JP2011529898A - Mrsaの治療用の組成物および方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、感光剤、クロルヘキシジンおよび薬学的に許容される担体を含むMRSAの治療のための感光性組成物を提供する。また、本発明は、感光剤、約0.01%超約2%v/v未満の濃度のクロルヘキシジン、および薬学的に許容される担体を含む組成物を処置部位に与えるステップと、前記処置部位において疾患原因微生物を低減させるために、前記感光剤によって吸収される波長の光を前記処置部位に適用するステップとを含む、疾患原因微生物を低減させるための方法も提供する。

Description

本発明は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の治療有効性を向上させる一方で、処置部位において宿主組織への刺激と感受性を低減させる、MRSAの治療用の組成物を使用する感光性組成物および光線力学殺菌法を提供する。
球形グラム陽性好気性菌であるMRSAは、院内黄色ブドウ球菌感染症の最大50%を占め、世界的にみて、重症管理室、集中治療室および総合病院において数十億ドル級の問題となっている。細菌は抗生物質に自然に適応するため、MRSA患者の95%超は、第一線で使用されている(first-line)抗生物質に反応しない。特定のMRSA菌株は、現在、バンコマイシン(登録商標)などのグリコペプチド系抗生物質にさえも耐性を有し、同疾患に対する最後に残った有効な抗生物質治療が失われてしまった。MRSAが、メチシリン、オキサシリン、ペニシリンおよびアモキシシリンなどの多くの抗生剤に耐性を有するということにより、抗生物質を用いずにMRSAを治療することが求められている。
光線力学殺菌は、生体外で抗生物質を使用しない有効な抗菌法である実績があるため、望ましい代替治療法である。MRSA治療療法(modality)としての光線力学殺菌の利点の例の1つとして、その非特異的な殺菌機構により、一般に、抗生物質の使用の問題となる耐性の問題のない点が挙げられる。別の例示的な利点として、光線力学殺菌は、人体でMRSAが見つかる可能性の最も高い鼻腔などの領域(例えば鼻粘膜)で使用できる局在的な局所療法として使用することができる点が挙げられる。
光線力学殺菌は、感光性組成物の1種以上の感光剤を活性化させるために、基本的に光エネルギーの使用を必要とし、この結果、この感光剤が、基質/標的にエネルギーを直接渡す(I型反応)か、あるいは、分子酸素と相互作用して、活性酸素種を発生させる(II型反応)ことができるようになる。このような反応は、主に、脂質の過酸化、膜の損傷および細胞内の成分の損傷を引き起こして、MRSAおよび他の微生物の細胞の非特異的な減少を仲介する。
本発明は、感光剤(例えばフェノサイアジン)、クロルヘキシジンおよび薬学的に許容される担体を含む、MRSAの治療用の感光性組成物を提供する。以下に示すように、この組成物は、MRSAの光線力学殺菌に使用した場合、MRSAの治療有効性を強化する。更に、本発明の一実施形態において、この感光性組成物は、処置部位における宿主組織への刺激および感受性を低減および/または消失させる。
また、本発明は、処置部位に感光剤、クロルヘキシジンおよび薬学的に許容される担体を含む組成物を適用するステップと、前記処置部位においてMRSAを低減させるために前記感光剤によって吸収される波長の光を前記処置部位に適用するステップとを含む、MRSAの治療のための方法を提供する。
また、本発明は、感光剤、約0.01%を超え約2%v/v未満の濃度のクロルヘキシジン、および薬学的に許容される担体を含む組成物を、疾患原因微生物を含む処置部位与えるステップと、前記処置部位において前記微生物を低減させるために前記感光剤によって吸収される波長の光を前記処置部位に適用するステップとを含む、前記疾患原因微生物を低減させるための方法も提供する。
実施例Iで後述する3種の組成物の吸光度プロフィルを示すグラフ。 実施例IIで後述する実験について収集したデータを示す表。
本発明の各種特徴および態様は、以下の詳細な説明、特許請求の範囲、図面などを読むことで明らかになる。
本発明において、MRSA等の疾患原因微生物を低減、除去および/または壊死させる(以下、これらをまとめて「低減」「低減させる」および/または「低減する」と呼ぶ)ために、光線力学殺菌の効果を向上させるべく、クロルヘキシジンが感光剤と併用される。本発明の感光性組成物は、感光剤、クロルヘキシジンおよび薬学的に許容される担体を含む。後述するように、この組成物は、光線力学殺菌の強力な短期間の抗菌作用を、クロルヘキシジンによる、より長時間続く化学的殺菌法と組み合わせるものである。
クロルヘキシジン(例えばクロルヘキシジングルコネート、クロルヘキシジンジグルコネート、クロルヘキシジンジヒドロクロリド、クロルヘキシジンジアセテートなど)は、局所的皮膚表面殺菌(例えば外科用スクラブなど)に使用される広域スペクトル消毒薬である。このような用途の場合、クロルヘキシジンは、一般に、総体積の2パーセント(%v/v)超の濃度で使用される。例えば、BactoShield(登録商標)(2%、4%)、Betasept(登録商標)(4%)、ChloraPrep(登録商標)(2%)、Chlorostat(登録商標):(2%)、Dial(登録商標)Surgical Scrub(4%)、Dyna−Hex(2%、4%)、Hibiclens(登録商標):(4%)およびOperand(登録商標)2%)を参照のこと。クロルヘキシジン含有製品のこのような使用による刺激および感受性が、特に敏感な皮膚領域においてこれまでに報告されている。
本発明の一実施形態では、クロルヘキシジンが、治療領域において宿主組織への潜在的な刺激および感受性を低減および/または消失させる濃度で与えられる。治療領域における宿主組織が鼻粘膜等の敏感な組織である場合には、この潜在的な刺激および感受性の低減および/または消失は特に有用である。適切な濃度の例は、約1%v/v;約0.5%v/v;約0.25%v/v;約0.125%v/v;約0.125%v/v〜約1%v/v;約0.125%v/v〜約0.8%v/v;約0.125%v/v〜約1.5%v/v;約0.25%v/v〜約0.5%v/v;約0.25%v/v〜約1%v/v;約0.25%v/v〜約1.5%v/v;約0.1%超約1%v/v未満の範囲;約0.1%超約0.8%v/v未満の範囲;約0.1%超約2%v/v未満の範囲;および約0.125%超約2%v/v未満の範囲である。この明細書の本明細書で使用する「約」との文言は、記載した値の±20%を意味するものとする。
感光剤の例としては、I型およびII型の光化学反応を発生させる感光剤が挙げられる。I型反応は、光を照射すると、電子引き抜き酸化還元型反応を発生させ、II型反応は、光を照射すると、(分子酸素を経由して)一重項酸素を発生させる。好適な感光剤として使用できる化合物の種類には、例えば、米国特許第6,211,335号明細書;米国特許第6,583,117号明細書;米国特許第6,607,522号明細書および米国特許出願公開第2003/0180224号明細書に記載されている、テトラピロールまたはその誘導体(例えばポルフィリン、クロリン、バクテリオクロリン、フタロシアニン、ナフタロシアニン、テキサフィリン、ベルジン、プルプリンまたはフェオフォルビド、フェノサイアジン等)などがある。好適なフェノサイアジンとしては、メチレンブルー、トルイジンブルー、および米国特許出願公開第2004/0147508号明細書に記載されているものなどが挙げられる。別の好適な感光剤は、インドシアニングリーンである。また、本発明は、二種以上の感光剤(例えばメチレンブルーおよびトルイジンブルーなど)の使用も考察する。上に記載した光増感剤は例であり、いかなる形であれ本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
感光剤は、感光性組成物中に、任意の適切な量で存在しうる。感光性組成物の量の例は、総質量の約0.001パーセント(%wt)〜約10%wt、約0.005%wt〜約5%wt、約0.01%wt〜約1%wt、約0.01%wt〜約0.1%wt、および約1%wt以下である。総質量パーセント(%wt)は、体積に対する総質量パーセント(%w/v)または体積に対する総体積パーセント(%v/v)に変換することもできる。本明細書のために、感光剤の濃度は、%wt、%w/vまたは%v/vのいずれで表わすことができ、このような濃度の表現は、同等の値(例えば、%wtの表現を使用する場合には、%w/vおよび%v/vで表す同等の濃度)も含むとする。
下記の実施例IIに示すように、クロルヘキシジンは、約0.1%v/v〜約1%v/vなどの低い濃度レベルにおいても、MRSA等の菌の病原を低減および/または消失させる光線力学殺菌の抗菌有効性を大幅に高めた。0.125%v/v〜0.5%v/vのクロルヘキシジン濃度において、クロルヘキシジンと光線力学殺菌との組み合わせの抗菌活性は、2つの抗菌法を単純に加算した効果から予想されるよりも高い。このことは、低濃度のクロルヘキシジンと光線力学殺菌とが同時に行なわれた場合に、抗菌効果の予想外の相乗効果を示す。この相乗効果は、クロルヘキシジンを、従来の局所皮膚殺菌に一般に使用するよりも低濃度で使用した場合にも得られる。このため、低濃度のクロルヘキシジンは、一般にクロルヘキシジンに関連する刺激および感受性を低減および/または消失させ、光線力学反応の抗菌能を高めるようにも作用する。処置部位としての鼻粘膜が敏感であり、MRSA病原体の再定着を予防するために全てのMRSA病原体を殺菌する(eradicate)必要があるため、この点は、特に鼻腔におけるMRSAの治療で重要である。
本発明の感光性組成物は、薬学的に許容される担体を更に含む。薬学的に許容される担体は、希釈剤、アジュバント、賦形剤または組成物の他の成分(例えば感光剤およびクロルヘキシジンなど)が投与されるビヒクルである。薬学的に許容される担体は、好ましくは、米国連邦政府または州政府の監督機関に承認されているか、あるいは、動物、より詳細にはヒトでの使用が、米国薬局方または他の一般に認識されている薬局方に記載されているものである。薬学的に許容される担体は、好ましくは滅菌された液体である。薬学的に許容される担体の例は、水、食塩水、デキストロース溶液、グリセロール溶液、リン酸緩衝食塩水などがあるが、これらに限定されるものではない。
薬学的に許容される担体は、感光剤およびクロルヘキシジンと組み合わせた場合に、感光性組成物が処置部位に流れ込むのに十分低い粘性を有する一方、組成物を処置部位内に保持するのに十分高い粘性を有するようにするものが好ましい。更に、処置部位で溶解するかまたは溶液に変化するなどの、処置部位への適用後に液体化する組成物も考えられる。別の実施形態では、組成物が、液体として処置部位に適用した後にゲル化してもよい。この場合、組成物により、処置部位をほぼ覆うことが可能であり、組成物が処置部位に保持される。
また、本発明は、上記の本発明の感光性組成物を処置部位に与えるステップと、処置部位においてMRSAを低減させるように、感光性組成物によって吸収される波長で光を処置部位に適用するステップとを含む、MRSAの治療のための光線力学殺菌法も提供する。MRSAを治療するための本発明の方法のための処置部位は、好ましくは、MRSAが活発な部位として知られている鼻腔(例えば鼻粘膜)である。鼻腔の外鼻孔の光線力学殺菌は、MRSAを低減および/または消失させる。
処置部位に光を適用する前に、感光性組成物を、少なくとも約1秒間、より好ましくは少なくとも約5秒間、更に好ましくは少なくとも約10秒間、最も好ましくは約10秒〜30秒間、処置部位と接触させることが好ましい。
本発明の方法で適用される光は、感光性組成物に含まれる感光剤によって吸収されうる波長であれば、どのような波長のものであってもよい。波長は、一般に、約160nm〜1600nm、約400nm〜約900nm、約500nm〜約850nmであるが、波長は、使用する特定の感光性化合物と光強度とによって変わりうる。例えば、感光剤がメチレンブルーである実施形態では、波長は、好ましくは約650nm〜685nm、より好ましくは約660nm〜約680nm、最も好ましくは約665nm〜約675nmの範囲にある。
発生させる光は、単波長でも複数波長でもよい。光は、レーザー、発光ダイオード(LED)、白熱光源、蛍光源などの任意の適切な、当業界で開示されている発光素子によって生成されうる。光がレーザーまたはLEDによって生成されることが好ましい。
メチレンブルー濃度および光源のパワーに応じて、処置部位への光照射は、短時間でよいこともあり、例えば、約15秒〜約5分未満、好ましくは約15秒〜約2分、より好ましくは15秒〜約90秒、最も好ましくは約30秒〜60秒などでもよい。各光照射サイクル中に供給される光エネルギーは、約1J/cm〜約25J/cm、より好ましくは約5J/cm〜約20J/cm、最も好ましくは約6J/cm〜約12J/cmの範囲が好ましい。処置部位に存在するMRSAの性質および範囲に応じて、医師が処置部位に複数の光照射サイクル(例えば約2〜約10サイクル、約3〜約5サイクルなど)を適用してよく、この結果、処置部位に適用される累積総光エネルギーが、各サイクル中に供給される光エネルギーよりも実質的に上昇しうる。また、処置部位に存在する微生物の性質および範囲に応じて、所望の効果が得られるまで、方法全体が複数回(例えば約2〜約10回、約3〜約5回など)繰り返されてもよい。処置部位に適用される感光剤の濃度、波長および/または累積総光エネルギーの選択により、本発明の方法が、処置部位における標的MRSAの約90%超、より好ましくは95%超、最も好ましくは99%超を低減させることが好ましい。また、処置部位への光照射が、処置部位および/またはその周囲の宿主組織に生理学的損傷を惹き起こさないことが好ましい。
上記の本発明の感光性組成物および光線力学殺菌法は、ウイルス、真菌および細菌などの他の疾患関連微生物を低減させるためにも使用することもできる。限定するものではないが、このような微生物の例としては、黄色ブドウ球菌、大腸菌(E.コライ)、エンテロコッカス−フェカーリス(E.フェカーリス)、緑膿菌、アスペルギルス、カンジダ、クロストリジウムディフィシレ(グラム陽性桿菌)、表皮ブドウ球菌、アシネトバクター種、ならびに口腔内に一般に常在する病原性のグラム陰性有機体(例えばポルフィロモナス属、プレボテラ属、フゾバクテリウム属、タネレラ属、アクチノバチルス属、セレノモナス属、エイケネラ属、カンピロバクター、ウォリネラ属など)が挙げられる。
ここに記載した説明および図は、本発明、その原理、およびその実際的な用途を他の当業者に伝えるためのものである。当業者は、本発明を、特定の用途の要件に最も適するように、その数多くの形態を適合させ、適用することができる。したがって、記載する本発明の特定の実施形態は、本発明を網羅したり限定することを意図するものではない。このため、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定すべきではなく、添付の特許請求の範囲を参照して、特許請求の範囲に与えられる均等物のすべての範囲に沿って解釈されるべきである。特許公報および特許公開公報を含む、すべての記事および引用文献の開示内容は、あらゆる目的のために、ここに援用される。
本発明に従って示す以下の例は、例示のみを目的としており、本発明を限定することを意図するものではない。
実施例I
図1を参照すると、(a)濃度0.01%wtのメチレンブルー純水溶液;(b)濃度0.5%v/vのクロルヘキシジングルコネートの純水溶液;および(c)濃度0.01%wtのメチレンブルーおよび濃度0.5%v/vのクロルヘキシジングルコネートの純水溶液の3種の組成物の特性吸光度プロフィルが示されている。図1の横軸のスケールは、単位長あたりの吸光度(すなわち光学密度)を示す。図1の縦軸のスケールは、nm単位の波長を示す。図1の3本の線(a、b、c)は、これらの3種の組成物の吸光度プロフィルを表す。図1に示した特性吸光度プロフィルは、0.01wt%のメチレンブルー組成物に、0.5%v/vのクロルヘキシジングルコネートを添加しても、可視波長範囲におけるメチレンブルーの吸光度特性が大きく変わらないことを示す。
実施例II
約10CFU/mlのMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌ATCC(登録商標)33592(登録商標))のプランクトニック培養に、後述する対照と、クロルヘキシジンジグルコネートおよびメチレンブルーの各種組成物のいくつかの異なる組み合わせとを適用することによって生体外実験を実施した。図2に示すように、これらの組み合わせは、(a)濃度0.01%wtのメチレンブルーおよび濃度0.001%v/vのクロルヘキシジングルコネート;(b)濃度0.01%wtのメチレンブルーおよび濃度0.01%v/vのクロルヘキシジングルコネート;(c)濃度0.01%wtのメチレンブルーおよび濃度0.125%v/vのクロルヘキシジングルコネート;(d)濃度0.01%wtのメチレンブルーおよび濃度0.25%v/vのクロルヘキシジングルコネート;および(e)濃度0.01%wtのメチレンブルーおよび濃度0.5%v/vのクロルヘキシジングルコネートの各活性成分から構成される。また、図2に示すように、対照の配合は、(f)濃度0.01%wtのメチレンブルーのみ;(g)濃度0.001%v/vのクロルヘキシジングルコネートのみ;(h)濃度0.125%v/vのクロルヘキシジングルコネートのみ;(i)濃度0.25%v/vのクロルヘキシジングルコネートのみ;および(j)濃度0.5%v/vのクロルヘキシジングルコネートのみから構成される。上述の全プランクトニックMRSA培養に、波長670nm、パワー出力220mWの非熱ダイオードレーザを30秒間照射した(エネルギー量=10.3ジュール/cm)。
その後、全プランクトニックMRSA培養を調べ、プランクトニックMRSAの低減量に関するデータを収集した。図2において、上記の組成物番号が「I」の列に示され、各培養中のメチレンブルーの濃度が「II」の列に示され、各培養中のクロルヘキシジングルコネートの濃度が「III」の列に示され、照射を行なわなかった純水のプランクトニックMRSA培養(対照)と比較した、各培養についてのプランクトニックMRSAの生存率の減少(生存可能なコロニーカウントにおけるlog10低下と、無処置の対照との比較)が、「IV」の列に示されている。図2の行は、上記の各培養の結果を示す。図2に示すように、濃度0.01%wtのメチレンブルーのみを使用して得られたMRSA生存率の減少(fの行を参照)は、対照と比較して3.1log10である一方、クロルヘキシジングルコネートのみの組成物に曝した後に得たMRSA生存率の減少は(g、h、iおよびjの行を参照)、対照と比較して(クロルヘキシジングルコネートの濃度に応じて)0〜2.7log10であった。このデータは、クロルヘキシジングルコネート濃度が、0.25%v/vまたは0.5%v/vのいずれかの場合に、メチレンブルーおよびクロルヘキシジングルコネートの複合組成物に曝し光に露出させた後に得たMRSA生存率の減少は、100%の殺菌(eradication)(>7.2log10の減少)に対応することを示している。クロルヘキシジングルコネート濃度が、0.125%v/vの場合、MRSA生存率の減少は、>99.999%(5.7log10の減少)であった。クロルヘキシジングルコネート濃度が0.01%v/v以下では、MRSA減少は、照射を行ったメチレンブルーのみを使用して得た値と同等であり、このクロルヘキシジン濃度では、抗菌有効性に寄与しなくなることを示す。
実施例IIに示すデータは、低濃度のクロルヘキシジングルコネート(例えば、0.01%v/v超)を、光活性化メチレンブルーと組み合わせることで、光活性化メチレンブルーを単独で使用した場合よりも、MRSAを低減させる高い短期抗菌作用が得られたことを示している。これらの試験で使用したクロルヘキシジン濃度のいくつかは、単独でもMRSAを低減させる、かなりの(measurable)抗菌作用を有することが示されたものの、その程度は、低濃度のクロルヘキシジンおよびメチレンブルーの組み合わせを使用する光線力学殺菌法よりもかなり低かった。
実施例III
約10〜10CFU/mlの黄色ブドウ球菌(黄色ブドウ球菌ATCC(登録商標)25923(登録商標))のプランクトニック培養に、純水の対照(群)または下記の組成物Xを適用することによって生体外実験を実施した。純水中に、約0.01%v/vの濃度のメチレンブルーと、約0.25%v/vの濃度でクロルヘキシジンジグルコネートとの活性成分を含有する組成物Xを用いる。純水中の培養菌または組成物Xを、暗所に置くか、あるいは、約20.6ジュール/cmの総エネルギー量で670nm非熱レーザーを使用して照射した(露光60秒)。曝露後、全サンプルを希釈し、その後の成長を観察するために固体培地に培養した。各実験条件における黄色ブドウ球菌の生存率の減少を、照射を行なわなかった純水のプランクトニック黄色ブドウ球菌サンプル(対照群)と比較した。
結果から、照射を行った組成物Xに曝露後には、黄色ブドウ球菌に対する有意な抗菌有効性が示された。照射を行った組成物Xは、対照と比較して黄色ブドウ球菌生存率の5.4log10の減少が得られた。非照射の組成物Xに曝した場合は、プランクトニック黄色ブドウ球菌の生存率がほとんど減少せず、対照と比較して約0.7log10の低下であった。この結果は、メチレンブルーの光活性化を行なわない場合には、60秒の曝露後の0.25%のクロルヘキシジンジグルコネートの抗菌有効性はきわめて低いことを示す。また、照射を行った純水のサンプルは、対照と比較して、細菌の生存率の有意な減少を示さず、低減効果が、レーザー処理のみからの熱または光効果に起因しないことを示す。これらの結果から、感光剤(例えばメチレンブルー等のフェノサイアジン)とクロルヘキシジンジグルコネートとの組み合わせは、光線力学殺菌に使用したときに、かなり高い抗菌有効性を与える相乗効果を有することが示された。
実施例IV
約10〜10CFU/mlのMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌ATCC(登録商標)33592(登録商標))を、純水の対照または以下の組成物のいずれかに曝すことによって生体外実験を実施した。純水中に、約0.01%v/vの濃度のメチレンブルーと、約0.25%v/vの濃度でクロルヘキシジンジグルコネートとの活性成分を含有する組成物Aを用いる。純水中に、約0.01%wtの濃度でメチレンブルーの活性成分を含有する組成物Bを用いる。純水中に、約0.25%v/vの濃度でクロルヘキシジンジグルコネートの活性成分を含有する組成物Cを用いる。
メチレンブルー(組成物AおよびB)に曝したMRSA細菌の種菌、あるいは、純水に、10.3ジュール/cmの総エネルギー量で670nm非熱レーザーを使用して照射した(露光約30秒)。クロルヘキシジンジグルコネート(組成物C)のみに曝した種菌には、照射を行なわず、30秒放置し、その後、デイ−エングレイブロスを使用して中和した。中和溶液は、クロルヘキシジンの抗菌活性を無効化し、このため、実験のサンプルのすべてについて、試験薬剤に対する処置および/または曝露時間を等しくすることが可能となる。
曝露後、全サンプルを希釈し、その後の成長を観察するために固体培地に培養した。各実験条件のMRSAの生存率の減少を、照射を行なわなかった純水のプランクトニックMRSAサンプル(対照)と比較した。
この結果は、組成物A(メチレンブルーおよびクロルヘキシジンジグルコネート)がMRSAの殺菌(eradication)に最も有効な処置であることを示した。この組成物に曝して照射を行なった場合、対照と比較してMRSA生存率の7.3log10の減少が得られた(100%の殺菌(eradication))。組成物B(メチレンブルー)の存在下で照射を行った場合、対照と比較してMRSA生存率の4.8log10の減少が得られた。組成物C(クロルヘキシジンジグルコネート)に曝した場合は、殺菌(eradication)の程度が非常に低く、対照と比較して0.4log10の減少に過ぎなかった。照射を行った純水のサンプルは、対照と比較して、細菌の生存率の有意な減少を示さず、低減効果が、レーザー処理のみからの熱または光効果に起因しないことを示す。以上まとめると、照射を行ったメチレンブルーおよびクロルヘキシジンジグルコネートの複合処置の抗菌有効性は、クロルヘキシジンジグルコネートまたは照射を行なったメチレンブルーを単独で使用した場合と比べて、きわめて良好であった。このことは、低減効果を単独で添加した場合にそれぞれ観察される場合に予想されるよりも、より強力な抗菌作用を生み出す、これらの2種の薬剤の組み合わせの相乗効果を示す。
実施例V
約10〜10CFU/mlのMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌ATCC(登録商標)33592)を、純水の対照または以下の組成物のいずれかに曝すことによって生体外実験を実施した。約0.01%w/vの濃度でメチレンブルーの活性成分を含有する組成物Dを用いる。純水中に、約0.125%v/vの濃度でクロルヘキシジンジグルコネートの活性成分を含有する組成物Eを用いる。純水中に、約0.25%v/vの濃度でクロルヘキシジンジグルコネートの活性成分を含有する組成物Fを用いる。純水中に、約0.01%v/vの濃度でメチレンブルーと、約0.125%v/vの濃度でクロルヘキシジンジグルコネートとの活性成分を含有する組成物Gを用いる。純水中に、約0.01%v/vの濃度でメチレンブルーと、約0.25%v/vの濃度でクロルヘキシジンジグルコネートとの活性成分を含有する組成物Hを用いる。
全メチレンブルー含有サンプル(組成物D、GおよびH)を、10.3ジュール/cmの総エネルギー量で670nm非熱レーザーを使用して照射した(露光約30秒)。純水またはクロルヘキシジンジグルコネート単独のサンプル(組成物EおよびF)は、照射を行なわず、30秒放置し、その後、デイ−エングレイブロスを使用して中和した。この中和溶液は、クロルヘキシジンの抗菌活性を無効化し、このため、実験のサンプルのすべてについて、試験薬剤に対する処置および/または曝露時間を等しくすることが可能となる。
曝露後、全サンプルを希釈し、その後の成長を観察するために固体培地に培養した。各実験条件のMRSAの生存率の減少を、照射を行なわなかった純水のプランクトニックMRSAサンプル(対照)と比較した。
結果から、組成物D(メチレンブルー)に曝して照射を行ったMRSAは、対照と比較して、生存率が4.8log10の減少が得られたことが示された。組成物Eおよび組成物F(クロルヘキシジンジグルコネート)に曝した場合は、対照と比較してMRSA生存率を有意に減少させることはなかった。組成物G(メチレンブルーおよび0.125%のクロルヘキシジンジグルコネート)に曝して照射を行った場合、対照と比較してMRSA生存率の3.8log10の減少が得られた。組成物H(メチレンブルーおよび0.25%のクロルヘキシジンジグルコネート)に曝して照射を行った場合、MRSAに対して最大の抗菌作用が得られ、対照と比較して生存率の7.3log10の減少が得られた(100%の殺菌(eradication))。
上記のデータに基づけば、メチレンブルーとクロルヘキシジンジグルコネートとの両方を含有する組成物の抗菌有効性は、これらの薬剤を単独で使用した場合よりもきわめて良好であった。更に、複合処置のMRSA生存率の減少は、2種のそれぞれの処置を合わせた有効性よりも大きく、相乗効果を示した。単独で試験したクロルヘキシジンジグルコネートの濃度は、30秒の曝露後にMRSA生存率に影響を及ぼさなかったため、このデータは、単なる2種の異なる殺菌剤の相加作用とは対照的に、真の相乗効果を示唆するものである。
実施例Iに示すように、メチレンブルーの元の光学吸光度プロフィルは、クロルヘキシジンジグルコネートの存在下でも変化していない。このため、2種の成分が、キレート化するか、あるいは大きく反応して互いの構造が変化した可能性は低い。クロルヘキシジンは、グラム陽性有機体の外膜に作用することが知られているため、単独では殺菌性を示さない低濃度でも、感光剤を細菌に透過させる可能性が高い。このことが、メチレンブルー分子の膜および細胞内への凝集を促進する。メチレンブルーを致死量に満たない濃度のクロルヘキシジンと組み合わせることによって得られるMRSAの強力な殺菌(eradication)は、この組み合わせが、MRSAの光線力学殺菌に対して有望な処方でありうることを示唆している。
実施例Vl
メチレンブルー、クロルヘキシジンジグルコネートおよびこれらの組合せがMRSAの生物膜を殺菌する(eradicate)有効性を決定するための試験を行った。各ウェルに、約10CFU/mlでプランクトンMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌ATCC(登録商標)33592)のMRSAの種菌を植え付けて、35℃〜37℃で振盪させて48時間成長させることによって、平底96穴培養プレートに生物膜を成長させた。この手順で生物膜を形成した後に、液体培地を試験ウェルから除去し、ウェルをリン酸緩衝食塩水で二回すすぎ、プランクトニック非生物膜以外の有機体をすべて除去した。
以下の各組成物の200μlを生物膜に約10秒間適用することによって生体外実験を行った。リン酸緩衝食塩水の対照。純水中に、約0.01%v/vの濃度でメチレンブルーと、約0.25%v/vの濃度でクロルヘキシジンジグルコネートとの活性成分を含有する組成物Iを用いる。純水中に、約0.01の%v/vの濃度でメチレンブルーの活性成分を含有する組成物Jを用いる。純水中に、約0.25%v/vの濃度でクロルヘキシジンジグルコネートの活性成分を含有する組成物Kを用いる。純水中に、約0.50%v/vの濃度でクロルヘキシジンジグルコネートの活性成分を含有する組成物Lを用いる。純水中に、約0.125%v/vの濃度でクロルヘキシジンジグルコネートの活性成分を含有する組成物Mを用いる。純水中に、約0.01%v/vの濃度でメチレンブルーと、約0.50%v/vの濃度でクロルヘキシジンジグルコネートとの活性成分を含有する組成物Nを用いる。純水中に、約0.01%v/vの濃度でメチレンブルーと、約0.125%v/vの濃度でクロルヘキシジンジグルコネートとの活性成分を含有する組成物Oを用いる。
10秒後に、これら生物膜ウェルのそれぞれからすべての組成物を取り出した。メチレンブルー(組成物I、J、NおよびO)で処置した生物膜ウェルに、約7ジュール/cmの総エネルギー量で670nm非熱ダイオードレーザにより照射した(露光約20秒)。純水組成物またはクロルヘキシジンジグルコネート単独組成物のいずれか(組成物K、LおよびM)に曝した生物膜ウェルは、照射を行なわずに20秒間、暗所に放置した。照射を行った場合も行なわなかった場合も、20秒間の直後に、デイ−エングレイブロスの中和溶液を、試験条件と対照条件との両方の全生物膜ウェルに添加した。すべての生物膜を、中和溶液に曝してから、ウェルプレートを、超音波処理器に移し、30分間、高い設定で超音波処理した。超音波処理後に、各ウェルの液体サンプルを固体培地に培養して、残った有機体を成長させた。その後、リン酸緩衝食塩水(対照)の非照射対照と比較したMRSAの殺菌(eradication)を決定するために、プレートコロニーのカウントを行った。
結果から、組成物J(メチレンブルー)に曝して照射を行った場合、対照と比較してMRSA生存率の2.4log10の減少が得られたことが示された。組成物L(0.50%v/vのクロルヘキシジンジグルコネート)に曝した場合、対照と比較してMRSA生存率の1.3log10の減少が得られた。組成物K(0.25%v/vのクロルヘキシジンジグルコネート)に曝した場合、対照と比較してMRSA生存率の1.1log10の減少が得られた。組成物M(0.125%v/vのクロルヘキシジンジグルコネート)に曝した場合、対照と比較してMRSA生存率の0.6log10の減少が得られた。このように、クロルヘキシジンジグルコネート単独の組成物(組成物L、KおよびM)については、データから、クロルヘキシジンジグルコネートの濃度を0.5%v/vから0.125%v/vに低下させた場合、MRSA生物膜に対する抗菌有効性が低下することが示された。
メチレンブルーおよびクロルヘキシジンジグルコネートに曝して照射を行った結果を以下に示す。組成物I(メチレンブルーおよび0.25%v/vのクロルヘキシジンジグルコネート)は、対照と比較してMRSA生存率の4.2log10の減少が得られた。組成物M(メチレンブルーおよび0.50%v/vのクロルヘキシジンジグルコネート)は、対照と比較してMRSA生存率の4.5log10の減少が得られた。組成物O(メチレンブルーおよび0.125%v/vのクロルヘキシジンジグルコネート)は、対照と比較してMRSA生存率の4.3log10の減少が得られた。これらの結果から、クロルヘキシジンジグルコネートとメチレンブルーとの複合組成物(組成物I、NおよびO)が、メチレンブルーのみまたはクロルヘキシジンジグルコネートのみを含有する組成物と比べて優れた抗菌有効性を示すことが示された。また、複合組成物を使用した場合に得られる生存率の減少は、個々の成分を足した殺菌効果よりも多少高く、相乗効果を示唆している。更に、クロルヘキシジンジグルコネートとメチレンブルーとの複合組成物(組成物I、NおよびO)の抗菌有効性の低下は、クロルヘキシジンジグルコネート濃度を0.5%v/vから0.125%v/vに低下させても、わずかであった。
実施例VII
この試験は、高いレベルのMRSAで上皮表面に定着させたヒトの全層皮膚培養に対する、各種感光剤組成物を使用した光線力学殺菌の殺菌有効性を評価するように計画された。
MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌ATCC(登録商標)33592)のストックバイアルを、使用前に−80℃に冷凍した。解凍時に、培養を、トリプシン大豆寒天(米国カリフォルニア州サンタマリアのHardy Diagnostics社)に培養し、コロニーが確認できるまで、37℃で成長させた。培養を、増殖期を確実に得るために継代培養し、これを使用して、皮膚表面に定着させるために〜10CFU/mlの種菌を形成した。
この試験のために使用したヒト皮膚培養モデルは、EpiDerm FT(登録商標)全層皮膚モデル(米国マサチューセッツ州アシュランドのMatTek(登録商標)社)であった。この製品は、ヒト由来の表皮ケラチン細胞と、空気/媒質界面で培養したヒト由来皮膚繊維芽細胞とを含み、層別化された(表皮および真皮)無処置の全層上皮化ヒト皮膚のモデルを構成するものである。これらの構造は、生体内の状態の分化マーカー、脂質プロファイルおよび基底膜構造特性を示すことがわかっており、ヒトの皮膚に対する薬剤/処置の効果の試験に広く使用されている。皮膚サンプルを、製造業者から6穴プレートの細胞培養インサートの形で入手し、使用前に平衡化させるために、出荷後、24時間、37℃(5%CO)で培養した。前述のように作製したMRSA種菌の少量(25μl)を、インサートの側にあふれ出ないように注意しながら、培養サンプルの先端面にピペットで添加し、37℃(5%CO)で終夜培養した。安定したコロニーが形成されていることを確認するために、滅菌綿付きスワブを使用して、植え付け後5日間、24時間ごとに植え付けた組織表面からサンプルを採取した。データから、ヒト皮膚培養の上皮の表面にMRSAの10CFU/mlを植え付けた結果、5日間で、〜10CFU/mlの安定したコロニー(スワブサンプル収集後に回収可能な有機体)が形成されることが示された。
MRSAが定着した皮膚構造の上皮の表面に、純水の対照または以下の組成物の1つを適用することによって実験を行った。皮膚構造の各サンプルに、(i)純水の対照(対照);(ii)純水中に、約0.01%v/vの濃度でメチレンブルーと、約0.25%v/vの濃度でクロルヘキシジンジグルコネートとの活性成分を含有する組成物P;(iii)純水中に、約0.01%wtの濃度でメチレンブルーの活性成分を含有する組成物Q;および(iv)純水中に、約0.25%v/vの濃度でクロルヘキシジンジグルコネートの活性成分を含有する組成物R、の組成物の1つの50μlのアリコートを添加した。
皮膚構造に、純水、組成物P、組成物Qまたは組成物Rのいずれかを適用後、皮膚構造を、終端にSMA型コネクタを有し、実験用スタンド/クランプを使用して吊された670nm光ファイバ結合レーザシステムの下に直接置いた。カナダ国ブリティッシュコロンビア州バンクーバー所在のOndine Biopharma社製造のMRSAid(登録商標)光拡散器の先端部の表面に相当する組織表面においてパワー密度(〜400mW/cm)を発生させるために、各サンプルの組織を、光ファイバ光源の終端から、7cm離して置いた。サンプルに、このパワー密度を使用して、670nm非熱ダイオードレーザで約120秒間、照射した(総エネルギー量=約48ジュール/cm)。MRSAid(登録商標)光拡散器先端部自体が、サイズおよび形状が不適合であるため、細胞培養インサート内に置けないため、この照射方式が必要であった。
120秒後に、サンプルに、各組成物(すなわち、純水、組成物P、組成物Qまたは組成物R)を更に50μl適用し、上記と同じ工程を使用して120秒間、再度照射を行った(総エネルギー量=約48ジュール/cm)。このため、サンプルに対して、2回照射を行い、総エネルギー量は96ジュール/cmであった。
2回目の照射直後に、処置したサンプルの表面から余分な組成物を取り除いた。滅菌綿付きスワブを使用して、組織表面のサンプルを採取し、クロルヘキシジンジグルコネートの作用を阻害するために、3%のトゥイーン−80および0.75%のレシチンを含有する0.45%v/v食塩水を使用して、スワブを中和した。予備実験から、この溶液が、生存率評価のためのプレーティング前に、スワブに存在するクロルヘキシジンジグルコネートを有効に中和することを確認していた。スワブは液体回復培地に入れて、サンプルをその後の成長を観察するために固体培地に培養した。各実験条件でのMRSAの生存率の減少を、照射を行なわなかった純水のプランクトニックMRSAサンプル(対照)と比較した。
処置した皮膚構造の半分は、処置直後にサンプル収集し、残りの半分は24時間培養してからサンプル収集した。処置直後に採取したサンプルからのデータは、(i)組成物Q(メチレンブルー)に曝して照射を行なった場合、対照と比較してMRSA生存率の0.2log10の減少が得られた;(ii)組成物C(クロルヘキシジンジグルコネート)に曝した場合、対照と比較してMRSA生存率の1.1log10の減少が得られた;(iii)組成物P(メチレンブルーおよびクロルヘキシジンジグルコネート)に曝した結果、対照と比較してMRSA生存率の5.1log10の減少が得られた、ことが示された。このサンプル収集直後のデータにより、メチレンブルーおよびクロルヘキシジンジグルコネート(組成物P)の組み合わせにより、照射時にMRSA生存率が大幅かつ急速に低減されることが示された。これに対して、メチレンブルー(組成物Q)単独または光単独(純水を有する照射を受けた対照)の適用では、処置直後の対照と比べて生存率が大幅に低下することはなかった。
処置24時後に採取したサンプルからデータから、(i)組成物Q(メチレンブルーに曝した場合は、処置直後の対照と同等であった;(ii)組成物R(クロルヘキシジンジグルコネート)に曝した場合、対照と比較してMRSA生存率の4.3log10の減少が得られ、処置直後に観察されたよりも大幅に低下していた;(iii)組成物P(メチレンブルーおよびクロルヘキシジンジグルコネート)に曝した結果、対照と比較してMRSA生存率の5.9log10の減少が得られ、この組織表面上に定着した全てのMRSAがほぼ完全に殺菌(eradication)されたことが示された。
これらの結果から、メチレンブルーとクロルヘキシジンジグルコネートとの両方を含有する組成物Pは、処置直後、処置後24時間後のいずれについても、一成分組成物よりも、皮膚表面のMRSAの定着を低減させるのに有効であることが示された。感光剤(例えばメチレンブルー等のフェノサイアジン)とクロルヘキシジンジグルコネートとを組み合わせた場合、これらの薬剤を単独で使用した場合を足した場合よりも低減効果が高まった。
実施例VIII
MRSAの生育の長期抑制を決定するために、実施例VIIに記載した皮膚培養モデルを使用して第2の試験を行った。純水の対照群、または、純水中に約0.01%v/vの濃度のメチレンブルーと約0.25%v/vの濃度のクロルヘキシジンジグルコネートの活性成分とを含有する組成物Sのいずれか、MRSAが定着した皮膚サンプルに適用して、実施例VIIに記載したと同じ適用、照射、サンプル収集プロトコルおよび手順で処理した。表面スワブサンプルを、処置後24時間、48時間および120時間の時点で採取した。試験に利用できるサンプルの数の制約のため、処置直後のスワブサンプは採取しなかった。
処置後24時間の時点で、組成物Sに曝して照射を行った場合、未照射の対照(純水)と比較して、MRSA生存率の3.6log10の減少が得られた。処置後48時間および120時間の時点で、組成物Sに曝した場合は、MRSAが完全に殺菌(eradication)された。これらの時点における、対応する無処置の対照では、細菌の生存率は10〜10CFU/mlの範囲であった。このことは、この処置条件における細菌の生存率の減少は、定着の自然の損失または培養の組織生存率の低下によるものではないことを示していた。
実施例IX
MRSAの生育の長期抑制を決定するために、実施例VIIに記載した皮膚培養モデルを使用して第3の試験を行った。純水の対照群、または、以下の組成物のいずれかを、皮膚サンプルに適用し、実施例VIIに記載したのと同じ適用、照射、サンプル収集プロトコルおよび手順で処理した。純水中に、約0.01%v/vの濃度のメチレンブルーと、約0.25%v/vの濃度のクロルヘキシジンジグルコネートとの活性成分を含有する組成物Tを用いる。純水中に、約0.01の%v/vの濃度でメチレンブルーの活性成分を含有する組成物Uを用いる。スワブサンプルを、(i)実施例VIIで記載した光線力学殺菌処置の直後;(ii)処置24時間後;および(iii)処置48時間後に採取した。
この結果から、処置直後に採取したサンプルでは、組成物T(メチレンブルーおよびクロルヘキシジンジグルコネート)に曝して照射を行った場合、対応する未照射の対照と比較してMRSA生存率の1.1log10の減少が得られたことが示された。処置24時間後のサンプルでは、組成物Tに曝して照射を行った場合、対応する未照射の対照と比較してMRSA生存率の3.1log10の減少が得られた。処置48時間後のサンプルでは、組成物Tに曝して照射を行った場合、対応する未照射の対照と比較してMRSA生存率の3.5log10の減少が得られた。
更に、未照射の対照では、定着させたMRSAのカウントが、log10カウントについて、(i)処置直後のサンプルでは6.8;(ii)処置24時間後のサンプルでは7.8;(iii)処置48時間後のサンプルでは8.4と、時間の経過と共に増加した。
最後に、この結果から、組成物U(メチレンブルー)に曝して照射を行っても、試験を行ったいずれの時点においても、未照射の対照と比較して、MRSA生存率が大きく減少しないことが示された。これらの結果から、メチレンブルーとクロルヘキシジンジグルコネートとの組み合わせが、著しく高い抗菌有効性を提供する相乗効果を有し、MRSAの生育を48時間の期間、抑制することが示された。

Claims (20)

  1. メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の治療用の組成物であって、
    感光剤と、
    クロルヘキシジンと、
    薬学的に許容される担体とを含み、
    MRSAを含む処置部位の光線力学殺菌に使用される組成物。
  2. 前記感光剤がフェノサイアジンである、請求項1記載の組成物。
  3. 前記感光剤がメチレンブルーである、請求項1または2記載の組成物。
  4. クロルヘキシジンはクロルヘキシジンジグルコネートである、請求項1乃至3のいずれか1項記載の組成物。
  5. 前記クロルヘキシジンの濃度が約0.01%を超え約2%v/v未満である、請求項1乃至4のいずれか1項記載の組成物。
  6. 前記クロルヘキシジンの濃度が約0.01%を超え約1%v/v未満である、請求項1乃至4のいずれか1項記載の組成物。
  7. 前記クロルヘキシジンの濃度が約0.125%v/vから約1.5%v/vである、請求項1乃至6のいずれか1項記載の組成物。
  8. 前記クロルヘキシジンの濃度が約0.125%v/vから約0.8%v/vである、請求項1乃至6のいずれか1項記載の組成物。
  9. 光線力学殺菌用の組成物であって、
    約1%wt以下の濃度のフェノサイアジンと、
    約0.125%から約1%v/vの間の濃度のクロルヘキシジンと、
    薬学的に許容される担体とを含み、
    疾患原因微生物の光線力学殺菌に使用される組成物。
  10. 前記フェノサイアジンがメチレンブルーである、請求項9に記載の組成物。
  11. 前記微生物は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌、エンテロコッカス−フェカーリス、緑膿菌、アスペルギルス、カンジダ、クロストリジウムディフィシレ(グラム陽性桿菌)、表皮ブドウ球菌、アシネトバクター種、ポルフィロモナス属、プレボテラ属、フゾバクテリウム属、タネレラ属、アクチノバチルス属、セレノモナス属、エイケネラ属、カンピロバクター、ウォリネラ属およびこれらの組み合わせからなる群から選択される請求項9または10記載の組成物。
  12. 疾患原因微生物を低減させるための薬剤を製造するための感光性組成物の使用方法であって、
    感光剤、約0.01%を超え約2%v/v未満の濃度のクロルヘキシジン、および薬学的に許容される担体とを含む組成物を疾患原因微生物を含む処置部位に与えるステップと、
    前記処置部位において前記微生物を低減させるために、前記感光剤によって吸収される波長の光を前記処置部位に適用するステップとを含む、方法。
  13. 前記感光剤がフェノサイアジンである、請求項12に記載の方法。
  14. 前記感光剤がメチレンブルーであり、前記波長が約600nmから約700nmの範囲である、請求項12または13記載の方法。
  15. 前記クロルヘキシジンの濃度が約0.01%を超え約1%v/v未満である、請求項12乃至14いずれか1項記載の方法。
  16. 前記クロルヘキシジンの濃度が約0.125%v/vから約1.5%v/vの間である、請求項12乃至14のいずれか1項記載の方法。
  17. 前記微生物が、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌、大腸菌、エンテロコッカス−フェカーリス、緑膿菌、アスペルギルス、カンジダ、クロストリジウムディフィシレ(グラム陽性桿菌)、表皮ブドウ球菌、アシネトバクター種、ポルフィロモナス属、プレボテラ属、フゾバクテリウム属、タネレラ属、アクチノバチルス属、セレノモナス属、エイケネラ属、カンピロバクター、ウォリネラ属からなる群から選択され、またはこれらの組み合わせからなる、請求項12乃至16のいずれか1項記載の方法。
  18. 前記処置部位が鼻腔である、請求項12乃至17のいずれか1項記載の方法。
  19. 前記処置部位が前鼻孔である、請求項12乃至17のいずれか1項記載の方法。
  20. メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の治療のための薬剤を製造するための感光性組成物の使用方法であって、
    約1%wt以下の濃度のフェノサイアジン、約0.125%から約1%v/vの間の濃度のクロルヘキシジンおよび薬学的に許容される担体を含む組成物を、MRSAを含む処置部位に与えるステップと、
    前記処置部位において前記MRSAを低減させるために、前記感光剤によって吸収される波長の光を前記処置部位に適用するステップとを含む、方法。
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