JP2004514498A - 椎骨間安定化装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、２つの隣接する椎骨２、２´を連結する設計とされた椎骨間安定化装置であって、上側椎骨２と一体の上側停止要素２６と、下側椎骨２´と一体の下側停止要素３４とを備え、該追加的な椎間板停止要素２６、３４が、上記上側椎骨２及び下側椎骨２´が患者の横方向軸及び矢状方向軸の周りで相互に回転するのを許容し且つ、上記２つの椎骨が垂直方向軸の周りで相互に回転するのを防止し得るようにされた相互の支持面２６´、３８を有し、上記支持面が上記椎骨の矢状方向軸に沿って一方向に相互に平行移動するのを許容し且つ、上記２つの椎骨間にて垂直方向軸に沿って両方向に平行移動するのを許容し、更に、上記２つの椎骨間にて横方向軸に沿って両方向に平行移動するのを防止し得るようにされている。

Description

【０００１】
本発明は、椎骨間安定化装置に関する。
【０００２】
本発明は、後方椎骨間関節が外科手術又は病気によって全体又は一部分、傷付いたとき、２つの隣接する椎骨間の安定性を回復することを可能にする装置を提案するものである。
【０００３】
この目的のため、２つの隣接する椎骨を接続する設計とされた椎骨間安定化装置であって、上側椎骨と一体の上側停止要素と、下側椎骨と一体の下側停止要素とを備え、これらの追加的な椎間板停止要素が上記上側及び下側椎骨が患者の横方向及び矢状方向軸の周りを相互に回転するのを許容し得るようにされ且つ、これら２つの椎骨が垂直軸の周りを相互に回転するのを防止し得るようにされた相互の支持面を有し、また、これらの支持面が、これらの椎骨が矢状方向軸に沿って一方向に相互に平行移動するのを許容し且つ、これら２つの椎骨が垂直軸に沿って両方向に平行移動するのを許容し、更に、こられ２つの椎骨が横方向軸に沿って両方向に平行移動するのを防止し得るようにされることを特徴とする椎骨間安定化装置が本発明の目標である。
【０００４】
本発明のその他の特徴によれば、
停止要素の１つは、垂直軸の両側部に配置された２つの平坦な支持面を備え、これら２つの支持面が、斜め方向に伸び且つ他方の要素に設けられた２つの球と相互作用し、
更に、該装置は、少なくとも１つの上側ねじと、少なくとも１つの下側ねじとを備え、停止要素の各々は、上記ねじの少なくとも一方と一体であり、
停止要素の各々は、上側ねじ及び下側ねじという双方のねじと一体であり、
停止要素の各々の横方向寸法に対応する手段、具体的には、ねじの少なくもと１つの斜めの受け入れ管腔と、
停止要素の各々を少なくとも１つのねじと平行移動するように選択的に相互係止する手段とが提供され、
更に、装置は、椎骨間空間の後側に配置され、上記椎骨間にて少なくとも椎骨の曲がり方向への偏位を吸収するのに適した追加的な椎間板部位を備え、
更に、装置は、２つの隣接する椎骨の椎骨体間に少なくとも一部分、挿入し得る設計とされた、少なくとも１つの体間インプラントを備えている。
【０００５】
本発明は、単に一例としてのみ掲げた添付図面に関して以下に説明する。
【０００６】
図１には、本発明による安定化装置を通じて接続された上側椎骨２及び下側椎骨２´という、２つの椎骨が図示されている。椎骨の各々は、肉茎６、６´により伸長させた椎骨体４、４´を備えており、椎骨間空間は参照番号１２で示してある。患者は、その後方椎骨間関節の主要部分が除去されているのが分かる。
【０００７】
図２により明確に示すように、上側椎骨には、脊柱の主要軸の両側部に配置された２つの上側ねじ２２、２４が設けられている。更に、上側椎骨には、下側椎骨と一体であり且つ、上側ねじのほぼ下方に配置された２つの下側ねじ２２´、２４´が設けられている。
【０００８】
本発明の安定化装置は、水平方向枝部分２８と、２つの垂直方向枝部分３０とを含む上側停止要素２６を備えている。この枝部分２８は、上側ねじ２２、２４の軸が通る設計とされた、その枝部分に形成された２つの円形穴を有している。開口部の各々の壁は、ねじの一部分を覆う軸方向シース２９によって伸長させてある。枝部分２８の材料にて形成することのできるこのシースは、停止要素をねじの主要軸に対し平行な平行移動距離に沿ってねじに対し選択的に固定し得るようにされた止めねじ３１を受け入れる。
【０００９】
この装置は、また、球３８が設けられたロッド３７によりその端部にて伸長した水平方向枝部分３６を有する下側停止要素３４も備えている。この下側要素は、２つの下側ねじ２２´、２４´の軸を通し得る設計とされるように形成された２つの開口部を有している。上側要素について上述したものと同様に、開口部の各々には、ねじ３１´が設けられた軸方向シース２９´が形成されている。
【００１０】
更に、１つの変形例として、開口部の少なくとも一方は、楕円形の管腔とすることができる。このように、このことは、停止要素の横方向寸法をねじから異なる空間にて順応することを可能にする。水平方向枝部分２８、３６は、また、例えば、縮退可能にすることにより可変長さであるようにすることもできる。
【００１１】
垂直方向枝部分３０の各々は、折り畳まれ、その端部が斜め方向に伸びる平坦面２６´を有するようにする。このことは、この端部が患者の右側から左側に伸びる中間横方向軸Ａ´に対し平行でなく、また、患者の背中から前側に伸びる（図３）中間矢状方向軸Ａ´´に対して平行でもないことを示す。この平坦面２６´の主要軸Ｄは、これら２つの軸Ａ´、Ａ´´の交点を通る線Ｄ´、具体的には、これら２つの軸の分割線に対して平行である。
【００１２】
支持面２６´の各々は、ほぼ点接触点に沿って相応する球３８と相互作用する。このようにして、上側及び下側停止要素間にて、また、２つの椎骨２、２´間にて軸Ａ´、Ａ´´の周りで２つの回転が許容される。他方、これら２つの椎骨間の垂直軸Ａの周りの回転は阻止される。
【００１３】
更に、矢状方向軸Ａ´´に沿った２つの椎骨２、２´の相互の平行移動は、一方向に許容される。このように、上側椎骨は、下側椎骨に対し前側に向けて偏位させることはできず、他方、この下側椎骨に対し後方に向けて偏位自在である。
【００１４】
更に、２つの椎骨２、２´の相互の平行移動は、横方向軸Ａ´に沿って両方向に阻止される。最後に、これら２つの椎骨間の相互の平行移動は、垂直軸Ａに沿って両方向に許容される。
【００１５】
その他の配置を提案することができる。このように、上側停止要素には少なくとも１つの球３８´を設けることもでき、該球は、下側要素の水平方向枝部分３６から伸びる（図４）、斜めの平坦面３６´によって終わる垂直方向枝部分と相互作用する。このことは、その各々がそれぞれの停止要素に属する（図５）、隣接する２つの球状支持面４２、４２´が相互作用することを必要とする。
【００１６】
更なる変形例として、垂直方向枝部分３０の少なくとも一方の少なくとも一部分を弾性材料から形成することができ、この材料の弾性は、枝部分３０の各々が相応する球３８と恒久的に接触することを許容する。枝部分の主要軸の周りを回転する特定の相互の偏位距離を有する少なくとも１つの垂直方向枝部分を２つの部分から形成することも考えられる。この偏位の可能性は、２つの停止要素を構成する一時的なものとするか又は各瞬間に枝部分と球との角度の適合を確保し得るように恒久的なものとすることができる。
【００１７】
特に、自然の後側関節の部分が傷付いていない場合、単一の球３８と相互作用する単一の垂直方向枝部分３０を提供することも可能である。
【００１８】
更に、２つの隣接する椎骨２、２´は、ねじ２２、２２´の２つの自由端に取り付けられた吸収部位４０によって接続されている。吸収部位は、例えば、フランス国特許第２　６７６　９１１号又はフランス国特許第２　７５１　８６４号の開示に従ったものとする。該吸収部位は、また、例えば、フランス国特許第２　６９４　１８２号の開示に従った靭帯状物を備えることもできる。
【００１９】
この追加的な椎間板の吸収部位は、少なくとも患者が前方に向けて傾く方向である、椎骨間の曲がり方向に向けて２つの隣接する椎骨間の偏位を吸収するのに適している。
【００２０】
本発明は、説明し且つ図示した実施例にのみ限定されるものではない。
【００２１】
部分的又は全体とすることのできる体間インプラントを椎骨間空間１２内に収容するようにする提案も可能である。部分的インプラントである場合、この型式の幾つかのインプラントを同一の２つの椎骨の間に配置することができる。
【００２２】
かかるインプラントは、前方経路又は後方経路の何れかにより、ねじ込み又は貫入によって所要位置に配置することができる。
【００２３】
本発明は上述した目的を達成することを可能にする。
【００２４】
隣接する神経まで伸びる、椎骨間円板の変性病理学的状態の場合、外科医はこのように圧縮された神経の根を自由にする必要がある。この目的のため、相応する手術は後側椎骨間関節の少なくとも一部を切除することを含む。
【００２５】
本発明の装置は、外科手術のため感知し得る程に低下した後側の安定性を回復することを顕著な程度まで可能にする。更に、該装置は、２つの隣接する椎骨の間に自然の動作に極めて近い相対的動作を許容する。この点に関して、特に、２つの追加的な椎間板停止要素を追加的な椎間板吸収部位と組み合わせることは極めて有益である。
【００２６】
上側又は下側要素の各々を２つのねじに同時に取り付けるとの提案は、これらねじがねじを受け入れる椎骨体に対し分離するのを防止することを可能にする。実際上、この場合、ねじはその主要軸の周りで何ら回転されることはない。
【図面の簡単な説明】
【図１】
本発明による安定化装置がその間に配置された、２つの隣接する椎骨を示す横方向概略図である。
【図２】
図１の装置を示す斜視図である。
【図３】
図１の装置を示す頂面図である。
【図４】
図１の装置の変形実施の形態を示す頂面図である。
【図５】
図１の装置の更なる変形実施の形態を示す頂面図である。

Claims (8)

1. ２つの隣接する椎骨（２、２´）を接続する設計とされた椎骨間安定化装置において、上側椎骨（２）と一体の上側停止要素（２６）と、下側椎骨（２´）と一体の下側停止要素（３４）とを備え、これらの追加的な椎間板停止要素（２６、３４）が、前記上側椎骨（２）及び下側椎骨（２´）が患者の横方向軸（Ａ´）及び矢状方向軸（Ａ´´）の周りで相互に回転するのを許容し且つこれら２つの椎骨が垂直方向軸（Ａ）の周りで相互に回転するのを防止し得るようにされた相互の支持面（２６´、３８；３６´、３８´；４２、４２´）を備え、これらの支持面が、更に、矢状方向軸（Ａ´´）に沿って一方向にこれら椎骨が相互に平行移動するのを許容し且つ、これら２つの椎骨が垂直方向軸（Ａ）に沿って両方向に平行移動するのを許容し、更に、これら２つの椎骨が横方向軸（Ａ´）に沿って２つの方向に平行移動するのを防止し得るようにされることを特徴とする、椎骨間安定化装置。
2. 請求項１に記載の装置において、前記停止要素の一方が、垂直方向軸（Ａ）の両側部に配置された２つの支持面（２６´）を備え、これら２つの面が、斜め方向に伸び且つ前記要素の他方が設けられる２つの球（３８）と相互作用することを特徴とする、装置。
3. 請求項１乃至２の１つに記載の装置において、少なくとも１つの上側ねじ（２２、２４）と、下側ねじ（２２´、２４´）とを更に備え、停止要素（２６、３４）の各々が前記ねじの少なくとも１つと一体であることを特徴とする、装置。
4. 請求項３に記載の装置において、停止要素（２６、３４）の各々が、それぞれ上側ねじ（２２、２４）及び下側ねじ（２２´、２４´）という２つのねじと一体であることを特徴とする、装置。
5. 請求項４に記載の装置において、停止要素の各々の横方向寸法に対応する手段、特に、ねじの少なくとも１つの楕円形の受け入れ管腔が設けられることを特徴とする、装置。
6. 請求項３乃至５の１つに記載の装置において、停止要素の各々が少なくとも１つのねじと平行移動状態に選択的に相互係止することを許容する手段（３１、３１´）が設けられることを特徴とする、装置。
7. 請求項１乃至６の１つに記載の装置において、椎骨間空間（１２）の後側に配置され、椎骨間の少なくとも曲がり方向に向けて前記椎骨（２、２´）の偏位を吸収するのに適した追加的な椎間板部位（４０）を備えることを特徴とする、装置。
8. 請求項１乃至７の何れか１つに記載の装置において、２つの隣接する椎骨の椎骨体の間に少なくとも一部分挿入し得るような設計された少なくとも１つの体間インプラントを更に備えることを特徴とする、装置。