JP2004517031A - 免疫治療法と組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】免疫応答を発生するための燐脂質ベシクルであって、抗原又はその中の抗原を暗号化するための多核酸を有し、抗原生成細胞によって貧食されるようにした燐脂質ベシクル。
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は一般的に、作用しあるいは免疫系を介して作用する治療である免疫治療分野に関するものである。より詳細には、本発明は化学物質を抗原提示細胞、とくに樹状細胞内に導入し、その結果抗原提示細胞の表面上に前記抗原を発現させ、結果としての免疫系に対する効果を発現させる方法と組成物に関するものである。本発明はさらに結果としての修飾された抗原提示細胞とそれらの細胞を含む医薬品組成物にも関するものである。加えて、本発明はアジュバント活性および一連の関連するペプチドと前記ペプチドを取り込む燐脂質ベシクルを含むアジュバント活性調製物における新しい見解も開示するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、一般的に抗原提示細胞、とくに樹状細胞の表面に抗原を取り込むことによる哺乳類の免疫系の操作に大きな関心が向けられている。抗原提示細胞の表面に抗原を取り込むことによって免疫系が選択された抗原を標的とすることができる。これはガン治療を含む数多くの治療分野に適用された。多くのガン抗原が発表され、例えば、Northwest Biotherapeutics, LLC.のUS 5,990,294および5,874,290に開示されたごとくガンに対するヒト樹状細胞ベース免疫治療のために現在試験的に使用されている。
【0003】
しかしながら、表面に修飾された抗原提示樹状細胞を調製することは困難である。先行技術において、数多くの技術が検討された。現在既知の方法には抗原提示細胞の表面に直接抗原ペプチドを「パルシング」するもの、あるいはそのとき抗原提示細胞によって接種された蛋白質全体または蛋白質の断片をともに抗原提示細胞を培養するものがある。これらのペプチドは抗原提示細胞によって小さな断片に消化され、その細胞表面に現れる。これらの技術はどれも効果と再現性に限界があり、ペプチド抗原にだけ関係するものである。
【0004】
他の方法も公開されている。例えば、Baxter International Inc.の国際公開WO96/30030とDana−Farber Cancer Instituteの国際公開98/46785は患者自身の樹状細胞に非樹状細胞、すなわちそれに対して免疫応答を得ることが望まれる細胞表面抗原を発現するガン細胞を融合させる方法を開示している。つぎにかかる細胞を成長させ、そのリンパ系の近傍で、宿主内に注入し、所望の抗原に対する免疫応答に至ることができる。しかしながら、このプロセスは複雑で低速であり、対象抗原のための遺伝子暗号化を含めるために患者の細胞株の遺伝子操作が要求される。加えて、結果としての樹状細胞/非樹状細胞雑種の蛋白質処理機構によって処理されるような蛋白質ではない抗原を表示する方法を提供するものではない。またさらに、これらの技術は患者のガン細胞株を使用するので、さらなる腫瘍発生を防止するためにこれらの細胞株の取り扱いと処理に大きな注意が必要である。ガン細胞株は、もちろん、ガン患者からしか得られず、不死細胞株が得られない患者にこれらの治療が適用できるかどうかは明らかではない。
【0005】
ロックフェラー大学に対する米国特許5,976,546は樹状細胞を(a)樹状細胞結合蛋白質、(b)ポリペプチド抗原および(c)リンカーの錯体と組み合わせることによって、樹状細胞の表面に抗原を表す方法を開示している。樹状細胞結合蛋白質とリンカーを結合する樹状細胞の存在がT依存免疫応答を発生する抗原の能力にどの程度影響するかということは不明である。またこの開示は、ポリペプチド抗原にだけ関するものである。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、例えば、樹状細胞と抗原提示細胞に所望の分子をそれらの表面に表示させるために樹状細胞内に分子を組み込む迅速かつ効果的な方法を提供することである。本発明はより詳細にはこの技術によって修飾される樹状細胞と抗原提示細胞に関するものである。例えば、本発明は抗原がT細胞に提示されるように樹状細胞の表面膜内に抗原を組み込む方法を提供することを目的とする。代案として、抗原を暗号化する多核酸を樹状細胞内に供給して既知の遺伝子治療技術に使用してもよい。
【0007】
アジュバント活性は抗原とともに使用されて、作用物質または作用物質の組み合わせが宿主内に増強される免疫学的応答を引き起こす現象である。FreundのComplete Adjuvantは基本的にはマイコバクテリア細胞壁とともに油内に乳化した抗原から成る。Freundのアジュバントがいままで発見されたもっとも強力な免疫刺激剤であることは一般的に認められている。しかしながら、それは接種において組織肉芽腫症を発生するので、ヒトだけでなく、実験動物でも連続して使用されない結果になった。この決定は、脊椎動物のもっとも強力かつ長続きする免疫応答が肉芽種を発生する有機体または作用物質に由来するという自明で、確立した病理学の知識を完全に無視するものである。
【0008】
本書に開示した本発明のもう1つの目的は、Freundの補強剤に近い有効性を有するが、関連する不快な副作用がない改良されたアジュバントを提供することである。
この明細書において、「抗原提示細胞」という用語は免疫系の構成要素に対する抗原提示任意の免疫系細胞に関係する。この用語はしたがって、樹状細胞も含む。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、免疫応答を発生するための燐脂質ベシクルが提供され、燐脂質ベシクルは抗原またはその中の抗原を暗号化するための多核酸を有し、燐脂質ベシクルは抗原生成細胞によって貪食されるのに適している。
典型的に、燐脂質ベシクルは多層状である。
好適には、燐脂質ベシクルは次のリストの1つ以上を含む:
コレステロール
スフィンゴミエリン
ホスホティジルコリン
ホスホティジルエタリイミン
ホスホティジルセリン
ホスホティジルイノシトル
好適には燐脂質ベシクルの燐脂質組成はコレステロールが20%未満とする。
もっと好適には、燐脂質ベシクルの燐脂質組成はスフィンゴミエリンが少なくとも15%である。
【0010】
もっと好適には、燐脂質ベシクルの燐脂質組成は次のものを含む:
ホスホティジルコリン 44から60%、スフィンゴミエリン 15から25%、ホスホティジルエタノルアミン 6から10%、ホスホティジルセリン 2から6%、ホスホティジルイノシトル 2から4%、コレステロール 4から12%。
もっとも好適には、燐脂質ベシクルの燐脂質組成は次の通りである:
ホスホティジルコリン 54%、スフィンゴミエリン 19%、ホスホティジルエタノルアミン 8%、ホスホティジルセリン 4%、ホスホティジルイノシトル 3%、%、コレステロール 10%。
【0011】
随意に、燐脂質ベシクルの燐脂質組成はリソレシチンを含有する。好適には、燐脂質ベシクルの燐脂質組成はリソレシチンが0から3%である。もっとも好適には、燐脂質ベシクルの燐脂質組成はリソレシチンが2%である。燐脂質ベシクルは哺乳類の身体から単離した層状体でもよい。
本発明の第2の態様によれば、接種作用物質として使用するための第1の態様による燐脂質ベシクルが提供される。
【0012】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様による燐脂質ベシクルの取り込みによって、修飾された哺乳類の身体から単離した抗原提示細胞から成る細胞免疫応答を誘導するための修飾された抗原提示細胞が提供される。
好適には、抗原提示細胞は樹状細胞である。
本発明の第4の態様によれば、本発明の第1の態様による燐脂質ベシクルを樹状細胞と混合する過程から成る樹状細胞内に抗原を組み込む方法が提供される。
【0013】
本発明の第5の態様によれば、免疫応答を誘導するための医薬品組成物であって、本発明の第1の態様による燐脂質ベシクルまたは本発明の第2または第3の態様による修飾された樹状細胞と医薬品として許容できるキャリアとから成る組成物が提供される。
本発明の第6の態様によれば、配列IDNo.1またはIDNo.2で規定されるペプチド配列を有し、さらに配列IDNo.3またはIDNo.4で規定されるペプチド配列を有する蛋白質が提供される。
【0014】
好適には、蛋白質は免疫応答を誘導するときのアジュバントとして作用する。
好適には、蛋白質は配列IDNo.1またはIDNo.2で規定されるものと同一あるいは類似のペプチド配列を有する、あるいはさらに配列IDNo.3またはIDNo.4で規定されるものと同一あるいは類似のペプチド配列を有し、結果としての蛋白質もまた免疫応答を発生するアジュバントとして作用することができる。好適には、置換ペプチドは99%の相同性である。
随意に、代替物は99%と75%の間の相同性を示すことができる。
好適には、相同ペプチドから生じた蛋白質は元のものと同一または類似の活性を有する。
【0015】
本発明の第7の態様によれば、下記を含む群から選択された蛋白質をその中に有する本発明の第一の態様による燐脂質ベシクルが提供される:
(a)第5の態様による蛋白質
(b)トレハロースジミコレート
本発明の第8の態様によれば、第6の態様による燐脂質ベシクルと、抗原と、医薬品として許容されるキャリアとから成る免疫応答を誘導するための医薬品組成物が提供される。
【0016】
本発明はさらに調整された小肉芽腫接種のためのトレハロースジミコレートを取り込む免疫刺激燐脂質ベシクル;宿主内の免疫治療応答に影響するためにインヴィトロ自家プロフェッショナルおよびノンプロフェッショナルAPCsに抗原を提示するためのSP−Aペプチド配列77−110を取り込む燐脂質ベシクル;トレハロースジミコレートとSP−Aペプチド配列77−110を取り込む燐脂質ベシクルも提供する。
【0017】
【課題を解決するための手段】
樹状細胞はマクロファージからの異なる系統に属する骨髄由来細胞である。それらは、その不規則な形状、高レベルのMHC級IおよびII分子での構成発現およびリソソームと細胞内ベシクルの少なさを特徴とする。それらは輸入リンパ管内の隠れた細胞として、2次リンパ組織のT細胞領域内の指間細胞として、また胸腺髄質内に発見される(Male,他 1991)。ここで樹状細胞が1次T細胞媒介免疫応答を高い効率で引き起こす主要な抗原提示細胞であることが確定される(Banchereau J, Steinman R. M 1998)。加えて、1次応答を刺激する能力は、残りの、ただし先に感作されたT細胞の活性化ためにMHC/ペプチドに加えて要求される、他の抗原提示細胞と異なり、共刺激活性の構成発現にある。樹状細胞はほとんど飲食作用がないことが広く認められており、抗原が細胞によって取り込まれる仕方については疑義が残るが、ラケット型の顆粒、Birbeck顆粒は抗原物質を飲食し、T細胞に提示するためにそれを加工すると信じるものもある。樹状細胞は輸入リンパ管を介して組織から副皮質内で咬頭嵌合樹状細胞を形成し、そこで節を介して輸送されるT細胞に抗原を提示する排出リンパ節に転移して組織に循環する末梢血単核細胞(PBMCs)のごくわずかな割合で存在する。表皮を通過する樹状細胞はランゲルハンス細胞(LCs)として知られている。
【0018】
ガンの免疫治療におけるもっとも最近の進歩は腫瘍抗原および自家抗原提示細胞をガンワクチンとして使用することを含む(Melman,他 1998)。臨床試験において、腫瘍細胞によって発現した抗原による自家樹状細胞のインヴィトロパルシングは特定の腫瘍のある患者において30%の部分的応答、8%の完全応答を達成した(Tjoa B.,他1998)。これらの有望な試験を強化する戦略のさらなる開発は、インビボで起きるような、樹状細胞を誘導して抗原を吸収し、その細胞表面に提示するため抗原決定因子を処理するということを、インヴィトロで可能にする効果的な方法または作用物質についての現状の知識不足により、挫折している。
【0019】
しかしながら、われわれは層状体がインビボで樹状細胞によって貪食されることを発見した。層状体は全部ではないがほとんどの哺乳類の細胞によって生成され、エキソサイトシスによって主として細胞表面に放出される(3)。それらは細胞表面、細胞間および基質内潤滑剤、界面活性剤および撥水剤の役割を果たす。高いレベルの生成は界面活性剤(肺臓)として、または撥水剤(皮膚)として非粘着表面(腹膜、心膜、胸膜)(Dobbie,他 (1988); Dobbie and Lloyd (1989); Dobbie,他 (1994); Dobbie,他 (1995))、移動における潤滑(滑液)(Dobbie,他 (1994); Dobbie,他 (1995))の提供に関与する特定の専門化した組織の特徴である。層状体は各種の体腔から直接リンパ系内にだけでなく高分泌組織にも移行し、また基質を基礎とする物質を介して逆行して、あるいは細胞の間を排出リンパ管内にも移行する(6)。
【0020】
層状体はリポゾームに類似している。ただし、鍵となる相違がある。層状体は燐脂質液体結晶であり、リポゾームとは正反対に、コレステロールを全くあるいはほとんど含んでいないので可撓性が高い。したがって、組織内で、常に形成、再形成し、そうすることによって、侵入有機体に対する炎症反応の場合のように正常な宿主、または病理組織内に存在する細胞外液内の断片的蛋白質の残滓から遊離した、浮遊蛋白質とペプチドを取り込む。このように、層状体は表面に露出しているか、燐脂質2重層の中または間に含まれる内生(自己)または外生(非自己)物質の両方を取り込み、リンパ排液内に移行し、ロコ領域リンパ網状組織に自動的に導かれる。ここで、リンパ洞を介して濾過するときに、原核細胞膜(すなわち、細菌またはウィルス)のもっと典型的な2層組成を有する層状体は裸の細菌の大きさ、形状と膜を有するのでリンパ系組織によって自動的に精査される。この点において、層状体の主要機能の説明において最も近い類似は、組織内の自己および非自己蛋白質とペプチドが自動的に取り込まれ、リンパ系組織に導かれる一般的なハエ取り紙である。これが細胞外液内で自然に形成され再循環する多層状球体と浮遊分子の間の物理化学的相互作用に依存する無細胞、内生免疫系の基礎層である。このように、層状体はリンパ網状系内の自動求心性トランスポータである。この基礎的生体系の重要性は、我々の知る限り、正常組織における層状体の遍在や病理プロセスにおけるそれらの分布、密度と含有量がかつて観察されていなかったいという点でこれまで認識されないままであった。非肺臓組織内のそれらの存在は肺臓内でのそれらの発見に至ったそれらの繊細な超微構造を特異的に温存するように組織を故意に固定し処理しない限り電子顕微鏡で視覚表示されない(参照)。
【0021】
【発明の実施の形態】
次に添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本発明は天然層状体を模倣するように設計された燐脂質ベシクルであってその中に選択した抗原を挿入できる構造の人工の層状体に関するものである。本発明はまたそれらを樹状細胞内に取り込む方法とそれによって形成される樹状細胞にも関するものである。選択された抗原を含むこれらの樹状細胞はつぎに、とくに既知の方法において、広い範囲の症状の治療のための医薬品調製物に使用できる。
【0022】
本発明の燐脂質ベシクルは層状体の化学組成と超微構造配置を密接に反映する多層状リポゾームとして形成された、脊椎動物に天然の燐脂質から成る。これは哺乳類の身体中の大半の組織、例えば、肺臓、滑液、腹膜、胸膜および心膜内で様々な密度で発生する(Dobbie (1988); Dobbie,他 (1988); Dobbie and Lloyd (1989); Dobbie,他 (1994); Dobbie,他 (1995))。それは両生類、真骨魚類および板鰓類に発見されている(Dobbie and Lewis, 1999, 未刊行データ)。層状体は、通常規則的周期性の、燐脂質2重層によって特徴づけられる(Dobbie (1989); Dobbie,他 (1994))。十分な量のコレステロールを含む正常な哺乳類の細胞膜の燐脂質2重層の組成と異なり、層状体はその層の中にコレステロール濃度が低いか、全く含んでいない。この点、層状体は裸の微生物、バクテリアとウィルスの細胞膜の組成特性と超微構造配置に近い。
【0023】
本発明は表面から押し出されるか、燐脂質2重層の中または間にある抗原物質、蛋白質、ペプチドまたはその他の物質を取り込む層状体に類似、または近い化学組成の多層状リポゾームの構造にも関与する。
図1はこの手順の実施方法の概略図である。抗原1は抗原負荷燐脂質ベシクル3を形成する、層状体に似た燐脂質ベシクル2に最初に取り込まれる。
【0024】
このように構成された燐脂質ベシクルはプロフェッショナル(樹状細胞またはマクロファージ)、またはノンプロフェッショナル抗原提示細胞(抗原提示細胞)に提示するための選択された抗原のキャリアとして使用される。これらの細胞はその各種の室を通じて分配された抗原物質とともに燐脂質ベシクルを内在化する。つぎに抗原物質は抗原提示細胞によって細胞内で処理され、抗原決定因子はつぎに例えば、MHC1とMHC2分子などの適切な、随伴、同定または刺激表面蛋白質とともに細胞表面上に提示される。
【0025】
この例において、患者自身の樹状細胞4はインヴィトロで培養され、修飾樹状細胞5を産生するために燐脂質ベシクルと組み合わされる。この説明はとくに樹状細胞に関するものであるが、当業者には自明のごとく、同じ原則は他の抗原提示細胞の修飾にも適用できる。
図2は複数個の修飾樹状細胞5を模式的に示している。治療において、末梢血管から単離し、インヴィトロで培養し、燐脂質ベシクルによって供給された抗原で準備された自家樹状細胞は、任意の経路で(リンパ系への注射等)患者に戻したときに、リンパ網状系に進み、そこでエフェクタ細胞を構成する抗原特異性Tリンパ球6の産生を刺激して、選択された抗原を担持する体細胞に対する細胞免疫応答を完成する。
【0026】
層状体
天然リポゾーム、層状体は全部ではないがほとんどの哺乳類の細胞によって産生され、主としてエキソサイトシスによって細胞表面に放出される(Dobbie (1989))。それらは細胞表面、細胞間および基質内潤滑剤、界面活性剤および撥水剤の役割を果たす。高いレベルの生成は界面活性剤(肺臓)として、または撥水剤(皮膚)として非粘着表面(腹膜、心膜、胸膜)(Dobbie,他 (1988); Dobbie and Lloyd (1989); Dobbie,他 (1994); Dobbie,他 (1995))、移動における潤滑(滑液)(Dobbie,他 (1994); Dobbie,他 (1995))の提供に関与する特定のプロフェッショナル化した組織の特徴である。層状体は各種の体腔から直接リンパ系内にだけでなく高分泌組織にも移行し、また基質を基礎とする物質を介して逆行して、あるいは細胞の間を排出リンパ管内にも移行する(Dobbie and Anderson (1996))。
【0027】
燐脂質ベシクルの構造
本発明において、燐脂質ベシクルは正常な組織の層状体内に見いだされるものと類似の比率で特定の燐脂質を用いて構成される。本願に記載の燐脂質ベシクルとリポゾームを区別する鍵となる特徴はそのコレステロール含有率が低いか存在しないことにある。生物医学用途において、合成構造物としてのリポゾームは、主として医薬品および各種作用物質の室封じ込めと温存のために設計される。このように、それらは高いレベルのコレステロールで構成されるので、膜に安定性と、低い多孔率が付与され、哺乳類の細胞膜を模倣する。したがって、コレステロールの2層濃度は医薬品キャリアとして設計されたリポゾームのための循環半減期の鍵となる決定因子である。肝臓と脾臓で測定した、リンパ網状によるリポゾームの取り込みに対するコレステロールの抑制作用は十分確立している(Patell HM,他 1983)。正反対に、層状体の特性をモデルとする、燐脂質ベシクルはすぐに食細胞によって摂取され、コレステロール含有率の低いリポゾームの場合のように、リンパ網状組織によって循環からすぐに除去される。
【0028】
層状体の主たる燐脂質構成成分はホスホティジルコリン(PC)、スフィンゴミエリン(SPH)、ホスホティジルエタノルアミン(PE)、ホスホティジルセリン(PS)、ホスホティジルイノシトル(PI)およびリソレシチン(LPC)である。層状体の燐脂質組成は元の細胞によってわずかな変動を示す。
PCは元の部位にかかわらず、層状体の主要な燐脂質である。百分率PC濃度は肺洗浄の70%前後から滑液内の45%まで変動する(参照)。濃度ランクの次の燐脂質はSPH(5から15%)である。その後、PE、PS,PI、PGとLPCが元の部位によって層状体内で1桁の百分率濃度で、変動して存在する。
【0029】
燐脂質ベシクルの燐脂質とコレステロールの推奨組成は、PC54%:SPH19%:PE8%:PS4%:PI3%:コレステロール10%を含む。これらの値はメジアンであり、天然の層状体では次の組成範囲が見つけられた(民間研究):PC44から60%、SPH15から23%、PE6から10%、PS2から6%、PI2から4%、コレステロール4から12%。これらの数字は重量百分率である。
【0030】
LPCは0から3%の天然の層状体で発見された範囲に従って重量で2%でベシクル内に取り込んでもよい。
リポゾームの形の燐脂質ベシクルは、もちろん、周知である。しかしながら、リポゾームはその剛性を増すために当業者によって高いコレステロール含有率で製造される。コレステロール含有率が20%以下のリポゾームはコレステロール欠乏と見なされる(Love WG,他 1990)。燐脂質と等モルの、高い比率(50%)でコレステロールを取り込むリポゾームはとくに安定した構造を有し(Kirby,他 1980, Senior,他 1982)そのため、本発明までは、我々の知る限り、低コレステロールベシクルの使用を試みることは明らかではなかっただろう。肺胞に由来する層状体のコレステロール含有率は10%前後のコレステロールを含むことがわかった(Schmitz G, Muller J 1991)(J Lipid Research. 32:1539 )。
【0031】
本発明で請求された天然の層状体および燐脂質ベシクル内のスフィンゴミエリンの存在は重要である。スフィンゴミエリンは、我々の知る限り、リポゾームでは使用されず、層状体に可撓性と柔軟性を付与する役割を果たす。
従来のリポゾーム技術の挟持によれば、剛性は化学物質の引き渡しに都合がよい;しかしながら、我々は可撓性、低コレステロール、スフィンゴミエリン含有燐脂質ベシクルが抗原提示細胞への抗原の引き渡しに理想的であることを発見した。
【0032】
燐脂質ベシクルの調製物
燐脂質ベシクルはハンドシェイク多層状ベシクルの生成に使用されたものに類似の技法で調製される(New RRC,1990)。燐脂質混合物は、重量百分率で与えられたコレステロールとともにクロロホルム/メタノール溶剤混合物(2:1vol/vol)内に溶解される。脂質溶液は丸底フラスコ内に導入され、回転乾燥機に取り付けられる。フラスコは排出され、乾燥脂質薄膜が析出するまで30℃の温度でサーモスタット制御の水浴内で60rpm.で回転される。窒素がフラスコ内に導入され、残留溶剤を除去してから、凍結乾燥機に接続し、そこで1時間の間室温で高い真空がかけられる。真空を解除し、窒素で掃気した後、取り込みのための溶質(選択した抗原)を含む塩水が添加される。脂質はフラスコ内で水和され、窒素で掃気、蒸発器に取り付けたあと、30分間室温で60rpmで回転される。懸濁液を室温で2時間放置し、膨張プロセスを完了する。
【0033】
抗原負荷燐脂質ベシクル
プロフェッショナル抗原提示細胞、例えば、樹状細胞へ提示される抗原(蛋白質、ペプチドその他の抗原作用物質)は燐脂質ベシクルの水和と生成に使用した通常の生理食塩水(0.9%)内の溶質として調製される。リポゾームと同様に、本発明の燐脂質ベシクルは高温に曝露することによって殺菌することができない、また各種の輻射と化学的殺菌剤に感作する。ヒトに使用する場合、その生成のあらゆる段階は無菌状態で、脂質の初期有機溶液を再生セルロース(孔の大きさ0.45μm)とグラスファイバの膜フィルタを介して通過させてから、乾燥させ、微生物、胞子と発熱性物資を除去する(参照. RRC NEW, p 103)。本書に開示した燐脂質ベシクルはリポゾームの多層状ベシクルタイプに類似しているので、長時間保管したときに機械的に安定している。それらのサイズは押し出しによって調節できる。
【0034】
本発明の燐脂質ベシクルは、他のタイプのリポゾームと異なり、物質をもっと段階的かつ継続的に放出する多層状ベシクルタイプのリポゾームに構造が類似している(RRC New.p28)。この特性は、細胞外、細胞内の両方で、抗原の放出にとって重要である。
このように調製した燐脂質ベシクルはプロフェッショナルおよびノンプロフェッショナル抗原提示細胞への抗原の提示に使用できる。
【0035】
現在、核酸を抗原提示細胞へ供給することが知られており、かかる核酸はつぎに細胞内に取り込まれ、そこで蛋白質を発現して、それが細胞の表面に提示される。代替実施態様において、燐脂質ベシクルはその中でRNAまたはDNAとともに製造され、燐脂質ベシクルの摂取の時に、核酸を抗原提示細胞内に供給し、適切な遺伝子治療薬として働く。
【0036】
ヒト樹状細胞の分離、単離と培養
新しく採取した静脈血50mlから、または白血球分離(leucapharesis)によって誘導したPMBCsは無菌条件でハイパーク(hypaque)密度勾配遠心分離を用いて単離する。PMBCsは5%熱非活性化自家プラズマ内で完全な媒体(OPT1MEM媒体)内に再懸濁し、フラスコ当たり2−3×10’細胞で75cm2組織培養フラスコ内に置かれる細胞懸濁液は、加湿インキュベータで60分培養される。(37℃’、5% CO2)非接着細胞は除去され、接着細胞は温かい(37℃)完全媒体で静かに洗浄する。樹状細胞伝播媒体(樹状細胞PM:完全媒体、500単位/ml 顆粒球マクロファージ−コロニー刺激因子(GM−CSF)および500単位/mlインターロイキン4(IL−4)が接着細胞に添加され(10mlフラスコ)4−6日間培養される。
【0037】
抗原負荷燐脂質ベシクルによる培養した自家樹状細胞の修飾
抗原負荷燐脂質ベシクルは通常の最小量(0.9%)食塩水内に懸濁して、培養フラスコに添加され、それらを37℃で1時間の間培養した樹状細胞に曝露する。その後、細胞はPBD内で穏やかに洗浄し、患者への通常の食塩水または静脈内またはリンパ内皮下投与内に再懸濁する。
【0038】
アジュバント活性
すべての肉芽腫の1つの特徴である、単核および多核の両方の、「泡沫状」壊死組織片と泡細胞の内容物は組織がタンニン酸グルタルアルデヒド固定剤内で固定したときに層状体であることが明らかになり、FreundのComplete Adjuvantによる接種の性質の満足できる説明が提供できる。
【0039】
抗原とともに、FreundのComplete Adjuvantを注入すると、肉芽腫を含む層状体の形成を通じて自己発生および自己維持自然貯留槽の誘導を介して抗原の人工貯留槽が生み出される。これは、層状体の細胞内蓄積を引き起こす(ミコバクテリウム細胞壁から誘導)トレハロースジミコレートによる貪食液胞/リソソーム融接の阻害から生じる。層状体を劣化させるマクロファージの能力は食菌された鉱油滴によってさらに低下され、異物反応が誘発される。貪食液胞/リソソーム融接の阻止を通じて消化することができない層状体が充満した細胞は壊死して発生する肉芽種内に層状体の増大する量を放出し、後者は残りの生命力のある細胞によって再度食菌され、今度はFreundの佐薬の局部的効果によって阻止される。
【0040】
したがって、FreundのComplete Adjuvantは天然のミコバクテリウム肉芽手段の効果を模倣する肉芽種を発生させ、生きた細胞内桿菌はトレハロースジミコレートを放出して、すべての貪食液胞/リソソーム融接を阻止する。
FreundのComplete Adjuvantを含有するワクチンにおいて、選択された抗原は注入部位において、細胞外流体から層状体内に自動的に取り込まれる。このように抗原は抗原分子が層状体形成または再形成の増加を通じて順次分散された自己発生かつ自己保持貯留槽として局部的に濃縮される。有機体寸法の、細菌細胞膜に似ている燐脂質組成で(低コレステロール)層状体は肉芽種を包む白血球の同心環によってどん欲に食菌される。
【0041】
これはこれまで認識されていなかった、脊椎動物の生来の防御機構であり、食菌された有機体は、自己の防御において、細胞間貪食液胞/リソソーム融接の阻止を通じて不可避的に、死んだ侵入者の抗原蛋白質の選択を担持するますます大きな数の層状体が局所的に蓄積するに至る。これは層状体に担持された抗原分子への局部的、ついで遠隔的な拡大増幅を生み出し、最終的には有機体の中でもっとも毒性の強いものに対してさえも強力な治療応答という結果になる。
【0042】
肉芽種内の細菌抗原の提示におけるメソソーム層状体相互作用
動物組織における層状体を開示したのと類似の電子顕微鏡技術で明らかにされたメソソームは小球(0.05um)であり、大半の細菌内に存在する層状燐脂質2重層で構成される。生きている細菌では、それらは各種の傍細胞膜および傍隔壁部位に見つけることができる。DNAの細胞間輸送などの数多くの機能が割り当てられたにもかかわらず、それらの性質と機能はほとんど好奇心をかき立てなかった。しかしながら、損傷、瀕死または死んだ有機体が数多くのメソソームを放出し、それが局部的炎症事象の残骸の中に分散することが認められている。
【0043】
メソソームは、したがって、構造的にリポゾームと層状体と同一で、非常に小さな曲率半径を有し、完全に燐脂質で構成されている(コレステロールがない)。かかるリポゾームは、膜内圧が高いので、各種の大きさのリポゾームの混合物内でより大きなリポゾームに融接することが確定している(RRC New 1991.P28)。これから、瀕死の細菌から放出されたメソソームは、その物理化学を介して、急性炎症事象の場所に集まっている層状体内にすぐに取り込まれることになる。細菌原の燐脂質2重層はメソソームまたは分解細菌細胞膜に由来するか、また潜在的に抗原蛋白質またはペプチド物質を担持しているかを問わず、混合物内に存在するより大きな「リポゾーム」の燐脂質2重層、すなわち層状体内にその部位で自動的に取り込まれる。
【0044】
FreundのComplete Adjuvantの主要成分である乳化マイコバクテリア細胞壁は、侵入する有機体に対する炎症反応部位で発生するこれまで認識されていなかったこの現象を知らず知らずのうちに使用している。本発明の燐脂質ベシクルはその大きさ、組成(低コレステロール)および抗原の負荷を通じて、このようにこの現象を模倣している。
【0045】
熱ショック(ストレス)蛋白質
熱ショック蛋白質(HSPs)の生成は、熱の損傷効果に対する原核および真核細胞の一般的応答である(Ritossa F 1962. Kaufmann SHE 1990)。当初の認識では、HPSsは高温での蛋白質のアンフォールディング阻止のために進化したと思われたが、のちに熱以外の多くの傷害がHSP合成を誘導することが示されたので、「ストレス蛋白質」という用語が導入された。現在では明らかにHSPsも重要な生理学的機能を果たし、正常な細胞内に多く存在し、活動している(Ellis J. 1987. Pelham H 1988)。したがって、「分子シャペロン」をいう名称が細胞内のハウスキーピング蛋白としてのそれらのもっと一般的な役割を説明するために付けられた(Ellis 1987, Pelham 1988)。系統学で知られているもっとも保存された蛋白質の中で、HSPsが免疫にもっとも深く関与しているのは、したがって、驚くにあたらない(Kaufman 1990)。
【0046】
病原体と宿主が互いから自らを守るために類似の機構を使用し、それが類似の分子によって達成されることは、HSP機能の広い領域に適合する。単一の分子が病原に対する潜在的関連を有するエピトープに隣接する保護に潜在的関連を備えたエピトープを含むことは、これらの蛋白質の免疫原性において有意の因子であると思量される(Kaufman 1990)。
【0047】
界面活性剤蛋白質A(SP−A)と65kDaマイクロバクテリアHSPの連結
ヒトのマイクロバクテリアHSPsがマイクロバクテリア感染(結核、ハンセン病)に対する宿主防御における高度に免疫原性分子種であるという各種の証拠があり、遺伝子的に弱い個体において、それらが自己免疫(炎症性関節疾患)に軸となる役割を果たすことの膨大な状況証拠がある(Dobbie,他 1994)。
最近まで、肺臓界面活性剤の産生、分散と代謝にだけ関連すると信じられていた、SP−A、タイプII肺細胞の構成分泌蛋白質は意外なことに多くの身体組織内に多数存在することが示された。当初、肺胞層状体に密着したアポ蛋白質として記載されたが、現在、層状体の分泌をプロフェッショナルとする肺臓外組織に高い濃度で一定不変に見いだされることが認識されている(Dobbie,他)。したがって、SP−Aは滑液、腹膜、心膜、胸膜、皮膚、末梢回腸、腺管(胆管、涙腺、唾液腺)、胆嚢、および前立腺で実証されている(Dobbie 1994)。SP−AがComplement CascadeのClq構成要素とかなりの相同性を示すことは注目に値する。
【0048】
マイクロバクテリアは燐脂質栄養偏性である。したがって、層状体のように最高量の燐脂質を分泌する組織(Dobbie & Pavlina)が病原性マイクロバクテリアによって1次感染しやすいような細胞(肺臓、関節、漿膜腔、末梢回腸、など)であることは一致しない。したがって、ヒトにおけるマイクロバクテリア感染は高SP−A産生部位で発生する。
【0049】
SP−AとマイクロバクテリアHSPの間の顕著な連結は免疫染色による層状体を分泌する細胞内のSP−A(PE 10,5B8,8H10)とマイクロバクテリアHSPに対する抗体の共局在によって最近実証された。(Dobbie,他 1994)。この連結はさらに、Dot Blot試験で、ML30がモノクローナル抗体5B8と8H10に連結した、セファロース免疫親和性カラム上で単離された純粋調製物、SP−Aと反応したことを実証した。これは、分有されたエピトープ、すなわちSP−AとマイクロバクテリアHSPsの間の、相同アミノ酸配列を示している。マイクロバクテリア病原体の側の妥当な戦略は、それらのHSPsはSP−Aに共通の配列で相対的偽装を達成する、なぜならそれらは宿主の富燐脂質領域内で生きなければならないからである。
【0050】
肺胞マクロファージは細胞食および再循環肺胞燐脂質に関与する主要な細胞であることが確定される。さらに、SP−Aがこのプロセスにとって枢要であり、リポゾームとSP−AのスパイクはタイプII肺胞細胞培養においてリポゾームの取り込み率を増加させることが確定される。我々は、高レベル層状体産生のその他の肺臓外部位(関節と体腔)でのマクロファージが、燐脂質の層状体摂取と再循環に関与した主たる細胞であることも示した。SP−Aはしたがって、免疫染色によって、これらの肺臓外部位でマクロファージ内の有意の濃度で実証された。SP−Aはしたがって、プロフェッショナルAPCsの少なくとも1つによって層状体の摂取を促進することが示された。
【0051】
故に、SP−AとマイクロバクテリアHSPsの間のこの連結は単純燐脂質、自動形成、自動再形成層状体および細菌メソソームの間の密接な相互関係において高度に保存された真核および原核蛋白質に関与する極力な免疫刺激剤を表すと結論する。さらに、遺伝子的に弱い、免疫学的に機能不全の個体においてこの機構はHSPsが最近炎症性関節疾患における候補標的自己抗原として紹介された肉芽種形成と関連のある、自己免疫の特定の形態を引き起こす責任があることが示唆される。
【0052】
層状体関連ヒトSP−AとマイクロバクテリアHSPsの間のアミノ酸(Aa)配列比較
ヒト肺層状体関連SP−Aからの配列とMライ65kDa HSPの比較は多重スパン比較と重量Aaマッチに対するDayhoffsスコアを用いて実施した。自己ペプチドを選択するための最小長さは配列した相同ペプチドで3Aa未満の欠失なし、または欠失の2つの可能性で10Aaであった。SP−Aは150Aaを有し、HSP 65 kDaは540Aaを有する。第2段階として、潜在的に抗原性を持つ部分配列を示す配列を選択した。選択には2つの基準を用いた:アルファヘリックスと親和性のある両親媒性がペプチド内に存在することと、きちんと決定された抗原性ペプチド内に観察される2つのパターンの一方の存在である。これらの2つのパターンはそれらの親水性、疎水性または中性の性格に基づくAasの推奨配列に対応する。
【0053】
相同性を示す、欠失のない、65kDa抗原とSP−Aの配列は次の通りである:
M leprae (164) RGIEKAVEKVTE (175)
【外1】
65kDa抗原のこの配列は抗−Mライモノクローナル抗体(M9)によってエピトープと認識された(Shinnick,他 987)。この配列の合成ペプチドはM結核のヒトT細胞認識に関与したエピトープと同定された(Lamb,他 1989)。
【0054】
相同性を示す第2の配列を以下に示す:
M leprae(175)VEESNTFGLQLELTEG (191)
【外2】
*=欠失
リウマチ性関節炎のある患者はこのマイクロバクテリアエピトープに対して特異的Tリンパ球反応性を実証する(van Eden 1988)。
【0055】
抗原捕捉における、および樹状細胞内のシャペロンとしてのHSPsの役割
宿主HSPsがプロフェッショナルAPCs、とくにDCsに対するその効果を通じて免疫応答を開始し、増幅するのに重要な役割を果たしている証拠が蓄積されている(Colaco, 1998)。DCsによる抗原捕捉の促進におけるサイトカンの早期放出によって引き起こされた、内生HSPsの免疫刺激効果に対する関心が高まっている。加えて、内生HSPsはシャペロン、すなわち抗原決定因子の効果的処理のために適切な細胞間嚢とオルガネラ内へ抗原を仲介する、シャペロンとして働くことがますます認識されている。
【0056】
FreundのComplete Adjuvantの機能性について刊行されたデータの我々の分析はマイコバクテリアHSPsが先に詳細に述べた機構を通じてヒトの中に内生の、迅速かつ強力な免疫刺激を引き起こすことを示している。このようにマイコバクテリアHSPsまたは誘導されたペプチドは層状体に接着するか取り込まれ、それらの付着と食作用の両方を促進する働きをする。
65kDa、マイコバクテリアHSPsおよびヒトSP−Aによって分有されるAa配列を含む、ペプチドモチーフがこの効果的な抗原捕捉とDCsによる処理を駆動する旋回ペプチドを提供することを主張されている。したがって、前記モチーフと選択した抗原を積み込んだ層状体の燐脂質ベシクルが接種または免疫治療において、自家DCsのパルシングにこのマイコバクテリアHSP免疫刺激または補強剤特性を利用することを提案されている。
【0057】
このように、本発明の鍵となる特徴はAPCsによる内生の迅速かつ強力な応答を利用するペプチドの添加において、危険な病原体と認識された種すなわちマイコバクテリアHSPペプチドのモチーフがこれらのモチーフと組み合わせて提示されたとき即時注目と抗原の捕捉を保証する添加である。分析はFreundのComplete Adjuvantの高い効率が、付随するすべてのマイコバクテリア残骸および油滴なしで、積み込まれた抗原と一緒に燐脂質ベシクル内にこれらのモチーフを取り込むことによって得られることを示唆している。
【0058】
マイコバクテリアHSP/SP−Aモチーフで準備した燐脂質ベシクルの組成
燐脂質ベシクルは上述の比率で燐脂質とコレステロールで構成される。Aaモチーフは燐脂質ベシクルの形成において水和過程で使用された通常の(0.9%)食塩水内に溶質(一覧表示濃度)として存在する。
【0059】
調整された小肉芽種接種のためのトレハロースジミコレートを取り込む免疫刺激燐脂質ベシクル
本発明は調整された小肉芽種接種のためのトレハロースジミコレートを取り込む免疫刺激燐脂質ベシクル;宿主内に免疫治療応答を引き起こすためにインヴィトロで自家プロフェッショナルおよびノンプロフェッショナルAPCsに抗原を提示するためのSP−Aペプチド配列77−110を取り込む燐脂質ベシクル;およびトレハロースジミコレートとSP−Aペプチド配列77−110を取り込む燐脂質ベシクルも提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
物質を樹状細胞内に取り込むためのプロセスの概略図である。
【図2】
医薬品調製に使用する樹状細胞の概略図である。
〔本書中の参照文献〕
これらの文献および上記で参照したすべての引用はこの参照をもって本開示に含まれる。
Dobbie JW (1988)中皮とタイプII肺胞の超微構造類似性と腹膜による燐脂質界面活性剤産生へのそれらの関与(Ultrastructual similarities between mesothelium and Type II pneumocytes and their relevance to phospholipid surfactant production by the peritoneum.)
出所:Advances in Continuous Ambulatory Peritoneal Dialysis, (Eds: Khanna R, Nolph KD, Prowant B), University of Toronto Press, Toronto, pp. 47−53.
Dobbie JW, Pavlina T, Lloyd J, Johnson RC (1988)腹膜中皮によるホスファチジルコリン合成:腹膜透析におけるその意味(Phosphatidylcholine synthesis by peritoneal mesothelium: Its implications for peritoneal dialysis)Am. J. Kid. Dis. 12, 31−36.
Dobbie JW, Lloyd JK (1989) 中皮は界面活性剤のタイプII肺胞分泌に類似の仕方で層状体を分泌する。(Mesothelium secretes lamellar bodies in a similar manner to Type II pneumocyte secretion of surfactant.)Perit. Dial. Int. 9:215−219.
Dobbie JW, Tasiaux N, Meijers P,他 (1994) リウマチ性疾患における自己抗原の可能な部位としての滑膜細胞、中皮および特異的上皮内の層状体。(Lamellar bodies in synoviocytes, mesothelium and specific epithelia as possible site of auto−antigen in rheumatoid disease.)B J Rheum 33:508−519.
Dobbie JW, Hind C, Meijers P, Bodart C, Tasiaux N, Perret J, Anderson JD. (1995) 層状体分泌:滑膜細胞の未調査機能の超微構造分析。(Lamellar body secretion: Ultrastructural analysis of an unexplored function of synoviocytes,)Br J Rheum 34:13−23.
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Ellis J.(1987)Nature328:378−79.
Pelham H (1988) Nature 332:776−77.
Claims (24)
- 免疫応答を発生するための燐脂質ベシクルにおいて、抗原またはその中の抗原を暗号化するための多核酸を有し、抗原生成細胞によって貪食されるのに適している燐脂質ベシクル。
- 多層状である請求項1に記載の燐脂質ベシクル。
- コレステロールと、
スフィンゴミエリンと、
ホスホティジルコリンと、
ホスホティジルエタリイミンと、
ホスホティジルセリンと、
ホスホティジルイノシトルのリストと、の1つ以上を含む請求項1または請求項2に記載の燐脂質ベシクル。 - 燐脂質組成はコレステロールが20%未満であることを特徴とする先行請求項のいずれかに記載の燐脂質ベシクル。
- 燐脂質組成はスフィンゴミエリンが少なくとも15%であることを特徴とする先行請求項のいずれかに記載の燐脂質ベシクル。
- 燐脂質ベシクルの燐脂質組成は、数字を重量百分率とする時:
ホスホティジルコリン44から60%、スフィンゴミエリン50から25%、ホスホティジルエタノルアミン6から10%、ホスホティジルセリン2から6%、ホスホティジルイノシトル2から4%およびコレステロール4から12%を含む、先行請求項のいずれかに記載の燐脂質ベシクル。 - 燐脂質ベシクルの燐脂質組成は、数字を重量百分率とする時:
ホスホティジルコリン54%、スフィンゴミエリン19%、ホスホティジルエタノルアミン8%、ホスホティジルセリン4%、ホスホティジルイノシトル3%およびコレステロール10%を含む、先行請求項のいずれかに記載の燐脂質ベシクル。 - 燐脂質組成はリソレシチンを含有することを特徴とする先行請求項のいずれかに記載の燐脂質ベシクル。
- 燐脂質組成はリソレシチンが重量で0から3%含有することを特徴とする請求項8に記載の燐脂質ベシクル。
- ベシクルの燐脂質組成は2%のリソレシチンを含むことを特徴とする請求項8または9に記載の燐脂質ベシクル。
- ベシクルは哺乳類の身体から単離した層状体であることを特徴とする先行請求項のいずれかに記載の燐脂質ベシクル。
- 接種作用物質として使用するための先行請求項のいずれかに記載の燐脂質ベシクル。
- 配列IDNo.1またはIDNo.2で規定されるペプチド配列を有し、さらに配列IDNo.3またはIDNo.4で規定されるペプチド配列を有する蛋白質。
- 請求項13に記載の蛋白質において、
免疫応答を誘導するときのアジュバントとして作用することを特徴とする蛋白質。 - 配列IDNo.1またはIDNo.2で規定されるものと同一あるいは類似のペプチド配列を有する、あるいはさらに配列IDNo.3またはIDNo.4で規定されるものと同一あるいは類似のペプチド配列を有し、結果としての蛋白質が免疫応答を発生するアジュバントとして作用することができることを特徴とする請求項13または14に記載の蛋白質。
- 蛋白質が、
オリジナルに対して99%の相同性を示す請求項15に記載の蛋白質。 - 蛋白質が、
オリジナルに対して99%と75%の間の相同性を示す請求項15に記載の蛋白質。 - (a)請求項13から17に記載の蛋白質と;
(b)トレハロースジミコレートと:
を含む群から選択された蛋白質をその中に有する請求項1から12に記載の燐脂質ベシクル。 - 請求項1から12および請求項18に記載の燐脂質ベシクルの取り込みによって修飾された、哺乳類の身体から単離した抗原提示細胞から成る細胞免疫応答を誘導するための修飾された抗原提示細胞。
- 抗原提示細胞が、
樹状細胞であることを特徴とする請求項19に記載の修飾された抗原提示細胞。 - 請求項1から12および請求項18に記載の燐脂質ベシクル、または請求項19と20に記載の修飾された樹状細胞および医薬品として許容できるキャリアを混合するステップからなる樹状細胞内に抗原を組み込む方法。
- 請求項1から12および請求項18に記載の燐脂質ベシクル、または請求項19と20に記載の修飾された樹状細胞および医薬品として許容できるキャリアとから成る免疫応答を誘導するための医薬品組成物。
- 宿主内の免疫治療応答に影響するようにインヴィトロで自家プロフェッショナルおよびノンプロフェッショナル抗原掲示細胞に抗原を提示するためのSP−Aペプチド配列77−110を取り込む請求項1から11および請求項15に記載の燐脂質ベシクル。
- トレハロースジミコレートとSP−Aペプチド配列77−110を取り込む請求項1から11および請求項15に記載の燐脂質ベシクル。
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