JP2004525707A - ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム - Google Patents
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Abstract
歯科領域における特別な適応性を有すジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム。術野の挿入物(ワイヤー、stamping、その他)は従来のラバーダムに使われるようなシートの中に、組み込まれ、あるいは(後から)適応される。術野の挿入物は弾性、展性、成形可能であるいはリジッドである。術野の挿入物は通常閉じたループであり、開口部もしくは術野を位置づけるための開口部分が閉じたループのラバーダム材料の内側に設けられている。術野の挿入部はジェネラルフィールドアイソレーションダムの隣接している術野をゆがめる挿入物の外側のラバーダムの膜の中の張力を隔壁するのを補助する。
Description
【0001】
発明の背景
本発明は、歯科治療における術野の隔壁に係わり、特に歯科処置中に口腔周囲組織を圧排、防湿し乾燥を保つことを目的とした口腔の隔壁に用いられるラバーダムに関する。
【0002】
ニューヨークにおいてDr. Sanford C. Barnumがオリジナルのラバーダムを発明したのは1864年であった。ラバーダムは歯科医師の乾燥した術野での処置の必要性に答え初めての効果的な隔壁器具として速やかに認められた。以来、ラバーダムの歯科での使用は世界においても標準的な防湿法として広く普及した。ラバーダムの使用方法はアメリカ及び各国の歯科大学でも高度な隔壁器具として教えられている。ラバーダムの使用は歯科領域において有用ではあるが、ラバーダムシートの形状の制限と現実に使用するにあたっての難易性が、適応できる治療の範囲を制限しており、それらが臨床での使用の割合を著しく減じている。すべての歯科医師が大学においてラバーダムの使用方法を教育されているにもかかわらず、開業医のわずか10%しか実際に使用していないと見積もられている。この使用率の低さの大きな原因として挙げられるのが装着の難易さと患者の不快感である。
【0003】
今回の発明は既存のラバーダム防湿法の進化型である。このジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムはバリアドレープではなく、従来のラバーダムの適用範囲を広め、この隔壁器具をもって処置を効果的に進める意図を持つ。更に、使用法を簡単にし、患者の不快感を軽減することにより臨床家の多くが普遍的な器具としてラバーダムの使用を開始、あるいは再び使用することを促す目的も有す。
【0004】
ラバーダムとバリアドレープの最も大きな相違点はラバーダムが組織より牽引され、その張力により軟組織を能動的に圧排することである。それに対しバリアドレープは隔壁の対象となる口腔組織の上に受動的に掛けられるだけなので、内面に張力を生じず、従って組織を積極的に圧排することはない。ラバーダムシートは一般的に平面シートの弾性材料で組織の動きや形に応じて伸縮し形状を変化を変化させるが、バリアドレープはあらかじめ口腔組織の形状に応じて形がつけられており、受動的に組織の上に掛けられる。能動的に牽引されたラバーダムはシートの余剰部分を引っ張り上げ、口腔の外と内を遮断するため患者の舌と咽喉の障害物とはならない。一方、バリアドレープはこういった特性を持たないためドレープの余剰部分が舌の動きにより口腔内に落ち、術者を悩ますと同時に患者に嘔吐反射や窒息の危険を強いる。
【0005】
術野からフレームまで、牽引されたラバーダムは、漏斗状の形状を示し、余剰水分を集中させ水平位で行われる現代の治療において、アシスタントによる吸引を容易にするが、バリアドレープは余剰水分が分散し、吸引が困難となる。また、ラバーダムによって生じる張力が緩やかに患者の開口状態を嚥下反射の間でも保ち、処置を中断することがなくなる。それに加えてラバーダムフレームから引っ張られる張力により患者の口唇、舌、頬を圧排しスムーズな器具の使用を可能とする。デンタルドレープは牽引、圧排ができないので、シートそのものによる器具の到達性の確保ができない。その代わりに適度な口唇の圧排を無視した、効果のないスプリングのような装置を術野の確保の為に使っている。
【0006】
二つの既存の器具の存在は真のラバーと口腔内バリアドレープの概念の違いを明確にしている。第一は米国特許No. 5,078,604で口腔内にストレスや引張り力をかけないように受動的に口腔組織に置かれるもので、ラバーダムのように張力は生じずバリアドレープと表現されている。その特許はラバーダムの欠点、つまりシートを引っ張る内面の張力を長文で論じている。それに対して提案された解決策があらかじめ形作られた解剖学的な‘袋型’のバリアドレープである。これは受動的に口腔組織の上に乗せられ引っ張られることによるストレスがかからないようになっている。この発明は患者が一人一人異なった解剖学的形態を有していることを無視しており、すべての患者に適合したドレープを作ることは不可能である。また、これは余剰部分が存在するということも考慮に入れておらず、この部分が口腔後部に落ちた場合に嘔吐反射や呼吸困難が生じ、それに加え、舌は手足などと違い常に前後に動き、バリアドレープは外れ易く、処置の障害物となる。そして、ラバーダムシートを引っ張りあげるというコンセプトがないため口唇と頬は圧排されず、その結果、開口状態を誘導することもままならない。したがって、その代わりに補助的な開口器具を必要とすることになる。
【0007】
ラバーダムと口腔内バリアドレープの違いを表現するのに適した、二番目の器具はドイツのラバーダム(ドイツ語でcofferdam)と称するものである。しかし実際のところこれはバリアドレープであり、ヨーロッパの特許番号はNo.EP1006925AI (Horvath et al .) である。これは真のラバーダムと違い、平面のシートではなく、「バッグのような形で口腔内に良く適合する」、「前方部分で巻き上げられたラバーダム」と表現されている。巻き上げたものを解くことによってバッグ型のダムが前方に移動する。このコンセプトは避妊用具に似ているが、巻き上げを解くと、管状あるいは円筒状のシートが現れる。そのシートは患者の口腔内に押し込まれバリアーの働きをする。このコンセプトの問題はやはりシートの余剰部分による嘔吐反射と呼吸困難、舌の運動による余剰部分の動き、口唇と頬の圧排と開口の誘導の欠如である。
【0008】
アメリカ特許番号No.5,078,604は特に軟口蓋や咽頭部にまで余剰部が進入するという点でバリアドレープの構造上の典型的な欠陥例の一つである。さらに、臨床的に有効なラバーダムを謳った二種類の器具、アメリカ特許番号No.4,000,387とドイツ特許番号No.DE19704904Cも同様の欠陥を持っている。これら3点は同様の欠点を共有している。3つともにすべての歯列もしくは上下顎同時に隔壁を行おうとするものである。バリアシートで、口腔を隔壁するものであり、中心部分は硬い卵形のシートで歯牙を隔壁する。いずれも歯列間装置すなわち、上下ともに隔壁を行うものである。相違点いくつかあり、387は2つのパーツの間をラバーダムのシートと一緒に装着して、全体のシートを構成するのに対し、ヨーロッパの装置はラバーダムシートにすでに最初から装着してある。
【0009】
ラバーダムシートに装着するのと装着されていることの違いを除き、ヨーロッパの特許の内面のデザインと’387の平面的なデザインが共通していることは特記すべき事項である。結果として両者ともに前述のように同じ構造的な欠陥を持っている。
【0010】
これらの器具の第一の欠点は単純な蝶盤軸開閉運動である。最後臼歯の1インチ以内後方の軸で上下顎が回転するのなら、問題はないであろうが、実際は異なる。代わりに始めの2,3cmは上下の咬合面はほぼ平行に下顎の開口とともに離開して行く(ほんのわずかに弧を描くように)。そしてその後に下顎は前方に移動しさらなる開口にそなえる。実際の蝶盤の結合部、下顎頭が関節かにかん合する部分は4,5インチ離れたところにある。単純な蝶盤運動をするタイプのバリアドレープやラバーダムは解剖学的要件を満たすことを追求している。
【0011】
これらの装置の第二の大きな欠点は、歯牙を隔壁するために中心部に硬い卵型のバリアシートを持つことである。上述のような単純な蝶盤運動で折れ曲がり、歯列を隔壁するために口腔後部への挿入する過程において、この器具は患者の口腔奥に入り、舌や咽喉部を侵害する。これは嘔吐反射、呼吸困難、閉塞感などの不快感を患者に与えることとなり、治療を中断させる。
【0012】
これら3つの器具は単純開閉運動で折れ曲がる。開口時の上下顎の歯列間距離に合わせた機構を持ちあわせていない。補足的な境界面と器具との相互関係を得るための、究極の条件である人間の解剖学形態を無視した解決法を体現している。これらの装置は上下の歯列が最後臼歯の後方1cm以内を軸にして回転することを想定して作られている。実際の所、上下の歯列は平行に離開していく。円弧を描くが上顎に対しての下顎の回転の中心は関節かあり、咬合面から少なくとも4〜6インチ離れている。開口時の咬合面間の離開の度合いは患者の解剖学的形態により、また患者の意志により異なる。実際の距離は変化するので装置に備えられるべき正確な基準も変化する。しかし、補正する余地が患者に短時間あるいは長時間の閉口を指示することにより存在する。咬合面間距離とジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムのデザインについて一つ言えることは咬合面間距離は臼歯から前歯に向かっての開口の半径に比例しているということである。
【0013】
もし全歯列において拮抗的な隔壁をラバーダムで得ようとするなら、その特別にデザインされたラバーダムは舌や定期的な嚥下反射に対応しなければならない。まず矯正歯科においてマーケットを見つけるであろう、特別にデザインされたフルアーチラバーダムは他の多くのラバーダムがもち得ない、批判を呼ぶかもしれない特徴を間違いなく備えている。しかし、これまでのラバーダムの欠陥を修正するニーズは、全歯列の隔壁装置の創造にとって大きな要素である。
【0014】
一般的なラバーダムでは、薄く平らなラバーシートを術者が必要に応じた歯列に合わせて穴を開ける。開口されたラバーダムは患者の口腔内に挿入され、開口部は個々の歯に順に完全に術野が露出するまで、引き伸ばされる。この方法は歯冠部のみ(歯肉縁より上)を露出させるので、歯肉縁上の硬組織のみが処置の対象となる。このことにより、一部の補綴治療においては歯肉縁下の処置が必要なため、ラバーダムなしでの治療を余儀なくされる。クラウンやブリッジの形成を歯肉縁下で行うためには歯冠部の他に一部の軟組織(歯肉の露出)が必須である。この要求を満たす、改造されたラバーダムによって術者は歯冠形成を歯肉縁上、縁下で行うことができ、その後歯肉溝に圧排コードを挿入しクラウンやブリッジの印象を採得する準備に入る。印象採得は歯科技工所において、形成した歯牙の模型からクラウンやブリッジを作成するために必要な工程である。現在の所、ほとんどすべての補綴処置が従来のラバーダムの材料、や技術的な制限から、ラバーなしでの治療を余儀なくされている。
【0015】
本発明の目的において使われる歯槽内空隙という用語は歯槽弓、軟、硬口蓋、舌底、咽頭後部によって囲まれる立体的な陥凹と定義される。歯槽弓は歯列を作るすべての軟、硬組織により構成される。(歯槽骨、歯肉、歯牙、付着組織)歯槽内空隙はまた、患者の舌に主に占められ、その動きに適応することから舌側空隙とも表現される。この陥凹部の後方部の境界は軟口蓋であり、フィールドアイソレーションラバーダム装置にとって嘔吐反射の発現部であることから重要な部分である。この歯槽内空隙を著しく侵害したデザインの器具は臨床的にも商業的にも失敗の運命をたどる。患者に受け入れられないからである。
【0016】
前述の3つの従来のラバーダムもしくはバリアドレープ’387特許、’604特許、そしてドイツ特許番号No.DEI9704904Cは歯槽内空隙を考慮に入れていない。3つとも単純な蝶盤軸運動で、ラバーや隔壁材を患者の後方に押し込み、歯槽内空隙をはずれ、結果として嘔吐反射、呼吸困難を引き起こし、臨床的な失敗をみる。このデザイン上の欠陥はすべての口腔内バリアドレープにおいて共通で、余剰部分がこの空隙に不安定に浮かぶ。本発明である現在の全歯列ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは凹面を歯槽内空隙に対して付与することによりこの欠点を克服している。全歯列ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムはこの形状を臨床的にも商業的に受け入れられる為に必ず付与しなければならなかった。一部の患者はこのスペースを出ても、耐えられることは事実である。結局のところ、ラバーダムは口腔内に挿入するものである。患者の忍耐の度合いはその侵害の程度による。全歯列を防湿する場合はその後方部は凹面でなければならない。ところが歯列の前方半分だけ防湿するような場合は、歯槽内空隙内で舌の動きや嘔吐反射を起こさないために十分なスペースを確保することができる。各個人多様性を持っている。しかしながら、それゆえその個々の多様性が全体への影響力を持つ。前歯部半分のみのラバーダムは前述の通り凹形の内面を持たないが、臨床的に許容範囲にある。もちろん、このラバーダムが、凹面を備えることもできるであろう。いかなる形のラバーダムでも前歯のみを防湿するのなら、後方部の凹面は必要としない。小臼歯部の両側もしくは片則の防湿となると、グレーゾーンにはいる。臼歯部に行くにしたがってラバーシートはそれに伴い後方に移動しなければ、防湿は成功しない。このある意味境界部である状況では平らな面でも対応できるが、筆者はシートの凹面の形状を支持する。
【0017】
片側のジェネラルフィールドアイソレーションは全歯列の相反的に保持されたラバーダムとちがい、歯槽内空隙に入りこむことがない。その理由は片側のみの防湿だと、余剰部分がフレームにより牽引され、歯槽内空隙からシートが離れ、舌や内部組織のために十分なスペースを構成するからである。片側のみで保持されたフィールドアイソレーションラバーダムは立体的に伸張され、歪んだピラミッドのような形をしており、歯槽内空隙と調和する。
【0018】
以前のラバーダムは効果的で安定した歯列の防湿を供給してこなかった。歯牙と軟組織の両方を隔離することの意義はそれらの構造物を露出させることと同時に、効果的な水分の遮断である。今までの器具はすべてこの点で欠点を持っていた。単純にシートを引っ張ることによって隔壁を図った初期の装置はアメリカ特許番号No.5,503556とカナダのBond Buddyである。ラバーダムを牽引する方法においてこれらは、ほとんど同一である。分析するにあたり、ラバーダムシートから歯列に対してのベクトルをXとYとし、X方向に対しての引っ張る力を歯槽部から離れる力、Y方向での引っ張る力を歯頸部方向(下部あるいは歯根方向)と定義され、X方向の力は組織から離れる方向に隙間を残したまま牽引し、これは望ましくない力であり、X方向への力を排除する歯頸部に向かっての力、Y方向への力が、一般的に望まれる。これら初期の装置はX方向への力が過度に働き、隙間を生じ、唾液や水分が浸入する結果を呼んだ。両者ともに、歯肉縁部に装着されたクランプが存在する面と平行にラバーダムシートを牽引するので、Y方向への力が働かない。臨床で使われる’556装置は形成する部分のすぐそばにクランプの鋼翼を置く。術者はクラウンのマージンを形成するために十分なアクセスを持てず、クランプのステンレス鋼翼を傷つけ、切る可能性がある。それに対し、本フィールドアイソレーションラバーダム−クランプは主にY方向への力を効果的に牽引している間、スリットダムテクニックか、特別に用意されたフィールドアイソレーションラバーダムシートを使われるかに関係なく、収縮力のXベクトル成分を除くか、最小にする。シートの牽引は、シートの縁だけを引っ張る「全てか無か」のアプローチではなく、むしろ、この牽引はラバーダムシートの縁を歯列弓に近づけ組織とラバーの隙間を除くためのものである。ラバーダムクランプに対して牽引されるシートの摩擦の力によって、または、牽引されたシートをつかむ鈎の先端か鈎腕によって、この特徴はシートの様々な形の牽引に対応する。
【0019】
いくつかの従来のラバーダムは個々の隔壁部分に関連して、ラバーダムシートをコントロールするために必須のメカニズムを含有していた。しかし、これを効果的に達成するデザインを見ることはなかった。蝶盤軸運動の欠点と歯槽内空隙の侵害の他に、‘387の特許は歯列を隔壁するためのスリットが存在する。この装置とさらにそれに対応するHorvath全歯列装置は歯牙の隔壁のみ許し、歯肉縁下への効果的なラバーダムシートの牽引機能を持っていない。
【0020】
‘604特許はバリアドレープに関連した欠点を持つ他にラバーダムを切り、シートを歯列弓に合わせることをうたっている。しかし、この装置はすべての内面の張力と引っ張る力を除去することを目指しているので、伸展したラバーダムシートの張力が発現している間に術野をコントロールすることには言及していない。この装置は本当のラバーダムではないが、従来の技術の分析のという意味では意義がある。Horvathの歯列内の設計は、四角いパターンのまわりで2つの弾力的に変形可能な部分を付与された2つの形成的に変形可能な部分を持つ。この発明者は接着剤を使用し、そのデザインの欠点を補おうとしている。完全に3次元的に形作れる術野の辺縁部を持ち、強固に結ばれた展性のある集合体である本発明のフィールドアイソレーションラバーダムのデザインの4つの基本的な要素の欠如はHorvarthの設計を一般的なラバーダムの問題の解決方法として不十分なものとしている。ラバーダムシートを牽引するために、ある程度の制限がある不連続の屈曲性の材料が使用されてもよい少数の状況でさえ、2つの介在する弾性材料は必要としない。ラバーダムシートを保持する接着剤の使用は、口腔の粘膜への接着剤は、伸ばされたラバーダムダムシートに抵抗するための歯肉や口腔粘膜に対しての十分な接着力がないという理由のために非常に使用が限られる。わずかに限られた状況でのみ、口腔粘膜間の接着剤が保持のみのために使用できるが、しかし、これは、この発表の一部であるフィールドアイソレーションラバーダムクランプによって最大の力が対抗される前歯部の隔離時にのみである。本発明の連続的な屈曲性のある辺縁構造は、全く接着剤の使用なしで使用できる術野の辺縁部の形成および力への抵抗において十分に有効である。その代わりに、障壁接着剤は補助的な保持の必要なしで防湿を完全にするために使用できる。ギャップまたは漏れが、ラバーダムの適用中で、あるいはラバーダムが処置中に裂けたケースでの防湿シールの応用が文献の中で広く報告されている。そのような状況で、これらの漏れあるいはギャップは、Cavit、Tempakあるいは歯周治療のパックなどのような一般に用いられている材料の使用で密閉された。Colgate−Hoyt研究所によって作られたOrabaseが、ラバーベース接着剤でラバーダムに接合された時に大きな穴を密閉するのに役立つと発見された。従来のラバーダムの使用によってウ蝕により崩壊した歯を隔離する試みは、ラージホールテクニックあるいはラバーダム・パンチにより従来のラバーダムの一連の穴をパンチし、その後、各穴の間の隔壁のラバーをスリットを作るためにハサミで切断する、スリッドダムテクニックの使用により行われた。その後、Orabaseのパッチは、崩壊した歯の周囲の軟組織の粘膜に直接適用され、Orabaseは、ラバーベース接着剤によってラバーダムのスリットに接着される。このテクニックはthe Journal of Endodontics 1986. 12:363−367 Solving isolation problems with rubber base adhesive, Bramwell, J.D., and Hicks, M.L.に記述されている。密閉剤、ギャップや漏れの修復剤、組織の隔壁としてのシリンジでのpolydimethylsiloxaneの特定の使用方法は米国の特許5,098,299番に記載されている。この構成特許は方法を特定し、組織の隔離に関して言及しているが、ラバーダムの設計あるいは技術の修正については言及していない。同じ会社(米国の特許6,086,370番)に与えられた別の特許は、シリンジで注入する、重合可能な歯牙や歯周組織の周囲、上をコーティングするアイソレーションバリアについて記述している。その目的は科学的刺激やから組織を守るためとラバーダムの漏れを防ぐためである。この特許は記述された方法に制限されて、ラバーダムの必要性がないことを主張している。これはシリンジペーストの形状をとっている。
【0021】
米国の特許5,803,734番は、丸いボタン状の熱可塑性の材料について記述している。それは成形可能な状態に熱され、歯の組織に応用する他に、口腔接着剤を使用し、クランプによる歯肉組織の破損を防ぐためのクッション、ラバーダムの組織に対するアンカー、Orabaseと接着剤による従来のラバーダムとスリットダムテクニックと同様の組織隔壁などに使用される。ラバーダムの適用方法や設計の修正には言及していない。Dr. William H. とDr.Liebenberg はthe Compendium of Continuing Education in Dentistry, Vol. 19 (10):1028-1032, “Dental Dam Patch an Effective Intra−oral Repair Technique”において ラバーの修理、ラバーダムと軟組織を接着させることによる隔壁を目的としたシアノアクリレートの使用について述べている。様々なクランプおよび術野からラバーダムを牽引する装置が、先行技術に導入された。これらの牽引装置は、ハサミでダムのスリットを入れることにより、従来のラバーダムを修正する、スリットダムテクニックと共に一般に使用されるそして、隔離する歯に、クランプを適用し、ゴムを牽引するためにクランプか装置上のラバーを伸ばす。
【0022】
米国の特許5,503,556番に記述されたそのような装置の一つは拡張ラバーダムクランプについて記載している。それは崩壊した歯の後ろの歯の上に留められ、その後、ラバーダムが用意され、隔離される歯の上で牽引され、クランプエクステンションが隔離されるエリアのまわりのゴムを牽引する。別のほとんど同じようなクランプは、Silker & Glickman Clamp and Method と呼ばれ、クランプのエクステンション上にラバーを引っ張るラバーダムテクニックの代わりに、スリッットテクニックを用いたエクステンディドクランプを使用している。そしてまた、別の製品、Bond Buddyは前述のクランプと同じ方法で、スリットダムテクニックを使用して、ラバーダムを牽引するために従来のラバーダムクランプと共にプラスチック牽引フレームを使用している。
【0023】
William H. Liebenberg Quintessence International 1995; 26:493-500,において複数のベニアーのセット時の隔壁の補助であるラバーダム維持装置について、著者の仕様書上で、ラミネートベニアーの形成時の前歯部を隔離するために、研究室で作り上げられた装置について記述している。術野に装置を展開し、ポーセレンラミネートベニアーを形成、セットするための歯牙の隔壁を得るためにラバーダムはカットされ、スリッドダム法を使っている。
【0024】
Extending the Use of the Rubber Dam, Part 1; Quintessence International 1992:23:657-665,において、William LiebenbergはLiebenbergは、補綴治療においての鋳造ポストコアの形成で中間部の歯を隔離する目的に、前方と後方への位置に、ラバーダムリテーナー(クランプ)を置く操作について述べている。ラバーダムは、歯肉縁下への処置のために中央の歯を隔離する2つのクランプ上に伸ばされる。
【0025】
米国の特許6,093,022番は、接着剤の使用と、口腔内のラバーダムを安定させるためにラバーダムクランプを交換する際のラバーダムの一部の挙上について述べている。穴がパンチされ、ダムが個々の歯の上にそれぞれに滑らせられ、適応される場合、記述されたラバーダム適用は従来のアプローチである。ラバーダムの別の代わりになる適用についての言及はない。改良されたただ一つの機能は従来のラバーダムクランプを交換することである。接着剤の維持は全体のダムを保持しないように1つの歯のみに接着することである。さらに、ダムを密閉する障壁材料の役割はその接着剤にはない。米国の特許4,600,387番は、ダムを組み立てるためにフレームワークを応用して、ラバーダムシートが配置される、プラスチックフレームについて記述している。ダムシートは1つ以上の歯を隔離するために切断するかパンチすることができる。歯の隔離の時に軟組織の隔離をも可能にするフレームについては言及していない。この平面的な設計では、歯肉縁下の隔離はできず、もし、第3大臼歯が萌出していて、フレームワークの遠心部分から、歯肉縁のレベルに適切にラバーを装着させることをブロックしていたら、すべての歯を露出することはさえできない。プラスチックフレームの剛性、および「1つのサイズで、配置によりすべてフィット」のコンセプトでは、歯列の隔離方法としてこの装置を失格させる。
【0026】
ジェネラルアイソレーションラバーダムテクニックに適用可能な歯科治療は広範囲にわたる。しかし、最初に述べておかなければならないのは従来のラバーダムテクニックは様々な歯科処置において非常に有益で、歯科大学で普遍的に教えられているが、歯科医の約10%のみが臨床で実際に使用していることである。他の90%はそれを無視するか、あるいは選択的に使用するが、皮肉なことは、ラバーダムに代わる装置、方法もしくはその利点を少しでも持つような器具を常に探し求めていることである。恐らくラバーダム未使用の悲観的な統計に関する最も適切な注釈は、Journal of Dentistry, Vol 7: 197-198 in 1938の中でJ.M. Primeによってなされた。「恐らく、歯科医療においてこのように広く効能が認められているにもかかわらず、臨床医によって広く無視されているテクニック、器具は他に存在しないであろう。」この隔離装置の一般的使用程度と、それを臨床的に使用するにあたっての困難の程度は反比例しているように見える。そのため、多くの歯科医師は、その使用の困難に耐え、忍耐強く続ける臨床医に授けられた利点の多さにもかかわらずそのテクニックを使うことを放棄している。従来のラバーダムテクニックの完全な使用によって、優れた治療を達成可能にする最大のチャンスが生まれ、あらゆる臨床中で、使用が可能であれば第一に考えるべきものであると認められるべきである。ジェネラルアイソレーションラバーダムが従来型のラバーダムに取って代わるとはいうわけではなく、その臨床的適応範囲の拡大によって共存していくものである。優れた臨床を達成するための貢献度の測定は完全な(従来の)ラバーダムテクニックとの比較より、ラバーダムが全く使われていない状態との比較によるべきものである。ラバーダムテクニックの改良で広く知られている臨床医および研究者、およびラバーダムの広範囲の使用のための伝道者はその問題を簡潔に述べた。「間接修復は、ラバーダムがない状態での危険にさらされたアクセスでの処置が行われている。それには大きな理由があり、従来のラバーダムがその歯肉のマージン・アクセスの必要性により多数ラミネートベニアのセットへの適用には厄介で非実用的であるからである。」Dr. William H. Liebenberg, はQuintessence International, Vol. 26: No 7/1995, p. 493.において次のように述べている。「ジェネラルフィールドアイソレーションは十分な隣接面へのアクセスを可能にし、従来のラバーダム適用の非実用性によって消費する時間をなくしたい臨床医のための理想的隔離方法である。」「Crollはラバーダムを完全に拒否する歯科医師のためのテクニックとして再紹介している。」William H. Liebenberg, Quintessence International Vol. 24: No 1/1993, p.8.。
【0027】
発明の要約
発明は、一連の改良したラバーダムシートから構成される。それのみ、あるいは他の器具とともに、歯科医師が、ラバーダムのユニークなまた別な適用方法によって歯槽列(同じの骨の支持を含めた、歯およびその周囲の軟組織あるいは歯肉の両方が結合した解剖学的構造用語)の様々な部分を一度に隔離することを可能にする。従来のラバーダムテクニックおよび使用法が、ラバーダムシートの個々の穴の穿孔、および個別の穿孔を通じて露出させた各歯牙の個々の隔離に依存している一方、一連のこの装置は通常、一度にいくつかのグループの歯を隔離する。そのテクニックは、先行技術の中でジェネラルフィールドアイソレーションと呼ばれた。従来のラバーダムにはさみでスリットを入れることによって一度に2歯以上の歯を隔離しようとするスリッドダムテクニックと呼ばれる、非常に制限があり欠陥のあるテクニックが試みられてきたが、今に至るまでに、機能的なその代わりとなる設計、つまり歯科におけるラバーダムの問題に立ち向かう案は存在しなかった。この一連のラバーダムの改良は従来のラバーダムテクニックの欠点および限界に取り組むだけでなく、歯科処置においての術野の隔壁の新しい包括的かつ機能的なアプローチを体現する。
【0028】
一連のラバーダムシート装置は、必要とされる術野の周囲を少なくとも、構成する膜を改良するために膜の中に構成されるか膜に適応する、必須な挿入物、あるいは装置を平らな弾性のある膜から通常構成される。術野の挿入物の4つの一般的な分類は、次のとおりである。弾性で、展性があるか、塑性変形ができ、少なくとも弾性限界までは弾力があり、強固か、本質的に強固であることである。弾性フィールドアイソレーションシートは、応用の不可欠な障壁接着剤で、あるいはそれなしでも構成することが可能である。展性のあるタイプとして分類された、必須の術野の挿入物を備えたフィールドアイソレーションシートは、術野の解剖学的形態に適合するために術者の指によって容易に形成できるであろう。そして、さらに、それらの構成の一部として完全に接着剤を使用する場合もあろうし、あるいは付属物と手で適用される隔壁材料の統合の機能が応用される場合も考えられる。弾力のある術野の挿入物を備えたジェネラルフィールドアイソレーションシートはさらに術者の手指あるいは矯正用プライヤーによって永久変形しても良いが、患者の咀嚼筋により発現する、相反する歯列間の力によって位置を維持するために弾性作用するように主に設計されている。弾性フィールドアイソレーションラバーダムは完全に障壁接着剤を適用しても良いし、あるいは障壁接着剤の手動の適用メカニズムが存在しても良い。フィールドアイソレーションラバーダムの厳密な分類はテクニックの規則において他の一般的なラバーダムの分類に対していくつかの例外がある(それらはこの特許明細書の記述内に個々に述べられる)。
【0029】
一般的に全てのジェネラルアイソレーションラバーダムシートのバリエーションは組織とラバーダムの界面を塞ぐための水溶液、ジェル、パテ等の様々な粘性の手用での使用の機能を持つことも考えられし、圧力にたいして、あるいは化学的、光により重合するバリアシールなどで界面を塞いでも良いであろう。ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムのデザインに対するアプローチは要求された臨床的適応性に厳密に定義され制限されるわけではない。しかし、術者のニーズや好みに対応するためにどのような術野の隔壁機能がそれぞれの要求に沿っているか、柔軟なアプローチが求められる。グループの歯を同時に完全に隔壁するデザインが存在するので、一本一本の歯牙を隔壁するための個々の穴による隔壁とほんの一部の術野の歯牙を隔壁するスリットダムテクニックの使用の選択との複合的なアプローチを構成するデザインは隔壁シートを含んで描写される。
【0030】
それに加えて、重合可能な外面の間に挿入された展性のある材料の硬い平面シートのフィールドアイソレーションラバーダム、あるいは術野の挿入物として組み込まれたメッシュタイプの展性材料は単なる弾性膜からの乖離を意味し、フォイルのようにラバーダムが完全に3次元的に形状を作ることを可能にする。フィールドアイソレーションラバーダムの様々な平らな形状は様々な大きさの隔壁と要求される術野の形状を予測し、それはわずか2、3歯から3/4アーチ、全歯列に至るまでである。様々な一般的なタイプのラバーダムのためのジェネラルフィールドアイソレーションの方法論は様々な臨床的専門分野に対してそして、ラバーが求められるが、適応が難しい状況の隔壁についてのラバーダムの適用とともに述べられている。
【0031】
ラバーダムは装着時にラバーダムシート内に引き起こされる引っ張る力の存在とそれが術野に伝達され、結果として、術野の特に隔壁として用いるときに必要な部分からラバーダムマテリアルが引っ張られる事実に悩まされてきた。現在の発明は、この引っ張る力の伝達の影響を防ぐ効果が挿入物にある。(挿入物の周辺の内部)それに応じて、ずっと小さな力が術野に隣接したラバーダムマテリアルにかかり、それにより求められた部分に留まるか接着剤かバリアマテリアルによってほんのわずかな力で補助される。
【0032】
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム一般歯科医や専門医のような歯科医、保存修復、固定式補綴、小児、歯内、歯周、矯正、インプラント、口腔外科、緊急治療などにも適応され、ニーズに応じている。最後にこの明細書に記載している概要は他の分野の医学、例えば獣医歯科学などにも応用できる。
【0033】
この明細書はまた、従来のスリッドダムテクニックの欠点を克服した、単独で使うものと現在のラバーダムの性能を補助し、向上させるものと両方の補助的な隔壁装置についても述べている。補助的な隔壁装置はステンレススティール、プラスティックかコンポジットなどで作られるようデザインされている。これらの装置は二つの部分に分けられる。ラバーダムフレームとラバーダムクランプである。ラバーダムフレームは2つに一般的に分類される。ひとつは術者の手によって装着されるフレームである。二つ目は最初からその製作の過程で付着しているフレームである。一般的に、付着済みのフレームワークは展性、弾性、剛性材料であり、金属、プラスティック、コンポジットで作られている。これらは歯科領域のラバーダムの適切な応用において重要な部分である。
【0034】
二番目のジェネラルフィールドアイソレーションの装置は隔壁のためにデザインされたクランプである。これらは2つに分類され、隔壁のスリッドダム法の向上のためにデザインされたクランプと特別にジェネラルフィールドアイソレーションの為にデザインされたクランプである。通常、デザインは交換可能であるが、全てが単独使用には向かず、同じように補助的器具として全ては機能しない。
【0035】
優れた特徴の詳細な説明
本発明のジェネラルフィールドアイソレーションダムは様々形態あるいは体現を持つ。
【0036】
図1の10に本発明の一つの特徴が記されている。ダム10は弾性材料(latex,neoprene,silicon,polyurethaneなどのポリマー)のシートあるいは膜12で構成される。閉じたループ型挿入物14 は12に埋め込まれ、12の内側の部分16を形作る。閉じたループ14は一組のアーチ型で、様々な形で、様々な材料により、また様々なダム10の部位に挿入することが可能である。図2の横断面図10は挿入物14が完全に膜12に組み込まれた状態を示す。
【0037】
ダム10は図1,図2の内側部分16が穴の開いていない状態か、図3の18のように穴が開いている状態か、いずれでも製作できる。いずれにしてもダム10を使う術者はラバーダムパンチかハサミあるいは必要な形に穴を開ける器具を使う。18の穴を開けるにあたり、膜12の端20を挿入物14の内側の周辺部のまわりの内側に伸ばすことを推奨する。このダム10は単独で使用もできるし、適切な位置づけと維持を保つためのバリアー材料か接着剤のとの併用もできる。
【0038】
挿入物14の望まれる物性により、14は様々な材料を使用することが可能である。例えば、14に弾性材料を使い、その引き伸ばされたときにもとに戻ろうとする力により維持力を発揮し、ダムを固定することも考えられる。弾性挿入物14は膜12が作られるとき(填入成形時など)に埋め込まれ、選択された弾性材料で作成できるであろう。あるいは単に膜12の弾性材料の厚みをその部分だけ増しても良い。挿入物14は展性のある材料でもよい。自由に望む形に曲げその形が維持されるものである。特に適応した材料は鍛えられていないワイヤーで、屈曲するのに必要とする力が1ポンドから6ポンド、(2〜3が好ましい)。挿入物14は十分な剛性を持ったもので製作すべきであるが、ある限界を超えると変形できる物でもあるべきである。術者が意識的に変形させた14をスプリングのように元に戻す形態、性質も考えられる。最後に14は使用中にかかる力では変形しない十分な剛性が必要となる。
【0039】
代替案として、閉じたループである14の内側は網目状の材料22(図4)も考えられる。(手指で適用され、非接着性のバリア材料)網目状材料22は多くの裂孔をもち、バリア材料が良く接着するようになっている。その代わりに網目状材料22は挿入物14の内側部分16の中の膜22の上に乗せられる。この構造により、ダム10にバリア材料を網目材料22に接着することも、それを使わずに図1−3のように機能させることもできる。
【0040】
更なる代替案は接着剤24が端20の組織表面側に適用されたもので図6に示される。図で示された通り、接着剤24はピールストリップを除去すると露出されるであろう。あるいは化学、光重合の接着剤を使用しても良い。図32は照射器22によって光重合型の接着剤が本発明のラバーダム10が口腔内で接着される様子を示す。
【0041】
その代わりに、図7 に示されるようにダム10は膜12を閉じたループの内側の周囲の内面の間に挿入物28を使うこともできる。内側に突出した挿入物28はいかなる必要とされる形状をとることが可能である。挿入物28の一つの考えられる形態はダム10の位置決めの過程の中で歯肉に対して縫合で緩めることができ固定も可能である。
【0042】
別の代替案の弾性挿入物14は図8に示される。イラストでは膜12の肥厚部分となっているが、別の弾性材料を膜12に付着して使用することもできる。更なる改良案は図9に示され、ダム10において接着剤30が端20の組織表面側に適用されたものである。図のように接着剤30はピールストリップ26をはがすと露出されるが化学、光重合の接着剤の応用も可能である。
【0043】
付加的な案は挿入物が膜12に埋め込まれる前述した案と反して膜12の表面に適用されることである。図10 においてダム10の横断面が示され、挿入物32が膜12に適用され膜12の内側の一部が端20を形成するために除かれる。挿入物32はどのような材料でも構成でき、図1−8の案に示された沿った特性を持つ。図10の案は網目状の材料34や接着剤30,ピールストリップ26のある、なしによって改良できる(図12)。
【0044】
また別の発明案はメタルフォイルなどの展性のあるシート36(図13a, 13b)の膜の中への使用である。展性のある材料のシート36は3次元的な変形をダム10全体に可能にする。(図31)また代替案として、展性材料は図13b38にしめされるようにメッシュでも良い。そしてそれは埋め込まれる形に対して、シート36かメッシュ38膜12の表面に付着もできる。どちらの案も前述の案の中心に穴のあるなし、接着剤のあるなし、メッシュのあるなしどれでも可能である。
【0045】
また別の案が図14−17に示されている。ジェネラルフィールドアイソレーションの術野の付着のためのウエファース様の部品40はポリマーコーティング44に埋め込まれた挿入物42により構成される。挿入物40は接着剤により従来のラバーダムに付着できる。またそれはこの明細を通して描写される本発明のジェネラルフィールドアイソレーションを形成することもできる。代替案として、その部品は患者の口腔内の術野に置くこともでき、適切な中心開口部を備えた従来型のラバーダムを置き、部品40の周囲に引き伸ばし部品40の周りの膜の収縮によって一定の位置に保たれる。特にバリアマテリアルに適した網目状の材料の端46を持つ部品40は図14に示される。ピールストリップのある場合とない場合の接着剤30が部品40に適用される代替案は図15に示される。この案は硬い内側の膜の選択を特徴とする。それは術者により用意される穴による歯に隔離とその他のスリッドによる隔離のコンビネーションの手法をとる。従来のラバーダムはそれから部品40 で引き延ばされる。
【0046】
現在の発明によって組み立てられるジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムを形作るために部品40 およびラバーダムは圧力によって または他の接着剤によって互いに付す。図16 の部品40 の案には展性か弾力性のあるワイヤー、stampingまたは他が重合体の膜かフランジのない他のコア46がある。それは接着剤か結合によって従来のラバーダムの膜の上に置かれる。部品40はピールストリップ26によって覆われる粘着剤30がある。重合体の膜への付着に、術者は膜の内側にスリットを切り入れるか、あるいは個々の歯の隔離のためにパンチ穴を入れるかの選択ができる。
【0047】
部品40は展性の金属stampingまたはワイヤーか、または記憶保持のプラスティック挿入物48(図17)からなる。そしてそれは重合体の外のカバーはなく、重合体の膜への付着に適用される必須の接着剤30を含んでいる。ピールストリップ26は示されているが、適用した接着剤のタイプによっては必要がないかもしれない。膜への部品40の付着において、それは図16で説明される案に関して記述されているように使用される。
【0048】
まだ現在の発明は別の案で説明される。(図18−21)。これらの案は不連続性の挿入物50を用いる、すなわち、それは前述された案のように閉じたループを形作らない。図18,挿入物50 は重合体の膜12の内で埋め込まれ、端52は挿入物50の内部に延長される。接着剤30はピールストリップ26あり、またはなしで、不連続案図19において使用できるかもしれない。単一か二重の非連続性の展性か弾力性のあるワイヤー、メタルstamping,あるいは形状記憶プラスティックか膜12の表面に接着剤等により付着しているコンポジット挿入物54を備えたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは図20で説明される。そして接着剤30を使用して改良された形、ピールストリップ26あり、または、なしは図21で説明される。不連続案は膜12に存在する挿入物50 からの術野の反対方向から出る引っ張り力を隔離しない。これらの案は代替として見られるかもしれない。それはある状況下で機能することが求められている。その状況とは挿入物50と反対の側の膜12の引っ張る力がジェネラルフィールドアイソレーションの術野に干渉することほど大きくない、または接着剤かバリアマテリアルが保護されていない膜を一定の部位に維持するときである。
【0049】
すべてのダム10はFDA承認のもとで製造され、医療機器の製作所を登録し、そして医学の使用のために意図されているlatex及びneopreneの製作の水準にあう。さらに、ダムが製造されるポリマーは次の物質的な安全指定に合致する。:latexのラバーダムは純粋なlatex、あらゆる標準的医学上承認されたlatex生産物としてアレルギー発現性のための同一の特性を備えている、そしてアメリカ 中及び世界でのクリニックと歯科医院に商業的に使用され流通しているlatexのラバーダムを含んでいる。そしてneopreneのラバーダムはlatexより著しく安全で、医学文献で報告されているとおり、アレルギーの発現はほとんどない。展性挿入物を備えている現在の発明のフィールドアイソレーションラバーダムは臨床医によって隔離されるべき場所に密接に合致されるために処理される。とりわけ、臨床医は展性の挿入物を両側の終わりの部分に横断するアーチ、内側に向かう舌側弓と外に向かう唇側弓もしくは頬側弓を形づくる。8つの模範的な形は図22a−hで説明される。参照するための数字56,58,60,62が横断アーチ、唇側弓、頬側弓、そして舌側弓をそれぞれ識別するのに使用されている。唇側弓58もしくは頬側弓60がアーチの外の輪郭に続き、舌側弓62がアーチの内部の舌側の輪郭に続く間、横断アーチ56 がアーチに交差することに注目。4つの要素すべては挿入物によって囲まれる術野の周辺部として存在しなければならない。
【0050】
臼歯部への応用
臼歯部の処置の隔離のためのラバーダムの使用はラバーダムの最も困難な適用である。ラバーダムクランプのクランプで止められた単独の最後臼歯に達するためにダムはラバーダムフレームの平面を越えて伸びなければならない。高い内部引っ張り力はこの広汎な伸張のために発生する。そのため、維持に相反する力はこの適用のために高いで値である必要がある。ラバーダム材料のたわみによって発生する引っ張り力は付加的で最高のたわみの時点で一点に集中する。それはラバーダムの発明の後のラバーダムテクニックの最初の改良がラバーダムクランプだったという理由のためだった。 適切に適用されるラバーダムクランプは口腔でダムを保つ為に安全なアンカーを提供する。ダムの適用は個々の歯をそれぞれダムおよびラバーを次々に引っ張ることのパンチ穴の従来の技術であるにしても、または全歯列単位で隔離される代替方法のフィールドアイソレーションラバーダムを適用するにしても、 術野とラバーダムフレームワーク間の張力によって発生する最大の抵抗は従来のラバーダムクランプによって最もよく達成される。
【0051】
引っ張り力は極大たわみの単一ポイントの一点に集中する引っ張り力の合計に抵抗する単一のラバーダムクランプが付いている臼歯部の治療部位とラバーダムの伸張によって発生する。この適用が口腔に伸びる量が大きいので前歯部を隔離する時より更に、発生する引っ張り力は大きくなる。図23a−iは現在の発明のフィールドアイソレーションダムの臼歯部の隔離時の使用のステップを示す。ダム10は臼歯部の一般的な形で展性ワイヤー挿入物14を隔離するために備えている(図23a)。術者は横断アーチ56の一つを展性ワイヤー挿入物14(図23bを変形させ、さらにそしてもう一方の横断アーチ56をその他方の端の展性ワイヤー挿入物14(図23c)を変形させ,結果として一対の横断アーチ56、舌側弓62、唇側弓58(図23d)を持ったダム10を形づくる。ダム10はそれから歯科処置が行われる部位に患者の歯の周囲に置かれる(図23e)。ラバーダムクランプ64は臼歯部(図23f)に置かれ、第二のラバーダムクランプ66は前歯(図23g)に適用され、最後に、ラバーダムフレーム68は従来の方法(図23.i)で応用される。
【0052】
前歯部への応用
前歯部の処置の隔離のためのラバーダムの使用はいくつかの理由により臼歯部を隔離するより幾分容易である。最初に、ラバーダムは臼歯部への適用が求めるほどラバーダムフレームワークの平面から伸びる必要はない。これは発生する内部引っ張り力が他の適用よりわずかであることを意味する。二番目に、ダムの最後部を維持するために2つのラバーダムクランプが適応される。従って個々のクランプの安定性のために2点間の引っ張り力を分ける。三番目に、クランプの適用およびダムは対称である。従って力は患者の顔面の解剖学的およびラバーダムフレームワーク内の処置部の対称性において等しく配られる。このタイプの適用の対称性は隔離が下顎でも上顎でも同じである。
【0053】
引っ張り力は両側に固定されたラバーダムクランプが付いている対称の前歯部の術野からのラバーダムの伸張によって発生する。ラバーダムクランプの極大たわみのより少ない左右の2つのポイントのために力のより釣り合った配分が存在する。さらに、すべての引っ張り力の合計はより少ない。なぜなら、適用が口の前方にあり、ラバーダムフレームの平面から遠くで伸びる必要がないからである。ラバーダムクランプは従来型のラバーダムテクニックか代わりとなるジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムテクニックどちらでも発生する最大引っ張り力に抵抗するが、2つのタイプのラバーダムの維持に関して、適用に重要な相違がある。従来のテクニックでは、 ラバーは歯と歯の間にフロスが通され、歯はダムの穴を通って露出された。ダムが置かれ、歯頸部にしっかり固定されている時、隔離された歯は 処置部位のダムの維持のためのアンカーになった。この付加的な維持は従来型のラバーダムのダムの適用において全体な維持の中での重要な力となる。
【0054】
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムのテクニックでは、ラバーダムクランプはまた最大引っ張り力に抵抗するのに役立つ。しかし隔離される歯は従来の技術と同じ方法でラバーダムの全体の維持に貢献しない。操作中の周囲のワイヤー挿入物を保ち、安定させるためにラバーダムクランプは処置部の周囲、それぞれの最後方部に置かれる。ワイヤー挿入物の位置が安定されるとそれはすべての方向より伸ばされたラバーダムの引っ張り力に抵抗し、ダムを維持するために選ばれたクランプおよびアンカー歯へ力を伝達する。挿入物による引っ張り力の抵抗はダムのフランジがバリアマテリアルにより歯牙組織に付着するようにする。それは術者によって適用されるか、またはダムの構造に最初から取り入れても良い。引っ張り力が挿入物によって吸収されるので、フランジと組織の界面をつなぐバリアマテリアルによる安定した付着は達成できるかもしれない。図24a−hは現在の発明のフィールドアイソレーションラバーダムの前歯部の隔離のステップを示す。ダム10は前歯部の隔離のための一般的な形で展性ワイヤー挿入物14を備えている(図24.a)。術者は横断アーチ56の一つを展性のワイヤー挿入物14(図24b)を変形させることにより形作る。そしてもう一方の横断アーチ56がもう一方の展性ワイヤー挿入物14(図24c)の変形により形成され一対の横断アーチ56と舌側弓62と唇側弓58(図24d)を形作る。そしてダム10は歯科処置が行われる部位の患者の歯のまわりに置かれる(図24eおよびf)。ラバーダムクランプ64は片側の歯に装着され、第2ラバーダムクランプ66はもう一方の片側の歯に装着される(図24g)。最終的に、ラバーダムフレーム68は従来の方法で装着される(図24h)。図24.iは拡大された図である。また24jは装着されたラバーダム10の拡大された背面図である。
【0055】
具体案の適応
A.手指で適応する非接着性のバリアマテリアルのための合成繊維を備えたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム
図4で説明されるものは、一般的に10において、手指で適用された非接着性のバリアマテリアルの付着のための合成繊維材料を用いたジェネラルフィールドアイソレーションである。それは膜12の正方形の外周を示す伸縮性がある膜12および、膜12の中心部の細長いか、楕円のスペース18を含む。開口部18の外側は厚さ2.5から3.5mmの合成繊維22によって接される。それに開口部18の全周に膜12のラバー材料がはめ込まれた見えない量の膜22が続く。外側から内側の開口にかけてメッシュ22に隣接している部分は弾性材料の厚みが増し2から3mmの幅をもち18の周り全てに伸びている。膜12の肥厚部には展性の非常に柔らかいループ22が膜12に埋め込まれており、複数の歯や関連する軟組織を隔離するために3次元的な術野を生み出す最大の柔軟性を可能にする。
【0056】
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム10のこの具体化は術者が手指で液体、パテ、ゲル、またはジェネラルフィールドアイソレーションのラバーダム10の処置部位の周囲で防湿シールを作成するバリア材としての弾性材料を加えることを可能にする。ダム10と重合体のバリア材を結ぶために接着剤は適用される必要がない。バリアマテリアルの構造として、ダム10に付着するために、その中に元から加えられる接着剤などの必要もまったくない。十分に重合させた材料をメッシュ16の顕微鏡的な維持の繊維に勘合するために、バリア材は十分なぬれの特性およびメッシュ22へのバリア材の流れのみが必要である。隔離されるべきダムと組織間の界面での防湿シールの作成において、この設計は重合体材料のかなり多くの異なった化学成分がこのダムによって使用されるようにする。このダムはバリアマテリアルの応用なしで使用されるべきでない。
【0057】
B.膜のバッキング上の合成繊維
膜のバッキング上の合成繊維のメッシュをもったジェネラルフィールドアイソレーションダム(図5)は非接着性のポリマーバリアマテリアルを使うか組織ダムシールを使用するかの選択を術者に与える。もし複雑なインプラント体が使われるのなら、防湿シールは最終的なバリアマテリアルとして完璧である。但し、 ペリオプローブのチャートなどからより複雑ではない方法が計画されるなら、 ダムはバリアマテリアルなしで使用できるかもしれない。また、 低い粘着性のバリアマテリアルが使用されるのなら 膜の裏うち(メンブレンバッキング)は材料が重合の前に口腔に内に材料がメッシュを通じて滴り落ちないようにするための保護となる。
【0058】
C.フランジのみのラテックスあるいはポリマー膜
ラテックスのみが内壁の周囲についているジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム、すなわちメッシュなしの材料22はブラシでの接着剤の使用をともなうバリアマテリアルの接着、バリアマテリアル自身が接着する材料、バリアマテリアルなしで単独使用もそれぞれ可能であろう。このタイプの案はバリアマテリアルの使用に先立ち、接着剤の使用を必要としない(自身に接着能があるバリア)。
【0059】
D.中心部の開孔なしのポリマー膜のみ
開孔なしのポリマー膜12のみのジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムと術野の周辺内に中央開孔14部があるものはハイブリッドテクニックとして、初期から使われ膜12の中に従来のテクニック通りパンチが開けられ、それからハサミを使いダム10にスリットダムジェネラルアイソレーションテクニックを使用したいときにはスリットを入れる。このコンビネーションハイブリッドテクニックは術者の治療の構成に柔軟性を持たせる。
【0060】
E.粘膜組織接着剤を使用したジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム
別の具体案はラテックスの内面周辺部と術前に粘膜組織接着を直接、口腔内硬組織、軟組織に使用したジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムである。この必須なものとして適用された接着剤は圧感受性の接着剤と非圧感受性の項で詳しく述べる。
【0061】
F.外科的に使用する場合、延長ダムを縫合するための外科的‘Tを備えた’metal stamping か模型鋳造フレームワーク
ジェネラルフィールドアイソレーションの術野の挿入物28(図7)の中に組み込まれた外科的’T’を付け加えることからなるまた別の具体案は外科的なダムで外科的な使用の項で詳しく述べる。
【0062】
G.ワイアーを持たないがバリアマテリアル、ダムの維持の働きをする強化接着剤を備えたジェネラルフィールドアイソレーションダム
このダムの具体案はバリアマテリアルとしてまた、ダムの硬、軟組織に対しての維持を発揮する必須(もとからついている)接着剤の応用として詳しく記述される。
【0063】
H.ワイアーも必須接着剤もないジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム
このダムは接着剤をダムの維持のため、またバリアマテリアルとして使用したい術者のためのものである。
【0064】
I.接着剤がなく繊維質メッシュを備えたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの挿入物
膜の付着がないジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム挿入物は40(図14−17)は従来のラバーダムポリマーバリアマテリアルを改良するスリットダムテクニックで従来の材料を使いたい術者に安価な代替案を提供する。これは手指で防湿シールを作り、挿入物を膜に対して適応する前に安定させる。
【0065】
J.繊維メッシュと必須接着剤を備えたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの術野へのジェネラルフィールドアイソレーション挿入物の組み込み
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの術野の組み立てのためのジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの挿入物40(図s14−17)は従来の材料を使用してジェネラルフィールドアイソレーションダムを組み立てたいと思っている術者に安価な代替を提供する。最初から備えられた接着剤は幾分より防湿機能があるかもしれない、接着剤が付与されていない従来のラバーダム材料と術野の部品の界面の結合を可能にする。
【0066】
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの特別な応用分野
本発明のジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは次のような歯科、医科領域で能力を発揮する。
【0067】
保存修復処置
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは従来の技術ではアクセスすることができない多くの保存修復処置に大きなアドバンテージを持つ。疾患の進行により、完全に崩壊し元の歯冠形態失った歯の隔離はこのテクニックで隔離できる。もし進行したう歯がアーチの後方にあっても、ジェネラルフィールドラバーダムの特別な設計はこの特殊な情況の隔離を可能にする。さらに、深い歯肉縁下う蝕の歯、唇側、舌側の深い5級、深い隣接面2級は最適応症である。
【0068】
形成のために、また圧排の為に歯肉縁下へのアクセスを必要とするポーセレンラミネートベニヤ、さらにエナメルか象牙質とベニヤを接着させるこの処置は完全にこの技術によって遂行される。これらの手順では、接着力はテクニックセンシティブであり、歯牙へのポーセレンベニヤの結合の強さはラバーダムの使用が提供する乾燥した術野でクオリティーが非常に高められる。ポーセレンおよびコンポジットまた、セラミックインレー、アンレー、クラウンを生み出すCAD CAM コンピュータの間接法は術野の湿度に敏感で、ラバーダムしか満たすことができない乾燥した状態を必要とする。
【0069】
小児歯科
小児はフロスなどを使っての装着に関して、難易度が低い。ある処置は新しいテクニックで対応できる。複数の歯冠崩壊や歯肉縁下ウ蝕など哺乳瓶ウ蝕の小児はこの適応症である。乳歯冠やテンポラリークラウンの装着のも適する。
【0070】
歯内療法
使用できない状態を除いて従来のラバーダムの使用が第一選択となる。単独、複数歯の歯冠崩壊はこの適応症となる。もし大きなウ蝕が遠心にあるような場合はまたこのテクニックの適応となる。緊密なバリアマテリアルは誤飲の危険を避けるために広く必要とされている。それに加え、ジェネラルフィールドアイソレーションで使われるファイルは第2の誤飲の予防策としてフロスを結んでおくべきである。
【0071】
歯周治療
歯周治療の多くはラバーなしで行われ、おそらくこの新しいテクニックに対しても抵抗があると思われる。一つの大きな利点は薬物を貼付するときに唾液によって薄められることが避けられることである。それに加え、貼付された薬物は隔壁がないと患者に誤飲され不快感を与えることになる。ジェネラルフィールドアイソレーションとその緊密なバリアシールはそのようなことを防ぐ。
【0072】
GTRの膜の挿入時にもこの隔壁が大きな働きをすることが考えられる。フラップが挙上されなければならない場合など、歯肉頬移行部から伸びた軟組織を隔壁し、必要とされる隔壁を達成できる。
【0073】
補綴治療
本発明は補綴治療を著しく向上させる。臨床的歯冠へのアクセスが従来型のラバーにおいて大きな欠点であった。したがっていかなる歯肉縁下の処置も不可能であった。この新しい発明により、形成から印象、テンポラリー、合着までにいたる全ての過程でラバーが応用できる。これはあらゆる状況でも真実である。それは単冠、複数冠、ブリッジ、メリーランドブリッジ、アンレー、3/4冠、前歯ポーセレン焼付冠、ポーセレンジャケットクラウン、CAD,CAM、インプラントクラウン、ブリッジ、ポストコア形成とセット、また未来に考えられるまだ出現していない補綴処置などである。
【0074】
矯正治療
従来のラバーを矯正治療に応用することは多くのコンタクトポイントが存在し、ラバーダムの間にフロスを入れていくことの困難さから事実上不可能であった。いくつかの歯は未萌出であったり転位していたり、コンタクトがなかったりする。ボンディング操作を考えても矯正患者である小児やまた、成人でさえラバーの装着に耐えられるとは考えにくい。ジェネラルフィールドアイソレーションは著しくこの状況を改善する。装着の容易さと矯正用に作られたフルマウスのラバーダムによりブラケットのボンディングの強度は著しく向上するだろう。矯正用ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは接着バリアを備え、全歯列をすばやく防湿できる。また、矯正ではスタディーモデルをとることから、治療前にラバーダムを調整して形態と歯列の長さを合わせることもできる。
【0075】
口腔外科/口腔病理
インプラントを除いてこの新しい技術をこの分野で用いることはほとんどの処置でないであろう。悪性新生物を下顎、上顎、咽喉部から外科的に切除した場合に解剖学的形態を回復するためにインプラントが求められる。その外科処置においてジェネラルフィールドアイソレーションは複雑な形態を隔壁するときの器具になりうる。
【0076】
インプラント処置
前述した通り、ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムはインプラント植立から治癒、補綴に至るまで大きな効果を持つ。この新しい処置は小さな構造物を扱う。このことは誤飲の危険性を著しく高める。現在のところこれらの処置はラバーなしで行われている。この新しい処置において患者と術者にとって予測不可能な不幸な出来事が起きるのを防ぐことが可能である。歯科医師にとって小さな構造物を扱うにあたり細心の注意を払うことが必要であり、さらに術野の周囲に接着バリアシールを付着させることが望ましい。このダムはこの処置につき物のリスクをコントロールするためにしっかり安定させなければならない。
【0077】
CAD−CAM とコンピューターによる修復処置
CAD/CAM(computer aided design and computer integrated manufacture)はデジタルインプレッションを取ることにより、形成した歯の形を読み取り即時に修復物を作成する方法である。コンピューターは完成した修復物の形態を作成し、セラミックの塊からその形態を削りだす。この過程はコンピューターに適切なイメージを送る技術が必要である。質の高いイメージを送るために、唾液や湿気は避けなければいけない。ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは従来型の代わりとして適切な防湿の働きをする。また合着時においてもこのラバーは十分な働きをする。
【0078】
緊急歯科
緊急処置においてもこの新しいラバーは十分な口腔内の隔壁の能力を発揮する。緊急処置は様々な器具を必要とする。一般的に緊急の患者は予約外に訪れるため、予定の治療に戻るために術者の時間は限られることになる。すばやく効果的な防湿がこの場合求められる。接着剤を付与してあるジェネラルアイソレーションラバーダムがこの場合威力を発揮する。しばしば病院の緊急治療のスタッフは外傷患者を目にすることになる。このような時、従来のラバーに慣れていなくても緊急処置においてサージカルタイや接着バリアが付与されたこのラバーですばやく効果的な隔壁が期待できる。
【0079】
歯科臨床研究
ジェネラルフィールドアイソレーションダムは歯科研究を多くの形で助けることになるであろう。間違いなく、唾液や微生物に囲まれた状況でそれをコントロールして、多くの新しい器具、薬剤を臨床研究においてデータを集め、研究がなされることは、その得られる効果を考えると望ましいことである。GREメンブレンや骨、軟組織移植、新しいインプラントによる骨付着などである。
【0080】
他の研究で考えられるのが動物実験である。多くの実験では隔壁が人間で行われているようにはされていない。従来のラバーダムで犬を使った実験での防湿は解剖学的形態の違いからできない。犬の歯は薄い三角錐か四角錐型のコンタクトポイントのない状態で並んでいる。またクランプを掛けるのも難しい。しかし、この新しいラバーであれば必要な部分を同時に犬の形態にあわせて適用できる。外科的’T’tiesか圧感受性の接着剤を付与された外科用ダムならば麻酔科の犬に適応できる。この新しいダムの適応は研究用の犬に留まらず他の動物、あるいは獣医歯科学にも応用できる。
【0081】
歯科以外の外科処置
過去の文献において歯科以外の様々な外科処置にラバーダムは応用されている。ラバーダムはShafiroff その他により、再植手術を受ける前に傷つけることなくダメージをうけた骨端を削るときに軟組織を牽引するのに推奨している。泌尿器科学においてラバーダムはcut ends of vas deferens を隔壁するのに asectomy reversal に用いられてきた。ラバーダムの利点は腸の手術をするときに、腹膜を隔離して感染を防ぎ、癒着を避けるために最近使われてきている。
【0082】
形成可能な術野の周辺部は不規則な形態の部位にも対応し、役目を歯科以外の領域にも広げようとしている。耳鼻咽喉科領域では唇裂や悪性新生物や外傷の鼻口腔領域の手術においての不規則な形態に対応できる隔壁を持つことになるだろう。美容整形外科医は顔面のそれ自身外形を形成できる隔壁、牽引シートを外科手術中に必要とするであろう。整形外科医はこのダムの解剖学的適合性、防湿、感染を防ぐ作用、軟組織の牽引に利点を見出すであろう。歯科領域以外でのこのダムの使用は外科界の想像力の範囲に留まる。
【0083】
改良された隔壁ラバーダムクランプ
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムのクランプは効果的であるために3つの条件を満たさなければならない。1.クランプはシートが歯列弓の歯と軟組織にたいして漏れがないように緊密でなければいけない。(可能であれば密閉したシールの確立)、2.クランプはシートを歯頸部に向かって引っ張り、歯牙だけではなく、歯肉縁下の処置もできるように歯肉も露出させなければならない。3.クランプはフレームに引っ張られる力に対抗してラバーダムをしっかり維持しなければならない。
【0084】
3つの条件を満たす、いつでも同じ効果を得られる必須の機能をそなえた外側に適用されたクランプの効果の総和は器具のデザインによる膜にかかるベクトル力の分析により要約される。一般に歯列中の歯の縦の軸から遠ざかる、垂直のXの方角への移動構成要素のベクトル力、Y方向への移動は歯の長軸に平行で歯肉縁、あるいは歯頸部から離れる方向あるいは歯根に向かっての力で、「X」あるいは「Y」座標のいずれかによる移動の大きさによって測定される。したがってX方向への力が働いたときに、漏れが生じ、全てのラバーダムにおいて好ましくない力ということになる。以前に記述された特許5,503,556番、そして同様の製品、Bond Buddyはラバーを牽引する際にX方向に力が働き、不適切な設計と考えられる。どの製品もこのギャップを埋めることができずに、術野は浸出液で濡れ、薬物や材料は口腔内に落ちる。最も理想的なラバーダムシートのデザインは術野の全周を気密シールで塞いだような形である。これはX軸の力がゼロということであり、完全な歯槽弓への密着が達成できるということである。効果的な牽引のもう一つ別の基準は歯肉縁へのラバーの移動である。術者によって関連した軟組織も含めてアクセス可能になる。米国の特許5,503,556番のデザインおよび同様にデザインされたBond Buddy製品は、再びこの点で欠点をさらけ出す。それは歯肉縁のレベルにのみラバーダム膜を本質的に牽引することであり、それ以上は越えないことである。その理由は膜を牽引するクランプボディーが平面的な方向に設計されているからである。したがって効果的なラバーダムクランプのデザインというのはX方向への牽引がゼロでY方向への力が歯頸部に対して働き、適切な歯牙及び歯肉の露出を導く物である。多くの有効なクランプはデザインはわずかには側方への力が働く構造を持っていることは述べておかなければならない。しかし様々な方向の力が働くためその力は相殺され、シートが外れる傾向は少なくなる。
【0085】
要するに、反対方向のベクトルが打ち消しあって、シートと組織が界面上で安定するのである。不規則な解剖学的形態によって理想的なシート、組織間の理想的な界面を多くの器具が得ていないことは無視できない。このことにより、中間材料が後からあるいは最初から付与されるシステムの密閉を達成するために取り入れたのである。この中間材料については後述する。
【0086】
このジェネラルフィールドアイソレーションのため改良されたラバーダムクランプの効果はクランプにより膜にかかるベクトル力を考慮することにより分析できる。もし発生するベクトル力をXとYとすると、Xが膜を組織から離し、ギャップを生じる好ましくない力ということになる。好ましい力は組織から膜を離さず、頸部方向に働き、歯牙及び組織を露出させる。多くの歯頸部方向へ牽引しようとする試みは側方への移動も同時に強いられてきた。ラバーダムフレームから引っ張られる力である。この側方への移動傾向は術野の周りに伸びた弾性の膜の反対方向への力か、その中にデザインされた、例えばワイヤーループなどの術野の挿入物による膜に対して力で相殺される。
【0087】
図26と2bは現在の発明のラバーダムクランプ72とジェネラルフィールドアイソレーションダム10の関係を描写している。クランプ72は歯74の歯肉縁の近くに装着され、歯肉縁の下に位置する2対の延長鈎76と78を含む。76と78の鈎は変形させた挿入物14の舌側弓60と唇側弓58に近接している。そしてそれに付随して、ラバーダム膜12の引っ張り力に抵抗することを補助し、ラバーダム10を望まれた位置に保持する。
【0088】
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの使用に当たっての注意
現在臨床でたった10%の歯科医師しかラバーダムを使用していない。従来のラバーダムを使い続けたらこの数字は変わらないことが予想される。この90%を考えると、新しいラバーダム装置は従来のものと比較するより、全くラバーを使用しない状態と比較するべきであるように考えられる。ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは従来の物ではラバーがかけられない状況や、歯肉縁下の処置が必要なときに有効である。術者はバリアシールの使用の有無を選択できる。小さな器具を扱うとき、例えばインプラント処置などのときは必ず、バリアマテリアルとして防湿シートの使用をしっかりしなければならない。このシールは術者によって、防湿、不浸透性が、外来物が入らないように確立されなければならない。第2の防御として必要なのが、フロスなどを器具にいつも結紮しておくことである。多くのジェネラルフィールドアイソレーションの材料はlatexであるが、ある状況下では他の重合体、例えばsilicone, vinyl, neoprene,polyurethaneその他に置き換えることも考えられる。すべてのジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムで使われるlatexは米国食品医薬品局の承認をうけた標準の医療用のlatexと同じアレルギー発現性の性質を持つ。latexに対してのアレルギーの発現性、接触性皮膚炎、アナフィラキシーショックの有無を術者が確認するのは義務である。次のような場合は臨床的考慮が必要である。不安の大きい患者、パニックアタック、ラバーダムに対する閉所恐怖症、制御不能な舌運動、喘息、慢性上顎洞炎、慢性血栓、気腫、あるいは他のラバーダムの使用により呼吸を困難にする障害物。ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは病気の予防のためにはデザインされていない。この代替装置の原則的な目的は口腔を隔壁することにより、修復』処置の成功を導き出すことである。
【0089】
矯正治療における全歯列に対するジェネラルフィールドアイソレーション
矯正治療のブラケットのボンディング操作の為に、全歯列にこのラバーダムを適応することが可能である。矯正用ダムの挿入物のフレームワークは楕円もしくはU字、V字型で異なった解剖学的形態に対応することが望まれる。それに加え、ダムは商業的にも歯列に対して異なったサイズを揃えることも可能である。標準的なサイズをその術野のフレームワークの展性から、患者にあわせて屈曲することによりカスタムメイドも可能であることを忘れてはならない。このことはダムの歯列に対しての適応において矯正医の最大限の柔軟な対応を可能にする。
【0090】
矯正用ダム10は内側ワイヤーあるいはstamping insert14を備えたデザインを持つ。それは典型的なアーチより長く意図的に作られている。また、それは中心に意図的に典型的なアーチより短い箱型の開孔18備えている。(図27aと図27b)それぞれの矯正用ダム10は術者によって解剖学的形態に沿ってカスタマイズされなければならない。矯正医は模型を治療前に必ず取るので、それを利用してカスタマイズできる。隔離する歯列の長さと中央開孔部18を比較することによって全歯列にフィットさせるのにどれだけ伸張させるべきかが正確にわかる。この伸張は穴を最大にセットしたラバーダムパンチを使って行う。そして、オーバーラップさせてスロットを伸張させる。両側の長をあわせも形状でチェックしたら、ダム10を挿入に備えて形成する準備は整う。これを行うために、術野の周辺の遠心最後方部は45度の角度でなければいけない。もし遠心部分の過剰部が多いようなら遠心部は折ってそれを維持するクランプの臼歯部の外形に似せて、U型になるようにする。この余剰の遠心フレームワークはラバーダムの自然な形に従い、クランプの周りに伸ばされ口腔外のラバーダムフレームに戻り、膜の方向にそって進む。
【0091】
矯正用のダムは両側用のクランプを使い、圧感受性の接着バリアの使用が好ましい。ラバーダムクランプの使用は多くの場合、臼歯部のバンド、バッカルチューブの装着の邪魔になる。クランプが邪魔をすることなくバンドを付ける方法がある。一つはクランプを付ける前にバンドを装着する方法である。これはダムをつけてから行い、』バンドが合着されたらクランプをセットする。ダムをつける大きな理由はブラケットのボンディング時の防湿である。二つ目は最後方臼歯に特殊なクランプをつける方法である。HuFriedy#BADで、遠心におかれた横断アーチとともに適応する。このことにより、障害にならないクランプの装着ができる。第三の方法は強化接着剤を備えたダムの使用で、これはクランプを必要としない。どの方法をとっても、バリアマテリアルは治療の前に防湿のために確実に適用されなければならない。術者は全周にわたって、唾液が漏れないよう、ブラケット等が落ちないよう組織とダムの間をシールしなければならない。注意深くしようすれば矯正用ダムはブラケットの接着やその他の矯正処置において大きな働きをするであろう。緊密な接着バリアシールは矯正ダムを理想的な状態で使用するために常に保たれなければならない。
【0092】
維持と下顎の為に拮抗歯列間力を使った弾性、屈曲性のフィールドアイソレーションラバーダムによる前歯部もしくは前歯部の半側の隔壁
牽引
前歯部もしくは前歯部の半側の隔壁のための弾性、屈曲性のフィールドアイソレーションラバーダムは拮抗全歯列フィールドアイソレーションラバーダムが必要とする隔膜なしで平らな形で作成される。それはその装置が口腔内のかなり前方に位置し、舌の動きを妨げず、全歯列型のように口腔内に突出することがないからである。嘔吐反射を惹起する部分から離れているため、患者はラバーの装着に耐えられる。前歯部弾性歯列間ラバーダムが平らな形に作られたとしても、弾性、屈曲性の挿入物の屈曲の必要をなくすか最小にするために三次元的な型で形成される。形成用の型は一般的に丸みを帯びているか、いくらか角ばった楔形の形をもつ。前述したno ‘cut−out’陥凹がこのダムには付与されるがこの代替案を好む臨床医がいることは想像に難くない。
【0093】
平らな弾性、屈曲性の前歯部フィールドアイソレーションラバーダムは装着に準備がいる。弓形の中央開口部より短い形で付与されている。したがって術者はラバーダムパンチをつかって必要な長さに調整することができる。中央開口部の長さが決まったら、術者はダムを単純なU型に挿入するために曲げるか、より直線的に唇側、頬側弓に対して45度の角度で曲げ、V型を作るか選択できる。口腔内への突出を避けるためには、直線的な方がやや有利な様である。しかしながらどちらの方法も術者の好みより取れる。もしこれらのダムが型で形成されるのならどちらの形態でも良い。それに加えて、もし弾性歯列間ダムが三次元的な型の上で填入形成され、硬い、もしくは弾性、復元性のプラスティックかコンポジットの挿入物が付与されたとしたら、この材料の構造の置換はこの発明の焦点であり、本質である。このタイプの前歯列ダムはフレームワーク付着なしか、屈曲性、弾性あるいは硬い材料の付着済みのフレームを使うこともできる。
【0094】
弾性、屈曲性のフィールドアイソレーションダムを使った、遠心欠損部、臼歯部進行したウ歯でラバーダムクランプを使用することが不可能な部位の隔壁
臼歯部で歯冠崩壊が著しい部位でクランプが掛けられない状態には臼歯部用にデザインされた弾性、屈曲性のラバーダムが応用可能である。この方法では臼歯部の欠損部にも対応できる(抜歯された後の歯槽提など)。
【0095】
このテクニックは適切な臼歯部用の弾性、屈曲性のラバーダム10(図28a)を選択することから始まる。このダム10は弾性のある挿入物14を備えている。それは一対の横断弓56がつながっている舌側弓と唇側弓において、露出させる部位(図28d)への挿入のために平坦な形からU型に曲げることができる。(図28b,28cは挿入物を解りやすくするために、ラバーダム膜12なしで描いてある。)この案と応用において、一つの横断弓は上顎にかかっており、一方は下顎にかかっている。拡大された側面図は図28に示され、歯冠崩壊によりクランプが掛けられない部位でのダムによる隔壁を表現しているダム10はその平らな形態からの変化に対して抵抗するため、元の形態に開いて戻ろうとする(適切なステンレスの熱処理が弾性を発揮するワイヤーの形状記憶を加熱処理時に金属の結晶構造を決定することにより得られる。コンポジットやプラスティックも別な物理的、化学的処理を行うことにより、同じような性質が得られる。)挿入物と患者の閉じようとする上顎と下顎の咀嚼筋の拮抗する力によりラバーダムクランプなしでラバーダムを保持する。それに加えて、最初から付与して、あるいは、後から適用した光重合、圧感受性、化学重合の接着剤がラバーダムをシールし維持することもできる。しかし原則的な力は弾性挿入物の拮抗力による。
【0096】
臼歯部の歯列間ダムの準備は長方形の挿入物前方を横断アーチ56(図28c)を形成するために45度の角度で術者が曲げることである。これは唇側弓と舌側弓につながり、歯牙のみでなく、その周囲の軟組織のレベル(図28b)で軟組織の上に挿入物の各部を置くことを可能にする。中央の開口部18は術者が露出し、隔壁したい部分に置かれる。ダム10は歯牙、欠損部の露出のため通常楕円もしくは卵円形をしている。歯冠崩壊が著しい場合も予想されるので、単に穴をパンチして開けただけでは露出は難しい。その場合ダムは残根上で収縮し、それを被覆し、露出させようとする試みを阻害する。片側歯列のみ隔壁する場合でも反対の歯列も、もう一方の第二の横断弓56挿入物(図28c)を形作るために曲げたほうが必ずではないが望ましい。反対側の歯は隔壁されないが、挿入物の後方部が咬合面に置かれ、反対の拮抗力を発揮する。横断弓56が作られると挿入物の安定が図れる。このダムの究極の準備には術者の慎重さが必要である。中央開口部18の調製は通常必要とされる隔壁部位よりも短い。これにより術者はラバーダムパンチでスリットや中央開口部18を長くしてカスタマイズできる。
【0097】
上顎、下顎同時の弾性、屈曲性の臼歯部フィールドアイソレーションラバーダムによる隔壁はこれまで述べてきた方法とほぼ同じである。この場合中央開口部は両側にある。患者が最大開口したときの咬合面間距離に対応するための中央部分の距離の前方移動時の咬合面間に関しての明細がある。
【0098】
ダムが装着されたなら、歯冠崩壊歯は、カリエス除去、歯内療法が施され、ポストがたてられ、テンポラリー、最終補綴と治療がすすめられる。遠心欠損部においてこのダムでインプラント埋入、補綴もできる。
【0099】
歯列間拮抗力により維持される弾性、屈曲性の全歯列ラバーダム
全歯列の隔壁のみならず、クランプなしのラバーダム様の装置は過去、歯科医師の前には存在しなかった。全歯列の防湿に様々な試みがされたが、これらすべての試みは似たような理由で失敗に終わった。3つの過去の特許における、装置はその良い見本である。これら3つの装置は共通した欠点をもつ。これら3つの装置は米国特許番号4、600,387、同じく5,078,604そしてドイツ特許番号DE19704940Cである。
【0100】
‘387装置と’604装置はラバーダムシートの付け方を除いてこれらの装置はデザイン上同一のものである。両者ともにOscar Malminのバリアドレープ装置にも見られる共通したデザイン上の欠陥を持っている。まず、第一に複雑な3次元的な隔壁の問題解決のために2方向の平面的なデザインを3つとも持っている。これらは基本的に中央の軸で半分に折ることにより口腔内に挿入する。こうすることによりラバーダムのシートが患者の後方奥深くにはいり、嘔吐反射や呼吸困難を引き起こしたり、舌の動きを阻害したりして治療を中断させることの可能性を無視している。第二の欠陥は上下の歯列間の最大開口時の距離が考えに入れられていないことである。これらの装置は隔壁する最後方歯の1cmほど後方の軸で回転する。実際には開口時、上下の歯牙はほぼ平行にほんのわずかに弧を描いて、離開していく。その軸である顎関節は咬合平面から4−5インチも離れたところに存在する。全歯列の隔壁の為の装置はすべてこのことを考慮に入れなくてはならない。
【0101】
全歯列を隔壁するための拮抗ラバーダム装置のデザインには口腔内の3次元的な形態に即した3次元的なアプローチが必要である。この理由から、平面的なラバーダム膜はこの隔壁において決して要求を満たすことができないのである。これに対して、拮抗全歯列ラバーダム装置は通常丸みを帯びたもの楔形か、丸みを帯びたピラミッド型、卵円形の3次元的な型の上であるいは形成装置で成型されなければならない。そしてそれは内面の隔壁の中心部が陥凹していて口腔内に突き出ないようになっている。成型のデザインは予想され、少し大きめにして全ての必要部分が露出されるようにしなければならない。調製されるラバーダム装置は患者の口腔内に適合させるために弾性及び屈曲性をもつべきであるが、口腔内に挿入するために原型もある一定の基準を満たした形態を保持していなければならない。ラバーダムシートに付与された挿入物は弾性、屈曲性を臨床的に応用するために、備えていなければならない。咀嚼の拮抗力が弾性材料に加えられるそしてそれらは装置によって抵抗される。その目的は(1)処置中の開口状態を維持するための支点となるため、(2)拮抗力による口腔内での一般的な維持の働き(3)補助的な接着剤を使ったとしても挿入物の口腔内での安定のため(圧感受性やその他の接着剤が使われたとしても、本当にデザインが良ければなしでも使用できる)である。全歯列拮抗維持ラバーダムはフレーム付、後からつける形の従来、改良型のフレームどれでも対応できる。発明者の意見としてこれは臨床的にもっとも便利な具体案である。なぜなら、術者は患者の口唇、頬を牽引するのに自由にラバーダム膜にかかる全ての方向の力を加減できるからである。代替案として、最初から付与されたフレームは屈曲性、弾性あるいは硬い材料でも作成できる。このタイプの全歯列ラバーダムがもっとも適応しているのは、矯正に分野である。準備の必要なく、矯正医により全歯列に応用され、クランプなどの付属物も必要とせず、唾液や呼気などを防ぎ、口唇、頬を適度に牽引し、開口を助ける臨床的に優れた装置となるであろう。このタイプのラバーダムはクランプを必要としないのでバッカルチューブのついたバンドの装着の邪魔にならない。このクランプは通常最後臼歯に適用されるので。バンドの装着の障害物となりやすい。全歯列ラバーダムはブラケットのボンディングのためにも乾燥環境を作り出す点においても優れている。ボンディングの強度は湿度により低下する。全歯列ラバーダムは患者に不快感を与えず、簡単な臨床的に価値ある補助装置である。
【0102】
このラバーダムが補綴やその他のフルマウスリコンストラクションにも応用できることを見過ごしてはいけない。このダムは防湿を完璧なものとする接着バリア付となしどちらでも応用できる。後から接着バリアをつける方法でも良い。
【0103】
本発明である全歯列拮抗維持フィールドアイソレーションラバーダムの使用状況は図29a−29dの80に主に示されている。ダム80はサドル型の弾性、屈曲性挿入物14とともに好みの形に曲げられ、それは装着後に開口を維持するためにやや患者が快適に開いた状態よりやや開いた状態で押し入れた方が良い。図29cに描かれているように、患者の口腔内に入れるのに指を使いダム10を圧縮して入れる。挿入されたダム10は全ての歯牙を露出させ、ラバーダムフレーム68(図29d)により安定させる。弾性挿入物14はダム10をクランプ、バリア、接着剤なしであらゆる臨床的状況下で維持する。
【0104】
ジェネラルフィールドアイソレーション外科用ラバーダムと不規則な解剖学的な形態の術野の隔壁の方法
一般外科と大きく反して、口腔外科は完全にラバーなしでの治療が行われてきた。局部の組織の抵抗力と舌下腺、耳下腺、顎下腺から分泌される唾液中の免疫因子が侵襲的外科処置に対抗してきたことは想像に難くない。最新のペリオ、GTRやインプラント処置などは微生物に対する感染の防御の必要性を高めてきた。それに加えて、口唇裂、唇顎口唇裂、咽喉複合体などの手術は隔壁により向上される可能性がある。口腔の術野の隔壁、障害となる軟組織、口唇、頬、舌の処置中の隔壁を可能とするラバーダムやバリアドレープが必要とされるが、今まで存在しなかった。
【0105】
外科的ジェネラルフィールドアイソレーションダムは術野の周辺部で“T”型の内側に向いた突起を持った外科的タイを備え、latexかneopreneあるいは他の重合体にはめ込まれた連続した金属のstampingかワイヤー挿入物から構成される。著しく、不規則な解剖学的形態に対応するために柔らかく、術野の周辺部の3次元的に屈曲可能な金属が重要な働きをする。歯牙のみならず、歯根部、支持骨を露出するフラップ処置を明示するために、”T“型の突起は術者が歯と歯肉を隔離する部分にダムを縫合できる機能を持つ。
【0106】
外科用ダムの通法のクランプでの固定も歯牙が存在する全層弁を必要とする処置も縫合によって応用できる。欠損部の隔壁、著しく不規則な形態の手術野、例えば唇顎口蓋裂閉鎖、外傷、悪性新生物による二次的欠損などもダムの縫合を行い、維持を図ることができる。縫合に加えてメチルシアノアクリレートなどの粘膜接着剤も防湿、維持のために使用することもできる。
【0107】
連続した膜のダムとフィールドアイソレーションのスリッドダムテクニックを用いたジェネラルフィールドアイソレーションに対するコンビネーションアプローチ
連続した膜のジェネラルフィールドアイソレーションは完全にカスタマイズした隔壁を行いたい術者に向いている。この案のダム10はワイヤー挿入物14に囲まれた術野の中に連続した膜16を持ち、他のジェネラルフィールドダムが歯と組織を自動的に露出させるための中央開口部がない(図25)。
【0108】
このアプローチは従来のものと同じように、パンチしてあける穴70を全ての歯を隔壁するために用いる。そして軟組織の明示が歯肉縁下へのアプローチのために必要な歯を選ぶ。術者は必要な歯牙において穴の間をハサミで切り、スリット状の開口部を設ける。そしてダムは装着され、フロスによりコンタクトにラバーを適合させる。唇側弓と舌側弓はその後スリットが入れられた部分のラバーを牽引するために曲げられる。そしてバリアマテリアルが最終密閉を完成するためにスリットの角に適用される。このことにより従来のように歯頸部から隔壁された部分と周囲の歯肉まで露出した部分とのコンビネーションの隔壁が完成される。一般的に隣接面の処置を行うときに歯科医師は中隔のラバーを伸ばし、カットして隣接部の歯頸部のアクセスを得ていた。このことは歯牙の隣接面及び軟組織へのアクセスを可能にし、ジェネラルフィールドアイソレーションの制限された形と考えられる。この方法の一つの問題点はラバーがしばしばもとの位置に戻り治療を妨げることである。もし連続した膜のジェネラルフィールドアイソレーションが使われたなら、周囲を曲げることにより容易に中隔のラバーを牽引し、隣接面への操作性を向上する。
【0109】
従来型のラバーダムテクニックの向上のための発明案
穴を開けて個々の歯の歯冠を露出させる従来のラバーダムの方法は修復治療において適用できるケースにおいては有効である。従来のテクニックの一番大きな問題はその使用頻度の低さである。たった10%しか一般の歯科でしか治療においてラバーダムは使われていない。一番多く使われているのが歯内療法である。しかしこの分野でも使用は制限される。
【0110】
なぜ歯科医師はこのテクニックを放棄し、何が使用を難しくしているか疑問が生まれる。従来のラバーダムは器具の到達のため一連の穴を開けそれに対応した隔壁予定の歯牙に穴を通してラバーをかける。そのために中隔のラバーはフロスを通して装着していくが、これは術者にとっても患者にとっても苦痛になる。しかし、隔壁においてそれは臨床的に試され確立したテクニックでもある。従来のラバーダムテクニックはいつもその維持をラバーダクランプに求める。このクランプは最後方歯にかけられ、シートの牽引によるフレームからの張力を吸収する。クランプは一般的にステンレススティールで作られているが、コンポジットやプラスティック製のものも一部、近年、出回っている。クランプはもう標準装備となっているクランプフォーセプスで装着され、除去される。装着に冠してのいくつかの問題点は、クランプが歯肉に食い込み不快感を患者に与えたり、引っ張る力が強かったり、不適切に装着したクランプがずれ、外れることである。ラバーダムを装着するためのクランプがその使用を制限していることは可能性として高い。従来のラバーダムのもう一つの欠点は引っ張られることによりシートが切れ、最初からまた装着を強いられることである。明らかにこのいくつかの従来のラバーダムの欠点が改善されればその使用頻度は上がることであろう。
【0111】
従来のテクニックを向上させ、改良する発明案
屈曲性、弾性あるいは硬い挿入物を備えた改良したラバーダムは時に維持に失敗し、不快感を患者に強いるクランプの使用なしで適用できる。一連の弾性膜のデザインの弾性力が歯牙及び他の組織に作用する拮抗力によって口腔内にラバーを維持させる。弾性の挿入物は従来のラバーダムを改良するために、二つの目的を持つ。一つはラバーダムクランプに代わって、ラバーダムを維持する働きで、もう一つは患者の開口を緩やかに保つことである。患者の歯肉を挟み、ずれるクランプの使用を避けられるということは従来のラバーダムの大きな進歩である。弾性の挿入物を備えた従来のラバーダムは前歯部、臼歯部、あるいは全歯列に使用できるかもしれない。それらは平面的な膜か、歯槽間空隙にたいして形が整えられた3次元的な膜であるかもしれない。フレーム付きであっても、後からつけるタイプでも良い。また、全部を覆う膜だけではなく、部分的なものもできるだろう。接着剤なしか、化学、光重合、圧感受性の維持用の接着剤を付与することもできるだろう。前述したすべてのジェネラルフィールドアイソレーションの案が従来のラバーダムを向上することに役立つであろう。
【0112】
もう一つ別の従来のラバーダムを向上させるための案は隔壁するべき部位の周りに弾性あるいは屈曲性の挿入物をもった膜を作成することである。しばしば強い引っ張り力で歯頸部においてラバーは伸ばされ、ギャップを生じたり、切れたりするが、この挿入物によって力が吸収、分散されこういったことを防ぐことができる。
【0113】
遠心の欠損歯槽提あるいは歯冠崩壊した遠心の歯牙の隔壁
隔壁するのにもっとも難しい状況の一つに、歯冠崩壊が著しく、従来のラバーダムクランプを応用できない場合である。クランプなしでは従来のラバーダムでは、最大限の引っ張り力に対抗して、それを維持することは不可能である。クランプだけではなく、残存歯質が少ないため、ラバーも伸ばしてかけることができない。ジェネラルフィールドアプローチはこの場合間違いなくベストの選択である。特別にデザインされたこのダムはクランプが掛けられない問題を解決した従来のクランプは二つの機能を持つ。第一に、ダムを維持し、第二にラバーダムを咬合面から垂直に牽引し、クランプを掛けた歯の遠心までで処置を行える。クランプが掛けられないことの解決はこの二つの機能を考慮しなければならない。
【0114】
遠心延長ジェネラルフィールドアイソレーションダムは延長した金属挿入物を持ち、それは3つの機能を持つ。それは前歯部セクションを持ち、それは治療される歯牙が囲まれた術野の周辺を構成する。このセクションはダムに中央開口部を持ち、歯槽提もしくはウ歯にかけられる。第二にそれは金属の挿入物の延長部分を持ち、それは隔壁される歯牙の咬合面に対して垂直に牽引する働きがある。延長部分を開いたU型あるいは丸みを帯びたV型に曲げることによって隔壁する部位の視野を確保するためにラバーダムは咬合面に対し垂直に牽引される。臼歯部の延長部分は中央開口部分がなく、これはこの装置の膜のバリアの重要なポイントである。この臼歯部の延長ワイヤーはラバーダムの外側に沿う。そして外側のフレームワークに向かって、開口部の方向に進み、フレームワークまで到達し、そこで維持される。適切に適用されれば、中央開口部は挿入物の前歯部2/3の位置まで歯牙と組織を前方移動させる。一方ワイヤー遠心1/3の挿入物の延長部は術野からダムを後方移動させる。
【0115】
遠心拡張アイソレーションダムはクランプによって臼歯部が留められないので、器具の完全な到達のために別な形で維持されなければならない。ラバーダムの前歯部の付着は、臼歯部を安定させるのに非常に大事である。この部分のダムはクランプで固定せず、化学重合、光重合どちらかのパテを用いる。この材料は十分なぬれのよさを持つ必要があり、前歯部のアンダーカットと歯間空隙に入り込みこの部位の周辺部と強固に固着する。前歯部の強固な固着、ワイヤー挿入物の安定により臼歯部の隔壁部の周辺の安定が図れる。臼歯部の周辺部は決して隔壁する部分から飛び出してはならず、組織に緊密に付着し、その部分のダムをサポートしなければならない。遠心拡張ラバーダムは維持を助ける接着バリアを付与しておくことにより機能が向上するであろう。もう一つべつなオプションは接着バリアを後から術野周辺全体に適用して組織とダムを緊密にシールする方法である。維持のすべての形が完全に適用されたなら、術者はこの最も難しい状況で隔壁する重要性を感じるであろう。
【0116】
特別仕様のジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは一般歯科医と歯内療法医に根管の消毒をこの困難な状況で可能にし、ウ蝕部分の除去、ピンとポストのセット、コアの築造、補綴まで導く。このデザインは遠心欠損部のインプラントの埋入と補綴までにも応用できる。いかなる遠心延長部を隔壁するのに困難な状況であっても維持用のパテで前歯部を強固に固定することが、臼歯部のダムを安定させるのに大切な基準となる。接着剤の臼歯部のみの応用ではダムを安定させるのに十分ではない。それに加えて歯科医師は小さな器具を口腔内に落とし入れたりしないように、そういった器具の使用前は周辺部を常にダムと組織がしっかり固着しているのを確認しなければならない。シールに細心の注意を払うことにより、ダムからの唾液の漏れ、器具、構造物の誤飲などは防げるのである。上記のほかに第二の予防線として器具を結紮しておくことが大事である。
【0117】
従来のラバーダムによる挿入物を使ったジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの術野の組み立て
商業的に実現可能な代替案は個々のラバーもしくはメッシュとワイヤーループを持った、がしかし薄い柔軟性のあるラバーダム膜を持たないプラスティックの挿入物の製造である。この術前に形を作れる部分的な挿入物術野の解剖学的にあわせて、変形され、リキッドかパテバリアマテリアルが少量適用されるのとともに、クランプで固定される。バリアマテリアルの重合、硬化の後で、特別にパンチされただが従来のラバーシートが挿入物全体に伸ばされ、かけられ、シールされる。最後にフレームにラバーの外側が掛けられ術野の確保が完成する。
【0118】
臼歯部頬側弓と舌側弓
Maryland Bridge やクラウンブリッジのセット、アンレー、3/4冠他の補綴物の形成、セットなどスペースが少ない臼歯部のコンビネーションテクニックを好む臨床家は不連続の屈曲性の挿入物92と94を備えたダム90を選択できる。(図30a,30b)このようなケースではその部位にパンチで穴をあけ、フィールドアイソレーションテクニックが必要な部分だけスリットが開けられる。屈曲性部品92と94はフィールドアイソレーションで隔壁される部分のラバーダムを牽引するために歯頸部に向かって曲げられる。このテクニックは組織側のダムに接着剤を付与してあってもなくても良い。多くのケースは接着剤なしかもしれない。コンビネーションテクニックの中央開口部のないダム(図30a)は防湿のための接着剤付与はされないであろう。術者が後からペースト、ゲル、パテのバリア接着剤を防湿が必要なときは応用できる。他の状況ではプレフォームの中央開口部18(図30b)を持ったダム90の使用が望まれるだろう。
【0119】
接着時の臼歯部隔壁
平行な不連続の部品を備えたダムは中央開口部が存在するときは応用されるだろう。しかし、さらなる歯頸部のダムの牽引は必要とされない。このようなケースは通常の修復処置で隣接面の歯肉縁下の形成などであろう。時に隣接面のサービカルウォールが歯頸部深くに位置した場合、術者はラバーの中隔をカットしてアクセスしようとする。もし処置前にこれが予測されたなら、術者は中央開口部をもった、屈曲性のある不連続性の部品のダムを選択するのが適切であろう。
【0120】
バリア接着剤が付与されたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム
圧感受性接着剤
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは製造者によってバリア接着剤を付与し、製作されてもよい。ジェネラルフィールドアイソレーションに用いられる一つのものとして、圧感受性の接着剤、PSA’sが挙げられる。圧感受性接着剤は粘性、弾性のある材料で、ソルベントがない状態で、永久的にべとつき、わずかな圧で様々な硬い物質を接着させる。PSAは通常ソルベントなしのバッキング上のフリーコーティング、柔軟性のあるバッキングの形で応用される。そしてジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの重合表面に応用される。PSAはバッキングマテリアル(ダムのフランジ)から、レセプター(歯牙のエナメルか口腔粘膜)に接着する。PSAは口腔内隔壁に応用するにあたりいくつかの要件を満たさなければならない。第一にレセプターに接着することである。この場合は歯の硬組織もしくは歯肉あるいは口腔粘膜である。それは除去に抵抗する力である十分な’t peel strength’をもつということである。第二に、それは口腔粘膜組織や歯肉が濡れた状態でも付着し、接着時に水分に浸された状態でも接着を維持することである。第三にスムーズにバッキングからもレセプターからも傷つけたりすることなく除去できることである。第四にアレルギー発現性がないことである。接着の強さは治療の終了時に指でその材料をはがせるぐらいの力であることが重要である。はがす力は1/2cmの厚さの束で片側の楕円形の部位で10から15gが望まれる。両側を同時にはがす場合は20から30gぐらいが望まれる。ダムの適用の不確実性とダムの中のワイヤー挿入物の柔軟性より、0から50gの範囲が可能性として考えられる。
【0121】
様々な粘膜接着剤が、バリアマテリアルに付与される材料として考えられる。適当な水溶性ポリマー接着剤はhydroxy ethyl あるいはpropyl celluloseである。非水溶性のものは ethyl cellulose とpolyox resinsである。その他の使用可能なものはpolyvinylpyrrolidoneであり、また別にcomposition of Gantrexとsemisynthetic, water-soluble polymer carboxymethyl celluloseなどがある。広く使われているcyanoacrylates; methyl, dimethyl, ethyl, butyl, octylとその他は粘膜接着にも使用可能である。これらのPSAはベースポリマー単独もしくはベースポリマーとplasticizers, tackifiers, fillers, stabilizers, pigments.などの付加物の組み合わせからなる。これらのPSAのリストの他にも使用可能なものは存在する。さらなるPSAに関する記述はThe Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, (New York, John Wiley & Son, 1988;) or the Handbook of Pressure-Sensitive Adhesive Technology, Ed. Don Satas (New York, Van Nostrand Reinhold Co., Inc.1982) or A.H. Flanagan, Adhesives Technology Handbook (Park Ridge, New Jersey, Noyes Publications, 1985),その他、多くのポリマーサイエンスの出版物などで見ることができる。
【0122】
最初から付与されている接着剤は粘性の水溶液、ペースト、ジェル、その他の形態で均一で連続的に術野の内側のゴムのフランジに直接硬、軟組織に接着するようコーティングされる。接着剤は簡単に取れるカバー、リリースライナーでカバーされ、品質を保つ。リリースライナーはシングルピースの弾性もしくはリジッドな材料かもしくは典型的な絆創膏デザインのようなツーピースも考えられる。ストリップライナーは接着性が弱く指ではずれるものが望ましい。これらのライナーはリジッドシート、例えばポリエチレン、紙、ポリエステルそのた粘性のない物質でコートされたものでも良いだろう。リリースライナーはテフロン(登録商標)、ワックス、シリコン、フルオロポリマーその他、非粘性のコーティング材料でコートされても良い。
【0123】
圧感受性接着剤を付与したジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム
バリアマテリアル(ノンリテンティブ)
あらかじめ付与された患者の口腔と歯科医の術野を防湿するバリアエージェントとして働く粘膜組織接着剤を使ったジェネラルフィールドアイソレーションは術者がラバーダムを使うときにその時間と労力を節約する。
【0124】
PSAがバリアマテリアルとして使われた場合、その粘性とダムのフランジの維持接着力はラバーダム自体を維持する必要はない。なぜならラバーダムクランプとワイヤー挿入物の機械的力がダムの原則的な維持を担うからである。適用された接着剤はラバーダムのフランジと硬、軟組織に付着して、唇、舌、歯及び外部からの治療中の力によるシールの破壊を防ぐ力を持つことである。
【0125】
バリアマテリアルとして働く一方で著しい維持力を発揮するあらかじめ付与されたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム
latex, neoprene, あるいは他のポリマー材料で作られたジェネラルフィールドアイソレーションダムは薄いもの(0.008cm)からミディアム(0.010cm)からなる。それは、伸ばしたときに低い内面張力を持ち、一方高い柔軟性を持った代わりとなるポリマー材料から作られる。または、粘膜に対して強い接着力を持ったあらかじめ付与され、(あるいは後から適用された)接着バリアマテリアルでコートされる。そしてダムにかかる力が最小のときに使われるものもあり、(前歯の防湿や生検時や軟組織の手術の隔壁)あるいは細いワイヤーかmetal stamping挿入物か完全にない状態かで製作される。一般にPSAの厚みは粘膜組織に接触する膜の横においての術野の周辺の中央開口部の厚みのあるフランジの周辺に適応される。この材料の厚みが術野でダムが裂けるのを防ぐ働きをする。そしてダムを裂き、接着の失敗を引き起こす焦点の形成から柔軟な膜の引っ張り力を拡散させる。厚みを増した術野の周辺部は挿入物があるダムと同じように屈曲し解剖学的形態を成形する決定的なボーダーを作る。ダムは記憶機能はないので、ダムの海綿状の材料は弾性力において最小のリバウンド効果しかない。(ポリマーラバーなどの海綿状の材料は低い弾性を持つ。E=0.10(10ksi or 0.70MPa)これは簡単にレセプターに対するPSAの力により上まわられる。
【0126】
この適応により防湿する能力と同じように最初から付与されたバリア接着剤はダムの維持に貢献するものとして、より直接働くこととなる。ダムの維持はこの場合PSAs接着剤の働きだけではなく、ポリマーマテリアルを牽引することにより最大の張力の場所へのラバーダムクランプの装着の補助的効果にもよる。その他の細い挿入物のある、あるいはなしのジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの補助的な維持はダムと歯牙に同時に適用され、アンダーカットや歯間空隙に機械的にかん合するポリマーなどである。(単純なラバーベースパテ、印象財として販売されているvinyl polysiloxane putty、シリコンその他印象剤)その他の接着機能が組み込まれた材料はより高価なバリア材料である。その他、ウエッジを使ったり、外科用ダムを縫合したり、このジェネラルフィールドアイソレーションの維持装置に関した項で述べられているラバーダムエンブレジャークリップなどがある。
【0127】
非圧感受性の接着剤
その他の組織接着剤は人間の硬、軟組織に接着するようにデザインされたポリマーコンポジションである。(fibrin gluesとmethacrylatesは最も一般的なものであるが、他のコンポジションも使える)しかしこれはレセプターに接着し、重合するためにイニシエーターが必要である。それは組織の表面に応用される。一般的にイニシエーターは化学的、温度、光重合の三つに分けられる。化学的な組織接着剤はそのものに含まれている薬物、もしくは組織の中に自然に含まれている物質により作用される。水は術者あるいは唾液によって組織接着剤に直接作用するイニシエーターとなりうる。水により選択的に作用される生物学的親和性のある組織がそれゆえ存在する。他の接着剤は他の化学物質によって活性化される。それは唾液であったり、たんぱく質(唾液中、粘膜、歯肉、エナメルぺリクル等)であったりする。光重合で活性化するものもあり、これら全てはこのダムで使われる接着剤のイニシエーターの候補である。
【0128】
最初から付与された光重合組織接着剤を備えたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム
組織接着剤を最初から付与されているダムで硬、軟組織その他口腔外組織の接着に光活性を必要とするものは防湿と維持の両方の働きをする上で大きな効果を持つ。このダムは透明にして照射器のライトが通るようにして組織、ダムが重合によって接着することもできる。理想的な光重合の接着剤は粘性がない乾燥状態で、強固に接着して、ダムの術野と組織を付着して、術野の周辺を形成している準備段階でも安定している状態が得られる。隔壁する組織に、接触されたなら、可視光線によってダムを通じて光を照射し、緊密にそしてスムーズに接着剤は濡れの良いジェルに代わり、3次元的に適合し、粘膜組織間の強固な固着を得る。その強度については圧感受性の接着剤の項で述べた値と同じである。圧感受性接着剤の項で延べた通り、唾液やその他の水溶液に対して不溶性であることが望まれる。
【0129】
安定のために拮抗アーチ維持が必要な特殊な隔壁が必要とされる弾性、屈曲性の術野周辺部を形成する挿入物を備えたジェネラルフィールドアイソレーション
あるケースではこのジェネラルフィールドアイソレーションダムは適応、維持、安定のために、挿入物が屈曲、と弾性両方の性質を持つことを必要とする。前述した、術野の周辺部を形成する挿入物は、屈曲性、形成可能な材料で片側の歯列のみに応用され解剖学的形態にあわせて指で調製できるものであったこれらの挿入物は非常に低いイールドポイントをもち、形態に合わせて屈曲でき、もしそれが金属であれば熱を加えるか、なしでも使えた。実験室で調べられ、これらの連続的なループ挿入物は0から6lbsの範囲で調べられ、もし組織接着剤が使われないのなら、理想的な屈曲圧は1.5から2.50lbsであるということがわかっている。もし接着剤が使われたら、これより低い値になる。
【0130】
歯列間の隔壁、上下の歯牙または歯列を同時に隔壁するような場合、特別にデザインされたフィールドアイソレーションダムが必要になる。そして、その挿入物は拮抗力(相反する力)を上下間で発揮する弾性と屈曲性(指またはプライヤーで)の両方の性質を持つことが望まれる。その結果弾性のある術野の周辺部はこのような状況で適用されると、維持装置の役割を、クランプ、組織接着剤などと分け合うことになる。それはまた、下顎を牽引して開口を処置中に維持する働きも持ち、拮抗歯列間力を用いて歯肉と粘膜に装置を密着させる。
【0131】
このような性質を満たす挿入物の材料は金属で熱処理して適応させるものが考えられる。金属の熱処理中にその形態を記憶させるのである。挿入物は平らの面である場合も三次元的な形の場合もあるだろう。熱処理することにより、金属の結晶化によって記憶が組み込まれる。弾性力はそのイールドポイントまで発揮され、熱処理した金属は元の位置に変形することなく戻る。この元に戻ろうとする拮抗力の発生は弾性係数とたわみ率でよく表現される。挿入物に求められる性質は、挿入物の維持、装着の簡便さ、開口のための下顎の牽引、挿入物の安定である。二つ目の操作上の弾性挿入物に求められることは、解剖学形態にあわせて変形可能であることである。熱処理による弾性のためこの挿入物は永久変形のためのイールドポイントは非弾性のものに比べ高くなっている。このことは使用者は、その適用において、大きな曲げる力が必要になるということである。これは指での強い圧力かプライヤーの使用が求められる。いずれにしても屈曲性、展性に関しては妥協しなければいけないが、しかし挿入物の適合性の低下はこのような状況下でのダムの特殊なデザインによる新しい操作の導入によって補償できる。
【0132】
この屈曲性、弾性を両方備えた挿入物は、もし金属ならワイヤー、metal stampings、鋳造物、他の成型材料で作られる。もしくは変形できるプラスティック、ポリマー、コンポジット他でも良い。いずれにしてもこのような性質を満たすのなら他の代替材料も考えられる。
【0133】
これらの装置は咀嚼筋と関係して、上下の歯槽弓の拮抗力を生み出す挿入物のデザインが必要とされる。このラバーダムは平らな面で作られその挿入物は180度から30−40度の範囲で、柔軟性で開口した口腔内に適応される。また別の案では丸みを帯びたVあるいはU型で45度から65度ぐらいに開いている状態で熱処理した挿入物なら開口を強いる拮抗力はさほど大きくかからない。
【0134】
対抗する歯列を同時に拮抗力で隔壁する挿入物を有したラバーダムは、緊急処置、遠心の欠損部、後方の歯冠崩壊歯などのクランプなしの隔壁、あるいは屈曲性の遠心の拡張ラバーダムや他のテクニックでは難しい隔壁も可能にする。
【0135】
弾性、屈曲性を持った挿入物を備えたこのダムは全顎を隔壁する矯正治療にもクランプありでもなしでも適している。これらの全歯列用のラバーダムは180度の平面か、45度から65度の丸みを帯びたV型かU型で緩い拮抗力を発揮するものどちらでも応用できる。この角度はどのようにも改良できるし材料をも金属からプラスティック、形状、太さも様々にして挿入物の弾性係数を変化させることができる。これらV、U字型の挿入物は製作者によって型に入れて作ることも考えられる。この45度から65度の角度のダムは舌側に陥凹を付与することにより舌の動きを阻害しないようにでき、不快感をなくす。このダムは一度に片側、あるいは両側のアーチを隔壁し、クランプありで、またなしで、フレーム付で、あるいはなし(後付)で作成できる。深く関連した器具で外側のフレームを持たないために、ラバーダムの定義から外れているものがあるが、患者の口唇を牽引する補助的な器具がないと使用は難しい。(このような器具は商業的に入手可能である)この装置は上記のジェネラルフィールドアイソレーションダムのアウトラインを模しているがそれは口腔内バリアもしくは隔壁器具とみなされるものである。この代替案のデザインはジェネラルフィールドアイソレーションの拡張型とするべきである。したがって、それはこの明細書で描写されるダムの焦点と本質を含んだ代替案と定義する必要がある。
【0136】
弾性のある挿入物をもったジェネラルアイソレーションダムは従来型のダムと同じようにフレームで牽引され伸ばされる。これは、全世界で使用されているヤングのフレームを用いても、その他の種類のフレーム、あるいは改良したフィールドアイソレーションラバーダムフレーム(この明細書中で述べられた)を使ってもよい。またその代わりに最初からフレームをダムに組み込む形でも良い。それは金属(ワイヤー、stamping 、鋳造物)からプラスティック、硬い物から弾性、屈曲性を持つものまで用途に合わせて選択できる。
【0137】
従来のラバーダムは成人用6”X6”,小児用5”X5”の正方形弾性のある膜からなる。この膜は外側のフレームの突起に掛けて引き伸ばされる。この引き伸ばされた膜が拮抗力となり、ラバーを維持し、口唇を牽引し、口腔へのアクセスを可能にする。この力は全周囲に向かう引っ張る力である。フレームを装備したラバーダムは多く商品化されている。あるものは口腔外から大きく離れた形で、真のラバーダムとほぼ同じ働きをし、ラバーダムフレーム付あるいは正しくはラバーダムの拡張型と呼ぶべき物である。あるものは口唇より内側に位置し、口唇を完全に360度方向に圧排しない。このようなものは口腔内バリアあるいは隔壁装置と呼ぶべきである。
【0138】
簡略化した口腔内フィールドアイソレーションラバーダム装置
一部の臨床家はフルサイズのラバーダムより簡便なものを好む場合がある。これらの装置の挿入物はフルサイズのものと同じ範囲であるが、外側のフレームワークは小さいか、明らかに異なった形をしている。これらは平らな面のラバーダムでも立体的でも良い。挿入物は弾性、屈曲性、剛性でも必要に応じて適応する。化学重合、光重合、圧感受性の接着剤が付与されてもなしでも良い。接着バリアの使用も必要に応じる。挿入物は弾性、屈曲性ワイヤー、stamping、鋳造体その他で作られ、形状記憶コンポジット、弾性の中にある程度の剛性を備えた静的な物質であるプラスティックなどでもよい。要約すれば、全てのタイプのラバーダム膜がこのクラスの装置に応用できるということである。この口腔内フィールドアイソレーションダムは口唇や頬を十分に牽引することができないことからある装置には補助的なチークリトラクターが使われる場合がある。また別のタイプの口腔内ダムでは、フレームと挿入物が連結されている物もある。すべてのフルタイプのダムの特徴はこのダムに付与することができ、術者の必要に応じて改良することもできる。
【0139】
口腔内ラバーダムと従来のラバーダムを区別するために以下に述べる。真の従来型のラバーダムは成人用6”X6”,小児用5”X5”の正方形、弾性のある様々な厚みの膜からなる。この膜は外側のフレームの突起に掛けて引き伸ばされる。この引き伸ばされた膜が拮抗力となり、ラバーを維持し、口唇を牽引する。この力は全周囲に向かう引っ張る力である。フレームを装備したラバーダムは多く商品化されている。あるものは口腔外から大きく離れた形で、真のラバーダムとほぼ同じ働きをし、これらは真のラバーダムと考えるべき物である。その他のものは従来型と違い患者の口腔外に位置しない。従来の物と違いこれらは口唇を完全に360度方向に圧排しない。このようなクラス分けから考えて、口唇内のものは真のラバーダムととらえずに口腔内隔壁装置あるいは口腔内バリアと考えるべきである。口腔内装置は口唇を牽引する外側の膜がないので以前から存在するリップリトラクターで補助される。
【0140】
メッシュのあるいは硬く平面の屈曲性の術野の挿入物を備えた立体的全体成形可能なラバーダム
メッシュのあるいは硬く平面の屈曲性の術野の挿入物を備えた立体的全体成形可能なラバーダムは術野の挿入物のコンセプトの拡張である。しかし、ワイヤーやmetal stampingが膜のどこかに存在するのと違い、挿入物は屈曲性のある硬い材料か屈曲性のメッシュ材料かで、ポリマー材料の外側シ―トの間に組み込まれている。(もし硬い平面シート、屈曲性メッシュのシートが組み込みなしでそのままで使用されたのならば、その代替案はこの明細書の中の焦点と本質の範疇である)屈曲性のシートはフォイルのように成形可能である。そのことは術者がこの材料に必要な形を形成記憶させておくことを可能にする。このダムは他のタイプのラバーダムに様々なアーチの形で切り入れることが可能で、屈曲性のシートがない状況で使用し、ポリマーラバーダムマテリアルが術野の周りで弾性の収縮作用を発揮することもできる。どのような形態で使ったとしてもこれは臨床家にとって有益な器具となるであろう。
【0141】
ポリマー膜の特徴
現在のジェネラルフィールドアイソレーションダムは成人用6”X6”,小児用5”X5”の正方形の膜で、一般的な歯科の治療で厚みは次のように定められている。薄0.006、中0.008、厚0.010、エクストラ0.012である。だいたい0.002から0.2までの厚みで作るべきである。
【0142】
膜は様々なポリマー、もしくは熱可塑性の材料、すなわち、latex,neoprene,silicone,polyethylene,vinyl,polyurethane,その他使用適した材料で作られる。求められる物性は次の通りである。tensile strength 2,500−10,000 psi; elongation at break 400−1,110%;hardness(shore)60−100A,notched resistance to tearing 100+kilonewtons per meter これらは一般的な基準であるので、実際はその使用状況により異なる。しかしこれらもこの明細書の考慮のうちに入っている。
【0143】
ワイヤーまたは挿入物の選択と詳細
ポリマー膜の中に埋め込まれているのは、連続したワイヤーループ、metal stamping、あるいは他の適合できる材料であり、これらはある操作性と物性が求められる。材料の横断面、横断面の材料の量、area moment of inertia,弾性係数に基づく金属の選択、引っ張り強さ、イールドポイント、加熱の度合いはさまざまである。挿入もしくは適用され、牽引される膜(ラバーシート)のタイプと厚みによって変形に対する抵抗、術者の曲げやすさによって材料の物性が決められる。ワイヤーやmetalstampingなどの金属の物性については述べられてきたが、代わりになるその他の材料は次のような性質を持つべきである。術野の挿入物は十分柔らかく、屈曲性があり指によって簡単に成型できなければならない。詳しく調べるために術者は硬いワイヤーやmetal stampingを曲げるのとは違い実際に曲げることができるかどうか感じなければいけない。一度曲げたなら術者が付与した形の‘記憶’を保持し、シートの牽引による引っ張りの力や通常の筋肉の力に耐えなければならない。そして目に見えてわかるほど術者が付与した形から変形しないことが望まれる。
【0144】
異なった材料とゲージのワイヤーはこの発明においての挿入物のために分類された。始めに、異なった材料と直径のワイヤーは曲げやすさ、使いやすさ、弱い力に対しての抵抗の質によって直感的に選ばれた。試行錯誤の結果、材料と直径はこの発明に適したものは絞られてきた。
【0145】
A.Dead−soft,屈曲性の挿入物
ワイヤーをテストするために実験次のようにデザインされた。テストするワイヤーは、典型的な挿入物のひとつの端を真似てU型に形作るために.3/16”のシリンダーオブジェクトの周りに180度曲げられた。U型のワイヤーは3/4”の垂直に伸びた円形のループの万力に入れられた。フックのついたストレインゲージがループの終わりに付けられ最初のポジションから45度の角度になるまで引っ張られた。0.040”直径のannealed copper wireがテストされストレインゲージで圧が約1.75から2lbsが必要なことがわかった。このワイヤーは手指での変形に十分な操作性を持っていたので、この値を基準にした。A20 gauge C1008 brite annealed steel wireが同じようにテストされ、同じレンジを持つことが発見された。テストはannealed 0.033” diameter LVM stainless steel wireは 1.64 から2lbsの力が曲げるのに必要なことがわかった。
【0146】
いくつもの直径のアルミニウムワイヤーが同じテストをされた。非常に柔らかく、曲げやすいアルミニウムは優れた形成性を様々な範囲の直径のもので示した。A0.050”はl.25からl.50lbsの力を曲げるのに要した。一方同じ金属の0.064”wireは1.75−2.00lbsの圧力を必要とした。どちらとも優れた範囲のうちである。異なった厚みのポリマー膜において大から小までの直径が適応できる。直径0.070”までの大きさまで操作性に耐えるが、適応には厚すぎるであろう。ワイヤーサンプルはこの条件でテストされたが他のmetal stampingや鋳造体その他の材料も横断面において比較されるべきであることを付記しておく。
【0147】
このある厚みのlatexラバーダムの挿入物のための十分に使用できる代替物のある一定の基準を得るためと、理想的な操作性の範囲を決定するために、一連の番号がワイヤーループ挿入物の操作性を評価するために使われた。それは二種類の金属でaluminum とbare copper wireである。スケールは1から10までで評価され、10が最適を示し、1はいかなる状況でも使用不可であることをしめす。更なる詳細を下に記す。
【0148】
【表1】
要約すると、材料が金属であれば、加熱処理が必要であった。この実験によると、様々な金属の種類、直径のワイヤーループにおいて1&1/2から2&1/2 lbsの間が成形しやすく、ミディアムサイズ(0.008”)の厚みのlatex膜の引っ張り力に対する抵抗も得られる最適な範囲であった。その他の直径とゲージのワイヤーがこの適応で試されたが多くのものは代替となり得る。そして許容範囲の結果が得られた。その一方、4つのワイヤー、直径コンビネーションが選ばれた。なぜならそれらは理想的な状態に近づいていたからである。前述した方法で調べられた理想的な曲げる力は2&1/2 lbsから4 lbsであったが、ストレインゲージで測られたlbsから6 lbsの力も少し適切な操作性から上に行くほど離れていくが、臨床的見地からは使用に耐えそうであった。しかしどの挿入物も6lbを越えたものは手指で屈曲するには不可能になる。
【0149】
ワイヤーは原型のものが最適な操作性とジェネラルフィールドアイソレーションの挿入物のパフォーマンスの基準を確かめるために使われたので、この値は他のmetal stampingや鋳造体などの金属、形状記憶プラスティックやコンポジットなどにも使用できることが予想される。直径の大きなワイヤーやmetal stampingなども溝を入れることにより、同じような結果を得るために物性を弱めることもまた考えられる。しかし、他の代替となる材料もこの実験結果に準じて臨床的操作性を維持していなければならない。
【0150】
ジェネラルフィールドアイソレーションダムに圧受容性の接着剤を付与しておくこと(粘膜、ダム間にシールを形成し、バリアマテリアルとして、水分の漏れを防ぎ、あるいはシールと維持の両方、もしくは維持主体のもの)はワイヤーや他の材料の直径に影響を及ぼすであろう。この状況では、ワイヤーに要求される引っ張り強さは接着剤によって供給される維持の量に反比例する。言い換えれば粘膜への接着が大きくなれば、直径はより小さくなる。実際、強い粘膜接着と薄く、強い弾性のポリマー材料によってワイヤーと挿入物は除くことが可能である(ワイヤーもしくは金属挿入物のない接着バリアマテリアルを最初から応用したジェネラルフィールドアイソレーションの項を参照のこと)。
【0151】
B.弾性、成形性の挿入物の拮抗力
弾性、成形性両方を備えた術野の挿入物の弾性、拮抗力の発生の最適な特徴をテストするため、そしてこれら弾性の挿入物が首尾よく機能する基準を決定するために次のような実験のプロトコールが考えられた。
【0152】
1/2顎隔離するためのジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムに挿入されるようデザインされた弾性の挿入物が次のように万力に挿入され安定された。一つの先端の挿入物0.750”が万力の表面に対して直角になるように固定された。挿入物の長さと幅は全て均一に4.000”インチの長さ、0.750”の幅であった。これらは平らでそれを維持するために加熱処理されていた。万力に固定されたなら、180度の角度に曲げられ、その先端はデジタル計測ストレインゲージに固定され180度の曲げで生じる拮抗力の量を測った。テストは安定した値が出るまで続けて行われた。実験で得られた測定値は記されている。
【0153】
臨床的に有効な弾性と、成形性を持った挿入物の最適な操作性の範囲を探るためと、異なった適用での弾性挿入物の受容できる範囲の基準を確かめるために、実験用の挿入物で記録された拮抗力の実験値は臨床実験で関連付けられた。それは以下の基準を調査することによって様々な拮抗力の弾性の挿入物を備えたジェネラルフィールドアイソレーションの操作性を患者が評価した。
a.挿入と除去の快適性
b.時間の経過による咀嚼筋の疲労
c.開口の維持の適切さ
それに加え、実験用の挿入物は臨床実験で関連付けられた。そこにおいて歯科医師は様々な拮抗力の弾性の挿入物を備えたジェネラルフィールドアイソレーションダムの操作性を以下の基準を調査することによって評価した。
a.口腔内への挿入と除去の基本
b.歯科医師の視点での患者の快適性
c.開口の保持の適切さ
d.GFIラバーダムの固定の適切さ
患者と歯科医師からの操作の特徴は関連付けられ、挿入の評価は同じスケールが使われた。評価のスケールは1から10までで、最適が10で1はいかなる状況でも使用が好ましくない。以下に詳細を記す。
【0154】
【表2】
異なった拮抗力を発生する弾性、屈曲性の挿入物を備えたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは異なった臨床環境で有効であるということを銘記すべきである。多くの場合歯科治療は長さにして一時間であるが、必ずしもそうではない。緊急治療の場合、約30分であろうが、場合によっては咬合の再構成の治療など一時間半から二時間かかることもある。もし剛性の挿入物が大きすぎる圧を掛け続けていたら、筋肉疲労から痙攣をおこして患者に不快感を強いる。その一方で強固な咀嚼筋を持っている患者がいればより強い拮抗力を発生する挿入物を開口を維持するために使用することが必要になる。14〜16歳の歯列矯正を行っている患者はこの一般の成人には適切な拮抗力に抵抗できない。したがってことなった状況では異なった拮抗力を発揮するジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムが必要とされる。
【0155】
弾性のある挿入物を曲げ、永久変形させる力は高い屈曲性のある材料より自然と高くなる。これは形状記憶を生じるための金属の熱処理による。金属の熱処理は硬度、イールドポイント、弾性限界の範囲を上げる。このことから屈曲性のある材料で計算された力の値はこのタイプには適応されない。このような挿入物を曲げるための全ての値は屈曲性の実験値より上昇する。このような挿入物を曲げるために指を使った圧の上方限界は横断アーチ、舌側、唇側弓を形作るために、矯正用のプライヤーかその他の屈曲用のプライヤーのルーティーンでの使用に道を譲ることになる。
【0156】
発明者は、往々にして、ある装置あるいは製品の組立てを既存の製造工程の現実的な必要性に一致させる過程のなかで、修正を受け入れることを認識する。あるいはエンドユーザーへの最終コストに対して生産原価の受理可能なマージンを持っている製品を生産する経済現実性に屈する。この理由により、技術的、商品化する装置の最終的作成に関連した経済的圧力を受けやすい多くの改良した、具体案は述べられてきた。これらの現実性に関連した具体案の変更はすべて、この明細の本質および狙いの基準内にあると考えるべきである。ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムと従来の隔壁挿入物の具体案の最も高いレベルは前歯と臼歯横断アーチ、唇側弓及び舌側弓の機能的な配列部分に成形される連続した、似た材料の連続したループである。似た材料の連続したループという言葉は同じ接触性、屈曲性材料をその周囲に持った挿入物を意味する。したがって、挿入物に対しての言及、すなわち順応性があるかあるいは変形可能か、弾性であり成形可能か、弾力があるか、硬いかは、その周囲が連続性の挿入物の定義上、同義語である。発明者および著者は、既存の製造工程に適した代案が技術的なプロセスの制限によりいくつかの状況において避けられないかもしれないこと、結局、小売りする生産原価はエンドユーザーにコストがかかるということを理解している。例えば、不連続性の屈曲可能なまたは弾性のある成形可能な部品は、効果は少なくなるかもしれないが、エンドユーザーへのコストが最重要な課題であるところでは制限された隔壁ケースに考えられるかもしれない。製造過程の制限によるもう一つの可能な改良は、円形、正方形、長方形あるいは他の横断面の形の平行ワイヤーの使用である。それは成形過程で埋め込まれる。その過程はそれらをコートし、繊維状のメタルフォイル、プラスティックペーパー、ポリマー材料、コンポジットなどで強固あるいはやや強固につなげる。この製造過程は幅のひろいテープのような物を作り出す。それらは、屈曲性のワイヤーを残して、しかし、全連続性のワイヤーループもしくは連続性の楕円metal stampingsをもった挿入物のアクションを刺激するために、強固さ、あるいはやや強固さを十分に与えるのに十分材料で、四角く、内、外側に切られ楕円または長方形の形を作る。この類似の挿入物はピールストリップ、ありあるいはなしで様々な異なった種類の接着剤がコートされる。そして分離した挿入物として適用されるか、GFIの術野組み込み方法かGFIのやや改良した案としてラバーダム膜に直接接着される。さらに、どの挿入物にもこのプロセスを適用することができるかもしれない。(弾性、展性があり弾力があり変形可能であるか、あるいはリジッドでも)最終結果は形成可能な術野周辺部になるであろう。それは完全な連続的な術野挿入物と正確に同じように当てはまられるだろう。またこの特許の明細の本質および範囲内に完全にあると考えられるべきである。
【0157】
高い水準の術野の挿入物の横断面の形態は術野の周辺部を立体的にエンドユーザーによって形成することが可能であるものであり、牽引しているラバーダムや患者の筋肉によって外部から引っ張られたりするとねじれたり変形したりする形態的異常がないものである。この理由から、著者は円形、正方形、五角形、六角形、七角形、八角形あるいは他の比較的、方向的に単一な形態ほうが楕円形や長方形より有効であると信じる。著者は製造の過程の特性から置き換えや、妥協が時に必要なことを理解している。あるケースでは長方形もしくは楕円受容可能であろうが、何が本当に適していて、何が最終製品のパフォーマンスを下げるという点で適応を妥協させるかの定義づけが一つの判断基準になる。大雑把な指針は挿入物の横断面が不規則な形をしている度合いと、その成形においての有効性は反比例するということである。したがって長方形の横断面で幅と高さの比率が2:1、もしくは3:1、4:1のものは20:1、40:1もしくは60:1のものよりずっと優れている。許容範囲外の横断面形態のものは、テープのような形のCofferdam intra−arch damで約20:1、30:1の比率を持つ。横断面のこの著しい形態不規則性は部品のたった一つの方向へ、ゆがみを制限するだけでなく、それに対してかかる張力をangular momentumの物理的原則によって何倍にもなったラバーダムが牽引することによって許す。そしてこのことは部品を外からの力によって曲げ、ねじり、ゆがめることになる。製造の工程で生じる許容範囲の中方形の横断面の例はdie−cutting,もしくはstamping,‘blanking’工程で作られた術野の挿入物である。そこにおいて、stamping肯定の間に材料が曲がったり歪んだりしないように、材料の幅は厚みに対し長くなければいけない。このようなケースでは幅の比率2:1もしくは3:1は間違いなく最小である。そして展性が増すにしたがって大きくなる。それに加えて挿入物を膜に組み込むにあたっての操作上の必要性も製作工程に対しての更なる変数となる。比率が5:1から6:1もしくはやや高い場合も考慮の範囲である。この状況では、厳しい原則は適応するのは難しい。しかし、製造工程、冶金学とコストも考慮に入れることを忘れてならない。単なる横断面の形態がこの発明全体に大きな影響を及ぼすわけではないが、この明細の本質と範囲の内であるということは強調しなければいけない。優れた挿入物の形態は部分あるいは全体の歯列の形態が人間の解剖学形態に合わせて作られていることである。それに加えて、3/4顎、1/2顎、その他の部分のアーチは歯科医師が臨床を行うに当たって必要な形態の幅広い知識から作られている。著者は、製造過程での制限により理想的なものからやや離れることもそしてその状況でも有効性を保つであろう。理解している。弾性、成形可能な挿入物が使われたときエンドユーザーはその展性により最終的な形態を付与することができる。この展性、適合性により製造上による制限から、形態から少し実際より離れていたとしても成形により修正可能である。解剖学的形態からの乖離の例は片側歯列の部分的な弾性、展性挿入物である。この装置は長方形で丸い角を持つ連続した材料、もしくは二つの平行のワイヤーにリジッドあるいはセミリジッドな連結部が適切な形でつなげられているものである。平行部分の挿入物は解剖学的に正確ではなく、歯列のカーブを保障するために必要な幅に比し、広すぎるであろう。弾性、展性の挿入物を屈曲することにより解剖学的形態に沿った形を術者は得ることができる。また、製品と形態のずれを修正することができる。コネクターとして異なった材料を使用することは横断アーチを形作るために、挿入物の端を曲げることは影響を及ぼすかもしれないし、影響はないかもしれない。最終的な目標である、横断アーチ、舌側弓、唇側弓の形成はしかし達成されるだろう。幾分非解剖学的な形態を挿入すること、すでに挿入物に使われているものと異なったしかし性質の良く似たリジッド、もしくはセミリジッドな材料、そして同じような機能を持つ弾性、展性の各種材料が使われることはこの明細の本質と範囲のうちで、大きな意味は占めない。
【0158】
フィールドアイソレーション挿入物は横断アーチ、舌側弓、頬側弓を形作るために45度の角度で曲げる必要があるということと、他に平面的な形をしているが、屈曲することで立体的な形が得られるフォームがあるということを理解しなければいけない。例えば、もし二つの反対側の正方形もしくは長方形の形の平面のフォームが正確に曲げられたら、二つの横断アーチを作り出し、四つの挿入物の構成物からなると前述された最終的な形に立体のフォームは結果的に近づくことになる。この明細においての好ましい案のアーチフォームを曲げるにあたって90度は、それに相当する角度である。もし楕円の平面のフォームが同じように曲げられたら、正確な形にはならず、横断弓、唇側弓、舌側弓の4つの構造物に大まかに一致するであろう。この場合、唇側弓と舌側弓は直線ではなく(正方形や長方形が曲げられたときと違い)むしろカーブを描いている。さらに、横断アーチと弓の間で形成された明確な角度は存在しない。しかし、ややこれらの部分は弧の中でともにブレンドする。要約すると、異なった形ではあるが、大まかにはこの明細のなかで記述されたのと同じ結果を得るということである。このような変化や置き換えはこの明細の本質と範囲に含まれ、大きな変化は与えない。
【0159】
この明細で概説されたラバーダム膜は一般に一方向の膜である。すなわち、それらには組織接触面、および、歯および歯肉の組織との接触から離れた側面の両方がある。さらに、術野の挿入物は組み込まれているか、後から任意の側に装着される。この一方向の設計は任意である。膜を両方向に、もしくは片側に使えるようにする改良デザインはこの明細の本質と範囲に含まれ、大きな変化は与えない。製造するにあたっての制約および制限に関係した具体案への変更は挿入物の適応に関して議論を呼んだ。その挿入物は分離した後付用のものも最初から付与されているものもある。たとえそれが、展性の構造物、歯列内装置の弾性、成形可能な挿入物、横断アーチ、唇側弓、舌側弓を持ったリジッドプレフォーム挿入物であったとしても製造上の制約による具体案へのいかなる変更でもこの挿入物は同じように適応する。製造上の制約による分離した挿入物のわずかな変更の例は、テープのように外せる展性あるいは弾性があり、成形可能な挿入物の製造である。先端部の完全なアーチフォームの形の代わりに、取り外しのできる連続する挿入物の平らな隣接部が置き換えられる。それぞれの挿入物は劇場のチケットのように取り外せ、ラバーダムにフィールドアイソレーションもしくは従来型の改良として適応される。挿入物の先端は八角形か正方形をしている。それに加え、横断部分にリジッドもしくはセミリジッドに付けられた2本の平行ワイヤーは理想的な挿入からさらに乖離するかもしれない。完全な案より低価格で済むかもしれない短縮や製造上の制限はこの明細の本質と範囲のうちである。注入式の成形方法はワイヤーやmetal stampings,鋳造など他の方法ではできない複雑な形態を付与することが可能かもしれない。このことから注入式のコンポジットやプラスティックの使用もこの明細の本質と範囲の中に入れておかなければならない。これらの装置は立体的に成形され、ラバーダムの中に組み込まれまたは、分離した横断アーチ、唇側弓、舌側弓の構造物として応用され、他のこの明細書中で記されたラバーダム装置と同じ働きをする。このような装置はリジッド、プレセット挿入物と分類されるが、そのプラスティックやコンポジットはいくらか、その弾性限界のなかで弾性の性質を有し、臨床的な装置として弾性の性質を持つ。これら、リジッドで唇側弓、舌側弓、横断アーチのプレセット部分を持つすべての装置はこの明細の本質と範囲に含まれる。
【0160】
発明は望まれた具体案のもとで描写されているが、この明細の本質と範囲のうちであれば変更や改良により著しく制限されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】本発明のジェネラルフィールドアイソレーションの平面図である。
【図2】図1の2−2での横断面の図である。
【図3】ジェネラルフィールドアイソレーションの横断面で開口部がシートに設けられている。
【図4a】ジェネラルフイールドアイソレーションラバーダムの平面図で網目状の材料がバリアのために設けられている。
【図4b】4b−4bでの図4aの横断面図である。
【図5】網目状の材料がシートに応用されたときの横断面である。
【図6】患者の口腔内でラバーダムの接着をはかるために、接着剤とピールストリップが加えられたときの、図3を示す。
【図7】シートの内側の周囲に術野の挿入物が内側に装着されている状態のジェネラルフィールドアイソレーションの横断図である。
【図8】別の形態でシートに部分的に厚みをもった術野の挿入物を表す。
【図9】図8を表し、患者の口腔内で接着するように接着剤とピールストリップが加えられたものである。
【図10】差し込まれる形ではなく、シートに術野の挿入物が適用されるまた別の形態の横断面である。
【図11】図10を表し、網目状の材料が術野の挿入物のシートの内面に適用された図である。
【図12】図10を表し、患者の口腔内の内側に接着するために接着剤とピールストリップが付け加えられた図である。
【図13a】展性のあるシートが膜に埋め込まれた代替案の器具の横断面である。
【図13b】別の横断面である。
【図14】ウエハース型の現在の発明の術野に装着される器具を構成し、ラバーダムシートに付着することのできる部品である。
【図15】ウエハース型の部品の代替案の横断面である。
【図16】別のウエハース型の部品の代替案の横断面である。
【図17】ウェハース型の術野の部品の代替案の横断面である。
【図18】不連続の術野の挿入物が付与された構成物の横断面である。
【図19】不連続の術野の挿入物が付与された構成物の横断面である。
【図20】不連続の術野の挿入物が付与された構成物の横断面である。
【図21】不連続の術野の挿入物が付与された構成物の横断面である。
【図22a】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図22b】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図22c】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図22d】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図22e】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図22f】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図22g】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図22h】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図23a】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23b】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23c】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23d】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23e】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23f】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23g】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23h】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23i】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24a】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24b】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24c】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24d】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24e】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24f】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24g】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24h】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24i】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24j】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図25】従来のラバーダムと現在の物のハイブリッドである穴の開いたジェネラルフィールドアイソレーションダム平面図を示す。
【図26a】従来型と現在の物の組み合わせを横から見た図である。
【図26b】従来型と現在の物の組み合わせを横から見た図である。
【図27a】現在の発明の全歯列の隔壁の平面図である。
【図27b】27b−27bでの断面図である。
【図28a】ラバーダムクランプを用いてダムを安定させるよりも下顎の圧を使い、弾性を持ち、変形可能なダムの付着手順を示す。
【図28b】ラバーダムクランプを用いてダムを安定させるよりも下顎の圧を使い、弾性を持ち、変形可能なダムの付着手順を示す。
【図28c】ラバーダムクランプを用いてダムを安定させるよりも下顎の圧を使い、弾性を持ち、変形可能なダムの付着手順を示す。
【図28d】ラバーダムクランプを用いてダムを安定させるよりも下顎の圧を使い、弾性を持ち、変形可能なダムの付着手順を示す。
【図28e】ラバーダムクランプを用いてダムを安定させるよりも下顎の圧を使い、弾性を持ち、変形可能なダムの付着手順を示す。
【図29a】弾性のある挿入物により両側の歯列を同時に隔壁する状態を示す。
【図29b】弾性のある挿入物により両側の歯列を同時に隔壁する状態を示す。
【図29c】弾性のある挿入物により両側の歯列を同時に隔壁する状態を示す。
【図29d】弾性のある挿入物により両側の歯列を同時に隔壁する状態を示す。
【図30a】不連続の部品が使われる場合の代替案の器具の平面図を示す。
【図30b】不連続の部品が使われる場合の代替案の器具の平面図を示す。
【図31】展性のあるシートが弾性材料に付着され、3次元的に屈曲可能な状態を示す。
【図32】現在の発明のラバーダムに光重合型の接着剤が光照射されている状態を示す。
発明の背景
本発明は、歯科治療における術野の隔壁に係わり、特に歯科処置中に口腔周囲組織を圧排、防湿し乾燥を保つことを目的とした口腔の隔壁に用いられるラバーダムに関する。
【0002】
ニューヨークにおいてDr. Sanford C. Barnumがオリジナルのラバーダムを発明したのは1864年であった。ラバーダムは歯科医師の乾燥した術野での処置の必要性に答え初めての効果的な隔壁器具として速やかに認められた。以来、ラバーダムの歯科での使用は世界においても標準的な防湿法として広く普及した。ラバーダムの使用方法はアメリカ及び各国の歯科大学でも高度な隔壁器具として教えられている。ラバーダムの使用は歯科領域において有用ではあるが、ラバーダムシートの形状の制限と現実に使用するにあたっての難易性が、適応できる治療の範囲を制限しており、それらが臨床での使用の割合を著しく減じている。すべての歯科医師が大学においてラバーダムの使用方法を教育されているにもかかわらず、開業医のわずか10%しか実際に使用していないと見積もられている。この使用率の低さの大きな原因として挙げられるのが装着の難易さと患者の不快感である。
【0003】
今回の発明は既存のラバーダム防湿法の進化型である。このジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムはバリアドレープではなく、従来のラバーダムの適用範囲を広め、この隔壁器具をもって処置を効果的に進める意図を持つ。更に、使用法を簡単にし、患者の不快感を軽減することにより臨床家の多くが普遍的な器具としてラバーダムの使用を開始、あるいは再び使用することを促す目的も有す。
【0004】
ラバーダムとバリアドレープの最も大きな相違点はラバーダムが組織より牽引され、その張力により軟組織を能動的に圧排することである。それに対しバリアドレープは隔壁の対象となる口腔組織の上に受動的に掛けられるだけなので、内面に張力を生じず、従って組織を積極的に圧排することはない。ラバーダムシートは一般的に平面シートの弾性材料で組織の動きや形に応じて伸縮し形状を変化を変化させるが、バリアドレープはあらかじめ口腔組織の形状に応じて形がつけられており、受動的に組織の上に掛けられる。能動的に牽引されたラバーダムはシートの余剰部分を引っ張り上げ、口腔の外と内を遮断するため患者の舌と咽喉の障害物とはならない。一方、バリアドレープはこういった特性を持たないためドレープの余剰部分が舌の動きにより口腔内に落ち、術者を悩ますと同時に患者に嘔吐反射や窒息の危険を強いる。
【0005】
術野からフレームまで、牽引されたラバーダムは、漏斗状の形状を示し、余剰水分を集中させ水平位で行われる現代の治療において、アシスタントによる吸引を容易にするが、バリアドレープは余剰水分が分散し、吸引が困難となる。また、ラバーダムによって生じる張力が緩やかに患者の開口状態を嚥下反射の間でも保ち、処置を中断することがなくなる。それに加えてラバーダムフレームから引っ張られる張力により患者の口唇、舌、頬を圧排しスムーズな器具の使用を可能とする。デンタルドレープは牽引、圧排ができないので、シートそのものによる器具の到達性の確保ができない。その代わりに適度な口唇の圧排を無視した、効果のないスプリングのような装置を術野の確保の為に使っている。
【0006】
二つの既存の器具の存在は真のラバーと口腔内バリアドレープの概念の違いを明確にしている。第一は米国特許No. 5,078,604で口腔内にストレスや引張り力をかけないように受動的に口腔組織に置かれるもので、ラバーダムのように張力は生じずバリアドレープと表現されている。その特許はラバーダムの欠点、つまりシートを引っ張る内面の張力を長文で論じている。それに対して提案された解決策があらかじめ形作られた解剖学的な‘袋型’のバリアドレープである。これは受動的に口腔組織の上に乗せられ引っ張られることによるストレスがかからないようになっている。この発明は患者が一人一人異なった解剖学的形態を有していることを無視しており、すべての患者に適合したドレープを作ることは不可能である。また、これは余剰部分が存在するということも考慮に入れておらず、この部分が口腔後部に落ちた場合に嘔吐反射や呼吸困難が生じ、それに加え、舌は手足などと違い常に前後に動き、バリアドレープは外れ易く、処置の障害物となる。そして、ラバーダムシートを引っ張りあげるというコンセプトがないため口唇と頬は圧排されず、その結果、開口状態を誘導することもままならない。したがって、その代わりに補助的な開口器具を必要とすることになる。
【0007】
ラバーダムと口腔内バリアドレープの違いを表現するのに適した、二番目の器具はドイツのラバーダム(ドイツ語でcofferdam)と称するものである。しかし実際のところこれはバリアドレープであり、ヨーロッパの特許番号はNo.EP1006925AI (Horvath et al .) である。これは真のラバーダムと違い、平面のシートではなく、「バッグのような形で口腔内に良く適合する」、「前方部分で巻き上げられたラバーダム」と表現されている。巻き上げたものを解くことによってバッグ型のダムが前方に移動する。このコンセプトは避妊用具に似ているが、巻き上げを解くと、管状あるいは円筒状のシートが現れる。そのシートは患者の口腔内に押し込まれバリアーの働きをする。このコンセプトの問題はやはりシートの余剰部分による嘔吐反射と呼吸困難、舌の運動による余剰部分の動き、口唇と頬の圧排と開口の誘導の欠如である。
【0008】
アメリカ特許番号No.5,078,604は特に軟口蓋や咽頭部にまで余剰部が進入するという点でバリアドレープの構造上の典型的な欠陥例の一つである。さらに、臨床的に有効なラバーダムを謳った二種類の器具、アメリカ特許番号No.4,000,387とドイツ特許番号No.DE19704904Cも同様の欠陥を持っている。これら3点は同様の欠点を共有している。3つともにすべての歯列もしくは上下顎同時に隔壁を行おうとするものである。バリアシートで、口腔を隔壁するものであり、中心部分は硬い卵形のシートで歯牙を隔壁する。いずれも歯列間装置すなわち、上下ともに隔壁を行うものである。相違点いくつかあり、387は2つのパーツの間をラバーダムのシートと一緒に装着して、全体のシートを構成するのに対し、ヨーロッパの装置はラバーダムシートにすでに最初から装着してある。
【0009】
ラバーダムシートに装着するのと装着されていることの違いを除き、ヨーロッパの特許の内面のデザインと’387の平面的なデザインが共通していることは特記すべき事項である。結果として両者ともに前述のように同じ構造的な欠陥を持っている。
【0010】
これらの器具の第一の欠点は単純な蝶盤軸開閉運動である。最後臼歯の1インチ以内後方の軸で上下顎が回転するのなら、問題はないであろうが、実際は異なる。代わりに始めの2,3cmは上下の咬合面はほぼ平行に下顎の開口とともに離開して行く(ほんのわずかに弧を描くように)。そしてその後に下顎は前方に移動しさらなる開口にそなえる。実際の蝶盤の結合部、下顎頭が関節かにかん合する部分は4,5インチ離れたところにある。単純な蝶盤運動をするタイプのバリアドレープやラバーダムは解剖学的要件を満たすことを追求している。
【0011】
これらの装置の第二の大きな欠点は、歯牙を隔壁するために中心部に硬い卵型のバリアシートを持つことである。上述のような単純な蝶盤運動で折れ曲がり、歯列を隔壁するために口腔後部への挿入する過程において、この器具は患者の口腔奥に入り、舌や咽喉部を侵害する。これは嘔吐反射、呼吸困難、閉塞感などの不快感を患者に与えることとなり、治療を中断させる。
【0012】
これら3つの器具は単純開閉運動で折れ曲がる。開口時の上下顎の歯列間距離に合わせた機構を持ちあわせていない。補足的な境界面と器具との相互関係を得るための、究極の条件である人間の解剖学形態を無視した解決法を体現している。これらの装置は上下の歯列が最後臼歯の後方1cm以内を軸にして回転することを想定して作られている。実際の所、上下の歯列は平行に離開していく。円弧を描くが上顎に対しての下顎の回転の中心は関節かあり、咬合面から少なくとも4〜6インチ離れている。開口時の咬合面間の離開の度合いは患者の解剖学的形態により、また患者の意志により異なる。実際の距離は変化するので装置に備えられるべき正確な基準も変化する。しかし、補正する余地が患者に短時間あるいは長時間の閉口を指示することにより存在する。咬合面間距離とジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムのデザインについて一つ言えることは咬合面間距離は臼歯から前歯に向かっての開口の半径に比例しているということである。
【0013】
もし全歯列において拮抗的な隔壁をラバーダムで得ようとするなら、その特別にデザインされたラバーダムは舌や定期的な嚥下反射に対応しなければならない。まず矯正歯科においてマーケットを見つけるであろう、特別にデザインされたフルアーチラバーダムは他の多くのラバーダムがもち得ない、批判を呼ぶかもしれない特徴を間違いなく備えている。しかし、これまでのラバーダムの欠陥を修正するニーズは、全歯列の隔壁装置の創造にとって大きな要素である。
【0014】
一般的なラバーダムでは、薄く平らなラバーシートを術者が必要に応じた歯列に合わせて穴を開ける。開口されたラバーダムは患者の口腔内に挿入され、開口部は個々の歯に順に完全に術野が露出するまで、引き伸ばされる。この方法は歯冠部のみ(歯肉縁より上)を露出させるので、歯肉縁上の硬組織のみが処置の対象となる。このことにより、一部の補綴治療においては歯肉縁下の処置が必要なため、ラバーダムなしでの治療を余儀なくされる。クラウンやブリッジの形成を歯肉縁下で行うためには歯冠部の他に一部の軟組織(歯肉の露出)が必須である。この要求を満たす、改造されたラバーダムによって術者は歯冠形成を歯肉縁上、縁下で行うことができ、その後歯肉溝に圧排コードを挿入しクラウンやブリッジの印象を採得する準備に入る。印象採得は歯科技工所において、形成した歯牙の模型からクラウンやブリッジを作成するために必要な工程である。現在の所、ほとんどすべての補綴処置が従来のラバーダムの材料、や技術的な制限から、ラバーなしでの治療を余儀なくされている。
【0015】
本発明の目的において使われる歯槽内空隙という用語は歯槽弓、軟、硬口蓋、舌底、咽頭後部によって囲まれる立体的な陥凹と定義される。歯槽弓は歯列を作るすべての軟、硬組織により構成される。(歯槽骨、歯肉、歯牙、付着組織)歯槽内空隙はまた、患者の舌に主に占められ、その動きに適応することから舌側空隙とも表現される。この陥凹部の後方部の境界は軟口蓋であり、フィールドアイソレーションラバーダム装置にとって嘔吐反射の発現部であることから重要な部分である。この歯槽内空隙を著しく侵害したデザインの器具は臨床的にも商業的にも失敗の運命をたどる。患者に受け入れられないからである。
【0016】
前述の3つの従来のラバーダムもしくはバリアドレープ’387特許、’604特許、そしてドイツ特許番号No.DEI9704904Cは歯槽内空隙を考慮に入れていない。3つとも単純な蝶盤軸運動で、ラバーや隔壁材を患者の後方に押し込み、歯槽内空隙をはずれ、結果として嘔吐反射、呼吸困難を引き起こし、臨床的な失敗をみる。このデザイン上の欠陥はすべての口腔内バリアドレープにおいて共通で、余剰部分がこの空隙に不安定に浮かぶ。本発明である現在の全歯列ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは凹面を歯槽内空隙に対して付与することによりこの欠点を克服している。全歯列ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムはこの形状を臨床的にも商業的に受け入れられる為に必ず付与しなければならなかった。一部の患者はこのスペースを出ても、耐えられることは事実である。結局のところ、ラバーダムは口腔内に挿入するものである。患者の忍耐の度合いはその侵害の程度による。全歯列を防湿する場合はその後方部は凹面でなければならない。ところが歯列の前方半分だけ防湿するような場合は、歯槽内空隙内で舌の動きや嘔吐反射を起こさないために十分なスペースを確保することができる。各個人多様性を持っている。しかしながら、それゆえその個々の多様性が全体への影響力を持つ。前歯部半分のみのラバーダムは前述の通り凹形の内面を持たないが、臨床的に許容範囲にある。もちろん、このラバーダムが、凹面を備えることもできるであろう。いかなる形のラバーダムでも前歯のみを防湿するのなら、後方部の凹面は必要としない。小臼歯部の両側もしくは片則の防湿となると、グレーゾーンにはいる。臼歯部に行くにしたがってラバーシートはそれに伴い後方に移動しなければ、防湿は成功しない。このある意味境界部である状況では平らな面でも対応できるが、筆者はシートの凹面の形状を支持する。
【0017】
片側のジェネラルフィールドアイソレーションは全歯列の相反的に保持されたラバーダムとちがい、歯槽内空隙に入りこむことがない。その理由は片側のみの防湿だと、余剰部分がフレームにより牽引され、歯槽内空隙からシートが離れ、舌や内部組織のために十分なスペースを構成するからである。片側のみで保持されたフィールドアイソレーションラバーダムは立体的に伸張され、歪んだピラミッドのような形をしており、歯槽内空隙と調和する。
【0018】
以前のラバーダムは効果的で安定した歯列の防湿を供給してこなかった。歯牙と軟組織の両方を隔離することの意義はそれらの構造物を露出させることと同時に、効果的な水分の遮断である。今までの器具はすべてこの点で欠点を持っていた。単純にシートを引っ張ることによって隔壁を図った初期の装置はアメリカ特許番号No.5,503556とカナダのBond Buddyである。ラバーダムを牽引する方法においてこれらは、ほとんど同一である。分析するにあたり、ラバーダムシートから歯列に対してのベクトルをXとYとし、X方向に対しての引っ張る力を歯槽部から離れる力、Y方向での引っ張る力を歯頸部方向(下部あるいは歯根方向)と定義され、X方向の力は組織から離れる方向に隙間を残したまま牽引し、これは望ましくない力であり、X方向への力を排除する歯頸部に向かっての力、Y方向への力が、一般的に望まれる。これら初期の装置はX方向への力が過度に働き、隙間を生じ、唾液や水分が浸入する結果を呼んだ。両者ともに、歯肉縁部に装着されたクランプが存在する面と平行にラバーダムシートを牽引するので、Y方向への力が働かない。臨床で使われる’556装置は形成する部分のすぐそばにクランプの鋼翼を置く。術者はクラウンのマージンを形成するために十分なアクセスを持てず、クランプのステンレス鋼翼を傷つけ、切る可能性がある。それに対し、本フィールドアイソレーションラバーダム−クランプは主にY方向への力を効果的に牽引している間、スリットダムテクニックか、特別に用意されたフィールドアイソレーションラバーダムシートを使われるかに関係なく、収縮力のXベクトル成分を除くか、最小にする。シートの牽引は、シートの縁だけを引っ張る「全てか無か」のアプローチではなく、むしろ、この牽引はラバーダムシートの縁を歯列弓に近づけ組織とラバーの隙間を除くためのものである。ラバーダムクランプに対して牽引されるシートの摩擦の力によって、または、牽引されたシートをつかむ鈎の先端か鈎腕によって、この特徴はシートの様々な形の牽引に対応する。
【0019】
いくつかの従来のラバーダムは個々の隔壁部分に関連して、ラバーダムシートをコントロールするために必須のメカニズムを含有していた。しかし、これを効果的に達成するデザインを見ることはなかった。蝶盤軸運動の欠点と歯槽内空隙の侵害の他に、‘387の特許は歯列を隔壁するためのスリットが存在する。この装置とさらにそれに対応するHorvath全歯列装置は歯牙の隔壁のみ許し、歯肉縁下への効果的なラバーダムシートの牽引機能を持っていない。
【0020】
‘604特許はバリアドレープに関連した欠点を持つ他にラバーダムを切り、シートを歯列弓に合わせることをうたっている。しかし、この装置はすべての内面の張力と引っ張る力を除去することを目指しているので、伸展したラバーダムシートの張力が発現している間に術野をコントロールすることには言及していない。この装置は本当のラバーダムではないが、従来の技術の分析のという意味では意義がある。Horvathの歯列内の設計は、四角いパターンのまわりで2つの弾力的に変形可能な部分を付与された2つの形成的に変形可能な部分を持つ。この発明者は接着剤を使用し、そのデザインの欠点を補おうとしている。完全に3次元的に形作れる術野の辺縁部を持ち、強固に結ばれた展性のある集合体である本発明のフィールドアイソレーションラバーダムのデザインの4つの基本的な要素の欠如はHorvarthの設計を一般的なラバーダムの問題の解決方法として不十分なものとしている。ラバーダムシートを牽引するために、ある程度の制限がある不連続の屈曲性の材料が使用されてもよい少数の状況でさえ、2つの介在する弾性材料は必要としない。ラバーダムシートを保持する接着剤の使用は、口腔の粘膜への接着剤は、伸ばされたラバーダムダムシートに抵抗するための歯肉や口腔粘膜に対しての十分な接着力がないという理由のために非常に使用が限られる。わずかに限られた状況でのみ、口腔粘膜間の接着剤が保持のみのために使用できるが、しかし、これは、この発表の一部であるフィールドアイソレーションラバーダムクランプによって最大の力が対抗される前歯部の隔離時にのみである。本発明の連続的な屈曲性のある辺縁構造は、全く接着剤の使用なしで使用できる術野の辺縁部の形成および力への抵抗において十分に有効である。その代わりに、障壁接着剤は補助的な保持の必要なしで防湿を完全にするために使用できる。ギャップまたは漏れが、ラバーダムの適用中で、あるいはラバーダムが処置中に裂けたケースでの防湿シールの応用が文献の中で広く報告されている。そのような状況で、これらの漏れあるいはギャップは、Cavit、Tempakあるいは歯周治療のパックなどのような一般に用いられている材料の使用で密閉された。Colgate−Hoyt研究所によって作られたOrabaseが、ラバーベース接着剤でラバーダムに接合された時に大きな穴を密閉するのに役立つと発見された。従来のラバーダムの使用によってウ蝕により崩壊した歯を隔離する試みは、ラージホールテクニックあるいはラバーダム・パンチにより従来のラバーダムの一連の穴をパンチし、その後、各穴の間の隔壁のラバーをスリットを作るためにハサミで切断する、スリッドダムテクニックの使用により行われた。その後、Orabaseのパッチは、崩壊した歯の周囲の軟組織の粘膜に直接適用され、Orabaseは、ラバーベース接着剤によってラバーダムのスリットに接着される。このテクニックはthe Journal of Endodontics 1986. 12:363−367 Solving isolation problems with rubber base adhesive, Bramwell, J.D., and Hicks, M.L.に記述されている。密閉剤、ギャップや漏れの修復剤、組織の隔壁としてのシリンジでのpolydimethylsiloxaneの特定の使用方法は米国の特許5,098,299番に記載されている。この構成特許は方法を特定し、組織の隔離に関して言及しているが、ラバーダムの設計あるいは技術の修正については言及していない。同じ会社(米国の特許6,086,370番)に与えられた別の特許は、シリンジで注入する、重合可能な歯牙や歯周組織の周囲、上をコーティングするアイソレーションバリアについて記述している。その目的は科学的刺激やから組織を守るためとラバーダムの漏れを防ぐためである。この特許は記述された方法に制限されて、ラバーダムの必要性がないことを主張している。これはシリンジペーストの形状をとっている。
【0021】
米国の特許5,803,734番は、丸いボタン状の熱可塑性の材料について記述している。それは成形可能な状態に熱され、歯の組織に応用する他に、口腔接着剤を使用し、クランプによる歯肉組織の破損を防ぐためのクッション、ラバーダムの組織に対するアンカー、Orabaseと接着剤による従来のラバーダムとスリットダムテクニックと同様の組織隔壁などに使用される。ラバーダムの適用方法や設計の修正には言及していない。Dr. William H. とDr.Liebenberg はthe Compendium of Continuing Education in Dentistry, Vol. 19 (10):1028-1032, “Dental Dam Patch an Effective Intra−oral Repair Technique”において ラバーの修理、ラバーダムと軟組織を接着させることによる隔壁を目的としたシアノアクリレートの使用について述べている。様々なクランプおよび術野からラバーダムを牽引する装置が、先行技術に導入された。これらの牽引装置は、ハサミでダムのスリットを入れることにより、従来のラバーダムを修正する、スリットダムテクニックと共に一般に使用されるそして、隔離する歯に、クランプを適用し、ゴムを牽引するためにクランプか装置上のラバーを伸ばす。
【0022】
米国の特許5,503,556番に記述されたそのような装置の一つは拡張ラバーダムクランプについて記載している。それは崩壊した歯の後ろの歯の上に留められ、その後、ラバーダムが用意され、隔離される歯の上で牽引され、クランプエクステンションが隔離されるエリアのまわりのゴムを牽引する。別のほとんど同じようなクランプは、Silker & Glickman Clamp and Method と呼ばれ、クランプのエクステンション上にラバーを引っ張るラバーダムテクニックの代わりに、スリッットテクニックを用いたエクステンディドクランプを使用している。そしてまた、別の製品、Bond Buddyは前述のクランプと同じ方法で、スリットダムテクニックを使用して、ラバーダムを牽引するために従来のラバーダムクランプと共にプラスチック牽引フレームを使用している。
【0023】
William H. Liebenberg Quintessence International 1995; 26:493-500,において複数のベニアーのセット時の隔壁の補助であるラバーダム維持装置について、著者の仕様書上で、ラミネートベニアーの形成時の前歯部を隔離するために、研究室で作り上げられた装置について記述している。術野に装置を展開し、ポーセレンラミネートベニアーを形成、セットするための歯牙の隔壁を得るためにラバーダムはカットされ、スリッドダム法を使っている。
【0024】
Extending the Use of the Rubber Dam, Part 1; Quintessence International 1992:23:657-665,において、William LiebenbergはLiebenbergは、補綴治療においての鋳造ポストコアの形成で中間部の歯を隔離する目的に、前方と後方への位置に、ラバーダムリテーナー(クランプ)を置く操作について述べている。ラバーダムは、歯肉縁下への処置のために中央の歯を隔離する2つのクランプ上に伸ばされる。
【0025】
米国の特許6,093,022番は、接着剤の使用と、口腔内のラバーダムを安定させるためにラバーダムクランプを交換する際のラバーダムの一部の挙上について述べている。穴がパンチされ、ダムが個々の歯の上にそれぞれに滑らせられ、適応される場合、記述されたラバーダム適用は従来のアプローチである。ラバーダムの別の代わりになる適用についての言及はない。改良されたただ一つの機能は従来のラバーダムクランプを交換することである。接着剤の維持は全体のダムを保持しないように1つの歯のみに接着することである。さらに、ダムを密閉する障壁材料の役割はその接着剤にはない。米国の特許4,600,387番は、ダムを組み立てるためにフレームワークを応用して、ラバーダムシートが配置される、プラスチックフレームについて記述している。ダムシートは1つ以上の歯を隔離するために切断するかパンチすることができる。歯の隔離の時に軟組織の隔離をも可能にするフレームについては言及していない。この平面的な設計では、歯肉縁下の隔離はできず、もし、第3大臼歯が萌出していて、フレームワークの遠心部分から、歯肉縁のレベルに適切にラバーを装着させることをブロックしていたら、すべての歯を露出することはさえできない。プラスチックフレームの剛性、および「1つのサイズで、配置によりすべてフィット」のコンセプトでは、歯列の隔離方法としてこの装置を失格させる。
【0026】
ジェネラルアイソレーションラバーダムテクニックに適用可能な歯科治療は広範囲にわたる。しかし、最初に述べておかなければならないのは従来のラバーダムテクニックは様々な歯科処置において非常に有益で、歯科大学で普遍的に教えられているが、歯科医の約10%のみが臨床で実際に使用していることである。他の90%はそれを無視するか、あるいは選択的に使用するが、皮肉なことは、ラバーダムに代わる装置、方法もしくはその利点を少しでも持つような器具を常に探し求めていることである。恐らくラバーダム未使用の悲観的な統計に関する最も適切な注釈は、Journal of Dentistry, Vol 7: 197-198 in 1938の中でJ.M. Primeによってなされた。「恐らく、歯科医療においてこのように広く効能が認められているにもかかわらず、臨床医によって広く無視されているテクニック、器具は他に存在しないであろう。」この隔離装置の一般的使用程度と、それを臨床的に使用するにあたっての困難の程度は反比例しているように見える。そのため、多くの歯科医師は、その使用の困難に耐え、忍耐強く続ける臨床医に授けられた利点の多さにもかかわらずそのテクニックを使うことを放棄している。従来のラバーダムテクニックの完全な使用によって、優れた治療を達成可能にする最大のチャンスが生まれ、あらゆる臨床中で、使用が可能であれば第一に考えるべきものであると認められるべきである。ジェネラルアイソレーションラバーダムが従来型のラバーダムに取って代わるとはいうわけではなく、その臨床的適応範囲の拡大によって共存していくものである。優れた臨床を達成するための貢献度の測定は完全な(従来の)ラバーダムテクニックとの比較より、ラバーダムが全く使われていない状態との比較によるべきものである。ラバーダムテクニックの改良で広く知られている臨床医および研究者、およびラバーダムの広範囲の使用のための伝道者はその問題を簡潔に述べた。「間接修復は、ラバーダムがない状態での危険にさらされたアクセスでの処置が行われている。それには大きな理由があり、従来のラバーダムがその歯肉のマージン・アクセスの必要性により多数ラミネートベニアのセットへの適用には厄介で非実用的であるからである。」Dr. William H. Liebenberg, はQuintessence International, Vol. 26: No 7/1995, p. 493.において次のように述べている。「ジェネラルフィールドアイソレーションは十分な隣接面へのアクセスを可能にし、従来のラバーダム適用の非実用性によって消費する時間をなくしたい臨床医のための理想的隔離方法である。」「Crollはラバーダムを完全に拒否する歯科医師のためのテクニックとして再紹介している。」William H. Liebenberg, Quintessence International Vol. 24: No 1/1993, p.8.。
【0027】
発明の要約
発明は、一連の改良したラバーダムシートから構成される。それのみ、あるいは他の器具とともに、歯科医師が、ラバーダムのユニークなまた別な適用方法によって歯槽列(同じの骨の支持を含めた、歯およびその周囲の軟組織あるいは歯肉の両方が結合した解剖学的構造用語)の様々な部分を一度に隔離することを可能にする。従来のラバーダムテクニックおよび使用法が、ラバーダムシートの個々の穴の穿孔、および個別の穿孔を通じて露出させた各歯牙の個々の隔離に依存している一方、一連のこの装置は通常、一度にいくつかのグループの歯を隔離する。そのテクニックは、先行技術の中でジェネラルフィールドアイソレーションと呼ばれた。従来のラバーダムにはさみでスリットを入れることによって一度に2歯以上の歯を隔離しようとするスリッドダムテクニックと呼ばれる、非常に制限があり欠陥のあるテクニックが試みられてきたが、今に至るまでに、機能的なその代わりとなる設計、つまり歯科におけるラバーダムの問題に立ち向かう案は存在しなかった。この一連のラバーダムの改良は従来のラバーダムテクニックの欠点および限界に取り組むだけでなく、歯科処置においての術野の隔壁の新しい包括的かつ機能的なアプローチを体現する。
【0028】
一連のラバーダムシート装置は、必要とされる術野の周囲を少なくとも、構成する膜を改良するために膜の中に構成されるか膜に適応する、必須な挿入物、あるいは装置を平らな弾性のある膜から通常構成される。術野の挿入物の4つの一般的な分類は、次のとおりである。弾性で、展性があるか、塑性変形ができ、少なくとも弾性限界までは弾力があり、強固か、本質的に強固であることである。弾性フィールドアイソレーションシートは、応用の不可欠な障壁接着剤で、あるいはそれなしでも構成することが可能である。展性のあるタイプとして分類された、必須の術野の挿入物を備えたフィールドアイソレーションシートは、術野の解剖学的形態に適合するために術者の指によって容易に形成できるであろう。そして、さらに、それらの構成の一部として完全に接着剤を使用する場合もあろうし、あるいは付属物と手で適用される隔壁材料の統合の機能が応用される場合も考えられる。弾力のある術野の挿入物を備えたジェネラルフィールドアイソレーションシートはさらに術者の手指あるいは矯正用プライヤーによって永久変形しても良いが、患者の咀嚼筋により発現する、相反する歯列間の力によって位置を維持するために弾性作用するように主に設計されている。弾性フィールドアイソレーションラバーダムは完全に障壁接着剤を適用しても良いし、あるいは障壁接着剤の手動の適用メカニズムが存在しても良い。フィールドアイソレーションラバーダムの厳密な分類はテクニックの規則において他の一般的なラバーダムの分類に対していくつかの例外がある(それらはこの特許明細書の記述内に個々に述べられる)。
【0029】
一般的に全てのジェネラルアイソレーションラバーダムシートのバリエーションは組織とラバーダムの界面を塞ぐための水溶液、ジェル、パテ等の様々な粘性の手用での使用の機能を持つことも考えられし、圧力にたいして、あるいは化学的、光により重合するバリアシールなどで界面を塞いでも良いであろう。ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムのデザインに対するアプローチは要求された臨床的適応性に厳密に定義され制限されるわけではない。しかし、術者のニーズや好みに対応するためにどのような術野の隔壁機能がそれぞれの要求に沿っているか、柔軟なアプローチが求められる。グループの歯を同時に完全に隔壁するデザインが存在するので、一本一本の歯牙を隔壁するための個々の穴による隔壁とほんの一部の術野の歯牙を隔壁するスリットダムテクニックの使用の選択との複合的なアプローチを構成するデザインは隔壁シートを含んで描写される。
【0030】
それに加えて、重合可能な外面の間に挿入された展性のある材料の硬い平面シートのフィールドアイソレーションラバーダム、あるいは術野の挿入物として組み込まれたメッシュタイプの展性材料は単なる弾性膜からの乖離を意味し、フォイルのようにラバーダムが完全に3次元的に形状を作ることを可能にする。フィールドアイソレーションラバーダムの様々な平らな形状は様々な大きさの隔壁と要求される術野の形状を予測し、それはわずか2、3歯から3/4アーチ、全歯列に至るまでである。様々な一般的なタイプのラバーダムのためのジェネラルフィールドアイソレーションの方法論は様々な臨床的専門分野に対してそして、ラバーが求められるが、適応が難しい状況の隔壁についてのラバーダムの適用とともに述べられている。
【0031】
ラバーダムは装着時にラバーダムシート内に引き起こされる引っ張る力の存在とそれが術野に伝達され、結果として、術野の特に隔壁として用いるときに必要な部分からラバーダムマテリアルが引っ張られる事実に悩まされてきた。現在の発明は、この引っ張る力の伝達の影響を防ぐ効果が挿入物にある。(挿入物の周辺の内部)それに応じて、ずっと小さな力が術野に隣接したラバーダムマテリアルにかかり、それにより求められた部分に留まるか接着剤かバリアマテリアルによってほんのわずかな力で補助される。
【0032】
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム一般歯科医や専門医のような歯科医、保存修復、固定式補綴、小児、歯内、歯周、矯正、インプラント、口腔外科、緊急治療などにも適応され、ニーズに応じている。最後にこの明細書に記載している概要は他の分野の医学、例えば獣医歯科学などにも応用できる。
【0033】
この明細書はまた、従来のスリッドダムテクニックの欠点を克服した、単独で使うものと現在のラバーダムの性能を補助し、向上させるものと両方の補助的な隔壁装置についても述べている。補助的な隔壁装置はステンレススティール、プラスティックかコンポジットなどで作られるようデザインされている。これらの装置は二つの部分に分けられる。ラバーダムフレームとラバーダムクランプである。ラバーダムフレームは2つに一般的に分類される。ひとつは術者の手によって装着されるフレームである。二つ目は最初からその製作の過程で付着しているフレームである。一般的に、付着済みのフレームワークは展性、弾性、剛性材料であり、金属、プラスティック、コンポジットで作られている。これらは歯科領域のラバーダムの適切な応用において重要な部分である。
【0034】
二番目のジェネラルフィールドアイソレーションの装置は隔壁のためにデザインされたクランプである。これらは2つに分類され、隔壁のスリッドダム法の向上のためにデザインされたクランプと特別にジェネラルフィールドアイソレーションの為にデザインされたクランプである。通常、デザインは交換可能であるが、全てが単独使用には向かず、同じように補助的器具として全ては機能しない。
【0035】
優れた特徴の詳細な説明
本発明のジェネラルフィールドアイソレーションダムは様々形態あるいは体現を持つ。
【0036】
図1の10に本発明の一つの特徴が記されている。ダム10は弾性材料(latex,neoprene,silicon,polyurethaneなどのポリマー)のシートあるいは膜12で構成される。閉じたループ型挿入物14 は12に埋め込まれ、12の内側の部分16を形作る。閉じたループ14は一組のアーチ型で、様々な形で、様々な材料により、また様々なダム10の部位に挿入することが可能である。図2の横断面図10は挿入物14が完全に膜12に組み込まれた状態を示す。
【0037】
ダム10は図1,図2の内側部分16が穴の開いていない状態か、図3の18のように穴が開いている状態か、いずれでも製作できる。いずれにしてもダム10を使う術者はラバーダムパンチかハサミあるいは必要な形に穴を開ける器具を使う。18の穴を開けるにあたり、膜12の端20を挿入物14の内側の周辺部のまわりの内側に伸ばすことを推奨する。このダム10は単独で使用もできるし、適切な位置づけと維持を保つためのバリアー材料か接着剤のとの併用もできる。
【0038】
挿入物14の望まれる物性により、14は様々な材料を使用することが可能である。例えば、14に弾性材料を使い、その引き伸ばされたときにもとに戻ろうとする力により維持力を発揮し、ダムを固定することも考えられる。弾性挿入物14は膜12が作られるとき(填入成形時など)に埋め込まれ、選択された弾性材料で作成できるであろう。あるいは単に膜12の弾性材料の厚みをその部分だけ増しても良い。挿入物14は展性のある材料でもよい。自由に望む形に曲げその形が維持されるものである。特に適応した材料は鍛えられていないワイヤーで、屈曲するのに必要とする力が1ポンドから6ポンド、(2〜3が好ましい)。挿入物14は十分な剛性を持ったもので製作すべきであるが、ある限界を超えると変形できる物でもあるべきである。術者が意識的に変形させた14をスプリングのように元に戻す形態、性質も考えられる。最後に14は使用中にかかる力では変形しない十分な剛性が必要となる。
【0039】
代替案として、閉じたループである14の内側は網目状の材料22(図4)も考えられる。(手指で適用され、非接着性のバリア材料)網目状材料22は多くの裂孔をもち、バリア材料が良く接着するようになっている。その代わりに網目状材料22は挿入物14の内側部分16の中の膜22の上に乗せられる。この構造により、ダム10にバリア材料を網目材料22に接着することも、それを使わずに図1−3のように機能させることもできる。
【0040】
更なる代替案は接着剤24が端20の組織表面側に適用されたもので図6に示される。図で示された通り、接着剤24はピールストリップを除去すると露出されるであろう。あるいは化学、光重合の接着剤を使用しても良い。図32は照射器22によって光重合型の接着剤が本発明のラバーダム10が口腔内で接着される様子を示す。
【0041】
その代わりに、図7 に示されるようにダム10は膜12を閉じたループの内側の周囲の内面の間に挿入物28を使うこともできる。内側に突出した挿入物28はいかなる必要とされる形状をとることが可能である。挿入物28の一つの考えられる形態はダム10の位置決めの過程の中で歯肉に対して縫合で緩めることができ固定も可能である。
【0042】
別の代替案の弾性挿入物14は図8に示される。イラストでは膜12の肥厚部分となっているが、別の弾性材料を膜12に付着して使用することもできる。更なる改良案は図9に示され、ダム10において接着剤30が端20の組織表面側に適用されたものである。図のように接着剤30はピールストリップ26をはがすと露出されるが化学、光重合の接着剤の応用も可能である。
【0043】
付加的な案は挿入物が膜12に埋め込まれる前述した案と反して膜12の表面に適用されることである。図10 においてダム10の横断面が示され、挿入物32が膜12に適用され膜12の内側の一部が端20を形成するために除かれる。挿入物32はどのような材料でも構成でき、図1−8の案に示された沿った特性を持つ。図10の案は網目状の材料34や接着剤30,ピールストリップ26のある、なしによって改良できる(図12)。
【0044】
また別の発明案はメタルフォイルなどの展性のあるシート36(図13a, 13b)の膜の中への使用である。展性のある材料のシート36は3次元的な変形をダム10全体に可能にする。(図31)また代替案として、展性材料は図13b38にしめされるようにメッシュでも良い。そしてそれは埋め込まれる形に対して、シート36かメッシュ38膜12の表面に付着もできる。どちらの案も前述の案の中心に穴のあるなし、接着剤のあるなし、メッシュのあるなしどれでも可能である。
【0045】
また別の案が図14−17に示されている。ジェネラルフィールドアイソレーションの術野の付着のためのウエファース様の部品40はポリマーコーティング44に埋め込まれた挿入物42により構成される。挿入物40は接着剤により従来のラバーダムに付着できる。またそれはこの明細を通して描写される本発明のジェネラルフィールドアイソレーションを形成することもできる。代替案として、その部品は患者の口腔内の術野に置くこともでき、適切な中心開口部を備えた従来型のラバーダムを置き、部品40の周囲に引き伸ばし部品40の周りの膜の収縮によって一定の位置に保たれる。特にバリアマテリアルに適した網目状の材料の端46を持つ部品40は図14に示される。ピールストリップのある場合とない場合の接着剤30が部品40に適用される代替案は図15に示される。この案は硬い内側の膜の選択を特徴とする。それは術者により用意される穴による歯に隔離とその他のスリッドによる隔離のコンビネーションの手法をとる。従来のラバーダムはそれから部品40 で引き延ばされる。
【0046】
現在の発明によって組み立てられるジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムを形作るために部品40 およびラバーダムは圧力によって または他の接着剤によって互いに付す。図16 の部品40 の案には展性か弾力性のあるワイヤー、stampingまたは他が重合体の膜かフランジのない他のコア46がある。それは接着剤か結合によって従来のラバーダムの膜の上に置かれる。部品40はピールストリップ26によって覆われる粘着剤30がある。重合体の膜への付着に、術者は膜の内側にスリットを切り入れるか、あるいは個々の歯の隔離のためにパンチ穴を入れるかの選択ができる。
【0047】
部品40は展性の金属stampingまたはワイヤーか、または記憶保持のプラスティック挿入物48(図17)からなる。そしてそれは重合体の外のカバーはなく、重合体の膜への付着に適用される必須の接着剤30を含んでいる。ピールストリップ26は示されているが、適用した接着剤のタイプによっては必要がないかもしれない。膜への部品40の付着において、それは図16で説明される案に関して記述されているように使用される。
【0048】
まだ現在の発明は別の案で説明される。(図18−21)。これらの案は不連続性の挿入物50を用いる、すなわち、それは前述された案のように閉じたループを形作らない。図18,挿入物50 は重合体の膜12の内で埋め込まれ、端52は挿入物50の内部に延長される。接着剤30はピールストリップ26あり、またはなしで、不連続案図19において使用できるかもしれない。単一か二重の非連続性の展性か弾力性のあるワイヤー、メタルstamping,あるいは形状記憶プラスティックか膜12の表面に接着剤等により付着しているコンポジット挿入物54を備えたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは図20で説明される。そして接着剤30を使用して改良された形、ピールストリップ26あり、または、なしは図21で説明される。不連続案は膜12に存在する挿入物50 からの術野の反対方向から出る引っ張り力を隔離しない。これらの案は代替として見られるかもしれない。それはある状況下で機能することが求められている。その状況とは挿入物50と反対の側の膜12の引っ張る力がジェネラルフィールドアイソレーションの術野に干渉することほど大きくない、または接着剤かバリアマテリアルが保護されていない膜を一定の部位に維持するときである。
【0049】
すべてのダム10はFDA承認のもとで製造され、医療機器の製作所を登録し、そして医学の使用のために意図されているlatex及びneopreneの製作の水準にあう。さらに、ダムが製造されるポリマーは次の物質的な安全指定に合致する。:latexのラバーダムは純粋なlatex、あらゆる標準的医学上承認されたlatex生産物としてアレルギー発現性のための同一の特性を備えている、そしてアメリカ 中及び世界でのクリニックと歯科医院に商業的に使用され流通しているlatexのラバーダムを含んでいる。そしてneopreneのラバーダムはlatexより著しく安全で、医学文献で報告されているとおり、アレルギーの発現はほとんどない。展性挿入物を備えている現在の発明のフィールドアイソレーションラバーダムは臨床医によって隔離されるべき場所に密接に合致されるために処理される。とりわけ、臨床医は展性の挿入物を両側の終わりの部分に横断するアーチ、内側に向かう舌側弓と外に向かう唇側弓もしくは頬側弓を形づくる。8つの模範的な形は図22a−hで説明される。参照するための数字56,58,60,62が横断アーチ、唇側弓、頬側弓、そして舌側弓をそれぞれ識別するのに使用されている。唇側弓58もしくは頬側弓60がアーチの外の輪郭に続き、舌側弓62がアーチの内部の舌側の輪郭に続く間、横断アーチ56 がアーチに交差することに注目。4つの要素すべては挿入物によって囲まれる術野の周辺部として存在しなければならない。
【0050】
臼歯部への応用
臼歯部の処置の隔離のためのラバーダムの使用はラバーダムの最も困難な適用である。ラバーダムクランプのクランプで止められた単独の最後臼歯に達するためにダムはラバーダムフレームの平面を越えて伸びなければならない。高い内部引っ張り力はこの広汎な伸張のために発生する。そのため、維持に相反する力はこの適用のために高いで値である必要がある。ラバーダム材料のたわみによって発生する引っ張り力は付加的で最高のたわみの時点で一点に集中する。それはラバーダムの発明の後のラバーダムテクニックの最初の改良がラバーダムクランプだったという理由のためだった。 適切に適用されるラバーダムクランプは口腔でダムを保つ為に安全なアンカーを提供する。ダムの適用は個々の歯をそれぞれダムおよびラバーを次々に引っ張ることのパンチ穴の従来の技術であるにしても、または全歯列単位で隔離される代替方法のフィールドアイソレーションラバーダムを適用するにしても、 術野とラバーダムフレームワーク間の張力によって発生する最大の抵抗は従来のラバーダムクランプによって最もよく達成される。
【0051】
引っ張り力は極大たわみの単一ポイントの一点に集中する引っ張り力の合計に抵抗する単一のラバーダムクランプが付いている臼歯部の治療部位とラバーダムの伸張によって発生する。この適用が口腔に伸びる量が大きいので前歯部を隔離する時より更に、発生する引っ張り力は大きくなる。図23a−iは現在の発明のフィールドアイソレーションダムの臼歯部の隔離時の使用のステップを示す。ダム10は臼歯部の一般的な形で展性ワイヤー挿入物14を隔離するために備えている(図23a)。術者は横断アーチ56の一つを展性ワイヤー挿入物14(図23bを変形させ、さらにそしてもう一方の横断アーチ56をその他方の端の展性ワイヤー挿入物14(図23c)を変形させ,結果として一対の横断アーチ56、舌側弓62、唇側弓58(図23d)を持ったダム10を形づくる。ダム10はそれから歯科処置が行われる部位に患者の歯の周囲に置かれる(図23e)。ラバーダムクランプ64は臼歯部(図23f)に置かれ、第二のラバーダムクランプ66は前歯(図23g)に適用され、最後に、ラバーダムフレーム68は従来の方法(図23.i)で応用される。
【0052】
前歯部への応用
前歯部の処置の隔離のためのラバーダムの使用はいくつかの理由により臼歯部を隔離するより幾分容易である。最初に、ラバーダムは臼歯部への適用が求めるほどラバーダムフレームワークの平面から伸びる必要はない。これは発生する内部引っ張り力が他の適用よりわずかであることを意味する。二番目に、ダムの最後部を維持するために2つのラバーダムクランプが適応される。従って個々のクランプの安定性のために2点間の引っ張り力を分ける。三番目に、クランプの適用およびダムは対称である。従って力は患者の顔面の解剖学的およびラバーダムフレームワーク内の処置部の対称性において等しく配られる。このタイプの適用の対称性は隔離が下顎でも上顎でも同じである。
【0053】
引っ張り力は両側に固定されたラバーダムクランプが付いている対称の前歯部の術野からのラバーダムの伸張によって発生する。ラバーダムクランプの極大たわみのより少ない左右の2つのポイントのために力のより釣り合った配分が存在する。さらに、すべての引っ張り力の合計はより少ない。なぜなら、適用が口の前方にあり、ラバーダムフレームの平面から遠くで伸びる必要がないからである。ラバーダムクランプは従来型のラバーダムテクニックか代わりとなるジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムテクニックどちらでも発生する最大引っ張り力に抵抗するが、2つのタイプのラバーダムの維持に関して、適用に重要な相違がある。従来のテクニックでは、 ラバーは歯と歯の間にフロスが通され、歯はダムの穴を通って露出された。ダムが置かれ、歯頸部にしっかり固定されている時、隔離された歯は 処置部位のダムの維持のためのアンカーになった。この付加的な維持は従来型のラバーダムのダムの適用において全体な維持の中での重要な力となる。
【0054】
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムのテクニックでは、ラバーダムクランプはまた最大引っ張り力に抵抗するのに役立つ。しかし隔離される歯は従来の技術と同じ方法でラバーダムの全体の維持に貢献しない。操作中の周囲のワイヤー挿入物を保ち、安定させるためにラバーダムクランプは処置部の周囲、それぞれの最後方部に置かれる。ワイヤー挿入物の位置が安定されるとそれはすべての方向より伸ばされたラバーダムの引っ張り力に抵抗し、ダムを維持するために選ばれたクランプおよびアンカー歯へ力を伝達する。挿入物による引っ張り力の抵抗はダムのフランジがバリアマテリアルにより歯牙組織に付着するようにする。それは術者によって適用されるか、またはダムの構造に最初から取り入れても良い。引っ張り力が挿入物によって吸収されるので、フランジと組織の界面をつなぐバリアマテリアルによる安定した付着は達成できるかもしれない。図24a−hは現在の発明のフィールドアイソレーションラバーダムの前歯部の隔離のステップを示す。ダム10は前歯部の隔離のための一般的な形で展性ワイヤー挿入物14を備えている(図24.a)。術者は横断アーチ56の一つを展性のワイヤー挿入物14(図24b)を変形させることにより形作る。そしてもう一方の横断アーチ56がもう一方の展性ワイヤー挿入物14(図24c)の変形により形成され一対の横断アーチ56と舌側弓62と唇側弓58(図24d)を形作る。そしてダム10は歯科処置が行われる部位の患者の歯のまわりに置かれる(図24eおよびf)。ラバーダムクランプ64は片側の歯に装着され、第2ラバーダムクランプ66はもう一方の片側の歯に装着される(図24g)。最終的に、ラバーダムフレーム68は従来の方法で装着される(図24h)。図24.iは拡大された図である。また24jは装着されたラバーダム10の拡大された背面図である。
【0055】
具体案の適応
A.手指で適応する非接着性のバリアマテリアルのための合成繊維を備えたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム
図4で説明されるものは、一般的に10において、手指で適用された非接着性のバリアマテリアルの付着のための合成繊維材料を用いたジェネラルフィールドアイソレーションである。それは膜12の正方形の外周を示す伸縮性がある膜12および、膜12の中心部の細長いか、楕円のスペース18を含む。開口部18の外側は厚さ2.5から3.5mmの合成繊維22によって接される。それに開口部18の全周に膜12のラバー材料がはめ込まれた見えない量の膜22が続く。外側から内側の開口にかけてメッシュ22に隣接している部分は弾性材料の厚みが増し2から3mmの幅をもち18の周り全てに伸びている。膜12の肥厚部には展性の非常に柔らかいループ22が膜12に埋め込まれており、複数の歯や関連する軟組織を隔離するために3次元的な術野を生み出す最大の柔軟性を可能にする。
【0056】
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム10のこの具体化は術者が手指で液体、パテ、ゲル、またはジェネラルフィールドアイソレーションのラバーダム10の処置部位の周囲で防湿シールを作成するバリア材としての弾性材料を加えることを可能にする。ダム10と重合体のバリア材を結ぶために接着剤は適用される必要がない。バリアマテリアルの構造として、ダム10に付着するために、その中に元から加えられる接着剤などの必要もまったくない。十分に重合させた材料をメッシュ16の顕微鏡的な維持の繊維に勘合するために、バリア材は十分なぬれの特性およびメッシュ22へのバリア材の流れのみが必要である。隔離されるべきダムと組織間の界面での防湿シールの作成において、この設計は重合体材料のかなり多くの異なった化学成分がこのダムによって使用されるようにする。このダムはバリアマテリアルの応用なしで使用されるべきでない。
【0057】
B.膜のバッキング上の合成繊維
膜のバッキング上の合成繊維のメッシュをもったジェネラルフィールドアイソレーションダム(図5)は非接着性のポリマーバリアマテリアルを使うか組織ダムシールを使用するかの選択を術者に与える。もし複雑なインプラント体が使われるのなら、防湿シールは最終的なバリアマテリアルとして完璧である。但し、 ペリオプローブのチャートなどからより複雑ではない方法が計画されるなら、 ダムはバリアマテリアルなしで使用できるかもしれない。また、 低い粘着性のバリアマテリアルが使用されるのなら 膜の裏うち(メンブレンバッキング)は材料が重合の前に口腔に内に材料がメッシュを通じて滴り落ちないようにするための保護となる。
【0058】
C.フランジのみのラテックスあるいはポリマー膜
ラテックスのみが内壁の周囲についているジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム、すなわちメッシュなしの材料22はブラシでの接着剤の使用をともなうバリアマテリアルの接着、バリアマテリアル自身が接着する材料、バリアマテリアルなしで単独使用もそれぞれ可能であろう。このタイプの案はバリアマテリアルの使用に先立ち、接着剤の使用を必要としない(自身に接着能があるバリア)。
【0059】
D.中心部の開孔なしのポリマー膜のみ
開孔なしのポリマー膜12のみのジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムと術野の周辺内に中央開孔14部があるものはハイブリッドテクニックとして、初期から使われ膜12の中に従来のテクニック通りパンチが開けられ、それからハサミを使いダム10にスリットダムジェネラルアイソレーションテクニックを使用したいときにはスリットを入れる。このコンビネーションハイブリッドテクニックは術者の治療の構成に柔軟性を持たせる。
【0060】
E.粘膜組織接着剤を使用したジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム
別の具体案はラテックスの内面周辺部と術前に粘膜組織接着を直接、口腔内硬組織、軟組織に使用したジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムである。この必須なものとして適用された接着剤は圧感受性の接着剤と非圧感受性の項で詳しく述べる。
【0061】
F.外科的に使用する場合、延長ダムを縫合するための外科的‘Tを備えた’metal stamping か模型鋳造フレームワーク
ジェネラルフィールドアイソレーションの術野の挿入物28(図7)の中に組み込まれた外科的’T’を付け加えることからなるまた別の具体案は外科的なダムで外科的な使用の項で詳しく述べる。
【0062】
G.ワイアーを持たないがバリアマテリアル、ダムの維持の働きをする強化接着剤を備えたジェネラルフィールドアイソレーションダム
このダムの具体案はバリアマテリアルとしてまた、ダムの硬、軟組織に対しての維持を発揮する必須(もとからついている)接着剤の応用として詳しく記述される。
【0063】
H.ワイアーも必須接着剤もないジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム
このダムは接着剤をダムの維持のため、またバリアマテリアルとして使用したい術者のためのものである。
【0064】
I.接着剤がなく繊維質メッシュを備えたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの挿入物
膜の付着がないジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム挿入物は40(図14−17)は従来のラバーダムポリマーバリアマテリアルを改良するスリットダムテクニックで従来の材料を使いたい術者に安価な代替案を提供する。これは手指で防湿シールを作り、挿入物を膜に対して適応する前に安定させる。
【0065】
J.繊維メッシュと必須接着剤を備えたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの術野へのジェネラルフィールドアイソレーション挿入物の組み込み
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの術野の組み立てのためのジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの挿入物40(図s14−17)は従来の材料を使用してジェネラルフィールドアイソレーションダムを組み立てたいと思っている術者に安価な代替を提供する。最初から備えられた接着剤は幾分より防湿機能があるかもしれない、接着剤が付与されていない従来のラバーダム材料と術野の部品の界面の結合を可能にする。
【0066】
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの特別な応用分野
本発明のジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは次のような歯科、医科領域で能力を発揮する。
【0067】
保存修復処置
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは従来の技術ではアクセスすることができない多くの保存修復処置に大きなアドバンテージを持つ。疾患の進行により、完全に崩壊し元の歯冠形態失った歯の隔離はこのテクニックで隔離できる。もし進行したう歯がアーチの後方にあっても、ジェネラルフィールドラバーダムの特別な設計はこの特殊な情況の隔離を可能にする。さらに、深い歯肉縁下う蝕の歯、唇側、舌側の深い5級、深い隣接面2級は最適応症である。
【0068】
形成のために、また圧排の為に歯肉縁下へのアクセスを必要とするポーセレンラミネートベニヤ、さらにエナメルか象牙質とベニヤを接着させるこの処置は完全にこの技術によって遂行される。これらの手順では、接着力はテクニックセンシティブであり、歯牙へのポーセレンベニヤの結合の強さはラバーダムの使用が提供する乾燥した術野でクオリティーが非常に高められる。ポーセレンおよびコンポジットまた、セラミックインレー、アンレー、クラウンを生み出すCAD CAM コンピュータの間接法は術野の湿度に敏感で、ラバーダムしか満たすことができない乾燥した状態を必要とする。
【0069】
小児歯科
小児はフロスなどを使っての装着に関して、難易度が低い。ある処置は新しいテクニックで対応できる。複数の歯冠崩壊や歯肉縁下ウ蝕など哺乳瓶ウ蝕の小児はこの適応症である。乳歯冠やテンポラリークラウンの装着のも適する。
【0070】
歯内療法
使用できない状態を除いて従来のラバーダムの使用が第一選択となる。単独、複数歯の歯冠崩壊はこの適応症となる。もし大きなウ蝕が遠心にあるような場合はまたこのテクニックの適応となる。緊密なバリアマテリアルは誤飲の危険を避けるために広く必要とされている。それに加え、ジェネラルフィールドアイソレーションで使われるファイルは第2の誤飲の予防策としてフロスを結んでおくべきである。
【0071】
歯周治療
歯周治療の多くはラバーなしで行われ、おそらくこの新しいテクニックに対しても抵抗があると思われる。一つの大きな利点は薬物を貼付するときに唾液によって薄められることが避けられることである。それに加え、貼付された薬物は隔壁がないと患者に誤飲され不快感を与えることになる。ジェネラルフィールドアイソレーションとその緊密なバリアシールはそのようなことを防ぐ。
【0072】
GTRの膜の挿入時にもこの隔壁が大きな働きをすることが考えられる。フラップが挙上されなければならない場合など、歯肉頬移行部から伸びた軟組織を隔壁し、必要とされる隔壁を達成できる。
【0073】
補綴治療
本発明は補綴治療を著しく向上させる。臨床的歯冠へのアクセスが従来型のラバーにおいて大きな欠点であった。したがっていかなる歯肉縁下の処置も不可能であった。この新しい発明により、形成から印象、テンポラリー、合着までにいたる全ての過程でラバーが応用できる。これはあらゆる状況でも真実である。それは単冠、複数冠、ブリッジ、メリーランドブリッジ、アンレー、3/4冠、前歯ポーセレン焼付冠、ポーセレンジャケットクラウン、CAD,CAM、インプラントクラウン、ブリッジ、ポストコア形成とセット、また未来に考えられるまだ出現していない補綴処置などである。
【0074】
矯正治療
従来のラバーを矯正治療に応用することは多くのコンタクトポイントが存在し、ラバーダムの間にフロスを入れていくことの困難さから事実上不可能であった。いくつかの歯は未萌出であったり転位していたり、コンタクトがなかったりする。ボンディング操作を考えても矯正患者である小児やまた、成人でさえラバーの装着に耐えられるとは考えにくい。ジェネラルフィールドアイソレーションは著しくこの状況を改善する。装着の容易さと矯正用に作られたフルマウスのラバーダムによりブラケットのボンディングの強度は著しく向上するだろう。矯正用ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは接着バリアを備え、全歯列をすばやく防湿できる。また、矯正ではスタディーモデルをとることから、治療前にラバーダムを調整して形態と歯列の長さを合わせることもできる。
【0075】
口腔外科/口腔病理
インプラントを除いてこの新しい技術をこの分野で用いることはほとんどの処置でないであろう。悪性新生物を下顎、上顎、咽喉部から外科的に切除した場合に解剖学的形態を回復するためにインプラントが求められる。その外科処置においてジェネラルフィールドアイソレーションは複雑な形態を隔壁するときの器具になりうる。
【0076】
インプラント処置
前述した通り、ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムはインプラント植立から治癒、補綴に至るまで大きな効果を持つ。この新しい処置は小さな構造物を扱う。このことは誤飲の危険性を著しく高める。現在のところこれらの処置はラバーなしで行われている。この新しい処置において患者と術者にとって予測不可能な不幸な出来事が起きるのを防ぐことが可能である。歯科医師にとって小さな構造物を扱うにあたり細心の注意を払うことが必要であり、さらに術野の周囲に接着バリアシールを付着させることが望ましい。このダムはこの処置につき物のリスクをコントロールするためにしっかり安定させなければならない。
【0077】
CAD−CAM とコンピューターによる修復処置
CAD/CAM(computer aided design and computer integrated manufacture)はデジタルインプレッションを取ることにより、形成した歯の形を読み取り即時に修復物を作成する方法である。コンピューターは完成した修復物の形態を作成し、セラミックの塊からその形態を削りだす。この過程はコンピューターに適切なイメージを送る技術が必要である。質の高いイメージを送るために、唾液や湿気は避けなければいけない。ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは従来型の代わりとして適切な防湿の働きをする。また合着時においてもこのラバーは十分な働きをする。
【0078】
緊急歯科
緊急処置においてもこの新しいラバーは十分な口腔内の隔壁の能力を発揮する。緊急処置は様々な器具を必要とする。一般的に緊急の患者は予約外に訪れるため、予定の治療に戻るために術者の時間は限られることになる。すばやく効果的な防湿がこの場合求められる。接着剤を付与してあるジェネラルアイソレーションラバーダムがこの場合威力を発揮する。しばしば病院の緊急治療のスタッフは外傷患者を目にすることになる。このような時、従来のラバーに慣れていなくても緊急処置においてサージカルタイや接着バリアが付与されたこのラバーですばやく効果的な隔壁が期待できる。
【0079】
歯科臨床研究
ジェネラルフィールドアイソレーションダムは歯科研究を多くの形で助けることになるであろう。間違いなく、唾液や微生物に囲まれた状況でそれをコントロールして、多くの新しい器具、薬剤を臨床研究においてデータを集め、研究がなされることは、その得られる効果を考えると望ましいことである。GREメンブレンや骨、軟組織移植、新しいインプラントによる骨付着などである。
【0080】
他の研究で考えられるのが動物実験である。多くの実験では隔壁が人間で行われているようにはされていない。従来のラバーダムで犬を使った実験での防湿は解剖学的形態の違いからできない。犬の歯は薄い三角錐か四角錐型のコンタクトポイントのない状態で並んでいる。またクランプを掛けるのも難しい。しかし、この新しいラバーであれば必要な部分を同時に犬の形態にあわせて適用できる。外科的’T’tiesか圧感受性の接着剤を付与された外科用ダムならば麻酔科の犬に適応できる。この新しいダムの適応は研究用の犬に留まらず他の動物、あるいは獣医歯科学にも応用できる。
【0081】
歯科以外の外科処置
過去の文献において歯科以外の様々な外科処置にラバーダムは応用されている。ラバーダムはShafiroff その他により、再植手術を受ける前に傷つけることなくダメージをうけた骨端を削るときに軟組織を牽引するのに推奨している。泌尿器科学においてラバーダムはcut ends of vas deferens を隔壁するのに asectomy reversal に用いられてきた。ラバーダムの利点は腸の手術をするときに、腹膜を隔離して感染を防ぎ、癒着を避けるために最近使われてきている。
【0082】
形成可能な術野の周辺部は不規則な形態の部位にも対応し、役目を歯科以外の領域にも広げようとしている。耳鼻咽喉科領域では唇裂や悪性新生物や外傷の鼻口腔領域の手術においての不規則な形態に対応できる隔壁を持つことになるだろう。美容整形外科医は顔面のそれ自身外形を形成できる隔壁、牽引シートを外科手術中に必要とするであろう。整形外科医はこのダムの解剖学的適合性、防湿、感染を防ぐ作用、軟組織の牽引に利点を見出すであろう。歯科領域以外でのこのダムの使用は外科界の想像力の範囲に留まる。
【0083】
改良された隔壁ラバーダムクランプ
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムのクランプは効果的であるために3つの条件を満たさなければならない。1.クランプはシートが歯列弓の歯と軟組織にたいして漏れがないように緊密でなければいけない。(可能であれば密閉したシールの確立)、2.クランプはシートを歯頸部に向かって引っ張り、歯牙だけではなく、歯肉縁下の処置もできるように歯肉も露出させなければならない。3.クランプはフレームに引っ張られる力に対抗してラバーダムをしっかり維持しなければならない。
【0084】
3つの条件を満たす、いつでも同じ効果を得られる必須の機能をそなえた外側に適用されたクランプの効果の総和は器具のデザインによる膜にかかるベクトル力の分析により要約される。一般に歯列中の歯の縦の軸から遠ざかる、垂直のXの方角への移動構成要素のベクトル力、Y方向への移動は歯の長軸に平行で歯肉縁、あるいは歯頸部から離れる方向あるいは歯根に向かっての力で、「X」あるいは「Y」座標のいずれかによる移動の大きさによって測定される。したがってX方向への力が働いたときに、漏れが生じ、全てのラバーダムにおいて好ましくない力ということになる。以前に記述された特許5,503,556番、そして同様の製品、Bond Buddyはラバーを牽引する際にX方向に力が働き、不適切な設計と考えられる。どの製品もこのギャップを埋めることができずに、術野は浸出液で濡れ、薬物や材料は口腔内に落ちる。最も理想的なラバーダムシートのデザインは術野の全周を気密シールで塞いだような形である。これはX軸の力がゼロということであり、完全な歯槽弓への密着が達成できるということである。効果的な牽引のもう一つ別の基準は歯肉縁へのラバーの移動である。術者によって関連した軟組織も含めてアクセス可能になる。米国の特許5,503,556番のデザインおよび同様にデザインされたBond Buddy製品は、再びこの点で欠点をさらけ出す。それは歯肉縁のレベルにのみラバーダム膜を本質的に牽引することであり、それ以上は越えないことである。その理由は膜を牽引するクランプボディーが平面的な方向に設計されているからである。したがって効果的なラバーダムクランプのデザインというのはX方向への牽引がゼロでY方向への力が歯頸部に対して働き、適切な歯牙及び歯肉の露出を導く物である。多くの有効なクランプはデザインはわずかには側方への力が働く構造を持っていることは述べておかなければならない。しかし様々な方向の力が働くためその力は相殺され、シートが外れる傾向は少なくなる。
【0085】
要するに、反対方向のベクトルが打ち消しあって、シートと組織が界面上で安定するのである。不規則な解剖学的形態によって理想的なシート、組織間の理想的な界面を多くの器具が得ていないことは無視できない。このことにより、中間材料が後からあるいは最初から付与されるシステムの密閉を達成するために取り入れたのである。この中間材料については後述する。
【0086】
このジェネラルフィールドアイソレーションのため改良されたラバーダムクランプの効果はクランプにより膜にかかるベクトル力を考慮することにより分析できる。もし発生するベクトル力をXとYとすると、Xが膜を組織から離し、ギャップを生じる好ましくない力ということになる。好ましい力は組織から膜を離さず、頸部方向に働き、歯牙及び組織を露出させる。多くの歯頸部方向へ牽引しようとする試みは側方への移動も同時に強いられてきた。ラバーダムフレームから引っ張られる力である。この側方への移動傾向は術野の周りに伸びた弾性の膜の反対方向への力か、その中にデザインされた、例えばワイヤーループなどの術野の挿入物による膜に対して力で相殺される。
【0087】
図26と2bは現在の発明のラバーダムクランプ72とジェネラルフィールドアイソレーションダム10の関係を描写している。クランプ72は歯74の歯肉縁の近くに装着され、歯肉縁の下に位置する2対の延長鈎76と78を含む。76と78の鈎は変形させた挿入物14の舌側弓60と唇側弓58に近接している。そしてそれに付随して、ラバーダム膜12の引っ張り力に抵抗することを補助し、ラバーダム10を望まれた位置に保持する。
【0088】
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの使用に当たっての注意
現在臨床でたった10%の歯科医師しかラバーダムを使用していない。従来のラバーダムを使い続けたらこの数字は変わらないことが予想される。この90%を考えると、新しいラバーダム装置は従来のものと比較するより、全くラバーを使用しない状態と比較するべきであるように考えられる。ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは従来の物ではラバーがかけられない状況や、歯肉縁下の処置が必要なときに有効である。術者はバリアシールの使用の有無を選択できる。小さな器具を扱うとき、例えばインプラント処置などのときは必ず、バリアマテリアルとして防湿シートの使用をしっかりしなければならない。このシールは術者によって、防湿、不浸透性が、外来物が入らないように確立されなければならない。第2の防御として必要なのが、フロスなどを器具にいつも結紮しておくことである。多くのジェネラルフィールドアイソレーションの材料はlatexであるが、ある状況下では他の重合体、例えばsilicone, vinyl, neoprene,polyurethaneその他に置き換えることも考えられる。すべてのジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムで使われるlatexは米国食品医薬品局の承認をうけた標準の医療用のlatexと同じアレルギー発現性の性質を持つ。latexに対してのアレルギーの発現性、接触性皮膚炎、アナフィラキシーショックの有無を術者が確認するのは義務である。次のような場合は臨床的考慮が必要である。不安の大きい患者、パニックアタック、ラバーダムに対する閉所恐怖症、制御不能な舌運動、喘息、慢性上顎洞炎、慢性血栓、気腫、あるいは他のラバーダムの使用により呼吸を困難にする障害物。ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは病気の予防のためにはデザインされていない。この代替装置の原則的な目的は口腔を隔壁することにより、修復』処置の成功を導き出すことである。
【0089】
矯正治療における全歯列に対するジェネラルフィールドアイソレーション
矯正治療のブラケットのボンディング操作の為に、全歯列にこのラバーダムを適応することが可能である。矯正用ダムの挿入物のフレームワークは楕円もしくはU字、V字型で異なった解剖学的形態に対応することが望まれる。それに加え、ダムは商業的にも歯列に対して異なったサイズを揃えることも可能である。標準的なサイズをその術野のフレームワークの展性から、患者にあわせて屈曲することによりカスタムメイドも可能であることを忘れてはならない。このことはダムの歯列に対しての適応において矯正医の最大限の柔軟な対応を可能にする。
【0090】
矯正用ダム10は内側ワイヤーあるいはstamping insert14を備えたデザインを持つ。それは典型的なアーチより長く意図的に作られている。また、それは中心に意図的に典型的なアーチより短い箱型の開孔18備えている。(図27aと図27b)それぞれの矯正用ダム10は術者によって解剖学的形態に沿ってカスタマイズされなければならない。矯正医は模型を治療前に必ず取るので、それを利用してカスタマイズできる。隔離する歯列の長さと中央開孔部18を比較することによって全歯列にフィットさせるのにどれだけ伸張させるべきかが正確にわかる。この伸張は穴を最大にセットしたラバーダムパンチを使って行う。そして、オーバーラップさせてスロットを伸張させる。両側の長をあわせも形状でチェックしたら、ダム10を挿入に備えて形成する準備は整う。これを行うために、術野の周辺の遠心最後方部は45度の角度でなければいけない。もし遠心部分の過剰部が多いようなら遠心部は折ってそれを維持するクランプの臼歯部の外形に似せて、U型になるようにする。この余剰の遠心フレームワークはラバーダムの自然な形に従い、クランプの周りに伸ばされ口腔外のラバーダムフレームに戻り、膜の方向にそって進む。
【0091】
矯正用のダムは両側用のクランプを使い、圧感受性の接着バリアの使用が好ましい。ラバーダムクランプの使用は多くの場合、臼歯部のバンド、バッカルチューブの装着の邪魔になる。クランプが邪魔をすることなくバンドを付ける方法がある。一つはクランプを付ける前にバンドを装着する方法である。これはダムをつけてから行い、』バンドが合着されたらクランプをセットする。ダムをつける大きな理由はブラケットのボンディング時の防湿である。二つ目は最後方臼歯に特殊なクランプをつける方法である。HuFriedy#BADで、遠心におかれた横断アーチとともに適応する。このことにより、障害にならないクランプの装着ができる。第三の方法は強化接着剤を備えたダムの使用で、これはクランプを必要としない。どの方法をとっても、バリアマテリアルは治療の前に防湿のために確実に適用されなければならない。術者は全周にわたって、唾液が漏れないよう、ブラケット等が落ちないよう組織とダムの間をシールしなければならない。注意深くしようすれば矯正用ダムはブラケットの接着やその他の矯正処置において大きな働きをするであろう。緊密な接着バリアシールは矯正ダムを理想的な状態で使用するために常に保たれなければならない。
【0092】
維持と下顎の為に拮抗歯列間力を使った弾性、屈曲性のフィールドアイソレーションラバーダムによる前歯部もしくは前歯部の半側の隔壁
牽引
前歯部もしくは前歯部の半側の隔壁のための弾性、屈曲性のフィールドアイソレーションラバーダムは拮抗全歯列フィールドアイソレーションラバーダムが必要とする隔膜なしで平らな形で作成される。それはその装置が口腔内のかなり前方に位置し、舌の動きを妨げず、全歯列型のように口腔内に突出することがないからである。嘔吐反射を惹起する部分から離れているため、患者はラバーの装着に耐えられる。前歯部弾性歯列間ラバーダムが平らな形に作られたとしても、弾性、屈曲性の挿入物の屈曲の必要をなくすか最小にするために三次元的な型で形成される。形成用の型は一般的に丸みを帯びているか、いくらか角ばった楔形の形をもつ。前述したno ‘cut−out’陥凹がこのダムには付与されるがこの代替案を好む臨床医がいることは想像に難くない。
【0093】
平らな弾性、屈曲性の前歯部フィールドアイソレーションラバーダムは装着に準備がいる。弓形の中央開口部より短い形で付与されている。したがって術者はラバーダムパンチをつかって必要な長さに調整することができる。中央開口部の長さが決まったら、術者はダムを単純なU型に挿入するために曲げるか、より直線的に唇側、頬側弓に対して45度の角度で曲げ、V型を作るか選択できる。口腔内への突出を避けるためには、直線的な方がやや有利な様である。しかしながらどちらの方法も術者の好みより取れる。もしこれらのダムが型で形成されるのならどちらの形態でも良い。それに加えて、もし弾性歯列間ダムが三次元的な型の上で填入形成され、硬い、もしくは弾性、復元性のプラスティックかコンポジットの挿入物が付与されたとしたら、この材料の構造の置換はこの発明の焦点であり、本質である。このタイプの前歯列ダムはフレームワーク付着なしか、屈曲性、弾性あるいは硬い材料の付着済みのフレームを使うこともできる。
【0094】
弾性、屈曲性のフィールドアイソレーションダムを使った、遠心欠損部、臼歯部進行したウ歯でラバーダムクランプを使用することが不可能な部位の隔壁
臼歯部で歯冠崩壊が著しい部位でクランプが掛けられない状態には臼歯部用にデザインされた弾性、屈曲性のラバーダムが応用可能である。この方法では臼歯部の欠損部にも対応できる(抜歯された後の歯槽提など)。
【0095】
このテクニックは適切な臼歯部用の弾性、屈曲性のラバーダム10(図28a)を選択することから始まる。このダム10は弾性のある挿入物14を備えている。それは一対の横断弓56がつながっている舌側弓と唇側弓において、露出させる部位(図28d)への挿入のために平坦な形からU型に曲げることができる。(図28b,28cは挿入物を解りやすくするために、ラバーダム膜12なしで描いてある。)この案と応用において、一つの横断弓は上顎にかかっており、一方は下顎にかかっている。拡大された側面図は図28に示され、歯冠崩壊によりクランプが掛けられない部位でのダムによる隔壁を表現しているダム10はその平らな形態からの変化に対して抵抗するため、元の形態に開いて戻ろうとする(適切なステンレスの熱処理が弾性を発揮するワイヤーの形状記憶を加熱処理時に金属の結晶構造を決定することにより得られる。コンポジットやプラスティックも別な物理的、化学的処理を行うことにより、同じような性質が得られる。)挿入物と患者の閉じようとする上顎と下顎の咀嚼筋の拮抗する力によりラバーダムクランプなしでラバーダムを保持する。それに加えて、最初から付与して、あるいは、後から適用した光重合、圧感受性、化学重合の接着剤がラバーダムをシールし維持することもできる。しかし原則的な力は弾性挿入物の拮抗力による。
【0096】
臼歯部の歯列間ダムの準備は長方形の挿入物前方を横断アーチ56(図28c)を形成するために45度の角度で術者が曲げることである。これは唇側弓と舌側弓につながり、歯牙のみでなく、その周囲の軟組織のレベル(図28b)で軟組織の上に挿入物の各部を置くことを可能にする。中央の開口部18は術者が露出し、隔壁したい部分に置かれる。ダム10は歯牙、欠損部の露出のため通常楕円もしくは卵円形をしている。歯冠崩壊が著しい場合も予想されるので、単に穴をパンチして開けただけでは露出は難しい。その場合ダムは残根上で収縮し、それを被覆し、露出させようとする試みを阻害する。片側歯列のみ隔壁する場合でも反対の歯列も、もう一方の第二の横断弓56挿入物(図28c)を形作るために曲げたほうが必ずではないが望ましい。反対側の歯は隔壁されないが、挿入物の後方部が咬合面に置かれ、反対の拮抗力を発揮する。横断弓56が作られると挿入物の安定が図れる。このダムの究極の準備には術者の慎重さが必要である。中央開口部18の調製は通常必要とされる隔壁部位よりも短い。これにより術者はラバーダムパンチでスリットや中央開口部18を長くしてカスタマイズできる。
【0097】
上顎、下顎同時の弾性、屈曲性の臼歯部フィールドアイソレーションラバーダムによる隔壁はこれまで述べてきた方法とほぼ同じである。この場合中央開口部は両側にある。患者が最大開口したときの咬合面間距離に対応するための中央部分の距離の前方移動時の咬合面間に関しての明細がある。
【0098】
ダムが装着されたなら、歯冠崩壊歯は、カリエス除去、歯内療法が施され、ポストがたてられ、テンポラリー、最終補綴と治療がすすめられる。遠心欠損部においてこのダムでインプラント埋入、補綴もできる。
【0099】
歯列間拮抗力により維持される弾性、屈曲性の全歯列ラバーダム
全歯列の隔壁のみならず、クランプなしのラバーダム様の装置は過去、歯科医師の前には存在しなかった。全歯列の防湿に様々な試みがされたが、これらすべての試みは似たような理由で失敗に終わった。3つの過去の特許における、装置はその良い見本である。これら3つの装置は共通した欠点をもつ。これら3つの装置は米国特許番号4、600,387、同じく5,078,604そしてドイツ特許番号DE19704940Cである。
【0100】
‘387装置と’604装置はラバーダムシートの付け方を除いてこれらの装置はデザイン上同一のものである。両者ともにOscar Malminのバリアドレープ装置にも見られる共通したデザイン上の欠陥を持っている。まず、第一に複雑な3次元的な隔壁の問題解決のために2方向の平面的なデザインを3つとも持っている。これらは基本的に中央の軸で半分に折ることにより口腔内に挿入する。こうすることによりラバーダムのシートが患者の後方奥深くにはいり、嘔吐反射や呼吸困難を引き起こしたり、舌の動きを阻害したりして治療を中断させることの可能性を無視している。第二の欠陥は上下の歯列間の最大開口時の距離が考えに入れられていないことである。これらの装置は隔壁する最後方歯の1cmほど後方の軸で回転する。実際には開口時、上下の歯牙はほぼ平行にほんのわずかに弧を描いて、離開していく。その軸である顎関節は咬合平面から4−5インチも離れたところに存在する。全歯列の隔壁の為の装置はすべてこのことを考慮に入れなくてはならない。
【0101】
全歯列を隔壁するための拮抗ラバーダム装置のデザインには口腔内の3次元的な形態に即した3次元的なアプローチが必要である。この理由から、平面的なラバーダム膜はこの隔壁において決して要求を満たすことができないのである。これに対して、拮抗全歯列ラバーダム装置は通常丸みを帯びたもの楔形か、丸みを帯びたピラミッド型、卵円形の3次元的な型の上であるいは形成装置で成型されなければならない。そしてそれは内面の隔壁の中心部が陥凹していて口腔内に突き出ないようになっている。成型のデザインは予想され、少し大きめにして全ての必要部分が露出されるようにしなければならない。調製されるラバーダム装置は患者の口腔内に適合させるために弾性及び屈曲性をもつべきであるが、口腔内に挿入するために原型もある一定の基準を満たした形態を保持していなければならない。ラバーダムシートに付与された挿入物は弾性、屈曲性を臨床的に応用するために、備えていなければならない。咀嚼の拮抗力が弾性材料に加えられるそしてそれらは装置によって抵抗される。その目的は(1)処置中の開口状態を維持するための支点となるため、(2)拮抗力による口腔内での一般的な維持の働き(3)補助的な接着剤を使ったとしても挿入物の口腔内での安定のため(圧感受性やその他の接着剤が使われたとしても、本当にデザインが良ければなしでも使用できる)である。全歯列拮抗維持ラバーダムはフレーム付、後からつける形の従来、改良型のフレームどれでも対応できる。発明者の意見としてこれは臨床的にもっとも便利な具体案である。なぜなら、術者は患者の口唇、頬を牽引するのに自由にラバーダム膜にかかる全ての方向の力を加減できるからである。代替案として、最初から付与されたフレームは屈曲性、弾性あるいは硬い材料でも作成できる。このタイプの全歯列ラバーダムがもっとも適応しているのは、矯正に分野である。準備の必要なく、矯正医により全歯列に応用され、クランプなどの付属物も必要とせず、唾液や呼気などを防ぎ、口唇、頬を適度に牽引し、開口を助ける臨床的に優れた装置となるであろう。このタイプのラバーダムはクランプを必要としないのでバッカルチューブのついたバンドの装着の邪魔にならない。このクランプは通常最後臼歯に適用されるので。バンドの装着の障害物となりやすい。全歯列ラバーダムはブラケットのボンディングのためにも乾燥環境を作り出す点においても優れている。ボンディングの強度は湿度により低下する。全歯列ラバーダムは患者に不快感を与えず、簡単な臨床的に価値ある補助装置である。
【0102】
このラバーダムが補綴やその他のフルマウスリコンストラクションにも応用できることを見過ごしてはいけない。このダムは防湿を完璧なものとする接着バリア付となしどちらでも応用できる。後から接着バリアをつける方法でも良い。
【0103】
本発明である全歯列拮抗維持フィールドアイソレーションラバーダムの使用状況は図29a−29dの80に主に示されている。ダム80はサドル型の弾性、屈曲性挿入物14とともに好みの形に曲げられ、それは装着後に開口を維持するためにやや患者が快適に開いた状態よりやや開いた状態で押し入れた方が良い。図29cに描かれているように、患者の口腔内に入れるのに指を使いダム10を圧縮して入れる。挿入されたダム10は全ての歯牙を露出させ、ラバーダムフレーム68(図29d)により安定させる。弾性挿入物14はダム10をクランプ、バリア、接着剤なしであらゆる臨床的状況下で維持する。
【0104】
ジェネラルフィールドアイソレーション外科用ラバーダムと不規則な解剖学的な形態の術野の隔壁の方法
一般外科と大きく反して、口腔外科は完全にラバーなしでの治療が行われてきた。局部の組織の抵抗力と舌下腺、耳下腺、顎下腺から分泌される唾液中の免疫因子が侵襲的外科処置に対抗してきたことは想像に難くない。最新のペリオ、GTRやインプラント処置などは微生物に対する感染の防御の必要性を高めてきた。それに加えて、口唇裂、唇顎口唇裂、咽喉複合体などの手術は隔壁により向上される可能性がある。口腔の術野の隔壁、障害となる軟組織、口唇、頬、舌の処置中の隔壁を可能とするラバーダムやバリアドレープが必要とされるが、今まで存在しなかった。
【0105】
外科的ジェネラルフィールドアイソレーションダムは術野の周辺部で“T”型の内側に向いた突起を持った外科的タイを備え、latexかneopreneあるいは他の重合体にはめ込まれた連続した金属のstampingかワイヤー挿入物から構成される。著しく、不規則な解剖学的形態に対応するために柔らかく、術野の周辺部の3次元的に屈曲可能な金属が重要な働きをする。歯牙のみならず、歯根部、支持骨を露出するフラップ処置を明示するために、”T“型の突起は術者が歯と歯肉を隔離する部分にダムを縫合できる機能を持つ。
【0106】
外科用ダムの通法のクランプでの固定も歯牙が存在する全層弁を必要とする処置も縫合によって応用できる。欠損部の隔壁、著しく不規則な形態の手術野、例えば唇顎口蓋裂閉鎖、外傷、悪性新生物による二次的欠損などもダムの縫合を行い、維持を図ることができる。縫合に加えてメチルシアノアクリレートなどの粘膜接着剤も防湿、維持のために使用することもできる。
【0107】
連続した膜のダムとフィールドアイソレーションのスリッドダムテクニックを用いたジェネラルフィールドアイソレーションに対するコンビネーションアプローチ
連続した膜のジェネラルフィールドアイソレーションは完全にカスタマイズした隔壁を行いたい術者に向いている。この案のダム10はワイヤー挿入物14に囲まれた術野の中に連続した膜16を持ち、他のジェネラルフィールドダムが歯と組織を自動的に露出させるための中央開口部がない(図25)。
【0108】
このアプローチは従来のものと同じように、パンチしてあける穴70を全ての歯を隔壁するために用いる。そして軟組織の明示が歯肉縁下へのアプローチのために必要な歯を選ぶ。術者は必要な歯牙において穴の間をハサミで切り、スリット状の開口部を設ける。そしてダムは装着され、フロスによりコンタクトにラバーを適合させる。唇側弓と舌側弓はその後スリットが入れられた部分のラバーを牽引するために曲げられる。そしてバリアマテリアルが最終密閉を完成するためにスリットの角に適用される。このことにより従来のように歯頸部から隔壁された部分と周囲の歯肉まで露出した部分とのコンビネーションの隔壁が完成される。一般的に隣接面の処置を行うときに歯科医師は中隔のラバーを伸ばし、カットして隣接部の歯頸部のアクセスを得ていた。このことは歯牙の隣接面及び軟組織へのアクセスを可能にし、ジェネラルフィールドアイソレーションの制限された形と考えられる。この方法の一つの問題点はラバーがしばしばもとの位置に戻り治療を妨げることである。もし連続した膜のジェネラルフィールドアイソレーションが使われたなら、周囲を曲げることにより容易に中隔のラバーを牽引し、隣接面への操作性を向上する。
【0109】
従来型のラバーダムテクニックの向上のための発明案
穴を開けて個々の歯の歯冠を露出させる従来のラバーダムの方法は修復治療において適用できるケースにおいては有効である。従来のテクニックの一番大きな問題はその使用頻度の低さである。たった10%しか一般の歯科でしか治療においてラバーダムは使われていない。一番多く使われているのが歯内療法である。しかしこの分野でも使用は制限される。
【0110】
なぜ歯科医師はこのテクニックを放棄し、何が使用を難しくしているか疑問が生まれる。従来のラバーダムは器具の到達のため一連の穴を開けそれに対応した隔壁予定の歯牙に穴を通してラバーをかける。そのために中隔のラバーはフロスを通して装着していくが、これは術者にとっても患者にとっても苦痛になる。しかし、隔壁においてそれは臨床的に試され確立したテクニックでもある。従来のラバーダムテクニックはいつもその維持をラバーダクランプに求める。このクランプは最後方歯にかけられ、シートの牽引によるフレームからの張力を吸収する。クランプは一般的にステンレススティールで作られているが、コンポジットやプラスティック製のものも一部、近年、出回っている。クランプはもう標準装備となっているクランプフォーセプスで装着され、除去される。装着に冠してのいくつかの問題点は、クランプが歯肉に食い込み不快感を患者に与えたり、引っ張る力が強かったり、不適切に装着したクランプがずれ、外れることである。ラバーダムを装着するためのクランプがその使用を制限していることは可能性として高い。従来のラバーダムのもう一つの欠点は引っ張られることによりシートが切れ、最初からまた装着を強いられることである。明らかにこのいくつかの従来のラバーダムの欠点が改善されればその使用頻度は上がることであろう。
【0111】
従来のテクニックを向上させ、改良する発明案
屈曲性、弾性あるいは硬い挿入物を備えた改良したラバーダムは時に維持に失敗し、不快感を患者に強いるクランプの使用なしで適用できる。一連の弾性膜のデザインの弾性力が歯牙及び他の組織に作用する拮抗力によって口腔内にラバーを維持させる。弾性の挿入物は従来のラバーダムを改良するために、二つの目的を持つ。一つはラバーダムクランプに代わって、ラバーダムを維持する働きで、もう一つは患者の開口を緩やかに保つことである。患者の歯肉を挟み、ずれるクランプの使用を避けられるということは従来のラバーダムの大きな進歩である。弾性の挿入物を備えた従来のラバーダムは前歯部、臼歯部、あるいは全歯列に使用できるかもしれない。それらは平面的な膜か、歯槽間空隙にたいして形が整えられた3次元的な膜であるかもしれない。フレーム付きであっても、後からつけるタイプでも良い。また、全部を覆う膜だけではなく、部分的なものもできるだろう。接着剤なしか、化学、光重合、圧感受性の維持用の接着剤を付与することもできるだろう。前述したすべてのジェネラルフィールドアイソレーションの案が従来のラバーダムを向上することに役立つであろう。
【0112】
もう一つ別の従来のラバーダムを向上させるための案は隔壁するべき部位の周りに弾性あるいは屈曲性の挿入物をもった膜を作成することである。しばしば強い引っ張り力で歯頸部においてラバーは伸ばされ、ギャップを生じたり、切れたりするが、この挿入物によって力が吸収、分散されこういったことを防ぐことができる。
【0113】
遠心の欠損歯槽提あるいは歯冠崩壊した遠心の歯牙の隔壁
隔壁するのにもっとも難しい状況の一つに、歯冠崩壊が著しく、従来のラバーダムクランプを応用できない場合である。クランプなしでは従来のラバーダムでは、最大限の引っ張り力に対抗して、それを維持することは不可能である。クランプだけではなく、残存歯質が少ないため、ラバーも伸ばしてかけることができない。ジェネラルフィールドアプローチはこの場合間違いなくベストの選択である。特別にデザインされたこのダムはクランプが掛けられない問題を解決した従来のクランプは二つの機能を持つ。第一に、ダムを維持し、第二にラバーダムを咬合面から垂直に牽引し、クランプを掛けた歯の遠心までで処置を行える。クランプが掛けられないことの解決はこの二つの機能を考慮しなければならない。
【0114】
遠心延長ジェネラルフィールドアイソレーションダムは延長した金属挿入物を持ち、それは3つの機能を持つ。それは前歯部セクションを持ち、それは治療される歯牙が囲まれた術野の周辺を構成する。このセクションはダムに中央開口部を持ち、歯槽提もしくはウ歯にかけられる。第二にそれは金属の挿入物の延長部分を持ち、それは隔壁される歯牙の咬合面に対して垂直に牽引する働きがある。延長部分を開いたU型あるいは丸みを帯びたV型に曲げることによって隔壁する部位の視野を確保するためにラバーダムは咬合面に対し垂直に牽引される。臼歯部の延長部分は中央開口部分がなく、これはこの装置の膜のバリアの重要なポイントである。この臼歯部の延長ワイヤーはラバーダムの外側に沿う。そして外側のフレームワークに向かって、開口部の方向に進み、フレームワークまで到達し、そこで維持される。適切に適用されれば、中央開口部は挿入物の前歯部2/3の位置まで歯牙と組織を前方移動させる。一方ワイヤー遠心1/3の挿入物の延長部は術野からダムを後方移動させる。
【0115】
遠心拡張アイソレーションダムはクランプによって臼歯部が留められないので、器具の完全な到達のために別な形で維持されなければならない。ラバーダムの前歯部の付着は、臼歯部を安定させるのに非常に大事である。この部分のダムはクランプで固定せず、化学重合、光重合どちらかのパテを用いる。この材料は十分なぬれのよさを持つ必要があり、前歯部のアンダーカットと歯間空隙に入り込みこの部位の周辺部と強固に固着する。前歯部の強固な固着、ワイヤー挿入物の安定により臼歯部の隔壁部の周辺の安定が図れる。臼歯部の周辺部は決して隔壁する部分から飛び出してはならず、組織に緊密に付着し、その部分のダムをサポートしなければならない。遠心拡張ラバーダムは維持を助ける接着バリアを付与しておくことにより機能が向上するであろう。もう一つべつなオプションは接着バリアを後から術野周辺全体に適用して組織とダムを緊密にシールする方法である。維持のすべての形が完全に適用されたなら、術者はこの最も難しい状況で隔壁する重要性を感じるであろう。
【0116】
特別仕様のジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは一般歯科医と歯内療法医に根管の消毒をこの困難な状況で可能にし、ウ蝕部分の除去、ピンとポストのセット、コアの築造、補綴まで導く。このデザインは遠心欠損部のインプラントの埋入と補綴までにも応用できる。いかなる遠心延長部を隔壁するのに困難な状況であっても維持用のパテで前歯部を強固に固定することが、臼歯部のダムを安定させるのに大切な基準となる。接着剤の臼歯部のみの応用ではダムを安定させるのに十分ではない。それに加えて歯科医師は小さな器具を口腔内に落とし入れたりしないように、そういった器具の使用前は周辺部を常にダムと組織がしっかり固着しているのを確認しなければならない。シールに細心の注意を払うことにより、ダムからの唾液の漏れ、器具、構造物の誤飲などは防げるのである。上記のほかに第二の予防線として器具を結紮しておくことが大事である。
【0117】
従来のラバーダムによる挿入物を使ったジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの術野の組み立て
商業的に実現可能な代替案は個々のラバーもしくはメッシュとワイヤーループを持った、がしかし薄い柔軟性のあるラバーダム膜を持たないプラスティックの挿入物の製造である。この術前に形を作れる部分的な挿入物術野の解剖学的にあわせて、変形され、リキッドかパテバリアマテリアルが少量適用されるのとともに、クランプで固定される。バリアマテリアルの重合、硬化の後で、特別にパンチされただが従来のラバーシートが挿入物全体に伸ばされ、かけられ、シールされる。最後にフレームにラバーの外側が掛けられ術野の確保が完成する。
【0118】
臼歯部頬側弓と舌側弓
Maryland Bridge やクラウンブリッジのセット、アンレー、3/4冠他の補綴物の形成、セットなどスペースが少ない臼歯部のコンビネーションテクニックを好む臨床家は不連続の屈曲性の挿入物92と94を備えたダム90を選択できる。(図30a,30b)このようなケースではその部位にパンチで穴をあけ、フィールドアイソレーションテクニックが必要な部分だけスリットが開けられる。屈曲性部品92と94はフィールドアイソレーションで隔壁される部分のラバーダムを牽引するために歯頸部に向かって曲げられる。このテクニックは組織側のダムに接着剤を付与してあってもなくても良い。多くのケースは接着剤なしかもしれない。コンビネーションテクニックの中央開口部のないダム(図30a)は防湿のための接着剤付与はされないであろう。術者が後からペースト、ゲル、パテのバリア接着剤を防湿が必要なときは応用できる。他の状況ではプレフォームの中央開口部18(図30b)を持ったダム90の使用が望まれるだろう。
【0119】
接着時の臼歯部隔壁
平行な不連続の部品を備えたダムは中央開口部が存在するときは応用されるだろう。しかし、さらなる歯頸部のダムの牽引は必要とされない。このようなケースは通常の修復処置で隣接面の歯肉縁下の形成などであろう。時に隣接面のサービカルウォールが歯頸部深くに位置した場合、術者はラバーの中隔をカットしてアクセスしようとする。もし処置前にこれが予測されたなら、術者は中央開口部をもった、屈曲性のある不連続性の部品のダムを選択するのが適切であろう。
【0120】
バリア接着剤が付与されたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム
圧感受性接着剤
ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは製造者によってバリア接着剤を付与し、製作されてもよい。ジェネラルフィールドアイソレーションに用いられる一つのものとして、圧感受性の接着剤、PSA’sが挙げられる。圧感受性接着剤は粘性、弾性のある材料で、ソルベントがない状態で、永久的にべとつき、わずかな圧で様々な硬い物質を接着させる。PSAは通常ソルベントなしのバッキング上のフリーコーティング、柔軟性のあるバッキングの形で応用される。そしてジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの重合表面に応用される。PSAはバッキングマテリアル(ダムのフランジ)から、レセプター(歯牙のエナメルか口腔粘膜)に接着する。PSAは口腔内隔壁に応用するにあたりいくつかの要件を満たさなければならない。第一にレセプターに接着することである。この場合は歯の硬組織もしくは歯肉あるいは口腔粘膜である。それは除去に抵抗する力である十分な’t peel strength’をもつということである。第二に、それは口腔粘膜組織や歯肉が濡れた状態でも付着し、接着時に水分に浸された状態でも接着を維持することである。第三にスムーズにバッキングからもレセプターからも傷つけたりすることなく除去できることである。第四にアレルギー発現性がないことである。接着の強さは治療の終了時に指でその材料をはがせるぐらいの力であることが重要である。はがす力は1/2cmの厚さの束で片側の楕円形の部位で10から15gが望まれる。両側を同時にはがす場合は20から30gぐらいが望まれる。ダムの適用の不確実性とダムの中のワイヤー挿入物の柔軟性より、0から50gの範囲が可能性として考えられる。
【0121】
様々な粘膜接着剤が、バリアマテリアルに付与される材料として考えられる。適当な水溶性ポリマー接着剤はhydroxy ethyl あるいはpropyl celluloseである。非水溶性のものは ethyl cellulose とpolyox resinsである。その他の使用可能なものはpolyvinylpyrrolidoneであり、また別にcomposition of Gantrexとsemisynthetic, water-soluble polymer carboxymethyl celluloseなどがある。広く使われているcyanoacrylates; methyl, dimethyl, ethyl, butyl, octylとその他は粘膜接着にも使用可能である。これらのPSAはベースポリマー単独もしくはベースポリマーとplasticizers, tackifiers, fillers, stabilizers, pigments.などの付加物の組み合わせからなる。これらのPSAのリストの他にも使用可能なものは存在する。さらなるPSAに関する記述はThe Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, (New York, John Wiley & Son, 1988;) or the Handbook of Pressure-Sensitive Adhesive Technology, Ed. Don Satas (New York, Van Nostrand Reinhold Co., Inc.1982) or A.H. Flanagan, Adhesives Technology Handbook (Park Ridge, New Jersey, Noyes Publications, 1985),その他、多くのポリマーサイエンスの出版物などで見ることができる。
【0122】
最初から付与されている接着剤は粘性の水溶液、ペースト、ジェル、その他の形態で均一で連続的に術野の内側のゴムのフランジに直接硬、軟組織に接着するようコーティングされる。接着剤は簡単に取れるカバー、リリースライナーでカバーされ、品質を保つ。リリースライナーはシングルピースの弾性もしくはリジッドな材料かもしくは典型的な絆創膏デザインのようなツーピースも考えられる。ストリップライナーは接着性が弱く指ではずれるものが望ましい。これらのライナーはリジッドシート、例えばポリエチレン、紙、ポリエステルそのた粘性のない物質でコートされたものでも良いだろう。リリースライナーはテフロン(登録商標)、ワックス、シリコン、フルオロポリマーその他、非粘性のコーティング材料でコートされても良い。
【0123】
圧感受性接着剤を付与したジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム
バリアマテリアル(ノンリテンティブ)
あらかじめ付与された患者の口腔と歯科医の術野を防湿するバリアエージェントとして働く粘膜組織接着剤を使ったジェネラルフィールドアイソレーションは術者がラバーダムを使うときにその時間と労力を節約する。
【0124】
PSAがバリアマテリアルとして使われた場合、その粘性とダムのフランジの維持接着力はラバーダム自体を維持する必要はない。なぜならラバーダムクランプとワイヤー挿入物の機械的力がダムの原則的な維持を担うからである。適用された接着剤はラバーダムのフランジと硬、軟組織に付着して、唇、舌、歯及び外部からの治療中の力によるシールの破壊を防ぐ力を持つことである。
【0125】
バリアマテリアルとして働く一方で著しい維持力を発揮するあらかじめ付与されたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム
latex, neoprene, あるいは他のポリマー材料で作られたジェネラルフィールドアイソレーションダムは薄いもの(0.008cm)からミディアム(0.010cm)からなる。それは、伸ばしたときに低い内面張力を持ち、一方高い柔軟性を持った代わりとなるポリマー材料から作られる。または、粘膜に対して強い接着力を持ったあらかじめ付与され、(あるいは後から適用された)接着バリアマテリアルでコートされる。そしてダムにかかる力が最小のときに使われるものもあり、(前歯の防湿や生検時や軟組織の手術の隔壁)あるいは細いワイヤーかmetal stamping挿入物か完全にない状態かで製作される。一般にPSAの厚みは粘膜組織に接触する膜の横においての術野の周辺の中央開口部の厚みのあるフランジの周辺に適応される。この材料の厚みが術野でダムが裂けるのを防ぐ働きをする。そしてダムを裂き、接着の失敗を引き起こす焦点の形成から柔軟な膜の引っ張り力を拡散させる。厚みを増した術野の周辺部は挿入物があるダムと同じように屈曲し解剖学的形態を成形する決定的なボーダーを作る。ダムは記憶機能はないので、ダムの海綿状の材料は弾性力において最小のリバウンド効果しかない。(ポリマーラバーなどの海綿状の材料は低い弾性を持つ。E=0.10(10ksi or 0.70MPa)これは簡単にレセプターに対するPSAの力により上まわられる。
【0126】
この適応により防湿する能力と同じように最初から付与されたバリア接着剤はダムの維持に貢献するものとして、より直接働くこととなる。ダムの維持はこの場合PSAs接着剤の働きだけではなく、ポリマーマテリアルを牽引することにより最大の張力の場所へのラバーダムクランプの装着の補助的効果にもよる。その他の細い挿入物のある、あるいはなしのジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムの補助的な維持はダムと歯牙に同時に適用され、アンダーカットや歯間空隙に機械的にかん合するポリマーなどである。(単純なラバーベースパテ、印象財として販売されているvinyl polysiloxane putty、シリコンその他印象剤)その他の接着機能が組み込まれた材料はより高価なバリア材料である。その他、ウエッジを使ったり、外科用ダムを縫合したり、このジェネラルフィールドアイソレーションの維持装置に関した項で述べられているラバーダムエンブレジャークリップなどがある。
【0127】
非圧感受性の接着剤
その他の組織接着剤は人間の硬、軟組織に接着するようにデザインされたポリマーコンポジションである。(fibrin gluesとmethacrylatesは最も一般的なものであるが、他のコンポジションも使える)しかしこれはレセプターに接着し、重合するためにイニシエーターが必要である。それは組織の表面に応用される。一般的にイニシエーターは化学的、温度、光重合の三つに分けられる。化学的な組織接着剤はそのものに含まれている薬物、もしくは組織の中に自然に含まれている物質により作用される。水は術者あるいは唾液によって組織接着剤に直接作用するイニシエーターとなりうる。水により選択的に作用される生物学的親和性のある組織がそれゆえ存在する。他の接着剤は他の化学物質によって活性化される。それは唾液であったり、たんぱく質(唾液中、粘膜、歯肉、エナメルぺリクル等)であったりする。光重合で活性化するものもあり、これら全てはこのダムで使われる接着剤のイニシエーターの候補である。
【0128】
最初から付与された光重合組織接着剤を備えたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダム
組織接着剤を最初から付与されているダムで硬、軟組織その他口腔外組織の接着に光活性を必要とするものは防湿と維持の両方の働きをする上で大きな効果を持つ。このダムは透明にして照射器のライトが通るようにして組織、ダムが重合によって接着することもできる。理想的な光重合の接着剤は粘性がない乾燥状態で、強固に接着して、ダムの術野と組織を付着して、術野の周辺を形成している準備段階でも安定している状態が得られる。隔壁する組織に、接触されたなら、可視光線によってダムを通じて光を照射し、緊密にそしてスムーズに接着剤は濡れの良いジェルに代わり、3次元的に適合し、粘膜組織間の強固な固着を得る。その強度については圧感受性の接着剤の項で述べた値と同じである。圧感受性接着剤の項で延べた通り、唾液やその他の水溶液に対して不溶性であることが望まれる。
【0129】
安定のために拮抗アーチ維持が必要な特殊な隔壁が必要とされる弾性、屈曲性の術野周辺部を形成する挿入物を備えたジェネラルフィールドアイソレーション
あるケースではこのジェネラルフィールドアイソレーションダムは適応、維持、安定のために、挿入物が屈曲、と弾性両方の性質を持つことを必要とする。前述した、術野の周辺部を形成する挿入物は、屈曲性、形成可能な材料で片側の歯列のみに応用され解剖学的形態にあわせて指で調製できるものであったこれらの挿入物は非常に低いイールドポイントをもち、形態に合わせて屈曲でき、もしそれが金属であれば熱を加えるか、なしでも使えた。実験室で調べられ、これらの連続的なループ挿入物は0から6lbsの範囲で調べられ、もし組織接着剤が使われないのなら、理想的な屈曲圧は1.5から2.50lbsであるということがわかっている。もし接着剤が使われたら、これより低い値になる。
【0130】
歯列間の隔壁、上下の歯牙または歯列を同時に隔壁するような場合、特別にデザインされたフィールドアイソレーションダムが必要になる。そして、その挿入物は拮抗力(相反する力)を上下間で発揮する弾性と屈曲性(指またはプライヤーで)の両方の性質を持つことが望まれる。その結果弾性のある術野の周辺部はこのような状況で適用されると、維持装置の役割を、クランプ、組織接着剤などと分け合うことになる。それはまた、下顎を牽引して開口を処置中に維持する働きも持ち、拮抗歯列間力を用いて歯肉と粘膜に装置を密着させる。
【0131】
このような性質を満たす挿入物の材料は金属で熱処理して適応させるものが考えられる。金属の熱処理中にその形態を記憶させるのである。挿入物は平らの面である場合も三次元的な形の場合もあるだろう。熱処理することにより、金属の結晶化によって記憶が組み込まれる。弾性力はそのイールドポイントまで発揮され、熱処理した金属は元の位置に変形することなく戻る。この元に戻ろうとする拮抗力の発生は弾性係数とたわみ率でよく表現される。挿入物に求められる性質は、挿入物の維持、装着の簡便さ、開口のための下顎の牽引、挿入物の安定である。二つ目の操作上の弾性挿入物に求められることは、解剖学形態にあわせて変形可能であることである。熱処理による弾性のためこの挿入物は永久変形のためのイールドポイントは非弾性のものに比べ高くなっている。このことは使用者は、その適用において、大きな曲げる力が必要になるということである。これは指での強い圧力かプライヤーの使用が求められる。いずれにしても屈曲性、展性に関しては妥協しなければいけないが、しかし挿入物の適合性の低下はこのような状況下でのダムの特殊なデザインによる新しい操作の導入によって補償できる。
【0132】
この屈曲性、弾性を両方備えた挿入物は、もし金属ならワイヤー、metal stampings、鋳造物、他の成型材料で作られる。もしくは変形できるプラスティック、ポリマー、コンポジット他でも良い。いずれにしてもこのような性質を満たすのなら他の代替材料も考えられる。
【0133】
これらの装置は咀嚼筋と関係して、上下の歯槽弓の拮抗力を生み出す挿入物のデザインが必要とされる。このラバーダムは平らな面で作られその挿入物は180度から30−40度の範囲で、柔軟性で開口した口腔内に適応される。また別の案では丸みを帯びたVあるいはU型で45度から65度ぐらいに開いている状態で熱処理した挿入物なら開口を強いる拮抗力はさほど大きくかからない。
【0134】
対抗する歯列を同時に拮抗力で隔壁する挿入物を有したラバーダムは、緊急処置、遠心の欠損部、後方の歯冠崩壊歯などのクランプなしの隔壁、あるいは屈曲性の遠心の拡張ラバーダムや他のテクニックでは難しい隔壁も可能にする。
【0135】
弾性、屈曲性を持った挿入物を備えたこのダムは全顎を隔壁する矯正治療にもクランプありでもなしでも適している。これらの全歯列用のラバーダムは180度の平面か、45度から65度の丸みを帯びたV型かU型で緩い拮抗力を発揮するものどちらでも応用できる。この角度はどのようにも改良できるし材料をも金属からプラスティック、形状、太さも様々にして挿入物の弾性係数を変化させることができる。これらV、U字型の挿入物は製作者によって型に入れて作ることも考えられる。この45度から65度の角度のダムは舌側に陥凹を付与することにより舌の動きを阻害しないようにでき、不快感をなくす。このダムは一度に片側、あるいは両側のアーチを隔壁し、クランプありで、またなしで、フレーム付で、あるいはなし(後付)で作成できる。深く関連した器具で外側のフレームを持たないために、ラバーダムの定義から外れているものがあるが、患者の口唇を牽引する補助的な器具がないと使用は難しい。(このような器具は商業的に入手可能である)この装置は上記のジェネラルフィールドアイソレーションダムのアウトラインを模しているがそれは口腔内バリアもしくは隔壁器具とみなされるものである。この代替案のデザインはジェネラルフィールドアイソレーションの拡張型とするべきである。したがって、それはこの明細書で描写されるダムの焦点と本質を含んだ代替案と定義する必要がある。
【0136】
弾性のある挿入物をもったジェネラルアイソレーションダムは従来型のダムと同じようにフレームで牽引され伸ばされる。これは、全世界で使用されているヤングのフレームを用いても、その他の種類のフレーム、あるいは改良したフィールドアイソレーションラバーダムフレーム(この明細書中で述べられた)を使ってもよい。またその代わりに最初からフレームをダムに組み込む形でも良い。それは金属(ワイヤー、stamping 、鋳造物)からプラスティック、硬い物から弾性、屈曲性を持つものまで用途に合わせて選択できる。
【0137】
従来のラバーダムは成人用6”X6”,小児用5”X5”の正方形弾性のある膜からなる。この膜は外側のフレームの突起に掛けて引き伸ばされる。この引き伸ばされた膜が拮抗力となり、ラバーを維持し、口唇を牽引し、口腔へのアクセスを可能にする。この力は全周囲に向かう引っ張る力である。フレームを装備したラバーダムは多く商品化されている。あるものは口腔外から大きく離れた形で、真のラバーダムとほぼ同じ働きをし、ラバーダムフレーム付あるいは正しくはラバーダムの拡張型と呼ぶべき物である。あるものは口唇より内側に位置し、口唇を完全に360度方向に圧排しない。このようなものは口腔内バリアあるいは隔壁装置と呼ぶべきである。
【0138】
簡略化した口腔内フィールドアイソレーションラバーダム装置
一部の臨床家はフルサイズのラバーダムより簡便なものを好む場合がある。これらの装置の挿入物はフルサイズのものと同じ範囲であるが、外側のフレームワークは小さいか、明らかに異なった形をしている。これらは平らな面のラバーダムでも立体的でも良い。挿入物は弾性、屈曲性、剛性でも必要に応じて適応する。化学重合、光重合、圧感受性の接着剤が付与されてもなしでも良い。接着バリアの使用も必要に応じる。挿入物は弾性、屈曲性ワイヤー、stamping、鋳造体その他で作られ、形状記憶コンポジット、弾性の中にある程度の剛性を備えた静的な物質であるプラスティックなどでもよい。要約すれば、全てのタイプのラバーダム膜がこのクラスの装置に応用できるということである。この口腔内フィールドアイソレーションダムは口唇や頬を十分に牽引することができないことからある装置には補助的なチークリトラクターが使われる場合がある。また別のタイプの口腔内ダムでは、フレームと挿入物が連結されている物もある。すべてのフルタイプのダムの特徴はこのダムに付与することができ、術者の必要に応じて改良することもできる。
【0139】
口腔内ラバーダムと従来のラバーダムを区別するために以下に述べる。真の従来型のラバーダムは成人用6”X6”,小児用5”X5”の正方形、弾性のある様々な厚みの膜からなる。この膜は外側のフレームの突起に掛けて引き伸ばされる。この引き伸ばされた膜が拮抗力となり、ラバーを維持し、口唇を牽引する。この力は全周囲に向かう引っ張る力である。フレームを装備したラバーダムは多く商品化されている。あるものは口腔外から大きく離れた形で、真のラバーダムとほぼ同じ働きをし、これらは真のラバーダムと考えるべき物である。その他のものは従来型と違い患者の口腔外に位置しない。従来の物と違いこれらは口唇を完全に360度方向に圧排しない。このようなクラス分けから考えて、口唇内のものは真のラバーダムととらえずに口腔内隔壁装置あるいは口腔内バリアと考えるべきである。口腔内装置は口唇を牽引する外側の膜がないので以前から存在するリップリトラクターで補助される。
【0140】
メッシュのあるいは硬く平面の屈曲性の術野の挿入物を備えた立体的全体成形可能なラバーダム
メッシュのあるいは硬く平面の屈曲性の術野の挿入物を備えた立体的全体成形可能なラバーダムは術野の挿入物のコンセプトの拡張である。しかし、ワイヤーやmetal stampingが膜のどこかに存在するのと違い、挿入物は屈曲性のある硬い材料か屈曲性のメッシュ材料かで、ポリマー材料の外側シ―トの間に組み込まれている。(もし硬い平面シート、屈曲性メッシュのシートが組み込みなしでそのままで使用されたのならば、その代替案はこの明細書の中の焦点と本質の範疇である)屈曲性のシートはフォイルのように成形可能である。そのことは術者がこの材料に必要な形を形成記憶させておくことを可能にする。このダムは他のタイプのラバーダムに様々なアーチの形で切り入れることが可能で、屈曲性のシートがない状況で使用し、ポリマーラバーダムマテリアルが術野の周りで弾性の収縮作用を発揮することもできる。どのような形態で使ったとしてもこれは臨床家にとって有益な器具となるであろう。
【0141】
ポリマー膜の特徴
現在のジェネラルフィールドアイソレーションダムは成人用6”X6”,小児用5”X5”の正方形の膜で、一般的な歯科の治療で厚みは次のように定められている。薄0.006、中0.008、厚0.010、エクストラ0.012である。だいたい0.002から0.2までの厚みで作るべきである。
【0142】
膜は様々なポリマー、もしくは熱可塑性の材料、すなわち、latex,neoprene,silicone,polyethylene,vinyl,polyurethane,その他使用適した材料で作られる。求められる物性は次の通りである。tensile strength 2,500−10,000 psi; elongation at break 400−1,110%;hardness(shore)60−100A,notched resistance to tearing 100+kilonewtons per meter これらは一般的な基準であるので、実際はその使用状況により異なる。しかしこれらもこの明細書の考慮のうちに入っている。
【0143】
ワイヤーまたは挿入物の選択と詳細
ポリマー膜の中に埋め込まれているのは、連続したワイヤーループ、metal stamping、あるいは他の適合できる材料であり、これらはある操作性と物性が求められる。材料の横断面、横断面の材料の量、area moment of inertia,弾性係数に基づく金属の選択、引っ張り強さ、イールドポイント、加熱の度合いはさまざまである。挿入もしくは適用され、牽引される膜(ラバーシート)のタイプと厚みによって変形に対する抵抗、術者の曲げやすさによって材料の物性が決められる。ワイヤーやmetalstampingなどの金属の物性については述べられてきたが、代わりになるその他の材料は次のような性質を持つべきである。術野の挿入物は十分柔らかく、屈曲性があり指によって簡単に成型できなければならない。詳しく調べるために術者は硬いワイヤーやmetal stampingを曲げるのとは違い実際に曲げることができるかどうか感じなければいけない。一度曲げたなら術者が付与した形の‘記憶’を保持し、シートの牽引による引っ張りの力や通常の筋肉の力に耐えなければならない。そして目に見えてわかるほど術者が付与した形から変形しないことが望まれる。
【0144】
異なった材料とゲージのワイヤーはこの発明においての挿入物のために分類された。始めに、異なった材料と直径のワイヤーは曲げやすさ、使いやすさ、弱い力に対しての抵抗の質によって直感的に選ばれた。試行錯誤の結果、材料と直径はこの発明に適したものは絞られてきた。
【0145】
A.Dead−soft,屈曲性の挿入物
ワイヤーをテストするために実験次のようにデザインされた。テストするワイヤーは、典型的な挿入物のひとつの端を真似てU型に形作るために.3/16”のシリンダーオブジェクトの周りに180度曲げられた。U型のワイヤーは3/4”の垂直に伸びた円形のループの万力に入れられた。フックのついたストレインゲージがループの終わりに付けられ最初のポジションから45度の角度になるまで引っ張られた。0.040”直径のannealed copper wireがテストされストレインゲージで圧が約1.75から2lbsが必要なことがわかった。このワイヤーは手指での変形に十分な操作性を持っていたので、この値を基準にした。A20 gauge C1008 brite annealed steel wireが同じようにテストされ、同じレンジを持つことが発見された。テストはannealed 0.033” diameter LVM stainless steel wireは 1.64 から2lbsの力が曲げるのに必要なことがわかった。
【0146】
いくつもの直径のアルミニウムワイヤーが同じテストをされた。非常に柔らかく、曲げやすいアルミニウムは優れた形成性を様々な範囲の直径のもので示した。A0.050”はl.25からl.50lbsの力を曲げるのに要した。一方同じ金属の0.064”wireは1.75−2.00lbsの圧力を必要とした。どちらとも優れた範囲のうちである。異なった厚みのポリマー膜において大から小までの直径が適応できる。直径0.070”までの大きさまで操作性に耐えるが、適応には厚すぎるであろう。ワイヤーサンプルはこの条件でテストされたが他のmetal stampingや鋳造体その他の材料も横断面において比較されるべきであることを付記しておく。
【0147】
このある厚みのlatexラバーダムの挿入物のための十分に使用できる代替物のある一定の基準を得るためと、理想的な操作性の範囲を決定するために、一連の番号がワイヤーループ挿入物の操作性を評価するために使われた。それは二種類の金属でaluminum とbare copper wireである。スケールは1から10までで評価され、10が最適を示し、1はいかなる状況でも使用不可であることをしめす。更なる詳細を下に記す。
【0148】
【表1】
要約すると、材料が金属であれば、加熱処理が必要であった。この実験によると、様々な金属の種類、直径のワイヤーループにおいて1&1/2から2&1/2 lbsの間が成形しやすく、ミディアムサイズ(0.008”)の厚みのlatex膜の引っ張り力に対する抵抗も得られる最適な範囲であった。その他の直径とゲージのワイヤーがこの適応で試されたが多くのものは代替となり得る。そして許容範囲の結果が得られた。その一方、4つのワイヤー、直径コンビネーションが選ばれた。なぜならそれらは理想的な状態に近づいていたからである。前述した方法で調べられた理想的な曲げる力は2&1/2 lbsから4 lbsであったが、ストレインゲージで測られたlbsから6 lbsの力も少し適切な操作性から上に行くほど離れていくが、臨床的見地からは使用に耐えそうであった。しかしどの挿入物も6lbを越えたものは手指で屈曲するには不可能になる。
【0149】
ワイヤーは原型のものが最適な操作性とジェネラルフィールドアイソレーションの挿入物のパフォーマンスの基準を確かめるために使われたので、この値は他のmetal stampingや鋳造体などの金属、形状記憶プラスティックやコンポジットなどにも使用できることが予想される。直径の大きなワイヤーやmetal stampingなども溝を入れることにより、同じような結果を得るために物性を弱めることもまた考えられる。しかし、他の代替となる材料もこの実験結果に準じて臨床的操作性を維持していなければならない。
【0150】
ジェネラルフィールドアイソレーションダムに圧受容性の接着剤を付与しておくこと(粘膜、ダム間にシールを形成し、バリアマテリアルとして、水分の漏れを防ぎ、あるいはシールと維持の両方、もしくは維持主体のもの)はワイヤーや他の材料の直径に影響を及ぼすであろう。この状況では、ワイヤーに要求される引っ張り強さは接着剤によって供給される維持の量に反比例する。言い換えれば粘膜への接着が大きくなれば、直径はより小さくなる。実際、強い粘膜接着と薄く、強い弾性のポリマー材料によってワイヤーと挿入物は除くことが可能である(ワイヤーもしくは金属挿入物のない接着バリアマテリアルを最初から応用したジェネラルフィールドアイソレーションの項を参照のこと)。
【0151】
B.弾性、成形性の挿入物の拮抗力
弾性、成形性両方を備えた術野の挿入物の弾性、拮抗力の発生の最適な特徴をテストするため、そしてこれら弾性の挿入物が首尾よく機能する基準を決定するために次のような実験のプロトコールが考えられた。
【0152】
1/2顎隔離するためのジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムに挿入されるようデザインされた弾性の挿入物が次のように万力に挿入され安定された。一つの先端の挿入物0.750”が万力の表面に対して直角になるように固定された。挿入物の長さと幅は全て均一に4.000”インチの長さ、0.750”の幅であった。これらは平らでそれを維持するために加熱処理されていた。万力に固定されたなら、180度の角度に曲げられ、その先端はデジタル計測ストレインゲージに固定され180度の曲げで生じる拮抗力の量を測った。テストは安定した値が出るまで続けて行われた。実験で得られた測定値は記されている。
【0153】
臨床的に有効な弾性と、成形性を持った挿入物の最適な操作性の範囲を探るためと、異なった適用での弾性挿入物の受容できる範囲の基準を確かめるために、実験用の挿入物で記録された拮抗力の実験値は臨床実験で関連付けられた。それは以下の基準を調査することによって様々な拮抗力の弾性の挿入物を備えたジェネラルフィールドアイソレーションの操作性を患者が評価した。
a.挿入と除去の快適性
b.時間の経過による咀嚼筋の疲労
c.開口の維持の適切さ
それに加え、実験用の挿入物は臨床実験で関連付けられた。そこにおいて歯科医師は様々な拮抗力の弾性の挿入物を備えたジェネラルフィールドアイソレーションダムの操作性を以下の基準を調査することによって評価した。
a.口腔内への挿入と除去の基本
b.歯科医師の視点での患者の快適性
c.開口の保持の適切さ
d.GFIラバーダムの固定の適切さ
患者と歯科医師からの操作の特徴は関連付けられ、挿入の評価は同じスケールが使われた。評価のスケールは1から10までで、最適が10で1はいかなる状況でも使用が好ましくない。以下に詳細を記す。
【0154】
【表2】
異なった拮抗力を発生する弾性、屈曲性の挿入物を備えたジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムは異なった臨床環境で有効であるということを銘記すべきである。多くの場合歯科治療は長さにして一時間であるが、必ずしもそうではない。緊急治療の場合、約30分であろうが、場合によっては咬合の再構成の治療など一時間半から二時間かかることもある。もし剛性の挿入物が大きすぎる圧を掛け続けていたら、筋肉疲労から痙攣をおこして患者に不快感を強いる。その一方で強固な咀嚼筋を持っている患者がいればより強い拮抗力を発生する挿入物を開口を維持するために使用することが必要になる。14〜16歳の歯列矯正を行っている患者はこの一般の成人には適切な拮抗力に抵抗できない。したがってことなった状況では異なった拮抗力を発揮するジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムが必要とされる。
【0155】
弾性のある挿入物を曲げ、永久変形させる力は高い屈曲性のある材料より自然と高くなる。これは形状記憶を生じるための金属の熱処理による。金属の熱処理は硬度、イールドポイント、弾性限界の範囲を上げる。このことから屈曲性のある材料で計算された力の値はこのタイプには適応されない。このような挿入物を曲げるための全ての値は屈曲性の実験値より上昇する。このような挿入物を曲げるために指を使った圧の上方限界は横断アーチ、舌側、唇側弓を形作るために、矯正用のプライヤーかその他の屈曲用のプライヤーのルーティーンでの使用に道を譲ることになる。
【0156】
発明者は、往々にして、ある装置あるいは製品の組立てを既存の製造工程の現実的な必要性に一致させる過程のなかで、修正を受け入れることを認識する。あるいはエンドユーザーへの最終コストに対して生産原価の受理可能なマージンを持っている製品を生産する経済現実性に屈する。この理由により、技術的、商品化する装置の最終的作成に関連した経済的圧力を受けやすい多くの改良した、具体案は述べられてきた。これらの現実性に関連した具体案の変更はすべて、この明細の本質および狙いの基準内にあると考えるべきである。ジェネラルフィールドアイソレーションラバーダムと従来の隔壁挿入物の具体案の最も高いレベルは前歯と臼歯横断アーチ、唇側弓及び舌側弓の機能的な配列部分に成形される連続した、似た材料の連続したループである。似た材料の連続したループという言葉は同じ接触性、屈曲性材料をその周囲に持った挿入物を意味する。したがって、挿入物に対しての言及、すなわち順応性があるかあるいは変形可能か、弾性であり成形可能か、弾力があるか、硬いかは、その周囲が連続性の挿入物の定義上、同義語である。発明者および著者は、既存の製造工程に適した代案が技術的なプロセスの制限によりいくつかの状況において避けられないかもしれないこと、結局、小売りする生産原価はエンドユーザーにコストがかかるということを理解している。例えば、不連続性の屈曲可能なまたは弾性のある成形可能な部品は、効果は少なくなるかもしれないが、エンドユーザーへのコストが最重要な課題であるところでは制限された隔壁ケースに考えられるかもしれない。製造過程の制限によるもう一つの可能な改良は、円形、正方形、長方形あるいは他の横断面の形の平行ワイヤーの使用である。それは成形過程で埋め込まれる。その過程はそれらをコートし、繊維状のメタルフォイル、プラスティックペーパー、ポリマー材料、コンポジットなどで強固あるいはやや強固につなげる。この製造過程は幅のひろいテープのような物を作り出す。それらは、屈曲性のワイヤーを残して、しかし、全連続性のワイヤーループもしくは連続性の楕円metal stampingsをもった挿入物のアクションを刺激するために、強固さ、あるいはやや強固さを十分に与えるのに十分材料で、四角く、内、外側に切られ楕円または長方形の形を作る。この類似の挿入物はピールストリップ、ありあるいはなしで様々な異なった種類の接着剤がコートされる。そして分離した挿入物として適用されるか、GFIの術野組み込み方法かGFIのやや改良した案としてラバーダム膜に直接接着される。さらに、どの挿入物にもこのプロセスを適用することができるかもしれない。(弾性、展性があり弾力があり変形可能であるか、あるいはリジッドでも)最終結果は形成可能な術野周辺部になるであろう。それは完全な連続的な術野挿入物と正確に同じように当てはまられるだろう。またこの特許の明細の本質および範囲内に完全にあると考えられるべきである。
【0157】
高い水準の術野の挿入物の横断面の形態は術野の周辺部を立体的にエンドユーザーによって形成することが可能であるものであり、牽引しているラバーダムや患者の筋肉によって外部から引っ張られたりするとねじれたり変形したりする形態的異常がないものである。この理由から、著者は円形、正方形、五角形、六角形、七角形、八角形あるいは他の比較的、方向的に単一な形態ほうが楕円形や長方形より有効であると信じる。著者は製造の過程の特性から置き換えや、妥協が時に必要なことを理解している。あるケースでは長方形もしくは楕円受容可能であろうが、何が本当に適していて、何が最終製品のパフォーマンスを下げるという点で適応を妥協させるかの定義づけが一つの判断基準になる。大雑把な指針は挿入物の横断面が不規則な形をしている度合いと、その成形においての有効性は反比例するということである。したがって長方形の横断面で幅と高さの比率が2:1、もしくは3:1、4:1のものは20:1、40:1もしくは60:1のものよりずっと優れている。許容範囲外の横断面形態のものは、テープのような形のCofferdam intra−arch damで約20:1、30:1の比率を持つ。横断面のこの著しい形態不規則性は部品のたった一つの方向へ、ゆがみを制限するだけでなく、それに対してかかる張力をangular momentumの物理的原則によって何倍にもなったラバーダムが牽引することによって許す。そしてこのことは部品を外からの力によって曲げ、ねじり、ゆがめることになる。製造の工程で生じる許容範囲の中方形の横断面の例はdie−cutting,もしくはstamping,‘blanking’工程で作られた術野の挿入物である。そこにおいて、stamping肯定の間に材料が曲がったり歪んだりしないように、材料の幅は厚みに対し長くなければいけない。このようなケースでは幅の比率2:1もしくは3:1は間違いなく最小である。そして展性が増すにしたがって大きくなる。それに加えて挿入物を膜に組み込むにあたっての操作上の必要性も製作工程に対しての更なる変数となる。比率が5:1から6:1もしくはやや高い場合も考慮の範囲である。この状況では、厳しい原則は適応するのは難しい。しかし、製造工程、冶金学とコストも考慮に入れることを忘れてならない。単なる横断面の形態がこの発明全体に大きな影響を及ぼすわけではないが、この明細の本質と範囲の内であるということは強調しなければいけない。優れた挿入物の形態は部分あるいは全体の歯列の形態が人間の解剖学形態に合わせて作られていることである。それに加えて、3/4顎、1/2顎、その他の部分のアーチは歯科医師が臨床を行うに当たって必要な形態の幅広い知識から作られている。著者は、製造過程での制限により理想的なものからやや離れることもそしてその状況でも有効性を保つであろう。理解している。弾性、成形可能な挿入物が使われたときエンドユーザーはその展性により最終的な形態を付与することができる。この展性、適合性により製造上による制限から、形態から少し実際より離れていたとしても成形により修正可能である。解剖学的形態からの乖離の例は片側歯列の部分的な弾性、展性挿入物である。この装置は長方形で丸い角を持つ連続した材料、もしくは二つの平行のワイヤーにリジッドあるいはセミリジッドな連結部が適切な形でつなげられているものである。平行部分の挿入物は解剖学的に正確ではなく、歯列のカーブを保障するために必要な幅に比し、広すぎるであろう。弾性、展性の挿入物を屈曲することにより解剖学的形態に沿った形を術者は得ることができる。また、製品と形態のずれを修正することができる。コネクターとして異なった材料を使用することは横断アーチを形作るために、挿入物の端を曲げることは影響を及ぼすかもしれないし、影響はないかもしれない。最終的な目標である、横断アーチ、舌側弓、唇側弓の形成はしかし達成されるだろう。幾分非解剖学的な形態を挿入すること、すでに挿入物に使われているものと異なったしかし性質の良く似たリジッド、もしくはセミリジッドな材料、そして同じような機能を持つ弾性、展性の各種材料が使われることはこの明細の本質と範囲のうちで、大きな意味は占めない。
【0158】
フィールドアイソレーション挿入物は横断アーチ、舌側弓、頬側弓を形作るために45度の角度で曲げる必要があるということと、他に平面的な形をしているが、屈曲することで立体的な形が得られるフォームがあるということを理解しなければいけない。例えば、もし二つの反対側の正方形もしくは長方形の形の平面のフォームが正確に曲げられたら、二つの横断アーチを作り出し、四つの挿入物の構成物からなると前述された最終的な形に立体のフォームは結果的に近づくことになる。この明細においての好ましい案のアーチフォームを曲げるにあたって90度は、それに相当する角度である。もし楕円の平面のフォームが同じように曲げられたら、正確な形にはならず、横断弓、唇側弓、舌側弓の4つの構造物に大まかに一致するであろう。この場合、唇側弓と舌側弓は直線ではなく(正方形や長方形が曲げられたときと違い)むしろカーブを描いている。さらに、横断アーチと弓の間で形成された明確な角度は存在しない。しかし、ややこれらの部分は弧の中でともにブレンドする。要約すると、異なった形ではあるが、大まかにはこの明細のなかで記述されたのと同じ結果を得るということである。このような変化や置き換えはこの明細の本質と範囲に含まれ、大きな変化は与えない。
【0159】
この明細で概説されたラバーダム膜は一般に一方向の膜である。すなわち、それらには組織接触面、および、歯および歯肉の組織との接触から離れた側面の両方がある。さらに、術野の挿入物は組み込まれているか、後から任意の側に装着される。この一方向の設計は任意である。膜を両方向に、もしくは片側に使えるようにする改良デザインはこの明細の本質と範囲に含まれ、大きな変化は与えない。製造するにあたっての制約および制限に関係した具体案への変更は挿入物の適応に関して議論を呼んだ。その挿入物は分離した後付用のものも最初から付与されているものもある。たとえそれが、展性の構造物、歯列内装置の弾性、成形可能な挿入物、横断アーチ、唇側弓、舌側弓を持ったリジッドプレフォーム挿入物であったとしても製造上の制約による具体案へのいかなる変更でもこの挿入物は同じように適応する。製造上の制約による分離した挿入物のわずかな変更の例は、テープのように外せる展性あるいは弾性があり、成形可能な挿入物の製造である。先端部の完全なアーチフォームの形の代わりに、取り外しのできる連続する挿入物の平らな隣接部が置き換えられる。それぞれの挿入物は劇場のチケットのように取り外せ、ラバーダムにフィールドアイソレーションもしくは従来型の改良として適応される。挿入物の先端は八角形か正方形をしている。それに加え、横断部分にリジッドもしくはセミリジッドに付けられた2本の平行ワイヤーは理想的な挿入からさらに乖離するかもしれない。完全な案より低価格で済むかもしれない短縮や製造上の制限はこの明細の本質と範囲のうちである。注入式の成形方法はワイヤーやmetal stampings,鋳造など他の方法ではできない複雑な形態を付与することが可能かもしれない。このことから注入式のコンポジットやプラスティックの使用もこの明細の本質と範囲の中に入れておかなければならない。これらの装置は立体的に成形され、ラバーダムの中に組み込まれまたは、分離した横断アーチ、唇側弓、舌側弓の構造物として応用され、他のこの明細書中で記されたラバーダム装置と同じ働きをする。このような装置はリジッド、プレセット挿入物と分類されるが、そのプラスティックやコンポジットはいくらか、その弾性限界のなかで弾性の性質を有し、臨床的な装置として弾性の性質を持つ。これら、リジッドで唇側弓、舌側弓、横断アーチのプレセット部分を持つすべての装置はこの明細の本質と範囲に含まれる。
【0160】
発明は望まれた具体案のもとで描写されているが、この明細の本質と範囲のうちであれば変更や改良により著しく制限されることはない。
【図面の簡単な説明】
【0161】
【図1】本発明のジェネラルフィールドアイソレーションの平面図である。
【図2】図1の2−2での横断面の図である。
【図3】ジェネラルフィールドアイソレーションの横断面で開口部がシートに設けられている。
【図4a】ジェネラルフイールドアイソレーションラバーダムの平面図で網目状の材料がバリアのために設けられている。
【図4b】4b−4bでの図4aの横断面図である。
【図5】網目状の材料がシートに応用されたときの横断面である。
【図6】患者の口腔内でラバーダムの接着をはかるために、接着剤とピールストリップが加えられたときの、図3を示す。
【図7】シートの内側の周囲に術野の挿入物が内側に装着されている状態のジェネラルフィールドアイソレーションの横断図である。
【図8】別の形態でシートに部分的に厚みをもった術野の挿入物を表す。
【図9】図8を表し、患者の口腔内で接着するように接着剤とピールストリップが加えられたものである。
【図10】差し込まれる形ではなく、シートに術野の挿入物が適用されるまた別の形態の横断面である。
【図11】図10を表し、網目状の材料が術野の挿入物のシートの内面に適用された図である。
【図12】図10を表し、患者の口腔内の内側に接着するために接着剤とピールストリップが付け加えられた図である。
【図13a】展性のあるシートが膜に埋め込まれた代替案の器具の横断面である。
【図13b】別の横断面である。
【図14】ウエハース型の現在の発明の術野に装着される器具を構成し、ラバーダムシートに付着することのできる部品である。
【図15】ウエハース型の部品の代替案の横断面である。
【図16】別のウエハース型の部品の代替案の横断面である。
【図17】ウェハース型の術野の部品の代替案の横断面である。
【図18】不連続の術野の挿入物が付与された構成物の横断面である。
【図19】不連続の術野の挿入物が付与された構成物の横断面である。
【図20】不連続の術野の挿入物が付与された構成物の横断面である。
【図21】不連続の術野の挿入物が付与された構成物の横断面である。
【図22a】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図22b】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図22c】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図22d】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図22e】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図22f】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図22g】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図22h】術者が患者の口腔内に入れるためにジェネラルフィールドアイソレーションの展性のある挿入物に様々な形を与えた状態の等長図である。
【図23a】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23b】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23c】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23d】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23e】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23f】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23g】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23h】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図23i】臼歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24a】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24b】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24c】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24d】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24e】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24f】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24g】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24h】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24i】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図24j】前歯部の隔壁時の手順を示す。
【図25】従来のラバーダムと現在の物のハイブリッドである穴の開いたジェネラルフィールドアイソレーションダム平面図を示す。
【図26a】従来型と現在の物の組み合わせを横から見た図である。
【図26b】従来型と現在の物の組み合わせを横から見た図である。
【図27a】現在の発明の全歯列の隔壁の平面図である。
【図27b】27b−27bでの断面図である。
【図28a】ラバーダムクランプを用いてダムを安定させるよりも下顎の圧を使い、弾性を持ち、変形可能なダムの付着手順を示す。
【図28b】ラバーダムクランプを用いてダムを安定させるよりも下顎の圧を使い、弾性を持ち、変形可能なダムの付着手順を示す。
【図28c】ラバーダムクランプを用いてダムを安定させるよりも下顎の圧を使い、弾性を持ち、変形可能なダムの付着手順を示す。
【図28d】ラバーダムクランプを用いてダムを安定させるよりも下顎の圧を使い、弾性を持ち、変形可能なダムの付着手順を示す。
【図28e】ラバーダムクランプを用いてダムを安定させるよりも下顎の圧を使い、弾性を持ち、変形可能なダムの付着手順を示す。
【図29a】弾性のある挿入物により両側の歯列を同時に隔壁する状態を示す。
【図29b】弾性のある挿入物により両側の歯列を同時に隔壁する状態を示す。
【図29c】弾性のある挿入物により両側の歯列を同時に隔壁する状態を示す。
【図29d】弾性のある挿入物により両側の歯列を同時に隔壁する状態を示す。
【図30a】不連続の部品が使われる場合の代替案の器具の平面図を示す。
【図30b】不連続の部品が使われる場合の代替案の器具の平面図を示す。
【図31】展性のあるシートが弾性材料に付着され、3次元的に屈曲可能な状態を示す。
【図32】現在の発明のラバーダムに光重合型の接着剤が光照射されている状態を示す。
Claims (31)
- ラバーダムは弾性の材料のシートと弾性材料のシート組み込まれた術野の挿入物からなる。
- 請求項1で定義づけられるラバーダムにおいて、術野の挿入物は弾性材料に囲まれる。
- 請求項1で定義づけられるラバーダムにおいて、術野の挿入物は弾性物質である。
- 請求項1で定義づけられるラバーダムにおいて、術野の挿入物は展性で複数回調整され、立体的な形である。
- 請求4で定義づけられるラバーダムにおいて、術野の挿入物は金属のワイヤー、metal stamping、鋳造金属、die−cut金属そして形状記憶プラスティック、コンポジットから選ばれる。
- 請求項1で定義づけられるラバーダムにおいて、術野の挿入物は弾性である。
- 請求項1で定義づけられるラバーダムにおいて、術野の挿入物は本質的に剛体である。
- 請求項1で定義づけられるラバーダムにおいて、術野の挿入物はシートを術野の挿入物の外側部分と内側部分にわける閉じたループからなる。
- 請求8で定義づけられるラバーダムにおいて、それはさらに弾性材料の中の閉じたループの内側の開口部からなる。
- 請求9で定義づけられるラバーダムにおいて、開口部の周囲を網目状の材料が囲み、処置部位の近位に網目状材料の分離可能な安定のために接着面を提供する。
- 請求9で定義づけられるラバーダムにおいて弾性材料が開口部の周囲を囲み挿入物の内側に向かって伸びる縁を形成する。
- 請求項11で定義づけられるラバーダムにおいて、接着剤が縁に応用される。
- 請求項1で定義づけられるラバーダムにおいて、挿入物は完全に弾性材料の表面に付着される。
- 弾性材料のシートからなるラバーダムの中に、立体的な形を維持する複数回手で調整可能の展性のシートが埋め込まれる。
- 請求項14で定義づけられるラバーダムにおいて、展性材料のシートは連続性のシートである。
- 請求項14で定義づけられるラバーダムにおいて、展性材料のシートは不連続性のシートである。
- 請求項14で定義づけられるラバーダムにおいて、さらにそれは弾性シートの開口部と処置部の隔壁のための展性のシートからなる。
- ラバーダムは弾性の材料のシートと挿入物からなる。術野の挿入物からフレームに向かってシートは引っ張られるが、挿入物はこのシートに引っ張られる力で変形することはない。
- 請求項18で定義づけられるラバーダムにおいて、術野の挿入物は閉じたループである。
- 請求項18で定義づけられるラバーダムにおいて、術野の挿入物は一つ以上の閉じたループを作らない不連続の部分を持つ。
- 歯科の処置において隔壁に使われるラバーダムは次のもので構成される。
(a)弾性材料のシート
(b)シートについた術野の挿入物
(c)歯科処置を行うための弾性材料の開口部
(d)術野の挿入部は展性で、手指で成形可能で、解剖学的外形を反映し、術野に隣接し術野の開口部の位置づけを補助する舌側弓、唇側弓、一対の横断アーチを成形する。 - 上下歯槽提をもつ患者の歯科処置の隔壁のための請求6で定義づけられるラバーダムにおいて、歯科処置を行うための開口部、そしてそこに弾性の術野の挿入物が唇側弓、舌側弓、一対の横断アーチ(一つは上顎歯槽提に、もう一つは下顎歯槽提につく)を作成するためにその弾性限界を超えて成形される。そして両アーチの間の拮抗力(相反力)によって患者の開口状態を維持する。
- 請求項22で定義づけられるラバーダムにおいて、弾性の術野の挿入物は患者の閉じようとする筋肉に抵抗して弾力を持って開口状態を維持する。
- 請求8で定義づけられる歯科の処置の術野の隔壁のためのラバーダムは術野の挿入部の内側部分のシートの内に開口部を備え、そこを通して歯科処置が行われる。そして術野の挿入部は弾性材料からなり、シートの外部からの力を分散し術野の挿入部のシートが伸びたり破れたりするのを制限する。
- ラバーダム弾性材料のシートと単独の術野の挿入物、弾性材料のシートに術野の挿入物を安定すること。以上よりラバーダムは使用時に組み立てられる。
- 請求項25で定義づけられるラバーダムにおいて、術野の挿入物は弾性、展性、剛性の材料より選択される。
- 上顎歯列、下顎歯列を歯科処置において隔壁するためのラバーダムは次の物から構成される。
(a)弾性材料のシート
(b)シートに組み込まれ、形態が付与された弾性の挿入物で未使用時(レストアングル)に患者の開口時より大きい角度になるように、全下顎唇側弓と全下顎舌側弓が全上顎唇側弓と全上顎舌側弓にリンク連結される。
(c)少なくとも治療が行われる舌側弓とそれに相当する唇側弓のシートの一方に開口部がある。
(d)弾性のある術野の挿入物は全下顎唇側弓と全下顎舌側弓の間、全上顎唇側弓と全上顎舌側弓の間に歯牙が収まり、口腔内に挿入するためにレストアングルより小さく曲げられる。そして拮抗(相反)力で開口状態の維持を助ける。 - 医科処置においての隔壁の手順は次の通りである。
(a)請求項1におけるラバーダムの術野の挿入物を手指で術野の形態にあわせて立体的に成形する。
(b)処置を行う部分に弾性材料のシートに開口部を設ける
(c)開口部分にラバーダムシートを置く
(d)除去可能なようにラバーダムを位置に保持する - 請求項28に定義された医科処置における方法は歯槽提をもつ患者の口腔において行う。唇側弓、舌側弓とそれにつながる一対の横断アーチをを作成するために術野の挿入物の形は調整される。そしてラバーダムは術野の周りに開いた開口部(穴)を基準に置かれ、唇側弓は唇側へ、舌側弓は舌側へ、横断アーチは歯槽提におかれる。
- 請求項29で定義された方法には、デンタルクランプがラバーダムを除去可能な状態で維持するために使われる。
- 請求項29で定義されたには、接着剤がラバーダムを除去可能な状態で維持するために使われる。
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