JP2004512187A - 産業ロボット - Google Patents

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Abstract

物体を支持するために設計された台、台に配置されたアウタージョイントと第一のアクチュエータに配置されたインナージョイントとをそれぞれが有する2つのリンクと第一のアクチュエータとを備える第一の運動による影響を台に与えるための第一のアームと、台に配置されたアウタージョイントと第二のアクチュエータに配置されたインナージョイントとをそれぞれが有する2つのリンクと第二のアクチュエータとを備える第二の運動による影響を台に与えるための第二のアームと、台に配置されたアウタージョイントと第三のアクチュエータに配置されたインナージョイントとを有する1つのリンクと第三のアクチュエータとを備える第三の運動による影響を台に与えるための第三のアームとを具備する、空間において物体を移動させるための産業ロボット。該第一のアクチュエータは、第一のモータ、第一の平面上に配置された第一の経路、および第一の経路に沿って直線状に移動可能な第一のキャリッジを具備し、これによって2つのインナージョイントを平行に移動可能とさせ、第二のアクチュエータは、第二のモータ、第二の平面上に配置された第二の経路、および第二の経路に沿って直線状に移動可能な第二のキャリッジを具備し、これによって2つのインナージョイントを平行に移動可能とさせ、第三のアクチュエータは、第三のモータ、第三の平面上に配置された第三の経路、および第三の経路に沿って直線状に移動可能な第三のキャリッジを具備し、これによって1つのインナージョイントを平行に移動可能とさせる。
【選択図】図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間で物体物体を動かすための制御装置とマニピュレータを具備する産業ロボットに関する。マニピュレータは、リンクを具備する複数のアームによって連結的に支持された台を具備する。各アームには、台が移動するようにアームのリンクを平行に移動させるためのアクチュエータが取り付けられている。台の役割は、大小の工具または物体を、移動、測定、加工、作業、連結等のために直接的または間接的に支持することである。特に、マニピュレータは、製造業で使用されることを念頭としているが、商品の輸送や港と空港における旅客のための通路を視野にいれてもよい。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
1以上のアームを具備し、少なくとも2つのアームのそれぞれが、マニピュレータのアクチュエータと操作される台との間でジョイントの鎖を形成する、マニピュレータは平行なキネマティックマニピュレータと呼ばれる。(例えば、デカルト座標系でのx、y、z方向における)3つの自由度を有する台を移動させる平行なキネマティックマニピュレータを完全に組み立てるためには、3つの平行作業するアームが必要であり、台の全6つの自由度が操作されるべき場合には、6つの平行作業するアームが必要である。現在いわゆるガントリータイプの直線経路マニピュレータが使用される多くの産業利用の分野においては、4つの自由度が通常必要であり、これは、対応する平行なキネマティックマニピュレータが4つの平行アームを有さなくてはならないことを意味する。
【0003】
負荷能力が大きく軽量な頑丈なアームシステムを得るためには、操作される台に最も近い平行なキネマティックマニピュレータの下部のアームには、圧縮応力と引張応力のみを伝達する全部で6つのリンクがなくてはならない。4つの自由度と4つのアームを有するマニピュレータの場合、4つの下部のアームが相互に6つのリンクを共有しなくてはならないことを意味し、これは、例えば2/2/1/1または3/1/1/1等の一定の組み合わせによってのみなしうる。該リンクの1つが圧縮応力と引張応力に加えてトルクを伝動するために使用される場合には、4つの自由度を有する平行なキネマティックマニピュレータのために、以下の組み合わせが可能である:3/2/1、2/2/2。これらの組み合わせは、3つの自由度のみが操作される台において操作されるべき場合にも使用できる。
【0004】
三角形の作業範囲がマニピュレータ使用において求められている場合、いわゆるガントリーマニピュレータが今日使用されている。これらは、通常4つの自由度(x、y、zとz軸回転)を有する台を操作する。このために、これらのマニピュレータは、3つの連続的に接続された直線経路と1つの回転軸からなり、該軸と該経路上を可動ユニットがx、y、z方向に移動させられる。アクチュエータの第一の直線経路に沿って移動させられる第一の可動ユニットは、該第一の直線経路に垂直に取り付けられた第二の直線経路を支持する。第二の直線経路には第二の可動ユニットがあり、第一と第二の直線経路の双方に対して垂直に取り付けられた第三の直線経路を支持する。第三の直線経路には第三の可動ユニットがあり、マニピュレータが4つの自由度を有する場合に回転軸を支持する。
【0005】
直線経路が、関連する可動ユニットとアクチュエータとに連続接続されていることは、現在のガントリーマニピュレータに多くの制限を課す。
・ マニピュレータが非常に重くなるため、その作動速度が制限され、その結果、高価でエネルギーを消費するアクチュエータ(モータ)が必要になる。
・ マニピュレータが弱くなり、物体または工具を動かした時、移動されるべき経路に沿って移動された場合はマニピュレータが望まずして振動し、特に移動が停止した場合はいわゆるオーバーシュートが発生する。
・ 直線経路について非常に高価で複雑な解決手段が使用されない限り、台が工具と物体との間に力を発生させる時に、マニピュレータが弾力的になる。
・ 可動アクチュエータがそれに関連する測定センサを有する場合、可動ケーブルが必要となるため、ガントリーマニピュレータの信頼性が非常に低下する。
・ 例えば空気ベアリング等を必要とする高価な解決手段を提供することなしに高精度なマニピュレータを得ることは困難であり、同時に該空気ベアリング等はマニピュレータの作動速度を制限する。
・ 連続的なキネマティック鎖で第二の直線経路を支持するために、2つの平行な直線経路が通常使用される。これにより、押されて動きがとれなくなった箪笥の中の引き出しと同様の効果が生じ、これを処理するために特別の費用のかかる解決手段が必要となる。
【0006】
ガントリーマニピュレータを使用するときのこれらの制限の全ては、平行な作業直線経路によって駆動される平行なキネマティックマニピュレータによって除去することが可能であり、該経路は、互いを支持しあう必要はないが、全ての経路を固定されたフレーム構造に取り付けてもよい。そのような平行なキネマティックロボットの一例は、チューリッヒのTechnical Institute of Technology ETHで開発された、Hexaglideである。該ロボットの運動学は、図1から明らかであり、「発明の実施の形態」に記載されている。ここで、6つの平行リンクを利用して操作される台の6つの自由度を誘導するために、3つの直線経路上にある6つの可動ユニットが使用される。このマニピュレータは、非常に軽量のアームシステムを有し、剛性があり、伸縮することなく非常に大きな工具力(tool forces)を得られ、可動ケーブルを有さず、非常に高精度が得られうる。しかし、このマニピュレータは、様々な産業分野で現在使用されているガントリーマニピュレータの代わりとなるには作業範囲が狭すぎる。さらに、この平行キネマティックロボットは、4つの自由度のみが操作されるべき場合にも、6つのアクチュエータが必要になり、その結果、マニピュレータが必要以上に高価になる。最後に、マニピュレータの運動を処理することができる制御プログラムが高価になる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、直線的に駆動されるアクチュエータに基づく平行なキネマティックマニピュレータのための新規な基本構造であって、上記に記載の平行なキネマティックマニピュレータで発生する問題を解決するものである。本発明で説明される新規な基本構造に基づく平行なキネマティックマニピュレータのための実施態様によると、平行四辺形の作業範囲を有するマニピュレータに対する現在の産業界の要求を、現在の連続キネマティックガントリー構造と比較してより低いコスト且つより高い性能で解決することができる。本発明の平行なキネマティックガントリー構造が取って代わりうるガントリーマニピュレータの例は:
・ エンジニアリング産業での部品と既成製品を高い精度で測定する座標測定手段。
・ 研磨、ドリリング、ミリング、デバリングその他の機械加工のための機械工具。
・ 半導体材料の品質を測定するために、半導体板を精査地点に移動させ、大きな力でマトリクス状の接続部に押圧する、半導体製造におけるテスト機械。
・ 電気部品を、例えばプリント基板上の適切な位置に高速且つ高精度で移動させなくてはならない、電気機器のための組立て機械。
・ 例えばスクリーニングの間にマイクロプレートを移動させるための、製薬分野で利用するハンドリングロボット。
・ エンジニアニング産業で、例えば車を組み立てる間に、部品と製品を移動させるためのハンドリングロボット。
【0008】
本発明は、平行な直線経路上を可動ユニットによって駆動される平行なキネマティックアームシステムを具備するマニピュレータを構成する。直線経路を平行とする必要があるのは、マニピュレータの産業範囲が平行四辺形で拡大縮小可能でなければならないためである。平行な直線経路の様々な長さを選択することによって、様々な長さの産業範囲が得られ、平行な直線経路間の様々な距離を選択することによって、様々な幅の産業範囲が得られる。直線経路は、床取り付け、壁取り付け、屋根取り付け、またはこれらの取り付け方法を組み合わせて取り付けられてよい。これら全ての場合で、直線経路に強固に取り付けられたアクチュエータを含み可動ケーブルを含まない駆動システムは、可動ユニットを直線経路に沿って移動させた時該ユニットに伴って移動する必要がある。
【0009】
従って、本発明は、物体を支持するために設計された台、第一のアクチュエータと2つのリンク(該リンクのそれぞれは台に配置されたアウタージョイントと第一のアクチュエータに配置されたインナージョイントとを有する)を具備する、第一の運動による影響を台に与えるための第一のアーム、第二のアクチュエータと2つのリンク(該リンクのそれぞれは台に配置されたアウタージョイントと第二のアクチュエータに配置されたインナージョイントとを有する)を具備する、第二の運動による影響を台に与えるための第二のアーム、および、第三のアクチュエータと1つのリンク(該リンクは台に配置されたアウタージョイントと第二のアクチュエータに配置されたインナージョイントとを有する)を具備する、第三の運動による影響を台に与えるための第三のアームを具備する、空間において物体を移動させるためのマニピュレータを構成し、ここで、第一のアクチュエータは、第一のモータ、第一の平面上に配置された第一の経路、および第一の経路に沿って直線状に移動可能な第一のキャリッジを具備し、これによって2つのインナージョイントを平行に移動可能とさせ、第二のアクチュエータは、第二のモータ、第二の平面上に配置された第二の経路、および第二の経路に沿って直線状に移動可能な第二のキャリッジを具備し、これによって2つのインナージョイントを平行に移動可能とさせ、第三のアクチュエータは、第三のモータ、第三の平面上に配置された第三の経路、および第三の経路に沿って直線状に移動可能な第三のキャリッジを具備し、これによって1つのインナージョイントを平行に移動可能とさせる。
【0010】
本発明の好適な実施態様によると、全てのアウタージョイントは、台の1つの同一の直線に沿って配置される。
【0011】
さらなる好適な実施態様では、第一のアームは、第一のキャリッジに配置されたインナージョイントと台に配置されたアウタージョイントとを有するさらなるリンクを具備し、これによって第一のアームの全リンクが平行に配置される。
【0012】
他の実施態様では、経路は異なる方法で配置される。従って、それらは、同一平面、異なる平面または異なる角度の平面に配置される。経路はまた、幾つかのキャリッジのために統合的に配置される。
【0013】
またさらなる実施態様では、マニピュレータはマニピュレータの第四の運動を影響させるための第四のアームを備える。この運動は、台の回転であってよい。
【0014】
直線経路での平行な直線運動とともに移動する可動ユニット、キャリッジは、平行なキネマティックアームシステムを支持する。高い剛性、高い精度および軽量のアームシステムを得るために、操作される台が6つのリンク(連接ロッド)のジョイント(1連接ロッドあたり1つのジョイント)を利用して取り付けられるように、このシステムを設計する。各ジョイントは、2または3つの自由度を有し、連接ロッドは、台の6つの自由度のそれぞれを操作またはロックできるように構成される。それらの他端では、連接ロッドは、ジョイントを介して、可動ユニットに直接装着されるか、または1または複数の可動ユニットに順に取り付けられる一種のアームに直接装着される。また、その他端では、連接ロッドは、2または3つの自由度を有し、連接ロッドは、1つを除く全ての場合、圧縮応力または引張応力を伝達する必要のみがあるように構成される。例外は、連接ロッドの1つが操作される台に回転運動を伝達するために使用される場合であり、この場合、当該連接ロッドは、ユニバーサルトランスミッションとして機能する。
【0015】
本発明の主要な目的は、操作される台の位置決め(x、y、z)のために4つの自由度を有するマニピュレータを製造する方法と手段を提案することである。他の軸(xまたはz軸)での回転が同時に生じることを防止しつつ、操作される台を(z軸)軸回転させることによって、さらなる利点が得られる。この操作は、平行な直線経路でのわずか4つの可動ユニットで実行され、操作される台を直接または間接的に可動ユニットへ接続する6つの連接ロッドでの圧縮応力と引張応力のみで行われなければならない。
【0016】
従って、本発明によると、2組のリンクが形成されるように、ジョイントを利用して、操作される台に連接ロッドを取り付ける。それぞれの組について、該リンクの組のジョイントの中心を通る数学的直線が形成される。当該中心は、(リンクを回転させるための)ジョイントの回転軸が相互に交差する、ジョイントの数学的な地点により定まる。本発明の主要な目的を達成するため、2組のリンクのジョイントのための2つの数学的直線の双方が平行である必要がある。特に望まれるのは、さらにこれらの数学的直線が一致する場合である。
【0017】
本発明は、ガントリー形の作業範囲を有する平行なキネマティックマニピュレータの基本構造から始まり、多くの有利な実施態様を具備する。
【0018】
本発明概念は、少なくとも1つの可動ユニットを6つの連接ロッドのうちのわずか1つのロッドを介して操作される台に接続することからなる。このように、当該リンクがジョイントを介して取り付けられるアームのいかなる方向での配向のためにも条件が付くことがない。これによって、回転可能な下部アームを導入し、z方向でのマニピュレータの作業範囲を増加できる。3つの自由度(x、y、z)しか有さないマニピュレータを設計する場合には、このことは特に重要である。
【0019】
xy平面、つまり少なくとも2つの直線経路が設けられる平面で大きな作業範囲を得るために、本発明の有利な実施態様によると、関連する可動ユニットを有する2つの直線経路が、6つのリンクが該2つの直線経路の間を自由に移動できるように設けられる。これによって、直線経路の間の作業範囲の中央のアームシステムは全方向での最大可動度を有するので、リンクは、y方向で大きく運動しながら同時にz方向で大きく運動できる。直線経路の1つのための可動ユニットの取り付け表面へのノーマルベクトルが他方の直線経路のための可動ユニットの取り付け表面に対して平行であるが反対方向を向くように直線経路が設けられている場合、マニピュレータの強度の観点から見ても、この直線経路の構成は最適である。
【0020】
本発明概念は、また、可動ユニットの1つに接続された連接ロッドによって、1つの且つわずか1つの回転軸の周りで操作される台を回転させることからなる。そしてこの場合、関連リンクの直進運動を台の回転運動に転換するために、台の配置にレバーアームを使用してもよい。操作される台を大きな角度で回転させるために、本発明は、ユニバーサルトランスミッションにおいて連接ロッドの1つを使用することも含む。ここで、当該連接ロッドの両端にはユニバーサルジョイントが取り付けられ、直線経路における2つの可動ユニットの間相対移動をユニバーサルトランスミッションの回転運動に転換するために、ギアホイールとラックが使用される。さらに、本発明は、z方向の台の回転と移動を操作するための可動ユニットを有する、他の2つの直線経路の間に設けられた第三の直線経路を使用することを含み、この場合、台の回転運動を発生させるための上記に記載の両方の実施態様を使用できる。
【0021】
本発明には、操作される台の作業範囲をレバーアームを利用して拡張するために様々な設計が含まれる。これらの設計は、可動ユニットに装着されたアームを傾斜させる、可動ユニットの間の連接カップリングを利用した、2または複数の可動ユニットの相対移動に基づく。このように、可動ユニットの直線移動により、連接ロッドを傾斜しているアームに接続させるこれらのジョイントに大きな円運動が生じ、操作される台が大きく運動する。
【0022】
本発明の有利な実施態様では、操作される台と6つの連接ロッドの間の少なくとも4つのジョイントが共通の対称線に沿って取り付けられ、該対称線は、上記で述べた一致した数学的直線に対応する。さらに、z方向で台を操作するための第五のジョイントがこの対称線上に取り付けられた場合、台はロッドまたはシャフトにより構成され、レバーアームまたはユニバーサルトランスミッションを介して第六の連接ロッドによって回転させることができる。これにより、高精度で製造が容易な、非常に小型の台が得られる。さらに、この台の場合、一般的なボールまたはローラーベアリングを使用するだけで当該ジョイントを実現できる。
【0023】
以下においては、図面を参照しながら実施例を記載し本発明について詳述する。
【0024】
【発明の実施の形態】
図1は、圧縮応力と引張応力のみを伝達するリンク13−18によって、直線経路10、11および15上で台1を操作するための従来技術を図示する。6つのリンク13―18の各端には、ジョイント13a−18aおよび13b−16bがそれぞれ取り付けられている。ジョイントは、2または3つの自由度を有し、リンクは、操作される台1にジョイント13a−18aを介して取り付けられている。リンクは、ジョント13b−18bによって、1つのリンクについて1つの可動ユニットを取り付ける形で、可動ユニット2、3、4、5、26、27に取り付けられている。可動ユニットは、アクチュエータ6、7、8、9、29および28によって制御され、直線経路10、11、25に沿ってそれぞれに対して独立に配置できる。マニピュレータの運動学によって与えられたパターンでこの配置を行うことによって、台はx、yおよびz方向に移動可能、そしてz軸のまわりに回転(Vz)可能となる。x軸およびy軸まわりに回転させることも可能であるが、今日使用されているほとんどのガントリー適用においてはその必要はない。
【0025】
図2は、3つの直線アクチュエータを有するマニピュレータを、物体12の位置を操作するためにどのように使用できるのかが図示されており、最大移動は、y方向(図中に示された座標系におけるy方向)で得られる。物体12は、6つのリンク13−18によって保持される台1に載せられる。リンク13−15の下方端は、可動ユニット2に取り付けられており、該ユニット2は、駆動装置7を利用して直線経路11に沿って移動させることができる。これに対応する方法で、リンク16の下方端がユニット3に取り付けられており、該ユニット3は、経路10上で駆動装置6に接続されている。さらに、リンク17と18は、駆動装置8を有するユニット4に取り付けられている。各リンクは、その両端にそれぞれジョイント13a−18aおよび13b−18bを有し、2つの自由度(例えば、ユニバーサルジョイント)または3つの自由度(例えば、ボールジョイント)を有する。リンク13、14および15は、同一の長さを有し、相互に平行であり、ジョイント13a、14a、15aと13b、14b、15bがそれぞれ三角形を形成するように取り付けられている。リンク17と18もまた相互に平行で同一の長さを有する。他方で、リンク13、14、15は、リンク17、18および16と同一の長さである必要はなく、リンク16は、リンク17と18と同一の長さである必要はない。高い精度と剛性を得るためには、リンクが炭素繊維強化エポキシ管から製造されることが適しており、この管をジョイントのためのホルダに接着する。ユニット2、3、4は、直線経路10と11の端でモータ6、7、8を有するボールスクリューによって駆動されてよい。あるいは、ベルト転送を使用してもよく、非常に高い剛性と正確性が要求されている場合には、リニアモータを使用することもできる。リニアモータの場合、可動ケーブルの使用を避けるために固定部分に巻きつけをなすべきであるが、これは、2つの可動ユニットを有する直線経路10には2つの平行なリニアモータが必要であることを意味する。図示された実施態様での直線経路10と11は、(x方向に)相互に隣接し、(z方向に)異なる高さにある点を指摘する。経路10が経路11より高い位置にある理由は、可動ユニット3と4の間の距離がより短くなり、台1を移動させる程度にこれらのユニットを同一方向に移動させる必要がなく、従って、直線経路10は、全てのリンクが同一の長さを有する場合よりも短くできる。
【0026】
いわゆるガントリーマニピュレータが現在使用されているほとんどの適用においては、z軸周りに台1を回転させるために第四の自由度が要求されている。ベースとして図2にかかる構造を用いてこれを行うことは、リンク17と18を異なる可動ユニットに接続させることにより可能であり、これは図3に図示されている。このように、ここでリンク18は、ロッド6を介して新しい可動ユニット5に接続されているので、リンク17と18は互いに対して独立して操作できる。可動ユニット5は、駆動ユニット9によって直線経路11上を移動させられる。図2のマニピュレータを元にしたこの変更例では、可動ユニット4と5の位置関係を調整することによって、台1を回転させることができる。これにより、リンク13、14、15が可動ユニット1に対して垂直である時には、z方向のまわりで純回転(Vz)が生じるが、可動ユニット1に対するこれらのリンクの角度が90度から離れると、台1は回転に伴い傾斜が変化する。90度からの逸脱が大きくなる程、台の回転に応じた傾斜の変化も大きくなる。従って、図3のマニピュレータの使用は限定されている。
【0027】
図4は、台1が回転することにより台の傾斜が変化する難点を伴わない構造を示す。ここで、台1は、垂直台ロッド1(1a−1f)上に取り付けられており、該ロッドには、ジョイント13a、14a、17a、15aと16aが取り付けられている。台ロッドはまた、一端にジョイント18が取り付けられた水平のレバーアーム1gを含む。ジョイント13a、14aは、平行且つ同一の長さのリンク13と14を垂直台ロッドに接続し、これらのリンクは、その他端で、ジョイント13bと14bを介してロッド2Bに接続されている。ロッド2Bは、台ロッドと平行であり、可動ユニット2に取り付けられている。同様に、ジョイント15aと16aは、平行且つ同一長さを有するリンク15と16を台ロッドに接続する。平行リンク15と16は、この他端でジョイント15bと16bを介してロッド3Bに取り付けられている。ロッド3Bは、台ロッドに平行で、可動ユニット3に取り付けられている。ジョイント17bは、ジョイント17bを介して可動ユニット5によって操作されるリンク17のために使用される。リンク13−17は、対称軸のまわりでの回転を除く台ロッドの全自由度をロックする。この自由度をロック(および操作)するために、ジョイント18aとレバーアーム1gを介してレバーアームロッド従って台1を回転できるリンク18が使用される。リンク18は、他端で、可動ユニット4にジョイント18bを介して取り付けられており、これによって、台の傾斜(傾斜はリンク13、14、15および16を介してロッド2Bと3Bによって決定される)に影響を及ぼすことなく、台1を位置決めできる。
【0028】
台ロッドのジョイントは、ユニバーサルジョイント、ボールジョイントによってまたは適当に配置されたボールベアリングであってよい。図5aはボールジョイントを使用した実現例である。ジョイント13a、14a、15a、16a、17aのボールは、台1をレバーアーム1gに接続させるシャフト20が通る垂直の貫通孔を有する。ジョイント13aのボールと台1との間にはスリーブ1aが装着され、ジョイント14a−16aのボールと台1との間にはスリーブ1a−1eが装着され、ジョイント16aのボールの下にはスリーブ1fが装着されている。シャフト20にナット21を締めることにより、中間スリーブを有するボール13a−17aが台1に留められ、このようにして台ロッドが形成される。シャフト20には、レバーアーム1gが固定して装着されているので、リンク18が移動すると、台ロッドは回転し、ジョイント13a−17aでジャーナルされる。ジョイント13a−17aの設計は、ジョイント17aを例として図5bに図示されている。該図でジョイントは、シャフト20が貫通穴の内側に存在する状態で断面図で示されている。リンク17に、ジョイントホルダ22が取り付けられている。ジョイントホルダは、ボールの一側に対して角部23を当て、ボールの他方の側に対してプレート24を当てる。角部23はボールと少なくとも3表面で接し、プレート24は少なくとも1表面で接する。これに相当するジョイント設計を図4のロッド2Bおよび3Bでも実現できる。
【0029】
図5aと図5bの実施態様は、台1に過剰な負荷がかからない適用に適している。より大きな力が台1にかかる場合には、図6の角度調節されたボールまたはローラーベアリングまたはユニバーサルジョイントを使用できる。図は、リンク15と16を有するジョイントの配置を例示している。ジョイント自体の実現についてジョイント16bから説明する。ロッド3Bにはベアリング16bIIIが取り付けられ、該ベアリングの両側に他の2つのベアリング16bIIと16bIが取り付けられる。図では、ベアリング16bIIIの回転軸は垂直であり、ベアリング16bIIと16bIの回転軸は水平である。ベアリング16bIと16bIIには、ブリッジ16Bが取り付けられており(リンク16の他端のブリッジ16Aがより明確に図示されている)、このブリッジには、リンク16が取り付けられている。この設計では、台ロッドは、垂直の回転軸を有するベアリングをロッドに単に取り付けるだけでジョイントを相互接続しており、この場合のロッドの部分1d、1e等は、連続シャフトである。
【0030】
図4のマニピュレータは、4つの自由度を有する台1を操作する。完璧さのために、図7に、3つの自由度を有する操作のためのベース構造を図示する。リンク13、14、15、16および17は、図4における場合と全く同一の方法で装着されている。唯一の違いは、リンク18が可動ユニット3に取り付けられており、関連するアクチュエータ9を有する可動ユニット4が除去されている点である。リンク18は、リンク15と16と同一の長さを有するように選択され、これらのリンクと平行するように取り付けられる。このために、可動ユニット3には、レバーアーム1gとともにリンク18がリンク15および16と平行になることを確実にするアーム3Cが装着される。あるいは、リンク18は可動ユニット2または5に取り付けられ、リンク13、14および17とそれぞれ平行となる。ユニット2、3および5を移動させることにより、台1のx、y、z方向での位置を制御できる。
【0031】
図4と図7では、台ロッドは、直線経路10と11によって定められた表面に対して垂直である。しかし、台ロッドは、ロッド2Bと3Bが平行なままであっても、ロッド2Bと3Bを傾斜させることによって、直線経路に対して異なる角度をなしうる。極端な場合、ロッド2Bと3Bは、直線経路によって定められた平面と平行するように選択され、そのような構成が図8に図示されている。ここで、直線経路は、縦一列に並べて壁面に、(必要ではないが)ほぼ同一の平面に取り付けられている。台1の傾斜角度は、xy平面上の台の移動も実質的に調整する、リンク13、14、15、16によって固定される。リンク17は、z方向における台の移動をほぼ制御し、リンク18は、z軸のまわりの台の回転(Vz)を制御する。図7と同様に、z軸のまわりの台の回転は、ユニット2または3または5にリンク18を取り付けることによって一定に維持される。全ての3つの場合では、リンク18は、当該台にすでに存在する1または複数のリンクに平行して取り付けられ、この/これらのリンクと同一の長さで作られる。
【0032】
図9は、直線経路10と11の長さに対してより大きな作業範囲がマニピュレータに与えられるという利点を有する配置を示す。このために、マニピュレータにさらなるアームセット62、68および72が装着される。該アームセットは、それぞれリンク13、14および15、16および17が直接的に直線経路の可動ユニットに取り付けられていた前の実施態様の場合よりも、より大きく運動できるようにするものである。しかし、この利点は、機械がより複雑になり、マニピュレータの機械的な剛性が低下するという難点を伴う。ここで、リンク13と14は、スイングアーム62に固定されることによって水平面で旋回できる垂直ビーム61に、ジョイント13bと14bを介して取り付けられる。このスイングアームは、可動ユニット3に取り付けられるブロック66に、ジョイント65(1つの自由度)を介して取り付けられる。これと同様な方法で、リンク15と16はスイングアーム68に固定されたビーム67に取り付けられる。このスイングアームは、ジョイント70とブロック71を介して可動ユニット2に取り付けられる。スイングアーム62と68の間には、ジョイント63と69を介してスイングアームに連接された棒64がある。この棒があることにより、可動ユニット2と3の相対移動からスイングアーム68と69の旋回運動が生じ、これによって、台1がy方向へ移動する。台1を上方または下方へ移動させるために、垂直面で実質的に旋廻可能なスイングアーム72へ、リンク17がジョイント17aを介して取り付けられる。アーム72は、可動ユニット2上のブロック74へジョイント73を介して接続される。アーム72は、可動ユニット2と可動ユニット4の相対移動によって旋廻される。これは、可動ユニット4をジョイント75bと75aによってスイングアーム72に接続するリンク75を通じて可能となる。台1の回転は、図8の場合と同様の方法で、レバーアーム1eとリンク18を利用して可能となる。
【0033】
図10は、より大きな作業範囲を得るためのさらなる構成を図示する。この直線経路10と11は、側方に相互に対面して配置されており、相互に平行である(図の斜視図では歪んでいる)。リンクの組13、14、および15、16はそれぞれ、可動ユニット2および3に取り付けられており、単独リンク17は可動ユニット5に取り付けられており、台1をz軸のまわりに回転させるためのリンク18は、ユニット4に取り付けられている。リンク18を上記に説明したようにユニット2、3または5のいずれかに接続させることによって、台1を一定の角度または回転下で位置決めできる。
【0034】
リンク組13、14および15、16が直線経路10と11の間で操作される構成によって、非常に大きな作業範囲を有する平行キネマティックガントリーマニピュレータを得ることができる。しかし、首尾よくこれをなすには、リンク17を図10とは異なる配置にする必要がある。そのような配置の一例が図11に図示されている。リンク17は、ここでは、ジョイント17b、リンク17Dおよびジョイント17eを介して可動ユニット4によって操作される。ジョイント17eが可動ユニット4によって直線経路11に沿って移動させられると、ジョイント17bは、ジョイント17cとジョイント17dの間に通る軸のまわりで旋廻する。この振動により、ジョイント17aが大きく垂直方向に移動することになり、その結果、台1をz方向の大きな作業範囲で操作できる。ジョイント17bは、リンク17Bと17Cを利用してジョイント17cとジョイント17dに接続されており、台1は、可動ユニット2、3、4のいずれかが互いに対して移動されると直ちにz方向に操作される。他の点については、図11のマニピュレータは図10に図示のものと同様である。
【0035】
上記に記載のように、直線経路の間を作動する平行リンクを有する平行なキネマティックガントリーロボットには、非常に大きな作業範囲が与えられる。これは図12に図示されており、先に示した、図11のマニピュレータ図を単純化したものである。xy平面上の作業範囲を決定する可動ユニット2および3のみが、関連する上部リンク13と15、および台ロッドのジョイント(13a)と該可動ユニットのジョイント13bと15bとともに、図示されている。リンク13と15のそれぞれが平行直線経路の間の距離よりも長く作られている場合には、xy平面におけるマニピュレータの作業範囲は、直線経路の間の表面とほぼ同じ広さの表面をカバーすることができるであろう。z方向における台1の操作に適した配置にすれば、xy平面における該作業範囲は、直線経路10と11により形成された平面の上下ではより狭くなってはしまうが、z方向における比較的大きな深さにも当てはまるだろう。
【0036】
z方向の広い作業範囲を得るための配置をいくらか単純化したものが図13に図示されている。ここで、リンク17は、ジョイント17b(2または3つの自由度を有する)を介してアーム36に取り付けられており、次に、アーム36は、ジョイント35(1つの自由度を有する)を介して可動ユニット4に接続されている。アーム36は、可動ユニット3と4が互いに対して移動するとジョイント35の軸のまわりで旋廻するような仕組みとなっている。この機能は、アーム36が、アーム32を中継ぎにジョイント33を介して可動ユニット3に接続された、レバーアーム34を有することにより得られる。アーム32は、ジョイント31に支持されながら可動ユニット3に固定されており、該ジョイント31によってアーム32が垂直面上で旋廻できる。リンク13−16は、図10および11と同じ方法で配置されている。他方で、リンク18は、台1が一定角度を維持して回転するように作られている。これはリンク18とリンク13および14とで平行四辺形を形成することで得られ、このためには、アーム2Aを可動ユニット2に固定する必要がある。あるいは、リンク18をこれに対応する方法で、可動ユニット3に取り付けてもよい。
【0037】
ある場合には、台1をz軸のまわりで少なくとも一回転させることが望ましい。図14は、このための一例を図示する。リンク17は、各端にユニバーサルジョイントを有し、これによって該リンクは、ユニバーサルドライビングシャフトトランスミッションとして機能する。ユニバーサルジョイント17bは、シャフト37を介してギアホイール38に接続されている。シャフト37は、アーム36と単軸連接して維持されており、該アーム36はラック39のためのスライド40も保持する。ラック39は、次に、ジョイント41、フォーク42、アーム43およびジョイント44を介して可動ユニット5に取り付けられている。アーム36を制御するための装置は図13におけるものと同一である。可動ユニット5が可動ユニット4に対して移動されると、ラック39は、スライド40の中を移動し、ギアホイール38上を回転し、この結果、ユニバーサルトランスミッション17b、17および17aが、z軸のまわりの回転運動を、台ロッド1a‐1e、そして台1に伝動する。
【0038】
図14のアーム36と43を具備する配置では、z軸のまわりの回転力とz方向の力に対する台1の剛性に関して問題が生じるかもしれない。これらの要素に対する剛性を強化するための一つの方法が、図15に記載のように、直線経路47をさらに導入することである。今、直線経路10と11は可動ユニット2と3のみを有し、可動ユニット4と5は直線経路47に配置されている。直線経路は、2つの独立したトラック(各可動ユニットにつき1トラック)からなってもよい点を指摘しておく。しかし、可動ユニットが互いに通過しあう必要はないので、最も経済的な解決手段によって、2つのユニットは、同一のトラックを共有しつつ、ボールスクリューとベルト等の異なる伝動装置を有することができる。直線経路47は、台1のz方向での移動と、z軸のまわりでの回転を担う。z方向での移動は、可動ユニット4の移動によって得られ、これによって、リンク17は台ロッド1a−1eを上下に移動させる。z軸のまわりの回転は、可動ユニット5を可動ユニット4に対して移動させることによって得られる。これは、ラック39がギアホイール38を回転させ、次に、ユニバーサルトランスミッション17b、17、17aを回転させ、この結果、台ロッド従って台1が回転する。ギアホイール38は、可動ユニット4に固定的にジャーナルされ、ラック39はジョイント41によって可動ユニット5に固定される。ギアホイール38に対してラック39を保持するためのスライド40は、可動ユニット4上に取り付けられている。
【0039】
原則として、台1に回転運動を伝動するためのユニバーサルトランスミッションは、マニピュレータに含まれる任意のリンクによって実現してよい。図16はこれを図示している。ここで、リンク16は、ユニバーサルトランスミッションのために使用され、台1へ回転運動を適切に方向付けるためには、ホイール48と49を有する1組のかさ歯車が使用されている。ここで台1は、ギアホイールホルダ58のベアリングに装着されたシャフト1aに取り付けられている。ギアホイールホルダ58の配向と位置は、リンク13−18によって決定され、同時にリンク16が、回転運動を伝動するために使用される。ユニバーサルジョイント16aは、ギアホイールホルダ58に固定的にジャーナルされるシャフト50を介してかさ歯車49と直接接続されており、該かさ歯車49は、次にかさ歯車48従って台1を駆動させる。リンク16の他端は、ユニバーサルジョイント16bを介して、シャフト37によってギアホイール38と直接接続され、該ギアホイール38は、可動ユニット3でジャーナルされている。図15の場合と同様に、ギアホイールは、ジョイント41によって可動ユニット4に固定されるラック39によって回転駆動させられる。可動ユニット3では、ラック39がベアリング40によってギアホイールに圧接されていることにより、可動ユニット3と4の相対移動がギアホイール38を回転させる。z方向で操作をするために、リンク17の他端は、可動ユニット2上の角ホルダ51にジョイント52によって取り付けられているアーム53にジョイント17bを介して接続されている。可動ユニット5が可動ユニット2に対して移動すると、アーム53は、リンク56によってジョイント52のまわりで旋廻する。
【0040】
図16はさらに数学的直線80と81を図示する。これらは、ジョイント13a、14aおよび15a、16aのそれぞれの中心点によって決定される。上記に記載され、本発明を特徴付けるマニピュレータに共通するのは、これらの数学的直線(80、81)が平行な点である。さらに、図4、5、7、8、9、10、11、13、14、15では、これらの直線は一致している。
【0041】
数学的直線80と81は、傾斜を変化させることなく台1が回転できるようにするためには、平行でなくてはならない。これが図17と18に図示されている。図17では、直線80と81は平行であり、可動ユニット4が可動ユニット3に対して移動した時、台1には純回転運動が生じる。しかし、図18では、直線80と81は平行ではなく、この状態で可動ユニット4が可動ユニット3に対して移動した場合には、回転と同時に台1の傾斜が変化する。これは、ほとんどの使用において好ましくない。
【0042】
図17は、図16の基本構造の変形例である。図17において、台1は、図16のユニバーサルトランスミッションとかさ歯車の組によってではなく、リンク18によって回転する。これによると、マニピュレータの設計を単純化できるが、台の回転数が少なくなる難点がある。
【0043】
図18では、台1は、枠の形態をしており、数学的直線80は垂直に、数学的直線81は水平になる。リンク17と18は、ジョイント17aと18aが、直線81と平行でなくてもよい水平面に数学的直線を形成するように取り付けられる。リンク17と18は、作業範囲上に水平方向に取り付けられた直線経路47の可動ユニット4によって操作される。リンク15は、可動ユニット4により操作され、リンク16は可動ユニット3により操作され、両ユニットは、垂直方向に曲げられた経路11上に存在する。リンク13と14は、垂直方向に曲げられた反対の経路10の可動ユニット2によって操作される。リンク17と18の取り付け位置の間の幾何学的関係が所望のものとなるように、可動ユニット4に角ビーム4Bが使用される。リンク15と16が同一の長さであって平行に維持される場合には、台1を一定の傾斜を有したまま操作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術に従い設計されたマニピュレータであって、該マニピュレータの直線経路は6つの可動ユニットを具備し、該ユニットと該マニピュレータが回転または移動させる台との間には6つの平行なリンクがある。
【図2】6つリンクを介してわずか2つの平行な直線経路上のわずか3つの可動ユニットを使用して一定の傾斜と方向下で台の位置を操作するための本発明に係るマニピュレータである。
【図3】わずか2つの直線経路上のさらなる可動ユニットを使用して、台の位置に加えて台の方向を操作するための、図2に記載のマニピュレータの変形例である。
【図4】わずか2つの直線経路のわずか4つの可動ユニットがわずか1つの軸のまわりで台の位置と方向を操作する、図3に記載のマニピュレータの好適な実施態様である。
【図5】図5aと図5bは、図4のマニピュレータのジョイントの配置に関する好適な実現例である。
【図6】特に台が大きな力とトルクを受ける場合の、図4に記載のマニピュレータのジョイントの配置に関するさらなる好適な実現例である。
【図7】台の傾斜と方向を一定に維持しながら台の位置のみを操作するための、3つの可動ユニットを有する図4に記載のマニピュレータの変形例である。
【図8】図4に記載のマニピュレータと同様の種類の、壁に取り付けられるマニピュレータである。
【図9】台の位置決めのためのより大きな作業範囲を得るための、壁に取り付けられるマニピュレータである。
【図10】床取り付けの場合に、水平面でマニピュレータのより大きな作業範囲を得るための、直線経路の好適な構成である。
【図11】垂直面においても大きな作業範囲を得るための、図10の直線経路の構成を有するマニピュレータの好適な構成である。
【図12】図10と図11の直線経路の構成によって得られる水平面の作業範囲である。
【図13】垂直面でも大きな作業範囲を得るための、図11のマニピュレータの実施態様の変更例である。
【図14】台が軸回転する場合にも大きな作業範囲を得るための、図13に記載のマニピュレータの実施態様である。
【図15】台が回転する場合にも大きな作業範囲を得るための、第三の直線経路を有するさらなる実施態様である。
【図16】2つの直線経路と4つの可動ユニットを使用して、軸回転と位置決めの両方に関する、操作される台の大きな作業範囲を得るための、マニピュレータのさらなる好適な実施態様である。
【図17】台の回転のための大きな作業範囲よりも単純な設計がより重要である場合の、図16のマニピュレータの実施態様の変更例である。
【図18】本発明の主要な目的が実現した時に生じる問題を図示するための、マニピュレータのさらなる実施態様である。

Claims (27)

  1. 物体を支持するために設計された台、台に配置されたアウタージョイントと第一のアクチュエータに配置されたインナージョイントとをそれぞれが有する2つのリンクと第一のアクチュエータとを備える第一の運動による影響を台に与えるための第一のアームと、台に配置されたアウタージョイントと第二のアクチュエータに配置されたインナージョイントとをそれぞれが有する2つのリンクと第二のアクチュエータとを備える第二の運動による影響を台に与えるための第二のアームと、台に配置されたアウタージョイントと第三のアクチュエータに配置されたインナージョイントとを有する1つのリンクと第三のアクチュエータとを備える第三の運動による影響を台に与えるための第三のアームとを具備する、空間において物体を移動させるための産業ロボットであって、
    第一のアクチュエータは、第一のモータ、第一の平面上に配置された第一の経路、および第一の経路に沿って直線状に移動可能な第一のキャリッジを具備し、これによって2つのインナージョイントを平行に移動可能とさせ、第二のアクチュエータは、第二のモータ、第二の平面上に配置された第二の経路、および第二の経路に沿って直線状に移動可能な第二のキャリッジを具備し、これによって2つのインナージョイントを平行に移動可能とさせ、第三のアクチュエータは、第三のモータ、第三の平面上に配置された第三の経路、および第三の経路に沿って直線状に移動可能な第三のキャリッジを具備し、これによって1つのインナージョイントを平行に移動可能とさせることを特徴とする産業ロボット。
  2. 第一のアームのリンク、第一のキャリッジおよび台が第一の平行四辺形を形成し、第二のアームのリンク、第二のキャリッジおよび台が第二の平行四辺形を形成することを特徴とする、請求項1に記載の産業ロボット。
  3. 全アウタージョイントが直線上に配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の産業ロボット。
  4. 第一のアームが第一のキャリッジに配置されたインナージョイントと台に配置されたアウタージョイントを有するさらなるリンクを具備し、これによって第一のアームのリンクが全て平行に配置されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の産業ロボット。
  5. 第一のアームのジョイントと第二のアームのジョイントが3つの自由度を有して配置されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の産業ロボット。
  6. 少なくとも2つの平面が平行に配置されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の産業ロボット。
  7. 少なくとも2つの平面が一致することを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の産業ロボット。
  8. 少なくとも1つの平面がその他の平面と角度をなすことを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の産業ロボット。
  9. 経路のうちの2つが1つの同一経路に統合され、これによってキャリッジの2つが該統合経路に沿って独立して可動であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の産業ロボット。
  10. 該産業ロボットが、第四の運動において台に影響するために配置され、第四のモータを有する第四のアクチュエータを具備する第四のアーム、第四の平面に配置された第四の経路、第四の経路に沿って直線的に可動な第四のキャリッジ、および、台に配置されたアウタージョイントと第四のキャリッジに配置されたインナージョイントを有するリンクを具備することを特徴とする、請求項1から9のいずれか1項に記載の産業ロボット。
  11. 第四の経路は他の経路の1つと一致することを特徴とする、請求項10に記載の産業ロボット。
  12. 第四の運動が台の回転運動であることを特徴とする、請求項10または11に記載の産業ロボット。
  13. 空間において物体を移動させるための産業ロボットの製造方法であって、該産業ロボットは、物体を支持するために設計された台、台に配置されたアウタージョイントと第一のアクチュエータに配置されたインナージョイントとをそれぞれが有する2つのリンクと第一のアクチュエータとを備える第一の運動による影響を台に与えるための第一のアームと、台に配置されたアウタージョイントと第二のアクチュエータに配置されたインナージョイントとをそれぞれが有する2つのリンクと第二のアクチュエータとを備える第二の運動による影響を台に与えるための第二のアームと、台に配置されたアウタージョイントと第三のアクチュエータに配置されたインナージョイントとを有する1つのリンクと第三のアクチュエータとを備える第三の運動による影響を台に与えるための第三のアームとを具備し、第一のアクチュエータに、第一のモータ、第一の平面上に配置された第一の経路、および第一の経路に沿って直線状に移動可能な第一のキャリッジを設け、これによって2つのインナージョイントを平行に移動可能とさせ、第二のアクチュエータに、第二のモータ、第二の平面上に配置された第二の経路、および第二の経路に沿って直線状に移動可能な第二のキャリッジを設け、これによって2つのインナージョイントを平行に移動可能とさせ、第三のアクチュエータに、第三のモータ、第三の平面上に配置された第三の経路、および第三の経路に沿って直線状に移動可能な第三のキャリッジを設け、これによって1つのインナージョイントを平行に移動可能とさせることを特徴とする産業ロボットの製造方法。
  14. 第一のアームのリンク、第一のキャリッジおよび台が第一の平行四辺形を形成するようにし、第二のアームのリンク、第二のキャリッジおよび台が第二の平行四辺形を形成するようにすることを特徴とする、請求項13に記載の産業ロボット製造方法。
  15. 全アウタージョイントが直線上に配置されることを特徴とする、請求項13または14に記載の産業ロボット製造方法。
  16. 第一のアームに、第一のキャリッジに配置されたインナージョイントと台に配置されたアウタージョイントを有するさらなるリンクを設け、これによって第一のアームのリンクが全て平行に配置されるようにすることを特徴とする、請求項13から15のいずれか1項に記載の産業ロボット製造方法。
  17. 第一のアームのジョイントと第二のアームのジョイントが3つの自由度を有して配置されることを特徴とする、請求項13から16のいずれか1項に記載の産業ロボット製造方法。
  18. 少なくとも2つの平面が平行に配置されることを特徴とする、請求項13から17のいずれか1項に記載の産業ロボット製造方法。
  19. 少なくとも2つの平面を一致させることを特徴とする、請求項13から18のいずれか1項に記載の産業ロボット製造方法。
  20. 少なくとも1つの平面がその他の平面と角度をなすように配置されることを特徴とする、請求項13から19のいずれか1項に記載の産業ロボット製造方法。
  21. 経路のうちの2つが1つの同一経路に統合され、これによってキャリッジの2つが該統合経路に沿って独立して可動であることを特徴とする、請求項13から20のいずれか1項に記載の産業ロボット製造方法。
  22. 各経路に対してキャリッジを移動させるためのモータを経路の端に配置することによって、該経路にケーブルが存在しないようにすることを特徴とする、請求項13から21のいずれか1項に記載の産業ロボット製造方法。
  23. 該産業ロボットが、第四の運動において台に影響するために配置され、第四のモータを有する第四のアクチュエータを具備する第四のアーム、第四の平面に配置された第四の経路、第四の経路に沿って直線的に可動な第四のキャリッジ、および、台に配置されたアウタージョイントと第四のキャリッジに配置されたインナージョイントを有するリンクを具備するようにすることを特徴とする、請求項13から22のいずれか1項に記載の産業ロボット製造方法。
  24. 第四の経路を他の経路の1つと一致させることを特徴とする、請求項23に記載の産業ロボット製造方法。
  25. 第四の運動が台の回転運動を含むようになっていることを特徴とする、請求項23に記載の産業ロボット製造方法。
  26. 請求項1から12のいずれか1項に記載の産業ロボットの使用方法、または、製造業での組立てのための請求項13から25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 請求項1から12のいずれか1項に記載の産業ロボットの使用方法、または、輸送産業での物体の輸送のための請求項13から25のいずれか1項に記載の方法。
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