JP2004515245A - C型レクチン様ドメインの骨格構造を有する蛋白質のコンビナトリアルライブラリ - Google Patents
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Abstract
Description
(発明の分野)
本発明では、いわゆるC型レクチン様ドメイン(CTLD)を含有する蛋白質から得られたリガンド結合蛋白質単位のランダムライブラリの作製に関する系について説明するが、C型レクチンの糖認識ドメイン(CRD)がこのような蛋白質ドメインファミリーの一例である。
【0002】
(発明の背景)
C型レクチン様ドメイン(CTLD)とは、多くの動物種から単離されたいくつかの蛋白質で確認された蛋白質ドメインファミリーである(Drickamer及びTaylor(1993)及びDrickmer(1999)で論じられている)。最初に、CTLDドメインはいわゆるC型レクチン(カルシウム依存性糖結合蛋白質)に共通なドメインとして同定され、「糖認識ドメイン」(「CRD」)と命名された。さらに最近、このドメインは多くの真核細胞蛋白質に分布していることが明らかになってきており、そのうちのいくつかは糖部分に結合しないので、基準となるドメインはCTLDと命名された。
【0003】
CTLDは、糖質、脂質、蛋白質、及び氷でさえも含めた非常に様々な化合物に結合することが報告されている(Aspberg他(1997)、Bettler他(1992)、Ewart他(1998)、Graversen他(1998)、Mizumo他(1997)、Sano他(1998)、及びTormo他(1999))。蛋白質の中には、CTLDが1コピーのみ存在するものがあれば、このドメインを2個から多数コピーを含有する蛋白質もある。生理学的機能単位において、CTLD数の多様性は、単一コピー蛋白質プロモータがより大きな構造に組み込まれることによって実現することが多い。
【0004】
CTLDは約120個のアミノ酸残基から成り、2個又は3個の鎖内ジスルフィド結合を含有することが特徴である。CTLDと異なる蛋白質との間のアミノ酸配列レベルでの同一性は比較的低いが、いくつかのCTLDの3D構造は非常に保存されおり、構造的な変化は、5個までのループによって限定されることが多いいわゆるループ領域に本質的に限られている。いくつかのCTLDは、1個又は2個のカルシウム結合部位を含有し、カルシウムと相互作用する側鎖のほとんどはループ領域に位置している。
【0005】
3D構造の情報が入手可能なCTLDに基づいて、基準となるCTLDの構造的な特徴は7個の主要な2次構造要素(すなわち、5個のβ鎖及び2個のαへリックス)が特徴で、β1、α1、α2、β2、β3、β4及びβ5の順番で出現することが推測された(図1及びその中に挙げた文献)。3D構造が決定されたCTLDはいずれも、β鎖は2本の逆平行βシート状に配置されており、1本はβ1及びβ5から成り、もう1本はβ2、β3及びβ4から成る。他のβ鎖、β0は配列中β1より前にあることが多く、存在する場合はβ1、β5シートを組み込んで別の鎖を形成する。さらに、2個のジスルフィド結合のうち、1個はα1とβ5(CI〜CIV、図1)とを連結し、もう1個はβ3とβ4及びβ5とを連結するポリペプチドセグメント(CII〜CIII、図1)を連結しており、今までのところ特徴付けられた全てのCTLDに一様に発見されている。CTLDの3D構造では、これら保存された2次的構造要素は、ここでは集合的に「ループ領域」と呼ぶ、核から突出したいくつかのループのためのコンパクトな骨格を形成する。これらのループは、2セグメント、ループセグメントA、LSA、及びループセグメントB、LSBから構成されたCTLDの一次構造に存在する。LSAは、β2とβ3とを連結した長いポリペプチドセグメントで表され、規則的な二次構造を欠いていることが多く、ループを4個まで含んでいる。LSBはβ鎖β3及びβ4を連結したポリペプチドセグメントで表される。LSAの残基は、β4の単一残基と共に、テトラネクチンを含めたいくつかのCTLDのCa2+及びリガンド結合部位に特異性を示した。たとえば、1個又は数個の残基を置換する突然変異誘発研究によって、結合特異性、Ca2+感受性及び/又は親和性の変化はCTLDドメインによって調節できることが示された[Weis及びDrickamer(1996)、Chiba他、(1999)、Graversen他、(2000)]。
【0006】
前述のように、たとえば、配列比較方法及び蛋白質化学の分野で通常使用される分析手段を使用して、図1に示した構造が特徴づけられたCTLD群と予想CTLD配列との配列比較によって評価したとき、CTLD全体にわたる配列同一性は限定されることが多い。このような配列比較では、一般的に予想CTLDの残基の22〜30%は、少なくとも1個の構造が特徴づけられたCTLDの対応する残基と同一であろう。図1で示した配列比較は、実際の3D構造データから厳密に解明され、フレームワークの対応する構造要素のポリペプチドセグメントはまた高い配列同一性を示すという事実によって、配列比較から容易に推定できる一連の直接的な配列構造記号が得られる。
【0007】
CTLDはまた、正確な3D構造の情報が未だ得られていなくても新型のCTLDライブラリの構造のフレームワークとして使用できることがわかる。正確な3D構造が得られていないCTLDをベースとして、このような新型のCTLDライブラリを構築するための開始物質を調製するために関連する他の特定の段階は以下の通りで、(1)新規CTLDと図1で示した配列との配列比較、及び(2)配列比較によって導かれたフレームワーク構造要素に隣接した位置の指定、2個の保存されたジスルフィド結合(図1のCI−CIV及びCII−CIII)の形成に関連する4個の基準システイン残基を正確に位置決定するために配列比較の微調整の必要性が認められる。これらの段階の主な目的は、β2鎖、β3鎖及びβ4鎖に対応するセグメントが配列に隣接するように、新規CTLDのループ領域の配列位置を明らかにすることであろう。このためにさらに参考となるように、29個の真性CTLDの配列を分析して、典型的なテトラペプチド配列の形態、CTLDβ2鎖及びβ3鎖の一部として発見されたそれらのコンセンサス配列、及び説明したような位置及び配列特性によるβ4鎖の正確な配置を以下の表1に挙げる。
【0008】
【0009】
29本のβ2鎖のうち、
14本はコンセンサス配列WIGXと一致することがわかった(そのうち12本はWIGL配列で、1本はWIGI配列で、1本はWIGV配列であった);
3本はコンセンサス配列WLGXと一致することがわかった(そのうち1本はWLGL配列で、1本はWLGV配列で、1本はWLGA配列であった);
3本はWMGL配列であることがわかった;
3本はコンセンサス配列YLXMと一致することがわかった(そのうち2本はYLSM配列で、1本はYLGM配列であった);
2本はWVGX配列であることがわかった(そのうち1本はWVGL配列で、1本はWVGA配列であった);及び
収集したうちの残り4本のβ2鎖の配列はそれぞれ、FLGI、FVGL、FIGV及びFLSM配列であった。
【0010】
したがって、4本の残りのβ2コンセンサス配列(「β2cseq」)は以下のように定められるものと考えられる。
残基1:芳香族残基、最も好ましくはTrp、より好ましくはPheで、やや好ましくはTyrである。
残基2:脂肪族又は非極性残基、最も好ましくはIle、より好ましくはLeu又はMetで、やや好ましくはValである。
残基3:脂肪族又は親水性残基、最も好ましくはGlyで、やや好ましくはSerである。
残基4:脂肪族又は非極性残基、最も好ましくはLeuで、より好ましくはMet、Val、又はIleである。
【0011】
したがって、β2コンセンサス配列は以下のように要約することができる。
β2cseq:(W,Y,F)−(I,L,V,M)−(G,S)−(L,M,V,I)
式中、下線を引いた残基はこの配列位置で最も一般的に見られる残基を示す。
【0012】
分析した29本のβ3鎖全ては、公知のCTLD配列全ての標準となるCysII残基で始まっており、29本のβ3鎖のうち、
5本はコンセンサス配列CVXIと一致することがわかった(そのうち3本はCVEI配列で、1本はCVTI配列で、1本はCVQI配列であった);
4本はコンセンサス配列CVXMと一致することがわかった(そのうち2本はCVEM配列で、1本はCVVM配列で、1本はCVMM配列であった);
6本はコンセンサス配列CVXLと一致することがわかった(そのうち2本はCVVL配列で、2本はCVSL配列で、1本はCVHL配列で、1本はCVAL配列であった);
3本はコンセンサス配列CAXLと一致することがわかった(そのうち2本はCAVL配列で、1本はCASL配列であった);
2本はコンセンサス配列CAXFと一致することがわかった(そのうち1本はCAHF配列で、1本はCAEF配列であった);
2本はコンセンサス配列CLXLと一致することがわかった(そのうち1本はCLEL配列で、1本はCLGL配列であった);及び
収集したうちの残りの7本のβ3鎖の配列はそれぞれ、CVYF、CVAQ、CAHV、CAHI、CLEI、CIAY、及びCMLL配列であった。
【0013】
したがって、4本の残りのβ3コンセンサス配列(「β3cseq」)は以下のように定められるものと考えられる。
残基1:Cys、CTLDの標準的CysII残基である。
残基2:脂肪族又は非極性残基、最も好ましくはVal、より好ましくはAla又はLeuで、やや好ましくはIle又はMetである。
残基3:最も一般的には脂肪族又は荷電残基で、最も好ましくはGluである。
残基4:最も一般的には脂肪族、非極性、又は芳香族残基で、最も好ましくはLeu又はIleで、より好ましくはMet又はPheでやや好ましくはTry又はValである。
【0014】
したがって、β3コンセンサス配列は以下のように要約することができる。
β3cseq:(C)−(V,A,L,I,M)−(E,X)−(L,I,M,F,Y,V)
式中、下線を引いた残基はこの配列位置で最も一般的に見られる残基を示す。
【0015】
CTLDの公知の3D構造(図1)をよく見ると、β4鎖は一次構造において公知の全CTLDの標準的CysIII残基に対して−6位から−2位に位置する5個の残基に含まれることが最も多く、それほど多くはないが公知の全CTLDの標準的CysIII残基に対して−5位から−2位に位置する4個の残基に含まれる。CysIIIに対して−3位に位置する残基は、この部位を含むCTLDのこの部分での2個のカルシウムイオンの配位に関与しており、この考えは表1で分析した29個のCTLD配列のうち、27個はこの位置にAsp残基又はAsn残基を有するが、2個のCTLDはこの位置にSerを有するという知見に反映されている。公知のCTLDの3D構造から、CysIII残基に対して−5位に位置する残基がCTLD骨格の疎水性核の形成に関与していることもまた理解されよう。この考えは、分析した29個のCTLD配列のうち、25個はこの位置にTrp残基を有し、3個はLeu残基を有し、1個はAla残基を有するという知見に反映されている。分析した29個のCTLD配列のうち、18個は−4位にAsn残基を有する。さらに、29本のβ4鎖セグメントのうち19本はGly残基が前にある。
【0016】
β4鎖の標準CysIII残基に対して−5、−4及び−3位に位置する29個の中心的な3残基モチーフのうち、
22個は配列WXDであり(18個はWND、2個はWKD、1個はWFDで、1個はWWDであった)、
2個はWXN配列であり(1個はWVNで、1個はWSNであった)、
残りの5個のモチーフ(WRS、LDD、LDN、LKS及びALD)はそれぞれ分析中1回だけ現れた。
【0017】
現在では、CTLDドメインファミリーのそれぞれの要素ドメインは、新規蛋白質ライブラリを構築するための魅力的な標的であり、それによって新しいリガンド標的に親和性のある要素ドメインがスクリーニング及び選択方法を使用して同定及び単離できることがわかってきた。このようなライブラリは、CTLDのループ領域が部分的又は完全に1個又は複数のランダムポリペプチドセグメントで置換されたCTLDフレームワーク構造を結合することによって構築することができる。
【0018】
骨格として使用した蛋白質がテトラネクチン又はテトラネクチンのCTLDドメインであるような1系が特に興味深い系として認識されているのは、テトラネクチンプロモータの3量体複合体の安定性が非常に優れているために他ならない(国際特許出願公開番号WO98/56906 A2)。
【0019】
テトラネクチンは3量体の糖蛋白質で(Holtet他(1997)、Nielsen他(1997))、ヒト血漿から単離され、ある組織の細胞外マトリックスに存在することが発見された。テトラネクチンは、カルシウム、多糖類複合体、プラスミノーゲン、フィブリノーゲン/フィブリン、及びアポリポ蛋白質(a)に結合することが知られている。プラスミノーゲンとアポリポ蛋白質(a)との相互作用は、その中のいわゆるクリングル4蛋白質ドメインが媒介している。この相互作用はカルシウム及びアミノ酸リジンの誘導体に対して感受性であることが知られている(Graversen他(1998))。
【0020】
ヒトテトラネクチンは特徴づけられており、ヒト及びマウス両方のテトラネクチンcDNAクローンが単離された。ヒト及びマウス両方の成熟蛋白質は181個のアミノ酸残基を含む(図2)。完全長組換えヒトテトラネクチン及び単離されたテトラネクチンCTLDの3D構造は、2つの別々の研究で決定された(Nielsen他(1997)及びKastrup他(1998))。テトラネクチンは2個又は場合によっては3個のドメインを有する蛋白質で、すなわちポリペプチド鎖の主な部分がCTLDを含み(アミノ酸残基Gly53からVal181)、一方Leu26からLys52の領域はアルファへリックスをコードし、平行コイルドコイルホモ3量体の形成による蛋白質の3量体形成を制御する。Glu1からGlu25のポリペプチドセグメントは、多糖類複合体が結合する部位(Lys6からLys15)を含み(Lorentsen他(2000))、3量体構造の安定性に寄与しているようである(Holtet他(1997))。2種類のアミノ酸残基Lys148及びGlu150はループ4に位置し、(β4に位置する)Asp165はプラスミノーゲンクリングル4結合に極めて重要で、一方(ループ3の)残基Ile140及び(β4の)Lys166及びArg167は、いくらか重要であることが示された(Graversen他(1998))。芳香族残基による(ループ4の)Thr149の置換は、テトラネクチンのクリングル4に対する親和性を著しく増大させ、プラスミノーゲンクリングル2に対する親和性を野生型テトラネクチンのクリングル4に対する親和性に匹敵する程度まで増大させることが示された(Graversen他(2000))。
【0021】
(発明の目的)
本発明の目的は、関心のある物質に高い親和性及び特異性で結合することが可能な結合部位を付与された有用な蛋白質産物を創出する新しい実用的方法を提供することである。
【0022】
本発明では、組換え抗体分野で通常使用される標準的なコンビナトリアル蛋白質化学方法を適用することによって、このような新規の有用な蛋白質産物を有利に得て、各要素ドメインがCTLDと類似した本質的に共通な核構造を含有する蛋白質基本単位のランダムコンビナトリアルライブラリを作製することができる1方法を説明する。
【0023】
天然に生じるCTLDの結合部位の立体配置が様々であることによって、共通の核構造は本質的に立体配置が異なる多くのリガンド結合部位を含み得ることが示唆される。したがって、CTLDは特によく研究されており、このような所望する結合特性を備えた有用な新規蛋白質産物を構築する基礎として役立っている。
【0024】
実用面では、現在抗体生成物を生化学的技術アッセイ系又はin vitro又はin vivoにおける診断アッセイ系の重要な試薬として、又は治療組成物の活性成分として使用している適用において、新規の人工的CTLD蛋白質生成物を使用することができる。
【0025】
in vitroアッセイ系の成分として使用する場合、この人工CTLD蛋白質産物は、新規蛋白質産物の結合部位がそれぞれ、単一の構造的に自立した蛋白質ドメインに含まれるような抗体誘導体であることが好ましい。CTLDドメインは、蛋白質分解に耐性で、CTLDのN末端又はC末端に他の蛋白質ドメインが接着してもリガンド結合部位の安定性も接近しやすさも損なわれない。したがって、基本分子を組み立てて構築するために、たとえば、ペルオキシダーゼ、ホスファターゼ又は任意のその他のシグナル媒介部分のような適切なレポータ基本単位に加えて特異性が同一又は同一ではない複数のCLTDを含めるために、CTLD結合基本単位を構造単位として容易に利用することができる。
【0026】
in vivoにおける診断又は治療目的のために使用する組成物の本質的な成分としてin vivoで使用する場合、ヒトCTLDに基づいて構築された人工的CTLD蛋白質産物は、体内に既に存在する対応する天然のCTLD蛋白質とほぼ同一であり、したがって患者で惹起される免疫応答は最小限であるものと予期される。単一CTLDの大きさは、機能を備えた最小抗体誘導体、1本鎖Fv誘導体の約半分で、大きさが小さいことによって、組織によりよく浸透及び分布することができ、並びに循環中の半減期が短いので適用によっては有利であることができる。たとえば完全なテトラネクチン3量体又はさらに多量体化したコレクチンに対応するCTLD蛋白質の多価形態、たとえば、マンノース結合蛋白質によって、結合容量及び結合力は増大し、循環半減期は長くなる。
【0027】
本発明の好ましい実施形態の一つの特に有利な点は、マウス及びヒトのテトラネクチンによって例示されるように、ほ乳類テトラネクチンが本質的に同一の構造であるという事実から生じる。種間でこのように保存されていることによって、たとえば、マウスとヒトのテトラネクチン誘導体の間でリガンド結合特異性を定めるポリペプチドセグメントを簡単に交換することが可能となるので、実用面で非常に重要である。任意選択でテトラネクチン誘導体の間で種の遺伝的背景が容易に交換できることは、マウス抗体誘導体の「ヒト化」を実施する際によく知られている複雑さとは全く対照的である。
【0028】
本発明の他の利点は、
さらに再構成することなく小規模で、及び大規模で細菌(たとえば、Escherichia coli)で産生できる最終的な蛋白質産物に最初に選択された蛋白質誘導体を確実に変換する一般的かつ簡単な方法が利用できること(国際特許出願公開番号WO94/18227 A2)、
簡単かつ一般的な手段によって同様の機能を有する蛋白質単位に任意にいくつかの同一又は同一ではない結合部位を含め、それによって相互作用の結合能力によって、又は2機能性、又は異なる機能性を備えた分子集合体の構築によって親和性が弱くても活用できるようになること(国際特許出願公開番号WO98/56906 A2)、
CTLDの1個又は複数の保存された金属結合部位(類)を備えたコンビナトリアルライブラリに2価の金属イオン(たとえば、カルシウムイオン)を添加又は除去することによって結合が調節可能であることである。
【0029】
(発明の概要)
本発明は、それぞれがC型レクチン様ドメイン(CTLD)の骨格構造を有する蛋白質である非常に多くの有用な新規蛋白質を提供するものであり、前記蛋白質はCTLDの骨格構造が実質的に維持されるような程度までαへリックス及びβ鎖及び連結セグメントが保存されており、一方ループ領域はアミノ酸置換、欠損、挿入又はそれらの任意の組合せによって変更されたモデルCTLDの変種を含むが、但し、前記蛋白質は以下の表2に挙げたC型レクチン様蛋白質又はC型レクチンの公知のCTLDループ誘導体のいずれでもない。
【0030】
【0031】
【0032】
【0033】
通常モデルCTLDは、以下の主要な第2構造要素を特徴とする図1に示した第2構造配置に適合する3D構造を有することによって定義される。
β1、α1、α2、β2、β3、β4、及びβ5の順番に並んだ5個のβ鎖及び2個のβへリックスがあり、β鎖は2本の逆平行βシート状に配置されており、1本はβ1及びβ5から成り、もう1本はβ2、β3及びβ4から成ること、
少なくとも2個のジスルフィド結合があり、1個はα1とβ5を連結し、もう1個はβ3とβ4及びβ5を連結するポリペプチドセグメントとを連結すること、
2個のポリペプチドセグメント、β2とβ3とを連結し、一般的に15〜70個、又はやや一般的に5〜14個のアミノ酸残基を含むループセグメントA(LSA)、β3とβ4とを連結し、一般的に5〜12個、又はやや一般的に2〜4個のアミノ酸残基を含むループセグメントB(LSB)から成るループ領域があること。
【0034】
しかし、正確な3D構造が入手できないCTLDもまた、モデルCTLDとして使用することができる。このようなCTLDは、アミノ酸配列同一性で表示したとき少なくとも22%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも30%の、CTLDファミリーの確認済み要素ドメインとの配列類似性を示し、保存された2個のジスルフィド結合形態を確立するために必要なシステイン残基(すなわち、CysI、CysII、CysIII及びCysIV)を含有することによって定義される。次に、ループセグメントLSA及びLSBから成るループ領域、及び隣接したβ鎖構造要素は、図1に示したCTLD収集物と配列比較点検することによって確認することができ、β2鎖及びβ3鎖の配列位置は、これらの配列を4残基のコンセンサス配列、β2cseq及びβ3cseq、及び保存されたCysIII残基に対して一般的に−6位から−2位、やや一般的には−5位から−2位に位置するβ4鎖セグメントとを比較し、表1で説明した、前記の発明の背景にある物を除外した−5位及び−3位の特徴的な残基とを比較することによってさらに証明されて明らかとなる。
【0035】
モデルCTLDにおいて、CTLDの骨格構造が実質的に維持されるような程度までαへリックス及びβ鎖及び連結セグメントが保存されるかどうか決定するために、同様の考察を行う。
【0036】
モデルCTLDのαへリックス及び/又はβ鎖及び/又は連結セグメントには10個まで、好ましくは4個まで、より好ましくは1個又は2個のアミノ酸残基が置換、欠失又は挿入されていることが望ましい可能性がある。特に、CTLDの骨格構造を実質的に維持しながら、容易にループ領域の一部又は全部を切除し、変更したアミノ酸配列を挿入するために、CTLDをコードするヌクレオチド配列中に1個又は複数個の制限エンドヌクレアーゼ認識部位を導入する結果として、モデルCTLDのβ鎖中に4残基までを変化させることができる。
【0037】
特に関心が持たれるのは、モデルCTLDがテトラネクチンの場合である。周知のテトラネクチン、モデルCTLDとして使用できるCTLDは、ヒトテトラネクチン及びマウステトラネクチンである。したがって、本発明による蛋白質にはこのようなモデルCTLDの変種が含まれる。
【0038】
本発明による蛋白質には、CTLD変種のN末端及び/又はC末端の伸長部を含めることができ、このような伸長部には、たとえばエフェクター、酵素、他の結合及び/又は多量体化用官能基が含んでもよい。特に、前記伸長部は、天然のC型レクチン様蛋白質又はC型レクチン又は機能性膜貫通ドメインを欠損したそれらの「可溶性」変種の非CTLD部分であってもよい。
【0039】
本発明による蛋白質はまた、CTLD変種を含む部分の多量体、たとえば天然のテトラネクチン3量体の誘導体であってもよい。
【0040】
好ましい態様では、本発明はC型レクチン用ドメイン(CTLD)の骨格構造を有する蛋白質のコンビナトリアルライブラリを提供し、前記蛋白質には、CTLDの骨格構造を実質的に維持する様な程度までαへリックス及びβ鎖が保存されており、一方CTLDのループ領域又はループ領域の一部は、アミノ酸配列及び/又はアミノ酸残基の数について無作為化されているモデルCTLDの変種が含まれる。
【0041】
このようなライブラリを構成する蛋白質には、本発明の前記蛋白質で定義されたモデルCTLDの変種が含まれ、該変種にはこのような蛋白質について記載された変更を含めることができる。
【0042】
特に、本発明のコンビナトリアルライブラリは、モデルCTLDがテトラネクチンのモデルCTLD、たとえばヒトテトラネクチン又はマウステトラネクチンのモデルである蛋白質から成ることができる。
【0043】
本発明のコンビナトリアルライブラリは、CTLD変種のN末端及び/又はC末端伸長部を含む蛋白質から成ることが可能で、このような伸長部には、たとえばエフェクター、酵素、他の結合及び/又は多量体化用官能基を含めることができる。特に、前記伸長部は、天然のC型レクチン用蛋白質又はC型レクチン又は機能性膜貫通ドメインを欠損したそれらの「可溶性」変種の非CTLD部分であることが可能である。
【0044】
本発明によるコンビナトリアルライブラリはまた、CTLD変種を含む部分の多量体である蛋白質、たとえば天然のテトラネクチン3量体の誘導体から構成されてもよい。
【0045】
本発明はまた、天然テトラネクチンの誘導体であって、そのCTLDのαへリックス及び/又はβ鎖及び/又は連結セグメントに10個まで、好ましくは4個まで、より好ましくは1個又は2個のアミノ酸残基が置換、欠失又は挿入されている誘導体並びにこのような誘導体をコードする核酸を提供する。特定の誘導体は、配列番号2、4、9、11、13、15、29、31、36及び38で表され、特定のテトラネクチン誘導体をコードするヌクレオチド挿入部分を含む核酸は、配列番号12、14、35及び37で表される。
【0046】
本発明には、β2、β3又はβ4をコードする核酸セグメント、又はβ2、β3又はβ4をコードする核酸セグメントに属する任意のヌクレオチドから得られた配列の30ヌクレオチド上流又は下流にエンドヌクレアーゼ制限部位を生じるようにテトラネクチン誘導体をコードする核酸が変更された、本発明によるコンビナトリアルライブラリの調製に適合したテトラネクチン誘導体の構築方法が含まれる。
【0047】
本発明にはまた、そのCTLDのループ領域をコードする核酸配列の一部又は全部を無作為化することによって関連する蛋白質をコードするヌクレオチド配列のライブラリを調製するために、テトラネクチンをコードするヌクレオチド配列、又はそのCTLDの骨格構造が実質的に維持されたそれらの誘導体を使用することが含まれる。
【0048】
さらに、本発明は、本発明による蛋白質をコードする任意のヌクレオチド配列を含む核酸を提供する。
【0049】
特に、本発明は集合して核酸の前記ライブラリを構成する核酸集合体の要素核酸がディスプレイ系で発現することが可能な本発明によるコンビナトリアルライブラリの蛋白質をコードする核酸のライブラリを提供し、ディスプレイされた発現産物の特性を表す表現型をディスプレイする単位と対応する遺伝子型との間の論理的、物理的又は化学的つながりを提供する。
【0050】
このようなライブラリでは、ディスプレイ系は、
(I)ファージディスプレイ系、たとえば、
(1)核酸ライブラリが、
(a)ファージミドベクター、
(b)ファージのウイルスゲノム、
(c)精製した1本鎖又は2本鎖型の精製ウイルス核酸に挿入された繊維状ファージfd、又は
(2)該ライブラリが、
(a)精製ラムダファージDNA、又は
(b)ラムダファージ粒子の核酸に挿入されたラムダファージ、又は
(II)核酸ライブラリがバキュロウイルスなどの真核ウイルスのウイルス核酸に挿入されたウイルスディスプレイ系、又は
(III)宿主ゲノム又は染色体外因子に組み込まれることが可能で、細胞内でそれ自身が維持され発現し、
(a)細菌細胞、
(b)酵母細胞、又は
(c)ほ乳類細胞の表面上での細胞表面ディスプレイに適した核酸担体に核酸ライブラリが挿入されるか、又は隣接している細胞をベースとしたディスプレイ系、又は
(IV)核酸ライブラリが挿入されたリボソーム結合ディスプレイに適した核酸単位、又は
(V)核酸ライブラリが挿入されたプラスミド結合ディスプレイに適したプラスミドから選択することができる。
【0051】
周知の有用なディスプレイ系は、Amersham Pharmacia Biotechによって供給されているファージミドベクター「pCANTAB 5E」を備えた「組換えファージ抗体システム」(コード番号27−9401−01)である。
【0052】
さらに、本発明は、本発明による蛋白質であって、スクリーニング又は選択によって1個又は複数のCTLDライブラリから単離された新規ループ領域配列を有する少なくとも1個又は複数の同一又は異なったCTLDドメインを含む蛋白質の調製方法を提供する。少なくとも1個のこのようなCTLDドメインは突然変異によってさらに変更されてもよく、少なくとも1個のCTLDドメインを含有する蛋白質は化学的、又は酵素的結合又は架橋結合によって2個以上の成分から組み立てられてもよい。
【0053】
また、本発明は以下の段階、
1)適切なベクターにモデルCTLDを含む蛋白質をコードする核酸を挿入する段階、
2)必要ならば、部位特異的突然変異によって制限エンドヌクレアーゼ認識部位を導入する段階であって、前記認識部位がCTLDのループ領域又はその一部をコードする配列の末端又は末端近くの配列に適当に位置している段階、
3)適切な制限エンドヌクレアーゼを使用することによってループ領域又はループ領域の一部をコードするDNA断片を切除する段階、
4)DNA断片混合物を制限ベクターに連結する段階、及び
5)CTLDの骨格構造を有する無作為化蛋白質を適切な溶媒中で発現するベクターを導入する段階を含む本発明によるコンビナトリアルライブラリの調製方法を提供する。
【0054】
他の態様では、本発明は、以下の段階、
1)ディスプレイ系で蛋白質ライブラリをディスプレイするために、請求項59から請求項61までのいずれか一項に記載の核酸ライブラリを発現する段階、
2)ディスプレイされた単位収集物を適切なタグ付き標的物質と接触させる段階であって、そのために前記標的物質に親和性を示すCTLD由来物の単離が望まれる段階、
3)アフィニティ精製の媒体又は手段として前記標的物質を結合させるか、又は物理的に付着させるか、接着させたタグ、この分野では通常「アフィニティパニング(affinity panning)」と呼ばれる方法、その後サブライブラリの再増幅を利用して、親和性を基にした選択的抽出によって前記標的物質に親和性を示すディスプレイされた単位の部分集団を収集する段階、
4)適切な少数の優れた結合物候補が得られるまで、パニング及び再増幅を繰り返すことによって着実により優れた結合物を単離する段階、及び
5)所望するならば、個々のクローンのように優れた候補それぞれを単離し、1個又は複数の好ましい産物クローンを最終的に選択するために調製物の通常機能及び構造の特徴付けを行う段階を含む特定の標的を結合するための本発明によるコンビナトリアルライブラリのスクリーニング方法を提供する。
【0055】
さらに他の態様では、本発明は、本発明によるか、又は本発明によるコンビナトリアルライブラリから選択した蛋白質を再構成し、及びループ領域をコードする核酸断片を切除することによって所望する他の種適合フレームワークに所望する結合特性を示すCTLD変種を含める方法、すなわち、ポリペプチドの置換及びPCR技術を使用した前記蛋白質をコードする核酸の任意の必要な単一フレームワーク変異、部位特異的突然変異又は制限酵素消化及び所望する他のCTLDフレームワークをコードする核酸配列を含むディスプレイベクター又は蛋白質発現ベクターの適切な位置への前記核酸断片の挿入を提供する。
【0056】
(発明の詳細な説明)
I.定義
「C型レクチン様蛋白質」及び「C型レクチン」という用語は、任意の真核種に存在する蛋白質、又はゲノムにコードされている蛋白質であって、糖リガンドに結合する1個又は複数のCTLD又はCTLDの亜群、CRDに属する1個又は複数のドメインを含有する蛋白質を意味するために使用する。この定義には具体的に、膜に接着したC型レクチン様蛋白質及びC型レクチン、機能性膜貫通ドメインを欠損した「可溶性」C型レクチン様蛋白質及びC型レクチン、及び糖鎖形成又はその他の任意の合成後の変更によって1個又は複数のアミノ酸残基がin vivoで変更されたC型レクチン様蛋白質及びC型レクチンの変種、並びにC型レクチン様蛋白質及びC型レクチンの化学的変更によって得られた任意の産物が含まれる。
【0057】
請求の範囲及び明細書を通じて、CTLDドメイン又はCTLD含有蛋白質のアミノ酸残基番号に関して、ある種の変更を定めることができる。このアミノ酸の番号付けは、CTLDあるいは天然又は人工のCTLD含有蛋白質産物の最初のN末端アミノ酸から開始し、場合によっては、明白な外部文献又は本明細書の本文中に含まれる図の内部文献にそれぞれの場合が示されている。
【0058】
「アミノ酸」、「アミノ酸類」及び「アミノ酸残基」という用語は、天然に生じるL−α−アミノ酸全てを意味する。この定義には、ノルロイシン、オルニチン、及びホモシステインが含まれることになっている。アミノ酸は、1文字又は3文字の名称のいずれかによって識別する。
【0059】
天然に生じるL−α−アミノ酸は、化学的組成及び側鎖の特性によって分類することができる。荷電及び非荷電の2つに大きく分類することができる。どちらの群も、アミノ酸をより正確に分類するために亜群に分けられる。
A.荷電アミノ酸
酸性残基: Asp、Glu
塩基性残基:Lys、Arg、His、Orn
B.非荷電アミノ酸
親水性残基:Ser、Thr、Asn、Gln
脂肪族残基:Gly、Ala、Val、Leu、Ile、Nle
非極性残基:Cys、Met、Pro、Hcy
芳香族残基:Phe、Tyr、Trp
【0060】
「アミノ酸変更」及び「変更」という用語は、CTLDアミノ酸配列のアミノ酸置換、欠失又は挿入又はそれらの組合せを意味する。本発明のCTLD変種では、このような変更はCTLDアミノ酸配列の部位又は部位類に生じる。本明細書での置換による変種は、天然CTLD配列の少なくとも1個のアミノ酸残基が除去され、その場所の同じ位置に異なるアミノ酸が挿入されたものである。置換は1個、すなわち分子中1個のアミノ酸のみが置換されることが可能で、又は複数、すなわち2個以上のアミノ酸が同分子内で置換されることも可能である。
【0061】
本明細書の置換変種の名称は、1文字、数字、1文字の順に構成される。最初の(最も左の)文字は、天然(未変更)CTLD又はCTLD含有蛋白質のアミノ酸を示す。数字は、アミノ酸置換が生じたアミノ酸位置を意味し、第2の(右の)文字は天然アミノ酸と置換するために使用されたアミノ酸を示す。前述のように、場合によっては、番号付けはCTLD又はCTLD含有蛋白質のN末端アミノ酸配列を示す「1」として開始する。変更物が複数ある場合は、読みやすいようにカンマによって分けて表す。
【0062】
「コードする核酸分子」、「コードするDNA配列」及び「コードするDNA」という用語は、デオキシリボ核酸の鎖に沿ったデオキシリボヌクレオチドの順番又は配列を意味する。これらのデオキシリボヌクレオチドの順番は、ポリペプチド鎖に沿ったアミノ酸の順番を決定する。したがって、このようなDNA配列はアミノ酸配列をコードする。
【0063】
「変異によって無作為化した配列」、「無作為化したポリペプチドセグメント」、「無作為化したアミノ酸配列」、「無作為化したオリゴヌクレオチド」及び「変異によって無作為化した配列」、並びに無作為化した配列、ポリペプチド又は核酸配列又はセグメントを称するために任意の状況で使用した同様の用語は、ポリペプチド又は核酸の集合体の異なる要素物質の間で、1個又は複数の配列位置のアミノ酸残基又はヌクレオチドが異なってよいポリヌクレオチド又は核酸配列又は部分を意味し、したがって、このような配列位置それぞれに生じるアミノ酸残基又はヌクレオチドは、全ての可能なアミノ酸残基又はヌクレオチド又は限定されたそれらの亜集団を含むことができる一連のアミノ酸残基又はヌクレオチドに属することができる。前記用語は、アミノ酸残基又はヌクレオチドの数が集合体のそれぞれの要素物質で同じである集合体を意味するために使用されることが多いが、また、集合体のそれぞれの要素物質のアミノ酸残基又はヌクレオチドの数が適切な範囲の整数内の任意の整数であることが可能な集合体を意味するために使用することができる。
【0064】
II.コンビナトリアルCTLDライブラリの構築及び利用
表現型を表すいくつかの系を、推定リガンド結合基本単位又は推定酵素活性を備えた基本単位に関して説明した。これらには、ファージディスプレイ(たとえば、繊維状ファージfd(Dunn(1996)、Griffiths及びDuncan(1998)、Marks他(1992))、ラムダファージ(Mikawa他(1996))、真核ウイルスにおけるディスプレイ(たとえば、バキュロウイルス(Ernst他(2000)))、細胞ディスプレイ(たとえば、細菌細胞におけるディスプレイ(Benhar他(2000))、酵母細胞(Boder及びWittrup(1997))、及びほ乳類細胞(Whitehorn他(1995))、リボソーム結合ディスプレイ(Schaffitzel他(1999))、及びプラスミド結合ディスプレイ(Gates他(1996))が含まれる。
【0065】
表現型ディスプレイ及び遺伝子型に表現型を結合するために最もよく使用される方法はファージディスプレイである。これは、骨格蛋白質又は関心のある蛋白質をコードするリーディングフレームを、ファージ蛋白質を暴露した表面のドメイン内セグメントに挿入することによって実現する。この目的のために、繊維状ファージfd(たとえば、M13)が最も有用であることが判明した。ポリペプチド、蛋白質ドメイン、又は蛋白質は、「搬出」シグナルとfd遺伝子III蛋白質のドメイン1との間、又はfd−ファージ遺伝子III蛋白質のドメイン2とドメイン3との間のいわゆるヒンジ領域のいずれかに挿入されることが最も多い。新規結合単位を単離するためには、ヒト抗体が最もよく使用される蛋白質であるが、他の蛋白質及びドメインもまた使用されてきた(たとえば、ヒト成長ホルモン(Bass他(1990))、アルカリホスファターゼ(McCafferty他(1991))、β−ラクタマーゼ阻害蛋白質(Huang他(2000))、及び細胞毒性Tリンパ球関連抗原4(Hufton他(2000))。抗体は、scFv又はFab融合蛋白質として発現し存在することが多い。3種類の方法が使用されている。抗原結合溝内を変異によって無作為化した配列のライブラリを作製するための骨格として特異的な抗体を使用するか(たとえば、Fuji他(1998))、又は非免疫宿主(たとえば、Nissim他(1994))又は免疫宿主(たとえば、Cyr及びHudspeth(2000))の遺伝子をコードするヒト抗体の大集合体を表すライブラリをfdファージベクターにクローニングする。
【0066】
CTLDライブラリを作製するためのディスプレイ系の作製の一般的な実施方法には本質的に、
(1)情報が入手可能であれば、選択したCTLDの3D構造を参照することによってループ領域の位置を確認し、又は入手可能でなければ、図1に示した配列と配列比較し、補助としてβ2及びβ3コンセンサス配列要素に対応する配列要素及びβ4鎖特性を確認することによってさらに確かに、β2、β3及びβ4鎖の配列位置を確認すること、
(2)β2、β3及びβ4をコードする配列の近くのエンドヌクレアーゼ制限部位を前もって挿入して、又は挿入しないで、蛋白質ディスプレイベクター系に選択したCTLDをコードする核酸断片をサブクローニングすること、及び
(3)選択したCTLDのループ領域のいくつか又は全てをコードする核酸断片と、多数の核酸断片から成る集合体から無作為に選択された要素核酸断片とを置換することであって、受容フレームワークをコードする核酸配列に挿入すると、元のループ領域ポリペプチド断片をコードする核酸断片と無作為に選択した核酸断片とが置換されることが含まれる。元のループセグメント又は完全なループ領域の代わりに新ポリペプチドをコードするクローニングされた核酸断片それぞれは、新しい配列内で決定されたリーディングフレーム中で翻訳される。
【0067】
核酸断片は、任意の通常の核酸分子クローニング方法によって、たとえば化学的に合成された核酸を受容核酸中に格納する、挿入のためにエンドヌクレアーゼ制限部位が必要ない適切に考案されたPCR操作によって、受容核酸の特定の位置に挿入することができる。あるいは、エンドヌクレアーゼ制限部位の適切な組合せを、適切に設計されたオリゴヌクレオチド断片を核酸の標準的分子クローニング方法を使用して挿入できる標的の核酸に操作することによって、核酸断片の挿入/切除を容易にすることができる。
【0068】
制限エンドヌクレアーゼ部位が便宜上挿入されたCTLDライブラリから単離された興味あるCTLD変種は、元のCTLDに存在する残基に一致することもなく、CTLD変種の興味ある新規親和性の維持に重要でもない変異又は追加アミノ酸残基を含み得ることが明らかであろう。所望するならば、たとえば可能な限り産物に免疫原性を付与しないようにする場合、このような残基は適切ならば、特定のクローンの復帰突然変異又は欠損によって変更又は除去することができる。
【0069】
多数の核酸断片から成る集合体は、核酸断片の化学合成の各段階において予め限定された純粋なヌクレオチドモノマーの組合せ、又はヌクレオチドモノマーの任意の組合せ混合物を添加するために段階合成を行って、通常の核酸化学的合成法によって得ることができる。この方法では、1個の固有の核酸配列から最も複雑な混合物まで、あらゆる程度の配列縮重が生じる可能性があり、固有の配列の最大数4N(Nが配列のヌクレオチドの数である)で完全に又は不完全に表される。
【0070】
あるいは、多数の核酸断片から成る複合体集合体は、たとえば、任意の生物から抽出されたゲノム核酸のような高分子量核酸組成物の化学的、物理的又は酵素的断片化によって核酸断片混合物を生じさせることによって調製することができる。このような核酸断片混合物を分子集合体作製に役立つようにするために、本明細書で説明したように、最初の切断段階で得られた断片の粗混合物を一般的に大きさによって分画して、後で一般的に、大きさによって制限されたオリゴヌクレオチド断片のリンカー包埋混合物が容易に受容核酸ベクターに挿入するように設計された適切な組合せのリンカー核酸に隣接させる適切な分子量範囲の断片を得る。
【0071】
本発明の好ましい実施形態のモデルCTLD、テトラネクチンのコンビナトリアルCTLDライブラリの構築を容易にするために、ヒト及びマウス両方のテトラネクチンのβ2、β3及びβ4をコードする核酸配列の近隣に位置する適切な制限部位は、変更された配列によってコードされたポリペプチド配列の混乱が最小限になるように設計された。以下に詳述したように、考案した方法を確立することが可能で、それによって同一のエンドヌクレアーゼ制限部位を2個の配列の対応する位置に導入することができ、興味のあるループ領域変種を容易に組換えマウスCTLDから切除し、正確にヒトテトラネクチンのCTLDフレームワークに挿入することが可能で、その逆も可能であることがわかった。
【0072】
ヒトテトラネクチンの成熟型をコードするヌクレオチド配列を分析すると(図2)、制限エンドヌクレアーゼBglIIの認識部位は位置326から331に見られ(AGATCT)、β2のコード残基Glu109、Ile110、及びTrp111に関与し、制限エンドヌクレアーゼKasIの認識部位は位置382から387に見られ(GGCGCC)、コードアミノ酸残基Gly128及びAla129(ループ2のC末端に位置する)に関与することが明らかとなる。
【0073】
部位特異的突然変異によるヒトテトラネクチンをコードするヌクレオチドのG513からA及びC514からTへの変異によって、位置511から516の位置にMunI制限エンドヌクレアーゼ認識部位が導入され、マウステトラネクチンをコードするヌクレオチド配列のG513からAへの変異によって、コードされたプロモータのいずれのアミノ酸配列にも影響を及ぼすことなく、MunI制限エンドヌクレアーゼ部位がヒトテトラネクチンのMunI部位に対応する位置に導入される。マウステトラネクチンをコードするヌクレオチド配列のC327からG及びG386からCへの部位特異的突然変異による変異によって、それぞれそこにBglII及びKasI制限エンドヌクレアーゼ認識部位が導入される。さらに、マウステトラネクチンをコードするヌクレオチド配列のA325は、Gに突然変異させる。これらの3個の変異によって、Asn109はGluに、及びGly129はAlaにそれぞれ置換され、コードされたアミノ酸配列に影響を及ぼす。現在、制限エンドヌクレアーゼKasIは、著しい部位指向性を示し、テトラネクチンコーディング領域のみをゆっくり切断することが知られている。したがって、KasI部位の代わりに他の制限エンドヌクレアーゼの認識部位が好ましい(たとえば、制限エンドヌクレアーゼKpnIの認識部位、認識配列GGTACC)。得られたテトラネクチン誘導体、ヒトテトラネクチンレクチン(htlec)及びマウステトラネクチンレクチン(mtlec)のヌクレオチド配列及びアミノ酸配列を図3に示す。htlec及びmtlecプロモータをコードするヌクレオチド配列は、結合したヌクレオチド配列の蛋白質ディスプレイを可能にする手段(たとえば、ファージミドベクター)及び蛋白質の異種発現用に考案されたプラスミド(たとえば、pT7H6、Christensen他(1991))に容易にサブクローンすることができる。htlec又はmtlecのいずれかの変異CTLDのみをコードするその他の誘導体もまた構築してファージミドベクター及び発現プラスミドにサブクローニングし、これらのCTLD誘導体のヌクレオチド配列及びアミノ酸配列を図4に示す。
【0074】
テトラネクチン及びCTLD誘導体の集合体に制限エンドヌクレアーゼBglII、KasI又はKpnIの通常の認識部位の組合せが存在することによって、無作為化したオリゴヌクレオチドをhtlec、mtlec、htCTLD、又はmtCTLD誘導体をコードする適切な制限ファージミドベクターに連結することによって、1個又は複数のループ及びレクチンリガンド結合領域を含むβ4の単一の残基位置に無作為化アミノ酸配列を有する蛋白質ライブラリの作製が可能となる。
【0075】
特定の標的(たとえば、真核細胞、ウイルス、細菌、特定の蛋白質、多糖類、そのほかの重合体、有機化合物など)の選択を何回か行った後、特定のファージからDNAを単離し、決定したリガンド結合領域をコードするセグメントのヌクレオチド配列をファージミドDNAから切り出し、所望する産物の異種産生用の適切な誘導体発現ベクターに移すことができる。原核生物における異種産生は、テトラネクチン及び誘導体の単離及び再生の効果的な方法が報告されているので(国際特許出願公開番号WO94/18227A2)、好ましい可能性がある。
【0076】
骨格構造としてテトラネクチンを使用して本発明の技術を実施することによって得られる特別な利点は、マウス及びヒトのテトラネクチン骨格構造がほとんど同一で、機能性を保持しながらループ領域をマウスとヒトのテトラネクチンとの間で自由に交換できることである。ループ領域のマウスとヒトフレームワークの間での交換は、テトラネクチン誘導体ベクターで説明した系の中で容易に実施され、遺伝子レベルであっても、ヒトとマウスの配列の間には高い相同性があることを考慮すると、関連する他の種(たとえば、ラット、旧世界ザル及び新世界ザル、イヌ、ウシ、ヒツジ、ヤギなど)を含めるためにこの系を適用することができることが予測される。このような種からテトラネクチンを最終的にクローニング及び/又は配列決定するとき、この戦略をより多くの種を含めるために適用することが可能である。
【0077】
C型レクチンリガンド結合領域は抗体の抗原結合溝と比較して異なる形態単位を表すので、選択された結合特異性は抗体と比較して異なる性質であることが予想される。さらに、テトラネクチン誘導体は、糖部分又は多糖類に結合する特異性に関しては抗体と比較して有利な可能性がある。テトラネクチン誘導体はまた、ある種の天然又は合成有機化合物に対して結合特異性を選択する場合に有利である。
【0078】
いくつかのCTLDは、カルシウムイオンを結合することが知られており、他のリガンドの結合はカルシウム(たとえば、部位2に結合したカルシウムイオンが直接糖リガンドの結合に関与するC型レクチンのコレクチンファミリー(Weis及びDrickamer(1996))又はカルシウム感受性(たとえば、カルシウム結合がその他にプラスミノーゲンクリングル4結合に関与することが知られている側鎖の多くに関与するテトラネクチン(Graversen他(1998))のいずれかに左右されることが多い。C型レクチン様蛋白質ファミリーに特徴的なカルシウム結合部位は、ループ1、ループ4及びβ鎖4に位置する残基に含まれ、結合に際してcis構造中に変わることなく見いだされる(構造のループ3とループ4の間にあることが多い)プロリン残基の存在によって左右される。さらに、カルシウムの結合は、CTLDループ領域における構造変化を実施することが知られている(Ng他(1998a、b))。したがって、CTLD金属結合部位を保持しながらコンビナトリアルライブラリの要素ドメインが特定の標的に結合することが、2価金属イオン(たとえば、カルシウムイオン)を添加又は除去することによって調節できるのは、金属イオンが直接結合に関与するためか、金属イオンが競合リガンドであるためか、又は金属イオンの結合が推定結合部以内の構造再構成を実施するためであると考えられる。
【0079】
テトラネクチンを含めたC型レクチン及びC型レクチン様蛋白質ファミリーのいくつかの要素ドメインの3量体の性質、及び付随する結合活性はまた、非常に結合親和性が高い結合単位の創出に活用することができる。
【0080】
前記の開示から理解できるように、本発明の範囲は広範で、多岐にわたる応用を含む。したがって、以下の実施例ではそれらの様々な実施形態を説明しているが、例示のためだけのものであって、限定するものではない。
【0081】
実施例1
テトラネクチン由来のE.coli発現プラスミド及びファージミドの構築
完全長H6FX−htlec機能蛋白質のFX−htlec(配列番号1)部分をコードする発現プラスミドpT7H6FX−htlecは、発現プラスミドpT7H6−rTN123(Holtet他(1997))からQuickChange(商標)部位特異的突然変異キット(Stratagene、La Jolla、CA)を使用して製造者が説明したように一連の連続した4種類の部位特異的突然変異実験を実施して構築した。所望する変異を導入する不適正プライマー対は、DNA Technology(Aarhus、デンマーク)から入手した。得られたpT7H6FX−htlec発現プラスミドの概略を図5に示し、挿入部分をコードするFX−htlecのヌクレオチド配列を配列番号1とする。H6FX−htlec融合蛋白質のFX−htlec部分のアミノ酸配列を図6に示し、配列番号2とする。
【0082】
H6FX−htCTLD融合蛋白質のFX−htCTLD(配列番号3)部分をコードする発現プラスミドpT7H6FX−htCTLDは、増幅及びプラスミドpT7H6へのサブクローニング(すなわち、鋳型として発現プラスミドpT7H6−htlec、及び別の場合ではプライマー、条件、及び発現プラスミドpT7H6TN3の構築で説明したサブクローニング方法(Holtet他(1997))を使用したポリメラーゼ鎖反応における増幅)によって構築した。得られたpT7H6FX−htCTLD発現プラスミドの概略を図7に示し、挿入部分をコードするFX−htCTLDのヌクレオチド配列を配列番号3とする。H6FX−htCTLD融合蛋白質のFX−htCTLD部分を図8に示し、配列番号4とする。
【0083】
ファージミド、pPhTN及びpPhTN3は、発現プラスミドpT7H6−rTN123(オリゴヌクレオチドプライマー5−CGGCTGAGCGGCCCAGCCGGCCATGGCCGAGCCACCAACCCAGAAGC−3’(配列番号5)及び5’−CCTGCGGCCGCCACGATCCCGAACTGG−3’(配列番号6)を使用)及びpT7H6FX−htCTLD(オリゴヌクレオチドプライマー5’−CGGCTGAGCGGCCCAGCCGGCCATGGCCGCCCTGCAGACGGTC−3’(配列番号7)及び5’−CCTGCGGCCGCCACGATCCCGAACTGG−3’(配列番号6)を使用)それぞれから増幅したSfiI及びNotI制限DNA断片をAmersham Pharmacia Biotechから入手したSfiI及びNotIで予め切断したベクターpCANTAB 5E(コード番号27−9401−01)に標準的手順を使用して連結することによって構築した。得られたpPhTN及びpPhTN3ファージミドの概略をそれぞれ図9及び図11に示し、phTN及びPhTN3挿入部分のヌクレオチド配列をそれぞれ配列番号8及び配列番号10とする。PhTN及びPhTN3挿入部分によってコードされるアミノ酸配列をそれぞれ、図10(配列番号9)及び図12(配列番号11)に示す。
【0084】
ファージミド、pPhtlec及びpPhtCTLDは、発現プラスミドpT7H6FX−htlec(オリゴヌクレオチドプライマー5−CGGCTGAGCGGCCCAGCCGGCCATGGCCGAGCCACCAACCCAGAAGC−3’(配列番号5)及び5’−CCTGCGGCCGCCACGATCCCGAACTGG−3’(配列番号6)を使用)及びpT7H6FX−htCTLD(オリゴヌクレオチドプライマー5’−CGGCTGAGCGGCCCAGCCGGCCATGGCCGCCCTGCAGACGGTC−3’(配列番号7)及び5’−CCTGCGGCCGCCACGATCCCGAACTGG−3’(配列番号6)を使用)それぞれから増幅したSfiI及びNotI制限DNA断片をAmersham Pharmacia Biotechから入手したベクターpCANTAB 5E(コード番号27−9401−01)をSfiI及びNotIで予め切断したものに標準的手順を使用して連結することによって構築した。得られたpPhtlec及びpPhtCTLDファージミドの概略をそれぞれ図13及び図15に示し、Phtlec及びPhtCTLD挿入部分のヌクレオチド配列をそれぞれ配列番号12及び配列番号14とする。Phtlec及びPhtCTLD挿入部分によってコードされるアミノ酸配列をそれぞれ、図14(配列番号13)及び図16(配列番号15)に示す。
【0085】
マウステトラネクチン誘導体に対応するヌクレオチド配列mtlec(図3及び配列番号16)を含有するプラスミドクローン、pUC−mtlecは、以下の方法でDNA細断片の4種類の連続サブクローニングによって構築した。第1に、2種類のオリゴヌクレオチド5’−CGGAATTCGAGTCACCCACTCCCAAGGCCAAGAAGGCTGCAAATGCCAAGAAAGATTTGGTGAGCTCAAAGATGTTC−3’(配列番号17)と5’−GCGGATCCAGGCCTGCTTCTCCTTCAGCAGGGCCACCTCCTGGGCCAGGACATCCATCCTGTTCTTGAGCTCCTCGAACATCTTTGAGCTCACC−3’(配列番号18)をアニールし、制限切断部分を制限エンドヌクレアーゼEcoRI(GAATTC)及びBamHI(GGATCC)で充填して、EcoRI及びBamHIで予め切断したpUC18プラスミドDNAに連結した。第2に、オリゴヌクレオチド対5’−GCAGGCCTTACAGACTGTGTGCCTGAAGGGCACCAAGGTGAACTTGAAGTGCCTCCTGGCCTTCACCCAACCGAAGACCTTCCATGAGGCGAGCGAG−3’(配列番号19)と5’−CCGCATGCTTCGAACAGCGCCTCGTTCTCTAGCTCTGACTGCGGGGTGCCCAGCGTGCCCCCTTGCGAGATGCAGTCCTCGCTCGCCTCATGG−3’(配列番号20)とをアニールして、制限切断部分を制限エンドヌクレアーゼStuI(AGGCCT)及びSphI(GCATGC)で充填して、StuI及びSphIで予め切断した最初の連結によって得られたプラスミドに連結した。第3に、オリゴヌクレオチド対5’−GGTTCGAATACGCGCGCCACAGCGTGGGCAACGATGCGGAGATCTAAATGCTCCCAATTGC−3’(配列番号21)と5’−CCAAGCTTCACAATGGCAAACTGGCAGATGTAGGGCAATTGGGAGCATTTAGATC−3’(配列番号22)とをアニールして、反応切断部分を制限エンドヌクレアーゼBstBI(TTCGAA)及びHindIII(AAGCTT)で充填した後、BstBI及びHindIIIで予め切断した第2の連結で得られたプラスミドに連結した。第4に、オリゴヌクレオチド対5’−CGGAGATCTGGCTGGGCCTCAACGACATGGCCGCGGAAGGCGCCTGGGTGGACATGACCGGTACCCTCCTGGCCTACAAGAACTGG−3’(配列番号23)と5’−GGGCAATTGATCGCGGCATCGCTTGTCGAACCTCTTGCCGTTGGCTGCGCCAGACAGGGCGGCGCAGTTCTCGGCTTTGCCGCCGTCGGGTTGCGTCGTGATCTCCGTCTCCCAGTTCTTGTAGGCCAGG−3’(配列番号24)とをアニールして、反応切断部分を制限エンドヌクレアーゼBglII(AGATCT)及びMunI(CAATTG)で充填した後、BglII及びMunIで予め切断した第3の連結で得られたプラスミドに連結した。pUC−mtlecプラスミドの概略を図17に示し、EcoRIからHindIIIまでの挿入部分の得られたヌクレオチド配列を配列番号16とする。
【0086】
発現プラスミドpT7H6FX−mtlec及びpT7H6FX−mtCTLDはそれぞれ、pUC−mtlecプラスミドをオリゴヌクレオチドプライマー対5−CTGGGATCCATCCAGGGTCGCGAGTCACCCACTCCCAAGG−3’(配列番号25)及び5’−CCGAAGCTTACACAATGGCAAACTGGC−3’(配列番号26)、及びオリゴヌクレオチドプライマー対5’−CTGGGATCCATCCAGGGTCGCGCCTTACAGACTGTGGTC−3’(配列番号27)及び5’−CCGAAGCTTACACAATGGCAAACTGGC−3’(配列番号26)を使用して増幅したBamHI及びHindIII制限DNA断片を、標準的手順を使用してBamHI及びHindIIIで予め切断したpT7H6ベクターに連結することによって構築した。発現プラスミドpT7H6FX−mtlec及びpT7H6FX−mtCTLDの概略をそれぞれ図18及び図20に示し、FX−mtlec及びFX−mtCTLD挿入部分のヌクレオチド配列をそれぞれ配列番号28及び配列番号30とする。融合蛋白質H6FX−mtlec及びH6FX−mtCTLDのFX−mtlec及びFX−mtCTLD部分のアミノ酸配列をそれぞれ、図19(配列番号29)及び図21(配列番号31)に示す。
【0087】
ファージミドpPmtlec及びpPmtCTLDは、SfiI及びNotI制限DNA断片(pUC−mtlecプラスミドをそれぞれオリゴヌクレオチドプライマー対5−CGGCTGAGCGGCCCAGCCGGCCATGGCCGAGTCACCCACTCCCAAGG−3’(配列番号32)及び5’−CCTGCGGCCGCCACGATCCCGAACTGG−3’(配列番号33)、及びオリゴヌクレオチドプライマー5’−CGGCTGAGCGGCCCAGCCGGCCATGGCCGCCTTACAGACTGTGGTC−3’(配列番号34)及び5’−CCTGCGGCCGCCACGATCCCGAACTGG−3’(配列番号33)を使用して増幅)をAmersham Pharmacia Biotechから入手したSfiI及びNotIで予め切断したベクターpCANTAB 5E(コード番号27−9401−01)に標準的手順を使用して連結することによって構築した。pPmtlec及びpPmtCTLDプラスミドの概略をそれぞれ図22及び図24に示し、得られたPmtlec及びPmtCTLD挿入部分のヌクレオチド配列をそれぞれ配列番号35及び配列番号37とする。Pmtlec及びPmtCTLD挿入部分によってコードされるアミノ酸配列をそれぞれ、図23(配列番号36)及び図25(配列番号38)に示す。
【0088】
実施例2
ファージ上で成功したPhtlec及びPhTN3のディスプレイの説明
Phtlec及びPhTN3遺伝子III融合蛋白質が実際に組換えファージ粒子によってディスプレイできることを確認するために、(実施例1で説明した)ファージミドpPhtlec及びpPhTN3をE.coliTG1細胞に形質転換し、ヘルパーファージM13K07と共に感染させると組換えファージが産生した。組換えファージをポリ(エチレングリコール)(PEG8000)で沈殿させて単離し、Phtlec及びPhTN3ファージ調製物の試料並びにヘルパーファージの試料について、Maxisorb(Nunc)マルチウェルプレートをまず抗ヒトテトラネクチン又はウシ血清アルブミン(BSA)と共にインキュベートし、スキムミルク又はスキムミルク/EDTAでブロックするELISA型サンドイッチアッセイを行った。簡単に説明すると、pPhtlec及びpPhTN3ファージミドで形質転換したTG1細胞の培養物を、A600が0.5に達するまで2%グルコース及びアンピシリン100mg/Lを補給した2×TY培地で37℃で増殖させた。そのときまでにヘルパーファージ、M13KO7を5×109pfu/mlの濃度で添加した。この培養物をさらに30分間37℃でインキュベートし、その後細胞を遠心によって収集し、カナマイシン50mg/L及びアンピシリン100mg/Lを補給した同培養量の2×TY培地に懸濁し、新しいフラスコ類に移し、25℃で16時間培養した。細胞を遠心によって除去し、氷冷した6mLの20%PEG8000、2.5M NaClを添加することによって培養上清20mLからファージを沈殿させた。混合した後、この溶液を氷上で1時間静置し、4℃で遠心して沈殿したファージを単離した。ファージのペレットそれぞれを1mlの10mM tris−HCl pH8、1mM EDTA(TE)に再懸濁し、遠心前に30分間インキュベートした。ファージを含む上清を新しい試験管に移した。ファージ試料の調製と共に、Maxisorbプレートのウェルを1:2000に希釈したウサギ抗ヒトテトラネクチン(DAKO A/S製のポリクローナル抗体、コード番号A0371)(70μL)及びBSA(10mg/mL)(70μL)で一晩コーティングした。コーティングに際して、ウェルをPBS(2.68mM KCl、1.47mM KH2PO4、137mM NaCl、8.10mM Na2HPO4、pH7.4)で3回洗浄し、PBSに溶かした3%スキムミルク、又はPBSに溶かした3%スキムミルク、5mM EDTA280μLで37℃で1時間ブロックする。次に、抗テトラネクチンでコートしたウェル及びBSAでコートしたウェルをヒトPhtlec−、PhTN3−、又はヘルパーファージ試料と1時間インキュベートし、次に適切なブロック剤を補給したPBS緩衝液で3回洗浄した。ウェル中のファージはHRP結合抗ファージ複合体(Amersham Pharmacia、コード番号27−9421−01)とインキュベートし、さらに洗浄した後検出した。次に、HRP活性を96ウェルELISAリーダーで標準的HRP色素産生基質アッセイを使用して測定した。
【0089】
Phtlec及びPhTN3ファージは、ブロック剤のEDTAの有無に関わりなくアッセイで強い応答を生じたが(バックグラウンドの14倍)、一方ヘルパーファージではいずれのブロック剤でもバックグランド値を上回る応答が生じなかった。BSAでは弱い結合のみが認められた(図26)。
【0090】
したがって、ヒトPhtlec及びPhTN3ファージはいずれも抗ヒトテトラネクチン抗体によって特異的に認識されるエピトープをディスプレイすることができる。
【0091】
実施例3
ファージにディスプレイされたPhtlec及びPhTN3の基準リガンド結合特性の説明
ヒトテトラネクチンのCTLDドメインのアポ型は、リジン感受性でヒトプラスミノーゲンのクリングル4ドメインに特異的に結合する(Graversen他(1998))。テトラネクチンのプラスミノーゲンに対する結合は、CTLDドメインのリガンド結合部位の2部位に結合するカルシウムによって、又は1個はクリングル1に位置し、もう1個はクリングル4(Kd約15マイクロモル)に位置するプラスミノーゲン中の2個の強力なリジン結合部位に特異的に結合したAMCHAのようなリジン類縁体(6−アミノシクロヘキサン酸)によって阻害されることができる。
【0092】
ヒトPhtlec及びPhTN3ファージがAMCHA感受性でヒトプラスミノーゲンに特異的に結合することを示すために、ファージ粒子上にディスプレイしたPhlec及びPhCTLDGIIIの融合蛋白質の存在(たとえば、実施例2)を示すために使用したものとほぼ同様なELISAアッセイを考案した。
【0093】
ウェルは、5mM AMCHAを添加して、又は添加しないで、ヒトプラスミノーゲン溶液(10μg/mL)でコーティングした。対照ウェルはBSAでコーティングした。2枚の同一のアレイを作製し、1枚は過剰な結合能力を3%スキムミルクでブロックし、もう1枚は5mM EDTAを補給した3%スキムミルクを使用してブロックした。適切ならば、ブロック、洗浄及びファージ保存溶液には5mM AMCHAを補給した。2枚のウェルのアレイをPhtlec、又はPhTN3又はヘルパーファージ試料と共にインキュベートし、洗浄した後、各ウェルに結合したファージ量を前述のようにHRP複合抗ファージ抗体を使用して測定した。結果を図27、パネルA及びBに示し、以下のようにまとめて示すことができる。
(a)AMCHAがない場合、プラスミノーゲンをコートしたウェルに対するヒトPhtlecファージの結合は、いずれかのブロッキング剤調合剤を使用したバックグラウンドレベルの応答の8〜10倍を発生し、一方ヒトPhTN3ファージはバックグラウンド応答レベルの4倍(EDTAがない場合)又は7倍(EDTAがある場合)の応答を発生した。
(b)5mM AMCHAがある場合、プラスミノーゲンに対するヒトPhtlec及びPhTN3ファージの結合は、完全に消失することがわかった。
(c)Phtlec及びPhTN3ファージはBSAに結合を示さず、対照ヘルパーファージは固定物質のいずれにも結合を示さなかった。
(d)特異的リガンドに対する適度な結合力でのヒトPhtlec及びPhTN3ファージの特異的結合(約20マイクロモル濃度)は、非特異的結合の減少を実現する好ましい薬剤としてコンビナトリアルファージ技術で周知のスキムミルクブロック剤を使用して、バックグランドがほぼない状態で、高い効率で検出することができる。
【0094】
最後に、これらの結果は、ファージ粒子上にディスプレイされたPhtlec及びPhTN3遺伝子III融合蛋白質は基準テトラネクチンに対応するプラスミノーゲン結合特性を示し、Phtlec及びPhTN3ファージの物理的及び生化学的特性は、新しい結合特性を有するCTLD由来の単位を選択することができるコンビナトリアルライブラリを作製するための手段として使用するという目的に適合していることを示している。
【0095】
実施例4
ファージライブラリPhtlec−1b001及びPhtlec−lb002の構築
この実施例で使用したオリゴヌクレオチドは全てDNA Technology(Aarhus、デンマーク)から入手した。
【0096】
Phtlec(配列番号12)位置141〜146(ループ3)、150〜153(ループ4の一部)、及び残基168(β4のPhe)に対応するランダムアミノ酸残基を含有するファージライブラリPhtlec−lb001は、KpnI及びMunI制限pPhtlecファージミドDNA(たとえば、実施例1)20μgを、適切に無作為化されたヌクレオチド配列をコードするオリゴヌクレオチドhtlec−lib1−tp(配列番号39)及びプライマーとしてオリゴヌクレオチドhtlec−lib1−rev(配列番号40)及びhtlec−lib1/2−fo(配列番号41)から標準的条件を使用して増幅したKpnI及びMunI制限DNA断片10μgと連結すること(式中、NはそれぞれヌクレオチドT、C、G、及びAそれぞれ25%の混合物を表し、SはC及びG50%の混合物を表す)によって構築した。連結した混合物を使用して、標準的方法でいわゆるエレクトロコンピテントなE.coli TG−1細胞をエレクトロポレーションによって形質転換した。形質転換した後、E.coli TG−1細胞をアンピシリン0.2mg/mL及び2%グルコースを含有する2×TY−寒天プレートに入れ、30℃で一晩インキュベートした。
【0097】
Phtlec(配列番号12)位置121〜123、125及び126(ループ1のほとんど)、及び残基150〜153(ループ4の一部)に対応するランダムアミノ酸残基を含有するファージライブラリPhtlec−lb002は、BglII及びMunI制限pPhtlecファージミドDNA(たとえば、実施例1)20μgを、適切に無作為化されたヌクレオチド配列をコードするオリゴヌクレオチドhtlec−lib2−tprev(配列番号42)及びhtlec−lib2−tpfo(配列番号43)の対及びプライマーとしてオリゴヌクレオチドhtlec−lib2−rev(配列番号44)及びhtlec−Lib1/2−fo(配列番号41)から標準的条件を使用して増幅したBglII及びMunI制限DNA断片15μgと連結すること(式中、NはそれぞれヌクレオチドT、C、G、及びAそれぞれ25%の混合物を表し、SはC及びG50%の混合物を表す)によって構築した。連結した混合物を使用して、いわゆるエレクトロコンピテントなE.coli TG−1細胞を形質転換した。形質転換した後、E.coli TG−1細胞をアンピシリン0.2mg/mL及び2%グルコースを含有する2×TY−寒天プレートに入れ、30℃で一晩インキュベートした。
【0098】
ライブラリPhtlec−lb001及び−lb002の力価を測定すると、それぞれ1.4×109及び3.2×109クローンであった。各ライブラリから6個のクローンを増殖させ、標準的ミニプレップ方法を使用してファージミドDNAを単離し、ループ領域のヌクレオチド配列を決定した(DNA Technology、Aarhus、デンマーク)。技術的な理由で各ライブラリの1クローンからは確実なヌクレオチド配列を得ることができず、phtlec−lib001の1個のクローンには明らかに大欠失が含まれていた。その他の9種のクローン(lb001−1、lb001−2、lb001−3、lb001−4、lb002−1、lb002−2、lb002−3、lb002−4及びlb002−5)のループ領域のPhtlec(配列番号12)と比較したヌクレオチド配列の変動を表3に示す。
【0099】
【0100】
実施例5
ファージライブラリPhtCTLD−lb0003の構築
この実施例で使用したオリゴヌクレオチドは全て、DNA Technology(Aarhus、デンマーク)から入手した。
【0101】
PhtCTLD(配列番号15)位置77から79及び81から82(ループ1)及び108から109(ループ4)に対応するランダムアミノ酸残基を含有するファージライブラリPhtCTLD−lb0003は、BglII及びMunI制限pPhtCTLDファージミドDNA20μg(実施例1を参照のこと)を、ループ1に2個及び3個のランダム残基が挿入されているか又は挿入されておらず、ループ4に3個及び4個のランダム残基が挿入された適切に無作為化したループ1及び4領域をコードするBglII及びMunI制限DNA断片集合体10μgとを連結することによって構築した。このDNA断片集合体は、3個のループ1DNA断片それぞれと2個のループ4DNA断片それぞれを結合させた6個のいわゆる組合せ反応物を鋳型として、オリゴヌクレオチドTN−lib3−rev(配列番号45)及びループ3−4−5tagfo(配列番号46)をプライマーとして、標準的方法を使用して増幅した。3個のループ1断片それぞれは、オリゴヌクレオチドloop1b(配列番号47)、loop1c(配列番号48)、又はloop1d(配列番号49)のいずれかを鋳型としてオリゴヌクレオチドTN−lib3−rev(配列番号45)及びTN−KpnI−fo(配列番号50)をプライマーとした反応で増幅して、2個のDNAループ4断片それぞれは、オリゴヌクレオチドloop4b(配列番号51)又はloop4c(配列番号52)を鋳型として、オリゴヌクレオチドloop3−4rev(配列番号53)及びloop3−4fo(配列番号54)をプライマーとして標準的方法を使用した反応で増幅した。オリゴヌクレオチド配列では、NはヌクレオチドT、C、G、及びAそれぞれ25%の混合物を表し、SはC及びG50%の混合物を表し、適切に無作為化されたヌクレオチド配列をコードする。連結した混合物を使用して、いわゆるエレクトロコンピテントなE.coli TG−1細胞をエレクトロポレーションによって標準的な方法を使用して形質転換した。形質転換した後、E.coli TG−1細胞をアンピシリン0.2mg/mL及び2%グルコースを含有する2×TY−寒天プレートに入れ、30℃で一晩インキュベートした。
【0102】
得られたライブラリ、PhtCTLD−lb003の大きさを測定すると、1.4×1010クローンであった。ライブラリから得られた24個のクローンを増殖させ、ファージ及びファージミドDNAを単離した。ループ領域のヌクレオチド配列を決定し(DNA Technology、Aarhus、デンマーク)、テトラネクチンに対するポリクローナル抗体、抗TN(DAKO A/S、デンマーク)に対する結合を第2抗体としてHRP複合抗遺伝子VIII(Amersham Pharmacia Biotech)を使用したELISA型アッセイで、標準的方法を使用して分析した。18個のクローンが正確なループ挿入部を含有することがわかり、1個のクローンが野生型ループ領域配列を含有し、1個には重大な欠失が生じており、2個は2個以上の配列を含有しており、2個のクローンは領域内にフレームシフト変異を含有していた。正確なループ挿入部を有する18個のクローンのうち13個、野生型クローン、及び混合単離物のうち1個はポリクローナル抗TN抗体に強く反応した。18個の正確なクローンのうち3個はこの抗体に弱く反応し、一方正確なクローンのうち欠失変異体である2個、混合物のうちの1個、2個のフレームシフト変異体はバックグラウンドを上回るシグナルを生じなかった。
【0103】
実施例6
抗TN抗体のバイオパニング(biopanning)によるファージ選択
PhtCTLD−lb003ライブラリから約1011個のファージを使用して、Maxisorbイムノチューブ(NUNC、デンマーク)でポリクローナル抗TN抗体によって標準的方法を使用して2回パニングして選択した。2回目の選択の後、プレートに入れた7×107個から15個のクローンを増殖させ、ファージミドDNAを単離し、ヌクレオチド配列を決定した。15個のクローン全てが正確で異なるループ配列をコードすることがわかった。
【0104】
実施例7
プラスミノーゲンによるCTLDファージのモデル選択。
I:パニング後のトリプシン消化による溶出。
テトラネクチン誘導CTLD保持ファージをファージ集団から選択できることを明示するために、M13K07ヘルパーファージを感染した後ファージミドpPhtCTLDで形質転換したE.coli TG1培養物(実施例1を参照のこと)から単離したPhtCTLDファージと、M13K07ヘルパーファージで感染した後ファージミドpPhtCPBで形質転換した培養物から単離したファージとの1:10及び1:105の比の混合物それぞれを、96ウェルMaxisorbマイクロタイタープレート(NUNC、デンマーク)及び抗原としてヒトプラスミノーゲンを用いたパニングを使用した選択実験で使用した。pPhtCPBファージミドは、2本鎖オリゴヌクレオチド(配列番号55)と適切な制限酵素突出配列とをKpnI及びMunI制限pPhtCTLDファージミドDNAに連結することによって構築した。ヘルパーファージを感染させることによって得られたpPhtCBPファージは、翻訳終止コドンを得られたpPhtCPBファージミドのCTLDコーディング領域(配列番号56)に導入したので、野生型M13遺伝子III蛋白質のみをディスプレイする。
【0105】
選択実験は、標準的方法を使用して96ウェルマイクロタイタープレートで実施した。簡単に説明すると、PBS(PBS、KCl0.2g、KH2PO40.2g、NaCl8g、Na2HPO41.44g、2H2O、水で1Lとし、NaOHでpH7.4に調節する)100μLに溶かしたヒトプラスミノーゲン3μg又はPBS100μL(非特異的結合分析用)を入れた各ウェルを4℃で一晩及び37℃で1時間コーティングした。PBSで1回洗浄した後、ウェルをPBS及び3%脱脂粉乳400μLで37℃で1時間ブロックした。ブロッキング後、ウェルをPBS及び0.1%Tween20で1回、及びPBSで3回洗浄し、PBS、3%脱脂粉乳100μLに懸濁したファージを添加した。ファージを37℃で1時間結合させ、PBS、Tween20で1回、及びPBSで3回洗浄した。結合したファージは、100μL中で30分間室温でトリプシン消化して(トリプシンをPBSに1mg/mLで溶かす)各ウェルから溶出し、対数増殖しているE.coliTG1細胞の感染に使用して、アンピシリン0.1mg/mL及び2%グルコースを含有する2×TY−寒天プレートにプレーティングして力価測定した。
【0106】
最初に(1回目)、1012PhtCTLDファージ(A系列)、1010PhtCTLDファージ及び1011PhtCPBファージの混合物(B系列)、又は106PhtCTLD及び1011PhtCPBファージの混合物(C系列)を使用した。次の回で(2回目)、各系列から得られた1011個のファージを使用した。2回の選択によって得られた結果を表4にまとめて示す。
【0107】
【0108】
1回目のファージ混合物をプレーティングして得た5個のコロニーと2回目のプレーティングから得られた12個のコロニーからファージミドDNAを単離して、CTLD領域のヌクレオチド配列を決定した。最初のPhtCTLD/PhtCPBの1/10混合物(B系列)では、5個のうち1個がCTLD配列として同定された。最初の1/105混合物(C系列)では、5個の配列全てがpPhtCPBファージミドから得られた。2回目の後、B系列で分析した12個の配列のうち9個及びC系列の12個の配列全てがpPhtCTLDファージミドから得られた。
【0109】
実施例8
プラスミノーゲンによるCTLD−ファージのモデル選択。
II:パニング後0.1Mトリエチルアミンによる溶出。
テトラネクチンから得られたCTLDを有するファージをファージ集団から選択することができることを示すために、M13K07ヘルパーファージを感染した後ファージミドpPhtCTLDで形質転換したE.coli TG1培養物(実施例1を参照のこと)から単離したPhtCTLDファージと、M13K07ヘルパーファージで感染した後ファージミドpPhtCPBで形質転換した培養物(実施例6を参照のこと)から単離したファージとの1:102及び1:106の比の混合物それぞれを、96ウェルMaxisorbマイクロタイタープレート(NUNC、デンマーク)及び抗原としてヒトプラスミノーゲンを用いたパニングを使用し、標準的方法を使用した選択実験で使用した。
【0110】
簡単に説明すると、PBS(PBS、KCl0.2g、KH2PO40.2g、NaCl8g、Na2HPO41.44g、2H2O、水で1Lとし、NaOHでpH7.4に調節する)100μLに溶かしたヒトプラスミノーゲン3μg又はPBS100μL(非特異的結合分析用)を入れた各ウェルを4℃で一晩及び37℃で1時間コーティングした。PBSで1回洗浄した後、ウェルをPBS及び3%脱脂粉乳400μLで37℃で1時間ブロックした。ブロッキング後、ウェルをPBS及び0.1%Tween20で1回、及びPBSで3回洗浄し、PBS、3%脱脂粉乳100μLに懸濁したファージを添加した。ファージを37℃で1時間結合させ、PBS、Tween20で15回、及びPBSで15回洗浄した。結合したファージは、0.1Mトリエチルアミン100μLによって室温で10分間各ウェルから溶出し、0.5体積の1M Tris−HCl pH7.4で中和して、対数増殖しているE.coliTG1細胞の感染に使用して、アンピシリン0.1mg/mL及び2%グルコースを含有する2×TY−寒天プレートにプレーティングして力価測定した。
【0111】
最初に(1回目)、1012PhtCTLDファージ(A系列)、1010PhtCTLDファージ及び1011PhtCPBファージの混合物(B系列)、又は105PhtCTLD及び1011PhtCPBファージの混合物(C系列)を使用した。次の回で(2回目)、各系列から得られた1011個のファージを使用した。2回の選択によって得られた結果を表5にまとめて示す。
【0112】
【0113】
標準的方法を使用して2回目の選択によって得られたA及びB系列のファージ混合物を増殖させ、ELISA型アッセイでプラスミノーゲンに対する結合を分析した。簡単に説明すると、PBS(PBS、KCl0.2g、KH2PO40.2g、NaCl8g、Na2HPO41.44g、2H2O、水で1Lとし、NaOHでpH7.4に調節する)100μLに溶かしたヒトプラスミノーゲン3μg又はPBS100μL(非特異的結合分析用)を入れた各ウェルを4℃で一晩及び37℃で1時間コーティングした。PBSで1回洗浄した後、ウェルをPBS及び3%脱脂粉乳400μLで37℃で1時間ブロックした。ブロッキング後、ウェルをPBS及び0.1%Tween20で1回、及びPBSで3回洗浄し、PBS、3%脱脂粉乳100μLに懸濁したファージを添加した。ファージ混合物を37℃で1時間結合させ、PBS、Tween20で3回、及びPBSで3回洗浄した。洗浄後、PBS、3%脱脂粉乳に溶かしたHRP−結合抗遺伝子VIII抗体(Amersham Pharmacia Biotech)の1:5000希釈物50μlを各ウェルに添加して、37℃で1時間インキュベートした。「第2」抗体結合後、ウェルをPBS、Tween20で3回、PBSで3回洗浄し、TMB基質(DAKO−TMB1段階基質系、コード:S1600、DAKO、デンマーク)50μLを添加した。反応は20分間行い、0.5体積の0.5M H2SO4で反応停止し、分析した。ELISA分析の結果から、いずれの系列でもファージはプラスミノーゲンに特異的に結合することが確認された(図28)。
【0114】
実施例9
ライブラリPhtlec−lb002から雌鶏卵白リゾチームに結合するファージの選択
Phtlec−lb002ライブラリ(実施例4を参照のこと)から得られた元のライブラリの約250倍の大きさの1.2×1012ファージを、標準的な方法で連続パニングすることが必要な、雌鶏卵白リゾチーム結合ファージを選択するための実験方法に使用した。
【0115】
簡単に説明すると、PBS(PBS、KCl0.2g、KH2PO40.2g、NaCl8g、Na2HPO41.44g、2H2O、水で1Lとし、NaOHでpH7.4に調節する)1mLに溶かした雌鶏卵白リゾチーム30μg又はPBS1mL(非特異的結合分析用)を使用して、Maxisorbイムノチューブ(NUNC、デンマーク)を4℃で一晩及び37℃で1時間コーティングした。PBSで1回洗浄した後、チューブをPBS及び3%脱脂粉乳で満たし、37℃で1時間ブロックした。ブロッキング後、チューブをPBS、0.1%Tween20で1回洗浄し、及びPBSで3回洗浄し、PBS、3%脱脂粉乳1mLに懸濁したファージを添加した。ファージを37℃で1時間結合させ、PBS、Tween20で6回、及びPBSで6回洗浄した。結合したファージは、0.1Mトリエチルアミン1mLによって室温で10分間各ウェルから溶出し、1M Tris−HCl pH7.4で中和して、対数増殖しているE.coliTG1細胞の感染に使用して、2%グルコース及びアンピシリン0.1mg/mLを含有する2×TY−寒天プレートにプレーティングして力価測定した。その後の選択で、リゾチームをコーティングしたチューブから溶出したファージで感染させた後、プレーティングしたコロニーの培養増殖物から得られた約1012個のファージをパニング方法に使用した。しかし、結合の厳密さは、ファージパニング後の洗浄段階数を6回から10回に増加させることによって高まった。
【0116】
選択方法によって得られた結果を表7に示す。
【0117】
【0118】
標準的方法を使用して結合の特異性を分析するために、3回選択して単離した12個のクローンからファージを増殖させ、ELISA型アッセイで雌鶏卵白リゾチーム及びヒトβ2ミクログロブリンに対する結合を分析した。簡単に説明すると、各ウェルをPBS(PBS、KCl0.2g、KH2PO40.2g、NaCl8g、Na2HPO41.44g、2H2O、水で1Lとし、NaOHでpH7.4に調節する)100μLに溶かした雌鶏卵白リゾチーム3μg、又はヒトβ2ミクログロブリン3μg、又はPBS100μL(非特異的結合分析用)を使用して4℃で一晩及び37℃で1時間コーティングした。PBSで1回洗浄した後、ウェルをPBS及び3%脱脂粉乳400μLで37℃で1時間ブロックした。ブロッキング後、ウェルをPBS、0.1%Tween20で1回洗浄し、及びPBSで3回洗浄し、PBS、3%脱脂粉乳100μLに懸濁したファージを添加した。ファージを37℃で1時間結合させ、PBS、Tween20で3回、及びPBSで3回洗浄した。洗浄後、PBS、3%脱脂粉乳に溶かしたHRP−結合抗遺伝子VIII抗体(Amersham Pharmacia Biotech)の1:5000希釈物50μlを各ウェルに添加して、37℃で1時間インキュベートした。「第2」抗体結合後、ウェルをPBS、Tween20で3回、PBSで3回洗浄し、TMB基質(DAKO−TMB1段階基質系、コード:S1600、DAKO、デンマーク)50μLを添加した。反応は20分間行い、0.5M H2SO4で反応停止した。
【0119】
比較的弱いが、リゾチームに対して特異的な結合を示す結果を図29にまとめて示す。
【0120】
実施例10
ファージミド(pPrMBP)から得られたラットマンノース結合蛋白質CTLD(r−MBP)及びファージミド(pPhSP−D)から得られたヒト肺サーファクタント蛋白質D CTLD(h−SP−D)の構築
ファージミド、pPrMBPは、(オリゴヌクレオチドプライマーSfiMBP5’−CGGCTGAGCGGCCCAGCCGGCCATGGCCGAGCCAAACAAGTTGCATGCCTTCTCC−3’(配列番号62)及びNotMBP5’−GCACTCCTGCGGCCGCGGCTGGGAACTCGCAGAC−3’(配列番号63)を使用して)ラット肝から単離したcDNAから増幅したSfiI及びNotI制限DNA断片(Drickamer、K.他、J.Biol.Chem.1987、262(6)、2582〜2589)を標準的方法を使用してAmersham Pharmacia Biotech(コード番号27−9401−01)から入手したSfiI及びNotIで予め切断したpCANTAB 5Eに連結することによって構築した。得られたpPrMBPの概略を図31に示し、PrMBPのヌクレオチド配列を(配列番号58)とする。PrMBP挿入によってコードされるアミノ酸配列を図30に示す(配列番号59)。
【0121】
ファージミド、pPhSP−Dは、(オリゴヌクレオチドプライマーSfiSP−D5’−CGGCTGAGCGGCCCAGCCGGCCATGGCCGAGCCAAAGAAAGTTGAGCTCTTCCC−3’(配列番号64)及びNotSP−D5’−GCACTCCTGCGGCCGCGAACTCGCAGACCACAAGAC−3’(配列番号65)を使用して)ヒト肺から単離したcDNAから増幅したSfiI及びNotI制限DNA断片(Lu、J.他、Biochem J.1992 jun 15、284、795〜802)を標準的方法を使用してAmersham Pharmacia Biotech(コード番号27−9401−01)から入手したSfiI及びNotIで予め切断したpCANTAB 5Eに連結することによって構築した。得られたpPhSP−Dの概略を図33に示し、PhSP−Dのヌクレオチド配列を(配列番号60)とする。PhSP−D挿入によってコードされるアミノ酸配列を図32に示す(配列番号61)。
【0122】
実施例11
ファージライブラリPrMBP−lb001の構築
PrMBP CTLD(配列番号59)位置71から73又は70から76(ループ1)及び97から101又は100から101(ループ4)に対応するランダムアミノ酸残基を含有するファージライブラリPrMBP−lb001は、SfiI及びNotI制限pPrMBPファージミドDNA(実施例10を参照のこと)20μgを適切に無作為化したループ1及び4領域をコードするSfiI及びNotI制限DNA断片集合体10μgと連結することによって構築する。DNA断片集合体は、3個のループ1DNA断片それぞれと3個のループ4DNA断片それぞれを結合させた9個の組合せ反応物を鋳型として、オリゴヌクレオチドSfi−tag5’−CGGCTGAGCGGCCCAGC−3’(配列番号74)及びNot−tag5’−GCACTCCTGCGGCCGCG−3’(配列番号75)をプライマーとして標準的方法を使用して増幅させる。3個のループ1断片のそれぞれは、pPrMBPファージミドDNA(実施例10を参照のこと)を鋳型として、オリゴヌクレオチドMBPloop1a fo(配列番号66)、MBPloop1b fo(配列番号67)又はMBPloop1c(配列番号68)及びSfiMBP(配列番号62)をプライマーとして、1次PCR反応で増幅し、さらにSfi−tag(配列番号74)及びMBPloop1−tag fo(配列番号69)を使用した2次PCR反応で増幅する。3個のDNAループ4断片は、pPrMBPファージミドDNA(実施例10を参照のこと)を鋳型として、オリゴヌクレオチドMBPloop4a rev(配列番号71)、MBPloop4b rev(配列番号72)又はMBPloop4c rev(配列番号73)及びNotMBP(配列番号63)をプライマーとして標準的方法を使用して1次PCR反応で増幅し、さらにMBPloop4−tag rev(配列番号70)及びNot−tag(配列番号63)を使用した2次PCR反応で増幅する。このオリゴヌクレオチド配列では、NはそれぞれヌクレオチドT、C、G、及びAそれぞれ25%の混合物を表し、SはC及びG50%の混合物を表し、適切に無作為化されたヌクレオチド配列をコードする。連結した混合物を使用していわゆるエレクトロコンピテントなE.coli TG−1細胞を標準的な手順を用いたエレクトロポレーションによって形質転換した。形質転換した後、E.coli TG−1細胞をアンピシリン0.2mg/mL及び2%グルコースを含有する2×TY−寒天プレートに入れ、30℃で一晩インキュベートした。
【0123】
実施例12
ファージライブラリPhSP−D−lb001の構築
PhSP−D CTLD挿入部分(配列番号61)位置74から76又は70から79(ループ1)及び100から104又は103から104(ループ4)に対応するランダムアミノ酸残基を含有するファージライブラリPhSP−D−lb001は、SfiI及びNotI制限pPhSP−DファージミドDNA(実施例10を参照のこと)20μgを適切に無作為化したループ1及び4領域をコードするSfiI及びNotI制限DNA断片集合体10μgと連結することによって構築する。DNA断片集合体は、3個のループ1DNA断片それぞれと3個のループ4DNA断片それぞれを結合させた9個の組合せ反応物を鋳型として、オリゴヌクレオチドSfi−tag5’−CGGCTGAGCGGCCCAGC−3’(配列番号74)及びNot−tag5’−GCACTCCTGCGGCCGCG−3’(配列番号75)をプライマーとして標準的方法を使用して増幅する。3個のループ1断片のそれぞれは、pPhSP−DファージミドDNA(実施例10を参照のこと)を鋳型として、オリゴヌクレオチドSp−dloop1a fo(配列番号76)、Sp−dloop1b fo(配列番号77)又はSp−dloop1c fo(配列番号78)及びSfiSP−D(配列番号64)をプライマーとして1次PCR反応で増幅して、さらにSfi−tag(配列番号74)及びSp−dloop1−tag fo(配列番号79)をプライマーとして使用したPCR反応で増幅する。3個のDNAループ4断片は、pPhSP−DファージミドDNA(実施例10を参照のこと)を鋳型として、オリゴヌクレオチドSp−dloop4a rev(配列番号81)、Sp−dloop4b rev(配列番号82)又はSp−dloop4c rev(配列番号83)及びNotSP−D(配列番号65)をプライマーとして標準的方法を使用して1次PCR反応で増幅し、さらにSp−dloop4−tag rev(配列番号80)及びNot−tag(配列番号75)をプライマーとして使用したPCR反応で増幅する。このオリゴヌクレオチド配列では、NはそれぞれヌクレオチドT、C、G、及びAそれぞれ25%の混合物を表し、SはC及びG50%の混合物を表し、適切に無作為化されたヌクレオチド配列をコードする。連結した混合物を使用していわゆるエレクトロコンピテントなE.coli TG−1細胞を標準的な方法を使用してエレクトロポレーションによって形質転換した。形質転換した後、E.coli TG−1細胞をアンピシリン0.2mg/mL及び2%グルコースを含有する2×TY−寒天プレートに入れ、30℃で一晩インキュベートした。
【0124】
実施例13
ファージライブラリPhtCTLD−lb004の構築
この実施例で使用したオリゴヌクレオチドは全てDNA Technology(Aarhus、デンマーク)から入手した。
【0125】
PhtCTLD(配列番号15)位置97から102又は98から101(ループ3)及び位置116から122又は118から120(ループ5)に対応するランダムアミノ酸残基を含有するファージライブラリPhtCTLD−lb004は、KpnI及びMunI制限pPhtCTLDファージミドDNA(実施例1を参照のこと)20μgを無作為化したループ3及び5領域をコードするKpnI及びMunI制限DNA断片集合体10μgと連結することによって構築した。DNA断片集合体は、3個のループ3DNA断片それぞれと3個のループ5DNA断片それぞれを結合させた9個の1次PCR反応によって増幅した。断片は、鋳型としてオリゴヌクレオチドloop3a(配列番号84)、loop3b(配列番号85)又はloop3c(配列番号86)のいずれかとプライマーとしてloop5a(配列番号87)、loop5b(配列番号88)又はloop5c(配列番号89)及びloop3−4rev(配列番号91)とで増幅した。このDNA断片はさらに、1次PCR産物を鋳型として、loop3−4rev(配列番号91)及びloop3−4−5tag fo(配列番号90)をプライマーとして使用したPCR反応で増幅した。PCR反応は全て、標準的方法を使用して実施した。
【0126】
このオリゴヌクレオチド配列では、NはそれぞれヌクレオチドT、C、G、及びAそれぞれ25%の混合物を表し、SはC及びG50%の混合物を表し、適切に無作為化されたヌクレオチド配列をコードする。連結した混合物を使用していわゆるエレクトロコンピテントなE.coli TG−1細胞を標準的な方法を使用してエレクトロポレーションによって形質転換した。形質転換した後、E.coli TG−1細胞をアンピシリン0.2mg/mL及び2%グルコースを含有する2×TY−寒天プレートに入れ、30℃で一晩インキュベートした。
【0127】
得られたライブラリ、PhtCTLD−lb004の大きさを測定すると、7×109クローンであった。ライブラリから16個のクローンを採取し、ファージミドDNAを単離した。ループ領域のヌクレオチド配列を決定した(DNA Technology、Aarhus、デンマーク)。13個のクローンが正確なループ挿入部分を含有し、3個のクローンが領域中にフレームシフト変異を含有していることがわかった。
【0128】
実施例14
ヒト血清アルブミンに固定した血液型Aの糖部分に結合するPhtlecファージ及びPhtCTLDファージの選択
標準的方法を使用して、グリセロール保存したライブラリPhtlec−lb001及びPhtlec−lb002(実施例4を参照のこと)から増殖させたファージ及びグリセロール保存したライブラリPhtCTLD−lb003(実施例5を参照のこと)から増殖させたファージを、96ウェルMaxisorbマイクロタイタープレート(NUNC、デンマーク)で標準的方法を使用してパニングすることによってヒト血清アルブミンに固定した血液型A糖部分A−HAに特異的親和性を有するPhtlec及びPhtCTLD由来のファージを選択するために考案された実験で使用した。
【0129】
最初に、ファージ上清を0.3体積の20%ポリエチレングリコール6000(PEG)及び2.5M NaCl溶液で沈殿させ、ペレットをTE緩衝液(10mM Tris−HCl pH8、1mM EDTA)に再懸濁した。E.coliTG−1細胞で力価測定後、Phtlec−lb001及びlb002由来のファージを1:1の比で混合し(#1)、2×TY培地で5×1012pfu/mLに調節し、PhtCTLD−lb003から増殖させたファージ(#4)を2×TY培地で2.5×1012pfu/mLに調節した。
【0130】
1回目のパニングの前に、「抗原」であるヒト血清アルブミンに固定したヒト血液型A3糖類、A−HA(Glycorex AB、Lund、スウェーデン)1ミリグラムをPBS(PBS、KCl0.2g、KH2PO40.2g、NaCl8g、Na2HPO41.44g、2H2O、水で1Lとし、NaOHでpH7.4に調節する)100μLに溶かし、3個のウェルそれぞれに入れて、4℃で一晩及び室温で1時間コーティングした。PBSで1回洗浄した後、ウェルをPBS及び3%脱脂粉乳300μLで室温で1時間ブロックした。ブロックしたウェルをPBS及び0.1%Tween20で1回、PBSで3回洗浄した後、ファージ懸濁駅50μl及びPBS、6%脱脂粉乳50μLの混合物を添加した。ファージを室温で2時間結合させてから、PBS、Tween20で8回、PBSで8回洗浄した。結合したファージを100μLのトリプシンで室温で30分消化(PBSにトリプシンを1mg/mLで溶かす)することによって各ウェルから室温で30分間溶出し、対数増殖しているE.coliTG1細胞の感染に使用して、アンピシリン0.1mg/mL及び2%グルコースを含有する2×TY−寒天プレートにプレーティングして力価測定した。
【0131】
2回目の選択では、1回目から得られたコロニーから増殖した粗ファージ上清150μLをPBS、6%脱脂粉乳150μLと混合し、前述のようにA−HAでコーティングしたウェルそれぞれに混合物を100μL分配してパニングに使用した。結合の厳密さは、洗浄段階数を16から32に増加させることによって高まった。ファージ混合物300μLはまた、対照として抗原を入れていない3個のウェルでのパニングに使用した。
【0132】
3回目の選択では、2回目から得られたコロニーから増殖した粗ファージ上清150μLをPBS、6%脱脂粉乳150μLと混合し、前述のようにA−HAでコーティングしたウェルそれぞれに混合物を100μL分配してパニングに使用した。結合の厳密さは洗浄段階数を16から32に増加させることによって高まった。ファージ混合物300μLはまた、対照として抗原を入れていない3個のウェルでのパニングに使用した。
【0133】
選択方法から得られた結果を表8にまとめて示す。
【0134】
【0135】
#1及び#4シリーズのそれぞれから48個のクローンを採取し、96ウェルマイクロタイタートレイで増殖させ、標準的方法を使用してM13K07ヘルパーファージで感染させることによってファージを産生させた。96個のファージ上清から得られたファージのA−HA抗原に対する結合及び雌鶏卵白リゾチームに対する非特異的結合をELISA型アッセイを使用して分析した。簡単に説明すると、PBS(PBS、KCl0.2g、KH2PO40.2g、NaCl8g、Na2HPO41.44g、2H2O、水で1Lとし、NaOHでpH7.4に調節する)100μLに溶かしたA−HA1μg又はPBS100μLに溶かした雌鶏卵白リゾチーム1μg(非特異的結合分析用)を使用して、各ウェルを4℃で一晩及び37℃で1時間コーティングした。PBSで1回洗浄した後、ウェルをPBS及び3%脱脂粉乳300μLで室温で1時間ブロックした。ブロッキング後、ウェルをPBS及び0.1%Tween20で1回洗浄し、PBSで3回洗浄し、PBS、6%脱脂粉乳50μLに溶かしたファージ上清50μLを添加した。ファージ混合物を室温で2時間結合させ、PBS、Tween20で3回、PBSで3回洗浄した。洗浄後、PBS、3%脱脂粉乳に溶かしたHRP−結合抗遺伝子VIII抗体(Amersham Pharmacia Biotech)の1:5000希釈物50μLを各ウェルに添加して、室温で1時間インキュベートした。「第2」抗体結合後、ウェルをPBS、Tween20で3回、PBSで3回洗浄し、TMB基質(DAKO−TMB1段階基質系、DAKO、デンマーク)50μLを添加した。反応は20分間行い、0.5M H2SO4で反応停止し、分析した。ELISA分析の結果から、リゾチームに対するシグナルとA−HAに対するシグナルのシグナル比が1.5以上であることから判断すると、いずれの系列ともバックグランドのシグナルを上回っており(図34及び35)、ファージのA−HAに対する特異的結合に関しては「成功(hits)」していることが示された。
【0136】
#1系列からは13個の成功が確認され、#4シリーズからは28個の成功が確認された。
【0137】
(参考文献)
【図面の簡単な説明】
【図1】
3D構造が公知の10個のCTLDのアミノ酸配列の比較を示す。主要な2次構造要素の配列位置は、各配列の上に示してあり、αへリックス数Nを示す「αN」、及びβ鎖数Mを示す「βM」として連続した数字の順番で識別してある。
CTLDの保存された2個のジスルフィド結合の形成に関与する4個のシステイン残基は、図中にそれぞれ「CI」、「CII」、「CIII」及び「CIV」として列挙して示してある。2個の保存されたジスルフィド結合は、それぞれCI−CIV及びCII−CIIIである。
10個のC型レクチンは、
hTN:ヒトテトラネクチン(Nielsen他(1997))、
MBP:マンノース結合蛋白質(Weis他(1991)、Sheriff他(1994))、
SP−D:サーファクタント蛋白質D(Hakansson他(1991))、
LY49A:NK受容体LY49A(Tormo他(1999))、
H1−ASR:アシアロ糖蛋白質受容体のH1サブユニット(Meier他(2000))、
MMR−4:マクロファージマンノース受容体ドメイン4(Feinberg他(2000))、
IX−A及びIX−B:それぞれ、凝固因子IX/X−結合蛋白質ドメインA及びB(MIzuno他(1997))、
Lit:Lithostatine(Bertrand他(1996))、
TU14:尾索類C型レクチン(Poget他(1999))。
【図2】
2次構造要素が公知であることが示されている成熟型ヒト及びマウスのテトラネクチンのコーディング領域のヌクレオチド配列とアミノ酸配列の配列比較を示す。
hTN:ヒトテトラネクチン、Berglund及びPetersen(1992)のヌクレオチド配列。
mTN:マウステトラネクチン、Sorensen他(1995)のヌクレオチド配列。
Neilsen他(1997)の2次構造要素。「α」はαへリックスを示し、「β」はβ鎖を示し、「L」はループを示す。
【図3】
ヒト及びマウスのtlecコーディング領域のヌクレオチド配列とアミノ酸配列の配列比較を示す。htlec:hTN由来の配列。mlec:mTN由来の配列。BglII、KpnI、及びMunIの制限エンドヌクレアーゼ部位の位置を示す。
【図4】
ヒト及びマウスのtCTLDコーディング領域のヌクレオチド配列とアミノ酸配列の配列比較を示す。htCTLD:hTN由来の配列。mtCTLD:mTN由来の配列。BglII、KpnI、及びMunIの制限エンドヌクレアーゼ部位の位置を示す。
【図5】
pT7H6FX−htlec発現プラスミドの概略を示す。Fx−htlec断片をpT7H6(Christensen他(1991))のBamHIとHindIIIクローニング部位の間に挿入した。
【図6】
pT7H6FX−htlecによって産生したH6FX−htlec融合蛋白質のFx−htlec部分のアミノ酸配列(1文字コード)を示す。
【図7】
pT7H6FX−htCTLD発現プラスミドの概略を示す。FX−htCTLD断片をpT7H6(Christensen他(1991))のBamHIとHindIIIクローニング部位の間に挿入する。
【図8】
pT7H6FX−htCTLDによって産生したH6FX−htCTLD融合蛋白質のFx−htCTLD部分のアミノ酸配列(1文字コード)を示す。
【図9】
pPhTNファージミドの概略を示す。PhTN断片をファージミドpCANTAB 5E(Amersham Pharmacia Biotech、コード番号27−9401−01)のSfiIとNotI制限部位の間に挿入した。
【図10】
pPhTNによって産生されるPhTN−遺伝子III融合蛋白質のPhTN部分のアミノ酸配列(1文字コード)を示す。
【図11】
pPhTN3ファージミドの概略を示す。PhTN3断片をファージミドpCANTAB 5E(Amersham Pharmacia Biotech、コード番号27−9401−01)のSfiIとNotI制限部位の間に挿入した。
【図12】
pPhTN3によって産生されるPhTN3−遺伝子III融合蛋白質のPhTN3部分のアミノ酸配列(1文字コード)を示す。
【図13】
pPhtlecファージミドの概略を示す。Phtlec断片をファージミドpCANTAB 5E(Amersham Pharmacia Biotech、コード番号27−9401−01)のSfiIとNotI制限部位の間に挿入した。
【図14】
pPhtlecによって産生されるPhtlec−遺伝子III融合蛋白質のPhtlec部分のアミノ酸配列(1文字コード)を示す。
【図15】
pPhtCTLDファージミドの概略を示す。PhtCTLD断片をファージミドpCANTAB 5E(Amersham Pharmacia Biotech、コード番号27−9401−01)のSfiIとNotI制限部位の間に挿入した。
【図16】
pPhtCTLDによって産生されるPhtCTLD−遺伝子III融合蛋白質のPhtCTLD部分のアミノ酸配列(1文字コード)を示す。
【図17】
pUC−mtlecの概略を示す。
【図18】
pT7H6FX−mtlec発現プラスミドの概略を示す。FX−mtlec断片をpT7H6(Christensen他(1991))のBamHIとHindIIIクローニング部位の間に挿入した。
【図19】
pT7H6FX−mtlecによって産生されるH6FX−mtlec融合蛋白質のFX−mtlec部分のアミノ酸配列(1文字コード)を示す。
【図20】
pT7H6FX−mtCTLD発現プラスミドの概略を示す。FX−mtCTLD断片をpT7H6(Christensen他(1991))のBamHIとHindIIIクローニング部位の間に挿入した。
【図21】
pT7H6FX−mtCTLDによって産生されるH6FX−mtCTLD融合蛋白質のFX−mtCTLD部分のアミノ酸配列(1文字コード)を示す。
【図22】
pPmtlecファージミドの概略を示す。Pmtlec断片をファージミドpCANTAB 5E(Amersham Pharmacia Biotech、コード番号27−9401−01)のSfiIとNotI制限部位の間に挿入した。
【図23】
pPmtlecによって産生されるPmtlec−遺伝子III融合蛋白質のPmtlec部分のアミノ酸配列(1文字コード)を示す。
【図24】
pPmtCTLDファージミドの概略を示す。PmtCTLD断片をファージミドpCANTAB 5E(Amersham Pharmacia Biotech、コード番号27−9401−01)のSfiIとNotI制限部位の間に挿入した。
【図25】
pPmtCTLDによって産生されるPmtCTLD−遺伝子III融合蛋白質のPmtCTLD部分のアミノ酸配列(1文字コード)を示す。
【図26】
抗テトラネクチン又はBSAに結合するPhtlec−、PhTN3−、及びM13KO7ヘルパーファージのELISA型分析を示す。パネルA:ブロック試薬として3%スキムミルク/5mM EDTAを使用した分析。パネルB:ブロック試薬として3%スキムミルクを使用した分析。
【図27】
プラスミノーゲン(Plg)及びBSAに結合するPhtlec−、PhTN3−、及びM13KO7ヘルパーファージのELISA型分析を示す。パネルA:ブロック試薬として3%スキムミルク/5mM EDTAを使用した分析。パネルB:ブロック試薬として3%スキムミルクを使用した分析。
【図28】
選択2回目からプラスミノーゲン(Plg)に結合するB系列及びC系列のポリクローナル集団のELISA型分析をバックグラウンドと比較して示す。
【図29】
ELISA型アッセイにおいて雌鶏卵白リゾチーム、ヒトβ2−ミクログロブリン及びバックグラウンドに対する結合について分析を行った3回目の選択から単離した12個のクローンからのファージ。
【図30】
pPrMBPによって産生したPrMBP遺伝子III融合蛋白質のPrMBP部分のアミノ酸配列(1文字コード)を示す。
【図31】
pPrMBPファージミドの概略を示す。PrMBP断片をファージミドpCANTAB 5E(Amersham Pharmacia Biotech、コード番号27−9401−01)のSfiIとNotI制限部位の間に挿入した。
【図32】
pPhSP−Dによって産生されるPhSP−D−遺伝子III融合蛋白質のPhSP−D部分のアミノ酸配列(1文字コード)を示す。
【図33】
pPhSP−Dファージミドの概略を示す。PhSP−D断片をファージミドpCANTAB 5E(Amersham Pharmacia Biotech、コード番号27−9401−01)のSfiIとNotI制限部位の間に挿入した。
【図34】
ELISA型アッセイで雌鶏卵白リゾチーム及びA−HAに対する結合を分析した1番系列における3回目の選択から単離した48個のクローンからのファージ。
【図35】
ELISA型アッセイで雌鶏卵白リゾチーム及びA−HAに対する結合を分析した4番系列における3回目の選択から単離した48個のクローンからのファージ。
Claims (76)
- C型レクチン様ドメイン(CTLD)の骨格構造を有する蛋白質であって、αへリックス及びβ鎖及び連結セグメントはCTLDの骨格構造が実質的に維持される程度まで保存されているが、一方ループ領域はアミノ酸置換、欠失、挿入又はそれらの組合せによって変更されている蛋白質であって、但し、説明の表2に挙げたC型レクチン様蛋白質又はC型レクチンの公知のCTLDループ誘導体のいずれでもないモデルCTLDの変種を含む蛋白質。
- 以下の主要な2次的構造要素、
β鎖は2本の逆平行βシートに配置されており、1本はβ1及びβ5から成り、もう1本はβ2、β3及びβ4から成るβ1、α1、α2、β2、β3、β4及びβ5の順番で出現する5本のβ鎖及び2本のαへリックス、
1個はα1とβ5とを連結し、もう1個はβ3とβ4及びβ5とを連結するポリペプチドセグメントを連結する少なくとも2個のジスルフィド結合、
β2とβ3とを連結する、一般的に15〜70個、やや一般的に5〜14個のアミノ酸残基を含むループセグメントA(LSA)、及びβ3とβ4とを連結し、一般的に5〜12個、やや一般的に2〜4個のアミノ酸残基を含むループセグメントB(LSB)である2個のポリペプチドセグメントから成るループ領域、
を特徴とする図1で例示した2次構造配置に適合する3D構造を有することによって前記モデルCTLDが定義される請求項1記載の蛋白質。 - アミノ酸配列同一性で標示したとき、CTLDファミリーの認識済み要素ドメインと少なくとも22%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも30%の配列類似性が示され、保存された2個のジスルフィド結合形態を確立するために必要なシステイン残基(すなわち、CysI、CysII、CysIII及びCysIV)を含有しており、一方ループ領域及び隣接するそのβ鎖構造要素を配列比較して調べたところ図1で示したCTLD集合体と同一で、β2鎖及びβ3鎖の配列位置は、これらの配列を4残基のコンセンサス配列、β2cseq及びβ3cseq、及び一般的に保存されたCysIII残基に対して−6位から−2位、やや一般的には−5位から−2位に位置するβ4鎖セグメントと比較し、及び表1で説明したような−5位及び−3位に特徴的で、説明では除外した残基と比較することによって、さらに確かに同一性が確認されたことによって前記モデルCTLDが定義される請求項1記載の蛋白質。
- 10個まで、好ましくは4個まで、より好ましくは1個又は2個のアミノ酸残基がαへリックス及び/又はβ鎖及び/又は前記モデルCTLDの連結セグメントで置換、欠失又は挿入されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛋白質。
- CTLDの骨格構造を実質的に維持しながら、容易に前記ループ領域の一部又は全部を切除し、変更したアミノ酸配列を代わりに挿入するため、CTLDをコードするヌクレオチド配列に1個又は複数の制限エンドヌクレアーゼ認識部位を導入した結果、4残基までの変化が前記モデルCTLDのβ鎖に生じた請求項1〜4のいずれか一項に記載の蛋白質。
- 前記モデルCTLDがテトラネクチンのモデルである請求項1〜5のいずれか一項に記載の蛋白質。
- 前記モデルCTLDがモノマー天然ペプチド配列に59個から180個のアミノ酸残基を含むヒトテトラネクチンのモデルである請求項6記載の蛋白質。
- 前記モデルCTLDがモノマー天然ペプチド配列に59個から180個のアミノ酸残基を含むマウステトラネクチンのモデルである請求項6記載の蛋白質。
- 前記CTLD変種のN末端及び/又はC末端伸長部部分をさらに含む請求項1〜8のいずれか一項に記載の蛋白質。
- 前記N末端及び/又はC末端伸長部部分がエフェクター、酵素、さらには結合及び/又は多量体化官能基を含む請求項9記載の蛋白質。
- 前記N末端及び/又はC末端伸長部部分が天然のC型レクチン様蛋白質又はC型レクチン又は機能的な膜貫通ドメインを欠いたそれらの「可溶性」変種の非CTLD部分である請求項9又は10に記載の蛋白質。
- 前記CTLD変種を含む部分の多量体である請求項1〜11のいずれか一項に記載の蛋白質。
- 天然テトラネクチン3量体から得られる請求項12記載の蛋白質。
- 前記ループ領域のアミノ酸配列を変更することによって、配列番号13の5位Gluから185位Valのアミノ酸配列を有するポリペプチドhtlecから得られる請求項7記載の蛋白質。
- 前記ループ領域のアミノ酸配列を変更することによって、配列番号15の5位Alaから141位Valのアミノ酸配列を有するポリペプチドhtCTLDから得られる請求項7記載の蛋白質。
- 前記ループ領域のアミノ酸配列を変更することによって、配列番号9の5位Gluから185位Valのアミノ酸配列を有するポリペプチドhTNから得られる請求項7記載の蛋白質。
- 前記ループ領域のアミノ酸配列を変更することによって、配列番号11の5位Alaから141位Valのアミノ酸配列を有するポリペプチドhTN3から得られる請求項7記載の蛋白質。
- 前記ループ領域のアミノ酸配列を変更することによって、配列番号36の5位Gluから185位Valのアミノ酸配列を有するポリペプチドmtlecから得られる請求項8記載の蛋白質。
- 前記ループ領域のアミノ酸配列を変更することによって、配列番号38の5位Alaから141位Valのアミノ酸配列を有するポリペプチドmtCTLDから得られる請求項8記載の蛋白質。
- C型レクチン様ドメイン(CTLD)の骨格構造を有する蛋白質のコンビナトリアルライブラリであって、前記蛋白質が前記αへリックス及びβ鎖は前記CTLDの骨格構造が実質的に維持される程度まで保存されているが、一方前記CTLDの前記ループ領域又は前記ループ領域の一部はアミノ酸配列及び/又はアミノ酸残基の数に関して無作為化されているモデルCTLDの変種を含むコンビナトリアルライブラリ。
- 以下の主要な2次的構造要素、
β鎖は2本の逆平行βシートに配置されており、1本はβ1及びβ5から成り、もう1本はβ2、β3及びβ4から成るβ1、α1、α2、β2、β3、β4及びβ5の順番で出現する5本のβ鎖及び2本のαへリックス、
1個はα1とβ5とを連結し、もう1個はβ3とβ4及びβ5とを連結するポリペプチドセグメントを連結する少なくとも2個のジスルフィド結合、
β2とβ3とを連結し、一般的に15〜70個、やや一般的に5〜14個のアミノ酸残基を含むループセグメントA(LSA)、及びβ3とβ4とを連結し、一般的に5〜12個、やや一般的に2〜4個のアミノ酸残基を含むループセグメントB(LSB)である2個のポリペプチドセグメントから成るループ領域を特徴とする図1で例示した2次構造配置に適合する3D構造を有することによって前記モデルCTLDが定義される請求項20記載のコンビナトリアルライブラリ。 - 前記モデルCTLDは、アミノ酸配列同一性で標示したとき、少なくとも22%、好ましくは少なくとも25%、より好ましくは少なくとも30%の、CTLDファミリーの確認済み要素ドメインとの配列類似性を示し、保存された2個のジスルフィド性架橋トポロジーを確立するために必要なシステイン残基(すなわち、CysI、CysII、CysIII及びCysIV)を含有することによって定義され、前記ループ領域及び隣接したβ鎖構造要素は、図1に示したCTLD収集物との配列整列を点検することによって確認され、さらにβ2鎖及びβ3鎖の配列位置は、これらの配列を4残基コンセンサス配列、β2cseq及びβ3cseq、及び保存されたCysIII残基に対して一般的に−6位から−2位、やや一般的には−5位から−2位に位置するβ4鎖セグメントと比較し、かつ表1に示し、前記の発明の背景で除外した、−5位及び−3位の特徴的残基と比較することによって得られる追加の確証により明らかとなる請求項20記載のコンビナトリアルライブラリ。
- 10個まで、好ましくは4個まで、より好ましくは1又は2個のアミノ酸残基が前記αへリックス及び/又はβ鎖及び/又はモデルCTLDの連結セグメントで置換、欠失又は挿入されているCTLD変種を含む蛋白質の請求項20〜22のいずれか一項に記載のコンビナトリアルライブラリ。
- 前記CTLDの骨格構造を実質的に維持しながら、容易に該ループ領域をコードするDNAセグメントの一部又は全部を切除し、代わりに無作為化したアミノ酸配列をまとめてコードするDNA断片集合体の要素断片を挿入するために、前記CTLDをコードするヌクレオチド配列中に1個又は複数の制限エンドヌクレアーゼ認識部位を導入した結果、4残基までの変化がモデルCTLDに生じた、CTLD変種を含む蛋白質の請求項20〜23のいずれか一項に記載のコンビナトリアルライブラリ。
- 前記モデルCTLDがテトラネクチンのモデルである蛋白質の請求項20〜24のいずれか一項に記載のコンビナトリアルライブラリ。
- 前記モデルCTLDがモノマー天然ペプチド配列に59個から180個のアミノ酸残基を含むヒトテトラネクチンのモデルである請求項25記載のコンビナトリアルライブラリ。
- 前記モデルCTLDがモノマー天然ペプチド配列に59個から180個のアミノ酸残基を含むマウステトラネクチンのモデルである請求項25記載のコンビナトリアルライブラリ。
- CTLD変種のN末端及び/又はC末端伸長部部分をさらに含む蛋白質の請求項20〜27のいずれか一項に記載のコンビナトリアルライブラリ。
- 前記N末端及び/又はC末端伸長部部分がエフェクター、酵素、さらには結合及び/又は多量体化官能基を含む蛋白質の請求項28記載のコンビナトリアルライブラリ。
- 前記N末端及び/又はC末端伸長部部分が天然のC型レクチン様蛋白質又はC型レクチン又は機能的な膜貫通ドメインを欠いた「可溶性」変種の非CTLD部分である蛋白質の請求項28又は29に記載のコンビナトリアルライブラリ。
- CTLD変種を含む部分の多量体である蛋白質の請求項20〜30のいずれか一項に記載のコンビナトリアルライブラリ。
- 天然テトラネクチン3量体から得られる蛋白質の請求項31記載のコンビナトリアルライブラリ。
- 前記ループ領域をアミノ酸配列及び/又はアミノ酸残基の数に関して無作為化することによって配列番号13の5位Gluから185位Valのアミノ酸配列を有するペプチドhtlecから得られた蛋白質の請求項27記載のコンビナトリアルライブラリ。
- 前記ループ領域をアミノ酸配列及び/又はアミノ酸残基の数に関して無作為化することによって配列番号15の5位Alaから141位Valのアミノ酸配列を有するペプチドhtCTLDから得られた蛋白質の請求項27記載のコンビナトリアルライブラリ。
- 前記ループ領域をアミノ酸配列及び/又はアミノ酸残基の数に関して無作為化することによって配列番号9の5位Gluから185位Valのアミノ酸配列を有するペプチドhTNから得られた蛋白質の請求項27記載のコンビナトリアルライブラリ。
- 前記ループ領域をアミノ酸配列及び/又はアミノ酸残基の数に関して無作為化することによって配列番号11の5位Alaから141位Valのアミノ酸配列を有するペプチドhTN3から得られた蛋白質の請求項27記載のコンビナトリアルライブラリ。
- 前記ループ領域をアミノ酸配列及び/又はアミノ酸残基の数に関して無作為化することによって配列番号36の5位Gluから185位Valのアミノ酸配列を有するペプチドmtlecから得られた蛋白質の請求項28記載のコンビナトリアルライブラリ。
- 前記ループ領域をアミノ酸配列及び/又はアミノ酸残基の数に関して無作為化することによって配列番号38の5位Alaから141位Valのアミノ酸配列を有するペプチドmtCTLDから得られた蛋白質の請求項28記載のコンビナトリアルライブラリ。
- 10個まで、好ましくは4個まで、より好ましくは1個又は2個のアミノ酸残基が、前記αへリックス及び/又はβ鎖及び/又はCTLD連結セグメントにおいて、置換、欠失、又は挿入されている天然テトラネクチンの誘導体であって、但し説明中の表2に挙げたヒトテトラネクチン(hTN)の公知のCTLD誘導体のいずれでもない誘導体。
- 配列番号13の5位Gluから185位Valまでのアミノ酸配列を有するhtlecと称するヒトテトラネクチンの誘導体。
- 配列番号15の5位Alaから141位Valまでのアミノ酸配列を有するhtCTLDと称するヒトテトラネクチンの誘導体。
- 配列番号9のアミノ酸配列を有するPhTNと称するヒトテトラネクチンの誘導体。
- 配列番号11のアミノ酸配列を有するPhTN3と称するヒトテトラネクチンの誘導体。
- 配列番号13のアミノ酸配列を有するPhtlecと称するヒトテトラネクチンの誘導体。
- 配列番号15のアミノ酸配列を有するPhtCTLDと称するヒトテトラネクチンの誘導体。
- 配列番号2のアミノ酸配列を有するFX−htlecと称するヒトテトラネクチンの誘導体。
- 配列番号4のアミノ酸配列を有するFX−htCTLDと称するヒトテトラネクチンの誘導体。
- 配列番号36の5位Gluから185位Valまでのアミノ酸配列を有するmtlecと称するマウステトラネクチンの誘導体。
- 配列番号38の5位Alaから141位Valまでのアミノ酸配列を有するmtCTLDと称するマウステトラネクチンの誘導体。
- 配列番号36のアミノ酸配列を有するPmtlecと称するマウステトラネクチンの誘導体。
- 配列番号38のアミノ酸配列を有するPmtCTLDと称するマウステトラネクチンの誘導体。
- 配列番号29のアミノ酸配列を有するFX−mtlecと称するマウステトラネクチンの誘導体。
- 配列番号31のアミノ酸配列を有するFX−mtCTLDと称するマウステトラネクチンの誘導体。
- 配列番号12のヌクレオチド20からヌクレオチド562までに示されたようなhtlec挿入部分をコードするヌクレオチド配列を含む核酸。
- 配列番号14のヌクレオチド20からヌクレオチド430までに示されたようなhtCTLD挿入部分をコードするヌクレオチド配列を含む核酸。
- 配列番号35のヌクレオチド20からヌクレオチド562までに示されたようなmtlec挿入部分をコードするヌクレオチド配列を含む核酸。
- 配列番号37のヌクレオチド20からヌクレオチド430までに示されたようなmtCTLD挿入部分をコードするヌクレオチド配列を含む核酸。
- 請求項1〜19のいずれか一項に記載の蛋白質をコードするいずれかのヌクレオチド配列を含む核酸。
- 集合して核酸の前記ライブラリを構成する核酸集合体の要素核酸がディスプレイ系で発現することができ、ディスプレイされた発現産物の特性を示す表現型をディスプレイする単位と対応する遺伝子型との間に論理的、物理的又は化学的結合を提供する請求項20〜38のいずれか一項に記載のコンビナトリアルライブラリの蛋白質をコードする核酸のライブラリ。
- 前記ディスプレイ系が、
(I)ファージディスプレイ系、たとえば、
(1)前記核酸ライブラリが
(a)ファージミドベクター、
(b)ファージのウイルスゲノム、
(c)精製された1本鎖又は2本鎖型の精製ウイルス核酸に挿入された繊維状ファージfd、又は
(2)前記ライブラリが、
(a)精製ラムダファージDNA、又は
(b)ラムダファージ粒子の核酸に挿入されたラムダファージ、又は
(II)前記核酸ライブラリがバキュロウイルスなどの真核ウイルスのウイルス核酸に挿入されたウイルスディスプレイ系、又は
(III)細胞内に維持され、それ自体発現することが可能で、
(a)細菌細胞、
(b)酵母細胞、又は
(c)ほ乳類細胞の表面上で細胞表面ディスプレイするために適した宿主ゲノム又は染色体外因子に組み込まれることが可能な核酸担体に、核酸の前記ライブラリが挿入された、又は隣接した細胞をベースとしたディスプレイ系、又は
(IV)前記核酸ライブラリを挿入するリボゾーム結合ディスプレイに適した核酸単位、又は
(V)前記核酸ライブラリを挿入するプラスミド結合ディスプレイに適したプラスミドから選択された請求項49記載の核酸ライブラリ。 - 前記ファージミドベクターがAmersham Pharmacia Biotechの「組換えファージ抗体システム(Recombinant Phage Antibody System)」用ベクター「pCANTAB 5E」(コード番号27−9401−01)である請求項60記載の核酸ライブラリ。
- 前記蛋白質が少なくとも1種又は複数の、同一又は同一ではない、スクリーニング又は選択によって1種又は複数のCTLDライブラリから単離された新規ループ領域配列を有するCTLDドメインを含む請求項1〜19のいずれか一項に記載の蛋白質の調製方法。
- 少なくとも1種のCTLDドメインがさらに突然変異によって変更された請求項62記載の蛋白質の調製方法。
- 少なくとも1種のCTLDドメインを含有する蛋白質が化学的又は酵素的結合又は架橋結合による2個以上の成分の集合体である請求項62又は63に記載の蛋白質の調製方法。
- 以下の段階、
1)モデルCTLDを含む蛋白質をコードする核酸を適切なベクターに挿入する段階、
2)必要であれば、部位特異的突然変異によって制限エンドヌクレアーゼ認識部位を導入する段階であって、前記認識部位が前記CTLDの前記ループ領域又はそれらの一部をコードする配列の末端の配列又はその近くに適切に位置する段階、
3)適切な制限エンドヌクレアーゼを使用して前記ループ領域又はそれらの一部をコードするDNA断片を切除する段階、
4)DNA断片混合物を制限ベクターに連結する段階、及び
5)CTLD骨格構造を有する無作為化蛋白質を発現させるために、ベクターを適切な媒体に導入する段階を含む請求項20〜38のいずれか一項に記載のコンビナトリアルライブラリの調製方法。 - β2、β3又はβ4コードする核酸セグメントあるいは、β2、β3又はβ4をコードする核酸セグメントに属する任意のヌクレオチドの配列からヌクレオチド30個分まで下流又は上流にエンドヌクレアーゼ制限部位を創出するために、テトラネクチン誘導体をコードする核酸を変更した請求項20〜38のいずれか一項に記載のコンビナトリアルライブラリの調製に適合したテトラネクチン誘導体の構築方法。
- テトラネクチンのCTLDのループ領域をコードする核酸の一部又は全てを無作為化することによって、関連蛋白質をコードするヌクレオチド配列のライブラリを調製するために、テトラネクチン、又はそのCTLDの骨格構造が実質的に維持されたそれらの誘導体をコードするヌクレオチド配列の使用。
- 前記ヌクレオチド配列がほ乳類テトラネクチンをコードする請求項67記載の使用。
- 前記ヌクレオチド配列がヒト又はマウスのテトラネクチンをコードする請求項67記載の使用。
- 前記ヌクレオチド配列が、そのCTLDのαへリックス及びβ鎖及び連結セグメントにおいて10個まで、好ましくは4個まで、より好ましくは1個又は2個のアミノ酸残基が置換、欠失又は挿入された天然テトラネクチン誘導体をコードする請求項67記載の使用。
- 前記ヌクレオチド配列が、配列番号12のヌクレオチド20からヌクレオチド562に示したように、htlecと称するヒトテトラネクチン誘導体をコードする請求項67記載の使用。
- 前記ヌクレオチド配列が配列番号14のヌクレオチド20からヌクレオチド430に示したように、htCTLDと称するヒトテトラネクチン誘導体をコードする請求項67記載の使用。
- 該ヌクレオチド配列が配列番号35のヌクレオチド20からヌクレオチド562に示したように、mtlecと称するマウステトラネクチン誘導体をコードする請求項67記載の使用。
- 前記ヌクレオチド配列が配列番号37のヌクレオチド20からヌクレオチド430に示したように、mtCTLDと称するマウステトラネクチン誘導体をコードする請求項67記載の使用。
- 以下に示した段階、
1)ディスプレイ系で蛋白質ライブラリをディスプレイするために請求項59から請求項61までのいずれか一項に記載の核酸ライブラリを発現する段階、
2)ディスプレイされた単位集合体を適切にタグ付けした標的物質と接触させる段階であって、そのために前記標的物質に親和性を示すCTLD由来物の単離が望まれる段階、
3)前記標的物質を媒介物又はアフィニティ精製の手段として結合又は物理的に接着又は付着させたタグ、通常当分野で「アフィニティパニング」と称される方法、次いでサブライブラリの再増幅を利用して、親和性に基づいて選択的に抽出する方法によって前記標的物質に親和性を示すディスプレイされた単位の亜集団を収集する段階、
4)適度に小数の優れた結合剤候補が得られるまで、パニング及び再増幅を繰り返すことによって着実により良い結合剤を単離する段階、及び
5)所望するならば、1個又は複数の好ましい産物クローンを最終的に選択するために、個々のクローンとして優れた候補それぞれを単離し、調製において通常の機能的及び構造的特徴付けを行う段階を含む特異的標的に結合させるための請求項20〜38のいずれか一項に記載のコンビナトリアルライブラリのスクリーニング方法。 - 請求項1〜19のいずれか一項に記載されているか、請求項20〜38のいずれか一項に記載されたコンビナトリアルライブラリから選択された、所望する結合特性を示すCTLD変種を含有する蛋白質を、PCR技術、部位特異的変異誘発又は制限酵素消化を使用して前記蛋白質をコードする核酸からループ領域置換ポリペプチドをコードする核酸断片及び必要な単一のフレームワーク変異を切除すること、及び前記核酸断片を所望する他のCTLDフレームワークをコードする核酸配列を有するディスプレイベクター又は蛋白質発現ベクターの適切な位置に挿入することによって、所望する他の種に適合したフレームワーク内に再構成する方法。
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