JP2004509151A - 光増感剤 - Google Patents
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Abstract
PDTまたは健康異常の診断もしくは検出で光増感剤として使用する化合物を開示する。これは式(I)を有する化合物またはその塩で、式中、Photは光増感発色系であり、Xは直鎖もしくは分枝した0から5個の炭素原子(場合によって1つまたは2つ以上の親水基で置換されてあってもよい)を有するアルキルであり、Yは水素または直鎖もしくは分枝した1から5個の炭素原子(場合によって1つまたは2つ以上のヒドロキシ基で置換されてあってもよい)を有するアルキルであり、nは1から4の整数である。テトラスルホニルアミノグリシン亜鉛(II)フタロシアニンを除く式(I)の化合物は新規な化合物である。
Description
【0001】
本発明は、光増感剤(photosensitiser)として機能し、フォトダイナミック療法(PDT)として知られる治療の一タイプで使用することができるとともに、健康異常(medical conditions)の診断および検出、並びに光化学的細胞内取込み、癌ワクチンの製造および光殺菌を含む細菌感染の治療における関連する使用で用いることができる化合物に関する。
【0002】
【従来技術】
フォトダイナミック療法は、癌および他の疾患の治療に用いられる。前記治療では、光吸収化合物(光増感剤)が腫瘍または他の病巣に適用される。続いてレーザー光を用いて前記光増感剤を活性化させ、フォトダイナミック効果として知られるプロセスで腫瘍組織を破壊する。
前記光増感剤が光を吸収するとき、前記物質は、一重項酸素として知られる短命であるが高い活性を有する種を生成することができる。前記活性化光増感剤によって超酸化物イオン、O2 −もまた生成される。一重項酸素は腫瘍に対して有効な主要物質であると考えられる(ただし前記超酸化物もまた関与するであろう)。
光増感剤は腫瘍の悪性細胞への血液供給を破壊し、それによって最終的に腫瘍の酸素および栄養物を絶つと考えられている。また別には、光増感剤は腫瘍細胞の直接的破壊を惹起するかもしれない。
【0003】
PDTでこれまで使用されている光増感剤の1つは、ヘマトポルフィリン誘導体(HpD)として知られるポルフィリン(環式テトラピロール)の複合混合物である。HpDの市販版はフォトフリン(Photofrin)(登録商標)として入手可能である。フォトフリンは様々な国で種々の腫瘍タイプの治療を目的として承認されているが、前記は長期間の間に皮内に蓄積し、それによって自然光の下で望ましくない光感作を惹起することを含む種々の制限がある。
その他の多様な光増感剤がPDTの使用に提唱された。これらには個々のポルフィリン、フタロシアニン、ナフタロシアニンおよびクロリンが含まれる。スルホン化フタロシアニンは特に有効であると報告された(I. Rosenthal, Photochem. Photobiol., 1991, 53:859−70)。
【0004】
光増感剤はまた健康(内科的)異常の診断および検出で用いられる。前記用途の場合、光増感剤は内服的または局所的に患者に投与される。異常細胞は光増感剤を正常細胞よりも多く取り込み、したがって検査領域に光を当てたとき、異常細胞を含む領域は、正常細胞のみを含む領域よりも強い蛍光を示す。
テトラスルホニルアミノグリシン亜鉛(II)フタロシアニン(Tgly)はPDTのための有望な薬剤として報告された(J. Photochem. Photobiol. B; Biology., 45(1998) 28−35)。非生物学的な状態でのTGlyの性能は、臨床に用いられている2つの光増感剤および試験中の他の2つの薬剤と比較して遜色が無い。しかしながら、TGlyは赤血球を溶解させる能力が比較的弱く、したがってヒトまたは動物で用いられるPDT、診断、または検出で使用する場合には有望な薬剤とは考えられないであろう。
【0005】
一般に、有用で臨床的に効果を有する光増感剤については化学的および生物学的な種々の要件が存在する。前記化学的特性には、純度、活性化時の一重項酸素の高い量子収量、赤色から赤外領域の光の波長によって活性化される能力(なぜならばそのような光の照射は組織の深部に達するからである)、および水への溶解性が含まれる。しかしながら、前記の化学的基準を満たす増感体は、必ずしも臨床PDTで使用するために有利な生物学的特性を有しているわけではない。前記生物学的特性(これらには標的組織(例えば腫瘍)での局在性、皮膚の光感作がないこと、身体から迅速に除去されること、および適切な細胞内局在が含まれる)は、現在知られている化学的構造からは期待できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明にしたがえば、PDTにおいて、光化学的細胞内取込みにおいて、癌ワクチン製造において、または健康異常の診断もしくは検出において光増感剤として使用される化合物が提供される。前記化合物は下記式Iを有する化合物、またはその塩、好ましくは医薬的に許容されるその塩である:
【0007】
【化3】
【0008】
(式中、Photは光増感発色系、換言すれば、光増感発色系を表すラジカルで、分子種[Phot]HnがI型およびII型光酸化を光増感させることができるものであり、Xは直鎖または分枝した0から5個の炭素原子を有するアルキルであって、前記炭素原子は場合によって1つまたは2つ以上の親水基(例えばヒドロキシメトキシ、エトキシまたはカルボキシ)で置換されていてもよく、Yは、水素または直鎖もしくは分枝した1から5個の炭素原子を有するアルキルで、前記炭素原子は場合によって1つまたは2つ以上のヒドロキシ基で置換されていてもよく、さらにnは1から4の整数である。)
【0009】
好ましくはPhotは金属フタロシアニン、ベンゾポルフィリン、プルプリン、クロリンまたはバクテリオクロリンの残基である。
本発明の好ましい化合物は、下記式IIを有するフタロシアニン(Pc)誘導体である:
【0010】
【化4】
【0011】
(式中、Rは−NH−X−CO2Hであり、Xの好ましい例は−CH2−(上記ではTGlyと称し、下記ではTSZnPc−グリシンと呼ぶ)、−CH2CH2−(TSZnPc−β−アラニン)、−CH(CH3)−(TSZnPc−α−アラニン)、−(CH2)3−(TSZnPc−アミノ酪酸)、−(CH2)4−(TSBuPc−アミノ吉草酸)、および−(CH2)5−(TsZnPc−アミノカプロン酸)である。
【0012】
本発明に包含される他の化合物の例は以下のとおりである:
a)上記に示したテトラ−置換フタロシアニン構造物のモノ−、ジ−およびトリ−置換類似体、換言すれば、最初に述べた一般式IIでnが1、2または3の化合物;
b)モノ−、ジ−、トリ−およびテトラ−置換亜鉛フタロシアニンのクロロアルミニウムおよびヒドロキシアルミニウム類似体;
c)1つまたは2つ以上のスルホニルアミノ酸側鎖を有するポルフィリン;
d)1つまたは2つ以上のスルホニルアミノ酸側鎖を有するベンゾポルフィリン;
e)1つまたは2つ以上のスルホニルアミノ酸側鎖を有するクロリン、例えば下記式IIIによって表される化合物:
【0013】
【化5】
【0014】
式中、Rは−NH−X−CO2Hであり、Xは直鎖または分枝した0から5個の炭素原子を有するアルキル鎖である;および
f)1つまたは2つ以上のスルホニルアミノ酸側鎖を有するバクテリオクロリン、例えば下記式IIIの化合物で5員環の1つに二重結合が存在しないものである。
驚くべきことには、本発明の化合物は、in vivoで用いたとき光増感剤として極めて有効であるだけでなく、身体から迅速に除去され、皮膚の光感作をほとんどまたは全く示さず、さらに他のいくつかの増感体と異なり、許容できないほどの皮膚の脱色をもたらさない。
【0015】
本発明の化合物の使用の例は、前癌状態(例えばバレット食道または子宮頚部上皮内癌)、癌(例えば膀胱癌および直腸癌)、眼科疾患(黄斑変性を含む)、血管異常(例えば心脈管系疾患、動脈硬化症および再狭窄)、自己免疫疾患(例えば慢性関節リウマチ)、皮膚疾患(例えば乾癬、アクネおよびエクセーマ)、および他の良性疾患(例えば子宮内膜症および月経過多)を治療する場合のPDT用光増感薬としての使用である。本化合物はまた、皮膚および創傷の感染、他の局所感染の抗菌治療としての使用の他に歯の細菌性疾患の治療にも用いることができる。前記化合物はまた、それらの光増感特性によって光化学的細胞内取込みおよび癌ワクチンの生成で用いることができ、さらに非治療的な使用、例えばそれらの蛍光特性によって光検出および光診断で用いることができる。本発明の化合物は、身体の種々の部分(皮膚、肺、脳、目、直腸、膀胱、子宮頸部、および食道を含む)における異常の治療、診断および/または検出で有用である。
【0016】
非イオン性極性スルホンアミド残基および弱酸性カルボン酸基の組み合わせによって、水への良好な溶解性を有し、治療で使用される適切な組成物の製剤化を容易にする本発明の化合物が得られることが判明した。
本発明はまた、1つまたは2つ以上の希釈剤、賦形剤またはアジュバントとともに式Iの化合物を含む医薬組成物を提供する。
本発明はまた、化合物テトラスルホニルアミノグリシン亜鉛(II)フタロシアニンを除く式Iの化合物を提供する。さらに、本発明は、フォトダイナミック療法による疾患の治療用もしくは癌ワクチン生成における光化学的細胞内取込み用医薬の製造における、または内科的異常の診断もしくは検出で光増感剤として使用される薬剤の製造における式Iの化合物の使用を提供する。
さらにまた、本発明は、ヒトを含む動物のフォトダイナミック療法による治療方法(前記方法では光増感剤は式Iの化合物を含む)、または光増感剤として式Iの化合物を用いる診断もしくは検出の方法を提供する。
【0017】
以下で式IIの光増感剤を例にして本発明を説明する。
(A)増感体の合成
(1)TSZnPc−β−アラニン
亜鉛フタロシアニンテトラスルホニルクロリドの合成:
方法1
亜鉛フタロシアニンテトラスルホン酸のナトリウム塩(5.0g)を攪拌しながらクロロスルホン酸(58mL)に周囲温度で添加し、続いて55℃に2時間加熱した。続いて、塩化チオニル(7.5mL)をゆっくりと添加し、さらに4時間50から55℃で攪拌を続けた。前記混合物を冷却し、室温で一晩攪拌し、続いて氷を加えて激しく攪拌して最終容積500mLを得た。青色の固体をろ過し、氷水でよく洗浄し、真空ポンプ上でできるだけ乾燥させた。続いて前記圧搾固形物を次のアミンとの反応に直ちに用いた。
【0018】
方法2
亜鉛フタロシアニンテトラスルホン酸(4g)、ジメチルアセトアミド(10mL)およびアセトニトリル(40mL)の攪拌混合物に、オキシ塩化リン(15mL)を15分にわたって滴下して加えた。続いて前記混合物を60℃に加温し、前記温度で1時間保持し、室温に冷却し、続いて激しく攪拌しながら氷/水を添加した。沈澱したテトラスルホニルクロリドをろ過し、氷/水でよく洗浄し、ろ過ポンプでできるだけ乾燥させ、前記圧搾固形物を誘導体の調製に直ちに用いた。
TsZnPc−β−アラニンへの変換:
5.0gの亜鉛フタロシアニンテトラスルホン酸から生成されたテトラスルホニルクロリドの圧搾固形物を、ジメチルホルムアミド(45mL)およびジメチルアセトアミド(5mL)の混合物中のβ−アラニン(12g)の溶液に加え、同時に水酸化ナトリウムの希薄溶液を加えて微アルカリ性を担保した。続いて、前記溶液を周囲温度で12時間攪拌し、水で希釈し、さらに1週間頻繁に水を交換して透析した。続いて透析溶液を蒸発させて乾燥させ、さらにオーブンで乾燥させてTsZnPc−β−アラニン(1.4g)を得た。
分析値:C,35.3;H,3.3;N,10.8%
C44H32N12O16S4ZnNa4・12H2Oの理論値:C,35.5;H,3.8;N,11.3%
分子吸光係数=124,260L・mol−1・cm−1(DMF,λmax=672nm)
【0019】
(2)TsZnPc−α−アラニン
5gの亜鉛フタロシアニンテトラスルホニルクロリドおよび12gのα−アラニンを用いて、実施例1に記載した手順にしたがった。得られた溶液を1週間水を頻繁に交換しながら透析し、続いて乾燥するまで蒸発させ、さらにオーブンで残留物を乾燥させてTsZnPc−α−アラニン(1.27g)を得た。
分析値:C,36.45;H,3.55;N,11.7%
C44H32N12O16S4ZnNa4・10H2Oの理論値:C,36.44;H,3.59;N,11.6%
質量スペクトル(エレクトロスプレー):質量分析値=1180;C44H36N12O16S4Znの質量理論値=1180
分子吸光係数=141,400L・mol−1・cm−1(DMF,λmax=672nm)
【0020】
(3)TsZnPc−アミノ酪酸
亜鉛フタロシアニンテトラスルホニルクロリド(4.0g)をテトラスルホニルクロリドに変換し、圧搾固形物をジメチルホルムアミド(45mL)およびジメチルアセトアミド(5mL)中の4−アミノ酪酸(6.5g)の溶液に加え、同時に水酸化ナトリウムの希薄溶液を加えて微アルカリ性を維持した。前記溶液を周囲温度で12時間攪拌し、水(50mL)で希釈し、さらに1週間頻繁に水を交換して透析した。続いて透析溶液を蒸発させて乾燥させ、さらにオーブンで残留物を乾燥させてTsZnPc−アミノ酪酸(1.11g)を得た。
分析値:C,39.4;H,3.5;N,12.5%
C48H40N12O16S4ZnNa4・6H2Oの理論値:C,40.2;H,3.6;N,11.7%
分子吸光係数=103,000L・mol−1・cm−1(DMF,λmax=672nm)
【0021】
(4)TsZnPc−アミノ吉草酸
亜鉛フタロシアニンテトラスルホニルクロリド(5.0g)をテトラスルホニルクロリドに変換し、圧搾固形物をジメチルホルムアミド(45mL)およびジメチルアセトアミド(5mL)中の5−アミノ吉草酸(5g)の溶液に加え、同時に水酸化ナトリウムの希薄溶液を加えて微アルカリ性を維持した。前記溶液を周囲温度で12時間攪拌し、水(50mL)で希釈し、さらに48時間頻繁に水を交換して透析した。透析溶液を蒸発させて乾燥させ、さらにオーブンで青色の残留物を乾燥させてTsZnPc−アミノ吉草酸(1.40g)を得た。
分析値:C,40.0;H,3.8;N,11.75%
C52H48N12O16S4ZnNa4・10H2Oの理論値:C,40.0;H,4.4;N,10.8%
分子吸光係数=72,000L・mol−1・cm−1(DMF,λmax=672nm)
【0022】
(5)TsZnPc−アミノカプロン酸
亜鉛フタロシアニンテトラスルホニルクロリド(5.0g)をテトラスルホニルクロリドに変換し、圧搾固形物をジメチルホルムアミド(45mL)およびジメチルアセトアミド(5mL)中の6−アミノカプロン酸(7.0g)の溶液に加え、同時に水酸化ナトリウムの希薄溶液を加えて微アルカリ性を維持した。前記溶液を周囲温度で12時間攪拌し、水(50mL)で希釈し、さらに48時間頻繁に水を交換して透析した。透析した溶液を蒸発させて乾燥させ、さらにオーブンで残留物を乾燥させてTsZnPc−アミノカプロン酸(1.16g)を得た。
分析値:C=39.7%;H=3.8%;N=11.1%
C56H56N12O16S4ZnNa4・10H2Oの理論値:C=41.5%;H=4.7%;N=10.4%
分子吸光係数=106,000L・mol−1・cm−1(DMF,λmax=672nm)
【0023】
(B)培養細胞に対する種々の化合物の光毒性
下記の表(表1)は、本発明の種々の化合物の培養RIF−1(ネズミ線維肉腫)細胞を殺す光細胞毒性能力を示している。
[Phot]=亜鉛フタロシアニン;n=4;LD50は、2時間の照射で50%の細胞死を惹起するために必要な薬剤の濃度である。
【0024】
(C)腫瘍に対する種々の化合物の光活性
2つの動物モデル(ラットおよびマウス)のデータが示される。PHP(ホトフィリンに類似する)についての比較データも示される。増殖遅延は、未処理腫瘍と比較して処理腫瘍があるサイズまで増殖するために要した付加時間の量である。増殖遅延0は効果が無いことを示し、5日またはそれ以上の増殖遅延は実質的なPDT活性を示唆する。両モデルにおいて、本発明のある種の化合物はPHP(ホトフィリン)と少なくとも等しい光活性を有し、いくつかの事例では顕著に高い光活性を有することが認められた。
【0025】
(1)BDIXラットにおけるPDT誘発LSBD1腫瘍増殖遅延
Cu−蒸気(vapour)レーザー(400J、100mW、フタロシアニンについては680nmおよびPHPについては630nm)の光で皮下腫瘍の間質を処理した。
腫瘍増殖遅延は、(処理腫瘍が平均直径15mmに到達する日数)−(コントロール腫瘍が平均直径15mmに達する日数)として算出する。種々の化合物についてのデータは表2で示す。前記表はまた、効果が生じる時間(薬剤−照射間隔)も示している。
図1aから1eは,検査した化合物について種々の薬剤−照射間隔での腫瘍増殖遅延を示している。誤差線が示されている場合は、表示のデータは少なくとも3匹のラットの平均±SEである。図2は検査した各化合物について得られた最良の反応を示している。図3は、PHPおよびβ−アラニンpc誘導体の照射線量反応曲線を示している。図の点は6匹のラットの平均±SEである。
【0026】
【0027】
(2)CBA/GyマウスのPDT誘発壊死面積
皮下腫瘍をパターソンのキセノンアーク燈(60J/cm2,50mW/cm2)の光で表面から処理した。PHPの場合は630±15nmのフィルターを使用し、β−アラニン誘導体の場合は685±15nmのフィルターを用いた。PDT後72時間でマウスを殺し、壊死面積を腫瘍の中央の切片で決定した。
図4は、β−アラニン誘導体についての用量反応曲線を示す。図5では、異なる薬剤−照射間隔で等モル量のPHPおよびβ−アラニン誘導体が比較されている。
【0028】
(D)皮膚の光感作の測定
皮膚の光感作は現在使用されているいくつかの光増感剤に関する主要な問題である。時に、患者は薬剤投与後数週間光を避けねばならない。以下のデータは、ラットおよびマウスモデルでPHP(ホトフィリン)と比較した本発明の種々の化合物についての皮膚の光感作スコアを示している。本発明のいくつかの化合物は、皮膚の光感作が非常に低いかまたは全く光感作がないという明瞭な利点を有する。
(1)皮膚の光感作−げっ歯類の皮膚小区画における視覚アセスメント
ウィスターラットの皮膚を脱毛し、ラットに増感物質を0.5、2、5または10mg/kgで静注した。24時間で前記皮膚小区画をキセノンアーク燈の広帯域白色光に暴露した(91.8Jcm−2)。光への暴露は未処理の皮膚に薬剤注射後2週間で再度実施した。皮膚反応は表3にしたがって採点した。結果は表4および図6に示されている。
【0029】
【0030】
【0031】
(2)皮膚の光感作−ネズミの耳の腫脹反応
CBA/Gyマウスに16.7μmol/kgで増感物質を注射した。薬剤注射後24時間で、キセノンアーク燈の広帯域白色光に耳を暴露した(25J/cm2、30mW/cm2)。耳の厚さの変化は以下のように測定した:(照射後24時間の耳の厚さ)−(照射前の耳の厚さ)。光への暴露および耳の測定は、以前に処置していない耳で薬剤注射後2週間して再度実施した。結果は図7に示されている。耳の厚さの増加は皮膚の光感作の増加を示す。
【0032】
(E)皮膚の着色
ある種の光増感薬剤は、薬剤の投与直後に一過性の皮膚の着色をひき起こす。前記は健康上の問題を生じないが、精神的な問題を惹起し、美容上の理由から治療が受け入れられない可能性がある。したがって、本発明の化合物を許容限界の皮膚の着色について評価した。ラットおよびマウスモデルの両方の結果を下記に示す。
(1)皮膚の着色−ウィスターラット
ウィスターラットの耳を脱毛し、ラットに増感物質を0.5、2、5または10mg/kgで注射した。皮膚の着色はスフェアー分光光度計を用いて毎日測定し、コントロールラット(薬剤無し)の皮膚と比較した。結果は、10mg/kgについて図8に示されている。
(2)皮膚の着色−CBA/Gyマウス
CBA/Gyマウスの皮膚を脱毛し、皮膚の着色をスフェアー分光光度計を用いて測定した。マウスに増感体を16.7μmol/kgで注射した。皮膚の色を10分、3時間、24時間で測定し、さらに14日間またはコントロールレベルになるまで毎日測定した。結果は図9に示されている。
【図面の簡単な説明】
【図1(a)】PHPを用いた場合のPDTにおける薬剤−照射間隔での腫瘍増殖遅延を示す。
【図1(b)】TSZnPc−グリシンを用いた場合のPDTにおける薬剤−照射間隔での腫瘍増殖遅延を示す。
【図1(c)】TSZnPc−α−アラニンを用いた場合のPDTにおける薬剤−照射間隔での腫瘍増殖遅延を示す。
【図1(d)】TSZnPc−γ−アミノ酪酸を用いた場合のPDTにおける薬剤−照射間隔での腫瘍増殖遅延を示す。
【図1(e)】TSZnPc−β−アラニンを用いた場合のPDTにおける薬剤−照射間隔での腫瘍増殖遅延を示す。
【図2】検査した各化合物について得られた最大腫瘍反応を示す。
【図3】PHPおよびTSZnPc−β−アラニンの照射線量反応曲線を示す。
【図4】β−アラニン誘導体についての用量反応曲線を示す。
【図5】異なる薬剤−照射間隔で等モル量のPHPおよびTSZnPc−β−アラニンの比較を示す。
【図6】異なる薬剤について、薬剤−照射24時間及び2週間での皮膚反応の結果を示す。
【図7】異なる薬剤について、薬剤−照射24時間及び2週間での耳の厚さの変化を示す。
【図8】TSZnPc−β−アラニンを注射した後に誘発される皮膚の色の変化を示す。
【図9】TSZnPc−β−アラニンを注射した後に誘発される皮膚の色の変化を示す。
本発明は、光増感剤(photosensitiser)として機能し、フォトダイナミック療法(PDT)として知られる治療の一タイプで使用することができるとともに、健康異常(medical conditions)の診断および検出、並びに光化学的細胞内取込み、癌ワクチンの製造および光殺菌を含む細菌感染の治療における関連する使用で用いることができる化合物に関する。
【0002】
【従来技術】
フォトダイナミック療法は、癌および他の疾患の治療に用いられる。前記治療では、光吸収化合物(光増感剤)が腫瘍または他の病巣に適用される。続いてレーザー光を用いて前記光増感剤を活性化させ、フォトダイナミック効果として知られるプロセスで腫瘍組織を破壊する。
前記光増感剤が光を吸収するとき、前記物質は、一重項酸素として知られる短命であるが高い活性を有する種を生成することができる。前記活性化光増感剤によって超酸化物イオン、O2 −もまた生成される。一重項酸素は腫瘍に対して有効な主要物質であると考えられる(ただし前記超酸化物もまた関与するであろう)。
光増感剤は腫瘍の悪性細胞への血液供給を破壊し、それによって最終的に腫瘍の酸素および栄養物を絶つと考えられている。また別には、光増感剤は腫瘍細胞の直接的破壊を惹起するかもしれない。
【0003】
PDTでこれまで使用されている光増感剤の1つは、ヘマトポルフィリン誘導体(HpD)として知られるポルフィリン(環式テトラピロール)の複合混合物である。HpDの市販版はフォトフリン(Photofrin)(登録商標)として入手可能である。フォトフリンは様々な国で種々の腫瘍タイプの治療を目的として承認されているが、前記は長期間の間に皮内に蓄積し、それによって自然光の下で望ましくない光感作を惹起することを含む種々の制限がある。
その他の多様な光増感剤がPDTの使用に提唱された。これらには個々のポルフィリン、フタロシアニン、ナフタロシアニンおよびクロリンが含まれる。スルホン化フタロシアニンは特に有効であると報告された(I. Rosenthal, Photochem. Photobiol., 1991, 53:859−70)。
【0004】
光増感剤はまた健康(内科的)異常の診断および検出で用いられる。前記用途の場合、光増感剤は内服的または局所的に患者に投与される。異常細胞は光増感剤を正常細胞よりも多く取り込み、したがって検査領域に光を当てたとき、異常細胞を含む領域は、正常細胞のみを含む領域よりも強い蛍光を示す。
テトラスルホニルアミノグリシン亜鉛(II)フタロシアニン(Tgly)はPDTのための有望な薬剤として報告された(J. Photochem. Photobiol. B; Biology., 45(1998) 28−35)。非生物学的な状態でのTGlyの性能は、臨床に用いられている2つの光増感剤および試験中の他の2つの薬剤と比較して遜色が無い。しかしながら、TGlyは赤血球を溶解させる能力が比較的弱く、したがってヒトまたは動物で用いられるPDT、診断、または検出で使用する場合には有望な薬剤とは考えられないであろう。
【0005】
一般に、有用で臨床的に効果を有する光増感剤については化学的および生物学的な種々の要件が存在する。前記化学的特性には、純度、活性化時の一重項酸素の高い量子収量、赤色から赤外領域の光の波長によって活性化される能力(なぜならばそのような光の照射は組織の深部に達するからである)、および水への溶解性が含まれる。しかしながら、前記の化学的基準を満たす増感体は、必ずしも臨床PDTで使用するために有利な生物学的特性を有しているわけではない。前記生物学的特性(これらには標的組織(例えば腫瘍)での局在性、皮膚の光感作がないこと、身体から迅速に除去されること、および適切な細胞内局在が含まれる)は、現在知られている化学的構造からは期待できない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明にしたがえば、PDTにおいて、光化学的細胞内取込みにおいて、癌ワクチン製造において、または健康異常の診断もしくは検出において光増感剤として使用される化合物が提供される。前記化合物は下記式Iを有する化合物、またはその塩、好ましくは医薬的に許容されるその塩である:
【0007】
【化3】
【0008】
(式中、Photは光増感発色系、換言すれば、光増感発色系を表すラジカルで、分子種[Phot]HnがI型およびII型光酸化を光増感させることができるものであり、Xは直鎖または分枝した0から5個の炭素原子を有するアルキルであって、前記炭素原子は場合によって1つまたは2つ以上の親水基(例えばヒドロキシメトキシ、エトキシまたはカルボキシ)で置換されていてもよく、Yは、水素または直鎖もしくは分枝した1から5個の炭素原子を有するアルキルで、前記炭素原子は場合によって1つまたは2つ以上のヒドロキシ基で置換されていてもよく、さらにnは1から4の整数である。)
【0009】
好ましくはPhotは金属フタロシアニン、ベンゾポルフィリン、プルプリン、クロリンまたはバクテリオクロリンの残基である。
本発明の好ましい化合物は、下記式IIを有するフタロシアニン(Pc)誘導体である:
【0010】
【化4】
【0011】
(式中、Rは−NH−X−CO2Hであり、Xの好ましい例は−CH2−(上記ではTGlyと称し、下記ではTSZnPc−グリシンと呼ぶ)、−CH2CH2−(TSZnPc−β−アラニン)、−CH(CH3)−(TSZnPc−α−アラニン)、−(CH2)3−(TSZnPc−アミノ酪酸)、−(CH2)4−(TSBuPc−アミノ吉草酸)、および−(CH2)5−(TsZnPc−アミノカプロン酸)である。
【0012】
本発明に包含される他の化合物の例は以下のとおりである:
a)上記に示したテトラ−置換フタロシアニン構造物のモノ−、ジ−およびトリ−置換類似体、換言すれば、最初に述べた一般式IIでnが1、2または3の化合物;
b)モノ−、ジ−、トリ−およびテトラ−置換亜鉛フタロシアニンのクロロアルミニウムおよびヒドロキシアルミニウム類似体;
c)1つまたは2つ以上のスルホニルアミノ酸側鎖を有するポルフィリン;
d)1つまたは2つ以上のスルホニルアミノ酸側鎖を有するベンゾポルフィリン;
e)1つまたは2つ以上のスルホニルアミノ酸側鎖を有するクロリン、例えば下記式IIIによって表される化合物:
【0013】
【化5】
【0014】
式中、Rは−NH−X−CO2Hであり、Xは直鎖または分枝した0から5個の炭素原子を有するアルキル鎖である;および
f)1つまたは2つ以上のスルホニルアミノ酸側鎖を有するバクテリオクロリン、例えば下記式IIIの化合物で5員環の1つに二重結合が存在しないものである。
驚くべきことには、本発明の化合物は、in vivoで用いたとき光増感剤として極めて有効であるだけでなく、身体から迅速に除去され、皮膚の光感作をほとんどまたは全く示さず、さらに他のいくつかの増感体と異なり、許容できないほどの皮膚の脱色をもたらさない。
【0015】
本発明の化合物の使用の例は、前癌状態(例えばバレット食道または子宮頚部上皮内癌)、癌(例えば膀胱癌および直腸癌)、眼科疾患(黄斑変性を含む)、血管異常(例えば心脈管系疾患、動脈硬化症および再狭窄)、自己免疫疾患(例えば慢性関節リウマチ)、皮膚疾患(例えば乾癬、アクネおよびエクセーマ)、および他の良性疾患(例えば子宮内膜症および月経過多)を治療する場合のPDT用光増感薬としての使用である。本化合物はまた、皮膚および創傷の感染、他の局所感染の抗菌治療としての使用の他に歯の細菌性疾患の治療にも用いることができる。前記化合物はまた、それらの光増感特性によって光化学的細胞内取込みおよび癌ワクチンの生成で用いることができ、さらに非治療的な使用、例えばそれらの蛍光特性によって光検出および光診断で用いることができる。本発明の化合物は、身体の種々の部分(皮膚、肺、脳、目、直腸、膀胱、子宮頸部、および食道を含む)における異常の治療、診断および/または検出で有用である。
【0016】
非イオン性極性スルホンアミド残基および弱酸性カルボン酸基の組み合わせによって、水への良好な溶解性を有し、治療で使用される適切な組成物の製剤化を容易にする本発明の化合物が得られることが判明した。
本発明はまた、1つまたは2つ以上の希釈剤、賦形剤またはアジュバントとともに式Iの化合物を含む医薬組成物を提供する。
本発明はまた、化合物テトラスルホニルアミノグリシン亜鉛(II)フタロシアニンを除く式Iの化合物を提供する。さらに、本発明は、フォトダイナミック療法による疾患の治療用もしくは癌ワクチン生成における光化学的細胞内取込み用医薬の製造における、または内科的異常の診断もしくは検出で光増感剤として使用される薬剤の製造における式Iの化合物の使用を提供する。
さらにまた、本発明は、ヒトを含む動物のフォトダイナミック療法による治療方法(前記方法では光増感剤は式Iの化合物を含む)、または光増感剤として式Iの化合物を用いる診断もしくは検出の方法を提供する。
【0017】
以下で式IIの光増感剤を例にして本発明を説明する。
(A)増感体の合成
(1)TSZnPc−β−アラニン
亜鉛フタロシアニンテトラスルホニルクロリドの合成:
方法1
亜鉛フタロシアニンテトラスルホン酸のナトリウム塩(5.0g)を攪拌しながらクロロスルホン酸(58mL)に周囲温度で添加し、続いて55℃に2時間加熱した。続いて、塩化チオニル(7.5mL)をゆっくりと添加し、さらに4時間50から55℃で攪拌を続けた。前記混合物を冷却し、室温で一晩攪拌し、続いて氷を加えて激しく攪拌して最終容積500mLを得た。青色の固体をろ過し、氷水でよく洗浄し、真空ポンプ上でできるだけ乾燥させた。続いて前記圧搾固形物を次のアミンとの反応に直ちに用いた。
【0018】
方法2
亜鉛フタロシアニンテトラスルホン酸(4g)、ジメチルアセトアミド(10mL)およびアセトニトリル(40mL)の攪拌混合物に、オキシ塩化リン(15mL)を15分にわたって滴下して加えた。続いて前記混合物を60℃に加温し、前記温度で1時間保持し、室温に冷却し、続いて激しく攪拌しながら氷/水を添加した。沈澱したテトラスルホニルクロリドをろ過し、氷/水でよく洗浄し、ろ過ポンプでできるだけ乾燥させ、前記圧搾固形物を誘導体の調製に直ちに用いた。
TsZnPc−β−アラニンへの変換:
5.0gの亜鉛フタロシアニンテトラスルホン酸から生成されたテトラスルホニルクロリドの圧搾固形物を、ジメチルホルムアミド(45mL)およびジメチルアセトアミド(5mL)の混合物中のβ−アラニン(12g)の溶液に加え、同時に水酸化ナトリウムの希薄溶液を加えて微アルカリ性を担保した。続いて、前記溶液を周囲温度で12時間攪拌し、水で希釈し、さらに1週間頻繁に水を交換して透析した。続いて透析溶液を蒸発させて乾燥させ、さらにオーブンで乾燥させてTsZnPc−β−アラニン(1.4g)を得た。
分析値:C,35.3;H,3.3;N,10.8%
C44H32N12O16S4ZnNa4・12H2Oの理論値:C,35.5;H,3.8;N,11.3%
分子吸光係数=124,260L・mol−1・cm−1(DMF,λmax=672nm)
【0019】
(2)TsZnPc−α−アラニン
5gの亜鉛フタロシアニンテトラスルホニルクロリドおよび12gのα−アラニンを用いて、実施例1に記載した手順にしたがった。得られた溶液を1週間水を頻繁に交換しながら透析し、続いて乾燥するまで蒸発させ、さらにオーブンで残留物を乾燥させてTsZnPc−α−アラニン(1.27g)を得た。
分析値:C,36.45;H,3.55;N,11.7%
C44H32N12O16S4ZnNa4・10H2Oの理論値:C,36.44;H,3.59;N,11.6%
質量スペクトル(エレクトロスプレー):質量分析値=1180;C44H36N12O16S4Znの質量理論値=1180
分子吸光係数=141,400L・mol−1・cm−1(DMF,λmax=672nm)
【0020】
(3)TsZnPc−アミノ酪酸
亜鉛フタロシアニンテトラスルホニルクロリド(4.0g)をテトラスルホニルクロリドに変換し、圧搾固形物をジメチルホルムアミド(45mL)およびジメチルアセトアミド(5mL)中の4−アミノ酪酸(6.5g)の溶液に加え、同時に水酸化ナトリウムの希薄溶液を加えて微アルカリ性を維持した。前記溶液を周囲温度で12時間攪拌し、水(50mL)で希釈し、さらに1週間頻繁に水を交換して透析した。続いて透析溶液を蒸発させて乾燥させ、さらにオーブンで残留物を乾燥させてTsZnPc−アミノ酪酸(1.11g)を得た。
分析値:C,39.4;H,3.5;N,12.5%
C48H40N12O16S4ZnNa4・6H2Oの理論値:C,40.2;H,3.6;N,11.7%
分子吸光係数=103,000L・mol−1・cm−1(DMF,λmax=672nm)
【0021】
(4)TsZnPc−アミノ吉草酸
亜鉛フタロシアニンテトラスルホニルクロリド(5.0g)をテトラスルホニルクロリドに変換し、圧搾固形物をジメチルホルムアミド(45mL)およびジメチルアセトアミド(5mL)中の5−アミノ吉草酸(5g)の溶液に加え、同時に水酸化ナトリウムの希薄溶液を加えて微アルカリ性を維持した。前記溶液を周囲温度で12時間攪拌し、水(50mL)で希釈し、さらに48時間頻繁に水を交換して透析した。透析溶液を蒸発させて乾燥させ、さらにオーブンで青色の残留物を乾燥させてTsZnPc−アミノ吉草酸(1.40g)を得た。
分析値:C,40.0;H,3.8;N,11.75%
C52H48N12O16S4ZnNa4・10H2Oの理論値:C,40.0;H,4.4;N,10.8%
分子吸光係数=72,000L・mol−1・cm−1(DMF,λmax=672nm)
【0022】
(5)TsZnPc−アミノカプロン酸
亜鉛フタロシアニンテトラスルホニルクロリド(5.0g)をテトラスルホニルクロリドに変換し、圧搾固形物をジメチルホルムアミド(45mL)およびジメチルアセトアミド(5mL)中の6−アミノカプロン酸(7.0g)の溶液に加え、同時に水酸化ナトリウムの希薄溶液を加えて微アルカリ性を維持した。前記溶液を周囲温度で12時間攪拌し、水(50mL)で希釈し、さらに48時間頻繁に水を交換して透析した。透析した溶液を蒸発させて乾燥させ、さらにオーブンで残留物を乾燥させてTsZnPc−アミノカプロン酸(1.16g)を得た。
分析値:C=39.7%;H=3.8%;N=11.1%
C56H56N12O16S4ZnNa4・10H2Oの理論値:C=41.5%;H=4.7%;N=10.4%
分子吸光係数=106,000L・mol−1・cm−1(DMF,λmax=672nm)
【0023】
(B)培養細胞に対する種々の化合物の光毒性
下記の表(表1)は、本発明の種々の化合物の培養RIF−1(ネズミ線維肉腫)細胞を殺す光細胞毒性能力を示している。
[Phot]=亜鉛フタロシアニン;n=4;LD50は、2時間の照射で50%の細胞死を惹起するために必要な薬剤の濃度である。
【0024】
(C)腫瘍に対する種々の化合物の光活性
2つの動物モデル(ラットおよびマウス)のデータが示される。PHP(ホトフィリンに類似する)についての比較データも示される。増殖遅延は、未処理腫瘍と比較して処理腫瘍があるサイズまで増殖するために要した付加時間の量である。増殖遅延0は効果が無いことを示し、5日またはそれ以上の増殖遅延は実質的なPDT活性を示唆する。両モデルにおいて、本発明のある種の化合物はPHP(ホトフィリン)と少なくとも等しい光活性を有し、いくつかの事例では顕著に高い光活性を有することが認められた。
【0025】
(1)BDIXラットにおけるPDT誘発LSBD1腫瘍増殖遅延
Cu−蒸気(vapour)レーザー(400J、100mW、フタロシアニンについては680nmおよびPHPについては630nm)の光で皮下腫瘍の間質を処理した。
腫瘍増殖遅延は、(処理腫瘍が平均直径15mmに到達する日数)−(コントロール腫瘍が平均直径15mmに達する日数)として算出する。種々の化合物についてのデータは表2で示す。前記表はまた、効果が生じる時間(薬剤−照射間隔)も示している。
図1aから1eは,検査した化合物について種々の薬剤−照射間隔での腫瘍増殖遅延を示している。誤差線が示されている場合は、表示のデータは少なくとも3匹のラットの平均±SEである。図2は検査した各化合物について得られた最良の反応を示している。図3は、PHPおよびβ−アラニンpc誘導体の照射線量反応曲線を示している。図の点は6匹のラットの平均±SEである。
【0026】
【0027】
(2)CBA/GyマウスのPDT誘発壊死面積
皮下腫瘍をパターソンのキセノンアーク燈(60J/cm2,50mW/cm2)の光で表面から処理した。PHPの場合は630±15nmのフィルターを使用し、β−アラニン誘導体の場合は685±15nmのフィルターを用いた。PDT後72時間でマウスを殺し、壊死面積を腫瘍の中央の切片で決定した。
図4は、β−アラニン誘導体についての用量反応曲線を示す。図5では、異なる薬剤−照射間隔で等モル量のPHPおよびβ−アラニン誘導体が比較されている。
【0028】
(D)皮膚の光感作の測定
皮膚の光感作は現在使用されているいくつかの光増感剤に関する主要な問題である。時に、患者は薬剤投与後数週間光を避けねばならない。以下のデータは、ラットおよびマウスモデルでPHP(ホトフィリン)と比較した本発明の種々の化合物についての皮膚の光感作スコアを示している。本発明のいくつかの化合物は、皮膚の光感作が非常に低いかまたは全く光感作がないという明瞭な利点を有する。
(1)皮膚の光感作−げっ歯類の皮膚小区画における視覚アセスメント
ウィスターラットの皮膚を脱毛し、ラットに増感物質を0.5、2、5または10mg/kgで静注した。24時間で前記皮膚小区画をキセノンアーク燈の広帯域白色光に暴露した(91.8Jcm−2)。光への暴露は未処理の皮膚に薬剤注射後2週間で再度実施した。皮膚反応は表3にしたがって採点した。結果は表4および図6に示されている。
【0029】
【0030】
【0031】
(2)皮膚の光感作−ネズミの耳の腫脹反応
CBA/Gyマウスに16.7μmol/kgで増感物質を注射した。薬剤注射後24時間で、キセノンアーク燈の広帯域白色光に耳を暴露した(25J/cm2、30mW/cm2)。耳の厚さの変化は以下のように測定した:(照射後24時間の耳の厚さ)−(照射前の耳の厚さ)。光への暴露および耳の測定は、以前に処置していない耳で薬剤注射後2週間して再度実施した。結果は図7に示されている。耳の厚さの増加は皮膚の光感作の増加を示す。
【0032】
(E)皮膚の着色
ある種の光増感薬剤は、薬剤の投与直後に一過性の皮膚の着色をひき起こす。前記は健康上の問題を生じないが、精神的な問題を惹起し、美容上の理由から治療が受け入れられない可能性がある。したがって、本発明の化合物を許容限界の皮膚の着色について評価した。ラットおよびマウスモデルの両方の結果を下記に示す。
(1)皮膚の着色−ウィスターラット
ウィスターラットの耳を脱毛し、ラットに増感物質を0.5、2、5または10mg/kgで注射した。皮膚の着色はスフェアー分光光度計を用いて毎日測定し、コントロールラット(薬剤無し)の皮膚と比較した。結果は、10mg/kgについて図8に示されている。
(2)皮膚の着色−CBA/Gyマウス
CBA/Gyマウスの皮膚を脱毛し、皮膚の着色をスフェアー分光光度計を用いて測定した。マウスに増感体を16.7μmol/kgで注射した。皮膚の色を10分、3時間、24時間で測定し、さらに14日間またはコントロールレベルになるまで毎日測定した。結果は図9に示されている。
【図面の簡単な説明】
【図1(a)】PHPを用いた場合のPDTにおける薬剤−照射間隔での腫瘍増殖遅延を示す。
【図1(b)】TSZnPc−グリシンを用いた場合のPDTにおける薬剤−照射間隔での腫瘍増殖遅延を示す。
【図1(c)】TSZnPc−α−アラニンを用いた場合のPDTにおける薬剤−照射間隔での腫瘍増殖遅延を示す。
【図1(d)】TSZnPc−γ−アミノ酪酸を用いた場合のPDTにおける薬剤−照射間隔での腫瘍増殖遅延を示す。
【図1(e)】TSZnPc−β−アラニンを用いた場合のPDTにおける薬剤−照射間隔での腫瘍増殖遅延を示す。
【図2】検査した各化合物について得られた最大腫瘍反応を示す。
【図3】PHPおよびTSZnPc−β−アラニンの照射線量反応曲線を示す。
【図4】β−アラニン誘導体についての用量反応曲線を示す。
【図5】異なる薬剤−照射間隔で等モル量のPHPおよびTSZnPc−β−アラニンの比較を示す。
【図6】異なる薬剤について、薬剤−照射24時間及び2週間での皮膚反応の結果を示す。
【図7】異なる薬剤について、薬剤−照射24時間及び2週間での耳の厚さの変化を示す。
【図8】TSZnPc−β−アラニンを注射した後に誘発される皮膚の色の変化を示す。
【図9】TSZnPc−β−アラニンを注射した後に誘発される皮膚の色の変化を示す。
Claims (9)
- Photが、金属フタロシアニン、ベンゾポルフィリン、プルプリン、クロリンまたはバクテリオクロリンの残基である請求項1に記載の化合物。
- Xが、−CH2−、−CH2CH2−、−CH(CH3)−、−(CH2)3−または−(CH2)4−である請求項1に記載の化合物。
- 請求項1〜4のいずれかの化合物を1つまたは2つ以上の希釈剤、賦形剤またはアジュバントとともに含む医薬組成物。
- 化合物テトラスルホニルアミノグリシン亜鉛(II)フタロシアニンを除く、請求項1に定義した式Iの化合物または医薬的に許容されるその塩。
- フォトダイナミック療法による疾患の治療用もしくは癌ワクチン製造における光化学的細胞内取込み用医薬の製造における、または健康異常の診断もしくは検出で光増感剤として使用される薬剤の製造における請求項1で定義した式Iの化合物の使用。
- 光増感剤が請求項1で定義した式Iの化合物を含む、ヒトを含む動物のPDTによる治療方法。
- ヒトを含む動物に請求項1で定義した式Iの化合物を適用し、さらに前記動物に照射して前記化合物から蛍光反応を惹起させる、ヒトを含む動物の健康異常を診断または検出する方法。
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