JP2004511443A - 性的機能障害の治療用組成物及び治療方法 - Google Patents
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Abstract
性的機能障害を治療する方法を開示する。本発明の方法は、広義において、NO供与剤と抗酸化剤を投与することを含んでおり、活性成分は患者の性器へ局部的に施される。本発明の化合物を局所的に適用することにより、NOは局部的に送達され、ペルオキシナイトライトの生成による悪影響を防止できないまでも、最少にすることができる。L−アルギニン又はその誘導体及び抗酸化剤を含む組成物は、性器へ投与するのに適当な薬学的担体の中に含められる。
Description
【0001】
【発明の分野】
本発明は、男性と女性両方の性的機能障害の治療に有用な組成物に関する。これら組成物を使用する方法もまた、本発明の範囲内である。
【0002】
【背景情報】
性的機能障害の意味を要約すると、性的反応の4つの状態(性欲、興奮、オーガズム、消散(resolution))のうちのどれか1つを達成できないことである。性的機能障害は、男性と女性の両方に影響を与える問題として広く知られている。米国だけでも、性的機能障害で悩む人々は何百万人もいる。
【0003】
男性の性的機能障害の典型例として、勃起を維持できないこと、射精できないこと、及び/又はオーガズムに達することができないことなどが挙げられる。勃起機能障害つまりインポテンスは、性交に必要な勃起に到達できないか又は勃起を維持できないことであり、米国だけでも何百万人の男性がいると推定されている。勃起機能障害は、生理学的又は心理学的な幾つかの要因によって生じ、ペニスへ及びペニスからの血液の流れがアンバランス状態のままとなり、硬い膨張と勃起を生じさせるのに十分な血液の保持が妨げられるものである。より具体的は、勃起機能障害として、「動脈原性(arteriogenic)」機能障害がある。これは、ペニスへの血液供給又はペニス内の血管からの漏洩に関して物理的問題があるため、十分な圧力を得たり維持することができない。さらに、例えば、神経の損傷に関連する「神経原性(neurogenic)」機能障害があり、また、不安又は鬱病などの心理学的問題から生ずる「心因性(psychogenic)」機能障害がある。
【0004】
性的機能障害は女性にも同様な悪影響を及ぼす。女性の場合、「性的機能障害」とは、一般的に、性交中の痛み又は不快さ、膣潤滑の減少、膣拡張の遅延、性的興奮に対する時間増加、オーガズムへの不到達及び/又は陰核興奮の減少などを意味する。外陰及び膣の正常な分泌不足による膣の乾きは、更年期の女性、自己免疫疾患の女性、放射線治療を受けている女性に最も頻繁に起こる。これらの問題を有する女性にとって、性交は可能であるとしても苦痛なのである。
【0005】
それゆえ、性的機能障害に関する問題は、男性と女性の両方に広まっている。性的機能障害の場合、恥ずかしさやきまり悪さが伴うため、これらの問題は治療せずにおかれることがしばしばある。これらの問題はたとえ治療するにしても、不快であったり、効果のないことが多い。例えば、男性の治療法として、ペニスへの注射、ペニス補助具の使用、薬理学的作用剤の尿道への埋込みなどがある。女性に対する治療の代表例として、かゆみ止め軟膏及びクリームの塗布、陰核の拡張の他に男性化を引き起こすホルモン処方などがあるが、上皮の萎縮と薄化の危険性がある。このため、現在の治療法では、自らが被害を被ることもしばしばあり得る。
【0006】
【発明の要旨】
本発明は、性的機能障害を治療するための組成物及び該組成物を用いる方法に関する。本発明の組成物及び方法は、男性と女性両方の性的機能障害の治療に適用することができる。本発明の方法は、広義において、治療される患者の生殖器に対し、抗酸化剤と一酸化窒素(NO)供与剤又は発生剤とを含む組成物を投与することを含んでいる。より具体的には、NO供与剤は、L−アルギニン又はその誘導体である。これらの化合物は、NOをインビボで生成することは理解されるであろう。一酸化窒素は、主として、血管拡張作用(vasodilation)を有する物質である。血管が拡張された領域へは、血液の流れが増大する。
【0007】
例えば血管拡張作用によって血管が拡がると、内皮細胞は酸素からスーパーオキシド(O2 −)を産生する。スーパーオキシドは一酸化窒素と化学的に反応して、ペルオキシナイトライト(OONO)−を生成する。この反応により、血管拡張に利用される一酸化窒素の濃度は減少する。また、ペルオキシナイトライトは強力な酸化剤であり、とりわけ、組織の損傷並びに細胞の膜脂質及びDNAに対する損傷を生じる。このように、NO発生剤を用いると、ペルオキシナイトライトが生成する結果となる。
【0008】
本発明の組成物及び方法は、スーパーオキシドの濃度を減少させ、産生されたペルオキシナイトライトを破壊することにより、体内のペルオキシナイトライト量を最少にする。これは、抗酸化剤を使用することにより達成される。このように、本発明の方法は、本発明の組成物を局所的に施すことにより、局部的な血管拡張を可能とするもので、組織及び細胞の損傷は、皆無でないとしても、他のNO発生方法の場合と比べると極めて少ない。
【0009】
本発明の目的は、患者の性的機能障害を治療する組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、患者の性的機能障害を治療することである。
本発明の他の目的は、ペルオキシナイトライトを実質的に産生することなく、性器への血流を増大させることである。
本発明のこれら及びその他の目的は、以下の説明及び特許請求の範囲の記載から明らかであろう。
【0010】
【発明の詳細な記述】
本発明は患者の性的機能障害を治療する方法に関するもので、有効量のL−アルギニン又はL−アルギニンの誘導体及び有効量の抗酸化剤を、患者の性器に局部的に施すことを含んでいる。L−アルギニン、その誘導体及び抗酸化剤は、本明細書では、「活性成分(active ingredients)」と総称する。活性成分は時間を変えて、又は同時に投与することができる。本発明はまた、L−アルギニン又はその誘導体及び抗酸化剤を含む組成物に関するものである。
【0011】
この明細書で用いる「性的機能障害(sexual dysfunction)」という語は広い意味において、男性と女性の両方に当てはまるものである。一般的に、性的機能障害は、性欲、興奮、オーガズム、消散を含む性的反応の状態のうちのどれか1つが阻害されることを意味する。男性の場合、性的機能障害は、例えば、性欲の減少、勃起不全、射精不能及び/又はオーガズムに到達できないことなどを含むものである。女性の場合、性的機能障害は、例えば、性交における痛み又は不快感、膣潤滑の不足、膣膨張が起こらない、性的興奮に時間がかかる、オーガズムに到達できない、陰核の分泌不足などを含んでいる。男性と女性に関して、ここで用いる性的機能障害の治療の例として、性的な快楽及び刺激の増進がある。例えば、女性がより強く性的に反応しオーガズムを求める場合にも、本発明の方法に基づいて治療することができる。性的応答がより強くなり、性的興奮を高められた例として、前戯量の減少、オーガズム間隔の短縮、オーガズムに必要な性交時間の短縮、多数回のオーガズム到達などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
この明細書で用いられる「患者」という語は、一般的に、動物界の雄と雌の両方を意味する。本発明の方法は、性的刺激を誘発することを含んでいるので、例えば、畜産業にも適用することができる。それゆえ、本発明の方法は人間への適用に限定されるものでない。
【0013】
前述のように、本発明の活性成分は、患者の性器に局部投与される。男性の場合、ペニスの亀頭又は陰茎に施すことを含んでいる。本発明の組成物を亀頭部に施すと、最大の効果がもたらされることが多い。本発明の組成物が投与される女性性器として、膣、陰核、陰核包皮、前唇、後唇、大陰唇、小陰唇を挙げることができる。なお、本発明の組成物は、陰核包皮に施すことが望ましい。
【0014】
L−アルギニンは、広く市販されている天然アミノ酸である。「L−アルギニンの誘導体」は、総合的に、NG−ヒドロキシ−L−アルギニン;アミノ末端の第1アミノ酸がL−アルギニン又はNG−ヒドロキシ−L−アルギニンであるジペプチド、トリペプチド及びテトラペプチド;エステル化L−アルギニン又はヒドロキシル化(hydroxylated)L−アルギニン;L−アルギニン又はヒドロキシル化L−アルギニンのアミド誘導体;L−ホモアルギニン;ヒドロキシル化L−ホモアルギニン;L−ホモアルギニン又はヒドロキシル化L−ホモアルギニンのエステル又はアミド誘導体及び前記のどれかの物質の薬学的に許容される塩を意味する。
【0015】
NG−ヒドロキシ−L−アルギニンは、NO産生の際の直接介在物である。ヒドロキシル化L−アルギニンは商業的に入手可能である。例えば、L−ヒドロキシアルギニンアセテートは、Cayman Chemicalから入手することができる。
【0016】
本発明のペプチドは、典型的には、2,3又は4アミノ酸を有している。アミノ末端アミノ酸は、L−アルギニン、NG−ヒドロキシ−L−アルギニン又はこれらアルギニンのエステルである。ペプチド中の残りの酸は、L−アルギニン、ヒドロキシル化L−アルギニン又はそれらのエステルであってよく、又は、他の19種類の天然アミノ酸又はそれらの誘導体のいずれかであってよい。望ましいペプチドとして、アルギニン−リジン、アルギニン−グリシン及びアルギニン−リジン−アスパラギン酸を挙げることができる。なお、望ましいペプチドのL−アルギニンに代えてヒドロキシル化L−アルギニンを用いることができる。
【0017】
L−アルギニン又はヒドロキシル化L−アルギニンのエステル化物の調製は、例えば、アミノ酸のカルボキシル末端で、例えば酸塩化物又は無水物との反応が起こるときに行われ、カルボキシル末端でエステルを形成される。これらの誘導体化により、COOHがエステル化されるので、カルボキシル末端でのアミノ酸の価数は少なくなる(less charged)。これにより、細胞膜を横切る方向への移動をより容易に行なうことができる。なお、特に望ましいのは、L−アルギニンのメチルエステル誘導体、L−アルギニンのエチルエステル誘導体及びそれらの混合物であるが、その他エステル誘導体についても本発明の範囲内である。L−アルギニンのエステルは、ミズーリ州セントルイスのSigma Chemical Co.より商業的に入手可能である。
【0018】
同様に、アミノ酸のアミノ末端を、他の官能基を加えることによって誘導体化することもできる。
L−ホモアルギニンとヒドロキシル化L−ホモアルギニンは、アルギニンの炭素鎖に余分のメチル基(−CH2−)を含んでいる。これらアミノ酸のどちらもさらに誘導体化を行ない、エステル又はアミドの誘導体を形成することもできる。
【0019】
本発明で用いられるL−アルギニン及びL−アルギニンの誘導体は、一酸化窒素(NO)を生成する。前述したように、NOは血管拡張作用を有しており、血管拡張が行われる領域への血液の流れが増加する。男性及び女性の勃起組織への血液の流れの増加は、性的機能障害の治療に寄与する。例えば、ペニスの海綿体へ血液が流れると、勃起が可能となり、射精及びオーガズムを円滑に行なうことができる。同じように、本発明の組成物を女性の陰核及び/又は陰核包皮に施しら場合も、血液の供給が増加し、陰核が膨張する。これによって、性的興奮及び性的快楽が高まり、性的機能障害に関連する症状を完全になくすことはできないとしても、最少にすることができる。本発明の組成物を膣又は外部性器に施すと、十分な潤滑がもたらされ、性交中の痛みを解消することができる。
【0020】
一酸化窒素が生成され、その結果、血管拡張が起こると、最終的にはスーパーオキシド分子が生成する。スーパーオキシドはNOと結合して、ペルオキシナイトライトを生成する。この反応は、NOと結合するので、血管拡張に利用可能なNO量が少なくなり、発生したペルオキシナイトライトが組織や細胞を損傷するので、反応の有害効果は2倍となる。本発明の方法及び組成物は、これらの有害効果を、抗酸化剤を用いることによって解消させるものである。抗酸化物は、スーパーオキシド分子を、過酸化水素と酸素に変換する。投与量が十分であると、抗酸化物はスーパーオキシドを使い果たし、生成するペルオキシナイトライトを破壊する。それゆえ、スーパーオキシドを消耗させ、及び/又はペルオキシナイトライトを破壊する全ての抗酸化剤が本発明の範囲内である。望ましい抗酸化剤は、L−アスコルビン酸塩(アスコルビン酸又はビタミンCとしても知られている)及びその誘導体である。例えば、エステルC(L−アスコルビン酸塩のカルシウム塩)、デヒドロL−アスコルビン酸塩(ビタミンCの酸化された誘導体)、又はデヒドロL−アスコルビン酸塩のエステルCなどのビタミンCの誘導体についても、アスコルビン酸パルミテートなどの脂質化誘導体と同じよう用いることができる。これら化合物は、この明細書では、ビタミンC誘導体又はアスコルビン酸誘導体と総称するものとする。
【0021】
種々のアミノ酸を含む種々化合物を経口投与したり注射したりすることは、当該分野で行われているが、L−アルギニン又はその誘導体を、単独で、又は抗酸化剤と共に局部へ適用することについては知られていない。本発明は、治療に有効な量のNO発生剤と抗酸化剤を性器へ局部的に施し、組織を損傷することなく皮膚を通じて、治療が必要とされる部位に薬剤を送達するものである。このように、本発明はNO発生剤の局部的送達を可能とするもので、同時に、組織や細胞の損傷は皆無にならないとしても、NO生成によって通常起こる場合に比べると遙かに少なくすることができる。
【0022】
L−アルギニン又はその誘導体と抗酸化剤は、夫々、有効量を用いるべきである。ここでの有効量とは、本発明の組成物を勃起組織へ所望量の血流を供給するのに必要な量であり、その際、ペルオキシナイトライトの勃起組織への影響を最少にすることができる。なお、勃起組織とは、ペニス又は陰核の勃起組織の両方を意味するものである。使用する量は、運動機能又は感覚機能を実質的に変化させることなく血液の拡張をもたらすことのできる量である。また、有効量は、性的機能障害の1又は2以上の症状を軽減するのに必要な量である。性的機能障害の症状軽減は、前述した4つの性的反応(性欲、興奮、オーガズム、消散)のうち1又は2以上の状態の阻害が減少することを意味する。その結果、例えば、性的欲求が高まり、勃起及びその維持能力が向上し、射出能力が向上し、男性及び女性両方ともオーガズム経験が可能となり、膣潤滑が促進される。
【0023】
なお、有効量は、治療される患者、患者の性別、治療される性的機能障害の種類、機能障害の重症度、患者の年齢及び処置に対する反応、具体的な処方の仕方などによって異なる。各患者に対する有効量をどのように決めるかは、当該分野の専門家の範囲内である。一般的に、本発明の組成物の投与量は、活性L−アルギニン又はアルギニン誘導体についてはビークル(vehicle)又はキャリヤー(carrier)などの担体1mlあたり約1mg〜約200mgであり、抗酸化剤については担体1mlあたり約1mg〜約200mgである。なお、投与量をさらに多くすることも本発明の範囲内である。
【0024】
本発明の方法及び組成物による抗酸化剤の使用量は、十分な治療作用をもたらす量、すなわち、ペルオキシナイトライトの生成を制御し得る量が望ましい。このため、抗酸化剤の使用量はたとえ少量であっても有効に作用するが、組成物そのものの酸化を防止し、組成物の保存寿命を延ばすためには、少量でないことが望ましい。抗酸化剤そのものによる治療効果は、患者によって実現される。
【0025】
本発明組成物の活性成分は、性器へ施すために薬学的ビークル又はキャリヤーなどの担体の中に含有させるのが望ましい。この敏感な領域に適用するのに、全ての薬学的担体が適しているとは限らないことは理解されるであろう。それゆえ、活性成分は、当該分野の専門家に知られている「レミングトン薬科学ハンドブック(Remington Pharmaceutical Sciences Handbook」に報告される薬理学的に不活性な添加剤の中に含有させることが望ましい。組成物は、局部や上粘膜(epimucosal)に適用できるように、また、特に薄くて敏感な皮膚に適用できるような投与形態に調製すべきである。例えば、薬学的担体は、NO供与剤及び抗酸化剤の適用を容易ならしめる組成物である。そのような担体の一例として、商標名「KY Jelly」で市販されているメチルセルロースを挙げることができる。担体のpHは中性に近いものが望ましい。適当な担体の他の例として、水、シリコーン、ワックス、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及び砂糖、並びに、白色ペトロラタム、パラフィンワックス、コハク酸カプリルジグリセリル、アジピン酸ジイソプロピル及びエトキシグリコールなどの基材(bases)を挙げることができる。組成物は様々な形態が可能であり、例えば、ゲル、軟膏(ointment, salve)、フォーム、スプレー、クリーム、ローション、液体、エマルジョン、リポソーム溶液などの形態を挙げることができ、その他当該分野で既知の方法によって調製される他の形態も可能である。組成物の粘度は、適用される部位に保たれるような状態が望ましい。望ましい送達方法は、リポソーム溶液である。リポソーム溶液の作製は、市販キットを用い、製造者の指示に基づき、また、「The National Formulary」又は「Remingtons Pharmaceutical Sciences Handbook」に記載された当該分野における常法を参照して行なうことができる。プルロニックレシチンオルガノゲル(PLO)のリポソーム溶液が特に適しているがわかった。
【0026】
本発明の方法及び組成物に関し、供与剤及び抗酸化剤については、単独で用いることもできるが、夫々、2種以上用いることもできる。
【0027】
本発明の組成物は、その他にも様々な添加剤(excipients)を含むことができ、係る添加剤として、例えば、界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤、浸透増進剤、増量剤(extenders)、希釈剤、pH調整剤、芳香剤(fragrances, flavors)、着色剤などが挙げられる。例えば、表面活性剤を用いることにより、これら成分と性器の皮膚との緊張が低減され、活性成分の生物学的利用能を高めることができる。また、保湿剤や皮膚軟化剤を用いることもできるし、吸収促進剤、浸透促進剤又は局所的担体の中で一般的に用いられているその他添加剤を用いることもできる。適当な吸収促進剤の例として、ジメチルスルフォキシド(DMSO)又はそのアナローグ、モノアルキルリン酸塩及び薬学的に許容される塩、ポリヒドロキシエステル、長鎖脂肪酸、ポリヒドロキシルアルコール及びテレピンを挙げることができる。本発明の組成物の不活性成分は、活性成分と化学的な適合性を有し、性器領域を刺激しないように刺激作用が小さくなければならない。
【0028】
本発明の望ましい組成物は、リポソーム担体の中に、L−アルギニンとビタミンCのメチル及びエチルエステルの混合物を含んでいる。
【0029】
実施例
以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、いかなる意味でも発明を限定するものと解すべきでない。
様々な性的機能障害をもつ5人の女性被験者に対して、本発明の方法及び組成物を試験した。彼女達の機能障害は、膣の湿り気不足(この女性は試験を行なう約3年前に、腹腔鏡下で卵巣除去している)から、オーガズムに不到達の如く、様々である。結果は、被検女性からの報告に基づいて、0から10段階に分けた。レベル0は、性的反応が全くない場合であり、レベル10は極めて強い性的反応を示した場合である。各被検者には、次の3種類の組成物が与えられた。この組成物は、対照(PLO担体に活性成分を全く含まない)と、PLO担体にエステル化L−アルギニンを含む第2組成物と、PLO担体に、エステル化L−アルギニンと、アスコルビン酸及びアスコルビン酸−6−パルミテートを1:1の割合で含む第3組成物である。エステル化L−アルギニンは、L−アルギニンのエチルエステル、又はL−アルギニンのエチルエステル及びメチルエステルの組合せのどちらかである。試験は3回行ない、各回毎に、活性成分の濃度を増やした。これら組成物で用いたL−アルギニンと抗酸化剤は、3回の試験とも、L−アルギニン:抗酸化剤は約2:1であった。これら活性剤の含有量は、PLO担体の中で約0.5mlである。組成物の調製は、当該分野の専門家にとってリポソーム溶液を作る方法として一般的に知られている方法に基づいて行なった。
【0030】
第1回目の試験では、エステル化L−アルギニンを約6mg用いた。被検者のうち3人は、どの組成物を使用しても性的反応に変化を感じなかった。他の2人のうちの1人は、過去にオーガズムを経験した女性であり、その程度は前記の10段階評価では、レベル6であったが、今回はレベル8のオーガズムに到達した。もう1人の被検者は、膣に湿り気を生じることができない女性で、前記の10段階評価では、性的反応がレベル0であったが、組成物を用いることにより、自己潤滑作用によって膣に湿り気を起こし、レベル4の性的経験を得た。
【0031】
第2回目の試験では、エステル化L−アルギニンを約12mg用いた。被検者のうち2人は、性的反応に有意的な変化を感じなかった。第1回目の試験で、オーガズムの強度段階がレベル6から8となった被検者は、第2回目の試験では、より強いオーガズムを経験し、レベル9となった。自己潤滑作用をもたなかったが、第1回目の試験でレベル4の性的経験を得た女性は、今回の性的反応はレベル5に上昇した。第3の女性は、第1回目の試験では性的反応に変化がなかったのであるが、今回はより強いオーガズムを経験し、より強力な組成物によって性欲が増し、前回はレベル2であったものが、今回はレベル5となったと報告している。
【0032】
第3回目の試験では、L−アルギニンの濃度を約25mgまで増やした。組成物の使用量を増加させたことにより、5人の被検者のうち4人が性的反応が向上したと報告している。レベル6からレベル8になった第1の女性は、レベル9になり、殆んどレベル10に近かったと報告している。自己潤滑作用ができないレベル0からレベル4となった女性は、今回、レベル6となった。前回の性的反応がレベル1であった第4の女性は、今回、レベル3となった。
【0033】
第1回から第3回の試験において、どの被検者も、対照に対する反応はなかったと報告している。性的反応の向上が認められたのは、エステル化L−アルギニン単独の組成物、又はエステル化L−アルギニンを抗酸化剤と共に含む組成物の場合であり、前者と後者の反応は略同じであった。エステル化L−アルギニンとアスコルビン酸の両方を含む組成物を用いたとき、ペルオキシナイトライトは全く存在しないか、又は検出できない程度であったことが、細胞増殖(cell culturing)によって確認された。
上記実施例から明らかなように、本発明の方法は性的機能障害の治療に有効である。
【0034】
本発明の特定の実施例を例示したが、当該分野の専門家であれば、特許請求の範囲に記載された発明から逸脱することなく、発明の詳細について種々の変形をなすことができる。
【発明の分野】
本発明は、男性と女性両方の性的機能障害の治療に有用な組成物に関する。これら組成物を使用する方法もまた、本発明の範囲内である。
【0002】
【背景情報】
性的機能障害の意味を要約すると、性的反応の4つの状態(性欲、興奮、オーガズム、消散(resolution))のうちのどれか1つを達成できないことである。性的機能障害は、男性と女性の両方に影響を与える問題として広く知られている。米国だけでも、性的機能障害で悩む人々は何百万人もいる。
【0003】
男性の性的機能障害の典型例として、勃起を維持できないこと、射精できないこと、及び/又はオーガズムに達することができないことなどが挙げられる。勃起機能障害つまりインポテンスは、性交に必要な勃起に到達できないか又は勃起を維持できないことであり、米国だけでも何百万人の男性がいると推定されている。勃起機能障害は、生理学的又は心理学的な幾つかの要因によって生じ、ペニスへ及びペニスからの血液の流れがアンバランス状態のままとなり、硬い膨張と勃起を生じさせるのに十分な血液の保持が妨げられるものである。より具体的は、勃起機能障害として、「動脈原性(arteriogenic)」機能障害がある。これは、ペニスへの血液供給又はペニス内の血管からの漏洩に関して物理的問題があるため、十分な圧力を得たり維持することができない。さらに、例えば、神経の損傷に関連する「神経原性(neurogenic)」機能障害があり、また、不安又は鬱病などの心理学的問題から生ずる「心因性(psychogenic)」機能障害がある。
【0004】
性的機能障害は女性にも同様な悪影響を及ぼす。女性の場合、「性的機能障害」とは、一般的に、性交中の痛み又は不快さ、膣潤滑の減少、膣拡張の遅延、性的興奮に対する時間増加、オーガズムへの不到達及び/又は陰核興奮の減少などを意味する。外陰及び膣の正常な分泌不足による膣の乾きは、更年期の女性、自己免疫疾患の女性、放射線治療を受けている女性に最も頻繁に起こる。これらの問題を有する女性にとって、性交は可能であるとしても苦痛なのである。
【0005】
それゆえ、性的機能障害に関する問題は、男性と女性の両方に広まっている。性的機能障害の場合、恥ずかしさやきまり悪さが伴うため、これらの問題は治療せずにおかれることがしばしばある。これらの問題はたとえ治療するにしても、不快であったり、効果のないことが多い。例えば、男性の治療法として、ペニスへの注射、ペニス補助具の使用、薬理学的作用剤の尿道への埋込みなどがある。女性に対する治療の代表例として、かゆみ止め軟膏及びクリームの塗布、陰核の拡張の他に男性化を引き起こすホルモン処方などがあるが、上皮の萎縮と薄化の危険性がある。このため、現在の治療法では、自らが被害を被ることもしばしばあり得る。
【0006】
【発明の要旨】
本発明は、性的機能障害を治療するための組成物及び該組成物を用いる方法に関する。本発明の組成物及び方法は、男性と女性両方の性的機能障害の治療に適用することができる。本発明の方法は、広義において、治療される患者の生殖器に対し、抗酸化剤と一酸化窒素(NO)供与剤又は発生剤とを含む組成物を投与することを含んでいる。より具体的には、NO供与剤は、L−アルギニン又はその誘導体である。これらの化合物は、NOをインビボで生成することは理解されるであろう。一酸化窒素は、主として、血管拡張作用(vasodilation)を有する物質である。血管が拡張された領域へは、血液の流れが増大する。
【0007】
例えば血管拡張作用によって血管が拡がると、内皮細胞は酸素からスーパーオキシド(O2 −)を産生する。スーパーオキシドは一酸化窒素と化学的に反応して、ペルオキシナイトライト(OONO)−を生成する。この反応により、血管拡張に利用される一酸化窒素の濃度は減少する。また、ペルオキシナイトライトは強力な酸化剤であり、とりわけ、組織の損傷並びに細胞の膜脂質及びDNAに対する損傷を生じる。このように、NO発生剤を用いると、ペルオキシナイトライトが生成する結果となる。
【0008】
本発明の組成物及び方法は、スーパーオキシドの濃度を減少させ、産生されたペルオキシナイトライトを破壊することにより、体内のペルオキシナイトライト量を最少にする。これは、抗酸化剤を使用することにより達成される。このように、本発明の方法は、本発明の組成物を局所的に施すことにより、局部的な血管拡張を可能とするもので、組織及び細胞の損傷は、皆無でないとしても、他のNO発生方法の場合と比べると極めて少ない。
【0009】
本発明の目的は、患者の性的機能障害を治療する組成物を提供することである。
本発明の他の目的は、患者の性的機能障害を治療することである。
本発明の他の目的は、ペルオキシナイトライトを実質的に産生することなく、性器への血流を増大させることである。
本発明のこれら及びその他の目的は、以下の説明及び特許請求の範囲の記載から明らかであろう。
【0010】
【発明の詳細な記述】
本発明は患者の性的機能障害を治療する方法に関するもので、有効量のL−アルギニン又はL−アルギニンの誘導体及び有効量の抗酸化剤を、患者の性器に局部的に施すことを含んでいる。L−アルギニン、その誘導体及び抗酸化剤は、本明細書では、「活性成分(active ingredients)」と総称する。活性成分は時間を変えて、又は同時に投与することができる。本発明はまた、L−アルギニン又はその誘導体及び抗酸化剤を含む組成物に関するものである。
【0011】
この明細書で用いる「性的機能障害(sexual dysfunction)」という語は広い意味において、男性と女性の両方に当てはまるものである。一般的に、性的機能障害は、性欲、興奮、オーガズム、消散を含む性的反応の状態のうちのどれか1つが阻害されることを意味する。男性の場合、性的機能障害は、例えば、性欲の減少、勃起不全、射精不能及び/又はオーガズムに到達できないことなどを含むものである。女性の場合、性的機能障害は、例えば、性交における痛み又は不快感、膣潤滑の不足、膣膨張が起こらない、性的興奮に時間がかかる、オーガズムに到達できない、陰核の分泌不足などを含んでいる。男性と女性に関して、ここで用いる性的機能障害の治療の例として、性的な快楽及び刺激の増進がある。例えば、女性がより強く性的に反応しオーガズムを求める場合にも、本発明の方法に基づいて治療することができる。性的応答がより強くなり、性的興奮を高められた例として、前戯量の減少、オーガズム間隔の短縮、オーガズムに必要な性交時間の短縮、多数回のオーガズム到達などがあるが、これらに限定されるものではない。
【0012】
この明細書で用いられる「患者」という語は、一般的に、動物界の雄と雌の両方を意味する。本発明の方法は、性的刺激を誘発することを含んでいるので、例えば、畜産業にも適用することができる。それゆえ、本発明の方法は人間への適用に限定されるものでない。
【0013】
前述のように、本発明の活性成分は、患者の性器に局部投与される。男性の場合、ペニスの亀頭又は陰茎に施すことを含んでいる。本発明の組成物を亀頭部に施すと、最大の効果がもたらされることが多い。本発明の組成物が投与される女性性器として、膣、陰核、陰核包皮、前唇、後唇、大陰唇、小陰唇を挙げることができる。なお、本発明の組成物は、陰核包皮に施すことが望ましい。
【0014】
L−アルギニンは、広く市販されている天然アミノ酸である。「L−アルギニンの誘導体」は、総合的に、NG−ヒドロキシ−L−アルギニン;アミノ末端の第1アミノ酸がL−アルギニン又はNG−ヒドロキシ−L−アルギニンであるジペプチド、トリペプチド及びテトラペプチド;エステル化L−アルギニン又はヒドロキシル化(hydroxylated)L−アルギニン;L−アルギニン又はヒドロキシル化L−アルギニンのアミド誘導体;L−ホモアルギニン;ヒドロキシル化L−ホモアルギニン;L−ホモアルギニン又はヒドロキシル化L−ホモアルギニンのエステル又はアミド誘導体及び前記のどれかの物質の薬学的に許容される塩を意味する。
【0015】
NG−ヒドロキシ−L−アルギニンは、NO産生の際の直接介在物である。ヒドロキシル化L−アルギニンは商業的に入手可能である。例えば、L−ヒドロキシアルギニンアセテートは、Cayman Chemicalから入手することができる。
【0016】
本発明のペプチドは、典型的には、2,3又は4アミノ酸を有している。アミノ末端アミノ酸は、L−アルギニン、NG−ヒドロキシ−L−アルギニン又はこれらアルギニンのエステルである。ペプチド中の残りの酸は、L−アルギニン、ヒドロキシル化L−アルギニン又はそれらのエステルであってよく、又は、他の19種類の天然アミノ酸又はそれらの誘導体のいずれかであってよい。望ましいペプチドとして、アルギニン−リジン、アルギニン−グリシン及びアルギニン−リジン−アスパラギン酸を挙げることができる。なお、望ましいペプチドのL−アルギニンに代えてヒドロキシル化L−アルギニンを用いることができる。
【0017】
L−アルギニン又はヒドロキシル化L−アルギニンのエステル化物の調製は、例えば、アミノ酸のカルボキシル末端で、例えば酸塩化物又は無水物との反応が起こるときに行われ、カルボキシル末端でエステルを形成される。これらの誘導体化により、COOHがエステル化されるので、カルボキシル末端でのアミノ酸の価数は少なくなる(less charged)。これにより、細胞膜を横切る方向への移動をより容易に行なうことができる。なお、特に望ましいのは、L−アルギニンのメチルエステル誘導体、L−アルギニンのエチルエステル誘導体及びそれらの混合物であるが、その他エステル誘導体についても本発明の範囲内である。L−アルギニンのエステルは、ミズーリ州セントルイスのSigma Chemical Co.より商業的に入手可能である。
【0018】
同様に、アミノ酸のアミノ末端を、他の官能基を加えることによって誘導体化することもできる。
L−ホモアルギニンとヒドロキシル化L−ホモアルギニンは、アルギニンの炭素鎖に余分のメチル基(−CH2−)を含んでいる。これらアミノ酸のどちらもさらに誘導体化を行ない、エステル又はアミドの誘導体を形成することもできる。
【0019】
本発明で用いられるL−アルギニン及びL−アルギニンの誘導体は、一酸化窒素(NO)を生成する。前述したように、NOは血管拡張作用を有しており、血管拡張が行われる領域への血液の流れが増加する。男性及び女性の勃起組織への血液の流れの増加は、性的機能障害の治療に寄与する。例えば、ペニスの海綿体へ血液が流れると、勃起が可能となり、射精及びオーガズムを円滑に行なうことができる。同じように、本発明の組成物を女性の陰核及び/又は陰核包皮に施しら場合も、血液の供給が増加し、陰核が膨張する。これによって、性的興奮及び性的快楽が高まり、性的機能障害に関連する症状を完全になくすことはできないとしても、最少にすることができる。本発明の組成物を膣又は外部性器に施すと、十分な潤滑がもたらされ、性交中の痛みを解消することができる。
【0020】
一酸化窒素が生成され、その結果、血管拡張が起こると、最終的にはスーパーオキシド分子が生成する。スーパーオキシドはNOと結合して、ペルオキシナイトライトを生成する。この反応は、NOと結合するので、血管拡張に利用可能なNO量が少なくなり、発生したペルオキシナイトライトが組織や細胞を損傷するので、反応の有害効果は2倍となる。本発明の方法及び組成物は、これらの有害効果を、抗酸化剤を用いることによって解消させるものである。抗酸化物は、スーパーオキシド分子を、過酸化水素と酸素に変換する。投与量が十分であると、抗酸化物はスーパーオキシドを使い果たし、生成するペルオキシナイトライトを破壊する。それゆえ、スーパーオキシドを消耗させ、及び/又はペルオキシナイトライトを破壊する全ての抗酸化剤が本発明の範囲内である。望ましい抗酸化剤は、L−アスコルビン酸塩(アスコルビン酸又はビタミンCとしても知られている)及びその誘導体である。例えば、エステルC(L−アスコルビン酸塩のカルシウム塩)、デヒドロL−アスコルビン酸塩(ビタミンCの酸化された誘導体)、又はデヒドロL−アスコルビン酸塩のエステルCなどのビタミンCの誘導体についても、アスコルビン酸パルミテートなどの脂質化誘導体と同じよう用いることができる。これら化合物は、この明細書では、ビタミンC誘導体又はアスコルビン酸誘導体と総称するものとする。
【0021】
種々のアミノ酸を含む種々化合物を経口投与したり注射したりすることは、当該分野で行われているが、L−アルギニン又はその誘導体を、単独で、又は抗酸化剤と共に局部へ適用することについては知られていない。本発明は、治療に有効な量のNO発生剤と抗酸化剤を性器へ局部的に施し、組織を損傷することなく皮膚を通じて、治療が必要とされる部位に薬剤を送達するものである。このように、本発明はNO発生剤の局部的送達を可能とするもので、同時に、組織や細胞の損傷は皆無にならないとしても、NO生成によって通常起こる場合に比べると遙かに少なくすることができる。
【0022】
L−アルギニン又はその誘導体と抗酸化剤は、夫々、有効量を用いるべきである。ここでの有効量とは、本発明の組成物を勃起組織へ所望量の血流を供給するのに必要な量であり、その際、ペルオキシナイトライトの勃起組織への影響を最少にすることができる。なお、勃起組織とは、ペニス又は陰核の勃起組織の両方を意味するものである。使用する量は、運動機能又は感覚機能を実質的に変化させることなく血液の拡張をもたらすことのできる量である。また、有効量は、性的機能障害の1又は2以上の症状を軽減するのに必要な量である。性的機能障害の症状軽減は、前述した4つの性的反応(性欲、興奮、オーガズム、消散)のうち1又は2以上の状態の阻害が減少することを意味する。その結果、例えば、性的欲求が高まり、勃起及びその維持能力が向上し、射出能力が向上し、男性及び女性両方ともオーガズム経験が可能となり、膣潤滑が促進される。
【0023】
なお、有効量は、治療される患者、患者の性別、治療される性的機能障害の種類、機能障害の重症度、患者の年齢及び処置に対する反応、具体的な処方の仕方などによって異なる。各患者に対する有効量をどのように決めるかは、当該分野の専門家の範囲内である。一般的に、本発明の組成物の投与量は、活性L−アルギニン又はアルギニン誘導体についてはビークル(vehicle)又はキャリヤー(carrier)などの担体1mlあたり約1mg〜約200mgであり、抗酸化剤については担体1mlあたり約1mg〜約200mgである。なお、投与量をさらに多くすることも本発明の範囲内である。
【0024】
本発明の方法及び組成物による抗酸化剤の使用量は、十分な治療作用をもたらす量、すなわち、ペルオキシナイトライトの生成を制御し得る量が望ましい。このため、抗酸化剤の使用量はたとえ少量であっても有効に作用するが、組成物そのものの酸化を防止し、組成物の保存寿命を延ばすためには、少量でないことが望ましい。抗酸化剤そのものによる治療効果は、患者によって実現される。
【0025】
本発明組成物の活性成分は、性器へ施すために薬学的ビークル又はキャリヤーなどの担体の中に含有させるのが望ましい。この敏感な領域に適用するのに、全ての薬学的担体が適しているとは限らないことは理解されるであろう。それゆえ、活性成分は、当該分野の専門家に知られている「レミングトン薬科学ハンドブック(Remington Pharmaceutical Sciences Handbook」に報告される薬理学的に不活性な添加剤の中に含有させることが望ましい。組成物は、局部や上粘膜(epimucosal)に適用できるように、また、特に薄くて敏感な皮膚に適用できるような投与形態に調製すべきである。例えば、薬学的担体は、NO供与剤及び抗酸化剤の適用を容易ならしめる組成物である。そのような担体の一例として、商標名「KY Jelly」で市販されているメチルセルロースを挙げることができる。担体のpHは中性に近いものが望ましい。適当な担体の他の例として、水、シリコーン、ワックス、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール及び砂糖、並びに、白色ペトロラタム、パラフィンワックス、コハク酸カプリルジグリセリル、アジピン酸ジイソプロピル及びエトキシグリコールなどの基材(bases)を挙げることができる。組成物は様々な形態が可能であり、例えば、ゲル、軟膏(ointment, salve)、フォーム、スプレー、クリーム、ローション、液体、エマルジョン、リポソーム溶液などの形態を挙げることができ、その他当該分野で既知の方法によって調製される他の形態も可能である。組成物の粘度は、適用される部位に保たれるような状態が望ましい。望ましい送達方法は、リポソーム溶液である。リポソーム溶液の作製は、市販キットを用い、製造者の指示に基づき、また、「The National Formulary」又は「Remingtons Pharmaceutical Sciences Handbook」に記載された当該分野における常法を参照して行なうことができる。プルロニックレシチンオルガノゲル(PLO)のリポソーム溶液が特に適しているがわかった。
【0026】
本発明の方法及び組成物に関し、供与剤及び抗酸化剤については、単独で用いることもできるが、夫々、2種以上用いることもできる。
【0027】
本発明の組成物は、その他にも様々な添加剤(excipients)を含むことができ、係る添加剤として、例えば、界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤、浸透増進剤、増量剤(extenders)、希釈剤、pH調整剤、芳香剤(fragrances, flavors)、着色剤などが挙げられる。例えば、表面活性剤を用いることにより、これら成分と性器の皮膚との緊張が低減され、活性成分の生物学的利用能を高めることができる。また、保湿剤や皮膚軟化剤を用いることもできるし、吸収促進剤、浸透促進剤又は局所的担体の中で一般的に用いられているその他添加剤を用いることもできる。適当な吸収促進剤の例として、ジメチルスルフォキシド(DMSO)又はそのアナローグ、モノアルキルリン酸塩及び薬学的に許容される塩、ポリヒドロキシエステル、長鎖脂肪酸、ポリヒドロキシルアルコール及びテレピンを挙げることができる。本発明の組成物の不活性成分は、活性成分と化学的な適合性を有し、性器領域を刺激しないように刺激作用が小さくなければならない。
【0028】
本発明の望ましい組成物は、リポソーム担体の中に、L−アルギニンとビタミンCのメチル及びエチルエステルの混合物を含んでいる。
【0029】
実施例
以下の実施例は本発明を説明するためのものであって、いかなる意味でも発明を限定するものと解すべきでない。
様々な性的機能障害をもつ5人の女性被験者に対して、本発明の方法及び組成物を試験した。彼女達の機能障害は、膣の湿り気不足(この女性は試験を行なう約3年前に、腹腔鏡下で卵巣除去している)から、オーガズムに不到達の如く、様々である。結果は、被検女性からの報告に基づいて、0から10段階に分けた。レベル0は、性的反応が全くない場合であり、レベル10は極めて強い性的反応を示した場合である。各被検者には、次の3種類の組成物が与えられた。この組成物は、対照(PLO担体に活性成分を全く含まない)と、PLO担体にエステル化L−アルギニンを含む第2組成物と、PLO担体に、エステル化L−アルギニンと、アスコルビン酸及びアスコルビン酸−6−パルミテートを1:1の割合で含む第3組成物である。エステル化L−アルギニンは、L−アルギニンのエチルエステル、又はL−アルギニンのエチルエステル及びメチルエステルの組合せのどちらかである。試験は3回行ない、各回毎に、活性成分の濃度を増やした。これら組成物で用いたL−アルギニンと抗酸化剤は、3回の試験とも、L−アルギニン:抗酸化剤は約2:1であった。これら活性剤の含有量は、PLO担体の中で約0.5mlである。組成物の調製は、当該分野の専門家にとってリポソーム溶液を作る方法として一般的に知られている方法に基づいて行なった。
【0030】
第1回目の試験では、エステル化L−アルギニンを約6mg用いた。被検者のうち3人は、どの組成物を使用しても性的反応に変化を感じなかった。他の2人のうちの1人は、過去にオーガズムを経験した女性であり、その程度は前記の10段階評価では、レベル6であったが、今回はレベル8のオーガズムに到達した。もう1人の被検者は、膣に湿り気を生じることができない女性で、前記の10段階評価では、性的反応がレベル0であったが、組成物を用いることにより、自己潤滑作用によって膣に湿り気を起こし、レベル4の性的経験を得た。
【0031】
第2回目の試験では、エステル化L−アルギニンを約12mg用いた。被検者のうち2人は、性的反応に有意的な変化を感じなかった。第1回目の試験で、オーガズムの強度段階がレベル6から8となった被検者は、第2回目の試験では、より強いオーガズムを経験し、レベル9となった。自己潤滑作用をもたなかったが、第1回目の試験でレベル4の性的経験を得た女性は、今回の性的反応はレベル5に上昇した。第3の女性は、第1回目の試験では性的反応に変化がなかったのであるが、今回はより強いオーガズムを経験し、より強力な組成物によって性欲が増し、前回はレベル2であったものが、今回はレベル5となったと報告している。
【0032】
第3回目の試験では、L−アルギニンの濃度を約25mgまで増やした。組成物の使用量を増加させたことにより、5人の被検者のうち4人が性的反応が向上したと報告している。レベル6からレベル8になった第1の女性は、レベル9になり、殆んどレベル10に近かったと報告している。自己潤滑作用ができないレベル0からレベル4となった女性は、今回、レベル6となった。前回の性的反応がレベル1であった第4の女性は、今回、レベル3となった。
【0033】
第1回から第3回の試験において、どの被検者も、対照に対する反応はなかったと報告している。性的反応の向上が認められたのは、エステル化L−アルギニン単独の組成物、又はエステル化L−アルギニンを抗酸化剤と共に含む組成物の場合であり、前者と後者の反応は略同じであった。エステル化L−アルギニンとアスコルビン酸の両方を含む組成物を用いたとき、ペルオキシナイトライトは全く存在しないか、又は検出できない程度であったことが、細胞増殖(cell culturing)によって確認された。
上記実施例から明らかなように、本発明の方法は性的機能障害の治療に有効である。
【0034】
本発明の特定の実施例を例示したが、当該分野の専門家であれば、特許請求の範囲に記載された発明から逸脱することなく、発明の詳細について種々の変形をなすことができる。
Claims (32)
- 男性患者の性的機能障害を治療する方法であって、有効量のL−アルギニン又はL−アルギニンの誘導体と、有効量の抗酸化剤とを、患者の性器へ局所的に投与することを含んでいる方法。
- L−アルギニンの誘導体は、ヒドロキシル化L−アルギニンと、アミノ末端にL−アルギニン又はヒドロキシル化L−アルギニンを有するジ、トリ又はテトラペプチドと、L−アルギニンのエステルと、ヒドロキシル化L−アルギニンのエステルと、L−アルギニンのアミドと、ヒドロキシル化L−アルギニンのアミドと、L−ホモアルギニンと、ヒドロキシル化L−ホモアルギニンと、L−ホモアルギニンのエステルと、ヒドロキシル化L−アルギニンのエステルと、L−ホモアルギニンのアミドと、ヒドロキシル化L−アルギニンのアミドとからなる群から選択される請求項1の方法。
- L−アルギニンの誘導体は、L−アルギニンのメチルエステルである請求項2の方法。
- L−アルギニンの誘導体は、L−アルギニンのエチルエステルである請求項2の方法。
- L−アルギニンの誘導体は、L−アルギニンのメチルエステルとL−アルギニンのエチルエステルの混合物である請求項1の方法
- 抗酸化剤はアスコルビン酸又はその誘導体である請求項1の方法。
- 抗酸化剤はアスコルビン酸とアスコルビン酸パルミテートを含んでいる請求項6の方法。
- L−アルギニンの誘導体は、L−アルギニンのメチルエステル、L−アルギニンのエチルエステル又はそれらの混合物である請求項6の方法。
- L−アルギニン又はL−アルギニンの誘導体と抗酸化剤は、同じ組成物の中に含められ、同時に投与される請求項6の方法。
- 組成物は、ゲル、軟膏、フォーム、スプレー、クリーム、ローション、液体、エマルジョン又はリポソーム懸濁液である請求項9の方法。
- 有効量は、ペルオキシナイトライト量を最少にしながら、勃起組織へ所望の血液の流れを生じさせるのに必要な量である請求項1の方法。
- L−アルギニン又はL−アルギニンの誘導体と抗酸化剤は、ペニスの亀頭、陰茎又はその両方に施される請求項1の方法。
- 女性患者の性的機能障害を治療する方法であって、有効量のL−アルギニン又はL−アルギニンの誘導体と、有効量の抗酸化剤を、患者の性器へ局所的に投与することを含んでいる方法。
- L−アルギニンの誘導体は、ヒドロキシル化L−アルギニンと、アミノ末端にL−アルギニン又はヒドロキシル化L−アルギニンを有するジ、トリ又はテトラペプチドと、L−アルギニンのエステルと、ヒドロキシル化L−アルギニンのエステルと、L−アルギニンのアミドと、ヒドロキシル化L−アルギニンのアミドと、L−ホモアルギニンと、ヒドロキシル化L−ホモアルギニンと、L−ホモアルギニンのエステルと、ヒドロキシル化L−アルギニンのエステルと、L−ホモアルギニンのアミドと、ヒドロキシル化L−アルギニンのアミドとからなる群から選択される請求項13の方法。
- L−アルギニンの誘導体は、L−アルギニンのメチルエステルである請求項14の方法。
- L−アルギニンの誘導体は、L−アルギニンのエチルエステルである請求項14の方法。
- L−アルギニンの誘導体は、L−アルギニンのメチルエステルとL−アルギニンのエチルエステルの混合物である請求項13の方法
- 抗酸化剤はアスコルビン酸又はその誘導体である請求項13の方法。
- 抗酸化剤はアスコルビン酸とアスコルビン酸パルミテートを含んでいる請求項18の方法。
- L−アルギニンの誘導体は、L−アルギニンのメチルエステル、L−アルギニンのエチルエステル又はそれらの混合物である請求項18の方法。
- L−アルギニン又はL−アルギニンの誘導体と抗酸化剤は、同じ組成物の中に含められ、同時に投与される請求項13の方法。
- 組成物は、ゲル、軟膏、フォーム、スプレー、クリーム、ローション、液体、エマルジョン又はリポソーム懸濁液である請求項21の方法。
- 有効量は、ペルオキシナイトライト量を最少にしながら、勃起組織へ所望の血液の流れを生じさせるのに必要な量である請求項13の方法。
- L−アルギニン又はL−アルギニンの誘導体と抗酸化剤は、ペニスの陰核包皮に施される請求項1の方法。
- 治療により、性的快楽が高められる請求項13の方法。
- 性器への投与に適した薬学的担体の中に、L−アルギニン又はL−アルギニンの誘導体と抗酸化剤とを含んでいる組成物。
- L−アルギニンの誘導体は、ヒドロキシル化L−アルギニンと、アミノ末端にL−アルギニン又はヒドロキシル化L−アルギニンを有するジ、トリ又はテトラペプチドと、L−アルギニンのエステルと、ヒドロキシル化L−アルギニンのエステルと、L−アルギニンのアミドと、ヒドロキシル化L−アルギニンのアミドと、L−ホモアルギニンと、ヒドロキシル化L−ホモアルギニンと、L−ホモアルギニンのエステルと、ヒドロキシル化L−アルギニンのエステルと、L−ホモアルギニンのアミドと、ヒドロキシル化L−アルギニンのアミドとからなる群から選択される請求項26の組成物。
- L−アルギニンの誘導体は、L−アルギニンのメチルエステル、L−アルギニンのエチルエステル及びそれらの混合物からなる群から選択される請求項27の組成物。
- 抗酸化剤はアスコルビン酸又はその誘導体である請求項28の組成物。
- 抗酸化剤はアスコルビン酸とアスコルビン酸パルミテートを含んでいる請求項29の組成物。
- 薬学的担体は、リポソーム懸濁液である請求項26の組成物。
- 界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤、浸透促進剤、増量剤、希釈剤、pH調整剤、芳香剤、着色剤、保湿剤、皮膚軟化剤及び吸収促進剤からなる群から選択される1種又は2種以上の添加剤をさらに含んでいる請求項26の組成物。
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