JP2004507171A - レーザ走査型装置における画像歪みの電子的補正方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】集束電磁放射線により対象物(2)を画素単位で走査する場合での画像歪みを電子的に補正する方法においては、一定の設定時間単位で配置された読出し区間(R)にて画素(7)がそれぞれ順次読出しされる。画像品質の改良には、まず第一に較正過程において、例えば、既知の幾何学表面構造を持つ参照対象物(S0)を用いて、目標走査動作とその参照対象物(S0)に対して実施した走査動作との偏差を求める。その偏差に伴う画素(7)当りの遅延区間Dn(n=0…N)を測定し、その遅延区間分だけ当該画素(7)またはその次の画素に対する読出し区間(R)の開始を遅らせる。また遅延区間(Dn)についての情報を保存しておく。さらに対象物(2)検査のための分析過程では、画素(7)毎に保存情報を取り出し、読出し区間(R)の前または後に遅延区間(Dn)を配置する。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、集束電磁放射線、特にレーザ光線により対象物を画素単位で走査する場合に、一定の時間単位で配置された読出し区間において画素をそれぞれ順次読出し、画像歪みを電子的に補正する方法に関するものである。
さらに、本発明はレーザ走査型顕微鏡、チップリーダなど、光点走査型のレーザ走査装置にも関係している。
【0002】
【従来の技術】
このような方法は、電子画像分析のための特に画像データの作成に適している。その場合、対象物は多数の画素に分解されて、画素の殆どが列状に走査される。広い領域を持つ対象物フィールドの走査には、比較的高いその作業速度から光走査が好評を博している。
【0003】
従って、特にガルバノミラーに代表されるスイングミラーや、あるいは回転式ポリゴンプリズムミラーなど、光点で対象物表面を撫でるように照明する走査装置が優先的に使用されている。対象物に当ってその影響を受けた光は検出装置に捕らえられて評価される。そのようにして得られた画像情報は、続いて画素毎に保存される。次に、個別画素に関する情報が寄せ集められて全体像が作り上げられ、それ自体公知の画像加工方法で分析されたり、あるいは追加加工されることもある。
【0004】
得られた全体像は画素単位の合成であることから、その品質は対象物の持つ幾何学的形状と画像再現性との関係に大きく依存している。その場合、検出装置で読出された画像情報を位置の定義付けされた画素に振分けることが特に重要である。予備設定した目標走査動作から変動または偏差がある場合、振分け時に弊害が現われることは直ぐに察せられる。
【0005】
例えば、画像が後続過程で何区分かに分割されて、一区分の画素から「測定値」が求められる場合、画像の歪みが振分け誤差、ひいては測定誤差を惹き起こす原因になることがある。それ以降の画像加工過程に入る前にソフトウェアで画像の歪み補正を行なうには計算時間を延ばさねばならず、また、それによって隣り合う区分の「測定値」間で漏話現象が増える可能性がある。そのような人為的弊害を避けるにはコスト高なアルゴリズムが必要であり、状況によってはそれも画像加工のための予備計算時間を増大させることになる。
【0006】
上記理由から、今後の開発では予備設定した目標走査動作をできる限り正確に再現できるように努力していく。そのためには、画素値を捕らえた時のレーザ光線のポジションとそれの理想とする目標ポジションとの偏差をできる限り小さく保つことが重要である。
【0007】
もっとも、常用の送出し装置では非常に高い装置コストをかけないと正確な走査動作は実現し得ない。その上、目標走査動作と実際の走査動作間に存在する系統的残留誤差を完全に除去することも不可能である。この偏差は画素から合成した全体像においては歪みとしてはっきりと現われる。
画像品質を改良させるもう一つの可能性は、走査過程から得られた全体像を電子的に再加工することにある。しかし、そのような再加工に伴うコストは、既述の通りかなり高くて実際上ネックになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は作業過程の直後から殆ど歪みのない画像を実現させる方法の開発、および然るべき走査装置を提供することを課題にしている。
この課題は、較正過程において、例えば、既知の幾何学的表面構造を持つ参照対象物を用い、まず目標走査動作と参照対象物に対して実施した走査動作との偏差を求め、その偏差に伴う画素あたりの遅延区間を測定し、その遅延区間分だけ当該画素および/またはその次の画素に対する読出し区間の開始を遅らせ、また遅延区間についての情報を保存し、さらに対象物検査のための分析過程では、画素毎に保存情報を取り出し、読出し区間の前または後に遅延区間を挿入するというプロセスを踏む方法によって解消される。
【0009】
本発明によれば、システムクロック発生器により、図4に曲線Sで描かれているシステムクロックが生成される。例えば、当図では、それぞれの歯型の上昇側面が新たなクロックの始まりである。図4にはさらに、同じくクロック形式で進行する走査動作制御経過を示した曲線Aも描かれている。その場合、走査動作制御クロック長は、定常的にシステムクロック単位の何倍かになっているので、一定数のシステムクロック単位が経過する毎に、走査装置制御区間が新たに生成される。
【0010】
例えば、図4(e)の特性線Peに見られるように、読出し区間クロックを走査動作制御インパルスのクロックに同期化させることができる。図示された例では、走査区間の長さR’と走査装置制御クロックの長さとが一致している。
その場合、対象物についての画素の読出しは、一定時間から成る予備設定読出し区間で順次連続して行なわれる。その際、それぞれの時間区間で検出画像情報が捕らえられて保存され、目標走査動作から導き出された幾何学上の位置に、つまり然るべき画素に振分けられる。
【0011】
公知の方法において、走査装置の制御クロックの間に2つまたはそれ以上の読出し区間を設けることも考えられよう。その場合、それぞれの読出し区間は画素と一致することになる。あるいは逆に、画素の読込み数より多くの制御値を設けることも想定できよう。
しかし、実際の走査動作が目標走査動作とは正確には一致しない場合、画像情報を読出した際、画像に上記欠点を伴う歪みの現われることがある。
【0012】
例えば、僅かに誤差があるために、対象物に対するレーザ光線の送出速度が低くなりすぎるという場合では、図4(e)の曲線Peで示された読出し例のように、レーザ光線は第2読出しクロックの開始時点でなおその前の画素に属するような領域にある。前段階で捕らえられた情報が、既に現段階に属する後続画素に振分けられるので、当該画素の情報内容に偽りが含まれることになる。目標走査動作と実際の走査動作間のこのような弊害は走査ライン方向にも、走査ラインと交差する方向にも現われる。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明では、図4(e)に示された走査装置における制御と読出し区間の制御間にあるこの煩わしい関連性を解消する。そのためには、較正過程においてまず実験を行い、例えば、参照構造を手掛かりにして、画像の歪みを惹き起こす原因となる目標走査動作と、実際に行なった走査動作間との系統的偏差を求める。次にこの偏差を補正するために、当偏差に基づいて遅延区間を定め、それを断続する読出し区間の間に、あるいはまた最初の読出し区間の前に挿入する。
【0014】
そうすることによって上記の現象は大幅に抑制することができる。それは、検査対象物に対する連続走査の後続走査過程においては、幾何学上正しい位置にある対象物の画像情報だけを高い確率で個々の画素に提供することが条件的により確実に行なえるようになるからである。それによって、従来法による場合に比べて画像品質が改良される。
【0015】
本方法の有利な実施態様では対象物はライン状に走査されるが、各ラインは多数の画素から成っている。その場合、走査ラインの各画素に対する較正過程において、偏差に対応した後続遅延区間を求め、遅延区間に関する情報を保存する。次の分析過程では走査ラインの個別画素についての情報を取り出し、各画素毎にその保存情報から得た、それ自体は読出しの行なわれない遅延区間を読出し区間の後に休止区間として挿入する。ライン状走査の場合、各ラインの走査における系統的誤差は反復性のあるものと想定することができるので、遅延区間情報は1ラインについてのみ保存しておけば十分である。遅延区間情報は、例えば、近似関数から求められる。後の分析過程ではそれを基に個別画素についての遅延区間を算出する。
【0016】
それに対し、本方法のまた別な有利な実施態様として、較正過程において当該画素に属する遅延区間についての情報を各画素毎に走査ラインの当該アドレスに分類整理して別々に保存する場合もある。後の分析過程では各画素についてそれぞれ走査ラインの同一アドレスを持つ情報を引き出すことになる。このようにして分析時の計算コストを低く抑えることができる。個別情報は長期記憶装置に表形式で格納しておくのが好ましく、そのようにすれば対象物に関する数多くの分析に利用でき、再較正時に必要なら変更することも可能である。
【0017】
計算コスト、記憶コストの縮小化および画像記録時間の短縮化には全ラインを同一方向に走査することが、即ちラスタスキャン像では、走査ライン当初に戻る際には走査しないことが有利になる場合もある。しかし他方、前進走査像および後退走査像を画素単位で一致させる際に、装置上および較正上のコストを低く抑えるために、前進走査および後退走査過程でこの方法を利用するのも有利になる場合がある。
【0018】
本発明に基づく方法は、原則としてアナログ手段で実現することができる。しかし当方法は、走査動作の制御と画素の読出しがそれぞれシステムクロックと同調したクロック単位で行われるクロックシステムで実施するのが好ましい。それに適したクロック発生器は専門家にはよく知られているので、詳しく説明する必要はない。
【0019】
走査動作の制御は、その所要時間がシステムクロック単位の整数倍になる制御クロックで行なわれる。一定している読出し区間の時間もやはりシステムクロック単位の整数倍である。それに対し、得られた偏差結果に依存する遅延区間の時間はシステムクロック単位の整数倍ではあるが、これは画素により変動する。システム上の理由から本出願では、所要時間がゼロである遅延区間も組み入れており、その場合では、実際上2つの読出し区間が途切れなく続くことになる。
【0020】
遅延区間が終了すれば、その直後に後続画素の読出し区間がスタートする。読出し区間の時間は、走査動作制御クロックの時間より短いので、実際の走査動作が目標走査動作より速い場合でも補正が可能である。それに対し、実際の走査動作が目標走査動作より遅い場合は、適当な時間 − ここではシステムクロック単位の何倍かに設定 − の遅延区間が、後続読出し区間の開始前に中間接続される。
【0021】
本発明の別の有利な実施態様として、後続する最長遅延区間の時間が制御クロックと読出し区間の時間差の2倍に設定されている場合がある。この条件は、レーザ光線の送出速度が平均送出速度程度の制限された速度区間にあるという状況下では相応しいものである。
【0022】
画素を走査ライン毎に読出す場合、ライン方向の目標走査動作として、距離/時間の一次関数を予備設定しておくのが有利である。その場合の有力な方法として、走査ライン全体に亘って読出し区間の時間を一定にして作業することができる。
【0023】
上で説明した方法は、電磁放射線を揺動可能な転向ミラーにより対象物へ走査ラインとして誘導する走査装置においては特に適している。それにより、走査ライン方向に高いスキャン速度が実現できる。上記説明の方法では画像品質は較正過程に大きく依存するので、目標走査動作と実際に行なわれた走査動作間の系統的偏差を確認するには、できる限りそれに相応しい参照対象物を使用することが重要である。従って、較正過程では参照対象物として、例えば、光学格子を用いて作業するのが好ましい。
【0024】
対象物上の個別走査ライン間の継続的接続は、例えば、揺動可能な転向ミラーの追加設置によって、または走査ラインと交差する方向に対象物を移動させる直線移動装置によっても達成される。ここでは取り上げないことにするが、主動作方向進行時に現われる交差方向への移動速度ブレのほかに、交差方向進行時に走査ライン方向にもブレの生じることがある。即ち、走査ラインに交差する方向での走査動作がいわば蛇行経過を辿ることになる。同じく系統的なこの誤差は得られた画像に波形歪みとして現われる。
【0025】
当歪み現象の抑制は次の方法で実現することができる。つまり、対象物の走査はライン毎に行なうこととする。なお、各ラインには多数の画素が含まれていて、走査動作は走査ライン方向の動作成分と走査ラインに交差する方向の動作成分とから成っている。較正過程では各走査ラインの最初の画素について、目標走査動作と参照対象物に対して実施した走査動作間の走査ライン方向での交差方向の動きに現われる系統的偏差を測定する。
【0026】
当偏差に依存して、前置接続される遅延区間を正負の時間符号付きで求める。偏差補正のため読出し区間の開始をその時間分だけずらし、各走査ライン毎に前置遅延区間についての情報を保存する。分析過程では、それぞれの走査ラインの最初の画素について、前置遅延区間に関する当該ラインの保存情報を取り出して適用し、各ラインの第1画素読出し区間の開始時間を遅延区間分だけずらすようにする。このようにして、走査線の光点が実際にも対象物の修正走査位置に来た丁度その時に、各ラインの第1画素の読取りが始まるように設定することができる。
【0027】
本方法のさらに別の有利な実施態様では、前置接続される遅延区間についての情報も、較正過程において走査ラインのアドレスに整理分類されて保存されるので、後の分析過程ではそれぞれの走査ラインの第1画素について改めて計算しなくても、当該の前置接続遅延区間に関するデータを取り出すことができる。
【0028】
ライン状走査の場合、走査線の出発点方向への転換過程および戻り過程での走査は行なわれないので、読出し区間の継続は、それぞれの走査ライン毎に新たに始めることができる。従って、遅延区間の前置接続により厳密な意味での時間的遅滞をもたらすだけでなく、負の時間符号を持つ遅滞の実現、即ち第1画素の読出し区間開始時を早めることが可能である。
【0029】
走査ライン交差方向の目標走査動作としては、距離/時間の一次関数を予備設定するのが好ましい。
特に本方法を走査装置との関連で実施する場合、走査ライン交差方向での対象物とレーザ光線との相対的動作は、好ましくは対象物を電磁線の放射下で連続的に動かすことによって実現することとする。この場合の動作速度は、走査ライン方向の速度より著しく遅いので、この目的には、例えば移動可能なテーブルを使用することができる。本方法は、各種バリエーションを伴う実施態様の場合も含めて、走査動作制御装置の改造が必要ないような従来型走査装置で実施するのが好ましい。
【0030】
従って本発明に基づく場合、走査装置としては、レーザ光線生成のためのレーザ光源、レーザ光線を検査対象物片に照準し、走査ラインに沿って移動照射するための揺動可能な転向ミラーの備わった転向装置、走査ライン交差方向に移動可能な対象物設置用テーブル、検査対象物片の影響を反映した光の記録を通じて対象物を画素単位で読出しするための検出装置、揺動可能な転向ミラーのための制御装置、対象物へのレーザ光線走査動作を生成するためのテーブル、画素単位での読出し区間開始時測定のための検出装置用制御装置およびその時間が目標走査動作と実際の走査動作間の偏差に依存し、読出し区間の時間的移動を可能にする遅延区間の生成用遅延区間発生器の備わったものを使用することになる。
この種の走査装置によれば、対象物に対する走査直後から、既に歪みの極めて少ない後加工の全く必要のない画像を得ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下では本発明を、図面に示す実施例に基づき詳しく説明する。
図1は、対象物2をレーザ光線により画素単位で走査することのできる走査装置1を示したものである。当走査装置1は、その目的達成のために、転向装置によって光を対象物2に点単位で照準することのできる光源としてレーザ3を有している。対象物の点単位の構造に影響された光は、例えば、光電子増倍器のような検出装置4に捕獲され、そこで画素毎に読出される。
【0032】
対象物2の走査用に、転向装置の一つが揺動可能な転向ミラー5として構成されるが、図示された実施例では検流計の揺動ミラーが該当する。回転軸の周りを巡るミラーの往復揺動運動により、レーザ光線は対象物上を直線的に動き、結果的に対象物の表面全体を隈なく走査することになる。
【0033】
図1から分かるように、走査装置1には、対象物2をその上に広げて固定するテーブル6が付いている。当テーブル6は適当な駆動手段により、転向ミラー5が作り出すレーザ光線の直線的走査動作に交差する方向に移動できるようになっている。テーブル6の送出し運動は、走査ラインに交差する走査動作の運動成分を生成するのに貢献している。
【0034】
転向ミラー5とテーブル6の動きが相俟って、図5に対象物2と共に座標形式で描かれているライン状の走査動作が実現される。対象物2の走査図としては、極めて少数の水平走査ラインとそれに含まれる画素だけがごく簡単に描かれている。通例、画素の稜長は数マイクロメータ程度であるが、1ライン当り数1000の画素、例えば、6000画素を含むラインが然るべき数だけ並んでいる。
【0035】
図では分かり易くするため、画素には符号7を付けてある。符号8は、走査光点9の中点が辿る動作ラインを表わしていて、これは転向ミラー5の往復揺動運動と対象物2を含めたテーブル6の連続的送出し運動から生じたものである。転向ミラー5の動作方向を逆転させることにより、特に走査方向の転回点10では走査方向に大きな速度変化が現われる。しかし、できる限り一様な走査を達成するためには走査ライン方向の走査速度にも殆ど変化のないことが重要になってくるので、転回点10は走査領域外に設定し、走査の大部分は転向ミラー5の一定速度領域内で行なうものとする。
【0036】
しかし実際には、図5に描かれたこの理想的な目標走査動作ライン8に対し常に系統的な誤差が付きまとうので、それは転向ミラー5およびテーブル6の較正によって再現可能な残差程度にまで補正はできるとしても、実際の走査動作は図5に描かれた目標走査動作からは離反している。
【0037】
走査装置1は、そのほか、図5に描かれた目標走査動作ライン8をできる限り正確に実現するために、転向ミラー5およびテーブル6の制御用として然るべき制御モジュール12および13を備えた制御システム11(図1参照)を有している。また当制御システム11は、検出装置4によって捕らえられた画像情報を読出すことのできる光電子増倍器のための制御装置を有している。読出された画像情報が対象物2の幾何学的位置に配置されることが保証されるように、光電子増倍器の制御装置は、同様に制御システム11内に設置されているシステムクロック発生器15のクロック信号に依存して駆動される目標走査動作用制御装置12および13と連結させてある。
【0038】
このクロック式結合では、勿論、光電子増倍器制御装置と目標動作との連結が得られるだけである。一定時間の読出し区間を通して蓄積する、複数のシステム個別クロックから読出される画像情報は、勿論一距離区間にのみ、つまり目標走査動作から誘導される対象物の一幾何学的位置に配置できるだけである。即ち、この位置には画素が再び配置されるのであるが、その画素には制御システム11の画像データ記憶装置16に分類保存されている、読出し区間からの画像情報が割当てられている。
【0039】
しかし実際の走査動作は、目標走査動作と一致しない場合があるので、既に上で説明した配置誤差や漏話現象が現われることがある。画像品質を損なうことになるこの現象を回避するためには、転向ミラー5の系統的動作誤差から生じる、走査ライン方向の動作成分の偏差を次の方法によって補正しなければならない。
【0040】
図2(a)は、目標動作17に従って進行すべき走査ライン方向での動作成分に対する距離/時間グラフを示している。しかし実際には、それから離反した曲線18になる。一定の時間間隔Δtに対応する距離差分Δxから明らかなように、そのような時間区間における走査光点の移動幅は、ある時には目標距離より小さく、ある時では目標距離より大きくなっている。
【0041】
一方ではそれぞれ一定の時間間隔Δtに対応して理論的な、即ち一定の距離差分Δxに相当する画素が想定されようが、他方実際に得られる画像情報では、図2(a)に示されている通り、距離差分Δxが一定でなく不規則なので歪みが現われる。図2(b)は、角の二等分線を用いて描いた図2(a)からのグラフである。上記観察方法とは逆に、画素ラスタに着眼して距離区間Δxを一定としたもので、実際の走査動作18’における対応時間間隔Δtの長さは一様ではなくなる。従って、画像情報の正しい読出しのためには、転向ミラー5の動作における上記系統的誤差を補正しなければならず、それには各画素毎に読出し区間の長さを個別に決める必要が出てこよう。
【0042】
まずは、図4にRで表わされている読出し区間を少し短縮する。但し、読出し区間全体の長さは引き続き一定のままとする。しかしこれらの読出し区間はもはや直接繋がったり、予備設定した固定的な時間間隔で続くのではなく、これらの読出し区間の間に全く読出しの行なわれない、いわゆる遅延区間が挿入される。
【0043】
転向ミラーの動作における系統的誤差およびそれに起因する走査ライン方向での速度変動は、動作偏差に依存して定められる各遅延区間の長さにより調整される。この操作方法によって系統的誤差は解消されるはずなので、目標走査動作と実際に行なわれた走査動作間に現われた、走査ライン方向の動作成分についての偏差は、較正過程で一度記録しておくだけで十分である。これは、例えば、正確な速度測定によって行なうことが可能である。その場合は、幾何学構造の公知である参照対象物を使用するのが好ましい。
【0044】
較正過程の間に得られた走査ライン画像から個別画素毎に偏差を求める。次にこの偏差から、再度個別画素毎に所要遅延区間を求めることができる。読出し区間の後、次の読出し区間が始まるまでこの間だけ待機しなければならない。遅延区間に関する当該情報は制御システム11内の記憶装置ユニット19に格納されているので、検査対象物2の分析時にはここから取り出すことが可能である。系統的誤差は走査ライン毎に繰り返し現われるものなので、記憶装置ユニット19には1走査ラインについての情報だけを格納するだけで十分である。
【0045】
クロックシステムの場合、この操作は、走査ラインに存在する画素の各アドレスに、それぞれの遅延区間の時間をシステムクロックユニットの整数倍として表わした係数を付与することによって行なうのが好ましい。その場合、係数「0」を保存することも可能である。検査対象物の走査過程では、それぞれの読出し区間Rの後に当該画素に割当てられる遅延区間が、遅延区間発生器20において決定される。
【0046】
次に、図4(a)、図4(b)に基づき、システムクロック発生器15によって生成されるシステムクロックSおよび走査動作の制御経過Aに関連するクロック作動について詳しく説明する。ここでは例えば、走査動作を制御することが、即ちシステムクロック単位の18倍に相当する一定のクロック間隔を有するスキャナ特性線を継続的に適用することが想定されている。例えば、システムクロックが45MHzであれば、継続接続のクロック周波数は2.5MHzとなる。
【0047】
読出し区間の制御はシステムクロックS内で行なわれる。読出し区間Rは勿論それより短い時間であって一定である。例えば、システムクロック単位の16倍の長さであり、走査クロックの時間よりも短い。個々の読出し区間Rの間に組み込まれる遅延区間は符号Dnで表示される。但し、nは走査ライン中の各画素の番号を表わしている。
【0048】
走査ライン方向での光点の走査が早過ぎて本来の目標ポジションからずれる場合、図4(a)に描かれているように、後続の相前後する2つの読出し区間Rの間隔は遅延区間D2,D3の短縮によって補正する。後者の例では当該時間は「0」なので、一方の読出し区間の直後に次のもう一方の読出し区間が接続している。それに対し、走査ライン方向での走査速度が目標走査動作に比較して遅い場合、図4(b)に示されているように、画像情報の読出し開始は、走査光点が次に来る画素の幾何学的位置に実際上到達するまでやや長い時間待たねばならない。そのため、遅延区間Dnはそれ相応に延長する。
【0049】
走査ライン方向には、転向ミラー5の動きから発生する走査速度偏差のほかに、テーブルの送出し運動に交差する方向での系統的ブレから生じる偏差が現われることもある。この原因は、例えば、テーブル6の直線誘導装置における幾何学的不規則性にある。画像情報をライン毎に読出す場合、このブレは図3(a)〜図3(c)から認められるように、走査ラインの移動によって調整することができる。
【0050】
図3(a)は、歪みのない結像をする参照対象物S0と走査ライン交差方向に延びる当該参照直線L0を示したものである。テーブルの送出し運動に揺れがあることによって、参照対象物S0の走査後には、図3(b)に描かれたような蛇行状の画像ラインL0’が現われるが、完全に誤差のない結像では、本来これは表示の画像参照ラインL0に一致していなければならない。
【0051】
較正過程では距離差分Δx0から各々の走査ラインについて実験的に修正値を求めることができる。次にその値から遅延区間D0を導き出すことができる。各走査ラインの第1画素の読出し開始はその分だけずらさなければならない。そうして得たのが図3(c)の画像である。この遅延区間に関する情報も記憶装置19に保存され、後の分析過程で検査対象物の走査に利用される。その記憶装置ユニット19は必要に応じて再較正できるように、即ち走査ライン個別画素別に、あるいは個別走査ライン別に保存された遅延区間情報が上書きできるように構成されている。
【0052】
走査ライン交差方向の動作成分におけるこの零位補正の影響については、図4(c)および図4(d)に画素読出し特性線PcおよびPdにより簡単に表示してある。両場合とも、図4(a)に基づく走査ライン方向の速度修正は既に行なわれているものと想定する。対象物の設置されたテーブル6の動きが、図3のように、走査ラインの方向にぶれた場合、検査光点は本来の走査開始ポイントより前の位置で対象物に衝突することになる。
【0053】
図4(c)では、走査ラインの第1読出し区間Rの前に遅延区間D0を配置することでその補正を行なっている。
図4(d)はそれの逆のケースで、遅延区間にいわば負の時間をあてがって、第1読出し区間の開始を早める効果をもたらしている。
一方では図4(c)と図4(a)との、他方では図4(d)と図4(a)との特性線Pnの比較から分かるように、走査ライン当初のズレは走査ライン全体に継続していることから、走査ライン全体のズレもそれぞれのライン別に測定した前置接続の遅延区間D0だけで補正することが可能である。
【0054】
上で説明した両方法は、原則として単独で画像品質の改良に使用することができる。しかし画像の歪み補正に関しては、両方法の組合わせによって最良の結果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像歪みに対して電子的補正方法の実施できる走査装置の構成図
【図2】目標走査動作と実走査動作の距離/時間経過において走査方向の動作成分だけを表わした2つのグラフ
【図3】走査方向に交差する参照直線の描かれた参照対象物、系統的誤差の現われた当参照ラインの結像と参照対象物目標画像との比較および画像歪み補正後の参照ラインの結像
【図4】走査動作および読出し区間の制御経過を表わすグラフ
【図5】対象物上での走査動作を座標形式で表わした図表
【符号の説明】
1 走査装置
2 対象物
3 レーザ
4 検出装置
5 転向ミラー
6 テーブル
7 画素
8 動作ライン
9 走査光点
10 転回点
12 テーブル制御装置
13 検流計制御装置
14 光電子増倍器制御装置
15 システムクロック発生器
16 画像データ記憶装置
19 記憶装置ユニット
20 遅延区間発生器
Dn 遅延区間
R 読出し区間
【発明の属する技術分野】
本発明は、集束電磁放射線、特にレーザ光線により対象物を画素単位で走査する場合に、一定の時間単位で配置された読出し区間において画素をそれぞれ順次読出し、画像歪みを電子的に補正する方法に関するものである。
さらに、本発明はレーザ走査型顕微鏡、チップリーダなど、光点走査型のレーザ走査装置にも関係している。
【0002】
【従来の技術】
このような方法は、電子画像分析のための特に画像データの作成に適している。その場合、対象物は多数の画素に分解されて、画素の殆どが列状に走査される。広い領域を持つ対象物フィールドの走査には、比較的高いその作業速度から光走査が好評を博している。
【0003】
従って、特にガルバノミラーに代表されるスイングミラーや、あるいは回転式ポリゴンプリズムミラーなど、光点で対象物表面を撫でるように照明する走査装置が優先的に使用されている。対象物に当ってその影響を受けた光は検出装置に捕らえられて評価される。そのようにして得られた画像情報は、続いて画素毎に保存される。次に、個別画素に関する情報が寄せ集められて全体像が作り上げられ、それ自体公知の画像加工方法で分析されたり、あるいは追加加工されることもある。
【0004】
得られた全体像は画素単位の合成であることから、その品質は対象物の持つ幾何学的形状と画像再現性との関係に大きく依存している。その場合、検出装置で読出された画像情報を位置の定義付けされた画素に振分けることが特に重要である。予備設定した目標走査動作から変動または偏差がある場合、振分け時に弊害が現われることは直ぐに察せられる。
【0005】
例えば、画像が後続過程で何区分かに分割されて、一区分の画素から「測定値」が求められる場合、画像の歪みが振分け誤差、ひいては測定誤差を惹き起こす原因になることがある。それ以降の画像加工過程に入る前にソフトウェアで画像の歪み補正を行なうには計算時間を延ばさねばならず、また、それによって隣り合う区分の「測定値」間で漏話現象が増える可能性がある。そのような人為的弊害を避けるにはコスト高なアルゴリズムが必要であり、状況によってはそれも画像加工のための予備計算時間を増大させることになる。
【0006】
上記理由から、今後の開発では予備設定した目標走査動作をできる限り正確に再現できるように努力していく。そのためには、画素値を捕らえた時のレーザ光線のポジションとそれの理想とする目標ポジションとの偏差をできる限り小さく保つことが重要である。
【0007】
もっとも、常用の送出し装置では非常に高い装置コストをかけないと正確な走査動作は実現し得ない。その上、目標走査動作と実際の走査動作間に存在する系統的残留誤差を完全に除去することも不可能である。この偏差は画素から合成した全体像においては歪みとしてはっきりと現われる。
画像品質を改良させるもう一つの可能性は、走査過程から得られた全体像を電子的に再加工することにある。しかし、そのような再加工に伴うコストは、既述の通りかなり高くて実際上ネックになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は作業過程の直後から殆ど歪みのない画像を実現させる方法の開発、および然るべき走査装置を提供することを課題にしている。
この課題は、較正過程において、例えば、既知の幾何学的表面構造を持つ参照対象物を用い、まず目標走査動作と参照対象物に対して実施した走査動作との偏差を求め、その偏差に伴う画素あたりの遅延区間を測定し、その遅延区間分だけ当該画素および/またはその次の画素に対する読出し区間の開始を遅らせ、また遅延区間についての情報を保存し、さらに対象物検査のための分析過程では、画素毎に保存情報を取り出し、読出し区間の前または後に遅延区間を挿入するというプロセスを踏む方法によって解消される。
【0009】
本発明によれば、システムクロック発生器により、図4に曲線Sで描かれているシステムクロックが生成される。例えば、当図では、それぞれの歯型の上昇側面が新たなクロックの始まりである。図4にはさらに、同じくクロック形式で進行する走査動作制御経過を示した曲線Aも描かれている。その場合、走査動作制御クロック長は、定常的にシステムクロック単位の何倍かになっているので、一定数のシステムクロック単位が経過する毎に、走査装置制御区間が新たに生成される。
【0010】
例えば、図4(e)の特性線Peに見られるように、読出し区間クロックを走査動作制御インパルスのクロックに同期化させることができる。図示された例では、走査区間の長さR’と走査装置制御クロックの長さとが一致している。
その場合、対象物についての画素の読出しは、一定時間から成る予備設定読出し区間で順次連続して行なわれる。その際、それぞれの時間区間で検出画像情報が捕らえられて保存され、目標走査動作から導き出された幾何学上の位置に、つまり然るべき画素に振分けられる。
【0011】
公知の方法において、走査装置の制御クロックの間に2つまたはそれ以上の読出し区間を設けることも考えられよう。その場合、それぞれの読出し区間は画素と一致することになる。あるいは逆に、画素の読込み数より多くの制御値を設けることも想定できよう。
しかし、実際の走査動作が目標走査動作とは正確には一致しない場合、画像情報を読出した際、画像に上記欠点を伴う歪みの現われることがある。
【0012】
例えば、僅かに誤差があるために、対象物に対するレーザ光線の送出速度が低くなりすぎるという場合では、図4(e)の曲線Peで示された読出し例のように、レーザ光線は第2読出しクロックの開始時点でなおその前の画素に属するような領域にある。前段階で捕らえられた情報が、既に現段階に属する後続画素に振分けられるので、当該画素の情報内容に偽りが含まれることになる。目標走査動作と実際の走査動作間のこのような弊害は走査ライン方向にも、走査ラインと交差する方向にも現われる。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明では、図4(e)に示された走査装置における制御と読出し区間の制御間にあるこの煩わしい関連性を解消する。そのためには、較正過程においてまず実験を行い、例えば、参照構造を手掛かりにして、画像の歪みを惹き起こす原因となる目標走査動作と、実際に行なった走査動作間との系統的偏差を求める。次にこの偏差を補正するために、当偏差に基づいて遅延区間を定め、それを断続する読出し区間の間に、あるいはまた最初の読出し区間の前に挿入する。
【0014】
そうすることによって上記の現象は大幅に抑制することができる。それは、検査対象物に対する連続走査の後続走査過程においては、幾何学上正しい位置にある対象物の画像情報だけを高い確率で個々の画素に提供することが条件的により確実に行なえるようになるからである。それによって、従来法による場合に比べて画像品質が改良される。
【0015】
本方法の有利な実施態様では対象物はライン状に走査されるが、各ラインは多数の画素から成っている。その場合、走査ラインの各画素に対する較正過程において、偏差に対応した後続遅延区間を求め、遅延区間に関する情報を保存する。次の分析過程では走査ラインの個別画素についての情報を取り出し、各画素毎にその保存情報から得た、それ自体は読出しの行なわれない遅延区間を読出し区間の後に休止区間として挿入する。ライン状走査の場合、各ラインの走査における系統的誤差は反復性のあるものと想定することができるので、遅延区間情報は1ラインについてのみ保存しておけば十分である。遅延区間情報は、例えば、近似関数から求められる。後の分析過程ではそれを基に個別画素についての遅延区間を算出する。
【0016】
それに対し、本方法のまた別な有利な実施態様として、較正過程において当該画素に属する遅延区間についての情報を各画素毎に走査ラインの当該アドレスに分類整理して別々に保存する場合もある。後の分析過程では各画素についてそれぞれ走査ラインの同一アドレスを持つ情報を引き出すことになる。このようにして分析時の計算コストを低く抑えることができる。個別情報は長期記憶装置に表形式で格納しておくのが好ましく、そのようにすれば対象物に関する数多くの分析に利用でき、再較正時に必要なら変更することも可能である。
【0017】
計算コスト、記憶コストの縮小化および画像記録時間の短縮化には全ラインを同一方向に走査することが、即ちラスタスキャン像では、走査ライン当初に戻る際には走査しないことが有利になる場合もある。しかし他方、前進走査像および後退走査像を画素単位で一致させる際に、装置上および較正上のコストを低く抑えるために、前進走査および後退走査過程でこの方法を利用するのも有利になる場合がある。
【0018】
本発明に基づく方法は、原則としてアナログ手段で実現することができる。しかし当方法は、走査動作の制御と画素の読出しがそれぞれシステムクロックと同調したクロック単位で行われるクロックシステムで実施するのが好ましい。それに適したクロック発生器は専門家にはよく知られているので、詳しく説明する必要はない。
【0019】
走査動作の制御は、その所要時間がシステムクロック単位の整数倍になる制御クロックで行なわれる。一定している読出し区間の時間もやはりシステムクロック単位の整数倍である。それに対し、得られた偏差結果に依存する遅延区間の時間はシステムクロック単位の整数倍ではあるが、これは画素により変動する。システム上の理由から本出願では、所要時間がゼロである遅延区間も組み入れており、その場合では、実際上2つの読出し区間が途切れなく続くことになる。
【0020】
遅延区間が終了すれば、その直後に後続画素の読出し区間がスタートする。読出し区間の時間は、走査動作制御クロックの時間より短いので、実際の走査動作が目標走査動作より速い場合でも補正が可能である。それに対し、実際の走査動作が目標走査動作より遅い場合は、適当な時間 − ここではシステムクロック単位の何倍かに設定 − の遅延区間が、後続読出し区間の開始前に中間接続される。
【0021】
本発明の別の有利な実施態様として、後続する最長遅延区間の時間が制御クロックと読出し区間の時間差の2倍に設定されている場合がある。この条件は、レーザ光線の送出速度が平均送出速度程度の制限された速度区間にあるという状況下では相応しいものである。
【0022】
画素を走査ライン毎に読出す場合、ライン方向の目標走査動作として、距離/時間の一次関数を予備設定しておくのが有利である。その場合の有力な方法として、走査ライン全体に亘って読出し区間の時間を一定にして作業することができる。
【0023】
上で説明した方法は、電磁放射線を揺動可能な転向ミラーにより対象物へ走査ラインとして誘導する走査装置においては特に適している。それにより、走査ライン方向に高いスキャン速度が実現できる。上記説明の方法では画像品質は較正過程に大きく依存するので、目標走査動作と実際に行なわれた走査動作間の系統的偏差を確認するには、できる限りそれに相応しい参照対象物を使用することが重要である。従って、較正過程では参照対象物として、例えば、光学格子を用いて作業するのが好ましい。
【0024】
対象物上の個別走査ライン間の継続的接続は、例えば、揺動可能な転向ミラーの追加設置によって、または走査ラインと交差する方向に対象物を移動させる直線移動装置によっても達成される。ここでは取り上げないことにするが、主動作方向進行時に現われる交差方向への移動速度ブレのほかに、交差方向進行時に走査ライン方向にもブレの生じることがある。即ち、走査ラインに交差する方向での走査動作がいわば蛇行経過を辿ることになる。同じく系統的なこの誤差は得られた画像に波形歪みとして現われる。
【0025】
当歪み現象の抑制は次の方法で実現することができる。つまり、対象物の走査はライン毎に行なうこととする。なお、各ラインには多数の画素が含まれていて、走査動作は走査ライン方向の動作成分と走査ラインに交差する方向の動作成分とから成っている。較正過程では各走査ラインの最初の画素について、目標走査動作と参照対象物に対して実施した走査動作間の走査ライン方向での交差方向の動きに現われる系統的偏差を測定する。
【0026】
当偏差に依存して、前置接続される遅延区間を正負の時間符号付きで求める。偏差補正のため読出し区間の開始をその時間分だけずらし、各走査ライン毎に前置遅延区間についての情報を保存する。分析過程では、それぞれの走査ラインの最初の画素について、前置遅延区間に関する当該ラインの保存情報を取り出して適用し、各ラインの第1画素読出し区間の開始時間を遅延区間分だけずらすようにする。このようにして、走査線の光点が実際にも対象物の修正走査位置に来た丁度その時に、各ラインの第1画素の読取りが始まるように設定することができる。
【0027】
本方法のさらに別の有利な実施態様では、前置接続される遅延区間についての情報も、較正過程において走査ラインのアドレスに整理分類されて保存されるので、後の分析過程ではそれぞれの走査ラインの第1画素について改めて計算しなくても、当該の前置接続遅延区間に関するデータを取り出すことができる。
【0028】
ライン状走査の場合、走査線の出発点方向への転換過程および戻り過程での走査は行なわれないので、読出し区間の継続は、それぞれの走査ライン毎に新たに始めることができる。従って、遅延区間の前置接続により厳密な意味での時間的遅滞をもたらすだけでなく、負の時間符号を持つ遅滞の実現、即ち第1画素の読出し区間開始時を早めることが可能である。
【0029】
走査ライン交差方向の目標走査動作としては、距離/時間の一次関数を予備設定するのが好ましい。
特に本方法を走査装置との関連で実施する場合、走査ライン交差方向での対象物とレーザ光線との相対的動作は、好ましくは対象物を電磁線の放射下で連続的に動かすことによって実現することとする。この場合の動作速度は、走査ライン方向の速度より著しく遅いので、この目的には、例えば移動可能なテーブルを使用することができる。本方法は、各種バリエーションを伴う実施態様の場合も含めて、走査動作制御装置の改造が必要ないような従来型走査装置で実施するのが好ましい。
【0030】
従って本発明に基づく場合、走査装置としては、レーザ光線生成のためのレーザ光源、レーザ光線を検査対象物片に照準し、走査ラインに沿って移動照射するための揺動可能な転向ミラーの備わった転向装置、走査ライン交差方向に移動可能な対象物設置用テーブル、検査対象物片の影響を反映した光の記録を通じて対象物を画素単位で読出しするための検出装置、揺動可能な転向ミラーのための制御装置、対象物へのレーザ光線走査動作を生成するためのテーブル、画素単位での読出し区間開始時測定のための検出装置用制御装置およびその時間が目標走査動作と実際の走査動作間の偏差に依存し、読出し区間の時間的移動を可能にする遅延区間の生成用遅延区間発生器の備わったものを使用することになる。
この種の走査装置によれば、対象物に対する走査直後から、既に歪みの極めて少ない後加工の全く必要のない画像を得ることができる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下では本発明を、図面に示す実施例に基づき詳しく説明する。
図1は、対象物2をレーザ光線により画素単位で走査することのできる走査装置1を示したものである。当走査装置1は、その目的達成のために、転向装置によって光を対象物2に点単位で照準することのできる光源としてレーザ3を有している。対象物の点単位の構造に影響された光は、例えば、光電子増倍器のような検出装置4に捕獲され、そこで画素毎に読出される。
【0032】
対象物2の走査用に、転向装置の一つが揺動可能な転向ミラー5として構成されるが、図示された実施例では検流計の揺動ミラーが該当する。回転軸の周りを巡るミラーの往復揺動運動により、レーザ光線は対象物上を直線的に動き、結果的に対象物の表面全体を隈なく走査することになる。
【0033】
図1から分かるように、走査装置1には、対象物2をその上に広げて固定するテーブル6が付いている。当テーブル6は適当な駆動手段により、転向ミラー5が作り出すレーザ光線の直線的走査動作に交差する方向に移動できるようになっている。テーブル6の送出し運動は、走査ラインに交差する走査動作の運動成分を生成するのに貢献している。
【0034】
転向ミラー5とテーブル6の動きが相俟って、図5に対象物2と共に座標形式で描かれているライン状の走査動作が実現される。対象物2の走査図としては、極めて少数の水平走査ラインとそれに含まれる画素だけがごく簡単に描かれている。通例、画素の稜長は数マイクロメータ程度であるが、1ライン当り数1000の画素、例えば、6000画素を含むラインが然るべき数だけ並んでいる。
【0035】
図では分かり易くするため、画素には符号7を付けてある。符号8は、走査光点9の中点が辿る動作ラインを表わしていて、これは転向ミラー5の往復揺動運動と対象物2を含めたテーブル6の連続的送出し運動から生じたものである。転向ミラー5の動作方向を逆転させることにより、特に走査方向の転回点10では走査方向に大きな速度変化が現われる。しかし、できる限り一様な走査を達成するためには走査ライン方向の走査速度にも殆ど変化のないことが重要になってくるので、転回点10は走査領域外に設定し、走査の大部分は転向ミラー5の一定速度領域内で行なうものとする。
【0036】
しかし実際には、図5に描かれたこの理想的な目標走査動作ライン8に対し常に系統的な誤差が付きまとうので、それは転向ミラー5およびテーブル6の較正によって再現可能な残差程度にまで補正はできるとしても、実際の走査動作は図5に描かれた目標走査動作からは離反している。
【0037】
走査装置1は、そのほか、図5に描かれた目標走査動作ライン8をできる限り正確に実現するために、転向ミラー5およびテーブル6の制御用として然るべき制御モジュール12および13を備えた制御システム11(図1参照)を有している。また当制御システム11は、検出装置4によって捕らえられた画像情報を読出すことのできる光電子増倍器のための制御装置を有している。読出された画像情報が対象物2の幾何学的位置に配置されることが保証されるように、光電子増倍器の制御装置は、同様に制御システム11内に設置されているシステムクロック発生器15のクロック信号に依存して駆動される目標走査動作用制御装置12および13と連結させてある。
【0038】
このクロック式結合では、勿論、光電子増倍器制御装置と目標動作との連結が得られるだけである。一定時間の読出し区間を通して蓄積する、複数のシステム個別クロックから読出される画像情報は、勿論一距離区間にのみ、つまり目標走査動作から誘導される対象物の一幾何学的位置に配置できるだけである。即ち、この位置には画素が再び配置されるのであるが、その画素には制御システム11の画像データ記憶装置16に分類保存されている、読出し区間からの画像情報が割当てられている。
【0039】
しかし実際の走査動作は、目標走査動作と一致しない場合があるので、既に上で説明した配置誤差や漏話現象が現われることがある。画像品質を損なうことになるこの現象を回避するためには、転向ミラー5の系統的動作誤差から生じる、走査ライン方向の動作成分の偏差を次の方法によって補正しなければならない。
【0040】
図2(a)は、目標動作17に従って進行すべき走査ライン方向での動作成分に対する距離/時間グラフを示している。しかし実際には、それから離反した曲線18になる。一定の時間間隔Δtに対応する距離差分Δxから明らかなように、そのような時間区間における走査光点の移動幅は、ある時には目標距離より小さく、ある時では目標距離より大きくなっている。
【0041】
一方ではそれぞれ一定の時間間隔Δtに対応して理論的な、即ち一定の距離差分Δxに相当する画素が想定されようが、他方実際に得られる画像情報では、図2(a)に示されている通り、距離差分Δxが一定でなく不規則なので歪みが現われる。図2(b)は、角の二等分線を用いて描いた図2(a)からのグラフである。上記観察方法とは逆に、画素ラスタに着眼して距離区間Δxを一定としたもので、実際の走査動作18’における対応時間間隔Δtの長さは一様ではなくなる。従って、画像情報の正しい読出しのためには、転向ミラー5の動作における上記系統的誤差を補正しなければならず、それには各画素毎に読出し区間の長さを個別に決める必要が出てこよう。
【0042】
まずは、図4にRで表わされている読出し区間を少し短縮する。但し、読出し区間全体の長さは引き続き一定のままとする。しかしこれらの読出し区間はもはや直接繋がったり、予備設定した固定的な時間間隔で続くのではなく、これらの読出し区間の間に全く読出しの行なわれない、いわゆる遅延区間が挿入される。
【0043】
転向ミラーの動作における系統的誤差およびそれに起因する走査ライン方向での速度変動は、動作偏差に依存して定められる各遅延区間の長さにより調整される。この操作方法によって系統的誤差は解消されるはずなので、目標走査動作と実際に行なわれた走査動作間に現われた、走査ライン方向の動作成分についての偏差は、較正過程で一度記録しておくだけで十分である。これは、例えば、正確な速度測定によって行なうことが可能である。その場合は、幾何学構造の公知である参照対象物を使用するのが好ましい。
【0044】
較正過程の間に得られた走査ライン画像から個別画素毎に偏差を求める。次にこの偏差から、再度個別画素毎に所要遅延区間を求めることができる。読出し区間の後、次の読出し区間が始まるまでこの間だけ待機しなければならない。遅延区間に関する当該情報は制御システム11内の記憶装置ユニット19に格納されているので、検査対象物2の分析時にはここから取り出すことが可能である。系統的誤差は走査ライン毎に繰り返し現われるものなので、記憶装置ユニット19には1走査ラインについての情報だけを格納するだけで十分である。
【0045】
クロックシステムの場合、この操作は、走査ラインに存在する画素の各アドレスに、それぞれの遅延区間の時間をシステムクロックユニットの整数倍として表わした係数を付与することによって行なうのが好ましい。その場合、係数「0」を保存することも可能である。検査対象物の走査過程では、それぞれの読出し区間Rの後に当該画素に割当てられる遅延区間が、遅延区間発生器20において決定される。
【0046】
次に、図4(a)、図4(b)に基づき、システムクロック発生器15によって生成されるシステムクロックSおよび走査動作の制御経過Aに関連するクロック作動について詳しく説明する。ここでは例えば、走査動作を制御することが、即ちシステムクロック単位の18倍に相当する一定のクロック間隔を有するスキャナ特性線を継続的に適用することが想定されている。例えば、システムクロックが45MHzであれば、継続接続のクロック周波数は2.5MHzとなる。
【0047】
読出し区間の制御はシステムクロックS内で行なわれる。読出し区間Rは勿論それより短い時間であって一定である。例えば、システムクロック単位の16倍の長さであり、走査クロックの時間よりも短い。個々の読出し区間Rの間に組み込まれる遅延区間は符号Dnで表示される。但し、nは走査ライン中の各画素の番号を表わしている。
【0048】
走査ライン方向での光点の走査が早過ぎて本来の目標ポジションからずれる場合、図4(a)に描かれているように、後続の相前後する2つの読出し区間Rの間隔は遅延区間D2,D3の短縮によって補正する。後者の例では当該時間は「0」なので、一方の読出し区間の直後に次のもう一方の読出し区間が接続している。それに対し、走査ライン方向での走査速度が目標走査動作に比較して遅い場合、図4(b)に示されているように、画像情報の読出し開始は、走査光点が次に来る画素の幾何学的位置に実際上到達するまでやや長い時間待たねばならない。そのため、遅延区間Dnはそれ相応に延長する。
【0049】
走査ライン方向には、転向ミラー5の動きから発生する走査速度偏差のほかに、テーブルの送出し運動に交差する方向での系統的ブレから生じる偏差が現われることもある。この原因は、例えば、テーブル6の直線誘導装置における幾何学的不規則性にある。画像情報をライン毎に読出す場合、このブレは図3(a)〜図3(c)から認められるように、走査ラインの移動によって調整することができる。
【0050】
図3(a)は、歪みのない結像をする参照対象物S0と走査ライン交差方向に延びる当該参照直線L0を示したものである。テーブルの送出し運動に揺れがあることによって、参照対象物S0の走査後には、図3(b)に描かれたような蛇行状の画像ラインL0’が現われるが、完全に誤差のない結像では、本来これは表示の画像参照ラインL0に一致していなければならない。
【0051】
較正過程では距離差分Δx0から各々の走査ラインについて実験的に修正値を求めることができる。次にその値から遅延区間D0を導き出すことができる。各走査ラインの第1画素の読出し開始はその分だけずらさなければならない。そうして得たのが図3(c)の画像である。この遅延区間に関する情報も記憶装置19に保存され、後の分析過程で検査対象物の走査に利用される。その記憶装置ユニット19は必要に応じて再較正できるように、即ち走査ライン個別画素別に、あるいは個別走査ライン別に保存された遅延区間情報が上書きできるように構成されている。
【0052】
走査ライン交差方向の動作成分におけるこの零位補正の影響については、図4(c)および図4(d)に画素読出し特性線PcおよびPdにより簡単に表示してある。両場合とも、図4(a)に基づく走査ライン方向の速度修正は既に行なわれているものと想定する。対象物の設置されたテーブル6の動きが、図3のように、走査ラインの方向にぶれた場合、検査光点は本来の走査開始ポイントより前の位置で対象物に衝突することになる。
【0053】
図4(c)では、走査ラインの第1読出し区間Rの前に遅延区間D0を配置することでその補正を行なっている。
図4(d)はそれの逆のケースで、遅延区間にいわば負の時間をあてがって、第1読出し区間の開始を早める効果をもたらしている。
一方では図4(c)と図4(a)との、他方では図4(d)と図4(a)との特性線Pnの比較から分かるように、走査ライン当初のズレは走査ライン全体に継続していることから、走査ライン全体のズレもそれぞれのライン別に測定した前置接続の遅延区間D0だけで補正することが可能である。
【0054】
上で説明した両方法は、原則として単独で画像品質の改良に使用することができる。しかし画像の歪み補正に関しては、両方法の組合わせによって最良の結果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像歪みに対して電子的補正方法の実施できる走査装置の構成図
【図2】目標走査動作と実走査動作の距離/時間経過において走査方向の動作成分だけを表わした2つのグラフ
【図3】走査方向に交差する参照直線の描かれた参照対象物、系統的誤差の現われた当参照ラインの結像と参照対象物目標画像との比較および画像歪み補正後の参照ラインの結像
【図4】走査動作および読出し区間の制御経過を表わすグラフ
【図5】対象物上での走査動作を座標形式で表わした図表
【符号の説明】
1 走査装置
2 対象物
3 レーザ
4 検出装置
5 転向ミラー
6 テーブル
7 画素
8 動作ライン
9 走査光点
10 転回点
12 テーブル制御装置
13 検流計制御装置
14 光電子増倍器制御装置
15 システムクロック発生器
16 画像データ記憶装置
19 記憶装置ユニット
20 遅延区間発生器
Dn 遅延区間
R 読出し区間
Claims (14)
- 較正過程において、目標走査動作(8)と実施した走査動作との偏差を求め、その偏差に伴う画素(7)当りの遅延区間(Dn)を測定し、その遅延区間分だけ当該画素(7)またはその次の画素に対する読出し区間(R)の開始を遅らせ、また遅延区間(Dn)についての情報を保存し、さらに対象物(2)検査のための分析過程では、画素(7)毎に保存情報を取り出し、読出し区間(R)の前または後に遅延区間(Dn)を挿入することを特徴とする、集束電磁放射線、特にレーザ光線により対象物(2)を画素単位で走査する場合に、一定の設定時間単位で配置された読出し区間(R)において画素(7)を順次読出しする、画像歪みの電子的補正方法
- 対象物(2)が、ライン状に走査されて、そのラインが多数の画素(7)から成っていること、
走査ラインの各画素(7)に対する較正過程において、偏差に対応した後続遅延区間(Dn)を求め、遅延区間(Dn)に関する情報を保存すること、
分析過程では個別画素(7)についての情報を取り出すこと、
および各画素(7)毎にその保存情報から引き出した、それ自体は読出しの行なわれない遅延区間(Dn)を、読出し区間(R)の後に挿入すること
を特徴とする請求項1に記載の方法 - 較正過程において、当該画素(7)に対応する遅延区間(Dn)についての情報を、各画素(7)毎に走査ラインの当該アドレスに分類整理して別々に保存すること、および分析過程では各画素(7)毎にそれぞれ当該走査ラインの同一アドレスを持つ情報を取り出すことを特徴とする請求項2に記載の方法
- 対象物(2)に対する走査が、全ライン同一方向に行なわれることを特徴とする請求項2または3に記載の方法
- 走査動作の制御と画素(7)の読出しが、それぞれクロック単位で行われること、
走査動作の制御は、その所要時間がシステムクロック単位の整数倍になる走査クロックで行なわれること、
一定である読出し区間(R)の時間がシステムクロック単位の整数倍であって、遅延区間(Dn)の時間も各種システムクロック単位の整数倍かまたはゼロであること、
読出し区間(R)の時間が走査動作制御クロックの時間より短いことおよび遅延区間(Dn)が終了すれば、その直後に画素(7)の読出し区間(R)がスタートすること
を特徴とする請求項2〜4の何れか1項に記載の方法 - 後続する最長遅延区間(Dn)の時間が、制御クロックと読出し区間(R)の時間差の2倍に設定されていることを特徴とする請求項5に記載の方法
- ライン方向の目標走査動作として、距離/時間の一次関数を予備設定しておくことを特徴とする請求項2〜6のいずれれか1項に記載の方法
- 電磁放射線あ、揺動可能な転向ミラー(5)により対象物(2)へ走査ラインとして誘導されることを特徴とする走査装置に適用される請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法
- 参照対象物(S’)として、光学格子を使用することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法
- 対象物(2)の走査が、ライン毎に行なわれるが、各ラインには多数の画素(7)が含まれていて、走査動作が走査ライン方向の動作成分と走査ラインに交差する方向の動作成分とから成っていること、
較正過程では各走査ラインの最初の画素(7)について、目標走査動作と参照対象物(S0)に対して実施した走査動作間の走査ライン方向での交差方向の動作成分に現われる偏差を測定し、当偏差に依存して、前置接続される遅延区間(D0)を正負の時間符号付きで求め、偏差補正のため読出し区間(R)の開始をその時間分だけずらし、各走査ライン毎に前置遅延区間(D0)についての情報を保存すること、
および分析過程では、それぞれの走査ラインの最初の画素について、前置遅延区間(D0)に関する当該ラインの保存情報を取り出して適用し、各ラインの第一画素(7)読出し区間(R)の開始時間を遅延区間(D0)分だけずらすこと
を特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法 - 前置接続された遅延区間(D0)の時間が、システムクロック単位の何倍かに設定されていることを特徴とする請求項10に記載の方法
- 走査ライン交差方向の目標走査動作として、距離/時間の一次関数が予備設定されていることを特徴とする請求項10または11に記載の方法
- 対象物(2)を、電磁線の放射下で走査ライン交差方向に連続的に動かすことを特徴とする走査装置に適用される請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法
- − レーザ光線生成のためのレーザ光源(3)、
−レーザ光線を検査対象物片(2)に照準するための装置であって、当対象物(2)にレーザ光線を誘導するための揺動可能な転向ミラー(5)が付いている転向装置、
−走査ライン交差方向に移動可能な対象物(2)設置用テーブル(6)、
−対象物検査領域の影響を反映した光の記録を通じて対象物(2)を画素単位で読出しするための検出装置(4)、
−揺動可能な転向ミラー(5)のための制御装置(12、13)および対象物(2)へのレーザ光線走査動作を生成するためのテーブル(6)、
−画素(7)単位での読出し区間(R)開始時測定のための検出装置(4)の制御装置(14)および
−その時間が目標走査動作と実際の走査動作間の偏差に依存し、読出し区間(R)の時間的移動を可能にする遅延区間(D0、Dn)の生成用遅延区間発生器(20)を有する請求項1〜13のいずれか1項に記載の対象物を画素単位で走査するための走査装置
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