JP2004520221A - 車両懸架装置回転制御装置 - Google Patents

車両懸架装置回転制御装置 Download PDF

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Abstract

車両の第一端部にある2個の複動ラム(1、2)及び車両の第二端部にある2個の単動ラム(3、4)を備える車両用回転制御装置。各複動ラム(1、2)中には第一及び第二流体チャンバー(17、18、21、22)が含まれ、各単動ラム(3、4)中には第一流体チャンバー(19、20)が含まれ、第一横方向導管(27)は車両の第一側部にある複動ラム(1、2)の第一流体チャンバー(17、18)と車両の第二側部にある複動ラム(1、2)の第二流体チャンバー(21、22)間に流体連絡を与え、第一縦方向導管(29)は車両の第一側部にある単動ラム(3、4)の第一流体チャンバー(19、20)と第一流体回路を形成する第一横方向導管(27)間に流体連絡を与え、第二横方向導管(28)は車両の第二側部にある複動ラム(1、2)の第一流体チャンバー(17、18)と車両の第一側部にある複動ラム(1、2)の第二流体チャンバー(17、18)間に流体連絡を与え、第二縦方向導管(30)は車両の第二側部にある単動ラム(3、4)の第一流体チャンバー(19、20)と第二流体回路を形成する第二横方向導管(28)間に流体連絡を与えることにより、本回転制御装置は実質的にねじれ剛性のない回転剛性を付与している。

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は広くは車両懸架装置、より詳細には一様でない回転モーメント分散を伴う車両に利用できる車両懸架装置に関する。
【0002】
「ロールスプリット」としても知られる前記回転モーメント分散は、前部車両サポートへ与えられた回転剛性の該車両の全回転剛性に対する比を限定するものである。
【0003】
本出願人は国際出願PCT/AU00/00311及びPCT/AU00/00312に記載された相互接続された複動ラムが組み込まれた車両懸架装置を開発している。これら控訴の詳細は参照のため本願書類中に含めてある。
【0004】
上述した車両懸架装置は、該装置を取り付けた車両が実質的に一様でない回転モーメント分散を伴う回転制御配置にある場合効率的に作動しないことが分かっている。かかる状態では、必要な回転モーメント分散へ前後バランスの取れた回転力を与えるために該車両の他方の端部に口径の極めて小さいラムが必要とされる。
【0005】
前記回転モーメント分散が極端である場合、前記懸架装置には大口径ラムに起因する流体質量加速効果や前記小口径ラムに起因する高制動圧等の多くの欠点がある。
【0006】
それゆえ本発明の目的は、実質的に一様でない回転モーメント分散を効率的に処理できる車両懸架装置を提供することである。
【0007】
かかる目的により、本願発明においては、
車両本体と、少なくとも2つの車両第一端部に対する面噛合せ手段と、少なくとも2つの前記車両第二端部に対する面噛合せ手段を備える車両用回転制御装置であって、
前記回転制御装置には前記車両の前記第一端部に2個の複動ラム及び前記車両の前記第二端部に2個の単動ラムが備えられ、
各複動ラムには第一及び第二流体チャンバーが含まれ、
各単動ラムには少なくとも第一流体チャンバーが含まれ、
第一横方向導管は前記車両の第一側部にある前記複動ラムの第一流体チャンバーと前記車両の第二側部にある前記複動ラムの第二流体チャンバー間に流体連絡を与え、第一縦方向導管は前記車両の第一側部にある前記単動ラムの第一流体チャンバーと第一側部導管間に流体連絡を与え、前記第一横方向導管及び第一縦方向導管は第一流体回路を形成し、
第二横方向導管は前記車両の前記第二側部にある前記複動ラムの第一流体チャンバーと前記車両の前記第一側部にある前記複動ラムの第二流体チャンバー間に流体連絡を与え、第二縦方向導管は前記車両の前記第二側部にある前記単動ラムの第一流体チャンバーと前記第二横方向導管間に流体連絡を与え、前記第二横方向導管及び第二縦方向導管は第二流体回路を形成し、
かかる構成により少なくとも実質的にねじれ剛性のない回転剛性を付与することを特徴とする車両用回転制御装置が提供されている。
【0008】
前記第一及び第二流体回路の各々には少なくとも1個のアキュムレーターを設けることが可能である。
【0009】
各複動ラムにはピストンロッドへ固定されたピストンを収容するバレルが備えられていてもよく、前記ピストンは前記バレル内部を前記第一チャンバーと前記第二チャンバーに分離する。このピストンには第一チャンバーから第二チャンバーへの流体の移動を実質的に止めるためのバレルへのシールが備えられている。
【0010】
各単動ラムには前記ロッドへ固定されたピストンをさらに備えることも可能である。このピストンは前記バレルを第一流体チャンバーと第二流体チャンバーに分割する。前記ピストンには第一及び第二流体チャンバー間の流体連絡を可能にする貫通穴が設けられていてもよい。これによりラムをリバウンド止めとして用いることも可能であるが、単一の流体チャンバーを形成するバレル中に収容されるロッドのみをもつ単動ラムとして猶有効に機能する。
【0011】
前記アキュムレーターと第一及び第二流体回路との間にアキュムレーター・ダンパを設けることも可能である。
【0012】
ダンパ弁を設けてラム各々の第一流体チャンバーからの流体の流れを可変に制限することも可能である。
【0013】
各ラムの第二流体チャンバーからの流体の流れを可変に制限するために制動弁を設けることも可能である。
【0014】
少なくとも1個の付加的圧力維持アキュムレーターを設けることも可能である。前記圧力維持アキュムレーターを絞り穴を介して前記第一及び第二流体回路双方へ接続することも可能である。またこれに代え、あるいはこれに加えて、前記圧力維持アキュムレーターを機械装置あるいは電気装置で制御できる弁を介して前記第一及び第二流体回路双方へ接続することも可能である。
【0015】
本発明に係る回転制御装置は、車両の対向端部及びその隣接部分において複動ラム及び単動ラムがそれぞれ用いられているので、実質的に一様でない回転モーメント分散を伴う車両へ直ちに適用することが可能である。
【0016】
前記回転制御装置は、複動ラムを用いる車両の一方の端部において上下動方式と回転方式の懸架装置を分離することによって作動する。かかる分離により、車両の一方の側部にある複動ラムの主チャンバーは、車両の対向側部にある複動ラムの副チャンバーへ(好ましくは弾力エネルギーを与えるため各並列接続ライン上へアキュムレーターを備えて)並列接続されているので、かかる回転制御装置の複動ラム構成によって車両の前記端部において弾み剛性よりも高い回転剛性が得られる。上下動の場合には、一方のラムの副チャンバーの輪状面積を対向側ラム主チャンバーの全ピストン面の面積から減ずるとロッドの面積のみが残り、アキュムレーター中あるいはアキュムレーター外へ少量の流体の移動が起こる。回転の場合には、一方のラムの副チャンバーの輪状面積と対向側ラム主チャンバーの全ピストン面の面積が相加されるのでずっと多量の流体のアキュムレーター中あるいは外への変位が起こる。
【0017】
車両の一方の端部にある複動ラム主チャンバーは該車両の反対側端部にある単動ラムへ接続されている。そのため、回転の場合、生じた負荷は、車両の一方の端部にある複動ラムの全ピストン面及び輪状面積、及び該車両の他方端部のロッド面積に相関しているので、一方からの及び他方への負荷、さらに高回転モーメント分散に大きな差異を与える。上下動の場合には、車両の両端部にあるシリンダのロッド面積が与える負荷は一般的に小さい。
【0018】
必要な回転剛性が各端部において非常に異なる場合において車両の両端部に同一の複動ラム形状を用い、また該ラムを先行技術において開示されたように相互接続すると、該車両の一方の端部のラムの口径は最終的に非常に小さくなってしまう。ロッドのサイズはダンパ負荷下にある時には湾曲を止めなければならないため小さ過ぎてはだめなので、回転剛性の低いラムの輪状面積は該ラムが複動であると非常に小さくなる。つまり、リバウンド中に車輪を制御するため必要とされる高い制動力を生ずるための圧力が受け入れがたい程高くなってしまう。後部にある単動ラムを用いれば上下動及び回転双方に際してロッド領域のみを変位させることが可能となり、これにより(必要な回転負荷が小さい場合は)装置内の大きさのバランスが良くなる。用いるラムは、適当な輪状チャンバーを与えて車輪のリバウンド制動を制御するためには2チャンバー型であることが好ましいが、(好ましくはダンパ弁を取り付けて)接続された両チャンバーを用いると該ラムは単動となる。
【0019】
車輪が装置本体に対してねじれた動きをする場合、複動ラムは全ピストン面と輪状領域を相加的に変位させるので、ロッド容量に基づいて釣り合う後方の変位も(いずれかの懸架装置に関して前方から後方が逆転した回転モーメント分散に基づいて)対応的に大きくなる。支持スプリング及びいずれか補助的な回転剛性前部及び後部が本回転制御装置と同一の(前部から後部が逆転された)回転モーメント分散にないならば、該回転制御装置は車両のねじれを回転モーメント分散へ合わせようと圧を強める。該回転制御装置は一方向へ圧を強めて車両をその回転モーメント分散の正しい位置へ回転させようとするがこれはねじれ剛性ではない。本回転制御装置のねじれ剛性は実際にはゼロである。
【0020】
任意ではあるが、車両の回転角度の制御ができるように、ポンプ及び弁を備える流体供給装置、センサ及び電子回路を設けることも可能である。これらの装置及び回路は、前記第一及び第二流体回路へ流体を供給し、また該回路から流体を取り除くことによって装置内圧及び車両の回転角度を制御するために用いることができる。あるいは、ポンプを用いて一方の装置から他の装置へ流体を直接ただ移動することも可能である。車両の回転角度の制御が素早く行われるならば(通常能動回転制御と言われる)、アキュムレーター中で回転制動を行って回転装置の弾性エネルギーを減衰させ、かつ能動装置応答特性を改善することができる。特に、ダンパ弁をアキュムレーターと第一及び第二回路との間に設けて回転装置弾性エネルギーを減衰しかつ能動装置応答特性を改善することができる。
【0021】
本発明に係る回転制御装置の好ましい実施態様を図解する添付図面を参照して本発明についてさらに説明する。本発明の他の実施態様も可能であるので、添付図面の特定の態様をもって本発明について上述した記載の全体であると理解されてはならない。
【0022】
図1及び図2(対応する構成部分には共通の符号が付されている)において、本発明に係る回転制御装置は、車両の一方の端部にある2個の複動ラム(各車輪に1個)と該車両の他方の端部にある2個の単動ラム(各車輪に1個)を備えて構成されている。以下の記載すべてにおいて前記複動ラム1及び2は車両前部にあり、一方前記単動ラム3及び4は車両後部にある。但し、本装置に要求される回転モーメント分散次第では前記複動ラムが車両後部にあってもよく、また前部ラムが単動であってもよい。
【0023】
前部左ラム1は、合わせて固定されているかあるいは一体に形成されてもよいピストン5とロッド9を備えて構成されている。ピストン5はOリング、PTFEバンドを用いてラム1のバレル13をシールしており、溝中は支持Oリングあるいは他の既知手段を用いてシールされている(図示なし)。ピストン5はバレル13を第一チャンバー17と第二チャンバー21に分けている。前部右ラム2は類似構成から成り、ロッド10、第一チャンバー18を形成するピストン6及びバレル14内部の第二チャンバー22を備えている。これら複動ラムは双方ともピストンを隔ててシールされているため各第一チャンバー中の流体塊が第二チャンバー中の流体塊と(使用し続けているシールには殆ど避け難い僅かな漏れが起こることは別として)混じり合うことはない。
【0024】
後部左ラム4にも同様にロッド12、第一チャンバー20を形成するピストン8、及びバレル16内部の第二チャンバー24が備えられている。但し、ピストン8にはその中を通る符号26で示される1または2以上の穴があり、そのため該ラムは効率的に単動可能であり、ロッド径によって有効領域とロッドの変位による前記ラムへのあるいはラムからの流体の移動量が決まる。以下でさらに詳しく説明するように実際にはピストンは省略でき、それゆえ第二チャンバー24は削除可能である。後部右ラム3も同様にロッド11、第一チャンバー19を形成するピストン7及びバレル15内部の第二チャンバー23を備える構成になっている。このピストンにはその中を通る符号25で示す1または2以上の穴があり第一チャンバー19と第二チャンバー23を相互接続している。また、前記ピストン、穴、及び第二チャンバーを削除することも可能である。
【0025】
前部左ラム1の第一チャンバー17は前部右ラム2の第二チャンバー22へ流体導管27によって接続されており、前部右ラム2の第一チャンバー18は前部左ラム1の第二チャンバー21へ流体導管28によって接続されている。前部導管27及び28の各々にはアキュムレーター(31、32)が設けられている。図示されたアキュムレーターはガスチャンバー(33、34)と隔壁(37、38)で分離された流体チャンバー(35、36)を備える水空形式のものである。アキュムレーター31の流体チャンバー35は流体導管27と流体連絡しており、アキュムレーター32の流体チャンバー36は流体導管28と流体連絡している。前記アキュムレーターはピストン型等のいずれか他の形式のものでもよく、またガスの代わりにコイルスプリング等の種々のスプリング手段を用いることも可能である。本発明装置中での圧力先装填によってロッド上に押し出し力が生成されるが、ロッド9及び10の直径とバレル13及び14の直径との比を利用して回転剛性と前部2車輪リバウンド剛性間のバランスを取ることが可能である。
【0026】
前部及び後部ラムも相互接続されて対応するねじれ剛性を持ち込むことなく回転剛性を与えるように前部導管27及び28は縦方向導管29及び30によって後部ラム3及び4へ接続されている。アキュムレーター31及び32は本発明装置中に唯一の弾性エネルギー源を与えるのに用いることができるので、該アキュムレーターを前部導管あるいは縦方向導管上、あるいはラム上のいずれかへ配置することが可能である。流体質量加速効果を減少させるため、前記アキュムレーターは図示するように通常前部導管上へ配置される。あるいは、付加的な後部アキュムレーター(図示なし)を設けるか、あるいは柔軟に配管を伸ばして、弾性エネルギーを部分的にあるいは単独に与えることも可能である。弾性エネルギーの大部分を与えるアキュムレーターを本発明装置へ配置する利点はこの弾性エネルギーが減衰されることである。本発明装置における弾性エネルギー減衰によって、前記回転方式及び弾み方式にある複動ラムからの相対変位による弾み制動よりも高い回転制動を与えることが可能となる。この目的のため、アキュムレーター31及び32上に任意のダンパ弁47及び48が示されている。これらの弁は複動である(すなわち、制動液がアキュムレーター中へあるいはアキュムレーター外へ流れる)ことが好ましいが、単なる例であるがリバウンド時でも使用でき、あるいは圧縮及びリバウンドに対し別個の大きさとしてこれらの弁を用いることができる。前記アキュムレーターにおける制動(すなわち、本発明装置の主要弾性エネルギー源を減衰させること)は、急旋回の際の横方向への加速による回転角度を補正するために能動的回転制御(すなわち、ポンプ、弁、センサ、コントローラ等)を用いる場合に特に重要である。前記アキュムレーター中の弾性エネルギーが減衰されなければ、コントローラは減衰されていないスプリングを制御しなければならないので能動的制御はさらに困難となる。
【0027】
全回転剛性は前部ピストン及びロッド、及び後部ロッドの変位によって生成される。前部ラムは流体を輪状領域及びバレル全域から1個のアキュムレーター中へ及び他のアキュムレーターから外へと移動させ、また後部ラムはロッド領域のみを前記アキュムレーター中へあるいはそこから外へと移動させる。上下動(4輪弾み)時には、前部及び後部ロッド領域は圧縮時に前記アキュムレーター中へ変位し、またリバウンド時は該アキュムレーターから外へ変位する。
【0028】
車輪制動を任意に与えることも可能である。ラム1及び2の第一チャンバー上の弁39及び40によって前部圧縮制動を行うことができる。これらの制動弁は、従来型ダンパ中の基底弁と同様にラムへ一体に形成されていることが好ましい。前部リバウンド制動は同一部位で行うことができるが、空洞を作りかつ膨張可能な前記第一チャンバー中の流体によってその後に制限を受ける。従って、例えば実際にロッド周囲の輪状領域中にラムと一体に形成できる弁41及び42において前部リバウンド制動を与えることが好ましい。次いで前記流体は前記弁を通って第二チャンバー21中で圧縮状態となり高速力時における制動ロスを防止する。後部圧縮制動は、ラムの端部にある弁43及び44によって前記前部圧縮制動と同様に与えることが可能である。これら後部圧縮制動弁を通る流れはロッドの変位によってのみひき起こされるので、車両チューニングに従来用いられる程度まで減じることができる。前記後部リバウンド制動は符号45及び46で示すようにピストン上に設けることが好ましい。ピストンの全面上にあるシムは図1においてラムが広がった時に制動を与える。補充ディスク(49及び50)は各ピストンの輪状面上に示されているが、これらディスクは圧縮に際しての制限を減じ、ラムが広がる時にリバウンド制動へ流体を強制的に通過させるものである。空洞形成と制動ロスを防止するため、符号43及び44で示す位置において圧縮制動とのバランスを取らねばならないが、単一補充ディスクの適所へ付加的圧縮制動を与えることも可能である。これは従来型ダンパあるいは「緩衝装置」と同様である。すべての制動弁にはいずれか既知の制動用構成部品が含まれていてもよい。これら構成部品は、例えば、高速流下での流力制御に用いられるピストン貫通穴;低速流下で流力を制御するための頭字みぞ付シム、段付ピストン圧封領域あるいは補充ディスクを通るオリフィス;速度範囲全域に亘る制御のためピストンへの可変な前負荷を備える直径の異なる多数のシム;及び飛び出して最大制動力を制限するコイルスプリングあるいは他の形式のスプリングである。
【0029】
本発明の回転制御装置において後部の制動が必要とされないならば(リバウンド止め等の別個の手段が与えられているならば)、後部ラムはより簡略な単動ラムであってよく、またピストン、第二チャンバー、制動弁等は不要で、単にバレル中へ変位するロッドがあればよい。
【0030】
本発明装置中の流体は周囲及び車両運転条件に伴って温度が変化するので、流体容積に生ずる変化はアキュムレーター容積と相対して大きくなり得、本発明装置の静的運転作動圧力に大きな変化を生ずることにより本装置の回転及び弾み剛性、ラム押し出し力及び平坦車両乗車高における変化に影響を与える。それゆえ、本装置へ静圧調節方法を設けることが有利である。かかる調節はセンサ、弁、ポンプ等を用いて行うことができるが、少なくとも1個の付加的アキュムレーターを用いて受動的に調節することが好ましい。センサ、弁、ポンプ等を用いれば、本装置を用いて片寄った負荷(すなわち、左から右への一様でない車両への負荷による静的モーメント)対して反応することが可能となる。
【0031】
もし少なくとも1個の付加的アキュムレーターが使用されるならば、水空式アキュムレーターも使用できるが、このタイプのアキュムレーター中のガスは周囲の温度に敏感であるので、機械的弾性を備えるタイプ、すなわち図1に符号51で示したコイルスプリング・アキュムレーターが好ましい。前記アキュムレーターはブロック中の流路あるいは図1に示した配管52によって本装置中の流体塊の双方へ接続されている。前記流路あるいは配管には何らかの形態の絞り穴がある。この絞り穴はいずれか既知の形態のものである。理想的な絞り穴の形態は符号54及び55で示す位置において変化する流体粘度に対して比較的一定である形態であるが、かかる形態の絞り穴は要求される許容度のため非常に費用がかかる。絞り穴の詰まり防止のためフィルターが備えられていることが理想的である。前記絞り穴は急旋回中における本発明装置間の流れを制限するようにデザインされていなければならない一方、該装置の剛性を大きく変化させる温度変動を防止するため十分量の流れを与えるものでなければならない。要求されるアキュムレーターの大きさは本発明装置中の流体容積及び要求される運転温度範囲に依存している。
【0032】
当業者に自明と考えられる変更及び変形は添付の特許請求の範囲において請求された本発明範囲に含まれるものである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係る回転制御装置の模式図である。
【図2】図1の回転制御装置のカッタウェイ図である。

Claims (14)

  1. 車両本体と、少なくとも2つの車両第一端部に対する面噛合せ手段と、少なくとも2つの前記車両第二端部に対する面噛合せ手段を備える車両用回転制御装置であって、
    前記回転制御装置には前記車両の前記第一端部に2個の複動ラム及び前記車両の前記第二端部に2個の単動ラムが備えられ、
    各複動ラムには第一及び第二流体チャンバーが含まれ、
    各単動ラムには少なくとも第一流体チャンバーが含まれ、
    第一横方向導管は前記車両の第一側部にある前記複動ラムの第一流体チャンバーと前記車両の第二側部にある前記複動ラムの第二流体チャンバー間に流体連絡を与え、第一縦方向導管は前記車両の第一側部にある前記単動ラムの第一流体チャンバーと第一側部導管間に流体連絡を与え、前記第一横方向導管及び第一縦方向導管は第一流体回路を形成し、
    第二横方向導管は前記車両の前記第二側部にある前記複動ラムの第一流体チャンバーと前記車両の前記第一側部にある前記複動ラムの第二流体チャンバー間に流体連絡を与え、第二縦方向導管は前記車両の前記第二側部にある前記単動ラムの第一流体チャンバーと前記第二横方向導管間に流体連絡を与え、前記第二横方向導管及び第二縦方向導管は第二流体回路を形成し、
    かかる構成により少なくとも実質的にねじれ剛性のない回転剛性を付与することを特徴とする車両用回転制御装置。
  2. 少なくとも1個のアキュムレーターが前記第一及び第二流体回路の各々に設けられていることを特徴とする請求項1項記載の回転制御装置。
  3. 各複動ラムにはピストンロッドへ固定されたピストンを収容するバレルが含まれ、前記ピストンは前記バレル内部を第一及び第二チャンバーへ分割し、
    前記ピストンには前記第一チャンバーから前記第二チャンバーへの流体の移動を防止するための前記バレルに対するシールが備えられていることを特徴とする請求項1項または2項記載の回転制御装置。
  4. 各単動ラム中には前記ロッドへ固定されたビストンがさらに備えられ、前記ピストンは前記バレルを第一及び第二流体チャンバーへ分割していることを特徴とする先行する請求項のいずれかに記載の回転制御装置。
  5. 各ピストン中には前記第一及び第二流体チャンバー間の流体連絡を可能とする貫通穴が設けられていることを特徴とする請求項4項記載の回転制御装置。
  6. アキュムレーター・ダンパがアキュムレーターと前記第一及び第二流体回路間に備えられていることを特徴とする請求項2項記載の回転制御装置。
  7. 各ラムの前記第一流体チャンバーからの流体の流れを可変に制限するためダンパ弁が設けられていることを特徴とする先行する請求項のいずれかに記載の回転制御装置。
  8. 各ラムの前記第二流体チャンバーからの流体の流れを可変に制限するため制動弁が設けられていることを特徴とする先行する請求項のいずれかに記載の回転制御装置。
  9. 絞り穴を通して前記第一及び第二流体回路双方へ接続された少なくとも1個の圧力維持アキュムレーターをさらに備えることを特徴とする請求項1項記載の回転制御装置。
  10. 機械装置あるいは電気装置により制御される弁を通して前記第一及び第二流体回路双方へ接続された少なくとも1個の圧力維持アキュムレーターをさらに備えることを特徴とする請求項1項記載の回転制御装置。
  11. 前記回転制御装置中の圧力を制御しかつ前記第一及び第二流体回路から流体を供給しかつ取り除く流体供給装置をさらに備えることを特徴とする先行する請求項のいずれかに記載の回転制御装置。
  12. 前記流体供給装置へ加圧流体源、弁センサ及び制御ユニットを備えて前記車両の回転角度の能動的制御を可能とすることを特徴とする請求項11項記載の回転制御装置。
  13. ポンプ、センサ及び制御ユニットをさらに備え、前記ポンプは前記流体回路の一方から他方の回路中へ直接流体を移動させて前記車両の回転角度を能動的に制御することを特徴とする請求項1項または2項記載の回転制御装置。
  14. ダンパ弁を前記アキュムレーターと前記第一及び第二回路間へ設けることにより回転装置弾性エネルギーを減衰しかつ能動的装置応答特性を改善することを特徴とする請求項2項に従属する請求項12項または13項記載の回転制御装置。
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