JP2004507569A - ガラス/プラスチックコンパウンド - Google Patents
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Abstract
熱可塑性樹脂をベースとする本発明によるガラス/プラスチックコンパウンドは、以下の構成成分:以下の組成(モル%で):Li2O4〜10%、Na2O4〜10%、K2O4〜8%、CaO1〜2%、ZnO35〜37%、La2O30〜3%、P2O519〜22%およびSO319〜22%の低融点のスルホホスフェートガラス、高性能熱可塑性樹脂および有機添加剤および/または鉱物充填剤および場合によって付加的にカーボンブラックおよび/または立体障害亜リン酸塩またはフェノールを含有する。
Description
【0001】
本発明は、熱可塑性樹脂をベースとするガラス/プラスチックコンパウンドおよびその製造方法に関する。
【0002】
電気工業および電子工学では、装置または部品の製造のために強化されたプラスチック材料が使用され、前記材料は特に熱可塑性樹脂をベースとしている。その際、通常は強化された熱可塑性樹脂としてガラス繊維含有熱可塑性樹脂コンパウンドを使用する。
【0003】
絶縁物質表面上では−ダスト沈殿物および化学的沈殿物または別の不純物に基づく絶縁の外部の不純物のために−電圧をかけた際に電流が流れ得るが、これはいわゆる漏洩電流である。プラスチック絶縁材料の場合、この漏洩電流は、伝導性漏洩痕跡の形成のために、ポリマー基材から生成した熱分解生成物に帰することができるプラスチック表面上で流れる。しかし、そのためにプラスチックの絶縁作用は失われる。その際に伝導性の漏洩痕跡が形成される場合、電圧レベルは材料に依存する。この現象、即ち漏洩電流の発生および漏洩痕跡の形成は、種々のポリマー原料の群の、電気絶縁物質としてのある特定の取扱いへの使用可能性を制限する。というのも、電気工業への使用のためには−高い電気的安定性に加えて−何倍も高い漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)をも要求されなければならないからである。
【0004】
殊に電気的および電子的な部品および構成要素の場合には、高い漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)、即ちCTI値(CTI=Comparative Tracking Index)が要求される。例えば操作部およびキャップのためのリレー部品の場合、少なくとも125V以上、通常はその上さらに175V以上のCTI値が要求される。前記の要求は、リレーの基礎物質のためには、いわゆる”白色品(weisser Ware)”の場合一般的に175V以上であり、かつ自動車分野への使用の際には少なくとも225V以上である。電気工業または電子工学への別の適用の際、例えば外被の場合、前記の要求はその上さらに明白に高くなり得る。
【0005】
部分芳香族ポリアミドから予測される高温熱可塑性樹脂、即ち高性能熱可塑性樹脂が、単に前述の約100〜175Vの低い漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)を有しているにすぎないことは公知である。その上、前述の低い漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)は、強化剤、例えばガラス繊維の添加の際にさらに低下しうる。そのため、高温熱可塑性樹脂にとって多くの応用可能性が閉ざされている。
【0006】
本発明の課題は、高い漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)を有する、熱可塑性樹脂をベースとするガラス/プラスチックコンパウンドを記載することである。
【0007】
前記の課題は、本発明により、以下の構成成分:
−以下の組成(モル%で):Li2O4〜10%、Na2O4〜10%、K2O4〜8%、CaO1〜2%、ZnO35〜37%、La2O30〜3%、P2O519〜22%およびSO319〜22%の低融点のスルホホスフェートガラス−高性能熱可塑性樹脂および
−有機添加剤および/または鉱物充填剤および場合によって付加的に、
−カーボンブラックおよび/または立体障害亜リン酸塩またはフェノールを含有するガラス/プラスチックコンパウンドによって達成される。
【0008】
”低融点の”スルホホスフェートガラスとは、低いガラス転移温度Tgを有するガラス、殊に約500℃未満のTgを有するガラスを意味する。”高性能熱可塑性樹脂”とは、高性能プラスチック(高性能ポリマー”high−performance polymer”)であり、しかも本発明の場合には、高温耐熱性プラスチック(耐熱性ポリマー”heat−resistant polymer”、高温耐熱性ポリマー”high−temperature resistant polymer”)である。このことは、コンパウンドを製造する際の温度と同様、(コンパウンドの)加工温度も300℃を上回るため重要である。
【0009】
本発明によるガラス/プラスチックコンパウンドまたはガラス/ポリマーコンパウンドは、高い漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)を有する:CTI値は250Vおよびそれ以上にまでなり得る。それにより、電気工業的および電子的な部品および構成要素の場合、新しい高性能コンパウンドにとって幅広い応用分野、即ち拡張された使用範囲が開かれる。また本質的に、高い漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)はその大部分が比較的少量の添加剤を伴って達成され、このことは流動性および機械的特性に大変好ましい結果をもたらす。
【0010】
ドイツ連邦共和国特許出願番号19960548.3(出願日:1999.12.15)には、以下の構成成分:
−以下の組成(モル%で):Li2O4〜10%、Na2O4〜10%、K2O4〜8%、CaO1〜2%、ZnO35〜37%、La2O30〜3%、P2O519〜22%およびSO319〜22%の低融点のスルホホスフェートガラスおよび
−高性能熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂をベースとするガラス/プラスチックコンパウンドが記載されている。
【0011】
有機添加剤および/または鉱物充填剤を含有する本発明によるガラス/プラスチックコンパウンドは、前記のコンパウンドと比較して50〜100VのCTI値の上昇を示す。さらに、本発明によるコンパウンドは付加的にカーボンブラックおよび/または立体障害亜リン酸塩またはフェノールを有しており、この場合漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)は再度高められ、しかもCTI値は250V以上となる。
【0012】
本発明によるガラス/プラスチックコンパウンドは、高い充填剤含有量、即ち高いガラス含有量を有する場合でさえも、−改善された漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)に加え−さらに良好な機械的および熱的特性、および良好な加工特性、殊に良好な流動性を示す。その上、前記コンパウンドは殊に水、酸および塩基に対する卓越した化学的安定性が顕著であり、しかも驚異的なことに安定剤を添加することなく安定である。その上、前記のガラス/プラスチックコンパウンドは傑出した摩耗強度を有し、かつ材料の再利用は問題なく可能である。それというのも、ガラス繊維強化コンパウンドの場合と同様、ガラス構成要素の短縮が生じないためである。
【0013】
本発明によるガラス/プラスチックコンパウンド中に含有されているスルホホスフェートガラスは、250℃≦Tg≦280℃のガラス転移温度を有する。有利に、スルホホスフェートガラスは該コンパウンド中で以下の組成(モル%で):Li2O4.9%、Na2O9.4%、K2O7.1%、CaO1.6%、ZnO36.6%、P2O520.0%およびSO320.4%で使用される。前記のようなガラスは268℃のガラス転移温度を有する。別のガラスは例えば以下の組成(モル%で):Li2O9%、Na2O5%、K2O7%、CaO1.6%、ZnO37%、P2O520.4%およびSO320%(Tg=280℃)を有する。別のガラスは例えば以下の組成(モル%で):Li2O4.8%、Na2O9.2%、K2O6.9%、CaO1.6%、ZnO35.9%、La2O32.0%、P2O519.6%およびSO320.0%(Tg=275℃)を有する。
【0014】
高性能熱可塑性樹脂として、有利にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、部分芳香族ポリアミド、例えばポリフタルアミド(PPA)、または流動性結晶質ポリマー(LCP)が使用される。前記のポリマーの場合、ガラス構成要素のガラス転移温度は熱可塑性樹脂材料の加工温度に合わせられている。他の使用可能な高性能熱可塑性樹脂は、一般的にポリアリールエーテルケトン(PAEK)、例えばポリエーテルケトン(PEK)、およびポリスルホン(PSU)、殊にポリエーテルスルホン(PES)およびポリフェニレンスルホン(PPSU)である。
【0015】
ガラス/プラスチックコンパウンドのガラス構成要素、即ちスルホホスフェートガラスの含有量は、スルホホスフェートガラスおよび高性能熱可塑性樹脂の含有量に対して有利に15〜60質量%である。しかし特定の使用のためには、ガラス含有量は80質量%までであってよい。コンパウンドは通常の添加剤、例えば有色顔料および安定剤を含有してもよい。使用可能性は例えばセンサー、アクチュエータ、プラグ接続およびリレーの場合に存在する。
【0016】
有機添加剤は有利にメラミンシアヌレート、ポリシロキサンまたはハロゲン化された防火剤、例えばポリ(ハロアリール−(メト)アクリレート)およびハロゲン化されたポリスチロールである。他の使用可能な添加剤は、エラストマー、例えばオレフィンエラストマー、ゴム、ポリアミド、フッ素ポリマーおよびオルガノシラン、例えば3−メルカプトプロピル−トリメトキシシランである。
【0017】
鉱物充填剤は有利に雲母、硫酸カルシウム(CaSO4)またはホウ酸亜鉛、例えば4ZnO・B2O3・H2Oである。しかしまた充填剤として、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、三酸化アンチモン、二酸化チタン、リン酸カルシウム、ピロリン酸塩、殊にピロリン酸ナトリウムおよびピロリン酸カリウム、ポリリン酸アンモニウムおよびタルクも対象となる。
【0018】
ガラス/プラスチックコンパウンドの有機添加剤および/または鉱物充填剤の含有量は、総質量に対してそれぞれ有利に5〜40質量%、殊に5〜15質量%である。総質量に対してそれぞれ、カーボンブラックの含有量は有利に0.1〜1.0質量%、殊に0.2〜0.5質量%であり、立体障害亜リン酸塩またはフェノールの含有量は0.5〜1.5質量%、殊に約1質量%である。
【0019】
適当な亜リン酸塩、即ち亜リン酸エステルは、例えば化合物、例えばトリス−(2,4−ジ−t−ブチル−フェニル)−亜リン酸塩である。適当なフェノールは、例えば(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸エステル、例えばオクタデカノールおよびペンタエリトリットに相応するプロピオン酸塩である。
【0020】
本発明によるガラス/プラスチックコンパウンドの製造は、まず初めに、スルホホスフェートガラスと高性能熱可塑性樹脂の双方の構成要素から−高められた温度で−60〜90質量%のガラス含有量を有するマスターバッチを製造するという方法で行う。その際驚異的なことに、1.5mm以下の直径を有するガラス粒子(ガラス粒体)を使用する場合、マスターバッチにおいて、均一に分配されたμmおよびサブμm範囲のガラス構造が得られることが見い出された。
【0021】
次いで、さらなる加工は−第2処理工程で−さらなる高性能熱可塑性樹脂をマスターバッチに−高められた温度で−添加することにより、ガラス含量が例えば15〜60質量%に低減されるような方法で行う。その際、ガラス粒子の構造および均質な分布は影響を受けず、即ちこれらは維持されたままである。対照実験において、驚異的にも、例えば15%のガラス含有量を有するバッチから直接出発した場合には、前記のような構造大きさおよび構造分布は得られないことが明らかとなる。その上、nm範囲で均等に分配されたガラス構造は、むしろ高性能熱可塑性樹脂中の特殊なスルホホスフェートガラスの高い含有量を有するマスターバッチから出発する場合にのみ実現することができる。
【0022】
第2処理工程の際に、有機添加剤および/または鉱物充填剤も同時に添加される。さらに、場合によってはカーボンブラックおよび/または立体障害亜リン酸塩またはフェノールが添加されてよい。
【0023】
本発明によるガラス/プラスチックコンパウンドは、高められた温度、有利に約320〜420℃で製造される。コンパウンドを製造する際、ガラス粒子(等方性/異方性)の構造を加工条件により調整することもまた可能である。さらに、前記コンパウンドはガラス構成要素の熱可塑性樹脂材料への良好な結合が顕著であり、例えば殊に良好な化学的安定性を示す。
【0024】
スルホホスフェートガラスの比較的粗な粒子に由来され得るので、粒径は4mm以下、有利に1.5mm以下であり、従って本発明による方法は、このようなガラス/プラスチックコンパウンドをも廉価で製造することができ、その際ガラス粒子は高性能熱可塑性樹脂中で均等にかつ均質に分配されており、かつそれに加えてnm範囲まで意図的に調整されることができるという可能性を与える。このことは、個々の構成要素の粘度を介して、および加工条件、殊に加工温度を介して行う;一般的に、プラスチックとガラスの粘度比は約1:1000である。このようなコンパウンドは殊に電気工業または電子工学のための装置および部品の製造に好適である。というのはその際、材料特性および加工特性に関する本質的な要求が満たされ、かつ故障なしの動作が保証されるからである。それに加え、コンパウンドは電気工業または電子工学の装置および部品の場合、材料の多様性の明白な減少を可能にし、殊にプラスチックの場合、種類の統一まで可能にする。このことにより、原価の安い材料再利用が、しかも充填剤特性を維持しながら可能となる。
【0025】
本発明は、実施例をもとにしてより詳細に解説される。その際使用されたスルホホスフェートガラスは、以下の組成(モル%で):Li2O4.9%、Na2O9.4%、K2O7.1%、CaO1.6%、ZnO36.6%、P2O520.0%およびSO320.4%を有する。
【0026】
例1
マスターバッチの製造
マスターバッチの製造は、有利に11個に分かれたシリンダー熱ゾーン(シリンダーゾーン1:注入用漏斗;シリンダーゾーン11:ノズル)を伴った、同方向回転型の二軸スクリュー押出機上で、または逆方向回転型の二軸スクリュー押出機上でも行う。二軸は、シリンダー熱ゾーン3〜5中でより多くの混練ブロックおよび剪断ブロックおよびせき板が組み込まれているように考慮されている。ゾーン6〜9には分散要素が備え付けられており、ゾーン10および11は運搬要素を有する。
【0027】
使用されたプラスチックは、粉末の形かまたは顆粒の形のどちらかで存在し、(3〜4mmの長さおよび2〜5mmの直径を有するレンズ顆粒またはシリンダー顆粒);ガラスは1.5mm以下の粒度を有する。プラスチック粉末を使用する際、まず第一にドライブレンド(マスターバッチ)は、ガラスが60〜90%に対してプラスチックが40〜10%に相応する割合で調製され、次いでドライブレンド(マスターバッチ)はスクリュー押出機の主計量供給部(注入用漏斗)中へ計量供給される。プラスチック顆粒を使用する際、双方の構成要素は計量系を介して割合に応じて注入用漏斗中へ計量供給される。この方法は、プラスチック粉末を使用する際にも優先される。その上、プラスチック粉末またはプラスチック顆粒をスクリュー押出機の注入用漏斗に計量供給し、かつガラスを側方計量供給部(Seitendosierung)を介してシリンダーゾーン3〜5中で計量供給するという可能性が存在する。ガラスと同様プラスチックまたはドライブレンドは加工の前に少なくとも100〜150℃で4時間十分に前乾燥される。コンパウンドは多孔ノズルを通じて運搬され、接続された水浴中で冷却され、次いで造粒機中で微粉砕される。ガラス含有量が高い場合には、高温排水管の使用が好ましい。
【0028】
(b)ガラス/プラスチックコンパウンドの製造
前記の二軸スクリュー押出機を用いて、マスターバッチ中のガラス含有量の低減を行う。15〜60質量%の最終的なガラス含有量は、2種類の方法で調整されることができる:
(i)マスターバッチ顆粒および基礎材料は、調整するべき最終的なガラス含有量に相応して割合に応じて計量され、かつドライブレンド中で調製される。このドライブレンドは、スクリュー押出機の注入用漏斗へ計量供給される。従って、最終的なコンパウンドの製造は第2のスクリュー押出機の運転中に行う。
【0029】
(ii)第2の側方計量供給部(Seitendosierer)を介してシリンダーゾーン6〜9中で−調整するべきガラス含有量に相応した−基礎材料が計量供給されることにより、製造を同じスクリュー押出機の運転中にマスターバッチの製造と共に行う。従って、最終的なコンパウンドの製造のためにはスクリュー押出機の運転のみが必要であるにすぎない。
【0030】
この際、変法(ii)が好ましい。というのも、材料には調製工程中に温度負荷が一度しかかかっておらず、従って基礎材料の過剰の分子分解は回避されるからである。
【0031】
変法(i)の場合、ゾーン3〜11中のシリンダー温度分布は、(a)による温度分布に相応してそれぞれ約15〜20℃である。
【0032】
また、基礎材料と同時に、(ガラス含有量の低減のために)マスターバッチに全添加剤、即ち有機添加剤および/または鉱物充填剤および場合によってカーボンブラックおよび/または立体障害亜リン酸塩またはフェノールも添加される。
【0033】
以下の組成のガラス/プラスチックコンパウンドが製造される(質量部):
【0034】
【表1】
【0035】
例2
漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)
コンパウンドから、15mmx15mmの最小の測定量および3mmの最小厚さを有する、平板の形の射出成形試験体により製造される。漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)の試験は、DIN VDE 0303 Teil1(同著書 IEC 112, Comparative tracking index CTI)に従って行う。
【0036】
試験指示:
幅5mmかつ厚さ2mm、角度30゜で角を斜めに切断して処理された2個の白金電極は、対称的に垂直な平面に配置され、従って両電極間の角度は60゜であり;互いに向かいあって直立している面は垂直に立っており、平らな水平面上の距離は4mmである。電源、電圧計および過電流リレー(2秒後に0.5A)および2つの試験溶液のための液滴供給器が存在する;
試験溶液A:蒸留された水中でNH4Cl0.1質量%
試験溶液B:蒸留された水中でNH4Cl0.1質量%およびジイソブチル−ナフタリンスルホン酸ナトリウム塩0.5質量%
CTI値の算出:
CTI値は最高電圧値であり、この場合には、しかも他のプローブの試験の際に、25Vだけ低い電圧を有する5箇所で100滴未満の滴下の際に故障が生じないという前提で、プローブの5箇所で、それぞれ50滴の滴下(30秒周期で)の後には故障なしに(過電流リレーを作動させて)、即ち漏洩経路が生じない(例えばCTI425)。この付加条件は満たされず、従って最高電圧が算出され、5箇所で100滴またはそれを上回る滴下に耐え、この値、例えばCTI425(375)が付加的に示される。
【0037】
上記の試験において、以下のCTI値がもたらされる:
コンパウンド1:225V;
コンパウンド2:250V;
コンパウンド3:250V。
本発明は、熱可塑性樹脂をベースとするガラス/プラスチックコンパウンドおよびその製造方法に関する。
【0002】
電気工業および電子工学では、装置または部品の製造のために強化されたプラスチック材料が使用され、前記材料は特に熱可塑性樹脂をベースとしている。その際、通常は強化された熱可塑性樹脂としてガラス繊維含有熱可塑性樹脂コンパウンドを使用する。
【0003】
絶縁物質表面上では−ダスト沈殿物および化学的沈殿物または別の不純物に基づく絶縁の外部の不純物のために−電圧をかけた際に電流が流れ得るが、これはいわゆる漏洩電流である。プラスチック絶縁材料の場合、この漏洩電流は、伝導性漏洩痕跡の形成のために、ポリマー基材から生成した熱分解生成物に帰することができるプラスチック表面上で流れる。しかし、そのためにプラスチックの絶縁作用は失われる。その際に伝導性の漏洩痕跡が形成される場合、電圧レベルは材料に依存する。この現象、即ち漏洩電流の発生および漏洩痕跡の形成は、種々のポリマー原料の群の、電気絶縁物質としてのある特定の取扱いへの使用可能性を制限する。というのも、電気工業への使用のためには−高い電気的安定性に加えて−何倍も高い漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)をも要求されなければならないからである。
【0004】
殊に電気的および電子的な部品および構成要素の場合には、高い漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)、即ちCTI値(CTI=Comparative Tracking Index)が要求される。例えば操作部およびキャップのためのリレー部品の場合、少なくとも125V以上、通常はその上さらに175V以上のCTI値が要求される。前記の要求は、リレーの基礎物質のためには、いわゆる”白色品(weisser Ware)”の場合一般的に175V以上であり、かつ自動車分野への使用の際には少なくとも225V以上である。電気工業または電子工学への別の適用の際、例えば外被の場合、前記の要求はその上さらに明白に高くなり得る。
【0005】
部分芳香族ポリアミドから予測される高温熱可塑性樹脂、即ち高性能熱可塑性樹脂が、単に前述の約100〜175Vの低い漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)を有しているにすぎないことは公知である。その上、前述の低い漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)は、強化剤、例えばガラス繊維の添加の際にさらに低下しうる。そのため、高温熱可塑性樹脂にとって多くの応用可能性が閉ざされている。
【0006】
本発明の課題は、高い漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)を有する、熱可塑性樹脂をベースとするガラス/プラスチックコンパウンドを記載することである。
【0007】
前記の課題は、本発明により、以下の構成成分:
−以下の組成(モル%で):Li2O4〜10%、Na2O4〜10%、K2O4〜8%、CaO1〜2%、ZnO35〜37%、La2O30〜3%、P2O519〜22%およびSO319〜22%の低融点のスルホホスフェートガラス−高性能熱可塑性樹脂および
−有機添加剤および/または鉱物充填剤および場合によって付加的に、
−カーボンブラックおよび/または立体障害亜リン酸塩またはフェノールを含有するガラス/プラスチックコンパウンドによって達成される。
【0008】
”低融点の”スルホホスフェートガラスとは、低いガラス転移温度Tgを有するガラス、殊に約500℃未満のTgを有するガラスを意味する。”高性能熱可塑性樹脂”とは、高性能プラスチック(高性能ポリマー”high−performance polymer”)であり、しかも本発明の場合には、高温耐熱性プラスチック(耐熱性ポリマー”heat−resistant polymer”、高温耐熱性ポリマー”high−temperature resistant polymer”)である。このことは、コンパウンドを製造する際の温度と同様、(コンパウンドの)加工温度も300℃を上回るため重要である。
【0009】
本発明によるガラス/プラスチックコンパウンドまたはガラス/ポリマーコンパウンドは、高い漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)を有する:CTI値は250Vおよびそれ以上にまでなり得る。それにより、電気工業的および電子的な部品および構成要素の場合、新しい高性能コンパウンドにとって幅広い応用分野、即ち拡張された使用範囲が開かれる。また本質的に、高い漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)はその大部分が比較的少量の添加剤を伴って達成され、このことは流動性および機械的特性に大変好ましい結果をもたらす。
【0010】
ドイツ連邦共和国特許出願番号19960548.3(出願日:1999.12.15)には、以下の構成成分:
−以下の組成(モル%で):Li2O4〜10%、Na2O4〜10%、K2O4〜8%、CaO1〜2%、ZnO35〜37%、La2O30〜3%、P2O519〜22%およびSO319〜22%の低融点のスルホホスフェートガラスおよび
−高性能熱可塑性樹脂を含有する熱可塑性樹脂をベースとするガラス/プラスチックコンパウンドが記載されている。
【0011】
有機添加剤および/または鉱物充填剤を含有する本発明によるガラス/プラスチックコンパウンドは、前記のコンパウンドと比較して50〜100VのCTI値の上昇を示す。さらに、本発明によるコンパウンドは付加的にカーボンブラックおよび/または立体障害亜リン酸塩またはフェノールを有しており、この場合漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)は再度高められ、しかもCTI値は250V以上となる。
【0012】
本発明によるガラス/プラスチックコンパウンドは、高い充填剤含有量、即ち高いガラス含有量を有する場合でさえも、−改善された漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)に加え−さらに良好な機械的および熱的特性、および良好な加工特性、殊に良好な流動性を示す。その上、前記コンパウンドは殊に水、酸および塩基に対する卓越した化学的安定性が顕著であり、しかも驚異的なことに安定剤を添加することなく安定である。その上、前記のガラス/プラスチックコンパウンドは傑出した摩耗強度を有し、かつ材料の再利用は問題なく可能である。それというのも、ガラス繊維強化コンパウンドの場合と同様、ガラス構成要素の短縮が生じないためである。
【0013】
本発明によるガラス/プラスチックコンパウンド中に含有されているスルホホスフェートガラスは、250℃≦Tg≦280℃のガラス転移温度を有する。有利に、スルホホスフェートガラスは該コンパウンド中で以下の組成(モル%で):Li2O4.9%、Na2O9.4%、K2O7.1%、CaO1.6%、ZnO36.6%、P2O520.0%およびSO320.4%で使用される。前記のようなガラスは268℃のガラス転移温度を有する。別のガラスは例えば以下の組成(モル%で):Li2O9%、Na2O5%、K2O7%、CaO1.6%、ZnO37%、P2O520.4%およびSO320%(Tg=280℃)を有する。別のガラスは例えば以下の組成(モル%で):Li2O4.8%、Na2O9.2%、K2O6.9%、CaO1.6%、ZnO35.9%、La2O32.0%、P2O519.6%およびSO320.0%(Tg=275℃)を有する。
【0014】
高性能熱可塑性樹脂として、有利にポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、部分芳香族ポリアミド、例えばポリフタルアミド(PPA)、または流動性結晶質ポリマー(LCP)が使用される。前記のポリマーの場合、ガラス構成要素のガラス転移温度は熱可塑性樹脂材料の加工温度に合わせられている。他の使用可能な高性能熱可塑性樹脂は、一般的にポリアリールエーテルケトン(PAEK)、例えばポリエーテルケトン(PEK)、およびポリスルホン(PSU)、殊にポリエーテルスルホン(PES)およびポリフェニレンスルホン(PPSU)である。
【0015】
ガラス/プラスチックコンパウンドのガラス構成要素、即ちスルホホスフェートガラスの含有量は、スルホホスフェートガラスおよび高性能熱可塑性樹脂の含有量に対して有利に15〜60質量%である。しかし特定の使用のためには、ガラス含有量は80質量%までであってよい。コンパウンドは通常の添加剤、例えば有色顔料および安定剤を含有してもよい。使用可能性は例えばセンサー、アクチュエータ、プラグ接続およびリレーの場合に存在する。
【0016】
有機添加剤は有利にメラミンシアヌレート、ポリシロキサンまたはハロゲン化された防火剤、例えばポリ(ハロアリール−(メト)アクリレート)およびハロゲン化されたポリスチロールである。他の使用可能な添加剤は、エラストマー、例えばオレフィンエラストマー、ゴム、ポリアミド、フッ素ポリマーおよびオルガノシラン、例えば3−メルカプトプロピル−トリメトキシシランである。
【0017】
鉱物充填剤は有利に雲母、硫酸カルシウム(CaSO4)またはホウ酸亜鉛、例えば4ZnO・B2O3・H2Oである。しかしまた充填剤として、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、ホウ酸アルミニウム、硫酸バリウム、三酸化アンチモン、二酸化チタン、リン酸カルシウム、ピロリン酸塩、殊にピロリン酸ナトリウムおよびピロリン酸カリウム、ポリリン酸アンモニウムおよびタルクも対象となる。
【0018】
ガラス/プラスチックコンパウンドの有機添加剤および/または鉱物充填剤の含有量は、総質量に対してそれぞれ有利に5〜40質量%、殊に5〜15質量%である。総質量に対してそれぞれ、カーボンブラックの含有量は有利に0.1〜1.0質量%、殊に0.2〜0.5質量%であり、立体障害亜リン酸塩またはフェノールの含有量は0.5〜1.5質量%、殊に約1質量%である。
【0019】
適当な亜リン酸塩、即ち亜リン酸エステルは、例えば化合物、例えばトリス−(2,4−ジ−t−ブチル−フェニル)−亜リン酸塩である。適当なフェノールは、例えば(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−プロピオン酸エステル、例えばオクタデカノールおよびペンタエリトリットに相応するプロピオン酸塩である。
【0020】
本発明によるガラス/プラスチックコンパウンドの製造は、まず初めに、スルホホスフェートガラスと高性能熱可塑性樹脂の双方の構成要素から−高められた温度で−60〜90質量%のガラス含有量を有するマスターバッチを製造するという方法で行う。その際驚異的なことに、1.5mm以下の直径を有するガラス粒子(ガラス粒体)を使用する場合、マスターバッチにおいて、均一に分配されたμmおよびサブμm範囲のガラス構造が得られることが見い出された。
【0021】
次いで、さらなる加工は−第2処理工程で−さらなる高性能熱可塑性樹脂をマスターバッチに−高められた温度で−添加することにより、ガラス含量が例えば15〜60質量%に低減されるような方法で行う。その際、ガラス粒子の構造および均質な分布は影響を受けず、即ちこれらは維持されたままである。対照実験において、驚異的にも、例えば15%のガラス含有量を有するバッチから直接出発した場合には、前記のような構造大きさおよび構造分布は得られないことが明らかとなる。その上、nm範囲で均等に分配されたガラス構造は、むしろ高性能熱可塑性樹脂中の特殊なスルホホスフェートガラスの高い含有量を有するマスターバッチから出発する場合にのみ実現することができる。
【0022】
第2処理工程の際に、有機添加剤および/または鉱物充填剤も同時に添加される。さらに、場合によってはカーボンブラックおよび/または立体障害亜リン酸塩またはフェノールが添加されてよい。
【0023】
本発明によるガラス/プラスチックコンパウンドは、高められた温度、有利に約320〜420℃で製造される。コンパウンドを製造する際、ガラス粒子(等方性/異方性)の構造を加工条件により調整することもまた可能である。さらに、前記コンパウンドはガラス構成要素の熱可塑性樹脂材料への良好な結合が顕著であり、例えば殊に良好な化学的安定性を示す。
【0024】
スルホホスフェートガラスの比較的粗な粒子に由来され得るので、粒径は4mm以下、有利に1.5mm以下であり、従って本発明による方法は、このようなガラス/プラスチックコンパウンドをも廉価で製造することができ、その際ガラス粒子は高性能熱可塑性樹脂中で均等にかつ均質に分配されており、かつそれに加えてnm範囲まで意図的に調整されることができるという可能性を与える。このことは、個々の構成要素の粘度を介して、および加工条件、殊に加工温度を介して行う;一般的に、プラスチックとガラスの粘度比は約1:1000である。このようなコンパウンドは殊に電気工業または電子工学のための装置および部品の製造に好適である。というのはその際、材料特性および加工特性に関する本質的な要求が満たされ、かつ故障なしの動作が保証されるからである。それに加え、コンパウンドは電気工業または電子工学の装置および部品の場合、材料の多様性の明白な減少を可能にし、殊にプラスチックの場合、種類の統一まで可能にする。このことにより、原価の安い材料再利用が、しかも充填剤特性を維持しながら可能となる。
【0025】
本発明は、実施例をもとにしてより詳細に解説される。その際使用されたスルホホスフェートガラスは、以下の組成(モル%で):Li2O4.9%、Na2O9.4%、K2O7.1%、CaO1.6%、ZnO36.6%、P2O520.0%およびSO320.4%を有する。
【0026】
例1
マスターバッチの製造
マスターバッチの製造は、有利に11個に分かれたシリンダー熱ゾーン(シリンダーゾーン1:注入用漏斗;シリンダーゾーン11:ノズル)を伴った、同方向回転型の二軸スクリュー押出機上で、または逆方向回転型の二軸スクリュー押出機上でも行う。二軸は、シリンダー熱ゾーン3〜5中でより多くの混練ブロックおよび剪断ブロックおよびせき板が組み込まれているように考慮されている。ゾーン6〜9には分散要素が備え付けられており、ゾーン10および11は運搬要素を有する。
【0027】
使用されたプラスチックは、粉末の形かまたは顆粒の形のどちらかで存在し、(3〜4mmの長さおよび2〜5mmの直径を有するレンズ顆粒またはシリンダー顆粒);ガラスは1.5mm以下の粒度を有する。プラスチック粉末を使用する際、まず第一にドライブレンド(マスターバッチ)は、ガラスが60〜90%に対してプラスチックが40〜10%に相応する割合で調製され、次いでドライブレンド(マスターバッチ)はスクリュー押出機の主計量供給部(注入用漏斗)中へ計量供給される。プラスチック顆粒を使用する際、双方の構成要素は計量系を介して割合に応じて注入用漏斗中へ計量供給される。この方法は、プラスチック粉末を使用する際にも優先される。その上、プラスチック粉末またはプラスチック顆粒をスクリュー押出機の注入用漏斗に計量供給し、かつガラスを側方計量供給部(Seitendosierung)を介してシリンダーゾーン3〜5中で計量供給するという可能性が存在する。ガラスと同様プラスチックまたはドライブレンドは加工の前に少なくとも100〜150℃で4時間十分に前乾燥される。コンパウンドは多孔ノズルを通じて運搬され、接続された水浴中で冷却され、次いで造粒機中で微粉砕される。ガラス含有量が高い場合には、高温排水管の使用が好ましい。
【0028】
(b)ガラス/プラスチックコンパウンドの製造
前記の二軸スクリュー押出機を用いて、マスターバッチ中のガラス含有量の低減を行う。15〜60質量%の最終的なガラス含有量は、2種類の方法で調整されることができる:
(i)マスターバッチ顆粒および基礎材料は、調整するべき最終的なガラス含有量に相応して割合に応じて計量され、かつドライブレンド中で調製される。このドライブレンドは、スクリュー押出機の注入用漏斗へ計量供給される。従って、最終的なコンパウンドの製造は第2のスクリュー押出機の運転中に行う。
【0029】
(ii)第2の側方計量供給部(Seitendosierer)を介してシリンダーゾーン6〜9中で−調整するべきガラス含有量に相応した−基礎材料が計量供給されることにより、製造を同じスクリュー押出機の運転中にマスターバッチの製造と共に行う。従って、最終的なコンパウンドの製造のためにはスクリュー押出機の運転のみが必要であるにすぎない。
【0030】
この際、変法(ii)が好ましい。というのも、材料には調製工程中に温度負荷が一度しかかかっておらず、従って基礎材料の過剰の分子分解は回避されるからである。
【0031】
変法(i)の場合、ゾーン3〜11中のシリンダー温度分布は、(a)による温度分布に相応してそれぞれ約15〜20℃である。
【0032】
また、基礎材料と同時に、(ガラス含有量の低減のために)マスターバッチに全添加剤、即ち有機添加剤および/または鉱物充填剤および場合によってカーボンブラックおよび/または立体障害亜リン酸塩またはフェノールも添加される。
【0033】
以下の組成のガラス/プラスチックコンパウンドが製造される(質量部):
【0034】
【表1】
【0035】
例2
漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)
コンパウンドから、15mmx15mmの最小の測定量および3mmの最小厚さを有する、平板の形の射出成形試験体により製造される。漏洩電流強度(Kriechstromfestigkeit)の試験は、DIN VDE 0303 Teil1(同著書 IEC 112, Comparative tracking index CTI)に従って行う。
【0036】
試験指示:
幅5mmかつ厚さ2mm、角度30゜で角を斜めに切断して処理された2個の白金電極は、対称的に垂直な平面に配置され、従って両電極間の角度は60゜であり;互いに向かいあって直立している面は垂直に立っており、平らな水平面上の距離は4mmである。電源、電圧計および過電流リレー(2秒後に0.5A)および2つの試験溶液のための液滴供給器が存在する;
試験溶液A:蒸留された水中でNH4Cl0.1質量%
試験溶液B:蒸留された水中でNH4Cl0.1質量%およびジイソブチル−ナフタリンスルホン酸ナトリウム塩0.5質量%
CTI値の算出:
CTI値は最高電圧値であり、この場合には、しかも他のプローブの試験の際に、25Vだけ低い電圧を有する5箇所で100滴未満の滴下の際に故障が生じないという前提で、プローブの5箇所で、それぞれ50滴の滴下(30秒周期で)の後には故障なしに(過電流リレーを作動させて)、即ち漏洩経路が生じない(例えばCTI425)。この付加条件は満たされず、従って最高電圧が算出され、5箇所で100滴またはそれを上回る滴下に耐え、この値、例えばCTI425(375)が付加的に示される。
【0037】
上記の試験において、以下のCTI値がもたらされる:
コンパウンド1:225V;
コンパウンド2:250V;
コンパウンド3:250V。
Claims (10)
- ガラス/プラスチックコンパウンドにおいて、
−以下の組成:Li2O4〜10%、Na2O4〜10%、K2O4〜8%、CaO1〜2%、ZnO35〜37%、La2O30〜3%、P2O519〜22%およびSO319〜22%の低融点のスルホホスフェートガラス
−高性能熱可塑性樹脂および
−有機添加剤および/または鉱物充填剤および場合によって付加的に
−カーボンブラックおよび/または立体障害亜リン酸塩またはフェノール
を含有することを特徴とする、熱可塑性樹脂をベースとするガラス/プラスチックコンパウンド。 - ガラス/プラスチックコンパウンドが、以下の組成:Li2O4.9%、Na2O9.4%、K2O7.1%、CaO1.6%、ZnO36.6%、P2O520.0%およびSO320.4%のスルホホスフェートガラスを含有している、請求項1記載のガラス/プラスチックコンパウンド。
- 高性能熱可塑性樹脂が、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、硫化ポリフェニレン、部分芳香族ポリアミドまたは流動性結晶質ポリマーである、請求項1または2記載のガラス/プラスチックコンパウンド。
- 有機添加剤が、メラミンシアヌレート、ポリシロキサンまたはハロゲン化された防火剤である、請求項1から3までのいずれか1項記載のガラス/プラスチックコンパウンド。
- 鉱物充填剤が雲母、硫酸カルシウムまたはホウ酸亜鉛である、請求項1から4までのいずれか1項または複数項記載のガラス/プラスチックコンパウンド。
- スルホホスフェートガラスの含有量が、スルホホスフェートガラスおよび高性能熱可塑性樹脂の含有量に対して15〜60質量%である、請求項1から5までのいずれか1項または複数項記載のガラス/プラスチックコンパウンド。
- 有機添加剤および/または鉱物充填剤の含有量が、全質量に対して5〜40質量%である、請求項1から6までのいずれか1項または複数項記載のガラス/プラスチックコンパウンド。
- カーボンブラックの含有量が、全質量に対して0.1〜1.0質量%である、請求項1から7までのいずれか1項または複数項記載のガラス/プラスチックコンパウンド。
- 亜リン酸塩もしくはフェノールの含有量が、全質量に対して0.5〜1.5質量%である、請求項1から8までのいずれか1項または複数項記載のガラス/プラスチックコンパウンド。
- 請求項1から9までのいずれか1項または複数項記載のガラス/プラスチックコンパウンドの製造方法において、第一工程で、60〜90質量%のガラス含有量を有するマスターバッチが、高められた温度でスルホホスフェートガラスおよび高性能熱可塑性樹脂から製造され、かつ第二工程で、ガラス含有量が、高められた温度で他の高性能熱可塑性樹脂の添加により15〜60質量%に低減され、その際、同時に有機添加剤および/または鉱物充填剤および場合によってカーボンブラックおよび/または立体障害亜リン酸塩またはフェノールが添加される、請求項1から9までのいずれか1項または複数項記載のガラス/プラスチックコンパウンドの製造方法。
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