JP2004517105A - ビグアニンとキャリア、例えばメトホルミンとアルギニンの薬効的関連 - Google Patents

ビグアニンとキャリア、例えばメトホルミンとアルギニンの薬効的関連 Download PDF

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Abstract

本発明は第1の薬剤としての、ビグアニン特にN−ジメチルビグアニンと、第2の薬剤としての、前記ビグアニンのキャリアとを結合させた、糖尿病、特にタイプ2糖尿病の治療のための配合薬であり、前記配合薬は、以下を有する:e)治療上有効な量のビグアニン、及び、f)(a)によるビグアニンの治療上の有効性を高めるために予め決定された量のキャリア。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、協働による補完作用及び/又は相乗(シナジー)作用を有し、且つ、糖尿病、特にタイプ2糖尿病の治療のための、2つの有効成分の薬効的結合に関する。
【0002】
「補完作用」とは、同一の病理に対して、互いに異なる2つの薬理機構によって働きかけ得る、2つの異なる化合物の薬理作用、例えばビグアニンとスルホニル尿素のような2つの抗糖尿病薬の併用を指す。
【0003】
「相乗作用」とは、2つの化合物の薬理作用であって、少なくとも一方の化合物の作用が強化されるもの、例えば、ビグアニンからはビグアナイド(英語で)の作用の、本発明中で以下に記載され提案される搬送剤の作用による強化を指す。
【0004】
【従来の技術】
塩酸塩の形態をとったメトホルミンが、高血糖症並びに非インシュリン依存型糖尿病の治療における第1企図薬剤であることが知られている。このメトホルミンの塩酸塩は、単体でからは、スルホニル尿素との併用、アルファアミラーゼのインヒビターとの併用、或いはグリタゾーネとの併用で用いられる。
【0005】
ラットにおけるメトホルミンの塩酸塩の50mg/kg投与は、ストレプトゾトシンモデル及びフルクトースモデルといった、非インシュリン依存型糖尿病の従来モデルに対して有効である。
【0006】
その生体受容性は低く(60%)、その腸間通過は空腸と回腸の領域で優性である。この生体受容性の低さは、下痢などのメトホルミンの厄介な二次的作用を示している。
【0007】
メトホルミンは、著しく塩基性で、腸間のpH値で完全にイオン化される。従って、その通過はキャリアの生理システムを意味し、優先的な通過を示す。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、この搬送剤の生理システムに働きかけることで、メトホルミンの二次的作用を抑制し、メトホルミンの生体受容性を改善することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、意外にも、メトホルミンとの結合により、ビグアニン特にN−ジメチルビグアニンと構造的な類似性を持つアミン或いはポリアミンは、メトホルミンに対しての搬送剤の役割を効果的に示すことを明らかにした。より具体的には、搬送剤の中でも、メトホルミンとの化学的構造の類似性の点からアリジニンが好適である。実際に、L−アリジニン(図3を参照)は、腸間領域での自己運搬に対してそれ自身が有効である。さらに、アリジニンはニトロソ基合成のプレカーサー(前駆体)である。NOは、静脈のみならず動脈の領域において最も強力な血管拡張剤の一つとして知られ、さらに、その血液動力学的および血液レオロジー的特性が知られている。アリジニンに特有なこの作用は、糖尿病の進行における二次病理学、例えば、巨視的血管障害、微視的血管障害、神経障害、腎障害、及び、糖尿病性網膜炎に対して有益である。
【0010】
【発明の実施の形態】
“Marfella R.ら,「NIDDM患者におけるL−アリジニンへの血液動力学的およびレオロジー的応答性のメトホルミンによる改善」、糖尿病治療誌、1996年9月19日(9)934−9”の文献によれば、ヒトにおける、全ての臨床的あるいは治療学的プロトコルを除いた実験について記載されており、これは、現状の治療学では実施不可能な量である全投与量30gのアリジニンを30分間で静脈内経路から投与することからなる。
【0011】
この同文献によれば、メトホルミンの同時投与は、アリジニンの血液動力学的および血液レオロジー的特性を強化することが示されている。しかし、反対に、メトホルミンに特有な治療効果、特に抗過血糖症効果はアリジニンによって改善されない。
【0012】
このように、本発明の糖尿病の実験モデルに関して得られた結果は、その構造中にアリジニン痕を有するメトホルミンの有効化合物は、糖尿病の主な症状である過血糖症に対するメトホルミンの効果を高めるという意外な方法を介して、メトホルミンの生体受容性を増強可能であることを示した。
【0013】
糖尿病の治療に実際に使用されている或いは開発中の全てのビグアニンは、二次的作用と前述した生体受容性の問題を示す。
【0014】
ビグアニンと類似の構造を持ち、これらのビグアニンと搬送剤として結合可能なアミンまたはポリアミンの中で、ヒトの生理に自然な、言い換えれば生体受容性の、及び/又は、薬理学的におよび治療学的に有効なものが好ましい。
【0015】
薬理学的におよび治療学的に有効なアミンまたはポリアミンの中で、メトホルミンと同じ治療薬分類に属するもの、或いは、糖尿病に付随する病理に作用可能なものが好ましい。
【0016】
ヒトの生理に自然な、言い換えれば、生体受容性のアミンまたはポリアミンの中で、代謝可能なもの、内因性の代謝サイクル中での従来的代謝産物への一体化によって生分解可能なものが好適である。
【0017】
本発明は、第1の薬剤としての、ビグアニン特にN−ジメチルビグアニンと、第2の薬剤としての、前記ビグアニンのキャリアとを結合させた、糖尿病、特にタイプ2糖尿病の治療のための薬剤の組み合わせに関し、前記組み合わせは、以下を有する:
a)治療上有効な量のビグアニン、及び
b)a)によるビグアニンの治療上の有効性を高めるために予め決定された量のキャリア。
【0018】
本発明は、同様に、上述のように定義された組み合わせであって、a)によるビグアニンとb)によるキャリアとが同モル量であることを特徴とするものにも関する。
【0019】
本発明は、同様に、上述のように定義された組み合わせであって、ビグアニンがメトホルミンであることを特徴とするものにも関する。
【0020】
本発明は、同様に、上述のように定義された組み合わせであって、キャリアが、例えばアリジニン、プトレシン、キャダベリン、スペルミディン、スペルミンによって構成されたグループから選択された生体アミンであり、例えばL−アリジニンであることを特徴とするものにも関する。
【0021】
本発明は、同様に、上述のように定義された組み合わせであって、ビグアニン及び/又はキャリアが、個々に制御された遊離に適した形態を有することを特徴とするものにも関する。
【0022】
少なくともビグアニンの制御された遊離のために化学的に設けられた本発明による組み合わせは、一般式:
【化4】
Figure 2004517105
で示され、A´とV´の間の対応結合の生体内分離によって、少なくとも実体Aを再構成可能な有効な化合物であり、以下のように特定されることを特徴とする:
−Vは、一般式X−R−Yの、ベクター化の生体化合物であり、ここで、
*Rは、脂肪属、環状、或いは脂環式の、飽和からは不飽和の、任意にC1からC5がアルキル基及び/又は水酸基によって置換された、炭素が2から10原子の炭化水素鎖を示す。
*XとYは各々、酸、アミン、またはアルコールの遊離官能基である。
AとCは、例えばビグアニンとキャリアといった、互いに異なる2つの有効成分であり、その一方は、官能基Xの補完的な化学官能基を有し、後者と再作用して生体内で分離可能な結合すなわち、イオン結合のA´−−−V´または共有結合のA´−V´を与え、その他方は、官能基Yの補完的な化学官能基を有し、後者と再作用して生体内で分離可能な結合すなわち、イオン結合のV´−−−C´または共有結合のV´−C´を与える。
【0023】
上記で定義された組み合わせは、本発明の変形例では、V´−−−C´またはV´−C´の結合は生体内で分離可能であり、前記有効な化合物は、前記生体内分離によってVとCの実態を再構成可能であることを特徴とする。
【0024】
本発明はまた、以上のように定義され、Aがメトホルミンである有効な化合物であって、メトホルミンの末端の一次アミン官能基の塩化によって、メトホルミンがベクター化の生体化合物に結合されていることを特徴とするものにも関する。
【0025】
本発明はまた、以上のように定義された有効な化合物であって、Cがアリジニンであり、アリジニンがアシル化反応によって、ベクター化の生体化合物Vに結合されていることを特徴とするものにも関する。
【0026】
本発明はまた、以上のように定義された有効な化合物であって、Vが、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、リンゴ酸、イサチン酸、フタル酸によって構成された二塩基酸の集合から選択されており、好適にはコハク酸であることを特徴とするものにも関する。
【0027】
本発明はまた、III式の有効化合物に関する。
【化5】
Figure 2004517105
【0028】
本発明はまた、以上のように定義された化合物の医薬としての使用にも関する。
本発明はより具体的には、以上のように定義された、一般式:
【化6】
Figure 2004517105
の化合物の医薬としての使用にも関する。
【0029】
本発明はまた、本発明による有効化合物の、以下の工程を有する調製方法にも関する:
a)ベクター化の生体化合物Vと有効成分AまたはCの一方との、縮合及び/又は塩化の反応、
b)a)によって得られた生成物と有効成分CまたはAの他方との、縮合及び/又は塩化の反応。
【0030】
本発明の別の目的は、本発明による化合物の少なくとも一つを、適合性で薬理的に受け入れ可能な賦形剤、希釈剤、結合剤、または、補助剤と共に備えた医薬組成物である。
【0031】
本発明の別の目的は、以上のように定義された医薬組成物であって、ヒトへの前記有効化合物の1回または複数回で約0.2gから約1gの範囲からなる連日薬用量の投与が可能なものである。
【0032】
抗糖尿病または抗高血糖の指示において、本発明による薬剤の組み合わせ(または薬剤治療「キット」)、特に、以上に定義したような、式:
【化7】
Figure 2004517105
の化合物は、スルホニル尿素などの他の抗高血糖剤と組み合わせることができる。
【0033】
「ビグアニン」(または「ビグアナイド」)とは、特に、置換型からは非置換型のN−ジメチルビグアニンを指すが、例えば、ブホルミン、フェンホルミンなどの他の薬剤化合物をも指す。
【0034】
好適にはビグアニンはメトホルミンである。
「同時投与」とは、2つの有効成分の単一回での投与を指し、勿論、同時投与は有機体内における2つの有効成分の同時またはシーケンシャルな遊離を可能にする。
【0035】
「生体的」とは、当初から自然または非自然な、及び/又は、代謝可能な、及び/又は、生分解可能な、及び/又は、薬理的投与量にてヒトまたは動物に対して無毒な化学的化合物を指す。
【0036】
「キャリア」とは、結合を形成することによって、或いは、結合を形成せずに、搬送システムの活性化によって、例えばタンパク質の誘導、酸素依存型ATPasiqueシステムの活性化によって、或いは、物質の交換によって、他の分子をバリアを介して搬送することが可能な分子または物質を指す。
【0037】
より具体的には、キャリアとはここでは、メトホルミンのようなビグアニンの通過を増強することが可能であり、従って、空腸領域での運搬を容易にすることが可能な全ての分子または物質を指す。
【0038】
以上に定義されたような薬剤の組み合わせを実施するためには、例えば以下のような種々の投与方法が考えられる:
−一回でビグアニンとキャリアの投与が可能な単一のガレン処方、または
−適切な条件下において同時に及びそれぞれビグアニンとキャリアを投与可能で、互いに異なる2つのガレン処方。
【0039】
全く特殊なそして好適な方法としては、この適用は、A´、V´及びC´の間の対応の結合を生体内での分離することによってA、V及びCの実体を再構成可能な、一般式:
【化8】
Figure 2004517105
の有効化合物を用いながら行われ、これは次のように特定される:
−Vは、一般式X−R−Yの、ベクター化の生体化合物であり、ここで、
*Rは、脂肪属、環状、或いは脂環式の、飽和からは不飽和の、任意にC1からC5がアルキル基及び/又は水酸基によって置換された、炭素が2から10原子の炭化水素鎖、を示す。
*XとYは各々、酸、アミン、またはアルコールの自由官能基である。
AとCは、例えばビグアニンとキャリアといった、互いに異なる2つの有効成分であり、その一方は、官能基Xの補完的な化学官能基を有し、後者と再作用して生体内で分離可能な結合すなわち、イオン結合のA´−−−V´または共有結合のA´−V´を与え、その他方は、官能基Yの補完的な化学官能基を有し、後者と再作用して生体内で分離可能な結合すなわち、イオン結合のV´−−−C´または共有結合のV´−C´を与える。
【0040】
ここで「生体内での分離」とは、生体内で観察可能な全ての形態の化学的加水分解、例えば酸の加水分解、例えばアミダーゼ或いはエステラーゼによる酵素の加水分解を指す。
【0041】
「補完的な化学官能基」とは、生体化合物の自由または末端の官能基と再作用可能な全ての化学官能基を指す。例えば、VはA(ビグアニン)と再作用する官能基と、C(キャリア)と再作用する官能基とを持っているに違いない。すなわち、もしもAとCが各々酸の官能基を持っていれば、Vは、それぞれアミド、エステル、または塩を形成するような、ジアミン、アルコール、またはアルコールアミンである。すなわち、もしもAとCが各々アミン官能基を持っていれば、Vはアミドまたは塩を形成するような二塩基酸である。もしもAとCが、各々アルコール官能基を持っていれば、Vはジエステルを形成するような二塩基酸である。この原理では、全ての組成が可能である。結果的に、もしもAが酸官能基を有し、Cがアルコール官能基を持っていれば、Vは例えば、Aの酸官能基と作用してアミド、エステル、または塩を生成し、Cのアルコール官能基と作用してエステルを生成するアルコールアミンである。
【0042】
「共有結合」とは、ここでは、ベクター化の生体化合物Vと有効成分A(ビグアニン)とC(キャリア)の間の、いわゆる補完的な化学官能基の反応によって形成され得る化学的結合を指す。
【0043】
「イオン結合」とは、ここでは、ベクター化の生体化合物Vと有効成分A(ビグアニン)とC(キャリア)の間の、いわゆる補完的な化学官能基の作用によって形成され得る静電気力による結合、従って、酸塩、アミンの塩、アルコラート、酸/塩基のタイプ、及び、化合物Vと有効成分AまたはCの間に存在するモル比と無関係に、前記イオン結合によって形成された錯体に属するものを指す。
【0044】
「生体内で分離可能な結合」とは、AとV、及びCとVの補完的化学官能基の間のイオン結合または共有結合の破壊によって、有効成分A(ビグアニン)とC(キャリア)、及び、ベクター化の生体化合物Vの、生体内における遊離と再構成を可能にする全ての結合を指す。
【0045】
分離可能な共有結合は、遊離のサイトの生体内領域に存在する酵素の作用によって分離される。これらの共有結合は、アミド結合またはエステル結合であり、この分離に関与する酵素はアミダーゼ、エステラーゼ、及びヒドロラーゼである。これらの酵素は、特に消化管(経口投与)内に存在し、優勢的には肝臓、血液内に、及び潜在的には標的器官内に存在する。
【0046】
−CO−NH−結合を加水分解するアミダーゼは、肝臓領域に存在し、非活性的である。以上のことから、本発明による化合物そのような結合のキャリアと共に、期待された長期の効果が得られる。これらのアミダーゼの中で、幾つかが知られており、ガンマ−アミノ結合またはガンマ−酸結合を加水分解するエンドペプチダーゼに関連する。Vは、実際には本発明によれば、第2の酸官能基またはアミンをガンマ位置に有する(例えばグルタミン酸またはリジンの場合)ガンマ−アミノ酸である。
【0047】
−CO−O−結合を加水分解するエステラーゼは、生きた有機体内に非常に多い。しかし、エステラーゼは偏在的であり、一つの基質に対して著しく特異的でない。以上のことから、非常に高速の反応が、本発明による有効化合物の構成物A(ビグアニン)、V、C(キャリア)の迅速な遊離と共に得られる。最も特異的な一つの基質は、この基質の名称をもたらし、この理由で、例えばコリンエステラーゼまたはプロカインエステラーゼを挙げることができる。
【0048】
ヒドロラーゼは、エステルと食べ物の形態で有機体にもたらされる大きなサイズの分子もまた加水分解する。これらのヒドロラーゼもまた、多く、偏在的である。それにも関わらず、ヒドロラーゼは使用されるベクター化の生体化合物に特異的である。
【0049】
本発明に用いられるために有用な分離の酵素として、ペプシン、トリプシン、カタラーゼ、エンド−ペプチターゼ、及びエクソ−ペプチターゼのようなタンパク質加水分解酵素が挙げられる。同様に、アミラーゼやオシダーゼ、さらに、脂質の破壊のためのリパーゼとベータオキシジェナーゼも有用である。
【0050】
これらの酵素は、ベクター化の生体化合物の構造が一つまたは複数の分離可能な結合を有する時にしか作用しない。例えば、もしもベクター化の生体化合物が長鎖(脂肪酸に例えれば、8から10原子の炭素)の二塩基酸であり、AまたはCの二次アルコール官能基との縮合によってA−VまたはV−C結合が得られれば、リパーゼは作用する。
【0051】
分離可能なイオン結合は、その遊離の位置、例えば腸、肝臓、血漿、或いは、標的器官に応じて分離され、勿論、酸塩、アミン塩、またはアルコラートもまた、生きた有機体の領域のpHでイオン化される。一般に、pHは2と8の間にあり、例えば胃では2、腸では6である。
【0052】
従って、本発明による有効化合物は、有効化合物が少なくとも一つのイオン結合を有する場合、使用される塩のタイプ、及び、前記有効化合物の解離に応じて、イオン化される。塩を、その解離定数、及び、遊離の行われる生体領域のpHに応じて選択する。例えば、胃における解離では、弱い酸と強い塩基の塩を選択する。
【0053】
ベクター化の生体化合物の選択、特に、自由官能基XとYの選択は、ベクター化される予定の有効成分(ビグアニンおよびキャリア)に存在する、言い換えれば、この生体化合物に共有結合またはイオン結合で結合された、自由で補完的な化学官能基の特性に応じてなされるが、同様に、選択された遊離の分離位置に応じてもなされる。このベクター化の生体化合物は、当初から自然または非自然な、及び/又は、代謝可能な、及び/又は、生分解可能な、及び/又は、薬理的投与量にてヒトまたは動物に対して無毒な製品である。このベクター化の生体化合物は、生物学的に確認され記載された化合物、例えば、代謝可能であり無毒な、そして、生命の大きな生物学的サイクルの中で自己に或いはその代謝物に一体化され得るような、タンパク質の合成に関与するガンマ−アミノ酸、クレプス回路に関与する二塩基酸、細胞膜を構成するエタノールアミン類から選択される。例えば、ベクター化の生体化合物として、クレプス回路内に見付けられるコハク酸、或いは、コハク酸で生分解されるメチルコハク酸が挙げられる。
【0054】
ベクター化の生体化合物と本発明によって結合される有効成分、例えばビグアナイド及びキャリアとの間に得られる結合は、胃腸および肝臓領域で可能な代謝に依存する。
【0055】
例えば、塩は消化管内で解離可能であり、加水分解は、抗胃性のガレン形態によって遅延可能である。エステルは酸領域で加水分解されるか、または胃液のエステラーゼによって加水分解され、この加水分解は同様に抗胃のガレン形態によって遅延可能である。アミドは肝臓のアミダーゼによって加水分解され、この加水分解の動力学は一般に緩慢である。
【0056】
【化9】
Figure 2004517105
及び
【化10】
Figure 2004517105
の結合の生体内分離に対する適応度、及び、有効成分A(ビグアニン)とC(キャリア)の対応する遊離に対する適応度を評価するために、種々のテストが適用可能である。これらのテストは、例えば有効成分の腸液内における遊離の観察、或いは、ラットの肝細胞の第1カルチャー上での肝臓代謝の研究からなる。この2つのテストについては後述する。
【0057】
腸液内における遊離の試験管内実験
トリプシン、ペプチダーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、及び他の全ての膵臓外分泌酵素を含む腸液の試料を用いる。このテストは標準化合物で予め有効化しておく。A´V´C´化合物の既知量(マイクログラムのオーダー)が、腸液(そのトリプシンとリパーゼの含有量は制御されている)の既知量の存在下に配置される。反応する混合物は37℃に1時間維持される。この時間は腸の通過とコンパチブルである。採取が各15分毎に実施され、生成物AとCが検出され、それらの濃度がUV検出器と接続されたHPLC、或いは、UV検出器が使用できない場合には、マス・スペクトロメータによって測定される。使用されるカラムはAとCの性質に依存するが、遊離される酸、アミン、またはアルコールの形態の存在のため、一般にはイオン交換樹脂である。較正の後、1時間で遊離されたA(ビグアニン)とC(キャリア)の総量を判定し、中間点によって、使用されたA´V´C´化合物に対する酵素の解離定数Kmと速度Vmaxが計算できる。このテストは、全く同一の原理を用い、但し腸液を胃液に置き換えることで、胃液中でのA(ビグアニン)、C(キャリア)及びVの遊離の判定と連結することができる。
【0058】
ラットの肝細胞の第1カルチャー上での試験管内実験
A´V´C´化合物の既知量をマイクログラムのオーダーで添加したHEPES領域での代謝の研究のために、ヒトの肝細胞に近いラットの肝細胞の第1カルチャーを用いる。生産物どうしは6時間接触させられ、採取が1時間、2時間、及び4時間目に実施され、浮遊物を分離抽出し、沈渣物の肝細胞を溶解する。これらの領域では、遊離された有効化合物A(ビグアニン)とC(キャリア)の濃度を測定する。前述のように、代謝に関与する酵素のVmaxとKmの計算が可能である。
【0059】
本発明による化合物が細胞膜を横断しない場合には、同じタイプの研究がラットの肝臓のホモジネート上で実施できる。
【0060】
ベクター化の生体化合物の毒性は、本発明による有効化合物(A´V´C´)のそれに関連付けられる。この有効化合物はA(ビグアニン)、C(キャリア)、及びVで代謝され、Vは生物学的定義による物質なので、本発明による化合物の毒性は、ビグアニンAとキャリアCの投与に基づく毒性の総和と比較される必要がある。さらに、有効化合物がこれらの条件下で、少なくとも前記有効成分の一つに対して、同じ有効成分単独での効果を超えるような効果を有する2つの有効成分を伴う時、前記化合物に対する最小限の毒性を考慮することができる。にもかかわらず、AまたはCで示される同一の濃度に対して、AおよびCおよびA’−−−V’−−−C’の毒性を比較するために、生体内での標準方法に代わる毒性予測方法が下記で提案されている(Toxiocologic Emergencies,Sixth Edition 1997,GoldfranckらAppleton and Lange,Connecticut,USAを参照)。
【0061】
毒性の試験管内実験
肝細胞第1カルチャー96時間法が用いられる(「Biochemical Pharmacology」誌50巻、1995年775−780頁を参照)。肝細胞はコラゲナーゼの灌流によってin situにて分離抽出される。次に、肝細胞は、ウエル一つに100万細胞の割合で、子牛の胎児の血清、コルチゾル、及びグルタミンで補充したWilliams媒質中に置かれる。各ウエルに対して、次第に濃度が高まり毒性のAとCと、
【化11】
Figure 2004517105
を添加する。6時間後、12時間後、24時間後、48時間後、及び96時間後に採取が実施され、細胞の生存性が、メチレンブルーを用いたテスト、アルブミン表現、肝細胞のアポトーシス、及びシトクロームP450の活性度測定によって判定される。
【0062】
メチレンブルーを用いたテストによる細胞の生存性は、DL50によって得られたものと類似の結果を与える。
【0063】
アルブミン表現によって得られた結果からは、全ての毒性物質に対する肝細胞の耐性限界(最終毒性)を知ることができる。実際に肝細胞の主な役割はタンパク質を合成することにある。或る毒性作用に際して、このアルブミンの合成及び遊離の表現は改変される。
【0064】
肝細胞のアポトーシスによって得られた結果からは、毒性物質との接触の際には細胞はその破壊をプログラムしようとするので、最終的な毒性を確認でき、これは、異常DNAによって測定されたアポトーシス現象と対応する。
【0065】
シトクロームP450の活性度測定は、薬理的に有効な生産物との出会うこれらの酵素の誘導と抑制の現象を提供する。一連のテストによって、シトクロームP450のイソ形態の活性度が判定できる。
【0066】
本発明は以下のような変形例にも関する:
−Aは前述した一般式のメトホルミンであり、このメトホルミンは、メトホルミンの末端の第1アミン官能基の塩化によって、ベクター化の生体化合物に結合される、
−Cは前述した一般式のアルギニンであり、このアルギニンはアシル化反応によってベクター化の生体化合物に結合される、
−Vは、前述した一般式の中で、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、リンゴ酸、イサチン酸、及びフタル酸によって構成された二塩基酸の集合から選択されており、好適にはコハク酸である。
【0067】
本発明は医薬としての式IIIの化合物にも関する。
本発明はまた、以上のように定義された有効化合物を、適合性で薬理的に受け入れ可能な、賦形剤、希釈剤、結合剤、または、補助剤の一つまたは複数と共に備えた全ての医薬組成物に関する。好適には、そのような医薬組成物は、ヒトへの前記有効化合物の1回または複数回で約0.2gから約1gの範囲からなる連日薬用量の投与が可能なものである。例えば、胃の領域における全ての加水分解を回避するために抗胃性のガレン形態が使用できる。
【0068】
好適には、以上のように定義された有効化合物は、以下の工程によって得ることができる:
*ベクター化の生体化合物(V)と有効成分(AまたはC)の一方との、縮合及び/又は塩化の反応、
*縮合及び/又は塩化された前記生体化合物の、他方の有効成分(CまたはA)との縮合及び/又は塩化の反応。
【0069】
従来、使用可能な縮合反応はアミンのアシル化反応とアルコールのエステル化反応である。
【0070】
少なくとも有効成分(ビグアニンまたはキャリア)の一つ(AまたはC)が塩化反応によってベクター化の生体化合物に結合される時、反応に際しての順番は、当業者に知られているように、塩のpHに応じた安定性の理由から、好ましくは、縮合反応、次に、塩化反応であろう。
【0071】
Aがメトホルミンで、Cがアルギニンで、Vがコハク酸の時、調製方法は以下のステップを有する:
−コハク酸のモノクロール型モノエステルのエーテルまたはベンゼン溶液の、アルギニンの炭酸ナトリウム中の水溶液との反応、
−高濃度ナトリウム媒質中の塩化水素に基づくメトホルミンベースの遊離、及び、絶対アルコールによる抽出、
−アルギニンヘミスクシンイミドとメトホルミンとの塩の生成。
【0072】
好ましくは、本発明による医薬組成物は、経口、非経口、または静脈内の経路による投与に適した形態で適用される。
【0073】
本発明の特に具体的な目的は、以上に記載されたような有効化合物の少なくとも一つを、全ての型の糖尿病の治療、及び/又は、糖尿病に関連していようがいまいが循環系の病気の治療のための医薬を得るために使用することである。
【0074】
【実施例】
ここで、本発明について、例として、同じ一つの有効化合物A´V´C´内におけるメトホルミン(ビグアニン)とアルギニン(キャリア)の結合を参考にして解説するが、Vは、一方ではアルギニンのアミン官能基との共有結合によって、他方ではメトホルミンのアミン官能基とのイオン結合(塩化反応)による、反応性のコハク酸である。
【0075】
アルギニンヘミスクシンイミド−メトホルミンヘミスクシナート合成
a)第1ステップ:アルギニンヘミスクシンイミドの調製。
アルギニンベース(6g)を炭酸ナトリウムの水溶液(N=10.6g/100ml)に溶解する。さらに、アルギニンに対する1モル対1モルの反応には僅かに過剰なコハク酸のモノクロール型モノエステルとなるように、コハク酸のモノクロール型モノエステルを50mlの硫化エーテルに溶解する。室温で激しく攪拌しながら、10分間でエーテル溶液を水溶液に加える。エーテルの完全な溶解のために緩慢に加熱しながら、反応液を1時間にわたって激しい攪拌下に維持する、乾燥固化させ、残渣を最小量の蒸留水(20ml)に戻して、希釈した塩酸によって酸性化する。濃縮(部分真空下での弱い加熱)によって、アルギニンヘミスクシンイミドの白い結晶が得られる。
【0076】
NMRスペクトル、パーセント分析、薄層クロマトグラフィーによる生成物の純度の検定が行われる。特に、ニンヒドリンとの反応によってアルギニンのアミノ酸残留物の存在が検定され、滴定によってコハク酸の自由カルボキシル基の存在が検定される。
収率は定量である。
【0077】
b)第2ステップ:メトホルミンベースの遊離。
10グラムのメトホルミンの塩酸塩を、5Nの水酸化ナトリウム溶液40mlに加える。反応混合物は2時間にわたって40℃で加熱される。40℃における真空下の蒸発の後で、粘性の残渣を100mlの絶対アルコールに戻す。濾過によって、不純物が除去され、塩化ナトリウムに不溶の残留物が得られる。メトホルミンベースはアルコール溶液であり、蒸発によって粘性の粉末の形態で分離抽出される。RMNスペクトルでメトホルミンの構造を確認する。塩化物の不在が硝酸銀によって検定される。
【0078】
メトホルミン、すなわちN,N−ジメチルイミドジカーボニミド・ジアミドは、MERCKインデックスにて5792番として特定され、ケミカルアブストラクト番号657−24−9で特徴付けられることが思い起こされる。
【0079】
c)第3ステップ
アルギニンヘミスクシンイミドの水溶液にメトホルミンベースを1モル対1モルで加える。直ぐに溶解が得られる。
水は真空下60℃で完全に蒸発される。残渣は蒸留水内の溶液に戻され、真空下の濃縮の際に結晶化する。
水に可溶で、有機溶媒に不溶の透明な結晶が得られる。融点は188−189℃である。
【0080】
NMRスペクトル、パーセント分析、及び、薄層クロマトグラフィー後における単一の斑点によって、生成物の構造と純度が確認される。全体の収率は定量である。
上記の反応の結果、収率は約90%である。損失分は精製と濾過によるものである。
【0081】
アルギニン、メトホルミン、及びアルギニンヘミスクシンイミドのメトホルミンとの塩の、構造式がそれぞれ図1から3に示される。
【0082】
分離のテスト
このテストは、既に記した毒性の試験管内実験に沿って既に記した、腸液内の試験管内方法に基づいて実施される。アルギニンヘミスクシンイミドの部位を改変することなく、メトホルミンの迅速な遊離が観察される。前述した方法によって、ラットの肝細胞のカルチャー上で第2実験が実施される。アルギニンの緩慢な遊離が24時間にわたって観察される。
【0083】
毒性:
このテストは前述の毒性の試験管内実験に沿って実施される。毒性の投与量が10M−2のメトホルミンで観察され,例えばアルギニンヘミスクシンイミドのメトホルミンとの塩などの、有効化合物A´−V´−B´に関して特定される。
【0084】
得られた有効化合物の医薬的有効性の検定。
本発明による有効化合物の動力学的および薬理的な意義について、アルギニンヘミスクシンイミド−メトホルミンヘミスクシナート、及び、メトホルミンの塩酸塩/アルギニンの塩酸塩の結合を説明上の例としながら、後述する:
a)各々、経口によって50mg/kgのメトホルミンの塩酸塩、及び、50mg/kgのアルギニンヘミスクシンイミド−メトホルミンヘミスクシナートを受けた20個体のラットの2グループに対してなされた薬剤動力学的研究によって、種々の動力学的パラメータを計算できた。アルギニンヘミスクシンイミド−メトホルミンヘミスクシナートはメトホルミンを遊離し、2つのグループで、メトホルミンの血清比が判定された。
50mg/kgのメトホルミンの塩酸塩の投与の後に、90分での濃度のピークが観察され、3.9μg/mlと同等であることが分かる。生体受容性の分数は60%であり、半減期は平均で2.5時間に等しい。
【0085】
50mg/kgのメトホルミンの塩酸塩の投与は、25mg/kgのメトホルミンの塩酸塩、すなわち半分量に対応する。60分での濃度のピークが観察され、メトホルミンの2.9μg/mlと同等であることが分かる。生体受容性の分数は75%であり、半減期は平均で2.6時間である。
【0086】
これらの結果は、メトホルミンの通過(移動の総量と速度)は、アルギニンヘミスクシンイミド−メトホルミンヘミスクシナートの場合には改善されたことを示している。
【0087】
薬理学的な視点から、糖尿病になったラットの2つのモデルで抗糖尿病有効性が研究された。
第1のモデルは、21日間で血糖を5.5mMから12−14mMへと増大を招く化合物、ストレプトゾトシン(50mg/kg IP)によってラットを処置することからなる。メトホルミンの投与(30mg/kg)は、高血糖を平均で12.11から9.85mMへと著しく低下させる。同じ30mg/kgの薬用量(メトホルミンベースで約2倍少ない)で、アルギニンヘミスクシンイミド−メトホルミンヘミスクシナートは高血糖を12.66から7.56mMへとさらに強く低下させる。2つの処置の間の相違は、メトホルミンの分量が最も少なくて著しい。
【0088】
第2のモデルは、3週間にわたってラットの飲料水に10%のフルクトースを投与することで実施される。インシュリン抵抗性が発達し、非インシュリン抵抗型の糖尿病が続く。下記の表1に示されるように、アルギニンヘミスクシンイミド−メトホルミンヘミスクシナートは、メトホルミンベースの等量にて、メトホルミン単体よりも有効であり、より即効的であることが顕著に示される。
【0089】
【表1】
Figure 2004517105
【0090】
3ヶ月間のフルクトース投与によって糖尿病になったハムスターでも同様に抗糖尿病有効性が研究された。このモデルでは、双方の生産物に対して同じ10mg/kg/日の投薬量で、アルギニンヘミスクシンイミド−メトホルミンヘミスクシナートは、メトホルミン単体よりも有効であることが顕著に示され、2週間の処置の後に以下の表2に示す結果が得られる。
【0091】
【表2】
Figure 2004517105
【0092】
ハムスターの頬嚢に関する一つの研究は、アルギニンヘミスクシンイミド−メトホルミンヘミスクシナートは、少なくとも微小循環に対する2つの有効成分の効果、例えばアルギニンの血管拡張作用、及び、メトホルミンの血管運動に対する作用、を再現することを示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルギニンの化学式である。
【図2】メトホルミンの化学式である。
【図3】アルギニンヘミスクシンイミド−メトホルミンヘミスクシナートの化学式である。

Claims (16)

  1. c)治療上有効な量のビグアニン、及び
    d)(a)によるビグアニンの治療上の有効性を高めるために予め決定された量のキャリア
    を有する第1の薬剤としての、ビグアニン特にN−ジメチルビグアニンと、第2の薬剤としての、前記ビグアニンのキャリアとを結合させた、糖尿病、特にタイプ2糖尿病治療のための配合薬。
  2. a)によるビグアニンとb)によるキャリアとが同モル量であることを特徴とする請求項1に記載の配合薬。
  3. ビグアニンがメトホルミンであることを特徴とする請求項1に記載の配合薬。
  4. キャリアが、例えばアリジニン、プトレシン、キャダベリン、スペルミディン、スペルミンによって構成されたグループから選択された生体アミンであり、例えばL−アリジニンであることを特徴とする請求項1に記載の配合薬。
  5. ビグアニン及び/又はキャリアが、個々に制御された遊離に適した形態を有することを特徴とする請求項1に記載の配合薬。
  6. 少なくともビグアニンの制御された遊離のために化学的に設けられた、請求項5に記載の配合薬であって、一般式:
    Figure 2004517105
    (式中、
    −Vは、一般式X−R−Yの、ベクター化生体化合物であり、ここで、
    *Rは、脂肪属、環状、或いは脂環式の、飽和又は不飽和の、任意にC1からC5がアルキル基及び/又は水酸基によって置換された、炭素が2から10原子の炭化水素鎖を示し、
    *XとYは各々、酸、アミン、またはアルコールの遊離官能基であり、
    AとCは、例えばビグアニンとキャリアといった、互いに異なる2つの有効成分であり、その一方は、官能基Xの補完的な化学官能基を有し、後者と再作用して生体内で分離可能な結合すなわち、イオン結合のA´−−−V´または共有結合のA´−V´を与え、その他方は、官能基Yの補完的な化学官能基を有し、後者と再作用して生体内で分離可能な結合すなわち、イオン結合のV´−−−C´または共有結合のV´−C´を与える)
    で示され、A´とV´の間の対応結合の生体内分離によって、少なくとも実体Aを再構成可能な有効な化合物であることを特徴とする配合薬。
  7. V´−−−C´またはV´−C´の結合は生体内で分離可能であり、前記有効化合物は、前記生体内分離によってVとCの実態を再構成可能であることを特徴とする請求項6に記載の配合薬。
  8. メトホルミンの末端の第1級アミン官能基の塩化によって、メトホルミンがベクター化の生体化合物に結合されていることを特徴とし、Aがメトホルミンである請求項7に記載の有効化合物。
  9. Cがアリジニンであり、アリジニンがアシル化反応によって、ベクター化の生体化合物Vに結合されていることを特徴とする請求項7に記載の有効化合物。
  10. Vが、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、リンゴ酸、イサチン酸、フタル酸によって構成された二塩基酸の集合から選択されており、好適にはコハク酸であることを特徴とする請求項6に記載の有効化合物。
  11. 式III:
    Figure 2004517105
    の化合物。
  12. 請求項11に記載の化合物の医薬としての使用。
  13. 請求項6の定義による一般式:
    Figure 2004517105
    の化合物の医薬としての使用。
  14. 請求項6から11のいずれかに記載の有効化合物の、以下の工程:
    a)ベクター化の生体化合物Vと有効成分AまたはCの一方との、縮合及び/又は塩化の反応、
    b)(a)による反応の生成物と有効成分CまたはAの他方との、縮合及び/又は塩化の反応
    を有する調製方法。
  15. 請求項6に記載の化合物の少なくとも一つを、適合性で薬理的に受け入れ可能な賦形剤、希釈剤、結合剤、または、補助剤と共に含む医薬組成物。
  16. 前記有効化合物の1回または複数回で約0.2gから約1gの範囲からなる連日薬用量のヒトへの投与が可能な請求項15に記載の医薬組成物。
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