JP2004520129A - 切断高さが可変のドライ式のシェーバー - Google Patents

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Abstract

【課題】単一のカッターブレード(15)及び単一の協働剪断ブレード(17)を有するドライ式のシェーバー(11)を提供する。
【解決手段】剪断ブレード(17)は細長い可撓性ホイルであり、その厚さはホイル(17)の長手方向に沿った様々な領域(21、22)で異なる。ホイル(17)は、特定の厚さのホイル領域(21、22)をカッターブレード(15)と選択的に整合させることができるように、その長手方向で変位するように取り付けられている。かくして、剪断ブレード(17)の皮膚係合面と、カッターブレード(15)と協働する剪断ブレード(17)の反対側の面との間の間隔を選択的に変化させることができる。別の実施例では、ドライ式のシェーバーは、回転式であり、厚さが異なる複数の相互交換可能の剪断ブレードを有する。更に別の実施例では、回転式ドライ式のシェーバーは、剪断ブレードに被せたカバー部材の外面と協働回転カッターブレードとの間の間隔を変化させるための機構を有する。
【選択図】図2

Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、カッターブレード及びこれと協働する剪断ブレード装置を持つドライ式のシェーバー、すなわち髭や産毛などの毛を剃るときに水を使わなくても使用できる剃刀又は髭剃り(例えば電気髭剃り)に関する。本発明は、少なくとも、往復動カッター及び複数の穴を備えた有孔ホイルの形態の剪断ブレード装置を持つ種類の電気ドライ式のシェーバーと、及び切断されるべき毛が進入する穴が設けられた外剪断部材の下に回転式カッター部材もしくはブレードが設けられた種類のドライ式のシェーバーとの双方に関する。
【背景技術】
【0002】
今日までのシェーバーの歴史では、更に深く即ちクロースに髭を剃る方法が捜し求められてきた。クロース剃り(close shave:深剃り)を行うに当たり、或る種の皮膚及び毛は、短過ぎるように切断された(接線方向に出る)毛が皮膚に再入することによる炎症の問題点に遭遇する。
【0003】
本発明の目的は、クロース切断した毛が皮膚に再入する可能性をなくすように、毛を皮膚表面から十分な距離のところで目的に応じた長さに切断することによってこれが起こらないようにするか或いはこのことから保護することである。かくして、本発明は、毛の再入が起こらないように毛を皮膚表面から十分長く離して切断することに関する。
【0004】
クロースに切断するにあたり、特定の種類の皮膚及び毛は、かくして、クロース剃りした皮膚に毛が再入することによって炎症を引き起こす。従って、本発明の目的は、通常のクロース剃りを行うことができること、及び毛を皮膚表面から幾らかの距離のところで切断することの両方である。皮膚表面からの距離は、切断した毛が皮膚に再入しないようにするのに十分である。
【0005】
英国特許第GB−A−1,569,096号には、フレームで支持された可撓性有孔剪断ホイル、及びこの剪断ホイルと協働する往復動カッターを持つドライ式のシェーバーが記載されている。剪断ホイルは、フレームの二つの側部材間でアーチ状をなして支持され、カッターブレード即ち剪断ヘッドはばねによって剪断ホイルの内側に押し付けられる。同様のこのようなユニットは米国特許第3,729,821号及び他の特許文献に記載されている。カッターブレードは、剪断ブレードホイルの湾曲の軸線と実質的に平行な方向に往復動するように取り付けられていてもよいし、又は別の態様では、カッターブレードはこの軸線を中心とした揺動運動で駆動されていてもよい。
【0006】
剪断ホイル型ドライ式のシェーバーの特定の例では、穴が異なる少なくとも二つの剪断領域を持つ剪断ブレードと往復動カッターが協働する構成が、米国特許第3,694,916号に記載されている。剪断ブレード又はホイルは、選択された剪断領域をカッターブレードの協働剪断位置に置くために移動可能である。この構成により、特定の種類の皮膚に最も適した穴の領域を選択できるが、様々な長さのところで毛を切断することに考えが及んでいない。選択された穴領域を変えても切断深さ即ち切断高さは変わらない。
【0007】
回転カッターシェーバーの変形例もまた周知であり、とりわけ、米国特許第5,007,168号、欧州特許第EP−A1 0,241,082号、及び欧州特許第EP−A1 0,484,795号を参照されたい。これらは全て、上文中に説明した回転の原理を具体化したものである。
【0008】
WO−A−97/45235には、半径方向に差し向けられた毛進入穴が周方向で広幅寸法又は狭幅寸法のいずれかを備えた回転式シェーバー装置が記載されている。毛進入穴が形成された剪断ブレードの厚さは、毛進入穴の寸法に応じて変化する。剪断ブレードは、広幅の毛進入穴を含むその領域の厚さが、狭幅の毛進入穴を含むその領域におけるよりも大きい。かくして、ブレードは周方向で波状のすなわち波形形体を有し、ブレードの深さ即ち厚さが広幅の毛進入穴領域と狭幅の毛進入穴領域との間で増減する。この構成の目的は、短い毛及び長い毛を捕捉して効果的に切断し、最終的にクロース剃りを行うことができると同時に、できるだけ皮膚を傷つけないようにすることである。
【特許文献1】英国特許第GB−A−1,569,096号
【特許文献2】米国特許第3,729,821号
【特許文献3】米国特許第3,694,916号
【特許文献4】米国特許第5,007,168号
【特許文献5】米国特許第EP−A1 0,241,082号
【特許文献6】米国特許第EP−A1 0,484,795号
【特許文献7】WO−A−97/45235
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上文中に論じた炎症の問題を解決するためのドライ式のシェーバーユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の最も一般的な特徴によれば、少なくとも一つのカッターブレード及び協働する剪断ブレード装置を有し、シェーバーユニットの皮膚係合面とカッターブレードと協働する剪断ブレード装置の領域との間の間隔は、「クロース剃り」を行うのに必要な間隔と比較して大きくなっている、ドライ式のシェーバーユニットが提供される。
【0011】
本発明の特定の目的は、とりわけ、皮膚から鋭角をなして出る接線方向に切断された短過ぎる毛が皮膚に再入することによる髭剃り傷(shaving rash)が生じないようにするため、切断を受ける毛を皮膚の特定の領域に亘って必要に応じて可変の長さに残す、切断深さが可変のドライ式のシェーバーを提供することである。
【0012】
従って、本発明によれば、第1の特徴では、シェーバーユニットの皮膚係合面とカッターブレードと協働する剪断ブレードの領域との間で様々な間隔を選択的に利用できる、ドライ式のシェーバーユニットが提供される。
【0013】
本発明によるドライ式のシェーバーの特定の実施例では、単一のカッターブレードが単一の剪断ブレードと協働し、この剪断ブレードの皮膚係合面と、カッターブレードと協働する剪断ブレードの反対側の面(即ち、カッターブレード表面又は剪断ブレードの側部)との間の間隔を選択的に変化させることができる。好ましい構造では、剪断ブレードは、細長く可撓性のホイルであり、その厚さはホイルの長さ方向に沿った異なる領域で異なり、ホイルは、特定の厚さのホイル領域をカッターブレードと選択的に整合できるようにその長さ方向に変位するように取り付けられている。ホイルは、厚さをその長さ方向に亘って最小厚さ部分から最大厚さ部分まで実質的に連続的に変化させることができ、又は別の態様では、ホイルは、それぞれが異なる厚さを有し、可撓性を伴って互いに相互連結された一連のホイル部分を含んでもよい。制御部材は、適当にはホイルに取り付けられており、制御部材はホイルの長さ方向に選択的に変位できる。好ましい構成では、制御部材は、シェーバーの壁部分に形成されたスロットを通って延びる制御スタッドを含み、ホイルを長さ方向に変位するため、制御スタッドの外領域と手作業で係合できる。ホイルは、制御スタッドとスロットとの間の摩擦相互作用等によって特定の選択された位置に保持できる。
【0014】
変形例では、ホイルの両長さ方向短側部が係止機構の両端と係合し、揺動機構の揺動変位によってホイルを長さ方向に変位する。
本発明の別の特徴では、少なくとも一つのカッターブレードは回転式カッターブレードであり、カッターブレード又は各カッターブレードは、協働する剪断ブレードと重なり、剪断ブレードの皮膚係合面とカッターブレードと協働するためのその反対側の面との間の間隔は、「クロース剃り」を行うのに必要な間隔と比較して大きくなっている、ドライ式のシェーバーが提供される。
【0015】
本発明によるドライ式のシェーバーの特定の回転構造では、シェーバーには複数の剪断ブレードが設けられており、一つの剪断ブレードの皮膚係合面と、関連したカッターブレードと協働するためのその反対側の面との間の間隔(即ち、カッターブレード表面又は剪断ブレードの側部)は、複数の剪断ブレードのうちの少なくとも一つの他の剪断ブレードの対応する面と、反対側の面との間の間隔と異なる。かくして、例えば、一つの剪断ブレードがクロース剃り用に設けられ、別の剪断ブレードがレス−クロース(less close)剃り用に設けられている。同時に使用される二つ又は三つのブレードを持つヘッドを備えたシェーバーについて、本発明は、ヘッドで使用するための二つ又はそれ以上のブレード組を提供し、これらのブレード組の一方がクロース剃りを提供し、別のブレード組によりレス−クロース剃りが可能になる。こうした組を二つ以上設けることができ、例えば第三番目の組はクロース剃りと長剃り(long shave)との間に中間の剃りを容易にするということは理解されよう。
【0016】
本発明のこの特徴の変形例では、ドライ式のシェーバーは、少なくとも二つの回転式カッターブレードを有し、各回転カッターブレードは、対称軸線を有し、少なくとも一つの回転式カッターブレードの対称軸線は、ドライ式のシェーバーの全体としての長手方向軸線に対し、少なくとも一つの他の回転式カッターブレードの対称軸線と異なる方向に配向されており、そのため、一度に、少なくとも一つの回転式カッターブレード及び少なくとも一つの他の回転式カッターブレードのうちの一方だけをシェービングの目的で使用できる。
【0017】
かくして、本発明のこの変形例では、シェーバー機には、各々がユニットの全体の長さ方向軸線から異なる方向に向いた二つ又はそれ以上のシェーバーヘッド領域が設けられており、そのため、一度に一つのヘッド領域だけを使用できる。各ヘッド領域には二つ又はそれ以上のブレードが設けられ、上述のように、シェーバーユニットには、一つのヘッド領域がクロース剃り用に設置され、別のヘッド領域がレス−クロース剃り用に設置されるように多数のブレード組が設けられていてもよい。本発明のこの実施例は、異なる方向に向いた二つ又はそれ以上のヘッド領域を備えているため、ユニットは、適当なヘッド領域を皮膚に当てるだけでクロース剃り又はレス−クロース剃りを使用者が選択できるようになっている。本発明のこの特徴の更に別の実施例では、シェーバーユニットは、各々がユニットの長さ方向軸線から異なる方向に向いた三つのヘッド領域を備えていてもよく、三つのヘッド領域又はヘッドアッセンブリは、この長手方向軸線を中心として実質的に120°離間されている。
【0018】
本発明の回転の特徴によるドライ式のシェーバーの変形例では、少なくとも二つの切断ヘッドアッセンブリと組み合わせられた髭剃りユニットが提供され、、各ヘッドアッセンブリは少なくとも一つのカッターブレードを有し、カッターブレード又は各カッターブレードの夫々に協働剪断ブレードが重なっており、一つのヘッドアッセンブリの剪断ブレード又は各剪断ブレードの皮膚係合面とその反対側の面との間の間隔は、一方のヘッドアッセンブリの剪断ブレード又は全ての剪断ブレードについて同じであるが、他方のヘッドアッセンブリの剪断ブレード又は全ての剪断ブレードについての対応する間隔と異なり、ヘッドアッセンブリはドライ式のシェーバーの本体部分に互換可能に取り付けることができる。互換可能の二つ又はそれ以上のヘッドアッセンブリが設けられていることに加え、様々な切断深さを提供する多数のブレード組を更にシェーバーキットに含めてもよい。かくして、一つのヘッドにクロース剃りに適したブレードを設置でき、別のヘッドアッセンブリをレス−クロース剃り用に設置できる。使用者は、ヘッドを適切に交換するだけで一つの等級の剃りから他の等級に交換することを望む。かくして、本発明は、シェーバー本体ユニット、及び、シェーバーの駆動装置が収容された本体ユニットに互換可能に関連させることができる二つ又はそれ以上のヘッドアッセンブリを含むシェーバーキットを含む。このキットは、随意であるが、必要に応じて任意のヘッドアッセンブリと関連させる多数のブレードアッセンブリを含んでもよい。かくして、ヘッドアッセンブリ又はブレードセットを必要に応じて相互交換することによって、又は、様々な角度配向で配置された多数のヘッド領域又はヘッドアッセンブリを備えた構成について、選択されたヘッド領域に適当な切断深さのブレードが使用前に予め随意に必要に応じて取り付けられた適当なヘッド領域を皮膚に適用することによってのいずれかにより、使用に当たっての大きな融通性が得られる。
【0019】
本発明のドライ式のシェーバーの回転式の実施例は、カッターブレード及びこれと重なる協働剪断ブレードを各々含む複数のブレードアッセンブリと組み合わせて提供され、これらのブレードアッセンブリはドライ式のシェーバーに互換可能に取り付けることができる。かくして、上述のように、上述の特徴のうちのいずれかを含む本発明のこの特徴によるドライ式のシェーバーキットでは、キットは、ドライ式のシェーバーに互換可能に取り付けることができるブレードアッセンブリの多数の組を含み、そのため、使用者は、所望の切断深さに適した単数又は複数のブレードをドライ式のシェーバーユニット又はキットのヘッドアッセンブリに必要に応じて取り付けることによって、適当な切断深さを選択できる。
【0020】
本発明の更に別の特徴によれば、その回転形体では、少なくとも一つの回転式カッターブレードを有し、ドライ式のシェーバーの皮膚係合面とカッターブレードとの間の間隔を選択的に変化させることができ、「クロース剃り」を行うのに必要な間隔と比較して大きくなった値を間隔について選択できる、ドライ式のシェーバーが提供される。かくして、本発明のこの実施例では、本発明のホイルの実施例によって提供されるのと同様に、無限に変化させることができる切断深さを利用できるが、個々のブレードアッセンブリを交換したりヘッドアッセンブリ全体を別のヘッドアッセンブリと交換する必要がない。かくして、この特徴では、本発明は、回転構造の特徴と組み合わせたホイル実施例の、直ちに選択的に変化させることができる切断深さを提供する。
【0021】
この追加の特徴における本発明の特定の構造では、シェーバーは、少なくとも一つの回転式カッターブレードを有し、カッターブレード又は各カッターブレードに協働剪断ブレードが重なり、カバー部材が剪断ブレードと重なり、カバー部材の皮膚係合面とカッターブレードと協働する剪断ブレードの面との間の間隔が可変である。この構成では、シェーバーには、剪断ブレード及びカッターブレードアッセンブリをカバー部材に向かって及びこの部材から遠ざかる方向に制御下で移動するための変位機構が設けられている。
【発明の効果】
【0022】
かくして、これらの上述の実施例では、回転式シェーバーユニットについても、切断深さを制御下で所定限度内で実質的に無限に可変に調節するという直接の利点を得ることができる。
【0023】
本発明には、回転式カッターブレード及び協働剪断ブレードを含むドライ式のシェーバー用ブレードアッセンブリも含まれる。このアッセンブリでは、剪断ブレードの皮膚係合面と、カッターブレードと協働するためのその反対側の面との間の間隔が、「クロース剃り」を行うのに必要な間隔と比較して大きくなる。
【0024】
本発明は、同様に、ドライ式のシェーバー用ヘッドアッセンブリを追加に含み、該ヘッドアッセンブリは、少なくとも一つの回転式カッターブレードを含み、カッターブレード又は各カッターブレードは、協働する剪断ブレードと重なり、剪断ブレードの皮膚係合面と、カッターブレードと協働するためのその反対側の面との間の間隔は、「クロース剃り」を行うのに必要な間隔と比較して大きくなっている。
【0025】
かくして、本発明は、ドライ式のシェーバーと組み合わせて又は全く別体のアッセンブリとしてのいずれかの独立ユニットとして本発明の特徴を組み込んだブレードアッセンブリ及びヘッドアッセンブリを含む。同様に、本発明は、ドライ式のシェーバー駆動ユニット、一つ又はそれ以上のヘッドアッセンブリ、及び/又は一つ又はそれ以上のブレードアッセンブリを含む任意の部品キットを含む。このキットは、本発明の範囲内の機器を形成する上でこのようなユニットが本発明の特徴を備えているか或いは互いに協働する限り、組み合わせで又は任意の商業的関連で提供される。
【0026】
本発明は、更に、添付図面のうちの一つ又はそれ以上を参照して本明細書中に説明したドライ式のシェーバーを含む。
次に、本発明の多くの実施例を添付図面を参照して説明する。
【実施例】
【0027】
図1は、人の皮膚表面の一部の断面図である。図1に示すように、皮膚の外層1の下に内層2がある。毛3及び3aは、夫々の毛根領域4及び4aから皮膚を通って外に成長し、皮膚の外層1を通って出る。通常は、毛3が示すように、毛は皮膚外層1から出て皮膚表面の外方上方に皮膚表面に対してほぼ直角に延びる。対象となる皮膚領域によっては、毛が図1に参照番号3aで示すように皮膚表面に関して実質的に垂直方向上方に成長せず、皮膚表面の下で皮膚表面に接するように延びることがある。最終的には、このような毛は参照番号3bで示すように皮膚表面から出るが、皮膚にほとんど接している。毛がこのように接線方向に成長する人は、クロース(close)剃り(深剃り)を行って毛を皮膚外面の比較的近くで切断すると、切断された毛の尖った縁部が、皮膚から出て通常の方法で外方に成長するのでなく、参照番号3cで示すように皮膚の表面の下にもぐり込む状態が生じる。このような内方成長は、毛の先の尖った切断縁部分が皮膚外層1の表面と係合するか或いはその下に捕捉された場合に生じる。次いで、皮膚内に及び皮膚の下へ延びた毛3が成長し続けると、その必須の結果として或る種の炎症が生じる。
【0028】
従って、このような炎症が起こらないようにするのが好ましく、本発明はこの問題に対処しようとするものである。このような皮膚の状態が起こらないようにする考えは、何らかの内方成長状態の可能性が大きくなり易い身体表面の領域の皮膚の表面の僅かに上方で毛を切断することに基づく。しかしながら、本発明の原理に従って毛を切断できるという利点は、図1を参照して例示した皮膚状態のみに限定されず、本発明は、凹凸又は他の皮疹、又は欠陥を剃ることが過度のクロース剃りに不利になるような全ての皮膚環境にも適用できる。本発明により、ドライ式のシェーバーの使用者は、問題の皮膚領域、即ち現在剃っている領域に応じて体毛をタイト(tight)に又は比較的大きな長さまで選択的に切断できる。
【0029】
ホイル型ドライ式のシェーバーに適用できる本発明の一実施例を図2に示す。取り外し可能のシェーバーヘッド部分11がシェーバー本体部分12に取り付けられている。ヘッド11は、本体部分12に着座し、シェーバー本体部分12の上部分即ち駆動部分13を従来の方法で包囲する。全体的にみて、従来の駆動装置が外方に湾曲したすなわち凸状のカッターブレード15に駆動部材14等によって適用され、湾曲したカッターブレード15の軸線方向に往復動させるか或いはこの軸線を中心として振動し即ち半径方向に移動する。螺旋状のばね16等のばね装置が、湾曲した変位可能のカッターブレード15を、協働する有孔ホイルブレード17の内面に押し付ける。ホイルブレード17は、シェービング状態で可動ブレードカッター15に対して実質的に定置の剪断部材として役立つ。即ち、ホイルブレード17は、実際のシェービング作動中、カッターブレード15に関して実質的に定置のままである。
【0030】
有孔ホイルブレード17は、上方に湾曲した形体でシェーバーヘッド11の開放頂部領域内に受け入れられる。ホイルブレード17は、シェーバーヘッド11の向き合った内壁に沿って延びる湾曲した案内溝に受け入れられる。一つのこのような案内溝に参照番号27が付してある。本発明の一つの特定の特徴は、剪断ブレード17として役立つこの有孔ホイルの厚さが、図2及び図3に示すように、ホイルの長さに沿って変化するということである。毛進入孔の大きさ、即ち幅、更にはそれらの形体をホイルの厚さに従って変化させることができ、例えば、ホイルの薄いところで孔が小さく、ホイルの厚いところで孔が大きい。大きい孔と小さい孔が混在していてもよい。
【0031】
次に特に図3を参照すると、この図には、一体のユニットとして形成された有孔ホイルブレード即ち剪断カッター17の望ましい実施例が示してある。この実施例では、ハッチングを付したブレード17の有孔中央領域が、側部材18及び端部材19、即ち無孔であり従ってブレード構造の横部材及び端部材即ちクロス部材を形成するブレード領域によって取り囲まれている。ブレード17は、その全体に長手方向で、一方の軸線方向端部に向かって比較的薄い領域21を有し、その他方の軸線方向端部に向かって比較的厚い領域22を有する。比較的厚い領域22の端部には、ファスナ24を通すための孔23が設けられている(図2参照)。これにより、本発明によるブレード17を、作動ボタン即ち制御ボタン25に連結できる。このボタンは、シェーバーヘッド11の外側でブレード17の長手方向で変位可能であり且つシェーバーヘッド11のハウジングに設けられた案内スロット26によって案内される。
【0032】
変形例の構成(図示せず)では、可撓性のホイルブレードは、端部材及び側部材を持つ別のフレーム構造で支持されていてもよい。ホイルブレードの端縁部は、フレーム構造の端バー及び剪断ヘッド即ちシェーバーヘッドのハウジングの向き合った内壁に設けられた案内溝に取り付けられる。これらの案内溝もまた、図3の一体のブレード構造の可撓性の側縁部と同様に可撓性のフレームの横部材即ち側部材を案内するのに役立つ。この実施例でも、有孔ホイルブレードは一方の端縁部から他方の端縁部までその長手方向長さに沿って厚さが変化する。一体の又はフレームに取り付けられたいずれの構成でも、ホイルブレード17を制御下で長手方向に摺動させることによって、所望の厚さのホイル部分を切断ブレード15に関して選択的に切断配置に置く。これは、シェーバーユニットヘッド11の表面に沿って延びる案内スロット26内を移動するボタン25を外側に配置することにより容易になる。このようにして、使用者によって必要とされるように、必要な切断深さを容易に選択でき、制御された方法で迅速に変化させることができる。ホイル17は、ボタン25とスロット26との間の協働摩擦相互作用によって、例えばスロット26を境界付けるヘッド11の内面領域と外面領域との間に「ニップ」即ち軽い把持係合を形成するボタン25及び連結部分即ちファスナ部分24によって、特定の選択位置に保持できる。
【0033】
可変厚の剪断ブレード17の側縁部18を案内するため、シェーバーヘッドの案内溝27の向き合った側面間の寸法は変化してもよいが、関連領域でのブレード17の厚さ寸法に対して常に適切なものである。ホイル17の比較的薄い領域を適切に案内するため、案内溝27には、必要であれば、ホイル17を溝27の適当な側面に向かって押圧するリーフばね等の適当な弾性手段が設けられていてもよい。これによって、ホイル17の比較的薄い部分と、これと向き合った案内溝27の側壁との間に干渉をもたらす余分の空間をできるだけ塞ぐ。別の態様では、ホイルのいずれかの実施例において、側縁部18又は対応する側フレーム部材の厚さが、剪断ブレード即ちホイル17の全長に亘って均等であるように構成でき、この場合、案内溝に弾性手段を設ける必要がない。
【0034】
設置したホイルブレード17をシェーバーヘッドユニット11の切断端のところでカッターブレード15の湾曲面上でぴんと張る。切断ブレード15の下にあるばね負荷(16)によってホイルブレード17に外方に張力を加える。ばねもまた、所定の場所に保持する上で役立つ。
【0035】
本発明で使用するのに適した図2及び図3に示すホイル17の実施例では、厚さの変化がホイル17の一端から他端まで、第1端の最小厚部分21から他端の最大厚領域22まで実質的に連続している。このようにして、二つの端部間の厚さを実質的に無限に変化させることができる。しかしながら、ホイル側縁部18は、上文中に論じたようにホイル17について選択された材料の特性に応じて、ブレード17の長さ方向全長に亘って一定の即ち均等な厚さを備えていてもよく、又はフレーム構造の実施例において、側フレーム部材の厚さが同様に均等であってもよい。
【0036】
変形例(図示せず)では、ホイルは、厚さ及び形体が各々異なる多くの区分を含んでもよい。各区分は、例えばヒンジ部分又は任意の他の適当な相互連結方法によって、隣接した区分に連結されている。従って、区分は、撓むように、即ち連続したホイル構造が個々の区分から形成されている場合に可撓性であるように接合されており、可撓性の連続したホイルを形成する。区分は、例えば、何らかの適当な方法で互いに結合されることによって接合できる。従って、このような実施例では、ホイルは多数の別個の部分又は区分を有し、これらの部分又は区分の各々は、それ自体が個々の厚さを有し、その結果、対応する切断深さを提供する。この場合も、適当な切断深さが、制御された方法で、ホイルを必要な位置まで摺動させることによって容易に選択される。この変形例の構造では、ホイルの異なる領域に、孔を、可変孔径及び形体及び/又は混在孔径及び形体で設けることができる。
【0037】
図4に示す変形例の取り付け構成では、シェーバーヘッドハウジング11’及びシェーバー本体12’の構造及び構成、並びにカッター15’の構造が図2の構成と対応し、図2に示してあるのと同様の特徴は、ダッシュを追加した同じ参照番号を使用することによって表示される。しかしながら、有孔ホイルブレード17’の長手方向位置を固定するため、ボタンによって制御される図2の摺動構成に代えて枢動構造を使用する。この場合、ホイルブレード17’の端縁部は、シェーバーヘッドハウジング11’内で揺動するように枢軸マウント37に枢着されたロッカ機構36の夫々の端部34、35に連結される。ホイルブレード17’をロッカレバー構造36の横バー部分に連結するため、ファスナ34、35等の任意の適当な手段を設けることができる。同様に、揺動ブレード取り付けフレーム又は構造36の制御枢動部37、例えば枢軸マウント37の端部のレバーアーム又はノブを固定するため、又は別の態様では有孔ホイルブレード17’をカッターブレード15’の表面上で指で摺動させるだけで変位できるように、任意の適当な構成を提供できる。いずれの構成でも、ロッカ部材36は、ヘッドハウジング11’の側壁の内部に支承的に受け入れられたピン又はシャフト37によって適当に枢着される。この場合も、枢軸マウント37と、枢軸又はシャフト37をヘッドハウジング11’の壁に受け入れる支承体との間の適当な摩擦協働又は相互作用によって、又は例えば枢動位置調節ノブと関連した係止ねじ等の任意の他の適当な等価の構成によって、ホイルブレード17’をブレード15’に関して特定の長さ方向位置に保持できる。ホイルを制御下で選択的に変位してホイルの指定された領域をカッターブレードと整合させた後に、ロッカアーム又はレバー36を特定の枢動位置に固定することによって、ホイル17’を特定の選択されたシェービング位置に実質的に係止するための多数の可能な構成が明らかになるであろう。
【0038】
ホイルの厚さを変化できる本発明の実施例の任意の変形例では、厚さが異なるホイル領域を、例えば色彩でコード分けすることによって互いから区別できる。
図5は、ホイル剪断ブレードについて特に有効な切断作用又は剪断作用を得ることができる特徴を詳細に示す。ホイル構造剪断ブレード17の毛進入開口部28の図示の構成では、開口部28を取り囲む周囲領域29がホイル剪断ブレード17の下側の残りの全体のレベルの下に突出するように各進入開口部28の周囲を僅かに下方に曲げ、リップを形成する。この場合、毛進入開口部28を取り囲むホイル剪断ブレード17の周囲領域29とカッターブレード15が相互作用したとき、特に有効な剪断型の作用が得られる。
【0039】
次に図6を参照し、回転式ドライ式のシェーバーに適用できる本発明の一実施例を説明する。代表的構造では、回転式ドライ式のシェーバー41は、多数の、代表的には図示のように三つのカッターユニット42を有し、又は変形例では二つのユニット42を有する。これらのカッターユニットは、各場合において、シェーバー本体44の切断端面43に配置される。本発明のこの変形例の切断駆動装置及び取り付け装置は、全体として、当該産業で周知の実質的に従来の構成によるものであり、本発明が必要とするこのような構造からの特定の変化だけを以下に詳細に説明する。このような構造では、各カッターユニットは外ブレード即ち剪断ブレードを有する。このブレードは毛進入孔又はスリットを有し、組み立て状態においてその下に回転カッターブレードが置かれる。カッターブレードは、回転することにより、剪断ブレードのスリット又は孔(開口部)を通ってカッターブレードの切断領域内に延びる毛を切断する。本発明によれば、回転ブレードアッセンブリ42の各々には、毛進入スリット又は孔が特定の厚さ又は深さ寸法を持ち、対応する切断深さを提供する剪断ブレードユニットが装着される。好ましくは、各ブレードアッセンブリは同じ切断深さを提供する。本発明による好ましい構成では、二つ又はそれ以上の相互互換可能のヘッドアッセンブリが設けられ、これらのアッセンブリの各々には特定の切断深さ、例えば「クロース」剃り(深剃り)又は「ロング(long)」切断を提供するブレードが設けられており、そのため、使用者はタイト切断を提供するヘッドアッセンブリ又はレス−クロース(less close)剃り(比較的深くない剃り)を提供するヘッドアッセンブリを使用できる。
【0040】
かくして、本発明は、駆動装置、シェーバーの駆動部分又は本体と相互互換可能の一つ又はそれ以上のヘッドアッセンブリ、及びいずれかのヘッドアッセンブリと相互互換可能に関連できる二つ又はそれ以上のブレード組を備えた、ドライ式のシェーバー本体ユニットを含むシェービングキットを提供する。この方法では、使用者は、各ブレードがクロース剃りを提供する一つのヘッドアッセンブリ及び更にジェネラス(generous)切断を提供する第2ヘッドアッセンブリを据え付けることができる。クロース剃りが所望の皮膚領域については、使用者は、適当なヘッドアッセンブリをシェーバーユニットの駆動部分に取り付けることによってクロース剃りブレードを適用する。レス−クロース剃りを適用するのが必要であるか或いは望ましい場合には、使用者は、クロース剃りヘッドアッセンブリをレス−クロース剃りを可能にするヘッドアッセンブリと交換する。
【0041】
次に図7を参照すると、この図には、二つのカッターヘッドを持つ回転式シェーバーの斜視図が示してある。各カッターヘッドは、カッターユニットの長手方向軸線から遠ざかる方向に角度をなしており、そのため任意の所与の時期に一方のヘッドだけを使用できる。各カッターヘッドはシェーバーの角度をなした端面領域に配置されており、そのため各カッターは、角度をなした他方の面に配置された他方のカッターと係合することなく、皮膚と個々に係合できる。変形例では、2ブレードカッターヘッドアッセンブリで角度をなした面の各々が二つのブレードを支持する。この場合、シェーバーは、角度をなしたカッター面の各々に二つの双ブレードヘッドアッセンブリを有する。本発明によるこの種のシェーバーでは、全てのカッターブレード及び各ヘッドアッセンブリは、他のブレードユニット又はヘッドアッセンブリと夫々相互互換可能である。
【0042】
上述のように、この実施例のシェーバーユニットは、例えば二つ又はそれ以上の取り外し可能の及び相互互換可能のヘッドアッセンブリ及び様々な切断深さを提供する二組又はそれ以上のブレード組を持つキットとして提供することもできる。使用者は、クロース剃りに適したブレードを持つ一方のヘッドアッセンブリ、及びレス−クロース剃り用の他方のヘッドアッセンブリを据え付ける。二つのヘッドアッセンブリは、上文中に説明した方法で、即ち可能である場合にクロース剃りで、及び必要な場合にレス−クロース剃りで使用するためにシェーバーユニットのベース部分に取り付けることができる。更に別の切断深さを提供する追加のブレード組として、追加のヘッドアッセンブリを部品のキットに含むことができる。図7に提供される更に別の変形例では、ベースユニットは三つのヘッドを適応させることができ、それぞれのヘッドは、ユニットのグリップすなわちハンドル部分も形成するベース部分の全体としての長手方向軸線から遠ざかる方向に角度をなしている。そのため、三つのヘッド領域もしくはヘッドアッセンブリ取り付け部分は、この軸線の周りを互いに実質的に120度のところで等距離に置かれている。この場合、ユニットは、三つの異なる切断深さを提供するように設定でき、使用者は、選択されたヘッド領域を皮膚に適用できるようにユニットを回すことによって適切な切断深さを適用する。この方法では、ヘッドアッセンブリ及びブレードアッセンブリの相互互換もしくは交換に利用できる様々なオプションにより、切断深さに関して最大の相互互換性及び可撓性を以て特に容易に使用できる。
【0043】
次に図8を参照すると、この図には全体に従来の形体の外部切断部材即ち剪断ブレード51が示してある。この種の剪断ブレード51が設けられたヘッド42は、タイト剃りについて最小切断深さを提供するものと考えられる。この図に示すように、全体にシルクハット形状の又は逆様にしたカップ状の切断部材51には、全体に半径方向に配向された随意に斜めになった一連の毛進入スリット又は穴52が、切断ユニット42に取り付けられたときに上方に差し向けられるブレード51の外方に差し向けられた全体に円板形状の領域55に設けられている。シェービング中、切断部材51のこの円板状領域55の外面が皮膚と接触する。円板の周囲のところで、この円板状領域55の皮膚係合面の反対側から、全体に環状の周壁部分56が(切断ユニット42に取り付けられた状態で下方に)延び、外方に差し向けられた保持フランジ53で終端する。この保持フランジ53により、剪断ブレードがシェーバー切断ユニット42に所定位置で固定される。スリット52の半径方向内方の全体に円板形状の領域55の中央には中央皿状部分54が設けられており、この部分は、領域55の外面がスリット52のところに形成する皮膚係合面からセットバックしてある。
【0044】
更にジェネラス剃り(generous shave)、換言すると、髭を比較的長く残すクロース剃り又はレス−タイトを提供するため、図9に示すように厚さが大きいため顔に適用したときの切断深さが大きい剪断ブレードの形態の少なくとも一つの他のカッター61を提供する。カッター即ち剪断ブレード61の全体構造はブレード51と類似しており、そのためブレード51及び61は図6又は図7のドライ式のシェーバーで相互互換可能である。図6のシェーバーでは、好ましくは、全てのブレードがクロース剃りを提供するか或いは全てのブレードがレス−クロース剃りを提供する。しかしながら、図7の2ヘッドシェーバー又はこの設計の3ヘッドの変形例では、一方もしくは一つのヘッドのブレードがクロース剃り用であり且つ他方もしくはその他のヘッドのブレードがレス−クロース剃用であり、そのため顔の様々な領域を必要に応じて滑らかなクロース剃り又はレス−タイト切断のいずれかを提供するように剃ることができる。かくして、図7の変形例では、使用者がブレードアッセンブリ又はヘッドアッセンブリのいずれかの交換を行う必要なしにタイト剃り又はレス−クロース剃りを行うことができる。このオプションもまた、本発明の範疇に含まれる。
【0045】
この場合も、上文中に論じたように、本発明は、この特徴において、図7の2ヘッド構成又は上文中に論じた3ヘッドの変形例で適切なヘッド領域を選択して皮膚に適用することによって広範に様々に使用できるばかりでなく、本発明の原理に従って提供されたシェーバーキットに追加のヘッドアッセンブリ及び/又は追加のブレードアッセンブリを含めることによって、融通性及び相互互換性を更に高める。
【0046】
ブレード51と61との間の唯一の寸法の相違は、外皮膚係合部分でのブレードの厚さである。スリット62、フランジ63、及び中央皿状領域64は、図8の標準的カッター51の部分52、53、54と対応するが、スリット62は深さがブレード51のスリット52よりもかなり大きい。従って、この剪断ブレード61を顔に適用したとき、毛がブレード51の場合よりも長い長さで切断される。本発明のこの実施例の使用では、第2カッター61(図9参照)は、従来確認された皮膚病等の皮膚の問題が生じないように、切断がタイトであり過ぎてはならない皮膚領域に適用されるが、第1カッター51(図8参照)は、皮膚に危険であったり皮膚を損傷したりしない場合にタイト剃りを行うために及び良好な外観を得るために使用される。
【0047】
更に別のカッターユニットは、必要に応じて更に深く切断を行うことができるように、厚さが異なる剪断ブレードを提供する。かくして、使用者は、シェーバーの作動中に少なくとも二つの可能な切断深さを選択的に利用できる。図6の3ブレードシェーバーでは、完全に別々のヘッドユニット45が、第1に標準切断すなわちスタンダードカットのために、そしてレス−タイト(less tight)切断が所望の場合の第2の別態様のために、提供される。この第2の別態様のヘッドの全ての剪断ブレードは、皮膚表面からの間隔を図9の構成に従って更に大きくするように寸法が定められており、これに対して第1のヘッドは図8による剪断ブレードを有する。図6を再度参照すると、ヘッドユニット45はシェーバーユニットの本体から分離でき、そのためヘッド構造全体を取り外して切断深さが異なるヘッドと交換できる。切断深さは、別のヘッド部分45の全ての切断ユニットの剪断ブレードのスリット又は穴の深さが標準的切断に適用できる深さと異なる。この変形例でも、使用者は、ヘッドを交換するだけで少なくとも二つの可能な切断深さを利用できる。かくして、各ヘッド、即ち標準的ヘッド及び変形例のヘッドは、そのヘッドの全てのブレードについて均等な切断性能の剪断ブレードを有するが、得ることができる切断深さはヘッド間で異なる。
【0048】
回転式シェーバーにおいて、クリーニング及び保守のために容易に取り外すことができるヘッド及びブレードアッセンブリを提供することが周知である。この種のヘッド及びブレードアッセンブリの任意の周知の構造を、本発明が提供する改良ブレード構成及び技術に適用できる。詳細には、このような周知の構造は、相互互換式ヘッドアッセンブリ及び/又は本発明が提供する個々に相互交換可能なブレードユニットに適当できる。
【0049】
本発明によれば、例えば駆動ベースに設けられたヘッドアッセンブリとヘッドアッセンブリに設けられたブレードアッセンブリとの間等で、シェーバーの駆動部分への多数の相互交換性を提供するため、ヘッド及びブレードアッセンブリの取り外し性が開発された。かくして、一つのヘッドアッセンブリを取付けるのに適したベース部分を持つ本発明による回転式シェーバーは、各々が異なる切断深さを可能にする二つのヘッドアッセンブリを含むキットとして提供できる。一方のヘッドアッセンブリは、クロース剃り用であり、他方のヘッドアッセンブリは、レス−クロース剃り用である。更に、別の変形例のブレードセットを一つのヘッドに取り付けることによって別の異なる切断深さを可能にできるように、別のブレードセット又はブレードアッセンブリを提供できる。本発明の変形例では、ベース駆動ユニットは、一つ以上のヘッドアッセンブリを同時に収容できる。両ヘッドアッセンブリをベース駆動ユニットによって同時に又は選択的に駆動できる。一方のヘッドアッセンブリには、クロース剃りに適したブレードが設けられ、他方のヘッドアッセンブリには、レス−クロース剃りに適したブレードが設けられる。次いで、これらのヘッドアッセンブリのうちの一方又は他方を必要な切断深さに応じて皮膚に適用できる。本発明の特徴の更に別の変形例では、三つ以上のヘッドアッセンブリに対して単一の駆動ユニットを提供でき、これらのヘッドアッセンブリは全て、取り外して別のアッセンブリと交換する必要なしに使用できる。
【0050】
本発明の任意の変形例では、システムは、単一のベースユニット即ち駆動部分及び二つ又は三つ又はそれ以上のヘッドアッセンブリを含む、部品のキットとして提供できる。各ヘッドアッセンブリには、特定の切断深さの一組のブレードが予め設けられている。これに加えて、又は変形例として、必要に応じて任意のヘッドアッセンブリに相互互換的に配置即ち取り付けるため、別のブレードアッセンブリが部品のキットに含まれていてもよい。かくして、本発明の原理によれば、大きな融通性及び適合性が得られる。全てのヘッドアッセンブリは、ベース駆動部品から容易に取り外すことができ、全てのブレードアッセンブリは夫々のヘッドアッセンブリから容易に取り外すことができる。システムの全てのサブアッセンブリは完全に相互互換可能であり、そのため任意のヘッドアッセンブリを任意の他のヘッドアッセンブリと交換でき、任意のヘッドアッセンブリが任意のブレードアッセンブリを受け入れることができる。かくして、ユニットの任意のヘッド部分には任意の切断深さのブレードユニットを取り付けることができる。かくして、本発明による部品のキットでは、シェーバーユニットは、複数の又は多数のヘッドのうちの任意の一つと相互互換可能に関連できる。各ヘッドは、複数の又は多数のブレードを受け入れることができ、任意のブレードを任意のヘッドと取り外し可能に関連させることができる。別のヘッドユニット用のヘッドとの必然的交換なしで選択的に随意に使用するために角度をなしたヘッドが設けられている場合、完全相互互換性及び交換性の原理がうまくいき、角度をなしたヘッド領域のいずれかで必要な特定の切断深さを前もって選択することが容易になる。
【0051】
図10及び図11には、一対の回転カッターについての実際の切断深さを使用中に選択的に変化させることができる変形例の構成が示してある。例示の構成は、2ヘッドカッター回転式ドライ式シェーバーに関する。図示のように、内剪断ブレード構造81が設けられており、回転カッター85がこの構造の下側に当たり、切断作用を行う。外「ダミー」剪断ブレード即ち外カッターカバー構成91が、内剪断ブレード構造81と協働して剪断ブレード81と外「ダミー」ブレード即ちカバー91との間に可変の空間を提供するため、カッターヘッド71に固定的に取り付けられている。回転ブレード85が周知の方法で回転可能に取り付けられており、これらのブレードは同様に周知の駆動の構成(図示せず)によって回転運動で駆動される。
【0052】
本発明によれば、外「ダミー」剪断ブレード即ち外カッターカバー構成は、固定された有孔外カバー91であり、可変の剪断深さ即ち切断深さを提供するように内剪断ブレード構造81と関連する。剪断ブレード構造81は外カバー91に向かう方向及び遠ざかる方向に変位できるように取り付けられる。このカバー即ち「ダミー」剪断ブレード91の外面92が皮膚と係合する。カバー即ちスペーサヘッド91には、適当には、内剪断ブレード81のスリット82と比べて比較的大きなサイズのの一連の穴93が設けられており、切断されるべき顔の毛がこれらの穴93を通過し、剪断ブレード81の穴即ちスリット82に捕まり、回転ブレード85によって通常の方法で切断される。調節可能の構成により、剪断ブレード構造81を外カバー91に向かう方向及び遠ざかる方向に変位でき、そのため、使用者は、シェービングが行われる皮膚の部分に応じて切断深さを制御された態様で選択的に変化させることができる。カバー−ブレード間隔調節構造の任意の一つの相違点によって必須の調節を可能にできる。
【0053】
この間隔調節を行うための特に好ましい構成が図10及び図11に示してある。この構成によれば、有孔領域93を備えたダミー外カッター即ちカバー91が、全体として、剪断ブレード81のスリット領域と重なり、更に、実質的に穴がない中央領域94を備えている。従って、この追加のカバー即ちダミーカッター91の全体形体は、実際の剪断ブレード81とほぼ同じである。しかしながら、カバー91が、一連の半径方向バー及び周方向バー間に穴93が画成された更に開放したワークタイプ構造、ワイヤタイプ部材、又は有孔プレートであるという程度まで変更を行うこともでき、「ダミー」剪断ブレード91の中央ブリッジ領域もまた、重要な構造上の特徴でない変形例が可能である。
【0054】
剪断ブレード構造81が固定カバー91に向かって及びこれから遠ざかる方向に内方及び外方へ変位できるようにするため、図10及び図11には、シェーバーユニットヘッド領域71の外側壁72の外スロット96内で摺動可能の周囲無端バンドの形態の制御部材95が設けられている。周囲バンド95はその無端経路の四つの位置にカム部材97、98を有し、これらのカム部材は、剪断ブレード87を構成するか或いはこのブレードを支持する支持構造89に設けられたかみ合うカム部材87、88と協働する。無端バンド95を図8で矢印「a」が示す方向に移動することによって、剪断ブレード構造81を固定カバー91から引き離し、従って、シェービング深さ即ち切断深さを大きくする。一方、図8で矢印「b」が示す方向にバンド95を移動すると、逆の効果が得られ、即ち剪断ブレード81が固定ブレード91に近付けられる。
【0055】
この種の構造はそれ自体周知であり、剪断ブレードが或る程度浮いた状態で取り付けられた現存のシェーバーの構成に適用される。ロータブレードが、常に剪断ブレードの近くに固定されたままであり、カッターブレードが全ての剪断ブレード位置で回転されるように駆動装置に可能に連結された剪断ブレードとともに内方及び外方に移動するような構造になっている。
【0056】
従って、このようにして、本発明の原理を回転カッターブレード型のドライ式のシェーバーでも実施できる。
従って、本発明は、この実施例では、下側のカッターブレード85の回転作用により毛が実際に切断される、カバー即ちダミー剪断ブレード91の皮膚係合外面即ち上面92と、協働する剪断ブレード81の内面との間の変位を変化させることによって、シェービングが行われる身体の任意の領域についての好ましい切断深さをほぼ無限に変化させることができる選択を提供する。かくして、本発明のこの変形例によれば、使用者の選択で可変の切断深さを選択的に利用できるドライ式のシェーバーユニットが得られる。
【0057】
図10に示す制御装置95は単なる例示である。剪断ブレード81の位置をダミーブレード即ち外カッター91に対して制御するための、上文中に説明し提案し、本明細書中に示した構成もまた単なる例示であって、添付の特許請求の範囲に定義した本発明の範囲を限定するものではない。詳細には、カバー部分をカッターブレードに対して変位するための変形例の制御装置又は駆動装置を案出及び提供でき、これらは、図示し且つ説明した構成を機械的に逆にした装置を含むがこれに限定されない。
【0058】
「含む/備える」という用語及び「有する」という用語は、本明細書中で本発明に関して使用する場合、上述の特徴、整数、工程、又は構成要素の存在を特定するのに使用されるが、一つ又はそれ以上の他の特徴、整数、工程、又は構成要素又はその群の存在又は追加を除外するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、内皮層及び外皮層、及び毛の成長を示し、更に、体毛が垂直方向よりも水平方向に成長する特定の状態を示す、人間の皮膚の一部の、皮膚の表面の領域の概略断面図である。
【図2】図2は、本発明によるドライ式のシェーバーの調節可能のホイルブレードの側断面図である。
【図3】図3は、本発明によるドライ式のシェーバーに適したホイルブレードの一実施例の斜視図である。
【図4】図4は、調節可能のホイルブレードを本発明によるドライ式のシェーバーに取り付けるための別の方法を示す側断面図である。
【図5】図5は、ホイルの毛進入開口部の周囲を下方に曲げることによって鋭い切断縁部が形成される周知の変形例を示す、図2乃至図4に示す種類の剪断ブレードの概略断面図である。
【図6】図6は、本発明の変形例を適用した周知の構造の回転ブレード式シェーバーの斜視図である。
【図7】図7は、本発明の変形例を適用した、図6の3ブレード形体と比較して二つのブレードを有する変形例の回転ブレード式シェーバーの概略斜視図である。
【図8】図8は、図6又は図7のシェーバーで使用するための従来構造の剪断ブレードの側断面図である。
【図9】図9は、本発明による回転式シェーバー用の変形例の剪断ブレードの側断面図である。
【図10】図10は、図6に示すのと同様の種類のドライ式のシェーバーの2ブレード実施例で切断ブレードと皮膚表面との間の間隔が調節可能のシェーバーヘッド構造を下方から見た斜視図である。
【図11】図11は、図10の構成の長手方向中心線上での長手方向断面図である。
【符号の説明】
【0060】
11 シェーバーヘッド部分
12 シェーバー本体部分
13 駆動部分
14 駆動部材
15 カッターブレード
16 コイルばね
17 有孔ホイルブレード
18 側部材
19 端部材
21 比較的薄い領域
22 比較的厚い領域
23 孔
24 ファスナ
25 制御ボタン
26 案内スロット
27 案内溝

Claims (10)

  1. ドライ式のシェーバーユニットにおいて、少なくとも一つのカッターブレード及び協働する剪断ブレード装置を有し、前記シェーバーユニットの皮膚係合面と前記カッターブレードと協働する前記剪断ブレード装置の領域との間の間隔は、「クロース剃り」を行うのに必要な間隔と比較して大きくなっている、ドライ式のシェーバーユニット。
  2. 請求項1に記載のドライ式のシェーバーユニットにおいて、シェーバーユニットの皮膚係合面と前記カッターブレードと協働する前記剪断ブレードの領域との間で様々な間隔を選択的に利用できる、ドライ式のシェーバーユニット。
  3. 請求項2に記載のドライ式のシェーバーにおいて、単一のカッターブレード及び単一の協働剪断ブレードを有し、該剪断ブレードの皮膚係合面と、前記カッターブレードと協働する前記剪断ブレードの反対側の面との間の間隔を選択的に変化させることができ、前記剪断ブレードは、細長く可撓性のホイルであり、その厚さは前記ホイルの長さ方向に沿った異なる領域で異なり、前記ホイルは、特定の厚さのホイル領域を前記カッターブレードと選択的に整合できるようにその長さ方向に変位するように取り付けられている、ドライ式のシェーバー。
  4. 請求項1又は2に記載のドライ式のシェーバーにおいて、前記少なくとも一つのカッターブレードは回転式カッターブレードであり、前記カッターブレード又は各カッターブレードは、協働する剪断ブレードと重なり、前記剪断ブレードの前記皮膚係合面と前記カッターブレードと協働するためのその反対側の面との間の間隔は、「クロース剃り」を行うのに必要な間隔と比較して大きくなっている、ドライ式のシェーバー。
  5. 請求項4に記載のドライ式のシェーバーにおいて、前記シェーバーには複数の剪断ブレードが設けられており、一つの剪断ブレードの皮膚係合面と、関連したカッターブレードと協働するためのその反対側の面との間の間隔は、前記複数の剪断ブレードのうちの少なくとも一つの他の剪断ブレードの対応する面と、反対側の面との間の間隔と異なる、ドライ式のシェーバー。
  6. 請求項5に記載のドライ式のシェーバーにおいて、少なくとも二つの回転式カッターブレードを有し、各回転カッターブレードは、対称軸線を有し、少なくとも一つの回転式カッターブレードの対称軸線は、前記ドライ式のシェーバーの全体としての長手方向軸線に対し、少なくとも一つの他の回転式カッターブレードの対称軸線とは異なる方向に配向されており、そのため、一度に、前記少なくとも一つの回転式カッターブレード及び前記少なくとも一つの他の回転式カッターブレードのうちの一方だけをシェービングの目的で使用できる、ドライ式のシェーバー。
  7. 請求項5又は6に記載のドライ式のシェーバーにおいて、少なくとも二つの切断ヘッドアッセンブリと組み合わせられ、各ヘッドアッセンブリは少なくとも一つのカッターブレードを有し、カッターブレード又は各カッターブレードの夫々に協働剪断ブレードが重なっており、一つのヘッドアッセンブリの剪断ブレード又は各剪断ブレードの皮膚係合面とその反対側の面との間の間隔は、前記一方のヘッドアッセンブリの剪断ブレード又は全ての剪断ブレードについて同じであるが、前記他方のヘッドアッセンブリの剪断ブレード又は全ての剪断ブレードについての対応する間隔と異なり、前記ヘッドアッセンブリは前記ドライ式のシェーバーの本体部分に互換可能に取り付けることができる、ドライ式のシェーバー。
  8. 請求項4乃至7のうちのいずれか一項に記載のドライ式のシェーバーにおいて、カッターブレード及びこれと重なる協働剪断ブレードを各々含む複数のブレードアッセンブリと組み合わせられ、これらのブレードアッセンブリは前記ドライ式のシェーバーに互換可能に取り付けることができる、ドライ式のシェーバー。
  9. 請求項1又は2に記載のドライ式のシェーバーにおいて、少なくとも一つの回転式カッターブレードを有し、前記ドライ式のシェーバーの皮膚係合面と前記カッターブレードとの間の間隔を選択的に変化させることができ、「クロース剃り」を行うのに必要な間隔と比較して大きくなった値を前記間隔について選択できる、ドライ式のシェーバー。
  10. 請求項9に記載のドライ式のシェーバーにおいて、少なくとも一つの回転式カッターブレードを有し、前記カッターブレード又は各カッターブレードに協働剪断ブレードが重なり、カバー部材が前記剪断ブレードと重なり、前記カバー部材の皮膚係合面と前記カッターブレードと協働する前記剪断ブレードの面との間の間隔が可変であるように剪断ブレード及びカッターブレードアッセンブリを前記カバー部材に向かって及びこの部材から遠ざかる方向に制御下で移動するための変位機構が設けられている、ドライ式のシェーバー。
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