JP2004504491A - ニッケルメッキされた鑞付けシート製品 - Google Patents
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Abstract
本発明は、アルミニウム合金製の芯のシート(1)、該芯のシートの少なくとも片側の表面に張合わせられたアルミニウム張合わせ層(2)、および該張合わせ層(2)の片側または両側の外側の表面上にあるニッケルを含む層(3)を含んで成り、該アルミニウム張合わせ層(2)の外側の表面と該ニッケルを含む層(3)との間の接合層として亜鉛または錫を含む層をもたない鑞付けシート製品において、該アルミニウム張合わせ合金層は重量%単位でSiを2〜18、Mgを最高8.0、Znを最高5.0、Cuを最高5.0、Mnを最高0.30、Inを最高0.30、Feを最高0.80、Srを最高0.20の割合で含み、さらに次のの群から選ばれる少なくとも1種の元素を下記の範囲で、即ち(Biを0.01〜1.0、Pbを0.01〜1.0、Liを0.01〜1.0、Sbを0.01〜1.0)の割合でで含み、不純物をそれぞれ最高0.05、全部で最高0.20の割合で含み、残りはAlであることを特徴とする鑞付けシート製品に関する。
Description
【0001】
(本発明の分野)
本発明はSiを2〜18重量%の範囲で含むAl−Si合金製の張合わせ層の表面にニッケルを含んで成る層がメッキされ、該アルミニウムの張合わせ層の外側の表面と該ニッケルを含んで成る層との間の接合層として亜鉛または錫を含む層をもたない鑞付けシート製品に関する。また本発明は鑞付けシート製品製の部材を少なくとも一つ含んでなる鑞付けされたアセンブリー、および鑞付けされた部材のアセンブリーを製造する方法に関する。
【0002】
(従来技術の説明)
本発明の目的に対しては、鑞付けシートは例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金の芯のシートであり、その少なくとも片側に鑞付け可能なアルミニウム合金または充填材料を有する芯のシートと理解すべきである。このような張合わせ層として有用な典型的な鑞付け可能なアルミニウム合金は典型的にはSiを2〜18重量%含むthe Aluminium Association (AA)の4xxx−系列の合金である。この鑞付け可能なアルミニウム合金は、当業界に公知の種々の方法、例えばロール接合法、張合わせ。または半連続的な或いは連続的な注型および熱噴霧法によって芯の合金に接合することができる。
【0003】
制御雰囲気鑞付け法(Controlled Atmosphere Brazing (”CAB”))および真空鑞付け法(Vacuum Brazing (”VB”))は工業的規模でアルミニウムを鑞付けするのに使用される二つの主要な方法である。工業的な真空鑞付け法は1950年以来使用され、CABはNOCOLOK(登録商標)の鑞付け用融剤が導入された後1980年代の早い時期において良く知られるようになった。真空鑞付け法は実質的に不連続法であり、材料が清浄であることが高く要求される。酸化物層の破壊は主として張合わせ合金からマグネシウムが蒸発することによって起こる。従って張合わせ合金中には常に多くの量のマグネシウムが存在することが必要である。過剰のマグネシウムは炉の冷たい場所に凝縮し、頻繁に取り除かなければならない。適切な装置に対する設備投資は比較的高くなる。
【0004】
CABでは、鑞付けを行う前にVBと比べて追加的工程が必要である。何故なら、鑞付けの前に鑞付け用融剤を被覆しなければならないからである。CABは実質的に連続法であり、適切な鑞付け用融剤を使用すれば大きな容積の鑞付けされたアセンブリーを製造することができる。鑞付け用融剤は鑞付け温度において酸化物層を溶解し、張合わせ合金を適切に流動させることができる。NOCOLOK融剤を使用する場合、融剤を被覆する前に表面を十分に清浄にする必要がある。良好な鑞付けの結果を得るためには、鑞付けされるアセンブリーの全表面に鑞付け用融剤を被覆しなければならない。そのため或る種のタイプのアセンブリーではその設計のために困難が生じる恐れがある。例えば蒸発器型の熱交換器は内部表面が大きいため、融剤が内部に到達しにくいので問題が生じる可能性がある。良好な鑞付けの結果を得るためには、鑞付けの前に融剤がアルミニウムの表面に粘着しなければならない。不幸にして鑞付け用の融剤は乾燥後僅かな機械的な振動によって容易に落下する可能性がある。また鑞付け過程の間、HFのような腐蝕性の煙霧が発生する。そのため炉の中で被覆される材料には高度の耐蝕性が要求される。
【0005】
理想的には、CABに使用できるが鑞付け用融剤を被覆する必要がなくまたその欠点をもたない材料を使用すべきであろう。このような材料は鑞付けアセンブリーの製造業者に供給され、アセンブリー部材を組み立てた後直接使用できるようになっている。それ以外の融剤操作を行なう必要はない。現在工業的規模において融剤を使用しない鑞付け法は唯一つしか使用されていない。この方法の材料は、例えばAA3xxx系列の合金からつくられ、その両側にAA4xxx系列の合金が張合わされた標準的な鑞付けシートであり得る。この鑞付けシートが使用できるには、その前に、通常生じる酸化物層が鑞付け過程の間妨害しないように表面を変性しなければならない。良好な鑞付けを達成する方法は特定の量のニッケルを張合わせ合金の表面に沈着させる方法である。適切に被覆が行なわれると、ニッケルは下方にあるアルミニウムと恐らくは発熱的に反応する。ニッケルは、接合すべき二つの部材の間にニッケルの挟み金(shim)を使用して被覆するか、または電気メッキにより沈着させることができる。電気メッキを使用する場合、ニッケルは例えば熱交換器の製造に使用される典型的な成形操作に耐え得るほど十分に接着していなければならない。
【0006】
アルミニウム鑞付けシートにニッケルメッキを行なう方法は米国特許3,970,237、同4,028,200号、同4,388,159、同4,602,731号並びにB.E.CheadleおよびK.F DockusのSAE−paper第880446号から公知である。これらの文献によれば、ニッケルは鉛と組み合わせて沈着させる。別法としてはコバルトを鉛と組み合わせて沈着させる。当業界においてはニッケル、コバルトまたはこれらの組み合わせの代わりに鉄を使用できることも公知である。鉛を加えると鑞付け過程中張合わせ合金の湿潤性が改善される。
【0007】
これらのメッキ法の重要な特徴は、アルミニウム張合わせ合金の珪素粒子の上にニッケルまたはコバルトを選択的に沈着させることである。表面の上に鑞付けを行なうのに十分なニッケルまたはコバルトを得るためには、アルミニウム張合わせ合金はニッケルが沈着するための核として作用する珪素の粒子を比較的多数含んでいなければならない。メッキを行なう前に十分な造核部位を得るためには、珪素粒子が埋め込まれているアルミニウムの一部を化学的および/または機械的な前処理によって取り除いておかなければならないと考えられている。このことは、充填合金またはアルミニウム張合わせ合金の湿潤作用の核としての働きをするに十分なニッケルおよび/またはコバルト被覆を得るための必要条件であると思われる。
【0008】
しかし、鑞付けシート上に適当なニッケルまたはコバルトの層をつくるために鉛を使用することは幾つかの欠点を有している。電気メッキ用のメッキ浴はかなり複雑であり、その塩のような成分を含んで成る鉛が存在するため、ニッケルまたはコバルトを含む成分だけのメッキ浴に比べて環境に対して遥かにやさしくない。自動車のような製造製品に対して鉛を使うことは望ましいことではなく、鉛または鉛の成分を含む一つまたはそれ以上の工程を経て製造される鉛を含む製品は、極めて近い将来において恐らく禁止されるであろう。
【0009】
従来の技術文献に見られるNiメッキについての幾つかの他の記載を下記に挙げておく。
【0010】
一般的な教科書であるWernick and Pinner著、「The Surface Treatment and Finishing of Aluminium and its Alloys」、第5版、第2巻、1023〜1071頁。この教科書にはアルミニウム上にメッキするための一般的な浸漬法が記載されている。
【0011】
フランス特許A−2,617,868号には、錫または錫−ビスマス合金の鑞付け可能な表面被膜を有するアルミニウム製品の製造法が記載されている。この製品は中間層を備えている。この中間層は亜鉛の第1の層とニッケルの第2の層から成り、ニッケルは中性の電解質から電解によって沈着させる。この場合下にあるアルミニウムまたはアルミニウム合金は次の鑞付け工程において熔融しない。
【0012】
(本発明の要約)
本発明の目的は、芯のシートおよび鑞付け工程中熔融すべき充填材料を有する鑞付けシート製品において、該充填材料はAl−Si合金のアルミニウム張合わせ層および該アルミニウム張合わせ層の上にあるニッケル層を含んで成り、ニッケルを含んで成る層に対してさらに鉛を添加する必要がなく、同時に鑞付けシート製品をアセンブリーに組み立てる際の鑞付け性を良好に保持できる鑞付けシート製品を提供することである。
【0013】
本発明の目的は、真空鑞付け法並びに鑞付け用融剤を存在させない制御雰囲気鑞付け法に使用できるが、鑞付け用融剤を存在させないCAB法に理想的に適したニッケルメッキ鑞付けシート製品を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、本発明の鑞付けシート製品を使用して鑞付けされた部材のアセンブリーを製造する方法を提供することである。
【0015】
本発明に従えば、その一態様においてアルミニウム合金製の芯のシート(1)、該芯のシートの少なくとも片側の表面に張合わせられたアルミニウム張合わせ層(2)、および該張合わせ層(2)の片側または両側の外側の表面上にニッケルを含む層(3)を含んで成り、該アルミニウム張合わせ層(2)の外側の表面と該ニッケルを含む層(3)との間の接合層として亜鉛または錫を含む層をもたない鑞付けシート製品であって、該アルミニウム張合わせ合金層が重量%単位でSiを2〜18、Mgを最高8.0、Znを最高5.0、Cuを最高5.0、Mnを最高0.30、Inを最高0.30、Feを最高0.80、Srを最高0.20の割合で含み、さらに次のの群から選ばれる少なくとも1種の元素を下記の範囲で、即ち(Biを0.01〜1.0、Pbを0.01〜1.0、Liを0.01〜1.0、Sbを0.01〜1.0)の割合で含み(好ましくは張合わせ層中のMgの濃度は2.0%を超えず、即ちMgは0.2〜2.0%の範囲にあり、この時Mgは鑞付け合金の湿潤作用を実質的に促進するためにだけ存在しており)、他の元素/不純物をそれぞれ最高0.05、全部で最高0.20の割合で含み、残りはAlであることを特徴とする鑞付けシート製品が提供される。
【0016】
本発明は、アルミニウム張合わせ層が、ビスマス、鉛、リチウムおよびアンチモンから成る群から選択される1種またはそれ以上の元素をそれぞれ0.01〜1.0%の範囲で含み、該元素の2種またはそれ以上の組み合わせは好ましくは1.0%を超えず、マグネシウムは0.2〜2.0%の範囲で存在することができるという洞察に基礎を置いている。マグネシウムと該群からの他の1種またはそれ以上の元素との組み合わせは2.5%を超えないことが好ましい。従って、アルミニウム張合わせ層の性質、特に機械的性質を強化するために、マグネシウムはアルミニウム張合わせ層の中に最高8.0%で存在することができ、その好適範囲は下記に記載の通りであるが、他方マグネシウムは0.2〜2.0%の範囲においてビスマス、鉛、リチウムおよびアンチモンから成る群から選ばれる元素と同じような方法で作用し得ることも見出だされている。好ましくは鉛を含まないニッケル層と組み合わせて鑞付け合金の湿潤作用を促進するためにだけMgが実質的に存在する場合、張合わせ層の中のマグネシウムの濃度は2.0%を超えないことが好ましい。アルミニウム合金の張合わせ層の特定の性質を改善するためにさらに他の合金用元素を加えることができる。米国特許3,970,237号においては、張合わせ層はニッケル、ニッケル−鉛、コバルト、コバルト−鉛、またはこれらを組み合わせた層で電気メッキすることが好ましいと指摘されている。得られる鑞付けシート製品は制御された雰囲気の条件下において融剤を使用しない鑞付けに適している。鉛の添加は鑞付け中湿潤性を改善すると信じられている。しかし、驚くべきことに本発明に従えば、ニッケルおよび/またはコバルト層自身、および好ましくは電気メッキにより被覆したこれらの金属は、必須とされる合金用添加物として鉛を含む必要がないことが見出だされた。驚くべきことには、Bi、Pb、LiおよびSbの群の1種またはそれ以上の元素およびMgを一定の範囲の量でアルミニウム張合わせ層自身に加えられた場合、同等もしくはそれよりも良い結果が得られることが見出だされた。張合わせ層に1種またはそれ以上のこれらの合金用元素を加えると、メッキ浴の組成を簡単にできる利点が得られ、それ自身主要な成果であるが、他方では張合わせ層を製造する際張合わせ層への合金元素の添加が非常に簡単になる。また環境にやさしくない鉛の成分、例えば鉛をベースにした塩を使用する問題が克服される。その結果被覆されたニッケル層は実質的にニッケルおよび不可避的な不純物から成ることができる。操作上の観点からすれば、アルミニウム張合わせ層に対してはビスマスが最も好適な合金用元素である。さらに、元素のビスマスは湿潤を促進するための最も好適な合金用元素であり、ニッケルおよび/またはコバルト層に鉛を添加するのと同様な効果を達成するためにこの元素は少量しか必要としないことが見出された。一定の範囲内における張合わせ層中の合金用元素として鉛は所望の効果を与えるが、環境の見地からすれば望ましくない元素であるから、この元素の添加は避けることが好ましい。
【0017】
この群からの1種またはそれ以上の元素を、但し異なった見地から記載した幾つかの従来法の文献は次の通りである。米国特許5,422,191号には、アルミニウム−珪素の芯の材料の上に張合わせられたリチウム含有充填合金を含んで成る鑞付けシート複合体が記載されている。リチウムは0.01〜0.30%の範囲にあり、マグネシウムは0.05%を超えない。この鑞付けシート複合体は真空鑞付け法または制御雰囲気鑞付け法のいずれによっても使用することができる。充填合金がCAB法に使用される場合には、鑞付け用の融剤、例えば公知のNOCOLOK(登録商標)が使用される。さらにニッケルを含む層の使用には触れられていない。
【0018】
米国特許5,069,980号には真空鑞付け法のためのアルミニウム張合わせ合金が記載されている。この張合わせ材料は芯のシートの両側で使用されるべきものである。これは6〜14%の珪素、0〜0.6%のマグネシウムを含み、残りはアルミニウムであるが、腐蝕耐性を改善するためにさらに下記の少なくとも1種の元素を張合わせ合金の中に混入することができる:Pb、Sn、Ni、Cu、Zn、Be、LiおよびGe。張合わせ合金中におけるこれらの 添加剤の役割はその腐蝕耐性を改善する効果に関する限り同じである。
【0019】
米国特許4,721,653号には、実質的に11〜13重量%の珪素、1.0〜2.0重量%のMgを含み残りがアルミニウムである鑞付け合金を片側または両側の表面上に芯のシートを有する鑞付けシート製品が記載されている。このマグネシウム含有張合わせ層は真空鑞付け法だけに用いられ、ニッケルを含む層の使用には触れられていない。
【0020】
フランス特許出願2354171号には、重量%単位で7〜14%の珪素、0.02〜2%のマグネシウム、0.05〜0.3%の鉛、最高0.6%の鉄、および最高0.3%のMnを含み、残りがアルミニウムと不純物である張合せ層を有するアルミニウム鑞付けシート製品が記載されている。このマグネシウムを含む張合わせ層は真空鑞付け法だけに使用され、ニッケルを含む層の使用については触れられていない。
【0021】
ヨーロッパ特許出願EP−0227261号には、鑞付けシート製品を被覆するための芯の合金が記載されている。この鑞付けシート製品は真空鑞付け法に使用されるためのものである。アルミニウムの芯の合金は合金の腐蝕耐性を改善するために0.02〜0.4重量%の範囲でバナジウムを含んでいる。
【0022】
ニッケルを含む層は好ましくは電気メッキされた層である。鑞付けシート製品においてはニッケルを含む層は厚さが好ましくは最高2.0μm、もっと好ましくは最高1.0μm、さらに好ましくは最高0.5μmである。被膜の厚さが2.0μmよりも厚いと長いメッキ処理時間が必要であり、鑞付けの間に熔融した充填材料に皺が生じることがある。このNi含有層に対する好適な最低の厚さは0.3μmである。好ましくはニッケルを含む層は実質的に鉛を含まず、さらに好ましくはビスマスも含まない。しかし、ロール接合法、無電極メッキ法、熱噴霧法、化学蒸着法および物理蒸着法、或いは気相または蒸気相から金属または合金を沈着させる他の方法を使用することができる。
【0023】
鑞付けシート製品の一具体化例においては、アルミニウム張合わせ層の厚さは鑞付けシート製品の全体の厚さの約2〜20%の範囲である。
【0024】
本発明の鑞付けシート製品の好ましい一具体化例においては、アルミニウム張合わせ層に添加するビスマスの量の上限は0.5%である。ビスマスの添加量に対する適切な下限は0.01%、好ましくは0.05%である。
【0025】
本発明の鑞付けシート製品の一具体化例においては、アルミニウム張合わせ層に添加するリチウムの量の上限は0.5%である。リチウムの添加量に対する適切な範囲は0.01〜0.3%である。
【0026】
本発明の鑞付けシート製品の一具体化例においては、アルミニウム張合わせ層に添加するアンチモンの量の上限は0.5%である。アンチモンの添加量に対する適切な範囲は0.01〜0.3%である。
【0027】
一具体化例においては、アルミニウム張合わせ層は重量%の単位で合金用元素としてSiを2〜18%、好ましくは7〜18%の範囲で含み、さらにマグネシウムを最高8.0%、好ましくは最高5.0%の範囲で含んでいる。好ましくはマグネシウムは0.2〜5.0%、さらに好ましくは0.5〜2.5%の範囲である。他の合金用元素を適切な範囲で加えることもできる。鑞付け過程中にこの鑞付けシート製品を使用する場合、アルミニウム張合わせ層の中にマグネシウムが存在しても鑞付け中悪影響は生じないことが見出だされた。このことは公知のNiをメッキした鑞付けシート製品に比べて主要な改善点である。これによって、鑞付けシート製品全体の強度に寄与し得る張合わせ層の設計を行うことができ、或いはその代わりに薄い張合わせ層を有する鑞付けシート製品をつくることができる。さらにこれによって、真空鑞付け法および融剤を用いない制御雰囲気鑞付け法の両方でMgを含む鑞付けシートを被覆することができる。後者の可能性は経済的および技術的に多くの利点を有している。さらに、合金用元素としてビスマスとマグネシウムの両方を添加することにより湿潤および接合を促進する合金元素を後で被覆するニッケル層に加える必要をなくすることができることが見出だされた。本発明の鑞付けシート製品は現存の工業的規模の鑞付けラインに容易に使用することができる。
【0028】
他の一具体化例においては、アルミニウム張合わせ層は重量%の単位で合金用元素としてSiを2〜18%、好ましくは7〜18%の範囲で含み、さらに亜鉛を最高5.0%含んでいる。好ましくは亜鉛は0.5〜3%の範囲で含まれている。他の合金用元素、例えばこれだけに限定されるものではないがMg、InおよびCuを適切な範囲で加えることができる。本発明に従えば、この鑞付けシート製品を使用する場合、張合わせ層の中に亜鉛が存在しても鑞付け中悪影響は生じないことが見出だされた。このことは公知の鑞付けシート製品に比べて主要な改善点であると考えられる。これによって、鑞付けシート製品全体の強度に寄与し得る張合わせ層の設計を行うことができる。さらにこれによって、張合わせ層が故意に加えられた合金用元素として亜鉛を含む鑞付けシート製品を、真空鑞付け法および融剤を用いない制御雰囲気鑞付け法の両方で被覆することができる。この両方の方法とも工業的規模で使用されている。
【0029】
さらに他の一具体化例においては、アルミニウム張合わせ層は重量%の単位で合金用元素としてSiを2〜18%、好ましくは7〜18%の範囲で含み、さらに銅を最高5.0%の範囲で含んでいる。好ましくは銅は3.2〜4.5%の範囲で含まれている。他の合金用元素、例えばこれだけに限定されるものではないがMg、InおよびZnを適切な範囲で加えることができる。本発明に従えば、この鑞付けシート製品を鑞付け過程に使用する場合、張合わせ層の中に銅が存在しても鑞付け中悪影響は生じないことが見出だされた。このことは公知の鑞付シート製品に比べて主要な改善点である。これによって、鑞付けシート製品全体の強度に寄与し得るアルミニウム張合わせ層の設計を行うことができる。さらにこれによって、アルミニウム張合わせ層が故意に加えられた合金用元素として銅を含む鑞付けシート製品を、真空鑞付け法および融剤を用いない制御雰囲気鑞付け法の両方で被覆することができる。この両方の方法とも工業的規模で使用されている。
【0030】
アルミニウム張合わせ層のすべての具体化例において、最高0.30%の範囲でインジウムを合金用元素として存在させ、張合わせ合金の腐蝕電位をアルミニウムの芯の合金に比べ一層電気陰性的にすることができる。インジウムは、亜鉛を添加する場合に比べ、合金の腐蝕電位を減少させる上で遥かに有効であることが見出だされた。典型的にはInは0.1%の量で2.5%のZnと同じ程度の効果がある。
【0031】
アルミニウム張合わせ層のすべての具体化例において、マンガンは不純物元素として最高0.30%、好ましくは最高僅かに0.10%、さらに好ましくは最高0.05%の範囲でアルミニウム張合わせ層の中に存在することができる。
【0032】
アルミニウム張合わせ層のすべての具体化例において、鉄は典型的な不純物元素としてアルミニウム合金中最高0.8%、好ましくは最高0.4%の範囲でアルミニウム張合わせ層の中に存在することができる。
【0033】
アルミニウム張合わせ層のすべての具体化例において、最高0.20%の範囲でストロンチウムを加え、アルミニウム張合わせ合金を注型しまた鑞付けを行う時、固化の際にアルミニウム張合わせ層の中に存在する珪素を変性することができる。さらに好適なストロンチウムの最大添加量は最高0.05%である。
【0034】
本発明の鑞付けシート製品の一具体化例において、芯のシートはマグネシウムを最高8.0%の範囲で含むアルミニウム合金である。好適具体化例においてはマグネシウムは0.5〜5.0%の範囲である。他の合金元素を適切な範囲で加えることができる。本発明の鑞付けシート製品を使用する場合、張合わせ層の中にマグネシウムが存在しても鑞付け中悪影響は生じないことが見出だされた。このことは公知のNiをメッキした鑞付けシートに比べて主要な改善点であると考えられる。鑞付けシート製品自身の製造中および以後の鑞付け法における被覆の際に、Mgが芯から張合わせ層へと拡散しても、本発明の鑞付けシート製品の鑞付け性には悪影響を与えないように思われる。これによって、重要な補強用の元素として一定範囲のマグネシウムを含むアルミニウムの芯シートを有する高強度の鑞付けシート製品の設計が可能になる。この鑞付けシート製品は真空鑞付け法および融剤を用いない制御雰囲気鑞付け法の両方で被覆することができる。この両方の方法とも工業的規模で広く使用されている。
【0035】
本発明の鑞付けシート製品において、芯のシートは一つまたはそれ以上の中間層を介してアルミニウム張合わせ層に接合することができる。このような中間層を有することの利点は、例えば米国特許2,821,014号に記載されている。この特許の内容は引用によりここに包含される。
【0036】
本発明はさらに、本発明によって上記のようにして製造された鑞付けシート製品からつくられた少なくとも一つの部材を含んで成る鑞付けされたアセンブリーを提供する。
【0037】
本発明の他の態様においては、本発明の一つのまたはそれ以上の鑞付けシート製品を用いて鑞付けされたアセンブリーを製造する方法であって、次の逐次的工程段階、即ち
(a)少なくとも一つが上記の本発明鑞付けシート製品からつくられた部材を成形し、
(b)該部材を組み立ててアセンブリーにし、
(c)該アセンブリーを真空下または不活性雰囲気中で鑞付け用の融剤を存在させずに高温において、充填合金が熔融して広がるのに十分な時間の間鑞付けを行い、ここで充填合金は少なくとも本発明のアルミニウム張合わせ合金(2)およびNi層(3)により形成されており、
(d)該鑞付けされたアセンブリーを冷却する工程を含んで成る方法が提供される。
【0038】
該冷却速度は典型的には鑞付け炉の冷却速度の範囲内にあることができる。典型的な冷却速度は少なくとも10℃/分またはそれ以上、典型的には40℃/分またはそれ以上の冷却速度である。芯のシートのアルミニウム合金に依存して、この方法はさらに鑞付けされ冷却されたアセンブリーを老化させ、得られるアセンブリーの機械的性質および/または腐蝕耐性を最適化させるさらなる工程(e)を含むことができる。本発明の鑞付けシート製品を使用すると、約10℃だけ低い鑞付け温度が得られることが見出だされた。このように鑞付け温度が低下すると、工業的規模における全鑞付け過程の処理時間を著しく短縮することができ、典型的には時間の短縮は20%またはそれ以上になることが見出だされた。
【0039】
本発明のさらに他の観点においては、上記および本明細書の他の場所に記載されたアルミニウム張合わせ合金を鑞付けシート製品に使用する方法が提供される。
【0040】
本発明のさらに他の観点においては、鑞付け用の融剤を存在させず不活性雰囲気中で鑞付けする方法(CAB)で鑞付けされたアセンブリーを製造する方法において、上記および本明細書の他の場所に記載されたアルミニウム張合わせ合金を使用する方法が提供される。
【0041】
次に幾つかの本発明を限定しない実施例および添付図面を参照して本発明を例示する。
【0042】
(好適具体化例の説明)
図1は、例えば米国特許3,970,237号記載の方法で得られるような従来法の鑞付けシートの模式図を示す。この鑞付けシート製品は、Al−Si合金を含むアルミニウム張合わせ層5が片側または両側に張合わされた芯のシート1から成っている。張合わせ層5の上には薄いニッケル−鉛層3が電着によって被覆されている。
【0043】
図2は本発明の鑞付けシートを模式的に示している。この場合Al−Si−Bi合金を含んで成る張合わせ層2とNi層3との間における利点は上記に述べた通りである。図2において層3は鑞付けシートの片側だけにあるように示されているが、鑞付けシート製品の両側に被覆することもできることは、当業者には直ちに明白であろう。種々の層の組成およびその利点は上記の通りである。
【0044】
図3は本発明の更なる鑞付けシートを模式的に示しているが、このシートは図2の層の他に、両側において芯の層1とアルミニウム張合わせ層2との間に更なる中間層4を有している。図3において層3は鑞付けシート製品の片側だけにあるように示されているが、鑞付けシート製品の両側に被覆することもできることは、当業者には直ちに明白であろう。また中間層4は鑞付けシート製品の片側に被覆することもできる。種々の層の可能な組成およびその利点は上記に記載した。
【0045】
(実施例)
実験室的規模の試験においては、片側に張合わせたAluminium Associationの(AA)3003の芯の合金の片側に、4種の異なった組成(表1参照)のAA4000系列のアルミニウム張合わせ合金をロール接合法によって張合わせてつくった全体の厚さが0.5mm、張合わせ層の厚さが約50μmのアルミニウム鑞付けシート製品を、表2記載のように処理した。
【0046】
この処理は次のような逐次的段階から成っていた。
【0047】
− ChemTec30014(市販の脱グリース剤およびアルカリ性エッチング・クリーナー)の中に180秒間浸漬してクリーニングを行った後すすぎ洗いする。
【0048】
− 室温においてChemTec30203(市販のアルカリ性エッチング・クリーナー)中に20秒間浸漬してアルカリエッチングを行った後すすぎ洗いする。
【0049】
− 随時、室温において酸性の酸化浴、典型的にはChemTec11093(市販の酸洗い賦活剤)を含む25〜50容積%の硝酸中で4秒間スマット除去(desmutting)操作を行った後水洗する。
【0050】
− ニッケルを電気メッキし、すすぎ洗いする。
【0051】
ニッケルの電気メッキに対しては、鉛またはビスマスを含まない塩基性の浴を使用した。これを表2に「L−」として示す。鉛およびビスマスを含まない塩基性の浴は50g/リットルの硫酸ニッケル、50g/リットルの塩化ニッケル、30g/リットルのクエン酸ナトリウム、および75ml/リットルの水酸化アンモニウム(30%)を含んでいた。26℃におけるメッキ条件は、電流密度3A/dm2を用いると50秒のメッキ時間で厚さ0.5μmのニッケルメッキ層を生じるような条件であった。
【0052】
次のようにして鑞付け性を評価した。実験室規模での試験では、小さい石英炉で鑞付け試験を行った。25mm×25mmの小さい試験片をニッケルメッキしたシートから切り取った。30mm×7mm×1mmの寸法のAA3003合金の小さい試験片を中央の部分で45°の角度に折り曲げ、ニッケルメッキしたシート片の上に載せる。窒素を流しながらシート試料上の試験片を加熱し、この際室温から580℃の温度まで約10分間で加熱を行い、580℃で1分間の滞留時間をとり、580℃から室温まで冷却する。皺の生成、毛管の凹みおよびフィレットの生成に関して鑞付け過程を評価する。次のようにして全体的な評価値を与える。(−)=鑞付け性が悪い。(−/±)=鑞付け性は中位。(±)=鑞付け性は良好。(+)=優れた鑞付け性。得られた結果を表2にまとめる。
【0053】
張合わせ層No.2の結果は、張合わせ層にビスマスを加えると優れた鑞付け性が得られることを示している。従って本発明に従えばニッケル層に鉛および/またはビスマスを直接加えることを省略することができる。張合わせ層No.3の結果は、マグネシウムと組み合わせてBiをアルミニウム張合わせ層に加えるとやはり優れた鑞付け性が得られることを示している。張合わせ層No.4の結果は、亜鉛と組み合わせてBiをアルミニウム張合わせ層に加えるとやはり優れた鑞付け性が得られることを示している。これに対し張合わせ層の中にビスマスも鉛も存在せず、又ニッケル層の中にも鉛が存在しない場合、鑞付け性が悪い結果が得られる(張合わせ合金No.1参照)。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
以上、本発明を詳細に説明したが、上記の本発明の精神および範囲を逸脱することなく多くの変形および変更を行い得ることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法の鑞付けシート製品の構造を示す長手方向の模式的断面図。
【図2】本発明の鑞付けシート製品の構造を示す長手方向の模式的断面図。
【図3】本発明の鑞付けシート製品の構造を示す長手方向の模式的断面図。
(本発明の分野)
本発明はSiを2〜18重量%の範囲で含むAl−Si合金製の張合わせ層の表面にニッケルを含んで成る層がメッキされ、該アルミニウムの張合わせ層の外側の表面と該ニッケルを含んで成る層との間の接合層として亜鉛または錫を含む層をもたない鑞付けシート製品に関する。また本発明は鑞付けシート製品製の部材を少なくとも一つ含んでなる鑞付けされたアセンブリー、および鑞付けされた部材のアセンブリーを製造する方法に関する。
【0002】
(従来技術の説明)
本発明の目的に対しては、鑞付けシートは例えばアルミニウムまたはアルミニウム合金の芯のシートであり、その少なくとも片側に鑞付け可能なアルミニウム合金または充填材料を有する芯のシートと理解すべきである。このような張合わせ層として有用な典型的な鑞付け可能なアルミニウム合金は典型的にはSiを2〜18重量%含むthe Aluminium Association (AA)の4xxx−系列の合金である。この鑞付け可能なアルミニウム合金は、当業界に公知の種々の方法、例えばロール接合法、張合わせ。または半連続的な或いは連続的な注型および熱噴霧法によって芯の合金に接合することができる。
【0003】
制御雰囲気鑞付け法(Controlled Atmosphere Brazing (”CAB”))および真空鑞付け法(Vacuum Brazing (”VB”))は工業的規模でアルミニウムを鑞付けするのに使用される二つの主要な方法である。工業的な真空鑞付け法は1950年以来使用され、CABはNOCOLOK(登録商標)の鑞付け用融剤が導入された後1980年代の早い時期において良く知られるようになった。真空鑞付け法は実質的に不連続法であり、材料が清浄であることが高く要求される。酸化物層の破壊は主として張合わせ合金からマグネシウムが蒸発することによって起こる。従って張合わせ合金中には常に多くの量のマグネシウムが存在することが必要である。過剰のマグネシウムは炉の冷たい場所に凝縮し、頻繁に取り除かなければならない。適切な装置に対する設備投資は比較的高くなる。
【0004】
CABでは、鑞付けを行う前にVBと比べて追加的工程が必要である。何故なら、鑞付けの前に鑞付け用融剤を被覆しなければならないからである。CABは実質的に連続法であり、適切な鑞付け用融剤を使用すれば大きな容積の鑞付けされたアセンブリーを製造することができる。鑞付け用融剤は鑞付け温度において酸化物層を溶解し、張合わせ合金を適切に流動させることができる。NOCOLOK融剤を使用する場合、融剤を被覆する前に表面を十分に清浄にする必要がある。良好な鑞付けの結果を得るためには、鑞付けされるアセンブリーの全表面に鑞付け用融剤を被覆しなければならない。そのため或る種のタイプのアセンブリーではその設計のために困難が生じる恐れがある。例えば蒸発器型の熱交換器は内部表面が大きいため、融剤が内部に到達しにくいので問題が生じる可能性がある。良好な鑞付けの結果を得るためには、鑞付けの前に融剤がアルミニウムの表面に粘着しなければならない。不幸にして鑞付け用の融剤は乾燥後僅かな機械的な振動によって容易に落下する可能性がある。また鑞付け過程の間、HFのような腐蝕性の煙霧が発生する。そのため炉の中で被覆される材料には高度の耐蝕性が要求される。
【0005】
理想的には、CABに使用できるが鑞付け用融剤を被覆する必要がなくまたその欠点をもたない材料を使用すべきであろう。このような材料は鑞付けアセンブリーの製造業者に供給され、アセンブリー部材を組み立てた後直接使用できるようになっている。それ以外の融剤操作を行なう必要はない。現在工業的規模において融剤を使用しない鑞付け法は唯一つしか使用されていない。この方法の材料は、例えばAA3xxx系列の合金からつくられ、その両側にAA4xxx系列の合金が張合わされた標準的な鑞付けシートであり得る。この鑞付けシートが使用できるには、その前に、通常生じる酸化物層が鑞付け過程の間妨害しないように表面を変性しなければならない。良好な鑞付けを達成する方法は特定の量のニッケルを張合わせ合金の表面に沈着させる方法である。適切に被覆が行なわれると、ニッケルは下方にあるアルミニウムと恐らくは発熱的に反応する。ニッケルは、接合すべき二つの部材の間にニッケルの挟み金(shim)を使用して被覆するか、または電気メッキにより沈着させることができる。電気メッキを使用する場合、ニッケルは例えば熱交換器の製造に使用される典型的な成形操作に耐え得るほど十分に接着していなければならない。
【0006】
アルミニウム鑞付けシートにニッケルメッキを行なう方法は米国特許3,970,237、同4,028,200号、同4,388,159、同4,602,731号並びにB.E.CheadleおよびK.F DockusのSAE−paper第880446号から公知である。これらの文献によれば、ニッケルは鉛と組み合わせて沈着させる。別法としてはコバルトを鉛と組み合わせて沈着させる。当業界においてはニッケル、コバルトまたはこれらの組み合わせの代わりに鉄を使用できることも公知である。鉛を加えると鑞付け過程中張合わせ合金の湿潤性が改善される。
【0007】
これらのメッキ法の重要な特徴は、アルミニウム張合わせ合金の珪素粒子の上にニッケルまたはコバルトを選択的に沈着させることである。表面の上に鑞付けを行なうのに十分なニッケルまたはコバルトを得るためには、アルミニウム張合わせ合金はニッケルが沈着するための核として作用する珪素の粒子を比較的多数含んでいなければならない。メッキを行なう前に十分な造核部位を得るためには、珪素粒子が埋め込まれているアルミニウムの一部を化学的および/または機械的な前処理によって取り除いておかなければならないと考えられている。このことは、充填合金またはアルミニウム張合わせ合金の湿潤作用の核としての働きをするに十分なニッケルおよび/またはコバルト被覆を得るための必要条件であると思われる。
【0008】
しかし、鑞付けシート上に適当なニッケルまたはコバルトの層をつくるために鉛を使用することは幾つかの欠点を有している。電気メッキ用のメッキ浴はかなり複雑であり、その塩のような成分を含んで成る鉛が存在するため、ニッケルまたはコバルトを含む成分だけのメッキ浴に比べて環境に対して遥かにやさしくない。自動車のような製造製品に対して鉛を使うことは望ましいことではなく、鉛または鉛の成分を含む一つまたはそれ以上の工程を経て製造される鉛を含む製品は、極めて近い将来において恐らく禁止されるであろう。
【0009】
従来の技術文献に見られるNiメッキについての幾つかの他の記載を下記に挙げておく。
【0010】
一般的な教科書であるWernick and Pinner著、「The Surface Treatment and Finishing of Aluminium and its Alloys」、第5版、第2巻、1023〜1071頁。この教科書にはアルミニウム上にメッキするための一般的な浸漬法が記載されている。
【0011】
フランス特許A−2,617,868号には、錫または錫−ビスマス合金の鑞付け可能な表面被膜を有するアルミニウム製品の製造法が記載されている。この製品は中間層を備えている。この中間層は亜鉛の第1の層とニッケルの第2の層から成り、ニッケルは中性の電解質から電解によって沈着させる。この場合下にあるアルミニウムまたはアルミニウム合金は次の鑞付け工程において熔融しない。
【0012】
(本発明の要約)
本発明の目的は、芯のシートおよび鑞付け工程中熔融すべき充填材料を有する鑞付けシート製品において、該充填材料はAl−Si合金のアルミニウム張合わせ層および該アルミニウム張合わせ層の上にあるニッケル層を含んで成り、ニッケルを含んで成る層に対してさらに鉛を添加する必要がなく、同時に鑞付けシート製品をアセンブリーに組み立てる際の鑞付け性を良好に保持できる鑞付けシート製品を提供することである。
【0013】
本発明の目的は、真空鑞付け法並びに鑞付け用融剤を存在させない制御雰囲気鑞付け法に使用できるが、鑞付け用融剤を存在させないCAB法に理想的に適したニッケルメッキ鑞付けシート製品を提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、本発明の鑞付けシート製品を使用して鑞付けされた部材のアセンブリーを製造する方法を提供することである。
【0015】
本発明に従えば、その一態様においてアルミニウム合金製の芯のシート(1)、該芯のシートの少なくとも片側の表面に張合わせられたアルミニウム張合わせ層(2)、および該張合わせ層(2)の片側または両側の外側の表面上にニッケルを含む層(3)を含んで成り、該アルミニウム張合わせ層(2)の外側の表面と該ニッケルを含む層(3)との間の接合層として亜鉛または錫を含む層をもたない鑞付けシート製品であって、該アルミニウム張合わせ合金層が重量%単位でSiを2〜18、Mgを最高8.0、Znを最高5.0、Cuを最高5.0、Mnを最高0.30、Inを最高0.30、Feを最高0.80、Srを最高0.20の割合で含み、さらに次のの群から選ばれる少なくとも1種の元素を下記の範囲で、即ち(Biを0.01〜1.0、Pbを0.01〜1.0、Liを0.01〜1.0、Sbを0.01〜1.0)の割合で含み(好ましくは張合わせ層中のMgの濃度は2.0%を超えず、即ちMgは0.2〜2.0%の範囲にあり、この時Mgは鑞付け合金の湿潤作用を実質的に促進するためにだけ存在しており)、他の元素/不純物をそれぞれ最高0.05、全部で最高0.20の割合で含み、残りはAlであることを特徴とする鑞付けシート製品が提供される。
【0016】
本発明は、アルミニウム張合わせ層が、ビスマス、鉛、リチウムおよびアンチモンから成る群から選択される1種またはそれ以上の元素をそれぞれ0.01〜1.0%の範囲で含み、該元素の2種またはそれ以上の組み合わせは好ましくは1.0%を超えず、マグネシウムは0.2〜2.0%の範囲で存在することができるという洞察に基礎を置いている。マグネシウムと該群からの他の1種またはそれ以上の元素との組み合わせは2.5%を超えないことが好ましい。従って、アルミニウム張合わせ層の性質、特に機械的性質を強化するために、マグネシウムはアルミニウム張合わせ層の中に最高8.0%で存在することができ、その好適範囲は下記に記載の通りであるが、他方マグネシウムは0.2〜2.0%の範囲においてビスマス、鉛、リチウムおよびアンチモンから成る群から選ばれる元素と同じような方法で作用し得ることも見出だされている。好ましくは鉛を含まないニッケル層と組み合わせて鑞付け合金の湿潤作用を促進するためにだけMgが実質的に存在する場合、張合わせ層の中のマグネシウムの濃度は2.0%を超えないことが好ましい。アルミニウム合金の張合わせ層の特定の性質を改善するためにさらに他の合金用元素を加えることができる。米国特許3,970,237号においては、張合わせ層はニッケル、ニッケル−鉛、コバルト、コバルト−鉛、またはこれらを組み合わせた層で電気メッキすることが好ましいと指摘されている。得られる鑞付けシート製品は制御された雰囲気の条件下において融剤を使用しない鑞付けに適している。鉛の添加は鑞付け中湿潤性を改善すると信じられている。しかし、驚くべきことに本発明に従えば、ニッケルおよび/またはコバルト層自身、および好ましくは電気メッキにより被覆したこれらの金属は、必須とされる合金用添加物として鉛を含む必要がないことが見出だされた。驚くべきことには、Bi、Pb、LiおよびSbの群の1種またはそれ以上の元素およびMgを一定の範囲の量でアルミニウム張合わせ層自身に加えられた場合、同等もしくはそれよりも良い結果が得られることが見出だされた。張合わせ層に1種またはそれ以上のこれらの合金用元素を加えると、メッキ浴の組成を簡単にできる利点が得られ、それ自身主要な成果であるが、他方では張合わせ層を製造する際張合わせ層への合金元素の添加が非常に簡単になる。また環境にやさしくない鉛の成分、例えば鉛をベースにした塩を使用する問題が克服される。その結果被覆されたニッケル層は実質的にニッケルおよび不可避的な不純物から成ることができる。操作上の観点からすれば、アルミニウム張合わせ層に対してはビスマスが最も好適な合金用元素である。さらに、元素のビスマスは湿潤を促進するための最も好適な合金用元素であり、ニッケルおよび/またはコバルト層に鉛を添加するのと同様な効果を達成するためにこの元素は少量しか必要としないことが見出された。一定の範囲内における張合わせ層中の合金用元素として鉛は所望の効果を与えるが、環境の見地からすれば望ましくない元素であるから、この元素の添加は避けることが好ましい。
【0017】
この群からの1種またはそれ以上の元素を、但し異なった見地から記載した幾つかの従来法の文献は次の通りである。米国特許5,422,191号には、アルミニウム−珪素の芯の材料の上に張合わせられたリチウム含有充填合金を含んで成る鑞付けシート複合体が記載されている。リチウムは0.01〜0.30%の範囲にあり、マグネシウムは0.05%を超えない。この鑞付けシート複合体は真空鑞付け法または制御雰囲気鑞付け法のいずれによっても使用することができる。充填合金がCAB法に使用される場合には、鑞付け用の融剤、例えば公知のNOCOLOK(登録商標)が使用される。さらにニッケルを含む層の使用には触れられていない。
【0018】
米国特許5,069,980号には真空鑞付け法のためのアルミニウム張合わせ合金が記載されている。この張合わせ材料は芯のシートの両側で使用されるべきものである。これは6〜14%の珪素、0〜0.6%のマグネシウムを含み、残りはアルミニウムであるが、腐蝕耐性を改善するためにさらに下記の少なくとも1種の元素を張合わせ合金の中に混入することができる:Pb、Sn、Ni、Cu、Zn、Be、LiおよびGe。張合わせ合金中におけるこれらの 添加剤の役割はその腐蝕耐性を改善する効果に関する限り同じである。
【0019】
米国特許4,721,653号には、実質的に11〜13重量%の珪素、1.0〜2.0重量%のMgを含み残りがアルミニウムである鑞付け合金を片側または両側の表面上に芯のシートを有する鑞付けシート製品が記載されている。このマグネシウム含有張合わせ層は真空鑞付け法だけに用いられ、ニッケルを含む層の使用には触れられていない。
【0020】
フランス特許出願2354171号には、重量%単位で7〜14%の珪素、0.02〜2%のマグネシウム、0.05〜0.3%の鉛、最高0.6%の鉄、および最高0.3%のMnを含み、残りがアルミニウムと不純物である張合せ層を有するアルミニウム鑞付けシート製品が記載されている。このマグネシウムを含む張合わせ層は真空鑞付け法だけに使用され、ニッケルを含む層の使用については触れられていない。
【0021】
ヨーロッパ特許出願EP−0227261号には、鑞付けシート製品を被覆するための芯の合金が記載されている。この鑞付けシート製品は真空鑞付け法に使用されるためのものである。アルミニウムの芯の合金は合金の腐蝕耐性を改善するために0.02〜0.4重量%の範囲でバナジウムを含んでいる。
【0022】
ニッケルを含む層は好ましくは電気メッキされた層である。鑞付けシート製品においてはニッケルを含む層は厚さが好ましくは最高2.0μm、もっと好ましくは最高1.0μm、さらに好ましくは最高0.5μmである。被膜の厚さが2.0μmよりも厚いと長いメッキ処理時間が必要であり、鑞付けの間に熔融した充填材料に皺が生じることがある。このNi含有層に対する好適な最低の厚さは0.3μmである。好ましくはニッケルを含む層は実質的に鉛を含まず、さらに好ましくはビスマスも含まない。しかし、ロール接合法、無電極メッキ法、熱噴霧法、化学蒸着法および物理蒸着法、或いは気相または蒸気相から金属または合金を沈着させる他の方法を使用することができる。
【0023】
鑞付けシート製品の一具体化例においては、アルミニウム張合わせ層の厚さは鑞付けシート製品の全体の厚さの約2〜20%の範囲である。
【0024】
本発明の鑞付けシート製品の好ましい一具体化例においては、アルミニウム張合わせ層に添加するビスマスの量の上限は0.5%である。ビスマスの添加量に対する適切な下限は0.01%、好ましくは0.05%である。
【0025】
本発明の鑞付けシート製品の一具体化例においては、アルミニウム張合わせ層に添加するリチウムの量の上限は0.5%である。リチウムの添加量に対する適切な範囲は0.01〜0.3%である。
【0026】
本発明の鑞付けシート製品の一具体化例においては、アルミニウム張合わせ層に添加するアンチモンの量の上限は0.5%である。アンチモンの添加量に対する適切な範囲は0.01〜0.3%である。
【0027】
一具体化例においては、アルミニウム張合わせ層は重量%の単位で合金用元素としてSiを2〜18%、好ましくは7〜18%の範囲で含み、さらにマグネシウムを最高8.0%、好ましくは最高5.0%の範囲で含んでいる。好ましくはマグネシウムは0.2〜5.0%、さらに好ましくは0.5〜2.5%の範囲である。他の合金用元素を適切な範囲で加えることもできる。鑞付け過程中にこの鑞付けシート製品を使用する場合、アルミニウム張合わせ層の中にマグネシウムが存在しても鑞付け中悪影響は生じないことが見出だされた。このことは公知のNiをメッキした鑞付けシート製品に比べて主要な改善点である。これによって、鑞付けシート製品全体の強度に寄与し得る張合わせ層の設計を行うことができ、或いはその代わりに薄い張合わせ層を有する鑞付けシート製品をつくることができる。さらにこれによって、真空鑞付け法および融剤を用いない制御雰囲気鑞付け法の両方でMgを含む鑞付けシートを被覆することができる。後者の可能性は経済的および技術的に多くの利点を有している。さらに、合金用元素としてビスマスとマグネシウムの両方を添加することにより湿潤および接合を促進する合金元素を後で被覆するニッケル層に加える必要をなくすることができることが見出だされた。本発明の鑞付けシート製品は現存の工業的規模の鑞付けラインに容易に使用することができる。
【0028】
他の一具体化例においては、アルミニウム張合わせ層は重量%の単位で合金用元素としてSiを2〜18%、好ましくは7〜18%の範囲で含み、さらに亜鉛を最高5.0%含んでいる。好ましくは亜鉛は0.5〜3%の範囲で含まれている。他の合金用元素、例えばこれだけに限定されるものではないがMg、InおよびCuを適切な範囲で加えることができる。本発明に従えば、この鑞付けシート製品を使用する場合、張合わせ層の中に亜鉛が存在しても鑞付け中悪影響は生じないことが見出だされた。このことは公知の鑞付けシート製品に比べて主要な改善点であると考えられる。これによって、鑞付けシート製品全体の強度に寄与し得る張合わせ層の設計を行うことができる。さらにこれによって、張合わせ層が故意に加えられた合金用元素として亜鉛を含む鑞付けシート製品を、真空鑞付け法および融剤を用いない制御雰囲気鑞付け法の両方で被覆することができる。この両方の方法とも工業的規模で使用されている。
【0029】
さらに他の一具体化例においては、アルミニウム張合わせ層は重量%の単位で合金用元素としてSiを2〜18%、好ましくは7〜18%の範囲で含み、さらに銅を最高5.0%の範囲で含んでいる。好ましくは銅は3.2〜4.5%の範囲で含まれている。他の合金用元素、例えばこれだけに限定されるものではないがMg、InおよびZnを適切な範囲で加えることができる。本発明に従えば、この鑞付けシート製品を鑞付け過程に使用する場合、張合わせ層の中に銅が存在しても鑞付け中悪影響は生じないことが見出だされた。このことは公知の鑞付シート製品に比べて主要な改善点である。これによって、鑞付けシート製品全体の強度に寄与し得るアルミニウム張合わせ層の設計を行うことができる。さらにこれによって、アルミニウム張合わせ層が故意に加えられた合金用元素として銅を含む鑞付けシート製品を、真空鑞付け法および融剤を用いない制御雰囲気鑞付け法の両方で被覆することができる。この両方の方法とも工業的規模で使用されている。
【0030】
アルミニウム張合わせ層のすべての具体化例において、最高0.30%の範囲でインジウムを合金用元素として存在させ、張合わせ合金の腐蝕電位をアルミニウムの芯の合金に比べ一層電気陰性的にすることができる。インジウムは、亜鉛を添加する場合に比べ、合金の腐蝕電位を減少させる上で遥かに有効であることが見出だされた。典型的にはInは0.1%の量で2.5%のZnと同じ程度の効果がある。
【0031】
アルミニウム張合わせ層のすべての具体化例において、マンガンは不純物元素として最高0.30%、好ましくは最高僅かに0.10%、さらに好ましくは最高0.05%の範囲でアルミニウム張合わせ層の中に存在することができる。
【0032】
アルミニウム張合わせ層のすべての具体化例において、鉄は典型的な不純物元素としてアルミニウム合金中最高0.8%、好ましくは最高0.4%の範囲でアルミニウム張合わせ層の中に存在することができる。
【0033】
アルミニウム張合わせ層のすべての具体化例において、最高0.20%の範囲でストロンチウムを加え、アルミニウム張合わせ合金を注型しまた鑞付けを行う時、固化の際にアルミニウム張合わせ層の中に存在する珪素を変性することができる。さらに好適なストロンチウムの最大添加量は最高0.05%である。
【0034】
本発明の鑞付けシート製品の一具体化例において、芯のシートはマグネシウムを最高8.0%の範囲で含むアルミニウム合金である。好適具体化例においてはマグネシウムは0.5〜5.0%の範囲である。他の合金元素を適切な範囲で加えることができる。本発明の鑞付けシート製品を使用する場合、張合わせ層の中にマグネシウムが存在しても鑞付け中悪影響は生じないことが見出だされた。このことは公知のNiをメッキした鑞付けシートに比べて主要な改善点であると考えられる。鑞付けシート製品自身の製造中および以後の鑞付け法における被覆の際に、Mgが芯から張合わせ層へと拡散しても、本発明の鑞付けシート製品の鑞付け性には悪影響を与えないように思われる。これによって、重要な補強用の元素として一定範囲のマグネシウムを含むアルミニウムの芯シートを有する高強度の鑞付けシート製品の設計が可能になる。この鑞付けシート製品は真空鑞付け法および融剤を用いない制御雰囲気鑞付け法の両方で被覆することができる。この両方の方法とも工業的規模で広く使用されている。
【0035】
本発明の鑞付けシート製品において、芯のシートは一つまたはそれ以上の中間層を介してアルミニウム張合わせ層に接合することができる。このような中間層を有することの利点は、例えば米国特許2,821,014号に記載されている。この特許の内容は引用によりここに包含される。
【0036】
本発明はさらに、本発明によって上記のようにして製造された鑞付けシート製品からつくられた少なくとも一つの部材を含んで成る鑞付けされたアセンブリーを提供する。
【0037】
本発明の他の態様においては、本発明の一つのまたはそれ以上の鑞付けシート製品を用いて鑞付けされたアセンブリーを製造する方法であって、次の逐次的工程段階、即ち
(a)少なくとも一つが上記の本発明鑞付けシート製品からつくられた部材を成形し、
(b)該部材を組み立ててアセンブリーにし、
(c)該アセンブリーを真空下または不活性雰囲気中で鑞付け用の融剤を存在させずに高温において、充填合金が熔融して広がるのに十分な時間の間鑞付けを行い、ここで充填合金は少なくとも本発明のアルミニウム張合わせ合金(2)およびNi層(3)により形成されており、
(d)該鑞付けされたアセンブリーを冷却する工程を含んで成る方法が提供される。
【0038】
該冷却速度は典型的には鑞付け炉の冷却速度の範囲内にあることができる。典型的な冷却速度は少なくとも10℃/分またはそれ以上、典型的には40℃/分またはそれ以上の冷却速度である。芯のシートのアルミニウム合金に依存して、この方法はさらに鑞付けされ冷却されたアセンブリーを老化させ、得られるアセンブリーの機械的性質および/または腐蝕耐性を最適化させるさらなる工程(e)を含むことができる。本発明の鑞付けシート製品を使用すると、約10℃だけ低い鑞付け温度が得られることが見出だされた。このように鑞付け温度が低下すると、工業的規模における全鑞付け過程の処理時間を著しく短縮することができ、典型的には時間の短縮は20%またはそれ以上になることが見出だされた。
【0039】
本発明のさらに他の観点においては、上記および本明細書の他の場所に記載されたアルミニウム張合わせ合金を鑞付けシート製品に使用する方法が提供される。
【0040】
本発明のさらに他の観点においては、鑞付け用の融剤を存在させず不活性雰囲気中で鑞付けする方法(CAB)で鑞付けされたアセンブリーを製造する方法において、上記および本明細書の他の場所に記載されたアルミニウム張合わせ合金を使用する方法が提供される。
【0041】
次に幾つかの本発明を限定しない実施例および添付図面を参照して本発明を例示する。
【0042】
(好適具体化例の説明)
図1は、例えば米国特許3,970,237号記載の方法で得られるような従来法の鑞付けシートの模式図を示す。この鑞付けシート製品は、Al−Si合金を含むアルミニウム張合わせ層5が片側または両側に張合わされた芯のシート1から成っている。張合わせ層5の上には薄いニッケル−鉛層3が電着によって被覆されている。
【0043】
図2は本発明の鑞付けシートを模式的に示している。この場合Al−Si−Bi合金を含んで成る張合わせ層2とNi層3との間における利点は上記に述べた通りである。図2において層3は鑞付けシートの片側だけにあるように示されているが、鑞付けシート製品の両側に被覆することもできることは、当業者には直ちに明白であろう。種々の層の組成およびその利点は上記の通りである。
【0044】
図3は本発明の更なる鑞付けシートを模式的に示しているが、このシートは図2の層の他に、両側において芯の層1とアルミニウム張合わせ層2との間に更なる中間層4を有している。図3において層3は鑞付けシート製品の片側だけにあるように示されているが、鑞付けシート製品の両側に被覆することもできることは、当業者には直ちに明白であろう。また中間層4は鑞付けシート製品の片側に被覆することもできる。種々の層の可能な組成およびその利点は上記に記載した。
【0045】
(実施例)
実験室的規模の試験においては、片側に張合わせたAluminium Associationの(AA)3003の芯の合金の片側に、4種の異なった組成(表1参照)のAA4000系列のアルミニウム張合わせ合金をロール接合法によって張合わせてつくった全体の厚さが0.5mm、張合わせ層の厚さが約50μmのアルミニウム鑞付けシート製品を、表2記載のように処理した。
【0046】
この処理は次のような逐次的段階から成っていた。
【0047】
− ChemTec30014(市販の脱グリース剤およびアルカリ性エッチング・クリーナー)の中に180秒間浸漬してクリーニングを行った後すすぎ洗いする。
【0048】
− 室温においてChemTec30203(市販のアルカリ性エッチング・クリーナー)中に20秒間浸漬してアルカリエッチングを行った後すすぎ洗いする。
【0049】
− 随時、室温において酸性の酸化浴、典型的にはChemTec11093(市販の酸洗い賦活剤)を含む25〜50容積%の硝酸中で4秒間スマット除去(desmutting)操作を行った後水洗する。
【0050】
− ニッケルを電気メッキし、すすぎ洗いする。
【0051】
ニッケルの電気メッキに対しては、鉛またはビスマスを含まない塩基性の浴を使用した。これを表2に「L−」として示す。鉛およびビスマスを含まない塩基性の浴は50g/リットルの硫酸ニッケル、50g/リットルの塩化ニッケル、30g/リットルのクエン酸ナトリウム、および75ml/リットルの水酸化アンモニウム(30%)を含んでいた。26℃におけるメッキ条件は、電流密度3A/dm2を用いると50秒のメッキ時間で厚さ0.5μmのニッケルメッキ層を生じるような条件であった。
【0052】
次のようにして鑞付け性を評価した。実験室規模での試験では、小さい石英炉で鑞付け試験を行った。25mm×25mmの小さい試験片をニッケルメッキしたシートから切り取った。30mm×7mm×1mmの寸法のAA3003合金の小さい試験片を中央の部分で45°の角度に折り曲げ、ニッケルメッキしたシート片の上に載せる。窒素を流しながらシート試料上の試験片を加熱し、この際室温から580℃の温度まで約10分間で加熱を行い、580℃で1分間の滞留時間をとり、580℃から室温まで冷却する。皺の生成、毛管の凹みおよびフィレットの生成に関して鑞付け過程を評価する。次のようにして全体的な評価値を与える。(−)=鑞付け性が悪い。(−/±)=鑞付け性は中位。(±)=鑞付け性は良好。(+)=優れた鑞付け性。得られた結果を表2にまとめる。
【0053】
張合わせ層No.2の結果は、張合わせ層にビスマスを加えると優れた鑞付け性が得られることを示している。従って本発明に従えばニッケル層に鉛および/またはビスマスを直接加えることを省略することができる。張合わせ層No.3の結果は、マグネシウムと組み合わせてBiをアルミニウム張合わせ層に加えるとやはり優れた鑞付け性が得られることを示している。張合わせ層No.4の結果は、亜鉛と組み合わせてBiをアルミニウム張合わせ層に加えるとやはり優れた鑞付け性が得られることを示している。これに対し張合わせ層の中にビスマスも鉛も存在せず、又ニッケル層の中にも鉛が存在しない場合、鑞付け性が悪い結果が得られる(張合わせ合金No.1参照)。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
以上、本発明を詳細に説明したが、上記の本発明の精神および範囲を逸脱することなく多くの変形および変更を行い得ることは当業者には明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法の鑞付けシート製品の構造を示す長手方向の模式的断面図。
【図2】本発明の鑞付けシート製品の構造を示す長手方向の模式的断面図。
【図3】本発明の鑞付けシート製品の構造を示す長手方向の模式的断面図。
Claims (15)
- アルミニウム合金製の芯のシート(1)、該芯のシートの少なくとも片側の表面に張合わせられたアルミニウム張合わせ層(2)、および該張合わせ層(2)の片側または両側の外側の表面上にあるニッケルを含む層(3)を含んで成り、該アルミニウム張合わせ層(2)の外側の表面と該ニッケルを含む層(3)との間の接合層として亜鉛または錫を含む層をもたない鑞付けシート製品において、
該アルミニウム張合わせ合金層は重量%単位で
Siを2〜18、
Mgを最高8.0、
Znを最高5.0、
Cuを最高5.0、
Mnを最高0.30、
Inを最高0.30、
Feを最高0.80、
Srを最高0.20の割合で含み、
さらに下記の群から選ばれる少なくとも1種の元素を下記の範囲
Bi 0.01〜1.0
Pb 0.01〜1.0
Li 0.01〜1.0
Sb 0.01〜1.0
の割合で含み、さらに不純物をそれぞれ最高0.05、全部で最高0.20の割合で含み、残りはAlであることを特徴とする鑞付けシート製品。 - 該ニッケルを含む層(3)は実質的に鉛を含んでいないことを特徴とする請求項1記載の鑞付けシート製品。
- 該ニッケルを含む層(3)は実質的にビスマスを含んでいないことを特徴とする請求項1または2記載の鑞付けシート製品。
- 該ニッケルを含む層(3)は2.0μmより厚くない、好ましくは1.0μmより厚くない厚さを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の鑞付けシート製品。
- 該アルミニウム張合わせ層(2)はMgを0.2〜5.0重量%の範囲の量で含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鑞付けシート製品。
- 該アルミニウム張合わせ層(2)はMgを0.2〜2.0重量%の範囲の量で含んでいることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の鑞付けシート製品。
- 該アルミニウム張合わせ層(2)はZnを0.5〜3.0重量%の範囲の量で含んでいることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の鑞付けシート製品。
- 該アルミニウム張合わせ層(2)はBiを0.01〜0.5重量%の範囲の量で含んでいることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の鑞付けシート製品。
- 該アルミニウム張合わせ層(2)に含まれるBi、Pb、LiおよびSbの全量は1.0重量%以下の範囲の量であることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の鑞付けシート製品。
- 該芯のシート(1)は中間層(4)を介して該アルミニウム合金張合わせ層(2)に接合されていることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の鑞付けシート製品。
- 該芯のシート(1)はマグネシウムを最高8.0%の範囲の量で含むアルミニウム合金であることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の鑞付けシート製品。
- 部材の少なくとも一つが請求項1〜11のいずれかに記載の鑞付けシート製品であることを特徴とする鑞付けにより接合された部材のアセンブリー。
- 次の逐次的工程、即ち
(a)少なくとも一つが請求項1〜11のいずれかに記載の鑞付けシート製品からつくられた部材をつくり、
(b)該部材を組み立ててアセンブリーにし、
(c)真空下または不活性雰囲気中において鑞付け用の融剤を存在させずに高温で張合わせ層が熔融して広がるのに十分な時間をかけて該アセンブリーを鑞付けし、
(d)鑞付けされたアセンブリーを冷却する工程を含んで成る鑞付けされた部材のアセンブリーを製造する方法。 - 鑞付けシート中に請求項1〜11のいずれかに記載のアルミニウム張合わせ合金を使用する方法。
- 鑞付け用の融剤を存在させずに行う不活性雰囲気鑞付け法において請求項1〜11のいずれかに記載のアルミニウム張合わせ合金を使用する方法。
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