JP2004510595A - エンジン・ピストンおよびその製造 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、内燃機関用ピストンに関し、特にその製造に関する。詳細には、本発明は大衆車向けの比較的に小型のピストンに関する。その製造は精密に機械加工された構成部品が必要であるにもかかわらず、製造工程を制限するコスト制約を受ける。
【0002】
内燃機関用ピストンは、長手軸周りに画定された実質的に円形断面の頂部とその頂部から長手軸方向に延在する中空で開口端のあるスカート部とを備えた一体物で概ね管状の本体として、軽金属合金、典型的にはアルミニウム合金で作られることが知られている。頂部の外周管状壁には、エンジン・シリンダ内部で長手軸沿いに往復運動するためのピストンを位置決めし封止する、周方向に延在し軸方向に離間したリング溝があるが、ピストンも横方向の力と熱膨張を受ける限り、スカート部、あるいは少なくともスカート部の領域がシリンダ壁に当接して、このピストンを案内する。
【0003】
比較的大きな領域間の接触で生じる摩擦の結果を回避するために、配設自体が製造経済性に対する制約を受けるが、油によって隣接表面部分と周囲のシリンダ壁の間に薄膜を形成できるように、少なくとも全長の一部わたって延在する給油用の螺旋表面溝を管状壁に設けることによって表面の接触範囲を制限することが一般に実施されてきた。
【0004】
自動車用エンジンに関して、鋳造またはおそらくは鍛造されたピストン本体を、精密な構成部品に仕上げる一連の機械加工段階にかけるのが典型である。特定作業にそれぞれ適合する様々な機械によって様々な作業を実施するが、経済的な工程には、異なる最小限の数の機械と、処理量率を決定する、それぞれの機械作業(負荷および無負荷を含め)ごとの均一なサイクル時間が必要である。
【0005】
要件となる短いサイクル時間内で実行し、さらにいわゆる欧州標準仕上げを付与することができる単一の精密機械加工作業の一部として、このような給油溝の配設とピストン自体の管状表面仕上げを組み合わせることが知られるようになった。
【0006】
図1(a)および1(b)を参照して簡単に説明すると、既知設計のエンジン・ピストン10はアルミニウム合金から鋳造し、さらに公差に近似する最終的な寸法を得るために幾つかの機械加工段階にかけられる。ピストン10は、管状外周12を長手軸14周りにかつそれに沿って画定する一体型管状本体11を備える。このピストンは、実質的に断面が円形の(随意選択で多少の楕円率を有する場合もある)頂部15を備え、その外周周りに帯状のリング溝16を有し、それから軸方向に中空のスカート部17が伸びている。1対の穴18がスカート部を貫通して、長手軸に対して横断方向にピン軸に沿ってガジオン・ピンが嵌め込まれるのを可能にし、さらにスカートによって、ピストンの往復運動時に周囲のシリンダ壁に対接するスラスト面19がピン穴18に直交して備わる。ピストンの管状表面を画定すると共にスラスト面を潤滑するために、この本体に、粗い表面、すなわち一次仕上げ表面を加工し、さらに最終的な機械加工段階として、長手軸14周りに回転させながら、丸みを帯びたダイヤモンド刃付き工具(図示せず)によって浅い螺旋溝20をこの一次仕上げ面に切削し、溝の隣接した巻回が交わって、それらの間にピストンの最終的な外表面となる先鋭な、すなわち、尖頂のある隆起22を画定する。このように全体的な管状表面を画定することによって、どのスラスト面も24の仮想線で示すシリンダ壁に接触する比較的に小さい面積を有し、さらにこの溝によって、該溝から漏れて隆起尖頂に被覆の潤滑薄膜を供給することができる油が運ばれる。
【0007】
この欧州標準仕上げは、比較的に小さい曲率半径(0.75mm)を有する円の劣弧として形成した溝を備え、典型的には、0.30mmの溝幅と、表面を画定する隆起に対して約0.013mmの深さを設ける。回転速度、工具チップ寸法、および長手軸方向の前進率はすべて、隆起を潤滑するための油の供給通路となる溝寸法が備わるように連携されている。およそ直径80mmおよび全長100mmのピストンに関して、以上の技法によって、実施するべき他の過程に適合するサイクル時間内にそれを完成させることが可能であり、実際に、実用サイクル時間内に切削工具を2サイクル実施すること、すなわち、粗さの少ない中間表面を画定する第1サイクルに引き続いて、溝および最終的な外表面を画定する第2サイクルを実施することが可能であろう。
【0008】
しかし、製造上の利点にもかかわらず、このような管状本体の表面形成には欠点がある。高い燃焼圧および/または熱と、側面と周囲壁の間で横方向のスラスト力が増大するエンジン内部では、このような尖頂のある隆起仕上げが及ぼす圧力によって油膜が破断されて、金属と金属が接触するおそれがあることが判かっている。
【0009】
米国特許第A−3721163号が、より平坦でかつより広い外表面を溝の巻回の間に(長手軸方向に)設けるように管状壁を製造することによって油膜破断に対する1つの解決策を提供しており、平坦な(他の寸法に比して)外表面を長手軸方向に設け、次いでその表面に螺旋給油溝を切削するために、鋭利な刃付き工具によってピストンの管状表面を機械加工することを提案するが、機械加工段階を短いサイクル時間に限定してより小型のピストンを製造するという制約条件では、それは不適切となる。
【0010】
本発明の一つの目的は、簡単かつ費用対効果のある態様で、表面全長の少なくとも一部にわたって延在する螺旋状の給油表面溝を備えた、エンジン・ピストンの外周管状本体表面を形成する方法および装置を提供することである。このように画定した表面を有するエンジン・ピストンを提供することも一つの目的である。
【0011】
本発明の第一の態様によれば、エンジン・ピストンの長手軸周りにかつそれに沿って画定され、螺旋給油表面溝が長さの少なくとも一部にわたって延在する、エンジン・ピストンの外周管状本体表面を形成する方法は、
1)長手軸から離間した一次表面を画定するオーバーサイズ(過大寸法)の、粗仕上げの壁を有するピストン本体を形成すること、
2)長手軸周りにピストン本体を回転させること、
3)連続する巻回が、それらの間に螺旋隆起を形成するようなピッチで長手軸方向に前進する螺旋溝を一次表面に切削すること、
4)各隆起巻回に所定の扁平形状の平坦部を長手軸方向に形成し、最終的な外表面境界を画定することを含む。
【0012】
連続巻回が交わりかつ一次表面の径方向内側に二次表面レベル(高さ)を画定するように、溝を前進させることが好ましい。それぞれの溝巻回の間に尖頂のある隆起を形成し、その形成に引き続いて、隆起を平削りしてピストンの仕上げ外表面を成す平坦部を画定するように溝を前進させることができる。
【0013】
本発明の第二の態様によれば、エンジン・ピストンの長手軸周りにかつこの長手軸に沿って画定され、螺旋給油表面溝が全長の少なくとも一部にわたって延在するエンジン・ピストンの仕上げ外周管状本体表面を形成する装置は、未仕上げの一次表面を有するピストンの本体を切削手段に対して長手軸周りに回転し、その切削手段が、本体一次表面に動作可能に配置され、前記回転と伴にその接線方向に移動する切削工具手段を含む、回転する手段と、隆起によって連続した巻回が分離される螺旋溝を一次表面に削成するために、回転軸に対して径方向にかつ長手軸方向に前記切削工具手段を移動させるように動作可能な切削制御手段を備え、前記切削工具手段が、収斂する溝切削チップと、該チップに長手前進方向に追随しかつその溝切削チップによって切削された隣接する溝巻回の間の隆起を平削りするように動作するために、溝切削チップに対して配置した実質的に平坦な平削りチップを有する。
【0014】
本発明の第三の態様によれば、エンジン・ピストンが外周管状本体表面を有し、その表面が本体の長手軸周りにかつ該長手軸それに沿って延在する螺旋隆起によって画定されており、隆起の連続巻回が、この隆起に潤滑油を供給するために配置した螺旋溝によって分離され、かつその隆起の表面が、長手軸に対して実質的に平行に延在する平坦部の輪郭を画定するために実質的に平坦に平削りされている。
【0015】
ここで添付の図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【0016】
図2(a)および2(b)を参照すると、本発明によるピストン30は一体型管状本体31を備え、その管状外周32が長手軸34周りにかつ該長手軸に沿って画定されている。このピストン本体は、環状のリング溝を切削した頂部35と、一方の頂端部が閉じているがその対向端部は開口し、かつガジオン・ピン穴38が横方向に貫通したスカート部37を備える。管状本体表面の外周はスラスト領域39を含む。
【0017】
管状表面32、特にそのスラスト領域は、螺旋溝40の連続巻回の間で螺旋状に伸びる隆起42によって画定されている。この螺旋溝は浅くかつ潤滑油の保持が可能であり、溝の連続巻回は油を隆起の頂面44に供給するように配置されており、さらに長手軸34に対して実質的に平行に延びる平坦部の輪郭を画定するために、この隆起表面を少なくともそれぞれの界接する溝巻回に対して実質的に平坦に平削りする。
【0018】
便宜上、ピストン全長の中央領域のみを例示するが、管状本体を画定する螺旋隆起と溝の配置は、ピストン本体の一端から他端まで延在する。判かり易くするために、以下の説明ではこのような均一体に的を絞り、後に変形例を説明する。
【0019】
前述の標準仕上げを実施する際によく知られた幾つかの製造作業の1作業として仕上げ外周表面を設けるが、図2(a)はまた、仕上げ面を形成するための本発明による装置50を概略的に示す。
【0020】
この装置は、長手軸34周りに、かつ回転に対して静止する切削手段(全体を54で示す)に対して、仕上げ前の一次表面(点線53で例示する)を備えたピストン本体を回転させるモータ手段52を有する。この切削手段は、本体の一次表面に配置されかつ本体が回転するとき、その表面に対して長手方向に移動する切削工具手段56と、回転軸に対して径方向にかつ長手軸方向に切削工具を移動するように動作可能な切削制御手段58を含む。この切削制御手段は、モータ手段52と連携動作して、回転する一次表面中に溝を切削しかつそれを回転軸に沿って長手方向57に前進させて螺旋溝40および隆起42を生成する。
【0021】
切削工具手段56は、径方向に工具チップ軸64が通過する頂端62に収斂する溝切削チップ60からなる溝切削工具と、溝切削チップを長手軸の前進方向に追随して隣接する溝巻回の間の隆起を平削りし、仕上げ本体表面32の外面域、すなわち外径を含む、隆起の連続巻回の扁平な平坦部表面44を画定するように、この溝切削チップに対して配設した平削りチップ70からなる平削り工具を備える。
【0022】
図4(a)および4(b)を参照して、以下に切削工具手段およびその動作を詳細に説明する。しかし、本発明に従うものの装置に限定しない、管状本体の仕上げ外周表面を画定する方法を例示する概略図3を最初に参照する。
【0023】
オーバーサイズの粗削りされた、呼び半径距離RPだけ長手軸34から離間した一次表面53を画定する管状表面を備えた管状ピストン本体31を形成し、さらにこの長手軸周りに回転するようにピストン本体を据え付ける。
【0024】
頂端81などの都合よく画定可能な部分が溝床に相当するように、回転する一次表面中に、部分円形断面の浅い溝40、すなわち、半径rGを有する円80の円弧を削成する。
【0025】
切削基準、この場合は溝床基準82をRDに画定しかつこの溝床の径方向レベルまで一次表面中に溝を削成し、さらにこの基準にしたがってかつ一次表面の不規則部分にかまわずに、溝の切削を軸34に沿って長手方向に進める。
【0026】
溝半径rGおよび長手軸方向の前進率は、連続巻回が交わりかつそれらの間に一次表面の径方向内側に88で示す二次表面レベル(尖頂86において)を画定する尖頂のある隆起84を形成するように選定するが、この二次表面レベルは半径RSである(RS<RP)。
【0027】
この表面は、連続溝およびその間に連続隆起が形成されているにもかかわらず、表面および長手軸を含む任意の長手平面内にあるものと考えることが好都合であり、一連の溝および溝間の隆起はこの意味範囲にあり、さらに「溝」および「隆起」という言及はこの意味でなされる。
【0028】
本発明の方法に従えば、連続溝の巻回が交わって形成する尖頂のある隆起84を、引き続いて、それぞれ、441、442等々で示すように、隆起を横切って長手軸方向に扁平形状の平坦部を付与する構成に平削りし、それによって平坦部が回転軸から半径RFに仕上げ外面境界線90を画定する(RF<RS<RP)。隆起の他の寸法がこの溝の寸法と一定の関係になるように、溝床基準から所定距離に平削りしかつ溝深さdGを(RF−RD)として画定するために平坦部を画定することが最も都合がよい。
【0029】
平坦部を形成すると、仕上げ表面には、合計が溝のピッチpに等しい幅WPの隆起平坦部と幅WGの溝が交互に備わる。
【0030】
溝が半径rGの円の一部を形成する限り、溝の幅はこの円の弦でありかつ溝深さdGに相関し、さらに溝深さ、溝幅、および平坦部幅は、曲率半径およびピッチに相関することが理解されよう。
【0031】
図3が例示する特定の一例では、溝のピッチpは曲率半径rGに等しく、
したがってWG+WP=rGであり、かつ
溝深さ
【数1】
【0032】
WG=WPを選択することによって、
WG=1/2rGとなり、
【数2】
【0033】
典型値として、0.2mmの溝幅と平坦部幅、および0.013mmの溝深さ、すなわち、標準仕上げと同じ溝幅を与えると、ピッチpおよび曲率半径rGは0.4mmとなり得る。
【0034】
給油溝は、0.025mmよりも浅い溝深さ、0.75mmよりも小さい繰返しピッチ、および0.25mmよりも狭い隆起平坦部幅を有することが好ましい。
【0035】
dGとrGの関係によって、溝床基準に対して隆起平坦部を都合よく画定することができる、すなわち、上記の関係によれば、溝間隆起を平削りするためにピッチp、曲率半径rG、および溝/平坦部深さ(RF=dG+RD)を画定することによって、次ぎに溝と平坦部の幅が画定されることになるのが理解されよう。
【0036】
上記のように、尖頂のある隆起を形成した後に、その隆起を平削りして前記平坦部を作製する。溝切削および隆起平削りを別々の時間に行うことができるが、空間的にずらされていても、それらを同時に行うことが好ましい。したがって、尖頂のある隆起の巻回を形成した後に、その隆起巻回を平削りすることによって上記に概説した方法をさらに画定するために、溝切削から長手軸の周りにずらして平削りを実施する。実際には、溝切削と隆起平削りを長手平面、すなわち、この図の平面などの長手軸を含む平面内で互いに対して割り付けて、尖頂のある隆起84の形成と平坦部44を得るための平削りの間における回転方向のずれが実質的に360°またはその倍数に等しくなることが都合がよい。
【0037】
図4(a)および4(b)を参照すると、図4(a)は図2(a)の切削配置を拡大した一部を示し、図4(b)は適用した方法の幾何学的配置を例示するために高度に模式化した平面図を示す。切削工具手段56は、一次表面53に溝を切削するために、弓形の切削面61を画定する半径rGの部分球面チップを有するダイヤモンド刃付き溝切削チップ60を備える。溝床を工具のチップ頂端62によって形成するために、この工具のチップ軸64を回転軸34に対して径方向に延在するように配向する。制御手段58(図2(a)に示す)を配置して軸34周りのピストン本体の回転速度を監視し、かつピッチp=rGを画定する速度で回転軸に沿って切削工具を前進させる。この制御手段はまた、溝を切削するときに、工具の頂端62をこの位置に維持するために、溝床基準82(=RD)の径方向レベルを画定するように構成されている。
【0038】
この工具が当初は、回転する本体に対して、この図の平面外にある一定の方向に移動するにもかかわらず、その工具はまたこの平面内を長手軸方向に前進するが、そのためには、この弓形の切削面61には、工具が一次表面中に相対的に深く切り込む前縁側61Lを工具チップ軸の一方の側に備え、かつ工具が直前に削成した溝の巻回に交わることによってあまり深くなく切削する後縁側61Tを工具チップ軸の他方の側に備えるように考慮することができる。
【0039】
溝切削工具チップの後縁側は、その後縁側に対して軸34に沿う方向に先端を切り詰めて、ピッチ長さの半分をわずかに上回って長手軸34方向に伸びるが、この例では、ピッチ長さが曲率半径に等しい限り、工具チップの後縁側61Tは、曲率半径rGの半分をわずかに上回って長手軸34の方向に伸びる。
【0040】
平削りチップ70もダイヤモンドであり、かつ溝切削チップの後縁側に隣接して、工具チップ軸64に対して実質的に平行に画定されている界接面71に沿って溝切削チップに接合し、動作全体を通じて寸法および空間関係が互いに一定である複合工具チップとなる。この平削り工具チップは平削り刃72を有し、その平削り刃が平らであり、さらに動作に際して長手方向にありかつ工具チップ軸64に直交して延在する。この平削り刃72は、工具チップ軸64に沿って溝切削チップの頂端62から溝床基準に対して所望の最終溝深さdGだけ離間するが、この例では、溝切削チップの曲率半径の約0.03倍だけ離間している。したがって平削り刃自体は、長手軸方向に溝切削チップ頂端から溝ピッチ長さの整数倍だけずれるが、この例の場合では、平削り刃が、この頂端から距離pのところから始まり、溝ピッチpとほぼ等しい、すなわち、形成するべき隆起平坦部の幅WPの約2倍に等しい長さを有し、したがってそのために頂端62から溝ピッチpの約1.5倍のところに中心が位置する。
【0041】
したがって動作に際して、溝切削チップ60が、ピストン本体の長手軸、すなわち、回転軸周りにかつそれに沿って前進し、さらにその頂端を所定の溝床深さに維持するように制御されているとき、現時点で切削している溝巻回が直前に切削した巻回と交わって、その間に尖頂のある隆起420を画定し、かつそれと同時に平削りチップが、この直前に切削した溝巻回とそれ以前に切削した巻回との間に形成した隆起421を平削りして、その隆起に扁平の平坦部441を同じ長手平面内で付与する。
【0042】
平削りチップは、少なくとも必要な平坦部幅にわたって長手軸方向に延在する限り、それが新たに形成した尖頂のある隆起の障害にならなければ、いかなる過剰な長さも問題ではないことが理解されよう。同様に、溝切削チップの後縁側が、直前に切削した溝と交差するレベルを越えて延在しても、その超過長さはいずれも問題ではない。したがって、溝切削チップと平削りチップの接合に関しては、かなりの許容度があり、71で示す界接面を、平削り刃の精度およびこの平削り刃と切削工具頂端の間のずれdG精度の実現に集中させることができる。
【0043】
複合切削工具が、溝切削チップの後縁側における不要なスペースを平削りチップ側で占める限り、この複合切削工具を小型化にすることが可能であり、さらに溝ピッチおよび溝床基準を画定するようにかつ画定した値で溝を削成するように既に設定されている、従来通りに制御した溝削成設備と一緒に動作可能である。また以上で判かるように、平削りは、この工具が画定する通りに追随する。
【0044】
説明したように、最も簡単なピストン本体では、複合切削工具は、その溝切削チップが本体を離れた後、後縁平削りチップと平削りチップが本体の他端の平削りを完了する前に、この複合切削チップが本体の一端に係合するように、端から端まで前進するが、その実施結果は、一定の深さの溝が削成された、長手方向に平坦な平削りされた円筒形表面である。
【0045】
一般的に言えば、回転時の角度位置の関数として溝床基準の径位置RDを変更することによって実現する若干の楕円率を付与して、本体壁が、長手軸周りの径方向の均一性から逸脱するのが望ましいことが理解されよう。溝切削チップおよび平削りチップが同一の長手平面内にある複合工具を使用することによって、次いで回転に応じて溝床の角度位置を調節すると、溝と隆起平坦部の間の径方向関係を保ちながら楕円が生成することは明白である。
【0046】
長手軸方向に均一性から逸脱することに関して、管状本体の一端または両端において、その表面が長手軸、すなわち回転軸に向かって収斂するにつれて、円滑に減少する仕上げ管状外表面の外径を有するのが典型である。図5に概略的にかつ誇張して例示するように、両端にある場合は、減少する外径によって特徴的な樽形を呈する。単純な球形の溝切削チップでは、溝の切削時に溝床基準の半径RDを減少させる効果によって、溝の前進方向に従って連続的な隆起尖頂が高くなったりあるいは低くなるような、ほとんど溝輪郭のゆがみ程度の外径変化を生じるに過ぎないが、この複合工具56は、より複雑であるが有利な機能を有する。
【0047】
図5では、管状側壁の頂端が図の左側にあり、開放端のスカート部が右側にある。図4(a)の工具56を使用しかつ平削りチップを回転軸に平行に保ちながら、切削動作を通じて工具の配向を保持して、給油溝が頂端からスカート端に向かって螺旋状に削成されている。
【0048】
切削方向において、頂部端では、溝床基準が、切削に伴い回転軸から離れるように効果的に傾斜し、かつ特定の長手平面内ではどこも、溝巻回が広くかつ深くなり、さらに平坦部が短くなっているが、溝床基準が回転軸に平行になっていくにつれて、このような均一性からの逸脱が軽減するのが理解されよう。逆に、本体壁の他端では、溝床基準が、回転軸に向かって下方に傾斜し、かつそうなりながら連続する隆起平坦部が長くかつ低くなっていく。実際は、ピストンの頂部に向かって接触面積が減少する(軽度の横方向負荷の下で摩擦を最低にするために)と共に、スカート端に向かって接触面積が増大する(重度の横方向負荷の下でより大きな負荷を支えるために)ことが判かった。しかし、所望であれば、平坦部を開放端のスカート部で短くして、このような樽形効果がスカート開口端から頂部端に向かう方向に進行することが理解されよう。
【0049】
ピストンの管状外表面を形成する上記方法および装置に対する変形形態があり、その幾つかは一体型であり、また幾つかは独立型である。
【0050】
工具軸を回転軸に直交するように維持しかつ溝幅の変化をもたらす溝深さと幅の変化を生成する、管状本体の樽形端部に最終的な外表面を削成する上記方法は、工具チップ軸64が床基準82の局部的な傾斜部に直交した状態にするために、それを回転軸に対して傾斜させることによって、工具が溝床基準の半径の変化に追随するように変更することもできる。あるいは、溝ピッチおよび/または回転速度を変更して一定の隆起平坦部の長さを維持することもできる。
【0051】
図6を参照すると、この図は、図4(b)に対応する部分的な平面図において、複合溝切削チップ160と隆起平削りチップ170を備えた切削工具手段156有する形成装置150を例示しており、その装置では、平削り工具が溝切削チップと同じ長手平面内にあるが、この平削り工具は、溝切削チップから周方向にずれかつそれと長手方向に重なっており、直前に形成した尖頂のある隆起を、その形成に引き続いて直ちに平削りするようになっている。
【0052】
このような配置は、樽形状の生成では本体の両端に顕著な効果は少ないが、楕円率の生成ではかなりの効果を有する。すなわち、回転時に溝床レベルに変化がある場合に、溝床基準が回転軸に向かって低下するときは、その溝の先行して切削した部分に対して平削りしている平坦部の高さを、その部分を切削したときの溝基準に対して対応するように低下させ、かつ溝床基準が回転軸から離れて上昇するときは逆のことを行う。このような状態では、工具チップの間の径方向および周方向のずれに従って制御手段58をプログラムすることが可能あり、実際上、周方向に溝深さが相対的に異なる楕円表面の適切な範囲に隆起平坦部を設けるために、所望の外表面に対して切削基準を画定することが可能である。しかし、変化率は小さく、また工具切削チップが互いに接近している場合は、溝床と隆起平坦部の間の変化は無視することができる。
【0053】
図6に例示した切削工具手段156のチップ配置では、平削りチップを溝切削チップからさらに周方向にずらし得ることが理解されよう。
【0054】
同様に、図4(a)に例示した同一平面上の配置では、平削りチップ70を溝切削チップ60から溝ピッチ長さの幾数倍もずらし可能であり、複合工具における主要な効果は、物理的には小型性の欠如であるが、機能的にはテーパ付きすなわち樽形端部を画定することに関連しており、依然として実用的であることが理解されよう。
【0055】
したがってこれまで説明した実施形態では、その切削工具は、別体のチップ60および70が一体型部材として移動する複合部材であるが、有利なことに、既存の制御された装置を利用して、切削チップの組合せのみが新規であり、さらに制御をその1つの組合せチップのみに及ぼし続けることができる。溝切削チップ60および平削りチップ70を別個に設け、かつ回転軸に対するそれらの瞬間位置に関して別個に制御することも可能であり、さらに長手方向および周方向のずれを許容するが、しかし画定した基準線に対して効果的に螺旋溝を削成することによって外表面を規定する方法に依然として従っていることが理解されよう。
【0056】
平削りチップが、溝切削チップによって除去されていない不要な金属を除去する限り、溝の曲率半径および/またはそのピッチを増大できることを含めて、連続的な溝巻回の交わり方の選択に大きな自由度があることが理解されよう。したがって、欧州仕上げでは、交差する溝巻回の幾何的学配置によって最終表面を画定するが、本発明の方法によれば、溝ピッチを増大させた結果として溝間の尖頂をさらに高く画定可能であり、溝床に対して所望の隆起平坦部を画定するべきどのような隆起尖頂が存在していようとも、それが平削り工具チップの除去能力の範囲内にあれば、一次表面の水準を上回るような概念上の隆起を画定することさえ可能である。より大きなピッチで溝巻回を画定する1つの効果は、ピストンを端から端まで機械加工するための時間削減であり得る。
【0057】
例示目的および既知の実施例との適合性のために、円弧である溝輪郭を有することが好都合であることが理解されよう。しかし、溝が隣接した隆起平坦部へ給油するように働らくことが所望である限り、破損が広がるおそれのある尖鋭な角を避けるように溝の輪郭を選択することはあるが、例えば、先に言及した米国特許第A−3721163号に示されている型式など、溝切削工具に物理的または機能的に結合した工具によって平削り可能な溝間の隆起を画定するものであれば、溝は他の任意の輪郭をとり得る。
【0058】
複合切削工具の実施形態を示しかつ別体の工具チップから構造的に簡単でかつ効率的に動作する組合せを提示してきたが、図7に例示するように、単一のスプーン形状のチップ260中に一体化して溝切削面261を有する切削工具手段256と、一次表面から溝部分を現時点で切削しながら、同時に直前に削成した溝巻回と交差する壁金属を平削り隆起として削成する平削り刃272を含む装置250を画定することができる。
【0059】
装置構造そのものからは切り離したが、上で説明した方法および現行の形態および動作に基づいて詳細に説明した装置の実施形態では、溝床基準として切削基準を画定すること、および仕上げ管状本体表面である平削り隆起表面を実現するこの基準まで溝を切削することを強調している。装置50、150および250によって、切削基準線を所望の表面仕上げとして画定可能でありかつ制御手段をそのようなレベルまで平削りによって表面を切削するようにプログラム可能であり、溝切削チップが、それから径方向にずれる溝床基準の軌跡を実際に画定するのは付随的なことであることが理解されよう。
【0060】
以上の説明を、ピストン本体の全長にわたって延在する螺旋溝および隆起の組合せに関して行ってきたが、本発明の方法に従いかつ本発明の装置によって、それを本体全長の一部のみにわたって画定可能であることが理解されよう。
【0061】
上に説明したように、樽形に切削することに関して、径位置の変化とはいずれも無関係に隆起平坦部の長さを変更するように、ピッチ長さを溝の削成全般を通して変更することができる。
【0062】
上に説明した装置をダイヤモンド刃先付き切削チップによって説明したが、他の適切な材料から形成したチップが利用可能であることも理解されよう。本方法および装置は、相対的に小型の鋳造合金製ピストン本体に使用することが特に適切であるが、それに限定するものではなく、さらに様々な本体サイズに使用可能でありかつ様々な材料を使用することも可能である。
【0063】
この複合(あるいは一体型)工具は、第1サイクルが、上で論じた最終表面を画定する第2サイクルのための一次表面をより均一に画定するための一次サイクルである、2つの対向するサイクルを実施する点では、標準的な溝切削工具と同じ態様で動作可能であることも理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1(a)】
上で参照したように、既知形態のエンジン・ピストンを示す側面図であり、面の長さにわたって延在する給油溝の連続的な巻回間に形成した螺旋状の尖頂のある隆起によって画定される外周管状体表面を備える。
【図1(b)】
上で参照したように、管状本体の溝と隆起の構成の一部をより詳細に示す拡大概略図である
【図2(a)】
本発明によるエンジン・ピストンを示す側面図であり、螺旋給油溝および溝間平頂隆起でかつそれらによって画定される仕上げ管状表面と、複合溝切削工具および隆起平削り工具を備えた表面形成装置を例示する。
【図2(b)】
図2(a)の管状本体の溝を設けた外表面の一部を詳細に示す拡大概略図である。
【図3】
本発明による好ましい一方法を示す概略図である。
【図4(a)】
図2(a)のピストン形成装置の一部を示す立面断面図であり、図3によって例示する方法に従って、外表面を画定する溝および平削り隆起を形成するための複合切削工具をより詳細に例示する。
【図4(b)】
図4(a)の装置を示す直交図であり、切削工具を平面図で示しかつ動作を例示する。
【図5】
図2(a)の管状本体の端部領域を拡大して示す立面断面図であり、図4(a)および4(b)の複合工具を備える装置によって本体のテーパ付きまたは樽形両端部に形成した溝と隆起の関係を例示する。
【図6】
図4(b)の図と同様であるが、複合切削道具の異なる形態を有する本発明によるピストン形成装置の第二実施形態を示す概略図である。
【図7】
図4(a)の図と同様であるが、切削工具の別の異なる形態を有する本発明によるピストン形成装置の第三実施形態を示す概略図である。
Claims (41)
- エンジン・ピストン(30)の長手軸(34)周りにかつ該長手軸に沿って画定され、螺旋給油表面溝(40)が長さの少なくとも一部にわたって延在する、エンジン・ピストンの外周管状本体表面(32)を形成する方法であって、
(i)長手軸から離間した一次表面を画定するオーバーサイズの、粗仕上げの壁(53)を備えたピストン本体を形成すること、
(ii)長手軸周りにピストン本体を回転させること、
(iii)連続した巻回がそれら巻回の間に螺旋隆起(42、84)を形成するようなピッチで長手軸方向に前進する螺旋溝(40)を一次表面に切削することを含む方法において、
(iv)各隆起巻回に、所定の扁平形状の平坦部(44)を長手軸方向に形成し、最終的な外表面境界(32)を画定することを特徴とする方法。 - 前記連続した溝巻回が交わりかつそれら巻回の間に二次表面水準を画定する連続した一連の隆起巻回(42、84)を形成するように、前記螺旋溝(40)を切削かつ前進させることを含む、請求項1に記載の方法。
- それぞれの溝巻回の間に尖頂のある隆起(84)を形成し、その形成に引き続いて隆起を平削りして前記平坦部(44)を画定することを含む、請求項1または請求項2に記載の方法。
- 角度位置および長手方向位置の関数として、回転軸(34)に対して切削基準(82)を画定し、各巻回の床部が前記基準に従うように溝を形成し、そして、前記基準に対して溝間隆起平坦部(44)を画定することを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 角度位置の関数として、切削基準(82)の径位置を変更して管状ピストン本体の楕円率を画定することを含む、請求項4に記載の方法。
- 長手方向位置の関数として、切削基準(82)の径位置を変更してピストンのテーパまたは樽形を画定することを含む、請求項4または請求項5に記載の方法。
- 溝切削と隆起の平削りを同時に行うことを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 現行の溝巻回から長手方向にずれた隆起平坦部(44)を平削りすることを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 長手軸を含む長手平面において、互いに対して割り付けた溝切削と隆起の平削りを実施することを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 先行する2つの溝巻回によって形成された隆起を平削りすることを含む、請求項9に記載の方法。
- 長手方向にそれぞれの隆起巻回を平坦に平削りすることを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
- 円の劣弧として、平削り隆起巻回の間に溝輪郭を画定することを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
- ピストン頂部から離れて長手方向へ、側壁に溝を切削することを含む、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
- エンジン・ピストン(30)の長手軸(34)周りにかつ該長手軸に沿って画定され、螺旋給油表面溝(40)が長さの少なくとも一部にわたって延在するエンジン・ピストンの仕上げ済み外周管状本体表面を形成する装置(50、150、250)であって、ピストンの本体一次表面に動作可能に配置され回転に伴って該本体一次表面に対して接線方向に移動する切削工具手段(56、156、256)を含む切削手段(54)に対して、未仕上げの一次表面(53)を備えたピストンの本体を長手軸周りに回転する手段(52)と、隆起(42)によって連続した巻回が分離される螺旋溝(40)を一次表面に切削するために、回転軸に対して径方向および長手方向に前記切削工具手段を移動させるように動作可能な切削制御手段(58)とを備え、前記切削工具手段が、収斂する溝切削チップ(60、160、260)と、溝切削チップに長手前進方向で追随するように該溝切削チップに対して配置され、溝切削チップによって切削された隣接する溝巻回間の隆起を平削りするように動作可能な実質的に平坦な平削りチップ(70、170、271)とを有する装置。
- 溝切削工具チップ(60、160、260)および平削り工具チップ(70、170、271)が、長手前進方向において相互から動作可能にずれている、請求項14に記載の装置。
- 溝切削工具チップ(60)および平削り工具チップ(70)が、実質的に同一長手平面内に動作可能に配置されている、請求項14または請求項15に記載の装置。
- 溝切削工具が、長手前進方向に実質的に直交する軸(64)を有し、かつ平削り工具チップ(70)が、長手方向に溝ピッチ長さ(p)の整数倍だけ溝切削工具軸からずれている、請求項15または請求項16に記載の装置。
- 長手方向の平削り工具チップ(70)長さがピッチ長さの整数倍である、請求項14から請求項17までのいずれか一項に記載の装置。
- 平削り工具チップ(70)が、使用に際して長手前進方向に延在する平削り刃(72)を備え、かつ工具チップ軸(64)に直交する平面内に延在する、請求項14から請求項18までのいずれか一項に記載の装置。
- 溝切削工具チップが頂端(62)に収斂し、かつ平削り工具チップ(70)が、動作全体を通して工具軸の方向に沿って一定量だけ溝切削工具チップの頂端から離間する、請求項14から請求項19までのいずれか一項に記載の装置。
- 溝切削工具チップ(60)が、長手前進方向(57)を含む長手平面内に工具軸(64)を有し、他方の、工具軸の後縁側に対してよりも大きな頂端側における切削面(61)の範囲が、工具軸に対して前進方向に先導する、請求項14から請求項20までのいずれか一項に記載の装置。
- 溝切削工具チップ(60)が、工具軸(64)上に中心がある円の円弧によって画定された切削面輪郭を長手平面内に有し、切削手段(56)が、円の曲率半径(rG)に実質的に等しいピッチ長さ(p)を画定するように構成される、請求項14から請求項21までのいずれか一項に記載の装置。
- 溝切削工具チップ(60)および平削り工具チップ(70)が、互いに対して一定の配置にある、請求項14から請求項22までのいずれか一項に記載の装置。
- 溝切削工具チップ(60、160)および平削り工具チップ(70、170)が、複合切削工具(56、156)内に含まれている、請求項23に記載の装置(50、150)。
- 前記チップ(60、70)が、切削工具軸(64)に実質的に平行に画定されている界接面(71)に沿って、互いに固着された別体のチップである、請求項24に記載の装置(50)。
- 前記界接面(71)が、後縁側切削面(61T)の端部で、切削工具チップ軸(64)から実質的にずらして画定される、請求項21に従属するときの請求項25に記載の装置。
- 溝切削工具チップ(60、160、260)および平削り工具チップ(70、170、271)が、それぞれダイヤモンドによって提供される、請求項14から請求項26までのいずれか一項に記載の装置。
- 平削り隆起平坦部の連続した巻回間で、0.5mmを下回る溝幅(WG)を画定するように動作可能である、請求項14から請求項27までのいずれか一項に記載の装置。
- 長手前進方向(57)に、0.25mmを下回る平削り隆起平坦部幅(WP)を画定するように動作可能である、請求項14から請求項28までのいずれか一項に記載の装置。
- 約0.2mmの平削り隆起平坦部幅(WP)を画定するように動作可能である、請求項29に記載の装置。
- 制御手段(58)が、長手軸方向(57)で実質的に互いに等しい平削り隆起幅(WP)と溝幅(WG)を画定するように構成される、請求項14から請求項30までのいずれか一項に記載の装置。
- 本体の長手軸(34)周りにかつ該長手軸に沿って延在する螺旋隆起(42)によって画定された外周管状本体表面(32)を有し、隆起の連続巻回が、この隆起に潤滑油を供給するために配置した螺旋溝(40)によって分離され、かつその隆起の表面(44)が、前記長手軸に対して実質的に平行に延在する平坦部の輪郭を画定するために実質的に平坦に平削りされているエンジン・ピストン(30)。
- 前記平削りした螺旋隆起平坦部表面(44)が、ピストンの長さの少なくとも中央領域にわたって、長手軸(34)から拘束半径距離(RF)に形成される、請求項32に記載のエンジン・ピストン。
- 螺旋平削り隆起(42)と給油溝(40)が、ピストンの長さに沿って一定の繰返しピッチ(p)で形成される、請求項32または請求項33に記載のエンジン・ピストン。
- 長手平面内の隆起平坦部幅(WP)が、0.25mm以下である、請求項34に記載のエンジン・ピストン。
- 溝幅(WG)が0.5mm以下で深さ(dG)が0.025mm以下である、請求項34または請求項36に記載のエンジン・ピストン。
- 長手平面内の隆起幅(WP)が溝幅(WG)と同じである、請求項34から請求項36までのいずれか一項に記載のエンジン・ピストン。
- 隆起幅(WP)が約0.2mmである、請求項37に記載のピストン・エンジン。
- 溝(40)が、長手軸平面内に、溝螺旋の長手方向ピッチ(p)に実質的に等しい曲率半径(rG)を備えた円の円弧によって画定される輪郭を有する、請求項34から請求項38までのいずれか一項に記載のエンジン・ピストン。
- 前記外周管状表面(32)が、ピストンの頂部端(35)で、長手軸に向かって径方向に収斂し、かつ連続巻回の平削り隆起平坦部表面(44)が、長手軸に対して平行に延在し、さらに隆起平坦部幅(WP)が、減少するピストン径に応じて減少する、請求項34から請求項39までのいずれか一項に記載のエンジン・ピストン。
- 前記外周管状表面(32)が、頂部(35)から遠隔の端部で、長手軸に向かって径方向に収斂し、かつ連続巻回の平削り隆起平坦部表面(44)が、長手軸に対して平行に延在し、さらに平坦部幅(WP)が、減少するピストン径に応じて増加する、請求項34から請求項40までのいずれか一項に記載のエンジン・ピストン。
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