JP2004518329A - 特徴認識時間シフト相関方法および装置 - Google Patents
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Abstract
Description
(技術分野)
本発明は2つの信号の間に存在する位相関係または時間シフトを決定するための相関に関する。特に本発明は2つの信号間の位相関係または時間シフトを、それらの信号内の識別可能な特徴を認識し、2つの信号内で認識された特徴が発生する時間差を測定することにより決定するための方法および装置に関する。
【0002】
(背景技術)
データ通信システムはしばしば複数信号の相関を必要とする。相関の1つの用途は、既知の特性を備えた信号を別の複雑な、雑音を含む信号または信号の組の中から抽出することである。相関の別の用途は、1つの信号の、別の信号に対する位相関係または時間シフトを決定することである。以下に記述される技術は、相関のこの第2番目への応用である。
【0003】
特に記述されている技術は、少なくとも部分的にCEBus標準、EIA−600に基づく通信システム内で送信されるデータを復号するために使用できる。EIA−600標準と異なり、データは以下に記述されている技術を用いて、特定既知パターンの256個の、個別の時間シフトの1つとして符号化される。送信されたデータを復号するために、相関器を用いて受信信号を未シフト信号の既知のパターンと比較し、256個の考えられる時間シフトの何れがデータ・バイトを送信する際に使用されたかを決定する。各々の時間シフトは1つのユニークなデータ語に対応する。
【0004】
CEBus標準はチャープ(chirp)として知られる拡散スペクトル通信技術を利用して、送信媒体の周波数依存特性を解決している。送信媒体はしばしば、或る特定の周波数で非常に低劣な送信特性を示す可能性があり、これらの低劣な送信特性を示す周波数は場所および時間と共に変化する場合がある。チャープを使用して情報を送信すると、データの各ビットを周波数の掃引パターンとして送信することにより、その様な問題が解決される。従ってたとえその掃引パターンの帯域幅内のいくつかの周波数が低劣な送信特性を示したとしても、十分な周波数がデータを成功裏に送信するように通過されるはずである。
【0005】
図1はチャープ波形の例を図示する。このチャープは100kHzから始まり400kHzまで100μ秒の時間周期で掃引する。CEBus標準で使用される実際チャープ波形が図2に示されている。この特定のチャープは200kHzから始まり19サイクルで400kHzまで掃引し、1サイクルで100kHzに下がり、再び5サイクルで200kHzまで掃引して戻る。CEBus標準に基づき、データ情報はこのチャープ波形を使用して、チャープのサイクルの位相反転(180度)で送信される。例えば、「1」は最初に正の5ボルトに掃引して送信され、一方「0」は最初に負の5ボルトに掃引して送信される。
【0006】
米国特許第6,064,695号、ラファエリ(Raphaeli)に付与、名称「差動符号シフトキーイングを用いたスペクトル拡散通信システム」は、全チャープ波形で位相を反転することとは対照的に、そのチャープの開始周波数をシフトすることで1チャープ内のデータの符号化を提案することでCEBus概念に拡張している。‘695号特許は32個の個別開始位置をそのチャープ内に選択することを提案している。その様な2つの時間シフト・チャープ・パターンが図3および図4に示されている。’695号特許に記載されているシステムによれば、受信されたチャープは未シフト・チャープ・パターンの既知のパターンと相関を取り、32個の考えられるシフト位置のどれがチャープを送信する際に使用されたかを決定できる。32個の定義された時間シフトは、1ビット周期内でデータの5ビットの符号化を可能とし、これは単一位相反転では単一ビットが符号化されることと対比をなしている。
【0007】
データ速度が増加した場合、この概念を用いたデータ送信であっても送信媒体内のインパルス雑音の結果として信頼性の低下は免れず、このインパルス雑音は与えられたチャープの十分なエネルギーをブロックし、受信されたチャープが未シフト・パターンの1つと相関を取れなくする可能性がある。この問題を解決するために、‘695特許は更に特定のシフト位置を具備した8つの個別チャープを選択し、これら8つのチャープを、スーパーチャープと呼ばれる単一チャープに結合することを提案している。このスーパーチャープはユニークな固定パターンを800μ秒の期間定義している。
【0008】
図5はその様なスーパーチャープを図示する。スーパーチャープ・パターンは長いため、インパルス雑音はそのパターンの比較的小さな区分のみをブロックする。これでスーパーチャープと未シフト・パターンとの相関を、明瞭に受信されたスーパーチャープのそれらの部分を使用して行うことが可能となる。‘695特許によれば、256個の可能な開始位置を用いて、8ビット期間に対してデータの8ビットの符号化を可能としている。
【0009】
そのような2つの時間シフトスーパーチャープが図6および図7に図示されている。受信されたスーパーチャープは未シフト・スーパーチャープの既知のパターンと相関を取り、256の可能なシフト位置の何れがそのスーパーチャープを送信する際に使用されたかを決定することができる。図8は、スーパーチャープが典型的な送信媒体を通して送信された後に、実際にどのように現れるかを示している。この例で使用された模擬的送信媒体は、約200kHzで低劣な送信特性を示すように設計されている。これは結果として200kHz近くで受信信号レベルの低下を示し、通常の「バースト」パターンとなるが、これは図から明らかである。加えてインパルス雑音が模擬環境の250μ秒から325マイクロ秒、そして再び600マイクロ秒のところに加えられている。このスーパーチャープ内で送信されたデータを復元するために、受信されたパターンを未シフト・スーパーチャープの既知のパターンと相関を取る必要がある。図8に示すシフトパターンが図6に示されるシフトパターンと相関を取られる。
【0010】
その様なパターンの相関を取るための従来の方法は、パターンの全長に渡って一定間隔でデータをサンプリングし、結果として得られるサンプルのシーケンスをシフトレジスタに格納する。続いて受信パターンが繰り返しシフトレジスタ内で循環(rotate)されて、既知のパターンの1つと最大相関値の点が決定されるまで継続される。この従来の方法は、2つのパターンをトレーシング紙上にコピーし、1枚のトレース紙の上にもう一方を下から光を当てられるテーブル上で重ね合わせて、最も良い一致が得られるまで紙をシフトすることに類似している。それはまた‘695特許に記載されている相関方法と本質的に同じである。しかしながらパターン対して従来の方法を使用すると、スーパーチャープ・パターンに関する限り、非常に大きなシフトレジスタおよび非常に複雑な相関検出器を使用する必要があるという欠点を有する。これは次に大量の論理回路を採用する必要があり、その様な回路は製造するのに非常に高価なものとなる。
【0011】
以下に記載されている技術は、現在スーパーチャープの相関に使用されている方法に比較して、より簡素で更に経済的なパターン相関方法を提供する。記載されている技術はパターンの相関を行うために、最初にパターン内の或る特徴を識別し、次にこれらの識別された特徴の位置を別のパターン内に検索する。
【0012】
(発明の開示)
従って本発明の目的は、特徴認識時間シフト相関を実施するための方法および装置を提供することである。
【0013】
本発明の1つの特徴によれば、先に述べた目的ならびにその他の目的は、入力データ・ストリーム内の特徴が識別される相関方法により実現される。入力データ・ストリームの境界を基準とする、識別された特徴の開始時刻が記憶される。続いてその識別された特徴が入力データ・ストリーム内で次に繰り返されるまでの時間間隔が測定される。次に測定された時間間隔が、識別された特徴に関する有効な間隔値の各々の組と比較される。続いて、測定された時間間隔が有効間隔値の1つと一致したときに、記憶されている開始時刻と基準データ・シーケンスの境界を基準とする識別された特徴の開始時刻との間の差が計算される。計算された差は、基準データ・シーケンスとの相関を行うためにその入力データ・ストリームが時間シフトされなければならない量を決定する。特徴は入力データ・ストリーム内に含まれるサイクル周期のシーケンスを含むはずである。
【0014】
本発明の別の関連する特徴によれば、入力データ・ストリーム内の正または負のゼロ点交差が検出される。連続する正または負の検出されたゼロ点交差間の第1サイクル周期が測定される。次に第1測定サイクル周期が入力データ・ストリームに関連するサイクル周期の組と比較される。第1測定サイクル周期が入力データ・ストリームに関連するサイクル周期の組の1つと一致するとき、第1サイクル周期直後の連続する正または負の検出されたゼロ点交差間の第2サイクル周期、および第2サイクル周期直後の連続する正または負の検出されたゼロ点交差間の第3サイクル周期が測定される。次に第1、第2および第3サイクル周期が、入力データ・ストリームに関連して予測されるサイクル周期シーケンスの組と比較される。全ての周期が順に予測されるサイクル周期シーケンスの組の1つと一致するとき、特徴が識別される。
【0015】
本発明の更に別の関連する特徴によれば、入力データ・ストリームはストリーム内で正または負のゼロ交差を検出する前に、ストリーム内でデータがそれぞれ正および負の偏位に対応する、2つのレベルに量子化される。
【0016】
本発明の更に別の関連する特徴として、入力データ・ストリームは特定長のシンボルを含み、各シンボルは個々に基準データ・シーケンスと相関がとられる。入力データ・ストリームの境界はシンボルの開始時点に対応する。各シンボル周期は基準データ・シーケンスの時間シフトまたは循環形式を含む。また、基準データ・シーケンスは小区分を含む。各々の小区分は次に、基準データ・シーケンスの時間シフトまたは循環形式を含む。
【0017】
本発明の更に別の関連する特徴として、識別された特徴および入力データ・ストリーム内で次に繰り返される識別された特徴は、時間シフトまたは各シンボル周期を形成する循環された基準データ・シーケンスのそれぞれの隣接する小区分内に配置される。
【0018】
本発明の別の特徴として、多数の小区分を含む入力データ・ストリーム内のサイクル周期の遷移を検索して、各小区分に対する遷移時間を決定する。また、入力データ・ストリーム内の特徴が識別される。識別された特徴の開始時刻が記憶され、その後記憶されている開始時刻と、先に決定された最も近い遷移時刻との間の第1オフセットが計算される。先に決定された最も近い遷移時刻と入力データ・ストリームの境界との間の第2オフセットが計算され、第1オフセットを識別された特徴に対する有効オフセット値の組と比較して、その特徴が配置されている小区分が識別される。次に第2オフセットが、識別された小区分に対する遷移時刻と基準データ・シーケンスの境界との間の既知のオフセットから引き算される。この引き算結果は、入力データ・ストリームを基準データ・シーケンスと相関取るために時間シフトしなければならない量を決定する。
【0019】
本発明の別の関連する特徴として、入力データ・ストリーム内の正または負のゼロ交差を検出することにより、サイクル周期の遷移が検索される。連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第1サイクル周期が測定され、続いて第1サイクル周期直後の連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第2サイクル周期が測定される。第1サイクル周期および第2サイクル周期が連続する小区分にまたがっている場合、次の予測される小区分遷移時刻直前の連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第3サイクル周期および第3サイクル周期直後の連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第4サイクル周期が測定される。第3サイクル周期および第4サイクル周期が次の予測される小区分にかかっている場合、各小区分に対する遷移時間が次に予測された遷移時間に基づいて決定される。
【0020】
ここで強調しておきたいのは、「含む」および「含んでいる」という用語は本明細書また同様に特許請求の範囲の中で使用される際には、述べられている特徴、ステップまたは構成要素が存在することを明示していると取られるべきである;しかしながらこれらの用語を使用することは、1つまたは複数のその他の特徴、ステップ、構成要素またはそれらのグループの存在または追加を排除するものではない。
【0021】
(発明を実施するための最良の形態)
本発明の上記のそしてその他の目的、特徴、および長所は図面と共に下記の詳細な説明から更に明らかとなるであろう、図面の中で同様の参照番号は類似または同一要素を指している。
【0022】
本発明の好適な実施例が以下に、添付図を参照して記述されている。これらの実施例は‘695特許に記載されているスーパーチャープ・パターンへの相関データ信号に基づく例を使用して提示されているが、記述されている技術は識別可能なパターンを含み時間シフト相関を必要とする任意の型式の複雑な信号で使用できる。本技術は‘695特許に記載されているスーパーチャープ・パターンの検出のみに制限されるものではない。以下の記述の中で、良く知られている関数そして/または構成は詳細には記述されていないが、それは不必要に詳細に書くことで本発明が曖昧になることを避けるためであることも理解されよう。
【0023】
先に述べたように、特徴認識相関はデータ・ストリーム内のユニークなパターンを認識することに基づいている。次にデータ・ストリームは同じユニークなパターンを含む別のデータ・ストリームと相関を取られるが、それは両ストリーム内で識別されたパターンが同一位置に来るように、複数データ・ストリームのどれをどれだけシフトしなければならないかの量を決定して行われる。この方法の相関は1つまたは、おそらくは両方のデータ・ストリームが処理される際に「飛行中(on the fly)」として行えるので、両方の完全なデータ・ストリームを記憶し相関を取る必要が取り除かれる。データ・ストリームがエラーを含む場合、相関の精度は複数のユニーク・パターンを検索し、これらパターンの全てに対して全体の相関を確認するために適切な一致を要求することにより改善できる。
【0024】
‘695特許記載のスーパーチャープ・パターンに戻ると、これは8つの単一チャープで構成され、各々が100kHzから400kHzの周波数で掃引される25サイクルのパターンを含んでいる。これら25サイクルの周期は固定されており既知である。周波数掃引が400kHzから100kHzに落ちる単一サイクル、および単一チャープ境界での急激な遷移を除いて、これらのサイクルの各々の周期は既知のアルゴリズムに従ってサイクル毎に減少する。従ってあるサイクルが25個の既知の正しい周期のひとつに適合する特定周期を有すると測定された場合、それに続くサイクルの周期は予測できる。
【0025】
いくつかのサイクルの周期が順に予測された周期と一致すると分かると、特徴がその単一チャープ内に発見されたと決定できる。これと同じ特徴はスーパーチャープ内の後続のいくつかの単一チャープ内の異なる位置に見つかるはずである。各々の単一チャープは掃引パターンとして異なる、既知の開始点から始まるので、単一チャープの識別子は検出された特徴のその単一チャープ・パターンの開始点に対する位置を測定することにより決定できる。この識別された単一チャープのスーパーチャープのパターン内での位置は、受信されたスーパーチャープが未シフト・スーパーチャープと相関を取るためにシフトされなければならない量を決定するために使用される。
【0026】
これに代わって、連続する単一チャープ内の識別された特徴の発生間隔を測定し、その特徴に対して許されているかまたは潜在的な既知の間隔と比較される。その測定された間隔が潜在的な間隔の1つと一致すると、第2、更に信頼性の高い特徴が見つけ出されるはずである。初期(または第2、またはその両方)特徴のスーパーチャープのパターン内での位置が、受信されたスーパーチャープが未シフト・スーパーチャープと相関を取るためにシフトされなければならない量を決定するために使用される。特徴認識相関のこの技術が最も好適であるが、その他の技術を記述されている相関方法に適用するために使用できる。
【0027】
第1の実施例によれば、特徴認識相関器は、スーパーチャープ・パターン内で単一チャープ境界を識別するサイクル周期のユニークな遷移を検索する。単一チャープの開始位置が分かると、次に相関器は受信信号内に識別可能なパターンを検索し、このパターンの単一チャープ内での配置を測定する。この配置はユニークに単一チャープを識別し、未シフト・スーパーチャープ・パターン内でのその配置が分かる。受信スーパーチャープ・パターン内の単一チャープの測定されたオフセットと、未シフト・スーパーチャープ・パターン内の単一チャープの既知のオフセットとの間の差が、受信パターンが未シフト・パターンと相関を取るためにシフトされなければならない量を決定する。
【0028】
入力データ・ストリームは単一比較器回路を使用して処理され、全ての直流成分をストリームから除去し、交流信号の正および負への変位に対応するディジタル信号レベルを生成する。比較器出力はゼロ交差検出器で処理され、交流信号の正(またはおそらく負)ゼロ交差を検出する。正ゼロ交差間の時間間隔が測定され、入力信号内で見いだされる交流サイクルの既知の周期と比較される。周期の一致が検出されると、一致が発生した時刻が記憶される。次に後続サイクルの周期が、単一チャープ境界上で発生しうるこのサイクルに対する既知の、または予測される値と比較される。一致が2つの単一チャープ境界上で順に見つかると、単一チャープ境界のタイミングが決定され、受信スーパーチャープ・パターン内でのこれらの境界間のオフセットが計算される。
【0029】
次に相関器は識別可能なパターンを後続の単一チャープ内に検索する。再び、正のゼロ交差間の時間間隔が測定され、入力信号内に見いだされるはずの交流サイクルの既知のサイクルと比較される。周期の一致が検出されると、この一致が発生した単一チャープ境界を基準とする時刻が記憶される。次に後続の2サイクルの周期が、これらのサイクルに対する既知の値または予測値と比較される。これら3周期の全てが順に一致すると、パターンまたは特徴が検出されたと決定できる。
【0030】
単一チャープ内で特徴のオフセットが測定され、次にそのオフセットに関して可能性のある正しい8つの(検索対象のパターンに依存する)値と比較される。測定されたオフセットとこれらの可能性のあるオフセットの1つとの間の一致により単一チャープがユニークに識別される。この単一チャープ境界の測定されたオフセットが、未シフトスーパーチャープ・パターン内のその境界の既知のオフセットから引き算される。8ビットに切りつめられたこの差は、スーパーチャープを送信する際に使用されるシフト位置の値を生成する。
【0031】
第2の実施例によれば、特徴認識相関器は受信信号内の識別可能パターン、または特徴を検索し、このパターンが繰り返されるまでその間隔を測定する。測定された間隔は次に、その識別された特徴に関する既知の有効間隔値と比較される。測定された間隔に対して一致が見つかると、識別された特徴の未シフト開始位置が決定される。測定された開始位置と識別された特徴の未シフト開始位置との差は、受信パターンが未シフト・パターンと相関を取るためにシフトされなければならない量を決定する。
【0032】
入力データ・ストリームは、単一比較器回路を使用して信号内の全ての直流成分を除去し、交流信号の正および負への変位に対応するディジタル信号を発生するように、再び処理される。比較器出力は再びゼロ交差検出器で処理され、交流信号の正(または負)ゼロ交差が検出される。正ゼロ交差間の時間間隔が測定され、次にその入力信号内に見出されるはずの交流サイクルの既知の周期と比較される。周期の一致が検出されると、この一致が生じた時刻が記憶される。次に後続の2サイクルの周期が、これらのサイクルに対する既知の、または予測される値と比較される。3つ全ての周期が順に一致すると、再びパターンまたは特徴が検出されたと決定される。
【0033】
次に相関器は後続の単一チャープ境界が発生するまで待機し、識別された特徴の繰り返しを検索する。しかしながら、チャープ境界の厳密な位置を知る必要はない。その特徴が再び発見されると、第1および第2発生間の間隔が測定され、その特徴に対して(此処でも、検索対象のパターンに依存する)8つの可能な正しい間隔値と比較される。測定された間隔と8つの可能な間隔との間の一致は、第2のまたは更に信頼性の高いパターンまたは特徴を識別する。初期(または第2、またはおそらくその両方の)特徴の測定された開始位置が、この与えられた測定された特徴間隔を具備した特徴のスーパーチャープ内の開始位置から引き算される。8ビットに切り詰められたこの差は、スーパーチャープを送信する際に使用されるシフト位置の値を生成する。
【0034】
次に第2の実施例を実現するための回路を、更に詳細に説明する。この第2の実施例に基づく特徴認識時間シフト相関器の主構成部品を示す上位ブロック図が図9に示されている。相関器への入力信号は、図8に示されている信号と形が類似している交流信号である。この信号は図6に示されるシフトされたスーパーチャープ波形の受信された型式である。この時間シフト相関器は、図8に示される波形と図5に示される波形の間の時間シフトを決定する。入力データ・ストリームは一連のシンボルで作り上げられている。各々のシンボル周期は単一チャープ波形を含む。この入力スーパーチャープ波形は、符号化されたデータを抽出するために3.125μ秒の精度以内で未シフト・スーパーチャープ波形と時間シフト相関されなければならない。経過時間カウンタ2は各シンボル周期の開始に同期され、スーパーチャープの始まりからの経過時間を781.25n秒の分解度で計数する。
【0035】
経過時間カウンタ2の詳細ブロック図が図12に示されている。カウンタ22は SYNC_INPUT 信号により計数値2にリセットされる。従ってカウンタの値がその8ビットの最上位ビットに切りつめられるとき、カウンタの値は自動的に最も近い、許容される時間シフト・ステップに丸められる(rounded)。カウンタ復号ロジック23はスーパーチャープ・タイミングに関する2つの信号を与える。第1信号 SM_EN は特徴認識状態機械(feature recognition state machines)(後ほど説明)をリセットし、単一チャープ内の特徴検索を開始するために使用される。第2信号 SC_END はスーパーチャープの終了を指示し、相関器をリセットして後続のスーパーチャープの処理を開始するために使用される。
【0036】
再び図9を参照すると、クロック発生器1は相関器回路に基本タイミング信号を与える。クロック発生器1の詳細ブロック図が図13に示されている。第1カウンタ24は32MHzクロックを25で分割して1.28MHzクロック信号を経過時間カウンタ2に与える。信号 LATCH_INH が特徴認識状態機械(後ほど説明する)に与えられ、これは非同期に1.28MHzクロックで動作する。この信号はまた経過時間カウンタ2が遷移中の周期の間、経過時間がラッチされることを禁止するために使用される。第2カウンタ25は32MHzクロックを分割して、特徴認識状態機械(後ほど説明する)用の同期16MHzおよび8MHzクロックを生成する。バッファ26は32MHzクロックをバッファリングして16MHzおよび8MHzクロックに対するスキューを低減している。バッファリングされた32MHzクロックはゼロ交差検出器4およびサイクル周期測定モジュール3に与えられ、これらは図9に示されている。
【0037】
ゼロ交差検出器4は、交流信号からディジタル・ビット・ストリームを生成することで入力信号を相関器に対して量子化するために使用される。例えば、ディジタルの「1」は交流信号が正の偏位に対応するように使用され、一方でディジタルの「0」は交流信号内の負の偏位を指示するために使用される。
【0038】
ゼロ交差検出器4の詳細ブロック図が図10に示されている。比較器18は入力信号の量子化を実行する。シーケンサ19は比較器18出力でのゼロから1への遷移を検出し、高速シーケンス内で2つの信号 LATCH_CNT および CNTR_RST を生成するために使用される。これら2つの信号は図9のサイクル周期測定モジュール3に供給される。
【0039】
サイクル周期測定モジュール3の詳細ブロック図が図11に示されている。LATCH_CNT 信号はカウンタ21の現在状態をラッチ20の中に格納させるために与えられる。次に CNTR_RST 信号はカウンタ21をそのゼロ状態にリセットし、カウンタの再計数を開始させる。ラッチ20内に格納されている値は交流入力信号の1サイクルの周期を31.25n秒(9ビット・ラッチに基づく)の解像度で表す。信号 LATCH_CNT はまた、図9に示す開始特徴状態機械(start feature state machine)6および終了特徴状態機械(end feature state machine)9にも供給され、これらの状態機械に対して入力波形を処理するための新たなサイクル周期が可能であることを通知する。これも図9に示されている周期検出器5はラッチ20内に格納されている周期値を復号する。
【0040】
周期検出器5の詳細ブロック図が図14に示されている。多数の周波数復号ブロック27が存在し、24個の考えられる有効サイクル周期の1つを、それぞれの周期復号出力信号CP0からCP23をセットすることにより検出する。周期復号出力信号CP0からCP23は、サイクル周期測定モジュール3のラッチ20内に格納されている値がそれぞれのブロックに対して予めセットされている値、予めセットされているサイクル周期に対して約5パーセントの許容幅を許すためにその値プラスマイナスいくつかのカウント値、に一致するときに真値(例えば論理「1」)にセットされる。典型的にはただ一つの単一周期復号出力信号のみが真であるが、より短いサイクル周期に対しては、許容範囲があるために2つの隣接するブロックが出力信号を発生する場合がある。
【0041】
3つ目毎の周期復号ブロック27、全部で8個、の出力信号が符号器28に供給される。これら8つの検出された周期は図9の開始特徴状態機械6で使用され、特徴の初期周期を検出する。これら8つの信号の内、ただ一つのみが、ラッチ20内に格納されている任意の与えられたカウント値に対して真となりうる。符号器28は信号 PER_0, PER_1, および PER_2 を生成し、これは互いにバイナリ符号化ワードを形成し、それは8つの周期復号信号の1つが真値にセットされていることを表す。別の信号 ANY_PER は8つの内の1つが真であることを示すために使用される。
【0042】
図14を続けると、マルチプレクサ29,30,および31は1つの特定復号出力信号の選択を可能とする。マルチプレクサ用の制御アドレス入力 ESM_0−2, SSM_0−2 は符号器28で生成された3ビットアドレス PER_0−2 から導かれる。第1マルチプレクサ29は図9の終了特徴状態機械9で使用され、識別された特徴内の初期周期を識別するために使用される、同一周期復号出力信号を選択する。出力信号 ESM_P1 は識別された初期周期に対する周期復号出力信号が真であることを示す。
【0043】
追加のマルチプレクサ30および31は図9の開始特徴状態機械6および終了特徴状態機械9と類似の機能を実行する。第2マルチプレクサ30はその入力として、符号器28および第1マルチプレクサ29に接続されている各初期周期の直ぐ後の周期に対する周期復号出力信号を有する。出力信号 ESM_P2 および SSM_P2 は特徴の第2周期に対する周期復号出力信号が真であることを示すために使用される。第3マルチプレクサ31はその入力として、符号器28および第1マルチプレクサ29に接続されている各初期周期に続く第2番目の周期に対する周期復号出力信号を有する。出力信号 ESM_P3 および SSM−P3 は特徴の第3周期に対する周期復号出力信号が真であることを示すために使用される。
【0044】
次に図9の上位ブロック図を参照して相関器の動作を更に説明する。最初に示されている開始特徴状態機械6は入力信号内の特徴を検出する。状態機械6が検出する特徴には、マルチプレクサ29に接続されている初期サイクル周期、続いてマルチプレクサ30および31に接続された適切な有効サイクル周期の1つで始まるサイクル周期の有効シーケンスが含まれる。1つの特徴が検出されると、経過時間カウンタ2の現在カウント値が特徴開始時刻ラッチ8の中に格納される。この格納されたカウント値は特徴の初期周期が検出された時刻で有効であったカウント値である。
【0045】
開始特徴状態機械6の詳細ブロック図が図15に示されている。第1ラッチ32はゼロ交差検出器4で生成された LATCH_CNT 信号の周期を、その信号が状態機械6で認識されるまで延長するように使用される。信号 ZERO_CROSS はサイクル周期処理が可能であることを示すために生成される。別の内部的に生成される信号 RST_ZC は ZERO_CROSS 信号が動作した時点で1度、ラッチ32をリセットするために使用される。第2ラッチ33および関連する組み合わせロジックは状態機械6のリセットを生成するために使用される。特に、経過時間カウンタ2で生成された信号 SM_EN は、状態機械6が、終了特徴状態機械9が特徴の処理を完了するのを待っている状態CまたはD(図16に示されており、後ほど詳細に説明する)にない場合に状態機械6をリセットするために使用される。
【0046】
図9に示されている特徴間隔状態機械12で作成される信号 ISM_END は、特徴間隔状態機械12が有効特徴間隔を検出し、現在のスーパーチャープに対する相関が完了すると、状態機械をリセット状態に保持するために使用される。第3ラッチ35は符号器28で生成されたアドレスを格納するために使用される。第3ラッチ35内に格納されているアドレスは、特定の特徴初期周期の処理が完了するまで有効のまま存続する。第3ラッチ35内に格納されている値は図9に示されている特徴ラッチ7に、信号線 SSM_0−2 を経由して、転送制御信号 LTCH_FEAT を用い、一度有効特徴が検出されると転送される。これは格納されているアドレスが終了特徴状態機械9および特徴間隔状態機械12の両方で利用可能とする。
【0047】
開始時刻ラッチ・シーケンサ36は、特徴開始時刻ラッチ8に対して、適切に時間を計られたラッチ信号 LATCH_ST を生成するために使用される。 ZERO_CROSS 信号が真で、状態機械6が状態0(再び、図16に示されている状態図参照)の時、信号線 LATCH_ST 上にラッチ・パルスが生成される。この信号は必要に応じて LATCH_INH 信号により遅延され、カウンタ値が格納される時点で経過時間カウンタ2の値が安定となるように保証している。最後に、開始特徴状態カウンタ34は状態機械6の中心部を形成している。状態カウンタ34の状態図が図16に示されている。
【0048】
次に図16を参照すると、状態カウンタ34の状態図は状態0で始まる。ZERO_CROSS 信号遷移が真の時、状態カウンタは状態1に入る。この状態の中で、第1ラッチ32はリセットされ、信号 ANY_PER が検査されて8つの定義された特徴初期サイクル周期の1つが真であるか否かが決定される。真の場合、その周期に対するアドレスが状態3で T_LTCH を設定することにより第2ラッチ35の中に格納され、続いて状態カウンタは状態2で後続サイクルを待機する。ZERO_CROSS 信号が次に真値レベルに遷移する際に、第1ラッチ32は再び状態6でリセットされ、信号 SSM_P2 は現在のサイクル周期が初期サイクル周期に関連する有効第2周期に等しいか否かを調べられる。等しい場合、状態カウンタは再び、状態7で後続サイクルを待機する。ZERO_CROSS 信号が再び真値レベルに遷移する際に、第1ラッチは再び状態5でリセットされ、信号 SSM_P3 は現在のサイクル周期が初期サイクル周期に関連する有効第3周期に等しいか否かを調べられる。等しい場合、状態カウンタ34は状態Dに入り、信号 LTCH_FEAT がパルス化され第2ラッチ35内に格納されている値を特徴ラッチ7に転送する。続いて状態機械は状態Cに入り、此処で別の信号 S_FEATURE が真にセットされ終了特徴状態機械9に対して、同一の特徴を後続の単一チャープ内で探すことを開始すべきことを示す。
【0049】
状態カウンタ34は、終了特徴状態機械9が信号 ESM_ERR により後続単一チャープ内で特徴を見つけることに失敗したことを示すか、または特徴間隔状態機械12が信号 ISM_ERR により特徴発生間の間隔が有効でないことを示すまで、 S_FEATURE 信号を真にセットしたまま状態Cに留まる。これらの事象のいずれかが生じると、状態カウンタ34は状態4に入り、此処で第1ラッチ32は再び RST_ZC 信号を用いてリセットされ、その後カウンタは再び状態0に入り、新たな特徴の検索を開始する。信号 ANY_PER , SSM_P2 , または SSM_P3 のいずれかが、それらが調べられた時点で有効で無い場合、状態カウンタは再び第1ラッチ32を状態4でリセットし、状態0に再び入って新たな特徴の検索を開始する。
【0050】
今説明した開始特徴状態機械6と同様に、図9の終了特徴状態機械9もまた入力信号内の特徴を検出するために使用される。終了特徴状態機械9が検出する特徴には、開始特徴状態機械6で識別された特徴の初期サイクル周期で始まるサイクル周期の有効シーケンスを含み、これに周期検出器5のマルチプレクサ30および31で検出される適切な有効サイクル周期が連続して続く。特徴が検出された際に、経過時間カウンタ2の現在カウント値が特徴終了時刻ラッチ10に格納される。この格納されたカウント値は特徴の初期周期が検出された時刻で有効であったカウント値である。
【0051】
終了特徴状態機械9の詳細ブロック図が図17に示されている。第1ラッチ37は LATCH_CNT 信号の周期を状態機械9で認識できるまで延長するために使用される。信号 ZERO_CROSS はサイクル周期の処理が可能であることを示す。別の信号 RST_ZC は ZERO_CROSS が一度作動されると第1ラッチ37をリセットするように使用される。第2ラッチ38および関連する組み合わせロジックは状態機械9に対するリセットを生成するために使用される。特に、信号 SM_EN は状態機械9が、特徴間隔状態機械12が特徴処理を完了するのを待っている状態8(図18の関連する状態図参照、また以下に説明する)いないときに、状態機械9をリセットするために使用される。別の信号 ISM_END は、特徴間隔状態機械12が有効特徴間隔を検出し、現在のスーパーチャープの相関が完了すると、状態機械をリセット状態に保持するように使用される。
【0052】
図17の説明を続けると、「D」型フリップ・フロップ40は、その中に開始特徴が検出された単一チャープ周期に続く単一チャープ周期が開始するまで、開始特徴状態機械6から供給される S_FEATURE 信号を遅延させるために使用される。フリップ・フロップ40は信号 S_FEATURE が偽となる度にリセットされ、信号 SEARCH を生成し、これは後続の単一チャープ周期が開始されるまで真には遷移しない。開始特徴状態機械6より特徴ラッチ7に先に転送された値は信号 FEAT_0−2 上に表される。これらの信号はまたマルチプレクサ・アドレス信号 ESM_0−2 として、周期検出器5内のマルチプレクサ29,30,および31で使用される。
【0053】
終了時刻ラッチ・シーケンサ41は適切にタイミングを取られたラッチ信号を特徴終了時刻ラッチ10に対して生成するために使用される。ZERO_CROSS 信号が真で、状態機械が状態1(図18に示す関連状態図参照)の時、ラッチ・パルスが生成され、必要に応じて LATCH_INH で遅延されカウンタ値が格納される時点で経過時間カウンタ2の値が確実に安定状態となるようにしている。最後に終了特徴状態カウンタ39が状態機械9の中心部を形成し、その動作を制御している。状態カウンタ39の状態図が図18に示されている。
【0054】
次に図18を参照すると、状態カウンタ39の状態図は第1ラッチ37をリセットして状態0で始まる。信号 SEARCH が真に遷移する時、状態機械は状態1に入り、開始特徴状態機械6で検出された特徴の初期周期の検索を開始する。ZERO_CROSS 信号が真値に遷移する時、状態カウンタは状態3に入り、此処で第1ラッチ37は再びリセットされ、信号 ESM_P1 は現在のサイクル周期が正しい初期周期であるか否かを決定するため調べられる。正しい初期周期の場合、状態カウンタは後続サイクルを状態7で待機する。ZERO_CROSS 信号が次に真に遷移するとき、第1ラッチ37は再び状態6でリセットされ、信号 ESM_P2 は現在サイクル周期が初期サイクル周期に関連する有効第2周期に等しいか否かを決定するために調べられる。正しい場合、状態カウンタは再び後続サイクルを状態Eで待機する。ZERO_CROSS 信号が再び真値に遷移するとき、第1ラッチ37は再び状態Cでリセットされ、信号 ESM_P3 は現在サイクル周期が初期サイクル周期に関連する有効第3周期に等しいか否かを決定するために調べられる。正しい場合、信号 E_FEATURE は状態8で真にセットされ、特徴間隔状態機械12に対して識別された特徴の測定された発生間隔が認証されるべきことを示す。
【0055】
状態カウンタ39は、特徴間隔状態機械12が信号 ISM_ERR によって、特徴発生間隔が(interval between feature occurences)が有効で無いことを示すまで E−FEATURE 信号を真にセットしたまま、状態8に留まる。この場合、状態カウンタは再び状態0に入り、新たな特徴が開始特徴状態機械6で識別されるまで待機する。信号 ESM_P2 または ESM_P3 のいずれかが調べられた時点で有効で無い場合、状態カウンタは信号 ESM_ERR を2サイクルの間、真にセットし開始特徴状態機械6に対して新たな特徴の探索を始めるべきであることを示す。状態機械は続いて、再び状態0に入り新たな特徴が見つけられるまで待機する。
【0056】
図9に示される間隔減算器11は、特徴開始時刻ラッチ8と特徴終了時刻ラッチ10の中に格納されている値との間の時間差を与える。開始時刻ラッチ内に格納されている値は、終了時刻ラッチ内に格納されている値よりも小さいことが保証されている。減算器11は開始時刻の1の補数を10ビット全加算器にその桁上がり入力を真にセットして提供する。これは効果的に終了時刻から開始時刻を引き算する。開始および終了時刻間の差は200μ秒を決して超えないので(スーパーチャープ波形の特性に基づいている)、差値の下位8ビットのみが使用される。これらのビットは開始特徴状態機械6で識別された特徴が発生して、同一の特徴が後続の単一チャープ周期が発生するまでの測定された間隔を、781.25n秒の分解度で表す。異なる符号化パターンの相関を取る際に、他の構成ももちろん使用できる。
【0057】
減算器11で一度計算されると、その特徴間隔は次に特徴間隔状態機械12で認証される。状態機械12はその間隔を、識別された特徴に対して有効な8つ(もちろん、別の符号化パターンでは異なる数が適用される)の間隔と比較することにより認証する。状態機械の詳細ブロック図が図19に示されている。状態機械12の中心的な機能は、その特徴間隔状態カウンタ42である。この状態カウンタの状態図が図20に示されている。
【0058】
次に図20を参照すると、状態カウンタ42の状態図は状態0で始まる。信号 E_FEATURE が真値に遷移するとき、測定された特徴間隔が間隔減算器11の出力に提示されたことを示し、状態カウンタは状態1に入りこの間隔の有効性の検査を始める。8つの有効特徴間隔の値は、例えば対照読み取り専用メモリ(ROM)14の中に格納されている。このROMに対するアドレスビットの上位3ビットは信号 FEAT_0−2 で与えられ、これらは特徴ラッチ7から与えられる。アドレスの下位3ビットは特徴間隔状態機械12のカウンタ43から与えられる。
【0059】
最初カウンタ43はゼロにリセットされる。識別された特徴に対するカウンタ0に関連するROM位置内に格納されている間隔値が、測定された間隔と一致しない場合、状態カウンタは状態5に入り、此処でカウンタ43は更新される。次に状態カウンタは再び状態1に入り、此処で次に可能な有効間隔がチェックされる。この処理はカウンタ43が計数値7に達するまで続けられる。カウンタ43が計数値7に達し、しかも測定された間隔が未だ一致しない場合、状態カウンタは状態3に続いて状態2に入り、信号 ISM_ERR を2サイクルに対して真にセットする。この信号は開始特徴状態機械6および終了特徴状態機械9に対して、両状態機械が新たな特徴の検索を開始すべきであることを示す。
【0060】
測定された間隔が対照ROM14内に格納されている間隔値の1つと一致することが見つけられると、状態カウンタ42は信号 LTCH_DEF_POS を真にセットし、対照ROM14内に格納されている第2値を図9に示されるデフォルト位置ラッチ15内にラッチさせる。この第2値は9ビット値で未シフトスーパーチャープ・パターン内の識別された特徴の既知の開始位置を表す。格納された値は、識別された特徴のデフォルト位置を3.125μ秒の解像度で表す。状態カウンタは次に状態8を通して遅延し、位置減算器16(後ほど説明する)が状態Cに入る前に機能出来るようにしている、この状態Cでは信号 LTCH_SHIFT が真にパルス化される。この動作は位置減算器16の出力値をパターン・シフト・ラッチ17の中にラッチする。
【0061】
この時点で、入力スーパーチャープは未シフト・スーパーチャープと相関を取られ、パターン・シフト・ラッチ17内に格納されている値は入力スーパーチャープの時間シフトを3.125μ秒の解像度で表す。これに続いて、状態カウンタ42は次に状態4に入り、此処で信号 ISM_END は真にパルス化され、開始特徴状態機械6および終了特徴状態機械9を新たなスーパーチャープが受信されるまでリセット状態に保持する。状態カウンタは再び状態0に入り、新たな間隔が認証されるのを待つ。
【0062】
図9に示される比較器13は範囲比較器として機能し、特徴間隔一致プロセスに対する許容差を許している。この比較器の詳細ブロック図が図21に示されている。比較器13は全加算器44を含み、対照ROM14からの間隔の1の補数をその入力としている。加算器のゼロ桁上がり入力は真にセットされる。加算器44の出力は測定された間隔から減算された、予測間隔である。復号ロジック45は、加算器出力が値 FE, FF, 00, 01,または 02 のいずれかの時に真の出力信号 COMPARE を与え、完全一致(”00”)、プラスまたはマイナス、2つのカウント値の許容差、または1.5625μ秒を与える。この許容差は要求される相関解像度の半分であり、任意の希望する値にセットされる。
【0063】
上記の位置減算器16は識別された特徴の測定された位置を、未シフト・スーパーチャープ内のこの特徴の既知の位置から減算する。入力スーパーチャープ内の識別された特徴の測定された位置は経過時間値として特徴開始時刻ラッチ8の中に格納される。この値の上位8ビットのみが必要で使用される。経過時間カウンタ2は経過時間のカウントをカウント値2から始めるので、特徴開始時刻ラッチ8内に格納されている値の上位8ビットは、識別された特徴の開始時刻、または位置を最も近い3.125μ秒間隔に丸められて表している。この値は1の補数形式で8ビット加算器に、その桁上げゼロ入力を真にセットして与えられる。この加算器の出力は、対照ROM14から得られ、デフォルト位置ラッチ15内に格納されていたこの特徴に対するデフォルト開始時刻から引き算された、識別された特徴の測定された開始時刻の値である。位置減算器16の8ビット出力は入力スーパーチャープの時間シフト値を、未シフト・スーパーチャープ・パターンを基準として、3.125μ秒の解像度で表したものである。この出力値は、測定された位置値がデフォルト位置値より大きいか、小さいかまたは等しいかに関係なく有効である。
【0064】
本発明の種々の特徴をいくつかの実施例に関連して説明してきた。本発明の理解を容易にするために、本発明の多くの特徴を計算機システムの構成要素で実施可能な動作のシーケンスによって説明した。例えば、各々の実施例の中で種々の動作が専用回路(例えば、専用機能を実行するように相互接続された個別ロジック・ゲート)によって、特定用途集積回路(ASIC)の様な1つまたは複数のプロセッサで実行されるプログラム命令によって、またはそれら両者の組み合わせによって実行できることは理解されよう。
【0065】
更に本発明を、プロセッサに対して此処に記述された技術を実行させる計算機命令の適切なセットが格納されている、任意の形式の計算機読み取り専用格納媒体の中で全て実施することも考えられる。従って、本発明の種々の特徴は多くの異なる形式で実施可能であり、全てのその様な形式は本発明の範囲に含まれると考えられる。本発明の種々の特徴の各々に対して、その様な実施例の全ての形式は此処では、記述された動作を実行するために「構成されたロジック」または、これに代わって記述された動作を実行する「ロジック」と呼ばれている。
【0066】
出願人の種々の実施例が説明されてきたが、通常の技術を有する当業者にはこれらの実施例が単に図示を目的とするものであって、多くのその他の実施例が可能なことは理解されよう。本発明で意図されている範囲は、上記の説明よりもむしろ添付の特許請求の範囲に述べられており、請求項の範囲に入る全ての変化はこの中に含まれるものと意図している。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1はチャープ波形を図示する。
【図2】
図2はCEBusチャープ波形を図示する。
【図3】
図3はシフトされたCEBusチャープ波形を図示する。
【図4】
図4は別のシフトされたCEBusチャープ波形を図示する。
【図5】
図5はスーパーチャープ波形を図示する。
【図6】
図6はシフトされたスーパーチャープ波形を図示する。
【図7】
図7は別のシフトされたスーパーチャープ波形を図示する。
【図8】
図8は受信された、シフトされたスーパーチャープ波形を図示する。
【図9】
図9は特徴認識時間シフト相関器の上位ブロック図である。
【図10】
図10はゼロ交差検出器の詳細ブロック図である。
【図11】
図11はサイクル周期測定モジュールの詳細ブロック図である。
【図12】
図12は経過時間カウンターの詳細ブロック図である。
【図13】
図13クロック発生器の詳細ブロック図である。
【図14】
図14は周期検出器の詳細ブロック図である。
【図15】
図15は開始特徴状態機械の詳細ブロック図である。
【図16】
図16は開始特徴状態機械の状態図である。
【図17】
図17は終了特徴状態機械の詳細ブロック図である。
【図18】
図18は終了特徴状態機械の状態図である。
【図19】
図19は特徴間隔状態機械の詳細ブロック図である。
【図20】
図20は特徴間隔状態機械に対する状態図である。
【図21】
図21は比較器の詳細ブロック図である。
Claims (30)
- 相関方法であって:
入力データ・ストリーム内の1つの特徴を識別し、
入力データ・ストリームの境界を基準とする、識別された特徴の開始時刻を格納し、
その識別された特徴が入力データ・ストリーム内で次に繰り返されるまでの時間間隔を測定し、
測定された時間間隔を、その識別された特徴に対する有効間隔値の組の各々と比較し、
測定された時間間隔が有効間隔値の1つと一致したときに、格納された開始時刻と基準データ・シーケンスの境界を基準とする、測定された特徴の開始時刻との間の差を計算する、以上のステップを含む前記相関方法において、
計算された差が、入力データ・ストリームを基準データ・シーケンスと相関を取るために時間シフトしなければならない量を決定する、前記相関方法。 - 請求項1記載の方法において、特徴が入力データ・ストリーム内に含まれるサイクル周期のシーケンスで構成されている、前記方法。
- 請求項2記載の方法において、特徴を識別するステップが:
入力データ・ストリーム内の正または負のゼロ交差を検出し、
連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第1周期を測定し、
第1の測定されたサイクル周期を、入力データ・ストリームに関連するサイクル周期の組の各々と比較し、
第1の測定されたサイクル周期が、入力データ・ストリームに関連するサイクル周期の組の1つと一致したときに、第1サイクル周期直後の連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第2周期および第2サイクル周期直後の連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第3周期を測定し、
第1、第2、そして第3サイクル周期を、入力データ・ストリームに関連して予測されるサイクル周期シーケンスの組と比較する、以上のステップを含む前記方法において、
全ての周期が順番に、予測されるサイクル周期シーケンスの組の1つと一致するとき、特徴が識別される、前記方法。 - 請求項3記載の方法が更に:
入力データ・ストリームを、そのストリーム内で正または負のゼロ交差を検出する前に、ストリーム内のデータのそれぞれ正および負の偏位に対応する2つのレベルに量子化するステップを含む、前記方法。 - 請求項1記載の方法において、入力データ・ストリームが特定長のシンボルを含み、各々のシンボルが個別に基準データ・シーケンスと相関を取られる、前記方法。
- 請求項5記載の方法において、入力データ・ストリームの境界が、シンボルの開始に対応する、前記方法。
- 請求項5記載の方法において、各々のシンボル周期が、基準データ・シーケンスの時間シフトまたは循環された形式を含む、前記方法。
- 請求項7記載の方法において、基準データ・シーケンスが小区分を含む、前記方法。
- 請求項8記載の方法において、各々の小区分が、基準データ・シーケンスの時間シフトまたは循環された形式を含む、前記方法。
- 請求項8記載の方法において、入力データ・ストリーム内で識別された特徴および次に繰り返される識別された特徴が、各シンボル周期を形成する、時間シフトまたは循環された基準データ・シーケンスの隣接する小区分内に、それぞれ配置されている、前記方法。
- 相関方法であって:
多数の小区分を含む入力データ・ストリーム内のサイクル周期の遷移を検索して、各小区分の遷移時間を決定し、
入力データ・ストリーム内の特徴を識別し、
識別された特徴に関連する開始時刻を格納し、
格納された開始時刻と、先に決定された最も近い遷移時間との間の第1オフセットを計算し、
先に決定された最も近い遷移時間と入力データ・ストリームの境界との間の第2オフセットを計算し、
計算された第1オフセットを識別された特徴に対する有効オフセット値とを比較して、その特徴が配置されている小区分を識別し、
第2オフセットを、識別された小区分の遷移時間と基準データ・シーケンスの境界との間の既知のオフセットから引き算する、以上のステップを含む相関方法において、
引き算結果が、入力データ・ストリームが基準データ・シーケンスと相関を取るために時間シフトされなければならない量を決定する、前記方法。 - 請求項11記載の方法において、サイクル周期の遷移を検索するステップが:
入力データ・ストリーム内の正または負のゼロ交差を検出し、
連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第1サイクル周期を測定し、
第1サイクル周期直後の連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第2サイクル周期を測定し、
第1サイクル周期と第2サイクル周期が連続する小区分に広がっているか否かを決定し、
次に予測される小区分遷移時刻直前の連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第3周期を測定し、第1サイクル周期と第2サイクル周期が連続する小区分に広がっている場合、第3サイクル周期直後の連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第4周期を測定し、
第3サイクル周期と第4サイクル周期が次に予測される小区分に広がっているか否かを決定し、
第3サイクル周期と第4サイクル周期が次に予測される小区分に広がっている場合、各々の小区分の遷移時刻を次に予測される小区分遷移時刻に基づいて決定する、以上のステップを含む、前記方法。 - 請求項12記載の方法が更に:
入力データ・ストリームを、その入力データ・ストリーム内で正または負のゼロ交差を検出する前に、ストリーム内のデータのそれぞれ正および負の偏位に対応する2つのレベルに量子化するステップを含む、前記方法。 - 請求項11記載の方法において、特徴を識別するステップが:
入力データ・ストリーム内の正または負のゼロ交差を検出し、
連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第1サイクル周期を測定し、
第1の測定されたサイクル周期を、入力データ・ストリームに関連するサイクル周期の組の各々と比較し、
第1サイクル周期直後の、連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第2サイクル周期と、第1の測定されたサイクル周期が入力データ・ストリームに関連するサイクル周期の組の1つと一致したときに、第2サイクル周期直後の連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第3サイクル周期を測定し、
第1、第2、および第3サイクル周期を、入力データ・ストリームに関連して予測されるサイクル周期シーケンスの組と比較するステップを含み、
全ての周期が、予測されたサイクル周期シーケンスの組の1つに順に一致するときに、特徴が識別される、前記方法。 - 請求項14記載の方法が更に:
入力データ・ストリームを、その入力データ・ストリーム内で正または負のゼロ交差を検出する前に、ストリーム内のデータのそれぞれ正および負の偏位に対応する2つのレベルに量子化するステップを含む、前記方法。 - 請求項11記載の方法において、入力データ・ストリームが特定長のシンボルを含み、各シンボルが個別に基準データ・シーケンスと相関を取られる、前記方法。
- 請求項16記載の方法において、入力データ・ストリームの境界が1つのシンボルの開始に対応する、前記方法。
- 請求項17記載の方法において、各シンボル周期が基準データ・シーケンスの時間シフトまたは循環された形式を含む、前記方法。
- 請求項11記載の方法において、各小区分が基準データ・シーケンスの時間シフトまたは循環された形式を含む、前記方法。
- 相関器であって:
入力データ・ストリーム内の特徴を識別し、その特徴が識別された際に入力データ・ストリームの境界を基準として開始時刻を決定する開始特徴機械と、
識別された特徴が入力データ・ストリーム内に次に現れた際に、終了時刻を決定する終了特徴状態機械と、
終了時刻から開始時刻を引き算し、識別された特徴の間隔を決定する間隔減算器と、
識別された特徴に対して格納された有効間隔値の組と、基準データ・シーケンスの境界を基準とした基準開始時刻を含むメモリで、各基準時刻が識別された特徴に対して格納された間隔時刻のそれぞれ1つに対応する、前記メモリと、
識別された特徴に対して間隔減算器で生成された間隔を、メモリ内に格納されている識別された特徴に対する各々の有効間隔値と比較することで認証する、特徴間隔状態機械と、
入力データ・ストリームの境界を基準とする開始時刻と、間隔減算器で生成された間隔と一致する有効間隔値に対応する基準時刻との間の差を計算する位置減算器と、を含む相関器において、
計算された差が、入力データ・ストリームを基準データ・シーケンスと相関を取るために時間シフトされなければならない量を決定する、前記相関器。 - 請求項20記載の相関器において、特徴が入力データ・ストリーム内に含まれるサイクル周期のシーケンスを含む、前記相関器。
- 請求項21記載の相関器が更に:
入力データ・ストリーム内のデータの正または負のゼロ交差を検出する、ゼロ交差検出器と、
連続する正または負の検出されたゼロ交差間のサイクル周期を測定する、周期検出器とを含む、前記相関器。 - 請求項22記載の相関器が更に:
連続する正または負の検出されたゼロ交差間の、第1サイクル周期を測定するロジックと、
第1の測定されたサイクル周期を、入力データ・ストリームに関連するサイクル周期の組の各々と比較するロジックと、
第1の測定されたサイクル周期が入力データ・ストリームに関連するサイクル周期の組の1つと一致したときに、第1サイクル周期直後の連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第2サイクル周期と、第2サイクル周期直後の連続する正または負の検出されたゼロ交差間の第3サイクル周期とを測定するロジックと、
第2、および第3サイクル周期を、入力データ・ストリームに関連して予測されるサイクル周期の組と比較するロジックとを含み、
全ての周期が予測されたサイクル周期シーケンスの組の1つと順に一致したときに、1つの特徴が識別される、前記相関器。 - 請求項23記載の相関器において、ゼロ交差検出器が:
入力データ・ストリームを、ストリーム内の正または負のゼロ交差を検出する前に、そのストリーム内のそれぞれの正または負の偏位に対応する2つのレベルに量子化する比較器を含む、前記相関器。 - 請求項20記載の相関器において、入力データ・ストリームが特定長のシンボルを含み、各シンボルが個別に基準データ・シーケンスと相関を取られる、前記相関器。
- 請求項25記載の相関器において、入力データ・ストリームの境界が1つのシンボルの開始に対応する、前記相関器。
- 請求項25記載の相関器において、各シンボル周期が基準データ・シーケンスの時間シフトまたは循環された形式を含む、前記相関器。
- 請求項27記載の相関器において、基準データ・シーケンスが小区分を含む、前記相関器。
- 請求項28記載の相関器において、各小区分が基準データ・シーケンスの時間シフトまたは循環された形式を含む、前記相関器。
- 請求項28記載の相関器において、識別された特徴および入力データ・ストリーム内で次に繰り返される識別された特徴が、各々がシンボル周期を形成する、時間シフトまたは循環された基準データ・シーケンスのそれぞれ隣接する小区分内に配置されている、前記相関器。
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