JP2004519269A

JP2004519269A - 改良型流体アプリケータ

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Publication number: JP2004519269A
Application number: JP2002533689A
Authority: JP
Inventors: ウェインオー，ボブ; マリーキャンディド，アン; デイヴィーズ，フィリップ; トーマスランド，マーク; ウィリアムシアーズ，チャールズ; ウォルタータナー，マーク
Original assignee: Procter and Gamble Co
Current assignee: Procter and Gamble Co
Priority date: 2000-10-10
Filing date: 2001-10-09
Publication date: 2004-07-02
Also published as: EP1324680A2; EP1324680B1; DE60115680D1; MXPA03003135A; ATE311786T1; AU2002214559A1; DE60115680T2; WO2002030236A3; WO2002030236A2; US6588964B1

Abstract

分配すべき流体の貯槽と連通している流体入口を備える本体を有する流体アプリケータ。このアプリケータは、本体の塗布領域から外側に向かって延在する複数のアプリケータタインを更に包含し、これらのタインは少なくとも部分的に可撓性がある。更に、これらのタインのうち少なくとも幾つかは流体経路を包含する。加えて、アプリケータは、塗布領域のほぼ上にあるハンドル部を包含する。アクチュエータは、前部端に隣接し、塗布領域のほぼ上においてその中心からずれて本体上に配置される。このアクチュエータは、所定量の流体をタインの流体経路に選択的に分配するよう機能的に構成され、これにより、標的表面に対して正確、且つ一定に流体を分配及び塗布することができる。

Description

【０００１】
本発明は改良型流体アプリケータに関し、より詳細には、手で皮膚又は頭皮をマッサージし、且つ皮膚又は頭皮に流体を塗布する組み合わせアプリケータに関する。
【０００２】
（発明の背景）
流体アプリケータ及びマッサージ装置は、手で皮膚又は頭皮をマッサージし、且つ様々な潤滑液及び加湿液を塗布するのに使用されている。かかる液体の塗布及びマッサージは手で行うことができるが、このプロセスを簡略化し、向上させるために多くのタイプの装置が開発されてきた。流体製品を分配するアプリケータ及びその製品を表面に塗布し、及び／又は「作用させる」ためのアプリケータを組み合わせて、薬剤、ローション、トリートメント、又は皮膚や頭皮などに塗布された他の流体の分配を改良させる一助となる単一装置とした。かかる流体の例としては、ふけ防止剤、日焼けローション、加湿剤、日焼け止め剤又は育毛トリートメントが挙げられる。更に、典型的な装置は人間に対する用途に使用されるが、時としてこれらのアプリケータは、殺虫剤／殺ダニ剤などの液体をペット又は他の動物の外被に塗布するのにも使用可能である。
【０００３】
それにもかかわらず、これらの装置のほとんどが、実施可能性及び有用性を制限する多数の欠陥を伴う。例えば、これらの装置の多くは流体アプリケータとして用いられるが、多くの場合、投与量を見積もって塗布することが困難であり、処置領域への流体の分配が不均一になってしまう。この不均一な分配が、皮膚又は頭皮のある領域が受容する製品の量が多すぎる一方で、別の領域が受容する量は少なすぎるといった事態を生じさせることがある。更に多くの場合、流体が塗布される時のアプリケータの配向により、又は、アプリケータがウェットな環境で使用されるかドライな環境で使用されるかにより、アプリケータは製品の分配又は塗布を確実に「狙う」ことができなかったり、流体を一定して分配することもできなかったりする。結果として、ユーザによる作動時に流体投与を繰り返し行うことができる改良型流体アプリケータを有することが有利である。更には、装置が保持される配向がいかなるものであろうと、又その周囲環境がウェットであるかドライであるかにかかわらず、装置が一定して流体を分配するものであれば非常に望ましい。
【０００４】
典型的な従来技術の流体アプリケータの更なる欠点の１つは、これらのアプリケータのほとんどが、皮膚又は頭皮などの所望領域に対して完全には流体を塗布することができないということである。例えば、従来技術のアプリケータの多くは流体を皮膚又は頭皮に送出するが、アプリケータと標的表面間の密着を促進しないものがほとんどである。かかる欠点は、典型的には、処置すべき領域に対して液体が十分に送出されないがために液体の過度の使用又は浪費を招く。結果として、アプリケータと標的との送出表面間の接触を促進し、より簡便に、且つより正確な位置へ流体投与を行う改良型流体アプリケータを有することが好都合である。
【０００５】
最後に、従来技術の装置の多くは、アクチュエータが不便な位置にあるので、分配とマッサージとを簡単に切り替えることができない。例えば、コーニデス（Ｋｏｒｎｉｄｅｓ）の米国特許第５，２９７，８８２号において、分配要素の配置と、マッサージ装置を操作するための実用的要求のために、ユーザは、ブラシの毛を通して流体を塗布するために、皮膚又は頭皮のマッサージを事実上やめなければならない。更には、多くの装置、例えばオバジ（Ｏｂａｇｉ）の米国特許第５，１３１，３８４号に開示される装置は、かさばる大きさなので握りづらいためこの装置の目的を達成することができないかもしれない。更に、多くの従来技術のアプリケータは、硬質で非可撓性の物質から製造されており、これらのアプリケータが皮膚又は頭皮と接触すると、多少の不快感を与えることがある。従って、握りやすく、平均的な者の手にフィットしやすいだけでなく、流体の塗布とマッサージとを容易に切り替えることができる改良型アプリケータを有することが非常に望ましい。更に、そのアプリケータが良好な皮膚／頭皮への刺激と、皮膚又は頭皮に接触した時の心地よく柔らかな感触とを独自に組み合わせて付与するものであれば有利である。
【０００６】
（発明の概要）
本発明の代表的な実施形態において、流体アプリケータは、分配すべき流体の貯槽と連通する流体入口を有する本体を有する。この本体は又、前部端及び後部端を具備する。アプリケータは、本体の塗布領域から外側に向かって延在する複数のアプリケータタインを更に包含し、これらのタイン（ｔｉｎｅ）は少なくとも部分的に可撓性があり、そのうちの幾つかは流体経路を具備し得る。加えて、アプリケータは、塗布領域のほぼ上にハンドル部を包含する。最後に、アプリケータは、前部端に隣接し、アプリケータ領域のほぼ上において、その中心からずれて本体上に配置されるアクチュエータを包含し得る。アクチュエータは、所定量の流体を流体経路に選択的に分配するよう機能的に構成されるべきである。
【０００７】
本発明の代替実施形態において、流体アプリケータは、流体貯槽を収容するように構成される本体を具備し、ハンドル領域及び塗布領域も具備する。アプリケータは、本体下面に一体的に取り付けられる複数のアプリケータタインを更に包含し、これら複数のタインの少なくとも幾つかは流体経路を具備する。更に、アプリケータは、貯槽と連通する流体入口と、マニホールドシステムに一体的に接続する流体出口とを有するポンプを具備し得る。マニホールドシステムは複数の通路を有し、これらの通路は、実質的に一定である所定分量の流体を流体経路に送出するよう構成される。最後に、アプリケータは、本体に移動可能に接続されるアクチュエータを備えるものであり、このアクチュエータは、所定量の流体を流体経路に選択的に分配するよう機能的に構成される。
なお、本発明の他の利点及び新規の特徴が以下の詳細な記述から当業者にとって明らかになるであろうが、これは本発明を遂行する上で考えられる多様な形態を単に示している。明らかなように、本発明は、本発明から逸脱しない全ての他の明白な異なる態様が可能である。それ故に、図面及び説明はその性質上解説のためのものあり、制限的なものではない。
【０００８】
（代表的な実施形態の詳細な説明）
以下、本発明の多様な代表的実施形態を詳細に参照するが、そのうちの幾つかは又添付図面にも示されており、その際同種の数字は図面を通じて同じ要素を指している。
図１は、本発明に従って製造された改良型流体アプリケータ１０の非限定的な代表的実施形態である。図１に示すように、改良型流体アプリケータ１０は、前部端２５、及び後部端３５を有する本体１５を具備する。本体１５は、ベース２０、ベゼル３０及びカバー４０から構成され、ベゼル３０及びカバー４０は、ベース２０と一体的に接続するよう更に具備される。ベゼル３０はいかなる様式ででもベース２０と係合可能であるが、本発明の代表的な実施形態において、ベゼル３０はしっかりとスナップ係合するよう設計されている。例えば、図２に示すように、ベゼル３０は複数のペグ３２を具備してもよく、これらのペグ３２は、ベース２０と一体的に形成されるか又はそれに取り付けられる対応する複数のコネクタ３７と係合するよう構成される。本明細書の説明から更に理解されるように、これらの部品は常設のものとして取り付け可能であるが、幾つかの用途では、製造、消耗部品の取替、修理、洗浄などがしやすいように、少なくともそのうちの幾つかが選択的に分離可能であることが望まれるかもしれない。
【０００９】
本体１５の構成要素、即ちベース２０、ベゼル３０及びカバー４０は、ほぼどのようなタイプの物質（例えばプラスチック樹脂）からでも製造可能であるが、本発明の代表的な実施形態において、これらの構成要素は、軽量で耐久性のある熱可塑性物質、例えばポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート又はポリ塩化ビニルから製造されることを認識するべきである。更に、ベース２０及びベゼル３０は単一の一体構成要素として、又は任意数の部品の組立品として設計、製造可能であることも認識するべきである。
この示された実施形態において、カバー４０は、ベース２０及びベゼル３０の両方と係合するよう構成される。カバー４０はこれらの構成要素のどちらとでも様々な様式で係合可能であるが、本発明の非限定的実施形態では、カバー４０はリム４２に沿ってベース２０と摺動可能に接触し、又、ベゼル３０とスナップ係合する。このように、所望する場合には、カバー４０を容易に分離し、取り外すことができる。図２に見られるように、ベゼル３０は、キャビティ５７を有するスロット５５を更に包含し、カバー４０の一端には、突出部５８を有するタブ５０が更に包含される。タブ５０、又は類似の構造体がスロット５５と摺動可能に係合することができるので、突出部５８はキャビティ５７とスナップ係合し、それにより選択的に係合し合うという相互作用が生じる。
【００１０】
加えて、図２及び図３に更に示すように、ベース２０は、更に、ベース２０の後部端３５の近くに位置するリップ６３を具備し、このリップ６３は、カバー４０のリム４２の内側部分と係合するよう構成される。このように、一旦タブ５０がベゼル３０上のスロット５５とスナップ係合すると、ベース上のリップ６３がリム４２の内側部分と係合し、それによりカバー４０がベゼル３０及びベース２０の両方にしっかりと取り付けられる。タブ５０は、タブ５０近くのカバー４０の一部を手で押下することにより突出部５８をキャビティ５７から分離するよう設計されているので、カバー４０を容易に、且つ摺動可能に取り外して、取り替えることができる。この機構により、場合によっては常設、取り替え可能、又は詰替可能である流体アプリケータ１０を洗浄、修理又は取り替えのために本体１５の内側へアクセスすることができる。
【００１１】
本発明の代表的な実施形態では、貯槽１２０は本体１５内に画定され、ベース２０、ベゼル３０及びカバー４０の係合により封入され得る。示されるように、アプリケータ１０からカバー４０を取り外すと、容易に貯槽１２０にアクセスすることができる。貯槽１２０は、薬剤、ローション、トリートメント、又は皮膚や頭皮に塗布するべき他の流体を収納するのに使用される。この貯槽は多数の様式で設計可能であるが、本発明の代表的な実施形態では、貯槽１２０は、詰替可能、取り替え可能、及び／又は交換可能なカートリッジ又はパケットを収納する。例えば、貯槽１２０は、ふけ制御剤などの流体の個別化したパケットを収納することができ、これらのパケットは、使用期限徒過又は消耗時に取り替え可能であり、即ち、育毛トリートメントなどの代わりのタイプの流体を含有するパケットと取り替えられる。かかる取り替え可能、且つ交換可能なパケットを貯槽内で使用することにより、ウェットな環境及びドライな環境の両方におけるアプリケータ１０の使用が促進される。
【００１２】
本発明の代替実施形態において、アプリケータ１０はその全体が使い捨て可能であるように設計され得ることを、更に認識するべきである。言い換えれば、アプリケータ１０は、貯槽１２０が詰替も取替も不可能であるように設計されるものと考えられる。例えば、アプリケータ１０は、貯槽に収納される特定タイプの流体（例えば、ふけ制御剤）を伴って製造可能であり、その液体製品の使用期限徒過や消耗時、ユーザはアプリケータを廃棄し、別のものを購入する。
図３に示すように、本発明の代表的な実施形態は、例えばベース２０の下面において、本体１５の塗布領域７０から外側に向かって延在する複数の塗布タイン６０を具備していてもよい。タイン６０の形状、数、物性及びパターンは、用途、及びその他快適性、装飾的外観、費用目標などに関する選好に応じて変更可能であることを認識するべきである。しかしながら、本発明の非限定的実施形態において、塗布タイン６０は、実質的に楕円形状の塗布領域７０内に少なくとも全体が半円形のパターンをなして配置される。加えて、以下に論じるように、アプリケータタイン６０の少なくとも幾つかは、流体をタイン６０を通って分配する流体経路９０を更に具備するべきである。
【００１３】
理解されるように、本体１５の全領域は、塗布領域７０及びハンドル領域８０により更に画定され得る。塗布領域７０は、塗布タイン６０の構成と関連するパターンを含む領域により画定される。言い換えれば、本発明の代表的な実施形態において、塗布領域７０は、複数の塗布タイン６０を包含する半円状領域（例えば、図３における実質的に楕円形状の領域）である。塗布領域７０の外側領域は、アプリケータを使用するためのグリップ領域となるので、ハンドル領域８０と称する。別法では、ハンドル領域８０は、塗布領域７０以外のアプリケータ１０の全ての部分を包含することができる。本発明のアプリケータ１０は平均的な人の手にフィットしやすいようコンパクトに、且つ人間工学的に設計可能であり、又、握りやすくあるべきだと考えられる。図３に更に示すように、本発明の一実施形態において、ふけ防止剤又はトリートメントの分野で使用するには、塗布領域７０は、ベース２０の下面の総面積の約８０％未満であるのが最良であり、より望ましくはベース２０の下面の総面積の約５０％未満である。本発明の非限定的な代表的実施形態において、改良型流体アプリケータ１０は全部で７つのタイン、即ち、塗布領域７０の周辺部に位置する６つの塗布タイン６０と、塗布領域７０の中心近くに位置する１つの「ダミー」即ち非分配タイン６５とを有する。
【００１４】
図４に示すように、かかる代表的な実施形態において、アプリケータタイン６０はダミータイン６５とほぼ同じ長さであり、敢えて比較すれば、頭皮の形状が頭の輪郭に沿って、ほぼ凸形であるためにダミータイン６５よりも長い。短尺のダミータイン６５は、一般に、ダミータイン６５を含む各タイン６０を頭皮と密着させ、それにより各タインが皮膚又は頭皮の一部を刺激する。更に、１以上のダミータイン６５を包含することは又、アプリケータ１０の製造及び成形プロセスを容易化及び簡略化するのに有益であり得る。しかしながら、アプリケータ１０の指定用途に応じて、様々な長さのダミータイン６５が製造され得るということを認識するべきである。例えば、アプリケータ１０を平坦、凹形又は多次元の表面で使用する必要がある場合には、ダミータイン６５の長さを塗布タイン６０の長さと等しく、又はそれよりも長く製造することが考えられる。
【００１５】
ダミータイン６５を包含するタイン６０の物性を変えることはできるが、図４に示す本発明の実施形態においては、タイン６０はベース２０の塗布領域７０から外側に向かって延在し、ほぼ円錐形であるので、アプリケータ１０で頭皮上の髪を梳かしやすくなる。各アプリケータタイン６０は、その近位端に隣接する基部１１０と、遠位端に隣接する先端部１００とを包含し、基部１１０はベース２０の下面に接続される。加えて、マッサージ用途の場合、タイン６０の基部１１０は一般に先端部１００よりも本質上より剛性であるべきである。具体的には、基部１１０は、その構造設計及び／又は材質の選択又は変更によって、より可撓性、圧縮性があり、更に細いか、又は強靱さに欠ける先端部よりも強靱であり、強化されるか、より太いものとするべきである。それ故に、タイン基部は、可撓性があるタイン先端部を支持するために実質的に剛性があるべきであり、所望に応じて分配及び／又はマッサージ用途を容易にするべきである。
【００１６】
一般に距離Ｌ_１によって示される長さを有する先端部１００は、一般には、柔らかな触感であり、可撓性及び圧縮性があるべきである。これらの特徴により、塗布タイン６０及びダミータイン６５は良好な皮膚／頭皮刺激を独自に組み合わせて付与する一方で、接触時に心地よい感触を付与する。加えて、先端部１００は皮膚又は頭皮との密着を容易にするので、あらゆる流体を最適に分配し、特定領域を処置するのに使用する流体量を最適化するのも補助するべきである。
本発明の代表的な実施形態では、アプリケータタイン６０の全長は、好ましくは約１５ｍｍ〜約２０ｍｍの範囲内であり、その際、距離Ｌ_１により定義される先端部１００の長さは、好ましくは約２ｍｍ〜約１０ｍｍの範囲内であり、基部１１０の長さはその残余部分である。更に、本発明の代表的な実施形態において、本体１５に隣接する基部１１０におけるタインの直径は、約７ｍｍ〜約１１ｍｍの範囲内でなければならず、遠位端に隣接する先端部１００における塗布タイン６０の直径は、約２ｍｍ〜約４ｍｍの範囲内でなければならないことに留意するべきである。
【００１７】
ポリプロピレン、ポリエチレン、熱可塑性エラストマー、又は同様の特性を有する他の物質などの単一物質からダミータイン６５を包含する塗布タイン６０を製造することは可能であるが、壁厚、長さ、幅、幾何学的形状などの考慮に入れるべき構造特性を考えると、十分に剛性がある基部と、可撓性で圧縮性の先端部１００とを有する単一物質又は単一構造体としてタイン６０を構成することは困難であるかもしれない。全般に、単一物質を使用すると、先端部１００は剛性がありすぎるか、又は基部１１０は可撓性がありすぎてしまうが故に、アプリケータ１０の有用性が制限されてしまう。結果として、本発明の幾つかの実施形態では、異なった材料成分、例えば、基部１１０にはより剛性がある物質を、そして先端部１００には比較的柔軟な可撓性及び圧縮性の物質を用いて、ダミータイン６５を包含する塗布タイン６０をより利便に、且つ簡単に製造することができる。
【００１８】
本発明の非限定的な代表的実施形態では、ダミータイン６５を包含するタイン６０を、２ショット射出成形製造プロセスの使用により製造することができる。具体的には、両構造体には実質的に剛性がある性質が所望されるので、タイン６０及びダミータイン６５の基部１１０をベース２０の単一の一体構成要素として製造され得る。この一体構成要素の製造が、２ショット製造プロセスにおける第一ショットである。好適な物質としては、ポリプロピレンプロファックスＳＲ−５４９Ｍ（Ｐｒｏ−ｆａｘＳＲ−５４９Ｍ）（モンテル社（Ｍｏｎｔｅｌｌ）より市販）が挙げられるが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリカーボネート又はポリ塩化ビニルなどの他の熱可塑性物質も又この目的に好適である。
頭皮用途のための典型的な装置では、かかる物質として、約５０，０００ｐｓｉ〜約２００，０００ｐｓｉの弾性率を有する物質を選択するのが最良であり、その際、弾性率とは、応力の、弾性限界内の対応する歪みに対する比率と定義される。
【００１９】
当該２ショット製造プロセスの第二ショットは、基部タイン上での、そしておそらくは基部タインを包含する塗布領域７０全体上での外側タイン物質の成形であり、これにより塗布タイン６０及びダミータイン６５と連結する柔軟な可撓性及び圧縮性の先端部１００が形成される。この外側タイン物質は様々な様式でベース２０に形成され得るが、本発明の一実施形態では、この外側タイン物質は、選択される物質の適合性に起因し、塗布領域７０全体と化学的に結合される。別法では、構成物質の化学的特性によりこれらの物質は化学的プロセスにおいて選択的に結合される。他の多層結合方法としては、接着剤の使用及び他の代替的な機械的プロセスが挙げられる。結果として、全塗布領域７０は、剛性物質で製造されてタインの基部をなす内側部分と、柔らかい感触の可撓性及び圧縮性の物質で製造されてタインの先端部をなす外側部分、即ち表面とを具備する。
先端部分１００を構成する外側タイン物質は、柔軟な可撓性及び圧縮性の物質、例えばバーサフレックスＳＴ１０２５−Ｘ（ＶｅｒｓａｆｌｅｘＳＴ１０２５−Ｘ）（ＧＬＳ社（ＧＬＳＣｏｒｐｏｒａｔｉｏｎ）から市販）を用いて製造可能であるが、ほとんど全ての熱可塑性エラストマー、サントプレーン（ｓａｎｔｏｐｒｅｎｅ）ゴム、又は同様の特性を有する他の物質を代わりに使用可能であるということを認識するべきである。更に、かかる物質の選択は又、特定用途に向けられるべきである。
【００２０】
例えば、頭皮タイプの製品を塗布する場合、約１０ショアＡ〜約８０ショアＡ、より良好には約３５ショアＡ〜約５０ショアＡのデュロメータ硬度が望まれる可能性があり、その際、デュロメータ硬度は、物質の初期圧痕、又は特定期間後の圧痕に基づいて測定される。
更に、それから塗布タイン６０及びダミータイン６５が製造される外側タイン物質は、アプリケータ１０から流体を分配する前、及び流体を分配した時に高い摩擦係数を有するよう選択されてもよく、この摩擦係数は、処置される表面上をタインが移動しやすいように低くてもよいことに留意するべきである。かかる摩擦特性は、製品の塗布プロセスを改良し、アプリケータ全体の効率及び受容性を改良ことができる。頭皮又は他の頭部トリートメントに関する代替実施形態では又、摩擦係数を減ずるために外側タイン物質をスリップ剤で処理することができ、それにより皮膚又は頭皮上の髪をタインで容易に梳かすことができる。
【００２１】
中央ダミータイン６５なしの改良型流体アプリケータ１０を製造することは可能であるが、このダミータイン６５は、タイン配置の中央（又は他の望ましい位置）におけるホットチップゲーティングを許容するので、前述の２ショット製造プロセスの重要な部品であり得る。中央タイン６５がないと、タイン同士が密集して配置されるために中央ゲーティングを実施することができない。更に、ダミータイン６５が中央に配置されるが故に編目状の筋がつくのを防止することができ、これにより塗布領域７０の美観及び完全性を改良するはずである。しかしながら、中央タイン６５が射出成形プロセス用に使用され得るだけでなく、分配タインとなるよう構成され得る改良型流体アプリケータ１０を製造可能であることも認識するべきである。
【００２２】
更に図４に示すように、少なくとも幾つかの塗布タイン６０は、流体をタイン６０を通って分配する流体経路９０を具備する。本発明の代表的な実施形態において、流体経路９０は貯槽１２０と流体連通しているので、アプリケータ１０の始動により、流体は複数のタインのそれぞれから分配される。アプリケータ６０内に形成される流体経路９０の直径は変更可能であるが、一般には、各流体経路９０の直径は、タイン６０が容易に「詰まる」ことを防止するのに十分な程大きくあるべきだということを認識するべきである。更に、流体経路９０の直径は、様々な特性を有する多様な流体を収容するのに十分な程大きくあるべきである。
本発明の非限的実施形態において、流体アプリケータ１０は更に、複数のアプリケータタイン１０を通して流体を分配する流体源を含んでなる。図５ａ及び図５ｂに示すような本発明の代表的な実施形態において、流体源はポンプ１３０を含むことができ、このポンプ１３０は、貯槽内の流体を貯槽１２０から汲み上げ、タインの流体経路９０を通して流体を皮膚又は頭皮に塗布する。この示される実施形態において、ポンプ１３０は本体１５の一部分に接続され、それにより本体１５内に形成されるチャンバ１４０にしっかりと取り付けられる。
【００２３】
ポンプ１３０は、流体を移動させる任意の既知の装置、例えば機械的容積型ポンプであり得るが、本発明の非限定実施形態において、ポンプ１３０は、始動時に所定用量の流体を流体経路９０に送出するよう構成されるダイヤフラムポンプを具備する。好適なポンプの一例が、ウェステルホフ（Ｗｅｓｔｅｒｈｏｆ）らの米国特許第５，９９３，１８０号に見られる。本発明の代表的な実施形態において、ふけ防止製品を頭皮に塗布するのに使用する場合、一回の始動につき約０．０５ｍｌ〜約０．３０ｍｌの流体が分配されてもよく、より正確には、一回の始動につき約０．１ｍｌ〜約０．２ｍｌの流体が分配されてもよい。もちろん、所定量、即ち所定投与量は、本発明が実施され得る広範な用途の中で適当に変更される。
【００２４】
ダイヤフラムポンプ１３０は、バイアス特性を有し、初期位置を記憶している可撓性部材１５０を具備するものとして示されている。ポンプ１３０は又、分配されるべき流体の貯槽１２０（例えば、透視図で示される）と流体連通している流体入口１６０を具備する。加えてポンプは、各塗布タイン６０と連結する流体経路９０と流体連通している流体出口１７０を更に具備する。例えば、可撓性部材１５０が手で圧縮されると、流体は回復ストロークで貯槽１２０から汲み上げられ、各塗布タイン６０の流体経路９０に分配される。その後、可撓性部材１５０は、その初期位置の記憶と物質のはね戻り性質とにより初期位置に戻るので、プロセスを繰り返すことができる。可撓性部材１５０は、初期位置に戻ると、流体を貯槽１２０からポンプチャンバ内に引き込み、次の分配「ショット」又は用量をポンプに準備する。新たな流体を貯槽に導入する際、ポンプ及び分配マニホールドには流体を完全には充填しないということに留意するべきである。結果として、可撓性部材１５０を何回も連続して手で圧縮して流体を貯槽１２０から汲み上げ、マニホールドシステムを各塗布タイン６０の先端部１００に対して準備してもよい。結果として、一旦、ポンプを「準備する」と称されるこのプロセスが完了すると、可撓性部材１５０を一回だけ手で圧縮すれば流体が各塗布タイン６０から分配される。
【００２５】
更に、ある流体から別の流体に交換するには、第二の流体の汚染を防ぐために、ポンプ１３０、マニホールドシステム１８０、及び他の流体経路や通路内の既存の流体を、第二の流体を導入する前に分配することが必要であることを認識するべきである。具体的には、もともと入っている流体を貯槽から除去すれば、可撓性部材１５０を何回も手で圧縮して、そのシステムからもとの流体を全て抜き出してもよい。その後、第二の流体を貯槽に導入することができ、そして、塗布タイン６０の先端部１００へ第二の流体を汲み出すようにポンプ１３０を再び準備する必要がある。このように、貯槽１２０に含有される流体は、様々な代わりの流体と、詰め替え、取り替え、又は交換することができるので、アプリケータ１０は複数の用途を有することができる。
【００２６】
図５及び図６に示す代表的な実施形態において、ポンプ１３０はマニホールドシステム１８０と一体的に接続可能である。マニホールドシステム１８０の目的は、送出される流体をポンプ１３０により複数の塗布タイン６０の各流体経路９０に分配することである。図５ａ及び図６ａのそれぞれに示すように、マニホールドシステム１８０は、上部マニホールド部１９０と、下部マニホールド部２００を具備し、これらは係合するように構成される。これら２つの構成要素は多数の様式で係合可能であるか、又は一体形成可能であるが、本発明の一実施形態では、これらの構成要素はプラスチックで製造され、超音波で溶接される。図５ａ及び図６ａにおいて更に示すように、チャネル壁２１０が上部マニホールド部１９０及び下部マニホールド部２００に鏡像として埋設され、適当なサイズの分配チャネルを形成する。このチャネル壁２１０の壁高は、マニホールド部（１９０，２００）の係合によりチャネル壁２１０が流体移動用の一連の流体通路２２０を画定するような高さである。
【００２７】
本発明の代表的な実施形態において、マニホールドシステム１８０は、ポンプ１３０の可撓性部材１５０が手で圧縮されることにより、実質的に一定である所定分量の流体が個々の流体経路９０に分配されるよう設計される。言い換えれば、マニホールドシステム１８０は、ポンプ１３０の始動により、各塗布タイン６０が一定用量の流体を分配するように設計され得る。この例において、各タイン６０から分配される流体投与量は必ずしも等しい必要はなく、むしろ各タイン６０から分配される投与量は一回の始動から次の始動まで反復可能であり、均一であり、且つ一定であるべきである。
【００２８】
それにもかかわらず、本発明の非限定的な代表的実施形態において、流体は実質的に一定に分配されるだけでなく、対応するマニホールド通路及び分配タイン６０の流体経路のそれぞれが、各タイン６０を通して実質的に等しい分量、即ち容量の流体を分配するようサイズ調整されて構成される。直列（即ち、１つのタインから別のタインへの）構成で流体が分配される典型的なアプリケータと違い、本発明のマニホールドシステム１８０は並列構成で流体を分配するので、アプリケータ１０はこの一貫性を達成することができる。言い換えれば、マニホールドシステム１８０は所定容量の流体を、他のタイン６０とは独立に複数の塗布タイン６０のそれぞれに分配することができる。例えば、本発明の頭皮適用例において、各塗布タイン６０により分配される流体容量は、約１５％以下で変更するのが望ましい。このように、より正確、且つ最適な分配及び塗布を行うことができる。
【００２９】
より詳細には、図５ａに示すような本発明の代表的な実施形態において、マニホールドシステム１８０は「Ｔ」字通路２９０を具備し、その際、始動及び分配が行われると、流体がポンプにより出口１７０を通ってこの「Ｔ」字通路へ放出され、およそ５０％の流体が、「Ｔ」字の左室１８２を横断し、５０％が「Ｔ」字の右室１８７を横断する。加えて、マニホールドシステム１８０は一対のプレナム２０５を備え、これらのプレナム２０５は対応する「Ｔ」字通路２９０からの流体を受容するよう構成される。言い換えれば、ポンプ１３０の始動により、流体が通路２９０に分配され、通路を横断して各プレナム２０５に向かう。次いで、これらのプレナム２０５が流体で充填されると、更にその流体を各流体開口９５に向かって等しく分配する。本発明の代表的な実施形態において、各プレナム２０５は３つの塗布タイン６０に対応する３つの通路２２０に結合される。理解されるように、各プレナム用の通路の数は必要に応じて変更できる。
【００３０】
マニホールドシステム１８０の右室１８７を考察するに、対応する塗布タイン６０へと続く３つの通路２２０の長さ及び断面積が等しいとすれば、各流体開口９５は実質的に等しい分量の流体を塗布タイン６０と連結する各流体経路９０に分配するということになる。更に詳細には、図５及び図６に示すように、プレナム２０５の中心から各流体開口９５までの距離により画定されるような通路２２０の長さは変更される。具体的には、示される本発明の実施形態において、距離ｄ_１は、通路の直線性質のために距離ｄ_２の長さと等しい。
【００３１】
理論的には、距離ｄ_３は、通路２２０に位置する「肘部」を説明するために、距離ｄ_１及び距離ｄ_２よりも長くあるべきである。具体的には、計算流体力学によれば、非ニュートン型流体の場合、肘部でのずり減粘化により粘性が低下するために流体の流速が増大することが示唆される。結果として、肘部を有する通路の長さは、典型的なふけ用薬剤のような非ニュートン型流体の使用を説明するために、直線状通路２２０と比較して長くあるべきである。しかしながら、図５及び図６に示すような本発明の代表的な実施形態において、距離ｄ_３は距離ｄ_１及びｄ_２よりも短い。この差異にもかかわらず、各塗布タイン６０から分配される流体容量は１５％以下で変化するので、これら流体通路２２０の長さは等しいと考えられる。従って、３つの通路２２０のそれぞれの長さが等しく、断面積も同じであるので、各流体開口９５を通って各流体経路９０に分配される流体容量はほぼ等しくあるべきである。続いて、例のみとして、マニホールドの左室はマニホールドの右室の鏡像であるので、各流体開口９５を通って各塗布タイン６０と連結する各流体経路９０に分配される流体量はほぼ等しいはずである。
【００３２】
より詳細には、マニホールドシステム１８０の左室１８２及び右室１８７を「鏡像」として設計する必要はないが、流体を複数の塗布タイン６０に等しく分配したいのであれば、そのように設計してもよいことを認識するべきである。マニホールドシステム１８０の設計は、ニュートン型流体の使用、又は塗布タイン６０の構成と関連する実質的に任意の所定パターンを説明するために変更可能であることが理解される。塗布タイン６０から分配される流体の容量は、通路の長さ、断面積及び特定の通路２２０と連結する曲がり部、並びに通路を通過する流体の特性の関数であるので、通路２２０及び／又はプレナム２０５をいかようにも組み合わせて、実質的に一定である所定分量の流体を各塗布タイン６０と連結する各流体経路９０に送出するよう設計することができる。更に、通路２２０は各塗布タイン６０に対して、一定の所定分量の流体を付与するように設計されるだけでなく、所望であれば、実質的に等しい分量の流体を付与するように設計され得る。
【００３３】
同様に、実質的に一定である所定分量の流体を各塗布タインに分配するための完全に機械的な方法により、アプリケータ１０は、流体が分配される時のアプリケータの配向にかかわらず、一定量の流体を送出可能であることに留意するべきである。言い換えれば、直立位置での方が垂直位置又は逆位置よりも多くの流体を分配することができる典型的なアプリケータと違って、このアプリケータはどのような配向でもポンプ１３０の作動により実質的に一定である所定分量の流体を分配する。この機構により、処置するべき表面（例えば、皮膚又は頭皮）に対する配向にかかわらず、一定、且つ反復可能に領域を処置することができる。
【００３４】
更に図５及び図６に示すように、上部マニホールド部１９０のチャネル壁２１０の幅ｗ_１は、下部マニホールド部２００のチャネル壁２１０の幅（ｗ_１’という）よりも狭い。結果として、上部及び下部マニホールド部が係合すると、下部マニホールド部２００は上部マニホールド部１９０上にしっかりとフィットする。この構成は、製造されるすべてのアプリケータ１０に関し、同様に、下部マニホールド部２００を上部マニホールド１９０上に確実に据置させることによって製造容易性を促進し、マニホールド部同士が係合する（例えば、超音波溶接による）時のシール性を促進するはずである。
図７及び図８に示すように、本発明の改良型流体アプリケータ１０は更にアクチュエータ２３０を包含し、このアクチュエータ２３０は所定量の流体を流体経路９０に選択的に分配するよう機能的に構成される。アクチュエータ２３０は、アプリケータ１０上の様々な位置に配置されることができるが、本発明の非限定的実施形態では、更に後で論じるように、アクチュエータ２３０は一般に、前部端２５に隣接し、且つ中心線Ｃ_Ｌにより示すように、塗布領域７０の中心から上にずれた状態で本体２０上に配置されるべきである。加えて、本発明の代表的な実施形態において、アクチュエータ２３０の大きさは、アクチュエータ２３０を押下しやすいように塗布領域７０の少なくとも１０％であるべきである。
【００３５】
美観目的のために、アクチュエータ２３０は又、向上した触感の表面を包含し、それによりユーザの操作、快適性及び／又は制御が促進される。例えば、アクチュエータ２３０は、剛性である内側物質と、柔軟な可撓性及び圧縮性の外側物質とを含んでなる２ショット製造プロセスを用いて製造されてもよい。本発明の非限定的な実施形態においては、ポリプロピレンプロファックスＳＲ−５４９Ｍが剛性である内側物質であり、モノプレン（Ｍｏｎｏｐｒｅｎｅ）２８５０Ｍ（ＱＳＴ社（ＱＳＴ）から市販）が柔軟な外側物質であり得る。再び、しかしながら、所望の物性を有するならばどのような物質でも同等の代替物とすることができる。
【００３６】
これらの機構は、分配とマッサージとを簡単に切り替え可能とすることにより、分配及びマッサージ／塗布の両方を目的として設計された本発明のアプリケータ１０の手動操作に、最適なユーザの梃子力及び快適性を付与するべきである。更に、アクチュエータ２３０が中心からずれたところに位置するために、不注意による分配を最小限に抑えることができ、そして、アクチュエータ２３０を手で押下するのに要する力で、容易に改良した頭皮のマッサージを行うことができるべきである。例えば、アクチュエータ２３０が中心からずれた位置にあるために、通常の力と、横方向の力との両方（矢印Ｆ_Ｎ及びＦ_Ｔでそれぞれ示される）が生じ、これらの力でアクチュエータを押下する。通常の力は皮膚又は頭皮と塗布タイン６０との容易な密着を支援し、横方向の力は、マッサージされる又は処置される領域の刺激を促進する反復して円を描く動きを容易化するべきである。
【００３７】
更に詳細には、アクチュエータ２３０はアプリケータ１０の一部に相互に取り付けられる。アクチュエータは様々な様式でアプリケータ１０に取り付け可能であるが、本発明の代表的な実施形態では、アクチュエータ２３０は、ポンプ及びマニホールドシステム１８０に一体的に接続される「Ｕ」字形ホルダ、即ち軸受ヨーク２５０に受容され、旋回可能に据置されたロッド２４０により枢軸的に取り付けられる。アクチュエータ２３０は圧縮ロッド２６０を更に含み、この圧縮ロッド２６０は、静止位置において、ポンプ１３０の可撓性部材１５０の外側表面に隣接するか又は接触する。従って、アクチュエータ２３０を手で押下して、アクチュエータを旋回させると、圧縮アーム２６０が可撓性部材１５０を圧縮し、ポンプ１３０を始動させる。アクチュエータを解放すると、可撓性部材１５０及びアクチュエータ２３０の両方が可撓性部材１５０のばね戻り性質により初期位置に戻る。従って、アクチュエータ２３０を手で押下し、更なる流体をポンプチャンバに汲み入れ、システムを通じて分配するプロセスを繰り返すことができる。
【００３８】
アクチュエータ２３０は、停止機構、即ちストロークリミッタ２７０を更に具備し、これは触覚インジケータとしても作用し、ユーザにフィードバックを与えて分配の完了を知らせる。具体的には、図９に最良に示すように、静止位置において、停止機構２７０は停止壁２８０から距離ｘのところにあり、アクチュエータ２３０を手で押下すると、停止機構２７０は停止壁２８０に接触するまでアクチュエータが移動する。一旦、停止機構２７０が停止壁２８０に接触すると、ユーザは積極的に停止したことを感じ、塗布が完了したことを認識する。本発明は積極的な機械的停止装置２７０を使用しているが、様々な代わりの、又は追加の触覚（及び／又は可聴）センサ、例えば「クリック」機構、を組み込むことができることを更に認識するべきである。従って、ユーザの部品に対するタイミング及び／又はスキルが不要となり、アプリケータが作動するごとに、一定、且つ均一な投与量を達成できることを認識するべきである。
【００３９】
アクチュエータ２３０と停止機構２７０とを併用する理由の一つは、触覚信号をユーザに与えるためであるが、停止機構２７０又は他の触覚センサは他の目的にも適合し得る。例えば、停止機構２７０は代替の機械的変位ポンプと適合され、投与量を調整又は制御することができる。更に、停止機構２７０は、可撓性部材１５０が作動ごとに一定距離を移動するよう制限されることを保証することにより、ダイヤフラムポンプ１３０の可撓性部材を無用な「摩耗及び引裂」又は乱用から保護する。
図１０ａ及び図１０ｂに示すように、改良型流体アプリケータ１０は保護クロージャ３００を更に備えることができる。保護クロージャ３００の形状及び大きさは様々であるが、一般にクロージャ３００は、アプリケータ１０の塗布タイン６０を包含し、非使用時にそれらを圧縮又は損傷から保護するよう設計される。
【００４０】
本発明の代表的な実施形態において、保護クロージャ３００の壁３２０はほぼ円筒形に設計され、平坦な底壁３１０に一体的に取り付けられる。これらの壁３２０はアプリケータ１０の一部分と係合するよう構成され、平坦な底壁３１０は、その中で流体アプリケータ１０が静止可能である好適なベースとなるよう構成される。又、保管、移動又は子供に安全な保護のため、クロージャ３００をアプリケータ１０に密閉的に取り付けて、製品が乾燥して枯渇したり、漏れたり、及び／又は汚染されたりするのを最小限に抑えるよう構成することができる。
【００４１】
保護クロージャ３００は、中央タイン６５と接触するよう構成される中央タインロケータ３５０を更に具備し、この中央タインロケータ３５０により、アプリケータ１０を保護クロージャ３００内にしっかりと据置することができる。更に、クロージャ３００は、アプリケータ１０を使用していない時に、薬剤が誤って分配されるか、又は処置が行われるのを防止するアクチュエータロック３４０を包含する。本発明の非限定的実施形態において、アクチュエータロック３４０は一対の挿入タブ３３５を包含し、これらの挿入タブ３３５は、アプリケータ１０が保護クロージャ３００内で静止している時、図４に最良に示すように、ベース２０とアクチュエータ２３０との間に画定される開口３４５内で静止する。それ故に、アクチュエータ２３０の移動が防止され、且つアクチュエータ２３０が誤って流体を分配してしまうことが防止されるべきである。最後に、保護クロージャ３００は代わりに複数の排水孔３３０を包含することができ、これらの排水孔３３０により製品をより容易に乾燥することができる。
【００４２】
なお、本発明の他の利点及び新規な特徴が以下の詳細な記述から当業者にとって明らかになるであろうが、これは本発明を遂行する上で考えられる多様な形態を単に示している。明らかなように、本発明は、本発明から逸脱しない全ての他の明白な異なる態様が可能である。それ故に、図面及び説明はその性質上解説のためのものあり、制限的なものではない。
本明細書では、本発明を特に指摘し、かつ明確に請求する請求項を記載するが、本発明は、添付図面と連係してなされる次の説明から一層理解されると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明による改良型流体アプリケータの代表的な実施形態の斜視図である。
【図２】本発明による図１のアプリケータの幾つかの構成要素の部分分解図である。
【図３】本発明の流体アプリケータの代表的な実施形態の底部平面図である。
【図４】本発明による改良型流体アプリケータの代表的な実施形態の前部立面図である。
【図５ａ】本発明の代表的な実施形態の一部を示し、流体ポンプ装置を包含している。
【図５ｂ】本発明の代表的な実施形態の一部を示し、流体ポンプ装置を包含している。
【図６ａ】本発明の代表的な実施形態の一部を示し、マニホールドシステムの細部を包含している。
【図６ｂ】本発明の代表的な実施形態の一部を示し、マニホールドシステムの細部を包含している。
【図７】本発明による改良型流体アプリケータの代表的な実施形態の上部平面図であり、その塗布領域を透視図で示している。
【図８】本発明の流体アプリケータの代替実施形態の断面図である。
【図９】本発明の代表的な実施形態の一部分の部分拡大図である。
【図１０ａ】本発明によるアプリケータシステムの代替実施形態を示す。
【図１０ｂ】本発明によるアプリケータシステムの代替実施形態を示す。

Claims

流体入口、並びに前部端及び後部端を有する本体と、
前記本体の塗布領域から外側に向かって延在すると共に少なくとも部分的に可撓性があり、少なくとも幾つかが流体経路を含む複数のアプリケータタインと、
前記塗布領域のほぼ上にある前記本体のハンドル部と、
前記前部端に隣接し、前記アプリケータ領域のほぼ上においてその中心からずれて前記本体上に配置され、所定量の流体を前記流体経路へ選択的に分配するよう機能的に構成されたアクチュエータ、
とを具備することを特徴とする流体アプリケータ。
前記アクチュエータに機能的に接続される流体ポンプを更に具備することを特徴とする請求項１に記載の流体アプリケータ。
前記本体内に、実質的に一定である所定分量の流体を前記タインの流体経路に送出するように構成される複数の通路を有するマニホールドシステムを具備することを更に特徴とする請求項１又は２に記載の流体アプリケータ。
前記マニホールドシステムは、実質的に等しい分量の流体を各タイン経路に付与するようにサイズ調整されて構成される請求項３に記載の流体アプリケータ。
前記マニホールドシステムの通路は全て、同様の断面幾何学形状と同等の長さとを有する請求項４に記載の流体アプリケータ。
前記マニホールドシステムは、前記経路内に一体化される少なくとも１つのプレナムを更に具備する請求項１〜５のいずれか一項に記載の流体アプリケータ。
前記可撓性タインは、それらの遠位端に隣接する比較的可撓性がある先端部と、実質的に剛性がある基部とを具備する請求項１〜６のいずれか一項に記載の流体アプリケータ。
前記可撓性先端部及び前記剛性がある基部が異なる物質成分を含んでなる請求項７に記載の流体アプリケータ。
流体貯槽を収容するように構成され、ハンドル領域及び塗布領域を具備する本体と、
前記塗布領域内において前記本体の下面に取付られ、少なくとも幾つかが流体経路を具備する複数のアプリケータタインと、
流体入口及び流体出口を有し、前記流体入口が前記貯槽と連通している流体源と、
前記流体出口に一体的に接続され、実質的に一定である所定分量の流体を前記流体経路に送出するよう構成される複数の通路を更に具備するマニホールドシステムと、
本体に移動可能に接続され、所定量の流体を前記流体経路に選択的に分配するよう機能的に構成されるアクチュエータとを具備することを特徴とする流体アプリケータ。
流体入口を有し、ハンドル領域及び塗布領域を具備する本体と、
前記本体の塗布領域から外側に向かって延在する複数のアプリケータタインであって、前記タインのそれぞれが、その遠位端に隣接する可撓性先端部、及び実質的に剛性がある基部を具備し、前記複数のタインの少なくとも幾つかが流体経路を具備する複数のアプリケータタインと、
前記本体上に配置され、ある量の流体を前記流体経路に選択的に分配するよう機能的に構成されるアクチュエータと
を具備することを特徴とする流体アプリケータ。