JP2004506526A - ウォーキングアクチュエータ - Google Patents

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Abstract

本願発明は、電気機械アクチュエータ装置(10)及びこのような装置を駆動する方法を開示しており、装置は本体(22)に対する動作においてウォーキングメカニズムによる複数の駆動素子(14a〜d)を有している。駆動素子(14a〜d)の駆動部分は、本体(22)表面に対して接線方向及び垂直方向に独立して移動可能である。駆動素子(14a〜d)は、把持、本体の移動、解除、及び元の位置への戻りという4つのサイクルステップにおいて駆動される。駆動素子(14a〜d)は2つの排他的な組に分割される。組の駆動は位相シフトされる。少なくとも1つの組が、各瞬間において本体(22)の表面に接触する。本願発明は、把持シーケンスの間の駆動素子(14a〜d)の駆動が、駆動素子(14a〜d)が重要な接線成分を含む速度を有するように実行されることに特徴がある。

Description

【0001】
(技術分野)
本願発明は、非動的または疑似静的駆動機構を有する電気機械アクチュエータと、このようなアクチュエータの制御及び駆動に関する。
【0002】
(背景技術)
小規模なモータ市場は数十年に渡って拡大し、また低コストで製造可能な高性能小型モータに対して特別な関心がある。力と精度は典型的な重要な主要特性である。通常の電動機は、ある用途においてその限界に達し、それに代わるものが開発されている。本願発明は高性能小型モータの必要性に関する。
【0003】
例えば圧電モータから構成される電気機械モータは、非常によく使用される種類の小型モータである。今日、圧電アクチュエータはよく知られており、様々な用途において使用されている。圧電アクチュエータは一般に、高モーメントによって特徴付けられるが、ストロークは小さい。高頻度で動作を繰り返すことにより、巨視的なストロークを得ることができる。電気機械モータにおいては、多数のまったく異なる動作機構が試用される。あるモータ部材の惰力(慣性)及び/または時間依存性物理的効果を使用することにより、様々な電気機械モータが実現される。この駆動機構のグループは、動的駆動機構と呼ばれることがある。一般に、動的駆動機構を有するモータは、特定の周波数範囲のみで動作することができ、低内部速度または周波数での動作は不可能である。よく見られる名前である超音波及び進行波モータは、この動的駆動機構のグループに属する。
【0004】
駆動機構の別のグループは、非動的、静的または準静的と呼ばれる。これらの非動的機構は、任意の低周波数または能動素子の速度で動作が行われることに特徴がある。被駆動部材は、把持、移動、解除及び戻しなどの動作サイクルを通常作るアクチュエータ素子によって移動される。1組の素子が解除すると、別の組の素子が被駆動部材を把持する。通常、非動的機構は、低〜中高速での制御位置が望ましい点において有利である。また、この機構により、様々な用途での最適化が容易となり、高い力(エネルギー)を伝えることが可能となる。主な欠点は、所望の機構を得るために構成上の要望が高いことである。従って、性能を失わずに構成を簡素化する様々な解決策は、一般に高い営利的関心である。
【0005】
非動的動作の1つの機構は「シャクトリムシ」機構であり、特許US3,902,084に最初に開示されている。被駆動部材は、例えばUS5,751,090において、クランプ−拡張−クランプ解除というように機械的ステップによって移動される。違相で動くクランプ素子は少なくとも2組なければならない。各動作、拡張の間、被駆動部材は、2組の素子によってクランプされ、静止している。動作は周期的であり、最終分解能は電圧分解能によって分割される1つのステップ長さに相当する。被駆動部材は、一種のマイクロステップモードである完全ステップ長さの部分で止まることが可能な場合もある。クランプ及びクランプ解除は、非動作相の間に行われる。
【0006】
国際特許出願WO97/36366において、非動的駆動機構に基づく圧電モータが開示されている。機構は「シャクトリムシ」機構に代わるものであり、「機械ステッピング機構」と呼ばれる。モータは、2次元的(平面的)に移動可能な少なくとも2組の独立した駆動素子を有するモノリシック多層ユニットとして電気機械材料から作られる。各組の動作は、把持、移動、解除、戻しの4つのシーケンスによって特徴付けられる。バイモルフ駆動素子の組に電圧サイクルが印加され、それらは互いに位相がずれている。出願において、好適な電圧サイクルは正弦波であると記載されていた。このような駆動サイクルにより、駆動素子の接触点の楕円動作軌道が得られる。2つの素子の組の位相が180度ずれているので、1組が把持し、また他方の組が解除している瞬間の素子の接線速度はほぼゼロになる。
【0007】
特許出願DE44 08 628において、同様の駆動機構が開示されている。4つの駆動素子はそれぞれに対して位相がずれた対で動作し、可動部を移動させる。素子は駆動されて、可動部を把持及び移動させるために楕円動作を行う。また、ここで、一方の組が把持し、また他方の組が解除を行っている瞬間の素子の接線速度はほぼゼロになる。
【0008】
従来の非動的駆動電気機械モータには、大きな利点がある。しかし、幾つかの小さな欠点も存在する。その1つは、駆動の準静的制御が維持されている間に、非常に小さなステップ長さで制御ステッピングを行う問題である。別の一般的な問題は、駆動サイクルの間に接線速度が常に変化することであり、これは時に磨耗や振動などの問題につながる。また、同様に、垂直の動作も変化し、振動の発生や摩擦の影響の他に、不必要な電力消費につながってしまう。接線動作を有用な作業に用いることが可能である一方で、垂直動作は表面の凹凸などに対処するために必要なだけであり、電力出力には使用されない。開示されている「機械ステッピング機構」装置に関する特別な問題は、正弦電圧サイクルが素子の可能な全ストロークを使用せず、これによって効率が低下することにある。
【0009】
超音波モータにおいて、接触面の磨耗は無視できない問題である。ポリマー面及び潤滑を含む、問題に対する幾つかの解決策が提案されている。非共振モータの磨耗は、駆動素子の非常に制御された動作によってより小さくなる。しかし、高性能小型モータを考慮すると、小さな磨耗も性能に影響しうる。
【0010】
特許文献US6,066,911において、超音波駆動装置が開示されている。幾つかの実施例においては位相がずれた状態で、多数の素子が駆動されて、可動部を移動させる。当業者に明らかであり、また周波数範囲によって示されるように、装置は一般に動的駆動機構で動作するよう設計されており、可動部の質量の慣性を使用して動作が行われる。このような機構においては、動作サイクルの間に、どの素子も可動部に接触していない瞬間が必ず存在する。これは明らかに、例えば位相シフトなしで素子を駆動したり(US6,066,911の図4aを参照)、純リニア素子ストロークを使用する(US6,066,911の図8c及び8dを参照)ときに、唯一の考えられうる駆動機構である。開示されている装置が非動的機構に応じて駆動されるとしても、素子チップの楕円動作が使用されるので、(上記の機械ステッピング装置と同様に)一組が把持し、他方の組が解除を行っている瞬間の素子の接線速度は必ずほぼゼロにならなければならない。US6,066,911の図4bを参照。
【0011】
本願発明による圧電セラミック(ピエゾセラミック)モータを製造する方法は多数あるが、従来の解決策では小型化、高動力、低価格を同時に実現するのは困難である。
【0012】
(発明の開示)
本願発明の一般的な目的は、非動的または疑似静的駆動機構を有する改良された電気機械モータを提供することにある。更なる目的は、最適な方法で駆動素子の幾何学的な動作可能性を利用することにある。他の目的は、加速または減速だけでなく一定の速度での一様な動作を有するモータを提供することにある。本願発明のさらに別の目的は、電気機械モータの位置決め精度の改善、特に適切な位置センサを有する閉ループ用途において簡単に使用できる非常に小さなステップ長さを得ることにある。所要電力を減少させ、能動素子の容積に関連して精度及び動力を向上させることもまた目的である。またさらに別の目的は、幾何学的及び材料の選択が改善され、また摩擦特性が改善された電気機械モータを提供することにある。また、駆動体の改善された誘導及び垂直力の応用も目的である。
【0013】
上記目的は、添付された請求項による装置及び方法により達せられる。一般に、本願発明は、本体に対する移動において移動(ウォーキング)機構による複数の駆動素子を有する電気機械アクチュエータ装置を駆動する方法を提供する。駆動素子の駆動部は、前記本体の表面に平行且つ垂直に、すなわちそれぞれ接線方向及び垂直線方向において独立して移動可能である。本方法によれば、駆動素子は、本体の把持、本体の移動、本体の解除及び元の位置への戻りという4つのサイクルシーケンスで駆動される。駆動素子は、少なくとも2つの排他的な(相容れない、限定的な)組に分割される。第2組の駆動は、第1組の駆動に対して位相シフトされている。少なくとも一方の組は、各瞬間において本体表面と接触している。本願発明による方法の特徴は、駆動素子の前記第1及び第2組の駆動が把持シーケンスの間に、駆動素子が主動作方向に本質的な成分を有する速度を有するように行われることにある。言い換えれば、把持の間、駆動部は接線速度成分で移動する。
【0014】
好適な実施例において、駆動素子の駆動は、それぞれ2つの組の把持及び解除シーケンスの間に重複部分を作るよう実行される。駆動素子の動作、及び特に接線速度成分は、特に把持、移動及び解除シーケンスの間に、用途特有の速度スケジュールに応じて好適に行われる。一実施例は、移動シーケンスの間に、純粋な接線運動を有する。本願発明の一実施例によると、動作サイクルは、いずれの位置でも動作を停止させることが可能となるよう、マイクロステップに分割することができる。好適な実施例はまた、駆動サイクルの可変のステップ長さを可能にする。
【0015】
本願発明の別の態様によれば、電気機械アクチュエータが提示され、これは上記方法に従って駆動可能である。また、好適な実施例は、モノリシック体の能動部分と接続する受動部分とを有する。受動部分は、熱伝導率を向上させるために、接地された付加的な電極層を含む。また、駆動部は、高熱伝導率を有する材料で作られる。また、前記組は前記電気機械アクチュエータ装置の中央に対してほぼ対称である。
【0016】
本願発明は、従来例と比較される幾つかの利点をもたらす。幾何学的寸法が更に効果的に利用される。本体の動作をスムーズにすることができる。位置決めの精度が向上する。また、エネルギー消費量は減少する。
【0017】
本願発明は、その更なる目的および利点と共に、後に続く記載を添付の図面と共に参照することによって、最も理解されることができる
(詳細な説明)
殆どのアクチュエータ材料は電気機械材料として特徴付けられるが、本開示においては、電圧または電流が印加されるときにその形状を変化させる材料を意図している。電気機械材料の典型例は圧電性、電歪性、及び反強誘電性の材料であり、これらの材料は、多結晶またはアモルファスだけでなく単結晶であってもよい。今日大きな関心を集めている材料は大きな電気機械歪を有する多結晶の多重積層強誘電セラミック材料であるが、拮抗する特性に結びつく可能性があるポリマー及びポリマー複合材料も開発されている。
【0018】
電気機械モータ及びアクチュエータ、特に圧電モータ及びアクチュエータは、非常に様々な種類のものが利用できる。装置を分類する1つの方法は、その駆動機構に応じて装置を分けることである。装置の特徴及び問題は、各グループまたはサブグループに固有のものであることが多い。特定の駆動機構のモータ装置に用いられる1つの解決策は、他の種類にとってはまったく無関係であるかもしれない。本願発明では、非動的または疑似静的駆動機構を有する電気機械装置について考慮する。一般的な駆動機構をより良く理解するために、異なる機構に関する簡単な報告が付録1に記載されている。非動的機構及び疑似静的機構の一般的特性は、制御された準静的移動(ウォーキング)が行われることであり、以下、それを「ウォーキングメカニズム(移動機構)」と称する。
【0019】
従って、ウォーキングメカニズムは、素子と本体の間の直接接触を利用して、素子の形状変化により本体を連続して移動させる2組の駆動素子によって特徴付けられ、本体に接触する組は準静的に動作する。
【0020】
本願発明において、電気機械モータまたはアクチュエータは、少なくとも2組のアクチュエータ素子を含む。各組は、少なくとも1つの素子を含む。素子は好適には、2つの独立した方向においてその接点を位置決めすることの可能なバイモルフ素子である。好適には、素子は、WO97/36366に述べられているようにモノリシック体であるが、他の手法も可能である。まず、基本構造について説明し、次にこのようなユニットの製造について簡単に言及し、最後に典型的な動作について更に詳細に述べる。
【0021】
モノリシック多層ユニット10を図1に示す。ユニット10は、受動基材12と、駆動素子、この場合、切断部20によって分離される4つの駆動素子14a〜dとを含む。各駆動素子は、別個に制御可能な2つの位相セグメント13a〜hに分割される。多数の位相電極層19及び接地電極層18が駆動素子14a〜d内に組み込まれ、電極16a〜hが駆動素子14のアクティブな領域において位相電極層19に接触する。各位相電極16a〜hは、1つの位相セグメント(13a〜h)に対応する。同様の接触は、(図示しない)接地電極層18の裏面にも存在する。適切な電圧を選択された電極16に印加することにより、駆動素子内に電界が作られ、位相電極層19と接地電圧層18との間の材料が膨張または収縮する。これにより、駆動素子14が屈曲、及び/または膨張/収縮する。この駆動素子の動作がどのようにユニット10に接触する対象物の動作に変換されるかを以下に詳細に説明する。
【0022】
ユニットは、例えば電極ペーストのスクリーン印刷と組み合わせた圧電セラミックスラリーのウェット成形などの従来の技術で製造できるが、他の製造技術を使用してもよい。要するに、製造は以下に説明するとおりである。ガラス板の上で、圧電セラミック粉、バインダー、分散剤及び溶剤から成るスラリーの層を例えばドクターブレードで成形する。スラリーは強制対流で乾燥できる。構造体は受動基材12と駆動素子14とに分けられるので、成形はこれらの部分ごとにわずかに異なる。第1層は受動基材12となり、通常の場合、この領域に電極は必要でないため、別のスラリー層を前に成形及び乾燥した層の上部に成形する。スラリーは乾燥され、十分に厚い、通常約1〜3mmの受動基材が成形されるまでこのプロセスを繰り返す。それに続く層の間には、例えばPtまたはAgPdペーストの電極パターンが、異なる2つのマスクを使用してスクリーン印刷される。一方のマスクは位相電極層16に使用し、他方のマスクを接地電極層18に使用し、これらのマスクは交互に使用される。成形は通常、数平方デシメートルの面上で行われ、マスクはピンをセンタリングすることによって配列される。成形の完了後、全体的に緑色の本体を、例えばダイシングソーを使用してユニット10に分割し、また同時に駆動素子14を駆動素子14の所望の長さと同じ深さの切断20で分割する。ユニット10はまず600〜700°Cで熱処理され、有機材料を除去し、次に約1000〜1300°Cで熱処理して、材料をモノリシックユニットに焼結する。焼結後、例えば銀電極16が両面に印刷される。8個の電極16a〜hは、駆動素子14のアクティブな領域において位相電極層16に接触する。接地面は図示していないが、全ての層が接続されることを除いて、位相電極側に類似している。駆動素子はバイモルフとして動作するので、破線で示すように各駆動素子14には2つの異なるアクティブな領域がある。銀ペーストを熱処理して、ユニット10の側面に固体(ソリッド)銀電極16を形成する。
【0023】
このようなユニットによって被駆動部材を移動させる機構は、非動的タイプである。説明のため、図2を参照する。ここでは、図1と同じ種類のユニット10が示されているが、特定の細部を省略して、読みやすくしている。図2のモノリシックユニット10を、独立して動作する2組の駆動素子から成るものとして考える。第1組の駆動素子として、駆動素子14a及び14cを選択する。従って、これらの駆動素子14a及び14cは同期的に動作している。これらの駆動素子14a及び14cは、被駆動部材、この場合レール22に接触している。同様に、駆動素子14b及び14dは第2組に属する。従って、これらの駆動素子14b及び14dも同期的に動作している。これらの駆動素子14b及び14dは、図においてレール22に接触していない。駆動素子14はバイモルフであり、バイモルフの両面上に独立して制御可能な電圧を有する。従って、駆動素子14の上部、接点28は、負荷がない場合、特定の領域内で任意に移動することができる。理想的なバイモルフ及び小さなストロークのために、この領域は菱形を構成している。2組の駆動素子の特定の位相シフト動作に対し、矢印26によるレール22の動作が可能となる。
【0024】
本開示の残りの部分において、「レール」は、これらの駆動素子に対して移動するように、駆動素子に対して保持される任意の本体を意味する。線形動作が要求される用途では、「レール」は好適にはほぼ平坦である。しかし、回転用途では、「レール」は湾曲して、円形断面を有することもある。
【0025】
動作の基本概念を、図3a〜3dに示す。駆動素子の全ての動作は、機構を視覚化するためにこれらの図において非常に誇張されている。図3aにおいて、全ての駆動素子14がレール22に接触する場合が示されている。第1組の素子は左に曲げられ、第2組の素子は右に曲げられている。この状況から、第1組の素子、すなわち駆動素子14a及び14cは矢印30の方向、すなわち右上方向に移動される。第2組の素子、すなわち駆動素子14b及び14dは代わりに矢印32の方向、すなわち左下方向に移動される。これは、第2組の駆動素子がレール22と接触しなくなり、レール22が第1組の駆動素子の接点の動作に追随することを意味している。
【0026】
特定の時間後、図3bの状況となる。素子14はその動作を変化させている。この状況から、第1組の素子、すなわち駆動素子14a及び14cは、矢印34の方向、すなわち右下方向に移動される。第2組の素子、すなわち駆動素子14b及び14dは代わりに矢印36の方向、すなわち左上方向に移動される。これは、第2組の駆動素子が最終的に再びレール22と接触することを意味している。
【0027】
この状況を図3cに示す。すなわち、全ての素子が再びレール22に接触するが、第2組はわずかに異なる位置に置かれている。この状況から、第2組の素子、すなわち駆動素子14b及び14dは矢印30の方向、すなわち右上方向に移動される。第1組の素子、すなわち駆動素子14a及び14cは代わりに矢印32の方向、すなわち左下方向に移動される。これは、第1組の駆動素子がレール22と接触しなくなり、その代わりにレール22が第2組の駆動素子の接点の動作に追随することを意味している。
【0028】
特定の時間後、図3dに示す状況となる。素子14はその動作を変化させている。この状況から、第2組の素子、すなわち駆動素子14b及び14dは矢印34の方向、すなわち右下方向に移動される。第1組の素子、すなわち駆動素子14a及び14cは代わりに矢印36の方向、すなわち左上方向に移動される。これは、第2組の駆動素子が最終的に再びレール22と接触し、サイクルが繰り返されることを意味している。結果として、図の右へのレールの移送となる。
【0029】
動作の4つの特徴的シーケンスは簡単に識別される。図3aの状況では、第1組の駆動素子がその把持シーケンスにある。図3aから図3bを超えて図3cまでの間に、移動シーケンスが生じる。図3cの状況では、第1組の駆動素子はその解除シーケンスにある。最終的に、図3cから図3dを超えて図3aまでの間に移動シーケンスが生じる。原理的には、把持及び解除シーケンスはほとんど無限に短いが、現実的には把持及び解除は特定の期間の間に生じる。
【0030】
図2のようなモータを作る一般的な方法は、垂直方向において垂直力24を印加することである。以下において、本願発明を例証するために線形動作26が主に使用されるが、解決手法の多くを回転、線形回転及び線形リニアモータなどに使用できることは明らかである。回転モータにおいては3点接触が多くの場合望まれるので、非動的駆動機構による典型的な回転駆動ユニットは6つの駆動素子から成る。しかしながら、リニア及び回転モータの両者にとって、4つ、あるいは1つ以上の素子を使用し、1組の素子が被駆動部材を保持しているときに誘導によって他方の組の素子を自由に移動させることができると規定された所望の駆動機構を得ることは可能である。
【0031】
上記例は、通常180度位相シフトしている2組の駆動素子に基づいている。あるユニット例は、2組以上の駆動素子を使用することがある。1つの可能性として、例えば120度位相シフトしている独立した3組の駆動素子を使用することがある。このような装置により、2組が殆どの時間において、移動させる本体に接触し、1組が戻しシーケンスにあるという状況となる。従って、非常に複雑な電子及び機械設計の代価で、より高い動力を得ることができる。
【0032】
素子の寸法は用途に対して選択され、考慮する主な素子は必要な駆動素子の伸長、駆動素子ステップ長さ、及び耐荷重である。伸長は、全ての駆動面の平坦さ及び粗さ、及び全ての機械部分の弾性変形などの要因によって決まる。レールの平坦度が0.25μm、駆動ユニットの平坦度が0.25μm、また弾性変形が0.50μmであると、伸長は1.0μmを越え、通常は約2.0μmで十分である。許容される最大動作電圧で0.07%の電気機械歪を得ることの可能な材料を使用するので、素子の長さは少なくとも3mmでなければならない。素子はバイモルフとみなされ、また図1において例えば素子14aを考察する場合、(接地電極が接続されているものとすると)バイモルフの一方の面はAg電極16aでアクティブ化(励起)され、また他方の面はAg電極16bでアクティブ化される。一方のアクティブな面を使用するバイモルフの屈曲は以下の数式より計算できる。
【0033】
【数1】
Figure 2004506526
ここで、図1に示すように、Lは駆動素子の長さ、tはバイモルフの総厚さ、sはアクティブ化された層が達する歪である。ほぼ長さとしての厚さで、得られる屈曲動作は両方向において約1μmとなり、これによって約2μmのステップ長さが与えられる。
【0034】
非共振機構での主な利点の1つは、制御された動作を得る可能性である。これに関して、本願発明では、適切な電子制御により微細移動(ウォーキング)を得る方法を開示している。上述したように、本願発明は2つ以上の駆動素子を有する、様々な種類の非共振モータ(回転、リニア、リニア及び回転など)に適用できる。微細移動により、位置、速度、加速あるいは好適には全てを同時にリアルタイムで微調整する。これは、位置、速度及び/または加速が、(制御回路によって得られる時間分解能内の)各瞬間において駆動装置電子部品によって完全制御されると解釈することができる。前に開示した電気機械モータは所定の長さの機械ステッピングに限定されており、また高精度位置決め(高精度停止)は、クランプ−拡張クランプシーケンスにおける拡張相の間に電圧を制御することによって行われていた。この種の微細移動にはいくつかの利点があり、最も明らかなことは高分解能の位置決めである。また、素子の組が把持または解除を行っているときの速度を選択すると、非常にスムーズな動作が得られる。この方法を更に説明し、以下に例証する。
【0035】
まず、2つのパラメータのステップ長さ及びサイクル期間を定義しなければならない。モータは、最も一般的な場合にサイクル期間の間に変化する駆動電圧サイクルについて制御される。通常、電圧サイクルの作用はサイクル周期内で変化せず、また定速度及び定荷重の場合について考察すると、電圧サイクルは一定である。各サイクル周期の間に、駆動素子は2つのステップを共に生成する。一方の素子の組は1つのステップを生成し、他方の素子の組は別のステップを生成する。図3aからdに示すように、一方の素子組が他方の組の解除と正確に同時に把持を行うものとすると、1サイクルの間の動作は2つの全ステップに正確に対応する。しかしながら、実際には、2つのステップの間には通常重複部分があり、1サイクルの間の動作は2ステップの合計よりも小さくなる。要するに、ステップ長さは、一方の素子の接点がレールに接触するときの位置と他方の素子の接点がレールに接触するときの位置との間の距離である。
【0036】
1つの素子の接点について考察すると、制御された微細移動をより良く理解することができる。レールなどからの、すなわち無負荷状況における垂直力を考慮しない接触素子の動作領域を、図4aに示す。z軸は垂直方向であり、x軸は接線方向である。従って、接線方向は移動させる本体の主動作方向である。外側の菱形領域40は、バイモルフ接点の最大動作領域を示している。素子の2つの部分の電圧を適切に選択することにより、この領域40内の全ての位置を得ることができる。図には2つの水平線が示されており、第1の線42は接点に対するレールの最低位置を表し、また他方の線44は接点に対するレールの最上位置を表している。この高さ範囲を、この点における全ての製造誤差の合計として考慮することができる。従って、線42から線44への動作により、駆動素子の把持シーケンスが構成される。同様に、線44から線42への動作により、駆動素子の解除シーケンスが構成される。
【0037】
軌道48は、レールからの垂直荷重が無い素子チップの動作を示している。位置Cにおいて、レールが最も低い位置にあれば素子がレールに接触し、またチップがDに向かって移動させられると、チップは線44に達する前、すなわちC’の前でレールに接触することになる。レールと摩擦接触した後、素子は更に垂直方向に移動してDに達しようとする。モータ動作においては、これは、加えられた垂直力のためにレールは垂直方向に自由に移動せず、また素子もレール表面に追随するので、可能にはならない。モノリシックユニット、レール、バネ、機械詳細部などから成るシステム全体は弾性変形し、位置Dに対応する垂直高さを線44よりも十分に上になるよう選択しなければならない。この変形について以下で更に説明する。
【0038】
その後、素子は、位置Eを過ぎて位置Fに向かう軌道に追随しようとし、これによってレールは純接線動作する。もちろん、摩擦係数及び垂直力は、いずれの接線力にも打ち勝つよう十分に大きくなければならない。次に、素子が位置Gに移動すると、素子チップは、最も早い場合にはG’でレールから解除し、また同時に接線方向にわずかに移動する。無視できるほどの高さ誤差、すなわち42と44との間の垂直距離があるとすると、ステップ長さをCとFとの間の接線距離として考えることができる。図4aから分かるように、ステップ長さは、特定の用途パラメータに適応させた選択された軌道によって制御される。
【0039】
Gから、素子は位置Hに向かってレールから後退し、この例では中間位置A及びBを経て最初の位置Cに戻る。接点が時計回り(右回り)あるいは反時計回り(左回り)のどちらで軌道に追随するかにより、レールの動作方向はx方向において前進あるいは後退する。
【0040】
素子が正弦電圧によって制御されるとすると、対応するサイクル軌道は、例えば図4bの46によって示される楕円となる。ここでは、このような軌道のステップ長さが楕円の水平方向の半分の軸、すなわちJからKの距離に対応することが容易に分かる。また、正弦電圧サイクルによって得られるステップ長さは、菱形軌道を使用することにより対応する電圧で得られるものと同じ寸法にはならないことも容易に理解される。把持及び解除シーケンスの間に重要な(有意な)接線成分を有する軌道を使用することにより、一般により大きなステップ寸法を得ることができる。これは特に、バイモルフ駆動素子の場合に当てはまる。
【0041】
バイモルフにおける2つの位相の軌道と電圧の関係の適正推定値は以下のとおりである。
【0042】
x(t) = k(u(t) − u(t))
z(t) = k(u(t) + u(t))
及びkは、材料、形状寸法などによってことなる定数である。所望の軌道に対して、バイモルフ駆動素子における2つの位相の電圧u及びuは、2つの定数h及びhを用いて以下のように表すことができる。
【0043】
(t) = hz(t) − hx(t)
(t) = hz(t) + hx(t)
駆動サイクルのタイミング情報は重要であり、ここに説明する。本願発明の動作軌道の更に好適な特徴は、軌道が可変速度で進むことである。これは、軌道の一部を通過するのに、必ずしも同じ長さを有する別の部分と同じ時間がかからないことを意味する。軌道速度を変化させることにより、1組の把持シーケンスの少なくとも一部を組の解除シーケンスの少なくとも一部に重複させることができ、またその逆も可能である。DからFへの軌道進行をGからCへの軌道進行と同時に行わせることにより、またCからDへの軌道速度をFからGの軌道速度と同一にすることにより、1組の把持シーケンスは反対の組の解除シーケンスに重複する。同じ大きさの反対方向の傾斜、すなわち一方の組の負の軌道傾斜と同一である他方の組の把持シーケンスの正の軌道傾斜を使用することにより、両素子組はこれらのシーケンスの間に同じ接線動作成分を有する。接触する組の実際の移送は、スムーズに行われるようになる。
【0044】
正弦電圧を使用すると、このような軌道速度調整は不可能であり、また把持及び解除シーケンスはほぼゼロの接線速度で実行しなければならない。接触する組の間の同様のスムーズな移送は、実行不可能である。
【0045】
駆動素子の駆動部分の動作は、十分に制御される。特に、把持、移動、及び解除シーケンスの間の主動作方向における速度成分は、速度スケジュールに応じて制御される。連続動作の間、速度スケジュールは通常は一定である。しかし、例えば加速または減速動作や高精度位置決めを処理するために、このスケジュールも好適には動作中に変更可能または調整可能である。
【0046】
動作のタイミングを表す別の方法を図5に示すが、ここでは電圧u及びuが時間の経過と共にいかに変化するかの例が示されている。接線速度は、考慮すべき重要なパラメータである。雑音、磨耗などを防止し、また接線方向におけるスムーズな動作を維持するために、レールに接触しているときの駆動素子の速度を、特定の方法で調整しなければならない。例として、ゼロ接線負荷のときの定速度を考慮し、またこの場合、素子の接線速度は図4aにおける位置CからGにかけて一定でなければならない。定接線速度で、「把持」C〜D及び「解除」セグメントF〜Gにおける総速度は、垂直速度成分も存在するので、接線速度よりも高くなければならない。上記に示したように、この技術革新における「把持」及び「解除」シーケンスは、把持の間に制御された接線速度も存在するため、上記に開示したものとまったく同一ではないが、便宜上、引用マークは以下では省略する。戻りセグメントG〜Cの間の速度は、駆動素子がレールに接触しているときのセグメントよりも高い速度になり、また制限速度は駆動素子における動的効果と相関する。把持、移動D〜F及び解除セグメントの間の接線速度制御により、レールの動作はスムーズになる。
【0047】
ウォーキングメカニズムに基づくモータにおいて、1つの組の素子を駆動する2つの異なる位相を有する少なくとも2つの異なる素子組が存在する。あるモータ位相は通常、組の各駆動素子の1つの位相セグメント13a〜h(図1)に対応する。以下に説明するようにモータは例えば2つまたは8つの位相によって駆動され得るものの、通常、モータは4つの位相で駆動される。例えば、1つの位相の電圧がサイクル周期の関数として表される場合、その位相は台形となる。通常、同じ組の他の位相は周期の1/4位相をずれされ、他の組の残りの2つの位相は第1組の2つの位相に対して周期の1/2位相をずらされる。場合によっては、位相が電圧レベルで異なることもある。一般的な場合、全ての位相は完全に異なる波形を有する。
【0048】
図6a〜6eにおいて、上記重複の一連の概略図が示されている。上述したように、駆動素子の全ての動作は、機構を視覚化するために、これらの図において極端に誇張されている。図6aにおいて、駆動素子14a及び14cの第1組がレール22に接触しそうであり、第2組がレール22に接触しているときの状況が示されている。第1組の素子はできる限り左に屈曲され、第2組の素子は右に屈曲されているが、最大ストロークではない。この状況から、第1組の素子、すなわち駆動素子14a及び14cは、矢印30の方向、すなわち右上方向に移動される。第2組の素子、すなわち駆動素子14b及び14dは代わりに、矢印34の方向、すなわち右下方向に移動される。これは、第1組の駆動素子がレール22に接触し、代わりに第2組の駆動素子がレール22から離れることを意味している。レール22は、図の右側への接触駆動素子の接点の動作に追随する。
【0049】
特定の時間後、図6bの状況となる。素子14はその動作を変化させる。この状況から、第1組の素子、すなわち駆動素子14a及び14cは、矢印31で示す純接線方向に移動される。第2組の素子、すなわち駆動素子14b及び14dは変わりに、矢印32の方向、すなわち左下方向に移動される。これは、第2組の駆動素子が自由に移動可能であり、またレール22が右へ向って第1組に追随することを意味する。第1組14a及び14c及びレール22の動作は、図6c及び6dにおいても続く。しかし、第2組は、図6cにおいて、レール動作の方向とは逆の純接線方向33へその動きを変化させる。図6dにおいて、第2組の動作は左上の動き36に再び変化し、これは第2組の駆動素子14b及び14dが再びレールに近づくことを意味する。
【0050】
図6eの状況は、第1及び第2組がその役割を変えたことを除き、図6aの状況に対応している。次に、元の位置へ戻るために、サイクルの後半が実行される。
【0051】
動作の4つの特徴的シーケンスは、ここでも簡単に識別される。第1組の把持シーケンス及び第2組の解除シーケンスは、図6aで開始され、図6bで終わる。第1組の移動シーケンス及び第2組の戻りシーケンスは、図6bと図6eとの間で行われる。第1組は解除の準備ができており、第2組は把持を開始することになる。
【0052】
把持及び解除シーケンスの間の接線速度成分が移動シーケンスの接線速度に等しい場合、更に有利となる。これにより、サイクル全体においてレールの動きが一定の連続した(途切れない)一様な運動になる。しかし、次に素子は自由に移動可能となるので、戻りシーケンスは特定の速度を表す必要はない。しかしながら、把持シーケンスを遅れずに開始するために、速度は他のシーケンスの速度よりも幾分高くなくてはならない。
【0053】
把持及び解除セグメントにおける法線の(垂直の)速度は、利用可能な動作範囲、高さ誤差、及び所望のステップ長さによって部分的に決定される。素子の法線方向の速度及び法線方向の理想的な変位が、レールに対して垂直な衝撃に結びつく。通常、この衝撃によりレール(及び素子)に音波が生成され、磨耗を生じさせることもある。特に20kHz未満の周波数でアコースティックエミッションの減少が望ましいことが多く、従って機械的衝撃を最小限に抑えることは重要である。高さ誤差を無視すると、機械的衝撃を抑えるために、例えば法線方向の加速など把持におけるスムーズな法線方向のアプローチを取ることになる。アコースティックエミッションを減少させるため、例えば1つの素子組が他組の解除と同時に把持を行う相殺的な(反作用の)力、変位及び波形成を選択するほうがよい。従って、速度スケジュールは、移動させる本体の表面にほぼ垂直な方向において2つの異なる素子組の相殺的な動作を含む。把持及び解除の間の法線速度の制御が、機械的衝撃及びアコースティックエミッションを減少させるために利用される。電圧波形は、以下に詳述する制御電子装置によって適応される。適応化は、単に異なる電圧波形をテストし、最低雑音を与えるものを選択すること、すなわち単なる試行錯誤の方法によって、実行される。しかし、多くの用途において、素子、その表面及びレールの特性は既知であり、後に経験的に最適化が可能な幾分科学的なモデルが構成される。
【0054】
2つの駆動素子組の間の位相差は、可能な限り安定したスムーズな作用を得るために通常180度である。これは、互いに比較して動作が2組で全く同じであることを意味している。しかしながら、性能を向上させるために位相差を調整することは有利であることもあり、概して望まない共振の抑制となる。戻りセグメントのサイクル部分は、2つの素子の組の位置関係を決定する。例えば、非常に高速な戻りセグメントを有し、素子の組の間の位相差が180度である非常に低速度の動作について考察すると、1つの素子の組が位置Cに来るときに、他方の組は基本的に位置Eにある。これは、1つの極端な選択であると考えることができ、他の極端な選択は50%の、すなわち把持、移動及び解除サイクル部分に等しい戻りサイクル部分を有することができる。第1のケースでは、両方の素子組は、例えば高接線力量及び安定性を与えると共に、ほとんどの時間、レールを移動させている。他のケースでは、通常、低垂直力及び良好な平坦度(レール及び素子接点の高さ誤差)で、非常に単純な駆動サイクルを使用することができ、これはコストを最小限に抑えなければならないときに有利である。1つの例は単純な菱形であり、多くの場合最大移動範囲40である。多くの場合最も良い折衷案である駆動サイクルは、一方の素子の組が位置Fにあるときに他方の組が位置Cである図4aに示す軌道48である。把持及び解除シーケンスは同時に行われ、その一方で接線速度は所望のとおりに維持される。
【0055】
非動的及び疑似静的動作機構において、素子の少なくとも1つの組は、移動させられる本体に接触している。これは、動作サイクルがいずれの段階においても動作の制御を解放することなく中断可能であることを意味している。このように、マイクロステッピングが可能であり、すなわちステップ長さよりも短いステップを取ることが可能である。マイクロステッピングにおける位置分解能は主に、関連する電圧分解能及びステップ長さに依存する。微調整された電圧を有することで、微細ステッピングが可能である。
【0056】
図4cにおいて、外側の菱形40内に内側の菱形50も示されている。内側の菱形50は、ステップ長さの制御された縮小に対する動作領域を表している。ステップ長さは、用途における分解能、振動の抑制、及び駆動素子チップの角度傾斜などのパラメータに対しても選択されなければならない。傾斜は性能に悪影響を及ぼすことがあり、1つの解決策はチップを丸くして接触をスムーズにすることである。別の解決策は、ステップをより小さくする、すなわちより小さい素子傾斜を用いることである。駆動素子チップの形状は、接触領域の近くの弾性変形にとっても重要であり、半径が小さすぎると弾性変形が大きくなりすぎる。半分のステップ長さで2倍の周波数でモータを駆動することが可能であると、例えばモータや他の機械詳細部における振動を抑制することができる。ステップ長さを調整することが可能なことに関する主な重要性は、高精度位置決めがより簡単かつより正確になることである。所望の位置決め分解能よりもステップを小さくすることにより、コントローラは所望の位置に達するまでのフルステップ(完全ステップ)を簡単に生成できる。マイクロステップモードの場合のように、所望の位置に達するのに必要なフルステップの数及びマイクロステップの数の両方を把握する必要はない。把持及び解除に関連するある種の位置決め誤差、および時間依存クリープなどの要因が常に存在するため、縮小ステップモードはマイクロステップモードより安定している。最後のステップが生成されると、電圧がゼロに選択され、マイクロステップモードに関連する種類の位置決め変更は行われない。マイクロステッピングを使用する際の位置決めについて以下に更に詳細に説明する。
【0057】
一般的な動作の場合、両方の素子組の無荷重時軌道を表すx−z面における時間依存位置ベクトルr(t)は、動作における完全な自由を得るために各瞬間において変更可能でなければならない。これは現在のアナログ及びデジタル電子装置である程度可能であるが、この自由を得る必要はほとんどない。むしろ慎重に考慮しなければならないいくつかの特殊なケースがある。
【0058】
そのうちの1つは加速/減速であり、例証のために加速シーケンスについて説明する。その慣性荷重を有するレールは、素子からの動力により可能なよりも速く加速することはできない。考慮すべき2つの極端なケースがあり、それはスムーズまたは最大加速である。最大加速は、ほとんどの時間レールに接触する両方の素子で可能となり、基本的には素子はC)で把持し、Gまで高速で移動して最大動力を得る。これは低速でのみ作用する。戻りシーケンスはより高速であり、2つの素子組はおおよそ180度の位相差で動作する。この種の加速ルーチンには、磨耗及び雑音に関する欠点がある。代わりに純移動シーケンスD〜Fの間に加速が行われると、把持及び解除は2つの素子組の間の減少相対速度で行われ、これは例えば磨耗の点において有利である。かなり高い加速は移動シーケンスの開始時における高加速で可能となるので、素子は位置Fにおいて理想的な無荷重時軌道48でほぼ同位相となる。
【0059】
別の簡単なルーチンは、加速の間は素子が無荷重時軌道に沿って移動しないため、例えば位置Dにおいて各ステップごとに速度を変更し、把持及び解除の間に2つの素子組の間の小さな相対速度差を許容することである。一般に、駆動サイクルの様々なセグメントにおける加速制御により、各用途に対してモータを最適化することが可能になる。
【0060】
本願発明における微細移動は、任意の微細分解能が適切な制御電子装置で達成されることを意味する軌道の各位置での停止が可能なことと、ステップ長さ、把持/解除の時間及び重複を選択する自由とに関係している。ステッピングモータと完全に類似していなくても、マイクロステップモードでモータを駆動することが可能である。電子機械ステッピングモータにおいては、各ステップが細かいきざみ幅で分割されるように、電流が制御される。本モータの電圧制御について考察すると、バイモルフにおける2つの位相の電圧を微調整することにより、選択した軌道に沿った各位置での停止、すなわち圧電マイクロステッピングが可能になる。
【0061】
図4a〜4cにおいて、垂直または接線荷重無しの状態で素子チップの軌道を示す。駆動ユニットが垂直力でレールに押し付けられると、ほとんどの場合、駆動ユニットと、レールに対して垂直力を生成するバネとして考えられない他の構成素子との無視できない変形が生じる。駆動ユニットの受動部分を位置基準として使用することにより、垂直荷重を有する軌道は、現実的な状況において素子がレールに接触するときにz方向で幾分縮小されると考えられる。高接線荷重でも、無荷重時及び荷重時状態の軌道の間に差がある。一方の素子組での把持および他方の組での解除がどのように行われるかにより、素子チップは把持シーケンスの間にx方向においてずれる/歪むことになる。ずれ方向は、接線荷重方向によって異なる。現実的な状況における可能な軌道は、図4aの軌道49のようになる。
【0062】
x−z座標における素子チップの速度ベクトルは、荷重状態と、2つの素子組の把持及び解除シーケンスがどのように同期化されるかとに大きく依存している。荷重時の場合における所望の動作を生成するのに必要な力を考慮し、また性能を最適化するために2つの素子組の時間依存の軌道を調整することは非常に便宜的である。外部の接線荷重がある場合、あるいは加速/減速時に、把持の間に素子チップによって加えられる力は垂直成分及び接線成分の両方を有することになる。一定速度で、外部からの荷重が無い場合、垂直力成分のみが存在する。本願発明の動作原理の特徴づけは、素子チップが、素子組の交換の瞬間においてある非ゼロ接線速度を有することにある。
【0063】
ほとんどのモータにおいて考慮すべき他の局面は、停止及び保持ルーチンである。モノリシックユニットをレールに押し付けるある種のバネ力があると、保持力は駆動素子の位置から多少独立している。位置を維持し、高摩擦を得るためには、両素子の相対的な運動をゼロに近づけることのほうが重要である。高い歪力を有する電子機械材料のほとんどがクリープ、経年変化などを欠点として持つため、保持/停止位置での動きが極わずかとなるよう動作を停止することが重要である。このような2つの位置は、電圧が停止したとき、または2つの素子組が対称の方向で、すなわち対称の相反(相殺)するバランスで反対に作用するように電圧が印加されるときのいずれかである。電圧は好適には位置Eで停止されるので、バイモルフの両面は等しい電界を有しており、駆動素子接点の動きは位置Aへの直線に追随する。電圧を印加し続けることに問題が無ければ、素子は高電圧対称位置Eに留まる。相殺するバランスを得るためには、2つの素子組は中央線A〜Eに対して対称の位置に配置されなければならない。時間依存効果を得るために、組は異なる方向に、例えば一方の組は時計回りに、また他方の組は反時計回りに移動する。しかしながら、一般的な問題解決技法では、一方の素子組が例えば時計回りに軌道48に追随し、DとEとの間の位置で停止する。次に、他方の組は反時計回りに位置Gまで移動し、線G〜Cに沿って移動して、第1組の鏡像x位置に達する。その後、第2組はz軸に平行に移動して、対称相殺位置に達する。従って、2組のクリープ、経年変化などは効果的に解消される。停止または保持のための相殺または安定位置に接近するための素子組の制御位置決めは、高精度位置決めにとって重要である。
【0064】
ステップ長さを調整可能であることは、高精度位置決めにとって非常に有利である。駆動素子が、C〜EまたはE〜Gの間ではなく、位置Eに非常に近い所望の位置に達するようにステップ長さを調整すると、接線位置における移動が限定された状態で駆動素子を直接停止させることが可能となる。ステップ長さの調整は、連続して、あるいは所望の位置に達する前の最後のステップで行うことができる。
【0065】
極端に小さいステップ長さを達成するために、本願発明の動作を適切な位置センサを有する閉ループ用途で使用することができる。ステップ長さが要求された分解能よりも非常に小さい場合、閉ループ制御プログラムで十分に制御された動作を実行することは容易である。ステップの同一寸法と遊びの無い動作も重要である。マイクロステッピングを使用することにより、閉ループ位置決め用途は単一ステップ内で要求された位置に確実に達することができず、また要求された位置に達するためにはマイクロステッピング手順を次のステップに進ませなければならない。閉ループ制御とは、位置センサが実際の位置を与え、また調整ルーチンが実際の位置を要求された位置と比較して、差を最低限に抑えるために更なるモータ動作を制御する手順のことを意味する。
【0066】
上述したように、制御された微細移動を可能にするために使用できる電子機器には幾つかの解決技法がある。1つの可能な技法は、所望の波形描写をデジタルで生成することである。従って、デジタル/アナログコンバータ及び増幅器を使用して、対応する電圧波を生成する。
【0067】
これに適する増幅器回路の一実施例を図7に示す。線形増幅器63は、コンデンサ64として示すモータ位相を駆動する。線形増幅器63は一般に、それ自身回路である。好適には、増幅器64は、モータまたは他の構成素子における共振を防止するために、内蔵または外部の低域フィルタを有する。線形増幅器は、集積回路61からの電圧波をデジタル定義するデジタル/アナログコンバータ62によって駆動される。ICは好適には、各用途に対するモータの最適化を容易にするFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などのプログラム可能な論理回路である。モータの電圧制御の選択には、安定性及び単純性を含む幾つかの利点がある。重要な利点の一つは、モータ位相がある電圧において短絡接続されていると考えられるので、回路を使用して様々な望まない動作モードを減衰させることが可能であることである。増幅器のインピーダンスの適切な選択により、様々な望まない動作モードを減衰させることができる。FPGAの並列構成により、全ての位相を各サイクルでまたはより頻繁に変更しなければならない複雑な最適化シーケンスの実行を容易にする。今日利用できる経済的な回路は、100kHzのサイクル周波数及び、サイクル毎のマイクロステップ数が256以上のサイクル分解能で、モータを駆動することが可能である。これは、約25.6MHzのクロック周波数に相当する。電圧をより良く定義することができ、またモータの分解能は制限されない。わずかに高い費用で今日使用できる500MHzのクロック周波数では、マイクロステップ分解能は係数(ファクター)20で改善される。
【0068】
2つの異なる微細ウォーキングメカニズム、縮小したステップ長さ、及びICによるマイクロステッピングを使用して、高い位置決め分解能を達成することができる。最高分解能は、最大ステップ長さに対する相対電圧分解能によって決定される。例えば、50Vにおいて1μmの最大ステップ長さでは、12ビット電圧分解能は、Å範囲(ステップの半分に対して12ビット)における最高位置決め分解能に相当する。マイクロステップモードにおいて、各サイクルごとに2つのステップが存在するため、分解能はサイクル分解能によって分割されるステップ長さの2倍である。分解能を最適化するために、縮小ステップ長さを好適に選択して、電圧分解能よりも低いサイクルを補償する。また、最終分解能に近い縮小ステップ長さでステップを定義することも可能であり、これはクリープ及び他の望まない動作を最小限まで低減しなければならないときに有利である。一般に、クリープなどはフル(完全)ストロークの一部であり、縮小ストロークにより望まない動作は減少する。
【0069】
図1に示すようなモノリシック駆動ユニットを有する操作用モータを形成する方法は非常に多い。2つの特定の場合が優れており、有意なまたはわずかな負荷であり、これらの場合に対する機械的解決手法を以下に更に説明する。本願発明で使用する非動的機構は、操作中の機械的安定性に対して特定の要求を行う。全ての駆動素子(接点)は、所定の位置においてレールと接触可能でなければならない。モータの制御動作を可能にするために、図8において破線で示す最大角度誤差76が十分に小さくなるように誘導されるレールについて検討すれば、接線力T74が加えられたときの垂直力N24の生成の詳細について主な要求が行われる。バネ78を使用する場合、接線力により、モノリシックアクチュエータユニット10が通常固定されている取付モジュール70が回転される。取付モジュール70はスチールや他の頑丈な材料で作られる。バネ78がモノリシックアクチュエータユニット10とレール22の間の接触面74上またはその近くに取付点80を有している場合、取付モジュール70の回転は非常に抑制される。好適には、スプリング78全体は接触面74に配置されなければならない。接線方向における位置の制御を維持するには、バネ78はできる限り異方性の性質を有し、すなわち垂直方向においては十分に柔軟で、接線方向においては可能な限り硬くなければならない。
【0070】
所望の垂直力、また同時に接線方向における高剛性を達成する方法の1つの例は、接触面においてあるいはその近くで板バネ(フラットスプリング)78を使用することである。バネ78の別の所望の特性は、モジュールをレールに対して自動的に配列可能であることである。取付モジュール70全体及びバネ78を機械加工されたハウス内に取り付け、調整無しに操作を行うことが好適である。これは、図8に示すバネ78で可能となる。接触面74における例えば板バネ78の曲げ剛性を調整することが可能なので、モジュールの駆動素子の接点をそれ自身でレールの面に平行に配列することができる。すなわち、バネは自動配列特性を有している。図9において、バネ78を有する取付モジュール70を平面図で示し、レール22を破線で表す。取付点80は接触面内あるいはその近くにあるが、レール22動作の垂直及び接線方向の両方に対して垂直に配置され、また、好適には取付モジュール70に対して対称である。
【0071】
再び強調すべきことは、幾つかの異なるモノリシックユニットを使用できることであり、これは様々な用途において有利となる。これらの最後の例において、バイモルフ位相が図1に示すものに対して垂直に配置される4つの駆動素子から成るユニットを有利に使用することができる。そして、駆動ユニットは縦ではなく横に傾斜し、モジュールはレールに対して平行ではなく垂直に向けられる。このような場合、レールに対する高さの差が全ての駆動素子に対して等しくなるため、モジュールは図8に示す種類の傾斜誤差に対してあまり反応しない。
【0072】
小さなストロークに対するレールの単純な誘導は、平行バネの配列、すなわち二重片持ち梁によって構成される。これは図10に示すような2つの平行片持ち梁90であり、ユニット10は垂直力24によってレール22に押し付けられるため、垂直方向へのバネの伸張によって反力が生成される。片持ち梁を曲げるのに必要な力は非常に小さく、バネの長さに従って小から中程度のストロークを許容する。垂直方向における動作を減少させる別の例は、図8及び9に示すような拮抗配列の使用、または対称なリーフスプリング(板バネ)92を図11に示すもののように形成することである。この実施例において、スプリングはスリット94を有するバネ板(リーフ)から構成される。バネ板92におけるスリット94により、バネ板は幾つかの協動し且つ拮抗する二重片持ち梁として機能するようになり、バネ板の法線に対して鉛直な少なくとも1つの方向において動作する。バネ板92は、小さな丸93によって示される点で、すなわち基本的に図面の前後において支持構造に機械的に固定されている。接線動作によって梁の平行移動を実質的に減少させるこの二重片持ち梁配列により、大きな空間を必要とせずに大きなストロークが得られる。
【0073】
わずかな荷重に対しては、制御動作を得るためにレールの特定の誘導を行うことは必要ではない。レールの接線位置は基本的に微細移動によって定義され、単純な詳細部のみを使用してレールを直行方向における所定位置に位置しなければならない。接線力を上げずに垂直力を与えることで足りる。図12に示すような1つの非常に簡単な解決技法は、垂直力24によってレール22に押し付けられた低摩擦係数を有するリニア軸受102を使用することである。軸受102の材料は、例えばPTFE重合体である。垂直力24は、単純なバネ、例えばアクチュエータユニットの取付モジュール70または他の機械部分に取り付けられたコイルバネ100で生成される。用途によっては、他の種類のバネ、例えば接線方向においてより高い剛性を有するリーフスプリングが必要になることもある。図13に示す幾分高価な解決手法は、高すぎる接線力を生成せずに垂直力を与えるボール104または滑り軸受の使用である。軸受104が図示しないある機械的手段によって取付モジュール70に固定されている場合、力自体はコイルバネ100またはゴム材料によって調整できる。ゴムは、軸受に嵌められたOリングであってもよい。レール22を接線方向に直行する所定位置に維持する簡単な方法は、軸受のある種の外形である。また、複数のボールまたはローラ軸受を使用することができる。複数のボール軸受はレールに沿って配置される。他の方法は、自由ボールまたはローラの使用であり、自由ボールまたはローラは、自由ローラ/ボールが横または縦に大きく移動することを防止する他の固定されたならい加工のレールによって移動するレールに対して維持される。
【0074】
理解すべきことは、最小スケールにおいて動作範囲がマイクロメートル等級であり、またレール面は極端に平坦でなければならないことである。また駆動素子の高さを、非常に小さな許容誤差で調整する必要がある。モノリシックユニットは選択する材料に応じて特定の手順で研磨しなければならないが、レールは従来のラッピング及び研磨技術で平坦にすることができる。圧電セラミック材料は、研磨状態で材料の形状が変化するのを防ぐために、最終研磨の前に分極させ(極性を与え)なければならない。これは、取り付けられた電気キャリヤでモノリシックユニットを次に研磨しなければならないため、一般的な技術ではなく、通常は好ましくない。ソフト圧電材料は、短いならし運転によって所望の分極が行われるため、使用する前に必ずしも分極化させる必要はない。単純なモータにおいては、駆動素子の制御されていない高さの欠点は廉価な研磨シーケンスによって補正することができ、またこの場合、好適な解決方法は使用の前にモータを分極化させないことである。
【0075】
「把持」及び「解除」での時間依存速度ベクトル及び2つの駆動素子組間の重複時間の正確な選択は最適化された性能にとって重大であり、またこれらの面は他の文献において説明されている。非動的モータのエネルギー消費について考えてみると、ほとんどの理想的な駆動素子であっても材料の損失は無視できないため、垂直の動作は常に損失に関連する。従って、レール及び接点の両者の表面の平坦度の制御は、効率性の目的のためにも必要である。レールにおける材料特性の選択は、最適な性能にとって重要である。高ヤング係数は、接点における弾性変形の減少と、高垂直力での高平坦度を維持可能であることに対して利点がある。用途によって、レールの磨耗は、特に磨耗端(エッジ)が生成されるときに重大である。従って、駆動素子の接点よりも高い耐磨耗性を有するレールを使用することは有利である。レール及び駆動素子の接点の磨耗を減少させ、また同時に高垂直力の必要性を減らす別の方法がある。2つの面の間の分子力は、間隔が非常に狭く、約10ナノメートル未満であるときに重要となり、この効果はしばしば「ゲージブロック効果」と呼ばれる。レール及び駆動素子の接触面との間で例えば潤滑剤などの適切な気体または液体を使用することにより、表面を磨耗させることなく、垂直力が中程度またはゼロにおいて高摩擦力を達成することができる。これは極端に平坦な面を有する非動的モータにおいて有益である。
【0076】
特定の用途において必要な接線力に達することを可能にするには、垂直力及びレールと駆動素子接点の間の摩擦特性を適切に設計しなければならない。レール及び駆動素子に適した非常に硬質な材料の場合、摩擦係数が1未満であるため、垂直力を接線力よりもかなり高くなるよう選択しなければならない。しかしながら、例えばゴムなどの材料は幾分高い摩擦係数を有しているので、特定の用途においては有利である。硬度が幾分低いゴムの厚さは、駆動素子の自由な移動を可能にするよう十分に小さくなければならない。多くの利点を有する他の可能性は、レール及び駆動素子の両者で歯を使用することである。それにより、垂直力は実質的に減少し、また磨耗も減少する。歯を使用することの主な利点は、開ループ位置決めが非常に高精度で且つ正確に行えることである。歯は、今日の標準的なマイクロ機械加工技術で製造できる。
【0077】
高性能の非動的モータを設計する際に、考慮すべき側面は幾つかある。1つの重要な側面は材料の損失であり、これは材料の温度上昇につながる。例えば、圧電効果は強磁性材料のキュリー温度よりも高い温度で消えてしまうので、温度をこの限界よりも低く維持しなければならない。上昇温度のほとんどは、材料の熱膨張を生じさせ、様々な素子の拡散を増やし、また高分子成分に悪影響を及ぼす。従って、モノリシックユニットにおける温度を制御することが望まれ、またこれを行う1つの方法は、金属はかなり高い熱伝導を有するので、受動基材に電極層を追加することである。通常、これらの層は、接地極に連結される。ここに示す種類の非動的モータにおける主要な冷却経路は、駆動素子を通ってレールまで、及び電気接続部を通ってユニットまでである。高熱伝導を有する一体型の(総合)接触材料を使用すると、レールを通る冷却経路が改善される。
【0078】
製造シーケンスの重要なステップは、モノリシックユニットを電気的に接続することである。使用できる方法は幾つかあり、それぞれに利点と欠点がある。国際特許出願PCT/SE00/00063及びPCT/SE00/00064に提案されているように、ユニットは機械的技術あるいは接合技術でフレキシブルプリント回路基板に取り付けることができる。PCT出願PCT/SE00/00064に開示されているように、フレキシブルキャリヤのバネ力によって接触が行われ、これによって例えば分極化後の分解が可能となる。後の段階において、永久半田接合を行うことができる。フレキシブルキャリヤの上面における、スクリーン印刷の一般的な表面取付技術、または構成素子、この場合モノリシックユニットを配置する前の半田の分散は、大量生産において非常に有利である。モノリシックユニットは、フレキシブルキャリヤに垂直、またはフレキシブルキャリヤに平行な駆動素子と共に配置できる。垂直の配置の1つの利点は、モノリシックユニットの両面の電極、両位相及び接地電極を同時に簡単に接触させることができることである。欠点は、ユニット全体が垂直方向の機械サポートとして高分子を有することにある。モノリシックユニットがフレキシブルキャリヤの面に平行に置かれる場合、裏面に剛性で硬質のサポートを有することができる。この場合、位相と同じ面で接地接触を行うか、あるいは裏面にスマート接触を行う必要がある。図14において、図1に示すものと同様のユニットの裏面が示されている。付加的な電極層15が、受動基材部12に導入されている。これらの層を使用して、ユニットの(図示しない)「表」面から接地電極17a〜dを接触させることができる。別の技法は、フレキシブルキャリヤを分割して、キャリヤの一部を他方の面に届かせることである。フレキシブルキャリヤに対しての最終的な接触に関して考慮すべき詳細部分は幾つか存在する。ある用途においては、位相電極14a〜h(図1)と同様に接地電極17a〜dを好適に分割するが、これはスクリーン印刷プロセスにおいて必要なマスクの数を減少させることができる。
【0079】
接地電極は同様に完全に分離されることができ、この例においては最終的には16−ワイヤモータとなる。通常、接地電極を接続するが、主なワイヤの選択肢は2つある。全ての位相を分離したままで、9−ワイヤモータを提供するか、あるいは同期的に動作する組に属する位相を接続し、5−ワイヤモータを提供する。5−ワイヤモータは4位相モータとして考えることができる。素子aにおける位相の1つについて考察すると、この位相は素子cまたはdにおける別の位相に接続される。第1の選択肢により、同期的に動作する駆動素子間の距離は同一となり、また第2の選択肢により、ユニットの中央に関して対称となる。中央対称配列、すなわち素子aの左の位相は素子dの左の位相に接続され、また素子aの右の位相が素子dにおける右の位相に接続されるなどの配列が好適である。8相モータ(9ワイヤ)では、バイアス電圧を対応する相に印加することにより、異なる素子接点の、製造誤差などによる高さ位置の小さい調整を行うことが可能となる。例えば、駆動素子aが所望の値よりも0.1μm低いことがわかった場合、この伸びに相当するバイアス電圧を補正のためにこの素子の位相a及びbに印加することができる。
【0080】
添付の請求項により定義される本願発明の範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を本願発明に加えることが可能であることが当業者により明らかとなることが理解されよう。
【0081】
(付録1)
電気機械材料に基づく幾つかの異なるモータが提案され、その一部は商品化されている。様々な論文及び特許出願において開示されている様々な駆動機構を区別するために、物理的原理に従って、また特に小型モータの重要性に関して機構を分割することができる。更なる細別も可能である。異なる機構を以下に簡単に説明する。
【0082】
駆動機構の第1の分割は、動的機構と非動的機構の間で行われる。あるモータ部品の慣性及び/または時間依存物理効果を使用することにより、動的機構に基づく様々な電気機械モータを実現できる。通常、モータは特定の周波数範囲で動作することが可能なだけであり、低内部速度または周波数での動作は行われない。よく聞かれる超音波及び進行波モータは動的機構のグループに属し、後者は機械共振に基づくモータの特別な例である。
【0083】
開示されるモータ構成の主要部分は、圧電材料自身または圧電材料と機械的に結合した構造の機械共振に基づいている。被駆動部材は、共振する面または要素との断続的な周期的接触によって移動される。進行波モータにおいては、通常はロータである被駆動部材と幾つかの共振要素とは常に接触している。この機構における主な関心は、エネルギー節約と動作の拡大の可能性に関連している。共振におけるアクティブな構造はあまりエネルギーを消費することなく移動することができ、これは非常に効率的なモータにおいて理論的に利用することができる。構造を共振にいかに容易に至らせるかにより、より小さなあるいは大きな動作増幅を得ることができる。動作の拡大は、寸法が減少し、機械部分間のクリアランスが小さなときに重要である。実際面での欠点は、比較的高い磨耗と、故障無しに共振部分の大きな動作範囲を得ることが困難なことにある。
【0084】
モータによっては、慣性効果を使用するものもある。被駆動部材は、周期的なアクチュエータ素子との断続的な摩擦接触によって移動される。被駆動部材またはモータの他の部分の慣性を、通常は高速且つ平面的な動作によってアクチュエータ素子が別の接触位置まで自由に移動できるように選択する。1つのサイクルは、動的接触の生成、被駆動部材の移動、動的解除、及び開始位置への戻りから成る。動的性質により、サイクル周波数を特定の範囲内に維持することが必要となる。接触時間がサイクル時間に関して短い場合、慣性機構は衝撃機構となる。この機構の1つの重要な利点は、短い寿命及び中程度の力を使用する用途において、面を接触させる要求がそれほど高くないことにある。動的動作により、この機構は、位置決め及び分解能に関して非動的機構に劣っている。
【0085】
スティックスリップ機構は、アクチュエータ素子と被駆動部材の間のゼロ相対速度における摩擦係数の増加を使用する特別な慣性機構である。アクチュエータ素子の平面動作は、この場合必要ではない。摩擦係数は(通常)ゼロ相対速度で高くなるため、スリップ力よりも小さい力で、アクチュエータにより被駆動部材の所望の動作を得る。アクチュエータは、初期の高加速により、高速で後退する。アクチュエータの加速は、アクチュエータと移動させる部材との間の実際の滑りに対して十分に高くなるよう選択する。従って、被駆動部材の慣性を使用する。主な利点は構成が単純なことであり、主な欠点は部材の磨耗と、機構の制御できない性質である。
【0086】
特に、圧電モータの提案または開示された初期の構造は、衝撃機構に基づいていた。一般に、機械的な運動量(モーメント荷重)の一部は、振動するアクチュエータから移動部分に伝えられる。利点は構成が簡単なことであるが、動作の方向の変化と磨耗の問題を含む幾つかの欠点が存在する。
【0087】
非動的機構は、任意の低周波数またはアクティブな素子の速度において動作が行われることに特徴がある。被駆動部材は、把持、移動、解除及び戻りなどのシーケンスから成る動作サイクルを起こすアクチュエータ素子によって移動される。1つの素子(組)が解除を行っているとき、別の(組の)素子が被駆動部材を把持する。これは、少なくとも2つの把持要素(または要素のグループ)を提供し、交互の把持−解除機能を与えるよう構成しなければならないことを意味する。非動的機構の上限は通常、アクチュエータ素子の機械的共振が素子の移動、すなわち準静的制限に実質的に影響するサイクル周波数である。一般的に、非動的機構は、制御された位置決めが低〜中高速度で要求される場合に有利である。また、この機構により、様々な用途において最適化が容易となり、高動力を送ることが可能となる。主な欠点は、所望の機構を得るための構造に関する要求である。従って、性能を失わずに構成を簡素化する様々な方法は、大きな商業的利益に関する。以下に開示する非動的動作のための機構は、シャクトリムシ機構及び繊毛駆動素子を使用する機構である。
【0088】
「シャクトリムシ」機構において、被駆動部材はクランプ−拡張−クランプという機械的ステップによって移動される。位相を異にして運動するクランプ素子は少なくとも2組存在しなければならない。クランプ素子は、被駆動部材を移動させる中央拡張管に接続されている。各動作、すなわち拡張の間において、被駆動部材は、素子の両組によってクランプされ、静止する。
【0089】
繊毛駆動素子の使用により、一次元的にのみ移動することが可能な駆動素子で機械的ステッピングを実行することが可能になる。基本的には、位相を異にして動作する2組の素子が必要となる。1つの組は、垂直及び接線方向の間の方向に移動することができる。他方の組も垂直及び接線方向の間の方向に移動することが可能であるが、通常は垂直軸に関して、第1組に対して鏡像になっている。第1組が上昇すると、被駆動部材は垂直及び接線方向に移動される。第2組は上昇して被駆動部材に接触し、その後第1組が下降する。第2組が下降すると、被駆動部材は第1組のときと同じ方向に移動する。方向の変更は、2組の間の位相の変更により達成される。
【0090】
また、基本的に移動させる本体に接触して非動的である機構により動作を実行させることも可能であるが、機構は動的特性を有する特定の部分を含む。このような機構は制御された移動に対して使用することができ、被駆動部材に接触している組が(準)静的に動作し、被駆動部材に接触していない組がより動的に動作する2組の素子に基づいている。一般的に、被駆動部材に接触していない素子は、素子及び/または他の構成要素の慣性を使用して、解除から把持シーケンスにすばやく戻る。従って、被駆動部材は任意の低速度で移動させることが可能であるが、戻りシーケンスの周波数または速度は素子が自由に移動できるように十分に高くする必要がある。このような機構を準静的と呼ぶことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1は、本願発明で使用可能なモノリシック圧電駆動ユニットの概略図である。
【図2】
図2は、図1の駆動ユニットが本体を駆動するためにどのように配置されるかを示す図である。
【図3】
図3a〜dは、本願発明による単純な動作の概略図である。
【図4】
図4aは、本願発明による動作軌道を示す図である。
図4bは、従来技術による動作軌道を示す図である。
図4cは、本願発明による別の動作軌道を示す図である。
【図5】
図5は、図4による動作軌道を得るために必要な電極電圧を示す図である。
【図6】
図6a〜eは、本願発明による重複する把持及び解除シーケンスを有する動作の概略図である。
【図7】
図7は、本願発明に適した電子駆動装置を示す。
【図8】
図8は、駆動ユニットの好適な取付の実施例を示す。
【図9】
図9は、駆動ユニットの別の取付の平面図を示す。
【図10】
図10は、小さなストロークに適したモータ配置を示す。
【図11】
図11は、小さなストロークに適した別のモータ配置を示す。
【図12】
図12は、垂直力の応用の実施例を示す。
【図13】
図13は、垂直力の応用の別の実施例を示す。
【図14】
図14は、受動基材における接触電極を有する圧電ユニットの実施例を示す。

Claims (24)

  1. ウォーキングメカニズムによって駆動される複数の駆動素子(14a〜d)と、主動作方向(26)に移動する本体(22)とを有し、前記駆動素子の駆動部(28a〜d)が前記本体(22)の表面に沿って及び垂直に独立して移動可能である、電気機械アクチュエータ装置(10)を駆動する方法であって、
    駆動素子の第1組の駆動素子を、前記本体(22)を把持し、前記本体(22)を移動させ、前記本体(22)を解除し、前記第1組の駆動素子を元の位置に戻すという4つのサイクルシーケンスにおいて駆動するステップと、
    駆動素子の第2組の駆動素子を、前記本体(22)を把持し、前記本体(22)を移動させ、前記本体(22)を解除し、前記第1組の前記駆動素子を元の位置に戻すという4つのサイクルシーケンスにおいて駆動し、前記第2組の前記駆動が前記第1組の前記駆動に関連して位相シフトされ、前記第2組が前記第1組に対して排他的であり、少なくとも1つの組が各瞬間で前記本体(22)の表面に接触するステップと、を含み、
    前記第1組の前記把持シーケンスが、無視できない移送期間において前記第2組の解除シーケンスに重なるので、駆動素子の前記第1及び前記第2組の両方が同時に前記本体(22)に接触し、
    前記第2組の前記把持シーケンスが、無視できない移送期間において前記第1組の解除シーケンスに重なるので、駆動素子の前記第1及び前記第2組の両方が同時に前記本体(22)に接触し、
    駆動素子の前記第1及び前記第2組の前記駆動が、前記交替での把持シーケンスの間に、前記駆動素子の前記駆動部を前記主動作方向(26)に重要な成分を有する速度で駆動するステップを含むことを特徴とする方法。
  2. 前記第1組の駆動素子の前記主動作方向(26)の前記速度成分は、前記移送期間において、前記第2組の駆動素子の前記主動作方向(26)における速度成分とほぼ同一であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記交替での駆動ステップは、速度スケジュールに応じた前記把持、移動及び解除シーケンスの間に、前記駆動素子の前記駆動部の前記主動作方向(26)における速度成分を制御するステップを含むことを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記速度スケジュールが、主動作方向(26)における一定速度の区間を含むことを特徴とする請求項3に記載の方法。
  5. 前記速度スケジュールが、移動する本体(22)の表面にほぼ垂直な方向における2つの異なる素子の相殺する動作を含むことを特徴とする請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記速度スケジュールが、加速の区間と減速の区間を含むことを特徴とする請求項3、4または5に記載の方法。
  7. 前記交替での駆動ステップが、前記アクチュエータ素子(14a〜d)の前記駆動部(28a〜d)を、前記移動シーケンスの間に、実質的に前記主動作方向(26)に沿って移動させるステップを含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記サイクルステップのそれぞれをマイクロステップに分割し、それにより、前記駆動ステップが、駆動動作の分解能を向上させるために前記マイクロステップのそれぞれにおいて中断可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記駆動ステップが中断されたときに、全てのアクチュエータ素子の前記駆動部(28a〜d)を前記本体(22)の表面に接触させる更なるステップを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 前記第1及び第2組のサイクルステップ長さを可能な最大ステップ長さと比較して縮小することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 駆動素子の組の2つの位相の電圧がほぼ同一であるときに、駆動シーケンスを中断する更なるステップを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記本体(22)を把持し、前記本体(22)を移動させ、前記本体(22)を解除し、元の位置に戻る4つのサイクルシーケンスにおいて、駆動素子の追加の組の駆動素子を駆動する更なるステップを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. ウォーキングメカニズムによって駆動される複数の駆動素子(14a〜d)と、
    主動作方向(26)に移動する本体(22)であって、それによって前記駆動素子(14a〜d)の駆動部(28a〜d)が前記本体(22)の表面に平行及び垂直に独立して移動可能である本体(22)と、
    駆動素子の第1組の駆動素子を、前記本体(22)を把持し、前記本体(22)を移動させ、前記本体(22)を解除し、前記第1組の前記駆動素子を元の位置に戻すという4つのサイクルシーケンスで駆動するため、及び、駆動素子の第2組の駆動素子を、前記本体(22)を把持し、前記本体(22)を移動させ、前記本体(22)を解除し、前記第1組の前記駆動素子を元の位置に戻すという4つのサイクルシーケンスで駆動するための駆動手段であって、前記第2組の前記駆動が前記第1組の前記駆動に関して位相シフトされ、前記第2組が前記第1組に対して排他的であり、組の少なくとも1つが各瞬間において前記本体(22)と接触する駆動手段と、を含み、
    前記第1組の前記把持シーケンスが、無視できない移送期間において前記第2組の前記解除シーケンスと重なるので、駆動素子の前記第1及び第2組の両方が同時に前記本体(22)に接触し、
    前記第2組の前記把持シーケンスが、無視できない移送期間において前記第1組の前記解除シーケンスと重なるので、駆動素子の前記第1及び第2組の両方が同時に前記本体(22)に接触し、
    前記交互の駆動手段が、前記第1及び前記第2組の前記駆動部(28a〜d)を、前記把持シーケンスの間、前記主動作方向(26)に重要な成分を有する速度で駆動する手段を含むことを特徴とする電気機械アクチュエータ装置(10)。
  14. 前記駆動素子(28a〜d)が、モノリシック体の受動部によって接続される前記モノリシック体の能動部であり、また前記受動部が追加の電極層(15)を更に含むことを特徴とする請求項13に記載の電気機械アクチュエータ装置。
  15. 前記追加の電極層(15)が、熱伝導率を向上させるために、接地されていることを特徴とする請求項14に記載の電気機械アクチュエータ装置。
  16. 前記駆動部(28a〜d)が、高熱伝導率を有する材料で生成されることを特徴とする請求項13、14または15に記載の電気機械アクチュエータ装置。
  17. 前記組が、前記電気機械アクチュエータ装置(10)の中心に対して実質的に対称であることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の電気機械アクチュエータ装置。
  18. 前記駆動素子(14a〜d)が、前記駆動部(28a〜d)と前記本体(22)の間の接触面(74)に実質的に取り付けられたバネ手段(78)によって、前記本体(20)に対して保持されることを特徴とする請求項13〜17のいずれか1項に記載の電気機械アクチュエータ装置。
  19. 前記本体(22)に垂直力(24)を加えるために、前記本体(22)に接触するリニア軸受(102)と、前記リニア軸受(102)と前記駆動素子(14a〜d)の間に接続されたバネ手段(100)と、を特徴とする請求項13〜18のいずれか1項に記載の電気機械アクチュエータ装置。
  20. 前記本体(22)に垂直力(24)を加えるために、前記本体(22)に接触するボールまたはローラ(104)と、前記ボールまたはローラ(104)と前記駆動素子(14a〜d)の間に接続されたバネ手段(100)と、を特徴とする請求項13〜18のいずれか1項に記載の電気機械アクチュエータ装置。
  21. 前記駆動素子(14a〜d)に機械的に接続する2つの片持ち梁(90、92)を特徴とし、前記本体が前記片持ち梁(90)の間に取り付けられ、前記片持ち梁(90)が前記主動作方向(26)において移動可能である請求項13〜20のいずれか1項に記載の電気機械アクチュエータ装置。
  22. スリット(94)を有するバネ板(92)からなるバネを特徴とし、前記バネ板(92)が、バネ板の法線に垂直な少なくとも1つの方向において相殺する動作を有する幾つかの平行な片持ちバネとして動作する請求項21に記載の電気機械アクチュエータ装置。
  23. 駆動素子(14a〜d)の駆動部(28a〜d)及び移動する本体(22)の両方における歯を特徴とする請求項13〜22のいずれか1項に記載の電気機械アクチュエータ装置。
  24. 駆動素子(14a〜d)の駆動部(28a〜d)と移動する本体(22)の間の非固形材料を特徴とする請求項13〜23のいずれか1項に記載の電気機械アクチュエータ装置。
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