JP2004517707A - 医用の注射器を製造する装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明はガラスからなる注射器本体及び注射針を有する医用の注射器を製造するための装置に関する。
【解決手段】この装置は、レーザ共振器(5)を有しかつレーザビーム(9)を発生させるためのレーザビーム発生手段(3)と、ビーム形成及び/又はガイド手段(7)と、注射器本体(13)を保持し位置決めするための保持手段(17)とを具備することを特徴とする。
【解決手段】この装置は、レーザ共振器(5)を有しかつレーザビーム(9)を発生させるためのレーザビーム発生手段(3)と、ビーム形成及び/又はガイド手段(7)と、注射器本体(13)を保持し位置決めするための保持手段(17)とを具備することを特徴とする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1の前提部分に記載の医用の注射器を製造するための装置及び請求項12の前提部分に記載の医用の注射器を製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ここに記載したタイプの方法及び装置は知られている。該方法及び装置は注射針を注射器の本体にしっかり結合するために用いられる。かくて製造された完成した注射器は、注入可能医薬品の非経口の施用のために用いられる一次注入手段(Primaerpackmittel)の大部分をなす。このような注射器は、ここでは注射器本体と呼ばれているガラスシリンダを有する。このガラスシリンダは圧延されて、一方の側では、注射針を収容する錐体を形成し、他方の側では、特殊な圧延縁を形成する。
【0003】
好ましくは高品質鋼からなる注射針は、紫外線に敏感な接着剤によって、ガラスシリンダの、錐体を有する開口部にしっかり貼着される。注射針用保護キャップが、通常、注射針の一面に亘って被せられており、この保護キャップはエラストマーから、好ましくは、ラテックスを含まない天然ゴムからなる。この場合、注射器用保護キャップは、装着の際に、ガラス錐体に緊締される。注射器用シリンダへの注入は、注射針に向かい合っている端部からなされる。続いて、この端部は、好ましくは螺旋を有するピストンプラグによって閉じられる。ガラスシリンダの、後方の圧延縁によって、プラスチックからなる指止めがガラスシリンダに取着される。
【0004】
ガラスシリンダへの注射針の貼着は重大な欠点をもたらす。すなわち、余りに少ない接着剤が錐体と注射針との間の接合ギャップに入れられるので、この貼着が不十分であることは時々生じる。このことは、注射針が接着剤の硬化後に不十分に固定されており、錐体から再度引き出されることができることになる。余りに多い接着剤が接合ギャップに入り込むこともある。このことの結果は、余分な接着剤が接合ギャップに流れ落ちて、最後には、注射針の内径の基端に流れ込むことである。このことは注射針の全面的な塞ぎをもたらす。注射針が貫通していないことは、注射器の注入物を注射することを試みるときに初めて、しばしば気づかれる。
【0005】
万一あるかも知れない病原菌を殺すために、通常、注射器をオートクレーブ工程すなわち蒸気殺菌法に晒す。この工程は、オートクレーブの中で、約20乃至60分間、121℃の温度で、オートクレーブに支配的な1.10barの圧力で、注射器用シリンダに入れられる産物に従ってなされる。
【0006】
しかし、発熱物質が注射器システムに100%いないことは、完成した注射器が焼付けシリコナイゼーションに晒されるときにのみ、達成可能である。この目的のためには、注射器本体の内面はケイ素を有し、注射器は、例えば約340℃の温度で駆動されるホットエアターミナルの中を通される。しかし、この工程段階は、紫外線硬化性の、薬用に許可される通常の接着剤によっては、実行されえない。何故ならば、これらの接着剤は最大限約150℃の温度までしか耐熱性を有しないからである。より高い温度では、接着剤は、硬化後に得られる強度を失う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、注射針とガラスからなる注射器本体との間の固定を損なうことなしに焼付けシリコナイゼーションに晒すことができる注射器を製造することができる、医用の注射器を製造する装置及び方法を提供することが、本発明の基礎である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、請求項1に記載の特徴を有する装置が提案される。この装置はレーザビームの発生のために用いられるレーザビーム源の点で優れている。この装置は、更に、ビーム形成及び/又はガイド手段を有する。この手段は、レーザビームを注射器本体と注射針との間の接合区域に向けるために、及び、場合によっては、ビームの断面形状を所望の溶融工程に適合させるために用いられる。最後に、本装置は注射器本体を保持し位置決めするための保持手段を有する。
【0009】
他の実施の形態は他の従属請求項から明らかである。
【0010】
この課題を解決するために、更に、明細書導入部に記載のタイプの方法が提案される。この方法は請求項12に記載の工程を有し、注射器本体と注射針との間の接合区域にレーザビームを当てること、この領域における注射器本体の材料を少なくとも部分的に溶かすこと、及び、接合区域を硬化するために及び注射針を注射器本体に固定するために、溶けた材料を冷却することで優れている。
【0011】
本方法の他の実施の形態は従属請求項から明らかである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳述する。図1は医用の注射器を製造するための装置の第1の実施の形態を示している。装置1はレーザビーム発生手段3を具備する。レーザビーム発生手段の基本構造は原理的に知られており、レーザビーム発生手段は、対応の供給ユニットを持つレーザ共振器5を有する。以下、この手段を単にレーザ共振器と呼ぶ。装置1は、更に、ミラー8a及び8bを備えたビームガイド手段7を有する。ビームガイド手段は、レーザ共振器5によって発生されたレーザビーム9を、最終的には、注射器本体13及び注射針15を有する注射器11に向けるために用いられる。注射器11は適切な保持手段17によって保持される。この保持手段は、位置決め手段19と、注射器本体13を保持する保持用アーバー21とを有する。
【0013】
ビームガイド手段7は2つの可動のミラーを有するスキャン手段23を具備する。第1のスキャナ用ミラー25は第1の回転軸27を中心として回転可能であり、このことは矢印29によって示されている。スキャン手段の第2のスキャナ用ミラー31は第1のスキャナ用ミラー25に対し45°傾斜して設けられており、矢印33によって示されるように、第2の回転軸35を中心として回動可能である。回転軸27及び35は、スキャナ用ミラー25及び31の適切な回動運動を引き起こす、ここでは図示しない適切な駆動手段に接続されている。第1のスキャナ用ミラー25は、例えば、レーザビーム9を、第1の方向、例えばx方向に動かすために用いられる。これに対し、第2のスキャナ用ミラー31はレーザビーム9を、第2の方向、例えばy方向につまりは第1の方向に対し垂直方向に動かすために用いられる。
【0014】
レーザ共振器5から放射されるレーザビーム9の方向に見て、集束ユニット37がスキャン手段23に後置されている。集束ユニットはレーザビーム9を注射針15と注射器本体13との間の接合区域に集束させるために用いられる。レーザビーム9のx−y運動がスキャン手段23によって引き起こされて、レーザビーム9が、接合区域41を掠めるように、ここでは円軌道に従うことが、矢印39によって示されている。スキャン手段23は、レーザビーム9が任意な輪郭をなぞることができるように、形成されている。
【0015】
保持手段17の位置決め手段19は、ここでは、レーザビーム9を所望通りに接合区域41に当てることができるために、詳しくは、ビームの運動がスキャン手段23によって引き起こされ、レーザビーム9が集束ユニット37によって接続区域41に集束されるために、注射器11が所望の位置にしっかり保持されるように、形成されている。この場合、集束手段37によって、集束面に、すなわち、接続区域41の領域でレーザビーム9によって引き起こされる光点に影響を与えることができる。装置1の、ここに示された実施の形態では、集束ユニット37は平面の視野レンズを有する。従って、集束ユニット37は、容易な、安価な方法で実現可能である。
【0016】
保持手段17を、注射器11も回転すべく、保持用アーバー21が回転されるように形成することも、原理的に可能である。この回転運動は、レーザビーム9の、スキャン手段23によって引き起こされる運動の他に、望ましくあり得る。スキャン手段23を、レーザビーム9が接続区域41の一点に又は1つの面に集束されるように、及び、レーザビーム9を最終的に接合区域14全体に向けるべく、注射器11が回転されるように調整することも考えられる。しかし、図1に示した装置1の場合、注射器11がまだ停止しており、レーザビーム9がスキャン手段23によって接合区域41の領域で動くことが前提となる。
【0017】
図2は医用の注射器を製造するための装置1の変更の実施の形態を示している。同一の部材は同一の参照符号を有するので、図1に関する上の記述を参照するよう指示する。
【0018】
装置1は、同様に、他の諸要素を有するレーザビーム発生手段3を具備する。以下、この手段を単にレーザ共振器5と呼ぶ。このレーザ共振器はビームガイド手段7によってレーザビーム9を放射する。レーザビームは注射器11に、特に集束区域41に向けられる。注射器11はここでも注射器本体13および注射針15を有する。注射器は位置決め手段19及び保持用アーバー21を有する保持手段17によって保持される。
【0019】
ビームガイド手段7は、既に図1に示したミラー8a及び8bの他に、ミラー8cを有する。最初の2つのミラー8a及び8bは、レーザ共振器5から発するビームを常に90°転向させて、ビームが水平方向に左から第3のミラー8cに当たり、そこで90°偏向され、注射器11又は接合区域41に当たるようにするために、用いられる。
【0020】
第3のミラー8cと接合区域41との間には、加工ヘッド43が設けられており、この加工ヘッド43は集束ユニット37を有し、レーザビーム9を接合区域41に集束するために用いられる。
【0021】
ここに図示した実施の形態では、加工ヘッド43は、図1に示したスキャン手段23とは異なり、レーザビームに追加の動きが加えられないように、形成されている。従って、図2に示した装置1の場合、保持用アーバー21が回転されるように、保持手段17が形成されていることが提案されている。従って、注射器11に向けられた不動のレーザビーム9は、最終的には、接合区域41全体を掠める。この場合、レーザビーム9によって引き起こされたレーザ焦点又はレーザポイントの大きさは集束ユニット37によって影響を受ける。
【0022】
図3は装置1の他の実施の形態を示している。同一の部材は、同様に、同一の参照符号を有する。それ故に、前記の複数の図に関する記述を参照するよう指示する。
【0023】
装置1はレーザ共振器5を有するレーザ発生手段3を具備する。レーザ共振器は、ビームガイド手段7に当たりかつ接合区域41に向けられるレーザビーム9を放射する。保持手段17は注射器本体13及び注射針15を有する注射器11を保持する。保持手段17は、注射器本体13を保持する保持用アーバー21を有する位置決め手段19を具備する。保持手段17全体は回動軸45を中心として回動自在に取り付けられている。このことは矢印47によって示されている。
【0024】
前記の実施の形態では、レーザビーム9は前方から接合点41に向けられた。これに対し、図3に示した実施の形態では、側方に、注射器11又は注射器の接合区域41に当たる。
【0025】
図3に示した例では、保持手段17は、注射器11が水平方向に保たれる(このことは0°位置とも呼ばれる)ように、設けられている。
【0026】
ビームガイド手段7は、ここでも、前記の複数の図面に示した装置1と同様に、レーザビーム9が接合区域41に集束されるように及び、更に、接合区域の領域でのレーザ焦点の形状が可変であるように、形成されている。かくして、ここ接合区域の領域で円形又は卵形のレーザスポットを発生させることも可能である。レーザビーム9は、装置1の、図3に示した実施の形態では動かされない。その代わり、注射器11が、接合区域41に均等にレーザビームを当てるために、予め設定された所望の回転速度で回転される。
【0027】
図3に示した装置では、注射器11を多かれ少なかれ水平方向の位置から回動させることができる。それ故に、多かれ少なかれ前方から離れて接合区域41にレーザビームが当てられる。最後に、保持手段17を回動軸45を中心として回動して、図1及び2に示した実施の形態の場合のように、注射器11は垂直方向に上に向いていることは、ここでも可能である。従って、ビームガイド手段7及び保持手段17の適切な位置決めの際に、接合区域41にレーザビームを上方から又は前方から当てることができる。かくて、図3に示されている保持手段17を、図1及び2に示した保持手段の代わりに用いることも可能である。この場合、静止したレーザビーム及び動くレーザビームを用いることもできる。
【0028】
ビームガイド手段7との関連で用いられるミラーの数は、レーザビーム9を如何に転向することが意図されているのか、及びレーザ共振器5が注射器11に対し如何に整列されているかに左右される。かくて、レーザ共振器5を、該レーザ共振器が効果的に接合区域41に直接レーザビームを当てるように、設けることも可能である。それならば、スキャン手段23又は加工ヘッド43を直接レーザビームに導くだろう。
【0029】
以下、装置の操作と、医用の注射器を製造する方法とに詳しく立ち入ろう。
【0030】
装置1は、注射器本体13の材料を溶かすように、該材料がその硬化中に永久的に注射針15と結合するように、接合区域41にレーザビームを当てるために、用いられる。ここに記載した注射器11として、通常は、ガラスからなる注射器本体13が用いられる。従って、与えられた吸収特性に基づいてCO2レーザが用いられる。
【0031】
レーザビーム発生手段3は、レーザビームのエネルギが時間的に制御可能であるように、設計されている。
【0032】
注射器11を製造する際に、注射器本体13の材料を、局部的に限定してすなわち接合区域41で溶融しなければならない。この場合、まず、比較的低い出力値で、材料の、接合区域41の領域を、ゆっくり加熱する。この予熱段階の後に、注射器本体13と注射針15との間の実際の結合工程がなされる。注射器本体13の材料を、接合区域の領域で溶融する。それ故に、材料は注射器本体と注射針との間の接合ギャップに入り込んで、注射針を完全に包む。
【0033】
注射器本体13の材料を冷却する際に、後に亀裂という結果を生む応力が生じることがある。従って、接合区域41が所定の時間に亘って更に加熱されるように、レーザビーム発生手段3の出力が制御されることは好ましい。この後加熱段階中の温度は結合工程中よりも著しく低く、好ましくは予熱段階中よりも低い。
【0034】
ここに記載した装置1は、注射器を製造するための操作中に、レーザビームの断面形状及び焦点の寸法及びその位置を調整することができるように、設計されている。図1及び2を参照して説明した装置1の場合、集束ユニット37を、ここでもレーザビーム9の断面形状すなわちビームの直径及び/又は接合区域41に形成されたレーザスポットの形状が可変であるように、に設計することができる。
【0035】
一方では、レーザ発生手段3の内部での出力制御によって、あるいはまた他方では、レーザビームが接合区域41に一面に多かれ少なかれ迅速に案内されることによって、材料の加熱及び溶融量に影響を及ぼすことができる。注射器11の回転速度によってあるいはまたスキャン手段23を用いてレーザビーム9の動きによって、速度を、与えられた状況に適合させることができる。
【0036】
注射器が固定されているときでさえ、所望の時間間隔で、接合区域41の種々の領域にレーザビーム9を当てるように、スキャン手段23を設計することができる。
【0037】
接合区域41の領域で、所望の温度分布/時間分布を調整するように、装置1及び方法を調整することができる。更に、材料への応力を減じるために、注射器本体13を隣の領域でも加熱することも可能である。
【0038】
レーザビーム発生手段3を適切に駆動するために及び所望の温度又は所望の温度分布を調節するために、接合区域41に発生された温度を温度検出ユニットによって検出しかつ算出することができる。温度検出ユニットとして、サーモカメラ及び/又は高温計あるいはまたその他の温度検出手段を用いることができる。
【0039】
金属からなる注射針15の酸化を防ぐために、方法を、少なくとも部分的に又は全面的に、不活性ガスの雰囲気の下で実行する。
【0040】
最後に、注射器11の製造の際に、結合媒体としても用いられる追加材料、特にガラス半田を接合区域41に入れることができる。その目的は、一方では、比較的大きな接合ギャップをも閉じるためであり、他方では、非常に異なった膨張係数を有する注射針15と注射器本体13との間の、応力の低い結合を保証するためである。
【0041】
ここに記載した方法が、如何なる接着剤を必要とすることなく、注射器の無接触製造を可能にすることは極めて重要である。接合区域41の材料がガラス及び金属のみであるときは、完成した注射器11を焼付けシリコナイゼーション(Einbrennsilikonisierung)に晒し、340℃の範囲にある温度をも有するホットエアターミナルに導き入れることは、容易に可能である。
【0042】
注射器13と注射針15との間の結合は、レーザビーム9のエネルギが適切であるときは、非常に迅速になされることができる。複数の図に示した装置1の簡単な構造は、注射器の製造を自動化し、注射器を短いサイクル時間で安価に製造することを可能にする。
【0043】
注射器13と注射針15との間の結合点は、それが非常に固くて、従って、注射器の確実な使用を保証することで優れている。更に、結合点は、無制限の、不変の耐老化性で優れている。最後に、本方法は極めて低い不良量率を示す。
【0044】
図4を参照して、本方法の実施を再度原理的に説明する。この図は、時間tに対してプロットしてある、接合区域41に発生した温度を示している。接合区域41をまず予熱することは明らかである。一定の時間に亘って、予熱温度を維持する。次に、注射器13と注射針15との間の実際の結合を保証するために、第2の時間中に、レーザビーム発生手段3を適切に駆動することによって、高温を接合区域41の領域で調整する。続いて、接合区域41を冷却する。次に、応力を減じるために、接合区域を、溶融温度を下回る温度に保つ。後加熱段階は予熱段階及び結合段階よりも著しく長くてもよい。この場合、後加熱温度は予熱温度を下回っていてもよい。
【0045】
以下、図4に示したダイヤグラムに対し幾つかの数値を挙げてみる。予熱温度T1は、常に用いられるガラスの転移温度TGよりも低い。予熱温度はTGよりも好ましくは50乃至100K低い。溶融のために及び接合工程のために必要な温度T2は転移温度TGよりも高くて、好ましくはこの温度よりも好ましくは約50乃至100K高い。
【0046】
後加熱段階で選択された後加熱温度T3は、例えば、転移温度TGよりも約150乃至300Kの範囲で低い。
【0047】
温度T1を、例えば、約2乃至3秒の時間範囲の間に、保持する。注射器本体13と注射針15との間の実際の結合中に選択された温度T2を、約1乃至2秒間維持し、後加熱温度T3を約3乃至5秒間維持する。その後、接合区域41の多かれ少なかれ適切な冷却を行なうことができる。転移温度TGは、用いられるガラスに従って、例えば、約565℃である。
【0048】
図4からは、接合区域41の領域の温度が制御されること、従って、温度の高さ及び温度の作用時間が注射器及び注射針の材料に適合されることが明らかになる。
【0049】
図5は、前方から見た注射器11すなわち接合区域41を全く略示している。外輪として注射器本体13が示されており、内輪として注射針15が示されている。注射針の内径はここでは示されていない。矢印49によって、レーザビーム9によって形成される光点の、接合区域41の領域における軌跡が示されている。レーザビームによって発生される光点が円軌道に沿って移動されることは明らかである。円軌道を、注射針11が回転するとき、固定された光点によって実現するか、あるいは、注射器11が固定されているとき、スキャン手段23を用いて実現することができる。
【0050】
図6からは、医用の注射器11の製造のために用いられる装置1の他の実施の形態が明らかである。前記の複数の図を参照して既に説明した部材は、ここでは、同一の参照符号を参照符号を有する。それ故に、上の記述を参照するよう指示する。
【0051】
装置1はレーザ共振器5を有するレーザビーム発生手段3を具備する。レーザ共振器はレーザビーム9を放射する。このレーザビームを、ビームガイド手段7により、注射器11の注射針15と注射器本体13との間の接合区域41に向ける。ここでは、注射器11が保持手段17によって固定式に保持されることは極めて重要である。
【0052】
レーザビーム手段7も固定式に形成されており、固定されている凹面状に形成されたミラー8を有する。ミラーはレーザビーム9を接合区域41に集束する。
【0053】
注射器11の製造の際に不活性ガスを用いることができることは既に上で述べた。従って、ここに示した実施の形態では、上記の実施の形態でも可能であるのと同様に、周設された壁部53によって及び底部55によって並びに蓋部57によって閉じられるチャンバ51が設けられている。蓋部はレーザビーム9に対し透過性のある光学的な窓59を有する。この窓は、レーザビーム9の、接合区域41への自由な出入りを可能にする。窓は吸収作用を生じない特殊なガラスから製造される。例えば、種々の種類の石英ガラス、特に、ZnBSeからなるガラスを用いることができる。
【0054】
不活性ガスは適切な方法でチャンバ51に導入される。ここでは、例えば、壁部53を貫通している2つの供給管61,61´が設けられている。矢印63,63´によって示される如く、不活性ガスは供給管を通って導入される。接合区域41にレーザビーム9を当てる際に、不活性ガスが少なくともこの領域でチャンバ51内部の雰囲気から酸素を排除したことが保証される。
【0055】
原理的には、注射器11を回転させるために、保持手段17に駆動手段を設けることも可能である。しかし、注射器が、上記のように、固定式に設けられているとき、構造は特に単純である。
【0056】
注射器11を製造するための装置1の、図7に示した実施の形態は、同様に、レーザ共振器5を有し、レーザビーム9をビームガイド手段7によって注射器11に向けるレーザビーム発生手段を具備する。レーザビームは加工ヘッド43によって注射針15と注射器本体13との間の接合区域41に向けられる。加工ヘッドは、図2を参照して説明した加工ヘッドと同様に、少なくとも1つのレンズを有する集束ユニット37を具備する。しかし、加工ヘッドは、ここでは、供給管61,61´を有する。矢印63,63´,65,65´によって示される如く、不活性ガスは供給管を通って接合区域41に導かれる。接合区域41に熱を加える際に、ここにある酸素は不活性ガスによって排除される。それ故に、特に、金属からなる注射針15の、その酸化が防止される。
【0057】
図7に示した実施の形態では、レーザビームの経路は、図2を参照して示した経路に比べて単純化されている。ここでは、レーザビーム発生手段3から放射されるレーザビーム9を加工ヘッド43によって接合区域41に向けるためには、只1つのミラー8しか必要でない。注射器11を保持する保持手段17が、ここでも、注射器が固定式に設けられており、これに対し、接合区域41にレーザビーム9が当てられるように、かように形成されていることは好ましい。しかし、原理的には、注射器11を回転させる駆動ユニットをここに設けることも考えられる。
【0058】
ここに示した実施の形態では、環状のビーム外形を有するレーザビーム9を用いることは好ましい。このビームを、一方では、特殊なレーザビーム発生手段の使用によって、例えば、TEM01により作動するレーザタイプによって、発生させることができる。しかし、他方では、ビーム形成要素、例えばシャッタを用いることもできる。シャッタが冷却されていることは好ましい。
【0059】
必要な場合には、環状の外形を有するビームを、レーザの特殊なタイプを用いることによって、又はビーム経路に導入されたシャッタを用いることによって発生させることができる。いずれにせよ、シャッタを、あるいはまた、ビーム経路に導入されたミラー等を冷却することも可能である。
【0060】
図8は保持手段17によって保持される注射器11を製造するための装置1の一部分を再度示している。逆さになった錐形67(錐形の注射器は接合区域41の領域に位置している)によって、レーザビームの環状の分布が示される。この分布は、注射器11が固定されているときでも、接合区域41を均等に加熱するために用いられる。
【0061】
図1乃至5を参照して説明された、装置1の実施の形態に対して記述されたすべてが、他の図6及び7での実施の形態にも当て嵌まることを、ここで明らかに指摘しておこう。逆に、当然ながら、図1乃至5を参照して説明した実施の形態でもチャンバ51を用いることができる。最後に、図2を参照して説明した加工ヘッドも、図7との関連で説明した加工ヘッドと取り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固定式に設けられた注射器と、可動のレーザビームとを有する、医用の注射器を製造する装置を示している。
【図2】固定式に設けられた注射器と、静止したレーザビームとを有する、医用の注射器を製造する装置を示している。
【図3】回転する注射器と、静止したレーザビームとを有する、医用の注射器を製造する装置を示している。
【図4】時間に対してプロットしてある、注射器の製造中の基本的な温度分布を、表わすダイヤグラムを示している。
【図5】医用の注射器の製造中の、レーザビームの軌道を明示する原理図を示している。
【図6】固定式に設けられた注射器と、静止したレーザビームとを有する、医用の注射器を製造する装置を示している。
【図7】固定式に設けられた注射器と、静止したレーザビームとを有する、医用の注射器を製造する他の装置を示している。
【図8】レーザビームの環状の分布をなす静止の加熱の例を示している。
【発明の属する技術分野】
本発明は、請求項1の前提部分に記載の医用の注射器を製造するための装置及び請求項12の前提部分に記載の医用の注射器を製造するための方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ここに記載したタイプの方法及び装置は知られている。該方法及び装置は注射針を注射器の本体にしっかり結合するために用いられる。かくて製造された完成した注射器は、注入可能医薬品の非経口の施用のために用いられる一次注入手段(Primaerpackmittel)の大部分をなす。このような注射器は、ここでは注射器本体と呼ばれているガラスシリンダを有する。このガラスシリンダは圧延されて、一方の側では、注射針を収容する錐体を形成し、他方の側では、特殊な圧延縁を形成する。
【0003】
好ましくは高品質鋼からなる注射針は、紫外線に敏感な接着剤によって、ガラスシリンダの、錐体を有する開口部にしっかり貼着される。注射針用保護キャップが、通常、注射針の一面に亘って被せられており、この保護キャップはエラストマーから、好ましくは、ラテックスを含まない天然ゴムからなる。この場合、注射器用保護キャップは、装着の際に、ガラス錐体に緊締される。注射器用シリンダへの注入は、注射針に向かい合っている端部からなされる。続いて、この端部は、好ましくは螺旋を有するピストンプラグによって閉じられる。ガラスシリンダの、後方の圧延縁によって、プラスチックからなる指止めがガラスシリンダに取着される。
【0004】
ガラスシリンダへの注射針の貼着は重大な欠点をもたらす。すなわち、余りに少ない接着剤が錐体と注射針との間の接合ギャップに入れられるので、この貼着が不十分であることは時々生じる。このことは、注射針が接着剤の硬化後に不十分に固定されており、錐体から再度引き出されることができることになる。余りに多い接着剤が接合ギャップに入り込むこともある。このことの結果は、余分な接着剤が接合ギャップに流れ落ちて、最後には、注射針の内径の基端に流れ込むことである。このことは注射針の全面的な塞ぎをもたらす。注射針が貫通していないことは、注射器の注入物を注射することを試みるときに初めて、しばしば気づかれる。
【0005】
万一あるかも知れない病原菌を殺すために、通常、注射器をオートクレーブ工程すなわち蒸気殺菌法に晒す。この工程は、オートクレーブの中で、約20乃至60分間、121℃の温度で、オートクレーブに支配的な1.10barの圧力で、注射器用シリンダに入れられる産物に従ってなされる。
【0006】
しかし、発熱物質が注射器システムに100%いないことは、完成した注射器が焼付けシリコナイゼーションに晒されるときにのみ、達成可能である。この目的のためには、注射器本体の内面はケイ素を有し、注射器は、例えば約340℃の温度で駆動されるホットエアターミナルの中を通される。しかし、この工程段階は、紫外線硬化性の、薬用に許可される通常の接着剤によっては、実行されえない。何故ならば、これらの接着剤は最大限約150℃の温度までしか耐熱性を有しないからである。より高い温度では、接着剤は、硬化後に得られる強度を失う。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、注射針とガラスからなる注射器本体との間の固定を損なうことなしに焼付けシリコナイゼーションに晒すことができる注射器を製造することができる、医用の注射器を製造する装置及び方法を提供することが、本発明の基礎である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、請求項1に記載の特徴を有する装置が提案される。この装置はレーザビームの発生のために用いられるレーザビーム源の点で優れている。この装置は、更に、ビーム形成及び/又はガイド手段を有する。この手段は、レーザビームを注射器本体と注射針との間の接合区域に向けるために、及び、場合によっては、ビームの断面形状を所望の溶融工程に適合させるために用いられる。最後に、本装置は注射器本体を保持し位置決めするための保持手段を有する。
【0009】
他の実施の形態は他の従属請求項から明らかである。
【0010】
この課題を解決するために、更に、明細書導入部に記載のタイプの方法が提案される。この方法は請求項12に記載の工程を有し、注射器本体と注射針との間の接合区域にレーザビームを当てること、この領域における注射器本体の材料を少なくとも部分的に溶かすこと、及び、接合区域を硬化するために及び注射針を注射器本体に固定するために、溶けた材料を冷却することで優れている。
【0011】
本方法の他の実施の形態は従属請求項から明らかである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明を詳述する。図1は医用の注射器を製造するための装置の第1の実施の形態を示している。装置1はレーザビーム発生手段3を具備する。レーザビーム発生手段の基本構造は原理的に知られており、レーザビーム発生手段は、対応の供給ユニットを持つレーザ共振器5を有する。以下、この手段を単にレーザ共振器と呼ぶ。装置1は、更に、ミラー8a及び8bを備えたビームガイド手段7を有する。ビームガイド手段は、レーザ共振器5によって発生されたレーザビーム9を、最終的には、注射器本体13及び注射針15を有する注射器11に向けるために用いられる。注射器11は適切な保持手段17によって保持される。この保持手段は、位置決め手段19と、注射器本体13を保持する保持用アーバー21とを有する。
【0013】
ビームガイド手段7は2つの可動のミラーを有するスキャン手段23を具備する。第1のスキャナ用ミラー25は第1の回転軸27を中心として回転可能であり、このことは矢印29によって示されている。スキャン手段の第2のスキャナ用ミラー31は第1のスキャナ用ミラー25に対し45°傾斜して設けられており、矢印33によって示されるように、第2の回転軸35を中心として回動可能である。回転軸27及び35は、スキャナ用ミラー25及び31の適切な回動運動を引き起こす、ここでは図示しない適切な駆動手段に接続されている。第1のスキャナ用ミラー25は、例えば、レーザビーム9を、第1の方向、例えばx方向に動かすために用いられる。これに対し、第2のスキャナ用ミラー31はレーザビーム9を、第2の方向、例えばy方向につまりは第1の方向に対し垂直方向に動かすために用いられる。
【0014】
レーザ共振器5から放射されるレーザビーム9の方向に見て、集束ユニット37がスキャン手段23に後置されている。集束ユニットはレーザビーム9を注射針15と注射器本体13との間の接合区域に集束させるために用いられる。レーザビーム9のx−y運動がスキャン手段23によって引き起こされて、レーザビーム9が、接合区域41を掠めるように、ここでは円軌道に従うことが、矢印39によって示されている。スキャン手段23は、レーザビーム9が任意な輪郭をなぞることができるように、形成されている。
【0015】
保持手段17の位置決め手段19は、ここでは、レーザビーム9を所望通りに接合区域41に当てることができるために、詳しくは、ビームの運動がスキャン手段23によって引き起こされ、レーザビーム9が集束ユニット37によって接続区域41に集束されるために、注射器11が所望の位置にしっかり保持されるように、形成されている。この場合、集束手段37によって、集束面に、すなわち、接続区域41の領域でレーザビーム9によって引き起こされる光点に影響を与えることができる。装置1の、ここに示された実施の形態では、集束ユニット37は平面の視野レンズを有する。従って、集束ユニット37は、容易な、安価な方法で実現可能である。
【0016】
保持手段17を、注射器11も回転すべく、保持用アーバー21が回転されるように形成することも、原理的に可能である。この回転運動は、レーザビーム9の、スキャン手段23によって引き起こされる運動の他に、望ましくあり得る。スキャン手段23を、レーザビーム9が接続区域41の一点に又は1つの面に集束されるように、及び、レーザビーム9を最終的に接合区域14全体に向けるべく、注射器11が回転されるように調整することも考えられる。しかし、図1に示した装置1の場合、注射器11がまだ停止しており、レーザビーム9がスキャン手段23によって接合区域41の領域で動くことが前提となる。
【0017】
図2は医用の注射器を製造するための装置1の変更の実施の形態を示している。同一の部材は同一の参照符号を有するので、図1に関する上の記述を参照するよう指示する。
【0018】
装置1は、同様に、他の諸要素を有するレーザビーム発生手段3を具備する。以下、この手段を単にレーザ共振器5と呼ぶ。このレーザ共振器はビームガイド手段7によってレーザビーム9を放射する。レーザビームは注射器11に、特に集束区域41に向けられる。注射器11はここでも注射器本体13および注射針15を有する。注射器は位置決め手段19及び保持用アーバー21を有する保持手段17によって保持される。
【0019】
ビームガイド手段7は、既に図1に示したミラー8a及び8bの他に、ミラー8cを有する。最初の2つのミラー8a及び8bは、レーザ共振器5から発するビームを常に90°転向させて、ビームが水平方向に左から第3のミラー8cに当たり、そこで90°偏向され、注射器11又は接合区域41に当たるようにするために、用いられる。
【0020】
第3のミラー8cと接合区域41との間には、加工ヘッド43が設けられており、この加工ヘッド43は集束ユニット37を有し、レーザビーム9を接合区域41に集束するために用いられる。
【0021】
ここに図示した実施の形態では、加工ヘッド43は、図1に示したスキャン手段23とは異なり、レーザビームに追加の動きが加えられないように、形成されている。従って、図2に示した装置1の場合、保持用アーバー21が回転されるように、保持手段17が形成されていることが提案されている。従って、注射器11に向けられた不動のレーザビーム9は、最終的には、接合区域41全体を掠める。この場合、レーザビーム9によって引き起こされたレーザ焦点又はレーザポイントの大きさは集束ユニット37によって影響を受ける。
【0022】
図3は装置1の他の実施の形態を示している。同一の部材は、同様に、同一の参照符号を有する。それ故に、前記の複数の図に関する記述を参照するよう指示する。
【0023】
装置1はレーザ共振器5を有するレーザ発生手段3を具備する。レーザ共振器は、ビームガイド手段7に当たりかつ接合区域41に向けられるレーザビーム9を放射する。保持手段17は注射器本体13及び注射針15を有する注射器11を保持する。保持手段17は、注射器本体13を保持する保持用アーバー21を有する位置決め手段19を具備する。保持手段17全体は回動軸45を中心として回動自在に取り付けられている。このことは矢印47によって示されている。
【0024】
前記の実施の形態では、レーザビーム9は前方から接合点41に向けられた。これに対し、図3に示した実施の形態では、側方に、注射器11又は注射器の接合区域41に当たる。
【0025】
図3に示した例では、保持手段17は、注射器11が水平方向に保たれる(このことは0°位置とも呼ばれる)ように、設けられている。
【0026】
ビームガイド手段7は、ここでも、前記の複数の図面に示した装置1と同様に、レーザビーム9が接合区域41に集束されるように及び、更に、接合区域の領域でのレーザ焦点の形状が可変であるように、形成されている。かくして、ここ接合区域の領域で円形又は卵形のレーザスポットを発生させることも可能である。レーザビーム9は、装置1の、図3に示した実施の形態では動かされない。その代わり、注射器11が、接合区域41に均等にレーザビームを当てるために、予め設定された所望の回転速度で回転される。
【0027】
図3に示した装置では、注射器11を多かれ少なかれ水平方向の位置から回動させることができる。それ故に、多かれ少なかれ前方から離れて接合区域41にレーザビームが当てられる。最後に、保持手段17を回動軸45を中心として回動して、図1及び2に示した実施の形態の場合のように、注射器11は垂直方向に上に向いていることは、ここでも可能である。従って、ビームガイド手段7及び保持手段17の適切な位置決めの際に、接合区域41にレーザビームを上方から又は前方から当てることができる。かくて、図3に示されている保持手段17を、図1及び2に示した保持手段の代わりに用いることも可能である。この場合、静止したレーザビーム及び動くレーザビームを用いることもできる。
【0028】
ビームガイド手段7との関連で用いられるミラーの数は、レーザビーム9を如何に転向することが意図されているのか、及びレーザ共振器5が注射器11に対し如何に整列されているかに左右される。かくて、レーザ共振器5を、該レーザ共振器が効果的に接合区域41に直接レーザビームを当てるように、設けることも可能である。それならば、スキャン手段23又は加工ヘッド43を直接レーザビームに導くだろう。
【0029】
以下、装置の操作と、医用の注射器を製造する方法とに詳しく立ち入ろう。
【0030】
装置1は、注射器本体13の材料を溶かすように、該材料がその硬化中に永久的に注射針15と結合するように、接合区域41にレーザビームを当てるために、用いられる。ここに記載した注射器11として、通常は、ガラスからなる注射器本体13が用いられる。従って、与えられた吸収特性に基づいてCO2レーザが用いられる。
【0031】
レーザビーム発生手段3は、レーザビームのエネルギが時間的に制御可能であるように、設計されている。
【0032】
注射器11を製造する際に、注射器本体13の材料を、局部的に限定してすなわち接合区域41で溶融しなければならない。この場合、まず、比較的低い出力値で、材料の、接合区域41の領域を、ゆっくり加熱する。この予熱段階の後に、注射器本体13と注射針15との間の実際の結合工程がなされる。注射器本体13の材料を、接合区域の領域で溶融する。それ故に、材料は注射器本体と注射針との間の接合ギャップに入り込んで、注射針を完全に包む。
【0033】
注射器本体13の材料を冷却する際に、後に亀裂という結果を生む応力が生じることがある。従って、接合区域41が所定の時間に亘って更に加熱されるように、レーザビーム発生手段3の出力が制御されることは好ましい。この後加熱段階中の温度は結合工程中よりも著しく低く、好ましくは予熱段階中よりも低い。
【0034】
ここに記載した装置1は、注射器を製造するための操作中に、レーザビームの断面形状及び焦点の寸法及びその位置を調整することができるように、設計されている。図1及び2を参照して説明した装置1の場合、集束ユニット37を、ここでもレーザビーム9の断面形状すなわちビームの直径及び/又は接合区域41に形成されたレーザスポットの形状が可変であるように、に設計することができる。
【0035】
一方では、レーザ発生手段3の内部での出力制御によって、あるいはまた他方では、レーザビームが接合区域41に一面に多かれ少なかれ迅速に案内されることによって、材料の加熱及び溶融量に影響を及ぼすことができる。注射器11の回転速度によってあるいはまたスキャン手段23を用いてレーザビーム9の動きによって、速度を、与えられた状況に適合させることができる。
【0036】
注射器が固定されているときでさえ、所望の時間間隔で、接合区域41の種々の領域にレーザビーム9を当てるように、スキャン手段23を設計することができる。
【0037】
接合区域41の領域で、所望の温度分布/時間分布を調整するように、装置1及び方法を調整することができる。更に、材料への応力を減じるために、注射器本体13を隣の領域でも加熱することも可能である。
【0038】
レーザビーム発生手段3を適切に駆動するために及び所望の温度又は所望の温度分布を調節するために、接合区域41に発生された温度を温度検出ユニットによって検出しかつ算出することができる。温度検出ユニットとして、サーモカメラ及び/又は高温計あるいはまたその他の温度検出手段を用いることができる。
【0039】
金属からなる注射針15の酸化を防ぐために、方法を、少なくとも部分的に又は全面的に、不活性ガスの雰囲気の下で実行する。
【0040】
最後に、注射器11の製造の際に、結合媒体としても用いられる追加材料、特にガラス半田を接合区域41に入れることができる。その目的は、一方では、比較的大きな接合ギャップをも閉じるためであり、他方では、非常に異なった膨張係数を有する注射針15と注射器本体13との間の、応力の低い結合を保証するためである。
【0041】
ここに記載した方法が、如何なる接着剤を必要とすることなく、注射器の無接触製造を可能にすることは極めて重要である。接合区域41の材料がガラス及び金属のみであるときは、完成した注射器11を焼付けシリコナイゼーション(Einbrennsilikonisierung)に晒し、340℃の範囲にある温度をも有するホットエアターミナルに導き入れることは、容易に可能である。
【0042】
注射器13と注射針15との間の結合は、レーザビーム9のエネルギが適切であるときは、非常に迅速になされることができる。複数の図に示した装置1の簡単な構造は、注射器の製造を自動化し、注射器を短いサイクル時間で安価に製造することを可能にする。
【0043】
注射器13と注射針15との間の結合点は、それが非常に固くて、従って、注射器の確実な使用を保証することで優れている。更に、結合点は、無制限の、不変の耐老化性で優れている。最後に、本方法は極めて低い不良量率を示す。
【0044】
図4を参照して、本方法の実施を再度原理的に説明する。この図は、時間tに対してプロットしてある、接合区域41に発生した温度を示している。接合区域41をまず予熱することは明らかである。一定の時間に亘って、予熱温度を維持する。次に、注射器13と注射針15との間の実際の結合を保証するために、第2の時間中に、レーザビーム発生手段3を適切に駆動することによって、高温を接合区域41の領域で調整する。続いて、接合区域41を冷却する。次に、応力を減じるために、接合区域を、溶融温度を下回る温度に保つ。後加熱段階は予熱段階及び結合段階よりも著しく長くてもよい。この場合、後加熱温度は予熱温度を下回っていてもよい。
【0045】
以下、図4に示したダイヤグラムに対し幾つかの数値を挙げてみる。予熱温度T1は、常に用いられるガラスの転移温度TGよりも低い。予熱温度はTGよりも好ましくは50乃至100K低い。溶融のために及び接合工程のために必要な温度T2は転移温度TGよりも高くて、好ましくはこの温度よりも好ましくは約50乃至100K高い。
【0046】
後加熱段階で選択された後加熱温度T3は、例えば、転移温度TGよりも約150乃至300Kの範囲で低い。
【0047】
温度T1を、例えば、約2乃至3秒の時間範囲の間に、保持する。注射器本体13と注射針15との間の実際の結合中に選択された温度T2を、約1乃至2秒間維持し、後加熱温度T3を約3乃至5秒間維持する。その後、接合区域41の多かれ少なかれ適切な冷却を行なうことができる。転移温度TGは、用いられるガラスに従って、例えば、約565℃である。
【0048】
図4からは、接合区域41の領域の温度が制御されること、従って、温度の高さ及び温度の作用時間が注射器及び注射針の材料に適合されることが明らかになる。
【0049】
図5は、前方から見た注射器11すなわち接合区域41を全く略示している。外輪として注射器本体13が示されており、内輪として注射針15が示されている。注射針の内径はここでは示されていない。矢印49によって、レーザビーム9によって形成される光点の、接合区域41の領域における軌跡が示されている。レーザビームによって発生される光点が円軌道に沿って移動されることは明らかである。円軌道を、注射針11が回転するとき、固定された光点によって実現するか、あるいは、注射器11が固定されているとき、スキャン手段23を用いて実現することができる。
【0050】
図6からは、医用の注射器11の製造のために用いられる装置1の他の実施の形態が明らかである。前記の複数の図を参照して既に説明した部材は、ここでは、同一の参照符号を参照符号を有する。それ故に、上の記述を参照するよう指示する。
【0051】
装置1はレーザ共振器5を有するレーザビーム発生手段3を具備する。レーザ共振器はレーザビーム9を放射する。このレーザビームを、ビームガイド手段7により、注射器11の注射針15と注射器本体13との間の接合区域41に向ける。ここでは、注射器11が保持手段17によって固定式に保持されることは極めて重要である。
【0052】
レーザビーム手段7も固定式に形成されており、固定されている凹面状に形成されたミラー8を有する。ミラーはレーザビーム9を接合区域41に集束する。
【0053】
注射器11の製造の際に不活性ガスを用いることができることは既に上で述べた。従って、ここに示した実施の形態では、上記の実施の形態でも可能であるのと同様に、周設された壁部53によって及び底部55によって並びに蓋部57によって閉じられるチャンバ51が設けられている。蓋部はレーザビーム9に対し透過性のある光学的な窓59を有する。この窓は、レーザビーム9の、接合区域41への自由な出入りを可能にする。窓は吸収作用を生じない特殊なガラスから製造される。例えば、種々の種類の石英ガラス、特に、ZnBSeからなるガラスを用いることができる。
【0054】
不活性ガスは適切な方法でチャンバ51に導入される。ここでは、例えば、壁部53を貫通している2つの供給管61,61´が設けられている。矢印63,63´によって示される如く、不活性ガスは供給管を通って導入される。接合区域41にレーザビーム9を当てる際に、不活性ガスが少なくともこの領域でチャンバ51内部の雰囲気から酸素を排除したことが保証される。
【0055】
原理的には、注射器11を回転させるために、保持手段17に駆動手段を設けることも可能である。しかし、注射器が、上記のように、固定式に設けられているとき、構造は特に単純である。
【0056】
注射器11を製造するための装置1の、図7に示した実施の形態は、同様に、レーザ共振器5を有し、レーザビーム9をビームガイド手段7によって注射器11に向けるレーザビーム発生手段を具備する。レーザビームは加工ヘッド43によって注射針15と注射器本体13との間の接合区域41に向けられる。加工ヘッドは、図2を参照して説明した加工ヘッドと同様に、少なくとも1つのレンズを有する集束ユニット37を具備する。しかし、加工ヘッドは、ここでは、供給管61,61´を有する。矢印63,63´,65,65´によって示される如く、不活性ガスは供給管を通って接合区域41に導かれる。接合区域41に熱を加える際に、ここにある酸素は不活性ガスによって排除される。それ故に、特に、金属からなる注射針15の、その酸化が防止される。
【0057】
図7に示した実施の形態では、レーザビームの経路は、図2を参照して示した経路に比べて単純化されている。ここでは、レーザビーム発生手段3から放射されるレーザビーム9を加工ヘッド43によって接合区域41に向けるためには、只1つのミラー8しか必要でない。注射器11を保持する保持手段17が、ここでも、注射器が固定式に設けられており、これに対し、接合区域41にレーザビーム9が当てられるように、かように形成されていることは好ましい。しかし、原理的には、注射器11を回転させる駆動ユニットをここに設けることも考えられる。
【0058】
ここに示した実施の形態では、環状のビーム外形を有するレーザビーム9を用いることは好ましい。このビームを、一方では、特殊なレーザビーム発生手段の使用によって、例えば、TEM01により作動するレーザタイプによって、発生させることができる。しかし、他方では、ビーム形成要素、例えばシャッタを用いることもできる。シャッタが冷却されていることは好ましい。
【0059】
必要な場合には、環状の外形を有するビームを、レーザの特殊なタイプを用いることによって、又はビーム経路に導入されたシャッタを用いることによって発生させることができる。いずれにせよ、シャッタを、あるいはまた、ビーム経路に導入されたミラー等を冷却することも可能である。
【0060】
図8は保持手段17によって保持される注射器11を製造するための装置1の一部分を再度示している。逆さになった錐形67(錐形の注射器は接合区域41の領域に位置している)によって、レーザビームの環状の分布が示される。この分布は、注射器11が固定されているときでも、接合区域41を均等に加熱するために用いられる。
【0061】
図1乃至5を参照して説明された、装置1の実施の形態に対して記述されたすべてが、他の図6及び7での実施の形態にも当て嵌まることを、ここで明らかに指摘しておこう。逆に、当然ながら、図1乃至5を参照して説明した実施の形態でもチャンバ51を用いることができる。最後に、図2を参照して説明した加工ヘッドも、図7との関連で説明した加工ヘッドと取り替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】固定式に設けられた注射器と、可動のレーザビームとを有する、医用の注射器を製造する装置を示している。
【図2】固定式に設けられた注射器と、静止したレーザビームとを有する、医用の注射器を製造する装置を示している。
【図3】回転する注射器と、静止したレーザビームとを有する、医用の注射器を製造する装置を示している。
【図4】時間に対してプロットしてある、注射器の製造中の基本的な温度分布を、表わすダイヤグラムを示している。
【図5】医用の注射器の製造中の、レーザビームの軌道を明示する原理図を示している。
【図6】固定式に設けられた注射器と、静止したレーザビームとを有する、医用の注射器を製造する装置を示している。
【図7】固定式に設けられた注射器と、静止したレーザビームとを有する、医用の注射器を製造する他の装置を示している。
【図8】レーザビームの環状の分布をなす静止の加熱の例を示している。
【0006】
しかし、発熱物質が注射器システムに100%いないことは、完成した注射器が焼付けシリコナイゼーションに晒されるときにのみ、達成可能である。この目的のためには、注射器本体の内面はケイ素を有し、注射器は、例えば約340℃の温度で駆動されるホットエアターミナルの中を通される。しかし、この工程段階は、紫外線硬化性の、薬用に許可される通常の接着剤によっては、実行されえない。何故ならば、これらの接着剤は最大限約150℃の温度までしか耐熱性を有しないからである。より高い温度では、接着剤は、硬化後に得られる強度を失う。更に、EP 0 794 031 A2からは、ガラスからなるワークピースを分離し、穿孔し、切除し及び/又は成形することができるために用いる、ワークピースを加工するための方法と、該方法を実施するための装置とが公知である。
しかし、発熱物質が注射器システムに100%いないことは、完成した注射器が焼付けシリコナイゼーションに晒されるときにのみ、達成可能である。この目的のためには、注射器本体の内面はケイ素を有し、注射器は、例えば約340℃の温度で駆動されるホットエアターミナルの中を通される。しかし、この工程段階は、紫外線硬化性の、薬用に許可される通常の接着剤によっては、実行されえない。何故ならば、これらの接着剤は最大限約150℃の温度までしか耐熱性を有しないからである。より高い温度では、接着剤は、硬化後に得られる強度を失う。更に、EP 0 794 031 A2からは、ガラスからなるワークピースを分離し、穿孔し、切除し及び/又は成形することができるために用いる、ワークピースを加工するための方法と、該方法を実施するための装置とが公知である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、注射針とガラスからなる注射器本体との間の固定を損なうことなしに焼付けシリコナイゼーションに晒すことができる注射器を製造することができる、医用の注射器を製造する方法及び手段を提供することが、本発明の基礎である。
【発明が解決しようとする課題】
従って、注射針とガラスからなる注射器本体との間の固定を損なうことなしに焼付けシリコナイゼーションに晒すことができる注射器を製造することができる、医用の注射器を製造する方法及び手段を提供することが、本発明の基礎である。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、注射針を注射本体と結合するための、請求項1に記載の特徴を有する、装置の使用が提案される。レーザビームによって、金属からなる注射針とガラスからなる注射器本体との結合がなされる。本装置の、本発明に係わる使用は、注射針と注射本体との間の接合工程が耐熱性の低い助剤、例えば接着剤なしに実施することができるという利点を有する。従って、本装置によって製造可能な注射器は耐高温性を有し、従って、焼付けシリコナイゼーションに晒されることができる。この装置は、更に、ビーム形成及び/又はガイド手段を有する。この手段は、レーザビームを注射器本体と注射針との間の接合区域に向けるために、及び、場合によっては、ビームの断面形状を所望の溶融工程に適合させるために用いられる。最後に、本装置は注射器本体を保持し位置決めするための保持手段を有する。
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、注射針を注射本体と結合するための、請求項1に記載の特徴を有する、装置の使用が提案される。レーザビームによって、金属からなる注射針とガラスからなる注射器本体との結合がなされる。本装置の、本発明に係わる使用は、注射針と注射本体との間の接合工程が耐熱性の低い助剤、例えば接着剤なしに実施することができるという利点を有する。従って、本装置によって製造可能な注射器は耐高温性を有し、従って、焼付けシリコナイゼーションに晒されることができる。この装置は、更に、ビーム形成及び/又はガイド手段を有する。この手段は、レーザビームを注射器本体と注射針との間の接合区域に向けるために、及び、場合によっては、ビームの断面形状を所望の溶融工程に適合させるために用いられる。最後に、本装置は注射器本体を保持し位置決めするための保持手段を有する。
【0010】
この課題を解決するために、更に、明細書導入部に記載のタイプの方法が提案される。この方法は請求項12に記載の工程を有し、接合区域の領域における注射器本体の材料を第1の温度で予熱し、第2の温度で溶かすこと、及び、接合区域の領域における注射器本体の材料を第3の温度で後加熱することで優れている。
この課題を解決するために、更に、明細書導入部に記載のタイプの方法が提案される。この方法は請求項12に記載の工程を有し、接合区域の領域における注射器本体の材料を第1の温度で予熱し、第2の温度で溶かすこと、及び、接合区域の領域における注射器本体の材料を第3の温度で後加熱することで優れている。
Claims (26)
- レーザ共振器(5)を有し、レーザビーム(9)を発生させるためのレーザビーム発生手段(3)と、ビーム形成及び/又はガイド手段(7)と、注射器本体(13)を保持し位置決めするための保持手段(17)とを具備することを特徴とする、ガラスからなる注射器本体及び注射針を有する医用の注射器を製造するための装置。
- 前記保持手段(17)は、前記注射器本体(13)を固定式に収容すること、及び前記レーザビーム発生手段(3)は、環状の及び/又は錐形の分布をなす静止したレーザビームを発生させることを特徴とする請求項1に記載の装置。
- 前記保持手段(17)は、前記注射器本体(13)のための回転自在及び/又は回動自在なホルダーを有することを特徴とする請求項1又は2に記載の装置。
- 前記ビーム形成及び/又はガイド手段(7)は、少なくとも1つのミラー(8a,8b,8c)及び/又は少なくとも1つのシャッタを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の装置。
- 少なくとも1つのミラー(25,31)が、可動に取り付けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の装置。
- 前記ビーム形成及び/又はガイド手段(7)は、前記少なくとも1つのミラー(25,31)を動かすための駆動装置を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の装置。
- 集束ユニット(37)を有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の装置。
- 前記レーザ共振器(5)の出力に影響を与えるための制御器を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載の装置。
- 温度検出ユニットを有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に記載の装置。
- 前記レーザビーム発生手段(3)は、CO2レーザを有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1に記載の装置。
- 前記注射器本体(13)と注射針(15)との間の少なくとも接合区域(41)に不活性ガスをかけることができることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1に記載の装置。
- 以下の工程、すなわち、前記注射器本体(13)と注射針(15)との間の接合区域(41)にレーザビーム(9)を当てること、前記注射器本体(13)の材料を部分的に溶かすこと、及び溶けた材料を冷却することを特徴とする、ガラスからなる注射器本体及び注射針を有する医用の注射器、特に請求項1乃至9のいずれか1に記載の注射器を製造するための方法。
- 前記レーザビーム(9)は、溶融工程中に静止していることを特徴とする請求項12に記載の方法。
- 前記レーザビーム(9)を溶融工程中に動かすことを特徴とする請求項12に記載の方法。
- 注射器(11)又は前記注射器本体(13)を溶融工程中に動かすことを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1に記載の方法。
- 前記レーザビーム(9)を2方向に動かすことを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1に記載の方法。
- ビームの断面形状及び/又は集束面を変えることを特徴とする請求項12乃至16のいずれか1に記載の方法。
- 前記接合区域(41)の領域における温度を制御することを特徴とする請求項12乃至17のいずれか1に記載の方法。
- 前記接合区域(41)の領域における前記注射器本体(13)の材料に、時間及び/又は温度に応じて、前記レーザビーム(9)を当てることを特徴とする請求項12乃至18のいずれか1に記載の方法。
- 前記接合区域(41)の領域における前記注射器本体(13)の材料を第1の温度で予熱し、第2の温度で溶かすことを特徴とする請求項12乃至19のいずれか1に記載の方法。
- 前記接合区域(41)の領域における前記注射器本体(13)の材料を第3の温度で後加熱することを特徴とする請求項12乃至20のいずれか1に記載の方法。
- 前記接合区域(41)の領域における溶融量を制御することを特徴とする請求項11乃至19のいずれか1に記載の方法。
- 前記注射器(11)又は前記注射器本体(13)を溶融中に動かすこと、好ましくは回転させることを特徴とする請求項12乃至22のいずれか1に記載の方法。
- 前記注射器(11)又は前記注射器本体(13)は溶融中に静止していることを特徴とする請求項12乃至23のいずれか1に記載の方法。
- 追加の材料を結合媒体として用いることを特徴とする請求項12乃至24のいずれか1に記載の方法。
- 不活性ガスを用いることを特徴とする請求項12乃至25のいずれか1に記載の方法。
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