JP2004519007A - 急な屈折力変化をもつ累進多焦点レンズ - Google Patents

急な屈折力変化をもつ累進多焦点レンズ Download PDF

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Abstract

本発明は、遠方視領域、中間視領域、近方視領域、前記三領域を通る累進の主子午線、及び近方視領域基準点と遠方視領域基準点との間の平均球面値の差に等しい加入度数を有している、累進多焦点眼鏡レンズに関するものである。レンズは、平均球面値が遠方視領域基準点における平均球面値より加入度数値の85%だけ大きいところの子午線上の点と、マウンティングセンタとの間の鉛直距離として定義される、12mm未満の累進長さを有している。良好な視覚特性を保証するために、子午線周りのみならず中心視領域以外においても、シリンダ値に球面値の勾配のノルムを乗じて得られた積の、レンズの中心を中心とする40mm直径円での積分と、前記円の面積と、加入度数と、前記円の中に含まれる子午線の部分に関する球面値の勾配のノルムの最大値と、を乗じて得られた積と、の間の比率が0.14未満である。

Description

【0001】
本発明は、多焦点眼鏡レンズに関するものである。そのようなレンズはよく知られており、それらは、レンズ上の位置の関数として連続的に変化する光学的度数を提供し、一般的に、多焦点レンズがフレームに装着されるとき、レンズ下部における度数がレンズ上部における度数より大きい。
【0002】
実際には、多焦点レンズはしばしば、非球面と、装用者の処方箋に合わせるために機械加工された球面若しくはトーリック面とを具備している。従って、多焦点レンズをその非球面の面パラメータ、即ち全ての点における平均球面値(mean sphere)S及びシリンダ値(cylinder)、によって特性を表すことが通例である。
【0003】
平均球面値Sは次の式で定義される。
【数1】
Figure 2004519007
ここでR及びRは、メートルで表された最小曲率半径及び最大曲率半径であり、また、nは、レンズ材料の屈折率である。
【0004】
シリンダ値は、同一の取り決めを用いて次の式で与えられる。
【数2】
Figure 2004519007
【0005】
あらゆる距離における視力に適合するそのような多焦点レンズは、累進レンズと呼ばれている。通常、累進眼鏡レンズは、遠方視領域と、近方視領域と、中間視領域と、これら三つの領域を通過する累進の主子午線とを備えている。更なる詳細については仏国特許発明第2699294号明細書に参照がなされてよく、前記特許発明明細書は、その前文において累進多焦点眼鏡レンズの様々な要素をそのようなレンズの装用者に対する快適さを高めることを目的として本出願人により行われた努力と共に記載している。簡単にいうと、レンズの上側部は、遠方視領域と呼ばれ、装用者によって遠方視に使用される。レンズの下側部は、近方視領域と呼ばれ、例えば読書等の近い場所での作業に装用者により使用される。これら二つの領域の間にある領域が中間視領域と呼ばれる。
【0006】
近方視領域の基準点と遠方視領域の基準点との間の、平均球面値の差が、このように加入度屈折力あるいは加入度数と呼ばれている。これら二つの基準点は通常、以下に定義される累進の主子午線上に選択される。
【0007】
全ての多焦点レンズに関して、遠方視領域、中間視領域、及び近方視領域といった各種の領域における度数は、レンズ上のそれらの位置とは関係なく処方箋によって決定される。処方箋は、近方視領域用度数若しくは遠方視領域用度数だけ、更にあるいは、レンズの軸線とプリズムとに対する非点収差値を含んでいる。
【0008】
累進レンズに関して、累進の主子午線と呼ばれている線は、最適化のパラメータとして使用される線であり、この線は、平均的な装用者がレンズを使用するための方策を代表するものである。子午線はしばしば、多焦点レンズ面上の鉛直臍線であり、換言すると全ての点がゼロシリンダ値をもっている線形である。累進の主子午線に関する様々な定義が提案される。
【0009】
第一の定義では、累進の主子午線は、レンズの非球面と、装用者が様々な距離で子午線面にある物体を真っ直ぐ見るときの平均的な装用者の一瞥との交差により構成されるものである。この場合、子午線は、目の回転の点、フレームの位置、フレームが鉛直と成す角度、及び近方視の距離等の平均的な装用者の姿勢の定義から獲得される。これらの様々なパラメータは、子午線がレンズ面に引かれることを可能にするものである。仏国特許発明第2753805号は、このタイプの方法の例であり、そこでは子午線が、光線追跡と、プリズム効果はもとより読書面の接近を考慮することと、によって獲得されている。
【0010】
第二の定義は、面特性、特に等シリンダ値線を使用して子午線を定義することにある。これに関連して、所与のシリンダ値に関する等シリンダ値線は、所与のシリンダ値を有する全ての点を表している。レンズ上に、0.5ジオプトリ等シリンダ値線を結びつける水平線分が引かれて、これら線分の中点が注目される。子午線はこれら中点に接近する。我々はこのように、二つの等シリンダ値線を結ぶ水平線分の中点を通過するのに最もよく適合している、三つの直線線分から形作られた子午線を考えることができる。この第二の定義は、使用される最適化戦略の予備知識なしに、子午線がレンズ面の特性の測定から見出されることが可能であるという長所をもっている。この定義については、0.5ジオプトリ等シリンダ値線を検討する代わりに、加入度数の半分の等シリンダ値線を検討することが可能である。
【0011】
子午線の第三の定義は、出願人の特許発明の中で提案されている。老眼用眼鏡装用者の要求を最大限満足させるために、及び累進多焦点レンズの快適さを向上させるために、出願人は、累進の主子午線の形状を加入度数の関数として適合させることを提案している(仏国特許発明第2683642号明細書及び仏国特許発明第2683643号明細書を参照)。これらの特許出願における子午線は、屈曲線を形作る三つの線分によって形作られている。レンズの最上部から始めると、第一線分は、鉛直であり、又その下端を(以下に定義される)マウンティングセンタとして有している。第二線分の最上部点は、マウンティングセンタに位置決めされ、また、鉛直に対して角度αを成しており、前記角度αは加入度数の関数であり、例えば、α=f(A)=1.574A−3.097A+12.293、である。第二線分は、レンズ上の鉛直距離において下端を有しており、前記鉛直距離も加入度数に依存しており、この高さhは例えば、h=f(A)=0.340A−0.425A−6.422、で与えられる。この式は、レンズの中心に中心を置いた基準座標系で高さをmmで与える。第三線分の上端は、第二線分の下端が位置決めされたところの点に一致しており、また、加入度数の関数である角度ωを鉛直に対して成していて、例えば、ω=f(A)=0.266A−0.473A+2.976、である。この式では、先行した式と同様に、数値係数は、角度を度で表し、高さをmmで表し、また加入度数をジオプトリで表すのに適した次元をもっている。これ以外の他の関係式が、三線分子午線を定義するために使用されることが勿論可能である。
【0012】
マウンティングセンタと呼ばれる点が、眼鏡レンズが累進レンズであるか否かにかかわらず、一般的に眼鏡レンズに印付けられており、そしてマウンティングセンタは、レンズをフレームに取り付けるために眼鏡技師に使用されている。瞳孔の間隔と、フレームに対する瞳孔の高さというような装用者の身体計測特性から、眼鏡技師は、マウンティングセンタを基準点として使用して機械加工をして縁を削り取る。出願人により市場で販売されているレンズでは、マウンティングセンタはレンズの幾何中心から4mm上に位置している。通常、マウンティングセンタはマイクロエッチングの中央に設けられている。フレームの中で正しく位置決めされたレンズに関して、マウンティングセンタは、頭を直立させている装用者が見る水平方向に一致する。
【0013】
2000年5月16日に出願された仏国特許出願第0006214号が、小さなサイズのフレームに累進多焦点レンズを取り付ける問題を取り扱っている。そのようなレンズが小さなフレームに取り付けられるときで、レンズが機械加工されるとき、近方視領域の下部が除去されるということが生じることがある。そのとき装用者は、遠方視領域及び中間視領域における適正な視力を得るが、狭いサイズの近方視領域で苦しむ。装用者は、近い作業に対して中間視領域の下部を使う傾向をもつ。この問題は、小さなサイズのフレームに向かう現在の流行の傾向を考えると特に重大である。
【0014】
累進多焦点レンズの装用者が遭遇する他の問題は、近方視あるいは中間視において長時間の作業を行うときの疲労の問題である。累進レンズの近方視領域は実にレンズの最下部に位置しており、近方視領域の長時間の使用は、眼鏡装用者に疲労を生み出すことがある。
【0015】
最後の問題は、そのようなレンズに対する装用者の順応の問題である。眼鏡装用者、特に若い老眼の人々が、対応する動きに対してレンズの様々な領域を適切に使うことが可能になる前の、累進レンズに対する順応期間を通常は必要とすることが知られている。この順応の問題は、二重焦点レンズをかつて使用していた人々にも生じている。二重焦点レンズは、特別な近方視部を有しており、前記近方視部の上部分は通常はレンズの幾何中心の下方5mmに設けられている。ここで、在来の累進レンズでは、近方視領域は一般的により下に位置している。中間視領域と近方視領域との間の境界を正確に特定することは困難であるとしても、装用者は、マウンティングセンタの下方5mmにある近方視領域の累進レンズを使うことにより著しく疲労する。
【0016】
本発明は、あらゆる状況に適合する一般化された光学設計のレンズを提供することにより、これらの問題に対する解決法を提案している。本発明は特に、近方視領域が縮小されることなく小さなサイズのフレームに装着可能なレンズを提供する。本発明は又、近方視領域あるいは中間視領域の長時間の使用に対する装用者の快適性を高める。本発明は、若い老眼鏡装用者と二重焦点レンズのかつての装用者とが累進レンズに順応することを容易にする。より一般的には、本発明は、急な度数変化を有するどのようなレンズにも適用可能である。
【0017】
より正確には、本発明は、非球面と、遠方視領域と、中間視領域と、近方視領域と、累進の主子午線と、加入度数と、12mm未満の累進長さとを含んでなる累進多焦点眼鏡レンズであって、前記非球面がその非球面上のどの点においても平均球面値とシリンダ値とを持つ非球面であり、前記累進の主子午線が、前記三つの領域を通過している累進の主子午線であり、前記加入度数が、近方視領域基準点と遠方視領域基準点との間の平均球面値における差に等しい加入度数であり、前記累進長さが、平均球面値が遠方視領域基準点における平均球面値より加入度数値の85%だけ大であるところの前記主子午線上の点と、マウンティングセンタとの間の鉛直距離に等しい累進長さである累進多焦点眼鏡レンズにおいて、
第一に、シリンダ値に球面値の勾配のノルムを乗じて得られた積の、レンズの中心を中心とする40mm直径円での積分と、
第二に、前記円の面積と、加入度数と、前記円の中に含まれる子午線の部分に関する球面値の勾配のノルムの最大値と、を乗じて得られた積と、の間の比率が0.14未満である。
【0018】
また、本発明は、非球面と、遠方視領域と、中間視領域と、近方視領域と、累進の主子午線と、加入度数と、12mm未満の累進長さとを含んでなる多焦点眼鏡レンズであって、前記非球面がその非球面上のどの点においても平均球面値とシリンダ値とを持つ非球面であり、前記累進の主子午線が、前記三つの領域を通過している累進の主子午線であり、前記加入度数が、近方視領域基準点と遠方視領域基準点との間の平均球面値における差に等しい加入度数であり、前記累進長さが、平均球面値が遠方視領域基準点における平均球面値より加入度数値の85%だけ大であるところの前記主子午線上の点と、マウンティングセンタとの間の鉛直距離に等しい累進長さである多焦点眼鏡レンズにおいて、
第一に、シリンダ値に球面値の勾配のノルムを乗じて得られた積の、レンズの中心を中心とする40mm直径円での積分と、
第二に、前記円の面積と、加入度数と、前記円の中に含まれる子午線の部分の上の球面値の勾配のノルムの最大値と、を乗じて得られた積と、の間の比率が、
前記円の中に含まれる子午線の部分の上の球面値の勾配のノルムの最大値と、前記円の中の球面値の勾配のノルムに関する最大値と、の間の比率の0.16倍未満である。
【0019】
両方の場合において、シリンダ値に球面値の勾配のノルムを乗じて得られる積と、加入度数の平方と、の間の比率が、レンズの中心を中心とする40mm直径円板の範囲内のどの点においても0.08mm−1未満であることが有利であり、マウンティングセンタから上に位置する前記円板の部分の中のシリンダ値が、加入度数の0.5倍未満であることが有利である。
【0020】
一実施例においては、累進の主子午線が臍線である。累進の主子午線が、0.5ジオプトリのシリンダ値点によって形成される線を結ぶ水平の線分の中点によりほぼ形成されることも可能であり、あるいは屈曲線を構成する三つの線分によって形成されることも可能である。
【0021】
この後の場合には、第一線分は、鉛直であることが有利であり、そしてマウンティングセンタを第一線分の下端としてもっている。第二線分の上端はマウンティングセンタによって形作られ、そして第二線分は、加入度数の関数である角度αを鉛直に対してなす。この場合角度αは、加入度数をAとしたとき、α=f(A)=1.574A−3.097A+12.293、によって与えられる。
【0022】
第二線分は、加入度数の関数である高さhにおいて下端をもっている。この場合には、第二線分の下端の高さhは、加入度数をAとしたとき、レンズの中心に中心を置かれた基準座標系において関数、h=f(A)=0.340A−0.425A−6.422、によってmmで好ましく与えられる。
【0023】
最後に、第三線分は、加入度数の関数である角度ωを鉛直に対して成すことができる。角度ωは、加入度数をAとしたとき、ω=f(A)=0.266A−0.473A+2.967、によって好ましく与えられる。
【0024】
本発明の更なる特徴と利点は、単に例示のためだけに提供された以下に続く本発明のいくつかの実施例の詳細な説明と添付図の参照とから、より明確になるであろう。
【0025】
第一の一連の特徴では、本発明は、球面値の傾きにシリンダ値を乗じて得られた積を各々の点で最小化することを提案している。この量は、レンズの収差を表しており、球面レンズでは明確にゼロである。球面値の傾きは、球面値の局所変化を表しており、レンズの累進が小さいほど、即ちレンズの累進が急ではないほど小さくなる。そうは言うものの、累進を保証するために、球面値の傾きが、レンズ全体にわたって、特に累進の主子午線上に、非ゼロ値をもたないことが必要である。
【0026】
シリンダ値は、局所面が球面からどのくらいずれているかを表している。シリンダ値が視力矯正のために使用されるレンズの領域で小さいことが有用であり、そのことは、幾何学的には、等シリンダ値線を子午線から“間隔を空ける”あるいは“広げる”ことを意味する。球面値の変化は必然的にシリンダ値の変化に至り、またシリンダ値をレンズ面全面にわたって小さくすることはできない。
【0027】
(球面値の傾きにシリンダ値を乗じて得られた)積は、球面値の傾きを制御することと、等シリンダ値線を広げることの要求との間のバランス若しくはトレードオフを表している。球面値の最大傾きが子午線上に見出され、かつ子午線が臍線であるレンズについては、この積は、子午線上でゼロであり、子午線の領域で小さな値を有する。シリンダ値は、子午線から離れると増大することがあるが、球面値の傾きそれ自身が小であるなら前記の積は小さいままであることが可能である。このことは、球面値の累進が、実際においては子午線周囲の累進の“回廊”においてだけで機能を果たせるので、子午線から遠く離れた領域において望ましいことである。換言すると、レンズの全面にわたる(球面値の傾きにシリンダ値を乗じて得られた)積に限度を設けることは、中心視領域におけるシリンダ値を最小化することを含んでおり、同時に中心視領域以外における球面値の傾きを最小化すること含んでいる。一つのレンズが同時に良好な中心視と良好な周辺視とを保証する。従って、球面値の傾きにシリンダ値を乗じて得られた積は、レンズ面の収差を表している量である。
【0028】
この積は、40mm直径円、即ちレンズの中心を中心とした半径20mmの範囲内のレンズ面上で最小化される。このことは、特に小さなサイズのフレームの場合、レンズ装用者によってまれに使用されるか全く使用されない、レンズの縁の領域を除外することになる。通常、欧州においては、フレームは、フレーム高さ(ボクシング(Boxing)B寸法、ISO8624眼鏡フレーム計測システム)が35mm未満のとき小さなフレームであるとみなされる。米国では、ボクシングB寸法が40mm(これらは平均値である)未満のフレームが小さなサイズのフレームと見なされる。
【0029】
本発明は、加入度数の関数ではない量を取得するために、この積を正規化することも提案している。正規化のファクターは、加入度を含んでいる。加入度は、第一にレンズ全面にわたる球面値の傾きの正規化に適合されるファクターである。遠方視基準点と近方視基準点との間の球面値の変化が加入度数に等しく、従って球面値の傾きは直接的に、所与の累進レンズに関する加入度数の関数である。加入度数は、第二には、シリンダ値の正規化に適したファクターである。加入度数が高まるとシリンダ値が大きくなる(シリンダ値は球面レンズに関してはゼロである)。従って、加入度の平方が、シリンダ値と球面値の傾きとの積に適合される正規化ファクターを表している。
【0030】
故に、本発明は、次の量に制限を設けることを提案する。
【数3】
Figure 2004519007
【0031】
この式において、勾配はベクトルとして通例どおり定義され、各々の軸に沿う前記ベクトルの座標は、その軸に沿った平均球面値の偏導関数にそれぞれ等しく、そして言葉の誤用ではあるが、我々は勾配を勾配ベクトルのノルムと呼ぶ。即ち:
【数4】
Figure 2004519007
【0032】
Cはシリンダ値である。我々は、レンズの中心を中心とする40mm直径円板の全体にわたる最大値を考慮する。我々は分母に正規化ファクターとして加入度数の平方を有する。
【0033】
比率は、距離の逆数の次元をもっている。
【0034】
この正規化された積の最大値が、可能な限り小さいことが有利である。0.08mm−1の上限が適切である。積の最大値に限度を設けることは、実に、40mm直径円板上のあらゆる点における積を制限することになる。
【0035】
この正規化された量の限度は、レンズの他の特性と結び付けられる。レンズが短い累進を持つレンズであるという事実は、累進長さの制限として記述されることが可能である。累進長さは、レンズ上の鉛直高さの代表値であり、前記鉛直高さにわたって球面値が変化し、レンズ上で球面値が急に変化するほど小さな累進長さになる。累進長さは、平均球面値が遠方視領域の基準点における平均球面値より加入度数値の85%だけ大であるところの子午線上の点と、マウンティングセンタとの間の垂直距離として定義可能である。ついては、本発明は累進長さが12mm未満であることを提案する。
【0036】
本発明は、レンズの上部におけるシリンダ値の最大値を最小化することも提案している。このことは、レンズの上部におけるシリンダ値を制限するということになり、換言するとシリンダ値が遠方視領域で低く維持されることを保証する。このように遠方視領域はシリンダ値がない。定量的には、この条件は最大シリンダ値と加入度数の半分の値との間の差として表される。加入度数の関数であるところの上限を選択することは、条件が正規化されることを可能にし、そしてこれは全ての加入度数とレンズ群に関する基本度数値とに対して適用可能である。
【0037】
レンズの上部は、40mm直径円の内側の、マウンティングセンタの上部に位置するレンズの部分に限定される。レンズ上部は、ほぼ遠方視領域であり、前記遠方視領域はマウンティングセンタを通過する水平線によって最下部が範囲を定められる。遠方視領域は、最上部と同じように40mm直径円によって側端部において範囲を定められる。この円は、中心視あるいは中心外視に関するレンズの有効領域の境界に一致する。
【0038】
これら二つの条件は、レンズの短い累進長さにもかかわらず、シリンダ値の無い遠方視、適正な中心視、及び適切な中心外視を保証する。
【0039】
我々は、この説明の残りの部分で、一例として対象物空間の方に向いた非球面と、眼鏡装用者の方に向いた球面若しくはトーリック面とをもったレンズについて考察する。例では、我々は右眼用のレンズについて考察する。左眼用レンズは、幾何中心を通る鉛直面に対してこのレンズを対称にすることで簡単に得ることができる。我々は、x軸がレンズの水平軸に一致し、y軸が鉛直軸に一致するところの正規直交座標系を使用する。基準座標系の中心Oが、レンズの非球面の幾何中心である。以下に続く説明では、軸はミリメートルで目盛り付けされている。我々は以下の事例で、加入度数2ジオプトリを有していて、1.75ジオプトリの遠視基準点における基本値若しくは基本球面値をもつレンズを取上げる。
【0040】
図1は、本発明による1ジオプトリの加入度数用のレンズの子午線に沿った平均球面値のグラフである。x軸はジオプトリで目盛り付けされており、レンズに対するmmのy軸値がy軸に示されている。所望の子午線は、三つの直線線分によって前述されたように定義され、子午線の位置は加入度数に依存している。実施例では、第二線分と鉛直との成す角度αが10.8°であり、第二線分の下端は、y軸の−6.5mmにあり、即ちレンズの中心から6.5mm下にある。第三線分は、鉛直に対して2.8°の角度ωを成している。子午線はレンズの鼻側の方に傾斜している。レンズ面を最適化した後に獲得された子午線は、0.5ジオプトリ等シリンダ値線の間の水平線分の中点の軌跡として定義された子午線であって、ほぼ所望の子午線と一致する。
【0041】
遠方視基準点は、レンズ面上に8mmのy軸値を有しており、また1.75ジオプトリの球面値と0ジオプトリのシリンダ値とを有している。近方視基準点は、レンズ面上に−12mmのy軸値を有しており、また2.75ジオプトリの球面値と0ジオプトリのシリンダ値とを有している。実施例では、基準レンズ加入度数の1ジオプトリは、基準点における平均球面値の間の差として算出される加入度数に等しい。図1上で、平均球面値は実線で示されており、主曲率1/R及び1/Rが破線で示されている。
【0042】
図1のレンズに関する累進長さは、11.5mmである。実際、子午線上のy軸値−7.5mmの点で、1.75+0.85*1=2.60ジオプトリの平均球面値に到達している。マウンティングセンタが4mmのy軸座標を有しているので、累進長さは確かに11.5mmである。
【0043】
図2は、図1におけるレンズに関する平均球面値を示す分布図である。図2における分布図は、レンズ非球面の(x、y)平面上への投影を示しており、上で定義された(x、y)基準座標系に加えて累進の主子午線が認識される。遠方視及び近方視に関する基準点は、それぞれ(0;8)及び(2.5;−1.3)の座標を持っている。近方視基準点のx軸値は、仏国特許発明第2683642号明細書及び仏国特許発明第2683643号明細書に記載されているように、加入度数の関数として変化しうるものである。
【0044】
図2上で、等球面値線、換言すると等しい平均球面値を有する点を繋いだ線、が見られる。等球面値線は、0.25ジオプトリステップの平均球面値で示されており、平均球面値は遠方視に関する基準点平均球面値に対して算出されている。図2は、遠方視基準点を通過する0ジオプトリの等球面値線を示しており、また0.25ジオプトリ、0.5ジオプトリ、0.75ジオプトリ、及び1.00ジオプトリの等球面値線も示している。0.25ジオプトリの等球面値線は、ほぼ水平であり又レンズの中央部にあり、0.75ジオプトリの等球面値線は、近方視基準点の周囲のレンズ下部に位置を示されている。
【0045】
図2は、レンズの中心を中心とする40mm径の円も示しており、前記円の内側で、球面値の傾きとシリンダ値との積が検討される。この円の内側、換言すると40mm直径円板上で、シリンダ値と球面値の傾きとの積は、x=7mm、y=−6.5mmの座標の点で最大であり、そこでは前記積は、0.06平方ジオプトリ毎ミリメートル(diopters/mm)である。このために、第一に、レンズの中心に中心を持つ40mm直径円板上の、シリンダ値に球面値の勾配に関するノルムを乗じて得られた積の最大値と、第二に、加入度数の平方との間の比率が、0.06mm−1に等しい。この比率は、0.08mm−1より十分に小さい。
【0046】
図3は、本発明によるレンズのシリンダ値の分布図を示しており、図2の分布図と同じ図形の約束事と表示とが使用されており、図2における球面値に代わって単純にシリンダ値を示している。等シリンダ値線の観点から、図3は、等シリンダ値線が遠方視領域で十分離間していて、中間視領域で接近し、そして小さな取り付けフレームの内側でさえ再び十分離間している。マウンティングセンタから上のシリンダ値は、x=19.5mm、y=4mmの座標位置で最大であり、そこではシリンダ値は0.37ジオプトリに達している。このシリンダ値は、加入度数の0.5倍、つまり1ジオプトリの加入度数に対する0.5ジオプトリ、を十分下まわっている。
【0047】
図4は、図1〜3のレンズに関する、球面値の傾きとシリンダ値との積の三次元表示である。子午線は、図4でほぼ水平であり、遠方視領域が右側である。この積が、近方視領域の両側に位置する二つの領域で最大値を有していることが注目される。遠方視領域は、累進の主子午線を取り囲む回廊のように十分広々している。
【0048】
図5は、図1におけるレンズの高度分布図である。われわれは、表面上の様々な点に関する、z軸に沿った高度を示した。高度が図に現れた点は、x方向とy方向で2.5mmステップで、40mm直径円の中で抽出されたものである。
【0049】
図6、7、及び8はそれぞれ、1ジオプトリ加入度数の従来技術レンズの、子午線に沿った平均球面値に関するグラフ、平均球面値の分布図、及びシリンダ値に関する分布図を示しており、比較の目的のため、図2及び3で既に示された40mm直径円が加えられている。図9は、図4と同様の、球面値の傾きとシリンダ値との積の表示を示している。図6と図1、あるいは図7と図2、あるいは図8と図3、あるいは図9と図4、との単純な比較が、小さなサイズのフレームに関する従来技術における問題と、本発明により提供された解決法とを目立たせている。
【0050】
図9は、勾配と平均球面値との積が、より大きな最大値とより目立つ局部摂動とを有していることを示している。
【0051】
図6〜9の従来技術のレンズに関しては、累進長さが11.9mmであり、また、シリンダ値に球面値の勾配に関するノルムを乗じて得られた積の最大値と加入度数の平方との間の比率が、0.23mm−1に等しい。マウンティングセンタから上のシリンダ値の最大値は、0.55ジオプトリであって、加入度数に対する0.55の比率に等しい。この比較例は、本発明が、短い累進長さにもかかわらず、レンズの非球面における収差と遠方視領域における収差とを制限することができることを示している。
【0052】
第二の一連の特徴では、本発明はレンズ面の収差の代表量を最小に抑える。この量は、各々の点における球面値の傾斜とシリンダ値との積の積分である。この量は、球面レンズでは明らかにゼロである。球面値の傾斜は、球面値の局所変化を表しており、またレンズの累進性が小さい場合、即ち過度に顕著ではない累進性を有する場合はいつも小である。そうは言うものの、累進を保証するために、球面値の傾きが、レンズ全体にわたって、非ゼロ値をもたないことが必要である。
【0053】
シリンダ値は、局所的な面と球面との間の偏差の程度を表している。視ることのために使用されるレンズの領域でシリンダ値が小さく保たれることが有用であり、そのことは、幾何学的には、等シリンダ値線を子午線から「離間させる」あるいは「広げる」ことを意味する。
【0054】
球面値の勾配とシリンダ値との積は、球面値の傾きを制御することと、等シリンダ値線を移動して離す要求との間の調和若しくはトレードオフを表している。球面値の最大傾きが子午線に見出され、かつ子午線が臍線であるところのレンズに関しては、前記の積は子午線上でゼロであり、また子午線の領域で小さな値を有する。子午線から離れると、シリンダ値に関する値は増加するが、前記の積は、球面値の傾きそれ自身が小であるなら小さいままである。このことは、球面値の累進が実際には子午線の周りの累進の回廊においてのみ機能を果たしているので、子午線から遠い領域において好ましい。球面値の傾きが、収差の領域で大きいとき、前記の積算は大きな値をとり、このことは、球面値における累進が、シリンダ値が小さく保たれているところの累進回廊の中でのみ機能を果たすので、望ましくないことである。
【0055】
別な方法で提示すると、レンズ面上で球面値の傾きとシリンダ値との積についての限度を設けることは、中心視領域におけるシリンダ値を最小化することを意味し、同時に中心視領域以外における球面値の傾きを最小化する。一つのレンズが、良好な中心視と良好な周辺視とを同時に保証する。球面値の傾きとシリンダ値との積は、従ってレンズ面に関する収差の代表量である。
【0056】
40mm直径円の内側、即ちレンズの中心を中心とした半径20mmの中、のレンズの面で積分が計算される。これは、仮にあったとしてもまれにしか眼鏡装用者に使用されないレンズの縁の領域を除外することを意味する。
【0057】
本発明は、加入度数の関数ではない大きさを取得するために、この積分を正規化することも提案する。正規化ファクターは、子午線上の球面値の最大傾きと、加入度数とを含んでいる。子午線上の球面値の傾きの最大値は、レンズ面に関する球面値の傾きの正規化に適したファクターである。さらに、球面値の傾きは子午線を取り囲む回廊において機能を果たせるものであり、又球面値の傾きは子午線上で最大であることが有利である。加入度数は、シリンダ値の正規化に適したファクターである。加入度数が大きくなるとシリンダ値が大きくなる(球面レンズはゼロシリンダ値を有している)。積は、同じ40mm直径円の面積によって乗算されて、分子の中で積分と同次になる。
【0058】
このように、第二の一連の特徴について、本発明は以下の量における制限を設けることを提案する。
【数5】
Figure 2004519007
【0059】
この数式の中で、Aは、加入度数を表し、Airecercle40は、40mm直径円の面積を表し、Gradmerは、40mm直径円の中に含まれる子午線の部分上の球面値の勾配gradSの最大値を表している。勾配はベクトルとして通例どおり定義され、各々の軸に沿う前記ベクトルの座標は、この軸に沿った平均球面値の偏導関数にそれぞれ等しく、そして言葉の僅かな誤用を伴うが、我々は勾配を勾配ベクトルのノルムと呼ぶ。
【数6】
Figure 2004519007
【0060】
分子における積分は、レンズの中心を中心とした40mm直径円全体にわたる面に関する積分であり、分母における量は正規化ファクターである。全ての式は無次元である。
【0061】
この正規化された量が可能な限り小であることが有利である。様々な上限を提案することが可能である。本発明の第一実施例では、この正規化された量は、定数k未満であり、前記定数kは0.14に等しい。
【0062】
別の実施例では、この正規化された量は、k´とGradmer/Gradmaxとの積に満たない量であり、ここで、
Gradmerは、上に定義された、(40mm直径円の中に含まれた子午線の部分に関する球面値の傾きの最大値)であり;
Gradmaxは、40mm直径円の中の球面値の傾きの最大値であり;
k´は、0.16に等しい係数である。この係数は、GradmerとGradmaxとが同じ次元を有しているので無次元である。
【0063】
正規化された量に対するこの制限は、レンズの他の特性と結び付けられている。レンズが短い累進を持つレンズであるという事実は、累進長さにおける制限として記すことができる。累進長さは、球面値が変化している、レンズ上の鉛直距離の代表値であり、レンズに関する球面値がより急に変化するほど累進長さは短くなる。累進長さは、マウンティングセンタと子午線上の点との間の垂直距離として定義でき、前記主子午線上の点は、平均球面値が、遠方視基準点における平均球面値より85%の加入度数値だけ大である点である。
【0064】
図1〜5におけるレンズは、第一の一連の特徴を満足するだけではなく、上述したように、第二の一連の特徴をも満足する。レンズは、第一実施例おける第二の一連の特徴(0.14未満の正規化された積分)及び第二実施例における第二の一連の特徴(k´とGradmer/Gradmaxとの積に満たない正規化された積分)を満足する。
【0065】
より具体的には、このレンズに関して、Gradmer量は、子午線上のy軸座標の−3mmにおいて得られ、そして0.11ジオプトリ/mmに等しい。Gradmax量は、座標(7mm、−9mm)の点において得られ、そして0.11ジオプトリ/mmに等しい。正規化された積分は0.12に等しく、この量は、まず第一に0.14より十分小さいので、このレンズは第一実施例における第二の一連の特徴を満足している。更に、Gradmer/Gradmax比率は1に等しく、そして正規化積分が、0.16×1より十分小である。従って、レンズは、第二実施例における第二の一連の特徴を満足している。
【0066】
ここで我々は、様々な特徴を詳細に論じて、本発明による様々なレンズを獲得することを可能にする。レンズ面は、知られているように、連続的であり、また3回連続的に導き出せる。本技術分野に知識を有する者は、累進レンズの所望の面が、ある数のレンズパラメータに関する限界条件を設定して、コンピュータを利用したディジタル最適化法により獲得されることを知っている。
【0067】
上で定義された一つ若しくはいくつかの特徴、及び特に請求項1の特徴は、限界条件として使用可能である。
【0068】
一つの特徴は、レンズ群の中の各々のレンズに関して、累進の主子午線を定義することによって有利に始まる。このことに関して、上で引用された仏国特許発明第2683642号明細書の教示を利用できる。累進の主子午線の他の定義が、本発明の教示を適用するように使用されることもできる。累進の主子午線は、0.5ジオプトリのシリンダ値を端に有している水平な線分の中点から形成された線分とほぼ一致することが有利である。従ってレンズは、シリンダ値については子午線に関して水平方向に対称である。このことは側方視に有利である。
【0069】
上の説明において、我々は出願者の特許明細書の中で与えられた子午線の定義を考察し、また我々は、上で与えられた累進長さの定義も考察した。子午線に対する他の定義が使用されることがある。
【0070】
明らかに、本発明は説明されてきたことに限定されるものではない。とりわけ、非球面が眼鏡装用者の方に向いた面であることが可能である。更に、我々は、両眼に関して異なることが可能なレンズの存在を力説しなかった。最後に、本明細書の説明が、1ジオプトリの加入度数と1.75ジオプトリの基本屈折力とを持つレンズに関する例を与えるなら、本発明は、眼鏡装用者のどんな処方のレンズに対しても適用される。より一般的には、本発明は屈折力に変化を持つどんなレンズに対しても適用可能である。
【0071】
最後に、本発明は、第一の一連の特徴と第二の一連の特徴とを同時に満足するレンズに関して説明してきた。本発明は、第一の一連の特徴だけを満足するレンズ、さらにまた第二の一連の特徴だけを満足するレンズも提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明による1ジオプトリ加入度のレンズの子午線に沿った平均球面値のグラフである。
【図2】
図1のレンズの平均球面値の分布図である。
【図3】
図1のレンズのシリンダ値の分布図である。
【図4】
図1のレンズに関する、(球面値の傾きにシリンダ値を乗じて得られた)積の三次元表示図である。
【図5】
図1〜4におけるレンズに関する標高の分布である。
【図6】
従来技術のレンズに関する、図1に同様のグラフである。
【図7】
従来技術のレンズに関する、図2に同様の平均球面値の分布図である。
【図8】
従来技術のレンズに関する、図3に同様のシリンダ値の分布図である。
【図9】
従来技術のレンズに関する、図4に同様の三次元表示図である。

Claims (13)

  1. 非球面と、遠方視領域と、中間視領域と、近方視領域と、累進の主子午線と、加入度数と、12mm未満の累進長さとを含んでなる累進多焦点眼鏡レンズであって、前記非球面が該非球面上のどの点においても平均球面値(S)とシリンダ値(C)とを持つ非球面であり、前記累進の主子午線が、前記三つの領域を通過している累進の主子午線であり、前記加入度数が、近方視領域基準点と遠方視領域基準点との間の平均球面値における差に等しい加入度数であり、前記累進長さが、平均球面値が遠方視領域基準点における平均球面値より加入度数値の85%だけ大であるところの前記主子午線上の点と、マウンティングセンタとの間の鉛直距離に等しい累進長さである累進多焦点眼鏡レンズにおいて、
    第一に、シリンダ値に球面値の勾配のノルムを乗じて得られた積の、レンズの中心を中心とする40mm直径円での積分と、
    第二に、前記円の面積と、加入度数と、前記円の中に含まれる子午線の部分に関する球面値の勾配のノルムの最大値と、を乗じて得られた積と、の間の比率が0.14未満である、累進多焦点眼鏡レンズ。
  2. 非球面と、遠方視領域と、中間視領域と、近方視領域と、累進の主子午線と、加入度数と、12mm未満の累進長さとを含んでなる累進多焦点眼鏡レンズであって、前記非球面が該非球面上のどの点においても平均球面値(S)とシリンダ値(C)とを持つ非球面であり、前記累進の主子午線が、前記三つの領域を通過している累進の主子午線であり、前記加入度数が、近方視領域基準点と遠方視領域基準点との間の平均球面値における差に等しい加入度数であり、前記累進長さが、平均球面値が遠方視領域基準点における平均球面値より加入度数値の85%だけ大であるところの前記主子午線上の点と、マウンティングセンタとの間の鉛直距離に等しい累進長さである累進多焦点眼鏡レンズにおいて、
    第一に、シリンダ値に球面値の勾配のノルムを乗じて得られた積の、レンズの中心を中心とする40mm直径円での積分と、
    第二に、前記円の面積と、加入度数と、前記円の中に含まれる子午線の部分の上の球面値の勾配のノルムの最大値と、を乗じて得られた積と、の間の比率が、
    前記円の中に含まれる子午線の部分の上の球面値の勾配のノルムの最大値と、
    前記円の中の球面値の勾配のノルムに関する最大値との間の比率の0.16倍未満である、累進多焦点眼鏡レンズ。
  3. 第一に、シリンダ値に球面値の勾配のノルムを乗じて得られる積と、
    第二に、加入度数の平方と、の間の比率が、
    レンズの中心を中心とする40mm直径円板の範囲内のどの点においても0.08mm−1未満であり、
    マウンティングセンタから上に位置する前記円板の部分の中のシリンダ値が、加入度数の0.5倍未満であるところの、請求項1または請求項2のいずれかに記載の累進多焦点眼鏡レンズ。
  4. 累進の主子午線が臍線であるところの、請求項1〜3のいずれか一項に記載の累進多焦点眼鏡レンズ。
  5. 累進の主子午線が、0.5ジオプトリのシリンダ値点によって形成される線を結ぶ水平の線分の中点により実質的に形成されているところの、請求項1〜3のいずれか一項に記載の累進多焦点眼鏡レンズ。
  6. 累進の主子午線が、屈曲線を構成する三つの線分で形成されているところの、請求項1〜3のいずれか一項に記載の累進多焦点眼鏡レンズ。
  7. 第一線分が、鉛直であり、また第一線分の下端としてマウンティングセンタを有しているところの、請求項6に記載の累進多焦点眼鏡レンズ。
  8. 第二線分の上端が、マウンティングセンタによって形成され、前記第二線分が、加入度数の関数である角度αを鉛直に対して成すところの、請求項6または7のいずれかに記載の累進多焦点眼鏡レンズ。
  9. 加入度数をAとしたとき、角度αが、α=f(A)=1.574A−3.097A+12.293、で与えられるところの請求項8に記載の累進多焦点眼鏡レンズ。
  10. 第二線分が、加入度数の関数である高さhにおいて下端を有しているところの、請求項6〜8のいずれか一項に記載の累進多焦点眼鏡レンズ。
  11. 加入度数をAとしたとき、前記第二線分の下端の高さhが、レンズの中心を中心とする基準座標系において関数、h=f(A)=0.340A−0.425A−6.422、によってmmで与えられるところの、請求項10に記載の累進多焦点眼鏡レンズ。
  12. 第三線分が、加入度数の関数である角度ωを鉛直に対して成すところの、請求項6〜11のいずれか一項に記載の累進多焦点眼鏡レンズ。
  13. 加入度数をAとしたとき、角度ωが、ω=f(A)=0.266A−0.473A+2.967、によって与えられるところの、請求項12に記載の累進多焦点眼鏡レンズ。
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