JP2004509649A - 屠体等の製品の自動切断 - Google Patents

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ボイス,フィリップ・ロドニー
オーウェン,ジェフリー・スチュアート
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カマンウェルス・サイエンティフィック・アンド・インダストリアル・リサーチ・オーガナイゼイション
オーストラリアン・フード・インダストリー・サイエンス・センター
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Abstract

屠殺された動物の屠体(10)を自動的に縦割りするための方法および装置が記載される。装置はキャリッジ(22)上に取付けられる鋸アセンブリ(17)および超音波スキャナ(30)を含む。アセンブリ(17)を支持部(16)に沿ってキャリッジ(22)により移動させるので、鋸刃(18)は背骨の基部で切断を開始し、背骨の線をたどって下方向に徐々に進む。スキャナ(30)は屠体(10)をスキャンし、データ信号を処理して、刃(18)が屠体(10)を縦割りする点のすぐ前方で背骨の位置を突きとめ、および/またはその構成を決定する。処理された信号を用いて、横方向への移動、回転移動、垂直移動、傾斜移動およびヨーイング移動を含む刃(18)の移動度を制御する。装置はまた、他の医療用、獣医学用または法医学用の適用において、または内部構造を有する工業製品、人工物または考古学上の物品を切断するために、所望の切断線をたどることもできる。

Description

【0001】
【発明の分野】
この発明は、生物学的製品等の製品の切断に関し、特に(しかし排他的にではなく)たとえば、食肉処理場、除骨工場等において動物の屠体を縦割りすることに関する。
【0002】
【発明の背景】
製品の切断を、内部構造の変化を把握するよう、望ましくは注意深く制御する多くの分野がある。たとえば、医療用および獣医学用の目的、および法医学用の目的を含む、人および動物の組織の切断において、切断または切開の線は、例えば臓器、骨、筋肉、腱、神経、動脈等の位置を考慮に入れる上で最も重要であり得る。現在までこのような切断は本質的に、人間オペレータの知識および技術に頼っている。
【0003】
食肉処理場および除骨工場における屠殺された動物の屠体を処理する別の分野では、屠体または屠体部分の切断は、縦割りされた屠体の片身およびより小さな切片等の、必要とされる肉片を作り出すために行なわれる。これらのプロセスは、主として手動でまたは手動制御の下で行なわれる。
【0004】
屠殺された動物(牛、羊および豚を含む)の処理においては、屠殺された動物は、頭部および内臓が取除かれた後、背骨に沿って二つに半分に縦割りされる。屠体を縦割りするための自動的な装置が過去において提案され開発されており、鋸を背骨に沿って配置しそこを辿らせるためのさまざまな手段が開発されてきた。鋸が背骨の中心から大きくずれることは望ましくない。というのも、これにより肉への損傷、および肉の損失または肉の価値の低下のどちらかにつながるおそれがあるからである。たとえば、鋸が背骨からずれ、背骨の一方側の肉を通って切断した場合、鋸による肉の損失および肉に対する損傷は、生産業者にとって費用が高くつくおそれがある。
【0005】
過去において、屠体縦割り作業の間、屠体用割り鋸を背骨の上で正確に中心に維持しようとするために開発された機械システムがあった。たとえば、既知の位置で屠体を堅固にクランプすることが提案されるかまたは試みられたが、これは処理されている屠体間の均一性が高いことに依存しており、個々の動物間には著しい解剖学上の違いがあることが理解されている。たとえば、屠体の正中面から背骨が側方へずれることよって、たとえ移動に対してしっかりとクランプされていたとしても、縦割りの線が背骨の中心からずれてしまうおそれがある。
【0006】
過去おいても、屠体の縦割り作業中に背骨の線を機械的に追跡することにより、鋸がさらに正確に背骨の線を辿るようにするための試みがなされている。たとえば、米国特許第5,312,292号(ランキン(Rankin)他)において、背骨を追跡するかまたは辿る手段を有する屠体縦割り装置が開示されており、この手段は、背骨の対向する両側上で屠体と係合するようにされ、かつ背骨をまたぐことにより、近接した切断鋸が背骨上で実質的に中心に留まるようにすることができる転がり接触車輪を含む。一般的な概念では、米国特許第4,667,368号(メンキ(Menqi))がまた、屠体縦割り作業の間背骨を辿る機械的な案内装置を開示する。背骨を追跡するかまたは辿るこれらの機械的な装置は、正確な追跡機能を維持することができるよう、背骨の輪郭が十分にはっきりと示されていることに依存する。背骨の輪郭が(たとえば、動物の種類もしくは種族、または縦割りされる個々の動物の屠体の解剖学的な特徴によって)あまりはっきりと示されない場合、このような機械的な追跡システムは依然として、屠体を不正確に縦割りするという結果を生じるおそれがある。
【0007】
【発明の概要】
第1の局面におけるこの発明の目的は、内部構造を有する製品を、内部構造の構成に応じた経路に沿って自動的に切断する方法を提供することである。
【0008】
第2の局面におけるこの発明の目的は、人または動物の胴体部分を、内部組織構造に応じた経路に沿って自動的に切断するための方法および装置を提供することである。
【0009】
第3の局面におけるこの発明の目的は、背骨の中心に沿って正確に維持されたまま縦割りできるように、屠殺された動物の屠体を縦割りするための方法および装置を提供することである。
【0010】
第3の局面におけるこの発明の好ましい目的は、屠体縦割り作業の正確さを維持するために、機械的なシステムに対する有益な代替物を少なくとも与え得る、屠殺された動物の屠体を縦割りするための方法および装置を提供することである。
【0011】
この発明に従って、第1の局面では、内部構造を有する製品を、内部構造の構成に応じた態様で自動的に切断するための方法が提供される。この方法は、製品を、少なくとも1方向への移動に対して抑制するよう支持するステップと、経路に沿って製品を切断するために、切断手段を相対的に動かすことにより、移動に対して支持され抑制されている製品を切断するステップと、切断位置の前方で製品をスキャンして、製品の内部構造の配置および/または構成に関するデータを含むデータ信号を生成するステップと、スキャン動作からのデータ信号を処理して、内部構造の配置および/または構成に応じた制御信号を生成するステップと、内部構造の構成に応じた経路に沿って製品を切断するために、制御信号に応答して、切断作業の間少なくとも2自由度で切断手段の位置を制御するステップとを含む。内部構造を検出するために製品をスキャンすることにより、それらの内部構造を考慮に入れるよう経路に沿って切断することが可能となる。これは、植物材料(果物、野菜、木材等)および(法医学用の処置を含む、医療/外科用もしくは獣医学用の目的または処置のための)動物材料等の自然産物を切断することなどの幅広い種類の適用に対して有益であり得、また、製造品、人工物およびおそらくは考古学上の物品の切断に対しても有益であり得る。
【0012】
製品が堅固なものでなく、製品またはその内部構造にある程度柔軟性があるとき、移動に対して製品を抑制するステップは、好ましくは、切断が行なわれる範囲全体において製品を抑制するステップを含み、このため、製品がスキャンされ内部構造の構成が決定された後、しかし切断手段が経路に沿って切断を行なう前には、製品の内部構造には実質的な移動はない。
【0013】
好ましくは、製品を、その内部構造の位置を突きとめるためにスキャンするステップは、切断位置近くで、たとえば切断手段より数センチメートル前方で行なわれる。
【0014】
製品をスキャンするステップは、好ましくは、製品内での信号の生成を含み、そのエコーが、異なった密度を有する隣り合った内部構造間における界面での反射から検出されて、データ信号を生成する。
【0015】
特に、スキャンするステップは好ましくは、超音波スキャンプロセスを含み、超音波パルスが、製品の表面に沿って徐々に進められるソースによって製品内に発生し、関連する検出器が、異なる密度を有する内部構造間の界面からの反射またはエコー信号を検出するために提供および配置され、検出器はデータ信号を生成するよう動作する。
【0016】
自由度は好ましくは、切断手段の回転移動の少なくとも1自由度を含む。
この発明の第2の局面に従って、動物の胴体部分の組織を自動的に切断するための方法が提供されるが、この方法は、動物の胴体部分を、少なくとも1方向への実質的な移動に対して抑制するような態様で支持するステップと、胴体部分に沿って相対的に切断手段を移動させることにより、支持されている胴体部分を切断するステップと、切断位置の前方で胴体部分の組織をスキャンして、胴体部分の内部構造の配置および/または構成に関するデータを含むデータ信号を生成するステップと、スキャン動作からのデータ信号を処理して、内部構造の配置および/または構成に応じた制御信号を生成するステップと、内部構造の構成に応じた経路に沿って胴体部分を切断するために、制御信号に応答して、切断作業の間少なくとも2自由度で切断手段の位置を制御するステップとを含む。
【0017】
胴体部分またはその内部構造にある程度の柔軟性がある場合、移動に対して胴体部分を抑制するステップは、好ましくは、切断が行なわれる範囲全体において胴体部分を抑制するステップを含み、したがって、胴体部分がスキャンされ内部構造の構成が決定された後、しかし切断手段が経路に沿った切断を実行する前には、胴体部分の内部構造には実質的な移動はない。
【0018】
胴体部分を、その内部構造の位置を突きとめるためにスキャンするステップは好ましくは、切断位置近くで、たとえば切断手段より数センチメートル前方で行なわれる。
【0019】
胴体部分をスキャンするステップは、胴体部分内での信号の生成を含んでいてもよく、そのエコーが、異なる密度を有する隣り合った内部組織構造間の界面での反射から検出されて、データ信号を生成する。
【0020】
特に、スキャンするステップは、好ましくは超音波スキャンプロセスを含み、そのプロセスでは、超音波パルスが胴体部分の表面に沿って徐々に進められるソースによって胴体部分内に発生し、関連する検出器が、異なる密度を有する内部組織構造間の界面からの反射またはエコー信号を検出するために提供および配置され、この検出器はデータ信号を生成するよう動作する。
【0021】
この発明の第1の局面と同様に、移動度は、好ましくは切断手段の回転移動の少なくとも1自由度を含む。
【0022】
胴体部分は、屠殺された動物の屠体の一部からなっていてもよく、この場合、屠体の一部を切断することにより、その部分を少なくとも2つの屠体の小区分に分割することができ、その切断経路は屠体の胴体部分内の骨の構成に依存する。
【0023】
たとえば、屠体部分は、背骨に沿って縦割りされた屠殺された四肢動物の2つの片側半分のうち1つを含んでいてもよく、屠体部分の切断には、屠体の片側半分を、前四分体および後四分体から選択される予め定められた市場向きの切片、臀部、ランプおよびロイン、ショートロイン、ストリップロイン、リブセット、チャックアンドブレード、チャックスクエアカット、ネック、胸肉、脛肉、リブを含む主要な切片、ならびに他の標準的な屠体の切片に切断することを含む。
【0024】
この発明の、第2の局面の特別な事例である第3の局面に従って、屠殺された動物の屠体を自動的に縦割りするための方法が提供され、この方法は、屠体を、実質的な横方向の移動または他の自由移動度に対して抑制するよう支持するステップと、屠体に沿って縦方向に縦割り手段を相対的に移動させることにより、支持されている屠体を縦割りするステップと、縦割り位置の前方で動物の屠体の組織をスキャンして、屠体の背骨の位置および/または構成に関するデータを含むデータ信号を生成するステップと、スキャン動作からのデータ信号を処理して背骨の配置および/または構成に応じた制御信号を生成するステップと、実質的に背骨の中心に沿って屠体を縦割りするために、制御信号に応答して、縦割り作業の間少なくとも2自由度で縦割り手段の位置を制御するステップとを含む。
【0025】
縦割り作業の進行に合せて縦割り位置の前方で屠体の組織をスキャンすることにより、および好ましくは背骨の中心の位置を突きとめるためにスキャン動作からのデータ信号を処理することにより、背骨の中心線に沿って縦割りするための線を正確に維持することが可能となる。
【0026】
屠体を支持するステップは、好ましくは、屠体の縦割りのプロセスの間、縦割り作業が行なわれている範囲全体において、屠体を少なくとも横方向に抑制するステップを含み、このため、屠体の背骨がスキャンされ、その中心線が決定された後、しかし縦割り手段が背骨を縦割りする前には、屠体の背骨には実質的な移動はない。好ましくは、スキャン手段は、縦割りする位置近くに、たとえば切断手段より数センチメートル前方に配置される。
【0027】
好ましくは、組織をスキャンするステップは信号の生成を含み、そのエコーは骨と他の組織との間の界面での反射から検出される。スキャンするステップは、超音波スキャン動作を含んでいてもよく、超音波パルスが、背骨付近で屠体の表面に沿って徐々に進められるソースによって発生し、関連する検出器が骨と他の組織との間の界面からの反射またはエコーパルスを検出し、データ信号を生成する。
【0028】
好ましくは、自由度は切断手段の回転移動の少なくとも1自由度を含む。
第4の局面におけるこの発明もまた、動物の胴体部分の組織を自動的に切断するための装置を提供し、この装置は:
動物の胴体部分を、少なくとも1方向への実質的な移動に対して抑制するように支持するための支持手段と、
支持手段によって支持されている胴体部分を切断するよう動作する切断手段とを含み、切断手段は、切断経路を追跡するよう胴体部分に沿って相対的に切断手段を移動させるための移動手段を含み、この装置はさらに、
切断手段の切断位置の前方で胴体部分の組織をスキャンするためのスキャン手段を含み、スキャン手段は、胴体部分の内部構造の配置および/または構成に関するデータを含むデータ信号を生成するよう動作し、この装置はさらに、
スキャン手段からのデータ信号を処理するための処理手段を含み、処理手段は、内部構造の配置および/または構成に応じた制御信号を生成するよう動作し、この装置はさらに、
内部構造の構成に応じた切断経路に沿って胴体部分を切断するために、制御信号に応答して、切断作業の間少なくとも2自由度で切断手段の位置を制御するよう動作する制御手段を含む。
【0029】
スキャン手段は、好ましくは胴体部分内で超音波パルスを発生させるよう動作する超音波スキャナを含み、超音波スキャナは、胴体部分の表面に沿って徐々に進むよう配置されたソース、および異なる密度を有する内部組織構造間の界面からの反射またはエコー信号を検出するために提供および配置される関連する検出器を含み、この検出器はデータ信号を生成するよう動作する。スキャン手段の検出器は、好ましくは骨と他の組織との間の界面で反射した超音波信号のエコーを検出するよう動作し、処理手段は、胴体部分内の骨の配置および構成についての情報をデータ信号から決定するよう動作する。
【0030】
ある特定の好ましい実施例では、胴体部分は屠殺された動物の屠体を含み、切断手段は、背骨の中心線に沿って切断することにより屠体を二つに半分に縦割りするよう動作する縦割り手段を含み、処理手段は、検出器からのデータ信号を分析して背骨の中心の位置を突きとめるよう動作し、フィードバック制御信号を与えて、縦割り手段が背骨の線に沿ってスキャナの後に続く状態で、縦割り手段の位置を自動的に制御するよう動作する。この実施例では、移動手段は好ましくは、背骨の概ね縦線に沿って縦割り手段を進めるための前進駆動手段を含み、制御手段は制御信号に応答して動作する位置決め手段を含み、この位置決め手段は:
制御信号に応答して、縦割り手段が前進駆動手段により進められるときに、屠体の背骨の縦線に相対的に横方向に縦割り手段を選択的に移動させるよう動作する横方向位置決め手段と、
制御信号に応答して、縦割りする瞬間方向の面の、背骨の縦線に対する傾きを変えるよう動作するロール位置決め手段と、
制御信号に応答して、屠体の背骨に沿って縦割り手段が前進移動する面に対して直交する軸を中心に、縦割り手段を傾斜させるよう動作する傾斜位置決め手段とのうち、少なくとも2つを含む。
【0031】
切断手段は可変速度で切断経路に沿って移動可能であってもよく、処理手段は切断される組織の種類および/または密度および/または寸法に応じて切断手段の進む速度を制御するために、速度制御信号を生成することができる。
【0032】
この発明の第3および第4の局面のうち考えられ得る好ましい特徴が、添付の図面に特に関連して記載される。しかしながら、図面に例示され、これに関連して記載される特徴はこの発明の範囲を制限するものと見なされるべきではないことが理解されるべきである。
【0033】
[実施例の詳細な説明]
図面の図4には、高架レール13から(各後脚12に対して1つずつ)フック11に吊るされた肉用牛の屠体10が例示される。これは食肉加工工場において屠体を吊るす従来の方法である。屠体10は頭部、尾部および皮が除去され、内臓が除去され、胸骨または胸肉が屠体縦割り作業に先立って縦割りされている。
【0034】
屠体処理ライン上の縦割りステーションでは、縦割り装置15が設けられる。装置15は、その縦割り作業の間、一般的に直立に延在し、屠体スプリッタアセンブリ17を支持する主支持部16を含む。アセンブリ17は、例示の実施例においては帯鋸からなる鋸刃18を含むが、この発明は往復鋸、丸鋸および(豚の屠体を縦割するのにしばしば用いられる)クリーバーをも含む他の縦割り機構に適用することもできる。例示の実施例では、鋸刃18は支持部16の近くに関連する駆動部19を有し、刃18は、内方シュラウド21および支持部16から間隔をあけて外方向に置かれた外方シュラウド20の内側沿いで動く。
【0035】
スプリッタアセンブリ17は、支持部16に沿って、たとえば軌道23に沿って垂直に、選択的に移動可能なキャリッジ22上に取付けられる。この目的のために、垂直動作駆動部24を、支持部16上で一般的に垂直に屠体スプリッタアセンブリ17を駆動するために、キャリッジ22と関連付けて設けてもよい。屠体縦割り作業の間、後に十分に記載されるように、駆動部24は、尾部から始まり頭部の方向へ下向きに移動して屠体を縦割りするために、キャリッジ22および鋸18を上がった位置から下方向へ移動させる。
【0036】
またキャリッジ22に関連して、たとえば屠体の重量のいくらかを支えるために、屠体を支える屠体支持部65があってもよい。屠体支持部65は、間隔を空けられたローラ66またはガイドを含んでいてもよく、これらは屠体の背面を支え、背骨をまたぎ、これらローラが支持部16から離れていく方向に押すことにより屠体の重量をいくらか支えるように位置付けられ、これにより屠体の積極的で確実な中心配置が達成されるか、または少なくともローラ66によって援助される。鋸刃18は、背骨を切断する範囲において背骨が横方向の移動に対して積極的に抑制されるように、ローラ66に極めて近接して後に続くことにより、背骨を通って切断することができる。ガイドローラのこのような配置は、米国特許第5,312,292号にさらに記載される。
【0037】
スキャナ30を、切断刃18の前方で屠体の背骨に沿って移動させるために取付し配置する。好ましい実施例では、スキャナ30は、鋸刃18のわずかに前方で屠体10の背面に接触する超音波装置である。超音波トランスデューサ31は、屠体の表面で、組織を通って伝播する超音波パルスを発生させる。超音波パルスのエコーまたは反射は、屠体組織内の密度の不連続な箇所で生じる。背骨の棘状突起の骨組織と、結合組織、筋肉組織または脂肪組織等の隣り合った他の組織との間の界面で生じる顕著な密度の不連続性のため、背骨の表面には強い信号反射がある。トランスデューサ31は、反射されたパルスに応答して、ライン71を介するデータ信号の検出および生成を行ない、これらの反射されたパルスを分析するよう動作する処理手段70を設けることにより、背骨の、たとえば配置および構成の特徴を決定することができる。たとえば、鋸刃18が切断しようとするときに沿う背骨の中心線を決定することができる。トランスデューサ31における超音波発信器および超音波検出器の構成、および関連する処理回路または処理手段70のソフトウェアを備えることを必要とすることなく、背骨の完全な輪郭を正確に決定することができる。これは単に中心線を決定するために好ましいにすぎない。したがって、鋸刃18の前方で実質的に背骨に沿って移動する単一のパルス発信器および1つの検出器、または隣り合った、もしくは背骨をはさんで向かい側にある2つの検出器を有することで十分であり得る。好適な分析手段70が、背骨の詳細な構成を決定する試みを必要とすることなく中心線を決定するには、検出された反射されたパルスの対称性があれば十分であり得る。
【0038】
動物の組織からの超音波パルス反射の分析は、十分に開発された技術であり、たとえば、格付けの目的のために動物の背中の脂肪の深さを決定するのに用いられる。したがって、超音波トランスデューサのタイプ、それらの構成、ならびに検出された信号を分析するための回路およびソフトウェアは、超音波トランスデューサを用いる当業者によってすべて決定されてもよい。これに代えてトランスデューサおよび処理回路またはソフトウェアの好適な構成は実験に基づいて決定されてもよい。
【0039】
トランスデューサ31と屠体10の背面との間の良好な音響結合を達成することが望ましい。食用の肉製品に対するいくらかの油等の、いくつかの公知の音響結合材料を適用することは容認されないことがあるので、この発明では、良好な音響結合を得るためにトランスデューサ31付近の屠体10の上に殺菌水を噴霧することが好ましいことがある。縦割りアセンブリ17は、トランスデューサ31の近くまたはそのちょうど前方にある屠体表面に噴霧するために配置された水噴霧装置を含んでいてもよい。
【0040】
ライン70を介する、トランスデューサ31からの検出されたデータ信号を分析し、背骨の中心線を決定する際の処理手段70の作業によって、次にライン72、73、74および75を介する制御信号を生成して、トランスデューサ31のすぐ後方の屠体と相対的に移動する鋸刃18の位置を制御することができる。
【0041】
たとえば、背骨の中心線が、鋸刃18が現在配置されているところから横方向に(すなわち、鋸刃18が進んでいる、屠体の正中面とされる直立面と直交する方向に)シフトしていると判断された場合、ライン75を介して生成された制御信号を用いて、横方向の位置にある鋸刃18を、それが背骨に沿って移動するように中心に維持して移動させることができる。この目的のために、装置は、屠体10と相対的に横方向に鋸アセンブリ18、19および20を選択的に移動させるよう動作する、(内方シュラウド21およびキャリッジ22の後方に隠れた)横方向位置決め手段35を含む。図2および図3に最良に示されるように、キャリッジ22上に取付けられるスプリッタアセンブリはベースフレーム40およびサブフレーム41を含む。ベースフレーム40は、後にさらに記載されるとおり(図2の矢印Bの方向に)前進および後退移動が可能であるように、キャリッジ22によって取付けられる。鋸アセンブリ18、19および20が取付けられるサブフレーム41は、横方向位置決め手段35によりベースフレーム40に可動に取付けられる。横方向位置決め手段35は、サブフレーム41を、直線的にベースフレーム40の方へおよびそれから離れるよう、すなわち、鋸刃18が進む垂直面に直交する矢印Aの方向に、選択的に移動させるよう動作する。この構成では、横方向位置決め手段35は、制御信号に応答して、たとえ背骨の中心線がその長さにわたって横方向にずれていても、背骨の中心線を辿るよう鋸刃18を位置決めすることができる。動物の屠体を縦割りする際の実際の作業に対しては、最大数センチメートルの横方向への移動で十分であり得ることが判明するだろう。横方向位置決め手段35は、空気圧または液圧ラム等のいかなる便宜的な手段を含んでいてもよく、これらのラムは、サブフレーム41をベースフレーム40の方へおよびそれから離れるよう移動させるために、ベースフレーム40により取付けられ、サブフレーム41に結合される。
【0042】
上述のように、ベースフレーム40は、鋸アセンブリ18、19および20を前進および後退させるために、キャリッジ22を前進および後退移動させることが可能である。この前進および後退移動は、ベースフレーム40とキャリッジ22との間で動作する任意の便宜的な駆動手段38によって達成され得る。前進および後退移動は、主に、縦割り作業を制御するための縦割り手段の移動度として設計されるわけではなく、縦割り作業の開始に先立ち、および縦割り作業の終わりに縦割りアセンブリを位置決めするためにさらに意図するものであり、これは図面の図4から図9に示される手順に関連して、後にさらに記載される通りである。
【0043】
屠体の縦割り作業に追加の制御を提供するのに望ましい、鋸刃18のさらなる移動度がロール制御である。「ロール」とは、瞬間切断方向の面の垂直への傾きを意味する。
【0044】
図2では特に、トランスデューサ31からのデータ信号71を処理する手段70からの、ライン74を介する制御信号に応答して動作するロール位置決め手段45が概略的に例示される。ロール位置決め手段45は鋸刃18の瞬間切断方向を変えるよう動作する。ロール位置決め手段45は取付ベアリング46を含み、この取付ベアリングを通って鋸アセンブリ18、19および20が、制限された回転移動のためにサブフレーム41に取付けられる。この回転移動とは、すなわち、鋸刃18の線と概して同一線上にある軸を中心とした、鋸アセンブリ18、19および20の角移動である。回転移動のこの方向が図2の矢印Cにより示される。矢印Cの方向への鋸アセンブリの選択的な角移動を達成するために、装置は、その取付けベアリング46において角度をつけて鋸アセンブリ18、19および20を移動させるよう選択的に動作される回転駆動部47を含む。
【0045】
ロール位置決め手段45は、通常、横方向位置決め手段35の動作と関連して、縦割り作業中に用いられる。たとえば、屠体の背骨が横方向に曲がった後、垂直に下がるよう再び真直ぐになる場合、スキャナからのデータ信号71を装置70によって処理して、ずれを検出し、ライン74および75を介して横方向位置決め手段35とロール位置決め手段45との両方に対し、制御信号を生成することができる。鋸アセンブリをわずかに回転させて刃18の切断面を変えることにより、また同時に、横方向位置決め手段35により鋸アセンブリ18、19および20を横方向に移動させることにより、縦割り線は、それが横方向にずれ、さらに再び垂直線に戻るようずれるとき、背骨の線を正確に辿ることができる。刃の回転および横方向への移動を同時に行なうことにより、横方向の移動のみ、または回転移動のみによって刃18が被る機械的な応力は、実質的に減じられるかまたはなくすことができ、これにより、湾曲した背骨を辿ることによる帯鋸18の破損を減ずるかまたはなくすことができる。
【0046】
例示の実施例に提供される鋸刃18のさらなる移動度は、傾き制御であり、すなわち垂直な縦割り作業の間、刃の水平方向への傾きを制御するものである。図2と比べて図3に示されるとおり、装置は傾斜位置決め手段50を含み、この手段はライン73を介する制御信号に応答して動作し、鋸刃の切断面に直交する概して水平な軸を中心に鋸刃18を選択的に傾斜させる、すなわち、図3の矢印Dの方向に刃18を傾斜させる。例示の装置における傾斜位置決め手段50は空気圧または液圧ラム51を含み、このラムは、ベースフレーム40と、傾斜移動が起こるときに中心とされる軸から外された鋸アセンブリ18、19および20の一部との間で動作可能である。図3では、矢印Dの方向への傾斜移動は駆動手段19の軸を中心に行なわれる。ラム51が鋸アセンブリと結合される点は、内方シュラウド21上の点であり得る。傾斜位置決め手段50によって得られた鋸刃18の移動度は、縦割り作業の開始のために鋸アセンブリを位置決めするのに有益であり、尾部が事前に除去された背骨の基部での、背骨との最初の接触点にまで接近した鋸刃の傾斜した線を用いることにより、より安全で確実に背骨の縦割りを開始することができる。これは図6に例示されており、また図7に示されるように、背骨の縦割りが腰部を越えて進むと、傾斜位置決め手段50を動作して鋸を水平な位置に戻すことができる。
【0047】
上述のように、キャリッジ22は、縦割り作業を実行するために、直立した主支持部16に沿って選択的に移動可能である。いかなる便宜的な駆動手段24を用いても、鋸刃の垂直な移動度を提供することができる。垂直移動は、予め定められた屠体の処理量を達成するために、予め定められたプログラムにより制御されてもよい。
【0048】
関連する駆動部24により制御される鋸刃18の垂直移動の速度はまた、トランスデューサ31からのデータ信号71を処理する手段70に、少なくとも一部が応答し得る。たとえばこれらのデータ信号は、骨組織の範囲および/または骨組織の密度についてデータをいくらか提供し得るので、屠体の縦割りを進めるのに最適な速度を得ることができる。加えて、またはこれに代えて、前進縦割り刃18に対する抵抗を検知する手段によりフィードバック情報が提供されて、スプリッタアセンブリ17の垂直移動の速度を制御することができる。駆動部24に対する速度制御信号はライン72を介して生成される(図2)。
【0049】
鋸刃18の考えられ得るさらなる移動度はヨー制御であるが、これは例示の実施例に提供されるものではない。ヨー位置決め手段を装置に設けて、刃の角度を、垂直線を中心としたその選択的な角度移動により、選択的に変えることができる。平面図を見るとおり、鋸刃18を、適切なヨー位置決め手段により角度をつけて移動して、特に背骨に、その長さにわたっていくらかねじりがある場合、屠体の背骨を通って正確に中心を維持した縦割りを行なうことができる。
【0050】
図4から図9には、屠体の縦割り作業中の一連の装置の位置が側面図に示される。これらの図面および以下の記載を参照することにより、この発明の方法および装置をさらによく理解することができる。
【0051】
図4には、従来の態様でレール13から後脚12で吊るされる屠体10の到着を待っている、準備または待機位置にある装置が示される。屠体が装置の前の縦割りステーションに到着すると、スプリッタアセンブリ17は間隔を空けられた後脚12の間に位置決めされる。
【0052】
図4に示されるとおり、主支持部16は後方に傾いた位置にある。これは床の高さに支持部16の回動可能な取付部60を設けることにより達成される。傾き位置決め手段61は支持部16の上端部に設けられ、また、支持部16の頂端部がその間を移動する、間隔を空けられたガイド部材62を含む。空気圧または液圧ラム(または他の好適な駆動部)63を選択的に動作させて、屠体10が到着し、縦割りステーションで所望の位置に配置されると、支持部16を、図4に示される後方に傾いた位置から図5に示される直立し「前方に傾いた」位置へ引っ張る。図5に示されるように、アセンブリ17は次いで、屠体10の後脚12の間に位置決めされるが、依然として後退した位置にある。
【0053】
図6に示されるように、図5と比べて、傾斜位置決め手段50を動作して、鋸アセンブリを図6に示される上向きに傾いた位置に傾斜させることができる。同時にまたはその後、前進位置決め手段38を動作してキャリッジ22内でベースフレーム40を進め、これによりスキャン手段30が屠体10と動作的に関連付けられ、スキャン手段30は、尾部が除去されており、そこで縦割り作業が開始される背骨の基部の下方すぐ近くに位置決めされる。鋸アセンブリの図6に示される位置への前進移動の間、自由な横方向または他の移動に対して屠体を抑制するための屠体横方向抑制ローラ66または他の手段を前進させて、屠体を係合しかつ背骨をまたぐ動作的な位置をとることもできる(が、便宜上、図6および図7には、ローラ66が依然として後退した状態で示される)。次いで鋸アセンブリを動作し、これをキャリッジ22の移動により支持部16に沿って下方向に移動させると、鋸刃18が背骨の基部で縦割り作業を開始し、図7に示されるとおり屠体の背骨の線を辿り徐々に下方向に進む。この作業の間、傾斜位置決め手段50を動作して、鋸18を概して水平な位置に戻すことができる。
【0054】
縦割り作業の間、スキャン手段30は屠体の背骨を辿り、ライン71を介するスキャン手段30からのデータ信号を処理手段70において処理して、鋸18が屠体を縦割りする点のすぐ前方の背骨の配置および/またはその構成の決定を行なう。ライン72、73、74および75を介する、処理手段70からの制御信号を用いて、(好ましい実施例において)横方向への移動(矢印Aの方向)、回転移動(矢印Cの方向)、垂直移動、および所望の場合、傾斜移動(矢印Dの方向)を含む鋸刃の移動度を制御する。
【0055】
鋸アセンブリが屠体を通り過ぎて、縦割り作業の完了となる、図8に示される垂直移動の端部に到達すると、前進位置決め手段38を動作して、図9に示されるとおり鋸アセンブリを支持部16の方に引戻すことができる。分割されそしてそれぞれのフックから吊るされている屠体の片身は、高架レール13から吊るされたまま縦割りステーションから離れていき、鋸アセンブリを通りすぎる。図9に示される位置にある鋸アセンブリは、当該産業において公知のとおり、温水により洗浄され殺菌され得る。この後、縦割りアセンブリが支持部16を上がって戻り、支持部16を後方に傾けることができるので、装置は、次の屠体の到達に先立って、図4に示される位置に戻される。
【0056】
図面に関連してこの明細書中に特に記載されるこの発明に従った、屠殺された動物の屠体を縦割りするためのプロセスおよび装置により、一連の屠体の特徴および構造における著しい変化にもかかわらず、背骨の中心線に沿った屠体の正確な縦割りが可能となり得ることがわかる。特定の動物の屠体の間にある個々の違いだけでなく、異なった年齢および種族の動物の間にある個々の違いにも適応することができる。もちろん、動物種の間にある違いなどの全体的な違いは、それぞれの背骨の中心線を決定するために異なった処理回路またはソフトウェアを必要とすることがあるが、それにもかかわらず、この発明のプロセスおよび装置の原理は同じままである。
【0057】
同様に、図面に関連してこの明細書中に記載される、この発明に従った屠殺された動物の屠体を縦割りするためのプロセスおよび装置を修正および適用して、内部組織の構造に応じた経路に沿って、人または動物の胴体部分を自動的に切断することが可能となり得ることがわかる。実際には、この方法および装置はその使用に際してさらに一般化されて、切断の経路を決定する際に考慮されるべき内部構造を有する製品を自動的に切断することができ、これらの製品は、植物材料(果物、野菜、木材等)および(法医学用の処置を含む、医療/外科用もしくは獣医学用の目的または処置のための)動物材料等の天然産物を含み、さらにまた工業製品、人工物、考古学上の物品を切断するためのものでもある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第3および第4の局面を実現する屠体縦割り装置の斜視図である。
【図2】図1の装置で用いられる縦割り手段の斜視図である。
【図3】動作された傾斜手段を示す図4に類似の縦割り手段の図である。
【図4】使用前の縦割りステーションでの装置の側面立面図である。
【図5】縦割り手段を動作位置の方へ進めるよう動作される傾き手段を示す側面図である。
【図6】傾斜した縦割り手段、および縦割り手段およびスキャン手段を縦割り作業開始の準備ができた位置に進めるよう動作される前進位置決め手段を示す装置の側面図である。
【図7】縦割り作業の初期段階での縦割り手段の位置を示す図である。
【図8】屠体を縦割りし、その垂直移動の終点に到着した後の縦割り手段を示す図である。
【図9】引戻された後の縦割り手段を示す図である。

Claims (26)

  1. 内部構造の構成に応じた態様で、内部構造を有する製品を自動的に切断するための方法であって、製品を、それが少なくとも1方向への移動に対して抑制されるよう支持するステップと、経路に沿って製品を切断するために切断手段を相対的に移動させることにより、移動に対して支持され抑制されている製品を切断するステップと、切断位置の前方で製品をスキャンして、製品の内部構造の配置および/または構成に関するデータを含むデータ信号を生成するステップと、スキャン動作からのデータ信号を処理して、内部構造の配置および/または構成に応じた制御信号を生成するステップと、内部構造の構成に応じた経路に沿って製品を切断するために、制御信号に応答して、切断作業の間少なくとも2自由度で切断手段の位置を制御するステップとを含む、方法。
  2. 製品が堅固なものではなく、製品またはその内部構造にいくらか柔軟性があり、移動に対して製品を抑制するステップは、切断が行なわれる範囲全体において製品を抑制するステップを含み、このため、製品がスキャンされ、その内部構造の構成が決定された後、しかし切断手段が経路に沿って切断を実行する前には、この製品の内部構造には実質的な移動がない、請求項1に記載の方法。
  3. 製品を、その内部構造の位置を突きとめるためにスキャンするステップは切断位置近くで行なわれる、請求項1または2に記載の方法。
  4. 製品をスキャンするステップは、製品内での信号の生成を含み、そのエコーが、異なる密度を有する隣り合った内部構造間における界面での反射から検出されて、データ信号を生成する、請求項1から3のいずれか1つに記載の方法。
  5. スキャンするステップは超音波スキャンプロセスを含み、超音波パルスが製品の表面に沿って徐々に進められるソースによって製品内に発生し、関連する検出器が、異なる密度を有する内部構造間の界面からの反射またはエコー信号を検出するために提供および配置され、検出器はデータ信号を生成するよう動作する、請求項4に記載の方法。
  6. 自由度は切断手段の回転移動の少なくとも1自由度を含む、請求項1から5のいずれか1つに記載の方法。
  7. 動物の胴体部分の組織を自動的に切断するための方法であって、前記動物の胴体部分を、少なくとも1方向への実質的な移動に対して抑制するような態様で支持するステップと、胴体部分に沿って相対的に切断手段を移動させることにより、支持されている胴体部分を切断するステップと、切断位置の前方で胴体部分の組織をスキャンして、胴体部分の内部構造の配置および/または構成に関するデータを含むデータ信号を生成するステップと、スキャン動作からのデータ信号を処理して、内部構造の配置および/または構成に応じた制御信号を生成するステップと、内部構造の構成に応じた経路に沿って胴体部分を切断するために、制御信号に応答して、切断作業の間少なくとも2自由度で切断手段の位置を制御するステップとを含む、方法。
  8. 胴体部分またはその内部構造にいくらかの柔軟性があり、移動に対して胴体部分を抑制するステップは、切断が行なわれる範囲全体において胴体部分を抑制するステップを含み、このため、胴体部分がスキャンされ内部構造の構成が決定された後、しかし切断手段が経路に沿って切断を実行する前には、胴体部分の内部構造には実質的な移動がない、請求項7に記載の方法。
  9. 胴体部分を、その内部構造の位置を突きとめるためにスキャンするステップは切断位置近くで行なわれる、請求項7または8に記載の方法。
  10. 胴体部分をスキャンするステップは胴体部分内での信号の生成を含み、そのエコーが、異なる密度を有する隣り合った内部組織構造間の界面での反射から検出されて、データ信号を生成する、請求項7から9のいずれか1つに記載の方法。
  11. スキャンするステップは超音波スキャンプロセスを含み、超音波パルスが、胴体部分の表面に沿って徐々に進められるソースによって胴体部分内に発生し、関連する検出器が、異なる密度を有する内部組織構造間の界面からの反射またはエコー信号を検出するために提供および配置され、検出器はデータ信号を生成するよう動作する、請求項10に記載の方法。
  12. 自由度は切断手段の回転移動の少なくとも1自由度を含む、請求項7から11のいずれか1つに記載の方法。
  13. 胴体部分は屠殺された動物の屠体の一部分からなり、屠体の前記部分の切断は、その部分を、屠体の胴体部分内の骨の構成に応じた切断の経路で、少なくとも2つの屠体の小区分に分割する、請求項7から12のいずれか1つに記載の方法。
  14. 屠体部分は、背骨に沿って縦割りされた屠殺された四肢動物の2つの片側半分のうち1つからなり、屠体部分の切断は屠体の片側半分を、前四分体および後四分体から選択される予め定められた市場向きの切片、臀部、ランプおよびロイン、ショートロイン、ストリップロイン、リブセット、チャックアンドブレード、チャックスクエアカット、ネック、胸肉、脛肉、リブを含む主要な切片、ならびに他の標準的な屠体の切片に切断するステップを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 屠殺された動物の屠体を自動的に縦割りする方法であって、屠体を、実質的な横方向への移動または他の自由移動度に対して抑制するように支持するステップと、縦割り手段を屠体に沿って縦方向に相対的に移動させることにより、支持されている屠体を縦割りするステップと、縦割り位置の前方で動物の屠体の組織をスキャンして、屠体の背骨の配置および/または構成に関するデータを含むデータ信号を生成するステップと、スキャン動作からのデータ信号を処理して、背骨の配置および/または構成に応じた制御信号を生成するステップと、実質的に背骨の中心に沿って屠体を縦割りするために、制御信号に応答して、縦割り作業の間少なくとも2自由度で縦割り手段の位置を制御するステップとを含む、方法。
  16. 屠体を支持するステップは、屠体を縦割りするプロセスの間、縦割り作業が行なわれている範囲全体において屠体を少なくとも横方向へ抑制するステップを含み、このため、屠体の背骨がスキャンされその中心線が決定された後、しかし縦割り手段が背骨を縦割りする前には、屠体の背骨には実質的な移動がない、請求項15に記載の方法。
  17. スキャン手段は縦割り位置近くに配置される、請求項15または16に記載の方法。
  18. 組織をスキャンするステップは信号の生成を含み、そのエコーが骨と他の組織との間の界面での反射から検出される、請求項15から17のいずれか1つに記載の方法。
  19. スキャンするステップは超音波スキャン動作を含み、超音波パルスが、背骨の近くで屠体の表面に沿って徐々に進められるソースによって発生し、関連する検出器により骨と他の組織との間の界面から反射またはエコーパルスを検出し、データ信号を生成する、請求項18に記載の方法。
  20. 自由度は切断手段の回転移動の少なくとも1自由度を含む、請求項15から19のいずれか1つに記載の方法。
  21. 動物の胴体部分の組織を自動的に切断するための装置であって、
    動物の胴体部分を、少なくとも1方向への実質的な移動に対して抑制するように支持するための支持手段と、
    支持手段により支持されている胴体部分を切断するよう動作する切断手段とを含み、切断手段は、切断経路を追跡するよう胴体部分に沿って相対的に切断手段を移動させるための移動手段を含み、前記装置はさらに、
    切断手段の切断位置の前方で胴体部分の組織をスキャンするためのスキャン手段を含み、スキャン手段は、胴体部分の内部構造の配置および/または構成に関するデータを含むデータ信号を生成するよう動作し、前記装置はさらに、
    スキャン手段からのデータ信号を処理するための処理手段を含み、処理手段は内部構造の配置および/または構成に応じた制御信号を生成するよう動作し、前記装置はさらに、
    内部構造の構成に応じた切断経路に沿って胴体部分を切断するために、制御信号に応答して、切断作業の間少なくとも2自由度で切断手段の位置を制御するよう動作する制御手段を含む、装置。
  22. スキャン手段は、胴体部分内に超音波パルスを発生させるよう動作する超音波スキャナを含み,超音波スキャナは、胴体部分の表面に沿って徐々に進むよう配置されたソース、および異なる密度を有する内部組織構造間における界面からの反射またはエコー信号を検出するために提供および配置される関連する検出器を含み、検出器はデータ信号を生成するよう動作する、請求項18に記載の装置。
  23. スキャン手段の検出器は、骨と他の組織との間の界面で反射された超音波信号のエコーを検出するよう動作し、処理手段は、胴体部分内の骨の配置および構成についての情報をデータ信号から決定するよう動作する、請求項22に記載の装置。
  24. 胴体部分は屠殺された動物の屠体を含み、切断手段は背骨の中心線に沿って切断することにより、屠体を二つに半分に縦割りするよう動作する縦割り手段を含み、処理手段は、検出器からのデータ信号を分析するよう動作して、縦割り手段が背骨の線に沿ってスキャナの後に続く状態で縦割り手段の位置を自動的に制御するために、背骨の中心の位置を突きとめ、フィードバック制御信号を与える、請求項21から23のいずれか1つに記載の装置。
  25. 移動手段は背骨の概ね縦線に沿って縦割り手段を進めるための前進駆動手段を含み、制御手段は制御信号に応答して動作する位置決め手段を含み、位置決め手段は、
    制御信号に応答して、縦割り手段が前進駆動手段により進められるときに、屠体の背骨の縦線と相対的に横方向に縦割り手段を選択的に移動させるよう動作する横方向位置決め手段と、
    制御信号に応答して、縦割りする瞬間方向の面の、背骨の縦線に対する傾きを変えるよう動作するロール位置決め手段と、
    制御信号に応答して、屠体の背骨に沿った縦割り手段の前進移動の面に直交した軸を中心に縦割り手段を傾斜させるよう動作する傾斜位置決め手段とのうち、少なくとも2つを含む、請求項24に記載の装置。
  26. 切断手段は切断経路に沿って可変速度で移動可能であり、処理手段は、切断される組織の種類および/または密度および/または寸法に応じて、切断手段の進む速度を制御するための速度制御信号を生成する、請求項21から25のいずれか1つに記載の装置。
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