的の遺伝子は、クラミジア・ニューモニエにおいて相同体が見とめられていないクラミジア・トラコマチス遺伝子である。このうち、主要外膜タンパク質(MOMP)および外膜タンパク質類似体(PorB)は、クラミジア生殖器感染に対して防御的な役割を果たすことが示されている。Ab応答の最適化は、正確に折り畳まれたタンパク質の提示により達成され得る。
【0127】
MenB気泡体小胞は、WO 01/09350に記載の操作されたporA-lacOプロモーターの制御下において異種膜タンパク質抗原を発現するための送達ベクターとして使用され得る。気泡体状態において発現されると、クラミジア・トラコマチス血清亜型DおよびK由来の組換えMOMPおよびPorBは、膜中で正しく折り畳まれ、表面において曝露される。機能的cps遺伝子を欠く髄膜炎菌株は、異種抗原を発現するためのレシピエント株として有利に使用される(WO 01/09350)。
【0128】
MOMP( クラミジア・トラコマチス ) をコードする遺伝子の PCR 増幅
クラミジア・トラコマチス血清亜型K(UW31-CX-serK)または血清亜型D(UW31-CX-serD)のいずれかで感染したマウスマッコイ細胞(ATCC)を、400μlの溶解緩衝液(50 mM KCl、10 mM Tris-HCl(pH 8.3)、2.5 mM MgCl2、0.45% Nonidet P40、0.45%Tween 20を含有する60μg/mlプロテイナーゼK)中で、3時間、56℃にて溶解させた。10μlの溶解産物を鋳型として使用して、対応する遺伝子を増幅した。CYK/OMP/5/NDEおよびCYKD/OMP/3/BGオリゴヌクレオチドプライマー(表1を参照)を使用して、MOMP(血清亜型K)をコードする遺伝子(以下の配列番号1)をPCR増幅した。CYD/OMP/5/NRUおよびCYKD/OMP/3/BGオリゴヌクレオチドプライマー(表1を参照)を使用して、MOMP(血清亜型D)をコードする遺伝子(以下の配列番号2)をPCR増幅した。PCR増幅について使用した条件は、供給元(HiFi DNAポリメラーゼ、Boehringer Mannheim, GmbH)により説明されているものであった。熱サイクリングは以下の通りであった:すなわち、25回(94℃にて1分間、52℃にて1分間、72℃にて3分間)および1回(72℃にて10分間、4℃上昇させて回収)。対応するアンプリコン(1194bp)を、NdeI/BdlIIまたはNruI/BglII制限酵素のいずれかで消化し、pCMK(+)送達ベクターの対応する制限部位中でクローニングできる(WO 01/09350に記載)。
【0129】
PorB( クラミジア・トラコマチス ) をコードする遺伝子の PCR 増幅
クラミジア・トラコマチス血清亜型K(UW31-CX-serK)または血清亜型D(UW31-CX-serD)のいずれかで感染したマウスマッコイ細胞(ATCC)を、400μlの溶解緩衝液(50 mM KCl、10 mM Tris-HCl(pH 8.3)、2.5 mM MgCl2、0.45% Nonidet P40、0.45%Tween 20を含有する60μg/mlプロテイナーゼK)中で、3時間、56℃にて溶解させた。10μlの溶解産物を鋳型として使用して、対応する遺伝子を増幅した。PorB配列は、血清亜型DおよびKにおいて高度に保存されている(以下の配列番号3)。同じプライマーを使用して、両方の血清亜型中の対応する遺伝子を増幅した:すなわち、CYD/PORB/5/NRUおよびCYD/PORB/3/BG(表1を参照)。PCR増幅について使用した条件は、供給元(HiFi DNAポリメラーゼ、Boehringer Mannheim, GmbH)により説明されているものであった。熱サイクリングは以下の通りであった:すなわち、25回(94℃にて1分間、52℃にて1分間、72℃にて3分間)および1回(72℃にて10分間、4℃上昇させて回収)。対応するアンプリコン(1035bp)を、NruI/BglII制限酵素で消化し、pCMK(+)送達ベクターの対応する制限部位中でクローニングできる(WO 01/09350に記載)。
【0130】
形質転換
線状組換えpCMKプラスミドを、機能的cps遺伝子を欠く髄膜炎菌血清群B株内で形質転換できる(WO 01/09350に記載)。pCMKベクターと染色体porA遺伝子座との間の二重交差(double crossing-over)により生じる組込みは、WO 01/09350に記載されるようにPCRとウェスタンブロットスクリーニングとの組合わせにより選択できる。
【表1】
Figure 2004527480
配列番号1
クラミジア・トラコマチス MOMP 血清亜型Kタンパク質をコードする DNA のヌクレオチド配列
Figure 2004527480
Figure 2004527480
配列番号2
クラミジア・トラコマチス MOMP 血清亜型Dタンパク質をコードする DNA のヌクレオチド配列
Figure 2004527480
配列番号3
クラミジア・トラコマチス PorB 血清亜型Dタンパク質をコードする DNA のヌクレオチド配列
Figure 2004527480
Figure 2004527480
【0131】
実施例4:莢膜多糖を欠く髄膜炎菌由来の気泡体の単離および精製
組換え気泡体は、以下に記載するように精製できる。細胞ペースト(42gr)を、10 mM EDTAおよび0.5%デオキシコール酸ナトリウム(DOC)を含む211 mlの0.1M Tris-Cl緩衝液(pH8.6)に懸濁する。緩衝液対生物量との比率は5/1(V/W)となる。生物量を、磁気攪拌で30分間室温にて抽出する。次いで、合計抽出物を、20,000gにて30分間4℃にて遠心分離する(JA-20ローター、Beckman J2-HS遠心分離機にて13,000rpm)。ペレットは捨てられる。上清を、125,000gにて2時間4℃にて超遠心分離にかけて(50.2Tiローター、Beckman L8-70M超遠心分離機にて40,000rpm)、小胞を濃縮させる。上清は捨てられる。ペレットを、2 mM EDTA、1.2% DOCおよび20%スクロースを含む25 mlの50 mM Tris-Cl緩衝液(pH 8.6)中で穏やかに懸濁させる。125,000gにて2時間、4℃にての2回目の超遠心分離ステップの後、小胞を44 mlの3%スクロース中に穏やかに懸濁させ、4℃にて保存する。気泡体抽出および精製のために使用した全ての溶液が0.01%チオメルサレート(thiomersalate)を含んだ。WO 01/019350に例示されるように、この過程により、外膜タンパク質に高度に富んだタンパク質調製物が産出される。
【0132】
実施例5:淋菌および C. トラコマチス感染に対する防御をテストするためのモデル
これは上記実施例2に記載するように行われ得る。さらに、Whittum-Hudsonら(Vaccine 2001 Jul 16;19(28-29):4061-171)"The anti-idiotypic antibody to chlamydial glycolipid exoantigen(GLXA) protects mice against genital infection with a human biovar of Chlamydia trachomatis"は、C.トラコマチスについての膣接種モデルであり(参照により本明細書に援用する)、これもワクチン効力をテストするために使用できる。

Claims (29)

  1. クラミジア・トラコマチス由来のPorB外膜タンパク質を表面上に提示している、グラム陰性細菌気泡体。
  2. クラミジア・トラコマチス由来のPmpG外膜タンパク質をさらに表面上に提示している、請求項1に記載のグラム陰性気泡体。
  3. クラミジア・トラコマチス由来の1つ以上の血清亜型に由来するMOMPをさらに表面上に提示している、請求項1に記載のグラム陰性気泡体。
  4. クラミジア・トラコマチス由来のPmpGおよび(1つ以上の血清亜型に由来する)MOMP外膜タンパク質の両方を表面上に提示している、グラム陰性気泡体。
  5. 淋菌気泡体である、請求項1〜4のいずれかに記載の気泡体。
  6. 1つ以上の防御性淋菌外膜抗原をアップレギュレートするように改変された淋菌株から誘導された、請求項5に記載の気泡体。
  7. 1つ以上の可変性主要抗原または非防御性淋菌外膜抗原をダウンレギュレートするように改変された淋菌株から誘導された、請求項5および6に記載の気泡体。
  8. htrB、msbBおよびlpxKからなる群より選択される1つ以上の遺伝子の発現を低減またはスイッチオフするように株を操作したことにより細菌LPSの解毒化脂質A部分を有する株から誘導された、請求項5〜7のいずれかに記載された気泡体。
  9. 菌株を、pmrA、pmrB、pmrEおよびpmrFからなる群より選択される1つ以上の遺伝子をより高いレベルで発現するように遺伝子操作したことにより細菌LPSの解毒化脂質A部分を有する株から気泡体調製物が誘導される、請求項5〜8のいずれかに記載された気泡体。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の気泡体、および製薬上適した賦形剤またはキャリアを含む、ワクチン組成物。
  11. 粘膜アジュバントをさらに含む、請求項10に記載のワクチン。
  12. 宿主においてクラミジア・トラコマチス感染を予防する方法であって、それを必要とする宿主に請求項10または11のいずれかに記載のワクチンを有効量投与するステップを含む、方法。
  13. ワクチンを、鼻腔内、経口または膣内経路のいずれかを介して粘膜投与する、請求項12に記載の方法。
  14. クラミジア・ニューモニエ由来の防御性抗原を表面上に提示している、グラム陰性気泡体。
  15. クラミジア・ニューモニエ由来のPorBおよびMOMP外膜タンパク質の両方を表面上に提示している、グラム陰性気泡体。
  16. クラミジア・ニューモニエ由来のMOMPおよび1つ以上のPmp外膜タンパク質の両方を表面上に提示している、グラム陰性気泡体。
  17. クラミジア・ニューモニエ由来のPorBおよび1つ以上のPmp外膜タンパク質の両方を表面上に提示している、グラム陰性気泡体。
  18. クラミジア・ニューモニエ由来のPorBおよびNpt1タンパク質の両方を表面上に提示している、グラム陰性気泡体。
  19. クラミジア・ニューモニエ由来のNpt1および1つ以上のPmpタンパク質の両方を表面上に提示している、グラム陰性気泡体。
  20. クラミジア・ニューモニエ由来のNpt1およびMOMPタンパク質の両方を表面上に提示している、グラム陰性気泡体。
  21. 髄膜炎菌気泡体である、請求項14〜20のいずれかに記載の気泡体。
  22. 1つ以上の防御性髄膜炎菌外膜抗原をアップレギュレートするように改変された髄膜炎菌株から誘導された、請求項21に記載の気泡体。
  23. 1つ以上の可変性主要抗原または非防御性髄膜炎菌外膜抗原をダウンレギュレートするように改変された髄膜炎菌株から誘導された、請求項21または22に記載の気泡体。
  24. htrB、msbBおよびlpxKからなる群より選択される1つ以上の遺伝子の発現を低減または遮断するように株を操作したことにより細菌LPSの解毒化脂質A部分を有する株から誘導された、請求項21〜23のいずれかに記載された気泡体。
  25. pmrA、pmrB、pmrEおよびpmrFからなる群より選択される1つ以上の遺伝子をより高いレベルで発現するように株を操作したことにより細菌LPSの解毒化脂質A部分を有する株から気泡体調製物が誘導される、請求項21〜24のいずれかに記載された気泡体。
  26. 請求項14〜25のいずれかに記載の気泡体、および製薬上適した賦形剤またはキャリアを含む、ワクチン組成物。
  27. 粘膜アジュバントをさらに含む、請求項26に記載のワクチン。
  28. 宿主においてクラミジア・ニューモニエ感染を予防する方法であって、それを必要とする宿主に請求項26または27に記載のワクチンを有効量投与するステップを含む、方法。
  29. ワクチンを、鼻腔内または経口経路のいずれかを介して粘膜投与する、請求項28に記載の方法。
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