JP2004504740A - Tdmaバースト通信システムにおけるビット検出閾値 - Google Patents
Tdmaバースト通信システムにおけるビット検出閾値 Download PDFInfo
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Abstract
非常に短時間のバースト送信によって特徴づけられるTDMAシステムのようなディジタル通信システムにおいて受信ビット検出閾値を最適に調節するための方法が開示されている。この発明の1つの実施例では、空中および地上ベースの放送型自動従属監視(ADS−B)サービスのためのメッセージの送信および受信のために半二重無線モデムが使われている。送信信号を受信パスに供給するために、送信/受信ユニット内に、フィードバック・パスが設けられている。ビット検出閾値調節回路は送信信号を取り込む。この回路はそのアナログ・ベースバンド信号をディジタル化し、正および負にピーク値を検出し、ピーク・ツゥ・ピークの変位値を計算してビット検出閾値を決める。
【選択図】図2
【選択図】図2
Description
【0001】
発明の分野
この本発明は、時分割多元接続(TDMA)バースト通信システムを改良するための方法およびシステムに関し、より詳しく言えば、TDMA通信システムにおけるビット検出閾値を最適に調節ための方法およびシステムに関する。
【0002】
発明の背景
デジタル通信システムにおいては、高い効率のデータ・リンク性能を実現するためには、送信局と受信局の間のデータ・タイミングを同期させることが非常に重要である。代表的には、このようなシステム内の受信機は、データのクロック・タイミングを復元するための回路を使って信号を連続的に監視する。信号のクロックが検出されたら、そのデータは分離され、データ・メッセージの同期を決定するために解析される。これにより信号が受信器により復元されることが可能になる。送信される変調信号が常時存在するシステム、または送信が長時間であるシステムでは、正確なデータ・タイミングの同期を達成しかつ維持するために、コスタス・ループ(Costas Loop)やカルマン・フィルタリング(Kalman filtering)のなどの技術が利用できる。
【0003】
しかしながら、TDMA通信システムでは、とりわけ送信が非常に短時間にかつ高いビット・レートで行われるときに、正確なデータ・タイミングの同期を達成するための既存の技術の多くは使えないか、受容できない悪い結果を生じるか、および/または特性的に非効率である。例えば、短時間の(すなわちバースト)TDMA通信のタイミングを分離し決定する目的で、受信器からの出力が連続的にサンプリングされ、そのデータが記憶され、リアルタイムで統計的に解析されるようにすることができる。このタイプの方式は一般的に従来の強力なDSP技術を使って実現される。このタイプのデータ・タイミング同期の欠点は、大抵非効率でありまた実現に金がかかることである。
【0004】
TDMAバースト通信システムにおいてデータ・タイミング同期を正確に行うためには、アナログ・ベースバンド出力信号にたいする受信器バイアス電圧の影響を無くすることが必要である。弁別器は、受信された信号の周波数の変位を、バイアス電圧と一緒に、時間に対する電圧の変化に変換する。このバイアス電圧は、温度、構成要素の経年変化、およびその他のファクタのために変化する。このバイアス電圧のこれらの変動すなわちオフセットは、時間変化をする電圧を検出されたビットに正確に変換するたデータ検出回路の性能に悪影響を及ぼす。より詳しく説明すると、オフセット・このバイアス電圧が変化するにつれて、弁別器の理想的な受信ビット検出閾値が中心値からずれていく。そしてこれはビット・エラー率の増大を引き起こす傾向を持つ。このようなシステムはメガビットのデータ・レートで動作するので、弁別器のデータ・ビット閾値の中心からの僅かなずれにより、データが失われることになる。
【0005】
したがって、TDMAバースト通信システムにおいて受信ビット検出閾値を最適に調節するためのシステムおよび方法に対する満足されない要求が存在する。このような通信システムでは、受信ビット検出閾値が調節されると、時間同期を決定することはずっと容易な仕事になる。なぜなら、正しいオフセットでのサンプリングは、受信器の同期プロセスが時間の不確実さだけを解決することを可能にするからある。このようなシステムおよび方法は、アナログ・ベースバンド出力信号のサンプリングおよび/または後処理を行う必要がない簡単化されたプロセスになる。
【0006】
発明の開示
本発明は、短時間TDMAバースト通信システムの改良である。一般的に説明すると、この発明は、自己発生された送信信号、代表的には車や飛行機などにより発生される自機信号を監視し、受信器により受信された他からの信号のためのビット検出閾値の設定に使用するために送信信号の中心を決定する。この発明は、送信信号を使って弁別器を校正することにより弁別器のドリフトの問題を解決する。本発明による1つのシステムは、送信信号にもとづいて変位を検出し補正する。
【0007】
本発明の1つの実施例では、デジタル通信システムにおいて受信ビット検出閾値を調節するための方法が提供される。この方法は、自己発生された(すなわち“自機”)放送信号を受信すること、自己発生された放送信号の中央周波数を決定すること、その中央値にもとづいてビット検出閾値を調節することを含む。
【0008】
自己発生された放送信号の中央値を決定することは、代表的には自己発生された放送信号の正のピーク値および負のピーク値を検出すること、および自己発生された放送信号のピーク・ツゥ・ピークの変位を決定することを含む。正および負のピーク値は、自己発生された放送信号の送信と同時に評価される。
【0009】
多くの用途では、短期のジッタを低減させさらにビット検出閾値を決めるために、ピーク・ツゥ・ピークの変位の決定の後にフィルタリング・プロセスが含められる。代表的には、自己発生された放送信号が送信/受信ユニットの内部の送信信号レベル・フィードバック・パスの中間レベル周波数フィードバック・パスを通じて受信される。
【0010】
この発明の別の実施例では、TDMA通信システム内に実現されたビット検出閾値調節回路が示されている。この回路は、予め決められたデータ・レートで信号をサンプリングすることによりアナログ・ベースバンド入力信号をデジタル化するアナログ−ディジタル(A/D)変換器と、A/D変換器に電気的に接続され、A/D変換器から信号を受け取り正および負のピーク値を決定する正/負ピーク検出器を含む。さらに、この回路は、負および正のピーク検出器にデータ通信接続され、ビット検出閾値を算出するためにピーク・ツゥ・ピーク変位を計算する計算タスク・ユニットを含む。ビット検出閾値はビット検出器に送られ、A/D変換器からのサンプリングされた信号と共に、デジタル化された信号をデジタル化されたデータのビット・ストリームに変換するために使用される。
【0011】
代表的には、この回路は、計算タスク・ユニットにデータ通信接続され、短期のジッタを低減させさらにビット検出閾値を決めるためにピーク・ツゥ・ピーク値をフィルタリングするフィルタを含む。
【0012】
本発明の1つの実施例によるシステムは、ドリフトするかもしれないダイナミック・レンジ全体にわたってリニヤであるほど十分広い無線周波数(RF)受信器の弁別器を使っている。この受信器は送信中も活性のままであり、送信されるRF信号を監視するために送信/受信スイッチにフィードバック・パスが設けられている。この送信RF信号は非常にクリーンな信号であり、周波数の変位により決まる正および負のピークを持つ。アナログ・ベースバンド送信信号はデジタル信号に変換され、その後ディジタル・プロセスがピークを測定し、中心値を決定する。この中心値はTDMAのビット検出閾値として設定される。中心は、ピークの平均であるようにとることができる。
【0013】
本発明の他の実施例によれば、中間周波数レベルでのフィードバック・パスが設けられる。この実施例では、短い変調パターンが航空機の無線機の内部で送信され、弁別器を校正するために自機信号の代わりに使われる。この技術は、RF電力増幅器が非動作にされていて、短いバースト通信信号が送信できない受信オンリ動作モードにおいて役に立つ。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明の好ましい実施例が示されている添付の図面を参照しながら、この後より完全に、本発明が説明されるであろう。しかしながら、この発明は多数の異なる形で実施されることができ、ここに開示されている実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例はこの開示が徹底的であり完全であり、この発明の範囲をこの分野の専門家に十分に伝えるために提供されている。
【0015】
図1を参照すると、本発明の1実施例にしたがって、デジタル通信システムにおいて受信ビット検出閾値を調節するための方法の流れ図が示されている。関心を持つデジタル通信システムは、代表的には、高いデータ・レートでの短時間(すなわちバースト)の通信によって特性づけられる時分割多元接続(TDMA)を含であろう。本発明のビット検出閾値調節方式を他のデジタル通信システムに利用することもまた考えられることであり、ここに開示されている発明思想の内部にある。本発明の1つの実施例では、TDMAバースト通信システムは、例えば、空中または地上ベースの通信のためのメッセージの送信において広く使用されている放送型自動従属監視(ADS−B)システムに採用されるであろう。しかしながら、本発明はその用途に限定されず、他のTDMAバースト通信システムにおける広範な用途を持つことは理解されるであろう。
【0016】
ステップ10において、ビット検出閾値調節プロセスは、航空機またはすべての他の乗り物によって送信される“自機”の放送メッセージのような、自己発生された放送信号を受信する。例として、ADS−Bサービスでは、各々の装備した航空機は、位置および速度のようなそれぞれの状態ベクトル情報を含むメッセージを、代表的な間隔では1秒間に1回放送する。この分野の専門家によって知られているように、“自機放送メッセージ”(すなわち、自己発生された放送信号)という語句は航空機によって送信される信号を意味し、また“オフエア放送メッセージ”という語句は“自機”航空機によって受信される,その通信システムにおいて他の存在によって送信された信号を意味する。
【0017】
受信器のビット検出回路において“自機”送信メッセージを監視または受信するために、代表的には、通信システムの送/受信ユニット内部にフィードバック・パスを備えることが必要とされるであろう。本発明の1実施例では、半二重ラジオ・モデムが送/受信ユニットとして使用されており、フィードバック・パスは送信パスから受信パスに送信信号を吸い上げるためにモデムの内部に設けることができる。フィードバック信号を受信器に供給するためのいろいろな手段が使用でき、ここに開示されている発明の範囲内である。例として、詳細な説明においてこの後に詳しく説明される図2は、モデムのような通信リンク内にフィードバック・パスを設けるための2つの実施例を示している。
【0018】
さらに、ビット検出閾値調節プロセスが自己発生された放送信号を受信するためには、“自機”メッセージの送信が発生している間は、受信器の検出回路が活性にされた状態(すなわちアームド)のままでなければならず、また“自機”メッセージの送信が完了したときは非活性にされた状態(すなわちアンアームド)になることが必要である。これは、ビット検出閾値調節プロセスが“自機”放送メッセージに限定され、受信器がオフエア信号(すなわち他機からのメッセージ)を受信しているときは受信しないことを保証する。
【0019】
ステップ20において、ビット検出閾値調節プロセスは自己発生された放送信号の中央値を決定する。この発明の1実施例では、中央値の決定は、自己発生された放送信号にたいする正および負の周波数値を検出すること、および自己発生された放送信号のピーク・ツゥ・ピークの変位を決定することを必要とする。例えば、ADS−Bサービスにおける送信信号は、代表的には、周波数偏位範囲により決められた明瞭な正および負の周波数のピークを持つ、非常にクリーンな信号である。ビット検出閾値調節プロセスは送信信号におけるこれらの周波数のピークを検出し、次にピーク・ツゥ・ピークの変位、すなわち中央値を計算する。
【0020】
ステップ30において、ビット検出閾値調節プロセスは、中央値にもとづいて、受信器のビット検出閾値を調節する。この発明の実施例では、ピーク・ツゥ・ピーク変位は、測定中の短期ジッタを低減させるために濾波を受ける。濾波プロセスの出力がビット検出閾値であり、論理の1と0状態の中間点として定義される。ビット検出閾値は、サンプルされたデータをディジタル・ビット・ストリームに変換する働きをするビット検出器に送られる。
【0021】
図2は、本発明の1実施例による、半二重モデム回路100内の提案された送信フィードバック・パスの説明図である。信号を送信および受信するための他の手段も本発明のデジタル通信システムに使うことができ、そして他の送信/受信方式に関係する他のフィードバック・パスも本発明の思想の範囲に含まれる。示されている実施例では、バイナリ・フリーケンシ・シフト・キード(BFSK)変調が無線周波数(RF)の変調技術として使われる。BFSK変調では、RF搬送波の周波数をより高い値にシフトさせることにより2値論理の“1”の値が表わされ、RF搬送波の周波数をより低い値にシフトさせることにより2値論理の“0”の値が表わされる。
【0022】
自機のデータの送信は、送信制御信号100を活性化することにより、送信パスを通して開始される。送信制御信号100は、回路に電力を供給し、FM変調器を120を活性化させて送信されるデータのビット・ストリームの変調を開始させる。
【0023】
通常のADS−Bサービスでは、各航空機は、その状態ベクトル(位置と速度)を含むメッセージを1秒間に1回放送する。この放送メッセージのフォーマットは、特有の同期パターンを定める最初の36ビットのビット列を含む。ADS−Bサービスが受信オンリ・モードで動作しているときは、サービスはメッセージを放送しない。しかしながら、システムはなおメッセージを受信しているので、自己発生された信号を使ってシステムを校正する必要がある。したがって、受信オンリ・モードでは、代表的に同期パターンを含まず、それゆえ他の航空機や基地局によって検出されない1つのアイドル・パターンが送信される。この説明のためには、通常のADS−Bサービス放送メッセージと受信オンリ・モードのアイドル・パターンの両方がまとめて、本発明の校正プロセスにおいて使われる“自機”メッセージ/送信と呼ばれる。
【0024】
自機メッセージの送信は、回路に電力を供給し、FM変調器を120を活性化させて送信されるデータのビット・ストリームの変調を開始させる送信制御信号100を活性化することにより、送信パスを通して開始される。FM変調器は、送信ビット・ストリームを周波数変調された信号に変換する。本発明によれば、“自機”送信は、ビット検出閾値が調節できるように、FM弁別器の130の直流オフセットを決定するために使われる。“自機”送信がFM弁別器の130に送られるようにするために、送信信号が受信パスに吸い上げられるように、フィードバック・パス140が設けられている。本発明の1実施例では、フィードバック・パス140は、RF電力増幅器150が動作可能にされる前の、中間周波数レベルにおいてループバック機能を果たす。有利なことに、この実施例は、ユニットが受信オンリ・モードに構成されているかのように、RF信号をアンテナ160から送信することなく、閾値の調節を行うことを可能にする。この例では、アイドル・パターンは、閾値調節のための“自機”メッセージの役目を果たす。図示されていないが、送信パスおよび受信パスを選択的に接続するために、送信回路により駆動されるスイッチをフィードバック・パス140に含めることもできる。
【0025】
フィードバック・パス140により自機送信信号が受信パスに供給されると、信号は信号のチャネルを狭めるIFフィルタを通過し、次にFM弁別器130に入る。FM弁別器は、受信信号の周波数の変位を電圧変化対時間に変換する働きをする。説明のために、ビットの間隔はほぼ1マイクロ秒であり、周波数のシフトは+/−300キロヘルツ(kHz)とする。代表的なFM弁別器では、論理1の周波数を表す信号を受信しているときは約2.0ボルトの出力が存在し、論理0の周波数を表す信号を受信しているときは約1.0ボルトの出力が存在する。
【0026】
発明の背景において説明したように、FM弁別器の1つの特徴は、直流オフセットにたいして非常に敏感であることである。このドリフトを無くするための回路の補償は、問題を含みまたコストがかかる。FM弁別器のもう1つの特徴は、RF入力信号がないときは、出力はハイレベルのノイズからなることである。RF信号があるときは、ノイズのレベルは大きく減少し(FMの“静粛”効果)、望ましい変調が弁別器の出力信号内で優勢になる。FM弁別器の直流オフセットに影響を及ぼす可能性のある他のファクタ(相対的な航空機の動きに起因するドップラ・シフトなど)は、BFSK変調によるRF搬送波の通常の変位に比べて小さい。したがって、これらの重要でないファクタは直流オフセットのドリフトを低減させるという目的のためには無視できる。
【0027】
また、フィードバック・パス180は、通常のADS−Bサービス中のように送信されるRF信号を使って、ループバック機能を行うように設けることもできる。この実施例では、送信信号は、送信/受信スイッチ190を通って、寄生的に受信パスに漏れる。上に説明したように“自機”データの送信は、送信制御信号110を活性化することにより開始される。信制御信号100は、回路に電力を供給し、FM変調器を120を活性化させて送信データのビット・ストリームの変調を開始させる。局部発振器200からの周波数が、ミクサ210において送信信号に加えられる。混合された信号は次に、十分な送信電力を与えるために、RF送信電力増幅器において増幅される。信号が送信/受信スイッチ190およびアンテナ160に送られる前に、信号は送信/受信スイッチを通って受信パスに寄生的に漏洩する。
【0028】
送信信号が受信パスに漏れると、その信号は、信号を関心のある帯域に制限する働きをするフロント・エンド・フィルタ220および十分な受信電力を与えるために信号を増幅するRF受信電力増幅器230を通る。局部発振器200からの周波数がミクサ240において受信信号に加えられ、その結果の信号は次に先に説明したIFフィルタ170およびFM弁別器130に送られる。有利なことに、この実施例は、送信信号がスイッチ190を通って漏れるので、モデム回路100の物理的な変更は何も必要とせず、モデムの通常の送信動作中でも発生することができる。
図3を参照すると、本発明の実施例による、説明のためのビット検出回路300が示されている。ここに説明されているビット検出回路の要素は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せで実現され得ることは、この分野の専門家には理解されるであろう。このビット検出回路において、図2のモデムまたは他の送信/受信ユニットからのアナログ・ベースバンド信号が処理される。まず、フィードバック・パスがどのように行われるかにかかわらず、A/D変換器310が、データ・レートの整数倍で、アナログ・ベースバンド信号をサンプリングする。送信器が活性化されると、FMの静粛効果が起きる前の高い雑音レベルでそれらが飽和しないように、正ピーク検出回路320および負ピーク検出回路330がアームされる。検出回路320,330がアームされているときは、それらは保持されていた古い値を消去し、それぞれハイおよびロウのピーク入力値の追従を開始する。
【0029】
送信が完了すると、正および負のピーク検出器320,330はディスアームされ、それらが測定した値は計算タスク・ユニット340により読み込まれる。計算タスク・ユニット340は、正および負のピーク値の間の平均値を見つけ出し(平均化)、次にフィルタ350が測定中の短期ジッタを低減させるために、フィルタリング・プロセスを加える。フィルタ350の出力は、論理1と0の状態の間の中間点を表す信号の値であり、ビット検出の閾値である。結果として得られる検出の閾値は、ビット検出器360に送られる。
【0030】
この点に関して、ビット検出閾値は自機がメッセージを放送するたびに更新されるので、短期および長期のドリフトが自動的に補償される。ビット検出器360は、この閾値を使って、デジタル化されたベースバンド出力を2値データのストリームに変換する。ADS−Bサービスのための実施例では、メッセージ受信プロセスはこのデータ・ビット・ストリームを使って、他の航空機より送られたADS−Bメッセージの受信のために、理想的な時間同期を達成する。
【0031】
好ましい実施例では、A/D変換器310、正および負ピーク検出回路320,330およびビット検出器360はハードウェアで実現されることができ、計算タスク・ユニット340とフィルタ350はソフトウェアで実現されることができる。
【0032】
本発明は、TDMAバースト通信システムにおける受信ビット検出閾値を最適に調節するためのシステムと方法に対する満足されないニーズに向けられている。したがって、本発明の検出閾値調節方式を採用したシステムでは、時間同期の検出はずっと容易なタスクになる。ここに説明されたシステムと方法は、アナログ・ベースバンド出力信号のサンプリングおよび/または後処理を行う必要を無くした簡単化されたプロセスを提供する。
【0033】
上記の説明中に提示された教示や付属の図面のおかげで、この発明が属する分野の専門家には、本発明の多数の部分的な変更や他の実施例が思い浮かぶであろう。したがって、本発明は開示されている具体的な実施例に限定されるべきではなく、また部分的な変更や他の実施例も添付された請求項の範囲内に含めることが意図されていることは理解されるべきである。ここでは具体的な語が用いられているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使われており、限定の目的では使われていない。
【図面の簡単な説明】
本発明の利点のいくつかが説明されたので、添付の図面−必ずしも正確な縮尺で描かれていない−とともに考慮されたとき、他の利点も説明が進むにつれて明らかになるであろう。
【図1】図1は、本発明の1実施例にしたがって、デジタル通信システムにおいて受信ビット検出閾値を調節するための方法の流れ図である。
【図2】図2は、デジタル通信ネットワークにおける説明例のRF送信器(すなわちモデム)のハイレベルの概略ブロック線図である。
【図3】図3は、図1の回路と共に使用するのに適した、本発明の1実施例による、ビット検出閾値処理回路のハイレベルの概略ブロック線図である。
発明の分野
この本発明は、時分割多元接続(TDMA)バースト通信システムを改良するための方法およびシステムに関し、より詳しく言えば、TDMA通信システムにおけるビット検出閾値を最適に調節ための方法およびシステムに関する。
【0002】
発明の背景
デジタル通信システムにおいては、高い効率のデータ・リンク性能を実現するためには、送信局と受信局の間のデータ・タイミングを同期させることが非常に重要である。代表的には、このようなシステム内の受信機は、データのクロック・タイミングを復元するための回路を使って信号を連続的に監視する。信号のクロックが検出されたら、そのデータは分離され、データ・メッセージの同期を決定するために解析される。これにより信号が受信器により復元されることが可能になる。送信される変調信号が常時存在するシステム、または送信が長時間であるシステムでは、正確なデータ・タイミングの同期を達成しかつ維持するために、コスタス・ループ(Costas Loop)やカルマン・フィルタリング(Kalman filtering)のなどの技術が利用できる。
【0003】
しかしながら、TDMA通信システムでは、とりわけ送信が非常に短時間にかつ高いビット・レートで行われるときに、正確なデータ・タイミングの同期を達成するための既存の技術の多くは使えないか、受容できない悪い結果を生じるか、および/または特性的に非効率である。例えば、短時間の(すなわちバースト)TDMA通信のタイミングを分離し決定する目的で、受信器からの出力が連続的にサンプリングされ、そのデータが記憶され、リアルタイムで統計的に解析されるようにすることができる。このタイプの方式は一般的に従来の強力なDSP技術を使って実現される。このタイプのデータ・タイミング同期の欠点は、大抵非効率でありまた実現に金がかかることである。
【0004】
TDMAバースト通信システムにおいてデータ・タイミング同期を正確に行うためには、アナログ・ベースバンド出力信号にたいする受信器バイアス電圧の影響を無くすることが必要である。弁別器は、受信された信号の周波数の変位を、バイアス電圧と一緒に、時間に対する電圧の変化に変換する。このバイアス電圧は、温度、構成要素の経年変化、およびその他のファクタのために変化する。このバイアス電圧のこれらの変動すなわちオフセットは、時間変化をする電圧を検出されたビットに正確に変換するたデータ検出回路の性能に悪影響を及ぼす。より詳しく説明すると、オフセット・このバイアス電圧が変化するにつれて、弁別器の理想的な受信ビット検出閾値が中心値からずれていく。そしてこれはビット・エラー率の増大を引き起こす傾向を持つ。このようなシステムはメガビットのデータ・レートで動作するので、弁別器のデータ・ビット閾値の中心からの僅かなずれにより、データが失われることになる。
【0005】
したがって、TDMAバースト通信システムにおいて受信ビット検出閾値を最適に調節するためのシステムおよび方法に対する満足されない要求が存在する。このような通信システムでは、受信ビット検出閾値が調節されると、時間同期を決定することはずっと容易な仕事になる。なぜなら、正しいオフセットでのサンプリングは、受信器の同期プロセスが時間の不確実さだけを解決することを可能にするからある。このようなシステムおよび方法は、アナログ・ベースバンド出力信号のサンプリングおよび/または後処理を行う必要がない簡単化されたプロセスになる。
【0006】
発明の開示
本発明は、短時間TDMAバースト通信システムの改良である。一般的に説明すると、この発明は、自己発生された送信信号、代表的には車や飛行機などにより発生される自機信号を監視し、受信器により受信された他からの信号のためのビット検出閾値の設定に使用するために送信信号の中心を決定する。この発明は、送信信号を使って弁別器を校正することにより弁別器のドリフトの問題を解決する。本発明による1つのシステムは、送信信号にもとづいて変位を検出し補正する。
【0007】
本発明の1つの実施例では、デジタル通信システムにおいて受信ビット検出閾値を調節するための方法が提供される。この方法は、自己発生された(すなわち“自機”)放送信号を受信すること、自己発生された放送信号の中央周波数を決定すること、その中央値にもとづいてビット検出閾値を調節することを含む。
【0008】
自己発生された放送信号の中央値を決定することは、代表的には自己発生された放送信号の正のピーク値および負のピーク値を検出すること、および自己発生された放送信号のピーク・ツゥ・ピークの変位を決定することを含む。正および負のピーク値は、自己発生された放送信号の送信と同時に評価される。
【0009】
多くの用途では、短期のジッタを低減させさらにビット検出閾値を決めるために、ピーク・ツゥ・ピークの変位の決定の後にフィルタリング・プロセスが含められる。代表的には、自己発生された放送信号が送信/受信ユニットの内部の送信信号レベル・フィードバック・パスの中間レベル周波数フィードバック・パスを通じて受信される。
【0010】
この発明の別の実施例では、TDMA通信システム内に実現されたビット検出閾値調節回路が示されている。この回路は、予め決められたデータ・レートで信号をサンプリングすることによりアナログ・ベースバンド入力信号をデジタル化するアナログ−ディジタル(A/D)変換器と、A/D変換器に電気的に接続され、A/D変換器から信号を受け取り正および負のピーク値を決定する正/負ピーク検出器を含む。さらに、この回路は、負および正のピーク検出器にデータ通信接続され、ビット検出閾値を算出するためにピーク・ツゥ・ピーク変位を計算する計算タスク・ユニットを含む。ビット検出閾値はビット検出器に送られ、A/D変換器からのサンプリングされた信号と共に、デジタル化された信号をデジタル化されたデータのビット・ストリームに変換するために使用される。
【0011】
代表的には、この回路は、計算タスク・ユニットにデータ通信接続され、短期のジッタを低減させさらにビット検出閾値を決めるためにピーク・ツゥ・ピーク値をフィルタリングするフィルタを含む。
【0012】
本発明の1つの実施例によるシステムは、ドリフトするかもしれないダイナミック・レンジ全体にわたってリニヤであるほど十分広い無線周波数(RF)受信器の弁別器を使っている。この受信器は送信中も活性のままであり、送信されるRF信号を監視するために送信/受信スイッチにフィードバック・パスが設けられている。この送信RF信号は非常にクリーンな信号であり、周波数の変位により決まる正および負のピークを持つ。アナログ・ベースバンド送信信号はデジタル信号に変換され、その後ディジタル・プロセスがピークを測定し、中心値を決定する。この中心値はTDMAのビット検出閾値として設定される。中心は、ピークの平均であるようにとることができる。
【0013】
本発明の他の実施例によれば、中間周波数レベルでのフィードバック・パスが設けられる。この実施例では、短い変調パターンが航空機の無線機の内部で送信され、弁別器を校正するために自機信号の代わりに使われる。この技術は、RF電力増幅器が非動作にされていて、短いバースト通信信号が送信できない受信オンリ動作モードにおいて役に立つ。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明の好ましい実施例が示されている添付の図面を参照しながら、この後より完全に、本発明が説明されるであろう。しかしながら、この発明は多数の異なる形で実施されることができ、ここに開示されている実施例に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施例はこの開示が徹底的であり完全であり、この発明の範囲をこの分野の専門家に十分に伝えるために提供されている。
【0015】
図1を参照すると、本発明の1実施例にしたがって、デジタル通信システムにおいて受信ビット検出閾値を調節するための方法の流れ図が示されている。関心を持つデジタル通信システムは、代表的には、高いデータ・レートでの短時間(すなわちバースト)の通信によって特性づけられる時分割多元接続(TDMA)を含であろう。本発明のビット検出閾値調節方式を他のデジタル通信システムに利用することもまた考えられることであり、ここに開示されている発明思想の内部にある。本発明の1つの実施例では、TDMAバースト通信システムは、例えば、空中または地上ベースの通信のためのメッセージの送信において広く使用されている放送型自動従属監視(ADS−B)システムに採用されるであろう。しかしながら、本発明はその用途に限定されず、他のTDMAバースト通信システムにおける広範な用途を持つことは理解されるであろう。
【0016】
ステップ10において、ビット検出閾値調節プロセスは、航空機またはすべての他の乗り物によって送信される“自機”の放送メッセージのような、自己発生された放送信号を受信する。例として、ADS−Bサービスでは、各々の装備した航空機は、位置および速度のようなそれぞれの状態ベクトル情報を含むメッセージを、代表的な間隔では1秒間に1回放送する。この分野の専門家によって知られているように、“自機放送メッセージ”(すなわち、自己発生された放送信号)という語句は航空機によって送信される信号を意味し、また“オフエア放送メッセージ”という語句は“自機”航空機によって受信される,その通信システムにおいて他の存在によって送信された信号を意味する。
【0017】
受信器のビット検出回路において“自機”送信メッセージを監視または受信するために、代表的には、通信システムの送/受信ユニット内部にフィードバック・パスを備えることが必要とされるであろう。本発明の1実施例では、半二重ラジオ・モデムが送/受信ユニットとして使用されており、フィードバック・パスは送信パスから受信パスに送信信号を吸い上げるためにモデムの内部に設けることができる。フィードバック信号を受信器に供給するためのいろいろな手段が使用でき、ここに開示されている発明の範囲内である。例として、詳細な説明においてこの後に詳しく説明される図2は、モデムのような通信リンク内にフィードバック・パスを設けるための2つの実施例を示している。
【0018】
さらに、ビット検出閾値調節プロセスが自己発生された放送信号を受信するためには、“自機”メッセージの送信が発生している間は、受信器の検出回路が活性にされた状態(すなわちアームド)のままでなければならず、また“自機”メッセージの送信が完了したときは非活性にされた状態(すなわちアンアームド)になることが必要である。これは、ビット検出閾値調節プロセスが“自機”放送メッセージに限定され、受信器がオフエア信号(すなわち他機からのメッセージ)を受信しているときは受信しないことを保証する。
【0019】
ステップ20において、ビット検出閾値調節プロセスは自己発生された放送信号の中央値を決定する。この発明の1実施例では、中央値の決定は、自己発生された放送信号にたいする正および負の周波数値を検出すること、および自己発生された放送信号のピーク・ツゥ・ピークの変位を決定することを必要とする。例えば、ADS−Bサービスにおける送信信号は、代表的には、周波数偏位範囲により決められた明瞭な正および負の周波数のピークを持つ、非常にクリーンな信号である。ビット検出閾値調節プロセスは送信信号におけるこれらの周波数のピークを検出し、次にピーク・ツゥ・ピークの変位、すなわち中央値を計算する。
【0020】
ステップ30において、ビット検出閾値調節プロセスは、中央値にもとづいて、受信器のビット検出閾値を調節する。この発明の実施例では、ピーク・ツゥ・ピーク変位は、測定中の短期ジッタを低減させるために濾波を受ける。濾波プロセスの出力がビット検出閾値であり、論理の1と0状態の中間点として定義される。ビット検出閾値は、サンプルされたデータをディジタル・ビット・ストリームに変換する働きをするビット検出器に送られる。
【0021】
図2は、本発明の1実施例による、半二重モデム回路100内の提案された送信フィードバック・パスの説明図である。信号を送信および受信するための他の手段も本発明のデジタル通信システムに使うことができ、そして他の送信/受信方式に関係する他のフィードバック・パスも本発明の思想の範囲に含まれる。示されている実施例では、バイナリ・フリーケンシ・シフト・キード(BFSK)変調が無線周波数(RF)の変調技術として使われる。BFSK変調では、RF搬送波の周波数をより高い値にシフトさせることにより2値論理の“1”の値が表わされ、RF搬送波の周波数をより低い値にシフトさせることにより2値論理の“0”の値が表わされる。
【0022】
自機のデータの送信は、送信制御信号100を活性化することにより、送信パスを通して開始される。送信制御信号100は、回路に電力を供給し、FM変調器を120を活性化させて送信されるデータのビット・ストリームの変調を開始させる。
【0023】
通常のADS−Bサービスでは、各航空機は、その状態ベクトル(位置と速度)を含むメッセージを1秒間に1回放送する。この放送メッセージのフォーマットは、特有の同期パターンを定める最初の36ビットのビット列を含む。ADS−Bサービスが受信オンリ・モードで動作しているときは、サービスはメッセージを放送しない。しかしながら、システムはなおメッセージを受信しているので、自己発生された信号を使ってシステムを校正する必要がある。したがって、受信オンリ・モードでは、代表的に同期パターンを含まず、それゆえ他の航空機や基地局によって検出されない1つのアイドル・パターンが送信される。この説明のためには、通常のADS−Bサービス放送メッセージと受信オンリ・モードのアイドル・パターンの両方がまとめて、本発明の校正プロセスにおいて使われる“自機”メッセージ/送信と呼ばれる。
【0024】
自機メッセージの送信は、回路に電力を供給し、FM変調器を120を活性化させて送信されるデータのビット・ストリームの変調を開始させる送信制御信号100を活性化することにより、送信パスを通して開始される。FM変調器は、送信ビット・ストリームを周波数変調された信号に変換する。本発明によれば、“自機”送信は、ビット検出閾値が調節できるように、FM弁別器の130の直流オフセットを決定するために使われる。“自機”送信がFM弁別器の130に送られるようにするために、送信信号が受信パスに吸い上げられるように、フィードバック・パス140が設けられている。本発明の1実施例では、フィードバック・パス140は、RF電力増幅器150が動作可能にされる前の、中間周波数レベルにおいてループバック機能を果たす。有利なことに、この実施例は、ユニットが受信オンリ・モードに構成されているかのように、RF信号をアンテナ160から送信することなく、閾値の調節を行うことを可能にする。この例では、アイドル・パターンは、閾値調節のための“自機”メッセージの役目を果たす。図示されていないが、送信パスおよび受信パスを選択的に接続するために、送信回路により駆動されるスイッチをフィードバック・パス140に含めることもできる。
【0025】
フィードバック・パス140により自機送信信号が受信パスに供給されると、信号は信号のチャネルを狭めるIFフィルタを通過し、次にFM弁別器130に入る。FM弁別器は、受信信号の周波数の変位を電圧変化対時間に変換する働きをする。説明のために、ビットの間隔はほぼ1マイクロ秒であり、周波数のシフトは+/−300キロヘルツ(kHz)とする。代表的なFM弁別器では、論理1の周波数を表す信号を受信しているときは約2.0ボルトの出力が存在し、論理0の周波数を表す信号を受信しているときは約1.0ボルトの出力が存在する。
【0026】
発明の背景において説明したように、FM弁別器の1つの特徴は、直流オフセットにたいして非常に敏感であることである。このドリフトを無くするための回路の補償は、問題を含みまたコストがかかる。FM弁別器のもう1つの特徴は、RF入力信号がないときは、出力はハイレベルのノイズからなることである。RF信号があるときは、ノイズのレベルは大きく減少し(FMの“静粛”効果)、望ましい変調が弁別器の出力信号内で優勢になる。FM弁別器の直流オフセットに影響を及ぼす可能性のある他のファクタ(相対的な航空機の動きに起因するドップラ・シフトなど)は、BFSK変調によるRF搬送波の通常の変位に比べて小さい。したがって、これらの重要でないファクタは直流オフセットのドリフトを低減させるという目的のためには無視できる。
【0027】
また、フィードバック・パス180は、通常のADS−Bサービス中のように送信されるRF信号を使って、ループバック機能を行うように設けることもできる。この実施例では、送信信号は、送信/受信スイッチ190を通って、寄生的に受信パスに漏れる。上に説明したように“自機”データの送信は、送信制御信号110を活性化することにより開始される。信制御信号100は、回路に電力を供給し、FM変調器を120を活性化させて送信データのビット・ストリームの変調を開始させる。局部発振器200からの周波数が、ミクサ210において送信信号に加えられる。混合された信号は次に、十分な送信電力を与えるために、RF送信電力増幅器において増幅される。信号が送信/受信スイッチ190およびアンテナ160に送られる前に、信号は送信/受信スイッチを通って受信パスに寄生的に漏洩する。
【0028】
送信信号が受信パスに漏れると、その信号は、信号を関心のある帯域に制限する働きをするフロント・エンド・フィルタ220および十分な受信電力を与えるために信号を増幅するRF受信電力増幅器230を通る。局部発振器200からの周波数がミクサ240において受信信号に加えられ、その結果の信号は次に先に説明したIFフィルタ170およびFM弁別器130に送られる。有利なことに、この実施例は、送信信号がスイッチ190を通って漏れるので、モデム回路100の物理的な変更は何も必要とせず、モデムの通常の送信動作中でも発生することができる。
図3を参照すると、本発明の実施例による、説明のためのビット検出回路300が示されている。ここに説明されているビット検出回路の要素は、ハードウェア、ソフトウェア、またはそれらの組合せで実現され得ることは、この分野の専門家には理解されるであろう。このビット検出回路において、図2のモデムまたは他の送信/受信ユニットからのアナログ・ベースバンド信号が処理される。まず、フィードバック・パスがどのように行われるかにかかわらず、A/D変換器310が、データ・レートの整数倍で、アナログ・ベースバンド信号をサンプリングする。送信器が活性化されると、FMの静粛効果が起きる前の高い雑音レベルでそれらが飽和しないように、正ピーク検出回路320および負ピーク検出回路330がアームされる。検出回路320,330がアームされているときは、それらは保持されていた古い値を消去し、それぞれハイおよびロウのピーク入力値の追従を開始する。
【0029】
送信が完了すると、正および負のピーク検出器320,330はディスアームされ、それらが測定した値は計算タスク・ユニット340により読み込まれる。計算タスク・ユニット340は、正および負のピーク値の間の平均値を見つけ出し(平均化)、次にフィルタ350が測定中の短期ジッタを低減させるために、フィルタリング・プロセスを加える。フィルタ350の出力は、論理1と0の状態の間の中間点を表す信号の値であり、ビット検出の閾値である。結果として得られる検出の閾値は、ビット検出器360に送られる。
【0030】
この点に関して、ビット検出閾値は自機がメッセージを放送するたびに更新されるので、短期および長期のドリフトが自動的に補償される。ビット検出器360は、この閾値を使って、デジタル化されたベースバンド出力を2値データのストリームに変換する。ADS−Bサービスのための実施例では、メッセージ受信プロセスはこのデータ・ビット・ストリームを使って、他の航空機より送られたADS−Bメッセージの受信のために、理想的な時間同期を達成する。
【0031】
好ましい実施例では、A/D変換器310、正および負ピーク検出回路320,330およびビット検出器360はハードウェアで実現されることができ、計算タスク・ユニット340とフィルタ350はソフトウェアで実現されることができる。
【0032】
本発明は、TDMAバースト通信システムにおける受信ビット検出閾値を最適に調節するためのシステムと方法に対する満足されないニーズに向けられている。したがって、本発明の検出閾値調節方式を採用したシステムでは、時間同期の検出はずっと容易なタスクになる。ここに説明されたシステムと方法は、アナログ・ベースバンド出力信号のサンプリングおよび/または後処理を行う必要を無くした簡単化されたプロセスを提供する。
【0033】
上記の説明中に提示された教示や付属の図面のおかげで、この発明が属する分野の専門家には、本発明の多数の部分的な変更や他の実施例が思い浮かぶであろう。したがって、本発明は開示されている具体的な実施例に限定されるべきではなく、また部分的な変更や他の実施例も添付された請求項の範囲内に含めることが意図されていることは理解されるべきである。ここでは具体的な語が用いられているが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使われており、限定の目的では使われていない。
【図面の簡単な説明】
本発明の利点のいくつかが説明されたので、添付の図面−必ずしも正確な縮尺で描かれていない−とともに考慮されたとき、他の利点も説明が進むにつれて明らかになるであろう。
【図1】図1は、本発明の1実施例にしたがって、デジタル通信システムにおいて受信ビット検出閾値を調節するための方法の流れ図である。
【図2】図2は、デジタル通信ネットワークにおける説明例のRF送信器(すなわちモデム)のハイレベルの概略ブロック線図である。
【図3】図3は、図1の回路と共に使用するのに適した、本発明の1実施例による、ビット検出閾値処理回路のハイレベルの概略ブロック線図である。
Claims (13)
- 自己発生された放送信号を受信し、
自己発生された放送信号の中央値を決定し、
その中央値にもとづいてビット検出閾値を調節する
ことを含む、デジタル通信システムにおいて受信ビット検出閾値を調節するための方法。 - 自己発生された放送信号の中央値を決定する前に、受信された自己発生された放送信号をデジタル化することをさらに含む請求項1記載の方法。
- 自己発生された放送信号を受信するステップが自機の放送信号を受信することをさらに含み、かつ自己発生された放送信号の中央値を決定するステップが自機の放送信号の中央値を決定することをさらに含む請求項1記載の方法。
- 自己発生された放送信号の中央値を決定することが、
自己発生された放送信号の正のピーク周波数値および負のピーク周波数値を検出し、
自己発生された放送信号のピーク・ツゥ・ピークの変位を決定すること
をさらに含む請求項1記載の方法。 - 短期ジッタを大幅に減少させかつビット検出閾値を定めるためにピーク・ツゥ・ピーク変位をフィルタリングすることを含む請求項4記載の方法。
- 自己発生された放送信号の正のピーク値および負のピーク値の検出が、送信されつつある自己発生された放送信号とほぼ同時に正のピーク値および負のピーク値を検出することをさらに含む請求項4記載の方法。
- 自己発生された放送信号を受信するステップが、中間レベルの周波数フィードバック・パスを通じて自己発生された放送信号を受信することをさらに含む請求項1記載の方法。
- 自己発生された放送信号を受信するステップが、送信信号レベルの周波数フィードバック・パスを通じて自己発生された放送信号を受信することをさらに含む請求項1記載の方法。
- 自己発生された放送信号を受信し、
自己発生された放送信号の中央値を決定し、
予め決められたデータ・レートでアナログの自機放送信号をデジタル化し、
デジタル化された自機放送信号から正のピーク値および負の周波数ピーク値を検出し、
正および負の周波数ピーク値にもとづいてデジタル化された自機放送信号にたいしてピーク・ツゥ・ピーク変位を計算し、
ピーク・ツゥ・ピーク変位にもとづいてビット検出閾値を調節する
ことを含むTDMA通信システムにおいて受信ビット検出閾値を調節するための方法。 - 短期ジッタを低減させるために計算されたピーク・ツゥ・ピーク変位をフィルタリングすることをさらに含む請求項9記載の方法。
- 信号を予め決められたデータ・レートでサンプリングすることによりアナログ・ベースバンド入力信号をデジタル化するアナログ−ディジタル(A/D)変換器と、
A/D変換器に電気的に接続され、A/D変換器から信号を受け取り正のピーク値を決定する正ピーク検出器と、
A/D変換器に電気的に接続され、A/D変換器から信号を受け取り負のピーク値を決定する負周波数ピーク検出器と、
負および正のピーク検出器にデータ通信接続され、ビット検出閾値を算出するためにピーク・ツゥ・ピーク変位を計算する計算タスク・ユニットと、
計算タスク・ユニットにデータ通信接続されかつA/D変換器と電気的に接続され、デジタル化された信号をデジタル化されたデータのビット・ストリームに変換するために、A/D変換器からデジタル化された信号を受け取りまた計算タスク・ユニットからビット検出閾値を受け取るビット検出器と
を含むTDMA通信デバイスに実現されたビット検出閾値調節回路。 - 正ピーク検出器および負周波数ピーク検出器がTDMA通信デバイスが信号の送信を開始したときに周波数のピークを検出するために活性化され、TDMA通信デバイスが信号の送信を終了したときに非活性化される請求項11記載のビット検出閾値調節回路。
- 計算タスク・ユニットとデータ通信接続され、短期ジッタを低減させるためにピーク・ツゥ・ピーク変位値をフィルタリングするフィルタをさらに含む請求項11記載のビット検出閾値調節回路。
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