JP2004519262A - 歯科用装置 - Google Patents
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Abstract
Description
発明の分野
本発明は、鋳型(cast)、特に、硬症(gell)スプリント、フッ素スプリント、漂白(bleaching)スプリント、ソフト(soft)咬合スプリント、一時歯冠及びブリッジ、いびき防止具、スポーツ用マウスピース、矯正用固定スプリント、歯ぎしり(bruxism)又は類似のためのものなど歯科補助具を製造する装置及び方法の形態に関する。
【0002】
発明の背景
ゲルスプリント、フッ素(fluorine)スプリント、漂白スプリント、ソフト咬合スプリント、一時歯冠及びブリッジ、いびき防止具、スポーツ用マウスピース、矯正用固定スプリント、歯ぎしり又は類似のためのものの製造は、一般的に基材の真空成形を用いて行われる。これは、歯科試験室内で複雑な装置を用いて行われることが多い。安全性の理由からこの種の装置を患者に近い歯科治療室で使用することが許されていないときは、特に然りである。基材の加熱は電気を用いて行われるので熱を生じ、これが歯科治療室内に存在する揮発性物質及びガスに引火して爆発を起こすことさえもある。加えて、歯科補助具製造のため使用されるポリマーから有害物質が放出されることもある。先行技術の装置は騒音と悪臭を発生することが多い。
【0003】
この種の装置を用いて歯科補助具を製造するのは扱い難く時間が掛かるので、それにより歯科診療所でこれら歯科補助具を製造する可能性が低くなる。
【0004】
例えば、米国特許5,667,386号では、内部に配置した真空ポンプからの真空と歯科補助具製造用の基材加熱用電熱コイルを用いるこの種装置を開示する。本書は、上記の装置を用いて得られた成形基材の後処理に関する方法について記述する。歯形モデルにならって成形される基材は、モデルにかぶせる前に電熱コイルを用いて予熱する。鋳型の最終形状は蓋体(holder−on)上に並べられた皮膜を用いて得られる。成形前の基材加熱に電熱コイルを使用すると、この種の加熱の使用により、基材内に温度勾配を生じるので、最終製品の厚さが均一にならない。基材を後処理するこの種の装置及び方法には、複雑な設備と多数の処理ステップが必要である。加熱段階でポリマーから揮発性成分が放出される危険性もある。それら部品全部にわたる器具の保守もまた困難である。加えて、プラスチックの残留破片が器具内に貼り付き易い。
【0005】
安全性の理由からこの器具は歯科治療室での使用を許されないので、患者の直ぐ近くで使用することのでき簡単で廉価な装置に関する需要がある。この装置は、少数の部品で構成され、取扱いが容易で電力を使用せず内部配置の真空ポンプを有しないものでなければならない。歯科治療室内での使用が許されるものであると同時に、均一な厚さなど所望の特性を有する製品を製造するものでなければならない。
【0006】
発明の要約
本発明の目的は、歯科用途のためゲルスプリント、フッ素スプリント、漂白スプリント、ソフト咬合スプリント、一時歯冠及びブリッジ、いびき防止具、スポーツ用マウスピース、矯正用固定スプリント、などを製造するための、廉価で且つ歯科治療室内で患者に直接接して用いることが許され満足な製品を製造する歯科用装置及び方法を提供することにある。
【0007】
この目的は、鋳型、詳細には歯科用補助具を予熱した加工用基材から製造するための装置であって、孔を備えた基本的に平坦な第1側面を有する中空本体を含み、前記第1側面は鋳型を製造する模型を受容するため配置されており、ここで前記第1側面は、基材を前記第1側面に対してシールする蓋体と協働するのに適合させてあり、本体は真空源と協働し、その協働が、本体に付属する接続部が外部真空源に対し接続可能に配置されることにより、達成されることを特徴とする装置により解決される。
【0008】
鋳型、詳細には歯科用補助具を予熱された加工用基材から製造するための方法もまた提供される。この場合、基材は鋳型製造の原型となる模型に適用し、中空本体の第1側面上に置く。この第1側面には孔が設けてあり、前記基材に蓋体を被せて、前記基材を前記第1側面に対しシールする。その後、本体が真空源と協働し、基材が前記模型にならって成形される。前記協働が、本体の付属接続部が外部真空源に対し接続可能に配置されることにより、達成されることを特徴とする。
【0009】
本発明に係る装置及び方法は、本発明が、歯科用補助具の製造に必要な別の目的のため歯科治療室内に既に存在している真空装置を利用するので、この種の技術の有効性を高め、歯科用補助器具の製造を迅速且つ容易に患者の傍で行うことが出来る。これは、適応と製造を同時に行うことが出来るので費用と患者に関するトラブルを低減させる結果となる。また、利用することの出来る技術を歯科医が処理し、歯科試験室の助けを必要としないで自分で歯科用補助具を製造することが出来るので、診療所に関する費用を低減し、診療所のサービスレベルを向上させる結果となる。また、構造の観点から、本発明は、取扱いやすく、保守と同様、製造が廉価で長寿命を有する簡単な器具を提供する。従って、この装置は環境に優しい。その上、環境に対する有害物質の放出が無視出来るほど少ない。本発明はまた、先行技術に比べ均一な厚さを示す製品を提供する。
【0010】
ここで本発明を、実施例について添付図面と関連して詳細に説明する。
【0011】
発明の詳細な説明
図1に、本発明の好適実施例を示す。本装置は、中空構造体を含みほぼ円形の形状を有する本体1を含む。本体の第1側面2は基本的に平坦で孔を備えている。孔3は、前記第1側面2の上に均一に分布している。孔3の大きさと数は、本体内に一様な負圧を製造するのに適している。本体には、真空源に対し接続可能に配置された接続部6が設けられている。
【0012】
本体1は、円形形状を有するのが適切であるが、別の形状も考えられる。本体1は、ポリプロピレン、ABSポリマー等のポリマー又はその他の適切なポリマーで製造するのが好ましい。本体1はまた、SIS2343などの耐酸性ステンレス鋼からのプレス加工された薄鋼板、又はダイキャストなどで製造したアルミニウムなどの金属などその他の材料であってもよい。本体1は、約8−25cmの直径を有するのが適切で、約10−16cmであるのが更に好ましい。
【0013】
接続部6は、本体1から外向き方向に先細り、円錐形となるのが好ましく、それにより接続部6が少なくとも1段を備え、接続部6が鋸歯状になるのが好ましい。こうして接続部6を、各種チューブ径を有する市販吸引装置の既存接続に合うように適合させる。接続部6には、接続真空源に対するシーリングを強化するO−リングを設ける。
【0014】
本体1は、着脱可能な底部8を有する。これは、シーリングリングを用いて本体に対しシールされているが、底部8は内溝を使用して本体1の上にネジ込んでもよい。底部8はまた、本体下部に接着してもよい。代案として本体1を一体化してつくることも出来る。しかし、本体1を清掃するとき、底部8を外すことの出来る方が有利である。
【0015】
図2a−cは、本発明の好適実施例による歯科補助具の製造をステップ毎に示す。鋳造を行う型となる患者の歯をあらわす模型4を前記の上側2に置く。予熱した基材5を模型に被せ、接続部6を通じて本体1に真空を加える。シリンダ7を模型4と基材5に被せると、基材が下向きに押される。形成される負圧は、基材5が下の模型4にならって成形されるのに充分なものである。
【0016】
真空は、接続部6を通じて本体1を、既に歯科治療室内にある個々の従来型の吸引装置(図示せず)に対し接続することにより得られる。この吸引装置には、何よりも患者の口から唾液を吸引するため使用される真空ポンプが含まれる。これにより、基材の成形用に必要な真空を得るための余分な装置の必要がなくなる。加えて、この既存の吸引装置は、歯科治療室内に幾つかの歯科治療台があるとき、本発明に従う幾つかの装置のために利用される。
【0017】
基材5の予熱は、100℃までの温度の水槽内で行うのが好ましい。この水槽は、従来型のもの(図示せず)なので、ここでは詳細を記述しない。この水槽は、本発明に従う装置に隣接しておくのが好ましい。水槽内温度は、基材として使用するポリマーに適合させる。温度は、ポリマーを加工するのに充分なだけ高くなければならない。基材は、顕著な温度勾配を示すことなく基材全体にわたって均一に分布した温度に達する。水槽にはまた、基材を均一に加熱する別の不活性液体媒体を入れることも出来る。
【0018】
基材5は、上述の条件で成形可能なものであれば、加工できる任意の重合物質でよい。基材5は、バイオポリマー又は柔軟ゴム物質とすることが出来る。無毒性であるのは勿論、アクリル物質と結合しないものが好ましい。基材5は、上述の方法と本発明に従う装置を使用することにより、歯科用途のためゲルスプリント、フッ素スプリント、漂白スプリント、ハード咬合スプリント、ソフト咬合スプリント、一時歯冠及びブリッジ、いびき防止具、スポーツ用マウスピース、矯正用固定スプリント、などを製造する。
【0019】
蓋体7は、その両端が開口したシリンダとするのが好適である。このシリンダは、少なくとも前記孔を備えた第1側面2上の面積に相当する面に被せるのに適した直径を有し、鋳造を行う模型を囲むことが出来る。従って、シリンダ径は約5cmと20cmの間で、約7cmと11cmの間であるのが好ましい。シリンダ7は、ヘキサンポリマー、などのポリマーで製造するのが好ましいが、ガラスなど別の適切な材料で製造してもよい。蓋体7は、例えば、他の適当な形状としてもよい。蓋体7は、中に基材5を並べ、予熱の間基材5を水槽中に保持するため使用する装置と一体化するなどしてもよい。
【0020】
実施例1
スプリントの製造
患者の顎から印象(型:impression)を取る。成形のため本発明に従う装置上に模型を直接置くことの出来る方法で、型を石膏で満たす。ピンセットを用いて熱可塑性プラスチック樹脂の板を、温度約100℃の水槽に1ないし2分間置く。加熱された熱可塑性プラスチック樹脂の重合体板を石膏模型上に移し、とりわけ患者の口に存在する液体を吸引するため歯科治療室にある吸引装置に接続された本体の第1側面に対し開放シリンダを下に降ろす。真空下で数分間成形した後、シリンダを外し、縁を切り落とし患者に合わせてスプリントが用意される。
【0021】
本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、添付請求項の範囲内で変更することが出来る。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に従う好適な実施例の透視図を示す。
図2a−2cは、本発明を用いて歯科補助具を製造する方法をステップ毎に示す。
Claims (12)
- 鋳型、詳細には歯科用補助具を予熱した主要な基材(5)から製造するための装置であって、孔(3)を備えた基本的に平坦な第1側面(2)を有する中空本体(1)を含み、前記第1側面(2)は鋳型を製造する模型(4)を受容するため配置され、ここで前記第1側面(2)は、基材(5)を前記第1側面(2)に対してシールする蓋体(7)と協働するのに適合させ、これにより本体(1)は真空源と協働し、
その協働が、本体(1)の付属接続部(6)が外部真空源に対し接続可能に配置されることにより達成されることを特徴とする装置。 - 蓋体(7)が両端の開口したシリンダであることを特徴とする請求項1記載の装置。
- 本体(1)が重合性物質を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の装置。
- 本体(1)が耐酸性ステンレス鋼又はアルミニウムを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の装置。
- シリンダ(7)が重合性物質を含むことを特徴とする請求項2〜5いずれか1項記載の装置。
- シリンダ(7)がガラス材料を含むことを特徴とする請求項2〜5いずれか1項記載の装置。
- 接続部(6)に複数の各種真空源に適合するように配置されることを特徴とする請求項2〜6いずれか1項記載の装置。
- 歯科補助具が、ゲルスプリント、フッ素スプリント、漂白スプリント、ハード咬合スプリント、ソフト咬合スプリント、一時歯冠とブリッジ、いびき防止具、スポーツ用マウスピース、又は矯正用固定スプリントであることを特徴とする請求項1〜7いずれか1項記載の装置。
- 鋳型、詳細には歯科用補助具を予熱された加工用基材(5)から製造するための方法であって、基材(5)を鋳型製造の原型となる模型(4)に適用し、中空本体(1)の孔(3)が設けられた第1側面(2)の上に載置し、前記基材(5)に蓋体(7)を被せて、基材(5)を前記第1側面(2)に対しシールし、その後、本体(1)が真空源と協働して、基材(5)が前記模型(4)にならって成形され、
前記協働が、本体(1)の付属接続部(6)が外部真空源に対し接続可能に配置されることにより、達成されることを特徴とする方法。 - 蓋体(7)として両端の開口したシリンダを使用することを特徴とする請求項8記載の方法。
- 基材(5)が先ず水槽内で加熱されることを特徴とする請求項8又は9記載の方法。
- 歯科補助具がゲルスプリント、フッ素スプリント、漂白スプリント、ハード咬合スプリント、ソフト咬合スプリント、一時歯冠又はブリッジ、いびき防止具、スポーツ用マウスピース、又は矯正用固定スプリントであることを特徴とする請求項9〜11いずれか1項記載の方法。
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