JP2004510978A - 大きなゲルの中で2dの電気泳動を行なう方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、2次元の電気泳動(2Dの電気泳動、2DE)によって複合のタンパク質混合物を分離する方法及び装置に関する。
【解決手段】本発明は、1次元におけるタンパク質の分離を中空の、多孔性のタンパク質透過性の材料において行ない、2次元では多孔性の材料を変更なしに、平らなゲルを含むガラスカセットに入れ、タンパク質は電気泳動中に多孔性の材料の壁部を通ってゲルへ移動することを特徴とする。2DEは、質量分析法と共に例えば、全タンパク質の分析のための、すなわち、細胞タイプ、器官又は有機体の全タンパク質の分離及び同定のための基礎技術を形成する。
【解決手段】本発明は、1次元におけるタンパク質の分離を中空の、多孔性のタンパク質透過性の材料において行ない、2次元では多孔性の材料を変更なしに、平らなゲルを含むガラスカセットに入れ、タンパク質は電気泳動中に多孔性の材料の壁部を通ってゲルへ移動することを特徴とする。2DEは、質量分析法と共に例えば、全タンパク質の分析のための、すなわち、細胞タイプ、器官又は有機体の全タンパク質の分離及び同定のための基礎技術を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大きなゲルの中での分解能の高い2次元の電気泳動(2Dの電気泳動、2DE)によって、複合のタンパク質混合物を分離するための方法及び装置に関する。2DEは、質量分析法と共に、例えば全タンパク質の分析のための、すなわち、細胞のタイプ、器官又は有機体の全タンパク質の分離及び同定のための基礎技術を形成する。
【0002】
【従来の技術】
分解能の高い2次元の電気泳動(2DE)は、器官の組織から抽出されるタンパク質混合物を分離するための既成の方法である(特許:米国特許第5837116号 カリフォルニア・インスティテュート・オブ・テクノロジー 米国 1999;バイオ・ラッド・ラボラトリー・インコーポレーション、 米国 1998:米国特許第5773645号、欧州特許第877245号 及び1990:米国特許第4874490号、欧州特許第366897号;ドイツ特許第4244082号−ETCゲーエムベーハー ドイツ 1994;日本特許第05048421号、米国特許第4666581号 日立製作所 日本 1986;G・F・エイムズ、 K・ニカイドウ:パブリッシュト・メディカル・アブストラクト:バイオケミストリー、1976、15巻、3号、616−623頁;米国特許第5534121号)。現在及び特にヒトゲノム・プロジェクトの終了後に、この技術は研究及び薬品産業におけるポストゲノム時代の中心的方法として益々重要性を増す。しかし、2DEの実行は依然として大部分手作業でなされる。成功は、方法を用いる要員の器用さに非常に依存している。
【0003】
J・クローゼ[1−文献リスト]及びP・オファレル[2]が、1975年、2DEの高い分解能の形態を同時にかつ互いに関係なしに公表した。80年代にLKB社、今日ではファルマシアがこの方法を重要な技術的データにおいて変更した[3−5]。磁界に自由に移動する両性担体(キャリア・アンフォライト、CA)を、ゲル・マトリックスにしっかり固定する両性電解質(固定されたpH勾配、IPG;イモビーライン(R))によって代用した。これに従って、2DEは今日2つのバージョンで用いられる。CA−2DE(クローゼ,オファレル)及びIPG−2DE(ファルマシア)。
【0004】
CA−2DE技術
タンパク質混合物をガラスの毛細管にあるポリアクリルアミドゲルに入れる。タンパク質を等電点電気泳動の原理に基づいて磁界で分離する。自由に移動可能な両性電解質は、電圧下でpH勾配を形成し、タンパク質は等電点に従ってこのpH勾配に適合する。1次元(1D)においてタンパク質を分離した後に、ゲルを毛細管から押し出す。次に、ゲルは細くて長いゲル状の糸として存在する。このようなゲルの糸を取り出し、同様にポリアクリルアミドゲルの入った矩形の、面積の広いガラスカセットに入れる(図1)。タンパク質は、流れの中で、ゲルの糸から出て、細くて平らなゲルの中でSDSゲル電気泳動(SDS−ドデシル硫酸ナトリウム、Sodium Dodecylsulfat)の原理に従って更に分離される。数年前、クローゼ及びコーバルツ[6]はCA−2DEをいわゆる大規模技術に開発した。1Dのゲルの糸は、41cmの長さ(直径0.9mm)であり、2Dのゲルは46cm×30cmの寸法、厚さは0.75mmである(ゲルは2つの半体で形成される)。このゲル技術を用いて、今日では出来る限り高い分解能が達成される(1つのゲルにつき10.000より多いタンパク質)。
【0005】
IPG−2DE技術
この技術では、両性電解質をアクリルアミド(=ゲルマトリクスの物質)に化学的に結合する。2つの溶液、低いpH範囲のための両性電解質を有する溶液と、高いpH範囲のための溶液とを調製する。次に、こうした溶液を用いてグラジエント・ミキサー(Gradientenmischer)によって、出来上がったpH勾配を含むゲルを注ぐ。このようなIPGゲル(IPG―固定されたpH勾配、イモビーライン(R))を毛細管にでなく、平らなゲルに注ぐ。ゲルを乾燥し、ストリップに切断する。これらのストリップを商業的に提供する。利用者はストリップを緩衝液の中でふやかし、サンプルを入れ、次に1Dの段階を実行する。2次元における分離はCA技術の場合と同様になされる。提供されたゲルは比較的小さくて、すなわち、最大限23cm×20cmである。
【0006】
CA技術とIPG技術との間の比較
CA技術:
利点:大きなゲルの故の高い分解能、正確な分離、良好な再現性。
欠点:実行においてかなり手作業であり、従ってコストがかり、使用者の器用さに依存する。
IPG技術:
利点:1Dゲル(ゲルの乾燥したストリップ)を直ぐに使用可能に提供する。このことは方法の著しい簡略化を意味する。ファルマシア及びバイオラッド両社の非常に優れたマーケッティング(マニュアル、販売の催し、ワークショップ)が加わる。従って、方法は市場に支配的である。実際にすべての市場参入者はこの方法を利用する。IPGの特許(スウェーデン特許第14049−1号)の権利期限が切れた後に、製造者が増加している。
欠点:分解及び分離は比較的良くない。何故ならば、比較的小さなゲル(上記参照)しか使用することができないからである。ゲルマトリクスへの両性電解質の結合によって再現性を著しく改善しようとする意図でIPG技術を開発した。しかし、予期される改善は実際に殆ど用いられない(原因:pH勾配へのタンパク質による影響及び他の原因:『商品テスト』に記載されており、「タンパク質化学における微量分析法」というテーマの第7研究会(マックス・プランク研究所によって2000年6月にマルティエンスリートで開催された)において議論されたIPG−2DEも参照せよ)。
注:クローゼが開発した大規模技術は当業者の間で広範囲に知られている[講演、刊行物、例えば7,8]。その技術の高い分解能及び分離精度は一般に認められている。しかし、この方法は実際には複雑であると見做される。
【0007】
CA−2DE技術の実行の際に最も難しくかつ最もコストのかかる段階は、毛細管への1Dのゲルの注入、毛細管からの線に沿ってのゲルの糸の押出し、及び2Dゲルへの長いゲルの糸の転用である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
タンパク質混合物の分離を著しく簡略化するための方法及び装置を開発するという課題が、本発明の基礎になっている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明に基づき次のように解決された。
【0010】
1次元におけるタンパク質の分離をタンパク質透過性の材料、ホース状であってもよい多孔性の毛細管、の中で行なう。次に、多孔性の毛細管をゲルの糸を押し出してそれ自体更に運ぶ必要なしに、平らなゲルを含むガラスカセットに入れる。次に、流れの中でタンパク質は管の壁を通って平らなゲルに入り込む。
【0011】
プラスチック繊維のブレードホース及びセラミックからなる毛細管は、適切な管のタイプであることが明らかになった。
【0012】
ポリエステルのブレードホース[12,14,15,16]の使用の際には、2Dのゲルは試験サンプルに基づきタンパク質の予想されたスポットを示した。この試験結果は、タンパク質がこのようなゲル管へ通常電気泳動されること、及びタンパク質が管の壁部を通って2Dのゲルに入り込むことを、明瞭に裏付けた。
【0013】
セラミックの毛細管又はセラミックの中空繊維[9,10,12]の使用の際に、まず、ゲル溶液を試験サンプルと混合し、管にこの混合物を充填する。重合化の後に及び管を2Dゲルの上に置いた後に、SDSゲル電気泳動を通例の如く行なった。結果は、タンパク質が磁界中で管を通って容易に移動することを示した。試験サンプルは異なった分子量及び等電点を有するタンパク質を含む。管を通過した後に及びSDSゲルにおける分離の後に、タンパク質のバンドは、期待通りに、異なった分子量に応じて、現われた。
【0014】
この試験結果は、該試験結果が一般的な予想に対応しないので、前もってまだ試験されない限りでは、驚異的である。一般の経験は、僅かな妨害物(小さな気泡、汚染)が、タンパク質の、電気泳動上のトラックにおいて、タンパク質の分離を妨げることを示した。従って、多孔性の管が管を通過するタンパク質に対し篩い作用を引き起こし、この篩い作用がタンパク質の分子が正確に集まって個々のタンパク質を形成することを妨げるか損なうことが不可避的に推測された。しかし、この作用は生じなかった。むしろ、望ましいタンパク質スポットが形成された。
【0015】
従って、次にゲルの糸を等電点電気泳動後に、押し出す必要はなく、毛細管全体をタンパク質の更なる分離のために、ガラスカセットに入れることができる。次に、流れの中でタンパク質は管の壁を通って平らなゲルに入り込む。2次元におけるタンパク質の電気泳動後に、ゲルを有しない毛細管を投棄する。直ぐに使用可能なゲルの入った毛細管(ゲル管)を商業的に提供する。かくて、ゲルの注入及び押出しは省略される。1Dのゲルの、2Dのゲルへの移し替えは、利用者にとって簡単な手による操作となる。本発明に基づいて使用された管の材料は、約400kDaまでの大きさのタンパク質に対し透過性がある(図2)。孔の大きさの選択によって、分子量の所定の範囲を良しとして選ぶことができる。このことによって、分解能の追加的な改善を達成することができる。
【0016】
分解能の高い2次元の電気泳動(2−DE又は2DE)によって複合のタンパク質混合物を分離するための本発明に係わる装置は、1D及び2DEの技術の標準要素の他に、多孔性の管、例えば毛管又は毛細管、特にプラスチック繊維のブレードホース、あるいはセラミック毛細管又はセラミック中空繊維の形態の、タンパク質透過性の材料から、更に平らなゲルを含むガラスカセットから、ゲル管から、管の配列及びピペットで移すためのロボットから、管の配列及び緩衝液室、2Dのカセット、緩衝液室中の2Dのカセット、特殊な1Dの室から、完成したゲルとしての2Dゲルから、2Dの室、場合によっては、管中のIPGゲル並びにHTP−2DEの装置(高処理量技術(High−throughput−Technik))からなる。
【0017】
詳しくは、本発明に係わる装置は等電点電気泳動装置(4)にゲル管(3)と、IEFゲル(2)内のタンパク質サンプル(1)とを有する、1D及び2DEの技術(図1及び2)の標準要素からなる。SDSゲル電気泳動手段(5)は、ガラスカセット(7)内に、SDSゲルの上のIEFゲル(6)を含む。このゲルは、多孔性のゲル管(11,12)内のタンパク質サンプル(9)がプラスチックのカバー(10)の取外し後にガラスカセット(7)にもたらされてなる電気泳動後に、タンパク質スポット(8)を供する。多孔性の毛細管(14)は、複数の細管を結合するプラスチックのカバー(13)によって被覆されている(15)(図3,図4の横断面)。2層のプラスチックフィルムによって被覆かつ結合されている毛細管は管の配列(17)を形成する。2層を破って開けた後に、管を取り出すことができる。横方向補強部材(プラットフォーム)は、電気泳動室(Fokussierungskammer)に管の配列を固定するために用いられる。管の配列(17)は、ピペットで移すためのロボット(16)を有する(図5)。管の配列(図6)は締付装置(18)によって電気泳動室に固定されている。管の配列はプラットフォーム(19−俯瞰)を形成する。本発明に係わる2Dのカセット(横断面図で20,側面図で21,図8の緩衝液室で22)はSDSゲル及びIEFゲルを含む(図7)。
【0018】
従って、本発明に係わる装置は1D及び2DEの技術(図1及び2)の標準要素の他に、ゲル管(図3,図4)及び束ねて管の配列(17,図5,図6)に形成されたゲル管、管の配列(17)及びピペットで移すためのロボット(16)、管の配列及び緩衝液室(22,図8)、2Dのカセット(20,21)、緩衝液室(22)内の2Dのカセット、特殊な1Dの室(図6)、完成したゲル(20,21)としての2Dのゲル、2Dの室(図7及び8)並びにHTP―2DEの装置からなる。
【0019】
中空繊維(0.5mmまでの直径)、毛細管(約0.3mmまでの直径)及び管の形の、本発明で用いられるポリマー膜は、種々の製造業者によって商業的に提供される。ドイツのフレゼーニウス・ゲーエムベーハー、ガンブロ・ディアリュザトーレン・ゲーエムベーハ・ウント・コー・カーゲー、アクツォ・ファーザー・アーゲー[14]又はライヒェルト・ヒェミー・テヒニーク[11]、オランダのエクス・フロー・ビー・ヴイ、及び米国のAGT−A/Gテクノロジー・コーポレーション[16]はこうした製造業者である。人工腎臓及び血漿分離器は数百万の平方メートルを有する非常に大きな市場である。これらの要素の主たる構成要素は所定の孔構造を有する毛細管膜である。
【0020】
例1に挙げられたポリスルホン管は、米国の会社AGTから由来する。複数の例に挙げられたブレードホースはエアフルター・フレヒトテヒニーク[15]に由来する。プラスチックの中実繊維からなるブレードホースでは、孔は繊維の構造及び配列によって形成される。
【0021】
膜のためのポリエステル(ポリカーボネート、ポリアルキレンテレフタレート)、ポリスルホン(ポリエーテルスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリアリールスルホン)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)又はポリエーテルケトンといったプラスチックの他に、ブレードホースのためには、天然繊維(例えば絹又は木綿)又は無機繊維(例えばガラス繊維、セラミック繊維及び他の酸化物繊維)並びに非酸化物繊維が適切である。多孔性の中空繊維はリュック等[13]によって記載される[13]。
【0022】
ブレードホースの製造のためには、ポリブチレンテレフタレート又はポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレン)テレフタレートの他に、ポリアルキレンテレフタレート、特にポリエチレンテレフタレートからなる繊維は非常に適切であることが明らかとなった。
【0023】
本発明に係わるゲル管は、0.2乃至0.005μmの、詳しくは、400kDaよりも小さいタンパク質に対し0.2μmの、
200kDaよりも小さいタンパク質に対し0.1μmの、
100kDaよりも小さいタンパク質に対し0.05μmの、
60kDaよりも小さいタンパク質に対し0.03μmの、
20kDaよりも小さいタンパク質に対し0.01μmの、
10kDaよりも小さいタンパク質に対し0.005μmの
孔の寸法を有する。
【0024】
本発明の特徴は、複数の請求項の他に、明細書からも明らかである。個々の特徴は、夫々単独で又は組合せの形の複数で、本明細書によって保護が請求される好都合な実施の形態を表わしている。組合せは知られた要素(1D及び2DE技術、CA−2DE及びIPG−2DE技術と、新たな解決法(中空の、多孔性の、タンパク質透過性の材料における1DEのタンパク質の分離及び2次元での変更なしの材料の使用、完成したゲルとしての2Dのゲル、HTP−2DE技術)とからなる。後者の解決法は互いに影響し合い、その新たな全作用において、利点(相乗効果)及び求めた成功を生じさせる。この成功は、今や手による簡単な操作がタンパク質の高くかつ正確な分解能と結び付いていることにある。
【0025】
新たな大規模技術の、本発明に係わる使用は、複合のタンパク質混合物の分離にある。更に、本発明に係わる使用は、中空のプラスチック繊維又はプラスチックのブレードホース、特にポリエステルのブレードホース又はセラミック毛細管又はセラミック中空繊維の形態の、中空の、多孔性の材料を1Dの電気泳動で次に変更なしに2Dの電気泳動で用いることに関する。
【0026】
約25年前の2Dの電気泳動の開発以来、等電点電気泳動、すなわち、細管における次に幾らか遅れて平らなゲルにおける、特にゲルストリップにおける1次元でのタンパク質の分離が行なわれてきた。ゲル細管は、ガラス又はプラスチック材料から、従って、水密及び気密の材料から製造された。これらの細管を多孔性の材料から製造する理由は全然なかった。何故ならば、多孔性であれば、ゲルはこのような細管の中で即座に乾燥するだろうし、電気泳動の実行中に側方で電極溶液と接触するだろうからである。後者のことは、結果として、pH勾配が形成されず、電気泳動が発生できないことを伴う。従って、多孔性の管での電気泳動を、細管技術の、論理的な明白な変更と見做すことはできない。
【0027】
本発明に係わる大規模技術の開発によって初めて、ここで、全く新たな思想が活動し始める。ゲルが本発明に係わるガラス細管内で40cmよりも長く、1mmよりも薄いので、ゲルは非常に高い分解能を供するが、実際には、取り扱うのが極めて難しい。このような、長くて、薄く、軟らかいゲルの糸は、ほとんど無傷で細管から押し出されず、2次元での分離のためには、多くの器用さ及び経験を用いてのみ、SDSゲルにもたらされることができる。この問題を、本発明に基づき、全く新タイプのゲル細管の開発によって以下のように解決した。
【0028】
ゲルを、長くて薄いゲル細管と同様の寸法を有する細管に注入する。しかし、これらの細管の壁部は多孔性の材料からなる。
ゲル溶液の重合を妨げない材料を見つけねばならなかった。
材料は、タンパク質がスムーズに壁を通って移動することができることを可能にする孔の幅を有しなければならない。通過後に、SDSゲル中のタンパク質は、通常の「裸の」ゲルの場合と同じの、丸くて汚く塗られていない「スポット」を形成しなければならない。このことは決して予期されなかった。何故ならば、これまで、経験は、ゲル中の最小の障害物(僅かな気泡又はゲルの屑)でさえスポットの汚い塗りをもたらすことを示していたからである。
多孔性の細管は、(商業的な製品としての)貯蔵の際にゲルの乾燥及びIEFの実行中に緩衝液との接触を妨げるために、プラスチックフィルムによって密に被覆されていなければならない。
フィルムは上にサンプルの注入のために「細管」を繋げねばならない。
多孔性の細管が次に被覆なしにSDSゲル上に置かれることができ、タンパク質が移動することができるように、フィルムは焦点電気泳動の実行後に容易に取り外されねばならない。
【0029】
細管の新たなタイプは、本発明に係わるコンセプトすなわち長くて薄い毛細管による高い分解能に基づいてのみ大規模技術において自らの意義を得る本発明の、その本質的な特徴である。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明を実施の形態に基づいて詳述する。但し、本発明はこれらの実施の形態に限定されることはない。1次元におけるタンパク質の分離を、タンパク質透過性の材料―多孔性の管、例えば毛管又は毛細管―内で行なった。タンパク質を更に分離するため、この毛管又は毛細管を、平らなゲルが入っているガラスカセットに入れた。次に、流れの中でタンパク質は管の壁を通って平らなゲルに入り込む。タンパク質透過性の材料は、プラスチック管[12,13,14,15,16]、セラミック毛細管[9,10,12]、プラスチックのブレードホース[12,15]から、あるいは、ポリエステル(ポリカーボネート、ポリアルキレンテレフタレート)、ポリスルホン(ポリエーテルスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリアリールスルホン)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)又はポリエーテルケトンの中空繊維の形のポリマー膜から、天然繊維(例えば絹又は木綿)又は無機繊維(セラミック繊維の他に、―上記参照―ガラス繊維又は他の酸化物繊維)並びに非酸化物繊維からなる。プラスチックの繊維のなかでは、ポリアルキレンテレフタレート、特にポリエチレンテレフタレートが、ポリブチレンテレフタレート又はポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレン)テレフタレートの他に、非常に適切であることが明らかになった。以下の例における試験サンプルとして、知られたタンパク質から自社製造したタンパク質混合物を用いた。この試験サンプルは異なった分子量及び等電点を有する7つのタンパク質を含む。
【0031】
例1:2次元におけるタンパク質の分離。
【0032】
例1:1.:プラスチック管
0.1mmの直径を有する50本のストリングからなる、ポリエステルのブレードホース[12,14,15]に、ゲル溶液を充填し、2Dの電気泳動のために用いた。2Dのゲルは予期された7つのタンパク質スポットを示した。この試験結果は、タンパク質がポリエステルのブレードホース[15]のタイプのゲル管へ通常電気泳動されること、及びタンパク質が管壁部を通って2Dのゲルに入り込むことを、明瞭に裏付けた。
【0033】
例1:1.1:ポリエチレンテレフタレート
例1:1.のように、ポリエチレンテレフタレート[12,15,16]を使用して。
【0034】
例1:1.2:ポリカーボネート
例1:1.のように、ポリカーボネート[13]を使用して。
【0035】
例1:1.3:ポリスルホン
例1:1.のように、ポリスルホン[12]を使用して、しかし1:1.1.及び例1:1.2よりも良くない結果を伴って。
【0036】
例1:2.セラミックの毛細管[9,10,12]
0.2μmの孔の大きさ、0.8mmの直径、0.18mmの壁の厚さを有するセラミックの毛細管(Al203)を、2Dの電気泳動のために準備した。これらの管がタンパク質に対し透過性であるか否かを試験するために、ゲル溶液を試験サンプルと混合した。この混合物を管に充填した。重合化の後に、管を2Dゲルの上に置いた。次に、SDSゲル電気泳動を通例の如く行なった。結果は、タンパク質が磁界中で管を通って容易に移動することを裏付ける。模様は、タンパク質の染色後に、異なった分子量に応じて7つのバンドを示した。
【0037】
例2:ゲル管の改善
孔の選択された幅に従って細胞抽出物から分子量他のクラスを分離することができるために、孔の異なった幅を有するゲル管を製造した。2Dのゲルのゲル濃度をゲル管の孔の幅に従って適合させる。この方法で、組織の抽出物からの、非常に複雑なかつ緊密に圧縮されたタンパク質の模様は、複数の整然たる模様に分別される。
利点
(a)整然たる模様は模様の自動的評価を簡略化する。
(b)模様は質量分析法のためにスポットの自動的な刳り抜きを容易化する。
(c)全抽出物の、従来の技術より高い分解能が可能にされる。
(d)(スポットの重なりが少ない故に)質量分析法のために、スポットの、従来の技術より高い清澄度が達成される。
【0038】
例3:ゲルの乾燥
管中でのゲルの乾燥は空気乾燥によりなされる。このことは、ここで考案されたゲル管の場合に、可能である。何故ならば、ゲル管は多孔性だからである。乾燥は、ゲル管でのゲルの貯蔵及び販売にとって、大きな利点である。使用前に、ゲルをゲル溶液中で再度ふやかす。
【0039】
例4:管の配列
ゲル管をプラスチックに接合し、その際、好ましくは10個づつのセットで束ねる(管の配列 図3及び4)。
プラスチックのケースは以下の課題を果たさねばならない。
(a)(特に管状ホースの場合の)管の安定化
(b)ゲルの乾燥に対する保護
(c)プラスチックのケースは、同時に、個々の細管に対して、サンプルを入れるための取付口を供する。
(d)プラスチックのケースは、ゲル管の中間領域に又は上端に、管の全配列を1Dの室に挟み込むために用いるプラットフォームを形成する(図5)。
(e)プラスチックのケースは、ゲル管を取り出すために1Dの線に従って破り離される2つの部分からなる(プラスチックのケースを投棄する)。
【0040】
例5:特殊な1Dの室
特殊な1Dの室は、簡単な手による操作で管の配列をこの室に挟み込むように、デザインされている(図5)。挟み込みは、1Dの室中の緩衝液に対する完全な密閉を保証する。何故ならば、ゲル管は1Dの室の底部を通り抜けねばならないからである。
【0041】
例6:ピペットで移すためのロボット(Pipetierroboter)
発明の目的のために独自に設計された、ピペットで移すためのロボットは、毛細管に液体を充填することができる(図4)。
このロボットは以下の機能を果たす。
(a)約1mmの直径及び約3.5mmの深さを有する毛細管に、僅かなに粘調な溶液を、気泡のないように充填すること
(b)μlの範囲で溶液を正確に分けること
(c)異なった密度を有する3つの液体を重層すること
(d)10の管を順々に充填すること
(e)サンプルの移動による汚染を避けるために、種々のサンプルの挿入の際に、ピペットで移すためのヘッドを交換すること。サンプルの挿入は、管の配列が入れてあるとき、なされる。
【0042】
例7:完成したゲルとしての2Dのゲル
2Dのゲルを、同様に、完成したゲルとして購買者又は消費者に提供する。これらのゲルを、直ぐ使用できるように、プラスチックカセットに入れて供給する(図6)。プラスチックカセットは以下の特性を有する。
(a)プラスチックカセットは透明である。
(b)プラスチックカセットは、該ケースを2Dの室に容易に挟み込むことができるために用いるプラットフォームで、終わっている(上記例4(d)を参照)。
(c)カセットは線に沿って破り開けられることができて、ゲルを外に出す(用いられたカセットを投棄する。プレートの、特にコストのかかる洗浄が省略される)。
(d)カセットは、下に、端部の手前0.5mmで、線の終りが分かるように付けてある簡単なマークを有する。
【0043】
例8:2Dの室
2Dの室は、選択で10までのゲルカセットをこの室に吊るすことができるように、デザインされている(図7)。密閉はカセットのプラットフォームによってなされる(上記例7(b)を参照)。
【0044】
例9:管の中のIPGゲル
例2及び4に類似して、管の中のIPGゲルを形成する。
【0045】
例10:HTP−2DEの装置
HTP−2DEの装置(高処理量技術)の最後の仕上げ段階では、僅かに以下の手作業が残っている。管の配列を1Dの室に挟み込むこと、2Dのゲルを2Dの室に挟み込むこと、管のゲルを2Dのゲルへ載せること、1D及び2Dの室のために緩衝液を挿入すること。リザーバに緩衝液を充填しさえすればよいように、室に充填し、室を空にし、及び洗浄することを自動化する。
[略語リスト]
[1]乃至[16]…文献1、文献16、AGT…A/Gテクノロジー・コーポレーション、米国、1D…1次元、1Dゲル…1次元のゲル、2D…2次元、2DE/2−DE…2次元の電気泳動、CA…両性担体、CA−2DE…CA−2次元の電気泳動、HTP−2DE…高処理量技術、IEFゲル…等電点電気泳動ゲル、IPG…固定されたpH勾配、イモビーライン(R)、IPG−2DE…IPG−2次元の電気泳動、kDa…キロダルトン、PAGE…ポリアクリルアミドゲル電気泳動、PVDF…ポリフッ化ビニリデン、SDS…ドデシル硫酸ナトリウム(Sodium Dodecylsulfat)。
[文献リスト]
[1]…J・クローゼ(1975)フマーンゲネティーク26:231−243、
[2]…P・H・オファレル(1975)J.Biol.Chem.250,4007−4021、
[3]…V・ガスパリック、B・ビイェルクウィスト、A・ローゼングレーン(1975)スウェーデン特許第14049−1号、
[4]…B・ビイェルクウィスト、K・エック(1982)LKB Application Note 321、
[5]…ビイェルクウィスト等(1982)J.Biochem.Biophys.Methods 6. 317−339、
[6]…J・クローゼ、U・コーバルツ(1995)Electrophoresis 16:1034−1059、
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[8]…J・クローゼ(1999)Methods in Molecular Biology 112:67−86、
[9]…S・トゥデュカ、K・プランツ、N・シュトロー、H・ブルンナー、F・アルディンガー(1998):液体濾過のためのセラミック膜の製造及び性質、セラミック雑誌50(10):818−826、
[10]…N・シュトロー、D・シュポルン:セラミックの中空繊維 分離技術における新たなジオメトリー、DECHEMA(ドイツ化学装置協会)年次会議 膜技術1999、1999年4月27日至29日 ウィースバーデン、
[11]…目録 ライヒェルト・ヒェミーテヒニーク2000、ライヒェルト・ヒェミーテヒニーク、
[12]…フラウンホーファー・インスティトゥート 界面技術及びバイオプロセス技術 ノベル・シュトラーセ12 D−70569シュトゥトガルト Tel.:+49[0]711 970 4120、Fax.:+49[0]711 970 4200、
[13]…H・B・リュック等、Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B50,1990,395−400、
[14]…アクツォ・フーザー アーゲー、エーダー・シュトラーセ28 D−42289ウッパータール、フレゼーニウス・ゲーエムベーハー フランクフルター・シュトラーセ6−8 D−66606ザンクト・ウェンデル、ガンブロ・ディアリュザトーレン・ゲーエムベーハ・ウント・コー・カーゲー ホルガー・クラフォード・シュトラーセ26 D−72373ヘヒンゲン、
[15]…エアフルター・フレヒトテヒニーク・ゲーエムベーハー シュタウフェンベルクアレー13 D−99086エアフルト、
[16]…エクス・フロー・ビー・ヴイ、ベドエイフェン・トゥウェンテ289、 NL7602KKアルメロ オランダ、AGT−A/Gテクノロジー・コーポレーション 101ハンプトン・アヴェニュー ニーダム MA02194−2628 米国。
【図面の簡単な説明】
【図1】標準の2Dの電気泳動を示している。
【図2】1Dのゲル技術の改善を示している。
【図3】ゲル管の縦方向図を示している。
【図4】ゲル管の横断面図を示している。
【図5】管の配列及びピペットで移すためのロボットを示している。
【図6】管の配列及び1Dの緩衝液室(部分図)を示している。
【図7】2Dのカセットを示している。
【図8】緩衝液室の中の2Dのカセットを示している。
【発明の属する技術分野】
本発明は、大きなゲルの中での分解能の高い2次元の電気泳動(2Dの電気泳動、2DE)によって、複合のタンパク質混合物を分離するための方法及び装置に関する。2DEは、質量分析法と共に、例えば全タンパク質の分析のための、すなわち、細胞のタイプ、器官又は有機体の全タンパク質の分離及び同定のための基礎技術を形成する。
【0002】
【従来の技術】
分解能の高い2次元の電気泳動(2DE)は、器官の組織から抽出されるタンパク質混合物を分離するための既成の方法である(特許:米国特許第5837116号 カリフォルニア・インスティテュート・オブ・テクノロジー 米国 1999;バイオ・ラッド・ラボラトリー・インコーポレーション、 米国 1998:米国特許第5773645号、欧州特許第877245号 及び1990:米国特許第4874490号、欧州特許第366897号;ドイツ特許第4244082号−ETCゲーエムベーハー ドイツ 1994;日本特許第05048421号、米国特許第4666581号 日立製作所 日本 1986;G・F・エイムズ、 K・ニカイドウ:パブリッシュト・メディカル・アブストラクト:バイオケミストリー、1976、15巻、3号、616−623頁;米国特許第5534121号)。現在及び特にヒトゲノム・プロジェクトの終了後に、この技術は研究及び薬品産業におけるポストゲノム時代の中心的方法として益々重要性を増す。しかし、2DEの実行は依然として大部分手作業でなされる。成功は、方法を用いる要員の器用さに非常に依存している。
【0003】
J・クローゼ[1−文献リスト]及びP・オファレル[2]が、1975年、2DEの高い分解能の形態を同時にかつ互いに関係なしに公表した。80年代にLKB社、今日ではファルマシアがこの方法を重要な技術的データにおいて変更した[3−5]。磁界に自由に移動する両性担体(キャリア・アンフォライト、CA)を、ゲル・マトリックスにしっかり固定する両性電解質(固定されたpH勾配、IPG;イモビーライン(R))によって代用した。これに従って、2DEは今日2つのバージョンで用いられる。CA−2DE(クローゼ,オファレル)及びIPG−2DE(ファルマシア)。
【0004】
CA−2DE技術
タンパク質混合物をガラスの毛細管にあるポリアクリルアミドゲルに入れる。タンパク質を等電点電気泳動の原理に基づいて磁界で分離する。自由に移動可能な両性電解質は、電圧下でpH勾配を形成し、タンパク質は等電点に従ってこのpH勾配に適合する。1次元(1D)においてタンパク質を分離した後に、ゲルを毛細管から押し出す。次に、ゲルは細くて長いゲル状の糸として存在する。このようなゲルの糸を取り出し、同様にポリアクリルアミドゲルの入った矩形の、面積の広いガラスカセットに入れる(図1)。タンパク質は、流れの中で、ゲルの糸から出て、細くて平らなゲルの中でSDSゲル電気泳動(SDS−ドデシル硫酸ナトリウム、Sodium Dodecylsulfat)の原理に従って更に分離される。数年前、クローゼ及びコーバルツ[6]はCA−2DEをいわゆる大規模技術に開発した。1Dのゲルの糸は、41cmの長さ(直径0.9mm)であり、2Dのゲルは46cm×30cmの寸法、厚さは0.75mmである(ゲルは2つの半体で形成される)。このゲル技術を用いて、今日では出来る限り高い分解能が達成される(1つのゲルにつき10.000より多いタンパク質)。
【0005】
IPG−2DE技術
この技術では、両性電解質をアクリルアミド(=ゲルマトリクスの物質)に化学的に結合する。2つの溶液、低いpH範囲のための両性電解質を有する溶液と、高いpH範囲のための溶液とを調製する。次に、こうした溶液を用いてグラジエント・ミキサー(Gradientenmischer)によって、出来上がったpH勾配を含むゲルを注ぐ。このようなIPGゲル(IPG―固定されたpH勾配、イモビーライン(R))を毛細管にでなく、平らなゲルに注ぐ。ゲルを乾燥し、ストリップに切断する。これらのストリップを商業的に提供する。利用者はストリップを緩衝液の中でふやかし、サンプルを入れ、次に1Dの段階を実行する。2次元における分離はCA技術の場合と同様になされる。提供されたゲルは比較的小さくて、すなわち、最大限23cm×20cmである。
【0006】
CA技術とIPG技術との間の比較
CA技術:
利点:大きなゲルの故の高い分解能、正確な分離、良好な再現性。
欠点:実行においてかなり手作業であり、従ってコストがかり、使用者の器用さに依存する。
IPG技術:
利点:1Dゲル(ゲルの乾燥したストリップ)を直ぐに使用可能に提供する。このことは方法の著しい簡略化を意味する。ファルマシア及びバイオラッド両社の非常に優れたマーケッティング(マニュアル、販売の催し、ワークショップ)が加わる。従って、方法は市場に支配的である。実際にすべての市場参入者はこの方法を利用する。IPGの特許(スウェーデン特許第14049−1号)の権利期限が切れた後に、製造者が増加している。
欠点:分解及び分離は比較的良くない。何故ならば、比較的小さなゲル(上記参照)しか使用することができないからである。ゲルマトリクスへの両性電解質の結合によって再現性を著しく改善しようとする意図でIPG技術を開発した。しかし、予期される改善は実際に殆ど用いられない(原因:pH勾配へのタンパク質による影響及び他の原因:『商品テスト』に記載されており、「タンパク質化学における微量分析法」というテーマの第7研究会(マックス・プランク研究所によって2000年6月にマルティエンスリートで開催された)において議論されたIPG−2DEも参照せよ)。
注:クローゼが開発した大規模技術は当業者の間で広範囲に知られている[講演、刊行物、例えば7,8]。その技術の高い分解能及び分離精度は一般に認められている。しかし、この方法は実際には複雑であると見做される。
【0007】
CA−2DE技術の実行の際に最も難しくかつ最もコストのかかる段階は、毛細管への1Dのゲルの注入、毛細管からの線に沿ってのゲルの糸の押出し、及び2Dゲルへの長いゲルの糸の転用である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
タンパク質混合物の分離を著しく簡略化するための方法及び装置を開発するという課題が、本発明の基礎になっている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明に基づき次のように解決された。
【0010】
1次元におけるタンパク質の分離をタンパク質透過性の材料、ホース状であってもよい多孔性の毛細管、の中で行なう。次に、多孔性の毛細管をゲルの糸を押し出してそれ自体更に運ぶ必要なしに、平らなゲルを含むガラスカセットに入れる。次に、流れの中でタンパク質は管の壁を通って平らなゲルに入り込む。
【0011】
プラスチック繊維のブレードホース及びセラミックからなる毛細管は、適切な管のタイプであることが明らかになった。
【0012】
ポリエステルのブレードホース[12,14,15,16]の使用の際には、2Dのゲルは試験サンプルに基づきタンパク質の予想されたスポットを示した。この試験結果は、タンパク質がこのようなゲル管へ通常電気泳動されること、及びタンパク質が管の壁部を通って2Dのゲルに入り込むことを、明瞭に裏付けた。
【0013】
セラミックの毛細管又はセラミックの中空繊維[9,10,12]の使用の際に、まず、ゲル溶液を試験サンプルと混合し、管にこの混合物を充填する。重合化の後に及び管を2Dゲルの上に置いた後に、SDSゲル電気泳動を通例の如く行なった。結果は、タンパク質が磁界中で管を通って容易に移動することを示した。試験サンプルは異なった分子量及び等電点を有するタンパク質を含む。管を通過した後に及びSDSゲルにおける分離の後に、タンパク質のバンドは、期待通りに、異なった分子量に応じて、現われた。
【0014】
この試験結果は、該試験結果が一般的な予想に対応しないので、前もってまだ試験されない限りでは、驚異的である。一般の経験は、僅かな妨害物(小さな気泡、汚染)が、タンパク質の、電気泳動上のトラックにおいて、タンパク質の分離を妨げることを示した。従って、多孔性の管が管を通過するタンパク質に対し篩い作用を引き起こし、この篩い作用がタンパク質の分子が正確に集まって個々のタンパク質を形成することを妨げるか損なうことが不可避的に推測された。しかし、この作用は生じなかった。むしろ、望ましいタンパク質スポットが形成された。
【0015】
従って、次にゲルの糸を等電点電気泳動後に、押し出す必要はなく、毛細管全体をタンパク質の更なる分離のために、ガラスカセットに入れることができる。次に、流れの中でタンパク質は管の壁を通って平らなゲルに入り込む。2次元におけるタンパク質の電気泳動後に、ゲルを有しない毛細管を投棄する。直ぐに使用可能なゲルの入った毛細管(ゲル管)を商業的に提供する。かくて、ゲルの注入及び押出しは省略される。1Dのゲルの、2Dのゲルへの移し替えは、利用者にとって簡単な手による操作となる。本発明に基づいて使用された管の材料は、約400kDaまでの大きさのタンパク質に対し透過性がある(図2)。孔の大きさの選択によって、分子量の所定の範囲を良しとして選ぶことができる。このことによって、分解能の追加的な改善を達成することができる。
【0016】
分解能の高い2次元の電気泳動(2−DE又は2DE)によって複合のタンパク質混合物を分離するための本発明に係わる装置は、1D及び2DEの技術の標準要素の他に、多孔性の管、例えば毛管又は毛細管、特にプラスチック繊維のブレードホース、あるいはセラミック毛細管又はセラミック中空繊維の形態の、タンパク質透過性の材料から、更に平らなゲルを含むガラスカセットから、ゲル管から、管の配列及びピペットで移すためのロボットから、管の配列及び緩衝液室、2Dのカセット、緩衝液室中の2Dのカセット、特殊な1Dの室から、完成したゲルとしての2Dゲルから、2Dの室、場合によっては、管中のIPGゲル並びにHTP−2DEの装置(高処理量技術(High−throughput−Technik))からなる。
【0017】
詳しくは、本発明に係わる装置は等電点電気泳動装置(4)にゲル管(3)と、IEFゲル(2)内のタンパク質サンプル(1)とを有する、1D及び2DEの技術(図1及び2)の標準要素からなる。SDSゲル電気泳動手段(5)は、ガラスカセット(7)内に、SDSゲルの上のIEFゲル(6)を含む。このゲルは、多孔性のゲル管(11,12)内のタンパク質サンプル(9)がプラスチックのカバー(10)の取外し後にガラスカセット(7)にもたらされてなる電気泳動後に、タンパク質スポット(8)を供する。多孔性の毛細管(14)は、複数の細管を結合するプラスチックのカバー(13)によって被覆されている(15)(図3,図4の横断面)。2層のプラスチックフィルムによって被覆かつ結合されている毛細管は管の配列(17)を形成する。2層を破って開けた後に、管を取り出すことができる。横方向補強部材(プラットフォーム)は、電気泳動室(Fokussierungskammer)に管の配列を固定するために用いられる。管の配列(17)は、ピペットで移すためのロボット(16)を有する(図5)。管の配列(図6)は締付装置(18)によって電気泳動室に固定されている。管の配列はプラットフォーム(19−俯瞰)を形成する。本発明に係わる2Dのカセット(横断面図で20,側面図で21,図8の緩衝液室で22)はSDSゲル及びIEFゲルを含む(図7)。
【0018】
従って、本発明に係わる装置は1D及び2DEの技術(図1及び2)の標準要素の他に、ゲル管(図3,図4)及び束ねて管の配列(17,図5,図6)に形成されたゲル管、管の配列(17)及びピペットで移すためのロボット(16)、管の配列及び緩衝液室(22,図8)、2Dのカセット(20,21)、緩衝液室(22)内の2Dのカセット、特殊な1Dの室(図6)、完成したゲル(20,21)としての2Dのゲル、2Dの室(図7及び8)並びにHTP―2DEの装置からなる。
【0019】
中空繊維(0.5mmまでの直径)、毛細管(約0.3mmまでの直径)及び管の形の、本発明で用いられるポリマー膜は、種々の製造業者によって商業的に提供される。ドイツのフレゼーニウス・ゲーエムベーハー、ガンブロ・ディアリュザトーレン・ゲーエムベーハ・ウント・コー・カーゲー、アクツォ・ファーザー・アーゲー[14]又はライヒェルト・ヒェミー・テヒニーク[11]、オランダのエクス・フロー・ビー・ヴイ、及び米国のAGT−A/Gテクノロジー・コーポレーション[16]はこうした製造業者である。人工腎臓及び血漿分離器は数百万の平方メートルを有する非常に大きな市場である。これらの要素の主たる構成要素は所定の孔構造を有する毛細管膜である。
【0020】
例1に挙げられたポリスルホン管は、米国の会社AGTから由来する。複数の例に挙げられたブレードホースはエアフルター・フレヒトテヒニーク[15]に由来する。プラスチックの中実繊維からなるブレードホースでは、孔は繊維の構造及び配列によって形成される。
【0021】
膜のためのポリエステル(ポリカーボネート、ポリアルキレンテレフタレート)、ポリスルホン(ポリエーテルスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリアリールスルホン)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)又はポリエーテルケトンといったプラスチックの他に、ブレードホースのためには、天然繊維(例えば絹又は木綿)又は無機繊維(例えばガラス繊維、セラミック繊維及び他の酸化物繊維)並びに非酸化物繊維が適切である。多孔性の中空繊維はリュック等[13]によって記載される[13]。
【0022】
ブレードホースの製造のためには、ポリブチレンテレフタレート又はポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレン)テレフタレートの他に、ポリアルキレンテレフタレート、特にポリエチレンテレフタレートからなる繊維は非常に適切であることが明らかとなった。
【0023】
本発明に係わるゲル管は、0.2乃至0.005μmの、詳しくは、400kDaよりも小さいタンパク質に対し0.2μmの、
200kDaよりも小さいタンパク質に対し0.1μmの、
100kDaよりも小さいタンパク質に対し0.05μmの、
60kDaよりも小さいタンパク質に対し0.03μmの、
20kDaよりも小さいタンパク質に対し0.01μmの、
10kDaよりも小さいタンパク質に対し0.005μmの
孔の寸法を有する。
【0024】
本発明の特徴は、複数の請求項の他に、明細書からも明らかである。個々の特徴は、夫々単独で又は組合せの形の複数で、本明細書によって保護が請求される好都合な実施の形態を表わしている。組合せは知られた要素(1D及び2DE技術、CA−2DE及びIPG−2DE技術と、新たな解決法(中空の、多孔性の、タンパク質透過性の材料における1DEのタンパク質の分離及び2次元での変更なしの材料の使用、完成したゲルとしての2Dのゲル、HTP−2DE技術)とからなる。後者の解決法は互いに影響し合い、その新たな全作用において、利点(相乗効果)及び求めた成功を生じさせる。この成功は、今や手による簡単な操作がタンパク質の高くかつ正確な分解能と結び付いていることにある。
【0025】
新たな大規模技術の、本発明に係わる使用は、複合のタンパク質混合物の分離にある。更に、本発明に係わる使用は、中空のプラスチック繊維又はプラスチックのブレードホース、特にポリエステルのブレードホース又はセラミック毛細管又はセラミック中空繊維の形態の、中空の、多孔性の材料を1Dの電気泳動で次に変更なしに2Dの電気泳動で用いることに関する。
【0026】
約25年前の2Dの電気泳動の開発以来、等電点電気泳動、すなわち、細管における次に幾らか遅れて平らなゲルにおける、特にゲルストリップにおける1次元でのタンパク質の分離が行なわれてきた。ゲル細管は、ガラス又はプラスチック材料から、従って、水密及び気密の材料から製造された。これらの細管を多孔性の材料から製造する理由は全然なかった。何故ならば、多孔性であれば、ゲルはこのような細管の中で即座に乾燥するだろうし、電気泳動の実行中に側方で電極溶液と接触するだろうからである。後者のことは、結果として、pH勾配が形成されず、電気泳動が発生できないことを伴う。従って、多孔性の管での電気泳動を、細管技術の、論理的な明白な変更と見做すことはできない。
【0027】
本発明に係わる大規模技術の開発によって初めて、ここで、全く新たな思想が活動し始める。ゲルが本発明に係わるガラス細管内で40cmよりも長く、1mmよりも薄いので、ゲルは非常に高い分解能を供するが、実際には、取り扱うのが極めて難しい。このような、長くて、薄く、軟らかいゲルの糸は、ほとんど無傷で細管から押し出されず、2次元での分離のためには、多くの器用さ及び経験を用いてのみ、SDSゲルにもたらされることができる。この問題を、本発明に基づき、全く新タイプのゲル細管の開発によって以下のように解決した。
【0028】
ゲルを、長くて薄いゲル細管と同様の寸法を有する細管に注入する。しかし、これらの細管の壁部は多孔性の材料からなる。
ゲル溶液の重合を妨げない材料を見つけねばならなかった。
材料は、タンパク質がスムーズに壁を通って移動することができることを可能にする孔の幅を有しなければならない。通過後に、SDSゲル中のタンパク質は、通常の「裸の」ゲルの場合と同じの、丸くて汚く塗られていない「スポット」を形成しなければならない。このことは決して予期されなかった。何故ならば、これまで、経験は、ゲル中の最小の障害物(僅かな気泡又はゲルの屑)でさえスポットの汚い塗りをもたらすことを示していたからである。
多孔性の細管は、(商業的な製品としての)貯蔵の際にゲルの乾燥及びIEFの実行中に緩衝液との接触を妨げるために、プラスチックフィルムによって密に被覆されていなければならない。
フィルムは上にサンプルの注入のために「細管」を繋げねばならない。
多孔性の細管が次に被覆なしにSDSゲル上に置かれることができ、タンパク質が移動することができるように、フィルムは焦点電気泳動の実行後に容易に取り外されねばならない。
【0029】
細管の新たなタイプは、本発明に係わるコンセプトすなわち長くて薄い毛細管による高い分解能に基づいてのみ大規模技術において自らの意義を得る本発明の、その本質的な特徴である。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明を実施の形態に基づいて詳述する。但し、本発明はこれらの実施の形態に限定されることはない。1次元におけるタンパク質の分離を、タンパク質透過性の材料―多孔性の管、例えば毛管又は毛細管―内で行なった。タンパク質を更に分離するため、この毛管又は毛細管を、平らなゲルが入っているガラスカセットに入れた。次に、流れの中でタンパク質は管の壁を通って平らなゲルに入り込む。タンパク質透過性の材料は、プラスチック管[12,13,14,15,16]、セラミック毛細管[9,10,12]、プラスチックのブレードホース[12,15]から、あるいは、ポリエステル(ポリカーボネート、ポリアルキレンテレフタレート)、ポリスルホン(ポリエーテルスルホン、ポリアリールエーテルスルホン、ポリアリールスルホン)、ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)又はポリエーテルケトンの中空繊維の形のポリマー膜から、天然繊維(例えば絹又は木綿)又は無機繊維(セラミック繊維の他に、―上記参照―ガラス繊維又は他の酸化物繊維)並びに非酸化物繊維からなる。プラスチックの繊維のなかでは、ポリアルキレンテレフタレート、特にポリエチレンテレフタレートが、ポリブチレンテレフタレート又はポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレン)テレフタレートの他に、非常に適切であることが明らかになった。以下の例における試験サンプルとして、知られたタンパク質から自社製造したタンパク質混合物を用いた。この試験サンプルは異なった分子量及び等電点を有する7つのタンパク質を含む。
【0031】
例1:2次元におけるタンパク質の分離。
【0032】
例1:1.:プラスチック管
0.1mmの直径を有する50本のストリングからなる、ポリエステルのブレードホース[12,14,15]に、ゲル溶液を充填し、2Dの電気泳動のために用いた。2Dのゲルは予期された7つのタンパク質スポットを示した。この試験結果は、タンパク質がポリエステルのブレードホース[15]のタイプのゲル管へ通常電気泳動されること、及びタンパク質が管壁部を通って2Dのゲルに入り込むことを、明瞭に裏付けた。
【0033】
例1:1.1:ポリエチレンテレフタレート
例1:1.のように、ポリエチレンテレフタレート[12,15,16]を使用して。
【0034】
例1:1.2:ポリカーボネート
例1:1.のように、ポリカーボネート[13]を使用して。
【0035】
例1:1.3:ポリスルホン
例1:1.のように、ポリスルホン[12]を使用して、しかし1:1.1.及び例1:1.2よりも良くない結果を伴って。
【0036】
例1:2.セラミックの毛細管[9,10,12]
0.2μmの孔の大きさ、0.8mmの直径、0.18mmの壁の厚さを有するセラミックの毛細管(Al203)を、2Dの電気泳動のために準備した。これらの管がタンパク質に対し透過性であるか否かを試験するために、ゲル溶液を試験サンプルと混合した。この混合物を管に充填した。重合化の後に、管を2Dゲルの上に置いた。次に、SDSゲル電気泳動を通例の如く行なった。結果は、タンパク質が磁界中で管を通って容易に移動することを裏付ける。模様は、タンパク質の染色後に、異なった分子量に応じて7つのバンドを示した。
【0037】
例2:ゲル管の改善
孔の選択された幅に従って細胞抽出物から分子量他のクラスを分離することができるために、孔の異なった幅を有するゲル管を製造した。2Dのゲルのゲル濃度をゲル管の孔の幅に従って適合させる。この方法で、組織の抽出物からの、非常に複雑なかつ緊密に圧縮されたタンパク質の模様は、複数の整然たる模様に分別される。
利点
(a)整然たる模様は模様の自動的評価を簡略化する。
(b)模様は質量分析法のためにスポットの自動的な刳り抜きを容易化する。
(c)全抽出物の、従来の技術より高い分解能が可能にされる。
(d)(スポットの重なりが少ない故に)質量分析法のために、スポットの、従来の技術より高い清澄度が達成される。
【0038】
例3:ゲルの乾燥
管中でのゲルの乾燥は空気乾燥によりなされる。このことは、ここで考案されたゲル管の場合に、可能である。何故ならば、ゲル管は多孔性だからである。乾燥は、ゲル管でのゲルの貯蔵及び販売にとって、大きな利点である。使用前に、ゲルをゲル溶液中で再度ふやかす。
【0039】
例4:管の配列
ゲル管をプラスチックに接合し、その際、好ましくは10個づつのセットで束ねる(管の配列 図3及び4)。
プラスチックのケースは以下の課題を果たさねばならない。
(a)(特に管状ホースの場合の)管の安定化
(b)ゲルの乾燥に対する保護
(c)プラスチックのケースは、同時に、個々の細管に対して、サンプルを入れるための取付口を供する。
(d)プラスチックのケースは、ゲル管の中間領域に又は上端に、管の全配列を1Dの室に挟み込むために用いるプラットフォームを形成する(図5)。
(e)プラスチックのケースは、ゲル管を取り出すために1Dの線に従って破り離される2つの部分からなる(プラスチックのケースを投棄する)。
【0040】
例5:特殊な1Dの室
特殊な1Dの室は、簡単な手による操作で管の配列をこの室に挟み込むように、デザインされている(図5)。挟み込みは、1Dの室中の緩衝液に対する完全な密閉を保証する。何故ならば、ゲル管は1Dの室の底部を通り抜けねばならないからである。
【0041】
例6:ピペットで移すためのロボット(Pipetierroboter)
発明の目的のために独自に設計された、ピペットで移すためのロボットは、毛細管に液体を充填することができる(図4)。
このロボットは以下の機能を果たす。
(a)約1mmの直径及び約3.5mmの深さを有する毛細管に、僅かなに粘調な溶液を、気泡のないように充填すること
(b)μlの範囲で溶液を正確に分けること
(c)異なった密度を有する3つの液体を重層すること
(d)10の管を順々に充填すること
(e)サンプルの移動による汚染を避けるために、種々のサンプルの挿入の際に、ピペットで移すためのヘッドを交換すること。サンプルの挿入は、管の配列が入れてあるとき、なされる。
【0042】
例7:完成したゲルとしての2Dのゲル
2Dのゲルを、同様に、完成したゲルとして購買者又は消費者に提供する。これらのゲルを、直ぐ使用できるように、プラスチックカセットに入れて供給する(図6)。プラスチックカセットは以下の特性を有する。
(a)プラスチックカセットは透明である。
(b)プラスチックカセットは、該ケースを2Dの室に容易に挟み込むことができるために用いるプラットフォームで、終わっている(上記例4(d)を参照)。
(c)カセットは線に沿って破り開けられることができて、ゲルを外に出す(用いられたカセットを投棄する。プレートの、特にコストのかかる洗浄が省略される)。
(d)カセットは、下に、端部の手前0.5mmで、線の終りが分かるように付けてある簡単なマークを有する。
【0043】
例8:2Dの室
2Dの室は、選択で10までのゲルカセットをこの室に吊るすことができるように、デザインされている(図7)。密閉はカセットのプラットフォームによってなされる(上記例7(b)を参照)。
【0044】
例9:管の中のIPGゲル
例2及び4に類似して、管の中のIPGゲルを形成する。
【0045】
例10:HTP−2DEの装置
HTP−2DEの装置(高処理量技術)の最後の仕上げ段階では、僅かに以下の手作業が残っている。管の配列を1Dの室に挟み込むこと、2Dのゲルを2Dの室に挟み込むこと、管のゲルを2Dのゲルへ載せること、1D及び2Dの室のために緩衝液を挿入すること。リザーバに緩衝液を充填しさえすればよいように、室に充填し、室を空にし、及び洗浄することを自動化する。
[略語リスト]
[1]乃至[16]…文献1、文献16、AGT…A/Gテクノロジー・コーポレーション、米国、1D…1次元、1Dゲル…1次元のゲル、2D…2次元、2DE/2−DE…2次元の電気泳動、CA…両性担体、CA−2DE…CA−2次元の電気泳動、HTP−2DE…高処理量技術、IEFゲル…等電点電気泳動ゲル、IPG…固定されたpH勾配、イモビーライン(R)、IPG−2DE…IPG−2次元の電気泳動、kDa…キロダルトン、PAGE…ポリアクリルアミドゲル電気泳動、PVDF…ポリフッ化ビニリデン、SDS…ドデシル硫酸ナトリウム(Sodium Dodecylsulfat)。
[文献リスト]
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[2]…P・H・オファレル(1975)J.Biol.Chem.250,4007−4021、
[3]…V・ガスパリック、B・ビイェルクウィスト、A・ローゼングレーン(1975)スウェーデン特許第14049−1号、
[4]…B・ビイェルクウィスト、K・エック(1982)LKB Application Note 321、
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[7]…J・クローゼ(1999)Methods in Molecular Biology 112:147−172、
[8]…J・クローゼ(1999)Methods in Molecular Biology 112:67−86、
[9]…S・トゥデュカ、K・プランツ、N・シュトロー、H・ブルンナー、F・アルディンガー(1998):液体濾過のためのセラミック膜の製造及び性質、セラミック雑誌50(10):818−826、
[10]…N・シュトロー、D・シュポルン:セラミックの中空繊維 分離技術における新たなジオメトリー、DECHEMA(ドイツ化学装置協会)年次会議 膜技術1999、1999年4月27日至29日 ウィースバーデン、
[11]…目録 ライヒェルト・ヒェミーテヒニーク2000、ライヒェルト・ヒェミーテヒニーク、
[12]…フラウンホーファー・インスティトゥート 界面技術及びバイオプロセス技術 ノベル・シュトラーセ12 D−70569シュトゥトガルト Tel.:+49[0]711 970 4120、Fax.:+49[0]711 970 4200、
[13]…H・B・リュック等、Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B50,1990,395−400、
[14]…アクツォ・フーザー アーゲー、エーダー・シュトラーセ28 D−42289ウッパータール、フレゼーニウス・ゲーエムベーハー フランクフルター・シュトラーセ6−8 D−66606ザンクト・ウェンデル、ガンブロ・ディアリュザトーレン・ゲーエムベーハ・ウント・コー・カーゲー ホルガー・クラフォード・シュトラーセ26 D−72373ヘヒンゲン、
[15]…エアフルター・フレヒトテヒニーク・ゲーエムベーハー シュタウフェンベルクアレー13 D−99086エアフルト、
[16]…エクス・フロー・ビー・ヴイ、ベドエイフェン・トゥウェンテ289、 NL7602KKアルメロ オランダ、AGT−A/Gテクノロジー・コーポレーション 101ハンプトン・アヴェニュー ニーダム MA02194−2628 米国。
【図面の簡単な説明】
【図1】標準の2Dの電気泳動を示している。
【図2】1Dのゲル技術の改善を示している。
【図3】ゲル管の縦方向図を示している。
【図4】ゲル管の横断面図を示している。
【図5】管の配列及びピペットで移すためのロボットを示している。
【図6】管の配列及び1Dの緩衝液室(部分図)を示している。
【図7】2Dのカセットを示している。
【図8】緩衝液室の中の2Dのカセットを示している。
Claims (21)
- 2次元の電気泳動(2Dの電気泳動、2DE)によって複合のタンパク質混合物を分離する方法において、
1次元におけるタンパク質の分離を中空の、多孔性のタンパク質透過性の材料において行ない、2次元では、前記多孔性の材料を、変更なしに、平らなゲルを含むガラスカセットに入れ、タンパク質は電気泳動中に前記多孔性の材料の壁部を通って前記ゲルへ移動することを特徴とする方法。 - 直ぐに使用可能なゲルが充填されておりかつゲル管として存する中空の、多孔性のタンパク質透過性の材料として、2.1.プラスチック管又はプラスチックホース、2.2セラミック管を用いることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- プラスチックとして、3.1.1ポリアルキレンテレフタレート、3.1.2.ポリカーボネートの形の3.1.ポリエステルあるいは3.2.ポリスルホンあるいは3.3ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン又はポリエーテルケトンを用い、中空の、多孔性のタンパク質透過性の材料として、ポリエチレンテレフタレートからなるポリエステルのブレードホースを用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
- 前記ゲル管は、400乃至10より下のkDaよりも小さいタンパク質に対して0.2乃至0.005μmの孔の大きさを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1に記載の方法。
- 前記管の中の前記ゲルを乾燥し、この形態で消費者に提供し、使用前にゲル溶液中で再度ふやかすことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1に記載の方法。
- 前記ゲル管をプラスチックに接合し、束ねて管の配列に形成し、プラスチックのケースは、管の全配列を1Dの室に挟み込むために用いるプラットフォームを形成し、前記プラスチックのケースは前記ゲル管を取り出すために1Dの線に従って分離される2つの部分からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の方法。
- 前記管の配列を締付装置(図6)によって特殊な1Dの室に挟み込むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1に記載の方法。
- ピペットで移すためのロボットによって毛細管に液体を充填することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1に記載の方法。
- 前記2Dのゲルを直ぐに使用できるようにプラスチックのカセットに入れて供給される完成したゲルとして用いることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1に記載の方法。
- 前記ゲルを管に入ったIPGゲルとして用いることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1に記載の方法。
- 高処理量技術(HTP−2DE)を用いて、前記管の配列を前記1Dの室に挟み込み、前記2Dのゲルを前記2Dの室に挟み込み、前記管ゲルを前記2Dのゲルの上に置き、前記1D及び2Dの室のための緩衝液を注入することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1に記載の方法。
- 1D及び2DEの技術の標準要素の他に、1Dの段階用の、中空の、多孔性のタンパク質透過性の材料と、2Dの段階用の、1Dの段階後に変更なしに更に使用される中空の、多孔性のタンパク質透過性の材料を収容するための、平らなゲルの入ったガラスカセットとにより構成される2Dの電気泳動(2DE)によって複合のタンパク質混合物を分離する装置。
- 前記中空の、多孔性のタンパク質透過性の材料は、多孔性の管、毛管又は毛細管により構成されることを特徴とする請求項12に記載の装置。
- 前記多孔性の材料は、直ぐに使用可能なゲルが充填されておりかつゲル管として存する14.1.プラスチック管又はプラスチックホースあるいは14.2.セラミック管により構成されることを特徴とする請求項12又は13に記載の装置。
- 前記多孔性のプラスチック材料は、15.1.1.ポリアルキレンテレフタレート、15.1.2.ポリカーボネートの形の15.1.ポリエステルあるいは15.2.ポリスルホンあるいは15.3ポリアミド、ポリウレタン、ポリアクリロニトリル、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン又はポリエーテルケトンにより構成され、前記中空の、多孔性のタンパク質透過性の材料はポリエチレンテレフタレートの形のポリエステルのブレードホースにより構成されることを特徴とする請求項12乃至14のいずれか1に記載の装置。
- 前記ゲル管は400乃至10より下のkDaよりも小さいタンパク質に対して0.2乃至0.005μmの孔の大きさを有することを特徴とする請求項12乃至15のいずれか1に記載の装置。
- 更に、ゲル管(図3、図4)及び束ねて管の配列(17,図5,図6)に形成されたゲル管、管の配列及びピペットで移すためのロボット(16)、管の配列及び緩衝液室(22,図8)、2Dのカセット(20,21)、前記緩衝液室中の2Dのカセット、特殊な1Dの室(図6)、完成したゲルとしての2Dのゲル(20,21)、2Dの室(図8)並びにHTP―2DEの装置により構成される請求項12乃至16のいずれか1に記載の装置。
- 更に管の中のIPGゲルにより構成される請求項12乃至17のいずれか1に記載の装置。
- 複合のタンパク質混合物を分離するための請求項1乃至18のいずれか1に記載の方法及び装置の使用。
- 大規模技術での請求項19に記載の使用。
- 中空のプラスチック繊維、プラスチックのブレードホースあるいはセラミック毛細管又はセラミック中空繊維の形態の、前記中空の、多孔性の材料を、1Dの電気泳動で次に変更なしに2Dの電気泳動で用いることを特徴とする請求項19又は20に記載の使用。
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