JP2004524032A - 組み合わせオリゴマーならびにそれらの調製のためのライブラリーに適する、方法、キット、および組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、組み合わせオリゴマーの分野に関し、テンプレートの非存在下での組み合わせオリゴマーのブロック合成、ならびに関連する方法、キット、ライブラリーおよび他の組成物を含む。本発明の組み合わせオリゴマーは、第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックを含み、これらのブロックは、各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーであり、ここで、第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックは、少なくとも3原子長のリンカーによって互いに共有結合しており、そして第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックは、該ポリ核酸塩基鎖における連続する核酸塩基の標的配列に配列特異的にハイブリダイズし、これによって、二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成する。

Description

【技術分野】
【0001】
(1.技術分野)
本発明は、組み合わせオリゴマーの分野に関し、テンプレートの非存在下の組み合わせオリゴマーのブロック合成、ならびに方法、キット、ライブラリー、および他の組成物を含む。
【背景技術】
【0002】
(2.序説)
核酸ハイブリダイゼーションは、分子生物学における基礎的なプロセスである。プローブに基づいたアッセイは、核酸の検出、定量および/または分析において有用である。核酸プローブは、細菌、真菌類、ウイルスまたは他の生物由来の核酸の存在についてサンプルを分析するために長期にわたり使用され、目的の遺伝に基づく疾患状態または臨床状態を調べることにおいてもまた有用である。それでもなお、核酸プローブに基づくアッセイは、商業的な成功を収めることにおいては不振であった。この商業的な成功の欠如は、少なくとも部分的に、特異性、感受性、および/または信頼性に関わる困難性の結果である。
【0003】
核酸増幅アッセイは、現在の生物学における特定の標的配列検出方法の重要なクラスを含み、遺伝性疾患の診断、本人確認、微生物の同定、実父確定試験、ウイルス学、およびDNA配列決定における多様な適用を有する。このポリメラーゼ連鎖反応(PCR)増幅法は、高い感受性および特異性を伴って、標的核酸配列の作製および検出を可能にする。PCR法は、クローニング、遺伝発現の分析、DNA配列決定、遺伝地図作製、薬物発見、などにとって絶対不可欠である(Gilliland,Proc.Natl.Acad.Sci.,87:2725−2729(1990);Bevan,PCR Methods and Applications 1:222−228(1992);Green,PCR Methods and Applications,1:77−90(1991);McPherson,M.J.,Quirke,P.,and Taylor,G.R.in PCR 2:A Practical Approach Oxford University Press,Oxford(1995))。標的配列またはアンプリコンにハイブリダイズし得るオリゴヌクレオチドプローブを使用するPCR産物(アンプリコン)の検出方法は、Mullisの米国特許第4,683,195号および同4,683,202号;EP237,362号に記載される。
【0004】
その名称にもかかわらず、ペプチド核酸(PNA)は、ペプチドでもヌクレオチドでもなく、酸でもない。ペプチド核酸(PNA)は、配列特異性を有する核酸塩基(DNAおよびRNA)にハイブリダイズし得る天然に存在しないポリアミド(偽ペプチド)である(米国特許第5,539,082号およびEgholmら,Nature 365:566−568(1993)を参照のこと)。PNAは、核酸アナログというよりも、核酸模倣物として、科学文献では特徴付けられてきたが、これは、その構造が、完全な合成物であり、かつ、核酸に由来しなかったためである(Nielsen,P.E.,Acc.Chem.Res.32:624−630(1999)を参照のこと)。
【0005】
天然に存在しない分子であるので、非修飾PNAが、ペプチドまたは核酸を分解することが知られている酵素にとっての基質であることは知られていない。従って、PNAは、生物学的サンプルにおいて安定であるべきであり、同様に、長期の貯蔵寿命を有するべきである。イオン強度に非常に依存する核酸ハイブリダイゼーションとは違い、核酸とのPNAのハイブリダイゼーションは、イオン強度に全く非依存性であり、かつ、低イオン強度(核酸と核酸のハイブリダイゼーションにとって非常に不都合となる条件)でも有利である(Egholmら、Nature、567頁)。この独特の特性のために、PNAは、構造または機能のいずれにおいても核酸と等価ではないことは明らかである。
【0006】
選択性/区別の限界に加え、費用対効果の高いほど十分に小さい規定されたスケールにおけるアッセイでプローブまたはプライマーとして使用され得る多くのオリゴマーを迅速かつ効率的に調製し得る必要性が存在する。この必要性は、有用な情報が引き出され得る膨大な量の生配列データであるゲノム配列決定が提供されてきたために、生じてきた。情報の量が非常に膨大であるがために、このマイニング操作から生じたスクリーニング結果は、代表的には、数万〜数十万のプローブおよびプライマーを必要とするハイスループット分析を伴う。しかし、段階的モノマーアセンブリ(デノボ合成)に基づいて核酸およびペプチド核酸を構築する市販の機器は、数万〜数十万のプローブまたはプライマーの製造ついて大変費用のかかるスケールで単一のプローブを作製するのに数時間必要とする。さらに、このプローブがデノボ合成されるので、主要な装置における非常におおい投機なしには、短期間(例えば、6ヶ月以下)で数万〜数十万のプライマーまたはプローブの送達を効率よくすることは、困難である。従って、数万〜数十万の所望の核酸塩基配列のオリゴマーの迅速(数日または数週間)、効率的、かつ費用対効果の大きい作製のための方法を有することが可能であることは、利点であり、ここで、この所望の核酸塩基配列は、発現分析またはゲノムのマイニングのためのようなハイスループット用途のためのプローブまたはプライマーとして使用され得る。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の開示)
(1.要旨)
本発明は、組み合わせオリゴマーの分野に関し、テンプレートの非存在下での組み合わせオリゴマーのブロック合成、ならびに関連方法、キット、ライブラリー、および他の組成物を含み得る。本明細書中で使用される場合、組み合わせオリゴマーは、標識されても標識されなくとも、ペプチド核酸、PNAキメラおよびPNAの組み合わせオリゴマーからなる群より独立して選択される2つ以上のオリゴマーブロックを含む組成物であり、ここで、上記のオリゴマーブロックは、リンカーにより連結されている。このリンカーは、必要に応じて、酵素にとっての切断部位となり得る。上述の組成物は、本明細書中では、その作製方法に関係なく、組み合わせオリゴマーと称される。なぜならば、このハイブリダイゼーション特性は、2つの構成オリゴマーブロックの組み合わされた特性、ならびにリンカーの性質および組み合わせオリゴマーが標的配列にハイブリダイズするときのブロック間の相互作用の機会から生じる。
【0008】
1つの実施形態において、本発明は、新規の組み合わせオリゴマーに関する。本発明の新規の組み合わせオリゴマーは、本明細書中で自己指示(self−indicating)組み合わせオリゴマーおよび基質組み合わせオリゴマーとして言及され;これらの各々は以下に詳細に記載される(以下の実施例4および実施例5を参照のこと)。組み合わせオリゴマーは、多くの用途におけるプローブまたはプライマーとして使用され得る。プローブについての要件は、単に、プローブは配列特異性をもって、標的配列にハイブリダイズすることである。従って、プローブとして使用される場合、組み合わせオリゴマーの特異的な特徴においてさらなる限定はない。しかし、プライマーとして使用される場合、組み合わせオリゴマーが、ポリメラーゼ酵素が非修飾PNAオリゴマーに作用することが知られていないので、酵素の認識および作用にとって適切な部位を含むことが必要である(Lutzら、J.Am.Chem.Soc 119:3177〜3178(1997))。
【0009】
別の実施形態において、本発明は、ポリ核酸塩基鎖およびこのポリ核酸塩基鎖中の連続した核酸塩基の標的配列に特異的にハイブリダイズして、それによって、二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成する、組み合わせオリゴマー配列を含む組成物に関する(図1を参照のこと。この配置は、本明細書中で、配置とは、標的配列と並置されてハイブリダイズしており、その結果、ギャップがなく、またはギャプ塩基が存在しないことをしばしば称することもまた留意のこと)。この組み合わせオリゴマーは、第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロック含み、これらのオリゴマーブロックの各々は、独立して、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーである。第1および第2のオリゴマーブロックは、少なくとも3原子長のリンカーによって共有結合的に連結される。
【0010】
さらに別の実施形態において、本発明は、連続した核酸塩基の標的配列を決定するための方法に関する。本方法は、適切なハイブリダイゼーション条件下でこの標的配列を組み合わせオリゴマーに接触する工程を包含し、ここで、組み合わせオリゴマーは、各々が独立して、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーである第1および第2のオリゴマーブロックを含む。第1および第2のオリゴマーブロックは、少なくとも3原子長あるリンカーによって互いに共有結合的に連結される。さらに、第1および第2のオリゴマーブロックは、連続した核酸塩基の標的配列に特異的にハイブリダイズし、それによって二本鎖の標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成する配列であり得る。複合体形成が決定され、それによって、標的配列を決定する。なぜならば、この複合体は、標的配列の非存在下では、形成しないからである。この複合体の決定としては、その複合体の存在、非存在、量(quantity)(量(amount))または位置を決定し、それによって、その標的配列の存在、非存在、量(quantity)(量(amount))、位置または同一性を決定することが挙げられるが、これらに限定されない(例えば、実施例3〜5を参照のこと)。
【0011】
なお別の実施形態において、本発明は、一塩基多型(SNP)について核酸接合構造を決定するための方法に関する。本方法は、核酸サンプルを少なくとも2つの独立して検出可能な組み合わせオリゴマーに接触する工程を包含する。各独立して検出可能な組み合わせオリゴマーは、各々が独立して、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNAの組み合わせオリゴマーである第1および第2のオリゴマーブロックを含み、そして、これらのオリゴマーブロックは、互いに少なくとも3原子長のリンカーによって共有結合的に連結している。一緒に用いられる第1および第2のオリゴマーブロックは、存在する場合に、核酸サンプルのポリ核酸塩基鎖における連続した核酸塩基の標的配列に対して特異的にハイブリダイズし、それによって、二本鎖標的配列/独立して検出可能な組み合わせオリゴマー複合体を形成するように設計されたプローブ化核酸塩基配列をコードする。各独立して検出可能な組み合わせオリゴマーにおけるプローブ化核酸塩基配列は、もう一方と、少なくとも1つの核酸塩基(SNP核酸塩基)だけ相違する。しかし、このプローブ化核酸塩基配列は、プローブの設計に依存して、1よりも多い核酸塩基の分だけ異なり得るが、但し、これらは、決定されるSNPにて、単一の核酸塩基だけ異なる(例えば、実施例5、表9、そして、特に、SNP6876および6879におけるPNA組み合わせオリゴマープローブのセットを参照のこと)。
【0012】
本方法に従って、この核酸サンプルおよび組み合わせオリゴマーは、そのサンプル中に存在する核酸を増幅させる核酸増幅反応を実施するために適切な1以上の試薬と接触され、そして、この核酸増幅は、核酸、組み合わせオリゴマーおよび試薬の存在下で実施される。各々が独立して検出可能な組み合わせオリゴマー/標的配列複合体についての複合体形成が決定され、それによって、この核酸が特定のSNPに対して、ヘテロ接合性かまたはホモ接合性かを決定する。複合体決定は、特定のSNPの接合構造と相関し得、これは、この複合体は、各特定の組み合わせオリゴマーについての連続した核酸塩基のそれぞれの標的配列の非存在下で、形成されないためである。さらに、これらの2つの独立して検出可能な組み合わせオリゴマーは、複合体が形成されるかまたは形成されないかに依存した3つの可能な遺伝子型を決定するのに必要な情報の全てを提供する。
【0013】
1つの実施形態において、独立して検出可能な組み合わせオリゴマーは、独立して検出される、自己指示化組み合わせオリゴマーである。この方法に従って、各組み合わせオリゴマーが連続した核酸塩基のそれぞれの標的配列にハイブリダイズしたか否かの指標としての、適切なハイブリダイゼーション条件下での決定は、独立して検出可能なエネルギー移動セットの各々の少なくとも1つの標識から生じた検出可能なシグナルの任意の変化から行われる。このような決定は、核酸増幅の最中(例えば、リアルタイムで)または核酸増幅反応が完結した後(例えば、終端点で)のいずれかで実施され得る。本発明に従って、各組み合わせオリゴマーにおけるエネルギー移動セットの各々の少なくとも1つの標識に対するシグナル変化の結果は、2つの可能な標的配列/独立して検出可能な自己指示組み合わせオリゴマー複合体の各々の形成の結果と相関する。このデータに基づいて、特定のSNPについてサンプルの接合構造の3つの可能な状態のうちの1つが、決定され得る(例えば、実施例5を参照のこと)。
【0014】
別の実施形態において、本発明は、オリゴマーブロック由来の組み合わせオリゴマーを形成する方法に関する。この方法は、第1のオリゴマーブロック、第2のオリゴマーブロック、および必要に応じて縮合剤を、縮合条件下で反応させ、それによって、この第1のオリゴマーブロックと第2のオリゴマーブロックとを共有結合的に連結させる少なくとも3原子長のリンカーを有する、組み合わせオリゴマーを形成する工程を包含する。この方法に従って、第1および第2のオリゴマーブロックは、各々独立した、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNAの組み合わせオリゴマーである。第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックのいずれも、支持体に結合せず、そして、組み合わせオリゴマーは、テンプレートの非存在下で形成される。この連結/縮合反応は、水溶液において実施され得る。この核酸塩基は、この連結/縮合反応の間において保護される必要はない。
【0015】
さらに別の実施形態において、本発明は、オリゴマーブロックから組み合わせオリゴマーを形成するための別の方法を包含する。この方法は、第1のオリゴマーブロック、第2のオリゴマーブロック、および必要に応じて、縮合剤を、縮合条件下で反応させ、それによって、この第1のオリゴマーブロックを第2のオリゴマーブロックで連結させる少なくとも3原子長のリンカーを有する組み合わせオリゴマーを形成する工程を包含する。この方法に従って、第1および第2のオリゴマーブロックは、各々独立した、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNAの組み合わせオリゴマーである。オリゴマーブロックの核酸塩基は保護基を含まず、そして、組み合わせオリゴマーは、テンプレートの非存在下で形成される。この連結/縮合反応は、水溶液において実施され得る。
【0016】
上述した組み合わせオリゴマーを形成する方法に関わらず、別の実施形態において、連結/縮合反応の生成物は,必要に応じて、さらに延長/伸長され得る。したがって、組み合わせオリゴマーが、形成されると、オリゴマーブロックとして使用され得、その結果、本方法を反復することによって、延長/伸長されたオリゴマーをさらに作製し得る。この方法に従って、この組み合わせオリゴマーは、予め形成され、必要応じて脱保護され得、必要とされ得る場合、次ぎの縮合/連結工程を促進し得る。予め形成されそして必要に応じて脱保護された組み合わせオリゴマーは、第3のオリゴマーブロックおよび必要に応じて縮合剤と縮合条件下で反応される。これは、第3のオリゴマーブロックを組み合わせオリゴマーに共有結合的に連結する、少なくとも3原子長の共有結合を有する伸長された組み合わせオリゴマーを形成し、ここで、伸長された組み合わせオリゴマーは、テンプレートの非存在下で形成する。この方法に従って、このプロセスは、この組み合わせオリゴマーが所望の長さになるまで、必要に応じて繰り返され得る。連続する伸長のこのようなプロセスは、例えば、アレイの調製について有用であり得、これは、長いオリゴマーがこの用途について頻繁に使用され得るからである。
【0017】
本発明の特定の他の実施形態において、酵素のための切断部位をプロセシングする組み合わせオリゴマーが形成され、ここで、この切断部位は、組み合わせオリゴマーが結合対と結合するときに、切断から保護されている。したがって、本発明はまた、可能な結合パートナー(例えば、アプタマーまたは標的配列)に組み合わせオリゴマーが結合しているか否かを決定するための方法に関する。本方法は、この組み合わせオリゴマーと可能な結合パートナーを適切な結合条件下で、接触させ、それによって、可能な限り、組み合わせオリゴマー/結合パートナー複合体を形成する。本方法に従って、この組み合わせオリゴマーは、以下の式のセグメントを含むポリマーである:A−C−W、ここで、AおよびCは、必要に応じて他の部分と連結されるオリゴマーブロックであり、そして、これらの各々は、独立して、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNAのオリゴマーである。このW基は、オリゴマーブロックAをオリゴマーブロックCに共有結合的に連結し、かつ酵素にとっての切断部位である、少なくとも3原子長のリンカーである。
【0018】
本方法に従って、この結合パートナーおよび組み合わせオリゴマーは、適切な酵素切断条件下で、切断部位を切断するのに適切な酵素を使用して処理される。次いで、組み合わせオリゴマーが、酵素の活性によって切断されたか否かの決定がなされ、それにより、組み合わせオリゴマー/結合パートナー複合体が形成されたか否かを決定する。
【0019】
この結合パートナーが標的配列であり、そして、この組み合わせオリゴマーがこの標的配列に結合している場合、これは、この酵素の活性から保護されている。従って、このアッセイが、この組み合わせオリゴマーが実質的に分解されないことを決定する場合は、その標的配列に結合したはずである(実施例4を参照のこと)。逆に、この組み合わせオリゴマーが分解から保護されない場合、この標的配列は存在しないことが結論づけられ得る。このようなアッセイは、酵素事象に基づいているので、標的配列の定量は、酵素活性を決定することによって決定され得ることもまた理解される。
【0020】
なお別の実施形態において、本発明は、キットに関する。1つの実施形態において、このキットは、2以上の独立して検出可能な組み合わせオリゴマーを含み、ここで、上記の独立して検出可能な組み合わせオリゴマーの各々は、第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックを含み、これらのオリゴマーブロックの各々は、独立して、ペプチド核酸、PNAキメラまたはPNAの組み合わせオリゴマーである。これらのオリゴマーブロックは、少なくとも3原子長であるリンカーによって、互いに共有結合的に連結される。独立して検出可能な組み合わせオリゴマーの各々において、一緒に使用される第1および第2のオリゴマーブロックは、二本鎖の標的配列/組み合わせオリゴマー複合体の形成について適切である連続した核酸塩基の標的配列に配列特異的にハイブリダイズするように設計されたプローブ化核酸塩基配列をコードする。独立して検出可能な組み合わせオリゴマーの各々におけるプローブ化核酸塩基は、少なくとも1つの核酸塩基分、他の独立して検出可能な組み合わせオリゴマーのプローブ化核酸配列と異なる。各独立して検出可能な組み合わせオリゴマーは、少なくとも1つの検出可能な標識を含む。このキットは、必要に応じて、以下を含む:(i)1以上のオリゴヌクレオチド(ii)1以上の緩衝液;(iii)1以上のヌクレオチド三リン酸;(iv)核酸増幅マスターミックス;または(v)1以上のポリメラーゼ酵素。
【0021】
なお別の実施形態において、本発明は、2以上独立して検出可能な組み合わせオリゴマーのセットに関する。このセットの各々の組み合わせオリゴマーは、第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックを含み、これらのオリゴマーブロックの各々は、独立して、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーである。これらのオリゴマーブロックは、少なくとも3原子長であるリンカーによって、互いに共有結合的に連結される。独立して検出可能な組み合わせオリゴマーの各々において、一緒に使用される第1および第2のオリゴマーブロックは、連続した核酸塩基の標的配列に配列特異的にハイブリダイズして、それによって、二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成するように設計された、プローブ化核酸塩基配列をコードする。独立して検出可能な組み合わせオリゴマーの各々におけるプローブ化核酸塩基は、少なくとも1つの核酸塩基分、他の独立して検出可能な組み合わせオリゴマーのプローブ化核酸配列と異なる。独立して検出可能な組み合わせオリゴマーの各々は、少なくとも1つの独立して検出可能な標識を含む。
【0022】
本発明はまた、二機能性の単一セットのライブライブラリーリーからの、末端オリゴマーブロックおよび縮合化オリゴマーブロックを形成するための方法に関する。本方法は、少なくとも2つのオリゴマーブロックの二機能性の単一セットのライブラリーを提供すること包含する。この二機能性の単一セットのライブラリーの1つのオリゴマーブロックが処理されて、それによって、1以上の保護基を取り除き、それにより、末端オリゴマーを作製する。二機能性の単一セットのライブラリーの1つのオリゴマーブロックは、処理されて、末端オリゴマーブロックを作製するするオリゴマーブロックと比較したときに、1以上の異なる保護基を取り除き、それによって縮合オリゴマーブロックを作製する。
【0023】
従って、本発明はまた、オリゴマーブロックの二機能性の単一セットを含む化合物ライブラリーに関する。このセットのオリゴマーブロックは、特定の保護基を除去することによって、末端オリゴマーブロックおよび縮合オリゴマーブロックの両方を作製するために使用され得る。二機能性セットのオリゴマーブロックは、ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラまたはPNAの組み合わせオリゴマーである。二機能セットのオリゴマーブロックは、末端オリゴマーブロックが縮合オリゴマーブロックと縮合されるときに、少なくとも3原子長のリンカーを形成する機能性部分を含むように選択される。さらに、これらのオリゴマーブロックは、支持体に結合されず、そして核酸塩基保護基を含まない。
【0024】
なお別の実施形態において、本発明は、別の化合物ライブラリーに関する。本発明に従って、この化合物ライブラリーは、少なくとも1つのセットの末端オリゴマーおよび少なくとも1つのセットの縮合化オリゴマーブロックを含み、ここで、ブロックの各セットは、2以上の異なるオリゴマーを含み、そして上記のオリゴマーブロックは以下からなる群より選択される:ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラおよびPNAの組み合わせオリゴマー。これらのオリゴマーブロックは、末端オリゴマーブロックが縮合オリゴマーブロックと縮合されるときに、少なくとも3原子長のリンカーを形成する機能性部位を含むように選択される。さらに、このオリゴマーブロックは、支持体に結合せず、そしてこのオリゴマーブロックは、核酸塩基保護基を含まない。本発明の化合物ライブラリーは1または2セットのブロックオリゴマーに限定されないことが理解される。非限定的な例として、このライブラリーは、3セット以上のオリゴマーブロックを含み得ない。
【0025】
従って、さらに別の実施形態において、本発明は、別の化合物ライブラリーに関する。この化合物ライブラリーは、少なくとも1つのセットの末端オリゴマーブロックおよび少なくとも2つのセットの縮合オリゴマーブロックを含む。本発明に従って、オリゴマーブロックの各セットは、2以上の異なるオリゴマーを含み、そして各セットのオリゴマーブロックは、独立して、ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラ、またはPNAの組み合わせオリゴマーである。これらのオリゴマーブロックは、末端オリゴマーブロックが縮合オリゴマーブロックと縮合されるときに、このオリゴマーブロックに共有結合的に連結される少なくとも3原子長のリンカーを形成する機能性部分を含むように選択される。さらに、これらのオリゴマーブロックは、支持体に結合されず、そして核酸塩基保護基を含まない。さらに、1セットの縮合化オリゴマーブロックのオリゴマーブロックの全ては、同じ独立して検出可能なレポーター部分を含み、そして、末端オリゴマーブロックの少なくとも1つのセットのオリゴマーブロックの全ては、同じクエンチャー部分を含む。
【0026】
さらに別の実施形態において、本発明は、新規の組み合わせオリゴマー(例えば、自己指示組み合わせオリゴマー)に関する。従って、本発明はまた、以下の式のセグメントを含む共有結合的に連結したオリゴマーブロックの組成物に関する:A−B−C。本発明に従って、オリゴマーブロックAおよびオリゴマーブロックCの各々は、独立して、ペプチド核酸、PNAキメラまたはPNAの組み合わせオリゴマーであり、そして、必要に応じて、このセグメントの他の部分に連結する。このリンカーBは、少なくとも3原子長であり、かつオリゴマーブロックAをオリゴマーブロックCに共有結合的に連結する。さらに、一緒に用いられるオリゴマーブロックAおよびCは、連続した核酸塩基の標的配列に対して特異的にハイブリダイズし、それによって、二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成するように設計されたプローブ化核酸塩基配列をコードする。
【0027】
自己指示組み合わせオリゴマーは、標識のエネルギー移動セットをさらに含み、その結果、このエネルギーセットの少なくとも1つのアクセプター部分がこの組成物の連結したオリゴマーブロックの1つに連結しているが、その一方で、このエネルギー移動セットの少なくとも1つのドナー部分が、この組成物の別の連結したオリゴマーブロックに連結し、ここで、このセットの標識は、この組み合わせオリゴマーが、この組み合わせオリゴマーが非ハイブリダイゼーション状態にあるいときと比較して特異的に標的配列とハイブリダイズしているときに、少なくとも1つ標識の検出可能なシグナルの変化を容易にするように位置でこの組み合わせオリゴマーに連結している。
【0028】
さらに別の実施形態において、本発明は、少なくとも2つの組み合わせオリゴマーのアレイに関し、ここで、この組み合わせオリゴマーのうちの少なくとも1つが以下の式のセグメントを含む:A−B−C。本発明に従って、オリゴマーブロックAおよびオリゴマーブロックCの各々は、独立して、ペプチド核酸、PNAキメラまたはPNAの組み合わせオリゴマーであり、そして、必要に応じて、他の部分に連結する。このリンカーBは、少なくとも3原子長であり、かつオリゴマーブロックAおよびオリゴマーブロックCを共有結合的に連結する。一緒に用いられるオリゴマーブロックAおよびCは、連続した核酸塩基の標的配列に対して配列特異的にハイブリダイズし、それによって、二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成するように設計されたプローブ化核酸塩基配列をコードする。
【0029】
なお別の実施形態において、本発明は、組み合わせオリゴマーのアレイを形成する方法に関する。1つの実施形態において、この方法は、固体キャリア上の部位において、第1のオリゴマーブロック、第2のオリゴマーブロック、および必要に応じて縮合剤を、縮合条件下で反応させ、それによって、この第1のオリゴマーブロックと第2のオリゴマーブロックとを共有結合的に連結させる少なくとも3原子長のリンカーを有する、組み合わせオリゴマーを形成する工程を包含する。本発明に従って、上記の2つのオリゴマーブロックのうちの1つは、支持体に結合される。さらに、第1および第2のオリゴマーブロックは、各々独立した、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNAの組み合わせオリゴマーである。さらに、1つまたは両方のオリゴマーブロックは、核酸塩基保護基を含まず、そしてこの組み合わせオリゴマーはテンプレートの非存在下で形成される。本方法は、組み合わせオリゴマーの所望のアレイが構築されるまで、1つ以上の異なった部位で、1つ以上の異なったオリゴマーブロックを用いて、この方法を繰り返す工程を包含する。
【0030】
なお別の実施形態において、本方法は、組み合わせオリゴマーのアレイを形成する別の方法に関する。この方法は、固体キャリア上の部位で、この第1のオリゴマーブロックと第2のオリゴマーブロックとを共有結合的に連結させる少なくとも3原子長のリンカーを有する、組み合わせオリゴマーの官能基と表面に官能基とを反応させ、それによって、この組み合わせオリゴマーを共有結合的にこの表面に結合する。本方法に従って、第1および第2の組み合わせオリゴマーブロックは、各々独立して、ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラ、またはPNAの組み合わせオリゴマーである。さらに、1つまたは両方のオリゴマーブロックは、核酸塩基保護基を含まない。本方法は、組み合わせオリゴマーの所望のアレイが構築されるまで、1つ以上の異なった部位で、この組み合わせオリゴマーを1つ以上の異なったオリゴマーブロックと結合する方法を繰り返す工程をさらに包含する。
【0031】
(発明の詳細な説明)
(1.定義)
本明細書を理解する目的のために、以下の定義を適用し、そして、適切に用いられる場合いつでも、単数形で使用された用語は、その複数形もまた包含し、またその逆も真である。
【0032】
a.本明細書中で使用される場合、「核酸塩基」は、天然に存在する核酸塩基および核酸技術を使用するか、またはペプチド核酸技術を使用して、それによって、核酸に配列特異的に結合し得るポリマーを生成する通常知られているそれらの非天然に存在するヘテロ環式部分を意味する。適切な核酸塩基の非限定的な例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、5−プロピルニル−ウラシル、2−チオ−ウラシル、5−メチルシトシン、プソイドイソシトシン(pseudoisocytosine)、2−チオウライシル、および2−チオチミン、2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)、N9−(2,6−ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)、N9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)およびN8−(7−デアザ−8アザ−アデニン)。適切な核酸塩基の他の非限定的な例は、Buchardtら(WO92/20702またはWO92/20703)の図2(A)および図2(B)において例示される核酸塩基が挙げられる。
【0033】
b.本明細書中に使用される場合、「核酸塩基配列」は、核酸塩基含有サブユニットを含むポリマーの、任意のセグメントまたは2以上のセグメントの凝集体(例えば、2以上のオリゴマーブロックが凝集した核酸塩基配列)を意味する。適切なポリマーまたはポリマーセグメントの非限定的例は、オリゴデオキヌクレオチド(例えば、DNA)、オリゴリボヌクレオチド(例えば、RNA)、ペプチド核酸(PNA)、PNAキメラ、PNA組み合わせオリゴマー、核酸アナログ、および/または核酸模倣物を含む。
【0034】
c.本明細書中で使用される場合、「標的配列」は、決定することが求められるポリ核酸塩基鎖の核酸塩基配列である。この標的配列の性質は、本発明を制限するものではないことが理解されるべきである。この標的配列を含むポリ核酸塩基鎖は、任意の供給源から提供され得る。例えば、この標的配列は、核酸(例えば、DNAまたはRNA)、PNA、核酸アナログ、または他の核酸模倣物の部分でとして存在し得る。この標的配列を含むサンプルは、天然から提供され得るか、またはこれは、製造工程から合成もしくは供給され得る。標的配列が、核酸の部分配列である場合、上記の核酸は、任意の供給源から得られ得る。例えば、上記の核酸は、核酸増幅過程から作製されるか、細胞または生物体に含まれるか、また、さもなければ、細胞もしくは生物体から抽出され得る。核酸の供給源であり得る核酸増幅過程の非限定的としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、ストランド置換増幅(Strand Displacement Amplification;SDA)、転写物媒介性増幅(TMA)、Q−βリプリカーゼ増幅(Q−β)およびローリングサークル増幅(Rolling Circle Amplificaation;RCA)。
【0035】
d.本明細書中で使用される場合、「ポリ核酸塩基鎖」は、核酸塩基サブユニットを含む完全な単一のポリマー鎖を意味する。例えば、二本鎖核酸のうちの単一の核酸鎖は、ポリ核酸塩基鎖である。
【0036】
e.本明細書中で使用される場合、「核酸」は、ヌクレオチドまたはそのアナログによって形成された骨格を有する、核酸塩基含有ポリマーまたは、ポリマーセグメントである。好ましい核酸は、DNAおよびRNAである。いずれの疑いも回避するために、PNAは核酸模倣物であって、核酸アナログではない。
【0037】
f.本明細書中で使用される場合、「ペプチド核酸」すなわち「PNA」は、米国特許第5,539,082号、同第5,527,675号、同第5,623,049号、同第5,714,331号、同第5,718,262号、同第5,736,336号、同第5,773,571号、同第5,766,855号、同第5,786,461号、同第5,837,459号、同第5,891,625号、同第5,972,610号、同第5,986,053号、および同第6,107,470号(これらの全てが本明細書中で参考として援用されている)の中でペプチド核酸として言及されているか、またはこれらの中でペプチド核酸として特許請求されている、オリゴマーまたはポリマーのいずれかが挙げられるがこれらに限定されない、2つ以上のPNAサブユニット(残基)(核酸サブユニット(またはそのアナログ)ではない)を含有している任意のオリゴマーまたはポリマーセグメント(例えば、オリゴマーブロック)を意味する。用語「ペプチド核酸」すなわち「PNA」はまた、以下の刊行物中で記載されている核酸模倣物の2つ以上のサブユニットを含有している任意のオリゴマーセグメントまたはポリマーセグメントに対しても適用されるべきである:Lagriffoulら、Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters、4:1081−1082(1994);Petersenら、Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters、6:793−796(1996);Diderichsenら、Tett.Lett.37:475−478(1996);Fujiiら、Bioorg.Med.Chem.Lett.7:637−627(1997);Jordanら、Bioorg.Med.Chem.Lett.7:687−690(1997);Krotzら、Tett.Lett.36:6941−6944(1995);Lagriffoulら、Bioorg.Med.Chem.Lett.4:1081−1082(1994);Diederichsen,U.、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters、7:1743−1746(1997);Loweら、J.Chem.Soc.Perkin Trans.1、(1997)1:539−546;Loweら、J.Chem.Soc.Perkin Trans.11:547−554(1997);Loweら、J.Chem.Soc.Perkin Trans.11:555−560(1997);Howarthら、J.Org.Chem.62:5441−5450(1997);Altmann,K−Hら、Bioorganic&Medicinal Chemistry Letters、7:1119−1122(1997);Diederichsen,U.、Bioorganic&Med.Chem.Lett.、8:165−168(1998);Diederichsenら、Angew.Chem.Int.Ed.、37:302−305(1998);Cantinら、Tett.Lett.、38:4211−4214(1997);Ciapettiら、Tetrahedron、53:1167−1176(1997);Lagriffouleら、Chem.Eur.J.、3:912−919(1997);Kumarら、Organic Letters 3(9):1269−1272(2001)およびWO96/04000号に開示されているShahらのPeptide−Based Nucleic Acid Mimics(PENAM)。疑いを回避するために、1以上のアミノ酸サブユニットまたは1以上の標識もしくはリンカーの、PNAオリゴマーまたはセグメント(例えば、PNAオリゴマーブロック)への連結は、PNAキメラを生成しない。
【0038】
特定の実施形態においては、「ペプチド核酸」すなわち「PNA」は、以下の式の2つ以上の共有結合したサブユニットを含有しているオリゴマーセグメントまたはポリマーセグメントである:
【0039】
【化10】
Figure 2004524032
ここで、Jはそれぞれ同じであるかまたは異なり、そしてH、R、OR、SR、NHR、NR 、F、Cl、Br、およびIからなる群より選択される。Kはそれぞれ同じであるかまたは異なり、そしてO、S、NH、およびNRからなる群より選択される。Rはそれぞれ同じであるかまたは異なり、そして必要に応じてヘテロ原子または置換もしくは未置換のアリール基を含み得る、1個から5個の炭素原子を有しているアルキル基である。Aはそれぞれ、単結合、式:−(CJ−の基、および式:−(CJC(O)−の基からなる群より選択される。ここでは、Jは上記で定義されており、そしてsはそれぞれが1個から5個までの自然数である。tはそれぞれ1または2であり、そしてuはそれぞれ1または2である。Lはそれぞれ同じであるかまたは異なり、そしてアデニン、シトシン、グアニン、チミジン、ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、2−チオ−5−プロピニル−ウラシル、5−メチルシトシン、プソイドイソシトシン、2−チオウラシルおよび2−チオチミン、2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)、N9−(2,6−ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)、N9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)およびN8(7−デアザ−8−アザ−アデニン)、他の天然に存在する核酸塩基アナログまたは他の天然には存在しない核酸塩基からなる群より独立して選択される。
【0040】
特定の他の実施形態においては、PNAサブユニットは、N−[2−(アミノエチル)]グリシン骨格のN−α−グリシン窒素に対してメチレンカルボニル結合を介して結合された天然に存在する核酸塩基または天然に存在しない核酸塩基からなり;これは、最近、ペプチド核酸サブユニットの最も一般に使用される形態である。
【0041】
g.本明細書中で使用される場合、用語「PNAキメラ」は、異なるクラスのサブユニットから選択され、そしてリンカーではなく共有結合によって連結されている、2つ以上のPNAサブユニットおよび1以上の核酸サブユニット(すなわち、DNAまたはRNA)またはそのアナログを含有している、オリゴマーセグメントまたはポリマーセグメントを意味する。例えば、PNA/DNAキメラは、少なくとも1つの2’−デオキシリボ核酸サブユニットに化学結合を介して共有結合された少なくとも2つのPNAサブユニットを含有している(PNA/DNAキメラ調製に関する例示的な方法および組成物については、WO96/40709号を参照のこと)。本発明の目的のために、PNAキメラは、サブユニットを含む異なる型の核酸塩基(例えば、PNA、DNA、RNA)の組み合わせを含むが、アミノ酸サブユニット(例えば、グリシン)または1以上の標識もしくはリンカーの単なる組込みは、オリゴマーがPNAキメラであることを意味しない。
【0042】
h.本明細書中で使用する場合、「ブロック」、「オリゴマーブロック」または「ブロックオリゴマー」は、第二の適切に改変されたオリゴマーに連結され、それによって、適切な場合に組み合わせオリゴマーまたは伸長した組み合わせオリゴマーを調製するように設計されかつ利用可能な、ペプチド核酸、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーを意味する。オリゴマーブロックは、1以上のレポーター部分で標識されなくてもされてもよく、そして/または1以上の保護もしくは未保護の官能基を含み得る。
【0043】
i.本明細書中で使用する場合、「PNA組み合わせオリゴマー」は、少なくとも1つのPNAオリゴマーブロックまたはPNAキメラオリゴマーブロックを含む組み合わせオリゴマーを意味する。
【0044】
j.本明細書中で使用する場合、「組み合わせオリゴマー」は、リンカーによって連結された、2以上のオリゴマーブロックを含むオリゴマーを意味する。
【0045】
k.本明細書中で使用する場合、「リンカー」は、ポリマーの骨格サブユニットを含む核酸塩基の一部ではない、長さが少なくとも3つの原子である部分を意味し、この少なくとも3つの原子は、2つの成分オリゴマーブロックの骨格サブユニットを含む核酸塩基に共有結合する。
【0046】
l.本明細書中で使用する場合、「ネイティブオリゴマー」は、2つのオリゴマーブロックを分離するリンカーを含まない、ペプチド核酸、核酸またはPNAキメラを意味する。従って、キメラであっても、ネイティブオリゴマーは、骨格サブユニットが、直接かまたは長さが2つ以下の原子である結合部分を介してかのいずれかで一緒に連結された骨格を含む。
【0047】
m.本明細書中で使用する場合、「ギャップ」は、標的配列に隣接してハイブリダイズした2つのオリゴマーブロックの末端核酸塩基間の、少なくとも1ヌクレオチド長の空間を意味する(例えば、図1を参照のこと)。
【0048】
n.本明細書中で使用する場合、用語「標識」、「レポーター部分」または「検出可能部分」は、相互変換可能であり、そしてオリゴマーブロックまたは組み合わせオリゴマーに結合され得るか、さもなければレポーター系において使用され、それによって、オリゴマーを機器または方法によって検出可能にする部分をいう。例えば、標識は、以下を行う任意の部分であり得る:(i)検出可能なシグナルを提供する;(ii)第二の標識と相互作用して、第一または第二の標識によって提供される検出可能なシグナルを改変する;または(iii)捕捉機能(すなわち、疎水的親和性、抗体/抗原、イオン錯体化)を付与する。
【0049】
o.本明細書中で使用する場合、「配列特異的に」は、水素結合を介した塩基対形成によるハイブリダイゼーションを意味する。標準的な塩基対形成の非限定的な例としては、チミンまたはウラシルとのアデニンの塩基対形成、およびシトシンとのグアニンの塩基対形成が挙げられる。塩基対形成モチーフの他の非限定的な例としては、以下が挙げられるがこれらに限定されない:5−プロピニル−ウラシル、2−チオ−5−プロピニル−ウラシル、2−チオウラシルもしくは2−チオチミンのいずれかとのアデニンの塩基対形成;5−メチルシトシンもしくはプソイドイソシトシンのいずれかとのグアニンの塩基対形成;ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)もしくはN9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)のいずれかとのシトシンの塩基対形成;2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)もしくはN9−(2,6−ジアミノプリン)のいずれかとのチミンもしくはウラシルの塩基対形成;および、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、2−チオ−5−プロピニル−ウラシル、5−メチルシトシン、プソイドイソシトシン、2−チオウラシルおよび2−チオチミン、2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)、N9−(2,6−ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)もしくはN9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)のいずれかのような他の核酸塩基との、汎用塩基であるN8(7−デアザ−8−アザ−アデニン)の塩基対形成(Seelaら、Nucl.Acids、Res.:28(17):3224−3232(2000)を参照のこと)。
【0050】
p.本明細書中で使用する場合、「縮合条件」は、選択された縮合/連結化学に従って、2つのオリゴマーブロックを縮合/連結するために適切な条件を意味する。
【0051】
q.本明細書中で使用する場合、「連結」および「縮合」は、オリゴマーブロックを連結するために適切な方法のすべてが厳密には縮合反応ではないので、相互変換可能であり、そして2つのオリゴマーブロックを共有結合させて、長さが少なくとも3つの原子であるリンカーを含む組み合わせオリゴマーを形成するプロセスをいう。連結/縮合化学が、オリゴマーブロック間にリンカーを生成する限り、これらの方法に限定されないこともまた理解される。組み合わせオリゴマーを形成するために適切な多数の連結/縮合化学の非限定的な例は、図28bおよび図29b〜32を参照して、本明細書に記載される。
【0052】
r.本明細書中で使用する場合、「核酸塩基保護基」は、核酸塩基の官能基に共有結合されて、特定の化学反応(例えば、連結/縮合)の間にこの官能基を非反応性にする保護基を意味する。例えば、アデニン、シトシンおよびグアニンの環外アミノ基は、代表的に、新規の化学的オリゴマー合成の間に、適切な保護基で保護される。しかし、核酸塩基は、本明細書中に記載される連結/縮合反応の間には保護される必要がない。疑いを回避するために、化学反応の間に官能基を非反応性にするこの基の塩の形成は、本明細書中で使用する場合、共有結合が存在しないので、核酸塩基保護基ではない。
【0053】
s.本明細書中で使用する場合、「クエンチする」は、その機構に関わらず、クエンチャー部分に関連するエネルギー移動によって引き起こされる、蛍光レポーター部分の蛍光の減少を意味する。
【0054】
t.本明細書中で使用する場合、「固体支持体」または「固体キャリア」は、組み合わせオリゴマーが合成されるか、結合されるか、連結されるか、またはさもなければ固定化される、任意の固相材料を意味する。固体支持体は、「樹脂」、「固相」、「表面」または「支持体」のような用語を包含する。固体支持体は、有機ポリマー(例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフルオロエチレン、ポリエチレンオキシおよびポリアクリルアミド)ならびにコポリマーおよびその移植体から構成され得る。固体支持体はまた、無機物(例えば、ガラス、シリカ、制御された孔隙ガラス(controlled−pore−glass)(CPG)、または逆相シリカ)であり得る。固体支持体の構成は、ビーズ、球体、粒子、顆粒、ゲルまたは表面の形態であり得る。表面は、平面か、実質的に平面か、または非平面であり得る。固体支持体は、多孔性でも非多孔性でもよく、そして膨張特性を有しても非膨張特性を有してもよい。固体支持体は、ウェル、凹部の形態で構成され得るか、または他の容器(container)、容器(vessel)、特徴または位置で構成され得る。複数の固体支持体は、試薬のロボット送達のためにアドレス可能であるか、またはレーザー照射および共焦点顕微鏡または倒立光学顕微鏡による走査を含む検出手段によってアドレス可能な、種々の位置でアレイ中に構成され得る。
【0055】
u.本明細書中で使用する場合、「支持体結合」は、固体支持体上または固体支持体への固定化を意味する。固定化は、例えば、以下を含む任意の手段によって生じ得ることが理解される:共有結合、静電的固定化、リガンド/リガンド相互作用を介した結合、接触または表面上の堆積。
【0056】
v.「アレイ」または「マイクロアレイ」は、固体支持体上または容器の配置中に存在するオリゴマーの、予め決定された空間的配置を意味する。特定のアレイ様式が、「チップ」または「バイオチップ」として好まれる(M.Schena、編、Microarray Biochip Technology、BioTechnique Books、Eaton Publishing、Natick、MA(2000))。アレイは、低密度数(例えば、2〜12)の位置、中間の密度(例えば、約100以上)の位置、または高密度数(例えば、1000以上)の、アドレス可能な位置を含み得る。代表的には、このアレイ形式は、製造、取り扱い、配置、保管、試薬導入、検出および保存を可能にする、幾何学的に通常の形状である。このアレイは、各位置の間に一定の間隔を有する行および列の形式で構成され得る。あるいは、これらの位置は、同等化処理またはサンプリングのために、束にされるか、混合されるか、または均質に混和され得る。アレイは、構成された複数のアドレス可能な位置を含み得、その結果、各位置は、高スループットの取り扱い、ロボット送達、マスキングまたは試薬の送達のために空間的にアドレス可能であるか、またはレーザー照射および共焦点顕微鏡または倒立光学顕微鏡による走査を含む検出手段によって空間的にアドレス可能である。
【0057】
(II.一般)
(PNA合成)
PNAの化学的なアセンブリのための方法は周知である(米国特許同第5,539,082号、同第5,527,675号、同第5,623,049号、同第5,714,331号、同第5,718,262号、同第5,736,336号、同第5,773,571号、同第5,766,855号、同第5,786,461号、同第5,837,459号、同第5,891,625号、同第5,972,610号、同第5,986,053号、および同第6,107,470号(これらの全てが本明細書中で参考として援用されている)(PerSeptive Biosystems Product Literatureをもまた参照のこと)。PNA合成方法論についての一般的参考文献としては、Nielsenら、Peptide Nucleic Acids;Protocols and Applications、Horizon Scientific Press、Norfolk England(1999)もまた参照のこと。
【0058】
ペプチド核酸の支持体結合自動的化学的アセンブリのための化学物質および機器は、現在は市販されている。標識PNAオリゴマーおよび未標識PNAオリゴマーの両方が同様に、特注PNAオリゴマーの商業的販売業者から入手可能である。PNAの化学的アセンブリは、固相ペプチド合成と同様であり、ここで、オリゴマーは、アセンブリのそれぞれのサイクルで成長中のポリマーに対して添加される次の合成要素(synthon)と縮合される反応性アルキルアミノ末端を有する。
【0059】
PNAは、マイクロモル未満からミリモルまたはそれ以上の、任意の規模で合成され得る。最も簡便には、PNAは、XALもしくはPAL支持体上のExpedite Synthesizer(Applied Biosystems)で;またはMBHA支持体と共にModel 433A Synthesizer(Applied Biosystems)で;あるいは他の自動化合成器で、Fmoc/Bhoc、tBoc/ZまたはMMT保護基モノマーを使用して、2μモルの規模で合成される。標準的なペプチド化学が利用されるので、天然または非天然のアミノ酸は、PNAオリゴマー中に慣用的に取り込まれ得る。PNAはポリアミドなので、PNAは、C末端(カルボキシル末端)およびN末端(アミノ末端)を有する。(好ましい配向の)標的配列に逆並行に結合するのに適切なハイブリダイゼーションプローブの設計の目的のために、PNAプローブの探索核酸塩基配列のN末端は、等価なDNAオリゴヌクレオチドまたはRNAオリゴヌクレオチドの5’ヒドロキシル末端の等価物である。
【0060】
連結反応において使用する場合、選択される連結化学の性質が考慮されるべきである。単純化のために、本発明者らは、しばしば、末端ブロックとして連結反応において、そして縮合ブロックとして他の反応において使用される、オリゴマーブロックの1つをいう。この区別は、一般に、同じ核酸塩基配列を含む場合に特に、異なるブロック間の区別以外では不適切である。少なくとも連結において使用される官能基の性質は、異なる連結化学を適合するために設計され得るので、しばしば、末端および縮合ブロックについて異なる。しかし、オリゴマーが複数の連結によって伸長される場合、本発明者らは、一般に、この末端オリゴマーブロックを、第一の連結または直前の連結工程から生成されるオリゴマーブロックという。従って、オリゴマーブロックが縮合オリゴマーブロックであるか末端オリゴマーブロックであるかに依存することは、末端の実際の組成に対して影響を有し得る。連結化学のいくつかの非限定的な例は、図28〜31aおよび図31bに例示される。1つより多い慣用実験および本明細書に含まれる記載を使用して、当業者は、本発明に従う組み合わせオリゴマーを容易に調製し得る。
【0061】
末端ブロックは、比較的非反応性のC末端アミドを含み得る。対照的に、縮合ブロックは、連結反応に適切なC末端を含み得る。しかし、縮合化学の性質に依存して、オリゴマーのC末端は、C末端酸または代替的官能基を含み得る(例えば、図28a〜31bを参照のこと)。官能基の場合、末端は、縮合化学/連結化学の性質に依存して、保護基の付加を必要としてもしなくてもよい。オリゴマーブロック自体は、新規方法によってしばしば調製され、そして適切な市販の試薬および機器が、C末端アミノ酸、代替的官能基またはC末端アミドのいずれかを含むPNAオリゴマーの生成のために利用可能であるので、当業者は、所望のC末端構成のオリゴマーブロックを容易に調製し得る。
【0062】
N末端に関して、再び、正確な構成は、選択される連結化学の性質、およびこのオリゴマーが縮合オリゴマーブロックであるか末端オリゴマーブロックであるかに依存し得る。オリゴマーが末端オリゴマーブロックである場合、N末端は、反応性官能基を含み得るが、オリゴマーが縮合オリゴマーブロックである場合には、N末端はキャップされ得る。キャップの非限定的な例としては、標識を用いるN末端の標識化またはアセチルのような比較的非反応性の部分とN末端との反応が挙げられる。N末端が連結反応に関与する場合、N末端は、代表的には、代替的縮合化学が使用されない限りは、遊離のアミンとして存在する(例えば、図28a〜31bを参照のこと)。オリゴマーブロック自体は、新規方法によって調製され、そして適切な市販の試薬および機器がPNAオリゴマーの生成のために利用可能であるので、当業者は、所望のN末端構成のオリゴマーブロックを容易に調製し得る。
【0063】
連結のための末端の改変に加えて、オリゴマーブロックは、改変および/または適切に保護され、それによって、標識化または表面への結合のために官能基を取り込み得る。このような官能基は、以下のような因子に依存して、連結の前または後のいずれかに利用され得る:1)オリゴマー合成化学(例えば、標識を破壊し得る、必要とされる厳しい脱保護条件)、選択される縮合/連結化学(例えば、所望の標識の官能基は、縮合化学と相互作用し得る)および官能基の意図された使用(例えば、標識化または固体支持体への結合について意図されるか否か)。
【0064】
(PNA標識/改変)
PNAを標識するための好ましい非限定的な方法は、米国特許第6,110,676号、同第6,280,964号、WO99/22018、WO99/21881、WO99/37670、およびWO99/49293(本明細書の実施例の節に記載されているか、またはそうでなければ、PNA合成およびペプチド合成の分野で周知である)に記載される。PNAを標識するための方法は、Nielsenら、Peptide Nucleic Acids;Protocols and Applications、Horizon Scientific Press、Norfolk、England(1999)においても議論される。ブロックオリゴマーとして使用され得るか、そうでなければ組み合わせオリゴマーを調製するために使用され得るかのいずれかであるPNAオリゴマーを標識するための非限定的な方法は、以下に示される。
【0065】
アセンブリの合成化学は実質的に同じであるので、ペプチドを標識するために一般に使用される任意の方法は、しばしば、PNAオリゴマーの標識化をもたらすように適合され得る。一般に、ポリマーのN末端は、カルボン酸基または活性化カルボン酸基を有する部分との反応によって標識され得る。1以上のスペーサー部分が、標識化部分と核酸塩基含有オリゴマーサブユニットとの間に、必要に応じて導入され得る。一般に、スペーサー部分は、連結反応を実行する前に取り込まれ得る。所望の場合、スペーサーは、標識内に包埋され、それによって標識化反応の間に取り込まれ得る。
【0066】
代表的には、ポリマーのC末端は、標識された部分または官能基部分を、PNAオリゴマーがアセンブリされる支持体と最初に縮合することによって標識され得る。次に、PNAオリゴマーの合成要素を含む第一の核酸塩基は、標識された部分または官能基部分と縮合され得る。あるいは、1以上のスペーサー部分(例えば、8−アミノ−3,6−ジオキサオクタン酸;「O−リンカー」)が、標識部分または官能基部分とオリゴマーの第一の核酸塩基サブユニットとの間に導入され得る。調製されるべき分子が一旦完全にアセンブリ、標識および/または改変されると、これは、脱保護された支持体から切断され得、そして標準的な方法論を使用して精製され得る。
【0067】
例えば、標識された部分または官能基部分は、リジン誘導体であり得、ここで、ε−アミノ基は、保護もしくは脱保護された官能基であるか、またはさもなければレポーター部分で改変される。レポーター部分は、発蛍光団(例えば、5(6)−カルボキシフルオレセイン)またはクエンチャー部分(例えば、4−((4−ジメチルアミノ)フェニル)アゾ)安息香酸(ダブシル(dabcyl)))であり得る。合成支持体とのリジン誘導体の縮合は、標準的な縮合(ペプチド)化学を使用して達成され得る。次いで、このリジン誘導体のα−アミノ基は、脱保護され得、そして核酸塩基配列アセンブリは、第一のPNA合成要素とPNAリジンアミノ酸のα−アミノ基との縮合によって開始され得る。上記で議論したように、スペーサー部分は、適切なスペーサー(例えば、Fmoc−8−アミノ−3,6−ジオキサオクタン酸)を第一のPNA合成要素の縮合の前にリジンアミノ酸と縮合させることによって、リジンアミノ酸と第一のPNA合成要素との間に必要に応じて挿入され得る。
【0068】
あるいは、アセンブリされたかまたは部分的にアセンブリされたポリマー上の官能基は、オリゴマーがなお支持体結合したままで導入され得る。次いで、官能基は、任意の目的のために利用可能である(例えば、オリゴマーを支持体に結合させるため、またはさもなければレポーター部分と反応させるため(連結後の反応を含む(連結後によって、本発明者らは、1以上の縮合/連結反応の実行によって組み合わせオリゴマーが完全に形成された後の時点を意味する))のいずれかのために使用することを含む)。しかし、この方法は、適切に保護された官能基が、アセンブリの間にオリゴマーに取り込まれることを必要とし、その結果、アセンブリが完了した後に、反応性の官能基が作製され得る。従って、保護された官能基は、組み合わせオリゴマーまたはブロック内の任意の位置(ブロックオリゴマーの末端、オリゴマーブロックに対して内側の位置を含む)で結合され得るか、またはリンカーにとって重要な位置で連結され得る。
【0069】
例えば、リジンのε−アミノ基は、4−メチル−トリフェニルメチル(Mtt)、4−メトキシ−トリフェニルメチル(MMT)または4,4’−ジメトキシトリフェニルメチル(DMT)保護基で保護され得る。Mtt、MMTまたはDMT基は、穏やかな酸性条件下で合成樹脂処理することによって、(市販のFmoc PNAモノマーおよびPALリンカーを有するポリスチレン支持体(PerSeptive Biosystems、Inc.,Framingham、MA)を使用してアセンブリされた)オリゴマーから除去され得る。結果として、ドナー部分、アクセプター部分または他のレポーター部分は、次いで、ポリマーがなお支持体結合したままで、例えば、リジンアミノ酸のε−アミノ基と縮合され得る。アセンブリおよび標識化が完了した後、次いでこのポリマーは、周知の方法論を使用して支持体から切断され、脱保護され、そして精製される。
【0070】
なお別の方法によって、レポーター部分は、完全にアセンブリされ、そして支持体から切断された後で、組み合わせオリゴマーまたはオリゴマーブロックに結合される。この方法は、この標識が、オリゴマーを製造するために一般に使用される切断レジメン、脱保護レジメンまたは精製レジメンを用いて取り込み可能である場合に好ましい。この方法によって、PNAオリゴマーは、ポリマー上の官能基と標識上の官能基との反応によって、一般に溶液中で標識される。当業者は、カップリング溶液の組成が、オリゴマーおよび標識(例えば、ドナー部分またはアクセプター部分)の性質に依存することを認識する。この溶液は、有機溶媒、水またはこれらの任意の組み合わせを含み得る。一般に、この有機溶媒は、極性の非求核溶媒である。適切な有機溶媒の非限定的例としては、アセトニトリル(ACN)、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メチルスルホキシド、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF)およびN−メチルピロリドン(NMP)が挙げられる。
【0071】
標識されるべきポリマー上の官能基は、求核試薬(例えば、アミノ基)であり得、そして標識上の官能基は、求電子試薬(例えば、カルボン酸または活性化カルボン酸)であり得る。しかし、これが逆転され得ることもまた意図され、その結果、ポリマー上の官能基は、求電子試薬(例えば、カルボン酸または活性化カルボン酸)であり得、そして標識上の官能基は、求核試薬(例えば、アミノ基)であり得る。活性化カルボン酸官能基の非限定的な例としては、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステルが挙げられる。水溶液中で、PNAまたは標識のいずれかのカルボン酸基は、(選択された成分の性質に依存して)水溶性カルボジイミドを用いて活性化され得る。試薬(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ−プロピル)カルボジイミドヒドロクロリド(EDC))は、水性アミド形成縮合反応について特異的に販売される市販の試薬である。本出願人らは、このような縮合反応が、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)または1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1−hydrozybenzotriazole)(HOBt)がEDCと混合される場合に改善され得ることを同様に観察した。
【0072】
水溶液のpHは、縮合反応の間に緩衝液を用いて調節され得る。例えば、縮合の間のpHは、4〜10の範囲であり得る。一般に、非水性反応の塩基性は、非求核有機塩基の添加によって調節される。適切な塩基の非限定的な例としては、N−メチルモルホリン、トリエチルアミンおよびN,N−ジイソプロピルエチルアミンが挙げられる。あるいは、pHは、生物学的緩衝液(例えば、N−[2−ヒドロキシエチル]ピペラジン−N’−[2−エタンスルホン酸)(HEPES)もしくは4−モルホリンエタン−スルホン酸(MES))または無機緩衝液(例えば、重炭酸ナトリウム)を使用して調節され得る。
【0073】
(キメラ合成および標識化/改変)
PNAキメラは、核酸サブユニットおよびペプチド核酸サブユニットの組み合わせである。従って、PNAキメラの合成、標識化および改変は、当業者に公知の方法および上記の方法を利用し得る。PNAキメラの合成、標識化および改変について適切な参考文献は、WIPO公開特許出願番号WO96/40709(現在、米国特許第6,063,569号として発行、本明細書中で参考として援用される)に見出され得る。さらに、PNAの合成および標識化についての上記の方法は、しばしば、PNAキメラのPNA部分を改変するために使用され得る。さらに、核酸の合成および標識化のための周知の方法は、しばしば、PNAキメラの核酸部分を改変するために使用され得る。例示的な方法は、米国第5,476,925号、同第5,453,496号、同第5,446,137号、同第5,419,966号、同第5,391,723号、同第5,391,667号、同第5,380,833号、同第5,348,868号、同第5,281,701号、同第5,278,302号、同第5,262,530号、同第5,243,038号、同第5,218,103号、同第5,204,456号、同第5,204,455号、同第5,198,540号、同第5,175,209号、同第5,164,491号、同第5,112,962号、同第5,071,974号、同第5,047,524号、同第4,980,460号、同第4,923,901号、同第4,786,724号、同第4,725,677号、同第4,659,774号、同第4,500,707号、同第4,458,066号、および同第4,415,732号(これらの全てが本明細書中で参考として援用されている)において見出され得る。
【0074】
(標識された組み合わせオリゴマーおよびオリゴマーブロック)
ペプチド核酸、PNAキメラ、PNA組み合わせオリゴマーもしくはこれらのバリエーションであれ、本発明の実施のために使用される組み合わせオリゴマーまたはオリゴマーブロックは、レポーター部分を用いて標識され得る。標識またはレポーター部分の各々は、組み合わせオリゴマーまたはオリゴマーブロック内の任意の位置(ブロックオリゴマー末端、オリゴマーブロックに対して内側の位置、またはリンカーに対して重要な位置を含む)で連結され得る。本発明の実施において使用される組み合わせオリゴマーまたはオリマーブロックの直接的な標識に適切なレポーター部分(標識)の非限定的な例としては、量子ドット、副溝結合剤、デキストラン結合体、分枝核酸検出系、発色団、発蛍光団、クエンチャー、スピン標識、放射性同位体、酵素、ハプテン、アクリジニウムエステル、および化学発光化合物が挙げられる。クエンチング部分もまた、標識とみなされる。他の適切な標識試薬および好ましい結合方法は、PNA、ペプチド、または核酸合成の当業者によって認識されている。非限定的な例は、記載または上記に対して参照される。
【0075】
ハプテンの非限定的な例としては、5(6)−カルボキシフルオレセイン、2,4−ジニトロフェニル、ジゴキシゲニン、およびビオチンが挙げられる。
【0076】
蛍光色素(発蛍光団)の非限定的な例としては、以下が挙げられる:5(6)−カルボキシフルオレセイン(Flu)、2’,4’,1,4−テトラクロロフルオレセイン;および2’,4’,5’,7’,1,4−ヘキサクロロフルオレセイン、他の蛍光色素(本明細書中で参考として援用される、米国特許第5,188,934号;同第6,008,379号;同第6,020,481号を参照のこと)、6−((7−アミノ−4−メチルクマリン−3−アセチル)アミノ)ヘキサン酸(Cou)、5(および6)−カルボキシ−X−ローダミン(Rox)、他のローダミン色素(本明細書中で参考として援用される、米国特許第5,366,860号;同第5,847,162号;同第5,936,087号;同第6,051,719号;同第6,191,278号;同第6,248,884号を参照のこと)、ベンゾフェノキサジン(本明細書中で参考として援用される、米国特許第6,140,500号を参照のこと)、シアニン2(Cy2)色素、シアニン3(Cy3)色素、シアニン3.5(Cy3.5)色素、シアニン5(Cy5)色素、シアニン5.5(Cy5.5)色素、シアニン7(Cy7)色素、シアニン9(Cy9)色素(シアニン色素2、3、3.5、5、および5.5は、Amersham,Arlington Heights,ILからNHSエステルとして入手され得る)、他のシアニン色素(Kubista、WO97/45539)、6−カルボキシ−4’,5’−ジクロロ−2’,7’−ジメトキシフルオレセイン(JOE)、5(6)−カルボキシ−テトラメチルローダミン(Tamara)、色素1(図33a)、色素2(図33b)またはAlexa色素系列(Molecilar Probes,Eugene,OR)。
【0077】
酵素の非限定的な例としては、ポリメラーゼ(例えば、Taqポリメラーゼ、Klenow PNAポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼ、Sequenase、DNAポリメラーゼ1およびphi29ポリメラーゼ)、アルカリホスファターゼ(AP)、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、ダイズペルオキシダーゼ(SBP)、リボヌクレアーゼおよびプロテアーゼが挙げられる。
【0078】
クエンチング部分の非限定的な例としては、以下の構造:
【0079】
【化11】
Figure 2004524032
に従う、ジアゾ含有部分(例えば、アリールジアゾ化合物(例えば、ダブシル(dabcyl)およびダブシル(dabsyl)))、もう1つのさらなるジアゾ基および/またはアリール基を含むホモログ(例えば、Fast Block(Nardone、米国特許第6,117,986号))および置換化合物(ここで、Zは、Cl、F、Br、C〜Cアルキル、C〜C14アリール、ニトロ、シアノ、スルホネート、NR、−ORおよびCOHのような置換基であり、各Rは、独立して、H、C〜CアルキルまたはC〜C14アリールである)が挙げられ、以下の例示的な構造:
【0080】
【化12】
Figure 2004524032
を含むシアニン色素(Lee、米国特許第6,080,868号)、ならびに他の発色団(例えば、アントラキノン、マラカイトグリーン、ニトロチアゾール、およびニトロイミダゾール化合物など)(ここで、基Xは、本発明の組み合わせオリゴマーへの結合またはリンカーの共有結合部位である)が挙げられる。
【0081】
マイナーグローブ結合体(binder)の非限定的な例は、以下の構造:
【0082】
【化13】
Figure 2004524032
によって示されるCDPIであり、ここで、Xは複合(combination)オリゴマーに対する例示的な結合部位である(Dempcy、WO01/31063)。
【0083】
非放射性標識方法、技術および試薬は、以下に概説される:Non−Radioactive Labeling,A Practical Introduction、Garman,A.J.Academic Press,San Diego,CA(1997)。
【0084】
(オリゴマーブロックを連結/縮合する場合の標識選択のガイダンス)
本発明に従って、組み合わせオリゴマーを生成するためにオリゴマーブロックが縮合/連結される場合、成分オリゴマーブロックの潜在的に反応性の官能基の全体的な性質を、潜在的副反応または交差反応について考慮するべきであることは、当業者に理解される。保護基はまた、潜在的な副反応および交差反応を最少にするかまたは排除するために、適切な場合に使用される。例えば、標識されたオリゴマーが連結される場合、選択され得る種々の連結化学の性質の観点から1つ以上の標識の官能基活性の能力について考慮することが賢明である。
【0085】
説明の目的で、アミノ基、カルボン酸基および水溶性カルボジイミドを含む縮合/連結反応が実行される場合(例えば、実施例2および6)、エネルギー移動セットの標識(以下のエネルギーセットの考察を参照のこと)は、一般的に、保護されていない反応性アミノ官能基およびカルボン酸官能基を避け、それにより潜在的副反応/交差反応を回避するように選択されるべきである。実施例2および6に実証されるように、標識されたPNAオリゴマーブロックおよび標識されていないPNAオリゴマーブロックを、良好な収率で連結することが可能であるが、但し、縮合反応の間に交差反応を生じる官能基は存在しない。その結果、当業者は、選択された特定の連結/縮合化学の性質の観点から、成分部分の反応性官能基の性質を考慮することによって、いかにして最適な連結/縮合状態をもたらすかを理解する。
【0086】
(エネルギー移動)
ハイブリダイゼーションの決定において有用であるエネルギー移動のために、少なくとも1つのエネルギー移動ドナー部分および少なくとも1つのエネルギー移動アクセプター部分を含むエネルギー移動部分のセットが存在するべきである。しばしば、このエネルギー移動セットは、単一のドナー部分および単一のアクセプター部分を含むが、限定ではない。エネルギー移動セットは、1つより多くのドナー部分および/または1つより多くのアクセプター部分を含み得る。ドナー部分およびアクセプター部分は、1つ以上のアクセプター部分が1つ以上のドナー部分から移動されるエネルギーを受容するようにか、またはそうでなければ、ドナー部分からのシグナルを消滅させるように、作動する。従って、1つの実施形態において、ドナー部分およびアクセプター部分の両方は、発蛍光団である。先に列挙した発蛍光団(適切なスペクトル特性を有する)もまたエネルギー移動アクセプターとして作動し得るが、好ましくは、アクセプター部分はクエンチャー部分である。好ましいクエンチャー部分は、4−((−4−(ジメチルアミノ)フェニル)アゾ)安息香酸(ダブシル(dabcyl))である。エネルギー移動セットの標識は、オリゴマーブロック末端で連結されるか、またはオリゴマーブロック内の部位で連結され得る。1つの実施形態において、エネルギー移動セットの2つの標識の各々は、組み合わせオリゴマーの最遠位末端において連結され得る。
【0087】
ドナー部分とアクセプター部分との間のエネルギー移動は、任意のエネルギー移動プロセスにより(例えば、エネルギー移動セットに近接して結合した部分の衝突により、または蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)のような無放射プロセスにより)起こり得る。FRETが起こるために、エネルギー移動セットのドナー部分とアクセプター部分との間のエネルギーの移動は、これらの部分が空間的に近いこと、およびドナーの発光スペクトルが、アクセプターの吸収スペクトルとの実質的な重なりを有していることを必要とする(Yaronら、Analytical Biochemistry,95:228−235(1979)および特に232頁第1欄〜234頁第1欄を参照のこと)。あるいは、衝突媒介(無放射)エネルギー移動は、ドナー部分の発光スペクトルがアクセプター部分の吸収スペクトルと実質的な重なりを有していてもいなくても、非常に近接して結合したドナー部分とアクセプター部分との間で起こり得る((Yaronら、Analytical Biochemistry,95:228−235(1979)および特に229頁第1欄〜232頁第1欄を参照のこと)。このプロセスは、分子内衝突といわれる。なぜなら、消光は、ドナー部分とアクセプター部分の直接接触により引き起こされると考えられるからである(Yaronら参照)。本出願におけるエネルギー移動に対する任意の言及は、これらの機構の異なる現象の全てを包含することが理解されるべきである。エネルギー移動が、1つより多くのエネルギー移動プロセスにより同時に起こり得ること、および検出可能なシグナルの変化が、2つ以上のエネルギー移動プロセスの活性の尺度でありえることもまた理解されるべきである。従って、エネルギー移動の機構は、本発明の限定事項ではない。
【0088】
(自己指示(self−indicating)組み合わせオリゴマーにおけるエネルギー移動の検出)
特定の実施形態において、組み合わせオリゴマーは、自己指示する。1つの実施形態において、自己指示組み合わせオリゴマーは、表題:「Methods,Kits And Compositions Pertaining To Linear Beacons」の同時係属中の共有に係る特許出願USSN09/179,162号(現在は特許される)およびWO99/21881としても現在公開されている関連PCT出願(これらの両方は、本明細書に参考として援用される)に記載される様式で標識され得る。これらの自己指示組み合わせオリゴマーは、主に、ドナー部分またはアクセプター部分のうちのいずれか一方が連結される2つのオリゴマーブロックの間に位置するリンカーの存在において、USSN09/179,162号またはWO99/21881に最初に記載される例示的なプローブと異なる。
【0089】
自己指示組み合わせオリゴマーと標的配列との間のハイブリッド形成は、エネルギー移動セットの少なくとも1つのメンバーの少なくとも1種の物理的特性を測定することによりモニタリングされ得、この物理的特性は、その組み合わせオリゴマーが非ハイブリダイズ状態で存在する場合と比較した場合に、ハイブリダイゼーション複合体が形成される場合に検出可能に異なる。本発明者らは、この現象を、組み合わせオリゴマーの自己指示特性と呼ぶ。検出可能シグナルにおけるこの変化は、ドナー部分とアクセプター部分との間のエネルギー移動効率の変化から生じ、この変化は、組み合わせオリゴマーの標的配列へのハイブリダイゼーションにより引き起こされる。
【0090】
例えば、検出手段は、エネルギー移動セットのドナー発蛍光団またはアクセプター発蛍光団の蛍光を測定することを含み得る。1つの実施形態において、エネルギー移動セットは、ドナー発蛍光団の蛍光の測定を使用して、標的配列への組み合わせオリゴマーのハイブリダイゼーションを検出、同定、または定量し得るように、少なくとも1つのドナー発蛍光団および少なくとも1つのアクセプター(蛍光性または非蛍光性)クエンチャーを含み得る。例えば、標的配列への組み合わせオリゴマーのハイブリダイゼーションの際にドナー発蛍光団の蛍光は、測定可能に増加し得る(実施例2、3および5を参照のこと)。
【0091】
別の実施形態において、エネルギー移動セットは、少なくとも1つのドナー部分または少なくとも1つのアクセプター部分のいずれかまたは両方の蛍光の測定を使用して、標的配列に対する組み合わせオリゴマーのハイブリダイゼーションを検出、同定または定量し得るように、少なくとも1つのドナー発蛍光団および少なくとも1つのアクセプター発蛍光団を含む。
【0092】
(検出複合体におけるエネルギー移動の検出)
別の実施形態において、本発明の組み合わせオリゴマーは、クエンチャー部分のみで標識され、そして検出複合体における成分オリゴマーとして使用される(表題:「Methods,Kits And Compositions Pertaining To Detection Complexes」のUSSN09/275,848号およびWO99/49293としても現在公開されている関連PCT出願(両方とも本明細書中に参考として援用される)により充分に説明される)。この検出複合体が形成される場合、1つの成分ポリマー中の少なくとも1つのドナー部分は、第2の成分ポリマーの少なくとも1つのアクセプター部分に空間的に十分近くにされる。このセットのドナー部分およびアクセプター部分は空間的に近くに位置しているので、エネルギー移動は、エネルギー移動セットの部分間で起こる。例えば、ポリメラーゼが、検出複合体鎖の1つをコピーする場合に、検出複合体が解離する場合、ドナー部分およびアクセプター部分は、エネルギー移動セットのドナー部分およびアクセプター部分からのエネルギーの実質的な移動を生じるほど十分には相互作用せず、そしてエネルギー移動セットのドナー部分および/またはアクセプター部分からの検出可能なシグナルにおける相関する変化がある。結果として、検出複合体形成/解離は、エネルギー移動セットの少なくとも1つのメンバーのすくなくとも1種の物理的特性を測定することにより決定され得、この物理的特性は、この検出複合体の成分ポリマーが独立してかつ解離せずに存在する場合と比較して複合体が形成される場合に、検出可能に異なる。
【0093】
(検出可能でかつ独立して検出可能な部分/マルチプレックス分析)
本発明の特定の実施形態において、マルチプレックスハイブリダイゼーションアッセイが実行される。マルチプレックスアッセイにおいて、目的の多数の状態が、同時にまたは連続して試験される。マルチプレックス分析は、そのアッセイの間またはアッセイが完了した後に、サンプル成分またはそのサンプル成分に関連したデータをソートする能力に依存する。マルチプレックスアッセイを行う際に、1つ以上の個々の独立して検出可能な部分を使用して、アッセイに使用されるべき2つ以上の異なる組み合わせオリゴマーを標識し得る。独立して検出可能により本発明者らは、他の標識と独立してかつ他の標識の存在下で1つの標識を検出ことが可能であることを意味する。独立して検出可能な部分の各々を区別し、そして/または定量する能力は、ハイブリダイゼーションアッセイを多重化する手段を提供する。なぜなら、このデータは、サンプル中で検出しようとする特定の標的配列への個々の独立して標識された組み合わせオリゴマーの各々のハイブリダイゼーションと相関するからである。結果として、本発明のマルチプレックスアッセイを使用して、例えば、同じサンプル中の2つ以上の標的配列の存在、非存在、数、位置またはアイデンティーを同じアッセイにおいて同時にまたは連続的に検出し得る。
【0094】
以下の実施例5は、本明細書中で考察される本発明を使用するマルチプレックスアッセイの一例である。この実施例において、SNP分析において使用されるプローブの各対を、それぞれ独立して検出可能な色で蛍光を発する色素で標識する。その結果:(i)本質的に2つの色のうち一方のみが検出される場合、そのサンプルは、一方のSNP状態について同型接合的であり、(ii)本質的に2つの色のうち他方が検出される場合、そのサンプルは、別のSNP状態について同型接合的であるが;(iii)両方の色が検出される場合、そのサンプルは、SNP状態について異型接合的である。このようにして、全ての可能なSNP順列が、1回の「マルチプレックス」アッセイから決定可能であり、このアッセイにおいて、アッセイにおいて使用される、異なる自己指示組み合わせオリゴマープローブに連結された蛍光性色素標識の独立して検出可能な色は、目的の特定の状態と関連しており、そして同じアッセイにおける両方の標識の決定を使用して、3種の異なる可能なSNP状態の任意の1つを決定し得る。
【0095】
(スペーサー/リンカー部分)
一般的に、スペーサーを使用して、嵩高い標識試薬が、プローブまたはプライマーのハイブリダイゼーション特性に対して有し得る不利な影響を最小にし得る。本発明において、リンカーを使用して、組み合わせオリゴマーの2つ以上のオリゴマーブロックを連結し得る。本発明における使用のために適切なスペーサー/リンカー部分の非限定的な例は、以下からなる:1つ以上のアミノアルキルカルボン酸(例えば、アミノカプロン酸)、アミノ酸の側鎖(例えば、リジンまたはオルニチンの側鎖)、1つ以上の天然アミノ酸(例えば、グリシン)、アミノオキシアルキル酸(例えば、8−アミノ−3,6−ジオキサオクタン酸)、アルキル二酸(例えば、コハク酸)、アルキルオキシ二酸(例えば、ジグリコール酸)またはアルキルジアミン(例えば、1,8−ジアミノ−3,6−ジオキサオクタン)。スペーサー/リンカー部分はまた、組み合わせオリゴマーの水溶性を改善するように、偶発的または意図的に構築され得る(例えば、Gildeaら、Tett.Lett.39:7255−7258(1998)を参照のこと)。
【0096】
本発明のリンカーは、無塩基である。無塩基により、本発明者らは、それらが核酸塩基を含まないことを意味する。リンカーは、少なくとも3原子長である。疑念を避けるために、リンカーを規定する原子は、そのオリゴマーのモノマーサブユニットを構成する原子ではない。例えば、ヌクレオチドサブユニットの3’ヒドロキシルおよび5’ヒドロキシル基は、リンカーの原子ではない。同様に、PNAサブユニットのN−(2−アミノエチル)−グリシン部分の1級アミンおよびカルボニル炭素は、リンカーの原子として数えられない。
【0097】
例えば、このリンカーは、1つのアミノ酸残基、2つのアミノ酸残基、3つのアミノ酸残基、1つのEリンカー残基、2つのEリンカー残基、1つのOリンカー残基、2つのOリンカー残基、1つのXリンカー残基、または2つのXリンカー残基であり得る。より具体的には、このリンカーは、アミノ酸グリシン、アミノ酸ダイマーgly−gly、アミノ酸ダイマーgly−lys、アミノ酸ダイマーlys−gly、アミノ酸ダイマーglu−gly、アミノ酸ダイマーgly−cys、アミノ酸ダイマーcys−glyおよびアミノ酸ダイマーasp−glyであり得る。
【0098】
(ハイブリダイゼーション条件/ストリンジェンシー)
ハイブリダイゼーションの当業者は、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを強要または制御するために一般的に使用される因子としては、ホルムアミド濃度(または他の化学的変性試薬)、塩濃度(すなわち、イオン強度)、ハイブリダイゼーション温度、界面活性剤濃度、pHおよびカオトロープ(chaotrope)の存在または非存在が含まれることを認識する。組み合わせオリゴマー/標的配列の組み合わせについての最適なストリンジェンシーは、しばしば、前述のストリンジェンシー因子のいくつかを固定し、次いで単一のストリンジェンシー因子を変化させる効果を決定する周知の技術により見出される。PNAのハイブリダイゼーションは、イオン強度とほとんど独立しているということを除いて、同じストリンジェンシー因子を調節して、それにより核酸へのPNAのハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを制御し得る。アッセイに最適または適切なストリンジェンシーは、所望の程度の識別が達成されるまで各ストリンジェンシー因子を試験することにより実験的に決定され得る。
【0099】
(適切なハイブリダイゼーション条件)
一般的に、核酸混入を引き起こすバックグラウンドが標的配列に密接に関連しているほど、より注意深くストリンジェンシーを制御しなければならない。ブロックプローブはまた、ストリンジェンシー因子の単なる最適化により可能な限界を超えて識別を改善するための手段として使用され得る。従って、適切なハイブリダイゼーション条件は、アッセイが正確で(アッセイに所望の許容範囲内)かつ再現可能な結果を生じるように、所望の程度の識別が達成される条件を含む。しばしば、このことは、プローブおよび標的配列の配列特異的ハイブリダイゼーションが達成されるまで、ストリンジェンシーを調節することにより達成される。それにもかかわらず、慣用の実験および本明細書中に提供される開示内で補助されて、当業者は、本明細書中に記載される方法および組成物を利用するアッセイを実行するための適切なハイブリダイゼーション条件を決定することができる。
【0100】
(ブロックプローブ)
ブロックプローブは、非標的配列への組み合わせオリゴマーのプローブ核酸塩基配列の結合を抑制するために使用され得る、核酸プローブまたは非核酸プローブである。好ましいブロックプローブは、PNAプローブである(Coullら、米国特許第6,110,676(本明細書中に参考として援用される)を参照のこと)。本発明の組み合わせオリゴマーは、同様にブロックプローブとして使用され得る。
【0101】
代表的には、ブロックプローブは、プローブ核酸塩基配列に密接に関連しており、そして好ましくは、これらは、アッセイにおいて検出しようとする標的配列と比較して、1つ以上の一点変異を含む。ブロックプローブは、非標的配列に対するハイブリダイゼーションにより作動して、それによりプローブ核酸塩基配列と非標的配列との間のハイブリダイゼーションにより形成される複合体より熱力学的に安定な複合体を形成すると考えられる。より安定で好ましい複合体の形成は、プローブ核酸塩基配列と非標的配列との間のより不安定な好ましくない複合体の形成を防ぐ。従って、ブロックプローブは、本発明の方法および組成物と共に使用されて、アッセイに存在し得、それによりアッセイの性能を妨害し得る非標的配列に対する核酸または非核酸組み合わせオリゴマーの結合を抑制し得る。(Fiandacaら、「PNA Blocker Probes Enhance Specificity In Probe Assays」、Peptide Nucleic Acids:Protocols and Applications,129〜141頁、Horizon Scientific Press,Wymondham,UK,1999を参照のこと)。
【0102】
(プローブ核酸塩基配列)
組み合わせオリゴマーのプローブ核酸塩基配列は、構築物の特異的配列認識部分である。本発明者らは、本発明のオリゴマーを、その製造方法に関わらず、組み合わせオリゴマーと呼ぶ。なぜなら、それらのハイブリダイゼーション特性は、2つ以上の成分オリゴマーブロック、リンカーの性質、およびこの組み合わせオリゴマー配列が標的配列に特異的にハイブリダイズする場合のブロック間の相互作用の機会という組み合わされた特性から生じるからである。従って、組み合わせオリゴマーのプローブ核酸塩基配列は、サンプル中の連続した核酸塩基の特異的標的配列にハイブリダイズするように設計されるオリゴマーブロックの凝集核酸塩基配列である(例えば、図1を参照のこと)。従って、組み合わせオリゴマーのプローブ核酸塩基配列は、その組み合わせオリゴマーの少なくとも2つのオリゴマーブロック間に分布される(必ずしも一様に分布される必要はない)。結果として、選択されたアッセイ形式についての組み合わせオリゴマーの要件を熟慮して、組み合わせオリゴマーのプローブ核酸塩基配列の長さおよび配列組成は、一般的に、適切なハイブリダイゼーション条件下で、連続した核酸塩基の標的配列と二本鎖複合体を形成する(すなわち、オリゴマーブロックが、隙間のないように並列してハイブリダイズする)ように選択される。
【0103】
実施例1に考察されるように、本発明の組み合わせオリゴマーは、等価なプローブ核酸塩基配列のネイティブオリゴマーよりも低いTm、およびミスマッチが、一方のオリゴマーブロックの末端以外に位置する場合に、それらのミスマッチを識別するより高い能力を示し得る。従って、組み合わせオリゴマーのプローブ核酸塩基配列の設計は、オリゴマーブロックの末端以外の位置において識別されるべき一点変異(ミスマッチ、一塩基多型またはSNP)の位置決めを含み得る。
【0104】
(連結(ligation)/縮合化学の非限定的例)
図28aおよび図28bを参照して、適切に調製されたオリゴマーブロックは、カルボジイミド(例えば、水溶性カルボジイミドである1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ−プロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC))を使用して結合され得る。図示されるように、代表的にオリゴマーブロックの一方が、カルボン酸部分を有し、他方がアミン基を含む。PNAオリゴマーは、それらが連結された天然アミノ酸部分を含んでいてもいなくても、アミン末端およびカルボン酸末端を含み得るので、PNAオリゴマーブロックが、この結合化学を促進させるための改変を必要としないことは利点である。このオリゴマーは、必要に応じて1%〜75%(v/v)の有機改変剤を含有する水溶液中で結合され得る。pHは、6.5未満である。出願人らは、活性化剤(例えば、トリアゾール化合物(例えば、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)または1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt))の添加により、縮合/連結反応の全体の収率が増加することを観察した。従って、この化学が選択された場合に結合を行うために、カルボジイミドと共に活性化剤を使用することを薦める。
【0105】
再び図28aおよび図28bを参照して、図28aの結合の生成物は、ネイティブPNAオリゴマーであり、一方図28bの結合の生成物は、gly−glyリンカーを含む組み合わせオリゴマーである。従って、オリゴマーブロックが、ネイティブオリゴマーおよび組み合わせオリゴマーの両方を調製するように選択され得ること、ならびに例えば、ライブラリーのオリゴマーブロックの選択が、意図した縮合/連結の所望の生成物と共に生じ得ることが理解されるべきである。
【0106】
図29a、図29b、図29c、図30aおよび図30bを参照して、オリゴマーブロックの連結/縮合についてのいくつかの選択肢が例示されており、ここでシアノホウ水素化ナトリウムが還元剤として使用される。このシアノホウ水素化ナトリウムが、これらの結合戦略を使用してオリゴマーブロックの結合を行うために使用され得る多くの還元試薬のうちの1つであることが理解されるべきである。
【0107】
図29aおよび図29bを参照して、結合されるべきオリゴマーブロックのうちの一方は、アミンを含み、そして結合されるべき他方のオリゴマーブロックは、アルデヒドを含む。これらのオリゴマーブロックを接触させてそれによりイミンを形成し得る。イミン形成は可逆的であるので、このイミンは、しばしば、例えば、シアノホウ水素化ナトリウムにより還元されて、それにより、結合された組み合わせオリゴマーを形成する。図29aおよび図29bを参照すると、この例は、図28aおよび図28bで見られるものと、それぞれ結合生成物がネイティブオリゴマーまたは組み合わせオリゴマー(この場合は、N−[2−アミノエチル]−グリシンリンカーを含む)のいずれかであるという点で類似している。
【0108】
図29c、図30aおよび図30bを参照して、結合されるオリゴマーブロックのうちの一方は、アルデヒドまたはケトン(例えば、グリシナールまたはβ−アラニナール(alinal))であり、そして結合される他方のオリゴマーブロックは、アミノオキシ含有部分(例えば、アミノオキシアセチル)を含む。適切に修飾されたオリゴマーブロックの反応は、イミンよりも安定であるイミノキシ組み合わせオリゴマーの形成をもたらす。従って、このイミノキシ組み合わせオリゴマーは、調製したまま使用され得るか、または必要に応じて、例示されるように、例えば、シアノホウ水素化ナトリウムで還元して、それにより、リンカーを含むより安定な組み合わせオリゴマーにされ得る。
【0109】
図31a、図31bおよび図31cを参照して、各場合において、オリゴマーブロックの一方は、求核性チオールおよび脱離基を含む。図31aは、組み合わせオリゴマーを形成するための、Luら(J.Am.Chem.Soc.,118(36):8518−8523(1996))に従う結合を例示する。求核性チオール(例えば、2−アミノエチルチオール(図31c)、2−チオアセチルまたは3−チオプロピオニル)の、例えば、ハロアセチル(図31b)、マレイミド(malimido)(図31c)またはビニルのいずれかとの反応は、同様に組み合わせオリゴマーを生成する。
【0110】
(固体支持体または表面への組み合わせオリゴマーの固定化)
本発明の1つ以上の組み合わせオリゴマーは、必要に応じて、標的配列の検出のために表面または固体支持体に固定化され得る。固定化は、例えば、捕捉アッセイにおいて、そしてアレイを調製するために使用され得る。
【0111】
ブロックオリゴマーおよび/または組み合わせオリゴマーは、周知のプロセスであるUV架橋を使用して表面に固定され得る。オリゴマーブロックはまた、合成支持体からの切断ではなく脱保護に適切な様式で表面上で合成され得る(Weiler,Jら、Hybridization based DNA screening on peptide nucleic acid(PNA) oligomer arrays,Nucl.Acids Res.,25,14:2792−2799(1997年7月)を参照のこと)。なお別の実施形態において、1つ以上の組み合わせオリゴマーは、表面上の官能基とオリゴマー上の適切な官能基との反応により表面に共有結合で連結され得る(Annapolis(1997年10月)でのBiochip Technologies Confereneceで発表された、Lester,Aら、「PNA Array Technology」を参照のこと)。この方法は、他の方法のいくつかと比較して有利である。なぜなら、固定化のために表面上に沈着されたオリゴマーは、高度に精製され得、そして確定された化学により結合され、それによりおそらく非特異的相互作用を最小にするかまたは排除するからである。
【0112】
オリゴマーブロックまたは組み合わせオリゴマーの表面への化学的結合のための方法は、固定化されるべきプローブの求核性基(例えば、アミンまたはチオール)の、改変される支持体上の求電子性基との反応を含み得る。あるいは、この求核剤は、支持体上に存在し得、そして求電子剤(例えば、活性化カルボン酸)は、オリゴマー上に存在し得る。ネイティブPNAは、アミノ末端を有するので、PNAは、表面に固定化するための改変を必要としてもしなくてもよい(Lesterら、表題「PNA Array Technology」のポスターを参照のこと)。
【0113】
組み合わせオリゴマーを表面に固定化するために適切な条件は、一般的にポリマーを標識するために適切な条件と類似する。固定化反応は、標識が、ポリマーが連結されるべき表面と置換されるように標識することと本質的に等価である(上記を参照のこと)。
【0114】
アミノ基、カルボン酸基、イソシアネート、イソチオシアネートおよびマレイミド基で誘導体化された多くの型の固体支持体が、市販されている。適切な固体支持体の非限定的例としては、膜、ガラス、制御孔(controlled pore)ガラス、ポリスチレン粒子(ビーズ)、シリカおよび金ナノ粒子が挙げられる。上記の固定化方法の全ては、いかなる様式でも限定を意図されず、単に例示として提供される。
【0115】
(本発明に伴う利点の非限定的リスト)
保護されていない核酸塩基を含む組み合わせオリゴマーは、テンプレートの非存在下で効率的に結合され得る。結合の効率はまた、規模にはあまり依存しないようであり、それにより特に、生成されたオリゴマーの量が、必要な量よりかなり過剰であり得る場合のように、従来の新たなオリゴマー合成の費用が非常に高い多数の適用のための広範な使用を促進する。従って、本発明の方法により、所望の量で所望の核酸塩基配列のオリゴマーを産生することが可能となり、そしておそらく、新たに産生する方法と比較して実質的に費用を抑えることができる。
【0116】
所望の核酸塩基配列の組み合わせオリゴマーは、オリゴマーブロックの容易に入手可能なライブラリーから単一工程で迅速かつ効率的に調製され得る(「ライブラリーアプローチ」)。標的配列に結合し得る確立された核酸塩基配列のオリゴマーを迅速に製造する能力は、ハイスループット適用(例えば、核酸配列決定、SNP分析、遺伝子分析、発現分析およびアレイ製造)を可能にする。なぜなら、数十、数百、数千、数万または数十万そしておそらく数百万のプローブが、非常に時間が決定的な様式で生成され得るからである。
【0117】
組み合わせオリゴマーは、ネイティブオリゴマーと比較して一般的に低い絶対Tmを示すが、2つのオリゴマーブロックが、隙間のないように結合対に並列してハイブリダイズする場合、より大きなΔTmを示し得る(図1を参照のこと)。ネイティブオリゴマーと比較した場合のこのより大きなΔTmを原因として、これらの組み合わせオリゴマーは、ネイティブオリゴマーと比較してより特異的かつ識別力があり得る(Egholmら、Nature,365;566−568(1993を参照のこと)、ここでは、核酸ミスマッチのΔTmと比較した場合に、PNAについてのより大きなΔTmは、ハイブリダイゼーション反応におけるその分子の識別力の尺度であると示されている)。組み合わせオリゴマーの高い識別力を原因として、一点変異(一塩基多型(SNP)としても知られる)についてのアッセイは、野生型または変異標的が存在するか否かに依存して、結合するかまたは結合しないかのいずれかであるように、オリゴマーが本質的に二元モードで作動するように設計され得る。10マーPNA組み合わせオリゴマーおよびその相補的標的配列のハイブリッドは、代表的に周囲温度よりわずかに高いTm(例えば、35〜45℃)を示す。しかし、このハイブリッド中の1つ以上の非相補的核酸塩基は、このTmを室温より低く低下させる。従って、10マーPNA組み合わせオリゴマーは、周囲温度で行われる分析において特に有用であり得かつ識別力があり得る。周囲温度における分析は、費用の高い温度制御装置の必要性を回避するので、本発明のハイブリッドおよびアッセイのこの特性は、当業者に相当な利益をもたらす。
【0118】
組み合わせオリゴマーは、2つのオリゴマーブロックを連結するリンカーとして酵素切断部位を含むように設計され得る。このような切断部位の組み込みは、以下のような出願人の観察と合わせて考慮する場合に有利であり得る:組み合わせオリゴマーは、酵素および存在する切断部位の性質に依存して、適切な結合対(例えば、標的配列)への組み合わせオリゴマーの結合の結果として切断から保護され得る。従って、このようなリンカーを組み込むことにより、特定の組み合わせオリゴマーが、他の用途の中でも、潜在的な結合パートナーがこの組み合わせオリゴマーに結合するか否かを決定するためのアッセイにおいて基質として使用され得ることは、有利である。なぜなら、結合が存在するか否か、およびどんな量で存在するかは、サンプル中に結合パートナー(例えば、標的配列)が存在するか否か、どんな量で存在するかを決定するために使用され得るからである。
【0119】
高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のような従来の方法によるオリゴマー精製は高価であり得かつ時間がかかり得る。組み合わせオリゴマーは、精製されたサブユニットからそれ自体が生成されるので、送達はより迅速かつ費用効率的であり、この場合、産物は結合後に精製される必要はない。さらに、結合される未反応の成分オリゴマーブロックは、必ずしも、問題となる不純物ではなく、多くの適用では、組み合わせオリゴマーを、結合後および使用前に精製する必要性はないかもしれない。このことは、一旦、適切なライブラリーが構築されると、所望の組成のプローブ/プライマーの迅速な利用性を促進し得る。
【0120】
(本発明の用途の非限定的な例)
本発明の方法、キット、組成物、ライブラリー、およびアレイは、科学研究の多くの分野または用途に有用である。例えば、本発明は、食物、飲料、水、薬品、個人医療製品、日用品または植物、動物、ヒト、もしくは環境起源のサンプル中のウイルス、細菌、および真核生物(eucarya)(例えば、病原体)の検出、同定、および/または数え上げ(enumeration)に有用であり得る。本発明はまた、食物、飲料、水、薬品、個人医療製品、日用品または環境サンプルを製造または保存するために使用される原材料、機器、製品、またはプロセスの分析に有用であり得る。さらに、本発明は、ヒトまたは動物を処置するために使用される臨床用試料、機器、設備、または製品ならびに臨床サンプルおよび臨床環境における細菌および真核生物(例えば、病原体)の検出に有用であり得る。例えば、目的の微生物の分析は、PNA−FISHまたは多重PNA−FISHを用いて実施され得る(本明細書の実施例3、ならびに同時係属中の共願の米国出願09/335,629および09/368,089を参照のこと)。
【0121】
本発明の方法、キット、組成物、ライブラリー、およびアレイは、特に、発現分析、単一ヌクレオチド多型(SNP)分析(以下の実施例5を参照のこと)、ヒト、動物、真菌、酵母、ウイルス、および植物(遺伝子改変生物を含む)の遺伝子分析、治療モニタリング、薬理ゲノム学、薬理遺伝学、エピゲノム学(epigenomics)、ならびに高スループットスクリーニング操作のような分野において有用である。本発明のライブラリーは、これらのプローブの集中的な用途に有用であり得る。なぜならば、それらは、高度な選択性/識別性の組み合わせオリゴマーの大量、迅速、効率的、かつ適切なスケールの合成(これらは、これらのプローブまたはプライマーの集中的な用途を十分可能にするためになおも十分に履行されなければならない要件である)を容易にするからである。
【0122】
(III.本発明の好ましい実施形態)
(組み合わせオリゴマーの総論)
本発明は、テンプレートの非存在下での組み合わせオリゴマーのブロック合成、ならびに関連する方法、キット、ライブラリー、および他の組成物を含む、組み合わせオリゴマーの分野に関する。本発明の組み合わせオリゴマーは、市販の化学物質および機器を用いたモノマー/シントンの段階的な構築(デノボ合成)により生成され得る。あるいは、組み合わせオリゴマーは、以下(「ライブラリーアプローチ」)に大まかに記載されるような(例えば、本明細書の実施例2および/または実施例6に詳細に記載されるような)連結によって生成され得る。当業者は、個人的な観点で選択された用途に最も適した組み合わせオリゴマー生成の様式を決定し得る。必然的に、組み合わせオリゴマーの生成方法が本発明の限定であることを意図しないことが理解される。
【0123】
本明細書中で使用する場合、組み合わせオリゴマーは、標識されているかまたは標識されていない、ペプチド核酸、PNAキメラ、およびPNA組み合わせオリゴマーから独立して選択される、2つ以上のオリゴマーブロックを含む組成物である。ここで、このオリゴマーブロックは、リンカーにより連結される。このリンカーは、必要に応じて、酵素切断部位であり得る。上記組成物は、その生成方法に関わらず、本明細書中で組み合わせオリゴマーと呼ばれる。なぜならば、そのハイブリダイゼーション特性は、2つの構成成分のオリゴマーブロックの組み合わされた特性、ならびに組み合わせオリゴマーが標的配列にハイブリダイズする場合はリンカーの性質およびブロック間の相互作用の機会に起因するからである。
【0124】
組み合わせオリゴマーは、多くの用途においてプローブまたはプライマーとして使用され得ることが理解される。プローブについての必要性は、それらが、配列特異的に標的配列にハイブリダイズすることのみである。従って、プローブとして使用される場合、組み合わせオリゴマーの特定の特徴に対するさらなる限定は存在しない。しかし、プライマーとして使用される場合、組み合わせオリゴマーが、酵素の認識および作用に適切な部分を含むことが必要である。なぜならば、ポリメラーゼ酵素は、非改変PNAオリゴマーにおいて作用することが知られていないからである(Lutzら、J.Am.Chem.Soc.119:3177−3178(1997)を参照のこと)。
【0125】
本発明の多くの実施形態について、この組み合わせオリゴマーの一般的な実施形態は、本発明の説明に関して考慮されるべきであることが理解される。本明細書中で特に他にそうでないことが示されない限り、新規の組み合わせオリゴマーは、本明細書中で、自己指示組み合わせオリゴマーと呼ばれ、そして基質組み合わせオリゴマーは、本発明の他の実施形態に一般的に適用可能でない制限を含み得る。
【0126】
(新規の組み合わせオリゴマー)
1つの実施形態において、本発明は、新規の組み合わせオリゴマーに関する。本発明の新規の組み合わせオリゴマーとしては、以下で議論されるような、基質組み合わせオリゴマーまたは自己指示組み合わせオリゴマーが挙げられるが、必ずしもこれらに限定されない(以下の実施例1、4、および5もまた参照のこと)。基質組み合わせオリゴマーであっても自己指示組み合わせオリゴマーであっても、これらの新規の組み合わせオリゴマーは、式:A−W−CまたはA−B−Cのセグメントを含む。ここで、WまたはBは、それぞれ、リンカーが酵素切断部位を含むか含まないかを識別するために使用される。従って、本発明の新規の基質組み合わせオリゴマーは、酵素の基質であるリンカーWを含むのに対し、自己指示組み合わせオリゴマーは、一般的に、リンカーBの使用により例示される。しかし、自己指示組み合わせオリゴマーはまた、基質組み合わせオリゴマーでもあり得る(例えば、実施例4を参照のこと)。
【0127】
本発明に従って、AおよびCは、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーのいずれかとして独立して選択されるオリゴマーブロックである。リンカーBまたはWは、状況に応じて、少なくとも3原子の長さであり、オリゴマーブロックAとオリゴマーブロックCを共有結合により連結する連結である。この構成において、1つ以上のさらなるオリゴマーブロックまたは他の部分(例えば、固体支持体、1つ以上の保護官能基または非保護官能基、あるいは1つ以上の標識)は、AおよびCのいずれかまたは両方に共有結合され得る。
【0128】
(自己指示組み合わせオリゴマー)
1つの実施形態において、本発明は、自己指示組み合わせオリゴマーに関する。従って、本発明はまた、式:A−B−Cのセグメントを含む共有結合により連結されたオリゴマーブロックの組成物に関する。オリゴマーブロックAおよびCは、各々独立してペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーであり、そして必要に応じて、セグメントの他の部分に連結される。リンカーBは、少なくとも3原子の長さであり、オリゴマーブロックAとオリゴマーブロックCを共有結合により連結する。さらに、一緒になったオリゴマーブロックAおよびCは、連続核酸塩基の標的配列に配列特異的にハイブリダイズし、それによって二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成するよう設計されたプローブ核酸塩基配列をコードする。
【0129】
自己指示組み合わせオリゴマーはさらに、エネルギー輸送セットの標識を含み、その結果、このエネルギー輸送セットの少なくとも1つのアクセプター部分が、この組成物の連結されたオリゴマーブロックのうちの1つに連結され、エネルギー輸送セットの少なくとも1つのドナー部分がこの組成物の連結されたオリゴマーブロックの別の部分に連結される。ここで、このセットの標識は、組み合わせオリゴマーが非ハイブリダイズ状態の場合と比較して、組み合わせオリゴマーが標的配列にハイブリダイズする場合に、少なくとも1つの標識の検出可能なシグナルにおける変化を促進する位置で組み合わせオリゴマーに連結される。先に議論されたように、自己指示組み合わせオリゴマーは、このオリゴマーが非ハイブリダイズ状態で存在する場合と比較して、オリゴマーのハイブリダイゼーションの際に、任意のエネルギー輸送機構を通じて、検出可能なシグナルの変化を生じることから、そのように命名されている。従って、このオリゴマーのハイブリダイゼーションの状態は、リアルタイムでかまたはアッセイの終了時点かのいずれかにおいて決定され得る。独立して検出可能な組み合わせオリゴマーのさらなるセットは、実施例5に示されるような多重分析のために調製され得る。
【0130】
本発明の他の実施形態において、自己指示組み合わせオリゴマーは、必要に応じてさらに、1つ以上の保護官能基または非保護官能基を含み得るか、またはそうでなければ1つ以上のさらなるレセプター部分で標識され得る。本発明に従って、官能基またはレポーター部分は、各々独立して、オリゴマーブロック末端に連結され得るか、オリゴマーブロックの中間の位置に連結され得るか、またはこのリンカーに不可欠な位置に連結される。適切なレポーター部分は、本明細書中で先に記載されている。1つ以上の保護官能基または非保護官能基が、脱保護された場合に、それらにレポーター部分を連結するために使用され得るか、またはそうでなければ組み合わせオリゴマーと支持体を連結するために使用され得る。結果的に、自己指示組み合わせオリゴマーは、支持体に結合され得る(適切な場合、オリゴマーのアレイ(自己指示組み合わせオリゴマーのアレイを含む)のうちの1つのオリゴマーであることを含む)。
【0131】
(基質組み合わせオリゴマー)
別の実施形態において、本発明は、基質組み合わせオリゴマーに関する。従って、本発明はまた、式:A−W−Cのセグメントを含む共有結合により連結されたオリゴマーブロックの組成物に関する。オリゴマーブロックAおよびCは、各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーである。リンカーWは、少なくとも3原子の長さであり、そしてブロックAとブロックCを共有結合により連結する。リンカーWはまた、酵素切断部位を含む。
【0132】
切断部位を含むリンカーWの非限定的な例として、lys−X、arg−X、Glu−X、asp−X、asn−X、phe−X、leu−X、lys−gly、arg−gly、glu−gly、およびasp−gluが挙げられるがこれらに限定されない。ここで、Xは、任意の天然に存在するアミノ酸である。これらの基質の1つ以上を切断するのに適した酵素の非限定的な例のリストとしては、エンドプロチナーゼ(Endoprotinase)Glu−C(EC3.4.21.19)、Lys−C(EC3.4.21.50)、Arg−C(EC3.4.22.8)、Asp−N(EC3.4.24.33)、パパイン(EC3.4.22.2)、ペプシン(EC3.4.23.1)、プロテイナーゼK(3.4.21.14)、キモトリプシン(EC3.4.21.1)、およびトリプシン(3.4.21.4)が挙げられる。
【0133】
本発明の他の実施形態において、基質組み合わせオリゴマーは、必要に応じてさらに、1つ以上の保護官能基または非保護官能基を含むか、またはそうでなければ1つ以上のレポーター部分で標識される。本発明に従って、官能基またはレポーター部分は、各々独立して、オリゴマーブロック末端に連結されるか、オリゴマーブロックの中間の位置に連結され得るか、またはこのリンカーに不可欠な位置に連結される。適切なレポーター部分は、本明細書中で先に記載されている。1つ以上の保護官能基または非保護官能基が、脱保護された場合に、それらにレポーター部分を連結するために使用され得るか、またはそうでなければ組み合わせオリゴマーと支持体を連結するために使用され得る。結果的に、基質組み合わせオリゴマーは、標識されていようとなかろうと、支持体に結合され得る(適切な場合、オリゴマーのアレイ(基質組み合わせオリゴマーのアレイを含む)のうちの1つのオリゴマーであることを含む)。
【0134】
(標的配列および組み合わせオリゴマーのハイブリッド)
別の実施形態において、本発明は、ポリ核酸塩基鎖およびこのポリ核酸塩基鎖内の連続する核酸塩基の標的配列に特異的にハイブリダイズされる組み合わせオリゴマー配列を含み、それによって、二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成する組成物に関する(図1を参照のこと;この構成はときどき、ギャップまたはギャップ塩基が存在しないように標的配列と並列してハイブリダイズされることが、本明細書中で言及されることにもまた注意されたい)。組み合わせオリゴマーは、第1および第2のオリゴマーブロックを含み、これらは各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーである。第1および第2のオリゴマーブロックは、少なくとも3原子の長さのリンカーによって共有結合により連結される。このハイブリッドは、適切なハイブリダイゼーション条件下で組み合わせオリゴマーとポリ核酸塩基鎖とを接触させることによって形成され得る。
【0135】
このハイブリッドの組み合わせオリゴマーは、標識され得ないか、あるいは保護されているかまたは保護されていない官能基および/またはレポーター部分をさらに含み得る。組み合わせオリゴマーは、自己指示組み合わせオリゴマーであり得る。組み合わせオリゴマーのリンカーは、酵素切断部位を含み得る。ハイブリッドは、溶液中に遊離状態で存在し得るかまたは支持体に結合され得る。特定の実施形態において、ハイブリッドは、アレイの固有の位置に存在し得る。
【0136】
(標的配列を決定する方法)
なお別の実施形態において、本発明は、連続する核酸塩基の標的配列を決定する方法に関する。この方法は、適切なハイブリダイゼーション条件下で標的配列と組み合わせオリゴマーとを接触させる工程を包含する。ここで、組み合わせオリゴマーは、第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックを含み、これらは、各々独立してペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーである。第1および第2のオリゴマーブロックは、少なくとも3原子の長さのリンカーによって互いに共有結合により連結される。さらに、第1および第2のオリゴマーブロックは、連続する核酸塩基の標的配列に配列特異的にハイブリダイズし、それによって二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成し得る。従って、第1および第2のオリゴマーブロックの凝集体は、プローブ核酸塩基配列を含む。複合体形成が決定され、それによって、標的配列が決定される。なぜならば、この複合体は、標的配列の非存在下では形成しないからである。複合体の決定としては、この複合体の存在、非存在、量、または位置を決定し、それによって標的配列の存在、非存在、量、位置、または同一性を決定することが挙げられるがこれらに限定されない(例えば、実施例3〜5を参照のこと)。
【0137】
本発明に従って、ハイブリッドの組み合わせオリゴマーは、標識され得ないか、あるいは保護されているかまたは保護されていない官能基および/またはレポーター部分をさらに含み得る。組み合わせオリゴマーは、自己指示組み合わせオリゴマーであり得る。組み合わせオリゴマーのリンカーは、酵素切断部位を含み得る。複合体は、溶液中に遊離状態で存在し得るかまたは支持体に結合され得る。特定の実施形態において、複合体は、アレイの固有の位置に存在し得る。
【0138】
組み合わせオリゴマーが標識されている場合、複合体形成の決定は、1つ以上の標識の決定を含み得ることが理解される。しかし、組み合わせオリゴマーが標識されていない場合、標的配列、または標的配列を含むポリ核酸塩基鎖は、必要に応じて標識され得、その結果、標識の決定が、この複合体の形成の決定を容易にする。さらに別の実施形態において、組み合わせオリゴマーも標識配列もいずれも標識されない。複合体が直接的に標識されない場合でさえも、複合体形成を決定することはなお可能である。例えば、この複合体は、PNA/核酸ハイブリッドの少なくとも1つのセグメントを含むので、このハイブリッドは、PNA/核酸ハイブリッドを決定するために惹起された抗体を用いて決定され得る(本明細書中で参考として援用される、Hyldig−Nielsenら、米国特許第5,612,458号を参照のこと)。
【0139】
(SNPの接合生殖性を決定する方法)
さらに別の実施形態において、本発明は、一塩基多型(SNP)についての核酸の接合生殖性を決定する方法に関する。この方法は、核酸サンプルと、少なくとも2つの独立して検出可能な組み合わせオリゴマーを接触させる工程を包含する。各々の独立して検出可能な組み合わせオリゴマーは、第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックを含み、それらは、各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーである。オリゴマーブロックは、少なくとも3原子の長さのリンカーにより互いに共有結合により連結される。一緒になった第1および第2のオリゴマーブロックは、プローブ核酸塩基配列をコードする。この配列は、存在する場合、核酸サンプルのポリ核酸塩基鎖中の連続する核酸塩基の標的配列に配列特異的にハイブリダイズし、それによって、二本鎖標的配列/独立して検出可能な組み合わせオリゴマー複合体を形成するよう設計されている。各々の独立して検出可能な組み合わせオリゴマーにおけるプローブ核酸塩基配列は、少なくとも1つの核酸塩基(SNP核酸塩基)が他と異なる。しかし、プローブ核酸塩基配列は、プローブ設計に依存して1つより多い核酸塩基が異なり得るが、だたし、それらは、決定されるSNPにおいて単一核酸塩基が異なる(例えば、実施例5、表9、そして特に、SNP6876および6879についてのPNA組み合わせオリゴマープローブのセットを参照のこと)。
【0140】
本発明に従って、核酸サンプルおよび組み合わせオリゴマーは、サンプル中に存在する核酸を増幅する核酸増幅反応を実施するのに適した1つ以上の試薬と接触され、そして核酸の増幅は、核酸、組み合わせオリゴマー、および試薬の存在下で実施される。核酸増幅反応の非限定的な例として、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、転写媒介増幅(TMA)、Qβレプリカーゼ増幅(Qβ)、およびローリングサークル増幅(RCA)が挙げられる。
【0141】
各々独立して検出可能な組み合わせオリゴマー/標的配列複合体の複合体形成が決定され、それによって、その核酸が特定のSNPについてヘテロ接合性であるかホモ接合性であるかが決定される。複合体の決定は、特定のSNPの接合生殖性状態と相関され得る。なぜならば、この複合体は、各々の特定の組み合わせオリゴマーに対する連続する核酸塩基のそれぞれの標的配列の非存在下で形成されないからである。さらに、2つの独立して検出可能な組み合わせオリゴマーについてのシグナルは、どの複合体が形成され、そして形成されないかに基づく3つの可能性のある遺伝子型状態を決定するのに必要とされる情報の全てを提供する。
【0142】
1つの実施形態において、独立して検出可能な組み合わせオリゴマーは、独立して検出可能な自己指示組み合わせオリゴマーである。この方法に従って、適切なハイブリダイゼーション条件下での決定は、各々の組み合わせオリゴマーが、連続する核酸塩基のそれぞれの標的配列にハイブリダイズするか否かの測定としての、各々の独立して検出可能なエネルギー輸送セットの標識の少なくとも1つから生じる検出可能なシグナルにおける任意の変化で構成される。このような決定は、核酸増幅のプロセスの間(例えば、リアルタイムで)または核酸増幅反応が完了した後(例えば、その終了時点で)のいずれかで実施され得る。この方法に従って、各々の組み合わせオリゴマーの各々のエネルギー輸送セットの少なくとも1つの標識についてのシグナルの変化の結果は、2つの可能性のある標的配列/独立して検出可能な自己指示組み合わせオリゴマー複合体の各々の形成の決定と相関される。このデータに基づき、特定のSNPについてのサンプルの接合生殖性の3つの可能性のある状態のうちの1つが決定され得る(例えば、実施例5を参照のこと)。標的配列/組み合わせオリゴマーの複合体/ハイブリッドは、溶液中で遊離状態であり得るか、または決定がなされる場合、支持体に結合され得る。
【0143】
(組み合わせオリゴマーを形成するための非テンプレート直接方法)
別の実施形態において、本発明は、オリゴマーブロックから組み合わせオリゴマーを形成するための方法に関する。この方法は、第1のオリゴマーブロック、第2のオリゴマーブロック、および必要に応じて濃縮試薬を濃縮条件下で反応させることによって、第1のオリゴマーブロックと第2のオリゴマーブロックを共有結合により連結する少なくとも3原子の長さのリンカーを有する組み合わせオリゴマーを形成する工程を包含する。この方法に従って、第1および第2のオリゴマーブロックは、各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーである。第1のオリゴマーブロックも第2のオリゴマーブロックもいずれも支持体に結合されず、そして組み合わせオリゴマーはテンプレートの非存在下で形成する。この連結/濃縮反応は、水溶液中で実施され得る。核酸塩基は、濃縮/連結反応の間、保護される必要はない。
【0144】
なお別の実施形態において、本発明は、オリゴマーブロックから組み合わせオリゴマーを形成するための別の方法に関する。この方法は、第1のオリゴマーブロック、第2のオリゴマーブロック、および必要に応じて濃縮試薬を濃縮条件下で反応させることによって、第1のオリゴマーブロックと第2のオリゴマーブロックを共有結合により連結する少なくとも3原子の長さのリンカーを有する組み合わせオリゴマーを形成する工程を包含する。第1および第2のオリゴマーブロックは、各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーである。オリゴマーブロックの核酸塩基は、保護基を含まず、そして組み合わせオリゴマーはテンプレートの非存在下で形成する。この連結/濃縮は、水溶液中で実施され得る。さらに、オリゴマーブロックの1つは、支持体に結合されていてもいなくてもよい。
【0145】
上記のような組み合わせオリゴマーを形成する方法に関わらず、別の実施形態において、濃縮/連結反応の産物は、必要に応じて、さらに伸長(lengthened/elongated)され得る。従って、形成される場合、組み合わせオリゴマーは、オリゴマーブロックとして使用され得、その結果、この方法の繰り返すことにより、さらに伸長したオリゴマーが生成される。この方法に従って、以前に形成された組み合わせオリゴマーは、必要に応じて、次の濃縮/連結工程を容易にするために必要とされ得る程度、脱保護され得る。以前に形成され、そして必要に応じて脱保護される場合、組み合わせオリゴマーは、第3のオリゴマーブロックおよび必要に応じて濃縮試薬と濃縮条件下で反応される。これにより、第3のオリゴマーブロックと組み合わせオリゴマーとを共有結合により連結する少なくとも3原子の長さの共有結合を有する伸長した組み合わせオリゴマーが形成される。ここで、伸長した組み合わせオリゴマーは、テンプレートの非存在下で形成される。本発明に従って、このプロセスは、組み合わせオリゴマーが所望の長さになるまで必要に応じて繰り返され得る。このような連続伸長プロセスは、例えば、アレイの調製に有用であり得る。なぜならば、より長いオリゴマーがこの用途にしばしば使用されるからである。
【0146】
本発明の方法に従って、構成成分のオリゴマーブロックは、完全に保護されていないか、または1つもしくは両方が部分的に保護されているかのいずれかである。従って、オリゴマーブロックは、保護された官能基を含み得る。部分的に保護されることによって、本発明者らは、オリゴマーブロックの求電子性官能基または求核性官能基が、除去可能な保護基によって、濃縮の間、反応から保護されることを意味する。保護基は、例えば、濃縮反応が実施された後に除去され得、それによってその後の濃縮/連結のための組み合わせオリゴマーが調製されるか、標識が導入されるか、または組み合わせオリゴマーが支持体に連結されることが明らかである。
【0147】
テンプレートが存在しないにもかかわらず、本出願人らは、オリゴマーブロックが標識されていようとなかろうと、50%よりも高い収率で組み合わせオリゴマーを迅速、効率的、かつ反復的に獲得することができた(実施例2および6を参照のこと)。この非テンプレート直接連結の有効性は、本質的に、テンプレートの非存在下で連結が観察されなかったことを記載した公開された結果に照らすと驚くべきことである(Koppitzら、J.Am.Chem.Soc.120:4563−4569(1998)の4565頁第1欄16〜20行、およびFareseら、Tett.Lett.37:1413−1416(1996)を参照のこと)。
【0148】
本発明の連結/濃縮方法は、標識された組み合わせオリゴマーおよび標識されない組み合わせオリゴマーの両方(基質組み合わせオリゴマーおよび自己指示組み合わせオリゴマーが挙げられるがこれらに限定されない)の生成に使用され得る。本発明の方法により生成される組み合わせオリゴマーは、別の状況では、1つ以上の保護官能基または非保護官能基を含み得る(非保護官能基の存在は、可能性のある架橋反応を回避または最小限に抑えるよう選択される連結/濃縮化学の性質に一部依存する)。この連結方法は、酵素切断部位を含むリンカーを生成するために使用され得る。さらに、本明細書中に記載される連結方法は、支持体に結合された組み合わせオリゴマーおよび1つ以上の組み合わせオリゴマーを含むアレイの生成のために使用され得る。
【0149】
組み合わせオリゴマーの全てのオリゴマーブロックは、ペプチド核酸であり得る。末端オリゴマーブロックまたは濃縮オリゴマーブロックのいずれかまたは両方は、定常核酸塩基配列の少なくとも1つの領域および可変核酸塩基配列を含む少なくとも1つの領域を含み得る。定常核酸塩基配列は、長さが1と10との間の核酸塩基を含むサブユニットであり得、そして可変領域は、長さが3と8との間の核酸塩基を含むサブユニットであり得る。
【0150】
(組み合わせオリゴマーの結合パートナーへの結合を決定する方法)
本発明の特定の他の実施形態において、酵素切断部位を有する組み合わせオリゴマーが形成される。ここで、この切断部位は、組み合わせオリゴマーが結合相手に結合する場合、切断から保護される。従って、本発明はまた、組み合わせオリゴマーが可能性のある結合パートナー(例えば、アプタマーまたは標的配列)に結合するか否かを決定する方法に関する。本発明は、組み合わせオリゴマーと可能性のある結合パートナーとを、適切な結合条件下で接触させ、それによっておそらく組み合わせオリゴマー/結合パートナー複合体を形成する工程を包含する。この方法に従って、組み合わせオリゴマーは、式:A−W−Cのセグメントを含むポリマーである。ここで、AおよびCは、必要に応じて他の部分に連結され、そして各々が独立して、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーであるオリゴマーブロックである。基Wは、オリゴマーブロックAとオリゴマーブロックCを共有結合により連結し、かつ酵素切断部位である少なくとも3原子の長さのリンカーである。
【0151】
この方法に従って、結合パートナーおよび組み合わせオリゴマーは、適切な酵素切断条件下で切断部位を切断するのに適した酵素で処理される。次いで、組み合わせオリゴマーがこの酵素活性によって切断されたか否かの決定がなされ、それによって組み合わせオリゴマー/結合パートナー複合体が形成されたか否かを決定する。
【0152】
適切な酵素切断条件は、酵素が基質に対して作用するよう操作する条件である。多くの酵素が市販されており、一般的に、販売元の製品文献は、適切な酵素切断条件に関する情報を提供する。利用可能な情報および慣用的な実験を使用して、当業者が適切な酵素切断条件を決定することが可能である。
【0153】
この方法に従って、酵素は、組み合わせオリゴマーがその結合パートナーに結合する場合、それを実質的に切断しない。従って、結合は、酵素による実質的な分解から組み合わせオリゴマーを保護する。結果として、結合の決定は、切断産物を分析することによりなされ、その結果、実質的な切断産物が検出される場合、組み合わせオリゴマーは潜在的な結合パートナーに結合されてはならない。
【0154】
この方法が組み合わせオリゴマーの標的配列への結合を伴う場合、ハイブリダイゼーションは、適切なハイブリダイゼーション条件下で起こる。ここで、組み合わせオリゴマーは、標的配列に並列してハイブリダイズし、その結果、ギャップは存在しない。標的配列は、組み合わせオリゴマーよりも高濃度であり得、その結果、本質的に全ての利用可能な組み合わせオリゴマーが、連続する核酸塩基の標的配列が存在する場合に配列特異的に結合する。
【0155】
結合パートナーが標的配列である場合、および組み合わせオリゴマーがこの標的配列に結合する場合、それは、酵素の活性から保護される。従って、アッセイにより、組み合わせオリゴマーが実質的に分解しないことが決定される場合、組み合わせオリゴマーは標的配列に結合していたはずである(実施例4を参照のこと)。逆に、組み合わせオリゴマーが分解から保護されなかった場合、それは、標的配列が存在しないことを結論付け得た。このようなアッセイは酵素的事象に依存するので、標的配列の量は、酵素活性を決定することにより(例えば、酵素動態を測定することにより)決定され得ることもまた理解される。
【0156】
組み合わせオリゴマーのオリゴマーブロックは全て、ペプチド核酸であり得る。組み合わせオリゴマーは標識されていてもいなくてもよく、自己指示組み合わせオリゴマーが挙でありえるがこれらに限定されないか、または別の状況では、1つ以上の保護官能基または非保護官能基を含み得る。さらに、本明細書中に記載される連結方法は、支持体に結合された組み合わせオリゴマーおよび1つ以上の組み合わせオリゴマーを含むアレイの生成のために使用され得る。
【0157】
(本発明のキット)
さらに別の実施形態において、本発明はキットに関する。1つの実施形態において、このキットは、2つ以上の独立して検出可能な組み合わせオリゴマーを含む。ここで、この独立して検出可能な組み合わせオリゴマーの各々は、第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックを含み、これらは、各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーである。オリゴマーブロックは、少なくとも3原子の長さのリンカーにより互いに共有結合によって連結される。各々の独立して検出可能な組み合わせオリゴマーにおいて、一緒になった第1および第2のオリゴマーブロックは、プローブ核酸塩基配列をコードする。この配列は、二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体の形成に適した連続する核酸塩基の標的配列に配列特異的にハイブリダイズするよう設計される。各々の独立して検出される組み合わせオリゴマーにおけるプローブ核酸塩基配列は、他の独立して検出可能な組み合わせオリゴマーのプローブ核酸塩基配列と少なくとも1つの核酸塩基が異なる。各々の独立して検出可能な組み合わせオリゴマーは、少なくとも1つの独立して検出可能な標識を含む。このキットは、必要に応じて;(i)1つ以上のオリゴヌクレオチド;(ii)1つ以上の緩衝液;(iii)1つ以上のヌクレオチド三リン酸;(iv)核酸増幅マスターミックス;または(v)1つ以上のポリメラーゼ酵素を備える。1つの実施形態において、このキットは、少なくとも2つのオリゴヌクレオチドプライマーを含む。
【0158】
本発明に従って、組み合わせオリゴマーのオリゴマーブロックは全て、ペプチド核酸であり得る。組み合わせオリゴマーは標識されていてもいなくてもよく、自己指示組み合わせオリゴマーが挙げられるがこれらに限定されないか、または別の状況では、1つ以上の保護官能基または非保護官能基を含み得る。1つの実施形態において、このキットの組み合わせオリゴマーの全ては独立して検出可能であり、独立して検出可能な自己指示組み合わせオリゴマーであることを含む。必要に応じて、組み合わせオリゴマーは、酵素切断部位を含むリンカーを含み得る。さらに、組み合わせオリゴマーは、支持体に結合され得るか、または支持体に結合された組み合わせオリゴマーを生成するためにこのキットの1つ以上の構成成分と組み合わせて使用され得る。
【0159】
示されるように、このキットは、必要に応じて1つ以上のさらなるオリゴマー、試薬または酵素を含み得る。1つの実施形態において、1つ以上のさらなるオリゴマーは、核酸増幅反応を実行するのに適したプライマーである。例示的な核酸増幅プロセスは、本明細書において前に記載している。このキットはまた、緩衝液、1つ以上のヌクレオチド三リン酸、ポリメラーゼ酵素および/または核酸増幅マスターミックス(例えば、PCRのために代表的に使用されるもの)を含み得る。1つの実施形態において、このキットは、以下の実施例5に記載されるように、2つ以上の独立して検出可能な自己指示組み合わせオリゴマー(self−indicating combination oligomer)、および1つ以上のSNPを決定するための試薬を含み得る。
【0160】
(本発明の組み合わせオリゴマーセット)
なお別の実施形態において、本発明は、2つ以上の独立して検出可能な組み合わせオリゴマーのセットに関する。この組み合わせオリゴマーのセットは、各々、第1オリゴマーブロック、および第2オリゴマーブロックを含み、これらは各々、独立して、ペプチド核酸、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーである。これらのオリゴマーブロックは、少なくとも3原子長であるリンカーによって、互いに共有結合される。独立して検出可能な組み合わせオリゴマーの各々において、第1オリゴマーブロックおよび第2オリゴマーブロックは、一緒になってプローブ化核酸塩基配列をコードし、このプローブ化核酸塩基配列は、標的配列の連続核酸塩基に特異的にハイブリダイズする配列に対して設計され、それによって、二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成する。独立して検出可能な組み合わせオリゴマーの各々におけるプローブ化核酸塩基配列は、そのセットの他方の独立して検出可能な組み合わせオリゴマーのプローブ化核酸塩基配列と少なくとも1核酸塩基異なる。独立して検出可能な組み合わせオリゴマーの各々は、少なくとも1つの独立して検出可能な標識を含む。このセットは、2つ以上の独立して検出可能な自己指示組み合わせオリゴマーを含み得、ここで、独立して検出可能な組み合わせオリゴマーの各々は、少なくとも1つのエネルギー移動セットの標識を含み、その結果、エネルギー移動セットの少なくとも1つのアクセプター部分が組み合わせオリゴマーの一方の連結されたオリゴマーブロックに連結され、一方で、そのエネルギー移動セットの少なくとも1つのドナー部分がその組み合わせの他方の連結されたオリゴマーブロックに連結され、ここで、その組み合わせオリゴマーがハイブリダイズしていない状態の場合と比較して、その組み合わせオリゴマーが標的配列にハイブリダイズした場合に少なくとも1つの標識の検出可能なシグナルにおける変化を促進する位置で、このセットの標識は、そのオリゴマーブロックに連結される。
【0161】
本発明に従って、組み合わせオリゴマーのセットのオリゴマーブロックは、全てペプチド核酸であり得る。組み合わせオリゴマーのセットは、さらに、1つ以上の保護官能基もしくは保護されていない官能基、または1つ以上のさらなるレポーター部分を含み得る。さらに、この組み合わせオリゴマーのセットは、酵素に対する切断部位を含むリンカーを含み得る。さらに、この組み合わせオリゴマーのセットは、支持体に結合され得るか、またはそのキットの1つ以上の成分と組み合わせて使用されて、支持体に結合した組み合わせオリゴマーまたは支持体に結合した組み合わせオリゴマーのアレイを生成し得る。
【0162】
(化合物ライブラリーおよびそれらの調製方法)
なお別の実施において、本発明は、化合物ライブラリーに関する。1つの局面において、本発明は、少なくとも2セットのオリゴマーブロック(例えば、少なくとも1セットの末端オリゴマーブロックのおよび少なくとも1セットの縮合オリゴマーブロック)を含む1つ以上の化合物ライブラリーに関することが想定されるが、オリゴマーブロックの単一セット(オリゴマーブロックの二官能性単一セットライブラリー)の各メンバーが、そのオリゴマーが連結前に予備処理される方法(これは、必要とされる末端ブロックまたは縮合ブロックのいずれかを生成するために使用され得る)に依存して適切に保護される場合、末端オリゴマーブロックおよび縮合オリゴマーブロックが同じ化合物ライブラリーから生成され得ることもまた想定される。後者の方法は、ライブラリーに必要とされるオリゴマーの絶対数を制限するので、後者のアプローチが有利であり得るが、この方法はまた、組み合わせオリゴマーの調製に対して1つ以上の更なる工程を加える。従って、本発明は、1つ以上の二官能性単一セットライブラリーならびに2つ以上のオリゴマーブロックセットを含む1つ以上のライブラリーの両方に関する。
【0163】
本発明はまた、二官能性単一セットライブラリーから末端オリゴマーブロックおよび縮合オリゴマーブロックを形成するための方法に関する。この方法は、少なくとも2つのオリゴマーブロックの二官能性単一セットライブラリーを提供する工程を包含する。この二官能性単一セットライブラリーの1つのオリゴマーブロックは、処理され、それによって、1つ以上の保護基が除去され、それによって末端オリゴマーを生成する。二官能性単一セットライブラリーの1つのオリゴマーブロックはまた、末端オリゴマーブロックを生成するための保護基と比較して、1つ以上の異なる保護基を除去するように処理され、それによって縮合オリゴマーブロックを生成する。
【0164】
本発明に従って、二官能性単一セットライブラリーのオリゴマーブロックの種々の官能基は、直交し得、それによってこれらは、他の基を脱保護(deprotect)することなく選択的に除去され得る。このような直交保護スキームの例は、ペプチド化学、核酸化学およびPNA化学において周知である。例えば、PNAモノマーは、代表的に、酸不安定性ベンズヒドロキシカルボニル(Bhoc)を使用して、PNAモノマーの核酸塩基を保護し、一方、塩基不安定性フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)基を使用して、PNAモノマーのアミンを保護する。当業者は、単なる慣用的な実験を用いて以前に記載された方法において、使用に適した直交で保護されたオリゴマーを調製し得ることが、理解されるべきである。
【0165】
従って、本発明はまた、オリゴマーブロックの二官能性単一セットを含む化合物ライブラリーに関する。このオリゴマーブロックのセットは、特定の保護基の除去によって、末端オリゴマーブロックおよび縮合オリゴマーブロックの両方を生成するために使用され得る。二官能性セットのオリゴマーブロックは、ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーである。オリゴマーブロックの二官能性セットは、末端オリゴマーブロックが縮合オリゴマーブロックで縮合される場合、少なくとも3原子長のリンカーを形成する官能基部分を含むように選択される。さらに、このオリゴマーブロックは、支持体に結合されず、そして核酸塩基保護基を含まない。
【0166】
なお別の実施形態において、本発明は、別の化合物ライブラリーに関する。本発明に従って、この化合物ライブラリーは、少なくとも1セットの末端オリゴマーブロックおよび少なくとも1セットの縮合オリゴマーブロックを含み、ここで、このブロックセットの各々は、2つ以上の異なるオリゴマーを含み、このオリゴマーブロックは、ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラおよびPNA組み合わせオリゴマーからなる群より選択される。オリゴマーブロックは、末端オリゴマーブロックが縮合オリゴマーブロックで縮合される場合、少なくとも3原子長のリンカーを形成する官能基部分を含むように選択される。さらに、オリゴマーブロックは、支持体に結合されず、そしてオリゴマーブロックは、核酸塩基保護基を含まない。本発明の化合物ライブラリーが、1セットまたは2セットのブロックオリゴマーに制限されないことが、理解されるべきである。非限定的な例として、このライブラリーは、3つ以上のセットのオリゴマーブロックを含み得る。
【0167】
従って、なお別の実施形態において、本発明は、別の化合物ライブラリーに関する。この化合物ライブラリーは、少なくとも1セットの末端オリゴマーブロックおよび少なくとも2セットの縮合オリゴマーブロックを含む。本発明に従って、オリゴマーブロックのセットの各々は、2つ以上の異なるオリゴマーを含み、そして各セットのオリゴマーブロックは、独立して、ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーである。オリゴマーブロックは、末端オリゴマーブロックが縮合オリゴマーブロックで縮合される場合に、これらのオリゴマーブロックを共有結合的に連結する少なくとも3原子長のリンカーを形成する官能基部分を含むように選択される。さらに、オリゴマーブロックは、支持体に結合されず、そしてオリゴマーブロックは、核酸塩基保護基を含まない。さらに、縮合オリゴマーブロックのセットのオリゴマーブロックの全てが、同じ独立して検出可能なレポーター部分を含み、ここで、異なるセットの縮合オリゴマーブロックは、異なる独立して検出可能な標識を含む。少なくとも1セットの末端オリゴマーブロックのオリゴマーブロックの全てが、同じ非蛍光クエンチャー部分を含む。
【0168】
この構成の化合物ライブラリーは、独立して検出可能な自己指示組み合わせオリゴマー対の産生に特に有用である。例えば、独立して検出可能なオリゴマーブロック対の各々からの1つの末端オリゴマーブロックは、非蛍光クエンチャー部分を含む、同じ末端オリゴマーブロックまたは異なる末端オリゴマーブロックに連結され得る。このような独立して検出可能な自己指示組み合わせオリゴマー対は、SBP分析において使用され得る。さらに、このライブラリーは、実施例5に記載されるようなSNP分析のための組み合わせオリゴマー対を生成するために使用され得る。
【0169】
ライブラリーのオリゴマーブロックの長さが、限定されないことは理解されるべきである。例えば、ライブラリーのオリゴマーブロックは、トリマー、テトラマー、ペンタマー、ヘキサマー、ヘプタマー、またはオクタマーであるように独立して選択され得る。さらに、オリゴマーブロックのセットは、全てが同じ長さのである必要も、同じ標識構成などである必要もない。オリゴマーブロックのセットは、核酸塩基の可変領域および定常領域の両方を含み得る。ライブラリーのオリゴマーブロックが、支持体に結合され得ることもまた、理解されるべきである。必要に応じて、このライブラリーは、それ自体がブロックオリゴマーのアレイとして存在し得、このアレイは、それに対して1つ以上のオリゴマーブロックを連結/縮合するプロセスによって組み合わせオリゴマーを形成するために使用され得る。
【0170】
1つの実施形態に従って、ライブラリーの末端オリゴマーブロックは、同じライブラリーまたは別のライブラリーの縮合オリゴマーブロックを用いて縮合され得、それによって所望の核酸塩基配列の組み合わせオリゴマーを形成し得る。従って、本発明のオリゴマーブロックの連結/縮合は、少なくとも3原子長であり、かつ2つのオリゴマーブロックを連結するリンカーを生成する。リンカーは、酵素に対する切断部位を含み得る。可能なリンカーは、本明細書中の前に記載されている。オリゴマーブロックの連結/縮合によって組み合わせオリゴマーを形成するための非限定的な方法は、本明細書中の前に記載されている。このような方法は、本明細書中に記載されるライブラリーと組み合わせて使用され得る。このオリゴマーブロックの核酸塩基が、その連結プロセス/縮合プロセスにおいて有用であるために保護される必要がないことが、有利である。
【0171】
本発明に従って、末端オリゴマーブロックの核酸塩基配列および縮合オリゴマーブロックの核酸塩基配列は、オリゴマーブロックのライブラリーセットから選択され得、それによって、選択された適用に適切な組み合わせオリゴマーの迅速で、有効なそして/または適切な規模の合成を可能にする。従って、オリゴマーブロックのライブラリーの保有は、異なるが既知の核酸塩基配列の多数の組み合わせオリゴマーの、迅速で、有効なそして/または適切な規模の合成を容易にし得、ここで、ライブラリーから作製され得る可能性のある異なる核酸塩基配列の潜在的な組み合わせオリゴマーの数は、末端オリゴマーブロックセットおよび縮合オリゴマーブロックセットの多様性(または、適切である場合、単一オリゴマーブロックセットの多様性)によって決定され、ここで、セットの多様性は、そのセット中の異なる核酸塩基配列のオリゴマーの数に依存する。
【0172】
オリゴマーブロックセットの多様性は、可変部位の数を乗じた、位置の可能な可変の数によって決定される。例えば、ペンタマーブロックのセット(ここで、5個のサブユニットの各々は、可変であり得、そして可能なバリエーションとしては、4つの天然の核酸塩基(A、C、GおよびT)が挙げられる)は、全てを含めて4=1024個のペンタマーのセットを生成する。しかし、末端オリゴマーブロックのセットおよび縮合オリゴマーブロックのセットの一方または両方の、いくつかのオリゴマーブロックまたは全てのオリゴマーブロックは、定常核酸塩基配列の領域および可変核酸塩基配列の領域の両方を含み得る。従って、4つの天然の核酸塩基(A、C、GおよびT)のみからなるオリゴマーブロックの完全なセットは、4であり、ここで、nは、可変核酸塩基位置の数のみを示す数全部である。しかし、本発明のライブラリーがブロックオリゴマーの完全なセットを含む必要も、ライブラリーのブロックオリゴマーのセットが、全て同じ長さまたは同じ多様性である必要もない。従って、特定の実施形態において、ライブラリーは、以下を含み得る:1)4つ全てではない天然の核酸塩基が存在する、オリゴマーブロック;2)4つ全ての天然の核酸塩基が存在する、オリゴマーブロック;3)1つ以上の天然に存在しない核酸塩基をさらに含む、1)または2)のいずれか;あるいは4)天然に存在しない核酸塩基のみを含むオリゴマーブロック。
【0173】
実際に、以下の天然に存在しない核酸塩基の使用が特に意図される:5−プロピニル−ウラシル、2−チオ−5−プロピニル−ウラシル、5−メチルシトシン、偽イソシトシン(pseudoisocytosine)、2−チオウラシルおよび2−チオチミン、2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)、N9−(2,6−ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)、N9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)およびN8−(7−デアザ−8−アザ−アデニン)。これらの核酸塩基に対する結合対モチーフもまた、本明細書中の前に記載されている。
【0174】
1つの実施形態において、ブロックオリゴマーセット中の可変位置(サブユニットを含む可変核酸塩基)の数は、3〜8であり、この結果、完全なセット中のオリゴマーの数は(核酸塩基としてA、C、GおよびT)、それぞれ、64、256、1024、4096、16384、および65536である。
【0175】
1つの実施形態において、定常核酸塩基配列の領域は、そのセットのオリゴマーが一般的な有用性を有する場合、存在し得、ここで、バリエーションは、所望の実験または調査を実行するためのサブセクションにのみ必要とされる。例えば、定常領域は、サブユニットを含む1〜10核酸塩基の範囲であり得る。
【0176】
1つの実施形態において、末端オリゴマーブロックのセットは、C末端アミドおよびN末端天然アミノ酸を有するペプチド核酸オリゴマーであり得る。例えば、そのN末端アミノ酸は、以下からなる群より選択され得る:リジン、シスチン、グルタミン酸、およびアスパラギン酸。別の実施形態において、N末端天然アミノ酸は、グリシンである。
【0177】
別の実施形態において、末端オリゴマーブロックのセットは、C末端アミドおよびN末端反応性部分(例えば、アミノオキシアセチル、2−チオアセチル、3−チオプロピニル、マレイミド(malimide)およびハロアセチルおよびビニル)を有するペプチド核酸である。以前に考察された連結化学/縮合化学を考慮して、これらの官能基の操作の例示については図29〜31を参照のこと。
【0178】
なお別の実施形態において、縮合オリゴマーブロックのセットは、C末端天然アミノ酸部分およびキャップされたかまたは保護されたN末端(例えば、標識された)を有するペプチド核酸である。C末端アミノ酸は、以下からなる群より選択され得る:リジン、シスチン、グルタミン酸、およびアスパラギン酸。別の実施形態において、C末端アミノ酸は、グリシンである。
【0179】
なお別の実施形態において、末端オリゴマーブロックのセットは、キャップされたかまたは保護されたN末端およびC末端反応部分(例えば、N−ヒドロキシスクシンイミジル、ハロアセチルまたはアルデヒド部分または以下:クロロアセチル、ブロモアセチル、ヨードアセチル、グリシンおよびβ−アリナル(alinal)からなる群より選択される官能基)を有するペプチド核酸である。以前に考察された連結化学/縮合化学を考慮して、これらの官能基の操作の例示については図29〜31を参照のこと。
【0180】
(ライブラリーセットの非限定的な例)
例示的なライブラリーは、オリゴマーブロックの3つ以上のセットを含み得、ここで、少なくとも2つのセットが、標識の性質以外は実質的に同一であり得、その結果、2つ以上の異なる標識スキームによって(1つの標識スキームは、そのオリゴマーブロックの各個々のセットに対して共通である)、オリゴマーブロックの各セットを独立して検出可能にする。2つ以上の独立して検出可能なオリゴマーブロックセットは、末端オリゴマーブロックまたは縮合オリゴマーブロックのセットであり得る。結合される独立して検出可能な標識の性質以外は本質的に同一であるオリゴマーブロックの2つのセットを生成することによって、独立して検出可能な組み合わせオリゴマー対を調製することが可能である。
【0181】
本発明に従って、独立して検出可能な標識を含む少なくとも2つのオリゴマーブロックが、例えば、アクセプター部分またはクエンチャー部分で標識された、同じオリゴマーブロックまたは異なるオリゴマーブロックに連結され得る。例えば、この標識は、異なる独立して検出可能な標識の各々の検出可能性を実質的に消失させるに適した、非蛍光クエンチャー部分であり得、その結果、そのオリゴマーブロックが連結されて組み合わせオリゴマーを形成する場合、独立して検出可能な自己指示プローブの対は、連結のためにライブラリーから選択されたオリゴマーブロックの性質に基づいて形成され得る。本明細書の実施例6は、標識オリゴマーブロックへの連結を例示し、それによってSNP遺伝子型決定における使用に適した独立して検出可能な組み合わせオリゴマープローブの対を生成する。
【0182】
アクセプター部分またはクエンチャー部分が、独立して検出可能なブロックが連結されるオリゴマーブロック上に存在しない場合、連結によって形成される組み合わせオリゴマーは、標識された組み合わせオリゴマーであり、ここで、標識の選択は、以前に記載された、独立して検出可能な標識オリゴマーブロックの2つ以上のセットの多様性によってのみ制限される。そのライブラリーは、必要なものに依存してオリゴマーブロックの未標識のセットならびに連結されたアクセプター部分またはクエンチャー部分を含むオリゴマーブロックのセットの両方を必要に応じて含み得、蛍光標識された独立して検出可能な組み合わせオリゴマーまたは自己指示組み合わせオリゴマーのいずれかが、連結反応から調製され得ることにも留意すること。
【0183】
別の好ましい実施形態において、上記のセットはさらに、標識されていないこと以外は独立して検出可能な標識を含むセットに実質的に同一である、未標識オリゴマーのさらなるセットを含み得る。よって、未標識のオリゴマーブロックの他方のセットからのオリゴマーと連結を介して合わされる場合、完全には標識されていない組み合わせオリゴマーが調製され得る。このような非標識オリゴマーは、例えば、ブロッキングプローブとして使用されるか(例えば、US6,110,676を参照のこと)、捕捉プローブとして使用されるか、検出プローブとして使用されるか(ここで、標識抗体がハイブリッドを検出するために使用される)(例えば、US5,612,458を参照のこと);または未標識の組み合わせオリゴマーのアレイを生成するために使用され得る。
【0184】
【表1】
Figure 2004524032
上記の説明に従って、表1は、可能なライブラリーのオリゴマーブロックのセットを作製するための種々の可能性、ならびにそれらの連結によって調製された組み合わせオリゴマーの性質を要約する。当然、表1は、網羅的な可能性を意図するものではなく、そして本明細書中に考察されるように、結合する標識以外は本質的に同一のオリゴマーを含むオリゴマーブロックセットが、本発明の重要な局面であり得、そしてライブラリーの利用を拡大する。オリゴマーブロックの1つ以上のセットはまた、必要に応じて、末端でそのオリゴマーブロックに連結されるか、またはそのオリゴマーブロックの内側の位置で連結された、保護官能基または保護されていない官能基を含み得る(または、連結される場合、組み合わせオリゴマーのリンカーに対して重要な位置で)。これに関して、オリゴマーブロックは、実施者の希望および利用可能な供給源に依存して、連結前または連結後のいずれかで標識され得るか、あるいは、その官能基が、オリゴマーブロックを結合するために使用され得るか、もしくは表面に組み合わせオリゴマーを形成し得る。
【0185】
(組み合わせオリゴマーのアレイおよびそれらの調製方法)
核酸、ペプチド核酸またはキメラを含むアレイが、文献中に記載されている。一般的に、核酸またはペプチド核酸は、支持体上でオリゴマーを合成することによってか、さもなくば事前に形成されたオリゴマーを固定することによってかのいずれかで、アレイに対して固定され得る。例えば、縮合オリゴマーブロックは、支持体に結合した末端オリゴマーブロックの1つ以上に対して連結され得、それによって所望の適用の実行に適した組み合わせオリゴマーのアレイを形成し得る。あるいは、予備形成された組み合わせオリゴマーが、アレイの一部と反応し、これによって組み合わせオリゴマーを結合させ得る。
【0186】
各支持体に結合したオリゴマーの位置および配列は既知であるので、アレイは、サンプル中の1つ以上の標的配列の存在または量を同時に検出、同定および/または定量するために使用され得る。例えば、標的配列は、アレイ表面上で相補的な組み合わせオリゴマーによって捕捉され得、次いで、プローブ/標的配列複合体が検出される。組み合わせオリゴマーの組成は、そのアレイの表面上の位置で既知であるので(なぜなら、そのオリゴマーは合成されるかまたはアレイのその位置に結合されたからである)、標的配列の組成は、アレイ上に生成される検出可能なシグナルの位置を決定することによって、直接検出、同定および/または定量され得る。従って、アレイは、診断適用または治療有用性を示し得るリード化合物のスクリーニングにおいて有用であり得る。
【0187】
なお別の実施形態において、本発明は、少なくとも2つの組み合わせオリゴマーのアレイに関し、ここで、少なくとも1つの組み合わせオリゴマーが、式A−B−Cを有するセグメントを含む。本発明に従って、オリゴマーブロックAおよびオリゴマーブロックCは、各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーであり、そして必要に応じて他の部分に連結される。このリンカーBは、少なくとも3原子長であり、そしてオリゴマーブロックAをオリゴマーブロックCに共有結合的に連結する。オリゴマーブロックAおよびオリゴマーブロックCは、標識されていないか、または1つ以上のレポーター部分で標識されるか、またはそれらに連結される1つ以上の保護された官能基もしくは1つ以上の保護されていない官能基を含み得る。オリゴマーブロックAおよびオリゴマーブロックCは、一緒になって、プローブ化核酸塩基配列をコードし、この配列は、連続核酸塩基の標的配列に特異的にハイブリダイズする配列に対して設計され、それによって二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成する。
【0188】
なお別の実施形態において、本発明は、組み合わせオリゴマーのアレイを形成するための方法に関する。1つの実施形態において、この方法は、固体キャリア上の部位で、縮合条件下で、第1オリゴマーブロック、第2オリゴマーブロックおよび必要に応じて縮合試薬を反応させ、それによって第1オリゴマーブロックを第2オリゴマーブロックに共有結合的に連結する少なくとも3原子長のリンカーを有する、組み合わせオリゴマーを形成することを含む。本発明に従って、この2つのオリゴマーブロックのうちの一方は、支持体に結合している。さらに、この第1オリゴマーブロックおよび第2オリゴマーブロックは、各々独立して、ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーである。さらに、一方または両方のオリゴマーブロックは、核酸塩基保護基を含まず、そしてその組み合わせオリゴマーは、鋳型の非存在下で形成される。この方法はさらに、組み合わせオリゴマーの所望のアレイが構築されるまで、1つ以上の異なる部位において1つ以上の異なるオリゴマーブロックを用いてこの方法を繰り返すことを含む。
【0189】
なお別の実施形態において、本発明は、組み合わせオリゴマーのアレイを形成するための別の方法に関する。この方法は、固体キャリア上の部位で、第1オリゴマーブロックを第2オリゴマーブロックに共有結合的に連結する少なくとも3原子長のリンカーを有する組み合わせオリゴマーブロックの官能基を、表面官能基を有すると反応させて、それによってその組み合わせオリゴマーを表面に共有結合的に結合させることを含む。本発明に従って、この組み合わせオリゴマーの第1オリゴマーブロックおよび第2オリゴマーブロックは、各々独立して、ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラ、またはPNA組み合わせオリゴマーである。さらに、一方または両方のオリゴマーブロックは、核酸塩基保護基を含まない。この方法はさらに、組み合わせオリゴマーの所望のアレイが構築されるまで、1つ以上の異なる部位で、その組み合わせオリゴマーを1つ以上の異なる組み合わせオリゴマーと結合させるための方法を繰り返すことを含む。
【0190】
(発明を実行するための様式)
本発明は、ここで、いかなるようにも限定されることを意図されない以下の実施例によって例示される。
【0191】
(PNAおよびDNA合成/オリゴマーに関する一般的な情報)
全てのPNAオリゴマーを、Applied Biosystems,Foster City,CAから得た市販の試薬および装置から、製造業者の公開した手順、他の周知の手順または公開されたPCT出願WO99/21881、WO99/22018およびWO99/49293に開示される手順を用いて調製した。
【0192】
標的配列として使用した全ての核酸(DNA)オリゴマーは、Applied Biosystems,Foster City,CAから得た市販の試薬および装置から製造業者の公開した手順を用いて調製するか、またはカスタムオリゴヌクレオチドの商業的な業者から得た。
【0193】
(実施例1:組み合わせオリゴマーの評価)
(序論および目的)
一連のPNAオリゴマー(これは、同じヌクレオチド配列(ヒトK−ras遺伝子の可変領域をコードする)を含んでいたが、ネイティブ(非修飾)であったか、または種々のリンカー部分により中心が連結された2つのオリゴマーブロック(「組み合わせオリゴヌクレオチド」)を含んでいた)を、ハイブリダイゼーション特性を評価する目的で設計および合成した(表2を参照のこと)。このオリゴマーを、任意の連結工程を用いることなく、標準的な方法論を用いて合成した。評価される重大な因子としては、以下が挙げられた:1)標的配列にハイブリダイズさせる場合に、ギャップがオリゴマーブロックの間に存在するべきであるか否か;2)組み合わせオリゴマーに付着させた標識が、(i)ハイブリダイゼーション特性に影響するか、または(ii)これらが典型的に設計される様式で効率的に機能する(例えば、エネルギー移動セットが、ハイブリダイズしないオリゴマーと比較して、検出可能なシグナルにおける変化を示すことによる、オリゴマーハイブリダイゼーションの決定を可能にする)かのいずれかであるか否か;3)さもなければ、どのように、組み合わせオリゴマーのハイブリダイゼーション特性を、ネイティブオリゴマーと比較するのか;および4)組み合わせオリゴマーについての好ましい実施形態は存在するのか否か。ネイティブオリゴマーおよび組み合わせオリゴマーのハイブリダイゼーション特性を評価するために、一連の完全にまたは部分的に相補的な核酸(DNA)標的配列を、同様に得た(表3を参照のこと)。
【0194】
(表2および3の説明)
表2に関して、評価されるネイティブオリゴマーおよび組み合わせオリゴマーの全てを、PNA A〜PNA Lとして特定する(I列)。各プローブの完全配列をII列に示す。III列に特定のリンカー型を特定し、そしてIV列において、レポーター部分の存在または非存在を特定する。
【0195】
再度、表2に関して、ネイティブオリゴマーは、PNA FおよびPNA Lである。ネイティブとは、本発明者らは、核酸塩基配列が、2つの成分オリゴマーブロックの2つの骨格サブユニットを連結するリンカーを含むことなく、連続していることを意味する。この例として、ポリマーに対してネイティブである骨格は、中断することなく連続している。PNA Fは、以下の点でPNA Lと異なる:PNA Lは、WO99/21881に記載されるような発蛍光団部分およびクエンチャー部分を用いて標識されている(すなわち、これは自己指示オリゴマープローブである)が、PNA Fは標識されていない。この点で、オリゴマーPNA A〜PNA Eは、同様に、PNA G〜PNA Kと異なることが注目される。従って、PNA A〜PNA Fは、それぞれ、レポーター部分の非存在または存在においてのみ、PNA G〜PNA Lと異なる。PNA A〜PNA Eは、異なるリンカーを含む組み合わせオリゴマーである。PNA G〜PNA Kは、それぞれ、PNA A〜PNA Eと同じリンカーを含む。
【0196】
(表2:調製されたネイティブオリゴマーおよび組み合わせオリゴマーの表)
【0197】
【表2】
Figure 2004524032
表1に関して、全てのPNA配列を、ペプチド配列の図示に用いられる慣例に従って、アミン末端からカルボキシ末端(左から右)に書く。他の略語は、以下である:F=5−(6)−カルボキシフルオレセイン、D=4−((4−(4−(ジメチルアミノ)フェニル)アゾ)安息香酸(ダブシル)、OまたはOリンカー=8−アミノ−3,6−ジオキサオクタン酸;K=アミノ酸L−リジン、Glu=アミノ酸L−グルタミン酸、Gly=アミノ酸グリシン、EまたはEリンカー=米国特許第6,326,479号において「E」と言及される部分、およびXまたはXリンカー=米国特許第6,326,479号において「+」と言及される部分;SI=自己指示。
【0198】
表3に関して、表2のネイティブオリゴマーおよび組み合わせオリゴマーに潜在的に結合するいくつかの核酸標的配列(可能性のある結合パートナー)の核酸塩基配列を示す。異なる核酸オリゴマーを、I列に特定する。異なる核酸オリゴマーのヌクレオチド配列を、II列に特定する。核酸塩基の性質の記載は、III列に提供される。IV列は、割り当てた配列番号(Seq.Id.No.)を単に示す。
【0199】
核酸オリゴマーDNA PおよびDNA Qは、イタリック体にし、かつ下線を付した
【0200】
【化14】
Figure 2004524032
残基(DNA P)の包含により異なる。この残基は、「ギャップ塩基」または「ギャップ」を表す。「ギャップ塩基」または「ギャップ」は、ネイティブオリゴマーおよび組み合わせオリゴマーを標的配列へハイブリダイズさせる場合に、存在するように設計されている。しかし、ネイティブオリゴマーおよび組み合わせオリゴマーが核酸オリゴマーDNA Q〜Vにハイブリダイズする場合、このギャップ塩基は存在しないので、「ギャップ」は存在しない(図1を参照のこと)。核酸オリゴマーDNA Qは、表1のネイティブオリゴマーおよび組み合わせオリゴマーに完全な相補性を表す。核酸オリゴマーDNA R〜Tは、完全に相補的なオリゴマーDNA Qと比較した場合、ミスマッチ(太字で強調される)を含み、ここで、このミスマッチは、5マーのオリゴマーブロックの1つに関して、中央に位置付けられる。核酸オリゴマーDNA UおよびDNA Vは、完全に相補的なオリゴマーDNA Qと比較した場合、ミスマッチ(太字で強調される)を含み、ここで、このミスマッチは、5マーのオリゴマーブロックの1つに関して、中央には位置付けられていない。
【0201】
(表3:標的配列の表)
【0202】
【表3】
Figure 2004524032
(核酸標的配列にハイブリダイズした組み合わせオリゴマーを用いるTm実験)
熱融解実験において、2つのポリマー鎖の間のハイブリッドを、加熱によって、その成分オリゴマーへと融解する。ハイブリットの解離が生じる温度は、特定のハイブリッドの特徴である熱力学的性質の関数である。ハイブリッドの半分が二本鎖のままであり、残りの半分を一本鎖として有する温度は、一般に、ハイブリッドのTmといわれる。
【0203】
Tm実験を実施するために、石英キュベット中の2.5mLのTm緩衝液(100mM 塩化ナトリウム、10mMリン酸カリウム、pH7.1)中で0.5μMのネイティブオリゴマーおよび組み合わせオリゴマーの各々を特定の核酸標的配列(表3)と混合することにより、サンプルを調製した。ネイティブオリゴマーおよび組み合わせオリゴマーをまた、組み合わせオリゴマーが自己アニーリングまたは自己相補性であったか否かを決定するための手段として、標的配列の非存在下(「DNAなし」コントロール)で試験した。いかなる場合も、標的配列の非存在下でTmは存在せず、これにより、このことは、ネイティブポリマーおよび組み合わせポリマーが自己アニーリングも自己ハイブリダイズもしないことを示す。Tm分析を、機器製造元(Varian)により供給される「Thermal」プログラムを用いて、Cary100分光光度計を使用して実施した。全ての吸光度測定を、緩衝液を含むブランクを参照して記録した。全ての分析を、デュアルビーム様式(dual beam mode)で実施した。
【0204】
各測定の前に、サンプルを95℃にて2分間加熱することにより変性させ、次いで、25℃に冷却した。全てのTm決定について、サンプルを加熱し、次いで、0.5℃/分の速度で冷却した。各融解についての開始点および終点を、予備融解の間に観察されたTmに応じて、各実行の前に経験的に決定した。実験の全体にわたって、吸光度データを、0.5℃区切りで記録した。次いで、Tm値を、機器ソフトウェア、および10.5℃(21のデータポイント(0.5℃あたり1ポイント)に対応する)にわたって得られた移動平均を用いて計算した。種々の実験についてのTmデータを、表4および表5に示す。表したTm値の全ては、加熱工程および冷却工程から得られた値の平均である。
【0205】
(データ表4の考察;最適なプローブ設計の決定)
(表4:最適なプローブ設計を決定するためのTmの表)
【0206】
【表4】
Figure 2004524032
表4は、ネイティブオリゴマーPNA A〜PNA Lおよび組み合わせオリゴマーPNA A〜PNA Lの全ての、ギャップ核酸標的配列かまたはギャップなしの核酸標的配列のいずれかであるDNA PおよびDNA QのそれぞれとのハイブリダイゼーションについてのTmデータを要約する(図1を参照のこと)。表4に関して、Tmを決定するために用いたネイティブオリゴマーまたは組み合わせオリゴマーを、I列に特定する。II列において、核酸標的配列DNA Pを用いて形成された全てのハイブリッドについてのTm(℃)を記録する。III列において、核酸標的配列DNA Qを用いて形成された全てのハイブリッドについてのTmを記録する。IV列において、Tmの差異(ΔTm P−Q(℃))を、DNA P対DNA Qを用いるハイブリッドのそれぞれについて記録する。
【0207】
再度、表4に関して、全てのハイブリッドについてDNA Qが用いられる場合、Tm値は、DNA Pと比較してより高い。ネイティブオリゴマーまたは組み合わせオリゴマーについてのTmの絶対的な差異は、IV列において見られる。DNA PとDNA Qとの間の差異は、それぞれ、ギャップの存在またはギャップの非存在であるので、ブロックオリゴマーが、標的配列の近傍にハイブリダイズし、その結果ギャップが存在しない場合に、より安定なハイブリッドが常に形成されることは明らかである。さらに、Tm(6.4〜17.9℃)における実質的差異は、これが、ギャップを含むハイブリッドと比較した場合、実質的に好ましいハイブリッドであることを示す。
【0208】
再度、表4に関して、PNA A〜PNA Fについてのデータは、それぞれ、PNA G〜PNA Lについてのデータと実質的に同じであることが明らかである。等価な標識したPNAと比較した場合、標識されていないPNAの各々についてのデータにおける強い類似性は、標識が、種々のネイティブオリゴマーおよび組み合わせオリゴマーのハイブリダイゼーション特性に実質的に影響しないことを示す。
【0209】
(データ表5の考察;プローブ識別能/選択性の決定)
PNA Cは、最も好ましいリンカーを有すると考えられるので、本発明者らは、ネイティブオリゴマーPNA Fとのさらなる比較のための組み合わせオリゴマーPNA Cを選択した。表5は、PNA CおよびPNA Fの各々の、核酸標的配列DNA Q〜DNA Vの各々とのハイブリダイゼーションについてのTmデータを要約する;ここで、全ての場合において、ハイブリッドは、ギャップを含まない。表5に関して、Tmを決定するために用いた核酸標的配列をI列に特定する。II列において、PNA Cを用いて形成された全てのハイブリッドについてのTm(℃)を記録する。III列において、PNA Fを用いて形成された全てのハイブリッドのTmを記録する。IV列において、完全な相補体(DNA Q対PNA C)の間のハイブリダイゼーションについてのTmの差異(ΔTm(℃))、ならびにミスマッチ(一ヌクレオチド多型の点変異)およびPNA Cを含む特定の核酸標的について記録したTmを記録する。V列において、完全な相補体(DNA Q対PNA F)の間のハイブリダイゼーションについてのTmの差異(ΔTm(℃))、ならびにミスマッチ(一ヌクレオチド多型の点変異)およびPNA Fを含む特定の核酸標的について記録したTmを記録する。VI列において、V列と比較したIV列における値の絶対的な差異(ΔC−ΔF)を記録する。
【0210】
(表5:プローブ識別能/選択性の決定についてのTmの表)
【0211】
【表5】
Figure 2004524032
完全に相補的なハイブリッドのみが、DNA Qを用いて形成されるので、核酸標的配列を含むミスマッチに対してハイブリダイズする異なるPNAの各々についての全てのデータを、DNA Qと比較する。このような理由により、DNA QについてIV列〜VI列のデータは存在しない。
【0212】
表5のIV列に関して、DNA RからDNA TについてのΔC値は、20.5〜22.0℃である。このことは、組み合わせオリゴマーのブロックオリゴマーの1つにおいて中間に位置付けられるミスマッチは、ハイブリッドに対する実質的な不安定化効果を与えることを示す。比較すると、DNA R〜DNA TについてのΔF値は、17.1〜19.1℃である(V列を参照のこと)。このことは、ネイティブオリゴマーおよび標的配列から形成されたハイブリッドの同じ位置におけるミスマッチが、組み合わせオリゴマー(gly−glyダイマーリンカーを有する;VI列を参照のこと)および標的配列を用いて形成されたほぼ等価なハイブリッドと比べた場合に、より低い不安定化効果を与えることを示す。ミスマッチを形成する特定の核酸塩基の性質の結果として生じるΔTmにおける小さな差異が明らかに存在するが、このデータは、全ての可能な天然のミスマッチの組み合わせを含む。このデータは、全ての場合において、不安定化効果が、ネイティブのオリゴマーと比較した場合に、組み合わせオリゴマーについてより高いことを示す(VI列を参照のこと)。
【0213】
表5のIV列に関して、DNA UについてのΔC値は、21.2℃である。比較すると、DNA UについてのΔF値は、18.1℃である(V列を参照のこと)。このことは、組み合わせオリゴマーのブロックオリゴマーの1つが中心に位置付けられていないミスマッチが、ネイティブオリゴマーおよび同一の標的配列を用いるハイブリッドにおける同一のミスマッチの包含から生じる不安定化効果と比較した場合、同様により有意であるハイブリッドに対する実質的な不安定化効果を与えることを示す(VI列を参照のこと)。このデータは、このミスマッチが、ネイティブオリゴマーと比較した場合、有益な識別能/選択性を達成するために、組み合わせオリゴマーのオリゴマーブロック内の中心に位置付けられる必要がないことを示す。
【0214】
表5のIV列に関して、DNA VについてのΔC値は19.7℃である。比較すると、DNA UについてのΔF値は、21.1℃である(V列を参照のこと)。このことは、組み合わせオリゴマーのブロックオリゴマーの1つが末端に位置付けられていないミスマッチが、ネイティブオリゴマーおよび同一の標的配列を用いるハイブリッドにおける同一のミスマッチの包含から生じる不安定化効果と比較した場合、ハイブリッドに対するより低い不安定化効果を与えることを示す(VI列を参照のこと)。このデータは、組み合わせオリゴマーのオリゴマーブロックの末端に位置付けられたミスマッチが、ネイティブオリゴマーと比較した場合、改善された識別能/選択性を生じないことを示唆する。
【0215】
(自己指示組み合わせオリゴマーを用いる蛍光実験)
自己指示組み合わせオリゴマー(PNA G〜L)が、(標識立体配置に基づいて)予想される様式で作用し得るか否かを評価するために、これらを、相補的な核酸であるDNA Qにハイブリダイズさせ、そして各サンプルの得られた蛍光を測定した。
【0216】
自己指示組み合わせオリゴマーを、100μLのTm緩衝液中、1.0μMの最終濃度まで希釈し、そして96ウェルポリエチレンマイクロタイタープレートの個々のウェルに配置した。次いで、各自己指示組み合わせオリゴマーの蛍光を、フルオレセインの蛍光を検出するために最適化されているフィルターセットを用いる、Wallac Victor蛍光プレートリーダーを使用して決定した。各自己指示組み合わせオリゴマーについてのこのベースライン値を記録した後、35μM DNA Qを含む3μLのアリコートを、各ウェルに添加し、それにより、1.0μMの最終濃度を得た。次いで、各ウェル中のサンプルを混合し、そしてハイブリダイゼーションを10分間進行させた。コントロールとして、非相補的標的を、別の完全なセットの自己指示組み合わせオリゴマーに、類似の方法で添加した。全ての場合において、各自己指示組み合わせオリゴマーについての蛍光値は、相補的DNAを添加した場合、有意に増加したが、非相補的DNAの存在下で認められるほどの増加はなかった。
【0217】
(要約)
要約すれば、このデータは、以下の結論を支持する:1)標的配列にハイブリダイズさせる場合、オリゴマーブロックの間にギャップが存在しないことが好ましい。なぜならば、この実施形態は、最も安定なハイブリッドを生じ、そしてこのようなオリゴマーについて観察された、改善された選択性/識別が存在するからである;2)標識を組み合わせオリゴマーに付着させる場合、これらは、(i)ハイブリダイゼーション特性に実質的に影響することも、(ii)これらが典型的に設計される様式と異なる様式で機能することも考えられない;3)組み合わせオリゴマーのTmは、ネイティブオリゴマーよりも低くなる傾向があるが、組み合わせオリゴマーは、ネイティブオリゴマーと比較した場合、有意に増大した選択性/識別能を示すように設計され得る;ならびに4)組み合わせオリゴマーについて最も好ましい実施形態は、アミノ酸ダイマー、および特にgly−glyダイマーを含むオリゴマーであると考えられる。
【0218】
(実施例2:Aテンプレートの非存在下でのブロック連結)
(序論および目的)
先の実施例は、組み合わせオリゴマーが、例えば、標的核酸配列を検出するために用いられるハイブリダイゼーション反応に有用であり得ることを示した。この実施例では、目的は、テンプレートの非存在下(すなわち、非テンプレート指向性連結)で、2つのオリゴマーブロックを効率的に連結して、それにより、組み合わせオリゴマーを形成することが可能であるか否かを決定することである。この連結反応は、gly−glyダイマーリンカーを生成することが意図される。
【0219】
(試薬溶液)
・ 0.5M 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)緩衝液;pH4.5。
・ HOAt溶液:21.4mgの1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAt)を、2mLの1:1、N,N’−ジメチルホルムアミド(DMF):0.5M MES緩衝液pH4.5と混合することにより調製した。
・ EDC溶液を、10mg 1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ−プロピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を、100μLの0.5M MES緩衝液に添加することにより調製した(この溶液は使用の直前に調製される)。
・ クエンチング溶液を、10mgのグリシンアミド−HClを、100μLの1M 炭酸水素ナトリウム溶液(非緩衝化)に添加することにより、調製した。
【0220】
(一般的反応条件)
最終反応条件は、一般に、連結される各オリゴマーブロック中750μMであった反応混合物中、10当量のHOAtおよび500当量のEDCである。これらの実験において、テンプレートを使用しなかったことが注目される。
【0221】
(実験1)
各PNAオリゴマー(連結されるオリゴマーブロック)の約19.1nmolを、単一の0.5mLマイクロ遠心チューブに添加し、そして引き続いて乾燥した。乾燥したPNAオリゴマー混合物に、4.8μLの1:1 DMF:水を添加した。この溶液を、ボルテックスにより混合し、次いで、2.43μLのHOAt溶液および18.3μLのEDC溶液を添加した。5分後、10μLの反応混合物を取り出し、そして10μLのクエンチング溶液でクエンチした。次いで、生成物を、Maldi−TOF質量分析およびHPLCにより分析した。1時間後、10μLの残りの反応混合物を同じ方法でクエンチし、そして、Maldi−TOF質量分析およびHPLCにより分析した。反応混合物の残りの5.5μLを、30%水酸化アンモニウム水溶液でクエンチし、そしてMaldi−TOF質量分析およびHPLCにより分析した。
【0222】
(実験2)
約95.6nmolの各PNAオリゴマー(連結されるオリゴマーブロック)を、単一の0.5mLエッペンドルフチューブに添加し、引き続いて乾燥した。乾燥したPNAオリゴマーに、23.7μLの1:1 DMF:水を添加した。溶液をボルテックスにより混合し、次いで、12.2μLのHOAt溶液を添加した後、91.6μLのEDC溶液を添加した。反応を、1時間後に、127.5μLのクエンチング溶液でクエンチした。次いで、生成物を、Maldi−TOF質量分析およびHPLCにより分析した。
【0223】
(結果)
(表6:連結結果の表)
【0224】
【表6】
Figure 2004524032
両方の実験について、縮合ブロックをアセチル部分でキャップした。具体的には、縮合ブロック(PNA)は、Ac−ACC−AG−Gly−COOHであり、そして末端ブロックは、H−Gly−TCC−AA−NHであった(ここで、Acはアセチルキャップを表し、Glyはアミノ酸グリシンを表し、そして他の略語は、ペプチド化学の分野において周知である)。
【0225】
表6に関して、連結反応の完了の割合を、生成物のHPLC分析のピーク面積(HOAtを表すピークを除く)の積分に基づいて測定した。結果は、2つのPNAオリゴマーブロックが、テンプレートの非存在下で、5分以内に70%を超える収率で、首尾良く連結され得ることを実証するが、反応時間が長くなると、より高い割合の生成物形成を導くことも示している。実験番号2(表6)として生じる反応を、生成物を分取用HPLCにより精製し得るように、5分目に分析しなかった。それにもかかわらず、結果は、2つのPNAオリゴマーブロック(一方は、N末端アミン基を含むN末端グリシンを有し、そして他方はカルボン酸官能基を有するC末端グリシンを含む)が、HOAtおよびEDCの混合物と、迅速かつ効率的に連結され得、それにより、2つのPNAオリゴマーブロックを連結する非修飾gly−glyダイマーを生成することを実証する。連結反応の生成物は、Ac−ACC−AG−gyl−gly−TCC−AA−NHであった。これを、最終生成物のMaldi−TOF質量分析により確認した。
【0226】
(実施例3:PNA−FISH)
(序論および目的)
出願人により実施された先の実験は、特定のプローブが機能的アッセイにおける単一の点変異を断定的に区別しないことを決定した。例えば、PNAオリゴマーFlu−1は、これらの2つの生物のrRNAに存在する単一の点変異(一塩基多型すなわちSNP)の存在にもかかわらず、S.enterica(S.Cholerasuisが血液型亜型である)とS.bongoriとの間を断定的に区別しない。
【0227】
(表7:組み合わせオリゴマーおよびプローブの表)
【0228】
【表7】
Figure 2004524032
全ての略号は、以前に定義されるとおりである(表2を参照のこと)。このアッセイにおいて区別される、rRNA、またはSalmonella種におけるミスマッチ(単一の点変異)の位置は、太字である。シグナル対ノイズ比を、8つの細菌由来のシグナルに基づく平均を用いて得た。
【0229】
(PNA−FISH手順)
細菌の個々の3mL培養物を、Tryptic Soy Broth(TSB)中で、30℃にて一晩培養した。次いで、このブロスを、600nmの吸光度について分析し、次いで、600nmの吸光度が0.5OD/mLとなるまで、新鮮なTSB中に希釈した。次いで、これらの希釈した培養物ストックを、収集の前に、3〜4倍に増やした。20mL培養物由来の細胞を、10,000rpmにて5分間遠心分離によりペレット化し、20mL PBS中に懸濁し、再度ペレット化し、そして固定緩衝液(PBS(7mM NaHPO;3mM NaHPO;130mM NaCl)中の4%パラホルムアルデヒド)に再懸濁した。細菌を室温で30〜60分インキュベートした後、これらを再度ペレット化(10,000rpmにて5分間の遠心分離)した。固定溶液の除去後、細胞を20mLの50%エタノール水溶液に再懸濁した。次いで、固定した細菌を、30分のインキュベーションの後に使用するか、または、必要に応じて、実験で使用する前に−20℃にて数週間まで保存した。
【0230】
調製した各サンプルについて、50%エタノール水溶液中、100μLの固定した細胞を、取り出し、そして10,000R.P.M.で2分間遠心分離した。次いで、エタノールをサンプルから取り出し、そしてペレットを、100μLの滅菌PBS中に再懸濁し、そして10,000rpmで2分間の遠心分離により、再度ペレット化した。
【0231】
次いで、PBSをペレットから取り出し、そして細胞を、40pmol/mLの濃度で適切なプローブ(例えば、Flu−1〜Flu−4)を含んだ、100μLのハイブリダイゼーション緩衝液(20mM Tris−HCl、pH9.0;100mM NaCl;0.5%SDS)中に再懸濁した。ハイブリダイゼーションを55℃にて30分間実行した。
【0232】
次いで、サンプルを、10,000R.P.M.で2分間遠心分離した。ハイブリダイゼーション緩衝液を除去し、そして細胞を500μL 滅菌TE−9.0(10mM Tris−HCl、pH9.0;1mM EDTA)に再懸濁した。溶液を、55℃にて5分間静置した。次いで、サンプルを、10,000rpmで5分間遠心分離した。次いで、TE−9.0をペレットから取り出した。次いで、TE−9.0洗浄を2回以上繰り返した。
【0233】
最終洗浄後、細胞を100μL PBSに再懸濁した。細胞のこの懸濁液の2μLのアリコートを、スライドガラスに置き、薄く塗り、そして乾燥させた。次いで、1〜2μLのVectashield(Vector Laboratories,P/N H−1000)およびDAPI対比染色液を、乾燥した細胞上に沈着させた。カバーガラスをこのスライドに加え、そしてその位置を、2滴のマニキュア液を用いて固定した。2つの異なる細菌株(Salmonella cholerasuisおよびSalmonella bongori)の各々を、上記のプロトコルに従って、固定し、そしてプローブFlu−1〜Flu−4の各々とハイブリダイズさせた。ハイブリダイゼーションおよび洗浄の後、各株を、スポットし、そして顕微鏡スライド(上記を参照のこと)上に設置し、そして60×液浸油系対物レンズ、10×接眼レンズ(総倍率は600倍である)、およびOmega Optical XF22フィルターを備える、Nikon蛍光顕微鏡を使用して試験した。
【0234】
図2中のパネルは、2秒の曝露時間を使用して、顕微鏡を備えたCCDカメラで撮影したカラー画像である。図2を参照すると、パネルA1〜D1は、S.cholerasuis(S.entericaの血清型亜型)およびPNAプローブまたはオリゴマーFlu−1〜Flu−4の組み合わせをそれぞれ使用するPNA−FISH実験で撮影した画像である。同様に、パネルA2〜D2は、S.bongoriおよびPNAプローブまたはオリゴマーFlu−1〜Flu−4の組み合わせをそれぞれ使用するPNA−FISH実験で撮影した画像である。
【0235】
図2を参照すると、パネルA1とA2との比較により、S.cholerasuisのシグナルが極めて強いが、S.bongoriは、強くポジティブというほどではないにしても、同様に検出可能であることが示される。従って、この結果は、プローブFlu−1が、2種のSalmonellaのrRNA中に1つの点変異が存在するにもかかわらず、所望されるほどには識別性が高くないことを示す。デジタル画像に加えて、シグナル 対 ノイズ比は、2.1とスコア付けされた(表7)。
【0236】
プローブFlu−2を使用する場合、ミスマッチの配置を、中心に位置しているものと比較して、より末端側に位置するように再配置した。このプローブはまた、15マーから14マー(核酸塩基配列)に大きさを減少させた。繰り返すと、パネルB1およびB2を参照すると、S.cholerasuisのシグナルが極めて強い一方、S.bongoriのシグナルは弱いがなお検出可能ではあることが明らかである。デジタル画像に加えて、シグナル 対 ノイズ比は5.3とスコア付けされた(表7)。まとめると、このデータは、ミスマッチをより末端側の位置に動かすことは、アッセイの識別性を改善することを示す。
【0237】
オリゴマーFlu−3とFlu−4の組み合わせは、Flu−2で利用したものと同じミスマッチの配置を利用し、位置以外は、リンカーの性質のみが互いに異なる;組み合わせオリゴマーFlu−3は、1つのO−リンカー架橋を有する一方で、組み合わせオリゴマーFlu−4は、好ましいgly−glyダイマー架橋を有する。D1とD2とを組み合わせて、パネルC1およびC2を参照すると、同一の条件下ではシグナルがより弱いが、組み合わせオリゴマー(Flu−3およびFlu−4)を用いると、識別レベルが、ネイティブなオリゴマープローブFlu−2と比較した場合、改善されることがさらに明らかである。さらに、シグナル 対 ノイズレベルは、非常に高く、計数すべき非特異的シグナル(ノイズ)は全く認められず、ゼロで除することは意味がないので、決定できなかった。
【0238】
(まとめ:)
S.enterica 血清型亜型cholerasuisおよびS.bongori間の識別性は、プローブFlu−2、Flu−3およびFlu−4を使用するとより大きかった。一般に、プローブFlu−2、Flu−3およびFlu−4は、2種のSalmonellaの間で優れた識別性を示した。しかし、組み合わせオリゴマー(例えば、Flu−3およびFlu−4)の使用を導入することにより、ネイティブのオリゴマーと比較して、1つの点変異のさらに優れた識別が可能であった。従って、これらの結果は、組み合わせオリゴマーが、ネイティブなオリゴマーと比較して、より大きなバイナリ様式(ハイブリダイズされるかまたはハイブリダイズされないかのいずれか)にて作用することを実証する。
【0239】
(実施例4:切断アッセイ)
(緒言および目的:)
本実験を、酵素の基質である切断部位を含む組み合わせオリゴマーが、多かれ少なかれその結合パートナーに結合したか否かに依存して、酵素の働きにより切断される傾向があるか否かを決定するために行った。Linear Beaconとして標識される組み合わせオリゴマーを、両方のハイブリダイゼーションおよび切断データが決定され得ると予測されたので、使用した。
【0240】
(材料:)
以下のPNA組み合わせオリゴマーを、市販の試薬および機器(Applied Biosystems,Foster City,CA)を使用して合成した。これらのプローブを、ハイブリダイズしない状態で低い蛍光を有し、ハイブリダイズした状態で中間の蛍光を有し、切断された上体で最も大きな蛍光を有するように設計した。
【0241】
【化15】
Figure 2004524032
(略語は、上記に規定されている;表1を参照のこと)
プローブを逆相クロマトグラフィーにより精製し、産物画分を、MALDI−TOF質量分光測定により同定し、産物画分を合わせて、凍結乾燥した。乾燥した物質を、約50 AU 260ユニット/mLの濃度にて50%水性DMF中に溶解した。
【0242】
オリゴヌクレオチド標的(実施例1のDNA Q)を、Sigma Genosys(Woodlands,TX)から入手し、365μMの濃度にて水中に溶解した。プロテアーゼを、Roche Biochemicals(Indianapolis,IN)から購入し、以下のように処方した:
Glu−C(Rocheカタログ番号1420399)を、0.1μg/μLの濃度にてGlu−C緩衝液中に溶解した。Glu−C緩衝液は、25mM 炭酸アンモニウム,pH7.8(5% v/v アセトニトリル含有)であった。
Lys−C(Rocheカタログ番号1420429)を、0.1μg/μLの濃度にてLys−C緩衝液中に溶解した。Lys−C緩衝液は、25mM Tris−HCl、1mM EDTA,pH8.5(5% v/v アセトニトリル含有)であった。
トリプシン(Rocheカタログ番号1418475)を、0.1μg/μLの濃度にてトリプシン緩衝液中に溶解した。トリプシン緩衝液は、100mM Tris−HCl,pH8.5(5% v/v アセトニトリル含有)であった。
【0243】
(方法:)
反応系を、マイクロタイタープレートにおいて以下のように設定した:
PNA−Gluを、Glu−C緩衝液中に1:2000希釈した。マイクロタイタープレートのウェル中のこの溶液の100μLのアリコートに、以下を添加した:
・PNA−Gluのみ
・1μLのDNA Q
・2μLのGlu−Cプロテアーゼ
・1μLのDNA R、2μLのGlu−Cプロテアーゼ。
【0244】
添加のタイミングおよび順序は、最初にGlu−C緩衝液中のPNA−Glu(全てのウェルA〜D)、続いてDNA Q(ウェルBおよびD)、次いで、5分間待ち、次いで、Glu−Cプロテアーゼ(ウェルCおよびD)であった。各々を添加した後、反応系を激しく混合した。次いで、反応物の蛍光を、Wallac Victorプレートリーダー(Wallac Oy,Turku Finland)を使用して、520nmにて測定した。蛍光を、時間ゼロ(最後の添加の後)および2時間後に測定した。
【0245】
Lys−C緩衝液およびトリプシン緩衝液をGlu−C緩衝液で置き換え、Lys−Cプロテアーゼおよびトリプシンプロテアーゼを、それぞれGlu−Cプロテアーゼで置き換えたことを除いて、同一の反応系を、PNA−Lysについて設定した。
【0246】
(結果:)
結果を、図3にグラフとして示す。DNA標的の非存在下では、各プロテアーゼは、そのそれぞれのPNA基質を加水分解することができた(各セットについてAとCを比較のこと)のに対して、標的(DNA Q)の存在下では、PNAは、プロテアーゼによる消化から保護された(各セットにおいてBとDを比較のこと)。従って、組み合わせオリゴマーが標的配列に結合しなかった場合にのみ、酵素が切断部位を切断するので、プロテアーゼの存在下でハイブリダイズするPNA組み合わせオリゴマーと、ハイブリダイズしないPNA組み合わせオリゴマーとの間を識別する能力が確立された。
【0247】
(実施例5:独立して検出可能な自己指示組み合わせオリゴマーおよびエンドポイント分析を用いたSNPスコア付け)
(材料および方法)
SNP選択。SNP標的に関する情報、ヒトゲノム配列情報、ヒトゲノムDNAサンプル、PCRプライマー設計、およびTaqManアッセイ(Applied Biosystems,Foster City,CA)を介して得たSNP試験結果は、Whitehead Institute(Cambridge,MA)により提供された。提供された情報を考慮して、9つのSNP標的(6874、6802、6806、6834、6837、6848、6876、6879および6885として設計した)を、評価のために選択した。
【0248】
DNAサンプル。CEPH/Utah Pedigrees 1331、1333、および1341(本明細書中以降、「Coriell Pedigree」または「Pedigree」という)(関連個体の精製ヒトゲノムDNAサンプルからなる)を、Coriell Institute for Medical Research(Camden,NJ)から購入した。Pedigree 1331は、F01、M02、D03、S04、D05、D06、D07、D08、S09、S10、S11、FF12、FM13、MF14、MM15、D16、およびS17と称される17のDNAサンプルを含んだ。Pedigree 1333は、F01、M02、S03、S04、S05、D06、S07、S08、S09、S10、FF11、FM12、MF13、MM14、およびD15と称される15のDNAサンプルを含んだ。Pedigree 1341は、F01、M02、D03、D04、D05、D06、S07、D08、D09、S10、FF11、FM12、MF13、およびMM14と称される14のDNAサンプルを含んだ。Coriell Instituteにより供給されたこれらのDNAサンプルを、Millipore Milli−Q水(Bedford,MA)中で25ng/μLに希釈し、4℃で保存した。
【0249】
PCRプライマー。Whitehead Instituteにより提供されるPCRプライマー設計を、配列欠失、配列付加、ならびに/または5’末端におけるグアニン塩基および/もしくはシトシン塩基の付加により全て改変した。プライマーの改変を、等しくないTm値(200nM濃度にて予想される場合、このセットの2つのプライマーについて約66℃および80℃)が得られるように行った。その結果、PCRプロトコルにより、二本鎖および一本鎖両方のDNAアンプリコンが生じ、それぞれ、より低いアニーリング温度およびより高いアニーリング温度を有する。
【0250】
プライマー設計のためのTm予測を、SantaLuciaら、Biochemistry 35:3555−3562(1996)により発表されたように、二重鎖安定性を予測するためのDNA最近接パラメーターに基づく独自のソフトウェア(proprietary software)を使用して行った。
【0251】
一旦設計すると、全てのプライマーを、Sigma Genosys(The Woodlands,TX)から購入した。Sigma Genosysから受け取ったこれらのプライマーを、1×TE,pH8.0(10mM Tris,pH8.0;1mM EDTA)中で約200μMに希釈し、4℃にて保存した。1M Tris,pH8.0およびEDTA 二ナトリウム塩二水和物(保存緩衝液を作製するために使用した)を、それぞれ、Sigma(St.Louis,MO)およびEM Science(Gibbstown,NJ)から購入した。9つのプライマーセットの特性を、表8に示す。
【0252】
【表8】
Figure 2004524032
PNAプローブ。全てのPNAオリゴマーを、標識試薬および/またはリンカー(これらは、Applied Biosystemsにより供給されるかまたはそうでなければ他の箇所で記載されるように調製される(出願番号091179.289号に基づく米国特許第6,355,421号;本明細書中に参考として援用される、を参照のこと)かのいずれかである)を除いて、市販の試薬および機器を使用して合成した。これらのPNAプローブは、「染料−NNNNN−Gly−Gly−NNNNN−Lys(Dabcyl)」という設計であった。ここで染料は、フルオレセイン(Flu)、(Tam(Tamraの略語))、染料1または染料2(染料1および染料2の構造は、図33に例示される;染料2は、米国特許第6,221,604号(本明細書中に参考として援用される)にも記載される)のいずれかであった。この構成において、特定のSNPを決定するためのPNAオリゴマーのセットは、独立して検出可能な自己指示組み合わせオリゴマーであった(表9を参照のこと)。
【0253】
Flu標識およびTam標識PNAオリゴマーを、新たに合成したのに対し、染料1標識PNAオリゴマープローブおよび染料2標識PNAオリゴマープローブを、各々、2つの5マーのオリゴマーブロックとして合成した。これらのオリゴマーブロックを、引き続いて、縮合/連結して、それにより10マーのPNA組み合わせオリゴマープローブを作製した。各セットのプローブについて、SNP標的に指向されるその核酸塩基を、N末端の5マーまたはC末端の5マーのいずれかの中間に位置させた。Flu標識プローブおよびTam標識プローブを、50%水性DMF中で約400μMに希釈したのに対し、染料1標識プローブおよび染料2標識プローブを、50%水性NMP中で50μMに希釈した。DMFおよびNMPは、それぞれ、JT Baker(Philipsburg NJ)およびApplied Biosystemsから購入した。10のPNAプローブセットを、表9に記載する。全ての場合において、1セットのプローブは、独立して検出可能であった。
【0254】
【表9】
Figure 2004524032
PCRプロトコル。PCRを、ABI Prism 7700配列検出器(Applied Biosystems)を使用して各サンプルについて三連で行った。標的なしコントロール(NTC)(ヒトゲノムDNA標的がない)もまた、試験した各SNPについて行った。PCR混合物は、2mM MgCl、1×Gold緩衝液、0.25mM dNTP(dTTP含有)、0.04U/μL AmpliTaq Gold DNAポリメラーゼ、200nMの各プライマー、200nMの各PNAプローブ、および0.5ng/μLのヒトゲノムDNA標的を含んだ。Millipore Milli−Q水を、PCR混合物希釈液として使用した。この処方物に対する1つの例外としては、SNP 6834についてのPCR混合物が挙げられ、このPCR混合物は、より高いTm値を有する2000nMのプライマーを含んだ。このことは、PCRによる一本鎖DNAアンプリコンのさらなる生成を可能にする。次いで、50μLの各サンプルを、MicroAmp Optical96ウェル反応プレートに負荷し、Optical Adhesive Coverで覆った。MgCl、Gold緩衝液、dNTP(dTTP含有)、AmpliTaq Gold DNAポリメラーゼ、MicroAmp Optical96ウェル反応プレート、およびOptical Adhesive Coverを、Applied Biosystemsから購入した。サーモサイクリングは、以下からなった:1回の酵素活性化(95℃、10分);変性(95℃,15秒)、アニーリング(60℃,30秒)、および伸長(75℃,15秒)を30回;ならびに変性(95℃,15秒)、アニーリング(70℃,30秒)、および伸長(75℃,15秒)を15回。より低いアニーリング温度およびより高いアニーリング温度は、プライマーTm値が等しくないので、それぞれ、二本鎖DNAアンプリコンおよび一本鎖DNAアンプリコンの生成に都合がよかった。PCRの後に、一本鎖DNAアンプリコンを、PNAプローブについての標的として供した。
【0255】
蛍光の検出。PCRの後に、50μLのサンプルを、Whatman Polyfiltronics(Clifton,NJ)から購入した96ウェルの250μL黒色ポリスチレンV底Uniplateに移した。次いで、各サンプル中の染料標識したPNAプローブの蛍光を、Flu、Cy3、染料1、および染料2のフィルターセット(Wallac Oy,Turku,Finland)を備えたWallac Victor 1420 Multilabel Counterで室温にて測定した。Cy3フィルターセットは、Tam蛍光の測定に適切であった。染料1フィルターセットは、460−40励起フィルターおよび510−10発光フィルターからなったのに対し、染料2フィルターセットは、530−25励起フィルターおよび590−20発光フィルター(Wallac Oy)からなった。
【0256】
データ分析。NTCの蛍光シグナルを各サンプルの蛍光シグナルから差し引くことにより、棒グラフを作成した;次いで、NTCをゼロのシグナルとして提供した。対立遺伝子分布プロット(散乱プロット)を、NTCの蛍光シグナルを各サンプルの蛍光シグナルから差し引くことにより作成した;その結果、NTCを、1の比として提供した。この比を、シグナル/ノイズ比と称した。
【0257】
(結果)
新たに合成したFlu標識PNAプローブおよびTam標識PNAプローブを用いたSNP分析。各SNPについての棒グラフおよび対立遺伝子分布プロットを評価し、図4〜25に示した。一方の染料の高いシグナルおよび他方の染料の無視できるシグナルを示したDNAサンプルを、ホモ接合体と記載した。次いで、ホモ接合体のSNP改変体を、高いシグナルを示した染料により決定した。例えば、pedigree 1333のDNAサンプルM02は、高いFluシグナルおよび無視できるTamシグナルを示したので、SNP 6802についてのホモ接合体とみなした(図6および7)。その標的のSNP部位もまた、Flu標識PNAプローブがSNP部位にて核酸塩基チミンを含んでいたので、核酸塩基アデニンを含むとみなした(表9)。対照的に、ホモ接合性の他の状態は、プローブが、SNP部位にて核酸塩基シトシンを含むので、核酸塩基グアニンを含む標的についてであり、この状態は、Tamra標識プローブ(6802−2−G−Tam)が顕著なシグナルを生成した場合に決定された(表9を参照のこと)。
【0258】
pedigree 1333のDNAサンプルS03は、SNP 6806についてあいまいな結果を提供した(図8および9を参照のこと)。しかし、試験した三連のうちの1つの複製は、低いシグナルを提供した(データは示さず)。このアウトライアーが除去されると、SNP結果を、Tam標識PNAプローブにより検出されたホモ接合体とみなし、そのように記載する。
【0259】
およそ等価な強度の両染料のシグナルを示したDNAサンプルを、ヘテロ接合体と記載した。例えば、pedigree 1333のDNAサンプルF01を、FluシグナルおよびTamシグナルがおよそ等しく強かった(図6および7)ので、SNP 6802についてのヘテロ接合体とみなした。それらの標的のSNP部位はまた、Flu標識PNAプローブおよびTam標識PNAプローブが、それぞれSNP部位にて核酸塩基チミンおよびシトシンを含んだ(表9)ので、核酸塩基アデニンおよびグアニンを含むとみなした。
【0260】
SNP結果を表10にまとめる。ホモ接合性DNAサンプルを、同じSNP標的核酸塩基項目下で2つの隣接する+記号により示した。それに対し、ヘテロ接合性DNAサンプルを、両方のSNP標的核酸塩基項目下で1つの+記号により示した。この研究において得られた結果は、Applied Biosystems,Foster City,CAのTaqManアッセイを用いて分析したサンプルについて、Whitehead Instituteにより提供されたデータと完全に一致した(表10の影をつけた列を参照のこと)。
【0261】
(連結した染料1標識PNAプローブおよび染料2標識PNAプローブを使用したSNP分析)
SNP 6885についての染料1標識PNAプローブおよび染料2標識PNAプローブの配列は、それぞれ、それらのTam標識対応部分およびFlu標識対応部分に相当する(表10)。評価のために選択したCoriell Pedigree 1341は、予測された接合性を示し(図26および27)、これらの結果は、Flu標識PNAプローブおよびTam標識PNAプローブを使用して生成された結果と完全に一致した(図24、25および表10)。従って、染料1および染料2の発蛍光団は、アッセイとの適合性および標的に対するハイブリダイゼーションの際のシグナルを提供した。さらに、記録された結果は、縮合/連結プロセスがプローブの機能に有害な結果を課さなかったことを実証する。
【0262】
【表10】
Figure 2004524032
Figure 2004524032
(実施例6:2つの標識オリゴマーブロックを使用したテンプレートの非存在下での連結)
(緒言および目的)
実施例2において、非標識オリゴマーブロックの連結が可能であることを実証した。この実施例は、2つの標識ブロックオリゴマーを連結することが可能であり、それにより独立して検出可能な自己指示組み合わせオリゴマーを生成するか否かを確認することを、意図した。
【0263】
(試薬溶液:)
・0.75M 2−(N−モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)緩衝液;pH6.0
・35mM HOBt溶液:23.7mgの1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)と4.42mLの0.75M MES緩衝液(pH6.0)を混合することにより調製
・EDC溶液を、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノ−プロピル)カルボジイミドヒドロクロリド(EDC)を秤量し、次いで、上記のように調製した、1容積のHOBt溶液を添加することにより調製した。その結果、最終溶液は、0.8mg EDC/15μLのこの溶液を達成する(従って、EDC溶液は0.278Mである)
・クエンチ溶液を、0.5mlのトリフルオロ酢酸を49.5mLの脱イオン水に添加することにより調製した。
・PNA溶液を、50%のアセトニトリル:50%の0.1%トリフルオロ酢酸水溶液中に、PNAオリゴマーブロックを、染料標識ブロックについて濃度2625μMまで、およびDabcyl標識ブロックについて濃度3000μMまで溶解することにより調製した。
【0264】
(一般的反応条件:)
最終反応条件は、一般的に、反応混合物中の10当量のHOBtおよび約160当量のEDCであった。反応混合物は、連結される各染料標識オリゴマーブロックが約750μMであった。これらの実験において、テンプレートは使用しなかったことに注意のこと(すなわち、非テンプレート指向連結(non−template directed ligation))。
【0265】
(実験1:)
各PNAオリゴマーブロック(連結される2つのオリゴマーブロック)のPNA溶液、約5μLを、一本の0.5mL 微小遠心分離にチューブに添加した。このPNAオリゴマー混合物に、上記のように調製したEDC溶液7.5μLを添加した。この溶液を、ボルテックスで混合し、次いで、80℃に維持されたヒートブロック中に入れた。60分後、20μLのクエンチ溶液を添加した。次いで、生成物を、Maldi−TOF質量分析法およびHPLCにより分析した。
【0266】
(実験2:)
各PNAオリゴマーブロック(連結される2つのオリゴマーブロック)のPNA溶液、各約5μLを、一本の0.5mL 微小遠心分離にチューブに添加した。このPNAオリゴマー混合物に、上記のように調製したEDC溶液7.5μLを添加した。この溶液を、ボルテックスで混合し、次いで、80℃に維持されたヒートブロック中に入れた。60分後、20μLのクエンチ溶液を添加した。次いで、生成物を、Maldi−TOF質量分析法およびHPLCにより分析した。
【0267】
(結果:)
【0268】
【表11】
Figure 2004524032
両方の実験のために、アミン末端ブロック(縮合ブロック)を染料(染料1または染料2)で標識し、カルボキシ末端ブロック(末端ブロック)を、dabcylで標識した。具体的には、縮合ブロック(PNA)は、染料1−TGG−TC−Gly−COOHであり、末端ブロックは、H−Gly−AAA−GA−Lys(Dabcyl)−NH(実験1)および末端ブロックGly−AAG−GA−Lys(Dabcyl)−NHを有する染料2−TGG−TC−Gly(実験2)であった。ここで、Lys(Dabcyl)は、アミノ酸リジンのγアミンに結合したDabcyl部分を示し、Glyは、そのアミノ酸グリシンを示し、他の略語は、ペプチド化学の分野で周知である
表11を参照すると、連結反応の完了%を、生成物のHPLC分析のピーク面積の積分に基づいて測定した(HOBtを示すピークは除く)。その結果により、2つのPNAオリゴマーブロックが、テンプレートの非存在下で、1時間以内に50%を超える収率にて首尾よく連結され得ることが実証された。この結果は、2つのPNAオリゴマーブロック(一方は、N末端グリシンが遊離N末端アミン基を含み、他方は、カルボン酸官能基を有するC末端グリシンを含む)が、HOBtおよびEDCの混合物を使用して迅速かつ効率的に連結され、それにより、2つのPNAオリゴマーブロックを連結する非改変gly−glyダイマーを生成し得ることを実証する。連結反応の生成物は、染料1−TGG−TC−gly−gly−AAA−GA−Lys(Dabcyl)−NHおよび染料2−TGG−TC−gly−gly−AAG−GA−Lys(Dabcyl)−NHであった。このことは、最終生成物のMaldi−TOF質量分光測定分析により確認された。従って、この実施例は、ライブラリーアプローチを使用して、2つの標識オリゴマーブロックを連結して、それにより独立して検出可能な自己指示組み合わせオリゴマーを生成することが可能であることを確認する。
【0269】
本発明の好ましい実施形態を記載してきたが、本発明の概念を組み込んだ他の実施形態を使用し得ることはいまや当業者に明らかである。従って、これら実施形態が、開示された実施形態に限定されるべきでなく、むしろ本発明の趣旨および範囲により限定されるべきであると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0270】
【図1】図1は、「ギャップ」または「塩基ギャップ」を含むか、または「ギャップ」も「塩基ギャップ」も含まない(すなわち、この組み合わせオリゴマーのオリゴマーブロックは、標的配列の連続核酸塩基にハイブリダイズするか、またはハイブリダイズしない)、実施例1に記載されるような、組み合わせオリゴマーと標的配列とから形成されるハイブリットの例証である。
【図2】図2は、実施例3に記載されるような、サルモネラ細菌のPNA−FISH分析のためのCCDカメラが装備された顕微鏡を用いて撮影したデジタル画像のカラー複写である。
【図3】図3は、実施例4の酵素切断アッセイに関連したデータの図表である。
【図4】図4は、SNP 6784およびCoriell Pedigree 1333について得たデータの棒グラフである。
【図5】図5は、SNP 6784およびCoriell Pedigree 1333について得たデータの対立遺伝子分布プロットである。
【図6】図6は、SNP 6802およびCoriell Pedigree 1333について得たデータの棒グラフである。
【図7】図7は、SNP 6802およびCoriell Pedigree 1333について得たデータの対立遺伝子分布プロットである。
【図8】図8は、SNP 6806およびCoriell Pedigree 1333について得たデータの棒グラフである。
【図9】図9は、SNP 6806およびCoriell Pedigree 1333について得たデータの対立遺伝子分布プロットである。
【図10】図10は、SNP 6834およびCoriell Pedigree 1331について得たデータの棒グラフである。
【図11】図11は、SNP 6834およびCoriell Pedigree 1331について得たデータの対立遺伝子分布プロットである。
【図12】図12は、SNP 6837およびCoriell Pedigree 1341について得たデータの棒グラフである。
【図13】図13は、SNP 6837およびCoriell Pedigree 1341について得たデータの対立遺伝子分布プロットである。
【図14】図14は、SNP 6848およびCoriell Pedigree 1331について得たデータの棒グラフである。
【図15】図15は、SNP 6848およびCoriell Pedigree 1331について得たデータの対立遺伝子分布プロットである。
【図16】図16は、SNP 6876およびCoriell Pedigree 1333について得たデータの棒グラフである。
【図17】図17は、SNP 6876およびCoriell Pedigree 1333について得たデータの対立遺伝子分布プロットである。
【図18】図18は、SNP 6876およびCoriell Pedigree 1341について得たデータの棒グラフである。
【図19】図19は、SNP 6876およびCoriell Pedigree 1341について得たデータの対立遺伝子分布プロットである。
【図20】図20は、SNP 6879およびCoriell Pedigree 1331について得たデータの棒グラフである。
【図21】図21は、SNP 6879およびCoriell Pedigree 1331について得たデータの対立遺伝子分布プロットである。
【図22】図22は、SNP 6885およびCoriell Pedigree 1333について得たデータの棒グラフである。
【図23】図23は、SNP 6885およびCoriell Pedigree 1333について得たデータの対立遺伝子分布プロットである。
【図24】図24は、SNP 6885およびCoriell Pedigree 1341について得たデータの棒グラフである。
【図25】図25は、SNP 6885およびCoriell Pedigree 1341について得たデータの対立遺伝子分布プロットである。
【図26】図26は、2つの連結した組み合わせオリゴマーを用いたSNP 6885およびCoriell Pedigree 1341について得たデータの棒グラフである。
【図27】図27は、2つの連結した組み合わせオリゴマーを用いたSNP 6885およびCoriell Pedigree 1341について得たデータの対立遺伝子分布プロットである。
【図28】図28aおよび図28bは、1つのオリゴマーブロックが第2オリゴマーブロックのカルボン酸基にカップリングするアミノ基を含む、可能な連結反応の図解である。
【図29】図29a、図29b、および図29cは、水素化ホウ素還元を含む可能な連結反応の図解である。
【図30】図30aおよび図30bは、水素化ホウ素還元を含むさらなる可能な連結反応の図解である。
【図31】図31a、図31b、および図31cは、チオール反応基を含む可能な連結反応の図解である。
【図32】図32は、標準的でない塩基対形成モチーフを生成するために本発明のオリゴマーブロックまたは組み合わせオリゴマーに使用され得る、天然に存在しない核酸塩基の図解を含む。
【図33】図33は、色素1および色素2の両方の図解を含む。

Claims (222)

  1. 組成物であって、以下:
    (a)ポリ核酸塩基鎖;および
    (b)組み合わせオリゴマーであって、第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックを含み、該ブロックは、各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーである、組み合わせオリゴマー;
    を含有し、ここで、該第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックは、少なくとも3原子長のリンカーによって互いに共有結合しており、そして該第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックは、該ポリ核酸塩基鎖における連続する核酸塩基の標的配列に配列特異的にハイブリダイズし、これによって、二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成する、組成物。
  2. 第3のオリゴマーブロックをさらに含有する、請求項1に記載の組成物であって、該第3のオリゴマーブロックは、少なくとも3原子長の第2のリンカーによって、前記第1のオリゴマーブロックまたは第2のオリゴマーブロックに共有結合しており、その結果、該第2のリンカーは、前記第1のリンカーと同じ種類であるか、または異なる種類である、組成物。
  3. 前記組み合わせオリゴマーが、6〜30の核酸塩基含有サブユニットを含み、該サブユニットが、前記ポリ核酸塩基鎖における連続する塩基の標的配列に配列特異的にハイブリダイズするように設計されている、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックが、ペプチド核酸である、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記オリゴマーブロックの前記PNAサブユニットが、以下の式:
    Figure 2004524032
    を有し、ここで、
    各Jは、同じであるかまたは異なり、そしてH、R、OR、SR、NHR、NR 、F、Cl、BrおよびIからなる群より選択され;
    各Kは、同じであるかまたは異なり、そしてO、S、NHおよびNRからなる群より選択され;
    各Rは、同じであるかまたは異なり、そして必要に応じてヘテロ原子を含み得る1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、または置換もしくは非置換のアリール基であり;
    各Aは、単結合、式−(CJ−の基、および式−(CJC(O)−の基からなる群より選択され、ここで、Jは、上記で定義され、そして各sは、1〜5の整数であり;
    各tは、1または2であり;
    各uは、1または2であり;そして
    各Lは、同じであるかまたは異なり、そして独立して、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、2−チオ−5−プロピニル−ウラシル、5−メチルシトシン、プソイドイソシトシン、2−チオウラシルおよび2−チオチミン、2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)、N9−(2,6−ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)、N9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)およびN8−(7−デアザ−8−アザ−アデニン)、他の天然に存在する核酸塩基アナログ、ならびに他の天然には存在しない核酸塩基からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記オリゴマーブロックの前記PNAサブユニットが、メチレンカルボニル結合を介してN−[2−(アミノエチル)]グリシン骨格のN−α−グリシン窒素に結合した、天然に存在する核酸塩基または天然には存在しない核酸塩基からなる、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記リンカーが、1つのアミノ酸残基、2つのアミノ酸残基、3つのアミノ酸残基、1つのE−リンカー残基、2つのE−リンカー残基、1つのO−リンカー残基、2つのO−リンカー残基、1つのX−リンカー残基、および2つのX−リンカー残基からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記リンカーが、アミノ酸グリシン、アミノ酸ダイマーgly−gly、アミノ酸ダイマーgly−lys、アミノ酸ダイマーlys−gly、アミノ酸ダイマーglu−gly、アミノ酸ダイマーgly−cys、アミノ酸ダイマーcys−gly、およびアミノ酸ダイマーasp−glyからなる群より選択される、請求項7に記載の組成物。
  9. 前記組み合わせオリゴマーが、少なくとも1つのエネルギー移動セットの標識をさらに含み、その結果、該エネルギー移動セットの少なくとも1つのアクセプター部分が、該組み合わせオリゴマーの結合したオリゴマーブロックのうちの1つに結合し、一方で該エネルギー移動セットの少なくとも1つのドナー部分が、該組み合わせオリゴマーの結合したオリゴマーブロックのうちの別のものに結合し、ここで、該セットの標識は、該組み合わせオリゴマーが非ハイブリダイズ状態にある場合と比較して、該組み合わせオリゴマーが標的配列にハイブリダイズする場合に、少なくとも1つの標識の検出可能なシグナルの変化を容易にする位置で、該オリゴマーブロックに結合している、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記エネルギー移動セットの前記標識が、前記オリゴマーブロックの最も遠位の末端または該オリゴマーブロックの内部の部位に結合している、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記エネルギー移動セットが、単一のドナー部分および単一のアクセプター部分を含む、請求項9に記載の組成物。
  12. 前記ドナー部分とアクセプター部分との両方が、発蛍光団である、請求項11に記載の組成物。
  13. 前記ドナー部分が、ドナー発蛍光団であり、そして前記アクセプターが、非蛍光性クエンチャー部分である、請求項11に記載の組成物。
  14. 前記クエンチャーが、ジアゾ含有部分である、請求項13に記載の組成物。
  15. 前記組み合わせオリゴマーが、1つ以上のレポーター部分をさらに含む、請求項1に記載の組成物。
  16. 前記1つ以上のレポーター部分が、前記オリゴマーブロックの末端に結合しているか、該オリゴマーブロックの内部の位置に結合しているか、または前記リンカーと一体的な位置に結合している、請求項15に記載の組成物。
  17. 前記レポーター部分が、各々独立して、発色団、蛍光色素、クエンチャー、スピン標識、放射性同位体、酵素、ハプテンおよび化学発光化合物からなる群より選択される、請求項15に記載の組成物。
  18. 前記酵素が、アルカリホスファターゼ、ダイズペルオキシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、リボヌクレアーゼ、およびプロテアーゼからなる群より選択される、請求項15に記載の組成物。
  19. 前記ハプテンが、フルオレセイン、ビオチン、2,4−ジニトロフェニルおよびジゴキシゲニンからなる群より選択される、請求項17に記載の組成物。
  20. 前記リンカーが、酵素に対する切断部位を含む、請求項1に記載の組成物。
  21. 前記組成物が、支持体に結合されている、請求項1に記載の組成物。
  22. 前記組成物が、アレイの独特の位置に存在する、請求項1に記載の組成物。
  23. 前記標的配列が、核酸増幅プロセスによって増幅された核酸のポリ核酸塩基鎖の部分配列である、請求項1に記載の組成物。
  24. 前記標的配列が、核酸増幅プロセスによって増幅されたポリ核酸塩基鎖の部分配列である、請求項9に記載の組成物。
  25. 前記標的配列が、細胞または生物に含まれている、請求項1に記載の組成物。
  26. 前記標的配列が、細胞または生物から抽出された核酸のポリ核酸塩基鎖に含まれている、請求項1に記載の組成物。
  27. 連続する核酸塩基の標的配列を決定するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)該標的配列を、組み合わせオリゴマーと、適切なハイブリダイゼーション条件下で接触させる工程であって:
    該組み合わせオリゴマーは、第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックを含み、該オリゴマーブロックは、各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーであり;
    該第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックは、少なくとも3原子長のリンカーによって互いに共有結合しており;そして
    該第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックは、連続する核酸塩基の標的配列に配列特異的にハイブリダイズし、これによって、二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成する、工程;ならびに
    (b)該複合体を決定する工程であって、これによって、該標的配列を決定する、工程、
    を包含する、方法。
  28. 前記標的配列が、核酸増幅プロセスによって増幅された核酸の部分配列である、請求項27に記載の方法。
  29. 前記核酸増幅プロセスが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、転写介在増幅(TMA)、Q−βレプリカーゼ増幅(Q−β)およびローリングサークル増幅(RCA)からなる群より選択される、請求項28に記載の方法。
  30. 前記標的配列が、細胞または生物に含まれている、請求項27に記載の方法。
  31. 前記標的配列が、細胞または生物から抽出された核酸に含まれている、請求項27に記載の方法。
  32. 前記組み合わせオリゴマーが、第3のオリゴマーブロックをさらに含有し、該第3のオリゴマーは、少なくとも3原子長の第2のリンカーによって、前記第1のオリゴマーブロックまたは第2のオリゴマーブロックに共有結合しており、その結果、該第2のリンカーは、前記第1のリンカーと同じ種類であるか、または異なる種類である、請求項27に記載の方法。
  33. 前記組み合わせオリゴマーが、6〜30の核酸塩基含有サブユニットを含み、該サブユニットが、連続する核酸塩基の標的配列に結合するように設計されている、請求項27に記載の方法。
  34. 前記第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックが、ペプチド核酸である、請求項27に記載の方法。
  35. 前記組み合わせオリゴマーの前記オリゴマーブロックの前記PNAサブユニットが、以下の式:
    Figure 2004524032
    を有し、ここで、
    各Jは、同じであるかまたは異なり、そしてH、R、OR、SR、NHR、NR 、F、Cl、BrおよびIからなる群より選択され;
    各Kは、同じであるかまたは異なり、そしてO、S、NHおよびNRからなる群より選択され;
    各Rは、同じであるかまたは異なり、そして必要に応じてヘテロ原子を含み得る1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、または置換もしくは非置換のアリール基であり;
    各Aは、単結合、式−(CJ−の基、および式−(CJC(O)−の基からなる群より選択され、ここで、Jは、上記で定義され、そして各sは、1〜5の整数であり;
    各tは、1または2であり;
    各uは、1または2であり;そして
    各Lは、同じであるかまたは異なり、そして独立して、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、2−チオ−5−プロピニル−ウラシル、5−メチルシトシン、プソイドイソシトシン、2−チオウラシルおよび2−チオチミン、2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)、N9−(2,6−ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)、N9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)およびN8−(7−デアザ−8−アザ−アデニン)、他の天然に存在する核酸塩基アナログ、ならびに他の天然には存在しない核酸塩基からなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
  36. 前記オリゴマーブロックの前記PNAサブユニットが、メチレンカルボニル結合を介してN−[2−(アミノエチル)]グリシン骨格のN−α−グリシン窒素に結合した、天然に存在する核酸塩基または天然には存在しない核酸塩基からなる、請求項27に記載の方法。
  37. 前記リンカーが、1つのアミノ酸残基、2つのアミノ酸残基、3つのアミノ酸残基、1つのE−リンカー残基、2つのE−リンカー残基、1つのO−リンカー残基、2つのO−リンカー残基、1つのX−リンカー残基、および2つのX−リンカー残基からなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
  38. 前記リンカーが、アミノ酸グリシン、アミノ酸ダイマーgly−gly、アミノ酸ダイマーgly−lys、アミノ酸ダイマーlys−gly、アミノ酸ダイマーglu−gly、アミノ酸ダイマーgly−cys、アミノ酸ダイマーcys−gly、およびアミノ酸ダイマーasp−glyからなる群より選択される、請求項37に記載の方法。
  39. 前記組み合わせオリゴマーが、少なくとも1つのエネルギー移動セットの標識をさらに含み、その結果、該エネルギー移動セットの少なくとも1つのアクセプター部分が、該組み合わせオリゴマーの結合したオリゴマーブロックのうちの1つに結合し、一方で該エネルギー移動セットの少なくとも1つのドナー部分が、該組み合わせオリゴマーの結合したオリゴマーブロックのうちの別のものに結合し、ここで、該セットの標識は、該組み合わせオリゴマーが非ハイブリダイズ状態にある場合と比較して、該組み合わせオリゴマーが標的配列にハイブリダイズする場合に、少なくとも1つの標識の検出可能なシグナルの変化を容易にする位置で、該オリゴマーブロックに結合している、請求項27に記載の方法。
  40. 前記エネルギー移動セットの前記標識が、前記オリゴマーブロックの最も遠位の末端または該オリゴマーブロックの内部の位置に結合している、請求項39に記載の方法。
  41. 前記エネルギー移動セットが、単一のドナー部分および単一のアクセプター部分を含む、請求項40に記載の方法。
  42. 前記ドナー部分とアクセプター部分との両方が、発蛍光団である、請求項41に記載の方法。
  43. 前記ドナー部分が、ドナー発蛍光団であり、そして前記アクセプターが、非蛍光性クエンチャー部分である、請求項41に記載の方法。
  44. 前記クエンチャーが、ジアゾ含有部分である、請求項43に記載の方法。
  45. 前記組み合わせオリゴマーが、1つ以上のレポーター部分をさらに含む、請求項27に記載の方法。
  46. 前記1つ以上のレポーター部分が、前記オリゴマーブロックの末端に結合しているか、該オリゴマーブロックの内部の位置に結合しているか、または前記リンカーと一体的な位置に結合している、請求項45に記載の方法。
  47. 前記レポーター部分が、発色団、蛍光色素、クエンチャー、スピン標識、放射性同位体、酵素、ハプテンおよび化学発光化合物からなる群より選択される、請求項46に記載の方法。
  48. 前記酵素が、アルカリホスファターゼ、ダイズペルオキシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、リボヌクレアーゼ、およびプロテアーゼからなる群より選択される、請求項47に記載の方法。
  49. 前記ハプテンが、フルオレセイン、ビオチン、2,4−ジニトロフェニルおよびジゴキシゲニンからなる群より選択される、請求項47に記載の方法。
  50. 前記標的配列が、レポーター部分で標識されている、請求項27に記載の方法。
  51. 前記標的配列および組み合わせオリゴマーのいずれも、レポーター部分で標識されておらず、そして前記複合体が、該複合体に特異的に結合する標識された抗体を使用して決定される、請求項27に記載の方法。
  52. 前記リンカーが、酵素に対する切断部位を含む、請求項27に記載の方法。
  53. 前記組み合わせオリゴマーが、支持体に結合されている、請求項27に記載の方法。
  54. 前記組み合わせオリゴマーが、アレイの独特の位置に存在する、請求項27に記載の方法。
  55. 一塩基多型(SNP)に対する核酸の接合生殖性を決定するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)核酸サンプルを、少なくとも2つの独立して検出可能な組み合わせオリゴマーと接触させる工程であって、ここで、
    (i)各独立して検出可能な組み合わせオリゴマーは、第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックを含み、該オリゴマーブロックは、各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーであり、そして少なくとも3原子長のリンカーによって、互いに共有結合しており;そして
    (ii)該第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックは、一緒になって、プロービング核酸塩基配列をコードし、該プロービング核酸塩基配列は、ポリ核酸塩基鎖における連続する核酸塩基の標的配列に配列特異的にハイブリダイズし、これによって、二本鎖標的配列/独立して検出可能な組み合わせオリゴマー複合体を形成するように設計されており、そして各独立して検出可能な組み合わせオリゴマーにおける該プロービング核酸塩基配列は、少なくとも1つの核酸塩基が他方と異なる、工程;
    (b)該核酸サンプルおよび組み合わせオリゴマーを、該サンプル中に存在する核酸を増幅する核酸増幅反応を実施するために適切な1つ以上の試薬と接触させる工程;
    (c)該核酸、該組み合わせオリゴマー、および該試薬の存在下で、該核酸増幅を実施する工程;
    (d)各々独立して検出可能な組み合わせオリゴマー/標的配列複合体についての複合体形成を決定する工程であって、これによって、該核酸が特定のSNPに対して異型接合であるか、同型接合であるかを決定する、工程、
    を包含する、方法。
  56. 前記各々独立して検出可能な組み合わせオリゴマーが、独立して検出可能なエネルギー移動セットの標識を含み、その結果、該セットの少なくとも1つのアクセプター部分が、該組み合わせオリゴマーの結合したオリゴマーブロックのうちの1つに結合し、一方で該セットの少なくとも1つのドナー部分が、該組み合わせオリゴマーの結合したオリゴマーブロックのうちの別のものに結合し、これによって、各組み合わせオリゴマーが、連続した核酸塩基のその標的配列に配列特異的にハイブリダイズする場合に、該組み合わせオリゴマーがハイブリダイズしていない状態である場合と比較して、少なくとも1つの標識の検出可能なシグナルの変化を生じる、請求項55に記載の方法。
  57. 前記核酸増幅プロセスが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、鎖置換増幅(SDA)、転写介在増幅(TMA)、Q−βレプリカーゼ増幅(Q−β)およびローリングサークル増幅(RCA)からなる群より選択される、請求項55または56のいずれか1項に記載の方法。
  58. 前記少なくとも1つの組み合わせオリゴマーが、第3のオリゴマーブロックをさらに含有し、該第3のオリゴマーブロックは、少なくとも3原子長の第2のリンカーによって、前記第1のオリゴマーブロックまたは第2のオリゴマーブロックに共有結合しており、その結果、該第2のリンカーは、前記第1のリンカーと同じ種類であるか、または異なる種類である、請求項55または56のいずれか1項に記載の方法。
  59. 前記組み合わせオリゴマーが、6〜30の核酸塩基含有サブユニットを含み、該サブユニットが、連続する核酸塩基の標的配列に結合するように設計されている、請求項55または56のいずれか1項に記載の方法。
  60. 前記第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックが、ペプチド核酸である、請求項55または56のいずれか1項に記載の方法。
  61. 前記組み合わせオリゴマーの前記オリゴマーブロックの前記PNAサブユニットが、以下の式:
    Figure 2004524032
    を有し、ここで、
    各Jは、同じであるかまたは異なり、そしてH、R、OR、SR、NHR、NR 、F、Cl、BrおよびIからなる群より選択され;
    各Kは、同じであるかまたは異なり、そしてO、S、NHおよびNRからなる群より選択され;
    各Rは、同じであるかまたは異なり、そして必要に応じてヘテロ原子を含み得る1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、または置換もしくは非置換のアリール基であり;
    各Aは、単結合、式−(CJ−の基、および式−(CJC(O)−の基からなる群より選択され、ここで、Jは、上記で定義され、そして各sは、1〜5の整数であり;
    各tは、1または2であり;
    各uは、1または2であり;そして
    各Lは、同じであるかまたは異なり、そして独立して、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、2−チオ−5−プロピニル−ウラシル、5−メチルシトシン、プソイドイソシトシン、2−チオウラシルおよび2−チオチミン、2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)、N9−(2,6−ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)、N9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)およびN8−(7−デアザ−8−アザ−アデニン)、他の天然に存在する核酸塩基アナログ、ならびに他の天然には存在しない核酸塩基からなる群より選択される、請求項55または56のいずれか1項に記載の方法。
  62. 前記オリゴマーブロックの前記PNAサブユニットが、メチレンカルボニル結合を介してN−[2−(アミノエチル)]グリシン骨格のN−α−グリシン窒素に結合した、天然に存在する核酸塩基または天然には存在しない核酸塩基からなる、請求項55または56のいずれか1項に記載の方法。
  63. 前記各々の組み合わせオリゴマーの前記リンカーが、1つのアミノ酸残基、2つのアミノ酸残基、3つのアミノ酸残基、1つのE−リンカー残基、2つのE−リンカー残基、1つのO−リンカー残基、2つのO−リンカー残基、1つのX−リンカー残基、および2つのX−リンカー残基からなる群より選択される、請求項55または56のいずれか1項に記載の方法。
  64. 前記各々の組み合わせオリゴマーの前記リンカーが、アミノ酸グリシン、アミノ酸ダイマーgly−gly、アミノ酸ダイマーgly−lys、アミノ酸ダイマーlys−gly、アミノ酸ダイマーglu−gly、アミノ酸ダイマーgly−cys、アミノ酸ダイマーcys−gly、およびアミノ酸ダイマーasp−glyからなる群より選択される、請求項55または56のいずれか1項に記載の方法。
  65. 前記各々のエネルギー移動セットの前記標識が、前記オリゴマーブロックの最も遠位の末端または該オリゴマーブロックの内部の部位に結合している、請求項56に記載の方法。
  66. 前記各々のエネルギー移動セットが、単一のドナー部分および単一のアクセプター部分を含む、請求項56または65のいずれか1項に記載の方法。
  67. 前記ドナー部分とアクセプター部分との両方が、発蛍光団である、請求項66に記載の方法。
  68. 前記ドナー部分が、ドナー発蛍光団であり、そして前記アクセプターが、非蛍光性クエンチャー部分である、請求項66に記載の方法。
  69. 前記クエンチャーが、ジアゾ含有部分である、請求項68に記載の方法。
  70. 前記標的配列/独立して検出可能な組み合わせオリゴマー複合体の1つ以上が、支持体に結合されている、請求項55または56のいずれか1項に記載の方法。
  71. 前記独立して検出可能な組み合わせオリゴマーの各々が、発色団、蛍光色素、スピン標識、放射性同位体、酵素、ハプテンおよび化学発光化合物からなる群より独立して選択されるレポーター部分を含む、請求項55に記載の方法。
  72. 前記酵素が、アルカリホスファターゼ、ダイズペルオキシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、リボヌクレアーゼ、およびプロテアーゼからなる群より選択される、請求項71に記載の方法。
  73. 前記ハプテンが、フルオレセイン、ビオチン、2,4−ジニトロフェニルおよびジゴキシゲニンからなる群より選択される、請求項71に記載の方法。
  74. オリゴマーブロックから組み合わせオリゴマーを形成するための方法であって、該方法は、第1のオリゴマーブロック、第2のオリゴマーブロック、および必要に応じて縮合試薬を、縮合条件下で反応させる工程であって、これによって、該第1のオリゴマーブロックを該第2のオリゴマーブロックに共有結合させる、少なくとも3原子長のリンカーを有する組み合わせオリゴマーを形成する、工程を包含し;ここで、
    (i)第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックは、各々独立して、ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーであり;
    (ii)該第1のオリゴマーブロックも第2のオリゴマーブロックも、支持体に結合されておらず;そして
    (iii)該組み合わせオリゴマーが、テンプレートの非存在下で形成する、
    方法。
  75. オリゴマーブロックから組み合わせオリゴマーを形成するための方法であって、該方法は、第1のオリゴマーブロック、第2のオリゴマーブロック、および必要に応じて縮合試薬を、縮合条件下で反応させる工程であって、これによって、該第1のオリゴマーブロックを該第2のオリゴマーブロックに共有結合させる、少なくとも3原子長のリンカーを有する組み合わせオリゴマーを形成する、工程を包含し;ここで、
    (i)第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックは、各々独立して、ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーであり;
    (ii)1つ、2つまたは全てのオリゴマーブロックが、核酸塩基保護基を含まず;そして
    (iii)該組み合わせオリゴマーが、テンプレートの非存在下で形成する、
    方法。
  76. 請求項74または75のいずれか1項に記載の方法であって、前記組み合わせオリゴマーが、形成される場合、さらに伸長され;そして該方法が、さらに、以下:
    (i)必要に応じて、先に形成した前記組み合わせオリゴマーを脱保護する工程;ならびに
    (ii)該組み合わせオリゴマーを、第3のオリゴマーブロック、および必要に応じて、縮合試薬と、縮合条件下で反応させる工程であって、これによって、少なくとも3原子長の共有結合を有する伸長した組み合わせオリゴマーを形成し、該共有結合は、該第3のオリゴマーブロックを、該組み合わせオリゴマーに共有結合させ、ここで、該伸長した組み合わせオリゴマーが、テンプレートの非存在下で形成する、工程、
    を包含する、方法。
  77. 前記組み合わせオリゴマーが所望の長さになるまで、工程(i)〜(ii)が繰り返される、請求項76に記載の方法。
  78. 前記組み合わせオリゴマーが、50%より高い収率で形成する、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  79. 前記オリゴマーブロックの少なくとも1つが、定常核酸塩基配列の少なくとも1つの領域および可変核酸塩基配列を含む少なくとも1つの領域を含む、請求項74に記載の方法。
  80. 前記オリゴマーブロックの少なくとも1つが、定常核酸塩基配列の少なくとも1つの領域および可変核酸塩基配列を含む少なくとも1つの領域を含む、請求項75に記載の方法。
  81. 前記定常核酸塩基配列が、1〜10の核酸塩基含有サブユニットの長さである、請求項79または80のいずれか1項に記載の方法。
  82. 前記可変核酸塩基配列が、3〜8核酸塩基含有サブユニットの長さである、請求項79または80のいずれか1項に記載の方法。
  83. 前記2つのオリゴマーブロックのうちの1つが、C末端アミドおよび保護されていないN末端天然アミノ酸を有するペプチド核酸である、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  84. 前記保護されていないN末端アミノ酸が、グリシン、リジン、シスチン、グルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群より選択される、請求項83に記載の方法。
  85. 前記2つのオリゴマーブロックのうちの1つが、C末端天然アミノ酸部分およびキャップされたかまたは保護されたN末端を有するペプチド核酸である、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  86. 前記C末端天然アミノ酸が、グリシン、リジン、シスチン、グルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群より選択される、請求項85に記載の方法。
  87. 前記オリゴマーブロックが、3〜15の核酸塩基含有サブユニットを含む、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  88. 前記縮合が、水溶性カルボジイミドを縮合試薬として使用して、水溶液中で実施される、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  89. 前記縮合が、活性化試薬の存在下で実施される、請求項88に記載の方法。
  90. 前記水溶性カルボジイミドが、EDCであり、そして前記反応のpHが、6.5未満である、請求項88に記載の方法。
  91. 前記活性化剤が、HOAtまたはHOBtである、請求項89に記載の方法。
  92. ライゲーション反応によって形成される場合、前記組み合わせオリゴマーが、6〜30の核酸塩基含有サブユニットを含む、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  93. 前記第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックが、ペプチド核酸である、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  94. 前記組み合わせオリゴマーの前記オリゴマーブロックの前記PNAサブユニットが、以下の式:
    Figure 2004524032
    を有し、ここで、
    各Jは、同じであるかまたは異なり、そしてH、R、OR、SR、NHR、NR 、F、Cl、BrおよびIからなる群より選択され;
    各Kは、同じであるかまたは異なり、そしてO、S、NHおよびNRからなる群より選択され;
    各Rは、同じであるかまたは異なり、そして必要に応じてヘテロ原子を含み得る1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、または置換もしくは非置換のアリール基であり;
    各Aは、単結合、式−(CJ−の基、および式−(CJC(O)−の基からなる群より選択され、ここで、Jは、上記で定義され、そして各sは、1〜5の整数であり;
    各tは、1または2であり;
    各uは、1または2であり;そして
    各Lは、同じであるかまたは異なり、そして独立して、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、2−チオ−5−プロピニル−ウラシル、5−メチルシトシン、プソイドイソシトシン、2−チオウラシルおよび2−チオチミン、2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)、N9−(2,6−ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)、N9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)およびN8−(7−デアザ−8−アザ−アデニン)、他の天然に存在する核酸塩基アナログ、ならびに他の天然には存在しない核酸塩基からなる群より選択される、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  95. 前記オリゴマーブロックの前記PNAサブユニットが、メチレンカルボニル結合を介してN−[2−(アミノエチル)]グリシン骨格のN−α−グリシン窒素に結合した、天然に存在する核酸塩基または天然には存在しない核酸塩基からなる、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  96. 前記リンカーが、1つのアミノ酸残基、2つのアミノ酸残基、3つのアミノ酸残基、1つのE−リンカー残基、2つのE−リンカー残基、1つのO−リンカー残基、2つのO−リンカー残基、1つのX−リンカー残基、および2つのX−リンカー残基からなる群より選択される、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  97. 前記リンカーが、アミノ酸グリシン、アミノ酸ダイマーgly−gly、アミノ酸ダイマーgly−lys、アミノ酸ダイマーlys−gly、アミノ酸ダイマーglu−gly、アミノ酸ダイマーgly−cys、アミノ酸ダイマーcys−gly、およびアミノ酸ダイマーasp−glyからなる群より選択される、請求項96に記載の方法。
  98. 前記2つのオリゴマーブロックの各々が、エネルギー移動セットの標識の少なくとも1つの標識を含み、ここで、該セットの標識は、ライゲーション反応によって形成される組み合わせオリゴマーが非ハイブリダイズ状態にある場合と比較して、該組み合わせオリゴマーが標的配列にハイブリダイズする場合に、少なくとも1つの標識の検出可能なシグナルの変化を容易にする位置で、該オリゴマーブロックに結合している、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  99. 前記エネルギー移動セットの前記標識が、前記形成される組み合わせオリゴマーの前記オリゴマーブロックの最も遠位の末端または該オリゴマーブロックの内部の部位に結合している、請求項98に記載の方法。
  100. 前記エネルギー移動セットが、単一のドナー部分および単一のアクセプター部分を含む、請求項98に記載の方法。
  101. 前記ドナー部分とアクセプター部分との両方が、発蛍光団である、請求項100に記載の方法。
  102. 前記ドナー部分が、ドナー発蛍光団であり、そして前記アクセプターが、非蛍光性クエンチャー部分である、請求項100に記載の方法。
  103. 前記発蛍光団が、一級アミン、二級アミンまたはカルボン酸部分を含まない構造を含むように選択される、請求項101に記載の方法。
  104. 前記クエンチャー部分が、ジアゾ含有部分である、請求項102に記載の方法。
  105. 前記組み合わせオリゴマーが、1つ以上のレポーター部分をさらに含む、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  106. 前記1つ以上のレポーター部分が、前記オリゴマーブロックの末端に結合しているか、該オリゴマーブロックの内部の位置に結合しているか、または前記リンカーと一体的な位置に結合している、請求項105に記載の方法。
  107. 前記レポーター部分が、発色団、蛍光色素、クエンチャー、放射性同位体およびハプテンからなる群より選択される、請求項106に記載の方法。
  108. 前記ハプテンが、ビオチンおよび2,4−ジニトロフェニルからなる群より選択される、請求項107に記載の方法。
  109. 前記リンカーが、酵素に対する切断部位を含む、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  110. 前記組み合わせオリゴマーが、形成される場合、支持体に結合されている、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  111. 前記組み合わせオリゴマーが、形成される場合、アレイの独特の位置に存在する、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  112. 前記組み合わせオリゴマーが、形成される場合、ポリ核酸塩基鎖における連続する核酸塩基の標的配列に、配列特異的にハイブリダイズするように設計された、プロービング核酸塩基配列を含む、請求項74または75のいずれか1項に記載の方法。
  113. 組み合わせオリゴマーが可能な結合パートナーに結合するか否かを決定するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)該組み合わせオリゴマーおよび該可能な結合パートナーを、適切な結合条件下で接触させる工程であって、これによって、組み合わせオリゴマー/結合パートナー複合体をおそらく形成し;ここで、該組み合わせオリゴマーが、式:
    A−W−C
    のセグメントを含むポリマーであり;ここで、
    AおよびCは、各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーであるオリゴマーブロックであり、そして必要に応じて、他の部分に結合されており;そして
    Wは、少なくとも3原子長のリンカーであり、該リンカーは:
    (i)オリゴマーブロックAをオリゴマーブロックCに共有結合させ;そして
    (ii)酵素に対する切断部位である、工程;
    (b)工程(a)の生成物を、該切断部位を切断するために適切な酵素で、適切な酵素切断条件下で処理する工程;ならびに
    (c)該組み合わせオリゴマーが、該酵素の活性によって切断されたか否かを決定する工程であって、これによって、該組み合わせオリゴマー/結合パートナー複合体が形成されたか否かを決定する、工程、
    を包含する、方法。
  114. 前記組み合わせオリゴマーの実質的な酵素切断が、該組み合わせオリゴマーが前記結合パートナーに結合していない場合にのみ起こる、請求項113に記載の方法。
  115. 前記結合パートナーが、標的配列であり、そして結合する場合、前記組み合わせオリゴマーの結合したオリゴマーブロックが、連続した核酸塩基の標的配列に結合する、請求項113に記載の方法。
  116. 前記組み合わせオリゴマーが、6〜30の核酸塩基含有サブユニットを含む、請求項113に記載の方法。
  117. 前記オリゴマーブロックAおよびオリゴマーブロックCが、ペプチド核酸である、請求項113に記載の方法。
  118. 前記オリゴマーブロックの前記PNAサブユニットが、以下の式:
    Figure 2004524032
    を有し、ここで、
    各Jは、同じであるかまたは異なり、そしてH、R、OR、SR、NHR、NR 、F、Cl、BrおよびIからなる群より選択され;
    各Kは、同じであるかまたは異なり、そしてO、S、NHおよびNRからなる群より選択され;
    各Rは、同じであるかまたは異なり、そして必要に応じてヘテロ原子を含み得る1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、または置換もしくは非置換のアリール基であり;
    各Aは、単結合、式−(CJ−の基、および式−(CJC(O)−の基からなる群より選択され、ここで、Jは、上記で定義され、そして各sは、1〜5の整数であり;
    各tは、1または2であり;
    各uは、1または2であり;そして
    各Lは、同じであるかまたは異なり、そして独立して、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、2−チオ−5−プロピニル−ウラシル、5−メチルシトシン、プソイドイソシトシン、2−チオウラシルおよび2−チオチミン、2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)、N9−(2,6−ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)、N9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)およびN8−(7−デアザ−8−アザ−アデニン)、他の天然に存在する核酸塩基アナログ、ならびに他の天然には存在しない核酸塩基からなる群より選択される、請求項113に記載の方法。
  119. 前記オリゴマーブロックの前記PNAサブユニットが、メチレンカルボニル結合を介してN−[2−(アミノエチル)]グリシン骨格のN−α−グリシン窒素に結合した、天然に存在する核酸塩基または天然には存在しない核酸塩基からなる、請求項113に記載の方法。
  120. 前記組み合わせオリゴマーが、エネルギー移動セットの標識を含む自己指示組み合わせオリゴマーであり、その結果、該エネルギー移動セットの少なくとも1つのアクセプター部分が、該組み合わせオリゴマーの結合したオリゴマーブロックのうちの1つに結合し、一方で該エネルギー移動セットの少なくとも1つのドナー部分が、該組み合わせオリゴマーの結合したオリゴマーブロックのうちの別のものに結合し、ここで、該セットの標識は、該組み合わせオリゴマーが非ハイブリダイズ状態にある場合と比較して、該組み合わせオリゴマーが標的配列にハイブリダイズする場合に、少なくとも1つの標識の検出可能なシグナルの変化を容易にする位置で、該オリゴマーブロックに結合している、請求項113に記載の方法。
  121. 前記組み合わせオリゴマーが、1つ以上のレポーター部分をさらに含む、請求項113に記載の方法。
  122. 前記1つ以上のレポーター部分が、前記オリゴマーブロックの末端に結合しているか、該オリゴマーブロックの内部の位置に結合しているか、または前記リンカーと一体的な位置に結合している、請求項113に記載の方法。
  123. 前記組み合わせオリゴマーが、支持体に結合されている、請求項113に記載の方法。
  124. キットであって、以下:
    (a)2つ以上の独立して検出可能な組み合わせオリゴマーであって、ここで、
    (i)該組み合わせオリゴマーの各々は、第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックを含み、該オリゴマーブロックは、各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーであり、そして少なくとも3原子長のリンカーによって、互いに共有結合しており;
    (ii)各独立して検出可能な組み合わせオリゴマーにおいて、該第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックは、一緒になって、プロービング核酸塩基配列をコードし、該プロービング核酸塩基配列は、連続する核酸塩基の標的配列に配列特異的にハイブリダイズし、これによって、二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成するように設計されており、そして各独立して検出可能な組み合わせオリゴマーにおける該プロービング核酸塩基配列は、少なくとも1つの核酸塩基が、独立して検出可能な組み合わせオリゴマーの他方のプロービング核酸塩基配列と異なり;そして
    (iii)各独立して検出可能な組み合わせオリゴマーは、少なくとも1つの独立して検出可能な標識を含む、組み合わせオリゴマー;
    (b)必要に応じて、1つ以上のオリゴヌクレオチド;
    (c)必要に応じて、1つ以上の緩衝剤;
    (d)必要に応じて、1つ以上のヌクレオチド三リン酸;
    (e)必要に応じて、核酸増幅マスターミックス;ならびに
    (f)必要に応じて、1つ以上のポリメラーゼ酵素、
    を備える、キット。
  125. 必要に応じて、2つ以上のオリゴヌクレオチドプライマーを備える、請求項124に記載のキット。
  126. 各組み合わせオリゴマーが、6〜30の核酸塩基含有サブユニットを含む、請求項124に記載のキット。
  127. 各組み合わせオリゴマーの前記オリゴマーブロックが、ペプチド核酸である、請求項124に記載のキット。
  128. 前記組み合わせオリゴマーの前記オリゴマーブロックの前記PNAサブユニットが、以下の式:
    Figure 2004524032
    を有し、ここで、
    各Jは、同じであるかまたは異なり、そしてH、R、OR、SR、NHR、NR 、F、Cl、BrおよびIからなる群より選択され;
    各Kは、同じであるかまたは異なり、そしてO、S、NHおよびNRからなる群より選択され;
    各Rは、同じであるかまたは異なり、そして必要に応じてヘテロ原子を含み得る1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、または置換もしくは非置換のアリール基であり;
    各Aは、単結合、式−(CJ−の基、および式−(CJC(O)−の基からなる群より選択され、ここで、Jは、上記で定義され、そして各sは、1〜5の整数であり;
    各tは、1または2であり;
    各uは、1または2であり;そして
    各Lは、同じであるかまたは異なり、そして独立して、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、2−チオ−5−プロピニル−ウラシル、5−メチルシトシン、プソイドイソシトシン、2−チオウラシルおよび2−チオチミン、2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)、N9−(2,6−ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)、N9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)およびN8−(7−デアザ−8−アザ−アデニン)、他の天然に存在する核酸塩基アナログ、ならびに他の天然には存在しない核酸塩基からなる群より選択される、請求項124に記載のキット。
  129. 前記組み合わせオリゴマーの前記オリゴマーブロックの前記PNAサブユニットが、メチレンカルボニル結合を介してN−[2−(アミノエチル)]グリシン骨格のN−α−グリシン窒素に結合した、天然に存在する核酸塩基または天然には存在しない核酸塩基からなる、請求項124に記載のキット。
  130. 前記組み合わせオリゴマーの前記リンカーが、1つのアミノ酸残基、2つのアミノ酸残基、3つのアミノ酸残基、1つのE−リンカー残基、2つのE−リンカー残基、1つのO−リンカー残基、2つのO−リンカー残基、1つのX−リンカー残基、および2つのX−リンカー残基からなる群より選択される、請求項124に記載のキット。
  131. 前記リンカーが、アミノ酸グリシン、アミノ酸ダイマーgly−gly、アミノ酸ダイマーgly−lys、アミノ酸ダイマーlys−gly、アミノ酸ダイマーglu−gly、アミノ酸ダイマーgly−cys、アミノ酸ダイマーcys−gly、およびアミノ酸ダイマーasp−glyからなる群より選択される、請求項130に記載のキット。
  132. 前記独立して検出可能なレポーター部分が、独立して、前記オリゴマーブロックの末端に結合しているか、該オリゴマーブロックの内部の位置に結合しているか、または前記リンカーと一体的な位置に結合している、請求項124に記載のキット。
  133. 前記レポーター部分が、発色団、蛍光色素、クエンチャー、スピン標識、放射性同位体、酵素、ハプテンおよび化学発光化合物からなる群より選択される、請求項132に記載のキット。
  134. 前記酵素が、アルカリホスファターゼ、ダイズペルオキシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、リボヌクレアーゼ、およびプロテアーゼからなる群より選択される、請求項133に記載のキット。
  135. 前記ハプテンが、フルオレセイン、ビオチン、2,4−ジニトロフェニルおよびジゴキシゲニンからなる群より選択される、請求項133に記載のキット。
  136. 各組み合わせオリゴマーの前記リンカーが、酵素に対する切断部位を含む、請求項124に記載のキット。
  137. 各組み合わせオリゴマーが、支持体に結合されている、請求項124に記載のキット。
  138. 前記組み合わせオリゴマーの少なくとも1つが、少なくとも1つのエネルギー移動セットの標識をさらに含み、その結果、該エネルギー移動セットの少なくとも1つのアクセプター部分が、該組み合わせオリゴマーの結合したオリゴマーブロックのうちの1つに結合し、一方で該エネルギー移動セットの少なくとも1つのドナー部分が、該組み合わせの結合したオリゴマーブロックのうちの別のものに結合し、ここで、該セットの標識は、該組み合わせオリゴマーが非ハイブリダイズ状態にある場合と比較して、該組み合わせオリゴマーが標的配列にハイブリダイズする場合に、少なくとも1つの標識の検出可能なシグナルの変化を容易にする位置で、該オリゴマーブロックに結合している、請求項124に記載のキット。
  139. 前記組み合わせオリゴマーの全てが、エネルギー移動セットを含み、そして該組み合わせオリゴマーの各々が、独立して検出可能な自己指示組み合わせオリゴマーである、請求項124に記載のキット。
  140. 前記エネルギー移動セットの前記標識が、前記オリゴマーブロックの最も遠位の末端または該オリゴマーブロックの内部の部位に結合している、請求項139に記載のキット。
  141. 前記エネルギー移動セットが、単一のドナー部分および単一のアクセプター部分を含む、請求項139に記載のキット。
  142. 前記ドナー部分とアクセプター部分との両方が、発蛍光団である、請求項141に記載のキット。
  143. 前記ドナー部分が、ドナー発蛍光団であり、そして前記アクセプターが、非蛍光性クエンチャー部分である、請求項141に記載のキット。
  144. 前記クエンチャーが、ジアゾ含有部分である、請求項143に記載のキット。
  145. 2つ以上の独立して検出可能な組み合わせオリゴマーのセットであって、ここで、
    (i)該組み合わせオリゴマーの各々が、第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックを含み、該オリゴマーブロックは、各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーであり、そして少なくとも3原子長のリンカーによって互いに共有結合しており、
    (ii)各独立して検出可能な組み合わせオリゴマーにおいて、該第1のオリゴマーブロックおよび第2のオリゴマーブロックは、一緒になって、プロービング核酸塩基配列をコードし、該プロービング核酸塩基配列は、連続する核酸塩基の標的配列に配列特異的にハイブリダイズし、これによって、二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成するように設計されており、そして各独立して検出可能な組み合わせオリゴマーにおける該プロービング核酸塩基配列は、少なくとも1つの核酸塩基が、該セットの独立して検出可能な組み合わせオリゴマーの他方のプロービング核酸塩基配列と異なり;そして
    (iii)各独立して検出可能な組み合わせオリゴマーは、少なくとも1つの独立して検出可能な標識を含む、
    セット。
  146. 各独立して検出可能な組み合わせオリゴマーが、少なくとも1つのエネルギー移動セットの標識を含み、その結果、該エネルギー移動セットの少なくとも1つのアクセプター部分が、該組み合わせオリゴマーの結合したオリゴマーブロックのうちの1つに結合し、一方で該エネルギー移動セットの少なくとも1つのドナー部分が、該組み合わせの結合したオリゴマーブロックのうちの別のものに結合し、ここで、該セットの標識は、該組み合わせオリゴマーが非ハイブリダイズ状態にある場合と比較して、該組み合わせオリゴマーが標的配列にハイブリダイズする場合に、少なくとも1つの標識の検出可能なシグナルの変化を容易にする位置で、該オリゴマーブロックに結合している、請求項145に記載のセット。
  147. 各組み合わせオリゴマーが、6〜30の核酸塩基含有サブユニットを含む、請求項145に記載のセット。
  148. 各組み合わせオリゴマーの前記オリゴマーブロックが、ペプチド核酸である、請求項145に記載のセット。
  149. 前記組み合わせオリゴマーの前記オリゴマーブロックの前記PNAサブユニットが、以下の式:
    Figure 2004524032
    を有し、ここで、
    各Jは、同じであるかまたは異なり、そしてH、R、OR、SR、NHR、NR 、F、Cl、BrおよびIからなる群より選択され;
    各Kは、同じであるかまたは異なり、そしてO、S、NHおよびNRからなる群より選択され;
    各Rは、同じであるかまたは異なり、そして必要に応じてヘテロ原子を含み得る1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、または置換もしくは非置換のアリール基であり;
    各Aは、単結合、式−(CJ−の基、および式−(CJC(O)−の基からなる群より選択され、ここで、Jは、上記で定義され、そして各sは、1〜5の整数であり;
    各tは、1または2であり;
    各uは、1または2であり;そして
    各Lは、同じであるかまたは異なり、そして独立して、アデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、2−チオ−5−プロピニル−ウラシル、5−メチルシトシン、プソイドイソシトシン、2−チオウラシルおよび2−チオチミン、2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)、N9−(2,6−ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)、N9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)およびN8−(7−デアザ−8−アザ−アデニン)、他の天然に存在する核酸塩基アナログ、ならびに他の天然には存在しない核酸塩基からなる群より選択される、請求項145に記載のセット。
  150. 前記組み合わせオリゴマーの前記オリゴマーブロックの前記PNAサブユニットが、メチレンカルボニル結合を介してN−[2−(アミノエチル)]グリシン骨格のN−α−グリシン窒素に結合した、天然に存在する核酸塩基または天然には存在しない核酸塩基からなる、請求項145に記載のセット。
  151. 前記組み合わせオリゴマーの前記リンカーが、1つのアミノ酸残基、2つのアミノ酸残基、3つのアミノ酸残基、1つのE−リンカー残基、2つのE−リンカー残基、1つのO−リンカー残基、2つのO−リンカー残基、1つのX−リンカー残基、および2つのX−リンカー残基からなる群より選択される、請求項145に記載のセット。
  152. 請求項151に記載のセットであって、前記リンカーが、アミノ酸グリシン、アミノ酸ダイマーgly−gly、アミノ酸ダイマーgly−lys、アミノ酸ダイマーlys−gly、アミノ酸ダイマーglu−gly、アミノ酸ダイマーgly−cys、アミノ酸ダイマーcys−glyおよびアミノ酸ダイマーasp−glyからなる群から選択される、セット。
  153. 請求項145に記載のセットであって、前記少なくとも1つの組み合わせオリゴマーが、1つ以上のレポーター部分をさらに含む、セット。
  154. 請求項153に記載のセットであって、前記1つ以上のレポーター部分が、前記オリゴマーブロック末端で連結されるか、前記オリゴマーブロックの内部の位置で連結されるか、または前記リンカーに組み込まれた位置で連結される、セット。
  155. 請求項153に記載のセットであって、前記レポーター部分が、発色団、蛍光色素、クエンチャー、スピン標識、放射性同位体、酵素、ハプテンおよび化学発光化合物からなる群から選択される、セット。
  156. 請求項155に記載のセットであって、前記酵素が、アルカリホスファターゼ、ダイズペルオキシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、リボヌクレアーゼおよびプロテアーゼからなる群から選択される、セット。
  157. 請求項155に記載のセットであって、前記ハプテンが、フルオレセイン、ビオチン、2,4−ジニトロフェニルおよびジゴキシゲニンからなる群から選択される、セット。
  158. 前記リンカーが、酵素に対する切断部位を含む、請求項145に記載のセット。
  159. 前記組み合わせオリゴマーが、支持体に結合している、請求項145に記載のセット。
  160. 請求項146に記載のセットであって、前記エネルギー移動セットの標識が、前記オリゴマーブロックの最も遠位末端に連結されるか、または該オリゴマーブロック内の部位に連結される、セット。
  161. 請求項160に記載のセットであって、前記エネルギー移動セットが、単一のドナー部分および単一のアクセプター部分を含む、セット。
  162. 前記ドナー部分およびアクセプター部分の両方が、発蛍光団である、請求項161に記載のセット。
  163. 請求項161に記載のセットであって、前記ドナー部分が、ドナー発蛍光団であり、前記アクセプター部分が、非蛍光クエンチャー部分である、セット。
  164. 二官能性単一セットライブラリーから末端オリゴマーブロックおよび縮合オリゴマーブロックを形成するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)少なくとも2つのオリゴマーブロックを含む二官能性単一セットライブラリーを提供する工程;
    (b)該二官能性単一セットライブラリーのオリゴマーブロックを処理し、それにより1つ以上の保護基を除去し、そして末端オリゴマーブロックを生成する工程;および
    (c)該二官能性単一セットライブラリーのオリゴマーブロックを処理して、工程(b)と比較して異なる1つ以上の保護基を除去し、それにより縮合オリゴマーブロックを生成する工程、
    を包含し、ここで、
    (i)末端オリゴマーブロックが縮合オリゴマーブロックと縮合される場合、該官能性部分が、少なくとも3原子長のリンカーを形成し;そして
    (ii)該オリゴマーブロックが、支持体に結合しておらず、核酸塩基保護基を含まない、
    方法。
  165. 異なる保護基の除去によって、末端オリゴマーブロックおよび縮合オリゴマーブロックの両方を生成するのに適切な、オリゴマーブロックの二官能性単一セットを含む化合物ライブラリーであって、ここで、該二官能性セットのオリゴマーブロックの全てが、ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーであるが、ただし;
    (a)該オリゴマーブロックは、少なくとも3原子長のリンカーを形成する官能性部分を含み、該リンカーは、末端オリゴマーブロックが縮合オリゴマーブロックと縮合される場合に、2つの該オリゴマーブロックを共有結合し;
    (b)該オリゴマーブロックが、支持体に結合しておらず;そして
    (c)該オリゴマーブロックが、核酸塩基保護基を含まない、
    化合物ライブラリー。
  166. 末端オリゴマーブロックの少なくとも1つのセットおよび縮合オリゴマーブロックの少なくとも1つのセットを含む化合物ライブラリーであって、ここでブロックのセットの各々が、2つ以上の異なるオリゴマーを含み、該オリゴマーブロックが、ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラおよびPNA組み合わせオリゴマーからなる群から選択されるが、ただし;
    (a)該オリゴマーブロックは、末端オリゴマーブロックが縮合オリゴマーブロックと縮合される場合に、少なくとも3原子長のリンカーを形成する官能性部分を含むように選択され;
    (b)該オリゴマーブロックは、支持体に結合しておらず;そして
    (c)該オリゴマーブロックは、核酸塩基保護基を含まない、
    化合物ライブラリー。
  167. 末端オリゴマーブロックの少なくとも1つのセットおよび縮合オリゴマーブロックの少なくとも2つのセットを含む化合物ライブラリーであって、ここで、
    (a)オリゴマーブロックのセットの各々が、2つ以上の異なるオリゴマーを含み;
    (b)該各セットのオリゴマーブロックが、独立して、ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーのいずれかであり;
    (c)該オリゴマーブロックは、末端オリゴマーブロックが縮合オリゴマーブロックと縮合される場合に該オリゴマーブロックを共有結合する少なくとも3原子長のリンカーを形成する官能性部分を含むように選択され;
    (d)該オリゴマーブロックは、支持体に結合しておらず;
    (e)該オリゴマーブロックは、核酸塩基保護基を含まず;
    (f)該セットの縮合オリゴマーブロックのオリゴマーブロックの全てが、独立して検出可能な同じレポーター部分を含み;そして
    (g)該末端オリゴマーブロックの少なくとも1つのセットのオリゴマーブロックの全てが、同じクエンチャー部分を含む、
    化合物ライブラリー。
  168. 各オリゴマーブロックが、3〜15の核酸塩基含有サブユニットを含む、請求項165、166または167のいずれか1項に記載の化合物ライブラリー。
  169. 前記ライブラリーのオリゴマーブロックの全てが、ペプチド核酸である、請求項165、166または167のいずれか1項に記載の化合物ライブラリー。
  170. 請求項165、166または167のいずれか1項に記載の化合物ライブラリーであって、前記オリゴマーブロックのPNAサブユニットが、以下の式を有し:
    Figure 2004524032
    ここで、
    各Jは、同じかまたは異なり、そしてH、R、OR、SR、NHR、NR 、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択され;
    各Kは、同じであるかまたは異なり、そしてO、S、NHおよびNRからなる群から選択され;
    各Rは、同じかまたは異なり、そして必要に応じてヘテロ原子を含み得る1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、または置換もしくは非置換のアリール基であり;
    各Aは、単結合、式−(CJ−の基、および式−(CJC(O)−の基からなる群から選択され、ここで、Jは、上記で定義され、そして各sは、1〜5の整数であり;
    各tは、1または2であり;
    各uは、1または2であり;そして
    各Lは、同じかまたは異なり、そしてアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、2−チオ−5−プロピニル−ウラシル、5−メチルシトシン、プソイドイソシトシン、2−チオウラシルおよび2−チオチミン、2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)、N9−(2,6−ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)、N9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)およびN8−(7−デアザ−8−アザ−アデニン)、他の天然に存在する核酸塩基アナログ、および他の天然に存在しない核酸塩基から独立して選択される、化合物ライブラリー。
  171. 請求項165、166または167のいずれか1項に記載の化合物ライブラリーであって、前記ライブラリーのオリゴマーブロックの全てが、独立して、トリマー、テトラマー、ペンタマー、ヘキサマー、ヘプタマーまたはオクタマーのいずれかである、化合物ライブラリー。
  172. 請求項165に記載の化合物ライブラリーであって、前記全てのオリゴマーブロックが、定常核酸塩基配列の少なくとも1つの領域と、可変核酸塩基配列を含む少なくとも1つの領域とを含む、化合物ライブラリー。
  173. 請求項166または167のいずれか1項に記載の化合物ライブラリーであって、全ての末端ブロックが、定常核酸塩基配列の少なくとも1つの領域と、可変核酸塩基配列を含む少なくとも1つの領域とを含む、化合物ライブラリー。
  174. 請求項166または167のいずれか1項に記載の化合物ライブラリーであって、全ての縮合ブロックが、定常核酸塩基配列の少なくとも1つの領域と、可変核酸塩基配列を含む少なくとも1つの領域とを含む、化合物ライブラリー。
  175. 請求項173に記載の化合物ライブラリーであって、前記定常核酸塩基配列が、1〜10核酸塩基含有サブユニットの長さである、化合物ライブラリー。
  176. 請求項174に記載の化合物ライブラリーであって、前記定常核酸塩基配列が、1〜10核酸塩基含有サブユニットの長さである、化合物ライブラリー。
  177. 請求項165に記載の化合物ライブラリーであって、前記セットの異なるオリゴマーブロックの数が、4であり、ここでnは、該セットのブロック中の可変核酸塩基位置の数を表す3〜8の範囲の整数である、化合物ライブラリー。
  178. 請求項166または167のいずれか1項に記載の化合物ライブラリーであって、前記セットの異なる末端オリゴマーブロックの数が、4であり、ここでnは、該セットの末端ブロック中の可変核酸塩基位置の数を表す3〜8の範囲の整数である、化合物ライブラリー。
  179. 請求項166または167のいずれか1項に記載の化合物ライブラリーであって、前記セットの異なる縮合オリゴマーの数が、4であり、ここでnは、該セットの縮合ブロック中の可変核酸塩基位置の数を表す3〜8の範囲の整数である、化合物ライブラリー。
  180. 請求項166または167のいずれか1項に記載の化合物ライブラリーであって、前記ライブラリーの全ての末端オリゴマーブロックが、C末端のアミドおよびN末端の天然アミノ酸を有するペプチド核酸である、化合物ライブラリー。
  181. 請求項180に記載の化合物ライブラリーであって、前記N末端のアミノ酸が、グリシン、リジン、シスチン、グルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択される、化合物ライブラリー。
  182. 請求項166または167のいずれか1項に記載の化合物ライブラリーであって、前記ライブラリーの全ての末端オリゴマーブロックが、C末端のアミドおよびN末端の反応性部分を有するペプチド核酸であり、ここで、該N末端の反応性部分が、アミノオキシアセチル、2−チオアセチル、3−チオプロピオニルおよびマレイミドからなる群から選択される、化合物ライブラリー。
  183. 請求項166または167のいずれか1項に記載の化合物ライブラリーであって、前記ライブラリーの縮合オリゴマーブロックが、C末端の天然アミノ酸部分、およびキャップされたか、保護されたかまたは標識されたN末端を有するペプチド核酸である、化合物ライブラリー。
  184. 請求項183に記載の化合物ライブラリーであって、前記C末端のアミノ酸が、グリシン、リジン、シスチン、グルタミン酸およびアスパラギン酸からなる群から選択される、化合物ライブラリー。
  185. 請求項166または167のいずれか1項に記載の化合物ライブラリーであって、前記セットの縮合オリゴマーブロックが、キャップされたか、保護されたかまたは標識されたN末端、ならびにクロロアセチル、ブロモアセチルおよびヨードアセチルからなる群から選択されるC末端のハロアセチル部分を有するペプチド核酸である、化合物ライブラリー。
  186. 請求項166または167のいずれか1項に記載の化合物ライブラリーであって、前記末端オリゴマーブロックと縮合オリゴマーブロックとの縮合が、酵素に対する基質であるリンカーを形成する、化合物ライブラリー。
  187. 請求項166または167のいずれか1項に記載の化合物ライブラリーであって、前記セットの末端オリゴマーブロックと前記セットの縮合オリゴマーブロックとの縮合が、1つのアミノ酸残基、2つのアミノ酸残基、3つのアミノ酸残基、1つのEリンカー残基、2つのEリンカー残基、1つのOリンカー残基、2つのOリンカー残基、1つのXリンカー残基および2つのXリンカー残基からなる群からなる群から選択されるリンカーを形成する、化合物ライブラリー。
  188. 請求項187に記載の化合物ライブラリーであって、前記リンカーが、アミノ酸グリシン、アミノ酸ダイマーgly−gly、アミノ酸ダイマーgly−lys、アミノ酸ダイマーlys−gly、アミノ酸ダイマーglu−gly、アミノ酸ダイマーgly−cys、アミノ酸ダイマーcys−glyおよびアミノ酸ダイマーasp−glyからなる群から選択される、化合物ライブラリー。
  189. 請求項165または166のいずれか1項に記載の化合物ライブラリーであって、前記少なくとも1つのセットのオリゴマーブロックが、1つ以上のレポーター部分をさらに含む、化合物ライブラリー。
  190. 請求項189に記載の化合物ライブラリーであって、前記1つ以上のレポーター部分が、前記オリゴマーブロック末端で連結されるか、前記オリゴマーブロックの内部の位置で連結されるか、または前記リンカーに組み込まれた位置で連結される、化合物ライブラリー。
  191. 請求項189に記載の化合物ライブラリーであって、前記レポーター部分が、発光団、蛍光色素、クエンチャー、放射性同位体およびハプテンからなる群から選択される、化合物ライブラリー。
  192. 前記クエンチャーが、ジアゾ含有部分である、請求項191に記載の化合物ライブラリー。
  193. 請求項166に記載の化合物ライブラリーであって、前記ライブラリーが、オリゴマーブロックの3つ以上のセットを含み、ここで少なくとも2つのセットは、前記標識の性質が異なること以外は実質的に同一であり、その結果、該2つ以上の異なる標識化スキーム(1つの標識化スキームは、オリゴマーブロックの各セットに共通している)は、オリゴマーブロックの各セットを独立して検出可能にする、化合物ライブラリー。
  194. 請求項193に記載の化合物ライブラリーであって、前記ライブラリーが、各々がアクセプターまたは非蛍光クエンチャー部分を含むオリゴマーブロックの少なくとも1つのセットを含み、その結果、該セットのオリゴマーブロックは、独立して検出可能な標識を含むオリゴマーブロックの2つ以上のセットのいずれかのオリゴマーブロックへの連結に適している、化合物ライブラリー。
  195. 請求項194に記載の化合物ライブラリーであって、独立して検出可能な自己指示組み合わせオリゴマーの対が、2つの独立して検出可能なオリゴマーブロックの各々をアクセプター部分またはクエンチャー部分を含むオリゴマーブロックに連結することによって形成される、化合物ライブラリー。
  196. 請求項166に記載の化合物ライブラリーであって、末端オリゴマーブロックの少なくとも1つのセットが、標識されていない、化合物ライブラリー。
  197. 請求項166に記載の化合物ライブラリーであって、縮合オリゴマーブロックの少なくとも1つのセットが、標識されていない、化合物ライブラリー。
  198. 請求項166に記載の化合物ライブラリーであって、前記オリゴマーブロックのセットのうちの1つのオリゴマーの全てが、支持体に結合している、化合物ライブラリー。
  199. 請求項166に記載の化合物ライブラリーであって、末端オリゴマーブロックの少なくとも1つのセットのオリゴマーブロックの全てが、支持体に結合している、化合物ライブラリー。
  200. 以下の式のセグメントを含む共有結合したオリゴマーブロックの組成物であって:
    A−B−C
    ここで、
    AおよびCは、オリゴマーブロックであり、該オリゴマーブロックは、各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーであり、必要に応じて他の部分に連結し;そして
    Bは、オリゴマーブロックAをオリゴマーブロックCに共有結合する、少なくとも3原子長のリンカーであり;
    ここで、
    オリゴマーブロックAおよびCは一緒になって、連続した核酸塩基の標的配列に配列特異的にハイブリダイズするように設計されるプローブ核酸塩基配列をコードし、それにより二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成する、
    組成物。
  201. 請求項200に記載の組成物であって、各オリゴマーブロックが、独立して、3〜15の核酸塩基含有サブユニットを含む、組成物。
  202. 請求項200に記載の組成物であって、前記組成物のオリゴマーブロックの全てが、ペプチド核酸である、組成物。
  203. 請求項200に記載の組成物であって、前記ブロックオリゴマーのPNAサブユニットが、以下の式を有し:
    Figure 2004524032
    ここで、
    各Jは、同じかまたは異なり、そしてH、R、OR、SR、NHR、NR 、F、Cl、BrおよびIからなる群から選択され;
    各Kは、同じであるかまたは異なり、そしてO、S、NHおよびNRからなる群から選択され;
    各Rは、同じかまたは異なり、そして必要に応じてヘテロ原子を含み得る1〜5個の炭素原子を有するアルキル基、または置換もしくは非置換のアリール基であり;
    各Aは、単結合、式−(CJ−の基、および式−(CJC(O)−の基からなる群から選択され、ここで、Jは、上記で定義され、そして各sは、1〜5の整数であり;
    各tは、1または2であり;
    各uは、1または2であり;そして
    各Lは、同じかまたは異なり、そしてアデニン、シトシン、グアニン、チミン、ウラシル、5−プロピニル−ウラシル、2−チオ−5−プロピニル−ウラシル、5−メチルシトシン、プソイドイソシトシン、2−チオウラシルおよび2−チオチミン、2−アミノプリン、N9−(2−アミノ−6−クロロプリン)、N9−(2,6−ジアミノプリン)、ヒポキサンチン、N9−(7−デアザ−グアニン)、N9−(7−デアザ−8−アザ−グアニン)およびN8−(7−デアザ−8−アザ−アデニン)、他の天然に存在する核酸塩基アナログ、および他の天然に存在しない核酸塩基から独立して選択される、組成物。
  204. 請求項200に記載の組成物であって、前記リンカーBが、1つのアミノ酸残基、2つのアミノ酸残基、3つのアミノ酸残基、1つのEリンカー残基、2つのEリンカー残基、1つのOリンカー残基、2つのOリンカー残基、1つのXリンカー残基および2つのXリンカー残基からなる群から選択される、組成物。
  205. 請求項204に記載の組成物であって、前記リンカーBが、アミノ酸グリシン、アミノ酸ダイマーgly−lys、アミノ酸ダイマーlys−gly、アミノ酸ダイマーglu−gly、アミノ酸ダイマーgly−cys、アミノ酸ダイマーcys−glyおよびアミノ酸ダイマーasp−glyからなる群から選択される、組成物。
  206. 前記リンカーBが、酵素に対する切断部位を含む、請求項200に記載の組成物。
  207. 前記組み合わせオリゴマーが、1つ以上のレポーター部分をさらに含む、請求項200に記載の組成物。
  208. 請求項207に記載の組成物であって、前記1つ以上のレポーター部分が、前記オリゴマーブロック末端で連結されるか、前記オリゴマーブロックの内部の位置で連結されるか、または前記リンカーに組み込まれた位置で連結される、組成物。
  209. 請求項207に記載の組成物であって、前記1つ以上のレポーター部分が、各々独立して、発光団、蛍光色素、クエンチャー、スピン標識、放射性同位体、酵素、ハプテンおよび化学発光化合物からなる群から選択される、組成物。
  210. 請求項209に記載の組成物であって、前記酵素が、アルカリホスファターゼ、ダイズペルオキシダーゼ、ホースラディッシュペルオキシダーゼ、リボヌクレアーゼおよびプロテアーゼからなる群から選択される、組成物。
  211. 請求項209に記載の組成物であって、前記ハプテンが、フルオレセイン、ビオチン、2,4−ジニトロフェニルおよびジゴキシゲニンからなる群から選択される、組成物。
  212. 請求項200に記載の組成物であって、該組成物が標識のエネルギー移動セットをさらに含み、その結果、該エネルギー移動セットの少なくとも1つのアクセプター部分が、該組成物の連結オリゴマーブロックの1つに連結され、一方、該エネルギー移動セットの少なくとも1つのドナー部分が、該組成物の連結オリゴマーブロックの別の部分に連結され、ここで、該セットの標識は、組み合わせオリゴマーが、非ハイブリダイズ状態にある場合と比較して標的配列に特異的にハイブリダイズした配列である場合、少なくとも1つの標識の検出可能なシグナルの変化を増大する位置で、該組み合わせオリゴマーに連結される、組成物。
  213. 請求項212に記載の組成物であって、前記エネルギー移動セットの標識が、前記オリゴマーブロックの最も遠位の末端に連結されるか、または前記オリゴマーブロック内の部位で連結される、組成物。
  214. 請求項212に記載の組成物であって、前記エネルギー移動セットが、単一ドナー部分および単一アクセプター部分を含む、組成物。
  215. 請求項214に記載の組成物であって、前記ドナー部分およびアクセプター部分の両方が、発蛍光団である、組成物。
  216. 請求項214に記載の組成物であって、前記ドナー部分が、ドナー発蛍光団であり、前記アクセプターが、非蛍光クエンチャー部分である、組成物。
  217. 前記クエンチャーが、ジアゾ含有部分である、請求項216に記載の組成物。
  218. 前記組成物が、支持体に結合している、請求項200に記載の組成物。
  219. 前記組成物が、オリゴマーのアレイの1つのオリゴマーである、請求項200に記載の組成物。
  220. 少なくとも2つのオリゴマーのアレイであって、該オリゴマーの少なくとも1つが、以下の式を有するセグメントを含む組み合わせオリゴマーであって:
    A−B−C
    ここで、
    AおよびCは、オリゴマーブロックであり、該オリゴマーブロックは、各々独立して、ペプチド核酸、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーであり、必要に応じて他の部分に連結し;そして
    Bは、オリゴマーブロックAをオリゴマーブロックCに共有結合する、少なくとも3原子長のリンカーであり;
    ここで、
    オリゴマーブロックAおよびCは一緒になって、連続した核酸塩基の標的配列に配列特異的にハイブリダイズするように設計されるプローブ核酸塩基配列をコードし、それにより二本鎖標的配列/組み合わせオリゴマー複合体を形成する、
    アレイ。
  221. 組み合わせオリゴマーのアレイを形成するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)アレイの固体表面上の部位で、第1のオリゴマーブロック、第2のオリゴマーブロック、および必要に応じて縮合試薬を、縮合条件下で反応させる工程であって、これにより、該第1のオリゴマーブロックを該第2のオリゴマーブロックに共有結合する少なくとも3原子長のリンカーを有する組み合わせオリゴマーを形成する、工程であって;ここで、
    (i)該2つのオリゴマーブロックのうち1つが、支持体に結合され;
    (ii)該第1および第2のオリゴマーブロックが、各々独立して、ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーであり;
    (iii)1つまたは両方のオリゴマーブロックが、核酸塩基保護基を含まず;そして
    (iv)該組み合わせオリゴマーが、テンプレートの非存在下で形成される、
    工程;ならびに
    (b)該組み合わせオリゴマーのアレイが構築されるまで、工程(a)を1つ以上の部位で繰り返す工程、
    を包含する、方法。
  222. 組み合わせオリゴマーのアレイを形成するための方法であって、該方法は、以下:
    (a)アレイの固体表面上の部位で、第1のオリゴマーブロックを第2のオリゴマーブロックに共有結合する少なくとも3原子長のリンカーを有する組み合わせオリゴマーと、表面官能基とを反応させ、それにより該組み合わせオリゴマーを該アレイの表面に結合する工程であって;ここで、
    (i)該第1および第2のオリゴマーブロックは、各々独立して、ペプチド核酸オリゴマー、PNAキメラまたはPNA組み合わせオリゴマーであり;
    (ii)1つまたは両方のオリゴマーブロックが、核酸塩基保護基を含まない、
    工程;ならびに
    (b)該組み合わせオリゴマーのアレイが構築されるまで、工程(a)を1つ以上の部位で繰り返す工程、
    を包含する、方法。
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