JP2004507166A - ウオルシュカバーされた変調のための適応線形等化のための方法および装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ウオルシュカバーされた変調のための適応線形等化のための方法および装置を提供すること。
【解決手段】受信フィルタは通信チャネルから信号を受信する。受信された信号は、通信チャネルを介して送信フィルタにより受信フィルタに送信されたオリジナルウオルシュカバーされたチップシーケンスに対応する。受信された信号はイコライザにより処理され、オリジナルウオルシュカバーされたチップシーケンスに対応するチップシーケンスのソフト推定を発生する。次に、Nチップウオルシュデカバーを利用してチップシーケンスのソフト推定に対応するコードシンボルのソフト推定を発生する。次に、多数のシンボルスライサを並列に使用してNチップウオルシュデカバーにより発生されたコードシンボルのソフト推定に対応するコードシンボルのハード推定を生成する。その後、Nチップウオルシュカバーが方式の一部として使用され、シンボルスライサにより発生されるコードシンボルのハード推定に対応するチップシーケンスのハード推定を発生する。Nチップウオルシュカバーの助けを借りて発生されたチップシーケンスのハード推定と、イコライザにより発生されたチップシーケンスのソフト推定を用いてトラッキングモードエラー信号を発生し、イコライザの応答を受信した信号に適合させる。
【選択図】図2
【解決手段】受信フィルタは通信チャネルから信号を受信する。受信された信号は、通信チャネルを介して送信フィルタにより受信フィルタに送信されたオリジナルウオルシュカバーされたチップシーケンスに対応する。受信された信号はイコライザにより処理され、オリジナルウオルシュカバーされたチップシーケンスに対応するチップシーケンスのソフト推定を発生する。次に、Nチップウオルシュデカバーを利用してチップシーケンスのソフト推定に対応するコードシンボルのソフト推定を発生する。次に、多数のシンボルスライサを並列に使用してNチップウオルシュデカバーにより発生されたコードシンボルのソフト推定に対応するコードシンボルのハード推定を生成する。その後、Nチップウオルシュカバーが方式の一部として使用され、シンボルスライサにより発生されるコードシンボルのハード推定に対応するチップシーケンスのハード推定を発生する。Nチップウオルシュカバーの助けを借りて発生されたチップシーケンスのハード推定と、イコライザにより発生されたチップシーケンスのソフト推定を用いてトラッキングモードエラー信号を発生し、イコライザの応答を受信した信号に適合させる。
【選択図】図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は一般に通信システムにおける等化技術に関し、特に無線データ通信システムにおける適応等化に関する。
【0002】
【関連出願の記載】
相対的に雑音の無いデータ通信システムにおいて、線形変調方式により、例えば直交位相シフトキーイング(QPSK)を用いて、通信チャネルを介してデータが伝送されると、チャネルがサポートすることができる検出可能なレベルの数は必須的に符号間干渉(ISI)により制限される。ISIはチャネルの分散的性質による伝送されたシンボルパルスの「拡散」により生じる。その結果、隣接するシンボルパルスの重複を生じる。別の言い方をすれば、ISIは1ビットの情報を表す信号の一部が異なるビットの情報を表す信号の異なる部分と干渉するとき、起こる。
【0003】
ISIの悪影響は信号対雑音比が高く、チャネルが相対的に雑音が無い場合により顕著になる。一般に(音声に対して)データ通信においてチャネルが存在するが、そのようなチャネルにおいて、ISIの存在は通信システムの性能を大いに低下させる。
【0004】
ISIの共通の利害は、「マルチパス」現象である。簡単に言えば、マルチパスは、マルチパスを介して同じ信号を受信することにより生じた干渉に言及する。移動無線装置(加入者装置とも呼ぶ)の速度、ビルディングや山の存在のような周囲環境の条件、および伝送帯域幅に応じて、伝送されるシンボルパルスは異なる時間に受信器に到達するかもしれない。従って、隣接するシンボルパルスの成分は建設的にまたは破壊的に干渉するかもしれない。
【0005】
しかしながら、「マルチパス」が無い場合においても、通信システムで採用される送受信フィルタの不完全により多少のISIが以前として発生され得る。例えば、送受信フィルタから構成される物理機器の周波数依存減衰はISIの源になり得る。
【0006】
等化はISIの影響を最小にするにために使用することができることが一般に知られている。等化は、信号が受信器においてより容易に認識できるように信号を変化させることを含む。チャネルが信号に与える影響が受信器において適切に認識できる信号を生じるように信号を送信器側で変更することができる。しかしながら、送信器にもとづく等化は困難である。なぜならば、送信器はチャネルの特性および時間とともにチャネルの特性に生じるかもしれない何らかの変化を前もって知っていなければならないからである。
【0007】
等化は受信器においても実行することができる。受信器にもとづく等化は、等化パラメータを調節するために受信した信号の属性を使用することができる。無線通信においては、移動チャネルはランダムであり、時間的に変化するので、イコライザは移動チャネルの時間的に変化する特性を追跡しなければならず、従って、適応イコライザと呼ばれる。適応等化は正しい等化量をチャネルに印加しようと試みる。適応等化において、イコライザ係数は、変化するチャネル条件に「適応」するために最初にあるいは周期的に調節される。適応イコライザの一般的動作モードはトレーニングモード(training mode)とトラッキングモード(tracking mode)である。トレーニングモードにおいて、公知のパイロットシンボルシーケンスが送信器により送信されるので、受信器の適応イコライザはその係数を適切な初期値に平均化することができる。トレーニングシーケンス、すなわちパイロットシンボルシーケンスは一般に固定の所定のビットパターンである。
【0008】
トレーニングシーケンスにすぐに続いて、変調され拡散されたメッセージデータが伝送され、受信器の適応イコライザは所定のアルゴリズム、例えば「最小2乗法」(LMS)または「帰納的最小2乗法」(RLS)を用いて、送信フィルタ、通信チャネル、および受信フィルタにより生じたISIを補償するために適応イコライザ係数を推定する。
【0009】
送信器から伝送された各データフレームは初期パイロットシーケンス並びにそれに続くユーザメッセージデータシーケンスを含む。一例として、初期パイロットシーケンスは全体のデータフレームの約5%を占める。しかしながら、送信フィルタ、通信チャネル、および受信フィルタの各特性は、各フレームの期間変化するかもしれないし、フレーム毎に変化するかもしれない。従って、データの各フレームの初期パイロットシーケンスはイコライザ係数の初期設定を得るために使用される。さらに、イコライザ係数の初期設定の後、ユーザメッセージデータが受信される各フレームの期間に、イコライザ係数は所定のアルゴリズムを利用して適応される。
【0010】
各フレームにおいて、初期パイロット(トレーニング)シーケンスは、受信器の適応イコライザが適切な係数を取得することができるように設計されるので、トレーニングシーケンスが終了すると、フィルタ係数は、フレームの残りの期間、ユーザメッセージデータの受信のためにほぼ最適値である。ユーザメッセージデータが受信されると、イコライザの適応アルゴリズムは送信フィルタの変化特性、通信チャネルの変化特性および受信フィルタの変化特性を追跡する。結果として、適応イコライザは継続的に時間に対してそのフィルタ特性を変化している。
【0011】
共通の種類の適応イコライザ線形適応イコライザである。2つの一般的な種類の線形適応イコライザがある。「トランスバーサル(transversal)」タイプと「ラティス(lattice)」タイプである。図1はトランスバーサル線形適応イコライザ100を示す。図1のトランスバーサル線形適応イコライザ100は技術的に良く知られている有限期間インパルス応答フィルタ(FIR)の種類である。図1を参照すると、図1においてx(n)として印がつけられた受信FIRフィルタ102の出力は入力をイコライザ100に供給する。受信FIRフィルタ102の出力は単位遅延エレメントz−1106に接続されるとともに、タップ重みw0(n)を有する乗算器104にも接続される。単位遅延エレメントz−1106の出力はx(n−1)として印がつけられ、単位遅延エレメントz−1112に接続されるとともにタップ重みw1(n)を有する乗算器108に接続される。単位遅延エレメントz−1112の出力はx(n−2)として印がつけられ、図1に示していない次の単位遅延エレメントに接続されるとともにタップ重みw2(n)を有する乗算器114に接続される。単位遅延エレメントz−1122とwm−2(n)のタップ重みを有する乗算器114は、図1に示していない前の単位遅延エレメントから、x(n−m+2)として印がつけられた各入力を受信する。単位遅延エレメントz−1122の出力はx(n−m+1)として印がつけられ、タップ重みwm−1(n)を有する乗算器124に接続される。
【0012】
乗算器104、108、114、118および124の乗算器の各出力は加算器110、116、120、および126により加算され、イコライザ100の最終出力
【数1】
を生じる。イコライザ出力
【数2】
はスライサ(slicer)出力
【数3】
を生じるスライサ128に供給される。イコライザ100出力
【数4】
は加算器130によりスライサ128出力
【数5】
から減算される。減算演算の結果は加算器130の出力であるe(n)である。
【0013】
概要を説明すれば、イコライザ100の動作期間、適応アルゴリズムは図1のタップ重みw0(n)、w1(n)乃至wm−1(n)により表されるイコライザ係数に適応するように利用される。イコライザ係数はサンプル毎に(すなわちnが1だけインクリメントされるとき)またはブロック毎に(すなわち指定された数のサンプルがイコライザにクロック入力されると)調節される。タップ重みw0(n)、w1(n)乃至wm−1(n)に適応するために使用される適応アルゴリズムはエラー信号e(n)により制御される。適応イコライザ動作の追跡モードの期間、エラー信号e(n)は、イコライザ100の出力
【数6】
をスライサ128の出力
【数7】
と比較することにより得られる。
【0014】
スライサ128は「意志決定装置」の一例であり、送信器から送信された元のデータの「ハード推定」に到達するために閾値動作を適用する。イコライザ100の所望の出力であるこのハード推定はイコライザ100の実際の出力
【数8】
と比較される。イコライザ100の実際の出力
【数9】
は送信器から送信された元のデータの「ソフト推定」とも呼ばれる。所望の出力
【数10】
から実際の出力
【数11】
を減算するとエラー信号e(n)を生じる。適応イコライザ動作のトレーニングモードの期間、スライサ動作は必要なく、所望の出力
【数12】
は受信器に知られており、エラー信号e(n)に到達するために加算器130に直接供給することができることに注意する必要がある。
【0015】
エラー信号e(n)は、最適値に到達するために、イコライザタップ重みを反復的に調節するために適応アルゴリズムにおいて使用される。適応アルゴリズムの一例は「最小2乗」(LMS)アルゴリズムであり、以下の反復演算を用いてタップ重みを最適値に調節するために使用される。
【0016】
【数13】
ただし、xk(n)=x(n−k)であり、kは0とm−1との間の整数であり、
【数14】
であり、そして
【数15】
であり、_は定数である。
【0017】
従って、各現在のタップ重みを、定数_、対応する入力値x0(n)ないしxm−1(n)、およびエラー信号e(n)の現在値の積に加算することにより、各現在のタップ重みw0(n)、w1(n)乃至wm−1(n)は対応する新しいタップ重みw0(n+1)乃至wm−1(n+1)に調節される。定数_は連続する反復に関するタップ重み間の変化を制御するように決定される。式(1)の反復プロセスは適応イコライザ100がエラー信号e(n)を収束し最小化しようと試みる間プログラミングループで迅速に繰返される。収束に到達すると、適応アルゴリズムは、エラー信号e(n)が受け入れ可能なレベルを超えるまでまたは新しいトレーニングシーケンスが送信器から送信されるまでタップ重みを凍結する。
【0018】
しかしながら、図1に関連して上述した線形適応等化方式は「ウオルシュカバリング」が送信器において使用された受信器システムに簡単に適用することができない。背景として、CDMA(符号分割多元接続)で使用される規格のように、スペクトル拡散通信システムにおける現在の規格によれば、セル内で動作しているすべての加入者装置は単一の「アウター(outer)」PN(擬似ランダム雑音)符号を共有する。ウオルシュ関数(ウオルシュ符号シーケンス)を用いた所定のスペクトル拡散通信システムにおいて、同じセル内の加入者信号を識別するために使用される異なるウオルシュ関数を定義するために、まえもって、NチップのN行を有するあらかじめ定義されたウオルシュ関数マトリクスが確立される。各行がNチップを有するN行を有するウオルシュ関数マトリクスはオーダーNのウオルシュ関数マトリクスとも呼ばれる。Nが4に等しいウオルシュ関数マトリクス、すなわちオーダー4のウオルシュ関数マトリクスの例を以下に示す。
【0019】
【数16】
上記例において、4つのウオルシュ関数があり各関数は4つのチップを有する。各ウオルシュ関数は上記ウオルシュ関数マトリクスにおいて1行である。例えば、ウオルシュ関数マトリクスの3行目はシーケンス1,1,0,0を有するウオルシュ関数である。各ウオルシュ関数、すなわち上記マトリクスの各行はマトリクス内の他の行とゼロの相関性を有する。別の言い方をすれば、各ウオルシュ関数のチップの丁度半分がマトリクスの他のウオルシュ関数のチップの半分と異なる。
【0020】
実際には、長さ16、64、または128のウオルシュ関数(すなわちそれぞれ各ウオルシュコードシーケンスにおいてそれぞれ16、64、または128チップを有するウオルシュ関数)が使用される。一例として、長さ64のウオルシュ関数が使用されると、所定のセル内の64加入者の直交性が得られる。
【0021】
無線通信におけるウオルシュ変調の使用は望ましいけれども、その使用は公知の適応等化技術を応用できなくさせる。この理由は、ウオルシュ関数は各データシンボル(この出願では「コードシンボル」とも呼ぶ)をチップのシーケンスに変換し、このチップのシーケンスは、一般にチップレベルの加算器により処理されPNコードにより拡散された後、通信チャネルを介して受信器に伝送される。従って、図1の受信器FIRのような受信器FIRにおいて最終的に受信されるものは、コードシンボルに相反してチップのシーケンスである。従って、図1に関連して述べたような公知の適応等化方式は、例えば、エラー信号e(n)は、送信器においてシンボルをチップに変換することに考慮する方法により決定されなければならないので、直接適用することはできない。従って、送信すべきコードシンボルが「ウオルシュカバー」され、元のコードシンボルに相反して「ウオルシュカバー」されたチップのシーケンスが伝送されるとき使用することのできる適応等化のための技術の必要がある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この発明はウオルシュカバーされた変調のための適応線形等化のための方法および装置に向けられている。この発明の適応等化方式は、送信されるコードシンボルがウオルシュカバーされ、元のコードシンボルの相反してウオルシュカバーされたチップのシーケンスが伝送されるとき有利に使用することができる。
【0023】
この発明の1つの観点において、受信フィルタは通信チャネルからの信号を受信する。この受信した信号は、通信チャネルを介して送信フィルタにより受信フィルタに伝送される元のウオルシュカバーされたチップシーケンスに相当する。受信された信号はイコライザにより処理され、元のウオルシュカバーされたチップシーケンスに対応するチップシーケンスのソフト推定を発生する。次に、Nチップウオルシュデカバーを利用してチップシーケンスのソフト推定に対応するコードシンボルのソフト推定を発生する。次に、多数のシンボルスライサを並列に使用してNチップウオルシュデカバーにより発生されたコードシンボルのソフト推定に対応するコードシンボルのハード推定を生成する。
【0024】
その後、方式の一部としてNチップウオルシュカバーを使用して、シンボルスライサにより発生されたコードシンボルのハード推定に対応するチップシーケンスのハード推定を発生する。Nチップウオルシュカバーの助けにより発生されたチップシーケンスのハード推定およびイコライザにより発生されたチップシーケンスのソフト推定が使用され、イコライザの応答を受信した信号に適合させるための追跡モードエラー信号を発生する。
【0025】
【発明の実施の形態】
ここに開示する実施形態はウオルシュカバーされた変調のための適応線形等化のための方法および装置に向けられている。以下の記載は、この発明の実現に関係する特定の情報を含む。当業者は、この出願で具体的に述べた態様と異なる態様でこの発明を実現できることを認識するであろう。さらに、この発明の特定の詳細は、この発明をあいまいにしないようにするために述べられない。この出願で記載していない特定の詳細は当業者の知識内にある。
【0026】
この出願における図面およびそれに伴う詳細な説明は単にこの発明の例示実施形態に向けられている。簡潔さを維持するために、この発明の原理を使用するこの発明の他の実施形態は特にこの出願には記載されず、この図面により特に示されない。
【0027】
図2はどのようにしてスペクトル拡散チップシーケンスc(n)228が入力データビット202から発生されるかを示す。この出願において、入力データビットはまた「メッセージデータビット」または「オリジナルビット」とも呼ばれる。図2に示す例示システム200は伝送が順方向リンクに生じるかまたは逆方向リンクに生じるかに応じて、一般に基地局、ゲートウエイ、衛星レピーターまたは加入者装置に存在することができる送信器の一部を構成する。図2に示す例において、入力データビット202は通信チャネルを介して受信器に伝送される関心のある情報またはメッセージを含む(通信チャネルは図のいずれにも示されていない)。
【0028】
メッセージデータビット202は最初にエンコーダー204に入力される。エンコーダー204は、技術的に知られているたたみこみ符号化技術を用いてメッセージデータビット202に冗長度を導入するために利用されるFEC(順方向エラー訂正)エンコーダーであり得る。エンコーダー204により導入される冗長度は、受信器が、送信電力の増大の必要性なしに多少の検出エラーを訂正可能にする。エンコーダー204の出力は一般に「コードシンボル」と呼ばれる。一般に、エンコーダー204に入力される単一メッセージデータビットはエンコーダー204から出力されるいくつかのコードシンボルに対応する。
【0029】
別の方法において、エンコーダー204は上述した冗長度エンコード前に「ソースエンコーディング」機能を実行する。ソースエンコーディングは、冗長度を導入する前およびコードシンボルの発生前に入力データビット202の能率的な表示のためにデータ圧縮を行なうことを含む。
【0030】
変調インターリーバー206はエンコーダー204からコードシンボルを受信し、変調器208による処理前にコードシンボルを「インターリーブ(交錯)」する。交錯法は、受信器において関連づけるのではなく、潜在的な雑音バーストまたは「ディープフェード(deep fade)」をランダムに(すなわち独立して)出現させるために図2のシステム200のような伝送システムにおいて利用される。交錯法はまた、雑音バーストまたはディープフェードがある場合に、ソースデータのブロックの重要なビットが同時に改悪されないことを保証するためにも利用される。エラー訂正符号は、時間順序またはソースデータビットをスクランブルすることにより、ランダムに生じるチャネルエラーに対して保護するように設計されるので、インターリーバーは、誤り制御符号化が、誤りの検出および取消において以前として有効であることを保証する。図2に示す例示システムにおいて、インターリーバー206はブロックインターリーバーまたはたたみこみインターリーバーであり、これらはともに技術的に知られている。
【0031】
インターリーブされたコードシンボルは変調器208にわたされる。無線デジタル通信において、多数の異なるが関連する変調方式を変調器208に使用することができる。例えば、バイナリ位相シフトキーイング(BPSK)、差動位相偏移変調(DPSK)、直交位相シフトキーイング(QPSK)(OQPSKおよびπ/4QPSKを含む)、および直交振幅変調は、変調インターリーバー206により発生されるコードシンボルを変調するために変調器208において使用することのできるデジタル変調技術である。しかしながら、変調器208はいずれかの特定の種類の変調器に限定されず、無線通信において使用される多くのデジタル変調器のいずれかであり得る。
【0032】
図2に示すように、変調器208は変調された信号をチャネルインターリーバー210にわたす。伝送チャネルの必須の特徴は、伝送された信号が、電子装置により発生される雑音バーストのようないろいろな可能な機構により改悪されることである。実際に、変調器208による変調の期間、多少の雑音バーストが変調器自身により導入される。雑音バーストをランダムに出現させるようにするために、チャネルインターリーバー210が利用される。チャネルインターリーバー208はチャネルを介して伝送される信号の時間順序を変更する。チャネルインターリーバー210はブロックインターリーバーまたはたたみこみインターリーバーであり得る。
【0033】
例示システム200において、インターリーバー210からのチャネルインタリーブされたシンボルはシンボルパンクチャーエレメント212にわたされる。シンボルパンクチャリングはメッセージシンボルのいくつかが削除され所望の制御シンボルと交換されるプロセスである。従って、パンクチャリングは、一般的に、送信器と受信器との間の通信を適切に操作するためにソースデータに電力制御情報のような制御情報を挿入するために使用される。シンボルパンクチャリングは受信器で受信したメッセージまたはソースデータにエラーを導入する可能性を有するが、最近の技術はそのようなエラーを最小にまたは消去する。例示システム200において、シンボルパンクチャーエレメント212は、電力制御シンボルおよび、時間、位相および信号強度の基準を提供するシンボルのような種々の制御シンボルをメッセージシンボルストリームに挿入するために使用される。メッセージシンボルにパンクチュアドされる制御シンボルはメッセージシンボルに時分割多重化される。
【0034】
図2に示すように、シンボルパンクチャーエレメント212により出力されたシンボルストリームはDEMUX214に入力される。DEMUX214は入力シンボルストリームを多数の並列出力シンボルストリームに逆多重化するために使用される。図2に示す例示システム200において、DEMUX214は1対16デマルチプレクサである。言い換えれば、16の並列シンボルストリームが同時に出力される。16の並列出力を必要とする理由は、16のオーダーのウオルシュ関数マトリクスが例示システム200のNチップウオルシュカバー218に使用されるためである。他の実施形態において、オーダー64またはオーダー128のウオルシュ関数マトリクスを使用することができ、その場合DEMUX214はそれぞれ1対64デマルチプレクサまたは1対128デマルチプレクサであろう。例示システム200において、DEMUX214の16並列出力は単一ユーザーまたは16までの異なるユーザーに対応することができることに留意する必要がある。DEMUX214に入力されたデータシンボルが単一のユーザーに対応するとき、入力データシンボルは最初にバッファリングされ、次に16並列シンボルストリームとしてNチップウオルシュカバー218に出力される。
【0035】
Nチップウオルシュカバー218はDEMUX214から来る並列入力シンボルの各々についてウオルシュカバリング(またはウオルシュ変調)を行なう。上述したように、N=16のこの例においては、ウオルシュ関数マトリクスはオーダー16のマトリクスである。しかしながら、Nの値は設計上の選択であり、Nは64または128の値を取り得る。図2に示すように、DEMUX214は16並列シンボルストリームをNチップウオルシュカバー218に出力する。上述したように、ウオルシュ関数は、各入力シンボルを出力チップの各シーケンスに変換するために使用される直交関数であり、その場合、出力チップの各シーケンスは出力チップの1つおきのシーケンスに直交する。一般的に、この変換は各入力されたシンボルを特定のウオルシュ関数のチップのシーケンスと乗算することにより行なわれる。それゆえ、各シンボルに対し、チップのシーケンスはNチップウオルシュカバー218により出力される。チップのシーケンスはNのレングスを有し、この例では16である。従って、例示システムにおいて、各入力されたシンボルに対し、16チップがNチップウオルシュカバー218により出力される。この出願において、「オリジナルウオルシュカバーされたチップシーケンス」は例示システム200のNチップウオルシュカバー218により出力されるチップシーケンスに言及する。
【0036】
CDMA通信において、ウオルシュ関数はユーザー(すなわち加入者装置)を分離するために、順方向リンクで使用される。一例として、所定のセクタに対し(CDMAにおいて、各セクタはセルの部分集合である)、各順方向チャネルには別個のウオルシュ関数が割当てられる。言い換えれば、基地局と各加入者装置との間の通信は別個のウオルシュコードシーケンスにより符号化される。図2を参照すると、Nチップウオルシュカバー218に入力される各シンボルは特定の加入者装置(例えば特定の携帯電話ユーザー)に割当てられたウオルシュコードシーケンスのすべてのチップと乗算される。各シンボルをチップのシーケンスに変換するためのウオルシュ関数の演算はウオルシュ「カバリング」とも呼ばれる。
【0037】
Nチップウオルシュカバーされたチップ、すなわち各シンボルに対応する出力されたNチップのシーケンスは並列に「TDMデータパイロット制御」222にわたされる。例示システム200において、「TDMデータパイロット制御」222は、以下に図3に関連して説明する適応線形イコライザの係数を「トレーニング」するためのパイロットチップを挿入するために使用される。パイロットチップはNチップウオルシュカバー218により出力されるチップシーケンスに時分割多重される。以下に示すように、これらのパイロットチップは受信器に知られているそして、そのようなものとして受信器の適応線形イコライザの係数をトレーニングするために受信器により使用することができる。一般に、パイロットチップは各データフレームに挿入され受信器に伝送される各フレームの約5%を構成する。
【0038】
「TDMデータパイロット制御」222により処理される16並列パラレルチップシーケンスの各々はチップレベル加算器224に出力される。チップレベル加算器224は「TDMデータパイロット制御」222により出力されるチップシーケンスの各々の「垂直加算」を供給するために利用される。チップレベル加算器224の「垂直加算」動作を説明するために(例示システム200の場合であるNが16に等しい代わりに)NチップウオルシュカバーのNが4である簡単例が使用される。この簡単な例において、4つ(一般に複素数)のシンボル[a、b、c、d]はオーダ4のウオルシュ関数マトリクスにより「カバー」される4つのコードシンボルである。オーダ4のウオルシュ関数マトリクスは
【数17】
である。
【0039】
各ウオルシュ関数(ウオルシュ関数マトリクスの各行)と入力コードシンボルの各々を乗算することにより得られる4つの出力シーケンスは:
チップシーケンス(1)=[a,a,a,]
チップシーケンス(2)=[b,−b,b,−b]
チップシーケンス(3)=[c,c,−c,−c]
チップシーケンス(4)=[d,−d,−d,d]
これらの4つのチップシーケンスの「垂直加算」は対応する列のチップを加算することにより得られる。従って結果とし得られる垂直加算は:
[a+b+c+d、a−b+c−d、a+b−c−d、a−b−c+d]
図2に示すように、チップレベル加算器224の出力はPN(「擬似ランダム雑音」)スプレッダ226に供給される。背景として、PNシーケンスは決定論的なバイナリシーケンスであるが、ランダムバイナリシーケンスに似ている。そのようなものとして、PNシーケンスはほぼ等しい数の0と1、シフトされたバージョンのシーケンス間の非常に低い相関、および2つのシーケンス間の非常に低い相互相関を有する。無線デジタル通信において、これらの性質はPNシーケンスを非常に望ましいものにする。PNスプレッダの出力チップシーケンスもスペクトル拡散信号と呼ばれる。なぜならば最小必要な信号帯域幅よりも数倍大きな帯域幅を有しているからである。スペクトル拡散信号はPNシーケンスの局部的に発生されたバージョンを有した相互相関により受信器において復調される。正しいPNシーケンスを有した相互相関はスペクトル拡散信号を「逆拡散」し、変調されたメッセージを回復するのに対して、意図されたものでないユーザにより信号を相互相関することは受信器の出力に非常に小さな量の広帯域の雑音を生じる。
【0040】
PN拡散技術を使用する重要な理由はその固有の干渉拒絶能力である。各ユーザには、他のユーザのコードにほぼ直交する固有のPNコードが割当てられているので、例えユーザがいつでも同じ周波数スペクトルを占有しているとしても、受信器は各コードに基づいて各ユーザを分離することができる。すべてのユーザは同じスペクトルを共有することができるので、すべてのセルは同じ周波数チャネルを使用することができるので、スペクトル拡散は周波数計画を消去することができる。
【0041】
PNシーケンスは通常シーケンシャルロジックを用いて発生される。状態メモリエレメントの逐次段階から構成されるフィードバックシフトレジスタが一般に利用される。バイナリシーケンスはクロックパルスに応答してシフトレジスタを介してシフトされ、種々の段階の出力は論理的に結合され第一段の入力としてフィードバックされる。最終段の出力は所望のPNシーケンスである。
【0042】
PNスプレッダ226は技術的に知られた方法でチップレベル加算器224により出力されるチップにPNシーケンスを印加させる。一例として、PNスプレッダ226による変調は、PNスプレッダ226により発生されるPNシーケンスの各チップを用いてチップレベル加算器224により出力される各チップのモジュロ−2加算(すなわちXOR)により実行することができる。その後、モジュロ−加算の結果は例えばバイナリPSK信号にマッピングされる。チップレベル加算器224の出力に関して実行されるPN拡散の結果はチップシーケンスc(n)228である。CDMA通信システムの一般的原理、特に通信チャネルを介して伝送するためのスペクトル拡散信号発生のための一般的原理はこの発明の譲受人に譲渡された米国特許第4,901,307(発明の名称:「衛星または地上レピータを用いたスペクトル拡散多重アクセス通信システム」)に記載されている。その特許、すなわち米国特許4,901、307の開示は参照することによりこの出願に全面的に組み込まれる。さらに、この発明はデータの時分割多重化および「高データレート」通信システムに関連する種々の原理を利用する。そしてこの発明は、この発明の譲受人に譲渡された、1997年11月3日に出願された米国特許出願シリアル番号08/963,386(発明の名称:「高レートパケットデータ伝送のための方法および装置」)に開示された「高データレート」通信システムに使用することができる。この特許出願の開示もまた参照することにより、この出願に全面的に組み込まれる。
【0043】
出力チップシーケンスc(n)228は「伝送FIR]230に渡される。伝送FIR230は一般に通信チャネルを介して伝送前にパルス整形信号のために使用されるFIRフィルタである。伝送FIR230はまたこの出願では「伝送フィルタ」とも呼ばれる。上述したように、伝送フィルタ自体は一般にある量のISIを伝送された信号に導入する。パルス整形は、伝送された信号のISIを低減するために使用可能な技術的に知られた技術である。伝送FIR230の出力は通信チャネルを介して図3に示す受信器に送られる。通信チャネルは通常送信器から受信器に信号を送るために使用される物理媒体に言及する。この出願の通信チャネルは、空き領域、ワイヤーライン、光ファイバーケーブルまたはマイクロ波無線チャネルから構成することができる。無線通信において、マルチパスのような要因により、チャネル自体がある量のISIを伝送された信号に導入する。
【0044】
図3は受信器に存在する、一実施形態に従った例示システム300を示す。受信FIR302は、通信チャネル(通信チャネルは図のどこにも示されていない)を介して伝送FIR230により伝送される出力チップシーケンスc(n)228を受信する。受信FIR302は通信チャネルから受信した信号にパルス整形を行う為に利用される。受信FIR302はこの出願において「受信フィルタ」とも呼ばれる。上述したように、通信チャネルおよび受信フィルタ自体が一般にある量のISIを受信した信号に導入する。例示システムにおいて、技術的に知られる種々のパルス整形技術を受信FIR302に使用することができる。例えばISI相殺のためのナイキスト基準に基づいたフィルタを使用することができる。あるいは、「二乗余弦ロールオフフィルタ」または「ガウス形パルス整形フィルタ」を使用することができる。一実施形態において、通信チャネルを介して受信された出力チップシーケンスc(n)228に対応するパルス整形された信号は受信FIR302から「適応チップレート線形イコライザ」306(または「適応チップレートLE」306)に渡される。適応チップレートLE306において受信されたチップシーケンスは通常、送信FIR230、通信チャネル、および受信FIR302のような種々の要因の影響を介してISIにより影響された。適応チップレートLE306への入力信号はx(n)として印がされ、一般に数字307により参照される。この出願において、入力x(n)307はまた「受信されたウオルシュカバーされたチップシーケンス」または単にイコライザに供給される「信号」と呼ばれる。
【0045】
適応チップレートLE306の実現のための例示ブロック図は適応チップレートLE406として図4に示される。図4に示すように、適応チップレートLE406への入力は図3のx(n)307に対応するx(n)407である。適応チップレートLE406の出力は図3の_(n)309に対応する_(n)409である。適応チップレートLE406への他の入力は図3の「トラッキングモードエラー信号」315および「トレーニングモードエラー信号」317に対応する「トラッキングモードエラー信号」415および「トレーニングモードエラー信号」417である。図4に示す例示適応チップレートLE406はFIRフィルタの一種であるトランスバーサルフィルタである。入力x(n)はTc遅延402とマークされた単位遅延素子およびタップ重みu0(n)を有する乗算器404にも接続される。図4の適応チップレートLE406の例示実施形態において、「Tc]は1チップ間隔を意味し、各Tc単位遅延素子は1チップ間隔に等しい遅延を導入することに注意する必要がある。しかしながら、各々が1チップ間隔の一部分に等しい遅延を有する遅延素子で適応チップレートLE406の間隔をあけることが望ましいかもしれない。その場合、適応チップレートLE406は「部分的に間隔のあけられた」イコライザの種類であろう。
【0046】
単位遅延素子Tc遅延402の出力はx(n−1)の印がつけられ、単位遅延素子Tc遅延412およびタップ重みu1(n)を有する乗算器408に接続される。単位遅延素子Tc遅延412の出力はx(n−2)の印がつけられ、図4に示してない次の単位遅延素子およびタップ重みu2(n)を有する乗算器414に接続される。単位遅延素子Tc遅延422およびum−2(n)のタップ重みを有する乗算器は図4に示されていない以前の単位遅延素子から、x(n−m+2)と印のされた各入力を受信する。単位遅延素子Tc遅延422の出力はx(n−m+1)と印がされタップ重みum−1(n)を有する乗算器424に接続される。
【0047】
乗算器404、408、414、418および424の各出力は乗算器410、416、420、および426により加算されイコライザ406の最終出力_(n)409を生じる。イコライザの動作のトレーニングモードおよびトラッキングモードの期間、適応線形イコライザの動作およびタップ重みu0(n)、u1(n)乃至um−1(n)の動的調節はこの出願の後のセクションで述べる。
【0048】
図4の線形適応イコライザ406の出力_(n)409は図3の線形適応イコライザ306の出力_(n)309に対応する。図3に見られるように、出力_(n)309は「PNデスプレッダ」308、「トレーニングモードエラー信号発生器」ブロック304および「Nチップ遅延」310に接続される。PNデスプレッダ308は送信器のシステム200のPNスプレッダ226により発生されたものと同一の擬似ランダムパターンを発生するために使用される。PNスプレッダ226およびPNデスプレッダ308により発生されるPNシーケンスが適切に同期されると、送信器においてシステム200により印加されるPN拡散の効果は受信器のシステム300において除去される。最初は、メッセージ信号の伝送以前に、同期は、受信器が干渉の存在にもかかわらず認識する固定の擬似ランダムビットパターンを伝送することにより得ることができる。PNスプレッダ226とPNデスプレッダ308の同期が得られた後、メッセージ信号の伝送を始めることができる。一例として、PNデスプレッダ308は、技術的に知られた方法で相互相関器、サンプラー、チップレートクロック及びPN発生器を用いて実現することができる。
【0049】
PNデスプレッダ308により出力されるチップシーケンスは「DEMUXデータエポック」312に入力される。図3の例示システム300において、DEMUXデータエポック312は受信器内のシステム300の「意思決定が方向づけられた」動作期間利用される1対16デマルチプレクサである。意思決定が方向づけられた期間は適応チップレートLE306がトラッキングモード動作にある時間期間である。例示システム300において、PNデスプレッダ308により出力されるチップシーケンスはDEMUX312にバッファリングされ16の並列ラインを介して「Nチップウオルシュデカバー」314に逆多重化される。他の実施形態において、1対64デマルチプレクサまたは1対128デマルチプレクサをこの発明の範囲を逸脱することなく使用することができることは明白である。
【0050】
DEMUXデータエポック312の16並列出力は「Nチップウオルシュデカバー」314に供給される。Nチップウオルシュデカバー314は送信器のシステム200のNチップウオルシュカバー218において使用されたのと同じウオルシュコードシーケンス(すなわち同じウオルシュ関数)を使用する。Nチップウオルシュデカバー314の16並列出力がコードシンボルの形式であるように、システム300のNチップウオルシュデカバー314は受信したチップシーケンスからNチップウオルシュカバー218の効果およびチップレベル加算器224の効果を除去する。
【0051】
しかしながら、Nチップウオルシュデカバー314の出力におけるコードシンボルは、単にシステム200により伝送される実際のメッセージ信号に対応するコードシンボルの「ソフト推定」である。言い換えれば、Nチップウオルシュデカバー314の出力における16の並列コードシンボルの各々をシンボル配列のエレメントに量子化するための意思決定がなされなかった。以下に述べるように、Nチップウオルシュデカバー314の16並列出力における各コードシンボルの各々対してシンボル配列のあるエレメントを支持する決定は「並列シンボルスライサ」318のような装置により行なうことができる。
【0052】
並列シンボルスライサ318はシンボル配列のあるエレメントを支持して決定が行なわれる量子化動作を行う為に使用される。背景として、適応線形イコライザの係数(すなわちタップ重み)に適応するために、イコライザの「所望」の出力の知識が必要となる。「所望」の出力とイコライザの実際の出力との間の比較を用いて、イコライザのタップ重みを調節するためにエラー信号を形成する。適応線形イコライザの動作のトレーニングモードの期間、システム200により伝送されたパイロットチップシーケンスの複製が記憶され、発生することができ、またはそうでなければ、受信器のシステム300で知られる。パイロットチップの複製は適応チップレートLEの所望の出力を定義する。そのようなものとして、適応チップレートLEの動作のトレーニングモードの期間、パイロットチップシーケンス(すなわち公知の所望の出力)の複製と適応チップレートLE306の実際の出力の比較により所望のエラー信号を発生することができる。
【0053】
一方、適応チップレートLE306の動作の「意思決定が方向づけられたモード」において、Nチップウオルシュデカバー314の16並列出力におけるコードシンボルの各々の「ハード推定」が作られねばならない。意志決定エラーの平均確率が小さいなら(例えば、10%未満)、並列シンボルスライサ318により成されたハード推定は、大体の場合正確である推定エラー信号に到達するのに十分である。言い換えれば、シンボルスライサ318によりなされる所望の出力のハード推定に基づいて発生されたエラー信号は通常適応チップレートLE306のタップ重みを改良するのに十分である。イコライザ306のタップ重みの改良は次にシンボルエラーの低い平均確率を生じ、それゆえイコライザ306のさらなる適応のためにエラー信号のより正確な推定を生じる。
【0054】
コードシンボルのハード推定は、16並列出力のグループにおいて、並列シンボルスライサ318から「Nチップウオルシュカバー」320にわたされる。Nチップウオルシュカバー320は並列シンボルスライサ318により出力されるハード推定並列コードシンボルの各々にウオルシュカバリング(またはウオルシュ変調)を行なう。上述したように、この例ではN=16、すなわちウオルシュ関数マトリクスはオーダー16のマトリクスである。しかしながら、受信器内のNチップウオルシュカバー320に使用されるウオルシュ関数マトリクスは送信器のNチップウオルシュカバー218に使用されるウオルシュ関数マトリクスと同じオーダーでなければならないという制限を有しているので、Nの値は設計上の選択でありNは例えば64または128であり得る。
【0055】
Nチップウオルシュカバー320はその出力に16並列チップシーケンスを発生し、それらを「チップレベル加算器」322に供給する。上述したように、Nチップウオルシュカバー320の16並列出力の各々で発生された各チップシーケンスは単一シンボルコードに対応する16チップを含む。Nチップウオルシュカバー320により出力される16並列チップシーケンス(各シーケンスは16チップを有する)は「チップレベル加算器」322に供給される。チップレベル加算器322はチップレベル加算器224に関連して上述した方法でNチップウオルシュカバー320により出力されるチップシーケンスの垂直加算を供給するために利用される。
【0056】
チップレベル加算器322の出力は「PNスプレッダ」324に接続される。PNスプレッダ322に関連して上述したように、PNスプレッダ324は技術的に知られた方法でチップレベル加算器322により出力されたチップにPNシーケンスを認識させる。チップレベル加算器322の出力に行なわれたPN拡散の結果は出力チップシーケンス_[n−N]325である。以下に詳細に説明するように、Nチップウオルシュカバー320、チップレベル加算器322およびPNスプレッダ324の結合された効果は、並列シンボルスライサ318により出力されるコードシンボルのハード推定に対応するチップのシーケンスを発生することである。
【0057】
出力チップシーケンス_[n−N]325は「トラッキングモードエラー信号発生器」ブロック326に供給される。「トラッキングモードエラー信号発生器」ブロック326へのもう一方の入力は「Nチップ遅延」310の出力である_[n−N]311である。_[n−N]311は適応チップレートLE306の出力チップシーケンス_(n)309をNチップ遅延310を介してNチップだけ遅延させることにより得られる。この出願の後のセクションでより詳細に述べるように、トラッキングモードエラー信号315はNチップ遅延310の出力_[nーN]311をPNスプレッダ324により発生された出力チップシーケンス_[n−N]325と比較することにより発生される。トラッキングモードエラー信号315は適応チップレートLE306と接続され、トラッキングモードの期間、すなわち、適応チップレートLE306の動作の意思決定が方向づけられたモードの期間、タップ重みを調節する。トラッキングモードエラー信号315は図4のトラッキングモードエラー信号415として示される。図4に示すように、トラッキングモードエラー信号415を用いて、適応チップレートLE(または適応チップレートLE306)において乗算器404、408、乃至424のための係数である(またはタップ重み)であるu0(n)、u1(n)乃至um−1(n)という値を調節する。
【0058】
図3に示すように、「トレーニングモードエラー信号発生器」ブロック304はトレーニングモードエラー信号317を適応チップレートLE306に供給する。この出願の後のセクションにおいて詳細に記載するように、トレーニングモードエラー信号317は、適応チップレートLE306の出力チップシーケンス_(n)309を、図3の概念ブロック336により供給される「受信器において知られるパイロットチップシーケンス」と比較することにより発生される。トレーニングモードエラー信号317は適応チップレートLE306に接続され、適応チップレートLE306の動作のトレーニングモードの期間そのタップ重みを調節する。トレーニングモードエラー信号317は図4のトレーニングモードエラー信号417として示される。図4に示すように、トレーニングモードエラー信号417は、適応チップレートLE406(または適応チップレートLE306)の乗算器404、408乃至424のための係数(またはタップ重み)であるu0(n)、u1(n)ないしum−1(n)という値を調節する。
【0059】
例示システム300の動作は各伝送されたデータフレームの始めで適応チップレートLE306の係数(すなわちタップ重み)をトレーニングすることから開始する。適応チップレートLE306の係数は、送信FIR230、通信チャネル、および受信FIR302により生じたISIを低減または消去するために調節されなければならないことを思い起こす必要がある。送信FIR230、通信チャネルおよび受信FIR302により導入されるISIの量の初期評価が成されると、適応チップレートLE306の係数の初期値がイコライザの「トレーニング」期間に決定される。
【0060】
トレーニングモードの期間、送信FIR230、通信チャネル、受信FIR302により生じたISIの量の初期評価は適応チップレートLE306の所望の出力のシステム300の以前の知識により成される。例示システム200において、「適応チップレートLE]306の係数を「トレーニング」するためのパイロットチップを挿入するために「TDMデータパイロット制御」222が使用されたことを思い起こす。上述したように、一般にパイロットチップは各データフレームに挿入され、受信器に伝送される各フレームのほぼ5%から構成される。これらのパイロットチップは受信器の例示システム300に知られ、受信器の適応線形イコライザ306の係数をトレーニングするために使用される。図3の概念ブロック、すなわち「受信器において知られるパイロットチップシーケンス」ブロック336はパイロットチップの複製を記憶するかまたは発生する。動作のトレーニングモードの期間、適応チップレートLE306の実際の出力チップシーケンス_(n)309は、受信器において知られるパイロットチップの複製と比較される。パイロットチップの複製は適応チップレートLE306の所望の出力である。図3に示すように、適応チップレートLE306(すなわち実際の出力)並びに「受信器において知られるパイロットチップシーケンス」ブロック336(すなわち所望の出力)からのパイロットチップは両方「トレーニングモードエラー信号発生器」ブロック304に供給される。「トレーニングモードエラー信号発生器」ブロック304は2つのチップシーケンス(すなわち実際の出力および所望の出力)を使用し、技術的に知られているアルゴリズムを適用し、トレーニングエラー信号317を発生し、適応値チップレートLE306のタップ重みを調節する。
【0061】
トレーニングエラー信号317は技術的に知られる種々のアルゴリズムを用いて発生可能である。例えば、「最小二乗」(LMS)アルゴリズムを用いることができる。LMSアルゴリズムの1つの目標は、所望の出力を適応チップレートLE306の実際の出力と比較することにより得られる「平均二乗誤差」を最小にすることである。平均二乗誤差に基づく適応チップレートLE306のタップ重みへの多数の迅速な反復と調節をすると、LMSアルゴリズムは「収束」する、すなわち平均二乗誤差は一定の値に近づき、実際の平均エラーはゼロに近づく。
【0062】
上述したように、LMSアルゴリズムに従って、図4の適応チップレートLE406に詳細に示すように、適応チップレートLE306のタップ重みの値は以下のごとく計算される。
【0063】
【数18】
ただし、uk(n)はチップ間隔nの図4の適応チップレートLE406のタップ重みであり、c(n)は図2のc(n)228と同じであり、_(n)は図3の_(n)309(または図4の_(n)409)と同じである。動作のトレーニングモードの期間、e(n)はチップ間隔nのトレーニングモードエラー信号であり、e(n)は図3のトレーニングモードエラー信号(または図4のトレーニングモードエラー信号417)と同じである。
【0064】
従って、各現在のタップ重みu0(n)、u1(n)乃至um−1(n)は、各現在のタップ重みを、定数_、対応する入力値x0(n)、x1(n)乃至xm−1(n)、およびエラー信号e(n)の現在の値の積に加算することにより、対応する新しいタップ重みu0(n+1)、u1(n+1)乃至um−1(n+1)に調節される。定数_は連続する反復上のタップ重み間の変化を制御するように決定される。式(2)の反復プロセスは、適応イコライザ306が収束しようと試みe(n)の平均二乗値を最小にする間、プログラミングループのチップ間隔Tc毎に1回繰返される。収束に到達すると、適応アルゴリズムは、エラー信号e(n)が受け入れ可能なレベルを超えるまで、または新しいトレーニングパイロットチップシーケンスが送信器から送られるまでタップ重みを凍結する。
【0065】
この実施形態において、エラー信号e(n)は最小2乗(LMS)アルゴリズムに利用され、技術的に知られた方法で平均平方エラー(MSE)を最小にする。平均平方エラーの推定は各チップ間隔においてe(n)の値の二乗の和の時間平均により形成することができる。平均平方エラーが最小化されると、タップ重みu0(n)、u1(n)乃至um−1(n)は、送信FIR230、通信チャネル、および受信FIR302により生じたISIの効果を低減する値に到達した。
【0066】
他の実施形態において、LMSアルゴリズムの代わりに、ISIの効果を低減するために、適応チップレートLE306のタップ重みに適応するように他の適応アルゴリズムを使用することができる。LMSアルゴリズム以外の適応アルゴリズムの例として「リカーシブ(recursive)最小二乗」(RLS)アルゴリズムを使用することができる。一般に、適切な適応アルゴリズムを選択する際に、アルゴリズムの収束のレート(すなわち、アルゴリズムにより要求される反復数)、調整ミス因子(すなわち、最小平均2乗誤差から平均2乗誤差の最終値が外れる量)、および計算の複雑性(アルゴリズムの1つの完全な反復を行なうのに必要な動作数)のような要素が考えられる。一例として、RLSアルゴリズムがLMSアルゴリズムよりさらに迅速に収束するけれども、RLSアルゴリズムはLMSアルゴリズムに比べてより高い計算の複雑性を有する。上述したように、現在開示している実施形態において、LMSアルゴリズムまたはRLSアルゴリズムのような技術的に知られたいかなる数の適応アルゴリズムも使用することができる。
【0067】
送信器が何を送信しているかを受信器が知っているとき、通信チャネルは効率的に使用されないので、適応チップレートLE306の係数のトレーニングを行なうために必要なパイロットチップはさらなる「オーバーヘッド」を生じることに留意する必要がある。従って、できるだけ、少ないトレーニングパイロットチップを使用することが望ましい。しかしながら、送信FIR230、通信チャネル、および受信FIR302の組合せが大量のISIを生成するなら、トレーニングモードを超えて適応チップレートLE306の係数を適応し続ける必要がある。この継続された適応は動作のトラッキングモードの期間行なわれる。一実施形態において、トレーニングモードが終了したとき、所望の出力と適応チップレートLE306の実際の出力とを比較することにより得られた平均2乗誤差の時間平均があるしきい値を超えた場合に限り、トラッキングモードが始まる。他の実施形態において、トラッキングモードは自動的にかつトレーニング期間に迅速に続いて始まる。
【0068】
動作のトラッキングモードにおいて、適応チップレートLE306の係数(すなわちタップ重み)は送信器からの各データフレームの送信期間に調節される。受信器へのメッセージの送信期間に導入されたISIの量は時間の関数であり、通信チャネルのマルチパスのような種々のパラメータの変化により、変わることができることに留意する必要がある。そのようなものとして、ISIの量は一般にデータフレーム毎に変化し、また各データフレームの期間においても変化する。従って、各トレーニング期間の後適応チップレートLE306の係数に適応するために動作のトラッキングモードを入力することは重要である。
【0069】
現在開示される実施形態と、受信器の適応線形イコライザ306の係数に適応するために利用される他の装置および方法との間の重要な相違は、受信信号におけるウオルシュカバリングの存在である。受信した信号すなわち図3のx(n)307におけるウオルシュカバリングの存在は、トラッキングモードの期間に「所望の出力」と適応チップレートLE306の「実際の出力」の簡単な比較を防止する。そのようなものとして、適応チップレートLE306の係数を調節する必要なトラッキングモードエラー信号315を計算することは技術的に現在使用されている方法とは著しく異なる。
【0070】
適応チップレートLE306の動作のトラッキングモードにおいて、受信器のシステム300は、所望のチップシーケンスを適応チップレートLE306により出力される実際のチップシーケンスとの比較に基づいてトラッキングモードエラー信号315を発生しなければならない。適応チップレートLE306により出力される実際のチップシーケンスは、単にオリジナルメッセージを表すチップシーケンスの「ソフト推定」である出力チップシーケンス_(n)309である。この出願において、「ソフト推定」すなわち出力チップシーケンス_(n)309は「第1の複数のチップ」とも呼ばれる。
【0071】
トラッキングモードエラー信号を発生するために、オリジナルメッセージを表すチップシーケンスの「ソフト推定」はオリジナルメッセージを表すチップシーケンスの対応する「ハード推定」と比較する必要がある。従って、オリジナルメッセージを表すチップシーケンスの「ハード推定」を得るために、オリジナルメッセージを表すコードシンボルの1の「ハード推定」を得なければならない。オリジナルメッセージを表すコードシンボルのハード推定から、オリジナルメッセージを表すチップシーケンスの必要なハード推定は、送信器において実行されたウオルシュカバリングを複製するような方法でウオルシュカバリングを実行することにより得ることができる。従って、出力チップシーケンス_(n)309のオリジナルメッセージを表すコードシンボルの「ソフト推定」への変換、コードシンボルの「ハード推定」を得るための閾値化またはスライシング動作、および最後にコードシンボルのハード推定を、出力チップシーケンス_(n)309との比較に適したウオルシュチップシーケンスの「ハード推定」への変換が行なわれる。
【0072】
上述したように、「意思決定が方向づけられた」期間、または受信器300の動作のトラッキングモードの期間、PNデスプレッダ308から出力されたチップシーケンスはDEMUXデータエポック312により16の並列出力に逆多重化される。Nチップウオルシュデカバー314の16並列出力がオリジナルメッセージに対応するコードシンボルのソフト推定の形式であるように、受信したチップシーケンスNチップウオルシュカバー218の効果およびチップレベル加算器224の効果を除去するために、Nチップウオルシュデカバー314はDEMUXデータエポック312により出力された16並列チップシーケンスの各々に関して操作を行なう。
【0073】
図3のシステム300に見られるように、Nチップウオルシュデカバー314は、オリジナルメッセージに対応するコードシンボルのソフト推定を含む16並列出力を、並列シンボルスライサ318に供給する。並列シンボルスライサ318はNチップウオルシュデカバー314から受信した16並列ソフト推定に閾値化操作およびスライス操作を実行する。従って並列シンボルスライサ318の16並列出力は、オリジナルメッセージに対応するコードシンボルのハード推定である。並列シンボルスライサ318の出力におけるコードシンボルのハード推定をオリジナルメッセージを表すチップシーケンスのハード推定に変換するために、並列シンボルスライサ318の16並列出力はNチップウオルシュカバー320、チップレベル加算器322およびPNスプレッダ324を介して処理される。Nチップウオルシュカバー320、チップレベル加算器322、およびPNスプレッダ324はそれぞれ送信器のシステム200のNチップウオルシュカバー218、チップレベル加算器224、およびPNスプレッダ226で実行される機能と同じ機能を実行する。従って、PNスプレッダ324の出力はオリジナルメッセージに対応するチップシーケンスのハード推定である。この出願において、オリジナルメッセージに対応するチップシーケンスの「ハード推定」も「第2の複数のチップ」と呼ばれる。
【0074】
しかしながら、Nチップウオルシュカバー314、並列シンボルスライサ318、Nチップウオルシュカバー320およびチップレベル加算器322の動作を介して、Nチップ間隔(すなわちN*TC)の遅延がPNスプレッダ324の出力におけるチップシーケンスのハード推定に導入される。このため、PNスプレッダ324の出力におけるチップシーケンスのハード推定は_(n)に対しチップシーケンス_[n−N]325である。Nはウオルシュ関数マトリクスのオーダであり、この発明の実施形態では16であることに留意されたい。しかしながら、この発明の他の実施形態において、Nは64または128に等しい。その場合、出力チップシーケンス_[n−N]325に導入される遅延は、それぞれ64チップ間隔または128チップ間隔である。
【0075】
図3に見えるように、オリジナルメッセージに対応する遅延された所望の出力チップシーケンス_[n−N]325は「トラッキングモードエラー信号発生器」ブロック326に供給される。LMSアルゴリズムのような適応アルゴリズムを適用し、適切なエラー信号を発生して適応チップレートLE306のタップ重みを適合させるために、「トラッキングモードエラー信号発生器」ブロック326は遅延された所望の出力チップシーケンス_[n−N」325を適応チップレートLE306の実際の出力チップシーケンスの遅延されたバージョンと比較しなければならない。上述したように、送信FIR230、通信チャネル、および受信FIR302による生じたISIの正確な量は時間の関数であるので、所望の出力は、同じチップ間隔に対応する実際の出力と比較されなければならない。そのようなものとして、適応チップレートLE306の実際の出力チップシーケンス_(n)309はNチップだけ遅延され、遅延された所望の出力チップシーケンス_[n−N]325と比較される前の遅延された実際の出力_[n−N]311を生じる。
【0076】
遅延された実際の出力と遅延された所望の出力の比較は「トラッキングモードエラー信号発生器」ブロック326により実行され、トラッキングモードエラー信号315が発生され、適応チップレートLE306に供給される。トラッキングモードエラー信号315は図4のトラッキングモードエラー信号415と同じである。図4に示すように、トラッキングモードエラー信号415は種々のタップ重みu0(n)、u1(n)乃至um−1(n)に供給され、イコライザの応答に適合するように各値を調節する。
【0077】
トラッキングモードエラー信号315は技術的に知られた種々のアルゴリズムを用いて発生することができる。例えば「最小二乗法」(LMS)アルゴリズムを使用することができる。上述したように、LMSアルゴリズムの1つの目的は、遅延された所望の出力チップシーケンス_[n−N]325と、適応チップレートLE306の遅延された実際の出力チップシーケンス_[n−N」311との比較から生じる「平均2乗誤差」を最小にすることである。平均2乗誤差に基づく適応チップレートLE306のタップ重みに対する多数の迅速な反復と調節の結果、LMSアルゴリズムは「収束」し、すなわち平均2乗誤差は一定の値に近づく。
【0078】
上述したように、LMSアルゴリズムに従って、図4に適応チップレートLE406として詳細に示すように適応チップレートLE306のタップ重みの値は以下のように計算される。
【0079】
【数19】
但し、uk(n)はチップ間隔nにおける図4の適応チップレートLE406のタップ重みであり、_[n−N]は_[n−N]325であり、図3のシステム300において_[n−N]は_[n−N]311である。上述したように、定数_は連続する反復上のタップ重み間の変化を制御するように選択される。より高速な変換とより低速な平均2乗誤差を得るために_の変化する値を使用することが望ましいかもしれない。動作のトラッキングモードの期間、e(n)はチップ間隔nにおけるトラッキングモードエラー信号であり、e(n)は図3のトラッキングモードエラー信号315(または図4のトラッキングモードエラー信号415)と同じであることに留意する必要がある。
【0080】
従って、各現在のタップ重みu0(n)、u1(n)乃至um−1(n)は、各現在のタップ重みを、定数_、対応する入力値x0(n)、x1(n)乃至xm−1(n)、およびエラー信号e(n)の現在値の積に加算することにより、対応する新しいタップ重みu0(n+1)、u1(n+1)ないしum−1(n+1)に調節される。式(2)の反復プロセスは、適応イコライザ306が収束し、エラー信号e(n)を最小にしようと試みる間、プログラミングループのチップ間隔Tc毎に1回繰り返される。収束に到達すると、適応アルゴリズムは、エラー信号e(n)が受け入れ可能なレベルを超えるまで、または新しいトレーニングパイロットチップシーケンスが送信器から送信されるまでタップ重みを凍結する。動作のトレーニングモードのように、LMSアルゴリズムの代わりに、動作のトラッキングモードの期間ISIの効果を低減するために、適応チップレートLE306のタップ重みに適合させるために他の適応アルゴリズムを使用することができる。LMSアルゴリズム以外の適応アルゴリズムの例として、RLSアルゴリズムを動作のトラッキングモードに使用することができる。
【0081】
図3の例示システム300に見られるように、Nチップウオルシュデカバー314の16並列出力は16対1マルチプレクサであるMUX316に供給される。MUX316はNチップウオルシュデカバー314により並列に供給される16コードシンボルの1つをチャネルデインターリーバー328に多重化し、次に、チャネルデインターリーバー328の出力は復調器330に供給される。復調器330の出力は変調デインターリーバー332により処理される。最後にデコーダ334は変調デインターリーバー332からその入力を受信し、復号されたデータビット342をその出力に供給する。チャネルデインターリーバー328、復調器330、変調デインターリーバー332およびデコータ334は技術的に良く知られている。これらのモジュール、すなわち、システム300のチャネルデインターリーバー328、復調器330、変調デインターリーバー332、およびデコーダ334の結合された効果はシステム200のエンコーダー204、変調インターリーバー206、変調器208、およびチャネルインターリーバー210の結合された効果を逆にすることである。システム300の最終出力、すなわち復号されたデータビット342は理想的には、図2のシステム200の入力におけるデータビット202と同じである。
【0082】
その範囲から逸脱することなくこの発明の概念を実現するために種々の技術を使用することができる。さらに、この発明は、ある実施形態を特別に参照して記載したが、当業者は、この発明の範囲および精神から逸脱することなく、形式および詳細において変更が可能であることを認識するであろう。例えば、チップ間隔毎に適応チップレートLE306の係数を適合させる代わりに、係数はNチップ間隔毎に1回適合させることができる。例示システム300において、このことは、式(2)のトラッキングエラー信号e(n)は単一チップの代わりに16チップに対するe(n)=_[n−N]−_[n−N]間の差分の和であることを意味する。従って、e(n)は16チップレベル差分の和に対応する、16チップ間隔毎に発生される。明らかに、エラー信号e(n)の大きさは、16チップレベル「エラー」の和を表しているのでより大きい。しかしながら、定数_は小さな値なので、式(2)は、適応チップレートLE306に対して16チップ間隔毎に1回新しいタップ重みを得るように適切に適用することができる。
【0083】
さらに、記載された実施形態はあらゆる点で実例であって、制限的なものではないと考えられることが理解される。この発明はここに記載した特定の実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲を逸脱することなく、再構成、変更および代用が可能であることが理解されなければならない。
【0084】
以上、ウオルシュカバーされた変調のための適応線形等化のための方法および装置について記載した。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は公知の線形適応イコライザの例を示す図である。
【図2】
図2は入力メッセージデータビットに対応するウオルシュカバーされたチップシーケンスの発生の例を示すブロック図である。
【図3】
図3は受信した信号が送信器により送信されたウオルシュカバーされたチップシーケンスに対応するとき適応等化方式を実現するために使用される例示システム300を示す図である。
【図4】
図4は図3のシステム300において使用される適応チップ線形イコライザの詳細図である。
【発明の属する技術分野】
この発明は一般に通信システムにおける等化技術に関し、特に無線データ通信システムにおける適応等化に関する。
【0002】
【関連出願の記載】
相対的に雑音の無いデータ通信システムにおいて、線形変調方式により、例えば直交位相シフトキーイング(QPSK)を用いて、通信チャネルを介してデータが伝送されると、チャネルがサポートすることができる検出可能なレベルの数は必須的に符号間干渉(ISI)により制限される。ISIはチャネルの分散的性質による伝送されたシンボルパルスの「拡散」により生じる。その結果、隣接するシンボルパルスの重複を生じる。別の言い方をすれば、ISIは1ビットの情報を表す信号の一部が異なるビットの情報を表す信号の異なる部分と干渉するとき、起こる。
【0003】
ISIの悪影響は信号対雑音比が高く、チャネルが相対的に雑音が無い場合により顕著になる。一般に(音声に対して)データ通信においてチャネルが存在するが、そのようなチャネルにおいて、ISIの存在は通信システムの性能を大いに低下させる。
【0004】
ISIの共通の利害は、「マルチパス」現象である。簡単に言えば、マルチパスは、マルチパスを介して同じ信号を受信することにより生じた干渉に言及する。移動無線装置(加入者装置とも呼ぶ)の速度、ビルディングや山の存在のような周囲環境の条件、および伝送帯域幅に応じて、伝送されるシンボルパルスは異なる時間に受信器に到達するかもしれない。従って、隣接するシンボルパルスの成分は建設的にまたは破壊的に干渉するかもしれない。
【0005】
しかしながら、「マルチパス」が無い場合においても、通信システムで採用される送受信フィルタの不完全により多少のISIが以前として発生され得る。例えば、送受信フィルタから構成される物理機器の周波数依存減衰はISIの源になり得る。
【0006】
等化はISIの影響を最小にするにために使用することができることが一般に知られている。等化は、信号が受信器においてより容易に認識できるように信号を変化させることを含む。チャネルが信号に与える影響が受信器において適切に認識できる信号を生じるように信号を送信器側で変更することができる。しかしながら、送信器にもとづく等化は困難である。なぜならば、送信器はチャネルの特性および時間とともにチャネルの特性に生じるかもしれない何らかの変化を前もって知っていなければならないからである。
【0007】
等化は受信器においても実行することができる。受信器にもとづく等化は、等化パラメータを調節するために受信した信号の属性を使用することができる。無線通信においては、移動チャネルはランダムであり、時間的に変化するので、イコライザは移動チャネルの時間的に変化する特性を追跡しなければならず、従って、適応イコライザと呼ばれる。適応等化は正しい等化量をチャネルに印加しようと試みる。適応等化において、イコライザ係数は、変化するチャネル条件に「適応」するために最初にあるいは周期的に調節される。適応イコライザの一般的動作モードはトレーニングモード(training mode)とトラッキングモード(tracking mode)である。トレーニングモードにおいて、公知のパイロットシンボルシーケンスが送信器により送信されるので、受信器の適応イコライザはその係数を適切な初期値に平均化することができる。トレーニングシーケンス、すなわちパイロットシンボルシーケンスは一般に固定の所定のビットパターンである。
【0008】
トレーニングシーケンスにすぐに続いて、変調され拡散されたメッセージデータが伝送され、受信器の適応イコライザは所定のアルゴリズム、例えば「最小2乗法」(LMS)または「帰納的最小2乗法」(RLS)を用いて、送信フィルタ、通信チャネル、および受信フィルタにより生じたISIを補償するために適応イコライザ係数を推定する。
【0009】
送信器から伝送された各データフレームは初期パイロットシーケンス並びにそれに続くユーザメッセージデータシーケンスを含む。一例として、初期パイロットシーケンスは全体のデータフレームの約5%を占める。しかしながら、送信フィルタ、通信チャネル、および受信フィルタの各特性は、各フレームの期間変化するかもしれないし、フレーム毎に変化するかもしれない。従って、データの各フレームの初期パイロットシーケンスはイコライザ係数の初期設定を得るために使用される。さらに、イコライザ係数の初期設定の後、ユーザメッセージデータが受信される各フレームの期間に、イコライザ係数は所定のアルゴリズムを利用して適応される。
【0010】
各フレームにおいて、初期パイロット(トレーニング)シーケンスは、受信器の適応イコライザが適切な係数を取得することができるように設計されるので、トレーニングシーケンスが終了すると、フィルタ係数は、フレームの残りの期間、ユーザメッセージデータの受信のためにほぼ最適値である。ユーザメッセージデータが受信されると、イコライザの適応アルゴリズムは送信フィルタの変化特性、通信チャネルの変化特性および受信フィルタの変化特性を追跡する。結果として、適応イコライザは継続的に時間に対してそのフィルタ特性を変化している。
【0011】
共通の種類の適応イコライザ線形適応イコライザである。2つの一般的な種類の線形適応イコライザがある。「トランスバーサル(transversal)」タイプと「ラティス(lattice)」タイプである。図1はトランスバーサル線形適応イコライザ100を示す。図1のトランスバーサル線形適応イコライザ100は技術的に良く知られている有限期間インパルス応答フィルタ(FIR)の種類である。図1を参照すると、図1においてx(n)として印がつけられた受信FIRフィルタ102の出力は入力をイコライザ100に供給する。受信FIRフィルタ102の出力は単位遅延エレメントz−1106に接続されるとともに、タップ重みw0(n)を有する乗算器104にも接続される。単位遅延エレメントz−1106の出力はx(n−1)として印がつけられ、単位遅延エレメントz−1112に接続されるとともにタップ重みw1(n)を有する乗算器108に接続される。単位遅延エレメントz−1112の出力はx(n−2)として印がつけられ、図1に示していない次の単位遅延エレメントに接続されるとともにタップ重みw2(n)を有する乗算器114に接続される。単位遅延エレメントz−1122とwm−2(n)のタップ重みを有する乗算器114は、図1に示していない前の単位遅延エレメントから、x(n−m+2)として印がつけられた各入力を受信する。単位遅延エレメントz−1122の出力はx(n−m+1)として印がつけられ、タップ重みwm−1(n)を有する乗算器124に接続される。
【0012】
乗算器104、108、114、118および124の乗算器の各出力は加算器110、116、120、および126により加算され、イコライザ100の最終出力
【数1】
を生じる。イコライザ出力
【数2】
はスライサ(slicer)出力
【数3】
を生じるスライサ128に供給される。イコライザ100出力
【数4】
は加算器130によりスライサ128出力
【数5】
から減算される。減算演算の結果は加算器130の出力であるe(n)である。
【0013】
概要を説明すれば、イコライザ100の動作期間、適応アルゴリズムは図1のタップ重みw0(n)、w1(n)乃至wm−1(n)により表されるイコライザ係数に適応するように利用される。イコライザ係数はサンプル毎に(すなわちnが1だけインクリメントされるとき)またはブロック毎に(すなわち指定された数のサンプルがイコライザにクロック入力されると)調節される。タップ重みw0(n)、w1(n)乃至wm−1(n)に適応するために使用される適応アルゴリズムはエラー信号e(n)により制御される。適応イコライザ動作の追跡モードの期間、エラー信号e(n)は、イコライザ100の出力
【数6】
をスライサ128の出力
【数7】
と比較することにより得られる。
【0014】
スライサ128は「意志決定装置」の一例であり、送信器から送信された元のデータの「ハード推定」に到達するために閾値動作を適用する。イコライザ100の所望の出力であるこのハード推定はイコライザ100の実際の出力
【数8】
と比較される。イコライザ100の実際の出力
【数9】
は送信器から送信された元のデータの「ソフト推定」とも呼ばれる。所望の出力
【数10】
から実際の出力
【数11】
を減算するとエラー信号e(n)を生じる。適応イコライザ動作のトレーニングモードの期間、スライサ動作は必要なく、所望の出力
【数12】
は受信器に知られており、エラー信号e(n)に到達するために加算器130に直接供給することができることに注意する必要がある。
【0015】
エラー信号e(n)は、最適値に到達するために、イコライザタップ重みを反復的に調節するために適応アルゴリズムにおいて使用される。適応アルゴリズムの一例は「最小2乗」(LMS)アルゴリズムであり、以下の反復演算を用いてタップ重みを最適値に調節するために使用される。
【0016】
【数13】
ただし、xk(n)=x(n−k)であり、kは0とm−1との間の整数であり、
【数14】
であり、そして
【数15】
であり、_は定数である。
【0017】
従って、各現在のタップ重みを、定数_、対応する入力値x0(n)ないしxm−1(n)、およびエラー信号e(n)の現在値の積に加算することにより、各現在のタップ重みw0(n)、w1(n)乃至wm−1(n)は対応する新しいタップ重みw0(n+1)乃至wm−1(n+1)に調節される。定数_は連続する反復に関するタップ重み間の変化を制御するように決定される。式(1)の反復プロセスは適応イコライザ100がエラー信号e(n)を収束し最小化しようと試みる間プログラミングループで迅速に繰返される。収束に到達すると、適応アルゴリズムは、エラー信号e(n)が受け入れ可能なレベルを超えるまでまたは新しいトレーニングシーケンスが送信器から送信されるまでタップ重みを凍結する。
【0018】
しかしながら、図1に関連して上述した線形適応等化方式は「ウオルシュカバリング」が送信器において使用された受信器システムに簡単に適用することができない。背景として、CDMA(符号分割多元接続)で使用される規格のように、スペクトル拡散通信システムにおける現在の規格によれば、セル内で動作しているすべての加入者装置は単一の「アウター(outer)」PN(擬似ランダム雑音)符号を共有する。ウオルシュ関数(ウオルシュ符号シーケンス)を用いた所定のスペクトル拡散通信システムにおいて、同じセル内の加入者信号を識別するために使用される異なるウオルシュ関数を定義するために、まえもって、NチップのN行を有するあらかじめ定義されたウオルシュ関数マトリクスが確立される。各行がNチップを有するN行を有するウオルシュ関数マトリクスはオーダーNのウオルシュ関数マトリクスとも呼ばれる。Nが4に等しいウオルシュ関数マトリクス、すなわちオーダー4のウオルシュ関数マトリクスの例を以下に示す。
【0019】
【数16】
上記例において、4つのウオルシュ関数があり各関数は4つのチップを有する。各ウオルシュ関数は上記ウオルシュ関数マトリクスにおいて1行である。例えば、ウオルシュ関数マトリクスの3行目はシーケンス1,1,0,0を有するウオルシュ関数である。各ウオルシュ関数、すなわち上記マトリクスの各行はマトリクス内の他の行とゼロの相関性を有する。別の言い方をすれば、各ウオルシュ関数のチップの丁度半分がマトリクスの他のウオルシュ関数のチップの半分と異なる。
【0020】
実際には、長さ16、64、または128のウオルシュ関数(すなわちそれぞれ各ウオルシュコードシーケンスにおいてそれぞれ16、64、または128チップを有するウオルシュ関数)が使用される。一例として、長さ64のウオルシュ関数が使用されると、所定のセル内の64加入者の直交性が得られる。
【0021】
無線通信におけるウオルシュ変調の使用は望ましいけれども、その使用は公知の適応等化技術を応用できなくさせる。この理由は、ウオルシュ関数は各データシンボル(この出願では「コードシンボル」とも呼ぶ)をチップのシーケンスに変換し、このチップのシーケンスは、一般にチップレベルの加算器により処理されPNコードにより拡散された後、通信チャネルを介して受信器に伝送される。従って、図1の受信器FIRのような受信器FIRにおいて最終的に受信されるものは、コードシンボルに相反してチップのシーケンスである。従って、図1に関連して述べたような公知の適応等化方式は、例えば、エラー信号e(n)は、送信器においてシンボルをチップに変換することに考慮する方法により決定されなければならないので、直接適用することはできない。従って、送信すべきコードシンボルが「ウオルシュカバー」され、元のコードシンボルに相反して「ウオルシュカバー」されたチップのシーケンスが伝送されるとき使用することのできる適応等化のための技術の必要がある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
この発明はウオルシュカバーされた変調のための適応線形等化のための方法および装置に向けられている。この発明の適応等化方式は、送信されるコードシンボルがウオルシュカバーされ、元のコードシンボルの相反してウオルシュカバーされたチップのシーケンスが伝送されるとき有利に使用することができる。
【0023】
この発明の1つの観点において、受信フィルタは通信チャネルからの信号を受信する。この受信した信号は、通信チャネルを介して送信フィルタにより受信フィルタに伝送される元のウオルシュカバーされたチップシーケンスに相当する。受信された信号はイコライザにより処理され、元のウオルシュカバーされたチップシーケンスに対応するチップシーケンスのソフト推定を発生する。次に、Nチップウオルシュデカバーを利用してチップシーケンスのソフト推定に対応するコードシンボルのソフト推定を発生する。次に、多数のシンボルスライサを並列に使用してNチップウオルシュデカバーにより発生されたコードシンボルのソフト推定に対応するコードシンボルのハード推定を生成する。
【0024】
その後、方式の一部としてNチップウオルシュカバーを使用して、シンボルスライサにより発生されたコードシンボルのハード推定に対応するチップシーケンスのハード推定を発生する。Nチップウオルシュカバーの助けにより発生されたチップシーケンスのハード推定およびイコライザにより発生されたチップシーケンスのソフト推定が使用され、イコライザの応答を受信した信号に適合させるための追跡モードエラー信号を発生する。
【0025】
【発明の実施の形態】
ここに開示する実施形態はウオルシュカバーされた変調のための適応線形等化のための方法および装置に向けられている。以下の記載は、この発明の実現に関係する特定の情報を含む。当業者は、この出願で具体的に述べた態様と異なる態様でこの発明を実現できることを認識するであろう。さらに、この発明の特定の詳細は、この発明をあいまいにしないようにするために述べられない。この出願で記載していない特定の詳細は当業者の知識内にある。
【0026】
この出願における図面およびそれに伴う詳細な説明は単にこの発明の例示実施形態に向けられている。簡潔さを維持するために、この発明の原理を使用するこの発明の他の実施形態は特にこの出願には記載されず、この図面により特に示されない。
【0027】
図2はどのようにしてスペクトル拡散チップシーケンスc(n)228が入力データビット202から発生されるかを示す。この出願において、入力データビットはまた「メッセージデータビット」または「オリジナルビット」とも呼ばれる。図2に示す例示システム200は伝送が順方向リンクに生じるかまたは逆方向リンクに生じるかに応じて、一般に基地局、ゲートウエイ、衛星レピーターまたは加入者装置に存在することができる送信器の一部を構成する。図2に示す例において、入力データビット202は通信チャネルを介して受信器に伝送される関心のある情報またはメッセージを含む(通信チャネルは図のいずれにも示されていない)。
【0028】
メッセージデータビット202は最初にエンコーダー204に入力される。エンコーダー204は、技術的に知られているたたみこみ符号化技術を用いてメッセージデータビット202に冗長度を導入するために利用されるFEC(順方向エラー訂正)エンコーダーであり得る。エンコーダー204により導入される冗長度は、受信器が、送信電力の増大の必要性なしに多少の検出エラーを訂正可能にする。エンコーダー204の出力は一般に「コードシンボル」と呼ばれる。一般に、エンコーダー204に入力される単一メッセージデータビットはエンコーダー204から出力されるいくつかのコードシンボルに対応する。
【0029】
別の方法において、エンコーダー204は上述した冗長度エンコード前に「ソースエンコーディング」機能を実行する。ソースエンコーディングは、冗長度を導入する前およびコードシンボルの発生前に入力データビット202の能率的な表示のためにデータ圧縮を行なうことを含む。
【0030】
変調インターリーバー206はエンコーダー204からコードシンボルを受信し、変調器208による処理前にコードシンボルを「インターリーブ(交錯)」する。交錯法は、受信器において関連づけるのではなく、潜在的な雑音バーストまたは「ディープフェード(deep fade)」をランダムに(すなわち独立して)出現させるために図2のシステム200のような伝送システムにおいて利用される。交錯法はまた、雑音バーストまたはディープフェードがある場合に、ソースデータのブロックの重要なビットが同時に改悪されないことを保証するためにも利用される。エラー訂正符号は、時間順序またはソースデータビットをスクランブルすることにより、ランダムに生じるチャネルエラーに対して保護するように設計されるので、インターリーバーは、誤り制御符号化が、誤りの検出および取消において以前として有効であることを保証する。図2に示す例示システムにおいて、インターリーバー206はブロックインターリーバーまたはたたみこみインターリーバーであり、これらはともに技術的に知られている。
【0031】
インターリーブされたコードシンボルは変調器208にわたされる。無線デジタル通信において、多数の異なるが関連する変調方式を変調器208に使用することができる。例えば、バイナリ位相シフトキーイング(BPSK)、差動位相偏移変調(DPSK)、直交位相シフトキーイング(QPSK)(OQPSKおよびπ/4QPSKを含む)、および直交振幅変調は、変調インターリーバー206により発生されるコードシンボルを変調するために変調器208において使用することのできるデジタル変調技術である。しかしながら、変調器208はいずれかの特定の種類の変調器に限定されず、無線通信において使用される多くのデジタル変調器のいずれかであり得る。
【0032】
図2に示すように、変調器208は変調された信号をチャネルインターリーバー210にわたす。伝送チャネルの必須の特徴は、伝送された信号が、電子装置により発生される雑音バーストのようないろいろな可能な機構により改悪されることである。実際に、変調器208による変調の期間、多少の雑音バーストが変調器自身により導入される。雑音バーストをランダムに出現させるようにするために、チャネルインターリーバー210が利用される。チャネルインターリーバー208はチャネルを介して伝送される信号の時間順序を変更する。チャネルインターリーバー210はブロックインターリーバーまたはたたみこみインターリーバーであり得る。
【0033】
例示システム200において、インターリーバー210からのチャネルインタリーブされたシンボルはシンボルパンクチャーエレメント212にわたされる。シンボルパンクチャリングはメッセージシンボルのいくつかが削除され所望の制御シンボルと交換されるプロセスである。従って、パンクチャリングは、一般的に、送信器と受信器との間の通信を適切に操作するためにソースデータに電力制御情報のような制御情報を挿入するために使用される。シンボルパンクチャリングは受信器で受信したメッセージまたはソースデータにエラーを導入する可能性を有するが、最近の技術はそのようなエラーを最小にまたは消去する。例示システム200において、シンボルパンクチャーエレメント212は、電力制御シンボルおよび、時間、位相および信号強度の基準を提供するシンボルのような種々の制御シンボルをメッセージシンボルストリームに挿入するために使用される。メッセージシンボルにパンクチュアドされる制御シンボルはメッセージシンボルに時分割多重化される。
【0034】
図2に示すように、シンボルパンクチャーエレメント212により出力されたシンボルストリームはDEMUX214に入力される。DEMUX214は入力シンボルストリームを多数の並列出力シンボルストリームに逆多重化するために使用される。図2に示す例示システム200において、DEMUX214は1対16デマルチプレクサである。言い換えれば、16の並列シンボルストリームが同時に出力される。16の並列出力を必要とする理由は、16のオーダーのウオルシュ関数マトリクスが例示システム200のNチップウオルシュカバー218に使用されるためである。他の実施形態において、オーダー64またはオーダー128のウオルシュ関数マトリクスを使用することができ、その場合DEMUX214はそれぞれ1対64デマルチプレクサまたは1対128デマルチプレクサであろう。例示システム200において、DEMUX214の16並列出力は単一ユーザーまたは16までの異なるユーザーに対応することができることに留意する必要がある。DEMUX214に入力されたデータシンボルが単一のユーザーに対応するとき、入力データシンボルは最初にバッファリングされ、次に16並列シンボルストリームとしてNチップウオルシュカバー218に出力される。
【0035】
Nチップウオルシュカバー218はDEMUX214から来る並列入力シンボルの各々についてウオルシュカバリング(またはウオルシュ変調)を行なう。上述したように、N=16のこの例においては、ウオルシュ関数マトリクスはオーダー16のマトリクスである。しかしながら、Nの値は設計上の選択であり、Nは64または128の値を取り得る。図2に示すように、DEMUX214は16並列シンボルストリームをNチップウオルシュカバー218に出力する。上述したように、ウオルシュ関数は、各入力シンボルを出力チップの各シーケンスに変換するために使用される直交関数であり、その場合、出力チップの各シーケンスは出力チップの1つおきのシーケンスに直交する。一般的に、この変換は各入力されたシンボルを特定のウオルシュ関数のチップのシーケンスと乗算することにより行なわれる。それゆえ、各シンボルに対し、チップのシーケンスはNチップウオルシュカバー218により出力される。チップのシーケンスはNのレングスを有し、この例では16である。従って、例示システムにおいて、各入力されたシンボルに対し、16チップがNチップウオルシュカバー218により出力される。この出願において、「オリジナルウオルシュカバーされたチップシーケンス」は例示システム200のNチップウオルシュカバー218により出力されるチップシーケンスに言及する。
【0036】
CDMA通信において、ウオルシュ関数はユーザー(すなわち加入者装置)を分離するために、順方向リンクで使用される。一例として、所定のセクタに対し(CDMAにおいて、各セクタはセルの部分集合である)、各順方向チャネルには別個のウオルシュ関数が割当てられる。言い換えれば、基地局と各加入者装置との間の通信は別個のウオルシュコードシーケンスにより符号化される。図2を参照すると、Nチップウオルシュカバー218に入力される各シンボルは特定の加入者装置(例えば特定の携帯電話ユーザー)に割当てられたウオルシュコードシーケンスのすべてのチップと乗算される。各シンボルをチップのシーケンスに変換するためのウオルシュ関数の演算はウオルシュ「カバリング」とも呼ばれる。
【0037】
Nチップウオルシュカバーされたチップ、すなわち各シンボルに対応する出力されたNチップのシーケンスは並列に「TDMデータパイロット制御」222にわたされる。例示システム200において、「TDMデータパイロット制御」222は、以下に図3に関連して説明する適応線形イコライザの係数を「トレーニング」するためのパイロットチップを挿入するために使用される。パイロットチップはNチップウオルシュカバー218により出力されるチップシーケンスに時分割多重される。以下に示すように、これらのパイロットチップは受信器に知られているそして、そのようなものとして受信器の適応線形イコライザの係数をトレーニングするために受信器により使用することができる。一般に、パイロットチップは各データフレームに挿入され受信器に伝送される各フレームの約5%を構成する。
【0038】
「TDMデータパイロット制御」222により処理される16並列パラレルチップシーケンスの各々はチップレベル加算器224に出力される。チップレベル加算器224は「TDMデータパイロット制御」222により出力されるチップシーケンスの各々の「垂直加算」を供給するために利用される。チップレベル加算器224の「垂直加算」動作を説明するために(例示システム200の場合であるNが16に等しい代わりに)NチップウオルシュカバーのNが4である簡単例が使用される。この簡単な例において、4つ(一般に複素数)のシンボル[a、b、c、d]はオーダ4のウオルシュ関数マトリクスにより「カバー」される4つのコードシンボルである。オーダ4のウオルシュ関数マトリクスは
【数17】
である。
【0039】
各ウオルシュ関数(ウオルシュ関数マトリクスの各行)と入力コードシンボルの各々を乗算することにより得られる4つの出力シーケンスは:
チップシーケンス(1)=[a,a,a,]
チップシーケンス(2)=[b,−b,b,−b]
チップシーケンス(3)=[c,c,−c,−c]
チップシーケンス(4)=[d,−d,−d,d]
これらの4つのチップシーケンスの「垂直加算」は対応する列のチップを加算することにより得られる。従って結果とし得られる垂直加算は:
[a+b+c+d、a−b+c−d、a+b−c−d、a−b−c+d]
図2に示すように、チップレベル加算器224の出力はPN(「擬似ランダム雑音」)スプレッダ226に供給される。背景として、PNシーケンスは決定論的なバイナリシーケンスであるが、ランダムバイナリシーケンスに似ている。そのようなものとして、PNシーケンスはほぼ等しい数の0と1、シフトされたバージョンのシーケンス間の非常に低い相関、および2つのシーケンス間の非常に低い相互相関を有する。無線デジタル通信において、これらの性質はPNシーケンスを非常に望ましいものにする。PNスプレッダの出力チップシーケンスもスペクトル拡散信号と呼ばれる。なぜならば最小必要な信号帯域幅よりも数倍大きな帯域幅を有しているからである。スペクトル拡散信号はPNシーケンスの局部的に発生されたバージョンを有した相互相関により受信器において復調される。正しいPNシーケンスを有した相互相関はスペクトル拡散信号を「逆拡散」し、変調されたメッセージを回復するのに対して、意図されたものでないユーザにより信号を相互相関することは受信器の出力に非常に小さな量の広帯域の雑音を生じる。
【0040】
PN拡散技術を使用する重要な理由はその固有の干渉拒絶能力である。各ユーザには、他のユーザのコードにほぼ直交する固有のPNコードが割当てられているので、例えユーザがいつでも同じ周波数スペクトルを占有しているとしても、受信器は各コードに基づいて各ユーザを分離することができる。すべてのユーザは同じスペクトルを共有することができるので、すべてのセルは同じ周波数チャネルを使用することができるので、スペクトル拡散は周波数計画を消去することができる。
【0041】
PNシーケンスは通常シーケンシャルロジックを用いて発生される。状態メモリエレメントの逐次段階から構成されるフィードバックシフトレジスタが一般に利用される。バイナリシーケンスはクロックパルスに応答してシフトレジスタを介してシフトされ、種々の段階の出力は論理的に結合され第一段の入力としてフィードバックされる。最終段の出力は所望のPNシーケンスである。
【0042】
PNスプレッダ226は技術的に知られた方法でチップレベル加算器224により出力されるチップにPNシーケンスを印加させる。一例として、PNスプレッダ226による変調は、PNスプレッダ226により発生されるPNシーケンスの各チップを用いてチップレベル加算器224により出力される各チップのモジュロ−2加算(すなわちXOR)により実行することができる。その後、モジュロ−加算の結果は例えばバイナリPSK信号にマッピングされる。チップレベル加算器224の出力に関して実行されるPN拡散の結果はチップシーケンスc(n)228である。CDMA通信システムの一般的原理、特に通信チャネルを介して伝送するためのスペクトル拡散信号発生のための一般的原理はこの発明の譲受人に譲渡された米国特許第4,901,307(発明の名称:「衛星または地上レピータを用いたスペクトル拡散多重アクセス通信システム」)に記載されている。その特許、すなわち米国特許4,901、307の開示は参照することによりこの出願に全面的に組み込まれる。さらに、この発明はデータの時分割多重化および「高データレート」通信システムに関連する種々の原理を利用する。そしてこの発明は、この発明の譲受人に譲渡された、1997年11月3日に出願された米国特許出願シリアル番号08/963,386(発明の名称:「高レートパケットデータ伝送のための方法および装置」)に開示された「高データレート」通信システムに使用することができる。この特許出願の開示もまた参照することにより、この出願に全面的に組み込まれる。
【0043】
出力チップシーケンスc(n)228は「伝送FIR]230に渡される。伝送FIR230は一般に通信チャネルを介して伝送前にパルス整形信号のために使用されるFIRフィルタである。伝送FIR230はまたこの出願では「伝送フィルタ」とも呼ばれる。上述したように、伝送フィルタ自体は一般にある量のISIを伝送された信号に導入する。パルス整形は、伝送された信号のISIを低減するために使用可能な技術的に知られた技術である。伝送FIR230の出力は通信チャネルを介して図3に示す受信器に送られる。通信チャネルは通常送信器から受信器に信号を送るために使用される物理媒体に言及する。この出願の通信チャネルは、空き領域、ワイヤーライン、光ファイバーケーブルまたはマイクロ波無線チャネルから構成することができる。無線通信において、マルチパスのような要因により、チャネル自体がある量のISIを伝送された信号に導入する。
【0044】
図3は受信器に存在する、一実施形態に従った例示システム300を示す。受信FIR302は、通信チャネル(通信チャネルは図のどこにも示されていない)を介して伝送FIR230により伝送される出力チップシーケンスc(n)228を受信する。受信FIR302は通信チャネルから受信した信号にパルス整形を行う為に利用される。受信FIR302はこの出願において「受信フィルタ」とも呼ばれる。上述したように、通信チャネルおよび受信フィルタ自体が一般にある量のISIを受信した信号に導入する。例示システムにおいて、技術的に知られる種々のパルス整形技術を受信FIR302に使用することができる。例えばISI相殺のためのナイキスト基準に基づいたフィルタを使用することができる。あるいは、「二乗余弦ロールオフフィルタ」または「ガウス形パルス整形フィルタ」を使用することができる。一実施形態において、通信チャネルを介して受信された出力チップシーケンスc(n)228に対応するパルス整形された信号は受信FIR302から「適応チップレート線形イコライザ」306(または「適応チップレートLE」306)に渡される。適応チップレートLE306において受信されたチップシーケンスは通常、送信FIR230、通信チャネル、および受信FIR302のような種々の要因の影響を介してISIにより影響された。適応チップレートLE306への入力信号はx(n)として印がされ、一般に数字307により参照される。この出願において、入力x(n)307はまた「受信されたウオルシュカバーされたチップシーケンス」または単にイコライザに供給される「信号」と呼ばれる。
【0045】
適応チップレートLE306の実現のための例示ブロック図は適応チップレートLE406として図4に示される。図4に示すように、適応チップレートLE406への入力は図3のx(n)307に対応するx(n)407である。適応チップレートLE406の出力は図3の_(n)309に対応する_(n)409である。適応チップレートLE406への他の入力は図3の「トラッキングモードエラー信号」315および「トレーニングモードエラー信号」317に対応する「トラッキングモードエラー信号」415および「トレーニングモードエラー信号」417である。図4に示す例示適応チップレートLE406はFIRフィルタの一種であるトランスバーサルフィルタである。入力x(n)はTc遅延402とマークされた単位遅延素子およびタップ重みu0(n)を有する乗算器404にも接続される。図4の適応チップレートLE406の例示実施形態において、「Tc]は1チップ間隔を意味し、各Tc単位遅延素子は1チップ間隔に等しい遅延を導入することに注意する必要がある。しかしながら、各々が1チップ間隔の一部分に等しい遅延を有する遅延素子で適応チップレートLE406の間隔をあけることが望ましいかもしれない。その場合、適応チップレートLE406は「部分的に間隔のあけられた」イコライザの種類であろう。
【0046】
単位遅延素子Tc遅延402の出力はx(n−1)の印がつけられ、単位遅延素子Tc遅延412およびタップ重みu1(n)を有する乗算器408に接続される。単位遅延素子Tc遅延412の出力はx(n−2)の印がつけられ、図4に示してない次の単位遅延素子およびタップ重みu2(n)を有する乗算器414に接続される。単位遅延素子Tc遅延422およびum−2(n)のタップ重みを有する乗算器は図4に示されていない以前の単位遅延素子から、x(n−m+2)と印のされた各入力を受信する。単位遅延素子Tc遅延422の出力はx(n−m+1)と印がされタップ重みum−1(n)を有する乗算器424に接続される。
【0047】
乗算器404、408、414、418および424の各出力は乗算器410、416、420、および426により加算されイコライザ406の最終出力_(n)409を生じる。イコライザの動作のトレーニングモードおよびトラッキングモードの期間、適応線形イコライザの動作およびタップ重みu0(n)、u1(n)乃至um−1(n)の動的調節はこの出願の後のセクションで述べる。
【0048】
図4の線形適応イコライザ406の出力_(n)409は図3の線形適応イコライザ306の出力_(n)309に対応する。図3に見られるように、出力_(n)309は「PNデスプレッダ」308、「トレーニングモードエラー信号発生器」ブロック304および「Nチップ遅延」310に接続される。PNデスプレッダ308は送信器のシステム200のPNスプレッダ226により発生されたものと同一の擬似ランダムパターンを発生するために使用される。PNスプレッダ226およびPNデスプレッダ308により発生されるPNシーケンスが適切に同期されると、送信器においてシステム200により印加されるPN拡散の効果は受信器のシステム300において除去される。最初は、メッセージ信号の伝送以前に、同期は、受信器が干渉の存在にもかかわらず認識する固定の擬似ランダムビットパターンを伝送することにより得ることができる。PNスプレッダ226とPNデスプレッダ308の同期が得られた後、メッセージ信号の伝送を始めることができる。一例として、PNデスプレッダ308は、技術的に知られた方法で相互相関器、サンプラー、チップレートクロック及びPN発生器を用いて実現することができる。
【0049】
PNデスプレッダ308により出力されるチップシーケンスは「DEMUXデータエポック」312に入力される。図3の例示システム300において、DEMUXデータエポック312は受信器内のシステム300の「意思決定が方向づけられた」動作期間利用される1対16デマルチプレクサである。意思決定が方向づけられた期間は適応チップレートLE306がトラッキングモード動作にある時間期間である。例示システム300において、PNデスプレッダ308により出力されるチップシーケンスはDEMUX312にバッファリングされ16の並列ラインを介して「Nチップウオルシュデカバー」314に逆多重化される。他の実施形態において、1対64デマルチプレクサまたは1対128デマルチプレクサをこの発明の範囲を逸脱することなく使用することができることは明白である。
【0050】
DEMUXデータエポック312の16並列出力は「Nチップウオルシュデカバー」314に供給される。Nチップウオルシュデカバー314は送信器のシステム200のNチップウオルシュカバー218において使用されたのと同じウオルシュコードシーケンス(すなわち同じウオルシュ関数)を使用する。Nチップウオルシュデカバー314の16並列出力がコードシンボルの形式であるように、システム300のNチップウオルシュデカバー314は受信したチップシーケンスからNチップウオルシュカバー218の効果およびチップレベル加算器224の効果を除去する。
【0051】
しかしながら、Nチップウオルシュデカバー314の出力におけるコードシンボルは、単にシステム200により伝送される実際のメッセージ信号に対応するコードシンボルの「ソフト推定」である。言い換えれば、Nチップウオルシュデカバー314の出力における16の並列コードシンボルの各々をシンボル配列のエレメントに量子化するための意思決定がなされなかった。以下に述べるように、Nチップウオルシュデカバー314の16並列出力における各コードシンボルの各々対してシンボル配列のあるエレメントを支持する決定は「並列シンボルスライサ」318のような装置により行なうことができる。
【0052】
並列シンボルスライサ318はシンボル配列のあるエレメントを支持して決定が行なわれる量子化動作を行う為に使用される。背景として、適応線形イコライザの係数(すなわちタップ重み)に適応するために、イコライザの「所望」の出力の知識が必要となる。「所望」の出力とイコライザの実際の出力との間の比較を用いて、イコライザのタップ重みを調節するためにエラー信号を形成する。適応線形イコライザの動作のトレーニングモードの期間、システム200により伝送されたパイロットチップシーケンスの複製が記憶され、発生することができ、またはそうでなければ、受信器のシステム300で知られる。パイロットチップの複製は適応チップレートLEの所望の出力を定義する。そのようなものとして、適応チップレートLEの動作のトレーニングモードの期間、パイロットチップシーケンス(すなわち公知の所望の出力)の複製と適応チップレートLE306の実際の出力の比較により所望のエラー信号を発生することができる。
【0053】
一方、適応チップレートLE306の動作の「意思決定が方向づけられたモード」において、Nチップウオルシュデカバー314の16並列出力におけるコードシンボルの各々の「ハード推定」が作られねばならない。意志決定エラーの平均確率が小さいなら(例えば、10%未満)、並列シンボルスライサ318により成されたハード推定は、大体の場合正確である推定エラー信号に到達するのに十分である。言い換えれば、シンボルスライサ318によりなされる所望の出力のハード推定に基づいて発生されたエラー信号は通常適応チップレートLE306のタップ重みを改良するのに十分である。イコライザ306のタップ重みの改良は次にシンボルエラーの低い平均確率を生じ、それゆえイコライザ306のさらなる適応のためにエラー信号のより正確な推定を生じる。
【0054】
コードシンボルのハード推定は、16並列出力のグループにおいて、並列シンボルスライサ318から「Nチップウオルシュカバー」320にわたされる。Nチップウオルシュカバー320は並列シンボルスライサ318により出力されるハード推定並列コードシンボルの各々にウオルシュカバリング(またはウオルシュ変調)を行なう。上述したように、この例ではN=16、すなわちウオルシュ関数マトリクスはオーダー16のマトリクスである。しかしながら、受信器内のNチップウオルシュカバー320に使用されるウオルシュ関数マトリクスは送信器のNチップウオルシュカバー218に使用されるウオルシュ関数マトリクスと同じオーダーでなければならないという制限を有しているので、Nの値は設計上の選択でありNは例えば64または128であり得る。
【0055】
Nチップウオルシュカバー320はその出力に16並列チップシーケンスを発生し、それらを「チップレベル加算器」322に供給する。上述したように、Nチップウオルシュカバー320の16並列出力の各々で発生された各チップシーケンスは単一シンボルコードに対応する16チップを含む。Nチップウオルシュカバー320により出力される16並列チップシーケンス(各シーケンスは16チップを有する)は「チップレベル加算器」322に供給される。チップレベル加算器322はチップレベル加算器224に関連して上述した方法でNチップウオルシュカバー320により出力されるチップシーケンスの垂直加算を供給するために利用される。
【0056】
チップレベル加算器322の出力は「PNスプレッダ」324に接続される。PNスプレッダ322に関連して上述したように、PNスプレッダ324は技術的に知られた方法でチップレベル加算器322により出力されたチップにPNシーケンスを認識させる。チップレベル加算器322の出力に行なわれたPN拡散の結果は出力チップシーケンス_[n−N]325である。以下に詳細に説明するように、Nチップウオルシュカバー320、チップレベル加算器322およびPNスプレッダ324の結合された効果は、並列シンボルスライサ318により出力されるコードシンボルのハード推定に対応するチップのシーケンスを発生することである。
【0057】
出力チップシーケンス_[n−N]325は「トラッキングモードエラー信号発生器」ブロック326に供給される。「トラッキングモードエラー信号発生器」ブロック326へのもう一方の入力は「Nチップ遅延」310の出力である_[n−N]311である。_[n−N]311は適応チップレートLE306の出力チップシーケンス_(n)309をNチップ遅延310を介してNチップだけ遅延させることにより得られる。この出願の後のセクションでより詳細に述べるように、トラッキングモードエラー信号315はNチップ遅延310の出力_[nーN]311をPNスプレッダ324により発生された出力チップシーケンス_[n−N]325と比較することにより発生される。トラッキングモードエラー信号315は適応チップレートLE306と接続され、トラッキングモードの期間、すなわち、適応チップレートLE306の動作の意思決定が方向づけられたモードの期間、タップ重みを調節する。トラッキングモードエラー信号315は図4のトラッキングモードエラー信号415として示される。図4に示すように、トラッキングモードエラー信号415を用いて、適応チップレートLE(または適応チップレートLE306)において乗算器404、408、乃至424のための係数である(またはタップ重み)であるu0(n)、u1(n)乃至um−1(n)という値を調節する。
【0058】
図3に示すように、「トレーニングモードエラー信号発生器」ブロック304はトレーニングモードエラー信号317を適応チップレートLE306に供給する。この出願の後のセクションにおいて詳細に記載するように、トレーニングモードエラー信号317は、適応チップレートLE306の出力チップシーケンス_(n)309を、図3の概念ブロック336により供給される「受信器において知られるパイロットチップシーケンス」と比較することにより発生される。トレーニングモードエラー信号317は適応チップレートLE306に接続され、適応チップレートLE306の動作のトレーニングモードの期間そのタップ重みを調節する。トレーニングモードエラー信号317は図4のトレーニングモードエラー信号417として示される。図4に示すように、トレーニングモードエラー信号417は、適応チップレートLE406(または適応チップレートLE306)の乗算器404、408乃至424のための係数(またはタップ重み)であるu0(n)、u1(n)ないしum−1(n)という値を調節する。
【0059】
例示システム300の動作は各伝送されたデータフレームの始めで適応チップレートLE306の係数(すなわちタップ重み)をトレーニングすることから開始する。適応チップレートLE306の係数は、送信FIR230、通信チャネル、および受信FIR302により生じたISIを低減または消去するために調節されなければならないことを思い起こす必要がある。送信FIR230、通信チャネルおよび受信FIR302により導入されるISIの量の初期評価が成されると、適応チップレートLE306の係数の初期値がイコライザの「トレーニング」期間に決定される。
【0060】
トレーニングモードの期間、送信FIR230、通信チャネル、受信FIR302により生じたISIの量の初期評価は適応チップレートLE306の所望の出力のシステム300の以前の知識により成される。例示システム200において、「適応チップレートLE]306の係数を「トレーニング」するためのパイロットチップを挿入するために「TDMデータパイロット制御」222が使用されたことを思い起こす。上述したように、一般にパイロットチップは各データフレームに挿入され、受信器に伝送される各フレームのほぼ5%から構成される。これらのパイロットチップは受信器の例示システム300に知られ、受信器の適応線形イコライザ306の係数をトレーニングするために使用される。図3の概念ブロック、すなわち「受信器において知られるパイロットチップシーケンス」ブロック336はパイロットチップの複製を記憶するかまたは発生する。動作のトレーニングモードの期間、適応チップレートLE306の実際の出力チップシーケンス_(n)309は、受信器において知られるパイロットチップの複製と比較される。パイロットチップの複製は適応チップレートLE306の所望の出力である。図3に示すように、適応チップレートLE306(すなわち実際の出力)並びに「受信器において知られるパイロットチップシーケンス」ブロック336(すなわち所望の出力)からのパイロットチップは両方「トレーニングモードエラー信号発生器」ブロック304に供給される。「トレーニングモードエラー信号発生器」ブロック304は2つのチップシーケンス(すなわち実際の出力および所望の出力)を使用し、技術的に知られているアルゴリズムを適用し、トレーニングエラー信号317を発生し、適応値チップレートLE306のタップ重みを調節する。
【0061】
トレーニングエラー信号317は技術的に知られる種々のアルゴリズムを用いて発生可能である。例えば、「最小二乗」(LMS)アルゴリズムを用いることができる。LMSアルゴリズムの1つの目標は、所望の出力を適応チップレートLE306の実際の出力と比較することにより得られる「平均二乗誤差」を最小にすることである。平均二乗誤差に基づく適応チップレートLE306のタップ重みへの多数の迅速な反復と調節をすると、LMSアルゴリズムは「収束」する、すなわち平均二乗誤差は一定の値に近づき、実際の平均エラーはゼロに近づく。
【0062】
上述したように、LMSアルゴリズムに従って、図4の適応チップレートLE406に詳細に示すように、適応チップレートLE306のタップ重みの値は以下のごとく計算される。
【0063】
【数18】
ただし、uk(n)はチップ間隔nの図4の適応チップレートLE406のタップ重みであり、c(n)は図2のc(n)228と同じであり、_(n)は図3の_(n)309(または図4の_(n)409)と同じである。動作のトレーニングモードの期間、e(n)はチップ間隔nのトレーニングモードエラー信号であり、e(n)は図3のトレーニングモードエラー信号(または図4のトレーニングモードエラー信号417)と同じである。
【0064】
従って、各現在のタップ重みu0(n)、u1(n)乃至um−1(n)は、各現在のタップ重みを、定数_、対応する入力値x0(n)、x1(n)乃至xm−1(n)、およびエラー信号e(n)の現在の値の積に加算することにより、対応する新しいタップ重みu0(n+1)、u1(n+1)乃至um−1(n+1)に調節される。定数_は連続する反復上のタップ重み間の変化を制御するように決定される。式(2)の反復プロセスは、適応イコライザ306が収束しようと試みe(n)の平均二乗値を最小にする間、プログラミングループのチップ間隔Tc毎に1回繰返される。収束に到達すると、適応アルゴリズムは、エラー信号e(n)が受け入れ可能なレベルを超えるまで、または新しいトレーニングパイロットチップシーケンスが送信器から送られるまでタップ重みを凍結する。
【0065】
この実施形態において、エラー信号e(n)は最小2乗(LMS)アルゴリズムに利用され、技術的に知られた方法で平均平方エラー(MSE)を最小にする。平均平方エラーの推定は各チップ間隔においてe(n)の値の二乗の和の時間平均により形成することができる。平均平方エラーが最小化されると、タップ重みu0(n)、u1(n)乃至um−1(n)は、送信FIR230、通信チャネル、および受信FIR302により生じたISIの効果を低減する値に到達した。
【0066】
他の実施形態において、LMSアルゴリズムの代わりに、ISIの効果を低減するために、適応チップレートLE306のタップ重みに適応するように他の適応アルゴリズムを使用することができる。LMSアルゴリズム以外の適応アルゴリズムの例として「リカーシブ(recursive)最小二乗」(RLS)アルゴリズムを使用することができる。一般に、適切な適応アルゴリズムを選択する際に、アルゴリズムの収束のレート(すなわち、アルゴリズムにより要求される反復数)、調整ミス因子(すなわち、最小平均2乗誤差から平均2乗誤差の最終値が外れる量)、および計算の複雑性(アルゴリズムの1つの完全な反復を行なうのに必要な動作数)のような要素が考えられる。一例として、RLSアルゴリズムがLMSアルゴリズムよりさらに迅速に収束するけれども、RLSアルゴリズムはLMSアルゴリズムに比べてより高い計算の複雑性を有する。上述したように、現在開示している実施形態において、LMSアルゴリズムまたはRLSアルゴリズムのような技術的に知られたいかなる数の適応アルゴリズムも使用することができる。
【0067】
送信器が何を送信しているかを受信器が知っているとき、通信チャネルは効率的に使用されないので、適応チップレートLE306の係数のトレーニングを行なうために必要なパイロットチップはさらなる「オーバーヘッド」を生じることに留意する必要がある。従って、できるだけ、少ないトレーニングパイロットチップを使用することが望ましい。しかしながら、送信FIR230、通信チャネル、および受信FIR302の組合せが大量のISIを生成するなら、トレーニングモードを超えて適応チップレートLE306の係数を適応し続ける必要がある。この継続された適応は動作のトラッキングモードの期間行なわれる。一実施形態において、トレーニングモードが終了したとき、所望の出力と適応チップレートLE306の実際の出力とを比較することにより得られた平均2乗誤差の時間平均があるしきい値を超えた場合に限り、トラッキングモードが始まる。他の実施形態において、トラッキングモードは自動的にかつトレーニング期間に迅速に続いて始まる。
【0068】
動作のトラッキングモードにおいて、適応チップレートLE306の係数(すなわちタップ重み)は送信器からの各データフレームの送信期間に調節される。受信器へのメッセージの送信期間に導入されたISIの量は時間の関数であり、通信チャネルのマルチパスのような種々のパラメータの変化により、変わることができることに留意する必要がある。そのようなものとして、ISIの量は一般にデータフレーム毎に変化し、また各データフレームの期間においても変化する。従って、各トレーニング期間の後適応チップレートLE306の係数に適応するために動作のトラッキングモードを入力することは重要である。
【0069】
現在開示される実施形態と、受信器の適応線形イコライザ306の係数に適応するために利用される他の装置および方法との間の重要な相違は、受信信号におけるウオルシュカバリングの存在である。受信した信号すなわち図3のx(n)307におけるウオルシュカバリングの存在は、トラッキングモードの期間に「所望の出力」と適応チップレートLE306の「実際の出力」の簡単な比較を防止する。そのようなものとして、適応チップレートLE306の係数を調節する必要なトラッキングモードエラー信号315を計算することは技術的に現在使用されている方法とは著しく異なる。
【0070】
適応チップレートLE306の動作のトラッキングモードにおいて、受信器のシステム300は、所望のチップシーケンスを適応チップレートLE306により出力される実際のチップシーケンスとの比較に基づいてトラッキングモードエラー信号315を発生しなければならない。適応チップレートLE306により出力される実際のチップシーケンスは、単にオリジナルメッセージを表すチップシーケンスの「ソフト推定」である出力チップシーケンス_(n)309である。この出願において、「ソフト推定」すなわち出力チップシーケンス_(n)309は「第1の複数のチップ」とも呼ばれる。
【0071】
トラッキングモードエラー信号を発生するために、オリジナルメッセージを表すチップシーケンスの「ソフト推定」はオリジナルメッセージを表すチップシーケンスの対応する「ハード推定」と比較する必要がある。従って、オリジナルメッセージを表すチップシーケンスの「ハード推定」を得るために、オリジナルメッセージを表すコードシンボルの1の「ハード推定」を得なければならない。オリジナルメッセージを表すコードシンボルのハード推定から、オリジナルメッセージを表すチップシーケンスの必要なハード推定は、送信器において実行されたウオルシュカバリングを複製するような方法でウオルシュカバリングを実行することにより得ることができる。従って、出力チップシーケンス_(n)309のオリジナルメッセージを表すコードシンボルの「ソフト推定」への変換、コードシンボルの「ハード推定」を得るための閾値化またはスライシング動作、および最後にコードシンボルのハード推定を、出力チップシーケンス_(n)309との比較に適したウオルシュチップシーケンスの「ハード推定」への変換が行なわれる。
【0072】
上述したように、「意思決定が方向づけられた」期間、または受信器300の動作のトラッキングモードの期間、PNデスプレッダ308から出力されたチップシーケンスはDEMUXデータエポック312により16の並列出力に逆多重化される。Nチップウオルシュデカバー314の16並列出力がオリジナルメッセージに対応するコードシンボルのソフト推定の形式であるように、受信したチップシーケンスNチップウオルシュカバー218の効果およびチップレベル加算器224の効果を除去するために、Nチップウオルシュデカバー314はDEMUXデータエポック312により出力された16並列チップシーケンスの各々に関して操作を行なう。
【0073】
図3のシステム300に見られるように、Nチップウオルシュデカバー314は、オリジナルメッセージに対応するコードシンボルのソフト推定を含む16並列出力を、並列シンボルスライサ318に供給する。並列シンボルスライサ318はNチップウオルシュデカバー314から受信した16並列ソフト推定に閾値化操作およびスライス操作を実行する。従って並列シンボルスライサ318の16並列出力は、オリジナルメッセージに対応するコードシンボルのハード推定である。並列シンボルスライサ318の出力におけるコードシンボルのハード推定をオリジナルメッセージを表すチップシーケンスのハード推定に変換するために、並列シンボルスライサ318の16並列出力はNチップウオルシュカバー320、チップレベル加算器322およびPNスプレッダ324を介して処理される。Nチップウオルシュカバー320、チップレベル加算器322、およびPNスプレッダ324はそれぞれ送信器のシステム200のNチップウオルシュカバー218、チップレベル加算器224、およびPNスプレッダ226で実行される機能と同じ機能を実行する。従って、PNスプレッダ324の出力はオリジナルメッセージに対応するチップシーケンスのハード推定である。この出願において、オリジナルメッセージに対応するチップシーケンスの「ハード推定」も「第2の複数のチップ」と呼ばれる。
【0074】
しかしながら、Nチップウオルシュカバー314、並列シンボルスライサ318、Nチップウオルシュカバー320およびチップレベル加算器322の動作を介して、Nチップ間隔(すなわちN*TC)の遅延がPNスプレッダ324の出力におけるチップシーケンスのハード推定に導入される。このため、PNスプレッダ324の出力におけるチップシーケンスのハード推定は_(n)に対しチップシーケンス_[n−N]325である。Nはウオルシュ関数マトリクスのオーダであり、この発明の実施形態では16であることに留意されたい。しかしながら、この発明の他の実施形態において、Nは64または128に等しい。その場合、出力チップシーケンス_[n−N]325に導入される遅延は、それぞれ64チップ間隔または128チップ間隔である。
【0075】
図3に見えるように、オリジナルメッセージに対応する遅延された所望の出力チップシーケンス_[n−N]325は「トラッキングモードエラー信号発生器」ブロック326に供給される。LMSアルゴリズムのような適応アルゴリズムを適用し、適切なエラー信号を発生して適応チップレートLE306のタップ重みを適合させるために、「トラッキングモードエラー信号発生器」ブロック326は遅延された所望の出力チップシーケンス_[n−N」325を適応チップレートLE306の実際の出力チップシーケンスの遅延されたバージョンと比較しなければならない。上述したように、送信FIR230、通信チャネル、および受信FIR302による生じたISIの正確な量は時間の関数であるので、所望の出力は、同じチップ間隔に対応する実際の出力と比較されなければならない。そのようなものとして、適応チップレートLE306の実際の出力チップシーケンス_(n)309はNチップだけ遅延され、遅延された所望の出力チップシーケンス_[n−N]325と比較される前の遅延された実際の出力_[n−N]311を生じる。
【0076】
遅延された実際の出力と遅延された所望の出力の比較は「トラッキングモードエラー信号発生器」ブロック326により実行され、トラッキングモードエラー信号315が発生され、適応チップレートLE306に供給される。トラッキングモードエラー信号315は図4のトラッキングモードエラー信号415と同じである。図4に示すように、トラッキングモードエラー信号415は種々のタップ重みu0(n)、u1(n)乃至um−1(n)に供給され、イコライザの応答に適合するように各値を調節する。
【0077】
トラッキングモードエラー信号315は技術的に知られた種々のアルゴリズムを用いて発生することができる。例えば「最小二乗法」(LMS)アルゴリズムを使用することができる。上述したように、LMSアルゴリズムの1つの目的は、遅延された所望の出力チップシーケンス_[n−N]325と、適応チップレートLE306の遅延された実際の出力チップシーケンス_[n−N」311との比較から生じる「平均2乗誤差」を最小にすることである。平均2乗誤差に基づく適応チップレートLE306のタップ重みに対する多数の迅速な反復と調節の結果、LMSアルゴリズムは「収束」し、すなわち平均2乗誤差は一定の値に近づく。
【0078】
上述したように、LMSアルゴリズムに従って、図4に適応チップレートLE406として詳細に示すように適応チップレートLE306のタップ重みの値は以下のように計算される。
【0079】
【数19】
但し、uk(n)はチップ間隔nにおける図4の適応チップレートLE406のタップ重みであり、_[n−N]は_[n−N]325であり、図3のシステム300において_[n−N]は_[n−N]311である。上述したように、定数_は連続する反復上のタップ重み間の変化を制御するように選択される。より高速な変換とより低速な平均2乗誤差を得るために_の変化する値を使用することが望ましいかもしれない。動作のトラッキングモードの期間、e(n)はチップ間隔nにおけるトラッキングモードエラー信号であり、e(n)は図3のトラッキングモードエラー信号315(または図4のトラッキングモードエラー信号415)と同じであることに留意する必要がある。
【0080】
従って、各現在のタップ重みu0(n)、u1(n)乃至um−1(n)は、各現在のタップ重みを、定数_、対応する入力値x0(n)、x1(n)乃至xm−1(n)、およびエラー信号e(n)の現在値の積に加算することにより、対応する新しいタップ重みu0(n+1)、u1(n+1)ないしum−1(n+1)に調節される。式(2)の反復プロセスは、適応イコライザ306が収束し、エラー信号e(n)を最小にしようと試みる間、プログラミングループのチップ間隔Tc毎に1回繰り返される。収束に到達すると、適応アルゴリズムは、エラー信号e(n)が受け入れ可能なレベルを超えるまで、または新しいトレーニングパイロットチップシーケンスが送信器から送信されるまでタップ重みを凍結する。動作のトレーニングモードのように、LMSアルゴリズムの代わりに、動作のトラッキングモードの期間ISIの効果を低減するために、適応チップレートLE306のタップ重みに適合させるために他の適応アルゴリズムを使用することができる。LMSアルゴリズム以外の適応アルゴリズムの例として、RLSアルゴリズムを動作のトラッキングモードに使用することができる。
【0081】
図3の例示システム300に見られるように、Nチップウオルシュデカバー314の16並列出力は16対1マルチプレクサであるMUX316に供給される。MUX316はNチップウオルシュデカバー314により並列に供給される16コードシンボルの1つをチャネルデインターリーバー328に多重化し、次に、チャネルデインターリーバー328の出力は復調器330に供給される。復調器330の出力は変調デインターリーバー332により処理される。最後にデコーダ334は変調デインターリーバー332からその入力を受信し、復号されたデータビット342をその出力に供給する。チャネルデインターリーバー328、復調器330、変調デインターリーバー332およびデコータ334は技術的に良く知られている。これらのモジュール、すなわち、システム300のチャネルデインターリーバー328、復調器330、変調デインターリーバー332、およびデコーダ334の結合された効果はシステム200のエンコーダー204、変調インターリーバー206、変調器208、およびチャネルインターリーバー210の結合された効果を逆にすることである。システム300の最終出力、すなわち復号されたデータビット342は理想的には、図2のシステム200の入力におけるデータビット202と同じである。
【0082】
その範囲から逸脱することなくこの発明の概念を実現するために種々の技術を使用することができる。さらに、この発明は、ある実施形態を特別に参照して記載したが、当業者は、この発明の範囲および精神から逸脱することなく、形式および詳細において変更が可能であることを認識するであろう。例えば、チップ間隔毎に適応チップレートLE306の係数を適合させる代わりに、係数はNチップ間隔毎に1回適合させることができる。例示システム300において、このことは、式(2)のトラッキングエラー信号e(n)は単一チップの代わりに16チップに対するe(n)=_[n−N]−_[n−N]間の差分の和であることを意味する。従って、e(n)は16チップレベル差分の和に対応する、16チップ間隔毎に発生される。明らかに、エラー信号e(n)の大きさは、16チップレベル「エラー」の和を表しているのでより大きい。しかしながら、定数_は小さな値なので、式(2)は、適応チップレートLE306に対して16チップ間隔毎に1回新しいタップ重みを得るように適切に適用することができる。
【0083】
さらに、記載された実施形態はあらゆる点で実例であって、制限的なものではないと考えられることが理解される。この発明はここに記載した特定の実施形態に限定されるものではなく、この発明の範囲を逸脱することなく、再構成、変更および代用が可能であることが理解されなければならない。
【0084】
以上、ウオルシュカバーされた変調のための適応線形等化のための方法および装置について記載した。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は公知の線形適応イコライザの例を示す図である。
【図2】
図2は入力メッセージデータビットに対応するウオルシュカバーされたチップシーケンスの発生の例を示すブロック図である。
【図3】
図3は受信した信号が送信器により送信されたウオルシュカバーされたチップシーケンスに対応するとき適応等化方式を実現するために使用される例示システム300を示す図である。
【図4】
図4は図3のシステム300において使用される適応チップ線形イコライザの詳細図である。
Claims (36)
- 下記工程を具備する方法:
複数の信号をイコライザに供給し、前記複数の信号に対応する複数のチップのソフト推定を発生する;
前記複数のチップの前記ソフト推定に対応する複数の並列シンボルのソフト推定を発生する;
前記複数の並列シンボルの前記ソフト推定にスライス動作を適用し、前記複数の並列シンボルのハード推定を発生する;
前記複数の並列シンボルの前記ハード推定に対応する前記複数のチップのハード推定を産出する;
前記複数のチップの前記ソフト推定を前記複数のチップのハード推定と比較し、エラー信号を発生し、前記イコライザの応答を前記複数の信号に適合させる。 - 前記供給する工程は前記複数の信号を通信チャネルを介して送信フィルタにより受信フィルタに送信する工程から構成され、前記受信フィルタは前記複数の信号を前記イコライザに供給する、請求項1の方法。
- 前記発生工程はNチップウオルシュデカバーを用いる工程から構成される、請求項1の方法。
- 前記Nチップウオルシュデカバーは16チップウオルシュデカバー、64チップウオルシュデカバー、および128チップウオルシュデカバーから構成されるグループから選択される、請求項3の方法。
- 前記産出する工程はNチップウオルシュカバー、チップレベル加算器、およびPNスプレッダを用いる工程から構成される、請求項1の方法。
- 前記Nチップウオルシュカバーは16チップウオルシュカバー、64チップウオルシュカバー、および128チップウオルシュカバーから構成されるグループから選択される、請求項5の方法。
- 前記エラー信号は前記イコライザの乗算器のタップ重みを適合させる、請求項1の方法。
- 下記工程を具備する方法:
複数の信号をイコライザに供給し、前記複数の信号に対応する第1の複数のチップを発生する;
前記第1の複数のシンボルに対応する複数のシンボルを発生する;
前記複数のシンボルに対応する第2の複数のチップを産出する;
前記第1および第2の複数のチップを用いてアルゴリズムを印加し、エラー信号を発生し、前記イコライザの応答を前記複数の信号に適合させる。 - 前記供給工程は、通信チャネルを介して送信フィルタにより前記複数の信号を受信フィルタに送信する工程から成り、前記受信フィルタは前記複数の信号を前記イコライザに供給する、請求項8の方法。
- 前記発生工程はNチップウオルシュデカバーを用いる工程から構成される、請求項8の方法。
- 前記Nチップウオルシュデカバーは16チップウオルシュデカバー、64チップウオルシュデカバーおよび128チップウオルシュデカバーから構成されるグループから選択される、請求項10の方法。
- 前記産出工程は少なくとも1つのシンボルスライサ、Nチップウオルシュカバー、チップレベル加算器、およびPNスプレッダを用いる工程から構成される、請求項8の方法。
- 前記Nチップウオルシュカバーは16チップウオルシュカバー、64チップウオルシュカバー、および128チップウオルシュカバーから構成されるグループから選択される、請求項12の方法。
- 前記エラー信号は前記イコライザの乗算器のタップ重みを適合させる、請求項8の方法。
- 下記工程を具備する方法:
(a)複数のメッセージデータビットを送信器に供給する;
(b)前記送信器において、前記複数のメッセージデータビットを複数のコードシンボルに符号化する;
(c)前記送信器において、前記複数のコードシンボルをオリジナルの複数のウオルシュカバーされたチップシーケンスに変換する;
(d)前記送信器により、通信チャネルを介して前記オリジナルの複数のウオルシュカバーされたチップシーケンスを受信器に送信する;
(e)前記受信器により、受信した複数のウオルシュカバーされたチップシーケンスを前記受信器のイコライザに供給する、前記受信した複数のウオルシュカバーされたチップシーケンスは前記オリジナルの複数のウオルシュカバーされたチップシーケンスに対応する;
(f)前記イコライザにより、前記オリジナルの複数のウオルシュカバーされたチップシーケンスのソフト推定を決定する;
(g)前記受信器において、前記オリジナルの複数のウオルシュカバーされたチップシーケンスの前記ソフト推定を前記複数のソフト推定に変換する;
(h)前記受信器において、前記複数のコードシンボルのソフト推定から前記複数のコードシンボルのハード推定を決定する;
(i)前記受信器において、前記複数のコードシンボルの前記ハード推定から前記オリジナルの複数のウオルシュカバーされたチップシーケンスのハード推定を産出する;
(j)前記受信器において、前記オリジナルの複数のウオルシュカバーされたチップシーケンスの前記ハード推定を前記オリジナルの複数のウオルシュカバーされたチップシーケンスのソフト推定を比較することによりエラー信号を発生する;
(k)前記エラー信号を利用して前記イコライザの応答を前記受信した複数のウオルシュカバーされたチップシーケンスに適合させる。 - 前記イコライザは複数の単位遅延素子を含み、前記複数の単位遅延素子の各々は1チップ間隔の遅延を生じる、請求項15の方法。
- 前記イコライザは各複数の乗算器に対応する複数のタップ重みを含み、前記複数のタップ重みは各チップ間隔において前記エラー信号により適合される、請求項15の方法。
- 前記工程(g)はデマルチプレクサおよびNチップウオルシュデカバーを用いて実行される、請求項15の方法。
- 工程(h)は複数の並列シンボルスライサを用いる工程から構成される、請求項15の方法。
- 工程(i)はNチップウオルシュカバーを用いる工程から構成される、請求項15の方法。
- 前記工程(j)は前記エラー信号を発生するために最小2乗アルゴリズムを用いる工程から構成される、請求項15の方法。
- 工程(j)前記エラー信号を発生するために帰納的最小2乗アルゴリズムを用いる工程から構成される。請求項15の方法。
- 下記を具備する受信器:
複数の信号を受信するように構成された入力を有するイコライザ、前記イコライザは前記複数の信号に対応する第1の複数のチップを発生するように構成された出力を有する;
前記第1の複数のチップに対応する複数のシンボルのソフト推定を発生するように構成されたNチップウオルシュデカバー;
前記複数のシンボルの前記ソフト推定に対応する前記複数のシンボルのハード推定を発生するように構成されたシンボルスライサ;
前記複数のシンボルの前記ハード推定に対応する第2の複数のチップを発生するように構成されたNチップウオルシュカバー;
前記第1および第2の複数のチップを用いてアルゴリズムを印加し、トラッキングモードエラー信号を発生し、前記イコライザの応答を前記複数の信号に適合させるトラッキングモードエラー信号発生器。 - 前記イコライザの前記入力は受信フィルタから前記複数の信号を受信し、前記受信フィルタは通信チャネルを介して送信フィルタに接続される、請求項23の受信器。
- 前記Nチップウオルシュデカバーは16チップウオルシュデカバー、64チップウオルシュデカバーおよび128チップウオルシュデカバーから構成されるグループから選択される、請求項23の受信器。
- 前記Nチップウオルシュカバーは16チップウオルシュカバー、64チップウオルシュカバーおよび128チップウオルシュカバーから構成されるグループから選択される、請求項23の受信器。
- 前記トラッキングモードエラー信号は前記イコライザの乗算器のタップ重みを適合させる、請求項23の受信器。
- 前記イコライザは、複数の単位遅延素子を含み、前記複数の単位遅延素子の各々は1チップ間隔の遅延を生じる、請求項23の受信器。
- 前記イコライザは各複数の乗算器に対応する複数のタップ重みを含み、前記複数のタップ重みは各チップ間隔において前記トラッキングモードエラー信号により適合される、請求項23の受信器。
- 前記アルゴリズムは最小2乗アルゴリズムである、請求項23の受信器。
- 前記アルゴリズムは帰納的最小2乗アルゴリズムである、請求項23の受信器。
- 下記を具備する受信器:
複数の信号を受信するように構成されたイコライザ;
前記複数の信号に対応する複数のチップを発生するように構成されたウオルシュカバー;
前記複数のチップに対応するトラッキングモードエラー信号を発生するように構成されたエラー信号発生器、前記トラッキングモードエラー信号は前記イコライザの応答を前記複数の信号に適合させる。 - 前記複数の信号に対応する複数のシンボルのソフト推定を発生するように構成されたウオルシュデカバーをさらに具備する、請求項32の受信器。
- 前記複数の信号に対応する複数のシンボルのハード推定を発生するように構成されるシンボルスライサをさらに具備する、請求項32の受信器。
- 前記複数のシンボルの前記ソフト推定に対応する前記複数のシンボルのハード推定を発生するように構成されたシンボルスライサをさらに具備する、請求項33の受信器。
- 前記シンボルスライサは前記複数のシンボルのハード推定を前記ウオルシュカバーに供給する、請求項35の受信器。
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