JP2004510857A - アクリル樹脂の揮発分除去方法、粉末コーティング組成物および粉末コーティング組成物を形成することができる組成物の調製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(A.発明の属する技術分野)
本発明は、少なくとも1個のアミノエーテル基を有するヒンダード(hindered)アミン光安定剤の存在下でのアクリル樹脂の揮発分を除去する(devolatilizing)方法に関する。本発明はまた、アクリル樹脂の揮発分除去工程(ステップ)を含む粉末コーティング組成物の調製方法、および粉末コーティング組成物を形成することができる組成物に関する。
【0002】
(B.関連技術の説明)
典型的なアクリル樹脂の一調製法では、共重合可能な化合物は、通常はモノマーは、キシレンなどの適当な溶媒中で開始剤とともに混合し反応させて、アクリルポリマーを形成する。次いで、溶媒および残留モノマーは、揮発分除去(devolatilization)と称する技術によって、高温減圧下でアクリル樹脂から分離され、それによってアクリル樹脂を得る。
【0003】
アクリル樹脂は多くの効用を有するが、1つの有益な効用がコーティング、特に粉末コーティングの分野におけるものであり、アクリル樹脂は、他のコーティング成分およびコーティング特性を向上させる光安定剤などの添加物と溶融ブレンドされる。ブレンド物は冷却され、次いで自動車の部品やボディなどの様々な表面に適用され得る粉末に形成される。
【0004】
揮発分除去の手順で遭遇する問題の1つは、アクリル樹脂から溶媒と残留モノマーとを分離させる条件が、アクリルポリマー鎖の分解を引き起こし、それによってモノマーや低分子量のオリゴマーを生成することである。この現象は、順次、所望の樹脂の収率低下や樹脂特性のバッチ間の変動をもたらす。さらに、モノマーおよびオリゴマーの存在が可塑化の作用剤として機能して、樹脂の処理特性に影響を及ぼすことがあり、また得られるコーティング中に微小孔や黄変などの不完全性を招くことがある。
【0005】
粉末コーティングにおいて調製され使用されるアクリル樹脂に関する技術の例としては、エポキシ機能的(epoxy−functional)アクリルコポリマーとカルボン酸からなる粉末コーティングの調製を記載する米国特許第5,663,240号がある。この特許に記述されているように、例示的なエポキシ機能的アクリルコポリマー(ポリマー例A)をキシレン溶媒中で調製し、バッチ温度を180℃(華氏356度)まで上げて、真空蒸留で4時間以上かけて揮発分の除去を行う。粉末コーティング組成物を形成するために、このコポリマーを、ヘンシェル羽根ブレンダ中で流動制御助剤、脱気剤および紫外線安定剤を含む他の成分とブレンドし、高温で押出し、触媒を添加し次いでその混合物をさらにブレンドし、再度押出してハンマーミルにかけ分級する。
【0006】
光安定剤を含む種々の添加剤をブレンドした他の粉末コーティング組成物が、米国特許第5,212,245号、同第5,523,349号および同第5,648,117号(同第5,523,349号特許の分割出願)に記載されている。安定剤をはじめとする種々の添加剤も含む低光沢コーティング組成物が、他の様々な粉末コーティング文献の背景の考察も含めて、米国特許第5,744,522号に示されている。粉末塗料組成物に関する他の特許は米国特許第6,008,301号であり、これは、その特許の背景の節に粉末コーティング技術に関する文献の考察を含んでいる。
【0007】
自動車のボディや部品などの物品をコーティングする場合には、多くはクリアコート(clear coat)と称される最上層を有する多重コーティング膜を用いる。最上層にはポリマー組成物も使用され、そうした組成物には光安定剤を含む様々な添加剤を含むことができる。トップコート層用のポリマー組成物を開示する例示的な特許には、米国特許第5,547,757号、同第5,609,960号および同第5,891,958号がある。
【0008】
(発明の概要)
一態様では、本発明はアクリル樹脂から溶媒および低分子量物質を分離する方法を提供する。この方法は、少なくとも1個のアミノエーテル基を有するヒンダードアミン光安定剤を、有機溶媒と、アクリル樹脂と、低分子量物質とからなる混合物に添加する工程と、得られた混合物を十分な時間高温にさらして揮発分除去によりアクリル樹脂から有機溶媒および低分子量物質を除去す工程を含む。
【0009】
他の態様では、本発明は粉末コーティング組成物を形成する方法を提供する。その方法は、有機溶媒と、低分子量物質とアクリル樹脂とからなる混合物に、少なくとも1個のアミノエーテル基を有するヒンダードアミン光安定剤を添加する工程と、得られた混合物を十分な時間高温にさらして揮発分除去によりアクリル樹脂から有機溶媒および低分子量物質を除去する工程と、表面をコーティングするのに適した組成物を形成するためにアクリル樹脂を成分とブレンドする工程と、その組成物を粉末コーティング組成物に形成する工程とを含む。
【0010】
さらに他の態様では、本発明は、本質的にアクリル樹脂と、少なくとも1個のアミノエーテル基またはその残渣を有するヒンダードアミン光安定剤と、分子量が600未満で4重量%未満の低分子量物質とからなる粉末コーティング組成物を形成することができる組成物を提供する。
【0011】
(発明の詳細な説明)
上述したように、本発明の一態様は、揮発分除去(devolatilization)を用いて、アクリル樹脂から溶媒および低分子量物質を分離する方法に関する。本発明において使用するアクリル樹脂は、式CH2=CR1C(O)OR2で表される1種または複数のアクリルモノマーから調製される。式中、R1は、H、および1〜4個の炭素原子を含むアルキル基からなる群から選択され、R2はH、1〜24個の炭素原子を含むアルキル基、1〜4個の炭素原子を含むヒドロキシ置換アルキル基および式R3CR4(O)CH2(式中、R3は、1〜20個の炭素原子を含む分枝もしくは非分枝アルキル基を示し、R4はHまたはCH3を示す)を有するオキシラン含有モノマーからなる群から選択される。モノマーの混合物を使用することができ、その場合に異なるR基が存在してもよい。例示的なモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸β−メチルグリシジル、メタクリル酸β−メチルグリシジル、アクリル酸1,2−エポキシブチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ヒドロキシポリカプロラクトン(Union Carbideから市販されている)およびそれらの混合物が挙げられる。好ましいモノマーには、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−ブチルおよびメタクリル酸グリシジルが含まれる。
【0012】
アクリル樹脂は、アクリルモノマーと共重合可能なエチレン不飽和化合物からも形成することができる。N−ビニルピロリドン、酢酸ビニル、ネオデカン酸ビニルなどの種々のビニル化合物を、当技術分野の技術者に知られているような形で使用することができる。ビニル化合物の1つの好ましい種類は、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−アセトキシスチレンなどのスチレン化合物であり、好ましいスチレン化合物はスチレンである。存在させる場合ビニル化合物は、一般に、アクリル樹脂の調製に使用するモノマーの全量に対して約1〜約50重量%、好ましくは約5〜約35重量%の量を加える。アクリル樹脂の調製に有用であると知られている他のモノマーが、上記で考察した米国特許に示されている。その内容を参照により組み込む。
【0013】
アクリル樹脂の調製方法は、当技術分野でよく知られている技術による。一般に溶媒を、反応混合物上部の雰囲気および反応混合物温度を制御でき、かつ反応混合物を攪拌できるように選択した密閉反応器に供給する。溶媒は、モノマーがその溶媒中に溶解可能であって、反応条件下でモノマーと反応しないまたは分解しない溶媒を選択する。一般に、使用される有機溶媒は、例えばキシレン、トルエンおよび同族の他の芳香族溶媒、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸2−メトキシエチル、酢酸2−エトキシエチルなどの酢酸アルキルおよび酢酸アルコキシ溶媒、ならびにそれらの混合物である。好ましい溶媒は、コストや、揮発分除去による生成アクリル樹脂からの分離の容易さなどの要素を考慮するとキシレンである。溶媒の量は重要ではないが、通常は、効果的な反応媒体を提供するように、しかし揮発分除去によりアクリル樹脂から溶媒を分離するのに必要な実質的なエネルギーや時間がそれほど大きくならないように選択する。一般に溶媒の量は、モノマーの全重量が全反応混合物の約30〜約90重量%、より好ましくは全反応混合物の約50〜約70重量%となるように選択する。
【0014】
溶媒を攪拌しながら、窒素によるフラッシンングの繰り返しなどにより空気を反応器や溶媒から除去する。次いで溶媒を反応温度まで加熱し、続いてアクリル樹脂を形成するために使用する反応混合物(一般にはモノマー)を約1〜10時間かけて反応器中に導入する。使用する開始剤に応じて、温度は約100℃から約160℃を採用する。使用する開始剤は通常当技術分野でよく知られているものである。一般的な開始剤には、過オクタン酸t−ブチル、過酸化ベンゾイル、過酸化ジ−t−ブチルなどの過酸化物、またはアゾビスイソブチロニトリルなどのジアゾ化合物が含まれる。開始剤は、予備混合したモノマーに加えてもよくあるいは反応器に別に加えてもよい。開始剤の量は所望の分子量に基づいて選択する。一般に、開始剤をより多量に加えるとより多くのポリマー鎖、したがって、より低い分子量のものを生成する。一般に開始剤の量は、モノマーの約0.3〜約10重量%、好ましくは約1〜約7重量%である。
【0015】
反応は一般に、約100〜約160℃で約3〜約7時間行い、約3,000〜約20,000、好ましくは約3,000〜約12,000の重量平均分子量を有するアクリル樹脂を形成する。転化率を向上させるために、重合ステップの最後に追加量の開始剤(一般にモノマー重量ベースで1%未満程度)を加えることができる。このように続けて開始剤を加えても、低分子量物質を構成するモノマーからなるオリゴマーとともに少量の未重合モノマーが残留する。
【0016】
次いでアクリルポリマーを、低分子量物質、特に残留モノマーを除去する働きもする揮発分除去によって溶媒から分離する。揮発分除去の条件は重要ではないが、通常、溶媒からアクリル樹脂を効率的に分離できるように選択する。揮発分除去の一般的な条件は約100〜約180℃、好ましくは約165〜約170℃の温度で約4〜約5時間、約1〜約20mmHgの減圧である。より低い約1〜約10mmHgの圧力の場合、温度はより低くすることができ、約150〜約160℃が特に効果的である。一般的な揮発分除去の手順では、常圧でポリマー反応混合物を沸点まで加熱し溶媒の大部分を留去することになる。良好な蒸留速度を維持するために、ある時点で真空をかける。最大真空度(一般に5〜15mmHg)が得られたら、樹脂を約150〜約175℃で約1〜約2時間保持する。揮発分除去手順によって、アクリル樹脂は約1重量%未満、好ましくは約0.5重量%未満の残留モノマーを含有する。
【0017】
揮発分除去手順が提起する重要な課題の1つは、用いられる条件が、そこで解重合が起き始めるアクリル樹脂の天井温度またはその付近であるということである。解重合は主に、ポリマー鎖の末端で起こるので、遊離モノマーまたはそのオリゴマー化物は、有機溶媒およびアクリル樹脂と混合された低分子量物質を提供することになる。個々の樹脂および、溶融ポリマーに加えられるせん断応力によっては、アクリル樹脂の天井温度が150℃程度に低くなることがある。したがって、揮発分除去の手順が行われていてアクリル樹脂から溶媒および残留モノマーが除去されている間に、揮発分除去の条件が、実際に、揮発分除去の目的を損ない、しかも樹脂の諸特性に悪影響を与える可能性のあるモノマー(これはオリゴマーを形成できる)をさらに生成する。モノマーおよびそのオリゴマー化物は、樹脂のためには効果的な可塑剤であり、粉末製造プロセスにおける樹脂の加工性や粉末コーティング自体の物理的安定性をもたらすことができる。また、モノマーおよびオリゴマーは粉末コーティングの他の成分と互いに作用して、黄変を引き起こし、または低官能性もしくは無官能性による硬化したコーティング特性に影響をもたらすことがある。さらに、オリゴマーは、一般的なモノマーより著しく揮発性が低いので、生成したあとは除去するのが困難である。したがって、そのオリゴマーの生成を防止することが非常に有利である。オリゴマーの解重合はまた、樹脂のバッチ毎に特性のバラツキをもたらすことがある。これは、他のモノマーより揮発性が低く、したがって揮発分除去手順では容易に除去できない、メタクリル酸グリシジルなどのグリシジルモノマーの場合特に問題となる。
【0018】
揮発分除去の手順が完了した後で、樹脂を粉砕した形状(一般に平均粒子径が約0.1〜10mm)に調製するなど追加の処理を行う間、樹脂を溶融状態に維持しておくことがしばしば必要となる。この間にさらに解重合が起こることがある。
【0019】
アクリル樹脂からコーティング組成物を調製するためには、よく知られているどのような技術も使用できる。例えば、粉砕した樹脂を、硬化剤、ヒンダードアミン系安定剤、紫外線吸収剤、ベンゾイン(脱気用)、流動制御助剤、硬化触媒などともにプレミキサに仕込むことができる。コーティング組成物に応じて、アクリル樹脂は一般に、組成物の約60〜約80重量%を構成する。できる限り均一な混合物を得るために、混合は高いせん断をかけて行う。混合物を押出機に送り、そこで混合物を溶融し、混合し押出す。一般に押出機内の条件は、追加的な(additional)解重合が起きないように天井温度より低く(例えば約100〜130℃)する。
【0020】
押出された材料を冷却ロール上に放出し、粉末コーティング材料が約5〜約125μmの範囲の粒子径でかつ約35〜約70μmの範囲の平均粒子径を有するように、固化した組成物を粉砕および分級にかける。次いで粉末コーティング組成物を、よく知られた技術により、様々な表面に適用され溶融し硬化させて、堅牢で耐候性のコーティングを形成することができる。残留モノマー含有量の多いアクリル樹脂を使用した場合に出会う問題の1つは、可塑剤化の影響により、押出されたコーティング組成物の冷却ロールへの付着が起こることである。これは工程の効率に悪影響を及ぼし粉末コーティング組成物の収率を低下させることがある。さらに、高い含有量の残留モノマーの存在が、組成物の色に悪影響を及ぼす。粉末コーティング組成物が、水性の下塗り層(waterbone basecoat)上に適用されクリアーコートを形成するように設計されている場合は特にそうである。
【0021】
解重合現象をより具体的に言及すると、アクリル樹脂の生成の際に、末端ラジカル部位に隣接する主鎖中のC−C結合エネルギーが、15〜40kcal/モル低下することが判明した。したがって、アクリル樹脂末端のラジカル部位が、揮発分除去手順の間に、モノマーの生成をともなう逐次的な解重合を招くことになる。アクリルコポリマーのこの解重合のメカニズムは、下記の機構で示される。ここで、R1およびR2は、同じかまたは異なっている。
【0022】
【化4】
【0023】
たいていの粉末コーティング用のアクリル樹脂は、フリーラジカル溶液重合法によって製造されるので、揮発分除去手順の間に、上記の解重合メカニズムによって、高温、真空および機械的せん断力が相まって樹脂生成物を劣化させる。溶媒(およびモノマー)を除去するために真空条件、高温および高せん断攪拌を用いるため、実際に解重合速度が増大する。
【0024】
本発明は、解重合によって遭遇される当技術分野での重要な課題に対処するもので、一態様では、少なくとも1個のアミノエーテル基を有するヒンダードアミン光安定剤を、有機溶媒とアクリル樹脂の混合物に添加する工程と、得られた混合物を十分な時間高温にさらして揮発分除去によりアクリル樹脂から有機溶媒および低分子量物質を除去する工程とを含む、アクリル樹脂から溶媒および低分子量物質を分離する方法を提供する。
【0025】
本発明で用いる、少なくとも1個のアミノエーテル基ヒンダードアミン光安定剤は、当技術分野において知られているか、または容易に調製可能である。ヒンダードアミン光安定剤自体は当技術分野で非常によく知られており、一般に「HALS」と称し、Ciba Specialty Chemicals,Inc.、Clariant Corporation、Cytec IncおよびFerro Corporationなどの多くの会社から市販されている。これに関連して、本発明の文脈においてこれらの化合物は「光安定剤」としては機能していないが、当技術分野の技術者がここで使用する化合物の種類を理解できるように、この用語を本明細書で使用していることを理解されたい。たいていのHALSは、アミノエーテル基を含有していないことも理解されたい。そうしたアミノエーテル基をもたないHALSが、粉末コーティング組成物を含む種々の組成物を安定化するのに有効であることは知られているが、揮発分除去の手順で使用した場合、本発明の化合物に比べて良好でない結果をもたらすことが判明した。本発明で使用できる2個のアミノエーテル基を有するヒンダードアミン光安定剤の1つは、Ciba Specialty Chemicals、Inc.から市販されているTINUVIN(登録商標)123である。これは下記の化学構造をもつと報告されている。
【0026】
【化5】
【0027】
本発明で使用できる、2個のアミノエーテル基を有するヒンダードアミン光安定剤の他のものは、Ciba Specialty Chemicals、IncからCGL−052の名称で市販されている物質である。これは下記の化学構造をもつと報告されている。ここでフリーの線はメチル基を示す。
【0028】
【化6】
【0029】
アミノエーテル基を有する他のヒンダードアミン光安定剤は、アミノエーテル基はもたないが過酸など(例えば3−クロロペルオキシ安息香酸、ペルオキシ安息香酸およびそれらの混合物)の活性化合物との反応に利用できるアミン基を有するヒンダードアミン光安定剤から調製できる。過酸とヒンダードアミンとの反応は、当技術分野の技術者に一般に理解される方法で、ホットプレート上で100℃で、ヒンダードアミンを1重量%の過酸と混合することによって行うことができる。冷却後、混合物を粉砕し粉末にする。この手順の一例としては、TINUVIN(登録商標)770を1重量%の3−クロロペルオキシ安息香酸と反応させ、アミノエーテル基をもつヒンダードアミン光安定剤を生成する反応がある。TINUVIN(登録商標)770は下記の化学構造を有する。
【0030】
【化7】
【0031】
少なくとも1個のアミノエーテル基を有するヒンダードアミン光安定剤は一般に、最も効果的にするために、重合手順の終了時、かつ揮発分除去の手順の前に添加する。添加量は一般に、揮発分除去の手順で回収すべき全固形物量に対して約500〜約10,000ppm、好ましくは約1,000〜約2,000ppmの範囲である。少なくとも1個のアミノエーテル基を有するヒンダードアミン光安定剤の混合物が使用できることは明らかであろう。ヒンダードアミン光安定剤はコーティング組成物を調製する際にしばしば添加されるので、少なくとも1個のアミノエーテル基を有するヒンダードアミン光安定剤を、揮発分除去の手順が完了した時点で除去する必要はない。したがって、揮発分除去の手順による樹脂は、粉末コーティング組成物に形成することができる組成物であって、アクリル樹脂と、少なくとも1個のアミノエーテル基もしくはその残基を有するヒンダードアミン光安定剤と、4重量%未満、好ましくは3重量%未満、最も好ましくは2.5重量%未満の、ゲル透過クロマトグラフィーで測定して600未満の分子量をもつ低分子量物質とから本質的になる組成物を提供する。低分子量物質の存在がこのように少量であることは、約3,000〜約12,000の重量平均分子量をもつアクリル樹脂では特に有利である。本明細書では、「から本質的になる」(consist essentially of)という用語を、組成物が粉末コーティング組成物に必要な全ての成分を含むわけではないことを示すために使用する。
【0032】
少なくとも1個のアミノエーテル基を有するヒンダードアミン光安定剤が存在すると、揮発分除去手順の際のポリマー鎖の解重合を防止しまたは著しく低減させるように働く。通常のヒンダードアミン光安定剤は、デニソフ(Denisov)サイクルの一環として、光または酸素によって活性化されないと安定化の機能をもたらすことができないと考えられている。しかし、デニソフサイクルでは、解重合によって生成した遊離ラジカルと反応した場合、過酸化ジアルキルももたらし、それが反応を成長させる追加のラジカルを生成することができる。対照的に、少なくとも1個のアミノエーテル基を有するヒンダードアミン光安定剤は、更にラジカルを成長させないアルコールやカルボニル基含有化合物を生成する。さらに、少なくとも1個のアミノエーテル基を有するヒンダードアミン光安定剤は塩基度が低いので、黄変の傾向を低減させることができる。このようにして、本発明は、収率、同一バッチ内での生成物の均質性、バッチ間の変動および遊離残留モノマー含有量の大幅な改善を達成することができ、これにより粉末の物理的安定性や得られたコーティングの黄変の低減など、粉末コーティング諸特性の改善をもたらすことができる。他の利点として、少なくとも1個のアミノエーテル基を有するヒンダードアミン光安定剤は、重合プロセスにおいてより高沸点の溶媒の使用を可能にすることによって、プロセスの柔軟性をもたらすことができる。そうしたより高沸点の溶媒は、より高い揮発分除去温度(または工業的プロセスでは実用的でない、より高真空)を必要とすることになる。したがって、本発明によれば、揮発分除去温度を約100〜約200℃、好ましくは約145〜約200℃にすることができる。
【0033】
本発明の種々の態様を以下の実施例で示す。本発明は、添付した特許請求の範囲によって定義されるものであって、これらの実施例の具体的な詳細によるものではないことを理解されたい。
【0034】
対照例1および実施例1
アクリル樹脂の調製における本発明の効果を示すために、攪拌機および窒素フラッシング装置を備えた2ガロン(7.6リットル)のステンレス鋼製の反応器に最初にキシレン1830gを仕込む。攪拌し反応器を窒素でフラッシングしながらキシレンを約139℃に加熱する。スチレン240g、メタクリル酸メチル1170g、アクリル酸イソブチル120g、メタクリル酸イソブチル30g、メタクリル酸グリシジル1380gおよび過オクタン酸tert−ブチル(開始剤として)216gを含む混合物を約5時間かけて反応器に添加する。次いで、さらにキシレン100gを用いて、混合物を添加したラインを洗浄する。次いで反応器温度を約130℃まで下げ、スチレン60gを10分間かけて添加し、スチレン添加が完了して10分後にキシレン60gと過オクタン酸tert−ブチル15gの混合物を2時間かけて添加し、次にキシレン10gで洗浄し、そのあと温度は100℃に下げる。反応器の内容物は始めから攪拌し続けておく。
【0035】
次いで反応混合物を160℃、1mmHgで1時間行う揮発分除去の手順にかける。対照例では、この手順を、少なくともアミノエーテル基を有するヒンダードアミン光安定剤の存在なしで行う。実施例1では、0.5重量%のTinuvin(登録商標)123(固形樹脂量ベース)を揮発分除去手順の前に加える。樹脂をICIコーンプレート粘度計(Cone & Plate Viscometer)の熱いステージ上に3時間置き、粘度測定を0.5時間毎(ポアズで)に行う。表1に結果を示す。実施例1が安定した物質を提供しているのに対して、対照例1は、溶融粘度が大幅に低下していることが示すように安定した物質を提供していない。
【0036】
【表1】
【0037】
対照例2と実施例2および3
2ガロンのパール(Parr)反応器にキシレン1830gを仕込み、200rpmで攪拌する。反応器を乾燥窒素で60psigに圧入し圧抜きする操作を連続的に4回行い、空気を除去する。混合物を139℃に加熱し、次いでスチレン150g、メタクリル酸メチル1350g、アクリル酸n−ブチル300g、グリシジルアクリル酸メチル1,200gおよび過オクタン酸tert−ブチル207gの混合物を139℃で反応器に5時間かけてポンプ供給する。供給ポンプとラインをキシレン100gで洗浄し、アクリル樹脂溶液を15分間で130℃まで冷却する。キシレン60gと過オクタン酸tert−ブチル15gの混合物を2時間かけて添加する。そのとき温度は130から100℃へ低下した。供給ポンプとラインをキシレン10gで洗浄し、アクリル樹脂溶液を100℃でさらに30分間保持する。
【0038】
アクリル樹脂溶液をパール反応器から放出し、揮発分除去(ストリッピング)の手順のために2分割する。
【0039】
対照例2:蒸留装置を装備した5リットルフラスコ中にアクリル樹脂溶液1730gを加え、キシレンの大部分を1気圧で留去させる。次いで、温度を160℃にしながら真空をかける。溶融した物質を160±1℃、2mmHgで60分間攪拌し、次いでアルミニウム皿に注ぎ脆い樹脂を得る。
【0040】
実施例2:蒸留装置を装備した5リットルフラスコ中で、アクリル樹脂溶液1730gにTinuvin(登録商標)123を2g加え、キシレンの大部分を1気圧で留去させる。次いで、温度を160℃にしながら真空をかける。溶融した物質を160±1℃、2mmHgで60分間攪拌し、次いでアルミニウム皿に注ぎ脆い樹脂を得る。
【0041】
実施例3:蒸留装置を装備した5リットルフラスコ中で、対照例2のように調製したアクリル樹脂1730gにCGL−052粉末2gを加えてキシレンの大部分を1気圧で留去させること以外は、実施例2の手順を繰り返す。次いで、温度を160℃にしながら真空をかける。溶融した物質を160±1℃、2mmHgで60分間攪拌し、次いでアルミニウム皿に注ぎ脆い樹脂を得る。
【0042】
次いで各実施例で得られたアクリル樹脂を175℃で2.5時間熟成し、その最初から1時間後に重量ロスを測定し、最初およびその後0.5時間毎にサンプルの溶融粘度を測定する。重量ロス、溶融粘度および他の試験の結果を表2にまとめて示す。さらに、対照例2の揮発分を除去した樹脂サンプルならびにTinuvin(登録商標)123およびCGL−052を0.2重量%を添加した複数の他のサンプルを、ICIコーンプレート粘度計(175℃に設定)上に置いて粘度が保持されているかどうか試験し粘度を30分毎に記録した。結果を図1にグラフで示す。
【0043】
【表2】
【0044】
注1
収率= ストリッピングで回収された固形生成物重量×100%/(ストリッピングに用いたポリマーシロップ×シロップの固形物%)
注2 溶融粘度:ICIコーンプレート粘度計(VR4140コーンを用いたVR4752)で150℃に設定して測定した。
【0045】
注3 EEQ:Mettler自動滴定装置(Autotitrator)DL25で測定した。
【0046】
注4 MW:GPC(ゲル透過クロマトグラフィー)で測定し、HMWP(高MW部分)は20,000を超えるMw部分の%と定義し、LMWP(低MW部分)は600未満のMw部分の%と定義した。
【0047】
注5 ゲル化時間:樹脂を1,12−ドデカン二酸硬化剤(エポキシ/COOH比=1/1で)とともに粉砕し、ICIコーンプレート粘度計上で150℃で、粉末の溶融粘度が400ポアズに到達するまでに要した時間を測定した。
【0048】
注6 MV安定性:樹脂をICIコーンプレート粘度計(175℃に設定)上に置き、30分毎に粘度を読み、粘度が安定しているか否かをみる。もしポリマーが分解すれば熟成の間に粘度は減少するはずである。
【0049】
注7 重量ロス:1gの樹脂サンプルを用い、175℃のオーブン中に1時間保管後、重量ロス%を測定する。
【0050】
注8 硬化した試験試料dB:樹脂を硬化剤ドデシルジアミン、紫外線吸収剤(absorba)、ヒンダードアミン光安定剤およびベンゾインとともに粉砕する。配合された粉末を、160℃のホットプレート上のTEFLON型枠で40分間成型し、1.7mm厚で17mm径のチップを作製した。チップの色(dB)をX−Rite SP78分光光度計で測定した。
【0051】
表2におけるCGL−052での溶融粘度安定性試験結果は、対照例と比較して改善された安定性を示しているがTinuvin(登録商標)123ほど有効ではない。しかしやや多い量のCGL−052添加剤を用いることでかなりの安定性が得られる可能性がある。
【0052】
対照例3、比較例1〜3および実施例4〜5
反応器に添加する混合物がスチレン50g、メタクリル酸メチル449g、メタクリル酸n−ブチル101g、メタクリル酸グリシジル400gおよび過オクタン酸tert−ブチル(開始剤として)70gを含むこと以外は、これも対照例2と実施例2および3の手順を基本的には繰り返す。さらにモノマー/開始剤の混合が完了した後、反応混合物を還流させながら1時間保持し、100℃に冷却し、その直後さらに過オクタン酸tert−ブチル2gを加え、さらに1時間後追加の過オクタン酸tert−ブチル3gを加え反応混合物を1時間保持し、固形分1075g(非揮発物61.7重量%)を含有するアクリル樹脂物質1742gを得る。揮発分の除去は180℃、10mmHgで1時間行う。次いでアクリル樹脂を175℃で2時間熟成し、その際サンプルの溶融粘度を最初およびその後0.5時間毎に測定する。対照例3では物質は何も添加しない。比較例1では、0.2重量%のTinuvin(登録商標)144(アミノエーテル基をもたないヒンダードアミン光安定剤の部分とヒンダードフェノール系酸化防止剤の部分の両方を有する)を添加する。比較例2では、0.2重量%のTinuvin(登録商標)770(アミノエーテル基をもたないヒンダードアミン光安定剤)を添加する。比較例3では、0.2重量%のIrganox(登録商標)1010(ヒンダードフェノール系酸化防止剤)を添加する。実施例4では、0.2重量%のTinuvin(登録商標)123を添加する。実施例5では、0.02重量%の3−クロロペルオキシ安息香酸と反応させ、それによってアミノエーテル基を形成させた、0.2重量%のTinuvin(登録商標)770を添加する。各実施例について、当初の溶融粘度に対する溶融粘度の減少を表3に示す。
【0053】
【表3】
【0054】
本発明では、特定の好ましい実施形態を参照して記述してきたが、当分野の技術者が、以下の特許請求の範囲によって定義されるような本発明の範囲から逸脱することなく、これらの変更や変形を行うことができることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の2つの例示的な実施形態により得られた溶融粘度の変化が、対照サンプルと比べて、比較的小さいことを示すグラフの図である。
Claims (31)
- アクリル樹脂から溶媒と低分子量物質とを分離する方法であって、
少なくとも1個のアミノエーテル基を有するヒンダードアミン光安定剤を、有機溶媒と、低分子量物質と、アクリル樹脂との混合物に添加する工程と、
前記アクリル樹脂から前記有機溶媒と低分子量物質とを除去するために、得られた前記混合物を十分な時間高温にさらして揮発分を除去する工程と、
を含むことを特徴とする方法。 - 前記混合物は、約100〜約200℃の温度で、揮発分が除去されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記混合物は、約145〜約200℃の温度で、揮発分が除去されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記ヒンダードアミン光安定剤は、少なくとも1個のアミノエーテル基を有し、前記アクリル樹脂に約500〜約10,000ppmの量だけ添加されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記ヒンダードアミン光安定剤は、少なくとも1個のアミノエーテル基を有し、前記アクリル樹脂に1,000〜約2,000ppmの量だけ添加されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記ヒンダードアミン光安定剤は2個のアミノエーテル基を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記ヒンダードアミン光安定剤は、少なくとも1個のアミノエーテル基を有する前記ヒンダードアミン光安定剤を提供するために、アミノエーテル基を含まないヒンダードアミン光安定剤を過酸と反応させることにより調製されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記アクリル樹脂は、少なくとも1個のグリシジル化合物を含むモノマーから調製されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記グリシジル化合物は、アクリル酸グリシジルと、メタクリル酸グリシジルと、それらの混合物とからなる群から選択されることを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 前記アクリル樹脂は、少なくとも1個のスチレン化合物を含むモノマーから調製されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記スチレン化合物がスチレンであることを特徴とする請求項11に記載の方法。
- 粉末コーティング組成物を形成する方法であって、
少なくとも1個のアミノエーテル基を含むヒンダードアミン光安定剤を、有機溶媒と、低分子量物質と、アクリル樹脂とを含む混合物に添加する工程と、
前記アクリル樹脂から有機溶媒と低分子量物質とを除去するために、得られた前記混合物を十分な時間高温にさらして揮発分を除去する工程と、
表面をコーティングするのに適した組成物を形成するように、前記アクリル樹脂を成分とブレンドする工程と、
前記組成物を粉末コーティング組成物に形成する工程と、
を含むことを特徴とする方法。 - 前記混合物は、約100〜約200℃の温度で、揮発分が除去されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
- 前記混合物は、約145〜約200℃の温度で、揮発分が除去されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
- 前記ヒンダードアミン光安定剤は、少なくとも1個のアミノエーテル基を含み、前記アクリル樹脂に500〜10,000ppmの量だけ添加されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
- 前記ヒンダードアミン光安定剤は、少なくとも1個のアミノエーテル基を含み、前記アクリル樹脂に1,000〜2,000ppmの量だけ添加されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
- 前記ヒンダードアミン光安定剤が2個のアミノエーテル基を有することを特徴とする請求項13に記載の方法。
- 前記ヒンダードアミン光安定剤は、少なくとも1個のアミノエーテル基を有する前記ヒンダードアミン光安定剤を提供するために、アミノエーテル基を含まないヒンダードアミン光安定剤を過酸と反応させることによって調製されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
- 前記アクリル樹脂は、少なくとも1個のグリシジル化合物を含むモノマーから調製されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
- 前記グリシジル化合物は、アクリル酸グリシジルと、メタクリル酸グリシジルと、それらの混合物とからなる群から選択されることを特徴とする請求項21に記載の方法。
- 前記アクリル樹脂は、少なくとも1個のスチレン化合物を含むモノマーから調製されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
- スチレン化合物がスチレンであることを特徴とする請求項23に記載の方法。
- 前記組成物は、少なくとも1個のヒンダードアミン光安定剤を含む添加剤に前記組成物を混合することによって、前記粉末コーティング組成物に形成されることを特徴とする請求項13に記載の方法。
- アクリル樹脂と、少なくとも1個のアミノエーテル基またはその残基を有するヒンダードアミン光安定剤と、分子量が600未満であり4重量%未満の低分子量物質とを本質的に含む組成物であって、粉末コーティング組成物に形成することができる組成物である、ことを特徴とする組成物。
- 前記組成物は、分子量が600未満で3重量%未満の低分子量物質を有することを特徴とする請求項26に記載の組成物。
- 前記組成物は、分子量が600未満で2.5重量%未満の低分子量物質を有することを特徴とする請求項26に記載の組成物。
- 前記ヒンダードアミン光安定剤は、少なくとも1個のアミノエーテル基またはその残基を有し、前記アクリル樹脂に約500〜10,000ppmの量だけ添加されることを特徴とする請求項26に記載の組成物。
- 前記ヒンダードアミン光安定剤は、少なくとも1個のアミノエーテル基またはその残基を有し、前記アクリル樹脂に約1,000〜2,000ppmの量だけ添加されることを特徴とする請求項26に記載の組成物。
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