JP2004506644A - カルベノイド含有ルテニウム錯体 - Google Patents

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一般式AまたはBのルテニウム錯体において、XおよびXは、互いに独立して、単座または多座のアニオン性配位子であり;R、R’およびR’’は、互いに独立して、水素、または置換もしくは非置換のC1−20−アルキル基、C6−20−アリール基もしくはC7−20−アルキルアリール基であり;LおよびLは、互いに独立して、金属中心にカルベノイドとして配位している中性電子供与体配位子であり、0〜20個の炭素原子を有する架橋Wにより連結されていてもよい。該架橋は、環式基または芳香族基の構成要素であってもよく、ヘテロ原子により中断されていてもよい。ただし、C,N−複素5員環系は除く。

Description

【0001】
本発明は、例えばメタセシス反応において触媒として使用可能なカルベノイド含有ルテニウム錯体およびその製造方法に関する。
【0002】
その最も簡単な形態では、オレフィンメタセシス(不均化)は、C=C二重結合の切断および再生成によるオレフィンの可逆的な金属触媒トランスアルキリデン化を表す。非環状オレフィンのメタセシスの場合、一つのオレフィンをモル質量の異なる2つのオレフィンの混合物に変換する自己メタセシス(例:プロペン→エテン+2−ブテン)と、2つの異なるオレフィン間の反応を記述するクロスメタセシスまたはコメタセシス(プロペン+1−ブテン→エテン+2−ペンテン)とに区別される。反応パートナーの片方がエチレンである場合、エテノリシス(ethenolysis)という用語が一般に使用される。オレフィンメタセシスのさらなる応用分野は、環状オレフィンの開環メタセシス重合(ROMP)およびα,ω−ジエンの非環状ジエンメタセシス重合(ADMET)による不飽和ポリマーの合成である。より最近の応用例は、非環状オレフィンを用いた環状オレフィンの選択的開環および閉環反応(RCM)に関するものであり、これにより様々な環サイズの不飽和環が、好ましくはα,ω−ジエンから製造できる。
【0003】
基本的に、メタセシス反応に適した触媒は、均一系および不均一系の遷移金属化合物、特に元素周期表のVI〜VIII亜族のもの、ならびにこれらの化合物を含む均一および不均一触媒系である。
【0004】
近年、プロトン性媒質および空中酸素中で安定な均一系触媒を製造すべく努力がなされてきた。独国特許出願公開第19736609号公報には、一般組成[RuX(=CHR)(PR’](R=R’=アルキルまたはアリール)のアルキリデンルテニウム化合物およびかかるタイプの錯体の合成法が記載されている。
【0005】
一般式[RuX(=CHR)L]の触媒は、L=PCyの場合、非常に多くのオレフィンのメタセシスにおいて非常に高い活性を示す。特に極性官能基(例えば−OH、−COR、−CN等)を含むオレフィンの場合、これらの触媒の中には急速に失活する可能性があるものもある。触媒の活性および失活速度はかなりオレフィンに依存している。二重結合の置換度および二重結合に対する官能基の位置が重要な役割を果たしている。
【0006】
最近、配位子として、ヘテロ原子置換カルベンがホスフィン配位子に取って代わった。遊離形態では、ヘテロ原子置換カルベンは炭素原子上に電子6個を有する。
【0007】
独国特許出願公開第19815275号公報には、錯体配位子として、イミダゾールまたはトリアゾールから誘導される環を有するN−複素環カルベンが記載されている。この錯体は、一般式[RuX(=CR’’R’)](式中、配位子LおよびLの少なくとも1つはN−複素環式カルベンである)に一致する。
【0008】
配位子としてN−複素環式カルベンを含むこれらの触媒はいくつかの基質に対してホスフィン配位子を含む触媒よりも優れており、強い基質依存性があることは明白である。ただし、この触媒はその構造を著しく変化させることはない。しかしながら、そのような点で、多種多様なオレフィンのメタセシス用の有効寿命が長い安定な触媒を合成する目的を達成することができない。今までの経験に基づくと、この目的のためには、触媒が各基質に適合しなければならないと考えられる。触媒のこのような「チューニング」は、通常、1つの配位子クラス内で置換基を変更することで行われる。N−複素環カルベンの欠点は、有機基本骨格の形が限定されることにあり、これは広範な触媒スクリーニングを妨害する。C,N−5員環構造のため、その5員環内のカルベン炭素原子とその2つの隣接原子とのなす角度が狭い範囲に限定される。このような理由から、この配位子の空間的要件は、実質的に上記の2つの隣接原子上の置換基によってのみ制御可能である。
【0009】
本発明の目的は、多様な触媒設計を容易にするため、置換基および骨格の幅広い多様性を可能にする配位子基本構造を開発することである。本発明の目的は、立体状態および電子状態を広範な様式で変化させることを可能にすることである。本発明の目的は、数多くの出発物質に適用可能であり、したがって数多くの配位子の合成を可能にする一般的に有効な合成法を見出すことである。本発明のさらなる目的は、必須の出発物質として可能な限り市販されているか、製造が容易なものを使用することである。高スループットを実現するためには、合成を自動合成装置に移しかえることが可能であるべきであり、それによって配位子ライブラリ、延いては触媒ライブラリの自動構築が容易になる。このことは、ルテニウムメタセシス触媒を基質に対して特異的に最適化することを可能にするだろう。
【0010】
本発明者らは、上記目的が、一般式AまたはB:
【化4】
Figure 2004506644
〔式中、
およびXは、互いに独立して、単座または多座のアニオン性配位子であり、
R、R’およびR’’は、互いに独立して、水素、または置換もしくは非置換のC1−20−アルキル基、C6−20−アリール基もしくはC7−20−アルキルアリール基であり、
およびLは、互いに独立して、金属中心にカルベノイドとして配位している中性電子供与体配位子であり、0〜20個の炭素原子を有する架橋W(ここで、架橋Wは、環式基または芳香族基の一部であってもよく、ヘテロ原子により中断されていてもよい。)により連結されていてもよく、ただし、C,N−複素5員環系は除く。〕
で表されるルテニウム錯体により達成されることを見出した。
【0011】
中性電子供与体配位子LおよびLは、好ましくは、互いに独立して一般式C:
【化5】
Figure 2004506644
〔式中、
〜Rは、互いに独立して、電子対、水素または置換もしくは非置換のC1−20−アルキル基、C6−20−アリール基もしくはC7−20−アルキルアリール基であり、(RとR)および/または(RとR)および/または(RとR)は一緒になって環式基を形成していてもよく、
およびEは、互いに独立して、その原子価に対応してB、CR、SiR(ここでRはR〜Rについて定義したとおりである)、N、P、As、Sb、OおよびSからなる群から選択されるエレメントである。〕
で表される。
【0012】
中性電子供与体配位子LおよびLは、特に好ましくは、互いに独立して、環式および非環式ジアミノカルベン(I、II(式中n≧1)、およびIII)、アミノオキシカルベン(IV)、ビスオキシカルベン、アミノチオカルベン(V)、アミノホスフィノカルベン、ホスフィノオキシカルベン(VII)、ホスフィノ−ホスフィノカルベン(VIII)、ホスフィノシリルカルベン(IX)およびジボリルカルベン(X)
【化6】
Figure 2004506644
から選択され、配位子LおよびLは、架橋Wにより互いに連結されてキレート配位子を形成していてもよい。
【0013】
アニオン性配位子は、好ましくは、弱配位性アニオンまたは非配位性アニオンであり、例えばClO 、PF 、BF 、BAr またはスルホン酸基である。
【0014】
カルベン炭素原子の電子特性は、同一または異なる断片ERまたはEによる多様な置換によって実質的に制御可能である。したがって、ジアミノカルベンの電子不足は、NR断片上のπ−供与体、σ−受容体特性により減らされる。それとは対照的に、ジボリルカルベンでは、炭素原子の電子不足は、π−受容体およびσ−供与体として作用するホウ素原子により増大される。これらの間には、例えば、ホスホノシリルカルベンがある(Chem. Rev. 2000, 39−91参照)。したがって、触媒の特性は、遷移金属であるルテニウムへの配位により様々であり得る。
【0015】
本発明はさらに、オレフィンのメタセシス反応におけるこれらの触媒系の使用に関する。均一系メタセシス触媒として高い適用可能性を有する文献公知の[RuCl(=CHR)L]型のアルキリデンルテニウム(II)錯体と比較すると、上記化合物は、構造のかなり広範な多様性と、特性決定配位子LおよびLの製造の容易性とにより区別される。
【0016】
メタセシス触媒としての使用に際して、A型またはB型の錯体は、活性化させずにオレフィンと反応させてもよく、または酸HX(式中、Xは例えばCFCO またはCFSO である。)を用いること、もしくは光を用いることによりin situで活性化させてもよい。
【0017】
既知のルテニウム含有触媒系とは対照的に、本発明の触媒で使用される配位子は、自動合成装置を利用して様々な構造で広範に製造することができる。したがって、自動的に配位子および触媒の大きなライブラリを作成することが可能である。本発明の配位子および触媒は、立体的および電子的観点で、かなり変化させることが可能である。このことから、異なる特性を有する多数の触媒の製造が可能になり、よって触媒スクリーニングおよび一定の反応における特定の用途のためのチューニングに供することができる。例えば、計画的な反応を、触媒ライブラリ中の様々な触媒を用いて多数の反応器内で平行して行うことができ、最も活性が高くかつ選択的であると認められる触媒を特に変化させることが可能である。この目的のための、自動合成装置を用いた対応するコンビナトリアル製造法または自動製造法は知られており、例えば、A.M.La Pointe, J. Comb. Chem. 1999, 1, 101−104を参照されたい。
【0018】
本発明のルテニウム触媒は、例えば上記に引用した明細書において行われているような任意の望ましい適当な方法で製造することができる。
【0019】
したがって、本発明は、一般式[RuHX(H)L**](式中、LおよびL**は中性二電子供与体である)で表されるルテニウム錯体を、遊離の配位子LおよびLならびに酸HXまたはその塩、ならびにアルキンまたはR’’−Cと反応させることによる、本発明のルテニウム錯体の製造方法に関する。
【0020】
さらに本発明は、RuCl・xHOまたは[RuCl(オレフィン)]または[RuCl(COD)]を、塩基および水素の存在下で、遊離の配位子LおよびLまたは塩[HL]Xおよび[HL]Xと反応させて前駆体化合物を生成させ、この前駆体化合物をアルキンならびに酸HXおよびHXと反応させることによる、ルテニウム錯体の製造方法に関する。
【0021】
さらに本発明は、 [RuCl(アレーン)]または[(アレーン)RuCl(L)](式中、Lは中性二電子供与体である。)を、塩基の存在下で、遊離の配位子Lまたは塩[HL]Xと反応させることによる、ルテニウム錯体Bの製造方法に関する。
【0022】
本発明の方法は、複数の異なるルテニウム錯体Aおよび/またはBを製造するために複数の反応容器中で平行して自動的に実施することができる。
【0023】
活性成分Aおよび/またはBは、数多くの有機金属出発物質から出発して、例えば、
・組成[RuX(=CR’R’’)L**]のカルベン錯体をC型の遊離のカルベンと反応させることにより、
合成することができる。
【0024】
活性成分Aの製造に使用可能な1つの出発化合物は、例えば、化合物[RuCl(=CHCH)(PCy]である。この化合物は、文献の詳説にしたがって、非単離の中間体[RuHCl(H)(PCy]をHCl供給源の存在下で1−アルキンと反応させることにより製造することができる(独国特許出願公開第19736609号公報)。[RuHCl(H)(PCy]自体は、水素雰囲気下、PCyの存在下で、i−プロパノール中の高分子量のルテニウム前駆体[RuCl(COD)](COD=シクロオクタジエン)から製造可能であるか(Wernerら, Organometallics 1996, 15, 1960−1962)、または水素雰囲気下、PCyおよび第3級アミン(NEt)の存在下で、sec−ブタノール中の同出発物質から出発して製造可能である(Grubbsら, Organometallics 1997, 16, 3867−3869)。[RuHCl(H)(PCy]はさらに、THF中で、RuCl Oを出発物質として、水素雰囲気下、活性化されたマグネシウムの存在下でPCyと反応させることで製造可能であり、好ましくはin situで1−アルキンと反応させることにより対応するヒドリド−(クロロ)ビニリデン錯体[RuClH(=C=CHR)(PCy]を生成させる。ヒドリド−(クロロ)ビニリデン錯体[RuClH(=C=CHR)(PCy]は単離してもよく、またはin situでHCl供給源と反応させて[RuCl(=CHCH)(PCy]を生成させてもよい。[RuCl(=CHCH)(PCy]をC型の遊離のカルベン配位子と反応させることで本発明の活性成分Aが生成される。この場合、1当量のPCyが切断される。C型の遊離の配位子の製造はBourissouらの総説に記載されており(Chem. Rev. 2000, 100, 39−91)、かかる文献は本明細書に引用される。
【0025】
C型のカルベンは、例えば、下記の反応手順により製造可能である。I型およびIII型のジアミノカルベンは下記のようにして合成することができる。このタイプの手順は自動合成装置で行うことができる。市販の出発物質が多数存在するため、多種多様なC型のカルベン配位子の合成が可能である。
【0026】
【化7】
Figure 2004506644
【0027】
対称ジアミノカルベンについては、下記の手順を用いてもよい:
【化8】
Figure 2004506644
【0028】
遊離のカルベンと[RuX(=CRR’)L**]型のカルベン錯体との反応が、N−複素環カルベンについて記載されており(Hermannら, Angew. Chem. 1998, 110, 2631−2633, Angew. Chem. 1999, 111, 2573−2576, 独国特許出願公開第19815275号公報、Grubbsら, Tetrahedron Lett. 1999, 40, 2247−2250, Organic Lett. 1999, 1, 953−956; Nolanら, J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 2674−2678)、C型のカルベンについて同様の方法で行うことができる。反応は、自動合成装置内で行うことが有利である。
【0029】
・[アレーンRuX]型のアレーン錯体とC型の遊離のカルベンとの反応による製造
[(p−シメン)RuCl(PPh)]のようなアレーンルテニウム錯体は、2量体の出発物質をPPhとともに撹拌することにより得られる。したがって、[(p−シメン)RuClを有機溶媒中でPPhと反応させることにより[(p−シメン)RuCl(PPh)]が生成する。[(p−シメン)RuCl(PPh)]または[(p−シメン)RuClのような2量体をC型の遊離のカルベン配位子と反応させることで、本発明の活性成分Bが生成し、1当量のPPhが切断される。
【0030】
・[RuX(=CRR’)L]型または[アレーンRuX]型の化合物と、in situで生成させたC型のカルベンとの反応による製造
C型のカルベンは、有機金属出発物質の存在下、カルベン前駆体[L]Yまたは[L]Yと、強塩基(例えばKOtBuまたはLDA(リチウムジイソプロピルアミド))とを反応させることで製造することができ、あらかじめ単離せずに、直接反応させて活性成分Aおよび/またはBを生成することができる。
【0031】
活性成分Aおよび/またはBを生成するための反応は、不活性ガス雰囲気下、有機溶媒中で行われる。この反応は、好ましくは、THFもしくはトルエンまたはそれら2種の混合物中、−100〜+100℃、好ましくは0〜100℃の温度で、1mbar〜100bar、好ましくは0.5〜5barの圧力にて行われる。
【0032】
反応は、1モル当量以上のCまたはCの前駆体を用いて行うことができる。その結果生じる活性成分Aおよび/またはBを含む組成物は、高活性メタセシス触媒系としてin situで使用してもよく、または単離して不活性ガス雰囲気下で貯蔵してもよい。所望により、活性成分AおよびBは単離した形態で使用する。
【0033】
一般に、一般構造Cの物質またはその前駆体と適当なルテニウム錯体との反応によるAまたはBの生成は、1秒〜10時間後、好ましくは3秒〜1時間後に完了する。好適な反応容器は、一般にはガラス容器またはスチール容器であり、セラミックでライニングされていてもよい。
【0034】
本発明はさらに、オレフィンのメタセシス反応におけるこれらの触媒系の使用に関する。均一系メタセシス触媒として高い適用可能性を有する文献公知の[RuCl(=CHR)L]型のアルキリデンルテニウム(II)錯体と比較すると、上記化合物は、構造のかなり広範な多様性と、特性決定配位子LおよびLの製造の容易性とにより区別される。したがって、従来の系とは対照的に、本発明の触媒は、特定の基質に対して容易に最適化することができる。
【0035】
このようにして得られた触媒錯体AおよびBは、特に、下記に使用することができる:
・オレフィンの自己メタセシスまたは2種以上のオレフィンのクロスメタセシス、
・環状オレフィンの開環メタセシス重合(ROMP)、
・非環状オレフィンを用いた環状オレフィンの選択的開環、
・非環状ジエンメタセシス重合(ADMET)、
・閉環メタセシス(RCM)、および
・さらなる新規な変形メタセシス。

Claims (10)

  1. 一般式AまたはB:
    Figure 2004506644
    〔式中、
    およびXは、互いに独立して、単座または多座のアニオン性配位子であり、
    R、R’およびR’’は、互いに独立して、水素、または置換もしくは非置換のC1−20−アルキル基、C6−20−アリール基もしくはC7−20−アルキルアリール基であり、
    およびLは、互いに独立して、金属中心にカルベノイドとして配位している中性電子供与体配位子であり、0〜20個の炭素原子を有する架橋W(ここで、架橋Wは、環式基または芳香族基の一部であってもよく、ヘテロ原子により中断されていてもよい。)により連結されていてもよく、ただし、C,N−複素5員環系は除く。〕
    で表されるルテニウム錯体。
  2. 中性電子供与体配位子LおよびLが、好ましくは互いに独立して一般式C:
    Figure 2004506644
    〔式中、
    〜Rは、互いに独立して、電子対、水素または置換もしくは非置換のC1−20−アルキル基、C6−20−アリール基もしくはC7−20−アルキルアリール基であり、(RとR)および/または(RとR)および/または(RとR)は一緒になって環式基を形成していてもよく、
    およびEは、互いに独立して、その原子価に対応してB、CR、SiR(ここでRはR〜Rについて定義したとおりである)、N、P、As、Sb、OおよびSからなる群から選択されるエレメントである。〕
    で表される、請求項1に記載のルテニウム錯体。
  3. 中性電子供与体配位子LおよびLが、互いに独立して、環式および非環式ジアミノカルベン(I、II(式中n≧1)、およびIII)、アミノオキシカルベン(IV)、ビスオキシカルベン、アミノチオカルベン(V)、アミノホスフィノカルベン、ホスフィノオキシカルベン(VII)、ホスフィノ−ホスフィノカルベン(VIII)、ホスフィノシリルカルベン(IX)およびジボリルカルベン(X)
    Figure 2004506644
    から選択され、配位子LおよびLは、架橋Wにより互いに連結されてキレート配位子を形成していてもよい、請求項2に記載のルテニウム錯体。
  4. アニオン性配位子が弱配位性アニオンまたは非配位性アニオンである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のルテニウム錯体。
  5. 一般式[RuHX(H)L**](式中、LおよびL**は中性二電子供与体である)で表されるルテニウム錯体を、遊離の配位子LおよびLならびに酸HXまたはその塩、ならびにアルキンまたはR’’−Cと反応させることによる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のルテニウム錯体の製造方法。
  6. RuCl・xHOまたは[RuCl(オレフィン)]または[RuCl(COD)]を、塩基および水素の存在下で、遊離の配位子LおよびLまたは塩[HL]Xおよび[HL]Xと反応させて前駆体化合物を生成させ、この前駆体化合物をアルキンならびに酸HXおよびHXと反応させることによる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のルテニウム錯体Aの製造方法。
  7. [RuCl(アレーン)]または[(アレーン)RuCl(L)](式中、Lは中性二電子供与体である。)を、塩基の存在下で、遊離の配位子Lまたは塩[HL]Xと反応させることによる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のルテニウム錯体Bの製造方法。
  8. 複数の異なるルテニウム錯体Aおよび/またはBを製造するために複数の反応容器中で平行して自動的に実施される、請求項5〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. オレフィンメタセシス反応用の触媒としての請求項1〜4のいずれか1項に記載のA型またはB型の錯体の使用。
  10. A型またはB型の錯体を活性化させずにオレフィンと反応させるか、または酸HX(式中、XはCFCOまたはCFSOである。)により、もしくは光によりin situで活性化させる、請求項9に記載の使用。
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