JP2004520363A - 新規なsPLA2インヒビター - Google Patents

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Abstract

新規なクラスのベンズ[g]インドール化合物ならびに炎症性疾患(たとえば、敗血性ショック)の治療のためのsPLA媒介性の脂肪酸の遊離を阻害する化合物の使用を開示する。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、炎症性疾患に有用な新規なベンズ[g]インドール化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
ヒト非膵臓性分泌型ホスホリパーゼA(以下、「sPLA」と呼ぶ)の構造および物理的な性質が、以下の2つの刊行物において十分に記載されている(Seilhamer, Jeffrey J.; Pruzanski, Waldemar; Vadas Peter, Plant, Shelley; Miller; Judy A.; Kloss, Jean; およびJohnson, Lorin K.による「Cloning and Recombinant Expression of Phospholipase A2 Present in Rheumatoid Arthritic Synovial Fluid」, The Journal of Biological Chemistry, Vol. 264, No. 10, 4月5日発行, pp. 5335-5338, 1989;並びに、Kramer, Ruth M.; Hession, Catherine; Johansen, Berit; Hayes, Gretchen; McGray, Paula; Chow, E. Pingchang; Tizard, Richard; およびPepinsky, R. Blakeによる「Structure and Properties of a Human Nonpancreatic Phospholipase A2」, The Journal of Biological Chemistry, Vol. 264, No. 10, 4月5日発行, pp. 5768-5775,1989(これらは全体を参考文献として本発明に援用される))。
【0003】
sPLAは、膜リン脂質を加水分解するアラキドン酸カスケードの律速酵素であると考えられている。従って、sPLA媒介性の脂肪酸(たとえば、アラキドン酸)の遊離を阻害する化合物を開発することが重要である。該化合物は、敗血症または関節リウマチなどのsPLAの過剰産生によって誘発されたりおよび/または維持される病気の一般的な治療において価値があるであろう。
sPLA誘発性疾患の治療のための新規な化合物を開発することが望まれる。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、炎症性疾患の治療または予防に有用な、一般式(I):
【化1】
Figure 2004520363
[式中、Rは、(a)、(b)および(c)の群から選ばれ;
ここで、
(a)は、C−C20アルキル、C−C20ハロアルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、炭素環式基またはヘテロ環式基である;または
(b)は、1つまたはそれ以上の独立して選ばれる非妨害性置換基で置換された(a)の一員である;または
(c)は、−(L)−R80基であり、ここで、−(L)−は、炭素、水素、酸素、窒素およびイオウから選ばれる原子数1〜12の二価の連結基であり(−(L)−における原子の組合せは、(i)炭素および水素のみ、(ii)イオウのみ、(ii)酸素のみ、(iv)窒素および水素のみ、(v)炭素、水素およびイオウのみ、および(vi)炭素、水素および酸素のみ、から選ばれる)、R80は(a)または(b)から選ばれる基である;
2は、水素、または1〜10の水素でない原子および必要な任意の数の水素原子を含む基であり;
3は−(L3)−Zであり、ここで−(L3)−は、
【化2】
Figure 2004520363
から選ばれる結合または2価の基から選ばれる2価の連結基であり、Zは、式
【化3】
Figure 2004520363
(ここでXは、酸素またはイオウであり、Raは独立して、水素、C1−C8アルキル、アリール、C1−C8アルカリール、C1−C8アルコキシ、アラルキルおよび−CNから選ばれる)
で示されるオキシムアミドまたはオキシムチオアミド基から選ばれ;
4は、水素、CONH、CONHR4bまたは−(La)−(酸性基)で示される基であり、ここで−(La)−は、1〜8の酸リンカー長を有する酸リンカーであるか、または−(Lh)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)で示される基であって、ここで−(Lh)−は、1〜8のN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー長を有するN−ヒドロキシ官能性アミドリンカーであり;ここでN−ヒドロキシ官能性アミド基は、
【化4】
Figure 2004520363
で示され、ここで、R4aは、OH、(C1−C6)アルコキシおよびアリールオキシから選ばれ、R4bは水素、または(C1−C8)アルキル、アリール、(C7−C14)アラルキル、C7−C14アルカリール、(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C8)アルコキシアルキルおよびハロゲン、−CF3、−OH、(C1−C8)アルキル、アミノ、カルボニルおよび−CNで置換されたそれらの基から選ばれる有機置換基であるか;または
4は、−(Lc)−(アシルアミノ酸基)−で示される基であり、ここで「アシルアミノ酸基」は、式:
【化5】
Figure 2004520363
で示され、ここでR4cは、H、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリール、−CF3から選ばれ、NR4dは、アミノ酸のアミノ基の一部である窒素原子を有する天然または非天然アミノ酸のアミノ酸残基であり;
5は、水素および非妨害性置換基から選ばれ;
6、R、RおよびRは独立して、非妨害性置換基から選ばれる]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグに関する。
【0005】
本発明は、哺乳動物sPLA2のインヒビターとして強力で選択的な効果を有する式(I)で示される新規なベンズ[g]インドール化合物を提供する。
本発明はさらに、炎症性疾患の治療および/または予防に有用な式(I)で示される新規なベンズ[g]インドール化合物の使用に関する。
本発明はさらに、哺乳類のsPLA2媒介性の脂肪酸の遊離を阻害するための式(I)で示される新規なベンズ[g]インドール化合物の使用に関する。
本発明はさらに、本発明のベンズ[g]インドール化合物のいずれかを含有する医薬組成物を提供する。
本発明はさらに、敗血症の治療または予防のための式(I)で示される化合物および担体または希釈剤を含む製剤の使用に関する。
本発明は、炎症性疾患の治療用医薬の製造のための治療有効量の式(I)で示されるsPLA2インヒビター化合物およびその混合物を含む医薬組成物の使用に関する。
【0006】
I.定義:
用語、「哺乳動物の」および「哺乳動物」には、ヒトおよび家畜四肢動物が含まれる。
用語「炎症性疾患」は、炎症性腸疾患、敗血症、敗血症性ショック、成人型呼吸窮迫症候群、膵炎、外傷誘発性ショック、喘息、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、慢性関節リウマチ、嚢胞性線維症、発作、急性気管支炎、慢性気管支炎、急性細気管支炎、慢性細気管支炎、変形性関節症、痛風、脊椎関節症(spondylarthropathris)、硬直性脊椎炎、ライター症候群、乾癬性関節症、腸疾患性脊椎炎(enterapathric spondylitis)、若年性関節症または若年性硬直性脊椎炎、応答性(Reactive)関節症、感染性または感染後関節炎、淋菌性関節症、結核菌性関節症、ウィルス性関節症、真菌性関節症、梅毒性関節症、ライム病、「脈管炎症候群(vasculitic syndromes)」に関連する関節症、結節性多発性動脈炎、過敏性脈管炎、Luegenec肉芽腫症、リウマチ症多発筋痛症(polymyalgin rheumatica)、関節細胞性動脈炎(joint cell arteritis)、カルシウム結晶沈着性関節炎、偽痛風(pseudo gout)、非関節性リウマチ、滑液包炎、腱滑膜炎(tenosynomitis)、外上顆炎(テニス肘(tennis elbow))、手根管症候群、反復的使用過多損傷(repetitive use injury)(タイピング(typing))、種々の形態の関節炎、神経障害性関節疾患(チャーコおよび関節(charco and joint))、関節血症(hemarthrosis(hemarthrosic))、ヘノッホ−シェーンライン紫斑病、肥大性骨関節症、多中心性細網組織球症、特定の疾患に関連する関節炎、サルコイローシス(surcoilosis)、ヘモクロマトーシス、鎌状赤血球病および他の異常血色素症、高リポタンパク質血症、低ガンマグロブリン血症、上皮小体機能亢進症、先端巨大症、家族性地中海熱、ベーチェット病(Behat’s Disease)、全身性紅斑性狼瘡、または再発性多発性軟骨炎のような疾患、ならびに、式(I)で示される化合物を治療上有効な量で、sPLA2が媒介する脂肪酸遊離を阻害するに十分な量で、そのような治療を必要とする哺乳動物に投与し、それによりアラキドン酸カスケードおよびその有害産物を阻害もしくは予防することを含む、関連する疾患を意味する。
【0007】
本明細書に用いられる用語「ベンズ[g]インドール」または「ベンズ[g]インドール核」は、式(X):
【化6】
Figure 2004520363
を有する核(番号付けされた位置を有する)を意味する。
【0008】
本発明のベンズ[g]インドール化合物には、以下の特定の定義を有する用語を用いる。
【0009】
それ自体または他の置換基の一部としての用語「アルキル」は、特に定義しない限り、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルなどの直鎖または分枝鎖の1価の炭化水素基を意味する。
単独でまたは他の用語を組み合わせて用いられる用語「アルケニル」は、直鎖または分枝鎖の1価の指定された範囲の数の炭素原子を有する炭化水素基を意味し、ビニル、プロペニル、クロトニル、イソペンチルおよび種々のブテニル異性体などの基に代表される。
用語、「ヒドロカルビル(hydrocarbyl)」は、炭素及び水素のみを含有する有機基を意味する。
用語、「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
【0010】
用語、ヘテロ環式基は、単環式または多環式の、飽和または不飽和の、置換されたまたは置換されていない、窒素、酸素または硫黄から選ばれるヘテロ原子を1〜3個含有する、5〜14環原子のヘテロ環式核から導かれる基を意味する。典型的なヘテロ環式基は、ピロリル、ピロロジニル(pyrrolodinyl)、ピペリジニル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、フェニルイミダゾリル、トリアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾ(b)チオフェニル、カルバゾリル、ノルハルマニル(norharmanyl)、アザベンゾ(b)チオフェニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、インダゾリル、イミダゾ(1.2−A)ピリジニル、ベンゾトリアゾリル、アントラニリル、1,2−ベンズイソキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、ピリジニル、ジピリジニル、フェニルピリジニル、ベンジルピリジニル、ピリミジニル、フェニルピリミジニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、キノリニル、フタラジニル(phthalazinyl)、キナゾリニル(quinazolinyl)、モルホリノ、チオモルホリノ、ホモピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキサカニル(oxacanyl)、1,3−ジオキソラニル(dioxolanyl)、1,3−ジオキサニル(dioxanyl)、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロチオフェニル、ペンタメチレンスルファジル(pentamethylenesulfadyl)、1,3−ジチアニル、1,4−ジチアニル、1,4−チオキサニル、アゼチジニル、ヘキサメチレンイミニウム、ヘプタメチレンイミニウム、ピペラジニルおよびキノキサリニルである。
【0011】
用語、「炭素環式基」は、飽和または不飽和の、置換されたまたは置換されていない、(水素以外の)環形成原子が炭素原子のみである5〜14員の有機核から導かれる基を意味する。典型的な炭素環式基は、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、ベンジル、スピロ[5,5]ウンデカニル、ナフチル、ノルボルナニル(norbornanyl)、ビシクロヘプタジエニル、トルイル、キシレニル、インデニル、スチルベニル(stilbenyl)、テルフェニルイル、ジフェニルエチレニル、フェニル−シクロヘキセニル、アセナフチレニル(acenaphthylenyl)およびアントラセニル、ビフェニル、ジベンジルイル(dibenzylyl)および以下の式(a):
【化7】
Figure 2004520363
(式中、n’は1〜8の数である)
により表される関連のジベンジルイル同族体である。
【0012】
用語、「非妨害性置換基(non−interfereing substituent)」とは、ベンズ[g]インドール核の1、2、3、4、5、6、7および/または8位、ならびに他の核置換基上での置換に適した基(式Iに関して後述するように)、ならびに上で定義したヘテロ環式基および炭素環式基上での置換に適した基を意味する。例示的な非妨害性基は、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C7−C12)アラルキル、(C7−C12)アルカリール、(C3−C8)シクロアルキル、(C3−C8)シクロアルケニル、フェニル、ベンジル、トルイル、キシレニル、ビフェニル、(C1−C8)アルコキシ、(C2−C8)アルケニルオキシ、(C2−C8)アルキニルオキシ、(C2−C12)アルコキシアルキル、(C2−C12)アルコキシアルキルオキシ、(C2−C12)アルキルカルボニル、(C2−C12)アルキルカルボニルアミノ、(C2−C12)アルコキシアミノ、(C2−C12)アルコキシアミノカルボニル、(C1−C12)アルキルアミノ、(C1−C6)アルキルチオ、(C2−C12)アルキルチオカルボニル、(C1−C8)アルキルスルフィニル、(C1−C8)アルキルスルホニル、(C2−C8)ハロアルコキシ、(C1−C8)ハロアルキルスルホニル、(C2−C8)ハロアルキル、(C−C8)ヒドロキシアルキル、−C(O)O(C−C8アルキル)、−(CH2n−O−(C1−C8アルキル)、ベンジルオキシ、フェノキシ、フェニルチオ、−(CONHSO2R)、−CHO、アミノ、アミジノ、ブロモ、カルバミル、カルボキシル、カルボアルコキシ、−(CH2n−CO2H、クロロ、シアノ、シアノグアニジニル、フルオロ、グアニジノ、ヒドラジド(hydrazide)、ヒドラジノ、ヒドラジド(hydrazido)、ヒドロキシ、ヒドロキシアミノ、ヨード、ニトロ、ホスホノ、−SO3H、チオアセタール、チオカルボニルおよびカルボニルである。ここで、nは1〜8、Rは(C1−C8)アルキルを表す。
【0013】
用語、「有機置換基」とは、酸素、窒素、イオウ、ハロゲンまたは他の元素を有する、または有さない、炭素および水素からなる一価の基を意味する。例示的な有機置換基は、(C1−C8)アルキル、アリール、(C7−C14)アラルキル、(C7−C14)アルカリール、(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C8)アルコキシアルキル、ならびにハロゲン、−CF3、−OH、(C−C8)アルキル、アミノ、カルボニルおよび−CNで置換されているこれらの基である。
用語「置換基」は、1つまたはそれ以上の非妨害性置換基で置換された有機の基である。
【0014】
本明細書において用いられる「基(group)」、「ラジカル(radical)」または「フラグメント(fragment)」は同義であり、分子の結合または他のフラグメントに結合可能な分子の機能的集団またはフラグメントを表することを意図する。たとえば、アセトアミド基は、アセトアミドフラグメントまたはラジカルを示す。ベンズ[g]インドール核に結合していない基、ラジカルまたはフラグメントの構造は、連結する結合のみとして最初の線を示すように引かれている。即ち、以下の基
【化8】
Figure 2004520363
は、特に記載しない限り、プロパンアミドではなくアセトアミドラジカルを示している。
【0015】
用語「N−ヒドロキシ官能性アミド基」は次式で示される:
【化9】
Figure 2004520363
[式中、R4aは、OH、(C1−C6)アルコキシおよびアリールオキシから選ばれ;およびR4bは、水素、または(C1−C8)アルキル、アリール、(C7−C14)アラルキル、(C7−C14)アルカリール、(C3−C8)シクロアルキル、(C−C8)アルコキシアルキルから選ばれる有機置換基およびそれらのハロゲン、−CF3、−OH、(C1−C8)アルキル、アミノ、カルボニルおよび−CNで置換された基である]
で示される。
【0016】
語句、「N−ヒドロキシ官能性アミドリンカー」とは、−(Lh)−で表される二価の連結基を意味し、これはベンズ[g]インドール核の4位を
【化10】
Figure 2004520363
で表される関係で連結する機能を有する。
【0017】
語句、「N−ヒドロキシ官能性アミドリンカー長」とは、ベンズ[g]インドール核の4位をN−ヒドロキシ官能性アミド基とつなぐ、最も短い鎖の連結基−(Lh)−における原子数(水素を除く)を意味する。−(Lh)−中の炭素環式環の存在は、炭素環式環の直径の計算値にほぼ等しい原子数として数える。それゆえ、酸リンカー中のベンゼン環またはシクロヘキサン環は、−(Lh)−の長さの計算において2個の原子として数える。例示的なN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー基は、式:
【化11】
Figure 2004520363
[式中、基(a)、(b)および(c)は、それぞれ、5、7および2の酸リンカー長を有する]
により表される。
【0018】
用語「(酸性基)」とは、適切な連結基(以下、「酸リンカー」と称する)を介して4位でベンズ[g]インドール核に結合している場合にプロトンドナーとして働く、水素結合しうる有機基を意味する。(酸性基)の例は、以下の式:
−5−テトラゾリル、
−SO3H、
【化12】
Figure 2004520363
【化13】
Figure 2004520363
[式中、nは1〜8であり、R80は金属または(C1−C8)であり、R81は有機置換基または−CF3である]
である。
【0019】
語句、「酸リンカー」とは、−(La)−で表される二価の連結基を意味し、これはベンズ[g]インドール核の4位を酸性基に一般的な関係:
【化14】
Figure 2004520363
で表される関係で結合する機能を有する。
【0020】
語句、「酸リンカー長」とは、ベンズ[g]インドール核の4位を酸性基とつなぐ、連結基−(La)−の最も短い鎖における原子数(水素を除く)を意味する。−(La)−中の炭素環式環の存在は、炭素環式環の直径の計算値にほぼ等しい原子数として数える。それゆえ、酸リンカー中のベンゼン環またはシクロヘキサン環は、−(La)−の長さの計算において2個の原子として数える。例示的な酸リンカー基は、式:
【化15】
Figure 2004520363
[式中、基(a)、(b)および(c)は、それぞれ、5、7および2の酸リンカー長を有する]
により表される。
【0021】
用語「アシルアミノ酸基」は次式で示される:
【化16】
Figure 2004520363
[式中、R4cは、H、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリール、−CF3から選ばれ;およびNR4dは、そのアミノ酸のアミの基の一部である窒素原子を有する天然または非天然アミノ酸のアミノ酸残基である]。典型なアミノ酸は、イソロイシン、バリン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、ロイシン、グリシン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、リシン、メチオニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびそれらの誘導体から選ばれる。アミノ酸の定義に含まれるものとしては、l−プロリン、d−プロリンおよびそれらの誘導体が考えられる。また、アミノ酸の定義に含まれるものとしてペプチド、ポリペプチドおよびそれらの誘導体も考えられる。
【0022】
用語「アミノ酸残基」は、アミノ末端の窒素原子に結合したアミノ基の部分を意味する。アミノ末端から水素をのぞいたアミノ酸である。さらに、本明細書において、窒素原子で結合したアミノ酸アラニンは以下のように示される:
【化17】
Figure 2004520363
用語「アシルアミノ酸リンカー」は、−(Lc)−で示される2価のリンカー基を意味し、アシルアミノ酸基をベンズ[g]インドール核の4位に連結する機能を有し、一般には以下のような関係にある:
【化18】
Figure 2004520363
【0023】
用語「アシルアミノ酸リンカー長」は、ベンズ[g]インドール核の4位とアシルアミノ酸基とを連結するリンカー基−(Lc)−の最も短い鎖の(水素を除く)原子の数を意味する。−(Lc)−における炭素環の存在は、その炭素環の計算された直径に近い原子の数として数える。即ち、−(Lc)−の長さを計算する際、酸リンカーにおけるベンゼンまたはシクロヘキサン環は2原子として数える。「アシルアミノ酸リンカー基」の例としては、以下のものが含まれる:
【化19】
Figure 2004520363
[式中、基(a)、(b)および(c)は、それぞれ酸リンカー長5、7および2を有する]。
【0024】
用語、「アミン」には、第1級、第2級および第3級アミンが含まれる。
用語、「哺乳動物の」および「哺乳動物」には、ヒトおよび家畜化四肢動物が含まれる。
用語、「1個または2個の炭素原子のアルキレン鎖」は、二価の基、−CH2−CH2−および−CH2−を意味する。
【0025】
用語、「1〜10個の水素ではない原子を含有する基」は、ベンズ[g]インドール核の2位に置換基を形成する比較的小さい基を意味し、この基は水素以外の原子のみを含有していてもよいし、あるいは水素以外の原子および水素以外の原子の置換されていない結合価を満たすために必要とされる水素原子を含んでいてよい[たとえば、(i)4個を超えない水素以外の原子を含有し、水素が存在しない基(たとえば、−CF3、−Cl、−Br、−NO2、−CN、−SO3;ならびに(ii)4個未満の水素以外の基を含有する水素原子を有する基(たとえば、−CH3、−C25および−CH=CH2)]。
【0026】
用語、「オキシムアミド」は、基、−C(=NOR)−C(O)NH2を意味する。
用語、「チオ−オキシムアミド」は、基、−C(=NOR)−C(S)−NH2を意味する。
用語、「スピロ[5.5]ウンデカニル」は、式:
【化20】
Figure 2004520363
により表される基を意味する。
【0027】
II.本発明のベンズ[g]インドール化合物:
本発明は、sPLA2インヒビターとして有用な、炎症性疾患にともなう炎症の治療および/または予防のための新規なクラスのベンズ[g]インドール化合物を提供する。本発明のクラスのベンズ[g]インドール化合物のサブクラスとしては、ベンズ[g]インドールオキシ酸誘導体、ベンズ[g]インドール−3−オキシムアミドオキシ酸誘導体、ベンズ[g]インドール−3−アセトアミドオキシ酸誘導体、ベンズ[g]インドール−3−グリオキシルアミド−N−ヒドロキシ官能性アミド誘導体、ベンズ[g]インドール−3−オキシムアミド−N−ヒドロキシ官能性アミド誘導体、ベンズ[g]インドール−3−アセトアミドヒドロキシ官能性アミド誘導体、ベンズ[g]インドール−3−グリオキシルアミドアシルアミノ酸誘導体、ベンズ[g]インドール−3−オキシムアミドアシルアミノ酸誘導体、ベンズ[g]インドール−3−アセトアミドアシルアミノ酸誘導体が挙げられる。
【0028】
本発明の化合物は、一般式(I):
【化21】
Figure 2004520363
[式中、Rは、(a)、(b)および(c)の群から選ばれ;
ここで、
(a)は、C−C20アルキル、C−C20ハロアルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、炭素環式基またはヘテロ環式基である;または
(b)は、1つまたはそれ以上の独立して選ばれる非妨害性置換基で置換された(a)の一員である;または
(c)は、−(L)−R80基であり、ここで、−(L)−は、炭素、水素、酸素、窒素およびイオウから選ばれる原子数1〜12の二価の連結基であり(−(L)−における原子の組合せは、(i)炭素および水素のみ、(ii)イオウのみ、(ii)酸素のみ、(iv)窒素および水素のみ、(v)炭素、水素およびイオウのみ、および(vi)炭素、水素および酸素のみ、から選ばれる)、R80は(a)または(b)から選ばれる基である;
2は、水素、または1〜10の水素でない原子および必要な任意の数の水素原子を含む基であり;
3は−(L3)−Zであり、ここで−(L3)−は、
【化22】
Figure 2004520363
から選ばれる結合または2価の基から選ばれる2価の連結基であり、Zは、式
【化23】
Figure 2004520363
(ここでXは、酸素またはイオウであり、Raは独立して、水素、C1−C8アルキル、アリール、C1−C8アルカリール、C1−C8アルコキシ、アラルキルおよび−CNから選ばれる)
で示されるオキシムアミドまたはオキシムチオアミド基から選ばれ;
4は、水素、CONH、CONHR4bまたは−(La)−(酸性基)で示される基であり、ここで−(La)−は、1〜8の酸リンカー長を有する酸リンカーであるか、または−(Lh)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)で示される基であって、ここで−(Lh)−は、1〜8のN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー長を有するN−ヒドロキシ官能性アミドリンカーであり;ここでN−ヒドロキシ官能性アミド基は、
【化24】
Figure 2004520363
で示され、ここで、R4aは、OH、(C1−C6)アルコキシおよびアリールオキシから選ばれ、R4bは水素、または(C1−C8)アルキル、アリール、(C7−C14)アラルキル、C7−C14アルカリール、(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C8)アルコキシアルキルおよびハロゲン、−CF3、−OH、(C1−C8)アルキル、アミノ、カルボニルおよび−CNで置換されたそれらの基から選ばれる有機置換基であるか;または
4は、−(Lc)−(アシルアミノ酸基)−で示される基であり、ここで「アシルアミノ酸基」は、式:
【化25】
Figure 2004520363
で示され、ここでR4cは、H、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリール、−CF3から選ばれ、NR4dは、アミノ酸のアミノ基の一部である窒素原子を有する天然または非天然アミノ酸のアミノ酸残基であり;
5は、水素および非妨害性置換基から選ばれ;
6は、複数または単数の独立して選ばれる非妨害性置換基である]
で示され、その医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを包含する。
【0029】
式(I)で示される化合物の好ましいサブグループ:
好ましいR置換基:
式(I)で示される化合物の好ましいサブクラスは、Rについての二価の連結基:−(L)−が以下の式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)または(If):
【化26】
Figure 2004520363
[式中、Qは、結合または二価の基:(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)および(If)のいずれかであり、各R10は独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)ハロアルキルまたは(C−C)アルコキシである]
のいずれか1つによって示される基である。
【0030】
の連結基:−(L)−として特に好ましいのは、炭素数が1または2であるアルキレン鎖、いわゆる−(CH)−または−(CH−CH)−である。
【0031】
11aとして好ましい基は、(C−C14)シクロアルキル、(C−C14)シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、ノルボルナンイル、ビシクロヘプタジエニル、トルイル、キシレニル、インデニル、スチルベニル、テルフェニルイル、ジフェニルエチレンイル、フェニルシクロヘキセニル、アセナフチレニル、アントラセニル、ビフェニルおよびビベンジリル、ならびに式(a):
【化27】
Figure 2004520363
[式中、n'は1〜8の数である]
によって示される関連ビベンジリル同族体からなる群から選ばれる、置換または無置換の基である。
【0032】
について、組み合わせの基:−(L)−R11a
【化28】
Figure 2004520363
[式中、R12aは独立して、ハロ、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、−S−((C−C)アルキル)、−O−((C−C)アルキル)および(C−C)ハロアルキルから選ばれる基であり;tは、0〜5の数であり;およびuは、0〜4の数である]
の群から選ばれたり、および基:−(L)−R11a(ここで、−(L)は原子数が1〜8の二価の連結基であって、R11aは(a)または(b)から選ばれる基である)である化合物が、特に好ましい。
【0033】
11aとして、−(CH−R12aが好ましく、ここで、mは1〜6の整数であって、R12aは式:
【化29】
Figure 2004520363
[式中、a、c、e、n、qおよびtは独立して、0〜2の整数であり;R13およびR14は独立して、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルキルオキシ、C−Cアルキルチオ、アリール、ヘテロアリールおよびC−Cハロアルキルから選ばれ;αは、酸素原子またはイオウ原子であり;Lは、結合、−(CH−、−C=C−、−CC−、−O−または−S−であって、vは0〜2の整数であり;βは、−CH−または−(CH−であり;γは、酸素原子またはイオウ原子であり;bは、0〜3の整数であり;dは、0〜4の整数であり;f、pおよびwは独立して、0〜5の整数であり;rは、0〜7の整数であり;およびuは、0〜4の整数である]
によって示される(d)基、または少なくとも1つの置換基(該置換基は、C−Cアルキル、C−Cアルキルオキシ、C−Cハロアルキルオキシ、C−Cハロアルキル、アリールおよびハロゲンから選ばれる)で置換された(d)の一員の(e)である。
【0034】
好ましいR置換基:
は、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、−O−((C−C)アルキル)、−S−((C−C)アルキル)、−(C−C)シクロアルキル、−CF、ハロ、−NO、−CNおよび−SOから選ばれることが好ましい。特に好ましいR基は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、−F、−CF、−Cl、−Brまたは−O−CHから選ばれる。
【0035】
好ましいR置換基:
好ましいRのサブグループは、−(L)−Zであって、−(L)−は結合または式:
【化30】
Figure 2004520363
から選ばれる二価の基から選ばれる二価の連結基であり、Zは、式
【化31】
Figure 2004520363
【化32】
Figure 2004520363
(ここでXは酸素またはイオウであり、Raは独立して、水素、C1−C8アルキル、アリール、C1−C8アルカリール、C1−C8アルコキシ、アラルキルおよび−CNから選ばれる)
で示されるグリオキシルアミド、アセトアミド、オキシムアミドまたはオキシムチオアミ基から選ばれる。
【0036】
式(I)で示される化合物のより好ましいサブクラスは、Xが酸素である化合物である。
他の式(I)で示される化合物のより好ましいサブクラスは、Zが、
【化33】
Figure 2004520363
で示されるグリオキシルアミド(グリオキサミド)基である化合物である。
他の式(I)で示される化合物のより好ましいサブクラスは、Zが、
【化34】
Figure 2004520363
で示されるアミド基である化合物である。
【0037】
他の好ましい式(I)で示される化合物は、Zが、式:
【化35】
Figure 2004520363
[式中、RaおよびRa'は独立して、水素、(C1−C8)アルキル、アリール、(C1−C8)アラルキル、(C1−C8)アルコキシ、アラルキルおよび−CNから選ばれ;およびR3aは、水素、NH、メチルまたはエチルである]
で示されるアセトアミド基である化合物である。
基にとって、連結基−(L)−が、結合であるのが最も好ましい。
【0038】
好ましいR置換基:
の好ましいサブグループは、水素、CONH、CONHR4bまたは−(La)−(酸性基)であり、ここで−(La)−は、1〜8の酸リンカー長を有する酸リンカーであるか;または−(Lh)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)で示される基であって、ここで−(Lh)−は1〜8のN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー長を有するN−ヒドロキシ官能性アミドリンカーであり;および、ここで、N−ヒドロキシ官能アミド基は、式:
【化36】
Figure 2004520363
[式中、R4aは、OH、(C1−C6)アルコキシおよびアリールオキシから選ばれ;およびR4bは、水素、または(C1−C8)アルキル、アリール、(C7−C14)アラルキル、(C7−C14)アルカリール、(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C8)アルコキシアルキルから選ばれる有機置換基およびそれらのハロゲン、−CF3、−OH、(C1−C8)アルキル、アミノ、カルボニルおよび−CNで置換された基である]
で示される;
あるいは、Rは基:−(L)−(アシルアミノ酸基)−であり、ここで、「アシルアミノ酸基」は、式:
【化37】
Figure 2004520363
[式中、R4cは、H、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリール、−CF3から選ばれ;およびNR4dは、そのアミノ酸のアミの基の一部である窒素原子を有する天然または非天然アミノ酸のアミノ酸残基である]
で示される。Rの最も好ましいサブグループは、水素、CONH、CONHR4bまたは−(La)−(酸性基)であり、ここで−(La)−は、1〜8の酸リンカー長を有する酸リンカーである。
【0039】
式(I)で示される化合物の他の好ましいサブクラスは、−(La)−が、
【化38】
Figure 2004520363
から選ばれる酸リンカーである化合物である。
【0040】
式(I)で示される化合物の好ましいサブグループは、R4が−(Lc)−(アシルアミノ酸基)−で示される基である化合物であり、ここで、−(Lc)−は2または3のアシルアミノ酸リンカー長を有するアシルアミノ酸リンカーであり、「アシルアミノ酸基」は、式:
【化39】
Figure 2004520363
[式中、R4cは、H、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリール、−CF3から選ばれ;およびNR4dは、そのアミノ酸のアミノ基の一部である窒素原子を有する天然または非天然アミノ酸のアミノ酸残基であり;ここでアミノ酸残基は、イソロイシン、バリン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、ロイシン、グリシン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、リシン、メチオニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびその誘導体から選ばれるアミノ酸に由来する]
で示される。
【0041】
式(I)で示される化合物の別の好ましいサブクラスは、R4が2または3のN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー長のN−ヒドロキシ官能性アミドリンカーを有する置換基であり、R4に関してN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー基−(Lh)−は式:
【化40】
Figure 2004520363
[ここで、Q2は、基−(CH2)−、−O−、−NH−、−C(O)−および−S−から選ばれ、各R40は独立して、水素、C1−C8アルキル、アリール、C1−C8アルカリール、C1−C8アルコキシ、アラルキルおよびハロから選ばれる]
で示される基から選ばれる。
【0042】
式(I)で示される化合物の最も好ましいサブクラスは、R4に関して、酸リンカー−(La)−、またはN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー、−(Lh)−、またはアシルアミノ酸リンカー−(Lc)−が、以下の特定の基:
【化41】
Figure 2004520363
[式中、R40は水素または(C1−C8)アルキルである]
から選ばれる化合物である。
【0043】
本発明の最も好ましい化合物は、一般式(II)または(III)もしくは(IV):
【化42】
Figure 2004520363
【化43】
Figure 2004520363
[式中、Rは前記と同意義;
は前記と同意義;
、R、R、R、R、RおよびRは前記と同意義;
は、結合が好ましい;および
Zは、式:
【化44】
Figure 2004520363
【化45】
Figure 2004520363
(ここでXは、酸素またはイオウであり、RaおよびRa は独立して、水素、(C1−C8)アルキル、アリールおよび(C1−C8)アルカリールから選ばれる)
で示されるアミド、チオアミドまたはグリオキシルアミド、アセトアミドもしくはチオアセトアミド、オキシム、ヒドラジド基から選ばれる]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ誘導体である。
【0044】
好ましい本発明化合物は、式:(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)または(C6)で示される化合物である。
【化46】
Figure 2004520363
【化47】
Figure 2004520363
【0045】
炎症性疾患に苦しむヒトの治療のための、本発明の化合物の例示である、最も好ましい化合物(およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物およびプロドラッグのすべて)は、以下から選ばれる化合物、およびその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物またはプロドラッグである:
2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−エチル−1−ベンジル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸・メチルエステル・ヘミ水和物;
2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−エチル−1−ベンジル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸;
2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−メチル−1−シクロヘキシルメチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸・メチルエステル;
2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−メチル−1−シクロヘキシルメチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸;
2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−メチル−1−[3−(4−フルオロフェニル)ベンジル]−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸・メチルエステル;および
2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−メチル−1−[3−(4−フルオロフェニル)ベンジル]−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸。
【0046】
式(I)、(II)、(III)および(IV)で示されるベンズ[g]インドール化合物の塩は、本発明の別の態様である。
本発明の化合物が酸性または塩基性の官能基を有する場合には、親化合物よりも水に可溶であり、かつ生理学的に適当である様々な塩を形成することができる。代表的な医薬的に許容しうる塩としては、たとえばアルカリおよびアルカリ土類(たとえば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムなど)の塩を含むが、これらに限定されない。塩は通常、溶液中で該酸を塩基を用いて処理するか、または該酸をイオン交換樹脂に曝露させることによって、該遊離の酸から製造する。
【0047】
医薬的に許容しうる塩の定義には、本発明の化合物の比較的に非毒性である無機塩基および有機塩基の付加塩を含む。このものとしては、たとえば本発明の化合物と塩を形成するのに十分な塩基性の窒素性の塩基から誘導される、アンモニウム、4級アンモニウムおよびアミンカチオンを含む(たとえば、S.M.Bergeらによる「Pharmaceutical Salts」, J. Phar. Sci., 66: 1-19 (1977)を参照)。その上、本発明の化合物の塩基性の基は、適当な有機酸または無機酸と反応して、たとえば酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、炭酸水素塩、硫酸水素塩、酒石酸水素塩、ホウ酸塩、臭化水素酸塩、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、塩化物、エデト酸塩、エディシル酸塩、エストール酸塩(estolate)、エシル酸塩、フッ化物、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、臭化物、塩化物、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリル酸塩、リンゴ酸塩、マルセエート(malseate)、マンデル酸塩、メシレート(メタンスルホン酸塩)、メチルブロミド、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、粘液酸塩、ナプシレール酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシレート(トルエンスルホン酸塩)、トリフルオロ酢酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩および吉草酸塩などの塩を形成することができる。
【0048】
本発明のある化合物は、1つ以上のキラル中心を有しうる。従って、このものは光学的に活性な形態で存在しうる。同様に、該化合物がアルケニル基またはアルケニレン基を含む場合には、該化合物のシス−およびトランス−異性体の可能性がある。該R−およびS−異性体、ならびにその混合物(このものは、ラセミ混合物、ならびにシス−およびトランス−異性体の混合物を含む)は、本発明によって包含される。別の不斉炭素原子が、置換基(たとえば、アルキル基)に存在することができる。該異性体の全て、ならびにその混合物は、本発明に含まれると意図する。特定の立体異性体を所望する場合には、そのものは、不斉中心を含んだり、および既に分割された出発物質を用いた立体特異的な反応を用いることによるか、あるいは立体異性体の混合物を得る方法と続く周知の方法による分割法によって、当該分野でよく知られる方法によって製造することができる。たとえば、ラセミ混合物は、いくつかの他の化合物の単一のエナンチオマーと反応させることができる。このことにより、該ラセミ体はジアステレオマーとジアステレオマーの混合物に変わる。それらは異なる融点、異なる沸点および異なる溶解度を有するので、通常の方法(たとえば、結晶化)によって分離することができる。
【0049】
プロドラッグとは、化学的にまたは代謝的に切断可能な基を有し、加溶媒分解によったりまたは生理学的な条件下でインビボで医薬的に活性である本発明の化合物を形成する、本発明の化合物の誘導体である。本発明の化合物の誘導体は、それらの酸および塩基の誘導体形態の両方で活性を有するが、その酸誘導体が哺乳生物における溶解度、組織適合性または遅い遊離の利点を与えることが多い(たとえば、Bundgard, H.によるDesign of Prodrugs,7-9, 21-24頁, エルゼビア、アムステルダム, 1985を参照)。プロドラッグとしては、当該分野の当業者にとって良く知られる誘導体を含み、たとえばエステル(これは、親の酸性化合物を適当なアルコールと反応させることによって製造される)、またはアミド(これは、親の酸性化合物を適当なアミンと反応させることによって製造される)を含む。本発明の化合物上にぶら下がっている酸性基から誘導される単純な脂肪族または芳香族のエステルが、好ましいプロドラッグである。たとえば、二重エステルタイプのプロドラッグ(たとえば、(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アシルオキシカルボニル)オキシ)アルキルエステル)を製造することが望ましい。プロドラッグとして特に好ましいエステルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、モルホリノエチルおよびN,N−ジエチルグリコールアミドである。
【0050】
N,N−ジエチルグリコールアミドエステルプロドラッグは、式(I)の化合物のナトリウム塩を2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド(このものは、アルドリッチ社(Aldrich Chemical Co.)、ミルウォーキー、ウィスコンシン、米国から購入することができる;品番号25,099−6)と反応(たとえば、ジメチルムアミドなどの媒質中で)させることによって製造することができる。
【0051】
モルホリニルエチルステルのプロドラッグは、式(I)の化合物のナトリウム塩を、4−(2−クロロエチル)モルホリン・塩酸塩(このものは、アルドリッチ社、ミルウォーキー、ウィスコンシン、米国から購入することができる;品番号C4,220−3)と反応(たとえば、ジメチルホルムアミドなどの媒質中で)させることによって製造することができる。
【0052】
III.ベンズ[g]インドール−3−グリオキシルアミド化合物の製造方法:
ベンズ[g]インドール化合物は、本発明化合物であり、本発明の他の化合物を製造するための中間体または出発物質としても有用である。ベンズ[g]インドール−3−アミド化合物は、以下の反応工程式1の手順にしたがって製造する:
反応工程式1
【化48】
Figure 2004520363
反応工程式1は、3−アミノ−1−メトキシナフタレン(1)(Pfalzand Bauer Chemical Co.および他の精製化学製品供給業者から入手可能)を出発物質として用いることによる本発明のベンズ[g]インドール−3−グリオキシルアミド化合物を製造する手順を表わす。これに示すように、出発物質(1)を、ヨウ化メチルおよび塩基と反応させる。弱塩基が特に好ましく、弱無機塩基がより特に好ましい。炭酸セシウム、炭酸カリウムおよび炭酸ナトリウムから選ばれる塩基が最も好ましい。反応は還流温度で行い、溶媒を用いないのが好ましい。反応が完了するか、または所望の完了レベルに達するまで、還流を継続し、必要に応じて追加のヨードメタンを加える。反応生成物を水性処理により単離し、精製して、化合物(1a)を得る。化合物(1a)を、たとえばテトラヒドリドアルミン酸リチウム(LiAlH)を用いて還元して、化合物(2)を得る。当業者に周知の方法によって(1a)を(2)に変換するのに、他の還元剤を用いてもよい。水素化リチウムアルミニウムを用いる手順は、本質的に実施例に記載される。次いで、上記のように得られたアルコール(2)を酸化して、アルデヒド(3)を得る。塩化メチレンなどの適当な溶媒中、4−メチルモルホリン−N−オキシドと組合せたテトラプロピルアミノ過ルテニウム酸塩(TPAP)などの緩やかな触媒酸化系が特に好ましい。生成物(3)をアルドール型置換−脱離手順に付して、化合物(4)を得る。示すように、エチルアジド酢酸塩および化合物(3)の塩基触媒反応により、生成物(4)を得る。該反応は、エタノール中のナトリウムエトキシドの冷溶液(約−60℃〜約0℃)に、(3)を加えることによって起こる。ナトリウムエトキシド溶液は、金属ナトリウムを無水エタノールに約−80℃〜約−20℃の温度にて加えることにより、新たに調製するのが好ましい。生成混合物を水から固体として単離し、ヘキサンまたは他の不活性溶媒から再結晶させる。トルエン中で加熱還流することにより、生成物(4)を還元的に環化する。トルエン還流温度で約2〜6時間加熱した後あるいはその時点で、反応が十分に完了したとみなす。反応混合物を室温(約21℃)に冷却する。得られる沈澱を、溶離液としてヘキサンなどの不活性溶媒を用いて濾過し、化合物(5)を得る。次いで、塩基触媒脱プロトン付加および求電子試薬への求核試薬による攻撃により、化合物(5)の窒素をアルキル、アリール、アルキルアリール基などで置換して、R基を導入する。この反応に適した求電子試薬は、前記R基を組み込むのに必要な試薬であり、ハロゲン化物、スルホン酸塩としてのアルキル、アリールおよびアルキルアリール基または他の脱離基などが挙げられる。たとえば、ジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒中での化合物(5)と水素化ナトリウムまたは適当な塩基(すなわち、n−BuLi、リチウムジイソプロピルアミド)との反応に続いてベンジルブロミドなどの付加を行い、化合物(5)のN−ベンジル置換誘導体を得る。次の段階において、化合物(5)のN−ベンジル置換誘導体を適当な塩基を用いて加水分解して、酸(6)を得る。適当な塩基は、無機塩基である。水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムおよび重炭酸ナトリウムから選ばれる塩基が好ましい。テトラヒドロフラン(THF)などの適当な溶媒中でのメチルリチウムとの反応により、化合物(6)をメチルケトンに変換する。化合物(6a)の溶液に過剰(2〜6モル当量)のメチルリチウムを加えることにより、反応が起こる。該反応は、約0〜40℃、好ましくは約20〜30℃にて行う。反応が十分に完了した(2〜40時間)後、実施例に記載するように水性処理を行った後に反応生成物(7)を単離する。次いで、化合物(7)を還元してか、化合物(8)を得る。この反応に好ましい還元剤は、適当な溶媒または溶媒混合物(エタノールと酢酸エチルの約1:1溶媒混合物が好ましい)中で約10%のパラジウム/炭素触媒を用いる水素添加を介する水素である。水素添加圧は、約45psi(45気圧)以下が好ましい。好ましくは、濾過および濾液の濃縮によって生成物(8)を単離する。
【0053】
ジクロロメタンなどの適当な溶媒中、三臭化ホウ素またはナトリウムチオエトキシドと反応させることによって、化合物(8)を脱メチル化する。脱メチル化を完全に行うための三臭化ホウ素の典型的な十分量は、約1.0〜2.0当量である。脱メチル化反応の温度は、約−12℃〜約10℃である。メチルアルコールまたは他の適当なプロトン性溶媒とともに攪拌することにより処理を完了させる。たとえば、メチルアルコール中で攪拌を行った後、重炭酸ナトリウムなどの塩基で中和する。次いで、当業者に周知の方法によって有機相を抽出および精製して中間生成物(8a)を得る。この中間体は、要すれば単離してもよく、あるいはそのまま次工程に用いてもよい。生成物(8a)をN,N−ジメチルホルムアミドまたは他の適当な溶媒、すなわちTHFに溶解し、次いで、わずかに過剰の炭酸セシウム((8)に基いて約1〜1.5モル当量)または他の弱塩基およびブロモ酢酸メチルを加えて、化合物(9)を得る。化合物(9)は、室温にて約1〜30時間後に得られるが、約1〜6時間後が好ましい。水性抽出およびクロマトグラフィーによって、化合物(9)を単離する。
【0054】
塩化メチレンなどの適当な溶媒中、式(9)で示される化合物を約0〜10℃にて約1〜4時間(約1〜2時間が好ましい)、塩化オキサリルと反応させる。次いで、これをアンモニア(アンモニアで飽和したTHF溶液)と反応させて、式(10)で示される化合物を得る。
【0055】
水酸化カリウムまたはリチウムなどで鹸化生成物(10)または他の塩基性化反応生成物を酸性化させることによって、必要に応じて遊離酸(11)を得る。大部分の無機強酸が、上述の酸性化に適している。しかし、希HClの使用が好ましい。もし可溶性であれば、有機相に遊離酸(11)を抽出し、通例の実験法により乾燥するか、または水性相から水を除去することにより乾燥してもよい。別法として、鹸化反応生成物((10)と水酸化ナトリウムの反応)(これは、それ自体が本発明の化合物である)を単離してもよい。
【0056】
4位におけるアシルアミノ酸基またはN−ヒドロキシ官能性アミド基誘導体への3−グリオキシルアミド中間体の変換を、たとえば下記反応工程式1aに示す。
反応工程式1a
【化49】
Figure 2004520363
反応工程式1aにしたがって、当業者に周知または一般的参考テキストに見出される手順によって、オキシ酢酸エステル(10)を遊離酸(11)またはエステルもしくはアミドなどの誘導体へ変換することができる。たとえば、J.MarchによるAdvanced Organic Chemistry, Wiley Interscience publishers, ニューヨーク, 1985; および R. C. LarockによるComprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, ニューヨーク, N. Y., 198)を参照。
【0057】
酸末端を保護したアミノ酸(文献において知られる保護基を用いるが、メチルエステルが好ましい)との塩基触媒縮合により、酸(11)を4位にて官能性をもたせ、アシルアミノ酸誘導体(12)にする。該反応は、カップリング試薬(たとえば、HOBT/EDCI、BOP/コリジン)または他のアミド結合形成カップリング試薬を用いて達成される。
【0058】
N−ヒドロキシ官能性アミド基は、たとえば、ヒドロキシルアミン塩酸塩または置換ヒドロキシルアミン塩酸塩などとの反応により、酸(11)またはその酸塩を経て導入し、式(13)で示されるN−ヒドロキシ官能性アミド化合物を得てもよい。たとえば、過剰の2,4,6−コリジン(コリジン)およびベンゾトリアゾール−1−イル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスホネート(カップリング触媒、Tetrahedron Lett., 1219 (1975)参照)の存在下で、周囲温度にて、式(11)の酸化合物をο−(tert−ブチルジメチルシリル)ヒドロキシルアミンと反応させて、約1〜10時間後にο−(tert−ブチルジメチルシリル)置換N−ヒドロキシ官能性アミド誘導体(表示せず)を得る。シリルまたは他の保護基は、周知の方法、たとえばトリフルオロ酢酸の使用により除去し、N−ヒドロキシ官能性アミド化合物(13)(ここでR4aはヒドロキシであり、R4bは水素である)を得る。
【0059】
代表的には、縮合またはカップリングはジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランまたは水性混合物などの溶媒中で行う。一般に、プロトン性溶媒が本発明の目的にとって好ましい。反応は、たとえば、弱有機または無機塩基などの塩基によって触媒される。コリジンなどの有機の塩基が好ましい。また反応は、ヒドロキシ官能性アミド、置換ヒドロキシルアミンまたはその誘導体のラセミ化を妨害するまたは減少させる試薬の存在下で行うのが好ましい。特に好ましい試薬は、ベンゾトリアゾリル−N−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートである。反応が完了したら、混合物を減圧濃縮する。得られる生成物混合物をクロマトグラフィーに付すか、またはたとえば音波処理により結晶化して、目的化合物を得る。
【0060】
以下の反応工程式2に示すように、ベンズ[g]インドール−3−アセトアミド sPLA2インヒビター誘導体である化合物(8)は、n−ブチルリチウムなどの有機リチウム試薬で、化合物(8)の3位におけるリチウム化を行い、次いで、リチウム化された中間体を酸化エチレンなどで処理して反応を停止し、加水分解を行うことによって、最終アルコール誘導体(14)を得る。
【0061】
反応工程式2
【化50】
Figure 2004520363
得られるアルコール中間体(14)(これは、それ自体が本発明の化合物である)を、酸化反応によって酸に変換したり、またはさらにエステル(15)ヘ変換することができる。中間体の酸を介する、アルコール中間体(14)からエステル化合物への変換は、たとえば緩衝化したt−ブタノール中で過塩素酸ナトリウムを用いてアルコールを酸化し、続いて初期の酸からエステル(15)ヘのエステル化によって達成することができる。これらの変換の方法は当業者にとって周知であり、先述した一般的な参考テキストにおいて見出すことができる。エステル(15)を、アセトアミド誘導体(16)または他の置換アセトアミド化合物に変換することができる。たとえば、ベンゼンもしくは他の適当な溶媒または溶媒混合液中で酢酸メチル(15)をメチルクロロアルミニウムアミドと反応させることにより、アセトアミド(化合物16)を得る(LevinJ. I.; Turos, E.;Weinreb, S. M.によるAn alternative procedure for the aluminium-mediated conversion of esters to amides. Syn. Comm., 1982, 12, 989-993を参照)。
【0062】
同様に、N−置換メチルクロロアルミニウムアミドを使用することにより、対応する置換アセトアミド(上記のWeinrebの文献を参照)を得る。別法として、最終アルコール(15)を、酸(アルコール酸化生成物)を介して、酸ハライド(すなわち、塩化物)に変換することができる。次いで、酸ハライドをアンモニア化して、使用したアミンに応じたアセトアミドまたは置換アセトアミドを形成する。
【0063】
グリオキシルアミド化合物(反応工程式1a)について前述したように、上記の3−置換ベンズ[g]インドールアセトアミド化合物は、対応する4−置換N−ヒドロキシ官能性アミド(19)または4−置換アシルアミノ酸化合物(20)に変換することができる。たとえば、化合物(16)の4位におけるメトキシ基を前述のように脱メチル化し、DMF中でブロモメチル酢酸塩および炭酸セシウムと反応させて、4位におけるオキシ酢酸エステル基を形成してもよい(化合物(17))。さらに、(17)のオキシ酢酸エステル基を酸(18)にする。前述したように、酸(18)をN−ヒドロキシ官能性アミド基またはN−アシルアミノ酸基に変換する。
【0064】
本発明の置換ベンズ[g]インドール−3−オキシムアミド化合物は、以下の反応工程式3に示す手順にしたがって製造することができる。
反応工程式3
【化51】
Figure 2004520363
オキシム官能基を導入するために、式(10)の化合物を、たとえばTHF/メタノール混合液中で約1〜8時間または該反応が十分に完了したと考えるまで、ヒドロキシルアミン・塩酸塩(RがHである場合)と一緒に加熱する。本発明の化合物である反応生成物化合物(21)は、クロマトグラフィー法または他の周知の実験室方法によって単離する。置換されたオキシム(たとえば、Rはメチル、エチル、フェニルまたは他の非妨害性置換基である)は、上記の通り、対応する置換されたヒドロキシルアミン・塩酸塩または遊離の塩基をグリオキシルアミド(たとえば、化合物10)と反応させることによって製造することができる。
【0065】
同様に、酸化合物(11)のエステル(すなわち、メチルエステル)またはその酸塩を、上記の方法によって対応するオキシムまたは3位で置換されたオキシム官能基に変換することができる。たとえば化合物(21)において、置換ベンズ[g]インドール核の4位でのエステル官能基は、水酸化リチウムまたは他の周知のエステル加水分解法を用いた加水分解反応によって酸に変換することができ、式(22)で示される化合物を得ることができる。たとえば、J. MarchによるAdvanced Organic Chemistry, Wiley Interscience publishers, ニューヨーク, 1985; および R. C. LarockによるComprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, ニューヨーク, N. Y., 1989を参照。
【0066】
その上、上記の通り製造したオキシム化合物は、4位の遊離酸、エステルまたは酸塩の官能基を介して、4位でN−ヒドロキシ官能性アミドに変換することができる。たとえば、反応工程式3は、遊離酸化合物(22)のN−ヒドロキシアミド官能性アミド化合物(23)への変換を示す。
同様に、化合物(22)およびその類縁体を、上記の方法によってアシルアミノ酸化合物(24)および対応する同族体ヘ変換することができる。
【0067】
IV.本発明化合物の使用法:
本明細書に記載するベンズ[g]インドール化合物は、主に哺乳動物(ヒトを含む)sPLAの直接的な阻害によって、および、アラキドン酸に対する拮抗薬としておよびアラキドン酸カスケード(たとえば、5−リポキシゲナーゼ、シクロオキシゲナーゼなど)におけるアラキドン酸の下流の他の活性薬物として作用しないことによって、それらの有利な治療的な作用を与えると考える。
【0068】
sPLA媒介性の脂肪酸の遊離を阻害するための本発明の方法は、哺乳動物のsPLAを、治療有効量の本明細書に記載の式(I)または(II)または(III)または(IV)に対応するベンズ[g]インドール化合物(これは、その塩またはプロドラッグ誘導体を含む)と接触させることを含む。
【0069】
本発明の別の態様は、炎症性疾患(たとえば、炎症性腸疾患、敗血症性ショック、成人呼吸窮迫症候群、膵炎、外傷、喘息、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、慢性関節リウマチ、骨関節炎ならびに関連疾患を治療するための方法であって、哺乳動物(ヒトを含む)に治療有効量の本発明のベンズ[g]インドール化合物を投与することを含む。
【0070】
上記の通り、本発明化合物は、アラキドン酸などのsPLA媒介性の脂肪酸の遊離を阻害するのに有用である。用語「阻害すること」とは、本発明の化合物によって、sPLA開始性の脂肪酸の遊離の防止または治療的に有意な低下を意味する。用語「医薬的に許容しうる」とは、担体、希釈剤または賦形剤が、製剤中の他の成分と適合可能でなければならず、レシピエントにとって有害でないことを意味する。
【0071】
当然に、治療または予防効果を得るために本発明に従って投与する化合物の具体的な用量は、特定の周囲の環境(たとえば、投与する化合物、投与経路および治療中の病気を含む)によって決定されるであろう。典型的な用量は、本発明の活性化合物の約0.01mg/体重kg〜約50mg/体重kgである非毒性の用量レベルを含むであろう。
【0072】
式(I)または(II)または(III)または(IV)で示される本発明の化合物またはこれらの化合物を含有する医薬製剤は、哺乳動物に投与するための単位用量剤形であることが好ましい。単位用量剤形は、1つのカプセル剤または錠剤のそのものであるか、またはこれらのいずれかの適当な数であることが可能である。単位用量の組成物における有効成分の量は、関与している特定の治療に従って、約0.1〜約1000mg以上にまで変えたり、または調節することができる。当然のことながら、患者の年齢および症状に応じて、用量について日常的変更を行うことが必要である。用量はまた、投与の経路にも従属する。
【0073】
化合物は、経口、エアロゾル、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内および鼻腔内などの様々な経路によって投与することができる。
本発明の医薬製剤は、治療有効量の本発明のベンズ[g]インドール化合物を医薬的に許容しうる担体または希釈剤と一緒に組み合わせる(たとえば、混合する)ことによって製造する。本発明の医薬製剤は、周知であり、容易に入手することができる成分を用いる周知の方法によって製造される。
【0074】
本発明の組成物を製造する場合に、有効成分は通常、担体と混合するか、担体によって希釈するか、またはカプセル、サシェ、紙もしくは他の素材の容器の形態である担体に封入する。担体が希釈剤となる場合には、そのものは固体、半固体もしくは液体(これは、ビヒクルとなる)であったり、または錠剤、丸剤、散剤、トローチ剤、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアロゾル剤(これは、固体として、あるいは液体媒質中で)もしくは軟膏(たとえば、活性化合物の10重量%までを含有する)の形態をとる。本発明の化合物は、投与前に製剤化されることが好ましい。
【0075】
医薬製剤について、当業界で知られるいずれかの適当な担体を使用することができる。このような製剤において、担体は固体、液体、または固体と液体の混合物である。たとえば、静脈内注射の場合には、本発明化合物を4%デキストロース/0.5%クエン酸ナトリウム水溶液中で濃度が2mg/mLで溶解することができる。固体剤形の製剤としては、散剤、錠剤およびカプセル剤を含む。固体の担体は、芳香剤、滑沢剤、可溶化剤、懸濁化剤、結合剤、錠剤崩壊剤およびカプセル化物質としても働く1つ以上の物質である。
【0076】
経口投与のための錠剤は、適当な賦形剤(たとえば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム)を崩壊剤(たとえば、トウモロコシ、デンプンまたはアルギン酸)および/または結合剤(たとえば、ゼラチンまたはアカシア)および滑沢剤(たとえば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルク)と一緒に含む。経口投与用の好ましい錠剤製剤は、それらを必要とする患者の口中で迅速に溶解する製剤である。
【0077】
散剤では、担体は細かく分割した固体であって、細かく分割した有効成分と混合される。錠剤では、有効成分を必要な結合性質を有する担体と適当な比率で混合して、所望する形およびサイズに打錠する。散剤および錠剤は、約1〜約99重量%の本発明の新規な化合物である有効成分のを含むのが好ましい。適当な固体担体としては、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖質ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、低融点ワックスおよびカカオバターが挙げられる。
【0078】
減菌した液体剤形の製剤としては、懸濁剤、乳剤、シロップ剤およびエリキシル剤が挙げられる。
有効成分を、医薬的に許容しうる担体(たとえば、減菌水もしくは減菌有機溶媒またはその両方の混合液)に溶解したり、または懸濁することができる。有効成分はまた、適当な有機溶媒(たとえば、プロピレングリコール水溶液)に溶解することができることが多い。他の組成物は、デンプン水溶液、カルボキシメチルセルロース溶液または適当な油に、細かく分割した有効成分を分散させることによって製造することができる。
【0079】
以下の医薬製剤例1〜8は単なる例示であって、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。「有効成分」とは、式(I)または(II)または(III)または(IV)に記載の化合物、またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを意味する。
【0080】
製剤例1
硬カプセル剤は、以下の成分を用いて製造する。
【表1】
Figure 2004520363
【0081】
製剤例2
錠剤は、以下の成分を用いて製造する。
【表2】
Figure 2004520363
【0082】
成分を混合し、圧縮して各々、665mg重量の錠剤を得る。
【0083】
製剤例3
以下の成分を含有するエアロゾル液剤を製造する。
【表3】
Figure 2004520363
【0084】
活性化合物をエタノールと混合し、混合物をプロペラント22の一部に加え、−30℃まで冷却して充填装置に移す。次いで、必要な量をステンレス鋼の容器に入れ、残りのプロペラントを用いて希釈する。次いで、バルブユニットを容器に備える。
【0085】
製剤例4
各々有効成分の60mgを含有する錠剤を以下の通り製造する。
【表4】
Figure 2004520363
【0086】
有効成分、デンプンおよびセルロースを45番メッシュのU.S.ふるいを通して濾過して、十分に混合する。ポリビニルピロリドンを含有する水溶液を得られた粉末と混合し、次いで混合物を14番メッシュのU.S.ふるいを通して濾過する。得られた顆粒を50℃で乾燥し、18番メッシュのU.S.ふるいを通して濾過する。次いで、予め60番メッシュのU.S.ふるいを通して濾過したカルボキシメチルデンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを顆粒に加え、混合し、錠剤機を用いて圧縮して各々150mg重量の錠剤を得る。
【0087】
製剤例5
各々有効成分の80mgを含有するカプセル剤を以下の通り、製造する。
【表5】
Figure 2004520363
【0088】
予め45番メッシュのU,S.ふるいを通して濾過した有効成分、セルロースおよびステアリン酸マグネシウムを混合し、このものを200mg量の硬カプセルに充填する。
【0089】
製剤例6
各々、有効成分の225mgを含有する坐剤を以下の通り製造する。
【表6】
Figure 2004520363
【0090】
有効成分を60番メッシュのU.S.ふるいを通して濾過し、このものを必要な最少量の熱を用いて予め融解した飽和脂肪酸グリセリドに懸濁する。次いで、混合物を名目上2g容量の坐剤の型に注ぎ、冷却する。
【0091】
製剤例7
5mLの用量当たり、各々有効成分の50mgを含有する懸濁剤を、以下の通り製造する。
【表7】
Figure 2004520363
【0092】
有効成分を予め45番メッシュのU.S.ふるいを通して濾過し、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびシロップと混合して、滑らかなペーストを得る。安息香酸溶液、香料および着色剤を一部の水を用いて希釈し、撹拌しながら加える。次いで、十分な量の水を加えて、必要な量を得る。
【0093】
製剤例8
静脈用製剤を、以下の通り製造することができる。
【表8】
Figure 2004520363
上記の成分の溶液は通常、毎分1mLの速度で被験者に静脈内投与する。
【0094】
アッセイ
以下の色素生産性アッセイ法は、組換えヒト分泌型ホスホリパーゼAのインヒビターを同定し、および評価するのに使用した。本明細書に記載のアッセイは、96ウェルプレートを用いる大容量のスクリーニングに適用されている。このアッセイ法についての一般的な記載は、文献:「Analysis of Human Synovial Fluid Phospholipase A2 on Short Chain Phosphatidylcholine-Mixed Micelles : Development of a Spectrophotometric Assay Suitable for a Microtiterplate Reader」,Laure J. Reynolds, Lori L. HughesおよびEdward A Dennisによる Analytical Biochemistry, 204, 190-197頁, 1992(これは、本明細書の一部を構成する)に見出される。
【0095】
試薬:
反応緩衝液
CaCl・2HO (1.47g/L)
KCl (7.455g/L)
ウシ血清アルブミン(脂肪酸なし) (1g/L)
(シグマA−7030、シグマ(Sigma Chemical Co.)
(セントルイスMO、米国)社の製品)
トリスHCl (3.94g/L)
pH 7.5(NaOHを用いて調節)
【0096】
酵素緩衝液
0.05 NaOAc・3HO、pH 4.5
0.2 HCl
酢酸を用いてpHを4.5に調節する。
DTNB − 5,5’−ジチオビス−2−ニトロ安息香酸
【0097】
ラセミのジヘプタノイルチオ−PC
ラセミの1,2−ビス(ヘプタノイルチオ)−1,2−ビス−ジデオキシ−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン
トリトンX−100(登録商標)(10μMと等しい反応緩衝液中で6.249mg/mLで製造する)
【0098】
反応混合物
濃度100mg/mLでクロロホルム中に供給された、測定された量のラセミのジヘプタノイルチオPCを乾固して、10ミルモルのトリトンX−100(登録商標)非イオン性界面活性剤水溶液に再溶解する。反応緩衝液を溶液に加え、次いで、DTNBを加えて、反応混合物を得る。
このようにして得られた反応混合物は、pH7.5の緩衝水溶液中に、1mMのジヘプタノイルチオ−PC基質、0.29nmのトリトンX−100(登録商標)界面活性剤および0.12mmのDTMBを含む。
【0099】
アッセイ手順:
1.全てのウェルに反応混合物0.2mLを加える。
2.適当なウェルに、試験化合物(または溶媒ブランク)10μLを加えて、20秒間混合する。
3.sPLA50ナノグラム(10μL)を適当なウェルに加える。
4.40℃にて30分間、プレートをインキュベートする。
5.自動プレート読み取り機を用いて405nmにおけるウェルの吸光度を読み取る。
【0100】
試験を3回行った。代表的には、化合物を最終濃度5μg/mLで試験した。405nmで測定したときに、阻害されていないコントロール反応液と比較して40%以上の阻害を示した場合に、化合物は活性であるとみなした。405nmにおける着色の発生の消失は、阻害の証拠となる。活性であると最初に分かった化合物について再度アッセイして、それらの活性を確認した。十分に活性である場合には、IC50値を測定した。代表的には、IC50値(たとえば、下記表Iを参照)は、反応液中の最終濃度が45μg/mL〜0.35μg/mLの範囲となるように試験化合物を連続的に2倍に希釈することによって測定した。より強いインヒビターは、より大きい希釈を有意に必要とした。全ての場合において、阻害されていないコントロール反応液と比較して、インヒビターを含有する酵素反応液によって得られる405nmで測定した阻害%を測定した。各々の試料を3回滴定し、結果の値をプロット作成およびIC50値の算出のために平均化した。IC50値は、ログ濃度と10〜90%阻害の範囲の阻害値とをプロットすることによって決定した。
【0101】
結果
【表9】
Figure 2004520363
【0102】
本発明は、ある特定の実施態様によって上記に例示するが、これらの特定の実施例は特許請求の範囲に記載する通り、本発明の範囲を限定すると意図するものではない。
【0103】
実験
以下に記載の実施例の生成物、ならびに以下の方法で使用した中間体は、全て、満足の行くNMRおよびIRスペクトルを示した。また、これらは正確な質量スペクトル値を有していた。
【実施例】
【0104】
実施例1.2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−エチル−1−ベンジル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸メチルエステル・ヘミ水和物
【化52】
Figure 2004520363
A.2−カルボメトキシ−3−メトキシナフタレンの製造
2−カルボメトキシ−3−ヒドロキシナフタレン(72.0 g, 0.356 mol)、炭酸セシウム(138 g, 0.713 mol)およびヨードメタン(126 g, 0.890 mol)の混合物を24時間還流する。追加のヨードメタン(80.0 g, 0.565 mol)を加え、混合物を8時間還流し、次いで、室温にて56時間攪拌する。混合物を水で希釈し、ジエチルエーテルで抽出する。有機層を乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮して、70 g(91%)の標記生成物をコハク色油状物で得る。1H NMR(CDCl3) TM8.30(s, 1H), 7.82(d, J=7 Hz, 1H), 7.74(d, J=7 Hz, 1H), 7.50(t, J=7 Hz, 1H), 7.37(t, J=7 Hz, 1H), 7.20(s, 1H), 3.98(s, 3H), 3.95(s, 3H)。
【0105】
【化53】
Figure 2004520363
B.2−ヒドロキシメチル−3−メトキシナフタレンの製造
0 ℃に冷却したテトラヒドロフラン(150 mL)中の水素化リチウムアルミニウム(13.5 g, 0.356 mol)の懸濁液に、テトラヒドロフラン(300 mL)中の2−カルボメトキシ−3−メトキシナフタレン(70.0 g, 0.324 mol)の溶液を30分間にわたって滴下する。混合物を室温にて3時間攪拌し、ヘキサンで希釈し、反応物に5 N 水性水酸化ナトリウム溶液(13 mL)を注意深く加えて反応を停止する。次いで、得られる混合物を2時間攪拌し、濾過する。濾液を乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮して、56.8 g(93%)の標記化合物を濃厚なコハク色油状物で得る。1H NMR(CDCl3) TM7.73(m、3H)、δ7.46(t、J=6.7 Hz、1H)、7.36(t、J=7.8 Hz、1H)、7.12(s、1H)、4.83(s、2H)、3.94(s、3H)、2.56(s、1H、−OH)。
【0106】
【化54】
Figure 2004520363
C.3−メトキシ−2−ナフトアルデヒドの製造
塩化メチレン中の2−ヒドロキシメチル−3−メトキシナフタレン(34.0 g、0.181 mol)および4−メチルモルホリン N−オキシド(23.1 g、0.199 mol)の溶液を0 ℃に冷却する。過ルテニウム酸テトラヒドロプロピルアンモニウム(1.27 g、3.62 mmol)を加え、フラスコの頂部に還流冷却器を取り付ける。冷却浴を取り外し、15分以内に混合物の還流を開始する。室温まで冷却後、混合物さらに2時間を攪拌する。混合物をシリカゲル(およそ500 cm3)で濾過し、次いで、エーテルで繰り返し洗浄する。合わせた濾液を減圧濃縮して、31.1 g(92%)の標記化合物を明黄褐色固体で得る。1H NMR(CDCl3) TM10.55(s、1H)、8.33(s、1H)、7.88(d、J=8 Hz、1H)、7.74(d、J=8 Hz、1H)、7.53(t、J=8 Hz、1H)、7.38(t、J=8 Hz、1H)、7.17(s、1H)、4.02(s、3H)。
【0107】
【化55】
Figure 2004520363
D.3−(3−メトキシナフト−2−イル)−2−アジド−2−プロピオン酸エチルエステルの製造
−20 ℃に冷却した無水エタノール(300 mL)中のナトリウム(3.1 g、0.14 mol)の溶液に、エーテル中の3−メトキシ−2−ナフトアルデヒド(22.6 g、0.121 mol)およびアジド酢酸エチル(43.0 g、0.333 mol)の溶液を、温度を−20 ℃以下に維持しながら加える。混合物を注意深く10 ℃まで温めるとガスの発生が観察される。混合物を20 ℃以下の温度にて4時間攪拌する。混合物を室温まで温め、18時間攪拌する。混合物に水(1000 mL)を加えると黄色沈澱が得られる。吸引濾過により回収して、27.1 g(75%)の標記生成物(構造化学は未知)を得、これをヘキサンから再結晶する:mp 95−97 ℃(分解)。1H NMR(CDCl3) TM8.68(s、1 H)、7.80(d、J=8 Hz、1H)、7.69(d、J=8 Hz、1 H)、7.42(t、J=7 Hz、1H)、7.35(t、J=7 Hz、1H)、7.10(s、1H)、4.39(q、J=7 Hz、2H)、3.95(s、3H)、1.40(t、J=7 Hz、3H);MS FD+ m/e 297(p)。
元素分析:計算値:C16H15N3O3:C、64.64;H、5.09;N、14.13;実測値:C、64.75;H、5.24;N、14.05。
【0108】
【化56】
Figure 2004520363
E.2−カルボエトキシ−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
トルエン(300 mL)中の3−(3−メトキシナフト−2−イル)−2−アジド−2−プロピオン酸エチルエステル(12.0 g、40.4 mmol)の溶液を3時間還流する。溶液を室温まで冷却し、得られる沈澱を吸引濾過により集め、ヘキサンで洗浄して、8.9 g(82%)の標記化合物を結晶固体で得、これを酢酸エチル/ヘキサンから再結晶する:mp 217−219 ℃。1H NMR(DMSO−d6) TM12.79(bs、1H、−NH)、8.64(d、J=8 Hz、1H)、7.82(d、J=8 Hz、1H)、7.45(t、J=7 Hz、1H)、7.37(t、J=8 Hz、1H)、7.22(s、1H)、6.88(s、1H)、4.37(q、J=7 Hz、2H)、3.98(s、3H)、1.35(t、J=7 Hz、3H);MS ES+ m/e 270(p+1);IR(CHCl3、cm 1) 1689、1517、1313、1264。
元素分析:計算値:C16H15NO3:C、71.36;H、5.61;N、5.20;実測値:C、71.11;H、5.50;N、5.25。
【0109】
【化57】
Figure 2004520363
F.1−ベンジル−2−カルボエトキシ−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
N,N−ジメチルホルムアミド(10 mL)中の60%水素化ナトリウム/鉱物油(0.18 g、予めヘキサンで洗浄する)の懸濁液に、2−カルボエトキシ−4−メトキシベンズ[g]インドール(1.00 g、3.71 mmol)および臭化ベンジル(0.51 mL、4.3 mmol)を加える。得られる混合物を室温にて18時間攪拌する。追加の少量の60%水素化ナトリウム懸濁液および臭化ベンジルを加え、得られる混合物を〜40 ℃にて4時間加熱する。水を加え、得られる沈澱を吸引濾過により集める。この物質を再結晶(酢酸エチル/ヘキサン)に付し、0.20 gの標記化合物を得る。母液を減圧濃縮する。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、10%酢酸エチル/90%ヘキサン)に付し、追加の0.41 g(46%total)の標記化合物を黄色固体で得る:mp 171−173 ℃。1H NMR(CDCl3) TM8.07(d、J=8.4 Hz、1H)、7.79(J=7.3 Hz、1H)、7.72(s、1H)、7.39(t、J=7.0 Hz、1H)、7.15−7.35(m、4H)、7.11(d、J=7.0 Hz、2H)、6.78(s、1H)、6.34(bs、2H)、4.33(q、J=7.3 Hz、2H)、4.07(s、3H)、1.37(t、J=7.3 Hz、3H);MS ES+ m/e 360(p+1);IR(CHCl3、cm 1) 1701、1499、1430。
元素分析:計算値:C23H21NO3:C、76.86;H、5.89;N、3.90;実測値:C、76.66;H、5.69;N、3.94。
【0110】
【化58】
Figure 2004520363
G.1−ベンジル−2−カルボキシ−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
水(20 mL)、メタノール(5 mL)およびテトラヒドロフラン(15 mL)中の1−ベンジル−2−カルボエトキシ−4−メトキシベンズ[g]インドール(0.81 g、2.3 mmol)の溶液を水酸化ナトリウム(0.67 g、17 mmol)で室温にて64時間処理する。混合物を濾過し、減圧濃縮する。残渣を水でスラリー化し、濃塩酸で酸性化し、得られる沈澱を吸引濾過により集める。固体を水で洗浄し、乾燥して、0.47 g(63%)の標記化合物をベージュ色固体で得る:mp 257−259 ℃(分解)。1H NMR(DMSO−d6) TM12.92(bs、1H)、8.10(d、J=8.4 Hz、1H)、7.84(d、J=7.0 Hz、1H)、7.51(s、1H)、7.37(t、J=7.7 Hz、1H)、7.25(m、2H)、7.20(m、2H)、6.96(d、J=8.8 Hz、2H)、6.96(s、1H)、6.42(bs、2H)、4.01(s、3H);MS ES+ m/e 332(p+1)。
元素分析:計算値:C21H17NO3:C、76.12;H、5.17;N、4.23;実測値:C、75.80;H、5.19;N、4.06。
【0111】
【化59】
Figure 2004520363
H.2−アセチル−1−ベンジル−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
無水テトラヒドロフラン(30 mL)中の1−ベンジル−2−カルボキシ−4−メトキシベンズ[g]インドール(3.00 g、9.05 mmol)の溶液を1.4 M メチルリチウムエーテル(31.1 mL、43.5 mmol)で室温にて滴下処理する。18時間攪拌した後、混合物に飽和塩化アンモニウム溶液を加え、水性塩酸で酸性化する。混合物をエーテルで3回抽出する。合わせたエーテル抽出物を水で1回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮しする。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、10%酢酸エチル/90%ヘキサン)に付し、0.74 g(25%)の標記化合物を白色結晶固体で得る:mp 189−191 ℃。1H NMR(CDCl3) TM8.09(d、J=8 Hz、1H)、7.77(d、J=8 Hz、1H)、7.67(s、1H)、7.38(t、J=7 Hz、1H)、7.30−7.15(m、4H)、7.07(d、J=8 Hz、2H)、6.78(s、1 H)、6.35(bs、2H)、4.08(s、3H)、2.63(s、3H);MS ES+ m/e 330(p+1);IR(CHCl3、cm 1) 1657、1429。
元素分析:計算値:C22H19NO2:C、80.22;H、5.81;N、4.25;実測値:C、80.22;H、5.77;N、4.28。
【0112】
【化60】
Figure 2004520363
I.1−ベンジル−2−エチル−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
1:1=酢酸エチル/エタノール(50 mL)中の2−アセチル−1−ベンジル−4−メトキシベンズ[g]インドール(0.70 g、2.1 mmol)および10%パラジウム/炭素(300 mg)の混合物を室温にて40 psi 圧で18時間水素添加する。クロロホルム(3 mL)を加え、さらに混合物を18時間水素添加する。混合物をセライト(登録商標)で濾過し、酢酸エチルで完全に洗浄する。合わせた洗液を減圧濃縮して、0.47 g(70%)の標記化合物をオフホワイト固体で得る。1H NMR(CDCl3) TM7.95(d、J=8 Hz、1H)、7.79(d、J=8 Hz、1H)、7.25(m、4H)、7.15(t、J=7 Hz、1H)、7.05(d、J=8 Hz、2H)、6.82(s、1H)、6.67(s、1H)、5.78(s、2H)、 4.08(s、3H)、2.76(q、J=7 Hz、2H)、1.37(t、J=7 Hz、3H);MS ES+ m/e 315(p+1);IR(CHCl3、cm 1) 3008、1531、1470。
元素分析:計算値:C22H21NO:C、83.78;H、6.71;N、4.44;実測値:C、83.61;H、6.54;N、4.38。
【0113】
【化61】
Figure 2004520363
J.2−[(2−エチル−1−ベンジル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル)オキシ]酢酸メチルエステルの製造
クロロホルム(8 mL)中の1−ベンジル−2−エチル−4−メトキシベンズ[g]インドール(0.43 g、1.4 mmol)の溶液を0 ℃に冷却し、三臭化ホウ素(0.36 mL、3.8 mmol)で処理する。混合物を2時間にわたって室温まで温め、水を加える。混合物を新鮮なクロロホルムで抽出する。合わせたクロロホルム抽出物を水で1回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮して、濃い色付きの固体を得る。この物質をN,N−ジメチルホルムアミド(8 mL)中の炭酸セシウム(0.77 g、2.4 mmol)の懸濁液に加え、ブロモ酢酸メチル(0.23 mL、2.4 mmol)で室温にて2時間処理する。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで2回抽出する。合わせた酢酸エチル画分を水で3回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄する。得られる溶液を乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮して、赤色固体を得る。クロマトグラフィー(シリカゲル、20%酢酸エチル/80%ヘキサン)により、376 mg(74%)の標記化合物を白色固体で得る:mp 165−167 ℃。1H NMR(CDCl3) TM7.95(d、J=8.4 Hz、1H)、7.75(d、J=8.1 Hz、1H)、7.28(m、4H)、7.16(t、J=7.0 Hz、1H)、7.05(d、6.6 Hz、2H)、6.74(s、1H)、6.69(s、1H)、5.77(s、2H)、4.91(s、2H)、3.85(s、3H)、2.76(q、J=8.4 Hz、2H)、1.38(t、J=7.3 Hz、3H);MS ES+ m/e 374(p+1)。
元素分析:計算値:C24H23NO3:C、77.19;H、6.21;N、3.75;実測値:C、77.32;H、6.02;N、3.80。
【0114】
【化62】
Figure 2004520363
K.2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−エチル−1−ベンジル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸メチルエステル・ヘミ水和物の製造
テトラヒドロフラン(10 mL)中の2−[(2−エチル−1−ベンジル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル)オキシ]酢酸メチルエステル(0.35 g、0.94 mmol)の溶液を0 ℃に冷却し、塩化オキサリル(0.41 mL、4.7 mmol)で処理する。混合物を1時間攪拌し、減圧濃縮し、最小量のテトラヒドロフランに溶解し、0.5 M アンモニア/ジオキサン(20 mL)で室温にて処理する。1時間攪拌した後、混合物を減圧濃縮し、酢酸エチルに溶解し、水で1回洗浄する。有機層を乾燥し、濾過し、減圧濃縮して、粗生成物を得る。クロマトグラフィー(シリカゲル、65%酢酸エチル/35%ヘキサンに次いで20%メタノール/80%クロロホルム)により、18 mg(4%)の標記生成物を結晶固体で得る:mp 165−167 ℃。1H NMR(CDCl3) TM7.90(d、J=8.6 Hz、1H)、7.74(d、J=8.3 Hz、1H)、7.28(m、4H)、7.16(t、J=6.7 Hz、1H)、7.09(d、J=6.6 Hz、2H)、6.79(s、1H)、6.65(bs、1H、−NH)、5.82(s、2H)、5.50(bs、1H、−NH)、4.83(s、2H)、3.79(s、3H)、2.92(q、J=7.5 Hz、2H)、1.22(t、J=7.6 Hz、3H);MS ES+ m/e 445(p+1)。
元素分析:計算値:C26H24N2O5 .1/2 H2O:C、68.86;H、5.56;N、6.18;実測値:C、69.09;H、5.51;N、6.14。
【0115】
実施例2.2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−エチル−1−ベンジル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸
【化63】
Figure 2004520363
2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−エチル−1−ベンジル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸の製造
1 M水性水酸化リチウム溶液(2 mL)およびメタノール(1 mL)中の2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−エチル−1−ベンジル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸メチルエステル・ヘミ水和物(8 mg、0.022 mmol)の混合物を40 ℃にて2時間、室温にて18時間攪拌する。混合物を減圧濃縮し、水性塩酸で酸性化する。得られる沈澱を吸引濾過により集める、水で洗浄し、乾燥して、4.0 mg(53%)の標記生成物を黄色固体で得る。1H NMR(DMSO−d6) TM8.18(bs、1H、−NH)、8.03(d、J=9 Hz、1H)、7.81(d、J=8 Hz、1H)、7.48(bs、1H、−NH)、7.32(m、4H)、7.18(t、J=7 Hz、1H)、7.06(d、J=7 Hz、2H)、6.90(s、1H)、 5.82(s、2H)、4.65(s、2H)、2.93(q、J=8 Hz、2H)、1.15(t、J=8 Hz、3H);TOF MS ES+ 正確な質量:計算値:C25H23N2O5(p + 1):m/z=431.1607;実測値:431.1587。
【0116】
1−ベンジル−2−エチル−4−メトキシベンズ[g]インドール中間体の別の合成
【化64】
Figure 2004520363
A.2−カルボキシ−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
2−カルボエトキシ−4−メトキシベンズ[g]インドール(11.4 g、42.3 mmol)、メタノール(100 mL)および1 M水性水酸化リチウム溶液(130 mL)の混合物を50 ℃にて18時間、次いで、4時間加熱還流する。まだ温かいうちに混合物を濾過し、濾液を室温にて18時間静置する。スラリーを水性塩酸で酸性化し、得られる沈澱を吸引濾過により集、8.7 g(96%)の標記生成物を白色固体で得、これをメタノール/水から再結晶する:mp 262−264 ℃(分解)。1H NMR(DMSO−d6) TM12.89(bs、1H)、12.73(bs、1H)、8.67(d、J=8 Hz、1H)、7.80(d、J=8 Hz、1H)、7.43(t、J=8 Hz、12H)、7.37(t、J=8 Hz、1H)、7.22(d、J=1 Hz、1H)、6.85(s、1H)、3.97(s、3H);13C NMR(DMSO−d6) TM162.46、152.37、134.09、132.92、127.20、126.58、125.55、123.25、122.17、118.68、117.26、106.24、97.21、55.08; MS ES+ m/e 242(p+1);IR(KBr、cm 1) 3453、1665、1527、1279。
元素分析:計算値:C14H11NO3:C、69.70;H、4.60;N、5.81;実測値:C、69.53;H、4.70;N、5.86。
【0117】
【化65】
Figure 2004520363
B.2−アセチル−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
テトラヒドロフラン(3 mL)中の2−カルボキシ−4−メトキシベンズ[g]インドール(0.24 g、1.0 mmol)の溶液を1.4 M メチルリチウムエーテル(5.0 mL、7.0 mmol)で室温にて処理する。1時間攪拌した後、追加の1.4 M メチルリチウムエーテル(1.4 mL、2.0 mmol)を加え、混合物を室温にて2時間攪拌する。反応物に水を加えて反応を停止し、混合物に飽和水性塩化アンモニウム溶液を加える。混合物をエーテルで抽出し、有機層を水で1回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、シリカゲルパッドで濾過する。20%酢酸エチル/80%ヘキサンでパッドを完全に洗浄し、濾液減圧濃縮する。残渣を再結晶(酢酸エチル)に付し、0.17 g(71%)の標記生成物を黄色結晶で得る:mp 258−260 ℃。1H NMR(DMSO−d6) TM8.68(d、J=8 Hz、1H)、7.80(d、J=8 Hz、1H)、7.47(s、1H)、7.44(t、J=8 Hz、1H)、7.37(t、J=8 Hz、1H)、6.85(s、1H)、3.98(s、3H)、2.57(s、3H);13C NMR(DMSO−d6) TM189.13、152.57、134.95、134.29、133.50、127.25、126.01、123.33、122.27、118.63、117.45、108.60、97.37、55.08、26.02; MS ES+ m/e 240(p+1);IR(KBr、cm 1) 3279、1655、1275、1190、820。
元素分析:計算値:C15H13NO2:C、75.30;H、5.48;N、5.85;実測値:C、75.06;H、5.52;N、5.87。
【0118】
【化66】
Figure 2004520363
C.2−エチル−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
テトラヒドロフラン(50 mL)中の2−アセチル−4−メトキシベンズ[g]インドール(6.15 g、25.7 mmol)の溶液を、テトラヒドロフラン(75 mL、75 mmol)中の1 M ボラン−テトラヒドロフラン複合体で室温にて18時間処理する。反応物に注意深く1 N水性塩酸溶液を加えて反応を停止する。混合物を水で希釈し、エーテルで抽出する。エーテル抽出物を水で1回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮する。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、10%酢酸エチル/90%ヘキサン)に付し、1.97 g(34%)の標記生成物を白色固体で得る:mp 131−133 ℃。1H NMR(CDCl3) TM8.59(bs、1H、−NH)、7.85(m、2H)、7.38(m、2H)、6.82(s、1H)、6.54(s、1H)、4.07(s、3H)、2.87(q、J=8 Hz、2H)、1.42(t、J=8 Hz、3H);13C NMR(CDCl3) TM152.73、138.94、131.53、131.25、127.67、123.86、122.95、118.97、118.17、97.65、96.80、55.23、21.46、13.51;MS ES+ m/e 226(p+1);IR(CHCl3、cm 1) 3470、3009、1538、1401。
元素分析:計算値:C15H15NO:C、79.97;H、6.71;N、6.22;実測値:C、79.82;H、6.42;N、6.19。
【0119】
【化67】
Figure 2004520363
D.1−ベンジル−2−エチル−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
N,N−ジメチルホルムアミド(10 mL)中の2−エチル−4−メトキシベンズ[g]インドール(1.00 g、4.44 mmol)の溶液を60%水素化ナトリウム分散液(0.21 g)で室温にて10分間処理する。臭化ベンジル(0.068 mL、5.2 mmol)を加え、混合物を室温にて16時間攪拌し、この時点で追加の水素化ナトリウム(0.10 mg)および臭化ベンジル(0.034 mL)を加える。2時間攪拌した後、混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出する。酢酸エチル層を乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮する。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、20%トルエン/80%ヘキサン)に付し、530 mg(38%)の標記生成物を結晶固体(前記で調製した1−ベンジル−2−エチル−4−メトキシベンズ[g]インドールと同一)で得、これをヘキサン/酢酸エチルから再結晶する:mp 165−167 ℃。
【0120】
実施例3.2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−メチル−1−シクロヘキシルメチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸メチルエステル
【化68】
Figure 2004520363
A.1−シクロヘキシルメチル−2−カルボエトキシ−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
N,N−ジメチルホルムアミド(200 mL)中の2−カルボエトキシ−4−メトキシインドール( 8.94 g、33.2 mmol)の溶液を水素化ナトリウム/鉱物油の60%分散液(1.60 g、40 mmol)で処理する。30分間攪拌した後、ブロモメチルシクロヘキサン(5.5 mL、39 mmol)を加え、混合物を室温にて5日間攪拌する。追加の60%水素化ナトリウム分散液およびブロモメチルシクロヘキサン(およそ0.2 当量)を加え、得られる混合物を2日間攪拌する。水(600 mL)を加え、得られる白色沈澱を吸引濾過により集める、水で1回洗浄し、乾燥して、10.9 g(90%)の標記化合物をオフホワイト固体で得る。ヘキサンから再結晶して分析用サンプルを調製する:mp 148−150 ℃。1H NMR(CDCl3) TM8.26(d、J=9,5 Hz、1H)、7.82(m、1H)、7.56(s、1H)、7.43(m、2H)、6.75(s、1H)、5.08(bs、2H)、4.36(q、J=7.3 Hz、2H)、4.04(s、3H)、1.95(bs、1H)、1.60(m、5H)、1.41(t、J=7.3 Hz、3H)、1.10(m、5H);MS ES+ m/e 366(p+1);IR(KBr、cm 1) 2928、1707、1233。元素分析:計算値:C23H27NO3:C、75.59;H、7.45;N、3.83;実測値:C、75.23;H、7.41;N、3.99。
【0121】
【化69】
Figure 2004520363
B.1−シクロヘキシルメチル−2−ヒドロキシメチル−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
テトラヒドロフラン(250 mL)中の1−シクロヘキシルメチル−2−カルボエトキシ−4−メトキシベンズ[g]インドール(9.80 g、26.8 mmol)の溶液を水素化リチウムアルミニウム(1.08 g、28.5 mmol)で室温にて注意深く処理する。2時間攪拌した後、過剰の硫酸ナトリウム・十水和物を加え、得られる混合物を濾過する。濾液をさらに乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮して、8.2 g(94%)の標記化合物を白色固体で得る。酢酸エチル/ヘキサンから再結晶して分析用サンプルを調製する:mp 161−163 ℃。1H NMR(CDCl3) TM8.12(d、J=9.1 Hz、1H)、7.76(m、1H)、7.31(m、3H)、6.72(s、1H)、4.43(m、4H)、3.97(s、3H)、1.93(bs、1H)、1.54(m、6H)、1.03(m、5H);MS ES+ m/e 324(p+1);IR(KBr、cm 1) 3417(b)、2921、1430、1002。
元素分析:計算値:C21H25NO2:C、77.98;H、7.79;N、4.33;実測値:C、77.73;H、7.72;N、4.38。
【0122】
【化70】
Figure 2004520363
C.1−シクロヘキシルメチル−2−メチル−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
テトラヒドロフラン(45 mL)中の1−シクロヘキシルメチル−2−ヒドロキシメチル−4−メトキシベンズ[g]インドール(0.420 g、1.30 mmol)およびメタノール(4 mL)の溶液をパラジウム(II)クロリド(0.404 g、228 mmol)で室温にて処理する。水素化ホウ素ナトリウム(0.15 g、3.9 mmol)を10分間にわたって分割して加える。得られる混合物を1時間攪拌し、次いで、水(0.5 mL)で処理する。混合物をシリカゲルパッドで濾過し、濾液を減圧濃縮する。残渣を酢酸エチルおよびエーテルに溶解し、水で1回および飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄する。有機層を乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮して、0.33 g(82%)の標記化合物をオフホワイト固体で得る。ヘキサンから再結晶して分析用サンプルを調製する:mp 138−141 ℃。1H NMR(CDCl3) TM8.11(d、J=7.7 Hz、1H)、7.82(d、J=7.7 Hz、1H)、7.37(t、J=7.7 Hz、1H)、7.33(t、J=7.0 Hz、1H)、6.77(s、1H)、6.49(s、1H)、4.27(bd、J=7.3 Hz、2H)、4.03(s、3H)、2.48(s、3H)、2.06(bs、1H)、1.66(m、5H)、1.10(m、5H);MS ES+ m/e 308(p+1);IR(KBr、cm 1) 2918、1529、1232。
元素分析:計算値:C21H25NO:C、82.04;H、8.20;N、4.56;実測値:C、81.52;H、8.38;N、4.56。
【0123】
【化71】
Figure 2004520363
D.2−[(1−シクロヘキシルメチル−2−メチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル)オキシ]酢酸メチルエステルの製造
塩化メチレン(14 mL)中の1−シクロヘキシルメチル−2−メチル−4−メトキシベンズ[g]インドール(0.46 g、1.5 mmol)の溶液を0 ℃に冷却し、三臭化ホウ素(0.35 mL、3.7 mmol)で5分間にわたって分割して処理する。混合物を室温まで温め、1時間攪拌する。混合物に氷および水を加え、得られる溶液えおクロロホルムで抽出する。有機層を水で1回、希重炭酸ナトリウム溶液で1回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮しり。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(10 mL) に溶解し、攪拌しながらブロモ酢酸メチル(0.17 mL、1.8 mmol)および炭酸セシウム(0.64 g、1.8 mmol)室温にて29時間で処理する。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで3回抽出する。合わせた酢酸エチル画分を水で1回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮する。残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、10%酢酸エチル/90%ヘキサン)に付し、0.23 g(42%)の標記化合物を白色繊維状固体で得る:mp 156−158 ℃。1H NMR(CDCl3) TM8.11(d、J=8.4 Hz、1H)、7.79(d、J=8.1 Hz、1H)、7.42(t、J=6.6 Hz、1H)、7.33(t、J=7.0 Hz、1H)、6.66(s、1H)、6.58(s、1H)、4.87(s、2H)、4.27(d、J=7.3 Hz、2H)、3.82(s、3H)、2.49(s、3H)、2.05(bs、1H)、1.68(m、5H)、1.12(m、5H);MS ES+ m/e 366(p+1);IR(KBr、cm 1) 2928、1757、1210。
元素分析:計算値:C23H27NO3:C、75.59;H、7.45;N、3.83;実測値:C、75.49;H、7.56;N、3.60。
【0124】
【化72】
Figure 2004520363
E.2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−1−シクロヘキシルメチル−2−メチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸メチルエステルの製造
塩化メチレン(5.0 mL)中の2−[(1−シクロヘキシルメチル−2−メチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル)オキシ]酢酸メチルエステル(0.130 g、0.356 mmol)の溶液を塩化オキサリル(0.16 mL、1.8 mmol)で0 ℃にて処理する。1時間攪拌した後、混合物を減圧濃縮し、塩化メチレンで2回共沸し、塩化メチレン(5.0 mL)に溶解し、0.5 M アンモニア/ジオキサンの溶液(8 mL)で処理する。混合物を20分間攪拌し、減圧濃縮する。残渣を再結晶(酢酸エチル)に付し、94 mg(61%)の標記化合物を白色固体で得る:mp 197−199 ℃。1H NMR(CDCl3) TM8.12(d、J=7.7 Hz、1H)、7.80(d、J=7.3 Hz、1H)、7.42(t、J=7.3 Hz、1H)、7.39(t、J=7.0 Hz、1H)、6.79(s、1H)、6.67(bs、1H)、5.47(bs、1H)、4.81(s、2H)、4.34(d、J=6.6 Hz、2H)、3.79(s、3H)、2.61(s、3H)、2.05(bs、1H)、1.72(m、5H)、1.13(m、5H);MS ES+ m/e 437(p+1);IR(KBr、cm 1) 3155、1730、1643、1406。
【0125】
実施例4.2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−メチル−1−シクロヘキシルメチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸
【化73】
Figure 2004520363
2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−1−シクロヘキシルメチル−2−メチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸の製造
60%テトラヒドロフラン/40%メタノール(5 mL)中の2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−1−シクロヘキシルメチル−2−メチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸メチルエステル(0.042 g、0.096 mmol)の溶液に、1 M 水酸化リチウム溶液(3 mL)を加える。得られる混合物を室温にて28時間攪拌する。混合物を少し温め、水で希釈し、濃塩酸で酸性化する。得られる黄色沈澱を吸引濾過により集め、風乾し、0.022 g(54%)の標記化合物を得る。1H NMR(DMSO−d6) TM13.00(bs、1H)、8.22(d、J=8.4 Hz、1H)、7.85(d、J=7.3 Hz、1H)、7.73(bs、1H)、7.48(t、J=7.0 Hz、1H)、7.45(bs、1H)、7.39(t、J=7.0 Hz、1H)、6.91(s、1H)、4.76(s、2H)、4.45(bs、2H)、2.55(s、3H)、1.90(bs、1H)、1.60(m、5H)、1.10(m、5H)。
TOF MS ES+ 正確な質量:計算値:C24H27N2O5(p + 1):m/z=423.1920;実測値:423.1949。
【0126】
実施例5.2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−メチル−1−[3−(4−フルオロフェニル)ベンジル]−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸メチルエステル
【化74】
Figure 2004520363
A.1−(3−ブロモベンジル)−2−カルボエトキシ−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
N,N−ジメチルホルムアミド(200 mL)中の60%水素化ナトリウム鉱物油分散液(3.27 g)のスラリーに、2−カルボエトキシ−4−メトキシベンズ[g]インドール(14.4 g、53.5 mmol)を加える。15分間攪拌した後、N,N−ジメチルホルムアミド(20 mL)中の2−ブロモ臭化ベンジル(16.0 g、64.2 mmol)の溶液を加え、得られる混合物を18時間攪拌する。混合物を水で希釈し、得られる混合物を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機層を水で1回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮して、22.3 g(95%)の標記化合物を得る。再結晶(酢酸エチル/ヘキサン)により、分析用サンプルを オフホワイト結晶で得る:mp 184−186 ℃。1H NMR(CDCl3) TM7.95(d、J=8.4 Hz、1H)、7.78(d、J=8.1 Hz、1H)、7.68(s、1H)、7.35(m、2H)、7.27(s、1H)、7.20(t、J=7.0 Hz、1H)、7.13(t、J=7.7 Hz、1H)、6.96(d、J=7.7 Hz、1H)、6.76(s、1H)、6.25(bs、2H)、4.30(q、J=7.0 Hz、2H)、4.04(s、3H)、1.35(t、J=7.3 Hz、3H);MS ES+ m/e 438、440;IR(CHCl3、cm 1) 1701、1575、1430。
元素分析:計算値:C23H20BrNO3:C、63.02;H、4.60;N、3.20;実測値:C、62.64;H、4.56;N、3.14。
【0127】
【化75】
Figure 2004520363
B.1−[3−(4−フルオロフェニル)ベンジル)]−2−カルボエトキシ−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
テトラヒドロフラン(150 mL)中の1−(3−ブロモベンジル)−2−カルボエトキシ−4−メトキシベンズ[g]インドール(10.4 g、23.7 mmol)、4−フルオロフェニルホウ酸(4.97 g、35.5 mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.37 g、1.19 mmol)および2 M水性炭酸ナトリウム溶液(75 mL)の混合物を窒素でパージし、48時間加熱還流する。混合物を室温に冷却し、水を加え、得られる溶液を酢酸エチルで繰り返し抽出する。合わせた有機層を水で1回洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮する。クロマトグラフィー(10%酢酸エチル/90%ヘキサン)により、9.88 g(92%)の標記化合物を白色固体で得る。再結晶(酢酸エチル/ヘキサン)により、分析用サンプルを得る:mp 169−171 ℃。1H NMR(CDCl3) TM8.07(d、J=8.4 Hz、1H)、7.77(d、J=8.1 Hz、1H)、7.69(s、1H)、7.25−7.45(m、6H)、7.29(t、J=7.8 Hz、1H)、7.05(m、3H)、6.76(s、1H)、6.36(bs、2H)、4.30(q、J=7.0 Hz、2H)、4.04(s、3H)、1.34(t、J=7.3 Hz、3H);MS ES+ m/e 454(p+1);IR(KBr、cm 1) 1705、1185。
元素分析:計算値:C29H24FNO3:C、76.80;H、5.33;N、3.09;実測値:C、76.91;H、5.23;N、2.97。
【0128】
【化736】
Figure 2004520363
C.1−[3−(4−フルオロフェニル)ベンジル)]−2−ヒドロキシメチル−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
テトラヒドロフラン(200 mL)中の1−[3−(4−フルオロフェニル)ベンジル)]−2−カルボエトキシ−4−メトキシベンズ[g]インドール(9.80 g、21.6 mmol)の溶液を水素化リチウムアルミニウム(0.82 g、22 mmol)で室温にて18時間注意深く処理する。混合物過剰の硫酸ナトリウム・十水和物をで処理し、濾過し、減圧濃縮して、7.14 g(80%)の標記化合物をベージュ色固体で得る。再結晶(酢酸エチル/ヘキサン)により、分析用サンプルをベージュ色結晶で得る:mp 185−187 ℃。MS ES+ m/e 412(p+1)。
【0129】
【化77】
Figure 2004520363
D.1−[3−(4−フルオロフェニル)ベンジル)]−2−メチル−4−メトキシベンズ[g]インドールの製造
テトラヒドロフラン(690 mL)およびメタノール(69 mL)中の1−[3−(4−フルオロフェニル)ベンジル)]−2−ヒドロキシメチル−4−メトキシベンズ[g]インドール(6.90 g、16.8 mmol)の溶液をパラジウム(II)クロリド(5.20 g、29.3 mmol)で一度に処理し、水素化ホウ素ナトリウム(1.91 g、50.5 mmol)で30分間にわたって分割して処理する。2時間攪拌した後、水(5 mL)を加え、得られる混合物セライト(登録商標)パッドで濾過する。濾液を減圧濃縮し、残渣を熱メタノールでスラリー化する。得られる固体を吸引濾過により集める。濾液を減圧濃縮して、さらなる沈澱を得、これを吸引濾過により集める。標記化合物の総収量は、3.4 g(52%)の明青色固体である:mp 138 ℃(分解)。1H NMR(DMSO−d6) TM8.09(d、J=8.4 Hz、1H)、7.80(d、J=7.7 Hz、1H)、7.57(m、2H)、7.50(d、J=7.7 Hz、1H)、7.39(s、1H)、7.35(t、J=8.1 Hz、1H)、7.27(m、3H)、7.16(t、J=7.3 Hz、1H)、6.90(s、1H)、6.84(d、J=7.7 Hz、1H)、6.57(s、1H)、5.90(s、2H)、3.98(s、3H)、2.47(s、3H);MS ES+ m/e 396(p+1);IR(CHCl3、cm 1) 3009、1515、1310。
元素分析:計算値:C27H22FNO:C、82.00;H、5.61;N、3.54;実測値:C、82.03;H、5.65;N、3.44。
【0130】
【化78】
Figure 2004520363
E.2−[[1−[3−(4−フルオロフェニルベンジル)]−2−メチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸メチルエステルの製造
塩化メチレン(40 mL)中の1−[3−(4−フルオロフェニル)ベンジル)]−2−メチル−4−メトキシベンズ[g]インドール(1.00 g、2.53 mmol)の溶液を氷浴で冷却し、三臭化ホウ素(0.72 mL、7.6 mmol)で処理する。混合物を2時間わたって室温まで温めに、次いで、水を加える。有機層を分離し、水性層を新鮮な塩化メチレンで抽出する。合わせた有機層を希水性重炭酸ナトリウムで1回、水で1回洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、濾過し、減圧濃縮する。この物質をN,N−ジメチルホルムアミド(18 mL)に溶解し、炭酸セシウム(1.06 g、3.00 mmol)およびブロモ酢酸メチル(0.30 mL、3.2 mmol)で室温にて17時間処理する。混合物を水で希釈し、得られる溶液を酢酸エチルで2回抽出する。合わせた有機層を水で1回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、濾過し、減圧濃縮する。クロマトグラフィー(10%酢酸エチル/90%ヘキサン)により、0.49 g(43%)の標記化合物を白色固体で得る:mp 157−159 ℃。1H NMR(CDCl3) TM7.99(d、J=8.4 Hz、1H)、7.76(d、J=8.1 Hz、1H)、7.40(m、3H)、7.34(t、J=7.7 Hz、1H)、7.26(m、2H)、7.18(t、J=7.0 Hz、1H)、7.07(m、2H)、7.00(d、J=7.7 Hz、1H)、6.73(s、1H)、6.69(s、1H)、5.80(s、2H)、4.90(s、2H)、3.84(s、3H)、2.47(s、3H);MS ES+ m/e 454(p+ 1)。IR(KBr、cm 1) 1759、1220、1185。
元素分析:計算値:C29H24FNO3:C、76.80;H、5.33;N、3.09;実測値:C、76.20;H、5.22;N、3.21。
【0131】
【化79】
Figure 2004520363
F.2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−1−[3−(4−フルオロフェニルベンジル)]−2−メチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸メチルエステルの製造
塩化メチレン(10 mL)中の2−[[1−[3−(4−フルオロフェニルベンジル)]−2−メチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸メチルエステル(279 mg、0.615 mmol)の溶液を氷浴で冷却し、塩化オキサリルで処理する(0.30 mL、3.4 mmol)。混合物を2時間にわたって室温まで温め、次いで、減圧濃縮する。塩化メチレンを加え、溶液を減圧濃縮し、塩化メチレンに溶解し、過剰の0.5 M アンモニア/ジオキサンの溶液で処理する。混合物を1時間攪拌し、次いで、減圧濃縮する。残渣を熱酢酸エチルでスラリー化し、濾過して、210 mg(65%)の標記化合物を明黄色固体で得る。
TOF MS ES+ 正確な質量:計算値:C31H26N2O5F(p + 1):m/z=525.1826;実測値:525.1854。
【0132】
実施例6.2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−メチル−1−[3−(4−フルオロフェニル)ベンジル]−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸
【化80】
Figure 2004520363
2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−1−[3−(4−フルオロフェニルベンジル)]−2−メチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸
1:1=テトラヒドロフラン/メタノール(8 mL)中の2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−1−[3−(4−フルオロフェニルベンジル)]−2−メチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸(150 mg、0.29 mmol)の溶液を1 M水性水酸化リチウム溶液(5 mL)で室温にて18時間処理する。混合物を減圧濃縮し、水で希釈し、濃塩酸で処理する。得られる沈澱を吸引濾過により集め、48 mg(33%)の標記化合物を褐色固体で得る:mp>160 ℃。
TOF MS ES+ 正確な質量:計算値:C30H24N2O5F(p + 1):m/z=511.1669;実測値:511.1699。

Claims (24)

  1. 一般式(I):
    Figure 2004520363
    [式中、Rは、(a)、(b)および(c)の群から選ばれ;
    ここで、
    (a)は、C−C20アルキル、C−C20ハロアルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、炭素環式基またはヘテロ環式基である;または
    (b)は、1つまたはそれ以上の独立して選ばれる非妨害性置換基で置換された(a)の一員である;または
    (c)は、−(L)−R80基であり、ここで、−(L)−は、炭素、水素、酸素、窒素およびイオウから選ばれる原子数1〜12の二価の連結基であり(−(L)−における原子の組合せは、(i)炭素および水素のみ、(ii)イオウのみ、(ii)酸素のみ、(iv)窒素および水素のみ、(v)炭素、水素およびイオウのみ、および(vi)炭素、水素および酸素のみ、から選ばれる)、R80は(a)または(b)から選ばれる基である;
    2は、水素、または1〜10の水素でない原子および必要な任意の数の水素原子を含む基であり;
    3は−(L3)−Zであり、ここで−(L3)−は、
    Figure 2004520363
    から選ばれる結合または2価の基から選ばれる2価の連結基であり、Zは、式
    Figure 2004520363
    Figure 2004520363
    (ここでXは、酸素またはイオウであり、Raは独立して、水素、C1−C8アルキル、アリール、C1−C8アルカリール、C1−C8アルコキシ、アラルキルおよび−CNから選ばれる)
    で示されるオキシムアミドまたはオキシムチオアミド基から選ばれ;
    4は、水素、CONH、CONHR4bまたは−(La)−(酸性基)で示される基であり、ここで−(La)−は、1〜8の酸リンカー長を有する酸リンカーであるか、または−(Lh)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)で示される基であって、ここで−(Lh)−は、1〜8のN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー長を有するN−ヒドロキシ官能性アミドリンカーであり;ここでN−ヒドロキシ官能性アミド基は、
    Figure 2004520363
    で示され、ここで、R4aは、OH、(C1−C6)アルコキシおよびアリールオキシから選ばれ、R4bは水素、または(C1−C8)アルキル、アリール、(C7−C14)アラルキル、C7−C14アルカリール、(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C8)アルコキシアルキルおよびハロゲン、−CF3、−OH、(C1−C8)アルキル、アミノ、カルボニルおよび−CNで置換されたそれらの基から選ばれる有機置換基であるか;または
    4は、−(Lc)−(アシルアミノ酸基)−で示される基であり、ここで「アシルアミノ酸基」は、式:
    Figure 2004520363
    で示され、ここでR4cは、H、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリール、−CF3から選ばれ、NR4dは、アミノ酸のアミノ基の一部である窒素原子を有する天然または非天然アミノ酸のアミノ酸残基であり;
    5は、水素および非妨害性置換基から選ばれ;および
    6、R、RおよびRは独立して、非妨害性置換基から選ばれる]
    で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ。
  2. が、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、−O−((C−C)アルキル)、−S−((C−C)アルキル)、−(C−C)シクロアルキル、−CF、ハロ、−NO、−CNまたは−SOである請求項1に記載の化合物。
  3. 4に関して、N−ヒドロキシ官能性アミドリンカー基−(Lh)−、または酸リンカー−(La)−、またはアシルアミノ酸リンカー−(Lc)−が式:
    Figure 2004520363
    [ここで、Q2は、基−(CH2)−、−O−、−NH−、−C(O)−および−S−から選ばれ、各R40は独立して、水素、(C1−C8)アルキル、アリール、(C1−C8)アルカリール、(C1−C8)アルコキシ、アラルキルおよびハロから選ばれる]
    で示される基から選ばれる請求項1に記載の化合物。
  4. 4に関して、N−ヒドロキシ官能性アミドリンカー基−(Lh)−、または酸リンカー−(La)−、またはアシルアミノ酸リンカー−(Lc)−が、
    Figure 2004520363
    [式中、R40、R41、R42およびR43は独立して水素、C1−C8アルキルから選ばれる]
    から独立して選ばれる2価の基である請求項1に記載の化合物。
  5. が、−(La)−(酸性基)で示される基であって、ここで(酸性基)が、
    −COOH
    −5−テトラゾリル、
    −SO3H、
    Figure 2004520363
    Figure 2004520363
    [式中、R80は金属またはC1−C8アルキルであり、R81は有機置換基または−CF3である]
    から選ばれる請求項1に記載の化合物。
  6. 3に関して、Zが式:
    Figure 2004520363
    で示される基であり、連結基−(L3)−が結合であり、およびRaが水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニルまたはベンジルである請求項1に記載の化合物。
  7. 3に関して、Zが式:
    Figure 2004520363
    で示される基であり、連結基−(L3)−が結合であり、およびRaが水素である請求項1に記載の化合物。
  8. 3に関して、Zが式:
    Figure 2004520363
    で示される基であり、連結基−(L3)−が結合である請求項1に記載の化合物。
  9. 3に関して、Zが式:
    Figure 2004520363
    で示される基であり、連結基−(L3)−が結合である請求項1に記載の化合物。
  10. 6、R7、RまたはRに関して、非妨害性置換基が独立して、水素、(C1−C8)アルキル、(C2−C8)アルケニル、(C2−C8)アルキニル、(C7−C12)アラルキル、(C7−C12)アルカリール、(C3−C8)シクロアルキル、(C3−C8)シクロアルケニル、フェニル、トルイル、キシレニル、ビフェニル、(C1−C8)アルコキシ、(C2−C8)アルケニルオキシ、(C2−C8)アルキニルオキシ、(C2−C12)アルコキシアルキル、(C2−C12)アルコキシアルキルオキシ、(C2−C12)アルキルカルボニル、(C2−C12)アルキルカルボニルアミノ、(C2−C12)アルコキシアミノ、(C2−C12)アルコキシアミノカルボニル、(C1−C12)アルキルアミノ、(C1−C6)アルキルチオ、(C2−C12)アルキルチオカルボニル、(C1−C8)アルキルスルフィニル、(C1−C8)アルキルスルホニル、(C2−C8)ハロアルコキシ、(C1−C8)ハロアルキルスルホニル、(C2−C8)ハロアルキル、(C−C8)ヒドロキシアルキル、−C(O)O(C−C8アルキル)、−(CH2n−O−(C1−C8アルキル)、ベンジルオキシ、フェノキシ、フェニルチオ、−(CONHSO2R)、−CHO、アミノ、アミジノ、ブロモ、カルバミル、カルボキシル、カルボアルコキシ、−(CH2n−CO2H、クロロ、シアノ、シアノグアニジニル、フルオロ、グアニジノ、ヒドラジド(hydrazide)、ヒドラジノ、ヒドラジド(hydrazido)、ヒドロキシ、ヒドロキシアミノ、ヨード、ニトロ、ホスホノ、−SO3H、チオアセタール、チオカルボニルおよびカルボニル(ここで、nは1〜8であり、Rは(C1−C)アルキル、フェニルまたは(C7−C12)アリールである)から選ばれる請求項1に記載の化合物。
  11. 3に関して、2価の連結基−(L3)−が結合である請求項1に記載の化合物。
  12. 4が−(Lc)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)で示される基であり、(N−ヒドロキシ官能性アミド基)が
    Figure 2004520363
    であり、R4aが独立して、水素、−OH、(C1−C6)アルコキシおよびアリールオキシから選ばれ、R4bが独立して、H、(C1−C6)アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびアリールから選ばれる請求項1に記載の化合物。
  13. 4が−(Lc)−(アシルアミノ酸基)で示される基であり、(アシルアミノ酸基)が
    Figure 2004520363
    であり、R4cがH、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリールから選ばれ; NR4dが、アミノ酸のアミノ基の一部である窒素原子を有する天然または非天然アミノ酸のアミノ酸残基である請求項1に記載の化合物。
  14. 4が−(La)−(酸性基)であり、(酸性基)が−COOH、−COONaおよび−COOKから選ばれる請求項1に記載の化合物。
  15. 炎症性疾患に苦しむヒトの治療方法であって、そのような治療を必要とするヒトに、以下から選ばれる、治療有効量の請求項1記載の化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することを含む方法:
    2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−エチル−1−ベンジル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸・メチルエステル・ヘミ水和物;
    2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−エチル−1−ベンジル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸;
    2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−メチル−1−シクロヘキシルメチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸・メチルエステル;
    2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−メチル−1−シクロヘキシルメチル−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸;
    2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−メチル−1−[3−(4−フルオロフェニル)ベンジル]−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸・メチルエステル;および
    2−[[3−(2−アミノ−1,2−ジオキソエチル)−2−メチル−1−[3−(4−フルオロフェニル)ベンジル]−1H−ベンズ[g]インドール−4−イル]オキシ]酢酸。
  16. 式(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)または(C6)で示されるベンズ[g]インドール化合物:
    Figure 2004520363
    Figure 2004520363
  17. 請求項1に記載のベンズ[g]インドール化合物を医薬的に許容しうる担体または希釈剤とともに含有する医薬組成物。
  18. sPLA2を治療有効量の請求項1に記載のベンズ[g]インドール化合物と接触させることを含むsPLA2媒介性の脂肪酸の遊離を阻害する方法。
  19. 炎症性疾患の病理学的作用を軽減するための、ヒトを含む哺乳動物を治療するための方法であって、該哺乳動物に治療有効量の請求項1に記載のベンズ[g]インドール化合物を投与することを含む方法。
  20. 炎症性疾患の治療および/または改善に有用な請求項1に記載の化合物または治療有効量の請求項1に記載の化合物を含む医薬製剤。
  21. sPLA2媒介性の脂肪酸の遊離を阻害するのに有用な請求項1に記載の化合物または治療有効量の請求項1に記載の化合物を含む医薬製剤。
  22. 炎症性疾患の治療のための医薬の製造のための、治療有効量の請求項1に記載のsPLA2インヒビター化合物またはその混合物を含む医薬組成物の使用。
  23. 治療有効量の一般式(I):
    Figure 2004520363
    [式中、Rは、(a)、(b)および(c)の群から選ばれ;
    ここで、
    (a)は、C−C20アルキル、C−C20ハロアルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、炭素環式基またはヘテロ環式基である;または
    (b)は、1つまたはそれ以上の独立して選ばれる非妨害性置換基で置換された(a)の一員である;または
    (c)は、−(L)−R80基であり、ここで、−(L)−は、炭素、水素、酸素、窒素およびイオウから選ばれる原子数1〜12の二価の連結基であり(−(L)−における原子の組合せは、(i)炭素および水素のみ、(ii)イオウのみ、(ii)酸素のみ、(iv)窒素および水素のみ、(v)炭素、水素およびイオウのみ、および(vi)炭素、水素および酸素のみ、から選ばれる)、R80は(a)または(b)から選ばれる基である;
    2は、水素、または1〜10の水素でない原子および必要な任意の数の水素原子を含む基であり;
    3は−(L3)−Zであり、ここで−(L3)−は、
    Figure 2004520363
    から選ばれる結合または2価の基から選ばれる2価の連結基であり、Zは、式
    Figure 2004520363
    (ここでXは、酸素またはイオウであり、Raは独立して、水素、C1−C8アルキル、アリール、C1−C8アルカリール、C1−C8アルコキシ、アラルキルおよび−CNから選ばれる)
    で示されるオキシムアミドまたはオキシムチオアミド基から選ばれ;
    4は、水素、CONH、CONHR4bまたは−(La)−(酸性基)で示される基であり、ここで−(La)−は、1〜8の酸リンカー長を有する酸リンカーであるか、または−(Lh)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)で示される基であって、ここで−(Lh)−は、1〜8のN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー長を有するN−ヒドロキシ官能性アミドリンカーであり;ここでN−ヒドロキシ官能性アミド基は、
    Figure 2004520363
    で示され、ここで、R4aは、OH、(C1−C6)アルコキシおよびアリールオキシから選ばれ、R4bは水素、または(C1−C8)アルキル、アリール、(C7−C14)アラルキル、C7−C14アルカリール、(C3−C8)シクロアルキル、(C1−C8)アルコキシアルキルおよびハロゲン、−CF3、−OH、(C1−C8)アルキル、アミノ、カルボニルおよび−CNで置換されたそれらの基から選ばれる有機置換基であるか;または
    4は、−(Lc)−(アシルアミノ酸基)−で示される基であり、ここで「アシルアミノ酸基」は、式:
    Figure 2004520363
    で示され、ここでR4cは、H、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリール、−CF3から選ばれ、NR4dは、アミノ酸のアミノ基の一部である窒素原子を有する天然または非天然アミノ酸のアミノ酸残基であり;
    5は、水素および非妨害性置換基から選ばれ;および
    6、R、RおよびRは独立して、非妨害性置換基から選ばれる]
    で示されるベンズ[g]インドール化合物またはその医薬的に許容しうる塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを投与することを含む炎症性疾患の治療または予防のための医薬の製造方法。
  24. 治療有効量の式(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)または(C6):
    Figure 2004520363
    Figure 2004520363
    で示されるベンズ[g]インドール化合物を投与することを含む炎症性疾患の治療または予防のための医薬の製造方法。
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