JP2004524353A - ホスホン酸型キレート剤及びコンディショニング剤を含む酸化組成物、並びに毛髪の処理方法。 - Google Patents
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Abstract
毛髪を処理するのに好適な組成物であって、該組成物は、酸化剤、特に不揮発性シリコーン及びアミノ官能基化シリコーン類であるシリコーン物質、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー類、アルコキシル化アミン類及びこれらの混合物から選択されるコンディショニング剤、及びホスホン酸型キレート剤、これらの塩、これらの誘導体、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤を含み、並びに毛髪の処理方法に関する。本発明の組成は、高量のコンディショニング剤を毛髪に沈着させ、酸化的毛髪染色及び毛髪漂白のような毛髪の酸化処理中に毛髪の損傷を減少させるのに有用である。
Description
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホスホン酸型キレート剤及びコンディショニング剤を含む酸化組成物、及び毛髪の処理方法に関する。開示されるこの組成物及び方法は、漂白、酸化的毛髪染色及びパーマのような酸化的処理を受けた毛髪上におけるコンディショニング剤の良好な沈着を提供する。
【背景技術】
【0002】
メラニンは毛髪中に見られる天然色素である。メラニン及び毛髪形成細胞は、毛根の毛球で天然に作られる。新しい細胞が作られると、古い細胞は皮膚の外に押し上げられて毛幹を形成する、この毛幹は、頭皮上で見られる毛髪の一部分である。毛髪は図解的には毛皮質と呼ばれる中心部からなり、この毛皮質はメラニン、及びキューティクルと呼ばれる外層を含有すると言及することができる。毛髪に弾力性及びカールのような特別な性質を与えるのが毛皮質である。
【0003】
毛幹は特別な毛髪タンパク質であるケラチンのさまざまな形態の混合物に変化した死んだ細胞からなる。ケラチンはシスチンと呼ばれる特定のアミノ酸を高濃度で含有する。全シスチン単位は、異なる鎖で2つのシステインアミノ酸を含有し、このシステインアミノ酸は、互いに隣接するように配置され及び2つの硫黄原子によって結合され、ジスルフィド結合として知られる非常に強力な化学結合を形成する。ケラチン鎖間のジスルフィド結合によるこの架橋は、毛髪強度の多くの根拠となる。
【0004】
毛髪の漂白及び染色(又はカラーリング)は、ここ数年にわたってますます流行している。若者は毛髪の天然色をより流行のものに変えたいと望み、一方高齢者は染色組成物を白髪を隠すためにも使用する。メラニン生成は、人々が年を取るに伴って減速し、時間と共に益々白髪が増える。
【0005】
メラニンは、より明るい色合いを与える化学処理によっても意図的に変更することができる。明色化は通常はアルカリ溶液である酸化組成物でメラニン色素を酸化することで達成される。この酸化組成物(漂白剤)は、通常は過酸化水素である酸化剤を含む。他の好適な酸化剤には、過ホウ酸、過炭酸、過硫酸及びペルカルバミドのカリウム塩、ナトリウム塩並びにアンモニウム塩が挙げられる。
【0006】
漂白剤は酸化的染色処理中にも使用できる。酸化的(又は「パーマ」)染料組成物は、毛髪中に分散することのできる小さな分子である「前駆体染料」を含む。これらの分子は主に3種の芳香族化合物:ジアミン類、アミノフェノール類及びフェノール類に属する。それらは毛幹に拡散するのに十分なほど小さく、過酸化水素のような酸化剤によって活性化されると、それらはさらに他の前駆体と反応し、より大きな着色された錯体を形成する。酸化的毛髪染料組成物は一般的に、染料前駆体及び過酸化物源に加えて、種々の追加の化粧品及び過酸化物安定化剤を含む。
【0007】
酸化剤は、pHの全範囲において酸化的染料前駆体を活性化することができる。しかしながら、酸化溶液のpHを調節できる毛髪膨張剤(HSA)の使用を通して染色酸化を強化し得ることは既知である。このようなHSAは、毛髪繊維を膨張させて過酸化物及び染色剤の毛髪への拡散を助け、より早くより完全な染料酸化と毛髪染色を可能にすることによって、酸化及び染色方法をさらに向上させる。過酸化物毛髪酸化組成物のpHを調節するのに好ましい毛髪膨張剤は、アンモニア(水酸化アンモニウム)又はモノエタノールアミン(MEA)を含有する水性アルカリ溶液である。
【0008】
低濃度のキレート剤が、様々な酸化組成物における安定剤又は防腐剤として日常的に使用される。例えば、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)は、安定剤として過酸化水素溶液中で一般的に使用され、さもなければ非常に迅速に分解し、長時間にわたって保存することができない。酸化組成物の0.1重量%という低い量が、通常は該酸化組成物中に含有される酸化剤を安定化するのに使用される。
【0009】
漂白(脱着色)のような毛髪の酸化的処理及び酸化的染色は、良好な結果を与え、非常に一般的に使用される。しかしながら、それらに欠点がないわけではない。漂白及び酸化的染色に使用される酸化剤は、毛髪に若干の損傷を与える。毛髪繊維に起きるこの損傷の機構は、完全には理解されていない。しかしながら、ケラチン鎖を結合するジスルフィド結合のいくつかは、酸化組成物の存在下で壊れることが知られている。酸化的処理を繰り返すと、輝きと艶がほとんどない、弱く、脆い毛髪となる。ここ数年にわたって、この問題を解決するように多大な努力がなされ、様々な解決策が提案されている。
【0010】
米国特許第4,138,478号には、「発生期の酸素」による損傷を受ける毛髪を保護するため水溶性3−アミノ−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸化合物を使用することによって漂白及び染色中の毛髪への損傷の削減を行う薬剤が開示されている。この特許によると、「ジホスホン酸化合物は実質的に毛髪によって吸収され、共に存在するか若しくは実質的に加えられる発生期の酸素による毛髪の劣化を阻害するのに役立つ」。ヒドロキシエタン−1,1ジホスホン酸(HEDP)及びエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)のような他の保護化合物は、低濃度で米国特許第3,202,579号及び米国特許第3,542,918号に開示されている。
【0011】
今日、多くの染色組成物又は脱色組成物は、漂白組成物又は漂白組成物を濯いだあとで毛髪に提供するコンディショナーと共に販売される。コンディショニング剤の例は、シリコーン類、カチオン性界面活性剤及びカチオン性ポリマーである。コンディショナーは毛髪を当初の状態に戻しはしないが、コンディショニング剤の保護層にて損傷を隠し、これは毛髪の感触を改善する結果となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
驚くべきことに、ホスホン酸部を有するキレート剤が、漂白又は酸化的染色のような酸化的処理中又は酸化的処理後の毛髪上にてコンディショニング剤(又は「コンディショナー」)の沈着を実質的に増加し、結果として毛髪の感触の向上がより長く続くことが判った。この目的において、キレート剤が酸化組成物と同時に、若しくは処理前に毛髪に適用され得ることが判った。キレート剤、コンディショニング剤及び酸化組成物は、好ましくは同時に適用される。
【0013】
理論に束縛されないが、コンディショニング剤の沈着の機構は2つあると考えられている。第一に、ホスホン酸型キレート剤が、鉄、マンガン及び銅のような周囲からの及び固有の重金属イオンを非常に効果的に捕捉すると考えられる。キレート剤の存在がないと、このような重金属イオンは過酸化水素と反応し、ケラチンのジスルフィド結合を破壊することで毛髪の構造を弱くするフリーラジカルを形成すると考えられている。さらに、シリコーン類のような非−カチオン性コンディショナーは、損傷を受けた毛髪により非効率に沈着するため、キレート剤が酸化的毛髪の損傷を削減することにより、コンディショナーの沈着効率を、実質的に増加させると考えられている。
【0014】
第二に、1888年にホフマイスター(Hofmeister)は、水中のタンパク質の溶解性を向上する又は減少させる能力によってイオンを分類化した(ホフマイスター又はリオトロピックシリーズとして知られている)。ホスフェートは、特にタンパク質を沈殿するのに良好であるのが分かっており、理論に束縛されないが、出願人はホスホン酸塩キレート剤が同じ組成物に使用される際、同様の方法でコンディショニング剤と相互作用し、その結果、沈着が増加すると考えている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、毛髪を処理するのに好適な組成物を指向し、
a)酸化剤、
b)特に不揮発性シリコーン及びアミノ官能基化シリコーン類であるシリコーン物質、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー類、アルコキシル化アミン類及びこれらの混合物から選択されるコンディショニング剤、及び
c)ホスホン酸型キレート剤、これらの塩、これらの誘導体、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤、
を質量単位で含む。
【0016】
本発明は、毛髪が上述の定義による組成物と接触する工程を含む毛髪の処理方法も指向する。
本発明は、次の工程を含む毛髪の処理方法も指向する。
【0017】
i)毛髪と以下を含む第一組成物の接触:
a)特に不揮発性シリコーン及びアミノ官能基化シリコーン類であるシリコーン物質、カチオン性ポリマー類、アルコキシル化アミン類及びこれらの混合物から選択されるコンディショニング剤、及び;
b)ホスホン酸型キレート剤、これらの塩、これらの誘導体、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤;
ii)任意選択的に、該第一の組成物を毛髪から濯ぎ落とす;
iii)工程i)又はii)の直後に、毛髪と酸化剤を含む第二の組成物との接触。
【0018】
本発明は、次の工程を含む毛髪の処理方法も指向する。
i)毛髪と酸化剤及びホスホン酸型キレート剤、これらの塩、これらの誘導体、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤を含む第一組成物との接触;
ii)任意選択的に、該第一の組成物を毛髪から濯ぎ落とす;
iii)工程i)又はii)のすぐ後に、毛髪と特に不揮発性シリコーン及びアミノ官能基化シリコーン類であるシリコーン物質、カチオン性ポリマー類、アルコキシル化アミン類及びこれらの混合物から選択されるコンディショニング剤を含む第二の組成物との接触。
【0019】
本発明はさらに、これらの方法にしたがって毛髪を処理するのに適用されるキットを指向する。
【0020】
本発明のこれらの特徴及び他の特徴、態様及び利点は、本発明の開示を読むことによって当業者に明らかとなる。
【発明を実施するための最良の方法】
【0021】
本発明を特に指摘し、そして明確に特許請求している特許請求の範囲をもって本明細書は結論づけられるが、本発明は以下の説明からより良く理解されると考えられる。
【0022】
本明細書で使用する時、用語、処理される「毛髪」は「生きている」、すなわち生体、又は「生きていない」、すなわちかつら、ヘアピース又は他の非生体ケラチン性の繊維の集合体であってもよい。哺乳類、好ましくはヒトの毛髪が好ましい。しかしながら、羊毛、毛皮及び他のケラチン含有繊維が本発明による組成物には好適な基材である。
【0023】
本明細書で使用する時、用語「酸化組成物」は、過酸化水素、過ホウ酸、過炭酸、過硫酸、ペルカルバミドのナトリウム、カリウム、アンモニウム又は他の塩のような、毛髪に使用するのに好適な少なくとも1つの酸化剤を含む組成物を意味する。このような組成物の非限定的な例は、酸化的染料組成物及び漂白組成物である。
【0024】
本明細書で使用する時、用語「毛髪の酸化的処理」又は「少なくとも1つの酸化的工程を含む毛髪の処理」は、毛髪と少なくとも1つの酸化組成物とが接触する少なくとも1つの工程を含む毛髪の全処理を包含するのを指向する点で、幅広い意味に使用される。ヒトの毛髪における酸化的処理の好ましい例は、漂白、染色、又はパーマである。
【0025】
本明細書で使用する時、「直(すぐ)」は、約1時間以内、好ましくは約30分以内、より好ましくは約15分以内を意味する。
【0026】
百分率は全て、特に指定がない限り総組成物に対する重量による。2つ以上の組成物が処理中に使用される際、予想される全重量は、特に記述がない限り毛髪に同時に適用される組成物の全重量(つまり、頭部で見られる重量)である。比率は全て、特に異なる記述がない限り、重量比である。
【0027】
引用された参照文献はいずれも、全ての内容が参考として本明細書に組み入れられている。いずれの参照文献の引用も、特許請求されている本発明に対し、先行技術と同じ利用可能性であると見なすいずれの決定も容認するものではない。
【0028】
(キレート剤)
用語「キレート剤」(又は「キレート化剤」又は「金属イオン封鎖剤」)は当該技術分野において周知であり、それぞれに金属イオンとキレートを形成することのできる分子又は異なる分子の混合物を指す。キレート剤が、化合物(キレート剤)を2点以上で金属イオンに配位する無機錯体であるため、金属を含む元素の環が存在する。キレート剤が金属イオンと配位結合を形成する2つ以上の電子供与原子を含有する。
【0029】
キレート剤は当該技術分野において周知であり、それらの非包括的なリストは、AEマーテル&RMスミス(AE Martell & RM Smith)の臨界安定度定数(Critical Stability Constants)第1巻、ニューヨーク&ロンドン(New York & London)(1974年)、プレナム出版(Plenum Press)、及びAEマーテル&RDハンコック(AE Martell & RD Hancock)の水溶液中の金属錯体(Metal Complexes in Aqueous Solution)、ニューヨーク&ロンドン(New York & London)(1996年)、プレナム出版(Plenum Press)に見出される。
【0030】
キレート剤に関しては、用語「これらの塩及び誘導体」は、参照しているキレート剤と同じ官能構造(同じ化学主鎖)を含み、同様の又はより優れたキレート化特性を有する全ての塩及び誘導体を意味する。これらの用語には、酸性部分を有するキレート剤のアルカリ金属、アルカリ土類、アンモニウム、置換アンモニウム塩(例えば、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム)、エステル類、及びこれらの混合物、特に全てのナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩が挙げられる。用語「誘導体」は、また「キレート界面活性剤」化合物(これらは同様のキレート機能を維持しながら、界面活性剤部分を有するように変性されたキレート剤であって、変性エチレンジアミントリ酢酸の例としては、「N−アシル−N,N’,N’−エチレンジアミントリ酢酸」があり、米国特許第5284972号を参照のこと)を包含する。用語「誘導体」には、また親キレート剤と同じ官能構造を有する1つ以上のキレート化剤を含む大きな分子も挙げられる。これらの大きな分子の例としては、次の構造式に従う単位ブロックからなるポリマーEDDS(エチレンジアミンジコハク酸)を含み、
【0031】
【化1】
ケレット(Kellett)等の米国特許第5,747,440号に開示されている。このモデルに基づき、後述するホスホン酸型キレート剤の官能構造を反復する、「ポリマー」ホスホン酸型キレート剤誘導体は本文献の教示を使用して合成することができる。
【0032】
本発明による組成物は、ホスホン酸型キレート剤、これらの塩、これらの誘導体及びこれらの混合物から選択されるキレート剤を含む。ホスホン酸型キレート剤が、ホスホン酸部分(−PO3H2)又はRがアルキル基又はアリール基であるその誘導体−PO3R2を含むキレート剤として定義される。
【0033】
好適なホスホン酸型キレート剤には、アミノポリホスホン酸及びポリホスホン酸が挙げられる。
好適なホスホン酸及びポリホスホン酸誘導体には、以下の式(I)を有する化合物が挙げられる。
【0034】
【化2】
式(I)中、Xは−OH又は−NH2であって、
R1はアリール基、1〜5個の炭素原子を有する脂肪族基又は以下の基(Ia)であり、
【0035】
【化3】
式(Ia)中、各R2は、独立してH又は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基から選択される。
【0036】
好適なアミノポリホスホン酸及びアミノポリホスホン酸誘導体には、以下の式(II)を有するキレート剤が挙げられる。
【0037】
【化4】
式(II)中、各R1は、独立してH又はC1〜C3アルキルから選択される。
【0038】
本明細書に使用するのに好ましいホスホン酸型キレート剤が、以下の式(III)を有する。
【0039】
【化5】
式(III)中、各Xは、独立して水素又はアルキル基、好ましくは水素又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基から選択され、好ましくは水素であり、各R1は独立して−PO3H2又は以下の式(IIIa)を有する基から選択される。
【0040】
【化6】
本明細書で使用するのに好ましい、式(III)によるキレート剤が、アミノトリ−(1−エチルホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ−(1−エチルホスホン酸)、アミノトリ−(1−プロピルホスホン酸)、アミノトリ−(イソプロピルホスホン酸)及び以下の式(IV)を有するキレート剤であり、
【0041】
【化7】
式(IV)中、各R2は、独立して−PO3H2又は以下の式(IVa)を有する基から選択される。
【0042】
【化8】
本明細書で使用するのに特に好ましい、式(IV)によるキレート剤が、アミノトリ−(メチレンホスホン酸)、エチレン−ジアミン−テトラ−(メチレンホスホン酸)(EDTMP)及びジエチレン−トリアミン−ペンタ−(メチレンホスホン酸)(DTPMP)である。
【0043】
通常キレート剤が、酸化剤及びコンディショニング剤と同時に使用する際に組成物の約0.1重量%を超え、好ましくは0.25重量%を超えて良好な利益を与える。ほとんどのキレート剤において、最良の結果は約0.5重量%を超えて達成される。5%を超える濃度も使用することができるが、このような高濃度を使用するのは規制上及び安全上の理由から、実用的ではない。したがって、好ましい範囲は、約0.5%を超え約5%まで、より好ましくは約1%を超え約4%まで、さらにより好ましくは約2%を超え約4%までである。
【0044】
通常キレート剤は、酸化工程の前に前処理(第一組成物)として使用される際、前処理に使用される該第一組成物(請求項及び本明細書において、「第一組成物」と呼ばれる)の0.1重量%を超え、好ましくは0.25重量%超え、より好ましくは0.5重量%を超え、さらにより好ましくは1重量%を超える濃度で良好な利益を与える。ほとんどのキレート剤において、最も良好な結果は第一組成物の約2重量%の濃度で達成される。
【0045】
コンディショニング剤を、キレート剤及び酸化剤を含む第一組成物の後の後処理として毛髪に適用する際、該キレート剤は好ましくは該第一組成物の0.1重量%を超え、好ましくは0.25重量%を超え、より好ましくは0.5重量%を超え、さらにより好ましくは1重量%を超える濃度で第一組成物中に存在する。5%を超える濃度も使用することができるが、このような高濃度を使用するのは規制上及び安全上の理由から実用的ではない。したがって、好ましい範囲は約2%を超え約5%まで、より好ましくは約2%を超え約4%までである。
【0046】
(コンディショニング剤)
本発明の組成物は、コンディショニング剤を含む組成物を含むか、組み合わせて使用される。本明細書で使用するコンディショニング剤は、特に不揮発性シリコーン及びアミノ官能基化シリコーン類であるシリコーン物質、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー類、アルコキシル化アミン類、及びこれらの混合物から選択される。
【0047】
コンディショニング剤は一般的に、組成物の約0.05重量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約10重量%、さらにより好ましくは約0.2重量%〜約2重量%の濃度で使用される。特定の組成物に使用する最少濃度は、コンディショニング利益を提供するのに効果的であるべきである。理論に束縛されないが、使用され得る最高濃度は、むしろ実用性に制限される。薬剤の種類(ポリマーコンディショナーが最も多い)に依存して、約10%を超過する濃度で使用するのは一般的に不必要で高価であり、このような高濃度は、毛髪の望ましくない重みの原因となる。
【0048】
酸化剤が適用され、任意選択的に濯がれる直後に後処理として使用される際、後処理組成物におけるコンディショナーの濃度は、上述のものと同様であるが、後処理として適用される組成物の重量に対する濃度である。
【0049】
(シリコーン物質)
本明細書で使用するのに好適なシリコーンコンディショニング剤には、組成物中で混合する不揮発性化合物及び不溶性化合物が挙げられ、エマルションの形態、つまり分離された、通常は懸濁剤で懸濁される分散した非連続相、不溶性液滴の形態とする。この分散されたシリコーンコンディショニング構成成分はシリコーン流体のようなシリコーン流体ヘアコンディショニング剤を含み、毛髪のシリコーン流体の沈着効率を高め又は例えば毛髪の光沢を増加させるシリコーン樹脂のような(特に高い屈折率(例えば約1.46より上)のシリコーンコンディショニング剤を使用した場合(例えば高度にフェニル化されたシリコーン))他の成分を含むこともできる。
【0050】
シリコーンコンディショニング剤相は、不揮発性シリコーン構成成分を含んでよい。通常、揮発性シリコーンが存在するならば、それは、揮発性シリコーンをシリコーンゴム類及び樹脂のような非揮発性シリコーン物質成分を市販されている形態にするための溶媒又はキャリアとして使用することに付随するものである。
【0051】
本明細書で使用するシリコーンコンディショニング剤は、好ましくは25℃において約2.10-5m2/s〜約2m2/s(約20〜約2,000,000センチストークス)、より好ましくは約10-3m2/s〜約1.8m2/s(約1,000〜約1,800,000センチストークス)、さらにより好ましくは約5.10-2m2/s〜約1.5m2/s(約50,000〜約1,500,000センチストークス)、最も好ましくは約10-1m2/s〜約1.5m2/s(約100,000〜約1,500,000センチストークス)の粘度を有する。上記粘度は、ダウ・コーニング・コーポレート試験方法(Dow Corning Corporate Test Method)CTM0004(1970年7月20日)に記載のガラス毛管粘度計によって測定することができる。
【0052】
本明細書に使用さえ得るシリコーン流体の一種には、シリコーン油がある。用語「シリコーン油」は、25℃で1m2/s(1,000,000センチストークス)未満の粘度を有する流動性シリコーン物質を意味する。一般的に流体の粘度は、25℃において約5.10-6m2/s〜1m2/s間(約5〜1,000,000センチストークス間)、好ましくは約10-5m2/s〜約0.1m2/s(約10〜約100,000センチストークス間)である。好適なシリコーン油類は、ポリアルキルシロキサン類、ポリアリールシロキサン類、ポリアルキルアリールシロキサン類、ポリエーテルシロキサンコポリマー類、及びそれらの混合物が挙げられる。ヘアコンディショニング特性を有している他の不溶性、不揮発性シリコーン流体も使用することができる。この中で特に好ましいシリコーン類には、以下の式を有するポリアルキルシロキサン類又はポリアリールシロキサン類が挙げられる。
【0053】
【化9】
式中、Rは脂肪族、好ましくはアルキル又はアルケニル、又はアリールであり、置換又は非置換基であってよく、xは1〜約8,000の整数である。好適な非置換R基としては、アルコキシ、アリールオキシ、アルカリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルカミノ並びにエーテル置換、ヒドロキシル置換及びハロゲン置換された脂肪族基やアリール基が挙げられる。好適なR基としては、カチオン性アミン類及び四級アンモニウム基も挙げられる。
【0054】
シロキサン鎖上の置換脂肪族基又は置換アリール基は、結果的にシリコーン類が室温で流体のままであり、疎水性で、髪に適用しても刺激性や毒性を示さないか、そうでない場合には有害でなく、組成物のその他の成分と適合性を有し、正常の使用条件及び保管条件下で化学的に安定的であり、組成物中で不溶性であり、さらに髪及び/又は皮膚に沈着してコンディショニングし得る限りにおいて、いかなる構造であってもよい。各モノマーシリコーン単位のシリコーン原子における2つのR基は、同じ基でも別の基でもよい。好ましくは、2つのR基は同一基を示す。
【0055】
好ましいアルキル及びアルケニル置換基はC1〜C5アルキル及びアルケニル、より好ましくはC1〜C4、最も好ましくはC1〜C2のアルキル及びアルケニルである。他のアルキル−、アルケニル−、又はアルキニル−含有基(アルコキシ、アルカリール及びアルカミノなど)の脂肪族部分は、直鎖又は分枝状鎖であることができ、好ましくは1〜5個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子、さらにより好ましくは1〜3個の炭素原子、最も好ましくは1〜2個の炭素原子を有する。前述したように、このR置換基はまた、アミノ官能基(例えばアルカミノ基)を含有することができ、それは第一級、第二級又は第三級アミン又は第四級アンモニウムであることができる。これらには、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ及びトリアルキルアミノ並びにアルコキシアミノ基が挙げられ、その際脂肪族部分鎖長は好ましくは上述するものである。R置換基は、また、ハロゲン(例えば塩化物、フッ化物及び臭化物)、ハロゲン化した脂肪族基又はアリール基並びにヒドロキシ(例えばヒドロキシ基で置換した脂肪族基)のような他の基で置換することができる。好適なハロゲン化R基としては、例えば、−R1−C(F)3のようなトリ−ハロゲン化(好ましくフルオロ)アルキル基が挙げられ、式中、R1はC1〜C3アルキルである。そのようなポリシロキサン類の例としては、ポリメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサンが挙げられる。
【0056】
使用してよい非揮発性ポリアルキルシロキサン流体としては、例えばポリジメチルシロキサン類が挙げられる。これらのシロキサン類は、例えば、ゼネラルエレクトリック社(the General Electric Company)よりビスカシル(Viscasil)R及びSF96シリーズとして、ダウコーニング社(Dow Corning)よりダウコーニング200シリーズとして入手可能である。また、本明細書で使用するのに好適なのは、300nmの粒径を有するダウコーニング(Dow Corning)DC1664(TN)60,000センチストークスポリジメチルシロキサンであって、好ましくは沈着補助剤と組み合わせて使用される。ポリジメチルシリコーンは、ジメチコーン油としても既知である。他の好適なR基には、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びアリールオキシが挙げられる。シリコーンの末端キャップ上の3個のR基も、同一又は異なる基を表すことができる。適切なR基としては、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル及びフェニルメチルが挙げられる。好ましいシリコーン類は、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサンである。ポリジメチルシロキサンは、とりわけ好ましい。
【0057】
使用してよいポリアルキルアリールシロキサン流体としては、例えばポリメチルフェニルシロキサン類がまた挙げられる。これらのシロキサン類は、例えばゼネラルエレクトリック社(General Electric Company)からSF1075メチルフェニル流体として又はダウコーニング社(Dow Corning)から556コ化粧品グレード流体として入手可能である。
【0058】
他の好適なシリコーンコンディショニング剤は、PCT国際公開特許WO98/04237の22〜29頁に開示されており、参考文献として本明細書に組み込まれる。
【0059】
使用してよいポリエーテルシロキサンコポリマー類には、例えば、ポリプロピレンオキシド改質ポリジメチルシロキサン(例えば、ダウコーニング(Dow Corning)DC−1248)が挙げられるが、エチレンオキサイド又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの混合物もまた、使用してよい。エチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドの濃度は、水及び本明細書の組成物へ溶解性となるのを妨げるように充分低くしなければならない。本明細書で使用してよいアルキルアミノ置換シリコーン類には、以下の式のものが挙げられる。
【0060】
【化10】
式中、x及びyは、分子量によって変わる整数であり、平均分子量は約5,000〜10,000である。このポリマーはまた、「アモジメチコーン」としても知られている。本明細書に使用するのに好適な他のアミノシリコーン類は、ゼネラルエレクトリック社(General Electric Company)からSF1703、SM2115、SM2101及びSM2658の商品名のもとで入手可能である。
【0061】
(カチオン性界面活性剤)
本発明の組成物において有用なカチオン性界面活性剤は、本発明の水性組成物に溶解した場合、正に荷電するアミノ又は第四級アンモニウム親水性部分を含有する。第四級アンモニウム部分及びシリコーン部分を含有するカチオン性界面活性剤もまた採用され得る。それらの中で本明細書において有用なカチオン性界面活性剤は次の文献に開示されており、本明細書に全て組み込まれる:マッカチャン(McCutcheon)の洗剤及び乳化剤(Detergents & Emulsifiers)、M.C.パブリッシング社(M.C.Publishing Co.)(北アメリカ版(North American edition )(1979年);シュワルツ(Schwartz)ら、表面活性剤(Surface Active Agents)、それらの化学及び技術(Their Chemistry and Technology)、(ニューヨーク、インターサイエンス出版(Interscience Publishers)、1949年;米国特許第3,155,591号(ヒルファー(Hilfer)、1964年11月3日発行);米国特許第3,929,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30年発行);米国特許第3,959,461号(ベイリー(Bailey)ら、1976年5月25日発行);及び米国特許4,387,090号(ボリッチ ジュニア(Bolich,Jr)、1983年6月7日発行)。
【0062】
第四級アンモニウム含有カチオン性界面活性剤の中で、本明細書で有用な物質は次の一般式のようなものである。
【0063】
【化11】
式中、R1〜R4は、独立して炭素数約1〜約22個の脂肪族基、アリール、又は、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、又は炭素数約1〜約22個のアルキルアリール基であり、Xは、ハロゲン(特に塩素)、アセテート基、ホスフェート基、ニトレート基、及びアルキルスルフェート基(好ましくはC1〜C3アルキル)より選択される陰イオンである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、並びにアミノ基のような他の基を含有していてもよい。さらに長鎖の脂肪族基類、例えば炭素数約12以上のものは、飽和であっても不飽和であってもよい。
【0064】
第四級アンモニウム塩はジアルキルジメチル−アンモニウムクロリドを含み、ここでアルキル基は約12〜約22個の炭素原子を有し、水素添加したタロー脂肪酸のような長鎖脂肪酸から誘導される(タロー脂肪酸は、R1及びR2が主に16〜18個の炭素原子を有する第四級化合物を生じる)。他のカチオン性界面活性剤には、R1〜R4基の少なくとも1つがアルコキシ(好ましくはC1〜C3アルコキシ)、ポリオキシアルキレン(好ましくはC1〜C3ポリオキシアルキレン)、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アルキルエステル、及びこれらの組み合わせから選択される1つ以上の親水性部分を含有するものが挙げられる。任意選択的に、カチオン性コンディショニング界面活性剤は、R1〜R4基中に2〜約10個のノニオン性親水性部分を含有する。本明細書の目的において、各親水性アミド、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルエステル、アルキルアミド又は他の単位は明瞭な非イオン性親水性部分であると考えられる。
【0065】
本明細書において有用な他のカチオン性界面活性剤は、PCT国際公開特許WO96/32919に開示されており、参考文献として本明細書に組み込まれる。
【0066】
(カチオン性ポリマー類)
好適なカチオン性ポリマー類はPCT国際公開特許WO96/32919の17〜21頁に開示されており、参考文献として本明細書に組み込まれる。本明細書で使用するのに好適なカチオン性多糖類ポリマー物質の例としては、以下の式のものが挙げられる。
【0067】
【化12】
式中、
Aはデンプン又はセルロース無水グルコース残基のような無水グルコース残基であって、
Rはアルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、又はヒドロキシアルキレン基又はこれらの組み合わせであり、
R1、R2、及びR3は独立してアルキル、アリール、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリール基であって、各基は18個までの炭素原子を含有し、各カチオン部分における炭素原子の総数(つまり、R1、R2及びR3における炭素原子の合計)は好ましくは約20以下であり、及び
Xは先に記述したように、アニオン性対イオンである。
【0068】
カチオン性セルロースはアメルコール社(Amerchol Corp.)(米国、ニュージャージー州、エディソン)からポリマー(Polymer)JRTN、LRTN、KGTN及びLKTNシリーズのポリマーで、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩として入手可能であり、これは当業界(CTFA)ではポリクアテルニウム10と称される。別のタイプのカチオン性セルロースとしては、ヒドロキシエチルセルロースとラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドを反応させたポリマー第四級アンモニウム塩類、業界(CTFA)ではポリクアテルニウム(Polyquaternium)24と呼ばれるものが挙げられる。これらの物質はアメルコール社(Amerchol Corp.)(米国、ニュージャージー州、エディソン)から商品名ポリマーLM−200(又はクアトリソフト(Quatrisoft))として入手可能である。
【0069】
(アルコキシル化アミン類)
アルコキシル化アミン類は、以下の式に従うコンディショニング剤である。
【0070】
【化13】
式中、Rは、好ましくは8〜30個の炭素原子を有するアルキルであって、x及びyは、好ましくはx+yが1〜100、より好ましくは50、さらにより好ましくは1〜20の間となる整数である。
【0071】
(酸化剤)
本発明による組成物は、少なくとも1つの酸化剤を含む組成物を含むか、又は少なくとも1つの酸化剤を含む組成物と組み合わされて使用される。本明細書での使用に好ましい酸化剤は、水溶性の過酸素酸化剤である。本明細書で定義される「水溶性」とは、標準的な条件において、少なくとも0.1g、好ましくは1g、より好ましくは10gの前記酸化剤が、1リットルの脱イオン水に溶解できることを意味する。酸化剤はメラニンの初期可溶化及び脱着色化(漂白)において有益であり、毛幹における酸化的染料前駆体(酸化的染色)の重合を促進する。
【0072】
好ましい水溶性酸化剤は、水溶液において過酸化水素を産出できる無機過酸素物質である。水溶性過酸素酸化剤は当業者には周知であり、過酸化水素、無機アルカリ金属過酸化物、例えば、過ヨウ素酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、及び過酸化尿素、過酸化メラニンのような有機過酸化物、並びに過ホウ酸、過炭酸、過リン酸、過ケイ酸、過硫酸などのアルカリ金属塩等の無機過水和塩漂白化合物が挙げられる。これらの無機過水和塩は、一水塩、四水塩などとして組み込まれてもよい。所望であれば、2つ以上のかかる酸化剤の混合物を使用することができる。本発明による組成物の使用に好ましいのは過酸化水素である。
【0073】
従来の染色及び漂白組成物において、過酸素酸化剤の濃度は、通常約0.1重量%〜約7重量%である。濃度が高くなると、効果の点では良好な結果を与えるが、毛髪の損傷増加のために現在まで実用的でなかった。本発明によって提供される酸化的損傷保護は、今では、酸化組成物中において40%までの濃度の過酸化水素のような酸化剤を使用することを可能にする。しかしながら安全性の理由により、12%を超える濃度は、ヒトに使用される前に入念に検査されるべきである。好ましくは、酸化組成物中の酸化剤の濃度は約0.5重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜約15重量%である。本発明による組成物は、約7%を超える濃度(典型的には約12%)で良好な白髪被覆、鮮やかな色及び許容可能な損傷を提供する。
【0074】
(追加的な構成成分)
さらに、本発明の組成物は錯体組成物であってよいことも意図し、これはキレート剤及び酸化剤に加えて活性成分であっても又は活性成分でなくてもよい他の構成成分を含むこと意図する。これには、緩衝剤、酸化的染料前駆体のような毛髪染色剤、非酸化的染料、増粘剤、溶媒、酵素、アニオン性、非イオン性、両性及びカチオン性界面活性剤、キャリア、酸化防止剤、安定剤、パーマ活性物質、香料、毛髪膨張剤及び/又はポリマー類が限定はされないが挙げられる。追加的な構成成分のいくつかは以下で詳述される。
【0075】
最終的に、本発明による組成物は、例えば水性組成物、パウダー、ゲル又は水中油型エマルションのようないずれかの通常形態で提供され得る。本発明による組成物において好ましい媒体は、塩耐性増粘剤又は水中油型エマルションを含む濃厚化水溶液である。
【0076】
(pH緩衝剤)
本発明による組成物は、好ましくはpH緩衝剤をさらに含む。組成物のpHは好ましくは約8〜約12、より好ましくは約9〜約11、さらにより好ましくは約9.5〜約10.5である。好適な緩衝剤は当該技術分野において周知であり、例えば、アンモニア/酢酸アンモニウムの混合物及びモノエタノールアミン(MEA)が挙げられる。
【0077】
(酸化的毛髪染料前駆体)
これらの化合物は当該分野において周知であり、芳香族ジアミン類、アミノフェノール類及びそれらの誘導体が挙げられる。(代表例ではあるが全てを網羅してはいない酸化的染料前駆体の列挙は、サガリン(Sagarin)の「化粧品化学及び技術(Cosmetic Science and Technology)」インターサイエンス特別版(Interscience,Special Edn.)第2巻、308〜310頁において見出すことができる。前駆体はカップラーと共に使用され得る。カップラーは、一般的に活性化前駆体の存在下で色を形成することのできる無色の分子である。
【0078】
前駆体及びカップラーの選択は、所望の着色の色合い、明度及び彩度によって決定される。前駆体及びカップラーは本明細書で使用することができ、単一又は組み合わせて、アッシュブロンド〜黒までの種々の色合い範囲を有する染料を提供する。
【0079】
毛髪染料組成物は一般的に、約0.001%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約2%の酸化的染料前駆体及びカップラーを含む。
【0080】
(増粘剤)
本発明の組成物は、任意選択的に少なくとも約0.1%の増粘剤をさらに含む。増粘剤は好ましくは、滴ること無しに毛髪に容易に適用できる組成物を提供するために、26℃において約1Pa・s〜10Pa・s(1,000〜10,000cP)の粘度を有する組成物を提供するのに十分な量で含まれる。
【0081】
本明細書で使用するのに好ましいのは、塩耐性増粘剤である。塩耐性増粘剤は、3.8%DTPMP(四ナトリウム塩)及び1.95%NH3からなる水溶性組成物の粘度を、2重量%の濃度で組み込み、26.7℃で測定した際に少なくとも1Pa・s(1,000cP)まで増加する化合物として本明細書で機能的に定義される。粘度はブルックフィールド(Brookfield)粘度計DVIIで、10Pa・s(10,000cP)未満の試料にはスピンドルS41及び10Pa・s(10,000cP)を超過する試料にはスピンドルS52(ブルックフィールド(Brookfield)から入手可能)を使用して、1回転/分の速度及び2ml(S41スピンドル)又は0.5ml(S52スピンドル)のサンプルサイズで測定され得る。
【0082】
本明細書で使用する好適な塩耐性増粘剤の非排他的な列挙には、キサンタン、グアー、ヒドロキシプロピルグアー、スクレログルカン、メチルセルロース、エチルセルロース(アクアコート(Aquacote)(登録商標)として市販される)、ヒドロキシエチルセルロース(ナトロソール(Natrosol)(登録商標))、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(クルセル(Klucel)(登録商標))、ヒドロキシエチルエチルセルロース、セチルヒドロキシエチルセルロース(ナトロソール(Natrosol)(登録商標)プラス330)、N−ビニルピロリドン(ポピドン(Povidone)(登録商標))、アクリレート類/セテス−20イタコン酸コポリマー(ストラクチャー(Structure)(登録商標)3001)、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート(ストラクチャー(Structure)(登録商標)ZEA)、ポリエトキシ化ウレタン類又はポリカルバミルポリグリコールエステル(例えば、PEG−150/デシル/SMDIコポリマー=アクリン(Aculyn)(登録商標)44、PEG−150/ステアリル/SMDIコポリマー=アクリン46(登録商標))、トリヒドロキシステアリン(チキシン(Thixcin)(登録商標))アクリレート類コポリマー(例えば、アクリン(Aculyn)(登録商標)33)又は疎水変性アクリレートコポリマー類(例えば、アクリレート類/ステアレス−20メタクリレートコポリマー=アクリン(Aculyn)(登録商標)22)が挙げられる。
【0083】
脂肪族アルコールは増粘特性を有し、本発明の組成物に使用することができる。しかしながら、脂肪族アルコールは上述の定義により非塩耐性増粘剤ではない。2%セチルアルコール及びステアリルアルコールの混合物は、例えば、26℃でブルックフィールド(Brookfield)粘度計を用い、上に開示した条件で測定した際に0.7Pa・s(700cP)未満の粘度を有する。
【実施例】
【0084】
以下の実施例は、本発明による酸化的染料組成物を説明する。本明細書に記載する実施例及び実施態様は、例示することのみが目的であり、これらを考慮すればその変更又は変形が、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には予想されるであろうと考える。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
上述の組成物は、損傷を減少させ、且つコンディショナーの沈着を向上させる毛髪の染色に有用である。酸化的染料前駆体及びカップラー(上述の例においては、パラ−アミノフェノール、メタ−アミノフェノール及びレゾシノール)を含まない同様の組成物は、毛髪の漂白(明色化)に使用され得る。
【0087】
酸化的毛髪染料組成物は通常、別々の容器中に、酸化的染料前駆体(及び通常毛髪膨張剤)を含む染料構成成分(エマルションについては「染料クリーム」又は溶液については「染料液体」とも呼ばれる)、及び酸化剤(通常過酸化水素)を含む過酸化水素構成成分(エマルションについては「過酸化水素クリーム」又は溶液については「過酸化水素溶液」とも呼ばれる)を含むキットで販売されている。消費者は該構成成分と過酸化水素構成成分を使用直前に混合する。上述の表の実施例は、得られた混合物を説明する。
【0088】
同様に、漂白組成物は通常、2つ又は3つの別々の容器を含むキットとして販売されている。第一の容器には毛髪膨張剤(例えばアンモニア)が含有され、第二の容器には酸化剤、第三の容器(任意)には第二の酸化剤(例えば、過硫酸、過炭酸、過ホウ酸のアルカリ又はアンモニウム塩)を含有する。漂白組成物は、使用直前に上述の組成物を混合することで得られる。
【0089】
これらのキットは当該技術分野で周知であり、各容器中の組成物は標準的な手法を利用して製造され得、これらには、
水中油型工程
転相工程
ワンポット工程
が挙げられる。
【0090】
キレート剤を通常、周囲温度における作成工程の開始時に水にある割合で加え、溶解する。次に、脂肪酸構成成分を加え、混合物を上述に既説した手順で通常通り加工する。例えば、ワンポット工程において、ポリマー類及びキレート剤を水中で前溶解し、次に脂肪族物質を加え、全体を約70〜80℃に熱する。
【0091】
エマルションの場合、最終構造製品を形成するために制御冷却工程及び任意の剪断工程が続く。アンモニアの添加及びpH調節で、染料クリームの作成工程を完了する。
【0092】
アクリレートポリマーを含む液体溶液の場合、これらは過酸化水素構成成分中に配合する。グリコール溶媒及び脂肪族構成成分は、染料構成成分中に配合する。染料と過酸化水素構成成分とを組成物の使用前に混合する際に、構造製品は形成されるが、ポリマーアクリル酸基の脱プロトン化によってポリマーマイクロゲルを産出する。2部の混合によってゲルを形成する、毛髪の着色におけるこれらの2部の水性組成物の製造の更なる詳述は、カスパーソン(Casperson)らの米国特許第5,376,146号及びコーエン(Cohen)らの米国特許第5,393,305号に見出すことができる。
【0093】
本発明の組成物は、増粘剤として(アクリン(Aculyn)(登録商標)46のような)ポリエーテルポリウレタンを含む2部水性組成物としても配合でき、カスパーソン(Casperson)らの米国特許6,156,076号及びジョーンズ(Jones)の米国特許6,106,578号に記載されている。
【0094】
異なる容器の組成物が使用前に混合され、得られた混合物が請求されるキレート剤及びコンディショニング剤を含む際、キレート剤及びコンディショニング剤がこれらの容器にどのように分配されるかに優先傾向はない。明らかに第二級アミンキレート剤のような過酸化水素(又は使用されるいずれかの酸化剤)によって変更され得るキレート剤は、しかしながら染料構成成分中で配合されるべきである。しかしながら過酸化水素成分は、好ましくは、過酸化水素を安定化するために安定したキレート剤を少なくとも約0.1%含む。この安定剤(ホスホネートキレート剤である必要はない)は、過酸化水素が早過ぎる分解をすることを防ぐために必要がある。例えば、EDTAは安定剤として過酸化水素構成成分中で使用され得る。
【0095】
(使用方法)
本明細書に記載する使用方法の実施例及び実施態様は、例示することのみが目的であり、これらを考慮すればその変更又は変形が、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には予想されるであろうと考えられる。
【0096】
(前処理無し)
本発明のキレート剤は、好ましくは、毛髪で適用される酸化組成物中で直接配合される(例えば、酸化的染料組成物又は漂白剤)。
【0097】
(酸化的染料)
酸化的染料組成物は通常、少なくとも2つの別々の容器を含むキットとして販売され、1つは好適なキャリア中に毛髪膨張剤(例えばアンモニア)と共に酸化的染料前駆体を含み、他は好適なキャリア(例えば過酸化水素クリーム又は液体)中の酸化剤を含む。消費者は、使用直前に両方の組成物を混合して酸化的染料組成物を調製し、それを毛髪に適用する。混合物を数分作用させた後(毛髪全体への均一な適用を確実とするため)、酸化的染料組成物は染色が行われるのに十分な量で毛髪に残しておく(通常約30分)。次に、消費者は彼/彼女の毛髪を水道水で完全に濯いで乾燥させる。毛髪は元の色から所望の色まで変化するのを観察する。
【0098】
このコンディショニング剤も第三容器に部分的又は全体的に収納されてよい。この場合、全3つの組成物は使用直前に混合され共に適用されるか、第三容器の内容は、他の容器の混合物から酸化的染料組成物が生じた直後の後処理として(任意の濯ぎ工程と共に)適用され得る。
【0099】
(漂白組成物)
漂白組成物は通常、2つ又は3つの別々の容器を含むキットとして販売されている。第一の容器には毛髪膨張剤(例えばアンモニア)が含有され、第二の容器には酸化剤、第三の容器(任意)には第二の酸化剤(過硫酸、過炭酸、過ホウ酸のアルカリ又はアンモニウム塩)を含有する。消費者は、全組成物を混合することで使用直前に漂白組成物を調製し、漂白が行われるのに十分な時間量(通常約30分)で毛髪にその混合物(酸化的染料組成物)を適用する。
【0100】
コンディショニング剤は、付加的な第三又は第四の容器に部分的又は全体的に収納されることもできる。この場合、全組成物を使用直前に混合することができ、又は付加的な容器の内容は、他の容器の混合物から酸化染料組成物が生じた直後の後処理として(選択的に濯ぎ準備工程と共に)適用され得る。
【0101】
(前処理有り)
キレート剤及びコンディショナーも前処理として毛髪に適用することができる。前処理組成物(「第一組成物」)は酸化組成物(「第二組成物」)の直前又は長時間後に適用される。
【0102】
(酸化組成物の直前の前処理)
前処理が毛髪に適用され、その直後に酸化組成物が続く際、該前処理組成物は酸化組成物の適用前に毛髪から濯ぐことができるが、好ましくは酸化組成物の適用中毛髪に保持され、生成する混合物は酸化工程の後に濯がれる。第一組成物(前処理)用の1つの容器及び第二組成物(酸化組成物)用の1つ又は2つ以上の容器を含むキットは、この方法に有利に使用され得る。この第二組成物が、2つ以上の容器の中身(例えば酸化的毛髪染料組成物又は漂白組成物)を混合することで、使用直前に調製される場合、第二組成物には2つ以上の容器が必要とされ得る。キットは、第三工程、任意選択的にそれに続く濯ぎ工程において、第二組成物から独立して適用されるコンディショニング剤を含む組成物の付加的な容器も含むことができる。
【0103】
前処理にキレート剤及びコンディショニング剤を含む際、コンディショニング剤は、特に不揮発性シリコーン及びアミノ官能基化シリコーン類であるシリコーン物質、カチオン性ポリマー類、アルコキシル化アミン類及びこれらの混合物から選択される。
【0104】
(色ケア)
前処理は、直前を除く2つの酸化的処理間のいつでも「色ケア」処理行うことができる。この2つの酸化的処理は好ましくは少なくとも1日空けて、より好ましくは少なくとも1週間空ける。酸化的毛髪染料処理は、一般的には約1ヶ月毎に及び目立ってきたら繰り返し、毛髪を通常は各酸化的処理の直後に水で濯ぐ。「色ケア」処理は、これらの2つの酸化的処理間での実用的な回数で繰り返すことができ、1回又は2回以上であり得る。
【0001】
本発明は、ホスホン酸型キレート剤及びコンディショニング剤を含む酸化組成物、及び毛髪の処理方法に関する。開示されるこの組成物及び方法は、漂白、酸化的毛髪染色及びパーマのような酸化的処理を受けた毛髪上におけるコンディショニング剤の良好な沈着を提供する。
【背景技術】
【0002】
メラニンは毛髪中に見られる天然色素である。メラニン及び毛髪形成細胞は、毛根の毛球で天然に作られる。新しい細胞が作られると、古い細胞は皮膚の外に押し上げられて毛幹を形成する、この毛幹は、頭皮上で見られる毛髪の一部分である。毛髪は図解的には毛皮質と呼ばれる中心部からなり、この毛皮質はメラニン、及びキューティクルと呼ばれる外層を含有すると言及することができる。毛髪に弾力性及びカールのような特別な性質を与えるのが毛皮質である。
【0003】
毛幹は特別な毛髪タンパク質であるケラチンのさまざまな形態の混合物に変化した死んだ細胞からなる。ケラチンはシスチンと呼ばれる特定のアミノ酸を高濃度で含有する。全シスチン単位は、異なる鎖で2つのシステインアミノ酸を含有し、このシステインアミノ酸は、互いに隣接するように配置され及び2つの硫黄原子によって結合され、ジスルフィド結合として知られる非常に強力な化学結合を形成する。ケラチン鎖間のジスルフィド結合によるこの架橋は、毛髪強度の多くの根拠となる。
【0004】
毛髪の漂白及び染色(又はカラーリング)は、ここ数年にわたってますます流行している。若者は毛髪の天然色をより流行のものに変えたいと望み、一方高齢者は染色組成物を白髪を隠すためにも使用する。メラニン生成は、人々が年を取るに伴って減速し、時間と共に益々白髪が増える。
【0005】
メラニンは、より明るい色合いを与える化学処理によっても意図的に変更することができる。明色化は通常はアルカリ溶液である酸化組成物でメラニン色素を酸化することで達成される。この酸化組成物(漂白剤)は、通常は過酸化水素である酸化剤を含む。他の好適な酸化剤には、過ホウ酸、過炭酸、過硫酸及びペルカルバミドのカリウム塩、ナトリウム塩並びにアンモニウム塩が挙げられる。
【0006】
漂白剤は酸化的染色処理中にも使用できる。酸化的(又は「パーマ」)染料組成物は、毛髪中に分散することのできる小さな分子である「前駆体染料」を含む。これらの分子は主に3種の芳香族化合物:ジアミン類、アミノフェノール類及びフェノール類に属する。それらは毛幹に拡散するのに十分なほど小さく、過酸化水素のような酸化剤によって活性化されると、それらはさらに他の前駆体と反応し、より大きな着色された錯体を形成する。酸化的毛髪染料組成物は一般的に、染料前駆体及び過酸化物源に加えて、種々の追加の化粧品及び過酸化物安定化剤を含む。
【0007】
酸化剤は、pHの全範囲において酸化的染料前駆体を活性化することができる。しかしながら、酸化溶液のpHを調節できる毛髪膨張剤(HSA)の使用を通して染色酸化を強化し得ることは既知である。このようなHSAは、毛髪繊維を膨張させて過酸化物及び染色剤の毛髪への拡散を助け、より早くより完全な染料酸化と毛髪染色を可能にすることによって、酸化及び染色方法をさらに向上させる。過酸化物毛髪酸化組成物のpHを調節するのに好ましい毛髪膨張剤は、アンモニア(水酸化アンモニウム)又はモノエタノールアミン(MEA)を含有する水性アルカリ溶液である。
【0008】
低濃度のキレート剤が、様々な酸化組成物における安定剤又は防腐剤として日常的に使用される。例えば、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)は、安定剤として過酸化水素溶液中で一般的に使用され、さもなければ非常に迅速に分解し、長時間にわたって保存することができない。酸化組成物の0.1重量%という低い量が、通常は該酸化組成物中に含有される酸化剤を安定化するのに使用される。
【0009】
漂白(脱着色)のような毛髪の酸化的処理及び酸化的染色は、良好な結果を与え、非常に一般的に使用される。しかしながら、それらに欠点がないわけではない。漂白及び酸化的染色に使用される酸化剤は、毛髪に若干の損傷を与える。毛髪繊維に起きるこの損傷の機構は、完全には理解されていない。しかしながら、ケラチン鎖を結合するジスルフィド結合のいくつかは、酸化組成物の存在下で壊れることが知られている。酸化的処理を繰り返すと、輝きと艶がほとんどない、弱く、脆い毛髪となる。ここ数年にわたって、この問題を解決するように多大な努力がなされ、様々な解決策が提案されている。
【0010】
米国特許第4,138,478号には、「発生期の酸素」による損傷を受ける毛髪を保護するため水溶性3−アミノ−1−ヒドロキシプロパン−1,1−ジホスホン酸化合物を使用することによって漂白及び染色中の毛髪への損傷の削減を行う薬剤が開示されている。この特許によると、「ジホスホン酸化合物は実質的に毛髪によって吸収され、共に存在するか若しくは実質的に加えられる発生期の酸素による毛髪の劣化を阻害するのに役立つ」。ヒドロキシエタン−1,1ジホスホン酸(HEDP)及びエチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸(EDTMP)のような他の保護化合物は、低濃度で米国特許第3,202,579号及び米国特許第3,542,918号に開示されている。
【0011】
今日、多くの染色組成物又は脱色組成物は、漂白組成物又は漂白組成物を濯いだあとで毛髪に提供するコンディショナーと共に販売される。コンディショニング剤の例は、シリコーン類、カチオン性界面活性剤及びカチオン性ポリマーである。コンディショナーは毛髪を当初の状態に戻しはしないが、コンディショニング剤の保護層にて損傷を隠し、これは毛髪の感触を改善する結果となる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
驚くべきことに、ホスホン酸部を有するキレート剤が、漂白又は酸化的染色のような酸化的処理中又は酸化的処理後の毛髪上にてコンディショニング剤(又は「コンディショナー」)の沈着を実質的に増加し、結果として毛髪の感触の向上がより長く続くことが判った。この目的において、キレート剤が酸化組成物と同時に、若しくは処理前に毛髪に適用され得ることが判った。キレート剤、コンディショニング剤及び酸化組成物は、好ましくは同時に適用される。
【0013】
理論に束縛されないが、コンディショニング剤の沈着の機構は2つあると考えられている。第一に、ホスホン酸型キレート剤が、鉄、マンガン及び銅のような周囲からの及び固有の重金属イオンを非常に効果的に捕捉すると考えられる。キレート剤の存在がないと、このような重金属イオンは過酸化水素と反応し、ケラチンのジスルフィド結合を破壊することで毛髪の構造を弱くするフリーラジカルを形成すると考えられている。さらに、シリコーン類のような非−カチオン性コンディショナーは、損傷を受けた毛髪により非効率に沈着するため、キレート剤が酸化的毛髪の損傷を削減することにより、コンディショナーの沈着効率を、実質的に増加させると考えられている。
【0014】
第二に、1888年にホフマイスター(Hofmeister)は、水中のタンパク質の溶解性を向上する又は減少させる能力によってイオンを分類化した(ホフマイスター又はリオトロピックシリーズとして知られている)。ホスフェートは、特にタンパク質を沈殿するのに良好であるのが分かっており、理論に束縛されないが、出願人はホスホン酸塩キレート剤が同じ組成物に使用される際、同様の方法でコンディショニング剤と相互作用し、その結果、沈着が増加すると考えている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、毛髪を処理するのに好適な組成物を指向し、
a)酸化剤、
b)特に不揮発性シリコーン及びアミノ官能基化シリコーン類であるシリコーン物質、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー類、アルコキシル化アミン類及びこれらの混合物から選択されるコンディショニング剤、及び
c)ホスホン酸型キレート剤、これらの塩、これらの誘導体、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤、
を質量単位で含む。
【0016】
本発明は、毛髪が上述の定義による組成物と接触する工程を含む毛髪の処理方法も指向する。
本発明は、次の工程を含む毛髪の処理方法も指向する。
【0017】
i)毛髪と以下を含む第一組成物の接触:
a)特に不揮発性シリコーン及びアミノ官能基化シリコーン類であるシリコーン物質、カチオン性ポリマー類、アルコキシル化アミン類及びこれらの混合物から選択されるコンディショニング剤、及び;
b)ホスホン酸型キレート剤、これらの塩、これらの誘導体、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤;
ii)任意選択的に、該第一の組成物を毛髪から濯ぎ落とす;
iii)工程i)又はii)の直後に、毛髪と酸化剤を含む第二の組成物との接触。
【0018】
本発明は、次の工程を含む毛髪の処理方法も指向する。
i)毛髪と酸化剤及びホスホン酸型キレート剤、これらの塩、これらの誘導体、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤を含む第一組成物との接触;
ii)任意選択的に、該第一の組成物を毛髪から濯ぎ落とす;
iii)工程i)又はii)のすぐ後に、毛髪と特に不揮発性シリコーン及びアミノ官能基化シリコーン類であるシリコーン物質、カチオン性ポリマー類、アルコキシル化アミン類及びこれらの混合物から選択されるコンディショニング剤を含む第二の組成物との接触。
【0019】
本発明はさらに、これらの方法にしたがって毛髪を処理するのに適用されるキットを指向する。
【0020】
本発明のこれらの特徴及び他の特徴、態様及び利点は、本発明の開示を読むことによって当業者に明らかとなる。
【発明を実施するための最良の方法】
【0021】
本発明を特に指摘し、そして明確に特許請求している特許請求の範囲をもって本明細書は結論づけられるが、本発明は以下の説明からより良く理解されると考えられる。
【0022】
本明細書で使用する時、用語、処理される「毛髪」は「生きている」、すなわち生体、又は「生きていない」、すなわちかつら、ヘアピース又は他の非生体ケラチン性の繊維の集合体であってもよい。哺乳類、好ましくはヒトの毛髪が好ましい。しかしながら、羊毛、毛皮及び他のケラチン含有繊維が本発明による組成物には好適な基材である。
【0023】
本明細書で使用する時、用語「酸化組成物」は、過酸化水素、過ホウ酸、過炭酸、過硫酸、ペルカルバミドのナトリウム、カリウム、アンモニウム又は他の塩のような、毛髪に使用するのに好適な少なくとも1つの酸化剤を含む組成物を意味する。このような組成物の非限定的な例は、酸化的染料組成物及び漂白組成物である。
【0024】
本明細書で使用する時、用語「毛髪の酸化的処理」又は「少なくとも1つの酸化的工程を含む毛髪の処理」は、毛髪と少なくとも1つの酸化組成物とが接触する少なくとも1つの工程を含む毛髪の全処理を包含するのを指向する点で、幅広い意味に使用される。ヒトの毛髪における酸化的処理の好ましい例は、漂白、染色、又はパーマである。
【0025】
本明細書で使用する時、「直(すぐ)」は、約1時間以内、好ましくは約30分以内、より好ましくは約15分以内を意味する。
【0026】
百分率は全て、特に指定がない限り総組成物に対する重量による。2つ以上の組成物が処理中に使用される際、予想される全重量は、特に記述がない限り毛髪に同時に適用される組成物の全重量(つまり、頭部で見られる重量)である。比率は全て、特に異なる記述がない限り、重量比である。
【0027】
引用された参照文献はいずれも、全ての内容が参考として本明細書に組み入れられている。いずれの参照文献の引用も、特許請求されている本発明に対し、先行技術と同じ利用可能性であると見なすいずれの決定も容認するものではない。
【0028】
(キレート剤)
用語「キレート剤」(又は「キレート化剤」又は「金属イオン封鎖剤」)は当該技術分野において周知であり、それぞれに金属イオンとキレートを形成することのできる分子又は異なる分子の混合物を指す。キレート剤が、化合物(キレート剤)を2点以上で金属イオンに配位する無機錯体であるため、金属を含む元素の環が存在する。キレート剤が金属イオンと配位結合を形成する2つ以上の電子供与原子を含有する。
【0029】
キレート剤は当該技術分野において周知であり、それらの非包括的なリストは、AEマーテル&RMスミス(AE Martell & RM Smith)の臨界安定度定数(Critical Stability Constants)第1巻、ニューヨーク&ロンドン(New York & London)(1974年)、プレナム出版(Plenum Press)、及びAEマーテル&RDハンコック(AE Martell & RD Hancock)の水溶液中の金属錯体(Metal Complexes in Aqueous Solution)、ニューヨーク&ロンドン(New York & London)(1996年)、プレナム出版(Plenum Press)に見出される。
【0030】
キレート剤に関しては、用語「これらの塩及び誘導体」は、参照しているキレート剤と同じ官能構造(同じ化学主鎖)を含み、同様の又はより優れたキレート化特性を有する全ての塩及び誘導体を意味する。これらの用語には、酸性部分を有するキレート剤のアルカリ金属、アルカリ土類、アンモニウム、置換アンモニウム塩(例えば、モノエタノールアンモニウム、ジエタノールアンモニウム、トリエタノールアンモニウム)、エステル類、及びこれらの混合物、特に全てのナトリウム、カリウム又はアンモニウム塩が挙げられる。用語「誘導体」は、また「キレート界面活性剤」化合物(これらは同様のキレート機能を維持しながら、界面活性剤部分を有するように変性されたキレート剤であって、変性エチレンジアミントリ酢酸の例としては、「N−アシル−N,N’,N’−エチレンジアミントリ酢酸」があり、米国特許第5284972号を参照のこと)を包含する。用語「誘導体」には、また親キレート剤と同じ官能構造を有する1つ以上のキレート化剤を含む大きな分子も挙げられる。これらの大きな分子の例としては、次の構造式に従う単位ブロックからなるポリマーEDDS(エチレンジアミンジコハク酸)を含み、
【0031】
【化1】
ケレット(Kellett)等の米国特許第5,747,440号に開示されている。このモデルに基づき、後述するホスホン酸型キレート剤の官能構造を反復する、「ポリマー」ホスホン酸型キレート剤誘導体は本文献の教示を使用して合成することができる。
【0032】
本発明による組成物は、ホスホン酸型キレート剤、これらの塩、これらの誘導体及びこれらの混合物から選択されるキレート剤を含む。ホスホン酸型キレート剤が、ホスホン酸部分(−PO3H2)又はRがアルキル基又はアリール基であるその誘導体−PO3R2を含むキレート剤として定義される。
【0033】
好適なホスホン酸型キレート剤には、アミノポリホスホン酸及びポリホスホン酸が挙げられる。
好適なホスホン酸及びポリホスホン酸誘導体には、以下の式(I)を有する化合物が挙げられる。
【0034】
【化2】
式(I)中、Xは−OH又は−NH2であって、
R1はアリール基、1〜5個の炭素原子を有する脂肪族基又は以下の基(Ia)であり、
【0035】
【化3】
式(Ia)中、各R2は、独立してH又は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基から選択される。
【0036】
好適なアミノポリホスホン酸及びアミノポリホスホン酸誘導体には、以下の式(II)を有するキレート剤が挙げられる。
【0037】
【化4】
式(II)中、各R1は、独立してH又はC1〜C3アルキルから選択される。
【0038】
本明細書に使用するのに好ましいホスホン酸型キレート剤が、以下の式(III)を有する。
【0039】
【化5】
式(III)中、各Xは、独立して水素又はアルキル基、好ましくは水素又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基から選択され、好ましくは水素であり、各R1は独立して−PO3H2又は以下の式(IIIa)を有する基から選択される。
【0040】
【化6】
本明細書で使用するのに好ましい、式(III)によるキレート剤が、アミノトリ−(1−エチルホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ−(1−エチルホスホン酸)、アミノトリ−(1−プロピルホスホン酸)、アミノトリ−(イソプロピルホスホン酸)及び以下の式(IV)を有するキレート剤であり、
【0041】
【化7】
式(IV)中、各R2は、独立して−PO3H2又は以下の式(IVa)を有する基から選択される。
【0042】
【化8】
本明細書で使用するのに特に好ましい、式(IV)によるキレート剤が、アミノトリ−(メチレンホスホン酸)、エチレン−ジアミン−テトラ−(メチレンホスホン酸)(EDTMP)及びジエチレン−トリアミン−ペンタ−(メチレンホスホン酸)(DTPMP)である。
【0043】
通常キレート剤が、酸化剤及びコンディショニング剤と同時に使用する際に組成物の約0.1重量%を超え、好ましくは0.25重量%を超えて良好な利益を与える。ほとんどのキレート剤において、最良の結果は約0.5重量%を超えて達成される。5%を超える濃度も使用することができるが、このような高濃度を使用するのは規制上及び安全上の理由から、実用的ではない。したがって、好ましい範囲は、約0.5%を超え約5%まで、より好ましくは約1%を超え約4%まで、さらにより好ましくは約2%を超え約4%までである。
【0044】
通常キレート剤は、酸化工程の前に前処理(第一組成物)として使用される際、前処理に使用される該第一組成物(請求項及び本明細書において、「第一組成物」と呼ばれる)の0.1重量%を超え、好ましくは0.25重量%超え、より好ましくは0.5重量%を超え、さらにより好ましくは1重量%を超える濃度で良好な利益を与える。ほとんどのキレート剤において、最も良好な結果は第一組成物の約2重量%の濃度で達成される。
【0045】
コンディショニング剤を、キレート剤及び酸化剤を含む第一組成物の後の後処理として毛髪に適用する際、該キレート剤は好ましくは該第一組成物の0.1重量%を超え、好ましくは0.25重量%を超え、より好ましくは0.5重量%を超え、さらにより好ましくは1重量%を超える濃度で第一組成物中に存在する。5%を超える濃度も使用することができるが、このような高濃度を使用するのは規制上及び安全上の理由から実用的ではない。したがって、好ましい範囲は約2%を超え約5%まで、より好ましくは約2%を超え約4%までである。
【0046】
(コンディショニング剤)
本発明の組成物は、コンディショニング剤を含む組成物を含むか、組み合わせて使用される。本明細書で使用するコンディショニング剤は、特に不揮発性シリコーン及びアミノ官能基化シリコーン類であるシリコーン物質、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー類、アルコキシル化アミン類、及びこれらの混合物から選択される。
【0047】
コンディショニング剤は一般的に、組成物の約0.05重量%〜約20重量%、好ましくは約0.1重量%〜約15重量%、より好ましくは約0.2重量%〜約10重量%、さらにより好ましくは約0.2重量%〜約2重量%の濃度で使用される。特定の組成物に使用する最少濃度は、コンディショニング利益を提供するのに効果的であるべきである。理論に束縛されないが、使用され得る最高濃度は、むしろ実用性に制限される。薬剤の種類(ポリマーコンディショナーが最も多い)に依存して、約10%を超過する濃度で使用するのは一般的に不必要で高価であり、このような高濃度は、毛髪の望ましくない重みの原因となる。
【0048】
酸化剤が適用され、任意選択的に濯がれる直後に後処理として使用される際、後処理組成物におけるコンディショナーの濃度は、上述のものと同様であるが、後処理として適用される組成物の重量に対する濃度である。
【0049】
(シリコーン物質)
本明細書で使用するのに好適なシリコーンコンディショニング剤には、組成物中で混合する不揮発性化合物及び不溶性化合物が挙げられ、エマルションの形態、つまり分離された、通常は懸濁剤で懸濁される分散した非連続相、不溶性液滴の形態とする。この分散されたシリコーンコンディショニング構成成分はシリコーン流体のようなシリコーン流体ヘアコンディショニング剤を含み、毛髪のシリコーン流体の沈着効率を高め又は例えば毛髪の光沢を増加させるシリコーン樹脂のような(特に高い屈折率(例えば約1.46より上)のシリコーンコンディショニング剤を使用した場合(例えば高度にフェニル化されたシリコーン))他の成分を含むこともできる。
【0050】
シリコーンコンディショニング剤相は、不揮発性シリコーン構成成分を含んでよい。通常、揮発性シリコーンが存在するならば、それは、揮発性シリコーンをシリコーンゴム類及び樹脂のような非揮発性シリコーン物質成分を市販されている形態にするための溶媒又はキャリアとして使用することに付随するものである。
【0051】
本明細書で使用するシリコーンコンディショニング剤は、好ましくは25℃において約2.10-5m2/s〜約2m2/s(約20〜約2,000,000センチストークス)、より好ましくは約10-3m2/s〜約1.8m2/s(約1,000〜約1,800,000センチストークス)、さらにより好ましくは約5.10-2m2/s〜約1.5m2/s(約50,000〜約1,500,000センチストークス)、最も好ましくは約10-1m2/s〜約1.5m2/s(約100,000〜約1,500,000センチストークス)の粘度を有する。上記粘度は、ダウ・コーニング・コーポレート試験方法(Dow Corning Corporate Test Method)CTM0004(1970年7月20日)に記載のガラス毛管粘度計によって測定することができる。
【0052】
本明細書に使用さえ得るシリコーン流体の一種には、シリコーン油がある。用語「シリコーン油」は、25℃で1m2/s(1,000,000センチストークス)未満の粘度を有する流動性シリコーン物質を意味する。一般的に流体の粘度は、25℃において約5.10-6m2/s〜1m2/s間(約5〜1,000,000センチストークス間)、好ましくは約10-5m2/s〜約0.1m2/s(約10〜約100,000センチストークス間)である。好適なシリコーン油類は、ポリアルキルシロキサン類、ポリアリールシロキサン類、ポリアルキルアリールシロキサン類、ポリエーテルシロキサンコポリマー類、及びそれらの混合物が挙げられる。ヘアコンディショニング特性を有している他の不溶性、不揮発性シリコーン流体も使用することができる。この中で特に好ましいシリコーン類には、以下の式を有するポリアルキルシロキサン類又はポリアリールシロキサン類が挙げられる。
【0053】
【化9】
式中、Rは脂肪族、好ましくはアルキル又はアルケニル、又はアリールであり、置換又は非置換基であってよく、xは1〜約8,000の整数である。好適な非置換R基としては、アルコキシ、アリールオキシ、アルカリール、アリールアルキル、アリールアルケニル、アルカミノ並びにエーテル置換、ヒドロキシル置換及びハロゲン置換された脂肪族基やアリール基が挙げられる。好適なR基としては、カチオン性アミン類及び四級アンモニウム基も挙げられる。
【0054】
シロキサン鎖上の置換脂肪族基又は置換アリール基は、結果的にシリコーン類が室温で流体のままであり、疎水性で、髪に適用しても刺激性や毒性を示さないか、そうでない場合には有害でなく、組成物のその他の成分と適合性を有し、正常の使用条件及び保管条件下で化学的に安定的であり、組成物中で不溶性であり、さらに髪及び/又は皮膚に沈着してコンディショニングし得る限りにおいて、いかなる構造であってもよい。各モノマーシリコーン単位のシリコーン原子における2つのR基は、同じ基でも別の基でもよい。好ましくは、2つのR基は同一基を示す。
【0055】
好ましいアルキル及びアルケニル置換基はC1〜C5アルキル及びアルケニル、より好ましくはC1〜C4、最も好ましくはC1〜C2のアルキル及びアルケニルである。他のアルキル−、アルケニル−、又はアルキニル−含有基(アルコキシ、アルカリール及びアルカミノなど)の脂肪族部分は、直鎖又は分枝状鎖であることができ、好ましくは1〜5個の炭素原子、より好ましくは1〜4個の炭素原子、さらにより好ましくは1〜3個の炭素原子、最も好ましくは1〜2個の炭素原子を有する。前述したように、このR置換基はまた、アミノ官能基(例えばアルカミノ基)を含有することができ、それは第一級、第二級又は第三級アミン又は第四級アンモニウムであることができる。これらには、モノアルキルアミノ、ジアルキルアミノ及びトリアルキルアミノ並びにアルコキシアミノ基が挙げられ、その際脂肪族部分鎖長は好ましくは上述するものである。R置換基は、また、ハロゲン(例えば塩化物、フッ化物及び臭化物)、ハロゲン化した脂肪族基又はアリール基並びにヒドロキシ(例えばヒドロキシ基で置換した脂肪族基)のような他の基で置換することができる。好適なハロゲン化R基としては、例えば、−R1−C(F)3のようなトリ−ハロゲン化(好ましくフルオロ)アルキル基が挙げられ、式中、R1はC1〜C3アルキルである。そのようなポリシロキサン類の例としては、ポリメチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサンが挙げられる。
【0056】
使用してよい非揮発性ポリアルキルシロキサン流体としては、例えばポリジメチルシロキサン類が挙げられる。これらのシロキサン類は、例えば、ゼネラルエレクトリック社(the General Electric Company)よりビスカシル(Viscasil)R及びSF96シリーズとして、ダウコーニング社(Dow Corning)よりダウコーニング200シリーズとして入手可能である。また、本明細書で使用するのに好適なのは、300nmの粒径を有するダウコーニング(Dow Corning)DC1664(TN)60,000センチストークスポリジメチルシロキサンであって、好ましくは沈着補助剤と組み合わせて使用される。ポリジメチルシリコーンは、ジメチコーン油としても既知である。他の好適なR基には、メチル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びアリールオキシが挙げられる。シリコーンの末端キャップ上の3個のR基も、同一又は異なる基を表すことができる。適切なR基としては、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メチルフェニル及びフェニルメチルが挙げられる。好ましいシリコーン類は、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン及びポリメチルフェニルシロキサンである。ポリジメチルシロキサンは、とりわけ好ましい。
【0057】
使用してよいポリアルキルアリールシロキサン流体としては、例えばポリメチルフェニルシロキサン類がまた挙げられる。これらのシロキサン類は、例えばゼネラルエレクトリック社(General Electric Company)からSF1075メチルフェニル流体として又はダウコーニング社(Dow Corning)から556コ化粧品グレード流体として入手可能である。
【0058】
他の好適なシリコーンコンディショニング剤は、PCT国際公開特許WO98/04237の22〜29頁に開示されており、参考文献として本明細書に組み込まれる。
【0059】
使用してよいポリエーテルシロキサンコポリマー類には、例えば、ポリプロピレンオキシド改質ポリジメチルシロキサン(例えば、ダウコーニング(Dow Corning)DC−1248)が挙げられるが、エチレンオキサイド又はエチレンオキサイドとプロピレンオキサイドの混合物もまた、使用してよい。エチレンオキシド及びポリプロピレンオキシドの濃度は、水及び本明細書の組成物へ溶解性となるのを妨げるように充分低くしなければならない。本明細書で使用してよいアルキルアミノ置換シリコーン類には、以下の式のものが挙げられる。
【0060】
【化10】
式中、x及びyは、分子量によって変わる整数であり、平均分子量は約5,000〜10,000である。このポリマーはまた、「アモジメチコーン」としても知られている。本明細書に使用するのに好適な他のアミノシリコーン類は、ゼネラルエレクトリック社(General Electric Company)からSF1703、SM2115、SM2101及びSM2658の商品名のもとで入手可能である。
【0061】
(カチオン性界面活性剤)
本発明の組成物において有用なカチオン性界面活性剤は、本発明の水性組成物に溶解した場合、正に荷電するアミノ又は第四級アンモニウム親水性部分を含有する。第四級アンモニウム部分及びシリコーン部分を含有するカチオン性界面活性剤もまた採用され得る。それらの中で本明細書において有用なカチオン性界面活性剤は次の文献に開示されており、本明細書に全て組み込まれる:マッカチャン(McCutcheon)の洗剤及び乳化剤(Detergents & Emulsifiers)、M.C.パブリッシング社(M.C.Publishing Co.)(北アメリカ版(North American edition )(1979年);シュワルツ(Schwartz)ら、表面活性剤(Surface Active Agents)、それらの化学及び技術(Their Chemistry and Technology)、(ニューヨーク、インターサイエンス出版(Interscience Publishers)、1949年;米国特許第3,155,591号(ヒルファー(Hilfer)、1964年11月3日発行);米国特許第3,929,678号(ラフリン(Laughlin)ら、1975年12月30年発行);米国特許第3,959,461号(ベイリー(Bailey)ら、1976年5月25日発行);及び米国特許4,387,090号(ボリッチ ジュニア(Bolich,Jr)、1983年6月7日発行)。
【0062】
第四級アンモニウム含有カチオン性界面活性剤の中で、本明細書で有用な物質は次の一般式のようなものである。
【0063】
【化11】
式中、R1〜R4は、独立して炭素数約1〜約22個の脂肪族基、アリール、又は、アルコキシ基、ポリオキシアルキレン基、アルキルアミド基、ヒドロキシアルキル基、又は炭素数約1〜約22個のアルキルアリール基であり、Xは、ハロゲン(特に塩素)、アセテート基、ホスフェート基、ニトレート基、及びアルキルスルフェート基(好ましくはC1〜C3アルキル)より選択される陰イオンである。脂肪族基は、炭素原子及び水素原子に加えて、エーテル結合、並びにアミノ基のような他の基を含有していてもよい。さらに長鎖の脂肪族基類、例えば炭素数約12以上のものは、飽和であっても不飽和であってもよい。
【0064】
第四級アンモニウム塩はジアルキルジメチル−アンモニウムクロリドを含み、ここでアルキル基は約12〜約22個の炭素原子を有し、水素添加したタロー脂肪酸のような長鎖脂肪酸から誘導される(タロー脂肪酸は、R1及びR2が主に16〜18個の炭素原子を有する第四級化合物を生じる)。他のカチオン性界面活性剤には、R1〜R4基の少なくとも1つがアルコキシ(好ましくはC1〜C3アルコキシ)、ポリオキシアルキレン(好ましくはC1〜C3ポリオキシアルキレン)、アルキルアミド、ヒドロキシアルキル、アルキルエステル、及びこれらの組み合わせから選択される1つ以上の親水性部分を含有するものが挙げられる。任意選択的に、カチオン性コンディショニング界面活性剤は、R1〜R4基中に2〜約10個のノニオン性親水性部分を含有する。本明細書の目的において、各親水性アミド、アルコキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルエステル、アルキルアミド又は他の単位は明瞭な非イオン性親水性部分であると考えられる。
【0065】
本明細書において有用な他のカチオン性界面活性剤は、PCT国際公開特許WO96/32919に開示されており、参考文献として本明細書に組み込まれる。
【0066】
(カチオン性ポリマー類)
好適なカチオン性ポリマー類はPCT国際公開特許WO96/32919の17〜21頁に開示されており、参考文献として本明細書に組み込まれる。本明細書で使用するのに好適なカチオン性多糖類ポリマー物質の例としては、以下の式のものが挙げられる。
【0067】
【化12】
式中、
Aはデンプン又はセルロース無水グルコース残基のような無水グルコース残基であって、
Rはアルキレン、オキシアルキレン、ポリオキシアルキレン、又はヒドロキシアルキレン基又はこれらの組み合わせであり、
R1、R2、及びR3は独立してアルキル、アリール、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルコキシアルキル、又はアルコキシアリール基であって、各基は18個までの炭素原子を含有し、各カチオン部分における炭素原子の総数(つまり、R1、R2及びR3における炭素原子の合計)は好ましくは約20以下であり、及び
Xは先に記述したように、アニオン性対イオンである。
【0068】
カチオン性セルロースはアメルコール社(Amerchol Corp.)(米国、ニュージャージー州、エディソン)からポリマー(Polymer)JRTN、LRTN、KGTN及びLKTNシリーズのポリマーで、トリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩として入手可能であり、これは当業界(CTFA)ではポリクアテルニウム10と称される。別のタイプのカチオン性セルロースとしては、ヒドロキシエチルセルロースとラウリルジメチルアンモニウム置換エポキシドを反応させたポリマー第四級アンモニウム塩類、業界(CTFA)ではポリクアテルニウム(Polyquaternium)24と呼ばれるものが挙げられる。これらの物質はアメルコール社(Amerchol Corp.)(米国、ニュージャージー州、エディソン)から商品名ポリマーLM−200(又はクアトリソフト(Quatrisoft))として入手可能である。
【0069】
(アルコキシル化アミン類)
アルコキシル化アミン類は、以下の式に従うコンディショニング剤である。
【0070】
【化13】
式中、Rは、好ましくは8〜30個の炭素原子を有するアルキルであって、x及びyは、好ましくはx+yが1〜100、より好ましくは50、さらにより好ましくは1〜20の間となる整数である。
【0071】
(酸化剤)
本発明による組成物は、少なくとも1つの酸化剤を含む組成物を含むか、又は少なくとも1つの酸化剤を含む組成物と組み合わされて使用される。本明細書での使用に好ましい酸化剤は、水溶性の過酸素酸化剤である。本明細書で定義される「水溶性」とは、標準的な条件において、少なくとも0.1g、好ましくは1g、より好ましくは10gの前記酸化剤が、1リットルの脱イオン水に溶解できることを意味する。酸化剤はメラニンの初期可溶化及び脱着色化(漂白)において有益であり、毛幹における酸化的染料前駆体(酸化的染色)の重合を促進する。
【0072】
好ましい水溶性酸化剤は、水溶液において過酸化水素を産出できる無機過酸素物質である。水溶性過酸素酸化剤は当業者には周知であり、過酸化水素、無機アルカリ金属過酸化物、例えば、過ヨウ素酸ナトリウム、過酸化ナトリウム、及び過酸化尿素、過酸化メラニンのような有機過酸化物、並びに過ホウ酸、過炭酸、過リン酸、過ケイ酸、過硫酸などのアルカリ金属塩等の無機過水和塩漂白化合物が挙げられる。これらの無機過水和塩は、一水塩、四水塩などとして組み込まれてもよい。所望であれば、2つ以上のかかる酸化剤の混合物を使用することができる。本発明による組成物の使用に好ましいのは過酸化水素である。
【0073】
従来の染色及び漂白組成物において、過酸素酸化剤の濃度は、通常約0.1重量%〜約7重量%である。濃度が高くなると、効果の点では良好な結果を与えるが、毛髪の損傷増加のために現在まで実用的でなかった。本発明によって提供される酸化的損傷保護は、今では、酸化組成物中において40%までの濃度の過酸化水素のような酸化剤を使用することを可能にする。しかしながら安全性の理由により、12%を超える濃度は、ヒトに使用される前に入念に検査されるべきである。好ましくは、酸化組成物中の酸化剤の濃度は約0.5重量%〜約20重量%、より好ましくは約1重量%〜約15重量%である。本発明による組成物は、約7%を超える濃度(典型的には約12%)で良好な白髪被覆、鮮やかな色及び許容可能な損傷を提供する。
【0074】
(追加的な構成成分)
さらに、本発明の組成物は錯体組成物であってよいことも意図し、これはキレート剤及び酸化剤に加えて活性成分であっても又は活性成分でなくてもよい他の構成成分を含むこと意図する。これには、緩衝剤、酸化的染料前駆体のような毛髪染色剤、非酸化的染料、増粘剤、溶媒、酵素、アニオン性、非イオン性、両性及びカチオン性界面活性剤、キャリア、酸化防止剤、安定剤、パーマ活性物質、香料、毛髪膨張剤及び/又はポリマー類が限定はされないが挙げられる。追加的な構成成分のいくつかは以下で詳述される。
【0075】
最終的に、本発明による組成物は、例えば水性組成物、パウダー、ゲル又は水中油型エマルションのようないずれかの通常形態で提供され得る。本発明による組成物において好ましい媒体は、塩耐性増粘剤又は水中油型エマルションを含む濃厚化水溶液である。
【0076】
(pH緩衝剤)
本発明による組成物は、好ましくはpH緩衝剤をさらに含む。組成物のpHは好ましくは約8〜約12、より好ましくは約9〜約11、さらにより好ましくは約9.5〜約10.5である。好適な緩衝剤は当該技術分野において周知であり、例えば、アンモニア/酢酸アンモニウムの混合物及びモノエタノールアミン(MEA)が挙げられる。
【0077】
(酸化的毛髪染料前駆体)
これらの化合物は当該分野において周知であり、芳香族ジアミン類、アミノフェノール類及びそれらの誘導体が挙げられる。(代表例ではあるが全てを網羅してはいない酸化的染料前駆体の列挙は、サガリン(Sagarin)の「化粧品化学及び技術(Cosmetic Science and Technology)」インターサイエンス特別版(Interscience,Special Edn.)第2巻、308〜310頁において見出すことができる。前駆体はカップラーと共に使用され得る。カップラーは、一般的に活性化前駆体の存在下で色を形成することのできる無色の分子である。
【0078】
前駆体及びカップラーの選択は、所望の着色の色合い、明度及び彩度によって決定される。前駆体及びカップラーは本明細書で使用することができ、単一又は組み合わせて、アッシュブロンド〜黒までの種々の色合い範囲を有する染料を提供する。
【0079】
毛髪染料組成物は一般的に、約0.001%〜約10%、好ましくは約0.1%〜約2%の酸化的染料前駆体及びカップラーを含む。
【0080】
(増粘剤)
本発明の組成物は、任意選択的に少なくとも約0.1%の増粘剤をさらに含む。増粘剤は好ましくは、滴ること無しに毛髪に容易に適用できる組成物を提供するために、26℃において約1Pa・s〜10Pa・s(1,000〜10,000cP)の粘度を有する組成物を提供するのに十分な量で含まれる。
【0081】
本明細書で使用するのに好ましいのは、塩耐性増粘剤である。塩耐性増粘剤は、3.8%DTPMP(四ナトリウム塩)及び1.95%NH3からなる水溶性組成物の粘度を、2重量%の濃度で組み込み、26.7℃で測定した際に少なくとも1Pa・s(1,000cP)まで増加する化合物として本明細書で機能的に定義される。粘度はブルックフィールド(Brookfield)粘度計DVIIで、10Pa・s(10,000cP)未満の試料にはスピンドルS41及び10Pa・s(10,000cP)を超過する試料にはスピンドルS52(ブルックフィールド(Brookfield)から入手可能)を使用して、1回転/分の速度及び2ml(S41スピンドル)又は0.5ml(S52スピンドル)のサンプルサイズで測定され得る。
【0082】
本明細書で使用する好適な塩耐性増粘剤の非排他的な列挙には、キサンタン、グアー、ヒドロキシプロピルグアー、スクレログルカン、メチルセルロース、エチルセルロース(アクアコート(Aquacote)(登録商標)として市販される)、ヒドロキシエチルセルロース(ナトロソール(Natrosol)(登録商標))、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース(クルセル(Klucel)(登録商標))、ヒドロキシエチルエチルセルロース、セチルヒドロキシエチルセルロース(ナトロソール(Natrosol)(登録商標)プラス330)、N−ビニルピロリドン(ポピドン(Povidone)(登録商標))、アクリレート類/セテス−20イタコン酸コポリマー(ストラクチャー(Structure)(登録商標)3001)、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート(ストラクチャー(Structure)(登録商標)ZEA)、ポリエトキシ化ウレタン類又はポリカルバミルポリグリコールエステル(例えば、PEG−150/デシル/SMDIコポリマー=アクリン(Aculyn)(登録商標)44、PEG−150/ステアリル/SMDIコポリマー=アクリン46(登録商標))、トリヒドロキシステアリン(チキシン(Thixcin)(登録商標))アクリレート類コポリマー(例えば、アクリン(Aculyn)(登録商標)33)又は疎水変性アクリレートコポリマー類(例えば、アクリレート類/ステアレス−20メタクリレートコポリマー=アクリン(Aculyn)(登録商標)22)が挙げられる。
【0083】
脂肪族アルコールは増粘特性を有し、本発明の組成物に使用することができる。しかしながら、脂肪族アルコールは上述の定義により非塩耐性増粘剤ではない。2%セチルアルコール及びステアリルアルコールの混合物は、例えば、26℃でブルックフィールド(Brookfield)粘度計を用い、上に開示した条件で測定した際に0.7Pa・s(700cP)未満の粘度を有する。
【実施例】
【0084】
以下の実施例は、本発明による酸化的染料組成物を説明する。本明細書に記載する実施例及び実施態様は、例示することのみが目的であり、これらを考慮すればその変更又は変形が、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には予想されるであろうと考える。
【0085】
【表1】
【0086】
【表2】
上述の組成物は、損傷を減少させ、且つコンディショナーの沈着を向上させる毛髪の染色に有用である。酸化的染料前駆体及びカップラー(上述の例においては、パラ−アミノフェノール、メタ−アミノフェノール及びレゾシノール)を含まない同様の組成物は、毛髪の漂白(明色化)に使用され得る。
【0087】
酸化的毛髪染料組成物は通常、別々の容器中に、酸化的染料前駆体(及び通常毛髪膨張剤)を含む染料構成成分(エマルションについては「染料クリーム」又は溶液については「染料液体」とも呼ばれる)、及び酸化剤(通常過酸化水素)を含む過酸化水素構成成分(エマルションについては「過酸化水素クリーム」又は溶液については「過酸化水素溶液」とも呼ばれる)を含むキットで販売されている。消費者は該構成成分と過酸化水素構成成分を使用直前に混合する。上述の表の実施例は、得られた混合物を説明する。
【0088】
同様に、漂白組成物は通常、2つ又は3つの別々の容器を含むキットとして販売されている。第一の容器には毛髪膨張剤(例えばアンモニア)が含有され、第二の容器には酸化剤、第三の容器(任意)には第二の酸化剤(例えば、過硫酸、過炭酸、過ホウ酸のアルカリ又はアンモニウム塩)を含有する。漂白組成物は、使用直前に上述の組成物を混合することで得られる。
【0089】
これらのキットは当該技術分野で周知であり、各容器中の組成物は標準的な手法を利用して製造され得、これらには、
水中油型工程
転相工程
ワンポット工程
が挙げられる。
【0090】
キレート剤を通常、周囲温度における作成工程の開始時に水にある割合で加え、溶解する。次に、脂肪酸構成成分を加え、混合物を上述に既説した手順で通常通り加工する。例えば、ワンポット工程において、ポリマー類及びキレート剤を水中で前溶解し、次に脂肪族物質を加え、全体を約70〜80℃に熱する。
【0091】
エマルションの場合、最終構造製品を形成するために制御冷却工程及び任意の剪断工程が続く。アンモニアの添加及びpH調節で、染料クリームの作成工程を完了する。
【0092】
アクリレートポリマーを含む液体溶液の場合、これらは過酸化水素構成成分中に配合する。グリコール溶媒及び脂肪族構成成分は、染料構成成分中に配合する。染料と過酸化水素構成成分とを組成物の使用前に混合する際に、構造製品は形成されるが、ポリマーアクリル酸基の脱プロトン化によってポリマーマイクロゲルを産出する。2部の混合によってゲルを形成する、毛髪の着色におけるこれらの2部の水性組成物の製造の更なる詳述は、カスパーソン(Casperson)らの米国特許第5,376,146号及びコーエン(Cohen)らの米国特許第5,393,305号に見出すことができる。
【0093】
本発明の組成物は、増粘剤として(アクリン(Aculyn)(登録商標)46のような)ポリエーテルポリウレタンを含む2部水性組成物としても配合でき、カスパーソン(Casperson)らの米国特許6,156,076号及びジョーンズ(Jones)の米国特許6,106,578号に記載されている。
【0094】
異なる容器の組成物が使用前に混合され、得られた混合物が請求されるキレート剤及びコンディショニング剤を含む際、キレート剤及びコンディショニング剤がこれらの容器にどのように分配されるかに優先傾向はない。明らかに第二級アミンキレート剤のような過酸化水素(又は使用されるいずれかの酸化剤)によって変更され得るキレート剤は、しかしながら染料構成成分中で配合されるべきである。しかしながら過酸化水素成分は、好ましくは、過酸化水素を安定化するために安定したキレート剤を少なくとも約0.1%含む。この安定剤(ホスホネートキレート剤である必要はない)は、過酸化水素が早過ぎる分解をすることを防ぐために必要がある。例えば、EDTAは安定剤として過酸化水素構成成分中で使用され得る。
【0095】
(使用方法)
本明細書に記載する使用方法の実施例及び実施態様は、例示することのみが目的であり、これらを考慮すればその変更又は変形が、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者には予想されるであろうと考えられる。
【0096】
(前処理無し)
本発明のキレート剤は、好ましくは、毛髪で適用される酸化組成物中で直接配合される(例えば、酸化的染料組成物又は漂白剤)。
【0097】
(酸化的染料)
酸化的染料組成物は通常、少なくとも2つの別々の容器を含むキットとして販売され、1つは好適なキャリア中に毛髪膨張剤(例えばアンモニア)と共に酸化的染料前駆体を含み、他は好適なキャリア(例えば過酸化水素クリーム又は液体)中の酸化剤を含む。消費者は、使用直前に両方の組成物を混合して酸化的染料組成物を調製し、それを毛髪に適用する。混合物を数分作用させた後(毛髪全体への均一な適用を確実とするため)、酸化的染料組成物は染色が行われるのに十分な量で毛髪に残しておく(通常約30分)。次に、消費者は彼/彼女の毛髪を水道水で完全に濯いで乾燥させる。毛髪は元の色から所望の色まで変化するのを観察する。
【0098】
このコンディショニング剤も第三容器に部分的又は全体的に収納されてよい。この場合、全3つの組成物は使用直前に混合され共に適用されるか、第三容器の内容は、他の容器の混合物から酸化的染料組成物が生じた直後の後処理として(任意の濯ぎ工程と共に)適用され得る。
【0099】
(漂白組成物)
漂白組成物は通常、2つ又は3つの別々の容器を含むキットとして販売されている。第一の容器には毛髪膨張剤(例えばアンモニア)が含有され、第二の容器には酸化剤、第三の容器(任意)には第二の酸化剤(過硫酸、過炭酸、過ホウ酸のアルカリ又はアンモニウム塩)を含有する。消費者は、全組成物を混合することで使用直前に漂白組成物を調製し、漂白が行われるのに十分な時間量(通常約30分)で毛髪にその混合物(酸化的染料組成物)を適用する。
【0100】
コンディショニング剤は、付加的な第三又は第四の容器に部分的又は全体的に収納されることもできる。この場合、全組成物を使用直前に混合することができ、又は付加的な容器の内容は、他の容器の混合物から酸化染料組成物が生じた直後の後処理として(選択的に濯ぎ準備工程と共に)適用され得る。
【0101】
(前処理有り)
キレート剤及びコンディショナーも前処理として毛髪に適用することができる。前処理組成物(「第一組成物」)は酸化組成物(「第二組成物」)の直前又は長時間後に適用される。
【0102】
(酸化組成物の直前の前処理)
前処理が毛髪に適用され、その直後に酸化組成物が続く際、該前処理組成物は酸化組成物の適用前に毛髪から濯ぐことができるが、好ましくは酸化組成物の適用中毛髪に保持され、生成する混合物は酸化工程の後に濯がれる。第一組成物(前処理)用の1つの容器及び第二組成物(酸化組成物)用の1つ又は2つ以上の容器を含むキットは、この方法に有利に使用され得る。この第二組成物が、2つ以上の容器の中身(例えば酸化的毛髪染料組成物又は漂白組成物)を混合することで、使用直前に調製される場合、第二組成物には2つ以上の容器が必要とされ得る。キットは、第三工程、任意選択的にそれに続く濯ぎ工程において、第二組成物から独立して適用されるコンディショニング剤を含む組成物の付加的な容器も含むことができる。
【0103】
前処理にキレート剤及びコンディショニング剤を含む際、コンディショニング剤は、特に不揮発性シリコーン及びアミノ官能基化シリコーン類であるシリコーン物質、カチオン性ポリマー類、アルコキシル化アミン類及びこれらの混合物から選択される。
【0104】
(色ケア)
前処理は、直前を除く2つの酸化的処理間のいつでも「色ケア」処理行うことができる。この2つの酸化的処理は好ましくは少なくとも1日空けて、より好ましくは少なくとも1週間空ける。酸化的毛髪染料処理は、一般的には約1ヶ月毎に及び目立ってきたら繰り返し、毛髪を通常は各酸化的処理の直後に水で濯ぐ。「色ケア」処理は、これらの2つの酸化的処理間での実用的な回数で繰り返すことができ、1回又は2回以上であり得る。
Claims (16)
- 毛髪を処理するのに好適な組成物であって:
a)酸化剤;
b)特に不揮発性シリコーン類及びアミノ官能基化シリコーン類であるシリコーン物質、カチオン性界面活性剤、カチオン性ポリマー類、アルコキシル化アミン類及びこれらの混合物から選択されるコンディショニング剤;
を含み、前記組成物がさらに、
c)ホスホン酸型キレート剤、これらの塩、これらの誘導体、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤
を含むことを特徴とする組成物。 - 前記キレート剤が、以下の式(I)〜(III)によるキレート剤から選択される請求項1に記載の組成物:
式(I):
式(Ia)中R2は、独立してH又は1〜5個の炭素原子を有するアルキル基から選択され;
式(II):
式(II)中各R1は、独立してH又はC1〜C3アルキルから選択され;
式(III):
式(III)中各Xは、独立して水素又はアルキル基、好ましくは水素又は1〜4個の炭素原子を有するアルキル基から選択され、好ましくは水素であり;各R1は独立して−PO3H2又は以下の式(IIIa)を有する基から選択され:
これらの塩、これらの誘導体及びこれらの混合物。 - 前記キレート剤が、アミノトリ−(1−エチルホスホン酸)、エチレン−ジアミンテトラ−(1−エチルホスホン酸)、アミノトリ−(1−プロピルホスホン酸)、アミノトリ−(イソプロピル−ホスホン酸)、これらの塩、これらの誘導体及びこれらの混合物から選択される請求項2に記載の組成物。
- 前記キレート剤が、アミノトリ−(メチレンホスホン酸)、エチレン−ジアミノテトラ−(メチレンホスホン酸)(EDTMP)、ジエチレン−トリアミン−ペンタ−(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、これらの塩、これらの誘導体及びこれらの混合物から選択される請求項4に記載の組成物。
- pHが8を超過し、好ましくは8〜12、より好ましくは9〜11.5、さらにより好ましくは9.5〜11である請求項1〜5のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記組成物が水中油型エマルション又は濃厚化水溶液の形態である請求項1〜6のいずれか1項に記載の組成物。
- 塩耐性増粘剤をさらに含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の組成物であって、前記耐性増粘剤が、好ましくはキサンタン、グアー、ヒドロキシプロピルグアー、スクレログルカン、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、セチルヒドロキシエチルセルロース、N−ビニルピロリドン、アクリレート類/セテス−20イタコン酸コポリマー、ヒドロキシプロピルデンプンホスフェート、ポリエトキシレート化ウレタン類又はポリカルバミルポリグリコールエステル、トリヒドロキシステアリン、アクリレート類コポリマー又は疎水変性アクリレートコポリマー類及びこれらの混合物から選択される組成物。
- さらに少なくとも1つの酸化的毛髪染料前駆体を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物。
- 前記コンディショニング剤がシリコーン物質から選択される請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
- 毛髪と、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物との接触工程を含む毛髪の処理方法。
- 毛髪の処理方法であって、次の工程:
i)毛髪と、以下を含む第一組成物との接触:
a)特に不揮発性シリコーン及びアミノ官能化シリコーン類であるシリコーン物質、カチオン性ポリマー類、アルコキシル化アミン類及びこれらの混合物から選択されるコンディショニング剤及び;
b)ホスホン酸型キレート剤、これらの塩、これらの誘導体、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤;
ii)工程i)の直後の毛髪と、酸化剤を含む第二組成物との接触
を含む毛髪の処理方法。 - 前記第二組成物が、さらに酸化的毛髪染料前駆体を含む請求項12に記載の方法。
- 毛髪の処理方法であって、次の工程:
i)毛髪と、酸化剤を含む第一組成物との接触;
ii)毛髪と、コンディショニング剤及びホスホン酸型キレート剤、これらの塩、これらの誘導体、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤を含む第二組成物との接触;及び、
iii)毛髪と、酸化剤を含む第三組成物との接触;
を含み、工程i)及びii)は少なくとも1日空けること、及び工程ii)は工程iii)の直前に行われないことを特徴とする毛髪の処理方法。 - 毛髪の処理方法であって、次の工程:
i)毛髪と、ホスホン酸型キレート剤、これらの塩、これらの誘導体、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤を含む第一組成物との接触;
ii)工程i)の直後の、毛髪と、酸化剤を含む第二組成物との接触;
iii)工程iii)の直後の、毛髪と、コンディショニング剤を含む第三組成物との接触
を含む毛髪の処理方法。 - 異なる容器に収納された第一及び第二組成物を含む毛髪染色用のキットであって、前記第一組成物が酸化剤を含み、前記第二組成物が酸化的染料前駆体を含み、前記第一及び第二組成物から生成する混合物が請求項9に記載の組成物であることを特徴とするキット。
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