JP2004518659A5 - - Google Patents

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JP2004518659A5
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新規sPLA2インヒビター 発明の詳細な説明
本発明は、炎症性疾患に有用な新規な4環式化合物に関する。
発明の背景
膵液由来ではないヒト分泌型ホスホリパーゼA(以下、「sPLA」と称する)の構造的特性及び物理特性は、2つの文献、すなわち「Cloning and Recombinant Expression of Phospholipase A Present in Rheumatoid Arthritic Synovial Fluid」(Seilhamer,Jeffrey J.;Pruzanski,Waldemar;Vadas Peter;Plant,Shelley;Miller,Judy A.;Kloss,Jean;およびJohnson,Lorin K.)[The Journal of Biological Chemistry,264巻10号5335〜5338頁(1989年4月5日発行)];ならびに「Structure and Properties of a Human Non−pancreatic Phospholipase A」(Kramer,Ruth M.;Hession,Catherine;Johansen,Berit;Hayes,Gretchen;McGray,Paula;Chow,E.Pingchang;Tizard,Richard;およびPepinsky,R.Blake)[The Journal of Biological Chemistry,264巻10号5768〜5775頁1989年4月5日]に詳細に記載されている(これらの開示を本明細書中に参照して組込む)。
sPLAは、アラキドン酸カスケード中の膜リン脂質を加水分解する律速酵素であると考えられている。それゆえ、脂肪酸(例えば、アラキドン酸)のsPLA媒介性の遊離を阻害する化合物の開発は重要である。このような化合物は、sPLAの過剰産生により誘発される、および/または維持される状態(例えば、敗血症または慢性関節リウマチ)の一般的な処置に価値があるだろう。
sPLA誘発性疾患に関する新規な化合物及び処置を開発することが望ましい。
本発明は、哺乳動物sPLAのインヒビターとしての効力および選択的有効性を有する、式(I):
Figure 2004518659
[式中、Aは独立して、CまたはNであり、
nは1、2または3であり、
B、C、DおよびEは環の識別記号(ring identifier)であり、環Eは1〜3個の二重結合(環CおよびDの組合せにより形成されるインドールに起因する二重結合を含む)を有し、B環は0〜2個の二重結合を有する
(ここで、R、R、R、R、R、R、Rは以下に記載する)]
で示される新規な4環式化合物またはその製薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ誘導体を提供する。
本発明は、炎症性疾患の処置および/または予防に有用な、式Iの新規な4環式化合物の使用に関する。
本発明はまた、哺乳動物sPLA媒介性脂肪酸の遊離を阻害する、式Iの新規な4環式化合物の使用に関する。
本発明はまた、本発明の4環式化合物の任意のものを含有する医薬組成物である。
本発明は、本発明の新規な4環式化合物を含有する医薬製剤に関する。
I.定義
用語「炎症性疾患」は、炎症性腸疾患、敗血症、敗血症性ショック、成人型呼吸窮迫症候群、膵炎、外傷誘発性ショック、喘息、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、慢性関節リウマチ、嚢胞性線維症、発作、急性気管支炎、慢性気管支炎、急性細気管支炎、慢性細気管支炎、変形性関節症、痛風、脊椎関節症(spondylarthropathris)、硬直性脊椎炎、ライター症候群、乾癬性関節症、腸疾患性脊椎炎(enteropathic spondylitis)、若年性関節症または若年性硬直性脊椎炎、応答性(Reactive)関節症、感染性または感染後関節炎、淋菌性関節症、結核菌性関節症、ウィルス性関節症、真菌性関節症、梅毒性関節症、ライム病、「脈管炎症候群(vasculitic syndromes)」に関連する関節症、結節性多発性動脈炎、過敏性脈管炎、Luegenec肉芽腫症、リウマチ性多発筋痛(polymyalgin rheumatica)、関節細胞性動脈炎(joint cell arthritis)、カルシウム結晶沈着性関節炎、偽痛風(pseudo gout)、非関節性リウマチ、滑液包炎、腱滑膜炎(tenosynomitis)、外上顆炎(テニス肘(tennis elbow))、手根管症候群、反復的使用過多損傷(repetitive use injury)(タイピング(typing))、種々の形態の関節炎、神経障害性関節疾患(水たまり及び関節(charco and joint))、関節血症(hemarthrosis(hemarthrosic))、ヘノッホ−シェーンライン紫斑病、肥大性骨関節症、多中心性細網組織球症、特定の疾患に関連する関節炎、サルコイローシス(surcoilosis)、ヘモクロマトーシス、鎌状赤血球病および他の異常血色素症、高リポタンパク質血症、低ガンマグロブリン血症、上皮小体機能亢進症、先端巨大症、家族性地中海熱、ベーチェット病(Behat’s Disease)、全身性紅斑性狼瘡、または再発性多発性軟骨炎のような疾患、ならびに、式Iの化合物を治療上有効な量で、sPLA媒介性脂肪酸の遊離を阻害するに充分な量で、そのような処置を必要とする哺乳動物に投与し、それによりアラキドン酸カスケードおよびその有害産物を阻害もしくは予防される、関連する疾患を意味する。
用語、「哺乳動物の」および「哺乳動物」には、ヒトおよび家畜化四肢動物が含まれる。
本明細書中で用いる用語「4環式(4環系)」または「4環式(4環系)核」とは、構造式(X):
Figure 2004518659
[式中、Aは、結合した適切な数の水素原子または非妨害(性)置換基を有する炭素または窒素原子であり、
文字B、C、DおよびEは環識別記号である]
で表される核(これは番号付された位置を有する)を意味する。本発明の4環式化合物は以下に規定する特定の用語を利用する。
用語、「アルキル」は、特記されない限り、単独で、または他の置換基の一部として、直鎖または分枝鎖の一価の炭化水素基を意味する(例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、第3級ブチル、sec−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシル)。
用語、「アルケニル」は、単独または他の用語と組合せて使用され、規定された範囲内の数の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の一価の炭化水素基を意味し、これは、例えば、ビニル、プロペニル、クロトニル(crotonyl)、イソペンテニルおよび種々のブテニル異性体のような基により代表される。
用語、「ヒドロカルビル(hydrocarbyl)」は、炭素及び水素のみを含有する有機基を意味する。
用語、「ハロ」は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードを意味する。
用語、複素環式基は、単環式または多環式の、飽和または不飽和の、置換されたまたは置換されていない窒素、酸素または硫黄からなる群から選択されるヘテロ原子を1〜3個含有する5〜14環原子の複素環式核から導かれるラジカル(基)を意味する。典型的な複素環式ラジカルは、ピロリル、ピロロジニル(pyrrolodinyl)、ピペリジニル、フラニル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、フェニルイミダゾリル、トリアゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、ベンゾ(b)チオフェニル、カルバゾリル、ノルハルマニル(norharmanyl)、アザベンゾ(b)チオフェニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチオフェニル、インダゾリル、イミダゾ(1.2−A)ピリジニル、ベンゾトリアゾリル、アントラニリル、1,2−ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、プリニル、ピリジニル、ジピリジリル、フェニルピリジニル、ベンジルピリジニル、ピリミジニル、フェニルピリミジニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、キノリニル、フタラジニル(phthalazinyl)、キナゾリニル(quinazolinyl)、モルホリノ、チオモルホリノ、ホモピペラジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニル、オキサカニル(oxacanyl)、1,3−ジオキソラニル(dioxolanyl)、1,3−ジオキサニル(dioxanyl)、1,4−ジオキサニル、テトラヒドロチオフェニル、ペンタメチレンスルファジル(pentamethylenesulfadyl)、1,3−ジチアニル、1,4−ジチアニル、1,4−チオキサニル、アゼチジニル、ヘキサメチレンイミニウム、ヘプタメチレンイミニウム、ピペラジニルおよびキノキサリニルである。
用語、「炭素環式ラジカル(基)」は、飽和または不飽和の、置換されたまたは置換されていない(水素以外の)環形成原子が炭素原子のみである5〜14員の有機核から導かれるラジカル(基)を意味する。典型的な炭素環式ラジカルは、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、スピロ[5,5]ウンデカニル、ナフチル、ノルボルナニル(norbornanyl)、ビシクロヘプタジエニル、トルイル、ベンジル、キシレニル、インデニル、スチルベニル(stilbenyl)、テルフェニルイル、ジフェニルエチレニル、フェニルシクロヘキセニル、アセナフチレニル(acenaphthylenyl)、アントラセニル、ビフェニル、ジベンジルイル(dibenzylyl)および以下の式(a):
Figure 2004518659
(式中、mは0〜8の数である)
により表される関連のジベンジルイルホモログである。
用語、「非妨害(性)置換基(non-interfereing substituent)」または「非妨害(性)基(non-interfereing group)」とは、4環式核の1、2、3、4、7、8、9および/または10位、ならびに(式Iに関して後述する)他の核置換基上での置換に適したラジカル、ならびに上で定義した複素環式ラジカルおよび炭素環式ラジカル上での置換に適したラジカルを意味する。例示的な非妨害ラジカルは、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C12アラルキル、C−C12アルカリール、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、フェニル、トルイル、キシレニル、ビフェニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−Cアルキニルオキシ、C−C12アルコキシアルキル、C−C12アルコキシアルキルオキシ、C−C12アルキルカルボニル、C−C12アルキルカルボニルアミノ、C−C12アルコキシアミノ、C−C12アルコキシアミノカルボニル、C−C12アルキルアミノ、C−Cアルキルチオ、C−C12アルキルチオカルボニル、C−Cアルキルスルフィニル、C−Cアルキルスルホニル、C−Cハロアルコキシ、C−Cハロアルキルスルホニル、C−Cハロアルキル、C−Cヒドロキシアルキル、−C(O)O(C−Cアルキル)、−(CH−O−(C−Cアルキル)、ベンジルオキシ、フェノキシ、フェニルチオ、−(CONHSOR)、−CHO、アミノ、アミジノ、ブロモ、カルバミル、カルボキシル、カルボアルコキシ、−(CH−COH、クロロ、シアノ、シアノグアニジニル、フルオロ、グアニジノ、ヒドラジド(hydrazide)、ヒドラジノ、ヒドラジド(hydrazido)、ヒドロキシ、ヒドロキシアミノ、ヨード、ニトロ、ホスホリノ、−SOH、チオアセタール、チオカルボニルおよびカルボニルである。ここで、nは1〜8、RはC−Cアルキルを表す。
用語、「有機置換基」とは、酸素、窒素、硫黄、ハロゲンまたは他の元素を有する、または有さない、炭素および水素からなる一価のラジカルを意味する。例示的な有機置換基は、C−Cアルキル、アリール、C−C14アラルキル、C−C14アルカリール、C−Cシクロアルキル、C−Cアルコキシアルキル、ならびにハロゲン、−CF、−OH、C−Cアルキル、アミノ、カルボニルおよび−CNで置換されているこれらの基である。
用語「置換されている(置換された)基」とは、1つ以上の非妨害基で置換されている(置換された)有機基である。
本明細書中で用いる用語「基(group)」、「ラジカル(radical)」および「フラグメント(fragment)」は同義語であり、結合または分子の他のフラグメントに結合可能な分子の官能基またはフラグメントを示すことを意味する。例えば、アセトアミド基は、アセトアミドのフラグメントまたはラジカルを表す。4環式核に結合していない基、ラジカルまたはフラグメントの構造は、第一ラインを連結結合のみとして示すように記載されている。従って、式:
Figure 2004518659
で示される基は、特記しない限りプロパンアミドラジカルではなくアセトアミドラジカルを示す。
用語、「N−ヒドロキシ官能性アミド基」は、式:
Figure 2004518659
[式中、R6aは、OH、(C−C)アルコキシおよび(C−C)アリールオキシからなる群から選択され、
ここで、R6bは、水素、あるいはC−Cアルキル、アリール、C−C14アラルキル、C−C14アルカリール、C−Cシクロアルキル、C−Cアルコキシアルキル、ならびにハロゲン、−CF、−OH、C−Cアルキル、アミノ、カルボニルおよび−CNで置換されているこれらの基からなる群から選択される有機置換基である]
により表される基である。
語句、「ヒドロキシ官能性アミドリンカー」とは、−(L)−で表される二価の連結基を意味し、これは4環式核の6−または7−位をN−ヒドロキシ官能性アミド基に一般的な関係:
Figure 2004518659
で表される関係で連結する機能を有する。
語句、「ヒドロキシ官能性アミドリンカー長」とは、4環式核の6−または7−位をヒドロキシ官能性アミド基とつなぐ、最も短い鎖の連結基−(L)−における原子の数(水素を除く)を意味する。−(L)−中の炭素環式環の存在は、炭素環式環の直径の計算値にほぼ等しい原子数と数える。それゆえ、酸リンカー中のベンゼン環またはシクロヘキサン環は、−(L)−の長さの計算において2個の原子として数える。例示的な「N−ヒドロキシ官能性アミドリンカー」基は、式:
Figure 2004518659
[式中、基(a)、(b)および(c)は、それぞれ、酸リンカー長が5、7および2である]
により表される。
用語「(酸性基)」とは、適切な連結原子を介して6または7位で4環式核に結合している有機基(以下、「酸リンカー」と称する)を意味し、これは水素結合し得るプロトンドナーとして働く。(酸性基)の例は、以下の式:
Figure 2004518659
Figure 2004518659
[式中、nは1〜8であり、R80は金属またはC−Cであり、R81は有機置換基または−CFである]
である。
語句、「酸リンカー」とは、−(L)−で表される二価の連結基を意味し、これは4環式核の6または7位を酸性基に一般的な関係:
Figure 2004518659
で表される関係で連結する機能を有する。
語句、「酸リンカー長」とは、4環式核の6または7位を酸性基とつなぐ、連結基−(L)−の最も短い鎖における原子の数(水素を除く)を意味する。−(L)−中の炭素環式環の存在は、炭素環式環の直径の計算値にほぼ等しい原子数と数える。それゆえ、酸リンカー中のベンゼン環またはシクロヘキサン環は、−(L)−の長さの計算において2個の原子として数える。例示的な酸リンカー基には、式:
Figure 2004518659
[式中、基(a)、(b)および(c)は、それぞれ、酸リンカー長が5、7および2である]
が挙げられる。
用語「アシルアミノ酸基」は次式で示される:
Figure 2004518659
[式中、
6cは、H、(C1−C6)アルキル、(C1−C6)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリール、−CF3からなる群から選択され;
ここでNR6dは、アミノ酸のアミノ基の一部である窒素原子を有する、天然または非天然のいずれかのアミノ酸残基である]。典型なアミノ酸は、イソロイシン、バリン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、ロイシン、グリシン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、リジン、メチオニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびそれらの誘導体からなる群から選択される。アミノ酸の定義に含まれるものとしては、l−プロリン、d−プロリンおよびそれらの誘導体が考えられる。また、アミノ酸の定義に含まれるものとしてペプチド、ポリペプチドおよびそれらの誘導体も考えられる。
用語「アミノ酸残基」は、アミノ末端の窒素原子に結合したアミノ酸基の部分を意味する。これはアミノ末端から水素原子をのぞいたアミノ酸である。さらに、本明細書において、窒素原子で結合したアミノ酸アラニンは以下のように示される:
Figure 2004518659
用語「アシルアミノ酸リンカー」は、−(Lc)−で示される2価の連結基を意味し、4環式核の6または7位をアシルアミノ酸基に連結する機能を有し、一般には以下のような関係にある:
Figure 2004518659
用語「アシルアミノ酸リンカー長」は、4環式核の6または7位とアシルアミノ酸基とを連結する連結基−(Lc)−の最も短い鎖の(水素を除く)原子の数を意味する。−(Lc)−における炭素環の存在は、その炭素環式環の直径の計算値にほぼ等しい原子数と数える。それゆえ、酸リンカー中のベンゼンまたはシクロヘキサン環は−(Lc)−の長さの計算において2原子として数える。「アシルアミノ酸リンカー基」の例としては、以下のものが含まれる:
Figure 2004518659
[式中、基(a)、(b)および(c)は、それぞれ酸リンカー長が5、7、および2である]。
用語、「アミン」には、第1級、第2級および第3級アミンが含まれる。
用語、「1個または2個の炭素原子のアルキレン鎖」は、二価のラジカル、−CH2−CH2−および−CH2−を意味する。
用語、「1〜10個の水素ではない原子を含有する基」は、4環式核の2位に置換基を形成する比較的小さい基を意味し、この基は水素以外の原子のみを含有していてもよいし、あるいは水素以外の原子と水素以外の原子の置換されていない結合価を満たすために必要とされる水素原子とを含んでいてよい[例えば、(i)4個を超えない水素原子以外の原子を含有し、水素が存在しない基(例えば、−CF3、−Cl、−Br、−NO2、−CN、−SO3;ならびに(ii)4個未満の水素原子以外の基を含有する水素原子を有する基(例えば、−CH3、−C25および−CH=CH2)]。
用語、「オキシムアミド」は、ラジカル−C(=NOR)−C(O)NH2を意味する。
用語、「チオ−オキシムアミド」は、ラジカル−C(=NOR)−C(S)−NH2を意味する。
用語、「スピロ[5.5]ウンデカニル」は、式:
Figure 2004518659
により表される基を意味する。
II.本発明の4環式化合物:
本発明は、sPLA2インヒビターとして炎症および炎症性疾患の処置に有用な新規なクラスの4環式化合物を提供する。本発明の4環式化合物のサブクラスとしては、4環式オキシ酸誘導体、4環式−5−オキシムアミドオキシ酸誘導体、4環式−5−アセトアミドオキシ酸誘導体、4環式−5−グリオキシルアミドN−ヒドロキシ官能性アミド誘導体、4環式−5−オキシムアミドN−ヒドロキシ官能性アミド誘導体、4環式−5−アセトアミドヒドロキシ官能性アミド誘導体、4環式−5−グリオキシルアミドアシルアミノ酸誘導体、4環式−5−オキシムアミドアシルアミノ酸誘導体、4環式−5−アセトアミドアシルアミノ酸誘導体、が挙げられる。
本発明の化合物は、一般式(I):
Figure 2004518659
[式中、
nは1、2または3であり、
B、C、DおよびEは環の識別記号であり、B環は飽和しているか、または3個までの二重結合を伴って飽和していないかのいずれかであって、適切な数の水素または非妨害(性)基が結合しており、
E環は飽和しているか、または1〜3個の二重結合(インドール環二重結合を含む)を有して飽和していないかのいずれかであって、適切な数の水素原子または非妨害基が結合しており、
Aは独立して、結合した適切な数の水素原子または非妨害(性)基を有するCまたはNであり、
は、基(a)、(b)または(c):
((a)は、C−C20アルキル、C−C20ハロアルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、アリール、C−C20アルキルアリール、炭素環式ラジカル、または複素環式ラジカルであるか、
(b)は、独立して選択された1以上の非妨害性置換基で置換されている(a)のメンバーであるか、または
(c)は基−(L)−R80(ここで−(L)−は、炭素、水素、酸素、窒素及び硫黄から選択される1〜12個の原子の二価の連結基であり、−(L)−中の原子の組合せは、(i)炭素および水素のみ、(ii)硫黄のみ、(iii)酸素のみ、(iv)窒素および水素のみ、(v)炭素、水素および硫黄のみ、ならびに(vi)炭素、水素および酸素のみ、からなる基から選択され、R80は(a)または(b)から選択される基である)である)から選択され、
Aが炭素である場合、R、RおよびRは、各々独立して、水素、または1〜10個の水素ではない原子および任意の必要とされる水素原子を含有する基であり、Aが窒素である場合、R、RおよびRは、適切な数の水素原子であるか、または0〜2個の非妨害基であり(すなわち、Aが窒素原子である場合、R、RおよびRは存在しない)、
は−(L)−Zであり、(L)−は、結合または以下:
Figure 2004518659
から選択される二価の基から選択される二価のリンカー基であり、Zは、以下の式:
Figure 2004518659
Figure 2004518659
(ここでXは酸素または硫黄であり、RおよびRa’は、独立して、水素、C−Cアルキル、アリール、C−Cアルカリール、C−Cアルコキシ、アラルキルおよび−CNから選択される)
により表されるアミド、チオアミド、オキシムアミド、オキシムチオアミド、グリオキシルアミド、ヒドラジドまたはアセトアミド基から選択され、
は、基、水素または基−(L)−(酸性基)(ここで、−(L)−は酸リンカー長が1〜8である酸リンカーである)、
または基−(L)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)(ここで、−(L)−はN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー長が1〜8であるN−ヒドロキシ官能性アミドリンカーであり、N−ヒドロキシ官能性アミド基は以下の式:
Figure 2004518659
(式中、Yは酸素であり、
6aは、OH、(C−C)アルコキシ、およびアリールオキシからなる群から選択され、
6bは、水素、またはC−Cアルキル、アリール、C−C14アラルキル、C−C14アルカリール、C−CシクロアルキルおよびC−Cアルコキシアルキルならびにハロゲン、CF、−OH、C−Cアルキル、アミノ、カルボニルおよび−CNで置換されたこれらの基からなる群から選択される有機置換基である)
により表される)であるか、
またはRは基−(Lc)−(アシルアミノ酸基)であり、「アシルアミノ酸基」は式:
Figure 2004518659
(式中、R6CはH、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリール、−CFからなる群から選択され、NR6dは、アミノ酸のアミノ基の一部である窒素原子を有する、天然または非天然のアミノ酸いずれかのアミノ酸残基である)
により表され、
は、水素、非妨害性置換基、−(L)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)または−(L)−アシルアミノ酸基、または基−(L)−(酸性基)−から選択され、ここで、−(L)は酸リンカー長が1〜8である酸リンカーであるが、ただし、RおよびRのうちの少なくとも1つは−(L)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)または基−(L)−(アシルアミノ酸基)、または−(L)−(酸性基)−であり、
またはRは、各々独立して、非妨害基である]
を有する化合物またはその製薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグである。
式(I)の化合物の好ましいサブグループ
式Iの化合物の好ましいサブクラスは、Aが炭素である化合物である。別の好ましいサブクラスとしては、B環が5または6員環であり、E環がベンゼン環(すなわち、全てのAが炭素である)である式Iの化合物が挙げられる。BおよびC環がいっしょになってナフタレン環系を形成するサブクラスもまた、好ましい。
好ましいR置換基
式(I)の化合物の好ましいサブクラスは、Rに関しては二価の連結基−(L)−が以下の式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)または(If):
Figure 2004518659
Figure 2004518659
[式中、Qは結合または二価の基(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)、(Ie)および(If)のうちのいずれかであり、各R10は独立して、水素、C1−8アルキル、C1−8ハロアルキルまたはC1−8アルコキシである]
のうちのいずれか1つにより表される基である化合物である。
の連結基−(L)−として特に好ましいものは1〜2個の炭素原子のアルキレン鎖、すなわち、−(CH)−または−(CH−CH)−である。
11についての好ましい基は、C−C14シクロアルキル、C−C14シクロアルケニル、フェニル、ナフチル、ノルボルナニル、ビシクロヘプタジエニル、トルイル、キシレニル、インデニル、スチルベニル、テルフェニルイル、ジフェニルエチレニル、フェニル−シクロヘキセニル、アセナフチレニル、およびアントラセニル、ビフェニル、ビベンジルイルおよび以下の式(a):
Figure 2004518659
(式中、mは1〜8の数である)
により表される関連のビベンジルイルホモログからなる群から選択される置換された、または置換されていない基である。
に関して複合基−(L)−R11が以下:
Figure 2004518659
[式中、R12は、ハロ、C−Cアルキル、C−Cアルコキシ、−S−(C−Cアルキル)、−O−(C−Cアルキル)およびC−Cハロアルキルから独立して選択されるラジカルであり、tは0〜5の数であり、uは0〜4の数である]
からなる群から選択される化合物が特に好ましい。
に関して基−(L)−R11が、−(L)−が1〜8個の原子の二価の連結基であり、R11が(a)または(b)から選択される基である化合物もまた好ましい。
11に関して、−(CH−R12
[式中、mは1〜6の整数であり、R12は(d)式:
Figure 2004518659
(式中、a、c、e、n、qおよびtは、独立して、0〜2の整数であり、R13およびR14は、独立して、ハロゲン、C−Cアルキル、C−Cアルキルオキシ、C−Cアルキルチオ、アリール、ヘテロアリールおよびC−Cハロアルキルから選択され、αは酸素原子または硫黄原子であり、Lは結合、−(CH)v−、−C=C−、−CC−、−O−または−S−であり、vは0〜2の整数であり、βは−CH−または−(CH−であり、γは酸素原子または硫黄原子であり、bは0〜3の整数であり、dは0〜4の整数であり、f、pおよびwは独立して、0〜5の整数であり、rは0〜7の整数であり、uは0〜4の整数である)
により表される基であるか、または(e)C−Cアルキル、C−Cアルキルオキシ、C−Cハロアルキルオキシ、C−Cハロアルキル、アリールおよびハロゲンから選択される少なくとも1つの置換基で置換された(d)のメンバーである]
であるものが好ましい。
好ましいR置換基
Aが炭素原子である場合、Rは好ましくは、水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、−O−(C−Cアルキル)、−S−(C−Cアルキル)、−(C−C)シクロアルキル−CF、ハロ、−NO、−CN、−SOからなる群から選択される。特に好ましいR基は、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、−F、−CF、−Cl、−Brまたは−O−CHから選択される。
好ましいR/R置換基
Aが炭素原子である場合、RおよびRは、好ましくは独立して、水素、(C−C)アルキル、(C−C)アルケニル、−O−(C−Cアルキル)、−S−(C−Cアルキル)、−(C−C)シクロアルキル−CF、ハロ、−NO、−CN、−SOからなる群から選択される。Aが炭素原子である場合、特に好ましいRおよびR基は、独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、−F、−CF、Cl、−Brまたは−O−CHから選択される。Aが窒素原子である場合、RおよびRは、好ましくは、環不飽和に依存して水素または非存在である。
好ましいR置換基
式(I)の化合物の好ましいサブクラスは、Xが酸素である化合物である。
Zが、以下:
Figure 2004518659
により表されるグリオキシルアミド(glyoxylamide)(グリオキサミド(glyoxamide))基である式Iの化合物のサブクラスもまた好ましい。式(I)の化合物の別の好ましいサブクラスは、Zが、以下:
Figure 2004518659
で示されるアミド基であるサブクラスである。
式(I)の化合物の別の好ましいサブクラスは、Zが、以下:
Figure 2004518659
で示されるオキシムアミド基であるサブクラスである。Zが、以下:
Figure 2004518659
[RおよびRa’は独立して、水素、(C−C)アルキル、アリール、(C−C)アルカリール、(C−C)アルコキシ、アラルキルおよび−CNから選択され、R5aは水素、メチルまたはエチルである]
で示されるアセトアミド基である式(I)の化合物もまた、好ましい。基Rに関して、連結基−(L)−が結合であることが最も好ましい。
好ましいR置換基
式(I)で示される化合物の好ましいサブクラスは、Rが水素または−(La)−(酸性基)で示される基から選択される置換基である化合物であり、ここで−(La)−は、酸リンカーであるが、ただし、Rについて、酸リンカー基−(La)−は、以下:
Figure 2004518659
Figure 2004518659
からなる群から選択され;
およびRの少なくとも1つが−(La)−(酸性基)で示される基または−(L)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)で示される基または−(Lc)−(アシルアミノ酸基)で示される基でなければならず、ここで、RまたはRの−(La)−(酸性基)で示される基の(酸性基)は、−CO2H、CO2Na、−SO3Hまたは−P(O)(OH)から選択される。
式Iの化合物の別の好ましいサブクラスは、Rが−(Lc)−(アシルアミノ酸基)−で示される基である化合物であり、ここで、−(Lc)−はアシルアミノ酸リンカー長が2または3のアシルアミノ酸リンカーであり、「アシルアミノ酸基」は式:
Figure 2004518659
[式中、R6cは、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリール、−CFからなる群から選択され;NR6dは、アミノ酸のアミノ基の一部である窒素原子を有する天然または非天然アミノ酸いずれかのアミノ酸残基であり、ここでアミノ酸残基は、イソロイシン、バリン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、ロイシン、グリシン、アスパラギン、システイン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、リジン、メチオニン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシンおよびそれらの誘導体からなる群から選択されるアミノ酸に由来する]
により示される。
式(I)の化合物の別の好ましいサブクラスは、RがN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー長が2または3のN−ヒドロキシ官能性アミドリンカーを有する置換基であり、Rに関してN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー基−(L)−は式:
Figure 2004518659
[ここで、Q2は、基−(CH2)−、−O−、−NH−、−C(O)−および−S−から選択され、各R60は、独立して、水素、(C1−C8)アルキル、アリール、(C−C)アルカリール、(C−C)アルコキシ、アラルキルおよびハロから選択される]
により表される基から選択される化合物である。
式(I)で示される化合物の最も好ましいサブクラスは、式中、Rについて酸リンカー、−(La)−、またはN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー、−(Lh)−、またはアシルアミノ酸リンカー、−(Lc)−が、以下の特定の基:
Figure 2004518659
[式中、R60は水素またはC−Cアルキルである]
から独立して選択される化合物である。基R中のN−ヒドロキシ官能性アミド基として、以下の基:
Figure 2004518659
[式中、R6aはOH、(C1−C6)アルコキシおよびアリールオキシからなる群から選択され;
6bはH、C1−C8アルキル、アリール、C7−C14アラルキル、C7−C14アルカリール、C3−C8シクロアルキル、C1−C8アルコキシアルキル、ならびに、ハロゲン、−CF3、−OH、C1−C8アルキル、アミノ、カルボニルおよび−CNで置換されているこれらの基、からなる群から選択される有機置換基である]
が好ましい。より好ましいR6a基は、−OH、−OCH3、および−OC25からなる群から選択され、他方、より好ましいR6bはH、C1−C8アルキル、アリール、C7−C14アラルキル、C7−C14アルカリール、C3−C8シクロアルキルからなる群から選択される。最も好ましいR6bは、H、CH3、C25およびC37から選択される基である。
(N−ヒドロキシ官能性アミド基)の塩またはプロドラッグ誘導体もまた、適切な置換基である。
好ましいR置換基
好ましいR置換基は、水素、非妨害性置換基、または基−(La)−(酸性基)であり、Rに関する好ましい酸リンカー、−(La)−は、以下:
Figure 2004518659
Figure 2004518659
[式中、R74、R75、R76およびR77は、各々、独立して、水素、C1−C8アルキル、C1−C8ハロアルキル、アリール、C1−C8アルコキシまたはハロである]
からなる群から選択される。Rに関する好ましい(酸性基)は、−CO2H、−SO3Hおよび−P(O)(OH)2からなる群から選択される。Rに関して最も好ましいのは、水素または非妨害性置換基である。
本発明の最も好ましい化合物は、式(II)、(III)、(IV)または(V):
Figure 2004518659
Figure 2004518659
[式中、
Aは炭素または窒素であり、
は、(a)、(b)または(c)
(ここで、(a)は、C−C20アルキル、C−C20ハロアルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、炭素環式ラジカル、または複素環式ラジカルであり、
(b)は、独立して選択される非妨害性置換基で1ヵ所以上置換されている(a)のメンバーであり、
(c)は基−(L)−R80であり、ここで−(L)−は、炭素、水素、酸素、窒素及び硫黄から選択される1〜12個の原子の二価の連結基であり、−(L)−中の原子の組合せは、(i)炭素および水素のみ、(ii)硫黄のみ、(iii)酸素のみ、(iv)窒素および水素のみ、(v)炭素、水素および硫黄のみ、ならびに(vi)炭素、水素および酸素のみ、からなる群から選択され、R80は(a)または(b)から選択される基である)から選択され、
、Rおよび/またはRは、適切なように、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、−F、−CF3、−Cl、−Br、または−O−CH3から選択され;
は、−(L)−Zであり、ここで(L)は好ましくは結合であり、Zは以下:
Figure 2004518659
からなる群から選択される]
で示される一般式を有する化合物あるいはその製薬上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグ誘導体である。
本発明の酸性4環式化合物
本発明の酸性基4環式化合物は、以下の式(II):
Figure 2004518659
[式中、
Aは炭素であり、
(L)は酸リンカー長が2または3の酸リンカーであり、
は先の定義に従い、
は先の定義に従い、
およびRは先の定義に従い、
は−(L)−Zであり、ここで、−(L)−は、結合または以下:
Figure 2004518659
から選択される二価の基から選択される二価のリンカー基であり、Zは、以下の式:
Figure 2004518659
(式中、Xは酸素または硫黄であり、RおよびRa’は独立して水素、C−Cアルキル、アリール、C−Cアルカリールから選択される)
により表されるアミド、チオアミドまたはグリオキシルアミド、アセトアミドまたはチオアセトアミド、オキシム、ヒドラジドラジカル(基)から選択され、
は水素、非妨害性置換基または基−(L)−(酸性基)−(ここで、−(La)−は酸リンカー長が1〜8の酸リンカーである)から選択される]
により表される化合物により示される。
本発明のN−ヒドロキシ官能性アミド4環式化合物
本発明のN−ヒドロキシ官能性アミド4環式化合物は、以下の一般構造III:
Figure 2004518659
[式中、
Aは炭素であり、
、R、RおよびRは先の定義に従い、
は−(L)−Z(ここで、−(L)−は、結合または以下:
Figure 2004518659
から選択される二価の基から選択される二価のリンカー基であり、Zは以下の式:
Figure 2004518659
Figure 2004518659
(式中、Xは酸素または硫黄であり、RおよびRa’は独立して水素、C−Cアルキル、アリール、C−Cアルカリールから選択される)
により表されるアミド、チオアミドまたはグリオキシルアミド、アセトアミドまたはチオアセトアミド、オキシム、ヒドラジドラジカル(基)から選択される)である]
により表される。
好ましいR置換基
式(III)の化合物の好ましいサブクラスは、RがN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー長が2または3のN−ヒドロキシ官能性アミドリンカーを有する置換基であって、Rに関するN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー基−(L)−が式:
Figure 2004518659
[式中、
は基−(CH)−、−O−、−NH−、−C(O)−および−S−から選択され、各R60は独立して水素、C−Cアルキル、アリール、C−Cアルカリール、C−Cアルコキシ、アラルキルおよびハロから選択される]
により表される基から選択される化合物である。Rに関するN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー、−(L)−が以下の特定の基:
Figure 2004518659
[R60は水素またはC−Cアルキルである]
から選択される化合物が最も好ましい。以下の基:
Figure 2004518659
[式中、R6aはOH、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリールからなる群から選択される]
が基Rにおける(N−ヒドロキシ官能性アミド基)として好ましい。
は、水素、非妨害性置換基または基−(La)−(酸性基)から選択され、ここで−(L)−は酸リンカー長が1〜8である酸リンカーである。
本発明のアシルアミノ酸4環式化合物
本発明の4環式アシルアミノ酸化合物は、一般式(IV):
Figure 2004518659
[式中、
Aは炭素または窒素であり、
、R、RおよびRは先の定義に従い、
は−(L)−Zであり、ここで、−(L)−は結合または以下:
Figure 2004518659
から選択される二価の基から選択される二価のリンカー基であり、Zは、以下の式:
Figure 2004518659
Figure 2004518659
(式中、Xは酸素または硫黄であり、RおよびRa’は独立して、水素、C−Cアルキル、アリール、C−Cアルカリールから選択される)
により表されるアミド、チオアミドまたはグリオキシルアミド、アセトアミドまたはチオアセトアミド、オキシム、ヒドラジドラジカル(基)から選択される]
により表される化合物またはその製薬上許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグである。
好ましいR置換基
式(IV)の化合物の好ましいサブクラスは、Rはアシルアミノ酸リンカー長が2または3のアシルアミノ酸リンカーを有する置換基である化合物であり、Rに対するアシルアミノ酸リンカー基、−(L)−は以下の式:
Figure 2004518659
[ここで、Q2は、基−(CH2)−、−O−、−NH−、−C(O)−および−S−から選択され、各R60は、独立して、水素、C−Cアルキル、アリール、C−Cアルカリール、C−Cアルコキシ、アラルキルおよびハロから選択される]
により表される基から選択される。Rに対するアシルアミノ酸リンカー、−(L)−が以下の特定の基:
Figure 2004518659
[式中、R60は水素またはC−Cアルキルである]
から選択される化合物が最も好ましい。以下の基:
Figure 2004518659
[式中、R6cは、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリールからなる群から選択され、NR6dは、アミノ酸のアミノ基の一部である窒素原子を有する天然または非天然アミノ酸いずれかのアミノ酸残基である]
が基R中のアシルアミノ酸基として好ましい。好ましいR6c基は水素(H)である。アミノ酸残基の好ましい供給源は、イソロイシン、バリン、フェニルアラニン、アスパラギン酸、ロイシン、グリシンおよびそれらの異性体および誘導体からなる群から選択されるアミノ酸基である。(アシルアミノ酸基)の塩またはプロドラッグ誘導体もまた、適切な置換基である。
窒素原子といっしょになってグリシン、グリシンメチルエステル、L−アラニン、L−アラニンメチルエステル、L−ロイシン、L−ロイシンメチルエステル、L−アスパラギン酸、L−アスパラギン酸ジメチルエステル、L−フェニルアラニン、L−フェニルアラニンメチルエステル、アミノマロン酸、アミノマロン酸ジメチルエステル、L−バリン、L−バリンメチルエステル、L−イソロイシン、L−イソロイシンメチルエステルまたはその塩および誘導体から選択されるアミノ酸基由来のアミノ酸残基を示すR6d基が特に好ましい。
は水素、非妨害性置換基または基−(L)−(酸性基)から選択され、ここで−(L)−は酸リンカー長が1〜8の酸リンカーである。
本発明の好ましいアシルアミノ酸化合物は、一般式(IVa):
Figure 2004518659
[式中、
B環は、結合した適切な数の水素および/または非妨害基を有するシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環(すなわち、C環と一緒になってナフタレニルを形成する)基であり、
はC−Cアルキル、アリールおよびアルキルアリールから選択され、
、RおよびRは各々独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロプロピル、−F、−CF、−Cl、−Brまたは−O−CHからなる群から選択され、
は基−(L)−Zであり、ここで、Zは基アミドおよびヒドラジドから選択され、Lは結合であり、
6cは、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリールからなる群から選択され、
NR6dは、アミノ酸のアミノ基の一部である窒素原子を有する天然または非天然のアミノ酸いずれかのアミノ酸残基である]
で表される化合物またはその製薬上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグ誘導体である。好ましいR6c基は、水素(H)であり、−(Lc)−は以下:
Figure 2004518659
Figure 2004518659
[式中、R60、R61、R62およびR63は各々独立して、水素またはC−Cアルキルから選択される]
から選択される二価の基である。
4環式5−アセトアミドsPLAインヒビター化合物
本発明の4環式5−アセトアミドsPLAインヒビター化合物は、式(V):
Figure 2004518659
[式中、
B環は、結合した適切な数の水素および/または非妨害基を有するシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環(すなわち、C環と一緒になってナフタレニルを形成する)基であり、
Xは酸素または硫黄であり、
12、R13およびR14は独立して、ハロ、C−CアルキルチオまたはC−Cアルコキシからなる群から選択され、
各RおよびRa’は先の定義に従い、
16は、基−(L)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)であり、ここで、−(L)−はN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー長が1〜8のN−ヒドロキシ官能性アミドリンカーであり、N−ヒドロキシ官能性アミドは以下の式:
Figure 2004518659
(式中、
16aは、OH、(C−C)アルコキシ、およびアリールオキシからなる群から選択され、
16bは、水素、またはC−Cアルキル、アリール、C−C14アラルキル、C−C14アルカリール、C−Cシクロアルキル、C−Cアルコキシアルキルならびにハロゲン、−CF、−OH、C−Cアルキル、アミノ、カルボニルおよび−CNで置換されたこれらの基からなる群から選択される有機置換基である)
により表され、
16は、−(L)−がアシルアミノ酸リンカー長が1〜8のアシルアミノ酸リンカーである基−(L)−(アシルアミノ酸基)であるか、または
16は、−(L)−が酸リンカー長が1〜8の酸リンカーである基−(L)−(酸性基)であり、
17およびR18は各々独立して、水素、C−C10アルキル、C−C10アルケニル、C−C10アルキニル、C−Cシクロアルキル、アリール、アラルキルであるか、またはセットR16、R17およびR18のうちの任意の2つの隣接するヒドロカルビル基がそれらが結合する環炭素原子と一緒になって置換されているもしくは置換されていない5または6員の炭素環式環を形成するか、またはC−C10ハロアルキル、C−C10アルコキシ、C−C10ハロアルコキシ、C−Cシクロアルコキシ、フェノキシ、ハロ、ヒドロキシ、カルボキシル、−SH、−CN、C−C10アルキルチオ、アリールチオ、チオアセタール、−C(O)O(C−C10)アルキル、ヒドラジド(hydrazide)、ヒドラジノ、ヒドラジド(hydrazido)、−NH、−NO、−NR8283および−C(O)NR8283
(式中、R82およびR83は独立して、水素、C−C10アルキル、C−C10ヒドロキシアルキルであるか、またはNといっしょになってR82およびR83は5または8員複素環式環を形成する)
であるか、または以下の式:
Figure 2004518659
(式中、R84およびR85は各々独立して、水素、C−C10アルキル、ヒドロキシから選択されるか、またはR84およびR85はいっしょになって=Oであり、
pは1〜5であり、
Zは結合、−O−、−N(C−C10アルキル)、−NH−または−S−であり、
Qは−CON(R8283)、−5−テトラゾリル、−SOH、以下の式:
Figure 2004518659
Figure 2004518659
(式中、nは1〜8であり、R86は独立して、水素、金属またはC−C10アルキルから選択され、R99は水素またはC−C10アルキルから選択される)
である)
を有する基である]
により表される化合物、およびその製薬上許容される塩およびプロドラッグ誘導体である。
4環式5−アミド化合物
式(VI)の化合物または製薬上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグは、以下の式:
Figure 2004518659
[式中、
B環は、結合した適切な数の水素および/または非妨害基を有するシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環(すなわち、C環と一緒になってナフタレニルを形成する)基であり、
は先の定義に従い、
12は、水素、または1〜4個の非水素原子および任意の必要とされる水素原子を含有する基であり、
13およびR14は独立して水素または非妨害基であり、
−(L)−Zは、−(L)−が結合または以下:
Figure 2004518659
から選択される二価の基から選択される二価のリンカー基である基であり、Zがアミドまたはチオアミドラジカルまたは式:
Figure 2004518659
(式中、Xは酸素または硫黄であり、Rは水素、C−Cアルキル、アリール、C−Cアルカリールから選択される)
により表される基から選択され、
16は、基−(L)−(酸性基)(ここで、(L)−は酸リンカー長が1〜8の酸リンカーである)であるか、または基−(L)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)(ここで、−(L)−はN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー長が1〜8のN−ヒドロキシ官能性アミドリンカーである)であるか、または基−(L)−(アシルアミノ酸基)(ここで、−(L)−はアシルアミノ酸リンカー長が1〜8のアシルアミノ酸リンカーである)であり、
17は、水素、非妨害性置換基、基−(L)−(酸性基)−から選択され、ここで、−(L)−は酸リンカー長が1〜8の酸リンカーであるか、または
17は、水素、非妨害性置換基、炭素環式ラジカル、非妨害性置換基で置換されている炭素環式ラジカル、複素環式ラジカル、非妨害性置換基で置換されている複素環式ラジカルから選択され、
18は、水素、非妨害性置換基、炭素環式ラジカル、非妨害性置換基で置換されている炭素環式ラジカル、複素環式ラジカル、非妨害性置換基で置換されている複素環式ラジカルから選択される]
により表される本発明の4環式5−アミド化合物の例を示す。
4環式5−グリオキシルアミド化合物
式(VII)の化合物または製薬上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグは、以下の式:
Figure 2004518659
[式中、
は先の定義に従い、
12は、水素、または1〜4個の非水素原子および任意の必要とされる水素原子を含有する基であり、
13およびR14は独立して水素または非妨害基から選択され、
15は−(L)−Zであり、ここで−(L)−は結合または以下:
Figure 2004518659
から選択される二価の基から選択される二価のリンカー基であり、Zは式:
Figure 2004518659
(式中、Rは水素、(C−C)アルキル、アリール、(C−C)アルカリールおよびアラルキルから選択されるが、Rが水素であることが最も好ましい)
により表されるグリオキシルアミド基であり、
16は、基−(L)−(酸性基)(ここで、(L)−は酸リンカー長が1〜8の酸リンカーである)であるか、または基−(L)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)(ここで、−(L)−はN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー長が1〜8のN−ヒドロキシ官能性アミドリンカーである)であるか、または基−(L)−(アシルアミノ酸基)(ここで、−(L)−(アシルアミノ酸基)はアシルアミノ酸リンカー長が1〜8のアシルアミノ酸リンカーである)であり、
17は、水素、非妨害性置換基、基−(L)−(酸性基)−から選択され、ここで、−(L)は酸リンカー長が1〜8の酸リンカーであり、
18およびR19は独立して、水素、非妨害性置換基、炭素環式ラジカル、非妨害性置換基で置換されている炭素環式ラジカル、複素環式ラジカル、非妨害性置換基で置換されている複素環式ラジカルから選択される。]
により表される本発明の4環式5−グリオキシルアミド化合物を示す。
4環式5−オキシムアミド化合物
本発明の4環式5−オキシムアミド化合物またはその製薬上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグ誘導体もまた本発明の化合物であり、炎症および炎症性疾患の処置および/または予防に有用である。本発明の4環式5−オキシムアミド化合物は、式(VIII):
Figure 2004518659
[式中、
B環は、結合した適切な数の水素および/または非妨害基を有するシクロペンチル、シクロヘキシルまたはフェニル環(すなわち、C環と一緒になってナフタレニルを形成する)基であり、
は先の定義に従い、
12は、水素、または1〜4個の非水素原子および任意の必要とされる水素原子を含有する基であり、
13およびR14は各々独立して非妨害基であり、
−(L)−Zは、−(L)−が、結合または以下:
Figure 2004518659
から選択される二価の基から選択される二価のリンカー基であり、Zが式:
Figure 2004518659
(式中、Xは酸素または硫黄であり、Rは水素、C−Cアルキル、アリール、C−Cアルカリール、C−Cアルコキシ、アラルキルおよび−CNから選択される)
により表されるオキシムアミド基から選択される基であり、
16は、水素または基−(L)−(酸性基)(ここで、−(L)−は酸リンカー長が1〜8の酸リンカーである)であるか、または基−(L)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)(ここで、−(L)−はN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー長が1〜8のN−ヒドロキシ官能性アミドリンカーである)であるか、または基−(L)−(アシルアミノ酸基)(ここで、−(L)−はアシルアミノ酸リンカー長が1〜8のアシルアミノ酸リンカーである)であり、
17は、水素、非妨害性置換基または基−(L)−(酸性基)−から選択され、ここで、−(L)は酸リンカー長が1〜8の酸リンカーであり、
18およびR19は、水素、非妨害性置換基、炭素環式ラジカル、非妨害性置換基で置換されている炭素環式ラジカル、複素環式ラジカルおよび非妨害性置換基で置換されている複素環式ラジカルから選択される。]
により表される。
炎症性疾患に罹患した人の治療に関する本発明の化合物の例示である最も好ましい化合物(ならびに、そのすべての製薬上許容される塩、溶媒和物およびプロドラッグ誘導体)、以下からなる群から選択される化合物の製薬上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグ誘導体:
(10−ベンジル−6−カルバモイル−1,2,3,10−テトラヒドロシクロペンタ(tetraydrocyclopenta)[a]カルバゾール−5−イルオキシ)酢酸メチルエステル、
(10−ベンジル−6−カルバモイル−1,2,3,10−テトラヒドロシクロペンタ[a]カルバゾール−5−イルオキシ)酢酸、
(10−ベンジル−6−カルバモイル−1,2,3,10−テトラヒドロシクロペンタ[a]カルバゾール−5−イルオキシ)酢酸メチルエステル、
10−ベンジル−6−カルバモイル−1,2,3,10−テトラヒドロシクロペンタ[a]カルバゾール−5−イルオキシ)酢酸、
(11−ベンジル−7−カルバモイル−2,3,4,11−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[a]カルバゾール−6−イルオキシ)酢酸メチルエステル、ならびに
(11−ベンジル−7−カルバモイル−2,3,4,11−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[a]カルバゾール−6−イルオキシ)酢酸は、以下の式(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)、(C6)、(C7)、(C8)または(C9):
Figure 2004518659
Figure 2004518659
Figure 2004518659
Figure 2004518659
により示される。
式(II’):
Figure 2004518659
(式中、nは1または2である)
により表される4環式化合物またはその製薬上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグ誘導体が、特に好ましい。
式(II’’):
Figure 2004518659
[式中、nは2であり、B環は完全不飽和(すなわち、B+C環=ナフチル)であり、Rは先の定義に従う]
により表される4環式化合物またはその製薬上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグ誘導体もまた、特に好ましい。
式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)および(VIII)により表される上記の4環式化合物の塩は、本発明のさらなる局面である。
本発明の化合物が酸性または塩基性の官能基を有する場合、親化合物よりも水溶性であり、そして親化合物よりも生理学的に適している種々の塩が形成され得る。代表的な製薬上許容される塩としては、アルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アルミニウムなど)が挙げられるが、これらに限定されない。塩は、溶液中で酸を塩基で処理することにより、または酸をイオン交換樹脂に曝すことにより、都合よく遊離酸から製造される。
製薬上許容される塩の定義内には、本発明の化合物の、比較的非毒性の、無機および有機塩基付加塩(例えば、本発明の化合物と塩を形成するために充分塩基性である、窒素原性塩基に由来するアンモニウム、第4アンモニウムおよびアミンカチオン)が包含される(例えば、S.M.Bergeら、「Pharmaceutical Salts」、J.Phar.Sci.、66:1−19(1977)を参照のこと)。さらに、本発明の化合物の塩基性基を、適切な有機または無機酸と反応させて塩(例えば、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、ホウ酸塩、臭化物、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、クロリド、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート(estolate)、エシレート(esylate)、フッ化物、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシノール酸塩(hexylresorcinate)、臭化物、塩化物、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イソチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マルセエート(malseate)、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチルブロミド、メチルニトレート、メチルスルフェート、粘液酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩および吉草酸塩)を形成させることができる。
本発明の特定の化合物は1つ以上のキラル中心を有し得、それゆえ光学活性な形態で存在し得る。同様に、化合物がアルケニル基またはアルケニレン基を有する場合にはその化合物のシス−およびトランス−異性体が存在する可能性がある。R−およびS−異性体およびその混合物(ラセミ混合物ならびにシス−およびトランス−異性体の混合物を含む)は、本発明の範囲内にある。さらなる不斉炭素原子がアルキル基のような置換基中に存在するかもしれない。このような異性体およびその混合物は全て、本発明の範囲内にある。特定の立体異性体が望ましい場合、当該分野において周知の方法により、不斉中心を有し、既に分割されている出発物質を用いる立体特異的な反応を使用することにより製造しうるか、あるいは立体異性体の混合物を導き、続いて公知の方法により分割する方法により製造し得る。例えば、ラセミ混合物を何らかの他の化合物の、単独のエナンチオマーと反応させることができる。これにより、ラセミ形態を立体異性体およびジアステレオマーの混合物に変換する。なぜならば、これらは、異なる融点、異なる沸点および異なる溶解度を有し、常法(例えば、結晶化)により分離することができるからである。
プロドラッグとは、化学的または代謝的に切断可能な基を有する、本発明の化合物の誘導体であり、加溶媒分解により、または生理学的条件下で、インビボで薬学的に活性な本発明の化合物となる。本発明の化合物の誘導体は、酸誘導体形態および塩基誘導体形態の両方で活性を有するが、酸誘導体形態は、しばしば、溶解度、組織適合性または哺乳動物臓器への遅延放出という利点を提供する(Bundgard,H.,Design of Prodrugs,7〜9頁、21〜24頁、Elsevier,Amsterdam 1985を参照のこと)。プロドラッグとしては、当業者に周知の酸誘導体が挙げられる(例えば、親酸性化合物と適切なアルコールとの反応により製造されるエステル、あるいは、親酸化合物と適切なアミンとの反応により製造されるアミド)。本発明の化合物上にぶら下がっている(pendent)酸性基から導かれる、単純な脂肪族エステルまたは芳香族エステルは好ましいプロドラッグである。ダブルエステル型のプロドラッグ(例えば、(アシルオキシ)アルキルエステルまたは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエステルを製造することが望ましい場合もある。プロドラッグとして特に好ましいエステルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、モルホリノエチルおよびN,N−ジエチルグリコールアミドである。
N,N−ジエチルグリコールアミドエステルプロドラッグは、式(I)の化合物のナトリウム塩を、(ジメチルホルムアミドのような媒体中で)2−クロロ−N,N−ジエチルアセトアミド(Aldrich Chemical Co.、Milwaukee,Wisconsin USAより入手;商品番号25,099−6)と反応させることにより製造することができる。モルホリニルエチルエステルプロドラッグは、式(I)の化合物のナトリウム塩を、(ジメチルホルムアミドのような媒体中で)4−(2−クロロエチル)モルホリンヒドロクロリド(Aldrich Chemical Co.、Milwaukee,Wisconsin USAより入手、商品番号C4,220−3)と反応させることにより製造することができる。
(III)4環式−5−アミド化合物の製造方法
4環式−5−アミド化合物は本発明の化合物であり、本発明の他の化合物を製造するための中間体または出発物質としても有用である。4環式−5−アミド化合物は、以下に示す反応式1のような反応式に従うことにより製造される。
Figure 2004518659
反応式1は、B環がシクロペンタン環系である本発明の化合物を製造するためのプロトコルを示す。シクロペンタン環上で置換されているインダン(indane)の使用により、上記のように、本発明の化合物の置換アナログを製造することができる。示すように、5−ハロ−6−メトキシインダン(ここで、ハロは好ましくは、ヨード、ブロモまたはクロロであり、より好ましくはブロモである)のn−ブチルリチウムまたは類似の有機リチウム試薬との反応により5−リチオ(lithio)−6−メトキシインダン中間体を得る。ホウ酸エステル(例えば、トリイソプロピルホウ酸エステル)の5−リチオ−6−メトキシインダン中間体への付加により、(例えば、水性HClでの)酸性後処理の際に対応するボロン酸化合物(2)を生じる。次いで、ボロン酸化合物(2)をメチル−2−ハロ−3−ニトロベンゾエート(好ましくは、クロロアナログ、すなわち、メチル−2−クロロ−3−ニトロベンゾエート)とスズキ型カップリング反応(Synth.Commun.,11,513(1981))で連結させる。反応は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)または他の適切なパラジウム触媒、ならびに炭酸ナトリウムのような塩基の使用を含む。後処理および単離(すなわち、クロマトグラフィーによる)の際に、カップリング反応産物(3)を得る。当業者であれば、ベンゼン環の4、5および/または6位に非妨害性置換基を有するメチル−2−ハロ−3−ニトロベンゾエート試薬を用いることにより、化合物(3)の置換アナログを製造することができることがわかる。化合物(3)を、シールした管の条件下でモル当量〜過剰の亜リン酸トリフェニルを用いて、還元的に(4)のカルバゾール型4環式化合物へと環化させる。化合物(3)を化合物(4)へと変換するために、約100℃〜180℃、好ましくは約160℃で還元的環化反応を行う(「The Reactivity of Organophosphorus Compounds.Part XIX.Reduction of Nitro−compounds by Triethyl Phosphite:a Convenient New Route to Carbazoles,Indoles,Indazoles,Triazoles,and Related Compounds,」J.I.G.Cadogan,M.Cameron−Wood,R.K.Mackie,およびR.J.G.Searle,J.Chem.Soc.,1965,4831)。化合物(4)を、カルバゾール窒素でアルキル化またはアリール化して、塩基触媒型脱保護、続いて親電子物質への求核性の攻撃により、R基を導入する。この反応に適した親電子基は、前記のR基を導入するために必須であり、例えば、ハロゲン化物、スルホネートまたは他の脱離基として、アルキル、アリールおよびアリールアルキル基が挙げられる。例えば、化合物(4)の水素化ナトリウムまたは他の適切な塩基(すなわち、n−BuLi、リチウムジイソプロピルアミドなど)との反応は、適切な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)中で、塩基および溶媒に依存して−78℃〜約25℃の温度範囲で、および好ましくは不活性溶媒中で行われる。次いで、臭化ベンジルを添加して、例えば、後処理の際に式(5)の化合物またはそのアナログを得る。化合物(5)を、適切な溶媒(例えば、ジクロロメタン)中で三臭化ホウ素またはナトリウムチオエトキシドを用いる反応により脱メチル化する。通常、トリ臭化ホウ素約1.0〜2.0当量は完全な反応をもたらすに充分である。脱メチル化反応の温度は約−12℃〜約10℃である。メチルアルコールを用いて攪拌、続いて塩基(例えば、炭酸水素ナトリウム)で中和することにより後処理を果たし、続いての抽出および精製により化合物(6)を得る。
化合物(6)またはそのアナログのTHF溶液を、シールした管内で濃縮アンモニアと、約20℃〜約70℃(好ましくは約50℃)で、1〜7日間(好ましくは4日間)にわたり反応させる。望ましい場合は、約−78℃でアンモニアガス流を溶液に流すことにより濃縮アンモニアを得る。あるいは、過剰なアンモニアガスと化合物(6)との混合物を、シールした管中で、上記の温度および時間条件下で直接加熱させることにより反応を行って化合物(7)を得ることができる。
次いで、化合物(7)を、塩基性触媒(例えば、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド(Triton−B、Rohm and Haas Corporation商標)または炭酸セシウム等を用いて、2−ブロモメチルアセテートとのアルキル化反応に供し、出発物質に応じて化合物(8)またはそのアナログを得る。
式(8)の化合物(それ自体が本発明の化合物)は、遊離酸または酸塩へと変換され得る。遊離酸化合物(9)は、適切な溶媒(例えば、THF)中での水酸化ナトリウム(ケン化)または水酸化リチウムとの反応により得られ、続いて酸を用いての後処理(例えば、HClを用いる)により遊離酸化合物(9)を得る。あるいは、塩(例えば、ナトリウム塩)は、前記の酸洗浄工程により単離することができる。
式Iの化合物またはそれに対する中間体(ここで、B環はシクロヘキシルまたは置換シクロヘキサン環である)は、6−メトキシ−5−ハロ−1,2,3,8テトラヒドロナフタレンまたは非妨害基で置換されているアナログを用いて出発することにより製造される。以下の反応式2:
Figure 2004518659
に従うプロトコルは、このクラスの化合物に関する例示である。反応式2のプロトコルは、出発物質を除いては反応式1に類似する。化合物(17)をナトリウム塩へとケン化するか、または他の塩へと変換、および/または遊離酸(19)へと加水分解する。
同様に、式Iの化合物(式中、BおよびC環は、ともにナフチル基を構成する)は、反応式2で示すように製造した化合物(17)から、B環の、例えばDDQ(2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノベンゾキノン、Lancaster Synthesis,Windham NH,USAおよびAldrich Chemical Co.Milwaukee USAから入手)との芳香族化により得られる。芳香族化反応は、適切な溶媒(例えば、1,4−ジオキサン)中ほぼ還流温度(1,4−ジオキサンのほぼ沸点)で、または溶媒混合物中で、約1〜3時間、好ましくは1時間、行われる。反応式3:
Figure 2004518659
に従うプロトコルは、上記のナフチル化合物への工程(B+C環=ナフチル)を示す。芳香族化反応は、単離可能な中間体メチルエステル化合物(本発明の化合物)を生じ、これは場合により中間体ナトリウム塩へとケン化、および/または遊離酸化合物(20)へと加水分解される。
本発明のヒドラジド(ヒドラゾン)化合物の製造方法としては、反応式4中以下に示す方法が挙げられる。
Figure 2004518659
反応式4に従い、上記(反応式3)のように得られる化合物(15)は、ヒドラジンとの反応により本発明のヒドラジド(ヒドラゾン)化合物(例えば、化合物(20))へと変換することができる。あるいは、化合物(13)をヒドラジンと反応させて中間体ヒドラゾン化合物を得、これをさらに、上記のように、三臭化ホウ素またはチオエトキシドナトリウムを用いて6位で脱アルキル化してヒドロキシ化合物(21)を形成することができる。脱アルキル化化合物(21)を、塩基性触媒条件下で、例えば、上記のTriton−Bを用いてブロモメチルアセテートと反応させて化合物(22)を得る。エステル(22)を加水分解して酸化合物(23)を得るか、ナトリウム塩へとケン化するか、または式(24)の化合物へと芳香族化することができる。あるいは、芳香族化した化合物(24)を適切な溶媒または溶媒混合物中、塩基(例えば、水酸化ナトリウムまたは水酸化リチウム)を用い、続いて酸性化(すなわち、酸洗浄)により酸(25)へと変換することができる。
4環式6−グリオキシルアミド化合物または中間体
4環式6−グリオキシルアミド中間体および本発明の化合物は、以下の反応式5に示すように、1−クロロ−2−メトキシ−3−ニトロベンゼンの代わりに1,2−ジクロロ−3−ニトロベンゼンを化合物(11)と反応させることにより製造することができる。
Figure 2004518659
あるいは、1−クロロ−2−ブロモ−3−ニトロベンゼンを、出発物質化合物(11)と反応させてもよい。化合物(11)は、それ自体は反応式2に記載のように製造される。いずれの場合においても、生成物は混合物である可能性があり、所望の生成物(26)を、クロマトグラフィー、蒸留、結晶化またはこれらの方法の組合せにより単離し、精製する。再度、スズキ型カップリングを利用して化合物(26)を得る。反応式(1)または(2)において化合物(26)をトリフェニルフォスフィトと反応させ、還元的環化生成物(27)を得る。化合物(27)を、極性非プロトン性溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド)中での一定モル濃度またはわずかに過剰なNaHとの反応、続いて親電子物質源(例えば、ベンジルブロミド)の添加により、窒素原子位でアルキル化して化合物(28)を得る。化合物(28)をn−ブチルリチウムまたは他の適切な塩基と反応させて、金属−ハロゲン交換反応物(単離されていない中間体リチウム化合物)を得る。これに続いて、ジメチルオキサレートを添加して、メチルオキサレート化合物(29)を得る。化合物(29)のハロゲン化剤(すなわち、無水HCl、塩化チオニルなど)との反応により、塩化物化合物(30)を得る。化合物(30)をアンモニア濃縮物(冷却によりアンモニアガスを濃縮して上記液体アンモニアを形成する)と反応させてグリオキシルアミド化合物(31)を得る。アンモニア化(ammonation)は、圧力容器中、約30〜80℃で、約10分〜4時間、化合物(30)とアンモニアとの反応、続いて適切な冷却(すなわち約−78℃)、および生成物の単離により達成することができる。あるいは、基質の感度に応じてオキサリル基の他の官能化反応を適用することができる。他の方法としては、エステルのアミドへの変換に関する試薬の使用(Larock、前記)、または活性型エステルへの変換、続いてアミドカップリング試薬の使用を挙げることができる(一般的には、J.March,Advanced Organic Chemistry、第3版、Wiley Intersciences,New York,N.Y.を参照)。次いで、化合物(31)を6位(または7位にメトキシ基を生じる化合物を用いて出発する場合には7位)で脱メチル化する。脱メチル化は、実施例に記載の方法に従い三臭化ホウ素との反応により達成され、場合に応じて6または7位にヒドロキシル基を有する化合物(32)を得る。メチルエステル(33)を得るためのブロモ酢酸メチルエステル(メチルブロモアセテート)との反応により、化合物(32)をオキシ酢酸メチルエステル(oxyacetic acid methyl ester)誘導体(33)に合成することができる。化合物(33)の形成は、塩基性触媒(例えば、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミドまたはTriton−BTMまたは炭酸セシウム)の存在下で達成する。メチルエステル(33)を、水酸化ナトリウムを用いて塩(例えば、ナトリウム塩(34))へと、または水酸化カリウムを用いてカリウム塩へとケン化することができる。場合により、希HClまたは他の適切な酸を用いて塩(例えば、ナトリウム塩(34))を酸(35)へと変換することができる。酸(35)をナフチル化合物(36)へと芳香族化してもよい。あるいは、メチルエステル(33)を中間体ナフチル化合物へと芳香族化し、続いてケン化および酸(36)へと酸性化することができる(すなわち、水酸化ナトリウム処理、続いて酸洗浄)。
4環式5−アセトアミド化合物
5位にアセトアミド基を有する本発明の4環式化合物は、以下の反応式6に示すように製造することができる。
Figure 2004518659
化合物(10)を用いて出発し、化合物(11)、(26)、(27)および(28)を、反応式5に従い上記のように製造する。化合物(28)を、例えば、不活性条件および極性非プロトン性溶媒下でn−ブチルリチウム、t−ブチルリチウムまたは他の適切な有機塩基の使用による金属−ハロゲン交換反応に供してリチオ中間体を得る。末端エポキシド(例えば、エチレンオキシド)を上記の中間体化合物に付加し、求核性開環反応、続いて水性酸性後処理により末端アルコールを得る。末端アルコール生成物(37)を、好ましくは水性後処理または当業者に公知の他の方法により単離する。例えば、次亜塩素酸ナトリウムまたは他のアルコール酸化剤の使用により、末端アルコール(37)を酸へと酸化する。次いで、酸(38)を、上記のようにアンモニアを用いる反応またはアミド形成試薬および当業者に公知の、または参考文献(例えば、J.March,Advanced Organic Chemistry(上記)またはLarock(上記))に教示される条件の使用により、アミド(すなわち、アセトアミド(39))へと変換する。次いで、アセトアミドを上記のように三臭化ホウ素を用いて脱メチル化してヒドロキシ化合物(40)を得る。続いて、化合物(40)のヒドロキシ基の合成によりオキシメチルアセテート誘導体(41)を得る。これは、例えば、塩化メチレン中メチルブロモアセテートおよびテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(TBAB)またはTriton−BTMを用いて、塩基性触媒により達成される。上記の方法に従い、メチルエステル化合物(41)をケン化してナトリウム塩(42)を得、続いて酸(43)へと変換することができる。酸(43)をナフチル化合物(44)へと芳香族化することができる。
あるいは、反応式6に記載の方法により、メチルエステル(41)を芳香族化し、酸(44)へと加水分解することができる。
4環式5−オキシム化合物の製造
本発明の4環式5−オキシム化合物は、以下の反応式7のプロトコルにしたがって製造することができる。
Figure 2004518659
官能的にオキシムを導入するために、4環式グリオキシルアミドのメチルエステル(反応式5中の化合物(33))を、約1〜8時間または反応が完了したと考えられるまでTHF/メタノール混合物中でヒドロキシルアミン塩酸塩(R=Hの場合)と加熱する。反応生成物をクロマトグラフィーまたは他の公知の実験室手順により単離する。置換オキシム(例えば、Rがメチル、エチル、フェニルまたは他の置換基である)は、対応する置換ヒドロキシルアミン塩酸塩または遊離塩基を上記のようにグリオキシルアミド(33)と反応させることにより製造することができる。4環式核上の6または7位のエステル官能基を、例えば、(a)水酸化リチウムを用いる加水分解または他の公知のエステル加水分解方法による酸への変換により化合物(49)を得るか、または(b)用いる塩基に応じてナトリウム塩(47)またはカリウムもしくは他の金属塩として単離するか、または(c)実施例に記載した反応条件と類似の反応条件下でDDQを用いることにより化合物(45)をナフチル化合物(47)へと芳香族化することができる。次いで、式(47)の化合物を遊離酸化合物(48)へと加水分解することができる。化合物(45)を芳香族化し、次いで加水分解して化合物(48)を直接得る。
アシルアミノ酸化合物
反応式1〜7に従う上記の化合物を示す、化合物9、19、20、23、25、35、36、43、44、48または49のアシルアミノ酸誘導体。各々6位にオキシ酢酸基を有する化合物9、19、20、23、25、35、36、43、44、48または49のいずれかを、C末端保護型アミノ酸との反応により対応するアシルアミノ酸化合物へと変換することができる。C末端保護型アミノ酸を用いる場合、保護型アミド化合物または得られたオキソアミノ酸化合物(例えば、以下の化合物50)もまた、本発明の化合物である。例えば、本発明の4環式5−グリオキシルアミド−6−アシルアミノ酸誘導体化合物は、保護基によりC末端で保護したアミノ酸(文献中公知および好ましくはメチルエステルとして保護)の、以下の反応式8に示す式(35)の4環式5−グリオキシルアミド酸誘導体化合物を用いる室温塩基触媒型縮合により製造される。
Figure 2004518659
縮合反応の生成物(50)(本発明の化合物自体)は、遊離酸へと加水分解されてアミノ酸保護基を除去する。代表的には、縮合またはカップリングは、例えば、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランまたはそれらの水性混合物のような溶媒中で行われる。一般的には、プロトン性溶媒が本発明の目的のために好ましい。反応は塩基触媒型であり、有機または無機の弱塩基の使用を含む。有機塩基(例えば、コリジン(collidine))が好ましい。また反応は、好ましくは、アミノ酸またはその誘導体(例えば、ベンゾトリアゾリル−N−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)のラセミ化を妨害するまたは減少させる薬剤の存在下で行われる。反応の完了の際に、混合物を減圧下で濃縮する。得られた生成混合物をクロマトグラフィーにかけるか、または結晶化条件に供して標的化合物を得る(すなわち、化合物((51))。
他の適切なアミノ酸形成反応および方法は、アシルアミノ酸官能基を導入するために適用可能であり、当該分野において周知である。参考文献としては、例えば、J.March Advanced Organic Chemistry,第3版、1985、Wiley Interscience publishers,New York,N.Y.およびR.C.Larock Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,New York,N.Y.,1989が挙げられる。
4環式オキシム、オキシムアミド、チオアセトアミドおよびアセトアミドのアシルアミノ酸誘導体は、化合物(48)(反応式7)のような対応する酸から、グリオキシルアミド化合物のアシルアミノ酸誘導体を製造するための上記の方法により製造され得る。例えば、上記のオキシムアミド化合物(48)(反応式7)は、アミドカップリング反応により対応するアシルアミノ酸誘導体へと変換され得る。同様に、4環式5−アセトアミドオキシ酸化合物(すなわち、化合物(43))は、上記の6または7位で対応するアシルアミノ酸誘導体へと変換され得る。
4環式6−N−ヒドロキシ官能性アミド化合物の製造
本発明の4環式5−グリオキシルアミド−6−N−ヒドロキシ官能性アミド化合物は、上記のように製造された4環式5−アミド、4環式5−ヒドラジド、4環式5−グリオキシルアミド、4環式5−アセトアミドおよび4環式5−オキシム化合物を示す化合物9、19、20、23、25、35、36、43、44、48または49から製造され得る。各々6位にオキシ酸基を有する化合物9、19、25、31、38aまたは40のいずれかは、当業者に公知の方法により本発明の対応するN−ヒドロキシ官能性アミド化合物へと変換され得る。酸化合物(9)で出発するプロトコルでは、以下の反応式9に示すように、酸(9)をN−ヒドロキシ官能性アミド化合物(52)または(53)へと変換する。
Figure 2004518659
反応式3に記載のように製造した式(20)の化合物を、カップリング剤の存在下で保護および置換した、または置換していないヒドロキシアミン基または誘導体とカップリングすることにより、上記の変換を達成することができる。これは、保護N−ヒドロキシ官能性アミド誘導体化合物(52)を生じる。具体例では、酸化合物(20)を、o−(tert−ブチルジメチルシリル)ヒドロキシルアミン(すなわち、R’はtert−ブチルジメチルシリルであり、R”はOHである)と周囲温度で、過剰な2,4,6−コリジン(コリジン)およびベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスホネート(カップリング触媒、Tetrahedron Lett.,1219(1975)を参照のこと)の存在下で反応させ、約1〜10時間後、o−(tert−ブチルジメチルシリル)置換N−ヒドロキシ官能性アミド誘導体(すなわち、52)を得る。シリルまたは他の保護基を周知の方法(例えば、(シリル保護基に関しては)トリフルオロ酢酸の使用)により取り除き、所望のN−ヒドロキシ官能性アミド化合物(53)を得る(ここで、ヒドロキシ基はR6aに対応し、水素原子はR6bに対応する)。
代表的に、本発明の4環式オキシ酢酸化合物(例えば、化合物(20))のヒドロキシルアミンまたはその保護誘導体への縮合またはカップリングは、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランまたはそれらの水性混合物などのような溶媒中で行われる。一般的には、プロトン性溶媒が本発明の目的のために好ましい。例えば、有機または無機の弱塩基を含む塩基が、反応を触媒する。有機塩基(例えば、コリジン)が好ましい。また反応は、好ましくは、ヒドロキシ官能性アミド、置換ヒドロキシルアミンまたはその誘導体のラセミ化を妨害するまたは減少させる薬剤の存在下で行われる。特に好ましい薬剤は、ベンゾトリアゾリル−N−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェートである。反応の完了の際に、混合物を減圧下で濃縮する。得られた生成混合物をクロマトグラフィーにかけるか、または(例えば、ソニケーションにより)結晶化させて標的化合物を得る。
別の製造方法は、反応式10における例に関して示すような、本発明の化合物の相互変換である。
Figure 2004518659
式(54)の化合物は、塩基(例えば、n−ブチルリチウム)および親電子物質(例えば、ヨウ化メチル)の使用により式(55)の化合物へと変換され得る。官能基相互転換のこれらおよび他の方法は当該分野において周知であり、例えば、J.March Advanced Organic Chemistry,Wiley Interscience publishers,New York,N.Y.,1985,およびR.C.Larock Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,New York,N.Y.,1989のような参考文献中に見出すことができる。
本明細書中に開示される他の4環式−6−ヒドロキシ官能性sPLA誘導体化合物(例えば、4環式5−アセトアミド−6−ヒドロキシ官能性アミド誘導体sPLAインヒビターを含む)は、上記のように、保護されているまたは保護されていない、置換または非置換のヒドロキシルアミンまたはその誘導体の縮合により、同様に製造される。
IV.本発明の化合物の使用方法
本明細書中に記載の4環式化合物は、原則的には、哺乳動物(ヒトを含む)のsPLAの直接阻害により、アラキドン酸カスケード中のアラキドン酸、またはアラキドン酸以降の他の活性因子(例えば、5−リポキシゲナーゼ、シクロオキシゲナーゼなど)に対するアンタゴニストとして作用することなく、利益となる治療作用を達成すると考えられている。
sPLA媒介性の脂肪酸遊離の本発明の阻害方法は、哺乳動物のsPLAを、本明細書中に記載の式(I)または(II)または(III)または(IV)または(V)または(VI)または(VII)または(VIII)に対応する4環式化合物(その混合物、塩またはプロドラッグ誘導体を含む)と治療上有効な量で接触させることを含む。
本発明の別の局面は、炎症性腸疾患、敗血症性ショック、成人型呼吸窮迫症候群、膵炎、外傷、喘息、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、慢性関節リウマチ、変形性関節症および関連する疾患のような炎症性疾患の処置方法であり、この方法は哺乳動物(ヒトを含む)に、治療上有効な用量の本発明の4環式化合物(処方Iを参照のこと)を投与することを含む。
先に記載したように、本発明の化合物は、sPLA媒介性の脂肪酸(例えば、アラキドン酸)遊離の阻害に有用である。用語、「阻害(する)」により、本発明の化合物によるsPLA開始型脂肪酸遊離の予防的または治療的に有意な減少が意味される。「製薬上許容される」により、キャリア、希釈剤または賦形剤が他の処方成分と適合性でなければならず、そのレシピエントに対して有害ではないことが意味される。
治療的または予防的効果を得るために、本発明に従って投与される化合物の具体的な用量は、当然のことながら、その症例の具体的な周辺環境(例えば、投与される化合物、投与経路および処置される状態を含む)により決定される。代表的な日用量は、本発明の活性化合物を約0.01mg/体重1kg〜約50mg/体重1kgの非毒性投薬レベルで含有する。
好ましくは、(式(I)または(II)または(III)または(IV)または(V)または(VI)または(VII)または(VIII)あたりの)本発明の化合物またはこれらの化合物を含有する医薬製剤は、哺乳動物への投与のための単位投薬形態である。単位投薬形態は、カプセル剤または錠剤自体、あるいは適切な数のこれらの任意のものであり得る。組成物の1単位投薬中の活性成分の量は、関連する特定の処置に従い、約0.1〜約1000mgまたはそれ以上で変更または調節することができる。患者の年齢および状態に依存して投薬量に対する日常的な変更が行われる必要があり得ることが理解され得る。投薬量はまた、投与経路に依存する。
化合物は、経口、エアロゾル、経直腸、経皮、皮下、静脈内、筋肉内および鼻腔内を含む種々の経路により投与され得る。
本発明の医薬製剤は、本発明の4環式化合物を治療上有効な量で、それらに対する製薬上許容されるキャリアまたは希釈剤と組み合わせる(例えば、混合する)ことにより製造される。本発明の医薬製剤は、周知かつ容易に入手可能な成分を使用する公知の方法により製造される。
本発明の組成物を製造する際には、通常、活性成分をキャリアと組合わせるか、またはキャリアにより希釈するか、あるいはカプセル、サシェ、紙または他の容器の形態であり得るキャリア内に封入する。キャリアが希釈剤として働く場合、固体、半固体または液体物質であり得、これらはビヒクルとして作用するか、または錠剤、丸剤、散剤、ロゼンジ、エリキシル、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ、エアロゾル(固体としてまたは液体媒体中)、または軟膏(例えば、10重量%までの活性化合物を含有する)の形態であり得る。好ましくは、本発明の化合物は投与前に処方される。
医薬製剤に関しては、当該分野において公知の任意の適切なキャリアが使用され得る。このような製剤中では、キャリアは固体、液体、または固体および液体の混合物であり得る。例えば、静脈内注射に関しては、本発明の化合物を、2mg/mlの濃度で、4%デキストロース/0.5% クエン酸Na水溶液に溶解することができる。固体形態の製剤としては、散剤、錠剤およびカプセル剤が挙げられる。固体キャリアは、矯味矯臭剤、滑沢剤、溶解補助剤、懸濁化剤、結合剤、錠剤崩壊剤およびカプセル化材料としてもまた機能し得る1つ以上の基質であり得る。
経口投与のための錠剤は、適切な賦形剤(例えば、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム)を、崩壊剤(例えば、トウモロコシデンプン(maize)、デンプンまたはアルギン酸)および/または結合剤(例えば、ゼラチンまたはアカシアガム)および滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸もしくはタルク)とともに含有し得る。
散剤中では、キャリアは、微細に分割された活性成分と混合されている微細に分割された固体である。錠剤中では、活性成分は、必要な結合特性を有するキャリアと適切な割合で混合されており、所望の形態およびサイズに圧縮されている。好ましくは、散剤および錠剤は、約1〜約99重量%の活性成分(本発明の新規な化合物)を含有する。適切な固体キャリアとしては炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、およびカカオ脂が挙げられる。
滅菌液体形態製剤としては、懸濁剤、乳剤、シロップおよびエリキシルが挙げられる。
活性成分は、滅菌水、滅菌有機溶媒または両方の混合物のような薬学的に許容されるキャリア中に溶解または懸濁され得る。活性成分は、しばしば、適切な有機溶媒(例えば水性プロピレングリコール)中に溶解され得る。他の組成物は、微細に分割した活性成分をデンプンもしくはカルボキシメチルセルロースナトリウムの水溶液、または適切なオイル中に分散させることにより作製され得る。
以下の製薬処方例1〜8は単なる例示であり、いかなる意味においても本発明の範囲の限定は意図しない。「活性成分」とは、式(I)または(II)または(II’)または(II”)または(III)または(IV)または(V)または(VI)または(VII)または(VIII)に記載の化合物、あるいはそれらの製薬上許容される塩、溶媒和物またはプロドラッグを意味する。
処方例1
ゼラチン硬カプセルを、以下の成分を使用して作製する。
Figure 2004518659
処方例2
錠剤を、以下の成分を使用して作製する。
Figure 2004518659

構成成分をブレンドし、圧縮して各々665mgの錠剤を成形する。
処方例3
以下の成分を含有するエアロゾル溶液を作製する。
Figure 2004518659

活性化合物をエタノールと混合し、混合物をプロペラント22の一部に添加し、−30℃まで冷却し、充填デバイスに移す。次いで、必要とされる量をステンレス鋼容器に充填し、残りのプロペラントで希釈する。次いで、バルブユニットを容器に取りつける。
処方例4
各々60mgの活性成分を含有する錠剤を以下のように作製する。
Figure 2004518659

活性成分、デンプンおよびセルロースをNo.45メッシュU.S.ふるいに通し、徹底的に混合する。ポリビニルピロリドンを含有する水溶液を得られた粉末と混合し、次いで混合物をNo.14メッシュU.S.ふるいに通す。そのようにして作製した顆粒を50℃で乾燥させ、No.18メッシュU.S.ふるいに通す。次いで、予め、No.60メッシュU.S.ふるいに通しておいたカルボキシメチルスターチナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを、混合後、顆粒に添加し、打錠機で圧縮して、各々150mgの重量の錠剤を得る。
処方例5
各々80mgの活性成分を含有するカプセル剤を以下のように作製する。
Figure 2004518659

活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムをブレンドし、No.45メッシュU.S.ふるいに通し、200mgの量でゼラチン硬カプセルに充填する。
処方例6
各々225mgの活性成分を含有する坐剤を以下のように作製する。
Figure 2004518659

活性成分をNo.60メッシュU.S.ふるいに通し、必要な熱を最小限使用して予め融解した飽和脂肪酸グリセリド中に懸濁する。次いで、混合物を、公称2g容量の坐剤型に注ぎ、冷却させる。
処方例7
5mlの投薬量あたり各々50mgの活性成分を含有する坐剤を以下のように製造する。
Figure 2004518659

活性成分をNo.45メッシュU.S.ふるいに通し、滑らかなペーストを形成するためにカルボキシメチルセルロースナトリウムおよびシロップと混合する。安息香酸溶液、香料および着色料を水の一部で希釈し、攪拌しながら添加する。次いで、充分な水を添加して必要とされる体積を作製する。
処方例8
静脈内製剤を以下のように作製することができる。
Figure 2004518659
一般的に、上記の成分の溶液は、1分あたり1mlの速度で被検体に対して静脈内投与される。
アッセイ
以下の色素原性アッセイ方法を使用して、組換えヒト分泌型ホスホリパーゼAのインヒビターを同定および評価した。本明細書中に記載のアッセイは、96ウェルのマイクロタイタープレートを使用する高容量スクリーニングに対して適合されている。このアッセイ方法の一般的な説明は、文献「Analysis of Human Synovial Fluid Phospholipase A on Short Chain Phosphatidylcholine−Mixed Micelles:Development of a Spectrophotometric Assay Suitable for a Microtiterplate Reader」、Laure J.Reynolds,Lori L.Hughes,およびEdward A Dennis,Analytical Biochemistry,204、190−197頁、1992(この開示を本明細書中に参照して組込む)中に見出される。
試薬:
反応緩衝液−
CaCl・2HO(1.47g/L)
KCl(7.455g/L)
ウシ血清アルブミン(脂肪酸不含)(1g/L)
(Sigma A−7030、Sigma Chemical Co.の製品、St.Louis MO,USA)
TRIS HCl(3.94g/L)
pH7.5(NaOHで調節)
酵素緩衝液−
0.05NaOAc・3HO,pH4.5
0.2NaCl
酢酸を用いてpHを4.5に調節
DTNB−5,5’−ジチオビス−2−ニトロ安息香酸
ラセミ体ジヘプタノイルチオ−PC
ラセミ体1,2−ビス(ヘプタノイルチオ)−1,2−ジデオキシ−sn−グリセロ−3−ホスホリルコリン
10μMに等しくなるように反応緩衝液中6.249mg/mlで調製したTRITON X−100TM
反応混合物−
100mg/mlの濃度でクロロホルム中に補充したラセミ体ジヘプタノイルチオPCを取り出して体積を測定し、乾固させ、10mM TRITON X−100TM非イオン性界面活性剤水溶液に再溶解する。反応緩衝液を溶液に添加し、次いでDTNBを添加して反応混合物を得る。
それにより得られた反応混合物は、緩衝化水溶液(pH7.5)中に1mMジヘプタノイルチオ−PC基質、0.29mm TritonX−100TM界面活性剤および0.12mm DTMBを含有する。
アッセイ方法:
1.全てのウェルに反応混合物(0.2ml)を添加する。
2.適切なウェルに試験化合物(または溶媒ブランク)を10μl添加し、20秒間混合する。
3.sPLA(50ng、10μリットル)を適切なウェルに添加する。
4.プレートを40℃で30分間インキュベートする。
5.ウェルの級光度を405nmで自動プレートリーダーを用いて読み取る。
試験は3連で行った。代表的には、化合物を、最終濃度5μg/mlで試験した。405nmで測定した場合に、阻害していないコントロール反応系と比較して化合物が40%以上の阻害を示した場合、化合物が活性であると判断した。405nmで発色がないことは、阻害を示した。最初に活性であることを見出した化合物を活性を確認するために再度アッセイし、充分に活性である場合にはIC50値を測定した。代表的には、反応系における最終濃度が45μg/mL〜0.35μg/mlの範囲にわたるように、試験化合物を2倍で系列希釈することにより、IC50値を決定した(以下の表Iを参照のこと)。より強力なインヒビターは、有意に高い希釈を必要とした。全ての場合において、405nmで測定した場合のインヒビターを含む酵素反応により生じる阻害していないコントロール反応系と比較しての%阻害を測定した。各サンプルを3連で滴定し、結果の値を、プロットおよびIC50値の計算値に対して平均した。log濃度を10〜90%阻害の範囲内の阻害値に対してプロットすることにより、IC50を決定した。
結果
Figure 2004518659
特定の具体例により本発明を上記に例示しているが、これらの具体的な実施例が添付の特許請求の範囲に記載される発明の範囲を制限することは意図していない。
実験
以下に記載の実施例の生成物、ならびに以下の方法で使用した中間体は、全て、満足の行くNMRおよびIRスペクトルを示した。また、これらは正確な質量スペクトル値を有していた。
実施例1
A部
6−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−7−ボロン酸(boronic acid)
Figure 2004518659
6−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン(10.0g,61.6mmol)のTHF(75mL)溶液(−78℃)を、ヘキサン中1.6M n−BuLi(42.0mL,67.2mmol)を滴下様式で処理した。混合物を1時間攪拌し、トリイソプロピルボレート(14.8mL,64.1mmol)を用いて処理した。反応系を0℃までゆっくりと昇温させ、この温度で0.5時間、攪拌した。水性1N HCl(120mL)を注意深く加えることにより反応系をクエンチした。層を分離し、水層をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して白色固体を得、これをさらに精製することなくB部に用いた。
B部
2−(6−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イル)−3−ニトロ安息香酸メチルエステル
Figure 2004518659
メチル2−クロロ−3−ニトロベンゾエート(5.69g,26.5mmol)およびA部からのボロン酸(6.00g,29.1mmol)のTHF(110mL)溶液を、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.68g)、続いて2.0N NaCO(29.1mL,58.2mmol)を用いて処理した。混合物にN流をフラッシュし、48時間、穏やかに加熱還流した。反応系を冷却し、EtOAcを用いて抽出した(5×100mL)。合わせた有機層を、HO、1N水性HCl、飽和水性NaHCOおよびHOを用いて連続的に洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して粗物質を得た(12.4g)。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;トルエン中30%ヘキサン〜100%トルエン)により精製して表題化合物を得た(3.88g,43%)。H NMR(DMSO−d)δ8.04(dd,J=8.1および1.1Hz,1H),7.94(dd,J=7.7および1.1Hz,1H),7.68−7.61(m,1H),6.69−6.64(m,2H),3.54(m,6H),2.74−2.67(m,2H),2.61−2.53(m,2H),1.74−1.64(m,4H);IR(CHCl)2936,1735,1535,1511,1465,1298,1268,1126cm−1;FDMS 342(M+1)。
C部
6−メトキシ−2,3,4,11−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[a]カルバゾール−7−カルボン酸メチルエステル
Figure 2004518659
B部からの生成物のサンプル(3.75g,11.0mmol)を、シールした管中でトリフェニルホスフィト中に入れ、混合物を160℃まで23時間加熱した。反応系を冷却し、SiOのカラムに入れた。ヘキサン中5%EtOAc、次いでヘキサン中15%EtOAcを用いて溶離して、表題化合物(2.10g,63%)ならびに出発物質(587mg)を得た。H NMR(DMSO−d)δ11.26(s,1H),7.52(d,7.7Hz,1H),7.32−7.26(m,1H),7.04(d,J=7.3Hz,1H),6.36(s,1H),3.82(s,3H),3.81(s,3H),2.85−2.76(m,4H),1.89−1.77(m,4H);IR(CHCl)3472,2938,1725,1619,1609,1520,1297,1148,1020cm−1;FDMS310(M+1)。
D部
11−ベンジル−6−メトキシ−2,3,4,11−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[a]カルバゾール−7−カルボン酸メチルエステル
Figure 2004518659
C部からの生成物(2.00g,6.47mmol)のDMF(40mL)溶液を0℃まで冷却し、NaH(0.23g,9.70mmol;ミネラルオイル中60%)で処理した。混合物を0.5時間攪拌し、臭化ベンジル(1.15mL,9.70mmol)で処理した。反応系を周囲温度まで昇温させ、一晩攪拌し、注意深くHO(50mL)を添加してクエンチした。混合物をEtOAc(4×100mL)で抽出した。合わせた有機層をHO(3×100mL)で洗浄し、乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮してオフホワイトの固体を得た(2.93g)。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中50%CHCl、次いで100%CHCl)により精製して表題化合物を得た(2.38g,92%)。H NMR(DMSO−d)δ7.50(d,7.7Hz,1H),7.32−7.26(m,1H),7.26−7.21(m,2H),7.19−7.12(m,1H),7.10(dd,J=7.3および1.0Hz,1H),6.86(d,J=7.0Hz,2H),6.45(s,1H),3.83(s,3H),3.82(s,3H),3.04−2.97(m,2H),2.87−2.81(m,2H),1.69−1.63(m,4H);IR(CHCl)2937,1725,1584,1433,1335,1323,1290,1168,1144cm−1;FDMS400(M+1)。
E部
11−ベンジル−6−ヒドロキシ−2,3,4,11−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[a]カルバゾール−7−カルボン酸メチルエステル
Figure 2004518659
D部からの生成物(1.50g,3.76mmol)のCHCl(45mL)溶液を−10℃まで冷却し、BBr(0.50mL,5.26mmol)で処理した。反応系を−10℃で1時間攪拌し、MeOH(30mL)を注意深く加え、混合物を10分間攪拌した。混合物を分離ろうとへ移し、飽和水性NaHCO(10mL)を加えた。混合物をEtOAc(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して表題化合物を得た(1.38g)。さらに精製することなく生成物を採取した。H NMR(DMSO−d)δ9.82(s,1H),7.44(dd,7.7および1.0Hz,1H),7.20−7.15(m,4H),7.07(dd,J=7.3および1.1Hz,1H),6.88(d,J=7.0Hz,1H),6.29(s,1H),5.82(s,2H),3.77(s,3H),3.34−3.28(m,2H),3.00−2.93(m,2H),2.77−2.71(m,2H),1.66−1.58(m,4H);FDMS386(M+1)。
F部
11−ベンジル−6−ヒドロキシ−2,3,4,11−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[a]カルバゾール−7−カルボン酸アミド
Figure 2004518659
E部からの生成物(1.37g,3.58mmol)のTHF(15mL)溶液を−78℃まで冷却し、溶液をアンモニアガス流で処理した。約10mLのアンモニアを濃縮した(condensed)後、容器をシールし、反応系を周囲温度で66時間、50℃で24時間、攪拌した。揮発性物質をエバポレートし、残渣をEtOAc、次いでヘキサン中でトリチュレートして、表題化合物を得た(910mg,69%)。H NMR(DMSO−d)δ9.85(br s,1H),8.61(br s,1H),8.16(br s,1H),7.54−7.48(m,1H),7.34−7.29(m,2H),7.27−7.14(m,3H),6.88(d,7.3Hz,2H),6.34(s,1H),5.86(s,2H),3.06−2.97(m,2H),2.80−2.73(m,2H),1.68−1.59(m,4H);IR(KBr)3329,3197,2922,1690,1604,1584,1494,1440,1333,1298,698cm−1;FDMS371(M+1)。
G部
(11−ベンジル−7−カルバモイル−2,3,4,11−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[a]カルバゾール−6−イルオキシ)酢酸メチルエステル
Figure 2004518659
F部からの生成物(500mg,1.35mmol)のDMF(10mL)溶液を、CsCO(880mg)を用いて処理し、混合物を0.5時間攪拌した。臭化酢酸メチル(0.20mL;2.00mmol)を滴下し、反応系を周囲温度で18時間攪拌した。HO(20mL)を添加することにより反応系をクエンチし、混合物をEtOAc(4×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して茶色の固体を得た(700mg)。ラジアルクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中80%EtOAc)により精製して表題化合物を得た(504mg)。H NMR(DMSO−d)δ7.46(br s,1H),7.38(d,8.4Hz,1H),7.29−7.16(m,4H),7.10(br s,1H),6.88(d,7.3H,2H),6.28(s,1H),5.87(s,2H),4.82(s,2H),3.69(s,3H),3.04−2.98(m,2H),2.81−2.74(m,2H),1.69−1.59(m,4H);FDMS443(M+1)。
H部
(11−ベンジル−7−カルバモイル−2,3,4,11−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[a]カルバゾール−6−イルオキシ)酢酸
Figure 2004518659
G部からの生成物(50mg,0.11mmol)のMeOH(0.12mL)およびTHF(0.37mL)中の溶液を1N水性NaOH(0.12mL,0.12mmol)を用いて処理した。混合物を6時間攪拌し、THF(0.5mL)で希釈し、ろ過し、固体を乾燥させて表題化合物を得た(49mg)。H NMR(DMSO−d)δ7.61(br s,1H),7.36(d,8.4Hz,1H),7.27−7.15(m,5H),7.01(d,J=7.3Hz,1H),6.88(d,7.3Hz,2H),6.21(s,1H),5.83(s,2H),4.21(s,2H),3.03−2.97(m,2H),2.79−2.71(m,2H),1.70−1.58(m,4H);IR(KBr)3462,1661,1615,1590,1438,1411,1330,1176cm−1;FDMS427(M−1)。
実施例2
A部
6−メトキシインダン−5−ボロン酸
Figure 2004518659
5−ブロモ−6−メトキシインダン(1.06g,4.69mmol)のTHF(10mL)溶液を−78℃まで冷却し、ヘキサン中1.6M n−BuLi(2.90mL,4.64mmol)を用いて滴下様式で処理した。混合物を1時間攪拌し、トリイソプロピルボレート(1.90mL,8.2mmol)で処理した。反応系を0℃までゆっくりと昇温させ、この温度で0.5時間攪拌した。水性1N HCl(12mL)を注意深く添加することにより反応系をクエンチした。層を分離し、水層をEtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して1.02gを得た。フラッシュクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中15%EtOAc)により表題化合物を白色固体として得た(0.62g,69%)。H NMR(DMSO−d)δ7.52(s,2H),7.41(s,1H),6.84(s,1H),3.75(s,3H),2.81(t,J=7.3Hz,2H),2.73(t,J=7.3Hz,2H),2.00−1.92(m,2H);IR(CHCl)3505(br),2945,1612,1570,1487,1465,1417,1297,1252,1161,1129cm−1;FDMS192(M+)。
B部
2−(6−メトキシインダン−5−イル)−3−ニトロ安息香酸メチルエステル
Figure 2004518659
2−クロロ−3−ニトロ安息香酸メチル(4.93g,22.9mmol)およびA部からのボロン酸(4.00g,20.8mmol)のTHF(100mL)溶液をテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(1.20g,1.04mmol)、続いて2.0N NaCO(21.8mL,43.7mmol)を用いて処理した。混合物をN流でフラッシュし、26時間、穏やかに加熱還流した。反応系を冷却し、EtOAc(5×100mL)で抽出した。合わせた有機層を、HO、1N水性HCl、HO、飽和水性NaHCO、ブラインおよびHOを用いて連続的に洗浄した。有機層をNaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して黄色油状物を得た(10.30g)。油状物をEtOAc中に採取し、1N水性NaOHで洗浄して残りの出発物質であるボロン酸を取り除いた。得られた油状物をフラッシュクロマトグラフィー(SiO;トルエン中50%ヘキサン〜100%トルエン)により精製して表題化合物を得た(2.35g)。H NMR(DMSO−d)δ7.96(dd,J=7.7および1.1Hz,1H),7.90(dd,J=8.1および1.1Hz,1H),7.53−7.47(m,1H),6.89(s,1H),6.81(s,1H),3.67(s,3H),3.62(s,3H),2.93(t,J=7.7Hz,2H),2.84(t,J=6.3Hz,2H),2.12−2.03(m,2H);IR(CHCl)1736,1535,1466,1297,1269,1129cm−1;FDMS328(M+1)。
C部
5−メトキシ−1,2,3,10−テトラヒドロシクロペンタ[a]カルバゾール−6−カルボン酸メチルエステル
Figure 2004518659
B部からの生成物のサンプル(2.05g,6.27mmol)をトリフェニルホスフィト(6.56mL)中で、シールした管中に採取し、混合物を160℃で36時間、加熱した。反応系を冷却し、さらにトリフェニルホスフィト(8.20mL)を加え、反応系を、160℃でさらに64時間、加熱した。反応系を冷却し、SiOのカラムに入れた。次いで、ヘキサン中5%EtOAc、次いでヘキサン中25%EtOAcで溶出して表題化合物を得た(1.43g,77%)。H NMR(DMSO−d)δ11.4(s,1H),7.51(dd,J=8.1および1.1Hz,1H),7.33−7.27(m,1H),7.05(dd,J=7.3および0.8Hz,1H),6.58(s,1H),3.83(s,3H),3.82(s,3H),3.3.01−2.94(m,2H),2.19−2.10(m,2H);IR(CHCl)3470,2953,1724,1631,1610,1512,1431,1315,1296,1147,1020cm−1;FDMS296(M+1)。
D部
10−ベンジル−5−メトキシ−1,2,3,10−テトラヒドロシクロペンタ[a]カルバゾール−6−カルボン酸メチルエステル
Figure 2004518659
C部からの生成物(1.28g,4.34mmol)のDMF(25mL)溶液を0℃まで冷却し、NaH(0.27g,6.51mmol;ミネラルオイル中60%)を用いて処理した。混合物を0.5時間攪拌し、臭化ベンジル(0.77mL,6.51mmol)で処理した。反応系を周囲温度まで昇温させ、15時間攪拌し、HO(100mL)を注意深く加えてクエンチした。混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をHO(3×100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン中5%EtOAc、次いでヘキサン中50%CHCl、次いで100%CHCl)により残渣を精製して表題化合物を得た(1.37g,83%)。H NMR(DMSO−d)δ7.33(m,7H),7.01−6.97(m,1H),6.60(s,1H),5.65(s,2H),3.97(s,6H),3.13(t,J=7.3Hz,2H),3.00(t,J=7.3Hz,2H),2.14−2.06(m,2H);FDMS386(M+1)。
E部
10−ベンジル−5−ヒドロキシ−1,2,3,10−テトラヒドロシクロペンタ[a]カルバゾール−6−カルボン酸メチルエステル
Figure 2004518659
D部からの生成物(0.46g,1.18mmol)のCHCl(15mL)溶液を−10℃まで冷却し、BBr(0.15mL,1.54mmol)を用いて処理した。反応系を−10℃で2時間攪拌し、MeOH(5mL)を注意深く加え、混合物を1時間攪拌した。飽和水性NaHCO(10mL)を加え、混合物を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAcで抽出して表題化合物を定量的な収率で得た。H NMR(DMSO−d)δ9.92(s,1H),7.51(dd,J=8.2および0.8Hz,1H),7.31−7.17(m,4H),7.07(dd,J=7.3および1.1Hz,1H),6.93(d,J=7.0Hz,1H),6.47(s,1H),5.71(s,2H),3.78(s,3H),3.04(t,J=7.3Hz,2H),2.83(t,J=7.3Hz,2H),2.01−1.94(m,2H);IR(CHCl)1684,1497,1442,1287,1269,1150cm−1;FDMS372(M+1)。
F部
10−ベンジル−5−ヒドロキシ−1,2,3,10−テトラヒドロシクロペンタ[a]カルバゾール−6−カルボン酸アミド
Figure 2004518659
E部からの生成物(400mg,1.08mmol)のTHF(10mL)溶液を−78℃に冷却し、溶液をアンモニアガス流で処理した。アンモニアを約10mLまで圧縮した後、容器をシールし、反応系を周囲温度で4日間攪拌し、そして50℃で2日間攪拌した。揮発性物質をエバポレートし、残渣をCHCl中でトリチュレートして表題化合物を得た(293mg)。H NMR(DMSO−d)δ10.02(s,1H),8.69(br s,1H),8.24(br s,1H),7.63−7.58(m,1H),7.38−7.32(m,2H),7.24−7.14(m,3H),6.92−6.88(m,2H),6.51(s,1H),5.77(s,2H),3.09(t,J=7.3Hz,2H),2.85(t,J=7.3Hz,2H),2.02−1.93(m,2H);IR(KBr)3331,3192,1690,1605,1583,1570,1494,1451,1441,1330,1273,799,726,699cm−1;FDMS357(M+1)。
G部
(10−ベンジル−6−カルバモイル−1,2,3,10−テトラヒドロシクロペンタ[a]カルバゾール−5−イルオキシ)酢酸メチルエステル
Figure 2004518659
F部からの生成物(100mg,0.28mmol)のDMF(3mL)溶液を0℃まで冷却し、40%水性Triton−B(0.17mL,0.37mmol)で処理した。混合物を周囲温度で15分間攪拌し、ブロモ酢酸メチル(0.04mL,0.37mmol)を用いて処理した。反応系を周囲温度で2時間攪拌し、HO(20mL)を加えることによりクエンチした。混合物をEtOAc(4×30mL)で抽出し、合わせた有機層をHO(4×30mL)で洗浄した。有機相をNaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して白色固体を得た(147mg)。EtOAcからの再結晶により表題化合物を得た(75mg)。H NMR(DMSO−d)δ7.48−7.43(m,2H),7.30−7.11(m,5H),7.00(dd,J=7.3および0.8Hz,1H),6.93(d,J=7.3Hz,2H),6.49(s,1H),5.73(s,2H),4.84(s,2H),3.69(s,3H),3.08(t,J=7.0Hz,2H),2.88(t,J=7.3Hz,2H),2.06−1.98(m,2H);IR(CHCl)1757,1673,1593,1496,1453,1434,1390,1164cm−1;FDMS429(M+1)。
H部
(10−ベンジル−6−カルバモイル−1,2,3,10−テトラヒドロシクロペンタ[a]カルバゾール−5−イルオキシ)酢酸
Figure 2004518659
G部からの生成物(73mg,0.17mmol)のMeOH(0.56mL)およびTHF(0.19mL)中の溶液を1N水性NaOH(0.19mL,0.19mmol)を用いて処理した。混合物を48時間攪拌し、ろ過し、固体を水性1N HClで洗浄して純粋な表題化合物を得た(40mg)。H NMR(DMSO−d)δ7.60(br s,1H),7.42(d,J=8.4Hz,1H),7.34(br s,1H),7.29−7.04(m,4H),7.00(d,J=7.3Hz,1H),6.93(d,J=7.3Hz,2H),6.42(s,1H),5.72(s,2H),4.23(s,2H),3.06(t,J=7.3Hz,2H),2.85(t,J=7.3Hz,2H),2.03−1.95(m,2H)。
実施例3
(11−ベンジル−7−カルバモイル−11H−ベンゾ[a]カルバゾール−6−イルオキシ)酢酸メチルエステル
Figure 2004518659
(11−ベンジル−7−カルバモイル−2,3,4,11−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[a]カルバゾール−6−イルオキシ)酢酸メチルエステル(100mg,0.23mmol)の1,4−ジオキサン(3mL)溶液をDDQ(102mg;0.45mmol)を用いて処理し、混合物を1時間加熱還流した。反応系を冷却し、HO(20mL)および飽和水性NaHCO(10mL)で希釈した。混合物をEtOAc(4×20mL)で希釈した。合わせた有機層を、HO、飽和水性NaHCOおよびHOを用いて連続的に洗浄し、NaSOで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して褐色固体を得た。ラジアルクロマトグラフィー(SiO;ヘキサン中80%EtOAc)による精製により表題化合物を得た(59mg,0.13mmol;59%)。H NMR(DMSO−d)δ8.27(d,J=8.8Hz,1H),7.85(d,J=8.0Hz,1H),7.72(d,J=8.1Hz,1H),7.56(br s,1H),7.46−7.38(m,2H),7.28−7.16(m,6H),7.06(d,7.3Hz,1H),6.96(s,1H),6.17(s,2H),5.01(s,2H),3.71(s,3H);FDMS439(M+1)。
実施例4
(11−ベンジル−7−カルバモイル−11H−ベンゾ[a]カルバゾール−6−イルオキシ)酢酸
Figure 2004518659
A部からの生成物(30mg,0.07mmol)のMeOH(0.07mL)およびTHF(0.21mL)中の溶液を、1N水性NaOH(0.07mL,0.07mmol)を用いて処理した。混合物を一晩攪拌し、1N水性HCl(0.2mL)で処理し、得られた固体をろ過し、乾燥させて表題化合物を得た(20mg,0.05mmol;67%)。H NMR(DMSO−d)δ12.89(s,1H),8.27(d,J=8.5Hz,1H),7.86(d,J=7.7Hz,1H),7.79−7.72(m,2H),7.49−7.38(m,3H),7.30−7.17(m,5H),7.05(d,7.2Hz,2H),6.95(s,2H),4.92(s,2H);IR(KBr)3489,1718,1595,1565,1435,1236,1176,800,749cm−1;FDMS423(M−1)。

Claims (20)

  1. 式(I):
    Figure 2004518659
    [式中、Aは独立して、CまたはNであり、
    nは1、2または3であり、
    B、C、DおよびEは環の識別記号であり、環Bは環のサイズに依存して0〜3個の二重結合を有し、環Eは1〜3個の二重結合(環CおよびDの組合せにより形成されるインドールに起因する二重結合を含む)を有し、
    は、(a)、(b)または(c)
    (ここで、(a)は、C−C20アルキル、C−C20ハロアルキル、C−C20アルケニル、C−C20アルキニル、またはヘテロ環式ラジカルであり、
    (b)は、水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、C−C12アラルキル、C−C12アルカリール、C−Cシクロアルキル、C−Cシクロアルケニル、フェニル、トルイル、キシレニル、ビフェニル、C−Cアルコキシ、C−Cアルケニルオキシ、C−Cアルキニルオキシ、C−C12アルコキシアルキル、C−C12アルコキシアルキルオキシ、C−C12アルキルカルボニルから独立して選択された1以上置換基で置換されている(a)のメンバーであり、
    (c)は基−(L)−R80であり(ここで−(L)−は、炭素、水素、酸素、窒素及び硫黄から選択される1〜12個の原子の二価の連結基であって、−(L)−中の原子の組合せは、(i)炭素および水素のみ、(ii)硫黄のみ、(iii)酸素のみ、(iv)窒素および水素のみ、(v)炭素、水素および硫黄のみ、ならびに(vi)炭素、水素および酸素のみ、からなる群から選択され、R80は(a)または(b)から選択される基である。))から選択され、
    、RおよびRは、各々独立して、水素であるか、または、Aが炭素であるか、Aが窒素であり環結合価が置換が可能である場合には1〜10個の非水素原子と任意の必要とされる水素原子とを含む基であり、
    は、−(L)−Zであり、ここで−(L)−は、結合または以下:
    Figure 2004518659
    から選択される二価の基から選択される二価のリンカー基であり、Zは、以下の式:
    Figure 2004518659
    により表されるアミド、チオアミド、オキシムアミド、オキシムチオアミド、グリオキシルアミド、ヒドラジドまたはアセトアミド基から選択され、ここでXは酸素または硫黄であり、RおよびRa’は、独立して、水素、C−Cアルキル、アリール、C−Cアルカリール、C−Cアルコキシ、アラルキルおよび−CNから選択され、
    は、基、水素または基−(L)−(酸性基)(ここで、(L)−は1〜8の酸リンカー長を有する酸リンカーである)であるか、
    または基−(L)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)(ここで、−(L)−は1〜8のN−ヒドロキシ官能性アミドリンカー長を有するN−ヒドロキシ官能性アミドリンカーである)であり、N−ヒドロキシ官能性アミド基は以下の式:
    Figure 2004518659
    (式中、R6aは、OH、(C−C)アルコキシ、およびアリールオキシからなる群から選択され、
    6bは、水素、またはC−Cアルキル、アリール、C−C14アラルキル、C−C14アルカリール、C−CシクロアルキルおよびC−Cアルコキシアルキル、並びにハロゲン、−CF、−OH、C−Cアルキル、アミノ、カルボニルおよび−CNで置換されたこれらの基からなる群から選択される有機置換基である)
    により表され、
    またはRは基−(L)−(アシルアミノ酸基)であり、「アシルアミノ酸基」は式:
    Figure 2004518659
    (式中、R6CはH、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリール、−CFからなる群から選択され、NR6dは、アミノ酸のアミノ基の一部である窒素原子を有するアミノ酸残基である)
    により表され、
    は、水素、非妨害性置換基、−(L)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)または−(L)−アシルアミノ酸基、または−(L)(酸性基)−から選択される基(ここで、−(L)は1〜8の酸リンカー長を有する酸リンカーである)を表す。ただし、RおよびRのうちの少なくとも1つは−(L)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)または−(L)−(アシルアミノ酸基)、または−(L)(酸性基)−である。]
    で示される4環式化合物またはその製薬上許容される塩または溶媒和型誘導体。
  2. Aが炭素であり、R、RおよびRが、各々独立して、水素、C−Cアルキル、C−Cアルケニル、−O−(C−Cアルキル)、−S−(C−Cアルキル)、−(C−C)シクロアルキル、−CF、ハロ、−NO、−CNまたは−SOである、請求項1に記載の化合物。
  3. E環が3個の二重結合を有する、請求項1に記載の化合物。
  4. に関して、N−ヒドロキシ官能性アミドリンカー基−(L)−または酸リンカー基−(L)−、またはアシルアミノ酸リンカー−(L)−が、以下の式:
    Figure 2004518659
    Figure 2004518659
    (式中、R60、R61、R62およびR63は各々独立して、水素またはC−Cアルキルから選択される)
    から独立して選択される2価の基である、請求項1に記載の化合物。
  5. に関して、Zが式:
    Figure 2004518659
    により表される基であり、連結基−(L)−が結合であり、Raが水素、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、フェニルまたはベンジルである、請求項1に記載の化合物。
  6. に関して、Zが式:
    Figure 2004518659
    により表される基であり、連結基−(L)−が結合であり、Raが水素である、請求項1に記載の化合物。
  7. に関して、Zが式:
    Figure 2004518659
    により表される基であり、連結基−(L)−が結合である、請求項1に記載の化合物。
  8. に関して、Zが式:
    Figure 2004518659
    により表される基であり、連結基−(L)−が結合である、請求項1に記載の化合物。
  9. に関して、Zが式:
    Figure 2004518659
    により表される基であり、連結基−(L)−が結合である、請求項1に記載の化合物。
  10. に関して、二価の連結基−(L)−が結合である、請求項1に記載の化合物。
  11. が基−(Lc)−(N−ヒドロキシ官能性アミド基)であり、(N−ヒドロキシ官能性アミド基)が式:
    Figure 2004518659
    [式中、R6aは、水素、−OH、(C−C)アルコキシおよびアリールオキシからなる群から選択され、
    ここで、R6bは、独立して、H、(C−C)アルキル、アリールアルキル、ヘテロアリールおよびアリールから独立して選択される]
    により表される基である、請求項1に記載の化合物。
  12. が基−(Lc)−(アシルアミノ酸基)であり、(アシルアミノ酸基)が式:
    Figure 2004518659
    [式中、R6cは、H、(C−C)アルキル、(C−C)アルコキシ、ヘテロアリールおよびアリールからなる群から選択され、NR6dはアミノ酸のアミノ基の一部である窒素原子を有するアミノ酸のアミノ酸残基である]
    により表される基である、請求項1に記載の化合物。
  13. が基−(La)−(酸性基)であり、(酸性基)が−COOH、−COONaおよび−COOKからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
  14. 式(II’):
    Figure 2004518659
    (式中、nは1または2である)
    により表される4環式化合物またはその製薬上許容される塩または溶媒和物。
  15. 式(II”):
    Figure 2004518659
    [式中、nは2であり、B環は完全不飽和(すなわち、B+C環=ナフチル)である]
    により表される4環式化合物またはその製薬上許容される塩または溶媒和物。
  16. (10−ベンジル−6−カルバモイル−1,2,3,10−テトラヒドロシクロペンタ[a]カルバゾール−5−イルオキシ)酢酸メチルエステル、
    (10−ベンジル−6−カルバモイル−1,2,3,10−テトラヒドロシクロペンタ[a]カルバゾール−5−イルオキシ)酢酸、
    (10−ベンジル−6−カルバモイル−1,2,3,10−テトラヒドロシクロペンタ[a]カルバゾール−5−イルオキシ)酢酸メチルエステル、
    10−ベンジル−6−カルバモイル−1,2,3,10−テトラヒドロシクロペンタ[a]カルバゾール−5−イルオキシ)酢酸、
    (11−ベンジル−7−カルバモイル−2,3,4,11−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[a]カルバゾール−6−イルオキシ)酢酸メチルエステル、ならびに
    (11−ベンジル−7−カルバモイル−2,3,4,11−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[a]カルバゾール−6−イルオキシ)酢酸からなる群から選択される式Iの化合物またはその製薬上許容される塩または溶媒和物。
  17. 式(C1)、(C2)、(C3)、(C4)、(C5)、(C6)、(C7)、(C8)または(C9)により示される4環式化合物:
    Figure 2004518659
    Figure 2004518659
    Figure 2004518659
    Figure 2004518659
  18. 請求項1〜17のいずれか1項に記載の4環式化合物を、製薬上許容されるキャリアまたは希釈剤と共に含有する医薬製剤。
  19. sPLAを、治療上有効な量の請求項1〜17のいずれか1項に記載の4環式化合物と接触させることを含む、sPLA媒介性の脂肪酸の遊離の阻害方法。
  20. 炎症性疾患の治療用医薬の製造のための、請求項1に記載のsPLAインヒビター化合物およびその混合物を治療上有効な量で含有する医薬組成物の使用。
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