JP2004518812A - 非水性電解液および陽極酸化方法 - Google Patents

非水性電解液および陽極酸化方法 Download PDF

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Abstract

バルブ金属誘導体陽極の陽極酸化に適した非水性電解液、非水性電解液を用いる陽極酸化方法、および非水性電解液を用いて製造されるコンデンサ。非水性電解液は、少なくとも1つの非ハロゲン含有性の有機酸または無機酸の陰イオンを少なくとも1つのアルカリ金属、アンモニウムまたはプロトン化アミン陽イオンで中和することによって生成される少なくとも1つの可溶塩とグリセリンとを含む非水性電解液を含む;この際、酸陰イオンはリン酸よりもpKaが低い酸に由来する。

Description

【0001】
発明の分野
本発明は、バルブ金属誘導体陽極の陽極酸化(anodizing)に適した非水性電解液、非水性電解液を用いる陽極酸化方法、および非水性電解液を用いて製造されるコンデンサに関する。
【0002】
発明の背景
長年にわたり、いわゆるタンタル固体コンデンサは、単位体積当たりの静電容量が大きいことに加えて信頼性も高いことから、市場の標準規格となっている。1950年代の市場投入以来、タンタル固体コンデンサのサイズは、単位重量当たりの表面積が大きい(すなわち、粒径の小さい)タンタル粉末の登場によって小型化が進んでいる。表面積の大きいタンタル粉末により、同じ陽極酸化の厚さに陽極酸化する場合、旧来のタンタル粉末に比べて、同じ静電容量で、より小型の陽極を用いることが容易になる。
【0003】
表面実装式タンタル固体コンデンサが1980年代に幅広く投入されたことにより、タンタルコンデンサの実用性は広がった。タンタル固体コンデンサには製造に用いる二酸化マンガン対向電極材料のために耐熱性が備わっており、そのためタンタルコンデンサは、液性有機溶媒を基剤とする電解液を含むアルミニウム電解コンデンサに比べて、リフロー・ソルダリング(reflow−soldering)時の加熱による破壊作用を比較的受けにくい。その結果、小型アルミニウム電解コンデンサが従来用いられていた用途の多くは、表面実装式のタンタル固体コンデンサに転換されている。
【0004】
対向電極材料としてこれらのデバイスに従来より存在する二酸化マンガンの代わりに、導電性ポリマーが導入されたことにより、タンタル固体コンデンサの実用性がさらに広がった。導電性ポリマーの導電性が高いために、伝導性ポリマーを備えるタンタル固体コンデンサでは、等価直列抵抗および高周波での静電容量の低下が著しく減少する。導電性ポリマー陰極を有するタンタル固体コンデンサには、コンデンサ内部で短絡が生じた際に発火に対して耐性を持つという別の利点もある。
【0005】
最近、デバイスの等価直列抵抗を10ミリオームよりも十分に低くするために並列接続式の陽極素子を多数有する表面実装式タンタル固体コンデンサが投入され、これにより従来はセラミックコンデンサまたは蒸着フィルムコンデンサのみが使用可能であった用途にもタンタル固体コンデンサが用いられるようになった。タンタルコンデンサは一般に、タンタルコンデンサによって置き換えられるセラミックコンデンサまたは蒸着フィルムコンデンサよりもはるかに小型である。
【0006】
上記のようなタンタルコンデンサの改良により、コンピュータ産業および携帯電話産業の爆発的な成長に伴い、タンタルコンデンサの全世界での需要は1950年代の年間数百万点から現在では月に十億点を有に上回るまでに拡大している。タンタルコンデンサ粉末の供給元により、単位重量当たりの表面積は年月を経て改良されてはいるものの、コンデンサ用のタンタルの需要量は1950年代以来着実に増加している。タンタルは自然界で比較的希少な元素であり、需要量の増加と相まって、タンタル粉末の価格はこの40年〜50年で40倍またはそれ以上に上昇した。
【0007】
エレクトロニクス産業の成長は、時を追うごとに高い性能のデバイスが安価に得られるようになったために進んでいったと広く認識されている。このように、タンタル固体コンデンサの単位体積当たりの静電容量は時とともに増加し続け、静電容量1単位当たりの価格は低下し続けているが、これは、コンデンサのデバイスが、デバイスの製造コストとデバイスの全世界での累積販売数の対数値との間のいわゆる学習曲線に適合するためには必然的なことである。エレクトロニクス産業の成長率を維持するためには、部品に関するこのような要求価格の学習曲線が達成される必要がある。
【0008】
デバイス製造コストの学習曲線があるにしても、単位重量当たりの表面積を無限に増大させるのは不可能であることが広く認識されている。また、タンタルに対する需要の増加により、タンタル製造業者はタンタルに対する需要を満たすために質の低い鉱石を加工するように強いられている。タンタル1ポンド当たりの精錬コストは、鉱石の質が低くなるにつれて大きく増加する。
【0009】
固体コンデンサのバルブ金属部材のコストを引き下げる試みが行われた際、タンタルに加えて他のバルブ金属を固体コンデンサの製造に用いることが検討された。ニオブという金属は化学的および物理的性質の面でタンタルと最も近い。長年にわたり、ニオブ粉末から固体コンデンサを首尾良く製造するための取り組みが行われてきた。初期のニオブ粉末は不純物を比較的大量に含み、希リン酸中でタンタル陽極の陽極酸化を行うのに通常用いられる温度(すなわち、80℃〜90℃)では大きな問題のある酸化物が生じた。25℃未満の陽極酸化温度を用いることにより、ニオブの陽極酸化物における泡状欠陥物の発生は最小限に抑えられることが明らかになった。しかし残念ながら、固体ニオブコンデンサは、高温下(例えば、85℃)で電圧を加えた試験で、漏洩電流の増加およびデバイス短絡が生じることが判明した。
【0010】
最近製造されたニオブ粉末は不純物含有率の点で大きく改善されており、従来の陽極酸化温度(すなわち、80℃〜90℃)で陽極酸化を行っても、低い陽極酸化電圧(60ボルトまたはそれ以下)で比較的欠陥の少ない酸化物が生成されると考えられる。陽極酸化を行ったニオブ陽極の湿電池試験で示されるように、同時係属中の米国特許出願第09/143,373号および第09/489,471号に記載された電解液および方法を用いることにより、特に優れた誘電性が得られる。
【0011】
残念ながら、比較的純度の高いニオブ粉末から製造した固体コンデンサも、高温で寿命試験を行うと漏洩電流の増加および短絡障害が生じる。これらの障害は、酸素の陽極酸化物からニオブ基体への移動にって生じることが突き止められている。この障害機構はタンタルコンデンサでも知られているが、その影響はニオブの方がはるかに顕著である。
【0012】
幸いなことに、タンタルおよびニオブに関して、酸素が陽極皮膜からバルブ金属基体に移動するという問題に対する解決策は見いだされ、示されている。2000年3月9日に第20回コンデンサ・抵抗器技術シンポジウム(the 20th Capacitor And Resistor Technology Symposium)で、テランス・トリップ博士(Dr. Terrance Tripp)は「窒化タンタル:固体コンデンサ用の新たな基体(Tantalum Nitride: A New Substrate for Solid Capacitors)」(著者:T. Tripp、R. Creasi、B. Cox;シンポジウム予稿集の256〜262ページに転載)と題する論文を発表した。この論文は、陽極酸化物からバルブ金属基体への熱による酸素移動の問題をタンタル−タンタル酸化物系に関して述べている。著者らは、デバイス陽極の製造にタンタル粉末の代わりに窒化タンタルまたは亜窒化タンタルに用いることによってこの問題を解決する方法も述べている。(窒化タンタルTaNは、粉末を陽極体へと固化するために用いる真空焼結の段階で含有窒素の実質的に半分を失い、焼結工程の終了時までに亜窒化タンタルTaNとなる)。
【0013】
亜窒化タンタル基体材料に窒素が存在しても、陽極酸化皮膜誘電体の形成は妨げられないと思われる。窒化タンタルまたは亜窒化タンタルの真空焼結によって製造された陽極は、タンタルコンデンサ産業で従来用いられている電解液中、さらには同時係属中の米国特許出願第09/143,373号および第09/489,471号ならびにPCT国際公開公報第00/12783号に記載された電解液中で、陽極酸化を行うことができる。焼結した窒化タンタルまたは亜窒化タンタルの表面に生じた陽極酸化皮膜は、熱による酸化物から基体への酸素移動に対する耐性の点で、タンタル金属の表面に生じた陽極酸化皮膜よりも大きく改善されていることが証明されている。酸素移動に対するこの熱安定性の向上は、トリップ(Tripp)らによる論文の図6に示された、陽極酸化および熱処理を行ったタンタルおよび窒化タンタル基体に関する静電容量−電圧バイアス曲線に明らかに示されている。
【0014】
トリップ(Tripp)らは、発表したバルブ金属の処理をニオブに拡張し、窒化/亜窒化ニオブ表面の陽極酸化皮膜の方がニオブ金属陽極表面の陽極皮膜よりも、タンタル/亜窒化タンタル表目の陽極皮膜をタンタル金属陽極表面の陽極皮膜と比較した際に認められるのと同じく、酸素移動に対する耐性が根本的に向上することを報告している。トリップらのC.A.R.T.S.の論文の図9(シンポジウム予稿集の261ページ)には、ニオブおよび窒化ニオブ基体表面の熱処理陽極酸化皮膜に関する静電容量−バイアス電圧の関係が示されている。窒化ニオブ表面の陽極皮膜の熱安定性の改善が顕著である。
【0015】
ファイフ(Fife)の米国特許第6,051,044号は、窒素がニオブ基体中に、窒化物または亜窒化物に存在するよりもかなり低いレベルで存在するために、ニオブ/酸化ニオブ系の熱安定性に少なくともある程度の改善が認められることを開示している。ファイフは、300ppm程度の少ない窒素、より詳細には300ppm〜5000ppmの窒素(請求項4)が、先行技術のニオブコンデンサ粉末を上回る改善をもたらすと明記している。
【0016】
バルブ金属基体に窒素が存在することによって、陽極酸化物/バルブ金属基体の基体中への酸素拡散に対する熱安定性が向上する機序は、2通りが考えられる。比較的低濃度で存在する窒素は、拡散障壁として作用し、比較的高濃度のオルトリン酸イオン、例えば1〜5重量%またはより高濃度のオルトリン酸を含む電解液中で陽極酸化を行ったタンタル陽極に認められる安定性の向上と同様の様式で、陽極酸化の漏電特性が劣化するのに必要な温度および/または時間を増大させると思われる。
【0017】
ニオブまたはタンタル基体中の窒素の存在によって、陽極酸化/バルブ金属境界面の酸素拡散に対する熱安定性が向上する第2の機序は、特に酸素が比較的大量に存在する場合には、窒素およびバルブ金属基体の比較的安定な化合物の生成を通じて、酸素拡散過程の化学ポテンシャルを低下させること(すなわち、拡散過程によって遊離する自由エネルギーを減少させること)である。金属の窒化物および亜窒化物の分解のための活性化エネルギーは十分に高いため、寿命試験に用いられる摂氏数百度という温度はバルブ金属窒化物の分解に必要な温度よりも低い。
【0018】
酸素拡散をもたらす化学ポテンシャルを低下させること(酸素拡散阻害剤を用いることに対比して)の有効性は、国際公開公報第00/15555号に例示されている。この特許は、粉末冶金コンデンサ陽極の製造に、ニオブの代わりにNbOに近いある種類の亜酸化ニオブを用いることを記載している。亜酸化ニオブをコンデンサ材料として用いることにより、焼結時の表面積減少に対する耐性が向上し、そのために静電容量保持性が高いことだけでなく、漏洩電流レベルも低い陽極が製造されるが、後者はおそらく、陽極酸化物/ニオブ金属系と比べて陽極酸化物/亜酸化ニオブ系の化学ポテンシャルが低いために酸素移動が抑制されることによると思われる。
【0019】
ニオブの方が自然界での供給量が多いこと(タンタルよりも約10〜20倍多い)、タンタル(16.6gm/cc)よりもニオブ(8.57gm/cc)の方が密度が低いこと、ブラジルのある地域に極めて大規模な鉱床があることから、タンタルをニオブで代用することによって材料コストは大きく低下すると考えられるが、ニオブよりもさらに大きな節減が得られる可能性のある他の材料も存在する。
【0020】
チタンは、酸化タンタル(約26)および酸化ニオブ(約41)よりも誘電率がはるかに高い酸化物(約85)を形成することが以前から知られている。チタンは比較的低密度であるほか(4.54gm/cc)、自然界に多く存在し、地殻中で9番目に多い元素である。
【0021】
接着性があって欠陥が比較的少ない電気絶縁性皮膜をチタン表面に形成することは、この材料が陽極酸化用電解液の温度、含水率、プロティシティー(proticity)、ならびに電解液および基体金属双方の塩素混入に対して感受性があるため、極めて困難である。チタンおよびその合金の陽極酸化を円滑に行うための工程は1980年代後半に開発され、メロディー(Melody)によって英国特許出願第2168383号(GB 2168383A)(★訳注1)に記載されている。この特許出願の方法は、ローゼンバーグ(Rosenberg)らによる「高純度チタンにおける陽極酸化の機序(Anodizing Mechanism in High Purity Titanium)」と題する論文にも記載されている(「チタン’92(Titanium ’92)」、第7回国際チタン会議(7th International Conference on Titanium)、San Diego、California、1992で発表)。
【0022】
この英国特許出願第2168383号(GB 2168383A)の方法を用いて、チタン陽極の表面に質の高い誘電体皮膜を容易に生成させることはできるが、残念ながら、チタン表面の陽極酸化皮膜は、室温でも陽極酸化物から金属基体中への酸素拡散を起こす。酸素のチタン中への固溶解度は極めて高く(ほぼ25重量%)、亜酸化チタンの生成に関する自由エネルギーも同様である。このように、チタン固体コンデンサ陽極はニオブ固体コンデンサ陽極よりも熱劣化に対する感受性がはるかに高い。
【0023】
ニオブと全く同じように、チタンは窒化物TiNおよび一連の亜酸化物を形成する。これらの材料は導電性が高く、化学的に比較的不活性である。窒化チタンまたは亜酸化チタンから製造した陽極は、タンタルまたはニオブと同様の理由で、非常に熱安定性の高い陽極酸化皮膜を生じると予想できることは明らかであるが、残念ながら、これらの材料は水溶液中で正のバイアスが加わると酸素を発生し、障壁タイプの陽極酸化皮膜を生じない(または、生じるにしてもその効率が極めて低いため、実用的なあらゆる目的に関して、陽極酸化皮膜は存在しない状態のままである)。
【0024】
この種の材料を試験する目的で、GFSケミカル社(GFS Chemical Company)から入手した窒化チタン粉末にプレス加工を行って陽極圧縮物とした。これらの陽極圧縮物には、陽極体を囲む外皮の比較的狭い表面積を通過する電流の流れの検討を容易にするために、焼結陽極の内部表面への電流の流れが最小限となるように、材料の理論的密度に近づけるようなプレス加工を行った。陽極圧縮物には電気的接触用のタンタル線を包埋した。続いて、窒化タンタル陽極圧縮物の焼結を1,600℃で20分間行い、材料に関する理論的密度の固化窒化チタン陽極体を製造した。
【0025】
コンデンサを製造する目的の場合、粉末冶金バルブ金属陽極圧縮物は一般に、陽極の内部表面積を大きくして利用するためにバルブ金属の理論的密度の1/3〜2/3として製造されることに注意されたい。上記の窒化チタン陽極体は、箔片の挙動を検討するのと同様に、従来の多孔性陽極の細孔内部の反応によって生じる気体発生などの現象による問題をなくして、固化した材料の陽極酸化による挙動を検討する試験目的のみに製造したものである。
【0026】
続いて、この十分に高密度(full−density)の窒化チタン陽極の希リン酸中での陽極皮膜形成特性を、85℃の0.1%リン酸を入れたステンレス製ビーカー内に陽極を懸架し、陽極が正のバイアスとなる直流電圧を適用することによって評価した。水素還元電位に達すると直ちに、ステンレス製ビーカーの側に水素が発生し、陽極表面に酸素が発生した。陽極皮膜形成の徴候は認められず、印加電圧を高めると電流が増加することが明らかになった;この電流は陽極酸化皮膜の成長時とは異なり、時間が経過しても減衰しなかった。
【0027】
この実験で気体が発生し、陽極皮膜形成が生じなかったことは、高温の希酸中でチタン陽極の陽極酸化を行うことによって得られる結果と同様である(しかし、それよりもさらに顕著である)。英国特許出願第2168383号(GB 2168383A)に記載の電解液および方法を用いることによって好結果が得られたことに鑑みて、十分に高密度の窒化チタン陽極を、ステンレス製ビーカー内に入れた25℃の85%リン酸/N−メチル−2−ピロリドンの10容積%溶液中に浸漬した(英国特許第2168383号(GB 2168383A)の好ましい態様の1つ)。この窒化チタン陽極は、約5ミリアンペア/cmの定電流で100ボルトを十分に上回っても容易に陽極酸化が可能であることが明らかになった。別の窒化チタン陽極体(十分に高密度のもの)は、同じく約5ミリアンペア/cmで、100ボルトまでは陽極酸化がなされた。100ボルトに達すると、タンタル、アルミニウムおよび電解コンデンサの製造に用いられる他のバルブ金属材料の場合と同じく、電流は時間の経過に伴って初期値の1%未満の値まで減衰した。このように、英国特許第2168383号(GB 2168383A)記載の電解液および方法を用いることにより、チタンの窒化物および亜酸化物と同様に、水性電解液中では陽極酸化が困難または不可能なことが判明しているバルブ金属の誘導体の陽極酸化を行えることが示された。
【0028】
英国特許第2168383号(GB 2168383A)の電解液および方法は先行技術よりも大きく進歩しているが、これらの方法および電解液には製造という見地からはいくつか欠点がある。この特許の極性非プロトン性溶媒は、陽極酸化用タンクの給排水システムに含めることが難しい。また、気密陽極酸化タンク用カバー、電解液の含水率を低下させるための減圧処理などを用いずに、30℃またはそれ未満で陽極酸化を行いながら、英国特許第2168383号(GB 2168383A)の電解液の含水率を2重量%未満に維持することも難しい。これらの電解液には激しい溶媒作用があるため(電解液が存在すると床材および機械仕上げ面、さらには作業者の衣類を腐食させる傾向がある)、英国特許第2168383号(GB 2168383A)の電解液が床、装置または作業員を濡らさないよう、陽極酸化を行った陽極は陽極酸化用タンクから洗浄装置へ慎重に移す必要がある。
【0029】
英国特許第2168383号(GB 2168383A)の電解液/方法には、技術/工程面の欠点もある。この特許の電解液の抵抗率は、これらの電解液が有用なことが判明している陽極酸化温度(すなわち、約30℃未満)では過度に高い抵抗率を示す傾向があり、一般に1kHzで1,000Ω−cmを超える。微粉末化したバルブ金属から製造し、低印加電圧用に設計した粉末冶金陽極の急速かつ徹底的な陽極酸化には、電解液の陽極酸化温度での抵抗率が1kHzで約500Ω−cm未満、好ましくは250Ω−cmまたはそれ未満の程度であることが必要なことが明らかになっている。
【0030】
英国特許第2168383号(GB 2168383A)の電解質溶媒の非プロトン性(これは、チタン金属などのように非常に反応性の高い基質の陽極酸化過程における有害反応を最小限に抑えるために必要である)は、微粉末化した材料から製造される多孔性陽極の陽極酸化において、さらに別の問題を生じさせる。すなわち、静電気誘引のためにオルトリン酸イオンが陽極体内部に蓄積する傾向があり、これに伴って陽イオン(できるだけ低い電解液抵抗率を得るためにアミン塩を用いると仮定した場合)が陰極表面に蓄積する。陽極体内部のオルトリン酸イオンは含水率の低い電解液と反応してオルトリン酸を形成する。オルトリン酸は非プロトン性溶媒中ではほとんどイオン化しないため、その結果、陽極体内部の電解液の抵抗率は高度に上昇し、陽極酸化時間を非常に長くしなければ、不完全な内部酸化物の形成がもたらされる。
【0031】
発明の概要
本発明は、少なくとも1つの非ハロゲン含有性の有機酸または無機酸の陰イオンを少なくとも1つのアルカリ金属、アンモニウムまたはプロトン化アミン陽イオンで中和することによって生成される少なくとも1つの可溶塩とグリセリンとを含む非水性電解液を対象とする。酸陰イオンはリン酸よりもpKaが低い酸に由来する。特に本発明は、グリセリンおよび硝酸アンモニウムを含む非水性電解液に関する。
【0032】
本発明はさらに、非水性電解液によって陽極表面全体に均一な陽極酸化皮膜が形成されるまで約60℃〜約125℃、特に80℃〜約95℃の温度で陽極の陽極酸化を行うことを含む、陽極酸化方法であって、陽極がバルブ金属由来の窒化物、亜窒化物、酸化物もしくは亜酸化物、またはそれらの合金、それらの混合物もしくはそれらの金属ガラス(metallic glass)組成物を含む方法を対象とする。
【0033】
本発明はまた、バルブ金属誘導体粉末、および、少なくとも1つの非ハロゲン含有性の有機酸または無機酸の陰イオンを少なくとも1つのアルカリ金属、アンモニウムまたはプロトン化アミン陽イオンで中和することによって生成される少なくとも1つの可溶塩とグリセリンとを含む非水性電解液から製造された陽極を含むコンデンサであって、酸陰イオンがリン酸よりもpKaが低い酸に由来し、バルブ金属誘導体がバルブ金属由来の窒化物、亜窒化物、酸化物もしくは亜酸化物またはそれらの合金、それらの混合物もしくはそれらの金属ガラス組成物であるようなコンデンサも対象とする。
【0034】
発明の詳細な説明
窒素または酸素などの別の元素を含む、窒化チタンなどのチタン由来の材料は、化学ポテンシャルに基づく陽極酸化物から基体中への酸素拡散を軽減し、陽極酸化過程における材料の反応性を低下させるのに役立つことが見いだされた。窒化物または亜酸化物などのチタン化合物の反応性が低くなれば、極性非プロトン性溶媒を用いて電解液の陽極酸化を行う必要がなくなる。これらの材料には水溶液中では陽極酸化を行えないが、含水率が約2%未満である、多価アルコールなどの極性プロトン性溶媒中では陽極酸化を行えることが明らかになった。
【0035】
さらに、陽極酸化皮膜からの酸素移動に対する耐性が向上した、窒化チタンなどのチタン由来の材料の陽極酸化を、英国特許第2168383号(GB 2168383A)記載の方法の上限である約30℃を上回る温度で円滑に行えることも見いだされた。より詳細には、タンタル陽極で従来用いられているのと同程度の陽極酸化温度(すなわち、80℃〜90℃)を首尾良く用いうることが明らかになった。相乗効果として、多価アルコールを基剤とする陽極酸化用電解液を大気との接触下で80℃〜90℃の温度に維持すると平衡含水率は約1重量%に達するが、これは酸素拡散耐性のあるチタン由来材料の陽極酸化に適した範囲に十分に含まれる。
【0036】
種々の多価アルコールの、本発明の電解液における使用に対する適合性は、熱安定性、誘電率および沸点(ならびにこれに伴う蒸発速度)を含む、いくつかの要因によって決まる。多価アルコールであるグリセリン(glycerine)(「グリセロール」、「グリセリン(glycerin)」、「1,2,3−プロパントリオール」などとしても知られる)は、本発明の電解溶媒系における使用に適している点で、多価アルコールの中でも比類がない。
【0037】
グリセリンは、80℃〜90℃の温度で空気との接触下において優れた熱安定性を有する。グリセリンは25℃での誘電率も42.5と比較的高いため、溶解した塩のイオン化を引き起こして導電性電解液を生じさせる。グリセリンの沸点は289℃と高く、80℃〜90℃での蒸気圧が低いため、90℃の陽極酸化用タンク内でも電解液の蒸発はわずかしか起こらない。これに対して、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールおよびブタンジオールは、いずれも沸点が230℃またはそれ未満であり、80℃〜90℃での蒸発速度が過度に高い。さらに、低分子量ジオールのいくつか、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコールおよびヘキサレングリコールなどはある程度毒性がある物質であり、作業者がこれらの物質からの液体/蒸気に曝露されないように注意を払う必要がある。これに対して、グリセリンの毒性ははるかに程度が低い。
【0038】
グリセリンは数多くの供給元から容易に、しかも大量かつ安価に入手することができる。合成グリセリンの方が天然(動物)源からのグリセリンよりも好ましいが、これは後者が、焦げると暗色の沈着物を形成し、80℃〜90℃で用いた場合に電解液を黒ずませるタンパク質様物質を100ppmまたはそれ以上含む傾向があるためである。
【0039】
グリセリンに可溶性のオルトリン酸塩は、細孔構造を有する多孔性陽極の陽極酸化が80℃〜90℃で効率的に行われるために十分な導電性のある電解液をもたらさない。その後、オルトリン酸塩が必ずしも適した電解液をもたらす必要はないことが見いだされた。
【0040】
窒素などの酸素移動抑制性元素をごく微量含むタンタルおよびニオブなどのバルブ金属の陽極酸化に用いられる電解液は一般に、陽極酸化中に陽極酸化皮膜に取り込まれるリン酸(オルトリン酸イオン)を含む。取り込まれたリン酸基は陽極皮膜における酸素移動を抑制するように作用する。窒化タンタル、窒化ニオブまたは窒化チタンなどのバルブ金属由来の基体上に形成された皮膜の熱安定性に対しては、陽極酸化の前に基体中に酸素移動抑制性元素が十分量存在するために、酸素取り込み型のリン酸基の必要性はほとんどないように思われる。
【0041】
リン酸よりも強い(すなわち、グリセリン中でのpKaがリン酸よりも低い)非ハロゲン含有性の有機酸または無機酸のイオン化しうる水素原子を、アルカリ金属イオン、アンモニウムイオンおよび/またはプロトン化アミンイオンによって置換することによって生成される、グリセリン溶解性および熱安定性のある反応生成物(塩)は、イオノゲンとして優れた結果をもたらすことが見いだされた。適したイオノゲンには、硝酸アンモニウム、硝酸ジメチルエタノールアミン、硫酸ジメチルエタノールアミン、硝酸ジメチルエトキシエタノールアミンおよび硫酸ジメチルエトキシエタノールアミンが含まれるが、これらに限定されない。これらのイオノゲンのうち、硝酸アンモニウムは特に望ましい特性を有する。硝酸アンモニウムはグリセリンに直ちに溶解する上、材料をともに単に攪拌するだけで、室温で10重量%を上回る硝酸アンモニウムを含む溶液を調製することができる。
【0042】
硝酸アンモニウムのグリセリン溶液は、硝酸のpKaが低いことに加えて、アンモニウムイオンの多価アルコールへの溶解性が高く、アンモニウムイオンおよび硝酸イオンのいずれも当量電導度が高いことから、高い導電性/低い電気抵抗率が得られる。以下の表は、硝酸アンモニウムおよびリン酸水素二カリウムのグリセリン溶液の約85℃での抵抗率を比較したものである。
Figure 2004518812
【0043】
硝酸アンモニウム溶液の方が導電性がはるかに高いことが容易に認められる。
【0044】
約1重量%の水を含む硝酸アンモニウムの85℃〜90℃のグリセリン溶液は、窒化チタン基体の表面に高絶縁性の陽極酸化皮膜を生成しうることが見いだされた。
【0045】
したがって、本発明は、グリセリン、ならびに非ハロゲン含有性の有機酸または無機酸の陰イオンとアルカリ金属、アンモニウムおよび/またはプロトン化アミン陽イオンとの中和によって生成される少なくとも1つの可溶塩を含む非水性溶液を対象とする。酸陰イオンは、硝酸および硫酸などを含むがこれらに制限されない、リン酸よりもpKaが低い酸から形成される。可溶塩は硝酸アンモニウムであることが好ましい。
【0046】
非水性溶液とは、溶液が5重量%の水、好ましくは2重量%未満の水、より好ましくは1重量%未満の水を有することを意味する。
【0047】
グリセリン溶液中の可溶塩の量は、溶液の総重量に基づいて約0.5〜約15重量%、好ましくは約5〜約10重量%である。
【0048】
本発明によるグリセリン溶液は、陽極の陽極体細孔および間隙の内部で、リン酸塩類似体のグリセリン溶液よりも高い割合でその導電性を保つ。硝酸アンモニウムのグリセリン溶液は80℃〜90℃での熱分解に対して予想外に安定であり、空気に曝露させた場合にこの温度で約0.5〜1重量%の平衡含水率に達する傾向にある。熱安定性および平衡含水率を兼ね備えることから、これらの溶液は、バルブ金属またはバルブ金属由来の窒化物、亜窒化物もしくは亜酸化物の陽極酸化を80℃〜約90℃で行うのに非常に適している。
【0049】
上記の塩のこのようなグリセリン溶液を用いて得られる陽極酸化用の非水性電解液は、バルブ金属ならびにバルブ金属由来の窒化物および亜酸化物の陽極酸化を行うのに適している。適したバルブ金属窒化物には、窒化チタン、窒化ニオブおよび窒化タンタルが含まれるが、これらに限定されない。適したバルブ金属亜酸化物には亜酸化チタンが含まれるが、これらに限定されない。
【0050】
本発明は、バルブ金属由来の窒化物、亜窒化物、酸化物、亜酸化物またはそれらの合金、それらの混合物もしくはそれらの金属ガラス組成物から製造された陽極の陽極酸化の方法を対象とする。陽極酸化は、非水性電解液によって陽極表面全体に均一な陽極酸化皮膜が形成されるまで、約60℃〜約125℃の温度で行われる。皮膜の厚さは印加電圧によって決まる。
【0051】
陽極酸化温度は、好ましくは約80℃〜約95℃であり、より好ましくは約84℃〜約92℃である。
【0052】
本発明はさらに、バルブ金属誘導体粉末から製造された陽極の陽極酸化を非水性電解液を用いて行うことによる、コンデンサの製造も対象とする。バルブ金属誘導体粉末は、バルブ金属由来の窒化物、亜窒化物、酸化物もしくは亜酸化物、またはそれらの合金、それらの混合物もしくはそれらの金属ガラス組成物である。
【0053】
本開示の精神から逸脱することなく、本発明の溶媒および/または溶質にわずかな修正を加えうることが理解される必要があり、例えば、少量のオルトリン酸(最大で溶解度の限界まで)を電解液に有利に添加することができると予想され、ポリプロピレングリコールなどの少量のジオールは本発明の電解液に悪影響を及ぼさないと考えられる。
【0054】
実施例
実施例
GFS社の窒化チタン粉末から、0.14グラムの陽極体を理論的密度近くまでプレス加工し、1600℃で20分間焼結して、極めて粗い表面を有するほぼ固体状のスラグを製造した。この物体をタンタル製ライザーワイヤーにより、275グラムのグリセリン(含水率約1%)中に15グラムの硝酸アンモニウムを80℃〜90℃の溶液で含む250mlステンレス製ビーカー内に懸濁した。
【0055】
20ミリアンペアの電流を電圧が20ボルトに達するまで加え(約11分間)、続いて電流の「エージダウン(age down)」を一晩かけて行った。電圧を加えた状態で約15.5時間後に電流は0.015〜0.017ミリアンペアに減衰していたが、これは出発材料の不純物含有率の高さ(炭素および鉄が500ppmを上回る)を考えると極めて低い値である。
【0056】
本実施例は、硝酸アンモニウムのグリセリン溶液によって80℃〜90℃で窒化チタンの陽極酸化を行えることを示している。
【0057】
実施例
従来のバルブ金属の陽極酸化を行った場合の本発明の電解液の有効性を検討するために、浸漬表面積が約40cmのタンタル箔片の陽極酸化を、5重量%の硝酸アンモニウムを含むグリセリン溶液(約1%の水を含む)中にて86℃で行った。1ミリアンペア/cmの電流密度を用いた(全電流40ミリアンペア)ところ、100ボルトに達するまでの時間は約4分20秒であった。続いて、箔片の「エージダウン」を通常の通りに行った。電圧を加えた状態で、1分後の電流は2.72ミリアンペアであり、5分後は1.10ミリアンペア、31分後は0.22ミリアンペア、40分後は0.179ミリアンペアであった。
【0058】
本実施例は、本発明の電解液が、電解コンデンサの製造における陽極酸化物の形成に一般に用いられる電位レベルで、従来のバルブ金属であるタンタルの箔片の陽極酸化を行えることを示している。
【0059】
実施例
本発明の電解液によって、静電容量の比較的大きい粉末冶金陽極の深い陥凹部および間隙の陽極酸化を行えるか否かを明らかにするために、以下の実験を行った:ショウワ(Showa)S−506タンタル粉末から製造し、80℃の希リン酸中で20ボルトまでの陽極酸化を行うと静電容量が約650マイクロファラッドとなる8個の陽極をアルミニウム製プロセスバーと溶接し、温度を84℃〜92℃に維持した小型の陽極酸化用タンクに入れた、5重量%の硝酸アンモニウムを含むグリセリン溶液(含水率約1%)中に懸架した。陰極スクリーンの隔離幅(すなわち、陽極の底部と陰極スクリーンの上部との間の距離)には1cmより幾分小さい値を用いた。
【0060】
0.9アンペアの電流(約9マイクロアンペア/マイクロファラッド−ボルト)を、陽極が20ボルトに達するまで加えた。20ボルトに達するまでに要した時間は約15分間であった。続いて、陽極の電位をさらに6時間10分保った。次に陽極を脱イオン水ですすぎ洗いし、85℃で乾燥させた上で、静電容量および直流漏洩電流の計測値を得るために、17重量%リン酸中で湿電池の試験を行った。結果は以下の通りである。
Figure 2004518812
【0061】
このデータは、陽極のすべてが完全に陽極酸化されたことを示している。静電容量の標準偏差が5.84マイクロファラッドであり、これは650マイクロファラッドという静電容量の目標値からみて極めて小さい。直流漏洩電流のデータも、オルトリン酸イオンが存在しないにもかかわらず、この酸化物が漏洩電流の点で高品質であることを示している。
【0062】
比較試験では、同じ定格(すなわち、650マイクロファラッド)の陽極バーに対して、10重量%リン酸水素二カリウム/グリセリン溶液中にて90℃で20ボルトまでの陽極酸化を行った。これらの陽極の電位を同程度の期間(すなわち、約6時間)にわたって保ったところ、それらの内部の陽極酸化は不完全であることが明らかになった。破断した陽極では、中央部の色調が外側の陽極の色調とは異なっていた(酸化物の厚さの違いを意味する)。この実験の結果は、本発明の工程/電解液の目的のために陽極細孔内部に十分な導電性が得られる程度には、リン酸のpKaが十分に低くないことを示している。
【0063】
リン酸塩を用いた場合に陽極の内部の陽極酸化が不完全なのは、リン酸のpKaが高すぎるためであり、電解液の抵抗率(5%NHNO/グリセリン溶液中、抵抗率=185Ω−cm、10%KHPO/グリセリン溶液中、抵抗率383Ω−cm、いずれも90℃)のためではないことは、10重量%ギ酸カリウム/グリセリン溶液の90℃での抵抗率(140Ω−cm)は、5重量%硝酸アンモニウム/グリセリン溶液(185Ω−cm)よりもさらに低いが、試験に用いた650マイクロファラッド陽極の陽極酸化(20ボルト)に用いたところ、KHPO/グリセリン電解液よりも陽極内部のさらに多くの割合で陽極酸化が不完全であったという事実によって示されている。これは、グリセリン中でのギ酸のpKaがさらに高いこと(リン酸よりも)によってのみ説明が可能である。
【0064】
さらに、本発明の電解液、すなわち硝酸アンモニウムのグリセリン溶液は、本発明の工程の目的に有用な温度範囲、すなわち約60℃〜125℃、より詳細には約80℃〜90℃の温度範囲での熱安定性が予想外に高い。硝酸アンモニウム濃度が10重量%であっても、90℃での電解液の変色は緩徐であり、この温度で当初の抵抗率を少なくとも3週間維持する。
【0065】
実施例
5重量%硝酸アンモニウム/グリセリン溶液の試料を、ステンレス製ビーカーに入れて大気との接触下に置き、80℃〜90℃の温度に1週間保った。この期間中に、さまざまな陽極およびバルブ金属の小片の陽極酸化をこの電解液中で行った。
【0066】
80℃〜90℃に1週間置いた後に、電解液の試料を分析に供した。その結果を以下に示す。
含水率=0.895%
(カール・フィッシャー分析による測定)
クロム=0.08ppm
鉄=0.60ppm
ニッケル=0.17ppm
(以上はICP分析により測定)
【0067】
5重量%硝酸アンモニウム/グリセリン溶液の第2の試料を、小型の陽極酸化用タンクに入れて大気との接触下に置き、80℃〜90℃の温度に6週間保った。この期間中に、さまざまな陽極およびバルブ金属の小片の陽極酸化をこの電解液中で行った。
【0068】
80℃〜90℃に6週間置いた後に、電解液の試料を分析に供した。その結果を以下に示す。
含水率=0.715%
(カール・フィッシャー分析による測定)
クロム=0.07ppm
鉄=0.51ppm
ニッケル=0.17ppm
(以上はICP分析により測定)
【0069】
硝酸アンモニウムのグリセリン溶液である電解液は、80℃〜90℃で熱分解および抵抗率の変化の点で極めて安定であり、ステンレス鋼を浸食する腐食性副生成物も生じなかった。
【0070】
硝酸アンモニウムのグリセリン溶液(10%)は、加熱板に載せてスライドガラス上で摂氏数百度に加熱すると穏やかに気体に分解され、灰または炭をほとんど残さない。この試験中に激しい反応の所見はみられなかった。
【0071】
これに対して、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルまたはポリエチレングリコールジメチルエーテルなどの、沸点の高い他の極性溶媒中にある硝酸アンモニウムの溶液(5%〜10%)は、80℃〜90℃で急速に分解し、この温度範囲でわずか1〜2時間後には化学組成の不明な暗赤色〜褐色の溶液を生じる。

Claims (20)

  1. 少なくとも1つの非ハロゲン含有性の有機酸または無機酸の陰イオンを少なくとも1つのアルカリ金属、アンモニウムまたはプロトン化アミン陽イオンで中和することによって生成される少なくとも1つの可溶塩とグリセリンとを含む非水性電解液であって、酸陰イオンがリン酸よりもpKaが低い酸に由来する、非水性電解液。
  2. 可溶塩が硝酸アンモニウム、硝酸ジメチルエタノールアミン、硫酸ジメチルエタノールアミン、硝酸ジメチルエトキシエタノールアミンまたは硫酸ジメチルエトキシエタノールアミンである、請求項1記載の非水性電解液。
  3. 可溶塩が硝酸アンモニウムである、請求項2記載の非水性電解液。
  4. 含水率が溶液の総重量に基づいて2重量%未満である、請求項1記載の非水性電解液。
  5. 含水率が溶液の総重量に基づいて1重量%未満である、請求項4記載の非水性電解液。
  6. 総重量に基づいて約0.5重量%〜約15重量%の可溶塩を含む、請求項1記載の非水性電解液。
  7. 総重量に基づいて約5重量%〜約10重量%の可溶塩を含む、請求項6記載の非水性電解液。
  8. グリセリンおよび硝酸アンモニウムを含む非水性電解液。
  9. 請求項1記載の非水性電解液によって陽極表面全体に均一な陽極酸化皮膜が形成されるまで約60℃〜約125℃の温度で陽極の陽極酸化を行うことを含む、陽極の陽極酸化方法であって、陽極がバルブ金属由来の窒化物、亜窒化物、酸化物もしくは亜酸化物、またはそれらの合金、それらの混合物もしくはそれらの金属ガラス(metallic glass)組成物を含むような方法。
  10. 温度が約80℃〜約95℃である、請求項9記載の方法。
  11. 温度が約84℃〜約92℃である、請求項10記載の方法。
  12. 陽極が窒化タンタル、窒化ニオブまたは窒化チタンを含む、請求項9記載の方法。
  13. バルブ金属誘導体粉末、および、少なくとも1つの非ハロゲン含有性の有機酸または無機酸の陰イオンを少なくとも1つのアルカリ金属、アンモニウムまたはプロトン化アミン陽イオンで中和することによって生成される少なくとも1つの可溶塩とグリセリンとを含む非水性電解液から製造された陽極を含むコンデンサであって、酸陰イオンがリン酸よりもpKaが低い酸に由来し、バルブ金属誘導体がバルブ金属由来の窒化物、亜窒化物、酸化物もしくは亜酸化物またはそれらの合金、それらの混合物もしくはそれらの金属ガラス組成物であるようなコンデンサ。
  14. 可溶塩が硝酸アンモニウム、硝酸ジメチルエタノールアミン、硫酸ジメチルエタノールアミン、硝酸ジメチルエトキシエタノールアミンまたは硫酸ジメチルエトキシエタノールアミンである、請求項13記載のコンデンサ。
  15. 可溶塩が硝酸アンモニウムである、請求項14記載のコンデンサ。
  16. 溶液の含水率が溶液の総重量に基づいて2重量%未満である、請求項13記載のコンデンサ。
  17. 溶液の含水率が溶液の総重量に基づいて1重量%未満である、請求項16記載のコンデンサ。
  18. 総重量に基づいて約0.5重量%〜約15重量%の可溶塩を含む、請求項13記載のコンデンサ。
  19. 総重量に基づいて約5重量%〜約10重量%の可溶塩を含む、請求項18記載のコンデンサ。
  20. バルブ金属誘導体が窒化タンタル、窒化ニオブまたは窒化チタンである、請求項13記載のコンデンサ。
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