JP2004525319A - 繊維インサートを有する金属継手 - Google Patents

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Abstract

本発明は、強い熱応力を受ける2個の部品の間の結合位置で気密性を確保するために使用される金属継手に関係し、少なくとも一つの開口部(12)を有する少なくとも2つの鋼板(16、18)を含み、少なくとも一つの鋼板が、開口部(12)を取り囲み、前記開口部の縁から一定の距離に配置されている少なくとも一つのリブ(20)を含む。本発明は、この金属継手は、前記リブ(20)と前記縁との間に配置されている複合材料からなるインサート(24)を含み、この材料が、熱応力に強く、経時的にその弾性を維持することを特徴とする。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、特に温度の影響を著しく受ける排気マニホルド及び排気フランジ用の、繊維インサートを有する金属継手に関する。
【背景技術】
【0002】
金属継手は、気密性を確保するために2つの管の結合位置で使用され、一般的には、特に接触部品の膨張変形時に気密性を確保するように、弾性変形可能なリブを有する少なくとも一つの金属鋼板を含む。
【0003】
金属継手が強い熱応力を受ける場合、たとえば排気マニホルド位置で比較的大きな変形を発生する場合、金属継手は、それぞれが1個のリブを有し、互いに対称に向かい合って配置されている2つの鋼板を含む。
【0004】
低温時、リブは、締めつけ応力により押しつぶされるが、高温時には、膨張現象により接触部品が離隔する傾向があり、その結果、リブが弾性変形して継手の鋼板同士を連続して接触保持し、それによって気密性が確保される。
【0005】
しかしながら、金属継手が頻繁に著しい温度変化を受けると急冷現象を発生し、継手の弾性係数が著しく低下する傾向がある。それによって弾性が失われると、リブはもはや気密機能を適切に果たさず、脆化して、エッジ位置で亀裂を発生する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、本発明は、頻繁に著しい温度変化を受ける場合にも、機械特性、特に弾性を経時的に維持することができるとともに簡単な設計の金属継手を提供し、それによって従来技術の金属継手の不都合を解消することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は、強い熱応力を受ける2個の部品の2つの管の間の結合位置で気密性を確保するために使用可能な金属継手であって、少なくとも一つの開口部を有する少なくとも2つの鋼板を含み、少なくとも一つの鋼板が、開口部を取り囲み、前記開口部の縁から一定の距離に配置されている少なくとも一つのリブを含むものにおいて、この金属継手が、リブと縁との間に配置されている複合材料からなるインサートを含んでおり、この複合材料が、熱応力に強く、経時的にその弾性を維持することを特徴とする金属継手によって解決される。
【0008】
インサートが、繊維の複合材料から形成されていることが有利である。
【0009】
別の特徴によれば、インサートは、周に沿って変化する幾何学的特徴又は機械的特徴を有する。
【0010】
好適な実施形態によれば、継手の2つの鋼板が、それぞれ、互いに対称に向かい合うように配置されている1個のリブを備え、インサートが、開口部の縁とリブとの間に配置されている。
【0011】
開口部の縁が、2つの鋼板の間にインサートを密封するように、かしめ固定部を含むことが好ましい。
【0012】
別の特徴によれば、2つの鋼板のうちの一方の鋼板の縁を折り曲げて他方の鋼板に張りつけ、打出し工程を介して、前記縁の上面と、この縁が部分的に被覆する鋼板の上面とがほぼ同じ高さに配置されるようにし、それによって被覆される鋼板が、前記縁を収容可能な段差を形成している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
他の特徴及び長所が、添付図面に関連して例としてのみ挙げられている以下の説明から明らかになるであろう。
【0014】
図1は、特に排気マニホルド位置で使用され、強い熱応力、すなわち強い温度変化及び/又は高頻度の熱サイクルにさらされる金属継手10を示す。
【0015】
全ての継手同様に、この金属継手は、2個の部品の2つの管の間に配置され、その結合位置において気密性を確保する。
【0016】
たとえば、図1に示す継手は、継手の両側に配置される部品間の通路の連続性を確保するような2個の開口部12を含み、また、たとえばねじ又はピンである前記部品間の結合部材を通過可能とする穴又は切り欠き14を含む。
【0017】
以下、本発明の特定の構成に関する説明を単一の開口部に対して行うが、他の開口部又は穴についてこの説明を繰り返してもよいし、繰り返さなくてもよい。
【0018】
本発明によれば、継手10が、少なくとも2つの金属鋼板16、18を含み、その少なくとも一方の鋼板が、開口部12を取り囲んで開口部の縁22から一定の距離のところに配置されているリブ20を含む。
【0019】
リブを含む鋼板の材料は、リブに一定の弾性をもたらして変形可能とし、継手の両側に配置される部品が膨張して著しく変形した場合にも、結合の気密性を確保することができる。
【0020】
本発明によれば、熱からリブを保護し、リブが経時的にその弾性全体を維持することができるようにするために、リブ20と縁22との間に複合材料からなるインサート24を配置する。この実施例では、インサートはリング形状であり、材料は、熱応力が加わるにもかかわらず経時的にその弾性を維持する。インサート24が繊維の複合材料からなることが好ましい。特に、繊維は鉱物性のものであり、とりわけ耐熱セラミックを含むことが好ましい。
【0021】
改良した特徴によれば、動作温度において膨張する傾向のあるものの中から複合材料を選択し、気密性を改善することができる。
【0022】
このようにして、インサート24は、経時的にその弾性を維持しながら、多少の変位を補償し、一つ又は複数のリブ20を熱から保護し、それによってリブは、経時的にその弾性を維持し、特に膨張変形により発生する著しい変位を補償することが可能となる。
【0023】
インサートの材料の種類及び密度に応じて、インサートの領域は、継手の両側に配置されている部品の締めつけ条件及び平坦化条件に適切に適合する完全なストッパを構成することができる。
【0024】
別の特徴によれば、インサート24は、周に沿って変化する幾何学的又は機械的特徴を備えることができ、動作条件、特に継手表面における不均質な締めつけ応力に対して、前記幾何学的又は機械的特徴を最適に適合させることができる。
【0025】
各図に示されているように、気密性を改善し、著しい変位を補償するために、継手10の2つの鋼板はそれぞれ、互いに対称に向かい合って配置されている1個のリブ20を有し、インサート24は、開口部12の縁22とリブ20との間に配置されている。
【0026】
図2A、2B、3A、3Bに示す別の特徴によれば、開口部の縁22が、2つの鋼板16、18の間にインサート24を密封するように、かしめ固定部26を含み、鋼板18の縁22.1が、鋼板16の縁22.2を被覆するように折り曲げられている。
【0027】
図3Aに示す第一の実施形態によれば、鋼板18の縁22.1だけを鋼板16に張りつけて、それによって段差が形成されている。
【0028】
図3Bに示されている別の実施形態によれば、鋼板18の縁22.1を鋼板16に張りつけ、打出し工程を経ることによって、縁22.1の上面と鋼板16の上面とがほぼ同じ高さとなるように配置され、鋼板16には縁22.1を収容可能な段差28が形成されている。
【0029】
この場合、インサート24は、2つの鋼板の被覆領域で圧縮されるので、インサートのこの部分が予め圧縮されて、それによって気密性が改善され、その結果、一定時間の経過後に組立部品を再度締めつけることを必要としない。
【0030】
かしめ固定部26を補完するものとして、インサート24を囲む一つ又は複数のリブ20が、インサートがクリープするおそれを大幅に低減する。
【0031】
その構成に応じて、インサートは、リング形状とすることもあるいは、一つ又は複数の開口部を有する板形状とすることもできる。図2Bでは、インサート24が、2個の開口部12に対して共通であり、好適には峡部状部分によって結合されている2個のリングとして構成されている。
【0032】
図2Cに示した別の構成によれば、インサート24が、2個のリブの間又は2組の同軸リブ20.1、20.2の間に密封されているので、開口部12の縁22は、必ずしもかしめ固定部を有さない。この構成は、局部的に気密性を改善し、又は締めつけ圧を有利に配分するために使用することができる。
【0033】
もちろん、本発明は、上記の記載及び図示された実施形態に制限されるものではなく、むしろ、特に鋼板の数及び材料、各鋼板における一つ又は複数のリブの有無、ならびに繊維性の複合材料の種類とその厚みに関して、あらゆる変形実施形態を含む。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明による金属継手の立面図である。
【図2A】本発明による金属継手の第一の構成を示す断面図である。
【図2B】本発明による金属継手の第二の構成を示す断面図である。
【図2C】本発明による金属継手の第三の構成を示す断面図である。
【図3A】本発明による金属継手の第一の実施形態を示す断面図である。
【図3B】本発明による金属継手の別の実施形態を示す断面図である。

Claims (10)

  1. 強い熱応力を受ける2個の部品の2つの管の間の結合位置で気密性を確保するために使用される金属継手であって、少なくとも一つの開口部(12)を有する少なくとも2つの鋼板(16、18)を含み、少なくとも一つの鋼板が、前記開口部(12)を取り囲んで前記開口部の縁(22)から一定の距離に配置されている少なくとも一つのリブ(20)を含むものにおいて、
    前記リブ(20)と前記縁(22)との間に配置されている複合材料からなるインサート(24)を含み、前記複合材料が、熱応力に強く、経時的にその弾性を維持することを特徴とする金属継手。
  2. 前記インサート(24)が繊維の複合材料からなる請求項1に記載の金属継手。
  3. 前記インサート(24)が鉱物繊維の複合材料からなる請求項2に記載の金属継手。
  4. 前記複合材料が、気密性を改善するように、動作温度において膨張する傾向のあるものの中から選択されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属継手。
  5. 前記インサート(24)が、周に沿って変化する幾何学的特徴又は機械的特徴を具備可能である請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属継手。
  6. 継手をなす前記2つの鋼板(16、18)が、それぞれ、互いに対称に向かい合って配置されている1個のリブ(20)を有し、前記インサート(24)が、前記開口部(12)の縁(22)と前記リブ(20)との間に配置されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の金属継手。
  7. 前記開口部の縁(22)が、前記2つの鋼板(16、18)の間に前記インサート(24)を密封するように、かしめ固定部(26)を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の金属継手。
  8. 前記2つの鋼板の一方(18)の縁(22.1)を折り曲げて他方の鋼板(16)に正確に張りつけ、それによって段差が形成されている請求項7に記載の金属継手。
  9. 前記2つの鋼板のうちの一方の鋼板(18)の縁(22.1)を折り曲げて他方の鋼板(16)に張りつけ、打出し工程を介して、前記縁(22.1)の上面と、この縁が部分的に被覆する前記他方の鋼板(16)の上面とが、ほぼ同じ高さに配置されるようにし、それによって前記他方の鋼板(16)が、前記縁(22.1)を収容可能な段差(28)を形成している請求項7に記載の金属継手。
  10. 前記インサート(24)が、2個のリブの間又は2組の同軸リブ(20.1、20.2)の間に密封されている請求項1〜6のいずれか一項に記載の金属継手。
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