JP2004519717A - 継ぎ目無しオフサルミックレンズ及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

継ぎ目無しオフサルミックレンズを製造する方法が提供される。さらに、機能無しの3次元表面、例えば、非対称前面(18)及び(又は)後面(14)を備えたオフサルミックレンズ並びにかかるレンズの製造の際に用いられる成形ツールも又、提供される。この方法では一般に、表面輪郭を定めるサンプルデータ点を提供し、シミュレートされた3次元表面を形成するアルゴリズムを用いてこれらデータ点相互間を補間する。シミュレートされた3次元表面は、オフサルミックレンズの製造、例えば、コンタクトレンズ(10)の注型の際に用いられる。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は一般に、オフサルミックレンズの設計に関し、特に、継ぎ目無しオフサルミックレンズ及び継ぎ目無し3次元表面を備えたオフサルミックレンズを製造する方法に関する。
【0002】
【従来技術】
コンタクトレンズの設計では一般に、多数のステップが必要である。レンズの裏の面、即ち、後面は、まず最初に角膜の形状及び所望の角膜とレンズの装着関係に基づいて設計される場合が多い。レンズの表の面、即ち、前面は、眼にとって必要な屈折矯正及び所望のレンズ性能を得るよう構成される。かかる性能は、多くの要因で左右され、かかる要因としては、レンズの所望の運動及び所望の位置を達成するのに有効なまぶたの相互作用をもたらすレンズの質量分布、レンズ装用者の快適さ等をもたらす他の形状に関する検討事項が挙げられるが、これらには限定されない。
【0003】
通常の人の角膜の表面トポグラフィーは球面ではない場合が多い。例えば、眼の角膜表面は、一般に角膜の中心から周辺に向かって平らになったカーブを有している。平らな周辺レンズ表面及びレンズのエッジとその下に位置する角膜/結膜との間の適当なエッジクリアランスを生じさせる代表的な方法は、各々がその前に位置するものよりも曲率半径の大きな(即ち、より平らな)一連のコニックセクション曲線を生じさせることであった。従来設計のコンタクトレンズの前面と後面は両方とも、一連の回転対称表面セグメントによって2次元の形態で説明されている。表面セグメントは、対称軸からオフセットしていてもよく、或いはオフセットしていなくてもよい。
【0004】
したがって、従来設計のレンズは、例えば一連の回転対称表面セグメントによって2次元の形態で説明されており、それにより数学的に書き表すことができる。2次元表面セクションの数学的記述は、例えばスプライン又は多項式を組み合わせることにより、又は2次元表面セクションをブレンドすることによって滑らかに且つ連続に作られる。かかる滑らかで連続した表面は、継ぎ目が無いものと、即ち継ぎ目無しであると考えることができる。かくして、継ぎ目を持つオフサルミックレンズ表面は、不連続部のところで互いに交差するセグメントを有し、かかる不連続部により、不快感及び(又は)レンズ性能の1以上の他の低下を生じさせる場合がある。かくして、1以上の実質的に継ぎ目の無い表面を備えたオフサルミックレンズを提供することが有利である。
【0005】
デュシャルム氏に付与された米国特許第5,452,031号(以下、デュシャルム氏特許」という場合がある)明細書は、コンタクトレンズ及び滑らかで継ぎ目の無い表面を備えたコンタクトレンズを製造する方法を開示しており、かかる米国特許明細書の記載内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。具体的に説明すると、ダチャルム氏特許明細書は、角膜表面を基準カーブに関連付けることによりコンタクトレンズ表面の形状を特定する方法を開示している。基準カーブは、点座標に基づいて区分的多項式及びスプラインを用いることにより導き出すことができ、その結果、継ぎ目無し表面トポグラフィーが得られることになる。コンピュータ制御の旋盤が、スプラインデータを受け取り、切断されるべき必要なレンズの形を指示する信号を出力する。
【0006】
バイントラウブ氏に付与された米国特許第5,815,237号明細書は、指数関数によって規定された周辺ゾーン表面を備えるコンタクトレンズを製造する方法を開示しておりかかる米国特許明細書の記載内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。同様に、バイントラウブ氏に付与された米国特許第5,815,236号明細書は、対数関数によって規定された周辺ゾーン表面を有するコンタクトレンズを製造する方法を開示しており、この米国特許明細書の記載内容全体も又、本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
初期の球面を利用したコンタクトレンズの形態の場合よりも人間の眼の曲率に一層厳密に近似しているが、これら今や従来型となったレンズのコンピュータ支援設計法(これは、補間法に基づく多項式及びスプライン又は指数関数及び対数関数の利用に基づいている)の結果として、表面トポグラフィーの2次元的記述に制約されたレンズが生じる。
【0007】
通常の人の角膜の表面トポグラフィーは、固有である場合が多く、2次元の形態では適切に記述することができない凸凹領域、非対称領域及び非球面領域を有している。これと同様に、最適レンズ性能を達成するのに必要なレンズの前又は後のレンズ表面形状も2次元の形態では適切に記述することができない。特に、かかる場合、従来の2次元コンピュータ支援レンズ設計法は、不十分である。
【0008】
レンズを2次元の形態で設計するのは、後面又は前面のうち1以上が回転非対称成分である非対称成分を含んでいる場合には不適切である。コンピュータ制御製造法は、最近の数年間においてレンズの製造を容易にしたが、かかる方法は実際には、用途が制限されており、1以上の非対称成分を持つレンズ、特に、眼内又は眼上で用いられるレンズ、例えば、コンタクトレンズ、眼内レンズ及び角膜オンレイレンズの設計及び製造では不適切である。これは、レンズ設計における現在の方法が、多くの2次元表面を平均化して組み合わせることにより設計に対する種々の仮定及び妥協点を必然的に必要としているからである。かかる仮定及び妥協点の結果として、光学的にもユーザの快適さの面においてのレンズの性能が低下する場合がある。
従来型レンズ、レンズ設計及び製造方法に関する課題のうち1以上を解決する新規なオフサルミックレンズ及びオフサルミックレンズの設計及び製造方法を提供すれば有利である。
【0009】
【発明の概要】
新規なオフサルミックレンズ及びオフサルミックレンズの設計及び製造方法を開発した。本発明のレンズ及び方法は、1以上の回転非対称成分を含む実質的に滑らかで継ぎ目無しの3次元表面を備えたオフサルミックレンズを提供することにより従来型レンズ及び方法と比べて顕著な利点を奏する。本発明の方法によって製造されるレンズとしては、眼内又は眼上で用いられるような構成のオフサルミックレンズ、例えば、あらゆるタイプのコンタクトレンズ、例えば、トーリックコンタクトレンズ、単焦点コンタクトレンズ、多焦点コンタクトレンズ等、眼内レンズ(IOL)、例えば、前眼房IOL、後眼房IOLなど、角膜オンレイレンズ、例えば、角膜上に取り付けられるレンズ、角膜内に配置され又は取り付けられるレンズ等が挙げられるが、これらには限定されない。加うるに、本発明の方法は、角膜屈折レーザ外科手術中、例えば、角膜の付形の際に利用できる。
【0010】
本発明は、例えば1以上の非対称成分を備えた1以上の実質的に滑らかで継ぎ目無しの3次元表面を有するオフサルミックレンズを設計して製造する方法を提供する。本発明の範囲は又、かかるレンズ、かかるレンズを製造するのに用いられるツーリング(tooling )インサート及び金型部分、並びにかかるツーリングインサート及び金型部分を製造する方法を含む。
【0011】
有利には、本発明は、例えば、従来技術と比較して、レンズの形状、表面輪郭、質量の分布、光学的パワーの場所等のパラメータをレンズ設計の限度内に制御する1以上の追加の自由度を提供する。その結果、例えば、快適さ、装着具合(フィッティング)、視力及び(又は)レンズの位置決めに関するオフサルミックレンズの性能の向上が本発明によって得られる。
【0012】
本発明の方法は、対称性に関する制約が不利益をもたらすようなレンズ設計に適用されると特に有利であることは理解されよう。例えば、本発明の方法は、トーリックコンタクトレンズ、例えば、適当な光学パワー及びレンズの配向及びバラストの形態の安定化を容易にする厚さプロフィールが得られるように形作られた後トーリック光学ゾーン及び前面を含むトーリックコンタクトレンズに非常に適している。
【0013】
さらに、本発明は、オフサルミックレンズの寸法及び表面の再現性を向上させることができる。本発明は、オフサルミックレンズを製造するのに用いられている最新式のCNC旋盤を非常に効果的に補完する。
【0014】
本発明の広義の一特徴では、一般に、指定された表面、例えば、指定された角膜表面(レンズの装用者の角膜の表面)又は指定された又は所望のレンズ前面から選択されたサンプルデータ点を提供し又は特定する工程と、少なくとも1つのアルゴリズムを用いてサンプルデータ点相互間を補間して好ましくは例えば少なくとも一部が指定された表面に基づく関係を有するシミュレートされた3次元指定表面を構成する工程と、シミュレートされた3次元指定表面を有するオフサルミックレンズを形成する工程とを有するオフサルミックレンズの製造方法が提供される。シミュレートされた設計の表面は好ましくは、滑らかな実質的に継ぎ目無しの3次元表面であるのに十分、例えば補間工程で良好に構成される。一実施形態では、シミュレートされた3次元表面は、サンプルデータ点及び1以上のレンズ設計パラメータについての1以上の要因又は関係を用いて補間工程中に構成される。有利には、形成工程は、オフサルミックレンズが所望のレンズ設計パラメータを有するように行われ、かかる所望のレンズ設計パラメータとしては、所望の1又は複数の光学的矯正、サイズ、形状、角膜とレンズの後面との間のスペース又は隙間、及び他の所望の光学的装着関係等が挙げられるが、これらには限定されない。
【0015】
有利には、本発明の方法を利用すると2次元回転表面によって定められる輪郭には制約されない表面を有するコンタクトレンズを製造することができる。本発明のレンズは好ましくは、装用者の眼に固有の又はこれに誂えられた任意の回転非対称成分を含む1以上の滑らかで実質的に継ぎ目無しの3次元表面によって構成される。この結果、所望の物理学的及び生理学的レンズの動き及び(又は)視力矯正目的を達成する改善されたレンズ/角膜装着関係及び(又は)前面形状が得られることになる。
【0016】
本発明の一特徴では、好ましくは眼内又は眼上に配置されるような構成のものであって、前面及び全体として互いに反対側に位置した後面を備えたレンズ本体を有するオフサルミックレンズが提供される。継ぎ目無し表面は、非対称表面であってもよい。
例示の目的で、本明細書に記載する本発明についての説明は、コンタクトレンズ及びコンタクトレンズに関する方法を強調するものであるが、本発明は、オフサルミックレンズ一般、好ましくは、眼内又は眼上に配置されるような構成のオフサルミックレンズ及びかかるオフサルミックレンズに関する方法に適用されることは理解されるべきである。かかるレンズ及び方法は全て本発明の範囲に含まれる。
【0017】
本発明は、任意適当な加工法又はこれらの組合せを用いてオフサルミックレンズを製造する際に利用できるようになっている。有用な一実施形態では、例えば所望のレンズ表面に全体的に一致した表面を有するツーリングインサートの初期設計の際に、従来型注型法と関連して利用される。当業者には周知のように、ツーリングインサート又はツールは、全体としてレンズ最終製品の表面のネガの凹みを構成する金型部分を形成するのに用いられる。
【0018】
例えば、本発明の方法によって指定された3次元の実質的に継ぎ目無しの表面を備えたツーリングインサートが、成形装置、例えば、従来設計の成形装置内に位置決めされる。成形可能な配合物、例えば、ポリマー材料又はポリマー材料の配合物を成形装置内に導入し、ツールの表面のネガの凹みを備えた金型部分を形成するのに有効な条件をこれに施す。ツールによって形成される金型部分は、ツーリングインサートの設計に応じて、裏面金型部分又は表(おもて)面金型部分の何れかである。換言すると、ツールの表面は全体として、形成されるべきオフサルミックレンズの面、即ち、後面又は前面に一致している。
従前通り、金型部分を相補金型部分と組み合わせてこれらの間にレンズの形をしたキャビティを形成する。コンタクトレンズ前駆物質をレンズの形状をしたキャビティ内へ導入する。脱型し又は金型部分から取り出すと、レンズ製品が得られる。典型的には、成形後加工工程を脱型したコンタクトレンズ製品に施すのがよい。これら工程としては、水和化、滅菌、包装等が挙げられる。これら工程は、周知であって、本発明の要部とは考えられない。
【0019】
本発明によれば、ツーリングインサートは、装用者の眼に合わせて誂えられた又はこれに固有の不規則な又は非対称の表面輪郭又は2次元曲線又は補間法により実質的に継ぎ目無しの表面であるとは特定できない輪郭を有する場合がある。ツーリングインサートの設計は好ましくは、指定された3次元表面、例えば、指定された角膜表面又は指定された又は所望のレンズ前面から選択されたサンプルデータ点を獲得し又は特定する工程と、少なくとも1つのアルゴリズムを用いてサンプルデータ点相互間を補間して好ましくは例えば少なくとも一部が指定された表面に基づく関係を有するシミュレートされた3次元指定表面を構成する工程と、シミュレートされた3次元表面をツーリングインサート、例えば、ツーリングインサートブランク上に形成する工程を有する方法によって達成される。
【0020】
本発明のこの実施形態では、注型オフサルミックレンズ、例えば、コンタクトレンズは、例えば従来対称、円錐形又は球形インサートを用いて製造された従来型又は従来技術の注型レンズと比較して、装着具合が向上すると共に(或いは)前面の形状が改善されると共に(或いは)視力矯正性能が向上すると共に(或いは)他の性能が向上した状態で製造される。
【0021】
別のレンズ製造法を、本発明の方法と関連して利用できる。例えば、アルゴリズムをレンズ表面成形ツールと関連して使用することができ、かかるツールとしては、旋盤又はフライス盤が挙げられるが、これらには限定されない。シミュレートされた指定3次元表面を例えば、コンピュータ駆動表面切削工具を用いて直接レンズブランク上に切断形成することができる。
【0022】
本発明の別の特徴では、角膜を作り直す方法が提供される。かかる方法は、3次元の矯正された角膜表面、即ち、所望の結果が得られるよう患者の角膜に提供される角膜表面からサンプルデータ点を獲得し又は特定する工程と、滑らかで実質的に継ぎ目のないシミュレートされた3次元表面を作る少なくとも1つのアルゴリズムを用いてサンプルデータ点相互間を補間する工程と、角膜の表面を付形してシミュレートされた3次元表面にほぼ等しくすることにより光学的矯正を角膜に施す工程とを有する。有用な一実施形態では、かかる方法は、患者の角膜の非矯正表面の3次元表面からサンプルデータ点を獲得する工程と、滑らかで実質的に継ぎ目の無いシミュレートされた3次元非矯正表面(これは次に、上記提供段階で用いられる)を作る少なくとも1つのアルゴリズムを用いてサンプルデータ点相互間を補間する工程とを更に有する。
【0023】
本発明の方法は、所望の視力矯正を達成するのに必要な角膜の作り直し(リシェーピング)がどの程度であるかを求めるのに有効である。シミュレートされた3次元矯正角膜表面は、所望の矯正、例えば、視力矯正をもたらす表面である。非矯正角膜のサンプルデータ点から補間される非矯正表面は、作り直しに先立つ角膜の表面を示している。かくして、所望の矯正を得るために角膜の元の非矯正状態の形状から角膜の所望の又は矯正後の形状に至るのに必要な作り直しの度合いが求められる。
作り直しそれ自体は、本発明に従って制御可能な任意適当な方法を用いて達成できる。特に有用な一実施形態では、矯正を施す工程は、例えば角膜表面を作り直すのに従来用いられているようなコンピュータ駆動レーザシステムを用いて角膜の表面をアブレーション(溶発)する工程を含む。矯正を施す工程は、角膜表面、例えば、対称の角膜表面上に非対称表面を生じさせる工程を含む場合がある。
【0024】
上述の各特徴及び全ての特徴、かかる特徴のうち2以上の各組合せ及び全ての組合せは、かかる組合せに含まれる特徴が相互に一貫していないというわけでなければ本発明の範囲に含まれる。
本発明の利点は、添付の図面を参照して以下の説明を読むと一層容易に理解されよう。
【0025】
【好ましい実施形態の詳細な説明】
本発明は、オフサルミックレンズ及びかかるレンズを設計して製造する方法に関し、かかるレンズとしては、単焦点コンタクトレンズ、多焦点コンタクトレンズ及びトーリックコンタクトレンズ、眼内レンズ、角膜インレイレンズ及び他のオフサルミックレンズが挙げられるが、これらには限定されない。
【0026】
簡単に且つ分かりやすくするため、以下の詳細な説明は、主として、コンタクトレンズの設計に関する。当業者であれば、本発明の方法、場合によっては、これに1以上の適当な設計変更を施した方法は、これらのタイプ及び他のタイプのレンズの設計に利用できることは理解されよう。
【0027】
本発明の方法によれば、オフサルミックレンズは、単一の連続した非組合せ状態の数学的表面を3次元空間中に達成する数学的アルゴリズム及び限定された数の仕様を用いて設計される。
【0028】
具体的に説明すると、角膜の形状を一患者群又は選択された患者について決定した後、コンタクトレンズの後面を設計するには、結果的に得られるレンズが例えば本明細書の別の部分で説明する角膜とレンズの後面との間の空間又は隙間を有するのが望ましい1以上のパラメータに関する数学的アルゴリズムを用いてサンプル散乱データ点相互間を補間し、例えば少なくとも一部が角膜の形状に基づく、例えば、角膜の漸変曲率のうち1以上に厳密に近似するシミュレートされた3次元表面(レンズ後面)を作る。本明細書のどこか別の部分で説明する厚さのデータ及び1以上のレンズ性能要件又はパラメータについての仕様又は関係が提供され、これらは、選択された数学的アルゴリズムと連係して、所望の厚さプロフィールを備えた3次元表面(レンズ前面)を定める。
従来の製造方法、例えば、注型法を用いてシミュレートされた3次元表面をレンズ上に成形することができる。さらに、本発明は、最新型CNC旋盤の使用を補完する。
【0029】
本明細書で詳細に説明するこの方法を用いることにより、レンズ前面及び(又は)後面を好ましくは実質的に妥協点を見出すことなく設計できる。
今、図1を参照すると、コンタクトレンズ10及び角膜12の単純化された縦断面図が、x及びZの座標軸を採用した状態で示されており、y軸は、紙面に垂直である。レンズ10は、x軸及びy軸を(0,0,0)のところで接する裏面(即ち、後面)14を有している。角膜12は、レンズ10の裏の面14の中心からその下に距離αmmのところに位置し、表の面(即ち、前面)18は、角膜12の上へ距離δmmのところに位置している。角膜は、以下に詳細に説明するように、半分の軸方向長さR及びRを備えた楕円体である表面22を有している。
【0030】
本発明を利用することにより任意のコンタクトレンズを設計することができる。
例えば、次に図2a〜図2cを参照すると、最も単純な設計のコンタクトレンズのうちの1つを表す回転対称の単視(シングルビジョン)コンタクトレンズ30が示されている。
本発明は、これよりも複雑な回転非対称レンズの設計及び製造に特に有利である。例えば、図3a〜図3cは、本発明に従って設計されたトーリックコンタクトレンズ40、具体的には、プリズムバラストトーリックレンズを示している。
図4a〜図4cは、本発明に従って製造された非常に複雑な設計のレンズを示している。この複雑なレンズ50は、従来の2次元の手法を用いては満足のいく程度には設計できない非対称の3次元表面成分を有している。
【0031】
本発明を利用したレンズ設計は、具体的には、以下の工程を有する。患者の角膜の形状をまず最初に求める。従来手段を用いて角膜を表す選択された数のサンプルデータ点を獲得する。次に、レンズ後面と角膜の所望の装着関係を特定して装用者の生理学的、物理学的及び(又は)光学的要件を満たすようにする。次に、サンプルデータ点相互間を補間するアルゴリズムを用いてシミュレートされた3次元表面を構成する。例えば、コンピュータ駆動表面切削工具、フライス盤又は旋盤を用いることによりこのシミュレートされた3次元表面をツーリングインサート上に形成し、又はレンズ後面上に直接形成するのがよい。
【0032】
次に、レンズの前面を設計する。具体的に説明すると、レンズの厚さについて重要なデータ点を特定して所望の臨床上の性能、例えば、視力矯正、トーリックレンズの回転配向等を達成する。3つのタイプのレンズについてのかかる厚さに関するデータの例が、図2a〜図2b、図3a〜図3b及び図4に示されている。レンズの前面は今や、レンズの厚さに関する重要なデータと関連したアルゴリズムを用いることによって設計される。
3つのタイプのレンズについての本発明の方法による後面及び前面の構成の結果が、図5a〜図7bに3次元略図で示されている。具体的に説明すると、図5a、図6a及び図7aは、3つのタイプのレンズの後面/角膜の離間距離を示し、図5b、図6b及び図7bは、この3つのタイプのレンズの半径方向厚さプロフィールを示している。
【0033】
次に、特に図7a及び図7bを参照すると、複雑な設計のレンズ50が、その表面トポグラフィーの改変にもかかわらず、滑らかで実質的に継ぎ目の無いものとして示されている。当業者であれば、この複雑な設計のレンズは、従来の2次元の数学を利用したレンズ設計方法を用いては製造できないことは理解されよう。さらに、図7bに示すレンズ表面の輪郭は、オフセット回転対称曲線及び他の複雑精巧な現行設計法を用いては作れないことが注目される。
サンプルデータ点を提供する工程は、サンプルデータ点で、例えば、サジタル深さを指定表面を表すために指定し、与え又は選択できる従来方法及び装置を用いて達成できる。
【0034】
当業者には理解されるように、限定された数の散乱データ点及び仕様が与えられていれば、表面を3次元で滑らかに数学的に表す作業は、多くの方法により、しかも特定の形状及び設計上の仕様について達成できる。一アルゴリズムが異なる度合いの精度をもたらすことにより別のアルゴリズムよりも良好な記述をもたらす可能性のあることが知られている。本発明は、以下に説明する3つのアルゴリズムで例示できる。ただし、本発明は、任意特定のアルゴリズム又はアルゴリズムの組合せには限定されないことは認識されるべきである。
【0035】
3次元の輪郭を持つレンズ表面を形成する工程は、コンピュータ駆動のフライス盤又は旋盤、或いは他の適当な切削工具を用いてレンズを付形する工程を含むのがよい。シミュレートされた3次元表面をディジタルの形態でコンピュータ駆動旋盤に入力し、旋盤は、継ぎ目無しの3次元表面をレンズブランク、ツーリングインサート(例えば、注型レンズ)又は角膜(例えば、レーザ外科手術の際)に切断形成するようプログラムされている。オフサルミックレンズの中央部分は一般に、光学的矯正をもたらすという点においてレンズの「光学ゾーン」と呼ばれている。装用者に応じて、光学ゾーンを球形コニックセクションで書き表すことができ、或いは、これは、別のより複雑な形状、例えば、トーリック光学ゾーンであってもよい。本発明は、トーリックコンタクトレンズ及びこれよりも複雑なレンズの設計に特に有利である。
【0036】
トーリック光学ゾーンを備えたコンタクトレンズ(「トーリックコンタクトレンズ」と通称されている)は一般に、乱視に関する眼の屈折異常を矯正するのに用いられる。乱視は、他の屈折異常、例えば、近視や遠視、老視などと関連している場合がある。トーリックコンタクトレンズを1以上の球面レンズによる矯正を備えた状態で処方できる。
球面コンタクトレンズは眼上で自由に回転することができるが、トーリックコンタクトレンズは典型的には、眼上でのレンズの回転を阻止するバラスト又は厚肉化レンズ部分を有していて、トーリックゾーンの円柱軸が乱視の軸と全体として整列したままであるようになっている。バラストは、本発明によって取扱い可能なレンズに対する非対称成分をもたらす。
【0037】
特に、図8を参照すると、本発明は、オフサルミックレンズの後面及び前面をそれぞれ注型するのに役立つツール又はツーリングインサート112,113を更に提供する。ツーリングインサート112,113は、それぞれツーリングインサートの表面のネガの凹みを有する第1の金型部分又は半部117及び第2の金型部分又は半部118を形成する際、成形装置115,116内に配置されるようになっている。インサート112,113の表面は、それぞれオフサルミックレンズの所望の後面及び前面に対応した実質的に滑らかで継ぎ目無しの3次元非対称表面である。金型部分又は半部117,118は、レンズの形をしたキャビティを構成する組立て状態の金型120を形成するよう互いに組み合わされる。重合性/硬化性モノマー配合物をキャビティ内に配置し、処理し、例えば、重合させると共に(或いは)硬化させてコンタクトレンズを形成する。かかる処理は、従来のものであって、当該技術分野で周知であり、したがって、かかる処理について詳細に説明する必要はない。レンズを脱型し、従来の追加の加工工程、例えば、滅菌、包装等を施すのがよい。
【0038】
本明細書に記載したツールインサート及びかかるツールインサートによって製造される金型部分は本発明の範囲内にある。
【0039】
本発明の別の実施形態では、眼の角膜を作り直す方法が提供される。この方法は一般に、患者、例えば、人の眼の矯正された角膜表面を表すサンプルデータ点を選択し又は指定する工程と、少なくとも1つのアルゴリズムを用いて、サンプルデータ点相互間を補間して実質的に滑らかで連続した3次元表面を作る工程とを有している。好ましくは、患者の角膜の非矯正表面の3次元表面からサンプルデータ点を獲得し、少なくとも1つのアルゴリズムを用いてこれら相互間を補間して滑らかで実質的に継ぎ目の無いシミュレートされた3次元非矯正表面を作る。シミュレートされた表面輪郭及び好ましくはシミュレートされた非矯正表面輪郭が与えられる従来型コンピュータ駆動レーザシステムを用いて、角膜を作り直してシミュレートされた表面輪郭に近似させる。本発明のこの実施形態では、この方法を、従来型角膜屈折レーザ外科手術システムと共に用いて角膜間質組織を選択的にアブレーションし又は作り直すことによって、更に場合によっては、角膜前弁(anterior corneal flap )の一時的除去に続いて眼の屈折機能を改変することができる。この方法は、乱視を矯正する非対称表面、例えば、角膜表面の製造、光学的矯正を向上させるために注文による角膜付形を行う際、瞳の中心等と整列することが多くはない角膜頂点上に心出しされる矯正を施す際に有用である。
【0040】
以下の非限定的な実験例は、本発明の幾つかの特徴を示している。
実験例
本発明の方法を利用したトーリックレンズの設計
本発明に従ってトーリックコンタクトレンズを設計するのに用いられる工程は次の通りである。
(1)角膜の形状を求める工程、
(2)所望のレンズと角膜の装着関係を選択して表示する工程、
(3)トーリック光学ゾーンを含む後面を特定する工程、
(4)アルゴリズムXを用いてレンズの後面を3次元の形態で表示する工程、
(5)レンズの中心厚さを特定する工程、
(6)レンズの光学パワーを選択する工程、
(7)レンズの質量分布(選択されたサンプル点)を求める工程、
(8)アルゴリズムXを用いてレンズの前面を図形表示を含む3次元の形態で表示する工程。
アルゴリズムXは、補間法が所望のシミュレートされた3次元表面をもたらすのに有効な任意適当なアルゴリズムであってよい。データ点相互間を補間する際に用いられる適当なアルゴリズムを利用する3つのかかる数学的方法が提供され、以下これらについて説明する。
【0041】
補間法
一般的に言って、n個のデータ点及びこれらの値(z...z)=[z(x,yα).....z(x,y)]の一覧表が特定され、これは、未知の下に位置する表面f(x,y)を不完全に表示するものである。全体として、補間関数f(x,y)が選択され、これに関して、f(x,y)=z,i=1,....,n、そしてn→∞につれて単調にf→fである。
下に位置する表面fの滑らかさは一般に、少なくともC(又は、場合によっては部分区間C)であると考えられ、この仮定が数学公式に組み込まれている。
I.シェパード(SHEPARD )法(シェパード 1968)
【0042】
基本的なシェパード法では、任意の点(x,y)のところでの補間値Φは、データ点の加重和によって定まり、この場合、重みづけは、(x,y)とデータ点との間の距離の逆二乗に比例する。
アルゴリズムは、その最も簡単な形態では、次の方程式によって表すことができる。
Figure 2004519717
上式において、hは、i番目のデータ点、(x,y)は、その位置、Nは、データ点の個数である。
【0043】
II.補間法(クライン及びレンカ、1984)
以下は、以下CR手法と呼ぶ補間法の概略的説明であり、この方法は、クライン(Cline )A.K.及びレンカ(Renka )R.J.”A Storage−efficient Method for Construction of A Thiessen Triangulation”, Rocky Mountain J. Math. 14(1), 119−139 (1984);レンカ.R.J.及びクライン.A.K.”A Triangle−based C Interpolation Method”, Rocky Mountain J. Math. 14(1) 223−237 (1984) ;レンダ(Renda )R.J.”Algorithm 624: Triangulation and Interpolation At Arbitrarily Distributed Points In The Plane”; ACM Trans.Math, Software 10(4) 440−442 (1984) 。これら刊行物の各々の記載内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
【0044】
CR手法は、以下のステップから成っている。
a.既知のデータ点を{(x,y),...(x,y)}の組と関連した凸閉包を三角形に分割する(CRステップ1)。
b.各データ点のところでの補間関数f(x,y)の偏導関数を概算する(CRステップ2)。
c.凸閉包中の任意の点(x,y)について、補間関数f(x,y)の値を、データ値及び(x,y)を含む三角形の頂点の各々のところの偏導関数を用いて計算することができる。計算は、三角形を覆う三次表面に基づいている(CRステップ3)。
【0045】
ステップ1.三角形分割
Sを節点(データ点)の組{(x,y),...(x,y)}とし、ここで、n≧3、i≠jについて(x,y)≠(x,y)である。Nは、節点(x,y)を表すために用いられている。HをSの凸閉包とする。
Sの三角形分割は、以下の性質を持つ三角形の組Tであり、(i)各三角形は、正確に3つの節点を含み、(ii)三角形の内部領域は、対をなして互いに素であり、(iii)H中の各点は、Tの或る三角形に含まれている。
上述のステップ(ii)及び(iii)の精度を最大にするため、できるだけ正三角形に近い三角形を作図する。これを行うため、円弧を、T中の三角形の2つの頂点を結ぶ方向性のない線分N⇔N(i≠j)として定める。円弧N⇔Nは、Hの境界上に位置していれば、或いは、節点を共有する1対の隣り合う三角形により定められる四辺形が厳密に凸でなければ、局所的に最適である。
【0046】
必要な三角形分割は、全ての円弧が局所的に最適なものである。その結果得られる三角形分割は、ティーセンの三角形分割又はドローネーの三角形分割と呼ばれている。クライン及びレンカ(1984)は、ティーセンの三角形分割を得るための以下のアルゴリズムを記載している。
・ 各節点Nについて、Nと関連したティーセンの領域を、全てのi≠jについて|(x,y)−N|(x,y)−N|を満足する点(x,y)の組であると定める。
・ 1対の節点N,Nは、これらの対応したティーセン領域が少なくとも1つの点を共有していれば、ティーセンの隣接域であると呼ばれる。これら領域が、正確に1つの点を共有していれば、N及びNは、弱いティーセン隣接域と呼ばれ、これらが2以上の点を共有していれば、N及びNは、強いティーセン隣接域と呼ばれる。
【0047】
・ 強いティーセン隣接域の全ての対を結んでk節点が共通の円上に位置している場合(k≧4)、弱いティーセン隣接域を結ぶ円弧と交差しないk−3を任意に選択する。
ステップ2.各データ点での補間関数f(x,y)の偏導関数を概算する。
三角形分割を行った後、CR手法における次のステップは、各節点における補間関数の偏導関数を求めることである。
【0048】
以下の偏導関数ベクトルの値が見い出される。
Figure 2004519717
かかるベクトルは、補間関数f(x,y)のHに関する線形化曲率のLノルムを最小にする。これは、直接、四辺形汎関数を最小にする偏導関数(1)の値を見い出すという問題になる。
Figure 2004519717
上式において、Pは、節点kを含む三角形のパッチである。レンカ及びクライン(1984)に記載されているように、方程式(2)は、線形系となる。
Figure 2004519717
この式は、必要条件である導関数D及びDを見い出すブロックガウス−ザイデル法によって解が求められる。
【0049】
ステップ3.サンプリング
凸閉包中の任意の点に関し、補間関数の値は、データ値及びその任意の点を含む三角形の頂点の各々のところの偏導関数を用いて計算できる。この計算は、三角形を覆う三次表面に基づいている。
前の2つのステップは、表面の既知のデータ点のところでの補間関数のスケルトンを作図している。下に位置する表面についての初等関数公式がない場合、この表面の数学的記述は、f(x,y)を表わすアルゴリズムが、関心のある領域中の任意の(x,y)=(x,y)について妥当な値に戻ると、完全なものになろう。
【0050】
このプロセスは、補間法及び有限要素法による解析における共通のものであり、従って、本明細書では詳細には説明しない。概要を述べると、或る(x,y)=Hについてf(x,y)の値は、ローソン(1976)による手順によって計算される。(x,y)を含む三角形Tに関し、fの局所構造は、三角形をまたぐ三次式要素F(x,y)によって表わされ、従って、f(x,y)=F(x,y)となる。局所要素Fは、以下の性質を持っている。
1.Fは、3つの頂点を(x,y)を含む三角形の重心まで結ぶことによって形成される面積の等しい3つの小三角形の各々について真の三次式(双三次式(バイキュービック)ではない)である。
【0051】
2.Fは、Cである。
3.三角形の各エッジN⇔Nに関し、Fは、z,zのエルミート三乗補間値及び端点N,Nのところのこれらの方向導関数である。さらに、N⇔Nに垂直な方向におけるFの導関数は、N,Nのところでの法線微分係数を補間する。
最後の2つの性質は、三角形の境界を横切る(それ故、全領域Hにわたって)Cの連続性を保証する。というのは、三角形の1辺上の任意の点における導関数は、その1辺の端点のところのこれらの値によって完全に求められる。
局所三次式要素Fについての作図によれば、既知の局所データ点相互間に位置する値を求めることができる。かくして、この表面は、データでカバーされる領域中の任意の点で知ることができる。
【0052】
III.補間法(双三次式スプライン)
ディエルク(Dierck)P.”An Algorithm for Surface Fitting With SplineFunctions”, IMA Journal of Numerical Analysis, v.1, pp. 267−283 (1981)に記載されているこの補間法は、散乱データ点(x,y,h)の重みづけw(ここで、i=1...N)の組に対する滑らかな三次式スプライン近似ψ(x,y)を計算する。スプラインには、B−スプライン表示が与えられる。
Figure 2004519717
上式において、Q(x)及びP(y)は、ノット(結び目)の互いに対話式計算組上に定められる正規化された三次式B−スプラインなので、係数Cklは、求められることになる。
【0053】
k番目の反復のとき、現在のノットセットは、最小二乗法の意味で双三次式スプラインをデータに当てはめるために用いられる。次に、残余分散値、即ち、
Figure 2004519717
を計算する。θがユーザにより特定された非負整数限度Sよりも大きければ、ノットセットは、当てはめが最も芳しくない(即ち、θが最大)である領域に余分のノットを加えることにより精緻になる。かかる反復を多く繰り返した後、判断基準θ≦Sが満足され、ノットのセットが受け入れられる。
P.ディエルク著の上述の刊行物の記載内容全体を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
【0054】
次に、表面に対する最終近似を、制約条件θ<Sを受ける全滑らかさ測度を最小にする方程式(4)中の係数を見い出すという最適化の問題に対する解決策として計算する。
本発明による継ぎ目なしの三次元表面を備えた特定のオフサルミックレンズ及びその製造方法を本発明を有利に利用できる態様を例示する目的で説明したが、本発明はこれには限られないことは理解されるべきである。
【0055】
本発明を種々の特定の実施例及び実施形態を用いて説明したが、本発明は、これらには限定されず、本発明は特許請求の範囲に記載された本発明の範囲内で種々の形態で実施できることは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
眼表面上のコンタクトレンズの概略断面図である。
【図2a】
厚さに関するデータ、レンズ中心を通る水平断面の呼称半径方向厚さプロフィールを含む正面図である。
【図2b】
本発明の方法に従って設計された回転対称球面コンタクトレンズの側面図であり、破線(2a)によって囲まれた領域が、実質的に異なる表面タイプの隣り合う領域相互間の移行領域を示す図である。
【図2c】
本発明の方法に従って設計された回転対称球面コンタクトレンズの側面図であり、破線(2a)によって囲まれた領域が、実質的に異なる表面タイプの隣り合う領域相互間の移行領域を示す図である。
【図3a】
厚さに関するデータ、レンズ中心を通る水平断面の呼称半径方向厚さプロフィールを含む正面図である。
【図3b】
本発明の方法に従って設計された回転対称球面コンタクトレンズの側面図であり、破線(3a)によって囲まれた領域が、実質的に異なる表面タイプの隣り合う領域相互間の移行領域を示す図である。
【図3c】
本発明の方法に従って設計された回転対称球面コンタクトレンズの側面図であり、破線(3a)によって囲まれた領域が、実質的に異なる表面タイプの隣り合う領域相互間の移行領域を示す図である。
【図4】
本発明の方法に従って設計された複雑な設計のコンタクトレンズの厚さデータを含む断面正面図であり、破線によって囲まれた領域が、実質的に異なる表面タイプの隣り合う領域相互間の移行領域を示す図である。
【図5a】
図2a〜図2cの半径方向に対称のレンズについての後面/角膜離間距離(α)の3次元図である。
【図5b】
図2a〜図2cの半径方向に対称のレンズについての半径方向厚さ(δ)プロフィールの3次元図である。
【図6a】
図3a〜図3cのトーリックレンズについての後面/角膜離間距離(α)の3次元図である。
【図6b】
図3a〜図3cのトーリックレンズについての半径方向厚さ(δ)プロフィールの3次元図である。
【図7a】
図4の複雑な設計のレンズについての後面/角膜離間距離(α)の3次元図である。
【図7b】
図4の複雑な設計のレンズについての半径方向厚さ(δ)プロフィールの3次元図である。
【図8】
本発明に従ってレンズを製造する一方法を示す略図である。

Claims (41)

  1. オフサルミックレンズであって、眼内又は眼上に配置されるように構成されていて、前面及び全体としてこれと反対側の後面を備えたレンズ本体を有し、前面及び後面のうち少なくとも一方は、実質的に滑らかで継ぎ目無しの3次元非対称表面であることを特徴とするオフサルミックレンズ。
  2. 後面は、実質的に滑らかで継ぎ目無しの3次元非対称表面であることを特徴とする請求項1記載のオフサルミックレンズ。
  3. 前面は、実質的に滑らかで継ぎ目無しの3次元非対称表面であることを特徴とする請求項1記載のオフサルミックレンズ。
  4. 前面と後面の両方は、実質的に滑らかで継ぎ目無しの3次元非対称表面であることを特徴とする請求項1記載のオフサルミックレンズ。
  5. レンズ本体は、コンタクトレンズ、眼内レンズ及び角膜オンレイレンズから成る群から選択されたレンズの本体であることを特徴とする請求項1記載のオフサルミックレンズ。
  6. 全体としてオフサルミックレンズ後面に一致する表面を備えた第1のツールを準備する工程と、第1のツールを成形装置内に位置決めする工程と、成形可能な材料を成形装置内に導入し、該成形可能な材料に第1のツールの前記表面のネガの凹みを備えた第1の金型部分を形成するのに有効な条件を施す工程と、全体としてオフサルミックレンズ前面に一致する表面を備えた第2のツールを準備する工程と、第2のツールを成形装置内に位置決めする工程と、成形可能な材料を成形装置内に導入し、該成形可能な材料に第2のツールの前記表面のネガの凹みを備えた第2の金型部分を形成するのに有効な条件を施す工程と、第1の金型部分と第2の金型部分を組み立ててこれらの間にレンズの形をしたキャビティを形成する工程と、オフサルミックレンズを組立て状態の金型部分のレンズの形をしたキャビティ内に形成する工程とを有し、第1のツールを準備する工程及び第2のツールを準備をする工程のうち少なくとも一方の工程は、サンプルデータ点を少なくとも1つの3次元指定表面から獲得する工程と、少なくとも1つのアルゴリズムを用いてサンプルデータ点相互間を補間してシミュレートされた3次元指定表面を構成する工程と、シミュレートされた3次元指定表面を第1のツール又は第2のツール上に形成する工程とから成ることを特徴とする方法によって形成されたオフサルミックレンズ。
  7. 補間工程は、実質的に滑らかで継ぎ目無しのシミュレートされた3次元指定表面を構成することを特徴とする請求項6記載のオフサルミックレンズ。
  8. シミュレートされた3次元指定表面を形成する工程は、表面成形ツールと関連して、少なくとも1つのアルゴリズムを用いる工程を含むことを特徴とする請求項6記載のオフサルミックレンズ。
  9. 少なくとも1つの3次元指定表面は、角膜表面であり、シミュレートされた3次元指定表面は、第1のツール上に形成されることを特徴とする請求項6記載のオフサルミックレンズ。
  10. 少なくとも1つの3次元指定表面は、オフサルミックレンズ前面であり、シミュレートされた3次元指定表面は、第2のツール上に形成されることを特徴とする請求項6記載のオフサルミックレンズ。
  11. オフサルミックレンズ前面は、少なくとも部分的に角膜表面及びオフサルミックレンズ後面のうち少なくとも一方を参照してオフサルミックレンズの厚さを測定する前面データ点によって表示されることを特徴とする請求項10記載のオフサルミックレンズ。
  12. コンタクトレンズと、眼内レンズ及び角膜オンレイレンズから成る群から選択されていることを特徴とする請求項6記載のオフサルミックレンズ。
  13. シミュレートされた3次元表面は、非対称表面形態を含むことを特徴とする請求項6記載のオフサルミックレンズ。
  14. オフサルミックレンズの製造方法であって、全体としてオフサルミックレンズ後面に一致する表面を備えた第1のツールを準備する工程と、第1のツールを成形装置内に位置決めする工程と、成形可能な材料を成形装置内に導入し、該成形可能な材料に第1のツールの前記表面のネガの凹みを備えた第1の金型部分を形成するのに有効な条件を施す工程と、全体としてオフサルミックレンズ前面に一致する表面を備えた第2のツールを準備する工程と、第2のツールを成形装置内に位置決めする工程と、成形可能な材料を成形装置内に導入し、該成形可能な材料に第2のツールの前記表面のネガの凹みを備えた第2の金型部分を形成するのに有効な条件を施す工程と、第1の金型部分と第2の金型部分を組み立ててこれらの間にレンズの形をしたキャビティを形成する工程と、オフサルミックレンズを組立て状態の金型部分のレンズの形をしたキャビティ内に形成する工程とを有し、第1のツールを準備する工程及び第2のツールを準備をする工程のうち少なくとも一方の工程は、サンプルデータ点を少なくとも1つの3次元指定表面から獲得する工程と、少なくとも1つのアルゴリズムを用いてサンプルデータ点相互間を補間してシミュレートされた3次元指定表面を構成する工程と、シミュレートされた3次元指定表面を第1のツール又は第2のツール上に形成する工程とから成ることを特徴とする方法。
  15. 補間工程は、実質的に滑らかで継ぎ目無しのシミュレートされた3次元指定表面を構成することを特徴とする請求項14記載の方法。
  16. シミュレートされた3次元指定表面を形成する工程は、表面成形ツールと関連して、少なくとも1つのアルゴリズムを用いる工程を含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
  17. 少なくとも1つの3次元指定表面は、角膜表面であり、シミュレートされた3次元指定表面は、第1のツール上に形成されることを特徴とする請求項14記載の方法。
  18. 少なくとも1つの3次元指定表面は、オフサルミックレンズ前面であり、シミュレートされた3次元指定表面は、第2のツール上に形成されることを特徴とする請求項14記載の方法。
  19. オフサルミックレンズ前面は、少なくとも部分的に角膜表面及びオフサルミックレンズ後面のうち少なくとも一方を参照してオフサルミックレンズの厚さを測定する前面データ点によって表示されることを特徴とする請求項18記載の方法。
  20. オフサルミックレンズは、コンタクトレンズと、眼内レンズ及び角膜オンレイレンズから成る群から選択されていることを特徴とする請求項14記載の方法。
  21. シミュレートされた3次元表面は、非対称表面形態を含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
  22. 第1のツールを準備する工程と第2のツールを準備する工程の両方は、サンプルデータ点を獲得する工程と、サンプルデータ点相互間を補間する工程と、それぞれのシミュレートされた3次元指定表面を第1のツール及び第2のツール上に形成する工程とから成ることを特徴とする請求項14記載の方法。
  23. オフサルミックレンズを注型する際に有用なツーリングインサートを製造する方法であって、サンプルデータ点を少なくとも1つの3次元指定表面から獲得する工程と、少なくとも1つのアルゴリズムを用いてサンプルデータ点相互間を補間してシミュレートされた3次元指定表面を構成する工程と、シミュレートされた3次元指定表面をツーリングインサートブランク上に形成する工程とから成ることを特徴とする方法。
  24. 少なくとも1つの3次元指定表面は、角膜表面であることを特徴とする請求項23記載の方法。
  25. 補間工程は、実質的に滑らかで継ぎ目無しのシミュレートされた3次元指定表面を構成することを特徴とする請求項23記載の方法。
  26. シミュレートされた3次元指定表面を形成する工程は、コンピュータ駆動旋盤と関連して、少なくとも1つのアルゴリズムを用いる工程を含むことを特徴とする請求項23記載の方法。
  27. 少なくとも1つの3次元指定表面は、非対称表面であることを特徴とする請求項23記載の方法。
  28. シミュレートされた3次元指定表面は全体として、オフサルミックレンズの後面に一致していることを特徴とする請求項23記載の方法。
  29. シミュレートされた3次元指定表面は全体として、オフサルミックレンズの前面に一致していることを特徴とする請求項23記載の方法。
  30. オフサルミックレンズを注型するための金型部分を製造する際に有用なツールであって、ツールの表面のネガの凹みを備えた金型部分を形成する際に成形装置内に配置されるようになったインサートを有し、インサートの表面は、眼内又は眼上に配置されるような構成のオフサルミックレンズの所望の表面に一致した実質的に滑らかで継ぎ目無しの3次元非対称表面を含むことを特徴とするツール。
  31. コンタクトレンズを製造する際に有用な金型であって、コンタクトレンズの面のネガに一致した実質的に滑らかで継ぎ目無しの3次元非対称表面を有する第1の金型部分と、コンタクトレンズの全体として反対側の面のネガの全体形状を備えた表面を有する第2の金型部分とを有し、第1の金型部分と第2の金型部分は、キャビティを構成するよう互いに組み立てられるようになっていることを特徴とする金型。
  32. キャビティは、実質的に滑らかで継ぎ目無しの3次元非対称表面を有するコンタクトレンズの全体形状をしていることを特徴とする請求項31記載の金型。
  33. オフサルミックレンズを製造する方法であって、選択されたサンプルデータ点を指定角膜表面から獲得する工程と、少なくとも1つのアルゴリズムを用いてサンプルデータ点相互間を補間して滑らかで実質的に継ぎ目無しのシミュレートされた3次元表面を構成する工程と、シミュレートされた3次元表面を備えたオフサルミックレンズを形成する工程とから成ることを特徴とする方法。
  34. オフサルミックレンズの所望のレンズ設計パラメータを定める工程を更に有し、前記形成工程は、オフサルミックレンズが所望のレンズ設計パラメータを持つように実施されることを特徴とする請求項33記載の方法。
  35. オフサルミックレンズを形成する工程は、コンピュータ駆動旋盤を用いる工程を含むことを特徴とする請求項33記載の方法。
  36. オフサルミックレンズを形成する工程は、トーリックコンタクトレンズを形成する工程から成ることを特徴とする請求項33記載の方法。
  37. オフサルミックレンズを形成する工程は、多焦点コンタクトレンズを形成する工程から成ることを特徴とする請求項33記載の方法。
  38. 眼の角膜を作り直す方法であって、サンプルデータ点を3次元矯正済み角膜表面から獲得する段階と、少なくとも1つのアルゴリズムを用いてサンプルデータ点相互間を補間して滑らかで実質的に継ぎ目無しのシミュレートされた3次元表面を構成する段階と、角膜の表面をシミュレートされた3次元表面にほぼ等しくなるように付形することにより角膜に光学的矯正を施す段階とを有することを特徴とする方法。
  39. 角膜の非矯正表面の3次元表面からサンプルデータ点を獲得する段階と、少なくとも1つのアルゴリズムを用いて前記サンプルデータ点相互間を補間して前記獲得段階で用いられる滑らかで実質的に継ぎ目無しのシミュレートされた3次元非矯正表面を作る段階とを更に有することを特徴とする請求項38記載の方法。
  40. 光学的矯正を施す段階は、コンピュータ駆動レーザシステムを用いて角膜の表面をアブレーションする段階を含むことを特徴とする請求項38記載の方法。
  41. 光学的矯正を施す段階は、非対称表面を作る段階を含むことを特徴とする請求項38記載の方法。
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