JP2004504407A - C型肝炎ウイルスのns3−セリンプロテアーゼ阻害剤としての新規ペプチド - Google Patents
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Abstract
本発明は、HCVプロテアーゼ阻害活性を有する11個のアミノ酸残基を含む新規ペプチド化合物ならびにかかる化合物の製造方法を開示する。もう1つの具体例において、本発明は、かかるペプチドを含有する医薬組成物ならびにそれらを用いてHCVプロテアーゼ関連疾病を治療する方法を開示する。
Description
【0001】
発明の分野
本発明は、新規C型肝炎ウイルス(HCV)プロテアーゼ阻害剤、1またはそれ以上のかかる阻害剤を含有する医薬組成物、かかる阻害剤の製造方法ならびにかかる阻害剤を用いてC型肝炎および関連疾患の治療する方法に関する。詳細には、本発明は、HCV NS3/NS4セリンプロテアーゼの阻害剤としての11個のアミノ酸残基を含む新規ペプチド化合物を開示する。
【0002】
発明の背景
C型肝炎ウイルス(HCV)は、非A、非B型肝炎(NANBH)、特に血液関連NANBH(BB−NANBH)(国際特許出願公開WO89/04669および欧州特許出願公開EP381216参照)の主要な原因として関与している(+)−センス1本鎖RNAウイルスである。NANBHは、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、デルタ肝炎ウイルス(HDV)、サイトメガロウイルス(CMV)およびエプステイン−バーウイルス(EBV)のごとき他のタイプのウイルスにより誘発される肝臓病ならびにアルコール依存症および初期胆汁肝硬変とは区別されるべきである。
【0003】
最近、ポリペプチドプロセッシングおよびウイルス複製に必要とされるHCVプロテアーゼが同定され、クローニングされ発現された(例えば、米国特許第5712145号参照)。この約3000アミノ酸のポリ蛋白は、アミノ末端からカルボキシ末端まで、ヌクレオカプシド蛋白(C)、エンベロープ蛋白(E1およびE2)ならびに数個の非構造蛋白(NS1、2、3、4a、5aおよび5b)を含む。NS3は約68kdaの蛋白であり、HCVゲノムの約1893個のヌクレオチドによりコードされ、2つの別個のドメイン:(a)約200個のN−末端アミノ酸からなるセリンプロテアーゼドメインおよび(b)蛋白のC−末端のRNA−依存性ATPaseドメインを有している。蛋白配列、全体的な3次元構造および触媒機構の類似性により、NS3プロテアーゼはキモトリプシンファミリーのメンバーであると考えられている。他のキモトリプシン様酵素はエラスターゼ、因子Xa、スロンビン、トリプシン、プラスミン、ウロキナーゼ、tPAおよびPSAである。HCV NS3セリンプロテアーゼは、NS3/NS4a、NS4a/NS4b、NS4b/NS5aおよびNS5a/NS5bジャンクションにおけるポリペプチド(ポリ蛋白)のプロテオリシスに関与しており、かくして、ウイルス複製の間の4つのウイルス蛋白の生成に関与している。このことはHCV NS3セリンプロテアーゼを抗ウイルス化学療法の魅力的な標的としている。
【0004】
約6kdaのポリペプチドであるNS4a蛋白がNS3のセリンプロテアーゼ活性のコファクターであることがわかっている。NS3/NS4aジャンクションのNS3/NS4aセリンプロテアーゼによる自己開裂は分子内で起こるが(すなわちシス)、他の開裂部位は分子間プロセッシングされる(すなわちトランス)。
【0005】
HCVプロテアーゼの本来の開裂部位の分析により、P1におけるシステインおよびP1’におけるセリンの存在、ならびにこれらの残基がNS4a/NS4b、NS4b/NS5aおよびNS5a/NS5bジャンクションにおいて厳密に保存されていることが明らかとなった。NS3/NS4aジャンクションはP1にスレオニンおよびP1’にセリンを含む。NS3/NS4aにおけるCys→Thr置換は、このジャンクションにおいてトランスプロセッシングよりもむしろシスプロセッシングが必要とされる訳を説明するのみ必要である。例えば、Pizzi et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 91:888−892、Failla et al. (1996) Folding & Design 1:35−42参照。また、NS3/NA4a開裂部位は他の部位よりも突然変異に耐性がある。例えば、Kollykhalov et al. (1994) J. Virol. 68:7525−7533参照。開裂部位上流の領域中の酸性残基が有効な開裂に必要であることもわかっている。例えば、Komoda et al. (1994) J. Virol. 68:7351−7357参照。
【0006】
報告されているHCVプロテアーゼの阻害剤は、抗酸化剤(国際特許出願公開WO98/14181参照)、ある種のペプチドおよびペプチドアナログ(国際特許出願公開WO98/17679、Landro et al. (1997) Biochem. 36:9340−9348、Ingallinella et al. (1988) Biochem. 37:8906−8914、Liinas−Brunet et al. (1998) Bioorg. Med. Chem. Lett. 8:1713−1718参照)、70個のアミノ酸のポリペプチド、エグリンcに基づく阻害剤(Martin et al. (1998) Biochem. 37:11459−11468)、ヒト膵臓分泌トリプシン阻害剤(hPSTI−C3)およびミニボディーレパートリー(MBip)からアフィニティー選択された阻害剤(Dimasi et al. (1997) J. Virol. 71:7461−7469)、cVHE2(「カメライズド(camelized)」可変ドメイン抗体フラグメント)(Martin et al. (1997) Protein Eng. 10:607−614)、ならびにα1−アンチキモトリプシン(ACT)(Elzouki et al. (1997) J. Hepat. 27:42−28)を包含する。選択的にC型肝炎ウイルスRNAを破壊するように設計されたリボザイムが最近開示された(BioWorld Today 9(217):4 (November 10, 1998))。
【0007】
1998年4月30日公開のPCT公開WO98/17679(Vertex Pharmaceuticals Incorporated);1998年5月28日公開のWO98/22496(F. Hoffmann−La Roche AG);および1999年2月18日公開のWO99/07734(Boehringer Ingelheim Canada Ltd.)も参照される。
【0008】
HCVは肝硬変および肝細胞癌腫の誘導に関与している。HCV感染している患者の予後は現在ほとんどうまくいっていない。HCV感染に関連した免疫あるいは緩和策がないので、HCV感染は他の形態の肝炎よりも治療が困難である。現在のデータは、肝硬変の診断から4年後の生存率は50%未満であることを示している。局在化した切除可能な肝細胞癌腫を有すると診断された患者は5年生存率が10〜30%であるが、局在化した切除不可能な肝細胞癌腫を有する患者の5年生存率は1%未満である。
【0009】
HCV NS3プロテアーゼの阻害剤の二環式アナログの合成を記載しているA. Marchetti et al, Synlett, S1, 1000−1002 (1999)も参照される。そこに開示された化合物は下記の構造を有する:
【化2】
【0010】
WO00/09558(譲受人:Boehringer Ingelheim Limited; 2000年2月24日公開)も参照され、それは下記のペプチド誘導体を開示している:
【化3】
[式中、種々のエレメントが定義されている]
当該シリーズの典型的な化合物は下記のものである:
【化4】
【0011】
WO00/09543(譲受人:Boehringer Ingelheim Limited; 2000年2月24日公開)も参照され、それは下記のペプチド誘導体を開示している:
【化5】
[式中、種々のエレメントが定義されている]
当該シリーズの典型的な化合物は下記のものである:
【化6】
【0012】
C型肝炎に対する現在の治療薬はインターフェロン−α(IFNα)およびリバビリンとインターフェロンの組合せを包含する。例えば、Beremguer et al. (1998) Proc. Assoc. Am. Physicians 110(2):98−112参照。これらの治療薬は応答持続性を欠き、頻繁に副作用を引き起こす。例えば、Hoofnagle et al. (1997) N. Engl. J. Med. 336:347参照。現在、HCV感染に対するワクチンは使えない。
【0013】
係属中および同時係属の米国特許出願第09/ 号( 出願)、および第09/ 号( 出願)、第09/ 号( 出願)、第09/ 号( 出願)、第09/ 号( 出願)、ならびに第09/ 号( 出願)は、C型肝炎ウイルスのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤として種々のタイプのペプチドを開示している。
【0014】
HCV感染に対する新しい治療および治療薬の必要性がある。それゆえ、本発明の目的は、C型肝炎の1またはそれ以上の徴候の治療または予防または改善に有用な化合物を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、C型肝炎の1またはそれ以上の徴候の治療または予防または改善方法を提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、本発明により提供される化合物を用いてセリンプロテアーゼ、特に、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの活性をモジュレーションする方法を提供することである。
【0017】
本発明のもう1つの目的は、本明細書により提供される化合物を用いてHCVポリペプチドのプロセッシングをモジュレーションする方法を提供することである。
【0018】
発明の概要
本発明はその多くの具体例において、新規クラスのHCVプロテアーゼ阻害剤、1またはそれ以上の該化合物を含む医薬組成物、1またはそれ以上のかかる化合物を含む医薬処方の調製方法、ならびにC型肝炎の1またはそれ以上オの徴候の治療または予防または改善方法を提供する。さらにHCVポリペプチドとHCVプロテアーゼとの相互作用をモジュレーションする方法も提供する。本発明により提供される化合物のなかで、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼ活性を阻害する化合物が好ましい。一般的には、今回開示された化合物は11個のアミノ酸残基を含む。化合物はα−ケトアミドペプチドアナログである。一般的には、化合物は、11個のアミノ酸残基を含む。α−ケトアミド基が化合物のP1位置に存在する。化合物は、N末端がアシル、カルバモイルまたはスルホニル基でキャップされており、C末端がアミド、エステルおよび酸である。
【0019】
1の具体例において、化合物は式I:
【化7】
[式中、XはCOCH(R4)NHCOCH(R5)NHCOCH(R6)NHCORnまたはCOCH(R4)NHCOCH(R5)NHCOCH(R6)NHSO2R20であり;
U1は窒素原子であり、Uは−CH−であり;
ZはNH−CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONHCH(R5’)CORcであり;
R1、R2、R22、R3、R4、R5、R6、Rn、R2’、R3’、R4’、R5’、R1’、R20およびRcは下記(a)および(b)から選択され:
(a)R1は下記(i)〜(v)から選択され:
(i)Qで置換されたC1−2アルキル;
(ii)未置換またはQで置換されたC3−10アルキル;
(iii)未置換またはQで置換されたシクロアルキル;
(iv)未置換またはQで置換されたアルケニル;
(v)未置換またはQで置換されたアルキニル;
R2およびR22は下記(i)または(ii)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってアルキレン、アルケニレン、チアアルキレン、チアアルケニレン、アルキレンチアアルキレン、アルキレンアザアルキレン、アリーレン(arylene)、アルキレンアリーレンまたはジアルキレンアリーレンを形成するか;あるいは
(ii)R2およびR22はそれぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択され;
R3はアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され;
R4はアルキル、シクロアルキル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルであり;
R5はアルキルまたはシクロアルキルであり;
R6はアルキルまたはシクロアルキルであり;
Rnはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニル、ヘテロアラルキニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシまたはNR30R31であり;
R30およびR31はそれぞれ独立してH、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され;
R2’はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
R3’はアルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され;
R4’はアラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
R5’はアルキルまたはシクロアルキルであり;
R1’はH、アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択され;
R20はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり;
Rcはアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルアミノ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、アラルキルアミノおよびヘテロアラルキルアミノから選択され;
Qはハライド、シュードハライド、ヒドロキシ、ニトリル、ホルミル、メルカプト、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、1個の二重結合を含むアルケニル、1個の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキリデン、アルキルカルボニル、アルコキシ、パーフルオロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシまたはアルキルチオであり;
R2、R22、R3、R4、R5、R6、Rn、R2’、R3’、R4’、R5’、R1’、R20およびRcは未置換であるか、あるいはそれぞれ独立してQ1から選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されており、ここにQ1はハライド、シュードハライド、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、1ないし2個の二重結合を含むアルケニル、1ないし2個の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアルキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、パーフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、ウレイド、アルキルウレイド、アリールウレイド、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アジド、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、パーフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニルまたはアルキルアリールアミノスルホニルであり;
Q1のアリールおよびヘテロアリール基は未置換であるか、あるいはそれぞれ独立してQ2から選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されており、ここにQ2はアルキル、ハライド、シュードハライド、アルコキシ、アリールオキシまたはアルキレンジオキシであり;あるいは
(b)R1およびR3、および/またはR2およびR4、および/またはR3およびR5、および/またはR4およびR6、および/またはR1およびR2’、および/またはR1’およびR3’、および/またはR2’およびR4’、および/またはR3’およびR5’、および/またはR2およびR1’、および/またはR1およびR1’は一緒になってアルキレン、アルケニレン、アルキレンアリーレン、ジアルキレンアリーレン、アルキレン−OC(O)−アルキレン、アルキレン−NHC(O)−アルキレン、アルキレン−O−アルキレン、アルキレン−NHC(O)−アルキレン−NHC(O)−アルキレン、アルキレン−C(O)NH−アルキレン−NHC(O)−アルキレン、アルキレン−NHC(O)−アルキレン−C(O)NH−アルキレン、アルキレン−S(O)m−S(O)m−アルキレンまたはアルキレン−S(O)m−アルキレンを形成し、ここにmは0〜2であり、アルキレンおよびアリーレン部分は未置換であるか、あるいはQ1で置換されており;他のものは(a)に示すように選択される]
を有するものであるか、あるいはその医薬上許容される誘導体である。
【0020】
より好ましい具体例において、化合物は、R2およびR22が一緒になって未置換プロピレンを形成する場合には、R1がi−Pr、i−Buまたは2−(メチルチオ)エチルでない化合物である。
【0021】
他の好ましい具体例において、Qはハライド、シュードハライド、ヒドロキシ、ニトリル、ホルミル、メルカプト、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、1個の二重結合を含むアルケニル、1個の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキリデン、アルキルカルボニル、アルコキシ、パーフルオロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシまたはアルキルチオである。
【0022】
本明細書に記載したすべての具体例において、好ましくは、R1はC3−10アルキルであるか、あるいはアルケニルまたはアルキニルであり、未置換であるかあるいはQで置換されている。好ましい具体例において、R1はn−Pr、アリルまたはプロピニルであり、最も好ましくはn−Prである。
【0023】
他の好ましい具体例において、Uは−CH−であり、U1は窒素原子である。
【0024】
P1−P6およびP1’−P5’残基を以下においてさらに詳述する。これらの残基が互いに独立して選択されて本明細書の化合物となることが理解されるべきである。かくして、本明細書記載のP1−P6およびP1’−P5’残基のいずれの組合せも本発明に包含される。これらの残基の好ましい組合せを本明細書に詳述し、それらは最高のHCVプロテアーゼ、特に最高のHCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼ阻害活性および/または経口生体利用性、インビボでの半減期等(これらに限らない)を包含する所望の薬剤動力学的特性を有する。
【0025】
以下に詳細に説明する基R2、R22、R3、R4、R5、R6、Rn、R2’、R3’、R4’、R5’、R1’、R20およびRcは未置換であるかあるいはそれぞれ独立してQ1から選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されており、ここにQ1はハライド、シュードハライド、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、1ないし2個の二重結合を含むアルケニル、1ないし2個の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアルキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、パーフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、ウレイド、アルキルウレイド、アリールウレイド、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アジド、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、パーフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニルまたはアルキルアリールアミノスルホニルであり;ここにQ1のアリールおよびヘテロアリール基は未置換であるかあるいはそれぞれ独立してQ2から選択され、ここにQ2はアルキル、ハライド、シュードハライド、アルコキシ、アリールオキシまたはアルキレンジオキシである。
【0026】
1.P1残基
本明細書において詳細に説明される具体例において、P1残基の側鎖(R1)は下記の(i)〜(v)から選択される。
(i)Qで置換されたC1−2アルキル;
(ii)未置換であるかあるいはQで置換されたC3−10アルキル;
(iii)未置換であるかあるいはQで置換されたシクロアルキル;
(iv)未置換であるかあるいはQで置換されたアルケニル;および
(v)未置換であるかあるいはQで置換されたアルキニル。
ここにQはハライド、シュードハライド、ヒドロキシ、ニトリル、ホルミル、メルカプト、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、1個の二重結合を含むアルケニル、1個の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキリデン、アルキルカルボニル、アルコキシ、パーフルオロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシまたはアルキルチオである。
【0027】
好ましい具体例において、R1は下記(i)〜(iv)から選択される:
(i)Qで置換されたC1−2アルキル;
(ii)未置換であるかあるいはQで置換されたC3−10アルキル;
(iii)未置換であるかあるいはQで置換されたアルケニル;
(iv)未置換であるかあるいはQで置換されたアルキニル。
【0028】
より好ましい具体例において、R1はC3−10アルキルまたはアルケニルまたはアルキニルであり、未置換であるかあるいはQで置換されていてる。より好ましくは、R1はC3−10アルキルであるか、あるいはアルキニル、最も好ましくはC3−10アルキルである。
【0029】
かくして、特に好ましい具体例において、R1はn−Pr、CH2C≡CH、i−Bu、n−Bu、i−Pr、CH2CH=CH2、ヒドロキシメチル、CH2SH、CH2CH2SH、CH2SMe、2−(メチルチオ)エチル、CH2SEt、1−ヒドロキシ−1−エチルおよびメトキシメチルのごとき群から選択される。より好ましくは、R1はn−Pr、アリルまたはプロピニルであり、最も好ましくはn−Prである。かくして、最も好ましくはP1残基はノルバリンである。
【0030】
2.P2残基
本明細書に記載の具体例において、P2残基は環状アミノ酸またはアミノ酸アナログであるか、あるいはH、アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択される側鎖を有する。ある具体例において、P2残基における置換基は下記のものから選択される:
UおよびU1の一方は窒素原子であり、他方は−CH−または−C(低級アルキル)−であり;
R2およびR22は下記(i)または(ii)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってアルキレン、アルケニレン、チアアルキレン、チアアルケニレン、アルキレンチアアルキレン、アルキレンアザアルキレン、アリーレン、アルキレンアリーレンまたはジアルキレンアリーレンを形成するか;あるいは
(ii)R2およびR22はそれぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択される。
【0031】
ある好ましい具体例において、R2およびR22は、R2およびR22が一緒になって未置換プロピレンを形成する場合には、R1はi−Pr、i−Buまたは2−(メチルチオ)エチルでない。
【0032】
好ましい具体例において、Uは−CH−または−C(低級アルキル)であり、U1は窒素原子である。より好ましくは、Uは−CH−または−C(Me)−であり、最も好ましくは−CH−である。
【0033】
他の好ましい具体例において、R2およびR22は下記(i)または(ii)から選択される:
(i)R2およびR22は一緒になってアルキレン、チアアルキレン、ジアルキレンアリーレンを形成し;あるいは
(ii)R2およびR22はそれぞれ独立してH、アルキルおよびアラルキルから選択される。
【0034】
より好ましい具体例において、R2およびR22は下記(i)または(ii)から選択される:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレン、ブチレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここにブチレンおよび1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルメトキシ、2−プロペン−1−イル、N−(4−メトキシフェニル)ウレイド、3−フェノキシベンゾイルアミノ、4−メトキシフェニルメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ、ベンジル、4−メトキシベンゾイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4−メチレンジオキシベンゾイルアミノ、4−フルオロベンゾイルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、4−フェノキシベンゾイルアミノまたはアミノで置換されているか、あるいは
(ii)R2はCH2SO2Me、CH2SCH2COOH、CH2CH2COOHおよびCH2SMeから選択され、R22はHである。
【0035】
特に好ましい具体例において、R2およびR22は下記(i)または(ii)から選択される:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここに1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチルまたはヒドロキシカルボニルメトキシで置換されている;あるいは
(ii)R2はCH2SO2MeおよびCH2SCH2COOHから選択され、R22はHである。
【0036】
特に好ましい具体例において、P2残基は環状アミノ酸アナログ、好ましくは置換プロリンである。これらの具体例において、R2およびR22は一緒になってプロピレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここに1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチルまたはヒドロキシカルボニルメトキシで置換されており、最も好ましくは、R2およびR22は一緒になって未置換プロピレンを形成する。
【0037】
他の具体例において、R2およびR22は下記(i)または(ii)から選択される:
(i)R2はCH2R40、CH2CH2R40、CH2CH2NH−R40またはCH2−(4−ヒドロキシ−3−R40−フェニル)であり、R22はH、アルキル、シクロアルキル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;あるいは
(ii)R2およびR22は一緒になって−CH2CH(R40)CH2−または
【化8】
を形成し、ここにR40は(L1)s−R32−L2−R33であり、L1は(CH2)zHNC(O)、(CH2)zOC(O)、(CH2)zOC(O)NH、O(CH2)zC(O)、SO2、C(O)および(CH2)zから選択され、zは0ないし3であり、sは0または1であり、R32は1,3−フェニレン、4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン、2,4−ピリジレン、5,7−インドリレンまたは
【化9】
であり、
L2はOまたはCH2であり、R33は4,6−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシフェニル、ナフチル、
【化10】
または
【化11】
であり、
xは0ないし4であり、R35はHまたはアルキルであり、X1はNR36、O、SまたはCH2であり、ここにR36はH、アルキル、アリールまたはヘテロアリールである。
【0038】
他の好ましい具体例において、R2およびR22は一緒になって−CH2C(R40)(R41)CH2−または
【化12】
を形成し、ここにR40およびR41は下記(i)、(ii)および(iii)から選択される:
(i)R40は(L1)s−R32−L2−R33であり、R41はH、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキルから選択されろか、あるいは
(ii)R40およびR41はそれぞれ独立して−S−アルキル、−S−アリール、−S−アラルキル、−O−アルキル、−O−アリールおよび−O−アラルキルから選択されるか、あるいは
(iii)R40およびR41は一緒になって−S−アルキレン−S−、−S−アルキレン−O−、−O−アルキレン−O−、−S−アリーレン−S−、−O−アリーレン−O−または−O−アリーレン−S−から選択され、
L1は(CH2)zNHC(O)、(CH2)zOC(O)、(CH2)zOC(O)NH、O(CH2)zC(O)、SO2、C(O)および(CH2)zから選択され、zは0ないし3であり、
Sは0または1であり、
R32は1,3−フェニレン、4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン、2,4−ピリジレン、5,7−インドリレン、または
【化13】
であり、
L2はOまたはCH2であり、
R33は4,6−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシフェニル、ナフチル、
【化14】
または
【化15】
であり、ここにxは0ないし4であり、R35はHまたはアルキルであり、X1はNR36、O、SまたはCH2であり、ここにR36はH、アルキル、アリールまたはヘテロアリールである。
【0039】
他の具体例において、R2およびR22は一緒になって−C(R50)(R51)−C(R52)(R53)−CH2−を形成し、ここにR50およびR51はUの隣の炭素に結合し、それぞれ独立して水素または低級アルキルであり、R52はUに結合したカルボニル基に対してシスであり、水素またはヒドロキシであり、R53はUに結合したカルボニル基に対してトランスであり、−(CH2)z−フェニル、エチニルフェニル、エテニルフェニル、アルケニル、アルキニル、−(CH2)z−アミノカルボニルフェニル、−(CH2)z−アミノスルホニルフェニル、−(CH2)z−アミノカルボニルオキシフェニルまたは−(CH2)−COOHであり、ここにzは0ないし3であり、R53のフェニル部分は未置換であるかあるいはQ4から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されており、ここにQ4はアルコキシ、ハライド、シュードハライド、アリールオキシまたはアルキレンジオキシである。
【0040】
ある具体例において、P2残基は4−トランス−置換プロリン誘導体である。これらの具体例において、R2およびR22はプロピレン鎖の2−位において置換されているプロピレンを形成する。
【0041】
3.P3およびP4残基
本明細書の具体例において、P3およびP4残基は疎水性アミノ酸残基またはそのアナログである。かくして、これらの具体例において、R3およびR4はアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルから選択される。
【0042】
好ましくは、R3はアルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルであり、より好ましくはアルキルまたはシクロアルキルであり、詳細には、イソプロピル、1−メチル−1−プロピルまたはシクロヘキシルであり、最も好ましくはイソプロピルまたはシクロヘキシルである。好ましいP3残基はバリン、イソロイシンおよびシクロヘキシルグリシンであり、バリンまたはシクロヘキシルグリシンが最も好ましい。
【0043】
好ましくは、R4はアルキル、シクロアルキル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルであり、より好ましくはアルキル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルであり、詳細にはアルキルであり、最も好ましくはイソプロピルである。かくして、最も好ましいP4残基はバリンである。
【0044】
他の具体例において、P3および/またはP4残基はβ−ストランドを誘導するアミノ酸残基またはそのアナログである。これらの具体例において、R3および/またはR4はCH(R52)(R26)またはシクロアルキルであり、R25およびR26はそれぞれ独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択され、R25およびR26およびシクロアルキルは未置換であるかあるいはQ1で置換されている。ある具体例において、R3および/またはR4はバリン、イソロイシンまたはシクロヘキシルグリシンの側鎖である。
【0045】
4.P5およびP6残基
本明細書において詳細に説明する具体例において、P5およびP6は酸性側鎖を有する残基である。よって、R5およびR6はそれぞれ独立して、カルボキシ(これに限らない)を包含する酸性基で置換されたアルキルまたはシクロアルキルである。好ましい具体例において、R5およびR6はそれぞれ独立して、tが1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは2である(CH2)tCOOHである。よって、好ましくは、R5およびR6はそれぞれCH2COOHまたはCH2CH2COOHであり、より好ましくはCH2CH2COOHである。P5およびP6における好ましい残基はアスパラギン酸またはグルタミン酸、最も好ましくはグルタミン酸である。
【0046】
5.P1’残基
本明細書において詳細に説明する具体例において、好ましくは、本発明の化合物はP1’位置にアミノ酸残基またはそのアナログを含む。これらの具体例において、R1’は水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択される。より好ましい具体例において、R1’は水素、アルキルまたはアラルキル、最も好ましくは水素である。よって、好ましくは、P1’残基はグリシンである。
【0047】
6.P2’〜P5’残基
本明細書に記載の化合物はP2’〜P5’位置にアミノ酸残基またはそのアナログを有していてもよい。これらの具体例において、置換基R2’〜R5’はそれぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択される。より好ましい置換基はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択される。各置換基R2’〜R5’に特に好ましい基は以下に詳細に説明する。
【0048】
好ましくは、R2’は水素、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、より好ましくは水素またはアルキルであり、最も好ましくはCH2CH2SMe、C(OH)Me、CH2CH2S(O)MeまたはCH2C(O)NH2である。よって、最も好ましいP2’残基はメチオニン、スレオニン、メチオニンのスルホキシドおよびアスパラギンである。
【0049】
好ましくは、R3’はアルキル、シクロアルキル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり、より好ましくはアルキルまたはヘテロアラルキルであり、最も好ましくはヒドロキシメチル、ヒドロキシカルボニルメチルまたは4−イミダゾリルメチルである。よって、最も好ましいP3’残基はセリン、アスパラギン酸およびヒスチジンである。
【0050】
好ましくは、R4’はアラルキルまたはヘテロアラルキルであり、より好ましくはアラルキルであり、最も好ましくは4−ヒドロキシフェニルメチルである。よって、最も好ましいP4’残基はチロシンである。
【0051】
好ましくは、R5’はアルキルまたはシクロアルキルであり、より好ましくはアルキルであり、最も好ましくはヒドロキシメチルである。よって、最も好ましいP5’残基はセリンである。
【0052】
本明細書において詳細に説明する具体例において、C−末端基ZはNH−CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONHCH(R5’)CORcであり、ここにR1’〜R5’は上記のものから選択され、Rcはアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルアミノ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アラルキルアミノおよびヘテロアラルキルアミノから選択される。好ましくは、Rcはヒドロキシ、アルコキシまたはアミノであり、より好ましくはOH、OEt、NH2またはO−アリルであり、詳細にはOH、OEtまたはNH2であり、最も好ましくはOHまたはNH2である。
【0053】
本明細書に記載のすベての具体例において、XおよびZの少なくとも一方はアミノ酸残基またはそのアナログであり、本発明の化合物は11個のアミノ酸残基またはそのアナログを含む。
【0054】
7.X基
好ましい具体例において、XはCOCH(R4)NHCOCH(R5)NHCOCH(R6)NHCORnまたはCOCH(R4)NHCOCH(R5)NHCOCHCH(R6)NHSO2R20であり、ここにR4〜R6、RnおよびR20は上記のものから選択される。
【0055】
本明細書に記載のすべての具体例において、XおよびZの少なくとも一方はアミノ酸残基またはそのアナログであり、本発明の化合物は4個ないし11個までのアミノ酸残基またはそのアナログを含む。
【0056】
より好ましい具体例において、Rnはアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、アリールまたはアラルキルであり、より好ましくはアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、詳細にはアルキルであり、最も好ましくはメチルである。他のより好ましい具体例において、R20はアルキル、アラルキル、アリールまたはアラルケニルであり、好ましくはメチル、カンフォリル、ベンジル、フェニルまたはスチリルである。
【0057】
8.他のいくつかの好ましい具体例
上記のごとく、P1〜P6およびP1’〜P5’残基の側鎖基(すなわちR1〜R6およびR1’〜R5’)は上記のごとく選択され、互いに独立して選択されて、本発明の化合物となる。よって、本明細書記載のP1〜P6およびP1’〜P5’残基のいずれの組合せも本発明の具体例に包含される。これらの残基の好ましい組合せを以下に詳述する。
【0058】
本発明の好ましい具体例において、化合物のP1〜P3位置の残基(すなわち、R1、R2、R22およびR3)は、最高のHCVプロテアーゼ、好ましくは最高のHCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼ活性を有する化合物を提供するように選択される。より好ましい残基は以下に説明されるものであるか、あるいは本明細書にて説明されるような当業者に知られたアッセイを用いて決定されうる。
【0059】
ある具体例において、化合物は式Iを有し、式中、R1はC3−10アルキルであるか、あるいはアルケニルまたはアルキニル、好ましくはC3−10アルキルまたはアルキニル、より好ましくはC3−10アルキル、もっとも好ましくはn−Prであり、未置換であるかあるいはQで置換されており;
R2およびR22は下記(i)または(ii)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレン、ブチレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここにブチレンおよび1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルメトキシ、2−プロペン−1−イル、N−(4−メトキシフェニル)ウレイド、3−フェノキシベンゾイルアミノ、4−メトキシフェニルメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ、ベンジル、4−メトキシベンゾイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4−メチレンジオキシベンゾイルアミノ、4−フルオロベンゾイルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、4−フェノキシベンゾイルアミノまたはアミノで置換されているか、あるいは
(ii)R2はCH2SO2Me、CH2SCH2COOH、CH2CH2COOHおよびCH2SMeから選択され、好ましくはCH2SO2MeおよびCH2SCH2COOHから選択され;R22はHであり;
R3はi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−プロピルであり;U、U1、XおよびZは上記のとおりである。
【0060】
他の具体例において、化合物は式Iを有し、式中、R1はC3−10アルキルであるか、あるいはアルケニルまたはアルキニル、好ましくはC3−10アルキルまたはアルキニル、より好ましくはC3−10アルキル、最も好ましくはn−Prであり、未置換であるかあるいはQで置換されており;
R2およびR22は下記(i)または(i)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここに1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオエレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、iso−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチルまたはヒドロキシカルボニルメトキシで置換されており;あるいは
(ii)R2はCH2SO2MeおよびCH2SCH2COOHから選択され;R22はHであり;
R3はi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−プロピルであり;U、U1、XおよびZは上記のとおりである。
【0061】
他の好ましい具体例において、化合物は式Iを有し、式中、R1はC3−10アルキルであるか、あるいはアルケニルまたはアルキニル、好ましくはn−Pr、アリルまたはプロピニルであり、より好ましくはn−Prまたはプロピニルであり、最も好ましくはn−Prであり、未置換であるかあるいはQで置換されており;
R2およびR22は下記(i)または(i)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレン、ブチレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここにブチレンおよび1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルメトキシ、2−プロペン−1−イル、N−(4−メトキシフェニル)ウレイド、3−フェノキシベンゾイルアミノ、4−メトキシフェニルメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ、ベンジル、4−メトキシベンゾイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4−メチレンジオキシベンゾイルアミノ、4−フルオロベンゾイルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、4−フェノキシベンゾイルアミノまたはアミノで置換されているか、あるいは
(ii)R2はCH2SO2Me、CH2SCH2COOH、CH2CH2COOHおよびCH2SMeから選択され、好ましくはCH2SO2MeおよびCH2SCH2COOHから選択され;R22はHであり;
R3はi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−プロピルであり;U、U1、XおよびZは上記のとおりである。
【0062】
他の具体例において、化合物は式Iを有し、R1はC3−10アルキルであるか、あるいはアルケニルまたはアルキニル、好ましくはn−Pr、アリルまたはプロピニル、より好ましくはn−Prまたはプロピニル、最も好ましくはn−Prであり、未置換であるかあるいはQで置換されており;
R2およびR22は下記(i)または(i)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここに1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオエレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、iso−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチルまたはヒドロキシカルボニルメトキシで置換されており;あるいは
(ii)R2はCH2SO2MeおよびCH2SCH2COOHから選択され;R22はHであり;
R3はi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−プロピルであり;U、U1、XおよびZは上記のとおりである。
【0063】
より好ましい具体例において、R1はn−Prであり;R2およびR22は一緒になって未置換プロピレンを形成し;R3はi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−ピロピルであり;U、U1、XおよびZは上記のとおりである。
【0064】
上記の好ましい具体例のあるものにおいて、Uは−CH−または−C(低級アルキル)−であり、U1は窒素原子である。より好ましくは、Uは−CH−または−C(Me)−、最も好ましくは−CH−である。
【0065】
式Iの化合物の互変異性体、回転異性体、エナンチオマーおよび他の光学異性体ならびにその医薬上許容される塩、溶媒和物および誘導体も本発明に包含される。
【0066】
本発明のさらなる特徴は、医薬上許容される担体または賦形剤と一緒になった式Iの化合物(またはその塩、溶媒和物または異性体)を活性成分として含有する医薬組成物である。
【0067】
また本発明は、式Iの化合物の製造方法、ならびに例えばHCVおよび関連疾患のごとき疾病の治療方法も提供する。治療方法は、上記疾患または疾病にかかっている患者に治療上有効量の式Iの化合物、あるいは式Iの化合物を含む医薬組成物を投与することを特徴とする。
【0068】
HCVおよび関連疾患用の医薬の製造のための式Iの化合物の使用も開示される。
【0069】
本発明の化合物は表1に記載された化合物(ナノモラー,nMのKi値の範囲の活性を有する)ならびに実施例の後の表に記載された化合物を包含するが、これらに限らない。表1において、HCV連続アッセイKi範囲は:カテゴリーa=1〜100nM;カテゴリーb=101〜999nM;カテゴリーc≧1000nMである。
【0070】
構造に応じて、本発明の化合物は有機酸または無機酸、あるいは有機塩基または無機塩基とともに医薬上許容される塩を形成してもよい。かかる塩の形成に適した酸の例は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸ならびに当業者によく知られた他の無機酸およびカルボン酸である。塩基とともに塩を形成する場合は、適当な塩基は、例えば、NaOH、KOH、NH4OH、水酸化テトラアルキルアンモニウム等である。
【0071】
もう1つの具体例において、本発明は、本発明のペプチドを活性成分として含む医薬組成物を提供する。一般的には、医薬組成物は医薬上許容される担体希釈剤、賦形剤または担体(本明細書ではまとめて担体物質という)をさらに含む。HCV阻害活性により、かかる医薬組成物はC型肝炎および関連疾患の治療において有用性がある。
【0072】
さらにもう1つの具体例において、本発明は、本発明の化合物を活性成分として含む医薬組成物の製造方法を提供し、典型的には、活性成分は、投与剤形、すなわち、経口錠剤、カプセル(固体を充填、半固体を充填あるいは液体を充填したもの)、粉末、経口ゲル、エリキシル、分散可能顆粒、シロップ、懸濁液等の剤形に応じて適切に選択された適切な担体物質と混合されて投与されるであろうし、剤形は慣用的な製薬慣習と矛盾しないものである。例えば、錠剤またはカプセル形態での経口投与には、乳糖、デンプン、ショ糖、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、マンニトール、エチルアルコール(液体剤形の場合)等のごとき経口用の無毒の医薬上許容される不活性担体と活性薬剤成分とを一緒にしてもよい。そのうえ、所望によりあるいは必要ならば、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色料を混合物中に含ませてもよい。粉末および錠剤は約5ないし約95%の本発明の化合物を含有してもよい。適当な結合剤はデンプン、ゼラチン、天然糖類、コーンスィートナー、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウムのごとき天然および合成ガム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールならびにロウを包含する。これらの剤形に使用される滑沢剤のなかでも、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。
【0073】
甘味料および香料および保存料が適宜含まれてもよい。上記用語のいくつかは、すなわち崩壊剤、希釈剤、滑沢剤、結合剤等は以下においてより詳細に説明される。
【0074】
さらに、本発明の組成物を除放性形態に処方して、1またはそれ以上の活性成分の出を制御して治療効果、すなわちHCV阻害活性等を最適化してもよい。除放性のための適用な剤形は、種々の崩壊速度の層を含む層状錠剤、あるいは活性成分を含浸させ錠剤形態とされた制御放出ポリマーマトリックス、あるいはかかる含浸またはカプセル封入ポリマーマトリックスを含むカプセルを包含する。
【0075】
液体剤形調合物は溶液、懸濁液およびエマルジョンを包含する。一例として、非経口注入用の水または水−プロピレングリコール溶液、あるいは経口用溶液、懸濁液およびエマルジョンに甘味料を添加したものが挙げられる。液体剤形調合物は鼻腔内投与用溶液を包含しうる。
【0076】
吸入に適したエアロゾル調合物は溶液および粉末形態の固体を包含し、それらを不活性圧縮ガス、例えば窒素のごとき医薬上許容される担体と混合してもよい。
【0077】
坐薬を調合するには、カカオ脂のごとき脂肪酸グリセリドの混合物のごとき低融点ロウを先ず融解させ、次いで、撹拌または同様の混合によりその中に活性成分を均一に分散させる。次いで、融解した均一混合物を都合の良いサイズの型に注ぎ、放冷してそのことにより固化させる。
【0078】
使用するすぐ前に経口投与用または非経口投与用液体剤形調合物に変換される固体剤形調合物も包含される。かかる液体剤形は溶液、懸濁液およびエマルジョンを包含する。
【0079】
本発明の化合物は経皮的にデリバリー可能である。経皮組成物はクリーム、ローション、エアロゾルおよび/またはエマルジョンの形態であってもよく、この目的にために慣用的なマトリックスまたはリザーバータイプの経皮パッチ中に含有されうる。
【0080】
好ましくは、投与は経口、皮下または静脈内投与である。かかる剤形において、適当量の活性化合物、例えば、所望目的を達成するための有効量を含有する適当なサイズの単位用量に調合物を分割してもよい。
【0081】
単位用量の調合物中の本発明の活性化合物の量は、一般的には、個々の適用に応じて約1.0ミリグラムないし約1000ミリグラム、好ましくは約1.0ミリグラムないし約950ミリグラム、より好ましくは約1.0ミリグラムないし約500ミリグラム、そして典型的には約1ミリグラムないし約250ミリグラムの間で変更されあるいは調節される。使用される実際の用量は患者の年齢、性別、体重および治療すべき症状の重さにより変更されうる。かかる手法は当業者によく知られている。
【0082】
一般的には、活性成分を含有するヒト経口剤形を1日に1または2回投与することができる。投与量および頻度は主治医の判断により調節されるであろう。一般的に推奨される経口投与の場合の1日の投与規則は1日に約1.0ミリグラムないし約10000ミリグラムであってよく、1回または複数回投与される。
【0083】
いくつかの有用な用語を以下に説明する:
錠剤−活性成分含有組成物を保持あるいは含有するための、カプセル−メチルセルロース、ポリビニルアルコールあるいは変性ゼラチンまたはデンプンからできている特殊な容器または封入をいう。典型的には、硬殻カプセルは比較的高強度の骨およびブタ皮膚ゼラチンの混合物からできている。カプセル自体が少量の色素、白濁剤、可塑剤および保存料を含んでいてもよい。
【0084】
錠剤−適当な希釈剤を伴った活性成分を含有する圧縮または成形された固体剤形をいう。湿顆粒化、乾顆粒化による混合物または顆粒を圧縮することにより、あるいは打錠によりすることにより錠剤を製造することができる。
【0085】
経口ゲル−親水性半固体マトリックス中に分散または可溶化された活性成分をいう。
【0086】
復元用粉末は、水またはジュースに懸濁されうる活性成分および適当な希釈剤を含む粉末混合物をいう。
【0087】
希釈剤−通常には、組成物または剤形の主たる部分を占める物質をいう。適当な希釈剤は乳糖、ショ糖、マンニトールおよびソルビトールのごとき糖類;小麦、トウモロコシ、米およびバレイショ由来のデンプン;ならびに微細結晶セルロースのごときセルロースを包含する。組成物中の希釈剤の量は全組成物の約10ないし約90重量%、好ましくは約25ないし約75重量%、より好ましくは約30ないし約60重量%、さらにより好ましくは約12ないし約60重量%である。
【0088】
崩壊剤−組成物がばらばらになり(崩壊し)、医薬を放出するのを促進するために添加される物質をいう。適当な崩壊剤はデンプン;カルボキシメチルデンプンナトリウムのごとき「冷水可溶性」修飾デンプン;ローカストビーン、カラヤ、グアー、トラガカントおよび寒天のごとき天然および合成ガム類;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースのごときセルロース誘導体;ナトリウムクロスカルメロースのごとき微細結晶セルロースおよび架橋微細結晶セルロース;アルギン酸およびアルギン酸ナトリウムのごときアルギネート;ベントナイトのごとき粘土質;ならびに発泡性混合物を包含する。組成物中の崩壊剤の量は組成物の約2ないし約15重量%、より好ましくは約4ないし約10重量%である。
【0089】
結合剤−粉末を結合あるいは「接着」し、顆粒を形成することにより粉末を接着性にし、かくして処方中において「接着剤」として役立つ物質をいう。結合剤は、希釈剤またはバルキング剤中にすでに利用可能となっている接着強度を付加する。適当な結合剤はショ糖のごとき糖類;小麦、トウモロコシ、米およびバレイショ由来のデンプン;アラビアゴム、ゼラチンおよびトラガカントのごとき天然ガム類;アルギン酸、アルギン酸ナトリウムおよびアンモニウムカルシウムアルギネートのごとき海草由来のもの;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースのごときセルロース性物質;ポリビニルピロリドン;ならびにマグネシウムアルミニウムシリケートのごとき無機物質を包含する。組成物中の結合剤の量は組成物の約2ないし約20重量%、より好ましくは約3ないし約10重量%、さらにより好ましくは約3ないし約6重量%である。
【0090】
滑沢剤−摩擦または磨耗を減少させることにより圧縮後に錠剤、顆粒等が型またはダイスから離れ得るようにするために剤形に添加される物質をいう。適当な滑沢剤はステアリン酸マグネシウムステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸カリウムのごときステアリン酸金属塩;ステアリン酸高融点ロウ;ならびに塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリエチレングリコールおよびdl−ロイシンのごとき水溶性滑沢剤を包含する。通常には、滑沢剤は圧縮前の最後の工程において添加される。なぜなら滑沢剤が顆粒表面上および顆粒と錠剤プレスのパーツ間に存在しなくてはならないからである。組成物中の滑沢剤の量は組成物の約0.2ないし約5重量%、好ましくは約0.5%ないし約2重量%、より好ましくは約0.3ないし約1.5重量%である。
【0091】
グライダント−ケーキングを防止し、顆粒の流動特性を改善して、流れを円滑かつ均一にする物質である。適当なグライダントは二酸化ケイ素およびタルクを包含する。組成物中のグライダントの量は全組成物の約0.1重量%ないし約5重量%、好ましくは約0.5ないし約2重量%である。
【0092】
着色料−組成物または剤形を着色するための賦形剤である。かかる賦形剤は食品グレードの色素および粘土質または酸化アルミニウムのごとき適当な吸着剤上に吸着された食品グレードの色素を包含する。着色料の量は組成物の約0.1ないし約5重量%、好ましくは約0.1ないし約1重量%である。
【0093】
生体利用性−標準物質または対象と比較して、活性薬剤成分または治療的部分が投与剤形から全身循環中に吸収される割合および程度をいう。
【0094】
錠剤を製造するための慣用的方法が知られている。かかる方法は、打錠による直接圧縮または生成顆粒の圧縮のごとき乾燥的な方法、または湿潤的な方法または他の特別な方法を包含する。例えばカプセル、坐薬等のような投与用の他の剤形を製造するための慣用的方法もまたよく知られている。
【0095】
本発明のもう1つの具体例は、例えば、C型肝炎等のような疾病の治療のための、上で開示した医薬組成物の使用を開示する。該方法は、治療上有効量の本発明の医薬組成物を、疾病(複数も可)を有しかかる治療を必要とする患者に投与することを特徴とする。
【0096】
さらにもう1つの具体例において、本発明の化合物を用いて、単一治療(monotherapy)モードまたは組合せ治療(combination therapy)モードにて、例えばリバビリンのごとき抗ウイルス剤および/または例えばαインターフェロン等のごときインターフェロンとの組合せにてヒトにおけるHCVを治療してもよい。
【0097】
すでに述べたように、本発明は、本発明の化合物の互変異性体、回転異性体、エナンチオマーおよび他の立体異性体を包含する。かくして、当業者は、本発明の化合物のいくつかは適当な異性体として存在しうることを理解する。かかるバリエーションは本発明の範囲内のものである。
【0098】
本発明のもう1つの具体例は、本明細書に開示した化合物の製造方法を開示する。当該分野においてしたれたいくつかの方法により化合物を製造してもよい。典型的な方法を以下の反応スキームに概説する。下記の説明スキームは少しの代表的な本発明化合物しか説明しないが、天然および非天然アミノ酸のいずれかを適当に置換して、かかる置換に基づく所望化合物が得られるであろう。かかるバリエーションは本発明の範囲内である。
【0099】
以下の実施例中に見出されうる略語は次のとおり:
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
EtOAc:酢酸エチル
AcOH:酢酸
HOOBt:3−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オン
EDCl:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
NMM:N−メチルモルホリン
ADDP:1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン
DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート
MeOH:メタノール
EtOH:エタノール
Et2O:ジエチルエーテル
PyBrOP:ブロモ−tris−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
Bn:ベンジル
Boc:tert−ブトキシカルボニル
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
Chx:シクロヘキシル
Cp:シクロペンチルジエニル
Ts:p−トルエンスルホニル
Me:メチル
【0100】
化合物を製造するための一般的手順
固相合成は少量の特定の本発明化合物の製造に有用である。慣用的なペプチドの固相合成に関しては、ペプチジルアルギニナル(peptidyl argininals)の固相合成のためのリアクターは、溶媒および溶解された試薬に対して透過性があるが、選択されたメッシュサイズの合成樹脂に対しては透過性でない少なくとも1の表面を有するリアクター容器を含む。かかるリアクターは、焼結ガラス製フリット(frit)、ポリプロピレンチューブまたはフリット付きカラムを有するガラス製固相反応容器、あるいはIrori Inc., San Diego Californiaにより製造されたreactor KansTMを含む。リアクターのタイプは、必要とされる固相樹脂の体積に応じて選択され、合成の異なる段階において異なるリアクタータイプを用いてもよい。
【0101】
手順A:カップリング反応
DMF中に懸濁された樹脂(10〜15ml/樹脂1g)に、Fmocアミノ酸(1当量)、HOBt(1当量)、TBTU(1当量)およびDIEA(1当量)を添加した。混合物を4〜48時間反応させた。反応物を抜き取り、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、メタノール、ジクロロメタン、次いでジエチルエーテル(溶媒10〜15ml/樹脂1g)で順次、樹脂を洗浄した。次いで、樹脂を減圧乾燥した。
【0102】
手順B:Fmoc脱保護
Fmoc−保護樹脂をジメチルホルムアミド中20%ピペリジンで30分間処理した(試薬10mL/樹脂1g)。試薬を抜き取り、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、メタノール、ジクロロメタン、次いでジエチルエーテルで順次、樹脂を洗浄した。
【0103】
手順C:無水酢酸を用いるアセチル化
ジメチルホルムアミド中に樹脂を懸濁した。5mmol(0.47mL)の無水酢酸および5mmol(0.70mL)のトリエチルアミンを15mLのジメチルホルムアミドに添加することにより調製されたアセチル化剤を樹脂に添加し、樹脂を30分間撹拌した。ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、メタノール、ジクロロメタン、次いでジエチルエーテルで順次、樹脂を洗浄した(溶媒10mL/樹脂1g)。
【0104】
手順D:セミカルバゾン加水分解
トリフルオロ酢酸:ピルビン酸:ジクロロメタン:水 9:2:2:1からなる開裂カクテル中に樹脂を2時間懸濁した(10mL/樹脂1g)。反応物を抜き取り、上記手順を3回よりも多く繰り返した。ジクロロメタン、水、次いでジクロロメタンで順次、樹脂を洗浄し、そして減圧乾燥した。
【0105】
手順E:HF開裂
完全に保護された乾燥ペプチド−MBHA樹脂(50mg)を、小型スターラーバーを入れたHF容器中に入れた。アニソール(全体積の10%)をスキャベンジャーとして添加した。グルタミン酸およびシステインアミノ酸の存在下において、チオアニソール(10%)および1,2−エタンジオール(0.2%)も添加した。次いで、HF容器をHF装置(Immuno Dynamics, Inc)に装備し、系に窒素を5分間流した。その後、ドライアイス/イソプロパノールにて系を−70℃まで冷却した。20分後、HFを所望体積まで蒸留した(10mL HF/g樹脂)。0℃で1時間半反応を進行させた。仕上げは窒素を用いてすべてのHFを除去することからなっていた。次いで、ジクロロメタンを樹脂に添加し、混合物を5分間撹拌した。その後、水(4mL)中20%酢酸を添加した。20分撹拌した後、フリットした(fritted)漏斗を用いて樹脂を濾別し、減圧下でジクロロメタンを除去した。ヘキサンを残さに添加し、混合物を撹拌し、次いで、層分離させた(これを2回繰り返してスキャベンジャーを除去した)。その間に樹脂を1mLのメタノールに浸した。水層(20% HOAc)を樹脂に戻し、混合物を5分間撹拌し、その後濾過した。メタノールを減圧除去し、水層を凍結乾燥した。次いで、ペプチドを10〜25%メタノール(0.1%トリフルオロ酢酸含有)に溶解し、逆相HPLCにより精製した。
【0106】
実施例I:
Ac−EEVVP−nV−(CO)−GMSYS−Amの合成
【化16】
【0107】
工程I.Fmoc−Met−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−Ser(tBu)−MBHA樹脂の合成
MBHA樹脂(10g,4.6mmol)を、窒素入り口を装備した250mLのフリットした反応容器に入れた。ジメチルホルムアミド中5%ジイソプロピルエチルアミンで樹脂を中和した(2x15分)。次いで、樹脂を15mLのジメチルホルムアミドで2回洗浄し、そして15mLのジクロロメタンおよびジメチルホルムアミドでそれぞれ3回洗浄した。a)Fmoc−Ser(tBu)−OH(4.4g,11.5mmol)、b)Fmoc−Tyr(tBu)−OH(5.3g,11.5mmol)、c)Fmoc−Ser(tBu)−OH(4.4g,11.5mmol)およびd)Fmoc−Met−OH(4.3g,11.5mmol)を順次樹脂にカップリングさせ、手順AおよびBの後収率98%であった(13.95g、得られた最終樹脂置換0.33mmol/g)。
【0108】
工程II.Fmoc−nVal(dpsc)−Gly−OHの合成(下記工程a〜f)
【化17】
【0109】
a)イソシアノ酢酸アリルの合成
a1)イソシアノ酢酸エチル(96.6mL,0.88mL)を、エタノール(1.5L)および水酸化カリウム(59.52g,1.0mol)の冷溶液に滴下した。反応系をゆっくりと温めて室温とした。2時間後、沈殿生成物をガラス漏斗で濾過し、冷エタノールで数回洗浄した。かくして得られたイソシアノ酢酸のカリウム塩を減圧乾燥して金色−褐色固体を得た(99.92g,91.8%)。
【0110】
a2)アセトニトリル(810mL)に溶解した工程1aの生成物(99.92g,0.81mol)に、臭化アリル(92mL,1.05mol)を添加した。4時間還流した後、暗褐色溶液を得た。反応混合物を濃縮し、残さをエーテル(1.5L)中に取り、水(500mL)で3回洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮して暗褐色シロップを得た。7mmHg(98℃)での減圧蒸留により粗生成物を精製して透明油状物質(78.92g,77.7%)を得た。NMRδppm(CDCl3):5.9(m,1H),5.3(m,2H),4.7(d,2H),4.25(s,2H)。
【0111】
b)9−フルオレニルメトキシカルボニル−ノルバリナールの合成(下記工程b1〜b3)
b1)9−フルオレニルメトキシカルボニル−ノルバリンメチルエステルの合成:
無水メタノール(469mL)中Fmoc−ノルバリン(25g,73.75mmol)の冷溶液に、塩化チオニル(53.76mL,0.74mol)を1時間かけて添加した。1時間後に行なった酢酸エチル中の薄層クロマトグラフィーにより反応が完結したことが確認された(Rf=0.85)。反応混合物を濃縮し、残さを酢酸エチル中に取った。有機層を200mLlの重炭酸ナトリウム飽和溶液で3回、次いで、ブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮して標記化合物を、定量的収率で白色固体として得た(26.03g)。NMRδppm(CD3OD):7.7(m,2H),7.6(m,2H),7.4(m,2H),7.3(m,2H),4.3(m,2H),4.1(m,2H),3.7(s,3H),1.7(m,1H),1.6(m,1H),1.4(m,2H),0.95(t,3H)。
【0112】
b2)9−フルオレニルメトキシカルボニル−ノルバリノールの合成
テトラヒドロフラン(123mL)中の工程1bの生成物(26.03g,73.75mmol)に、塩化カルシウム(16.37g,147.49mmol)を添加した。反応混合物を0℃まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(11.16g,0.3mol)を数回に分けて添加した。得られた粘性パスタにメタノール(500mL)を添加し、反応物を室温で90分撹拌した。2:3 酢酸エチル:ヘキサン中の薄層クロマトグラフィーにより反応完了が確認された(Rf=0.25)。0℃において100mLの水をゆっくりと添加することにより反応を不活性化させた。メタノールを減圧除去し、残った水相を酢酸エチル(500mL)で希釈した。各500mlの水、重炭酸ナトリウム飽和溶液およびブラインで有機層を3回ずつ洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して白色固体(21.70g,90.5%)を得た。NMRδppm(CD3OD):7.8(m,2H),7.7(m,2H),7.4(m,2H),7.3(m,2H),4.3〜4.5(m,2H),4.2(m,1H),3.6(s,1H),3.5(s,2H),1.5(m,1H),1.3〜1.4(m,3H),0.99(m,3H)。
【0113】
b3)9−フルオレニルメトキシカルボニル−ノルバリナールの合成
ジクロロメタン(668mL)中の工程b2の生成物(21.70g,66.77mmol)に、トリエチルアミン(37.23mL,267.08mmol)を添加し、溶液を0℃まで冷却した。ジメチルスルホキシド(96mL)中ピリジン三酸化イオウ複合体(42.51g,267.08mmol)の懸濁液を冷溶液に添加した。1時間後、2:3 酢酸エチル:ヘキサン中の薄層クロマトグラフィーにより反応完了が確認された。ジクロロメタンを減圧除去し、残さを酢酸エチル中に取り、50mLの水、1N重硫酸ナトリウム飽和溶液、重炭酸ナトリウム飽和溶液およびブラインで数回洗浄した。有機層を濃縮して白色固体を得た。理論収量(21.57g)と考えて、反応物をさらに精製せずに次工程に移した。
【0114】
c)Fmoc−nVal(CHOH)−Gly−Oアリルの合成
【化18】
ジクロロメタン(170mL)中の工程b3から得られたFmoc−norVal−アルデヒド(5.47g,16.90mmol)の溶液に、イソシアノ酢酸アリル(工程IIa)(2.46mL,20.28mmol)およびピリジン(5.47mL,67.61mmol)を添加した。反応混合物を0℃まで冷却し、トリフルオロ酢酸(3.38mL.33.80mmol)を滴下した。反応物を0℃で1時間撹拌し、次いで、室温で48時間撹拌した。酢酸エチル中での薄層クロマトグラフィーにより反応完了が確認された。反応混合物を濃縮し、20:80 酢酸エチル:ヘキサンから70:30 酢酸エチル:ヘキサンで構成されるグラジエントを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーに供した。所望生成物を含むフラクションをプールし、濃縮して白色泡状物質(6.88g,87.3%)を得た。50:50 酢酸エチル中でのTLCにより1個のスポット(Rf=0.37)が示された。NMRδppm(CD3OD):7.8(m,2H),7.65(m,2H),7.4(m,2H),7.3(m,2H),5.9(m,1H),5.1〜5.4(m,2H),4.55〜4.65(m,2H),4.3〜4.4(m,2H),4.15〜4.25(m,1H),4.01(s,1H),3.9〜4.0(m,3H),1.5〜1.6(m,2H),1.35〜1.45(m,3H),0.9(m,3H)。
【0115】
d)Fmoc−nVal(CO)−Gly−Oアリル
【化19】
窒素の流れの下で、工程cの化合物(5.01g,10.77mmol)を100mLのジメチルスルホキシドおよび100mLのトルエンに溶解した。次いで、水溶性カルボジイミド(EDC,20.6g,107.7mmol)を一度に添加した。反応混合物を0℃まで冷却し、ジクロロ酢酸(4.44mL,53.83mmol)を滴下した。ジクロロ酢酸添加完了後、反応物を0℃で15分撹拌し、次いで、室温で1時間撹拌した。0℃において水(70mL)を添加し、トルエンを減圧除去した残さを酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウム飽和溶液に数回洗浄し、その後、1N重硫酸ナトリウムおよびブライン(50mLずつ)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。理論収量4.99gと考えて、反応物をさらに精製せずに次工程に移した。50:50 酢酸エチル:ヘキサン中の薄層クロマトグラフィーにより1個のスポットが示された(Rf=0.73)。
【0116】
e)Fmoc−nVal(dpsc)−Gly−Oアリルの合成(下記工程e1〜e3)
【化20】
e1)1−t−ブトキシカルボニル−セミカルバジド−4−イルジフェニルメタンの合成
【化21】
225mLのジメチルホルムアミド中カルボニルジイミダゾール(16.2g,0.10mole)の溶液を室温で調製し、窒素雰囲気下で撹拌した。次いで、225mLのDMF中t−ブチルカルバゼート(13.2g,0.100mol)の溶液を30分かけて滴下した。次にジフェニルメチルアミン(18.3g,0.10mol)を30分かけて添加した。反応物を窒素雰囲気下室温で1時間撹拌した。水(10mL)を添加し、混合物を約150mLまで減圧濃縮した。この溶液を500mLの水中に注ぎ、400mLの酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相を各75mLの1N HCl、H2O、重炭酸ナトリウム飽和溶液および塩化ナトリウムで2回ずつ抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。混合物を濾過し、溶液を濃縮して29.5g(収率85%)の白色泡状物質を得た。この物質を酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶化により精製することができたが、次工程に直接使用するには十分に純粋でなかった。融点142〜143℃。1H NMR(CDCl3)d1.45(s,9H),6.10(dd,2H),6.42(s,1H),6.67(bs,1H),7.21〜7.31(m,10H)。元素分析:C19H23N3O3として計算値:C,66.84;H,6.79;N,12.31、実測値:C,66.46;H,6.75;N,12.90。
【0117】
e2)ジフェニルメチルセミカルバジド(dpsc)トリフルオロ酢酸塩の合成
【化22】
12.5mLのジクロロメタン中e1で得られた生成物(3.43g,10mmol)の溶液を、12.5mLのトリフルオロ酢酸で室温において処理し、30分撹拌した。溶液を75mLのエーテルに滴下し、生じた沈殿(2.7g,80%)をガラス漏斗で濾過した。融点182〜184℃。1H NMR(CD3OD)d6.05(s,1H),7.21〜7.35(m,10H)。13C NMR(CD3OD)d57.6,118.3(q,CF3),126.7,127.9,141.6,156.9,160.9(q,CF3 CO2H)。
【0118】
e3)Fmoc−nVal(dpsc)−Gly−Oアリルの合成
130mLのエタノールおよび42mLの水に溶解されたIIdの生成物(4.99g,10.75mmol)にジフェニルメチルセミカルバジドを添加した。TFA(工程e2で得た)(7.6g,21.5mmol)および酢酸ナトリウム・3H2O(1.76g,12.9mmol)を順次添加した。反応混合物を90分還流させた。1:1酢酸エチル:ヘキサン中の薄層クロマトグラフィーにより反応完了が確認された。エタノールを減圧除去し、残さを酢酸エチル中に取り、10mLずつの1N重硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム飽和溶液、次いで、ブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮し、残さを、20:80 酢酸エチル:ヘキサン、次いで50:50 酢酸エチル:ヘキサン中のフラッシュカラムクロマトグラフィーに供した。純粋な生成物に対応するフラクションを取り、濃縮して白色固体を得た(5.76g,78%)。50:50 酢酸エチル:ヘキサン中の薄層クロマトグラフィーによりRfがそれぞれ0.42および0.5の2個のスポット(シンおよびアンチ異性体)が示された。
【0119】
f)Fmoc−nVal(dpsc)−Gly−OHの合成
【化23】
THF(300mL)中の工程II e3の生成物(4.53g,6.59mmol)に、ジメドン(4.62g,32.97mmol)、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)触媒(0.76g,0.66mmol)を添加した。90分後に、9:1 ジクロロメタン:メタノール薄層クロマトグラフィー系を用いて反応完了が確認された。反応混合物を濃縮し、残さを酢酸エチル中に取り、50mLの0.1M重リン酸カリウムで3回抽出した。ついで、有機層を50mLの重硫酸ナトリウムで処理し、二相系を15分撹拌した。相分離させ、当該手順をさらに2回繰り返した。有機層を乾燥させ、濃縮し、20:80 酢酸エチル:ヘキサンから開始して徐々に酢酸エチル濃度を上げていって100%とするフラッシュクカラムロマトグラフィーに供した。その後9:1 ジクロロメタン:メタノール溶液で溶出した。純粋な生成物に対応するフラクションをプールし、濃縮して白色固体を得た(3.99g,94%)。その後9:1 ジクロロメタン:メタノール中の薄層クロマトグラフィーにより、Rfがそれぞれ0.03および0.13の2個のスポット(シンおよびアンチ異性体)が示された。NMRδppm(CD3OD):7.75(m,2H),7.6(m,3H),7.2〜7.4(m,14H),6.1〜6.2(m,1H),4.25〜4.4(m,2H),4.1〜4.2(m,2H),3.85(s,2H),1.6〜1.8(m,2H),1.3〜1.5(m,2H),0.95(t,3H)。
【0120】
工程III.Ac−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Val−Val−Pro−OHの合成:
a)Fmoc−Val−Pro−2ClTrt樹脂の合成
窒素入り口を装備した1Lの固相反応容器中で、25gのPro−2ClTrt樹脂(200〜400メッシュ、0.64mmol/g置換)をジメチルホルムアミド(213mL)に懸濁した。手順Aに従ってFmoc−Val−OH(1.5g,32mmol)を4時間カップリングさせた。少量をニンヒドリン分析用に取り、ニンヒドリン分析により、標記化合物の分析において99.5%のカップリング効率が示された。
【0121】
b)Fmoc−Val−Val−Pro−2ClTrt樹脂の合成
前工程からの樹脂(0.53mmol/g)を手順Bに従って脱保護した。次いで、手順Aに従ってそれをFmoc−Val−OH(10.85g,32mmol)と効率99.5%でカップリングさせた。
【0122】
c)Fmoc−Glu(OtBu)−Val−Val−Pro−2ClTrt樹脂の合成
前工程からの樹脂(0.504mmol/g)を手順Bに従って脱保護した。次いで、手順Aに従ってFmoc−Glu(OtBu)−OH(13.63g,32mmol)と効率99.4%でカップリングさせた。
【0123】
d)Fmoc−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Val−Val−Pro−2ClTrt樹脂の合成
前工程からの樹脂(0.461mmol/g)を手順Bに従って脱保護した。次いで、手順Aに従ってFmoc−Glu(OtBu)−OH(13.63g,32mmol)と効率99.4%でカップリングさせ、標記化合物を得た。
【0124】
e)Ac−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Val−Val−Pro−2ClTrt樹脂の合成
前工程からの樹脂(0.42mmol/g)を手順Bに従って脱保護した。次いで、手順Cに従ってN−末端をキャップして所望化合物を99.7%の効率で得た。
【0125】
f)Ac−Glu(OtBu)−Glu(OtBt)−Val−Val−Pro−OHの合成
前工程からの樹脂を1Lのプラスチック瓶に移し、酢酸:トリフルオロエタノール:ジクロロメタン(1:1:3)の525mlの溶液の存在下で2時間激しく振盪して開裂させた。フリットした漏斗を用いて樹脂を濾過し、50mLのジクロロメタンで3回洗浄した。赤褐色濾液を濃縮して油状物質を得て、次いで、これをジクロロメタン:n−ヘプタンの1:1混合物50mlで3回処理した。次いで、わずかに灰色がかった白色の粗粉末(13g)を最少量のメタノールに溶解し、10ミクロンの粒子サイズ、300オングストロームのポアサイズのC−18樹脂を充填した2.2x25cm逆相カラムを水中15〜55%アセトニトリルの範囲のグラジエントで溶出するHPLCにより精製した。純粋なフラクションを取り、濃縮して、毛羽立った白色生成物(7.5g,65%)を得た。5ミクロンの粒子サイズ、300オングストロームのポアサイズのC−18樹脂を充填した4.6x250mm逆相カラムを5〜50%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸含有)で溶出する分析用HPLCにより、保持時間20.5分の1個のピークが示された。低分解能質量スペクトルにより所望質量が確認された(MH+726.5)。
【0126】
工程IV.Fmoc−nVal(dpsc)−Gly−Met−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−Ser(tBu)−MBHAの合成:
工程Iから得た樹脂(2g,0.66mmol)を手順Bに従って脱保護した。次いで、溶媒としてN−メチルピロリジンを用いて手順Aに従ってFmoc−nVal(dpsc)−Gly−OH(工程II)(1.1g,1.7mmol)を18時間かけて効率98%でカップリングさせた(2gの樹脂が得られ、新たな置換は0.276mmol/gと決定された)。
【0127】
工程V.Ac−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Val−Val−Pro−nVal(dpsc)−Gly−Met−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−Ser(tBu)−MBHAの合成:
工程IVからの1gの樹脂(0.28mmol)をフリットした反応容器に入れた。手順Bに従って樹脂を脱保護した。次いで、手順Aに従ってAc−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)Val−Val−Pro−OH(400mg,0.55mmol)(IIIfで得た)を18時間カップリングさせたところ98%の効率であった(978mgの樹脂が得られた)。
【0128】
工程VI.Ac−Glu−Glu−Val−Val−Pro−nVal(CO)−Gly−Met−Ser−Tyr−Ser−MBHAの合成:
工程Vからの樹脂(998mg)をジクロロメタン:トリフルオロ酢酸(1:1)10mlで1時間処理した。反応物を抜き取り、樹脂をジクロロメタンで完全に洗浄した。樹脂をセミカルバゾン脱保護手順Dに付し、減圧乾燥して943mgの樹脂を得た。
【0129】
工程VII.Ac−Glu−Glu−Val−Val−Pro−nVal(CO)−Gly−Met−Ser−Tyr−Ser−NH2の合成:
工程VIから得た樹脂(942.8mg)を手順Eに従ってHFで開裂させた。粗生成物(314mg)を、10ミクロンの粒子サイズ、300オングストロームのポアサイズのC−18樹脂を充填した2.2x25cm逆相カラムを水中0〜30%アセトニトリル(30分)次いで水中30〜75%アセトニトリル(30分)で溶出するHPLCに供した。所望フラクションを取り、濃縮して白色固体を得た(238mg,26%)。5ミクロンの粒子サイズ、300オングストロームのポアサイズのC−18樹脂を充填した4.6x250mm逆相カラムを5〜50%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸含有)で溶出する分析用HPLCにより、保持時間13分の1個のピークが示された。低分解能質量スペクトルにより所望質量(MH+1265.6)が確認された。下表は他の同様の化合物の合成を示す:
【表1】
実施例1に従って合成された11量体化合物の表
【表2】
【表3】
【表4】
【0130】
HCVプロテアーゼ阻害活性のアッセイ
分光学的アッセイ: R. Zhang et al, Analytical Biochemistry, 270 (1999) 268−275(参照により本明細書に一体化させる)により記載された方法に従って、本発明の化合物に関してHCVセリンプロテアーゼの分光学的アッセイを行なった。発色性エステル基質の蛋白分解に基づく当該アッセイはHCV NS3プロテアーゼ活性の連続的モニタリングに適している。基質はSN5A−NS5Bジャンクション配列のP側に由来するものであり(Ac−DTEDVVX(Nva)、式中X=AまたはP)、そのC−末端カルボキシル基が4種の異なる発色性アルコール(3−もしくは4−ニトロフェノール、7−ヒドロキシ−4−メチル−クマリン、または4−フェニルアゾフェノール)のうちの1つでエステル化されていた。これらの新規分光学的エステル基質の合成、特徴付けおよび高処理量スクリーニングへの適用例およびHCV NS3プロテアーゼ阻害剤の詳細な反応論的評価を以下に説明する。
【0131】
材料および方法
材料: アッセイ用化学試薬に関連したバッファーをSigma Chemical Company (St. Louis, Missouri)から得た。ペプチド合成用試薬はAldrich Chemicals、Novabiochem (San Diego, California)、Applied Biosystems (Foster City, California)およびPerseptive Biosystems (Framingham, Massachusetts)から得た。ペプチドを手動で合成、あるいは自動ABIモデル431A合成装置(Applied Biosystems)で合成した。UV/VIS分光光度計モデルLAMBDA12をPerkin Elmer (Noewalk, Conneticut)から入手し、96−ウェルUVプレートをCorning (Corning, New York)から得た。プレウォーミングブロックはUSA Scientific (Ocala, Florida)から得て、96−ウェルプレートボルテックスをLabline Instruments (Melrose Park, Illinois)から得た。モノクロメーター付きSpectramax PlusマイクロタイタープレートリーダーをMolecular Devices (Sunnyvale, California)から得た。
【0132】
酵素調合物: 組換えヘテロダイマーHCV NS3/NS4Aプロテアーゼ(1a株)を、すでに公表されている方法(D. L. Sali et al, Biochemistry, 37 (1998) 3392−3401)を用いることにより調製した。アミノ酸分析によりすでに定量されている組換えHCVプロテアーゼ標準物質を用いるBiorad色素法により蛋白濃度を決定した。アッセイ開始に先立って、Biorad Bio−Spin P−6プレパックドカラムを用いて酵素保存バッファー(50mMリン酸ナトリウムpH8.0,300mM NaCl,10%グリセロール,0.05%ラウリルマルトシドおよび10mM DTT)をアッセイバッファー(25mM MOPS pH6.5,300mM NaCl,10%グリセロール,0.05%ラウリルマルトシド,5μM EDTAおよび5μM DTT)と交換した。
【0133】
基質合成および精製: R. Zhang et al,(上掲)により報告されたように基質の合成を行ない、標準的プロトコル(K. Barlos et al, Int. J. Pept. Protein Res., 37 (1991), 513−520)を用いてFmoc−Nva−OHを塩化2−クロロトリチル樹脂にアンカーリングすることにより合成を開始した。次いで、Fmoc化学を用いて手動または自動ABIモデル431ペプチド合成装置でペプチドをアッセンブリーさせた。ジクロロメタン(DCM)中10酢酸(HOAc)および10%トリフルオロエタノール(TFE)により30分間、あるいはDCM中2%トリフルオロ酢酸(TFA)により10分間、N−アセチル化され完全に保護されたペプチドフラグメントを樹脂から開裂させた。一緒にした濾液およびDCM洗液を共沸蒸発させて(あるいはNa2CO3水溶液で繰り返し抽出して)開裂に使用した酸を除去した。DCM相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させた。
【0134】
標準的な酸−アルコールカップリング法(K. Holmber et al, Acta Chem. Scand., B33 (1979) 410−412)を用いてエステル基質をアッセンブリーさせた。ペプチドフラグメントを無水ピリジンに溶解し(30〜60mg/ml)、これに10モル当量のクロモフォアおよび触媒量(0.1当量)のパラ−トルエンスルホン酸(pTSA)を添加した。ジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC,3当量)を添加してカップリング反応を開始させた。生成物の形成をHPLCによりモニターし、室温で12〜72時間反応後に完了することがわかった。ピリジン溶媒を減圧蒸発させ、トルエンとともに共沸蒸発させることによりさらに除去した。DCM中95%TFAで2時間ペプチドエステルを脱保護し、無水エチルエーテルで2回抽出して過剰のクロモフォアを除去した。30%から60%までのアセトニトリルグラジエント(6カラム体積を使用)を用いるC3またはC8カラムでの逆相HPLCにより、脱保護された基質を精製した。HPLC精製後の全体の収率は約20〜30%であった。エレクトロスプレイイオン化質量スペクトル法により分子量を確認した。基質を乾燥粉末形態でデシケーション下に保存した。
【0135】
基質および生成物のスペクトル: 基質および対応クロモフォア生成物のスペクトルをpH6.5アッセイバッファー中で得た。多数の希釈率を用いて、1cmのキュベット中、最適オフピーク波長において吸光係数を決定した(3−NpおよびHMCに関して340nm、PAPに関して370nmそして4−Npに関して400nm)。最適オフピーク波長は、基質および生成物の間の吸光度の最大分別差異((生成物OD−基質OD)/基質OD)を生じる波長であると定義された。
【0136】
プロテアーゼアッセイ: 96ウェルマイクロタイタープレートにおいて200μlの反応混合物を用いてHCVプロテアーゼアッセイを30℃で行なった。アッセイバッファー条件(25mM MOPS pH6.5,300mM NaCl,10%グリセロール,0.05%ラウリルマルトシド,5μM EDTAおよび5μM DTT)をNS3/NS4Aヘテロダイマー用に最適化した(D. L. Sali et al, 上掲)。典型的には、バッファー、基質および阻害剤の150μlの混合物をウェルに入れ(DMSOの最終濃度4%v/v)、30℃で約3分間プレインキュベーションした。その後、50μlのアッセイバッファー中のプレウォームしたプロテアーゼ(12nM,30℃)を用いて反応を開始させた(最終体積200μl)。アッセイを行なっている間(60分)、モノクロメーターを装備したSpectromax Plusマイクロタイタープレートリーダーを用いて、適当な波長(3−NpおよびHMCに関して340nm、PAPに関して370nmそして4−Npに関して400nm)における吸光度の変化に関してプレートをモニターした(カットオフフィルターを用いるプレートリーダーを用いて許容される結果を得ることができる)。非酵素的加水分解に関する対象としての混合物粗不含ブランクに対して、適当な波長においてNvaとクロモフォアとの間のエステル結合の蛋白分解的開裂をモニターした。30倍の基質濃度範囲(〜6ないし200μM)において基質反応論的パラメーターの評価を行なった。リニアレグレッションを用いて初速度を決定し、ノンリニアレグレッション分析を用いてデータをミカエリス−メンテン式に当てはめることにより反応定数を得た(Mac Curve Fit 1.1, K. Raner)。酵素が十分に活性であると仮定してターンオーバー数(kcat)を計算した。
【0137】
阻害剤および不活性化剤の評価: 酵素および基質の濃度を固定して、下式で示される競争阻害反応に関する改変ミカエリス−メンテン式に従って、阻害剤濃度([I]0)に対してv0/viをプロットすることにより、競争阻害剤Ac−D−(D−Gla)−L−l−(Cha)−C−OH(27)、Ac−DTEDVVA(Nva)−OHおよびAc−DTEDVVP(Nva)−OHに対する阻害定数(Ki)を実験的に決定した:
v0/vi=1+[I]0/(Ki(1+[S]0/Km))、式中v0は阻害なしの初速度、viはいずれかの阻害剤濃度([I]0)の阻害剤存在下における初速度、[S]0は使用した基質の濃度である。リニアレグレッションを用いて得られたデータを適合させ、得られた傾き1/(Ki(1+[S]0/Km))を用いてKi *値を計算した。
【0138】
本発明の種々の化合物に関して得られたKi *値を上表に示し、表中、化合物はKi *値の範囲の順に並べてある。これらの試験結果から、本発明の化合物はNS3−セリンプロテアーゼ阻害剤として優れた有用性を有することが当業者に理解されよう。
【0139】
上記の特定の具体例に関して本発明を説明したが、本発明の多くの変更、修飾および他のバリエーションが当業者に明らかであろう。すべてのかかる変更、修飾およびバリエーションは本発明の精神および範囲内にあるものとされる。
【0140】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
発明の分野
本発明は、新規C型肝炎ウイルス(HCV)プロテアーゼ阻害剤、1またはそれ以上のかかる阻害剤を含有する医薬組成物、かかる阻害剤の製造方法ならびにかかる阻害剤を用いてC型肝炎および関連疾患の治療する方法に関する。詳細には、本発明は、HCV NS3/NS4セリンプロテアーゼの阻害剤としての11個のアミノ酸残基を含む新規ペプチド化合物を開示する。
【0002】
発明の背景
C型肝炎ウイルス(HCV)は、非A、非B型肝炎(NANBH)、特に血液関連NANBH(BB−NANBH)(国際特許出願公開WO89/04669および欧州特許出願公開EP381216参照)の主要な原因として関与している(+)−センス1本鎖RNAウイルスである。NANBHは、A型肝炎ウイルス(HAV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、デルタ肝炎ウイルス(HDV)、サイトメガロウイルス(CMV)およびエプステイン−バーウイルス(EBV)のごとき他のタイプのウイルスにより誘発される肝臓病ならびにアルコール依存症および初期胆汁肝硬変とは区別されるべきである。
【0003】
最近、ポリペプチドプロセッシングおよびウイルス複製に必要とされるHCVプロテアーゼが同定され、クローニングされ発現された(例えば、米国特許第5712145号参照)。この約3000アミノ酸のポリ蛋白は、アミノ末端からカルボキシ末端まで、ヌクレオカプシド蛋白(C)、エンベロープ蛋白(E1およびE2)ならびに数個の非構造蛋白(NS1、2、3、4a、5aおよび5b)を含む。NS3は約68kdaの蛋白であり、HCVゲノムの約1893個のヌクレオチドによりコードされ、2つの別個のドメイン:(a)約200個のN−末端アミノ酸からなるセリンプロテアーゼドメインおよび(b)蛋白のC−末端のRNA−依存性ATPaseドメインを有している。蛋白配列、全体的な3次元構造および触媒機構の類似性により、NS3プロテアーゼはキモトリプシンファミリーのメンバーであると考えられている。他のキモトリプシン様酵素はエラスターゼ、因子Xa、スロンビン、トリプシン、プラスミン、ウロキナーゼ、tPAおよびPSAである。HCV NS3セリンプロテアーゼは、NS3/NS4a、NS4a/NS4b、NS4b/NS5aおよびNS5a/NS5bジャンクションにおけるポリペプチド(ポリ蛋白)のプロテオリシスに関与しており、かくして、ウイルス複製の間の4つのウイルス蛋白の生成に関与している。このことはHCV NS3セリンプロテアーゼを抗ウイルス化学療法の魅力的な標的としている。
【0004】
約6kdaのポリペプチドであるNS4a蛋白がNS3のセリンプロテアーゼ活性のコファクターであることがわかっている。NS3/NS4aジャンクションのNS3/NS4aセリンプロテアーゼによる自己開裂は分子内で起こるが(すなわちシス)、他の開裂部位は分子間プロセッシングされる(すなわちトランス)。
【0005】
HCVプロテアーゼの本来の開裂部位の分析により、P1におけるシステインおよびP1’におけるセリンの存在、ならびにこれらの残基がNS4a/NS4b、NS4b/NS5aおよびNS5a/NS5bジャンクションにおいて厳密に保存されていることが明らかとなった。NS3/NS4aジャンクションはP1にスレオニンおよびP1’にセリンを含む。NS3/NS4aにおけるCys→Thr置換は、このジャンクションにおいてトランスプロセッシングよりもむしろシスプロセッシングが必要とされる訳を説明するのみ必要である。例えば、Pizzi et al. (1994) Proc. Natl. Acad. Sci. (USA) 91:888−892、Failla et al. (1996) Folding & Design 1:35−42参照。また、NS3/NA4a開裂部位は他の部位よりも突然変異に耐性がある。例えば、Kollykhalov et al. (1994) J. Virol. 68:7525−7533参照。開裂部位上流の領域中の酸性残基が有効な開裂に必要であることもわかっている。例えば、Komoda et al. (1994) J. Virol. 68:7351−7357参照。
【0006】
報告されているHCVプロテアーゼの阻害剤は、抗酸化剤(国際特許出願公開WO98/14181参照)、ある種のペプチドおよびペプチドアナログ(国際特許出願公開WO98/17679、Landro et al. (1997) Biochem. 36:9340−9348、Ingallinella et al. (1988) Biochem. 37:8906−8914、Liinas−Brunet et al. (1998) Bioorg. Med. Chem. Lett. 8:1713−1718参照)、70個のアミノ酸のポリペプチド、エグリンcに基づく阻害剤(Martin et al. (1998) Biochem. 37:11459−11468)、ヒト膵臓分泌トリプシン阻害剤(hPSTI−C3)およびミニボディーレパートリー(MBip)からアフィニティー選択された阻害剤(Dimasi et al. (1997) J. Virol. 71:7461−7469)、cVHE2(「カメライズド(camelized)」可変ドメイン抗体フラグメント)(Martin et al. (1997) Protein Eng. 10:607−614)、ならびにα1−アンチキモトリプシン(ACT)(Elzouki et al. (1997) J. Hepat. 27:42−28)を包含する。選択的にC型肝炎ウイルスRNAを破壊するように設計されたリボザイムが最近開示された(BioWorld Today 9(217):4 (November 10, 1998))。
【0007】
1998年4月30日公開のPCT公開WO98/17679(Vertex Pharmaceuticals Incorporated);1998年5月28日公開のWO98/22496(F. Hoffmann−La Roche AG);および1999年2月18日公開のWO99/07734(Boehringer Ingelheim Canada Ltd.)も参照される。
【0008】
HCVは肝硬変および肝細胞癌腫の誘導に関与している。HCV感染している患者の予後は現在ほとんどうまくいっていない。HCV感染に関連した免疫あるいは緩和策がないので、HCV感染は他の形態の肝炎よりも治療が困難である。現在のデータは、肝硬変の診断から4年後の生存率は50%未満であることを示している。局在化した切除可能な肝細胞癌腫を有すると診断された患者は5年生存率が10〜30%であるが、局在化した切除不可能な肝細胞癌腫を有する患者の5年生存率は1%未満である。
【0009】
HCV NS3プロテアーゼの阻害剤の二環式アナログの合成を記載しているA. Marchetti et al, Synlett, S1, 1000−1002 (1999)も参照される。そこに開示された化合物は下記の構造を有する:
【化2】
【0010】
WO00/09558(譲受人:Boehringer Ingelheim Limited; 2000年2月24日公開)も参照され、それは下記のペプチド誘導体を開示している:
【化3】
[式中、種々のエレメントが定義されている]
当該シリーズの典型的な化合物は下記のものである:
【化4】
【0011】
WO00/09543(譲受人:Boehringer Ingelheim Limited; 2000年2月24日公開)も参照され、それは下記のペプチド誘導体を開示している:
【化5】
[式中、種々のエレメントが定義されている]
当該シリーズの典型的な化合物は下記のものである:
【化6】
【0012】
C型肝炎に対する現在の治療薬はインターフェロン−α(IFNα)およびリバビリンとインターフェロンの組合せを包含する。例えば、Beremguer et al. (1998) Proc. Assoc. Am. Physicians 110(2):98−112参照。これらの治療薬は応答持続性を欠き、頻繁に副作用を引き起こす。例えば、Hoofnagle et al. (1997) N. Engl. J. Med. 336:347参照。現在、HCV感染に対するワクチンは使えない。
【0013】
係属中および同時係属の米国特許出願第09/ 号( 出願)、および第09/ 号( 出願)、第09/ 号( 出願)、第09/ 号( 出願)、第09/ 号( 出願)、ならびに第09/ 号( 出願)は、C型肝炎ウイルスのNS3セリンプロテアーゼ阻害剤として種々のタイプのペプチドを開示している。
【0014】
HCV感染に対する新しい治療および治療薬の必要性がある。それゆえ、本発明の目的は、C型肝炎の1またはそれ以上の徴候の治療または予防または改善に有用な化合物を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる目的は、C型肝炎の1またはそれ以上の徴候の治療または予防または改善方法を提供することである。
【0016】
本発明のさらなる目的は、本発明により提供される化合物を用いてセリンプロテアーゼ、特に、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼの活性をモジュレーションする方法を提供することである。
【0017】
本発明のもう1つの目的は、本明細書により提供される化合物を用いてHCVポリペプチドのプロセッシングをモジュレーションする方法を提供することである。
【0018】
発明の概要
本発明はその多くの具体例において、新規クラスのHCVプロテアーゼ阻害剤、1またはそれ以上の該化合物を含む医薬組成物、1またはそれ以上のかかる化合物を含む医薬処方の調製方法、ならびにC型肝炎の1またはそれ以上オの徴候の治療または予防または改善方法を提供する。さらにHCVポリペプチドとHCVプロテアーゼとの相互作用をモジュレーションする方法も提供する。本発明により提供される化合物のなかで、HCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼ活性を阻害する化合物が好ましい。一般的には、今回開示された化合物は11個のアミノ酸残基を含む。化合物はα−ケトアミドペプチドアナログである。一般的には、化合物は、11個のアミノ酸残基を含む。α−ケトアミド基が化合物のP1位置に存在する。化合物は、N末端がアシル、カルバモイルまたはスルホニル基でキャップされており、C末端がアミド、エステルおよび酸である。
【0019】
1の具体例において、化合物は式I:
【化7】
[式中、XはCOCH(R4)NHCOCH(R5)NHCOCH(R6)NHCORnまたはCOCH(R4)NHCOCH(R5)NHCOCH(R6)NHSO2R20であり;
U1は窒素原子であり、Uは−CH−であり;
ZはNH−CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONHCH(R5’)CORcであり;
R1、R2、R22、R3、R4、R5、R6、Rn、R2’、R3’、R4’、R5’、R1’、R20およびRcは下記(a)および(b)から選択され:
(a)R1は下記(i)〜(v)から選択され:
(i)Qで置換されたC1−2アルキル;
(ii)未置換またはQで置換されたC3−10アルキル;
(iii)未置換またはQで置換されたシクロアルキル;
(iv)未置換またはQで置換されたアルケニル;
(v)未置換またはQで置換されたアルキニル;
R2およびR22は下記(i)または(ii)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってアルキレン、アルケニレン、チアアルキレン、チアアルケニレン、アルキレンチアアルキレン、アルキレンアザアルキレン、アリーレン(arylene)、アルキレンアリーレンまたはジアルキレンアリーレンを形成するか;あるいは
(ii)R2およびR22はそれぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択され;
R3はアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され;
R4はアルキル、シクロアルキル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルであり;
R5はアルキルまたはシクロアルキルであり;
R6はアルキルまたはシクロアルキルであり;
Rnはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニル、ヘテロアラルキニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシまたはNR30R31であり;
R30およびR31はそれぞれ独立してH、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され;
R2’はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
R3’はアルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され;
R4’はアラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
R5’はアルキルまたはシクロアルキルであり;
R1’はH、アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択され;
R20はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり;
Rcはアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルアミノ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、アラルキルアミノおよびヘテロアラルキルアミノから選択され;
Qはハライド、シュードハライド、ヒドロキシ、ニトリル、ホルミル、メルカプト、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、1個の二重結合を含むアルケニル、1個の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキリデン、アルキルカルボニル、アルコキシ、パーフルオロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシまたはアルキルチオであり;
R2、R22、R3、R4、R5、R6、Rn、R2’、R3’、R4’、R5’、R1’、R20およびRcは未置換であるか、あるいはそれぞれ独立してQ1から選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されており、ここにQ1はハライド、シュードハライド、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、1ないし2個の二重結合を含むアルケニル、1ないし2個の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアルキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、パーフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、ウレイド、アルキルウレイド、アリールウレイド、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アジド、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、パーフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニルまたはアルキルアリールアミノスルホニルであり;
Q1のアリールおよびヘテロアリール基は未置換であるか、あるいはそれぞれ独立してQ2から選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されており、ここにQ2はアルキル、ハライド、シュードハライド、アルコキシ、アリールオキシまたはアルキレンジオキシであり;あるいは
(b)R1およびR3、および/またはR2およびR4、および/またはR3およびR5、および/またはR4およびR6、および/またはR1およびR2’、および/またはR1’およびR3’、および/またはR2’およびR4’、および/またはR3’およびR5’、および/またはR2およびR1’、および/またはR1およびR1’は一緒になってアルキレン、アルケニレン、アルキレンアリーレン、ジアルキレンアリーレン、アルキレン−OC(O)−アルキレン、アルキレン−NHC(O)−アルキレン、アルキレン−O−アルキレン、アルキレン−NHC(O)−アルキレン−NHC(O)−アルキレン、アルキレン−C(O)NH−アルキレン−NHC(O)−アルキレン、アルキレン−NHC(O)−アルキレン−C(O)NH−アルキレン、アルキレン−S(O)m−S(O)m−アルキレンまたはアルキレン−S(O)m−アルキレンを形成し、ここにmは0〜2であり、アルキレンおよびアリーレン部分は未置換であるか、あるいはQ1で置換されており;他のものは(a)に示すように選択される]
を有するものであるか、あるいはその医薬上許容される誘導体である。
【0020】
より好ましい具体例において、化合物は、R2およびR22が一緒になって未置換プロピレンを形成する場合には、R1がi−Pr、i−Buまたは2−(メチルチオ)エチルでない化合物である。
【0021】
他の好ましい具体例において、Qはハライド、シュードハライド、ヒドロキシ、ニトリル、ホルミル、メルカプト、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、1個の二重結合を含むアルケニル、1個の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキリデン、アルキルカルボニル、アルコキシ、パーフルオロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシまたはアルキルチオである。
【0022】
本明細書に記載したすべての具体例において、好ましくは、R1はC3−10アルキルであるか、あるいはアルケニルまたはアルキニルであり、未置換であるかあるいはQで置換されている。好ましい具体例において、R1はn−Pr、アリルまたはプロピニルであり、最も好ましくはn−Prである。
【0023】
他の好ましい具体例において、Uは−CH−であり、U1は窒素原子である。
【0024】
P1−P6およびP1’−P5’残基を以下においてさらに詳述する。これらの残基が互いに独立して選択されて本明細書の化合物となることが理解されるべきである。かくして、本明細書記載のP1−P6およびP1’−P5’残基のいずれの組合せも本発明に包含される。これらの残基の好ましい組合せを本明細書に詳述し、それらは最高のHCVプロテアーゼ、特に最高のHCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼ阻害活性および/または経口生体利用性、インビボでの半減期等(これらに限らない)を包含する所望の薬剤動力学的特性を有する。
【0025】
以下に詳細に説明する基R2、R22、R3、R4、R5、R6、Rn、R2’、R3’、R4’、R5’、R1’、R20およびRcは未置換であるかあるいはそれぞれ独立してQ1から選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されており、ここにQ1はハライド、シュードハライド、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、1ないし2個の二重結合を含むアルケニル、1ないし2個の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアルキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、パーフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、ウレイド、アルキルウレイド、アリールウレイド、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アジド、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、パーフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニルまたはアルキルアリールアミノスルホニルであり;ここにQ1のアリールおよびヘテロアリール基は未置換であるかあるいはそれぞれ独立してQ2から選択され、ここにQ2はアルキル、ハライド、シュードハライド、アルコキシ、アリールオキシまたはアルキレンジオキシである。
【0026】
1.P1残基
本明細書において詳細に説明される具体例において、P1残基の側鎖(R1)は下記の(i)〜(v)から選択される。
(i)Qで置換されたC1−2アルキル;
(ii)未置換であるかあるいはQで置換されたC3−10アルキル;
(iii)未置換であるかあるいはQで置換されたシクロアルキル;
(iv)未置換であるかあるいはQで置換されたアルケニル;および
(v)未置換であるかあるいはQで置換されたアルキニル。
ここにQはハライド、シュードハライド、ヒドロキシ、ニトリル、ホルミル、メルカプト、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、1個の二重結合を含むアルケニル、1個の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキリデン、アルキルカルボニル、アルコキシ、パーフルオロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシまたはアルキルチオである。
【0027】
好ましい具体例において、R1は下記(i)〜(iv)から選択される:
(i)Qで置換されたC1−2アルキル;
(ii)未置換であるかあるいはQで置換されたC3−10アルキル;
(iii)未置換であるかあるいはQで置換されたアルケニル;
(iv)未置換であるかあるいはQで置換されたアルキニル。
【0028】
より好ましい具体例において、R1はC3−10アルキルまたはアルケニルまたはアルキニルであり、未置換であるかあるいはQで置換されていてる。より好ましくは、R1はC3−10アルキルであるか、あるいはアルキニル、最も好ましくはC3−10アルキルである。
【0029】
かくして、特に好ましい具体例において、R1はn−Pr、CH2C≡CH、i−Bu、n−Bu、i−Pr、CH2CH=CH2、ヒドロキシメチル、CH2SH、CH2CH2SH、CH2SMe、2−(メチルチオ)エチル、CH2SEt、1−ヒドロキシ−1−エチルおよびメトキシメチルのごとき群から選択される。より好ましくは、R1はn−Pr、アリルまたはプロピニルであり、最も好ましくはn−Prである。かくして、最も好ましくはP1残基はノルバリンである。
【0030】
2.P2残基
本明細書に記載の具体例において、P2残基は環状アミノ酸またはアミノ酸アナログであるか、あるいはH、アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択される側鎖を有する。ある具体例において、P2残基における置換基は下記のものから選択される:
UおよびU1の一方は窒素原子であり、他方は−CH−または−C(低級アルキル)−であり;
R2およびR22は下記(i)または(ii)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってアルキレン、アルケニレン、チアアルキレン、チアアルケニレン、アルキレンチアアルキレン、アルキレンアザアルキレン、アリーレン、アルキレンアリーレンまたはジアルキレンアリーレンを形成するか;あるいは
(ii)R2およびR22はそれぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択される。
【0031】
ある好ましい具体例において、R2およびR22は、R2およびR22が一緒になって未置換プロピレンを形成する場合には、R1はi−Pr、i−Buまたは2−(メチルチオ)エチルでない。
【0032】
好ましい具体例において、Uは−CH−または−C(低級アルキル)であり、U1は窒素原子である。より好ましくは、Uは−CH−または−C(Me)−であり、最も好ましくは−CH−である。
【0033】
他の好ましい具体例において、R2およびR22は下記(i)または(ii)から選択される:
(i)R2およびR22は一緒になってアルキレン、チアアルキレン、ジアルキレンアリーレンを形成し;あるいは
(ii)R2およびR22はそれぞれ独立してH、アルキルおよびアラルキルから選択される。
【0034】
より好ましい具体例において、R2およびR22は下記(i)または(ii)から選択される:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレン、ブチレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここにブチレンおよび1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルメトキシ、2−プロペン−1−イル、N−(4−メトキシフェニル)ウレイド、3−フェノキシベンゾイルアミノ、4−メトキシフェニルメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ、ベンジル、4−メトキシベンゾイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4−メチレンジオキシベンゾイルアミノ、4−フルオロベンゾイルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、4−フェノキシベンゾイルアミノまたはアミノで置換されているか、あるいは
(ii)R2はCH2SO2Me、CH2SCH2COOH、CH2CH2COOHおよびCH2SMeから選択され、R22はHである。
【0035】
特に好ましい具体例において、R2およびR22は下記(i)または(ii)から選択される:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここに1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチルまたはヒドロキシカルボニルメトキシで置換されている;あるいは
(ii)R2はCH2SO2MeおよびCH2SCH2COOHから選択され、R22はHである。
【0036】
特に好ましい具体例において、P2残基は環状アミノ酸アナログ、好ましくは置換プロリンである。これらの具体例において、R2およびR22は一緒になってプロピレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここに1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチルまたはヒドロキシカルボニルメトキシで置換されており、最も好ましくは、R2およびR22は一緒になって未置換プロピレンを形成する。
【0037】
他の具体例において、R2およびR22は下記(i)または(ii)から選択される:
(i)R2はCH2R40、CH2CH2R40、CH2CH2NH−R40またはCH2−(4−ヒドロキシ−3−R40−フェニル)であり、R22はH、アルキル、シクロアルキル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであるか;あるいは
(ii)R2およびR22は一緒になって−CH2CH(R40)CH2−または
【化8】
を形成し、ここにR40は(L1)s−R32−L2−R33であり、L1は(CH2)zHNC(O)、(CH2)zOC(O)、(CH2)zOC(O)NH、O(CH2)zC(O)、SO2、C(O)および(CH2)zから選択され、zは0ないし3であり、sは0または1であり、R32は1,3−フェニレン、4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン、2,4−ピリジレン、5,7−インドリレンまたは
【化9】
であり、
L2はOまたはCH2であり、R33は4,6−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシフェニル、ナフチル、
【化10】
または
【化11】
であり、
xは0ないし4であり、R35はHまたはアルキルであり、X1はNR36、O、SまたはCH2であり、ここにR36はH、アルキル、アリールまたはヘテロアリールである。
【0038】
他の好ましい具体例において、R2およびR22は一緒になって−CH2C(R40)(R41)CH2−または
【化12】
を形成し、ここにR40およびR41は下記(i)、(ii)および(iii)から選択される:
(i)R40は(L1)s−R32−L2−R33であり、R41はH、アルキル、アルケニル、アルキニルおよびシクロアルキルから選択されろか、あるいは
(ii)R40およびR41はそれぞれ独立して−S−アルキル、−S−アリール、−S−アラルキル、−O−アルキル、−O−アリールおよび−O−アラルキルから選択されるか、あるいは
(iii)R40およびR41は一緒になって−S−アルキレン−S−、−S−アルキレン−O−、−O−アルキレン−O−、−S−アリーレン−S−、−O−アリーレン−O−または−O−アリーレン−S−から選択され、
L1は(CH2)zNHC(O)、(CH2)zOC(O)、(CH2)zOC(O)NH、O(CH2)zC(O)、SO2、C(O)および(CH2)zから選択され、zは0ないし3であり、
Sは0または1であり、
R32は1,3−フェニレン、4−ヒドロキシ−1,3−フェニレン、2,4−ピリジレン、5,7−インドリレン、または
【化13】
であり、
L2はOまたはCH2であり、
R33は4,6−ジメトキシ−2,3−メチレンジオキシフェニル、ナフチル、
【化14】
または
【化15】
であり、ここにxは0ないし4であり、R35はHまたはアルキルであり、X1はNR36、O、SまたはCH2であり、ここにR36はH、アルキル、アリールまたはヘテロアリールである。
【0039】
他の具体例において、R2およびR22は一緒になって−C(R50)(R51)−C(R52)(R53)−CH2−を形成し、ここにR50およびR51はUの隣の炭素に結合し、それぞれ独立して水素または低級アルキルであり、R52はUに結合したカルボニル基に対してシスであり、水素またはヒドロキシであり、R53はUに結合したカルボニル基に対してトランスであり、−(CH2)z−フェニル、エチニルフェニル、エテニルフェニル、アルケニル、アルキニル、−(CH2)z−アミノカルボニルフェニル、−(CH2)z−アミノスルホニルフェニル、−(CH2)z−アミノカルボニルオキシフェニルまたは−(CH2)−COOHであり、ここにzは0ないし3であり、R53のフェニル部分は未置換であるかあるいはQ4から独立して選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されており、ここにQ4はアルコキシ、ハライド、シュードハライド、アリールオキシまたはアルキレンジオキシである。
【0040】
ある具体例において、P2残基は4−トランス−置換プロリン誘導体である。これらの具体例において、R2およびR22はプロピレン鎖の2−位において置換されているプロピレンを形成する。
【0041】
3.P3およびP4残基
本明細書の具体例において、P3およびP4残基は疎水性アミノ酸残基またはそのアナログである。かくして、これらの具体例において、R3およびR4はアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルから選択される。
【0042】
好ましくは、R3はアルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルであり、より好ましくはアルキルまたはシクロアルキルであり、詳細には、イソプロピル、1−メチル−1−プロピルまたはシクロヘキシルであり、最も好ましくはイソプロピルまたはシクロヘキシルである。好ましいP3残基はバリン、イソロイシンおよびシクロヘキシルグリシンであり、バリンまたはシクロヘキシルグリシンが最も好ましい。
【0043】
好ましくは、R4はアルキル、シクロアルキル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルであり、より好ましくはアルキル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルであり、詳細にはアルキルであり、最も好ましくはイソプロピルである。かくして、最も好ましいP4残基はバリンである。
【0044】
他の具体例において、P3および/またはP4残基はβ−ストランドを誘導するアミノ酸残基またはそのアナログである。これらの具体例において、R3および/またはR4はCH(R52)(R26)またはシクロアルキルであり、R25およびR26はそれぞれ独立してアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択され、R25およびR26およびシクロアルキルは未置換であるかあるいはQ1で置換されている。ある具体例において、R3および/またはR4はバリン、イソロイシンまたはシクロヘキシルグリシンの側鎖である。
【0045】
4.P5およびP6残基
本明細書において詳細に説明する具体例において、P5およびP6は酸性側鎖を有する残基である。よって、R5およびR6はそれぞれ独立して、カルボキシ(これに限らない)を包含する酸性基で置換されたアルキルまたはシクロアルキルである。好ましい具体例において、R5およびR6はそれぞれ独立して、tが1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは2である(CH2)tCOOHである。よって、好ましくは、R5およびR6はそれぞれCH2COOHまたはCH2CH2COOHであり、より好ましくはCH2CH2COOHである。P5およびP6における好ましい残基はアスパラギン酸またはグルタミン酸、最も好ましくはグルタミン酸である。
【0046】
5.P1’残基
本明細書において詳細に説明する具体例において、好ましくは、本発明の化合物はP1’位置にアミノ酸残基またはそのアナログを含む。これらの具体例において、R1’は水素、アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択される。より好ましい具体例において、R1’は水素、アルキルまたはアラルキル、最も好ましくは水素である。よって、好ましくは、P1’残基はグリシンである。
【0047】
6.P2’〜P5’残基
本明細書に記載の化合物はP2’〜P5’位置にアミノ酸残基またはそのアナログを有していてもよい。これらの具体例において、置換基R2’〜R5’はそれぞれ独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択される。より好ましい置換基はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択される。各置換基R2’〜R5’に特に好ましい基は以下に詳細に説明する。
【0048】
好ましくは、R2’は水素、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、より好ましくは水素またはアルキルであり、最も好ましくはCH2CH2SMe、C(OH)Me、CH2CH2S(O)MeまたはCH2C(O)NH2である。よって、最も好ましいP2’残基はメチオニン、スレオニン、メチオニンのスルホキシドおよびアスパラギンである。
【0049】
好ましくは、R3’はアルキル、シクロアルキル、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり、より好ましくはアルキルまたはヘテロアラルキルであり、最も好ましくはヒドロキシメチル、ヒドロキシカルボニルメチルまたは4−イミダゾリルメチルである。よって、最も好ましいP3’残基はセリン、アスパラギン酸およびヒスチジンである。
【0050】
好ましくは、R4’はアラルキルまたはヘテロアラルキルであり、より好ましくはアラルキルであり、最も好ましくは4−ヒドロキシフェニルメチルである。よって、最も好ましいP4’残基はチロシンである。
【0051】
好ましくは、R5’はアルキルまたはシクロアルキルであり、より好ましくはアルキルであり、最も好ましくはヒドロキシメチルである。よって、最も好ましいP5’残基はセリンである。
【0052】
本明細書において詳細に説明する具体例において、C−末端基ZはNH−CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONHCH(R5’)CORcであり、ここにR1’〜R5’は上記のものから選択され、Rcはアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルアミノ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アラルキルアミノおよびヘテロアラルキルアミノから選択される。好ましくは、Rcはヒドロキシ、アルコキシまたはアミノであり、より好ましくはOH、OEt、NH2またはO−アリルであり、詳細にはOH、OEtまたはNH2であり、最も好ましくはOHまたはNH2である。
【0053】
本明細書に記載のすベての具体例において、XおよびZの少なくとも一方はアミノ酸残基またはそのアナログであり、本発明の化合物は11個のアミノ酸残基またはそのアナログを含む。
【0054】
7.X基
好ましい具体例において、XはCOCH(R4)NHCOCH(R5)NHCOCH(R6)NHCORnまたはCOCH(R4)NHCOCH(R5)NHCOCHCH(R6)NHSO2R20であり、ここにR4〜R6、RnおよびR20は上記のものから選択される。
【0055】
本明細書に記載のすべての具体例において、XおよびZの少なくとも一方はアミノ酸残基またはそのアナログであり、本発明の化合物は4個ないし11個までのアミノ酸残基またはそのアナログを含む。
【0056】
より好ましい具体例において、Rnはアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、アリールまたはアラルキルであり、より好ましくはアルキル、アリールまたはヘテロアリールであり、詳細にはアルキルであり、最も好ましくはメチルである。他のより好ましい具体例において、R20はアルキル、アラルキル、アリールまたはアラルケニルであり、好ましくはメチル、カンフォリル、ベンジル、フェニルまたはスチリルである。
【0057】
8.他のいくつかの好ましい具体例
上記のごとく、P1〜P6およびP1’〜P5’残基の側鎖基(すなわちR1〜R6およびR1’〜R5’)は上記のごとく選択され、互いに独立して選択されて、本発明の化合物となる。よって、本明細書記載のP1〜P6およびP1’〜P5’残基のいずれの組合せも本発明の具体例に包含される。これらの残基の好ましい組合せを以下に詳述する。
【0058】
本発明の好ましい具体例において、化合物のP1〜P3位置の残基(すなわち、R1、R2、R22およびR3)は、最高のHCVプロテアーゼ、好ましくは最高のHCV NS3/NS4aセリンプロテアーゼ活性を有する化合物を提供するように選択される。より好ましい残基は以下に説明されるものであるか、あるいは本明細書にて説明されるような当業者に知られたアッセイを用いて決定されうる。
【0059】
ある具体例において、化合物は式Iを有し、式中、R1はC3−10アルキルであるか、あるいはアルケニルまたはアルキニル、好ましくはC3−10アルキルまたはアルキニル、より好ましくはC3−10アルキル、もっとも好ましくはn−Prであり、未置換であるかあるいはQで置換されており;
R2およびR22は下記(i)または(ii)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレン、ブチレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここにブチレンおよび1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルメトキシ、2−プロペン−1−イル、N−(4−メトキシフェニル)ウレイド、3−フェノキシベンゾイルアミノ、4−メトキシフェニルメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ、ベンジル、4−メトキシベンゾイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4−メチレンジオキシベンゾイルアミノ、4−フルオロベンゾイルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、4−フェノキシベンゾイルアミノまたはアミノで置換されているか、あるいは
(ii)R2はCH2SO2Me、CH2SCH2COOH、CH2CH2COOHおよびCH2SMeから選択され、好ましくはCH2SO2MeおよびCH2SCH2COOHから選択され;R22はHであり;
R3はi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−プロピルであり;U、U1、XおよびZは上記のとおりである。
【0060】
他の具体例において、化合物は式Iを有し、式中、R1はC3−10アルキルであるか、あるいはアルケニルまたはアルキニル、好ましくはC3−10アルキルまたはアルキニル、より好ましくはC3−10アルキル、最も好ましくはn−Prであり、未置換であるかあるいはQで置換されており;
R2およびR22は下記(i)または(i)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここに1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオエレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、iso−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチルまたはヒドロキシカルボニルメトキシで置換されており;あるいは
(ii)R2はCH2SO2MeおよびCH2SCH2COOHから選択され;R22はHであり;
R3はi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−プロピルであり;U、U1、XおよびZは上記のとおりである。
【0061】
他の好ましい具体例において、化合物は式Iを有し、式中、R1はC3−10アルキルであるか、あるいはアルケニルまたはアルキニル、好ましくはn−Pr、アリルまたはプロピニルであり、より好ましくはn−Prまたはプロピニルであり、最も好ましくはn−Prであり、未置換であるかあるいはQで置換されており;
R2およびR22は下記(i)または(i)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレン、ブチレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここにブチレンおよび1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルメトキシ、2−プロペン−1−イル、N−(4−メトキシフェニル)ウレイド、3−フェノキシベンゾイルアミノ、4−メトキシフェニルメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ、ベンジル、4−メトキシベンゾイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4−メチレンジオキシベンゾイルアミノ、4−フルオロベンゾイルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、4−フェノキシベンゾイルアミノまたはアミノで置換されているか、あるいは
(ii)R2はCH2SO2Me、CH2SCH2COOH、CH2CH2COOHおよびCH2SMeから選択され、好ましくはCH2SO2MeおよびCH2SCH2COOHから選択され;R22はHであり;
R3はi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−プロピルであり;U、U1、XおよびZは上記のとおりである。
【0062】
他の具体例において、化合物は式Iを有し、R1はC3−10アルキルであるか、あるいはアルケニルまたはアルキニル、好ましくはn−Pr、アリルまたはプロピニル、より好ましくはn−Prまたはプロピニル、最も好ましくはn−Prであり、未置換であるかあるいはQで置換されており;
R2およびR22は下記(i)または(i)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここに1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオエレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、iso−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチルまたはヒドロキシカルボニルメトキシで置換されており;あるいは
(ii)R2はCH2SO2MeおよびCH2SCH2COOHから選択され;R22はHであり;
R3はi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−プロピルであり;U、U1、XおよびZは上記のとおりである。
【0063】
より好ましい具体例において、R1はn−Prであり;R2およびR22は一緒になって未置換プロピレンを形成し;R3はi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−ピロピルであり;U、U1、XおよびZは上記のとおりである。
【0064】
上記の好ましい具体例のあるものにおいて、Uは−CH−または−C(低級アルキル)−であり、U1は窒素原子である。より好ましくは、Uは−CH−または−C(Me)−、最も好ましくは−CH−である。
【0065】
式Iの化合物の互変異性体、回転異性体、エナンチオマーおよび他の光学異性体ならびにその医薬上許容される塩、溶媒和物および誘導体も本発明に包含される。
【0066】
本発明のさらなる特徴は、医薬上許容される担体または賦形剤と一緒になった式Iの化合物(またはその塩、溶媒和物または異性体)を活性成分として含有する医薬組成物である。
【0067】
また本発明は、式Iの化合物の製造方法、ならびに例えばHCVおよび関連疾患のごとき疾病の治療方法も提供する。治療方法は、上記疾患または疾病にかかっている患者に治療上有効量の式Iの化合物、あるいは式Iの化合物を含む医薬組成物を投与することを特徴とする。
【0068】
HCVおよび関連疾患用の医薬の製造のための式Iの化合物の使用も開示される。
【0069】
本発明の化合物は表1に記載された化合物(ナノモラー,nMのKi値の範囲の活性を有する)ならびに実施例の後の表に記載された化合物を包含するが、これらに限らない。表1において、HCV連続アッセイKi範囲は:カテゴリーa=1〜100nM;カテゴリーb=101〜999nM;カテゴリーc≧1000nMである。
【0070】
構造に応じて、本発明の化合物は有機酸または無機酸、あるいは有機塩基または無機塩基とともに医薬上許容される塩を形成してもよい。かかる塩の形成に適した酸の例は、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、マロン酸、サリチル酸、リンゴ酸、フマル酸、コハク酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸ならびに当業者によく知られた他の無機酸およびカルボン酸である。塩基とともに塩を形成する場合は、適当な塩基は、例えば、NaOH、KOH、NH4OH、水酸化テトラアルキルアンモニウム等である。
【0071】
もう1つの具体例において、本発明は、本発明のペプチドを活性成分として含む医薬組成物を提供する。一般的には、医薬組成物は医薬上許容される担体希釈剤、賦形剤または担体(本明細書ではまとめて担体物質という)をさらに含む。HCV阻害活性により、かかる医薬組成物はC型肝炎および関連疾患の治療において有用性がある。
【0072】
さらにもう1つの具体例において、本発明は、本発明の化合物を活性成分として含む医薬組成物の製造方法を提供し、典型的には、活性成分は、投与剤形、すなわち、経口錠剤、カプセル(固体を充填、半固体を充填あるいは液体を充填したもの)、粉末、経口ゲル、エリキシル、分散可能顆粒、シロップ、懸濁液等の剤形に応じて適切に選択された適切な担体物質と混合されて投与されるであろうし、剤形は慣用的な製薬慣習と矛盾しないものである。例えば、錠剤またはカプセル形態での経口投与には、乳糖、デンプン、ショ糖、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、タルク、マンニトール、エチルアルコール(液体剤形の場合)等のごとき経口用の無毒の医薬上許容される不活性担体と活性薬剤成分とを一緒にしてもよい。そのうえ、所望によりあるいは必要ならば、適当な結合剤、滑沢剤、崩壊剤および着色料を混合物中に含ませてもよい。粉末および錠剤は約5ないし約95%の本発明の化合物を含有してもよい。適当な結合剤はデンプン、ゼラチン、天然糖類、コーンスィートナー、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウムのごとき天然および合成ガム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールならびにロウを包含する。これらの剤形に使用される滑沢剤のなかでも、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。
【0073】
甘味料および香料および保存料が適宜含まれてもよい。上記用語のいくつかは、すなわち崩壊剤、希釈剤、滑沢剤、結合剤等は以下においてより詳細に説明される。
【0074】
さらに、本発明の組成物を除放性形態に処方して、1またはそれ以上の活性成分の出を制御して治療効果、すなわちHCV阻害活性等を最適化してもよい。除放性のための適用な剤形は、種々の崩壊速度の層を含む層状錠剤、あるいは活性成分を含浸させ錠剤形態とされた制御放出ポリマーマトリックス、あるいはかかる含浸またはカプセル封入ポリマーマトリックスを含むカプセルを包含する。
【0075】
液体剤形調合物は溶液、懸濁液およびエマルジョンを包含する。一例として、非経口注入用の水または水−プロピレングリコール溶液、あるいは経口用溶液、懸濁液およびエマルジョンに甘味料を添加したものが挙げられる。液体剤形調合物は鼻腔内投与用溶液を包含しうる。
【0076】
吸入に適したエアロゾル調合物は溶液および粉末形態の固体を包含し、それらを不活性圧縮ガス、例えば窒素のごとき医薬上許容される担体と混合してもよい。
【0077】
坐薬を調合するには、カカオ脂のごとき脂肪酸グリセリドの混合物のごとき低融点ロウを先ず融解させ、次いで、撹拌または同様の混合によりその中に活性成分を均一に分散させる。次いで、融解した均一混合物を都合の良いサイズの型に注ぎ、放冷してそのことにより固化させる。
【0078】
使用するすぐ前に経口投与用または非経口投与用液体剤形調合物に変換される固体剤形調合物も包含される。かかる液体剤形は溶液、懸濁液およびエマルジョンを包含する。
【0079】
本発明の化合物は経皮的にデリバリー可能である。経皮組成物はクリーム、ローション、エアロゾルおよび/またはエマルジョンの形態であってもよく、この目的にために慣用的なマトリックスまたはリザーバータイプの経皮パッチ中に含有されうる。
【0080】
好ましくは、投与は経口、皮下または静脈内投与である。かかる剤形において、適当量の活性化合物、例えば、所望目的を達成するための有効量を含有する適当なサイズの単位用量に調合物を分割してもよい。
【0081】
単位用量の調合物中の本発明の活性化合物の量は、一般的には、個々の適用に応じて約1.0ミリグラムないし約1000ミリグラム、好ましくは約1.0ミリグラムないし約950ミリグラム、より好ましくは約1.0ミリグラムないし約500ミリグラム、そして典型的には約1ミリグラムないし約250ミリグラムの間で変更されあるいは調節される。使用される実際の用量は患者の年齢、性別、体重および治療すべき症状の重さにより変更されうる。かかる手法は当業者によく知られている。
【0082】
一般的には、活性成分を含有するヒト経口剤形を1日に1または2回投与することができる。投与量および頻度は主治医の判断により調節されるであろう。一般的に推奨される経口投与の場合の1日の投与規則は1日に約1.0ミリグラムないし約10000ミリグラムであってよく、1回または複数回投与される。
【0083】
いくつかの有用な用語を以下に説明する:
錠剤−活性成分含有組成物を保持あるいは含有するための、カプセル−メチルセルロース、ポリビニルアルコールあるいは変性ゼラチンまたはデンプンからできている特殊な容器または封入をいう。典型的には、硬殻カプセルは比較的高強度の骨およびブタ皮膚ゼラチンの混合物からできている。カプセル自体が少量の色素、白濁剤、可塑剤および保存料を含んでいてもよい。
【0084】
錠剤−適当な希釈剤を伴った活性成分を含有する圧縮または成形された固体剤形をいう。湿顆粒化、乾顆粒化による混合物または顆粒を圧縮することにより、あるいは打錠によりすることにより錠剤を製造することができる。
【0085】
経口ゲル−親水性半固体マトリックス中に分散または可溶化された活性成分をいう。
【0086】
復元用粉末は、水またはジュースに懸濁されうる活性成分および適当な希釈剤を含む粉末混合物をいう。
【0087】
希釈剤−通常には、組成物または剤形の主たる部分を占める物質をいう。適当な希釈剤は乳糖、ショ糖、マンニトールおよびソルビトールのごとき糖類;小麦、トウモロコシ、米およびバレイショ由来のデンプン;ならびに微細結晶セルロースのごときセルロースを包含する。組成物中の希釈剤の量は全組成物の約10ないし約90重量%、好ましくは約25ないし約75重量%、より好ましくは約30ないし約60重量%、さらにより好ましくは約12ないし約60重量%である。
【0088】
崩壊剤−組成物がばらばらになり(崩壊し)、医薬を放出するのを促進するために添加される物質をいう。適当な崩壊剤はデンプン;カルボキシメチルデンプンナトリウムのごとき「冷水可溶性」修飾デンプン;ローカストビーン、カラヤ、グアー、トラガカントおよび寒天のごとき天然および合成ガム類;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースのごときセルロース誘導体;ナトリウムクロスカルメロースのごとき微細結晶セルロースおよび架橋微細結晶セルロース;アルギン酸およびアルギン酸ナトリウムのごときアルギネート;ベントナイトのごとき粘土質;ならびに発泡性混合物を包含する。組成物中の崩壊剤の量は組成物の約2ないし約15重量%、より好ましくは約4ないし約10重量%である。
【0089】
結合剤−粉末を結合あるいは「接着」し、顆粒を形成することにより粉末を接着性にし、かくして処方中において「接着剤」として役立つ物質をいう。結合剤は、希釈剤またはバルキング剤中にすでに利用可能となっている接着強度を付加する。適当な結合剤はショ糖のごとき糖類;小麦、トウモロコシ、米およびバレイショ由来のデンプン;アラビアゴム、ゼラチンおよびトラガカントのごとき天然ガム類;アルギン酸、アルギン酸ナトリウムおよびアンモニウムカルシウムアルギネートのごとき海草由来のもの;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースのごときセルロース性物質;ポリビニルピロリドン;ならびにマグネシウムアルミニウムシリケートのごとき無機物質を包含する。組成物中の結合剤の量は組成物の約2ないし約20重量%、より好ましくは約3ないし約10重量%、さらにより好ましくは約3ないし約6重量%である。
【0090】
滑沢剤−摩擦または磨耗を減少させることにより圧縮後に錠剤、顆粒等が型またはダイスから離れ得るようにするために剤形に添加される物質をいう。適当な滑沢剤はステアリン酸マグネシウムステアリン酸カルシウムまたはステアリン酸カリウムのごときステアリン酸金属塩;ステアリン酸高融点ロウ;ならびに塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリエチレングリコールおよびdl−ロイシンのごとき水溶性滑沢剤を包含する。通常には、滑沢剤は圧縮前の最後の工程において添加される。なぜなら滑沢剤が顆粒表面上および顆粒と錠剤プレスのパーツ間に存在しなくてはならないからである。組成物中の滑沢剤の量は組成物の約0.2ないし約5重量%、好ましくは約0.5%ないし約2重量%、より好ましくは約0.3ないし約1.5重量%である。
【0091】
グライダント−ケーキングを防止し、顆粒の流動特性を改善して、流れを円滑かつ均一にする物質である。適当なグライダントは二酸化ケイ素およびタルクを包含する。組成物中のグライダントの量は全組成物の約0.1重量%ないし約5重量%、好ましくは約0.5ないし約2重量%である。
【0092】
着色料−組成物または剤形を着色するための賦形剤である。かかる賦形剤は食品グレードの色素および粘土質または酸化アルミニウムのごとき適当な吸着剤上に吸着された食品グレードの色素を包含する。着色料の量は組成物の約0.1ないし約5重量%、好ましくは約0.1ないし約1重量%である。
【0093】
生体利用性−標準物質または対象と比較して、活性薬剤成分または治療的部分が投与剤形から全身循環中に吸収される割合および程度をいう。
【0094】
錠剤を製造するための慣用的方法が知られている。かかる方法は、打錠による直接圧縮または生成顆粒の圧縮のごとき乾燥的な方法、または湿潤的な方法または他の特別な方法を包含する。例えばカプセル、坐薬等のような投与用の他の剤形を製造するための慣用的方法もまたよく知られている。
【0095】
本発明のもう1つの具体例は、例えば、C型肝炎等のような疾病の治療のための、上で開示した医薬組成物の使用を開示する。該方法は、治療上有効量の本発明の医薬組成物を、疾病(複数も可)を有しかかる治療を必要とする患者に投与することを特徴とする。
【0096】
さらにもう1つの具体例において、本発明の化合物を用いて、単一治療(monotherapy)モードまたは組合せ治療(combination therapy)モードにて、例えばリバビリンのごとき抗ウイルス剤および/または例えばαインターフェロン等のごときインターフェロンとの組合せにてヒトにおけるHCVを治療してもよい。
【0097】
すでに述べたように、本発明は、本発明の化合物の互変異性体、回転異性体、エナンチオマーおよび他の立体異性体を包含する。かくして、当業者は、本発明の化合物のいくつかは適当な異性体として存在しうることを理解する。かかるバリエーションは本発明の範囲内のものである。
【0098】
本発明のもう1つの具体例は、本明細書に開示した化合物の製造方法を開示する。当該分野においてしたれたいくつかの方法により化合物を製造してもよい。典型的な方法を以下の反応スキームに概説する。下記の説明スキームは少しの代表的な本発明化合物しか説明しないが、天然および非天然アミノ酸のいずれかを適当に置換して、かかる置換に基づく所望化合物が得られるであろう。かかるバリエーションは本発明の範囲内である。
【0099】
以下の実施例中に見出されうる略語は次のとおり:
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
EtOAc:酢酸エチル
AcOH:酢酸
HOOBt:3−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアジン−4(3H)−オン
EDCl:1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩
NMM:N−メチルモルホリン
ADDP:1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン
DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート
MeOH:メタノール
EtOH:エタノール
Et2O:ジエチルエーテル
PyBrOP:ブロモ−tris−ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
Bn:ベンジル
Boc:tert−ブトキシカルボニル
Cbz:ベンジルオキシカルボニル
Chx:シクロヘキシル
Cp:シクロペンチルジエニル
Ts:p−トルエンスルホニル
Me:メチル
【0100】
化合物を製造するための一般的手順
固相合成は少量の特定の本発明化合物の製造に有用である。慣用的なペプチドの固相合成に関しては、ペプチジルアルギニナル(peptidyl argininals)の固相合成のためのリアクターは、溶媒および溶解された試薬に対して透過性があるが、選択されたメッシュサイズの合成樹脂に対しては透過性でない少なくとも1の表面を有するリアクター容器を含む。かかるリアクターは、焼結ガラス製フリット(frit)、ポリプロピレンチューブまたはフリット付きカラムを有するガラス製固相反応容器、あるいはIrori Inc., San Diego Californiaにより製造されたreactor KansTMを含む。リアクターのタイプは、必要とされる固相樹脂の体積に応じて選択され、合成の異なる段階において異なるリアクタータイプを用いてもよい。
【0101】
手順A:カップリング反応
DMF中に懸濁された樹脂(10〜15ml/樹脂1g)に、Fmocアミノ酸(1当量)、HOBt(1当量)、TBTU(1当量)およびDIEA(1当量)を添加した。混合物を4〜48時間反応させた。反応物を抜き取り、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、メタノール、ジクロロメタン、次いでジエチルエーテル(溶媒10〜15ml/樹脂1g)で順次、樹脂を洗浄した。次いで、樹脂を減圧乾燥した。
【0102】
手順B:Fmoc脱保護
Fmoc−保護樹脂をジメチルホルムアミド中20%ピペリジンで30分間処理した(試薬10mL/樹脂1g)。試薬を抜き取り、ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、メタノール、ジクロロメタン、次いでジエチルエーテルで順次、樹脂を洗浄した。
【0103】
手順C:無水酢酸を用いるアセチル化
ジメチルホルムアミド中に樹脂を懸濁した。5mmol(0.47mL)の無水酢酸および5mmol(0.70mL)のトリエチルアミンを15mLのジメチルホルムアミドに添加することにより調製されたアセチル化剤を樹脂に添加し、樹脂を30分間撹拌した。ジメチルホルムアミド、ジクロロメタン、メタノール、ジクロロメタン、次いでジエチルエーテルで順次、樹脂を洗浄した(溶媒10mL/樹脂1g)。
【0104】
手順D:セミカルバゾン加水分解
トリフルオロ酢酸:ピルビン酸:ジクロロメタン:水 9:2:2:1からなる開裂カクテル中に樹脂を2時間懸濁した(10mL/樹脂1g)。反応物を抜き取り、上記手順を3回よりも多く繰り返した。ジクロロメタン、水、次いでジクロロメタンで順次、樹脂を洗浄し、そして減圧乾燥した。
【0105】
手順E:HF開裂
完全に保護された乾燥ペプチド−MBHA樹脂(50mg)を、小型スターラーバーを入れたHF容器中に入れた。アニソール(全体積の10%)をスキャベンジャーとして添加した。グルタミン酸およびシステインアミノ酸の存在下において、チオアニソール(10%)および1,2−エタンジオール(0.2%)も添加した。次いで、HF容器をHF装置(Immuno Dynamics, Inc)に装備し、系に窒素を5分間流した。その後、ドライアイス/イソプロパノールにて系を−70℃まで冷却した。20分後、HFを所望体積まで蒸留した(10mL HF/g樹脂)。0℃で1時間半反応を進行させた。仕上げは窒素を用いてすべてのHFを除去することからなっていた。次いで、ジクロロメタンを樹脂に添加し、混合物を5分間撹拌した。その後、水(4mL)中20%酢酸を添加した。20分撹拌した後、フリットした(fritted)漏斗を用いて樹脂を濾別し、減圧下でジクロロメタンを除去した。ヘキサンを残さに添加し、混合物を撹拌し、次いで、層分離させた(これを2回繰り返してスキャベンジャーを除去した)。その間に樹脂を1mLのメタノールに浸した。水層(20% HOAc)を樹脂に戻し、混合物を5分間撹拌し、その後濾過した。メタノールを減圧除去し、水層を凍結乾燥した。次いで、ペプチドを10〜25%メタノール(0.1%トリフルオロ酢酸含有)に溶解し、逆相HPLCにより精製した。
【0106】
実施例I:
Ac−EEVVP−nV−(CO)−GMSYS−Amの合成
【化16】
【0107】
工程I.Fmoc−Met−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−Ser(tBu)−MBHA樹脂の合成
MBHA樹脂(10g,4.6mmol)を、窒素入り口を装備した250mLのフリットした反応容器に入れた。ジメチルホルムアミド中5%ジイソプロピルエチルアミンで樹脂を中和した(2x15分)。次いで、樹脂を15mLのジメチルホルムアミドで2回洗浄し、そして15mLのジクロロメタンおよびジメチルホルムアミドでそれぞれ3回洗浄した。a)Fmoc−Ser(tBu)−OH(4.4g,11.5mmol)、b)Fmoc−Tyr(tBu)−OH(5.3g,11.5mmol)、c)Fmoc−Ser(tBu)−OH(4.4g,11.5mmol)およびd)Fmoc−Met−OH(4.3g,11.5mmol)を順次樹脂にカップリングさせ、手順AおよびBの後収率98%であった(13.95g、得られた最終樹脂置換0.33mmol/g)。
【0108】
工程II.Fmoc−nVal(dpsc)−Gly−OHの合成(下記工程a〜f)
【化17】
【0109】
a)イソシアノ酢酸アリルの合成
a1)イソシアノ酢酸エチル(96.6mL,0.88mL)を、エタノール(1.5L)および水酸化カリウム(59.52g,1.0mol)の冷溶液に滴下した。反応系をゆっくりと温めて室温とした。2時間後、沈殿生成物をガラス漏斗で濾過し、冷エタノールで数回洗浄した。かくして得られたイソシアノ酢酸のカリウム塩を減圧乾燥して金色−褐色固体を得た(99.92g,91.8%)。
【0110】
a2)アセトニトリル(810mL)に溶解した工程1aの生成物(99.92g,0.81mol)に、臭化アリル(92mL,1.05mol)を添加した。4時間還流した後、暗褐色溶液を得た。反応混合物を濃縮し、残さをエーテル(1.5L)中に取り、水(500mL)で3回洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮して暗褐色シロップを得た。7mmHg(98℃)での減圧蒸留により粗生成物を精製して透明油状物質(78.92g,77.7%)を得た。NMRδppm(CDCl3):5.9(m,1H),5.3(m,2H),4.7(d,2H),4.25(s,2H)。
【0111】
b)9−フルオレニルメトキシカルボニル−ノルバリナールの合成(下記工程b1〜b3)
b1)9−フルオレニルメトキシカルボニル−ノルバリンメチルエステルの合成:
無水メタノール(469mL)中Fmoc−ノルバリン(25g,73.75mmol)の冷溶液に、塩化チオニル(53.76mL,0.74mol)を1時間かけて添加した。1時間後に行なった酢酸エチル中の薄層クロマトグラフィーにより反応が完結したことが確認された(Rf=0.85)。反応混合物を濃縮し、残さを酢酸エチル中に取った。有機層を200mLlの重炭酸ナトリウム飽和溶液で3回、次いで、ブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮して標記化合物を、定量的収率で白色固体として得た(26.03g)。NMRδppm(CD3OD):7.7(m,2H),7.6(m,2H),7.4(m,2H),7.3(m,2H),4.3(m,2H),4.1(m,2H),3.7(s,3H),1.7(m,1H),1.6(m,1H),1.4(m,2H),0.95(t,3H)。
【0112】
b2)9−フルオレニルメトキシカルボニル−ノルバリノールの合成
テトラヒドロフラン(123mL)中の工程1bの生成物(26.03g,73.75mmol)に、塩化カルシウム(16.37g,147.49mmol)を添加した。反応混合物を0℃まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(11.16g,0.3mol)を数回に分けて添加した。得られた粘性パスタにメタノール(500mL)を添加し、反応物を室温で90分撹拌した。2:3 酢酸エチル:ヘキサン中の薄層クロマトグラフィーにより反応完了が確認された(Rf=0.25)。0℃において100mLの水をゆっくりと添加することにより反応を不活性化させた。メタノールを減圧除去し、残った水相を酢酸エチル(500mL)で希釈した。各500mlの水、重炭酸ナトリウム飽和溶液およびブラインで有機層を3回ずつ洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して白色固体(21.70g,90.5%)を得た。NMRδppm(CD3OD):7.8(m,2H),7.7(m,2H),7.4(m,2H),7.3(m,2H),4.3〜4.5(m,2H),4.2(m,1H),3.6(s,1H),3.5(s,2H),1.5(m,1H),1.3〜1.4(m,3H),0.99(m,3H)。
【0113】
b3)9−フルオレニルメトキシカルボニル−ノルバリナールの合成
ジクロロメタン(668mL)中の工程b2の生成物(21.70g,66.77mmol)に、トリエチルアミン(37.23mL,267.08mmol)を添加し、溶液を0℃まで冷却した。ジメチルスルホキシド(96mL)中ピリジン三酸化イオウ複合体(42.51g,267.08mmol)の懸濁液を冷溶液に添加した。1時間後、2:3 酢酸エチル:ヘキサン中の薄層クロマトグラフィーにより反応完了が確認された。ジクロロメタンを減圧除去し、残さを酢酸エチル中に取り、50mLの水、1N重硫酸ナトリウム飽和溶液、重炭酸ナトリウム飽和溶液およびブラインで数回洗浄した。有機層を濃縮して白色固体を得た。理論収量(21.57g)と考えて、反応物をさらに精製せずに次工程に移した。
【0114】
c)Fmoc−nVal(CHOH)−Gly−Oアリルの合成
【化18】
ジクロロメタン(170mL)中の工程b3から得られたFmoc−norVal−アルデヒド(5.47g,16.90mmol)の溶液に、イソシアノ酢酸アリル(工程IIa)(2.46mL,20.28mmol)およびピリジン(5.47mL,67.61mmol)を添加した。反応混合物を0℃まで冷却し、トリフルオロ酢酸(3.38mL.33.80mmol)を滴下した。反応物を0℃で1時間撹拌し、次いで、室温で48時間撹拌した。酢酸エチル中での薄層クロマトグラフィーにより反応完了が確認された。反応混合物を濃縮し、20:80 酢酸エチル:ヘキサンから70:30 酢酸エチル:ヘキサンで構成されるグラジエントを用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーに供した。所望生成物を含むフラクションをプールし、濃縮して白色泡状物質(6.88g,87.3%)を得た。50:50 酢酸エチル中でのTLCにより1個のスポット(Rf=0.37)が示された。NMRδppm(CD3OD):7.8(m,2H),7.65(m,2H),7.4(m,2H),7.3(m,2H),5.9(m,1H),5.1〜5.4(m,2H),4.55〜4.65(m,2H),4.3〜4.4(m,2H),4.15〜4.25(m,1H),4.01(s,1H),3.9〜4.0(m,3H),1.5〜1.6(m,2H),1.35〜1.45(m,3H),0.9(m,3H)。
【0115】
d)Fmoc−nVal(CO)−Gly−Oアリル
【化19】
窒素の流れの下で、工程cの化合物(5.01g,10.77mmol)を100mLのジメチルスルホキシドおよび100mLのトルエンに溶解した。次いで、水溶性カルボジイミド(EDC,20.6g,107.7mmol)を一度に添加した。反応混合物を0℃まで冷却し、ジクロロ酢酸(4.44mL,53.83mmol)を滴下した。ジクロロ酢酸添加完了後、反応物を0℃で15分撹拌し、次いで、室温で1時間撹拌した。0℃において水(70mL)を添加し、トルエンを減圧除去した残さを酢酸エチルで希釈し、重炭酸ナトリウム飽和溶液に数回洗浄し、その後、1N重硫酸ナトリウムおよびブライン(50mLずつ)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮した。理論収量4.99gと考えて、反応物をさらに精製せずに次工程に移した。50:50 酢酸エチル:ヘキサン中の薄層クロマトグラフィーにより1個のスポットが示された(Rf=0.73)。
【0116】
e)Fmoc−nVal(dpsc)−Gly−Oアリルの合成(下記工程e1〜e3)
【化20】
e1)1−t−ブトキシカルボニル−セミカルバジド−4−イルジフェニルメタンの合成
【化21】
225mLのジメチルホルムアミド中カルボニルジイミダゾール(16.2g,0.10mole)の溶液を室温で調製し、窒素雰囲気下で撹拌した。次いで、225mLのDMF中t−ブチルカルバゼート(13.2g,0.100mol)の溶液を30分かけて滴下した。次にジフェニルメチルアミン(18.3g,0.10mol)を30分かけて添加した。反応物を窒素雰囲気下室温で1時間撹拌した。水(10mL)を添加し、混合物を約150mLまで減圧濃縮した。この溶液を500mLの水中に注ぎ、400mLの酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル相を各75mLの1N HCl、H2O、重炭酸ナトリウム飽和溶液および塩化ナトリウムで2回ずつ抽出し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。混合物を濾過し、溶液を濃縮して29.5g(収率85%)の白色泡状物質を得た。この物質を酢酸エチル/ヘキサンからの再結晶化により精製することができたが、次工程に直接使用するには十分に純粋でなかった。融点142〜143℃。1H NMR(CDCl3)d1.45(s,9H),6.10(dd,2H),6.42(s,1H),6.67(bs,1H),7.21〜7.31(m,10H)。元素分析:C19H23N3O3として計算値:C,66.84;H,6.79;N,12.31、実測値:C,66.46;H,6.75;N,12.90。
【0117】
e2)ジフェニルメチルセミカルバジド(dpsc)トリフルオロ酢酸塩の合成
【化22】
12.5mLのジクロロメタン中e1で得られた生成物(3.43g,10mmol)の溶液を、12.5mLのトリフルオロ酢酸で室温において処理し、30分撹拌した。溶液を75mLのエーテルに滴下し、生じた沈殿(2.7g,80%)をガラス漏斗で濾過した。融点182〜184℃。1H NMR(CD3OD)d6.05(s,1H),7.21〜7.35(m,10H)。13C NMR(CD3OD)d57.6,118.3(q,CF3),126.7,127.9,141.6,156.9,160.9(q,CF3 CO2H)。
【0118】
e3)Fmoc−nVal(dpsc)−Gly−Oアリルの合成
130mLのエタノールおよび42mLの水に溶解されたIIdの生成物(4.99g,10.75mmol)にジフェニルメチルセミカルバジドを添加した。TFA(工程e2で得た)(7.6g,21.5mmol)および酢酸ナトリウム・3H2O(1.76g,12.9mmol)を順次添加した。反応混合物を90分還流させた。1:1酢酸エチル:ヘキサン中の薄層クロマトグラフィーにより反応完了が確認された。エタノールを減圧除去し、残さを酢酸エチル中に取り、10mLずつの1N重硫酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム飽和溶液、次いで、ブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、濃縮し、残さを、20:80 酢酸エチル:ヘキサン、次いで50:50 酢酸エチル:ヘキサン中のフラッシュカラムクロマトグラフィーに供した。純粋な生成物に対応するフラクションを取り、濃縮して白色固体を得た(5.76g,78%)。50:50 酢酸エチル:ヘキサン中の薄層クロマトグラフィーによりRfがそれぞれ0.42および0.5の2個のスポット(シンおよびアンチ異性体)が示された。
【0119】
f)Fmoc−nVal(dpsc)−Gly−OHの合成
【化23】
THF(300mL)中の工程II e3の生成物(4.53g,6.59mmol)に、ジメドン(4.62g,32.97mmol)、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)触媒(0.76g,0.66mmol)を添加した。90分後に、9:1 ジクロロメタン:メタノール薄層クロマトグラフィー系を用いて反応完了が確認された。反応混合物を濃縮し、残さを酢酸エチル中に取り、50mLの0.1M重リン酸カリウムで3回抽出した。ついで、有機層を50mLの重硫酸ナトリウムで処理し、二相系を15分撹拌した。相分離させ、当該手順をさらに2回繰り返した。有機層を乾燥させ、濃縮し、20:80 酢酸エチル:ヘキサンから開始して徐々に酢酸エチル濃度を上げていって100%とするフラッシュクカラムロマトグラフィーに供した。その後9:1 ジクロロメタン:メタノール溶液で溶出した。純粋な生成物に対応するフラクションをプールし、濃縮して白色固体を得た(3.99g,94%)。その後9:1 ジクロロメタン:メタノール中の薄層クロマトグラフィーにより、Rfがそれぞれ0.03および0.13の2個のスポット(シンおよびアンチ異性体)が示された。NMRδppm(CD3OD):7.75(m,2H),7.6(m,3H),7.2〜7.4(m,14H),6.1〜6.2(m,1H),4.25〜4.4(m,2H),4.1〜4.2(m,2H),3.85(s,2H),1.6〜1.8(m,2H),1.3〜1.5(m,2H),0.95(t,3H)。
【0120】
工程III.Ac−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Val−Val−Pro−OHの合成:
a)Fmoc−Val−Pro−2ClTrt樹脂の合成
窒素入り口を装備した1Lの固相反応容器中で、25gのPro−2ClTrt樹脂(200〜400メッシュ、0.64mmol/g置換)をジメチルホルムアミド(213mL)に懸濁した。手順Aに従ってFmoc−Val−OH(1.5g,32mmol)を4時間カップリングさせた。少量をニンヒドリン分析用に取り、ニンヒドリン分析により、標記化合物の分析において99.5%のカップリング効率が示された。
【0121】
b)Fmoc−Val−Val−Pro−2ClTrt樹脂の合成
前工程からの樹脂(0.53mmol/g)を手順Bに従って脱保護した。次いで、手順Aに従ってそれをFmoc−Val−OH(10.85g,32mmol)と効率99.5%でカップリングさせた。
【0122】
c)Fmoc−Glu(OtBu)−Val−Val−Pro−2ClTrt樹脂の合成
前工程からの樹脂(0.504mmol/g)を手順Bに従って脱保護した。次いで、手順Aに従ってFmoc−Glu(OtBu)−OH(13.63g,32mmol)と効率99.4%でカップリングさせた。
【0123】
d)Fmoc−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Val−Val−Pro−2ClTrt樹脂の合成
前工程からの樹脂(0.461mmol/g)を手順Bに従って脱保護した。次いで、手順Aに従ってFmoc−Glu(OtBu)−OH(13.63g,32mmol)と効率99.4%でカップリングさせ、標記化合物を得た。
【0124】
e)Ac−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Val−Val−Pro−2ClTrt樹脂の合成
前工程からの樹脂(0.42mmol/g)を手順Bに従って脱保護した。次いで、手順Cに従ってN−末端をキャップして所望化合物を99.7%の効率で得た。
【0125】
f)Ac−Glu(OtBu)−Glu(OtBt)−Val−Val−Pro−OHの合成
前工程からの樹脂を1Lのプラスチック瓶に移し、酢酸:トリフルオロエタノール:ジクロロメタン(1:1:3)の525mlの溶液の存在下で2時間激しく振盪して開裂させた。フリットした漏斗を用いて樹脂を濾過し、50mLのジクロロメタンで3回洗浄した。赤褐色濾液を濃縮して油状物質を得て、次いで、これをジクロロメタン:n−ヘプタンの1:1混合物50mlで3回処理した。次いで、わずかに灰色がかった白色の粗粉末(13g)を最少量のメタノールに溶解し、10ミクロンの粒子サイズ、300オングストロームのポアサイズのC−18樹脂を充填した2.2x25cm逆相カラムを水中15〜55%アセトニトリルの範囲のグラジエントで溶出するHPLCにより精製した。純粋なフラクションを取り、濃縮して、毛羽立った白色生成物(7.5g,65%)を得た。5ミクロンの粒子サイズ、300オングストロームのポアサイズのC−18樹脂を充填した4.6x250mm逆相カラムを5〜50%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸含有)で溶出する分析用HPLCにより、保持時間20.5分の1個のピークが示された。低分解能質量スペクトルにより所望質量が確認された(MH+726.5)。
【0126】
工程IV.Fmoc−nVal(dpsc)−Gly−Met−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−Ser(tBu)−MBHAの合成:
工程Iから得た樹脂(2g,0.66mmol)を手順Bに従って脱保護した。次いで、溶媒としてN−メチルピロリジンを用いて手順Aに従ってFmoc−nVal(dpsc)−Gly−OH(工程II)(1.1g,1.7mmol)を18時間かけて効率98%でカップリングさせた(2gの樹脂が得られ、新たな置換は0.276mmol/gと決定された)。
【0127】
工程V.Ac−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)−Val−Val−Pro−nVal(dpsc)−Gly−Met−Ser(tBu)−Tyr(tBu)−Ser(tBu)−MBHAの合成:
工程IVからの1gの樹脂(0.28mmol)をフリットした反応容器に入れた。手順Bに従って樹脂を脱保護した。次いで、手順Aに従ってAc−Glu(OtBu)−Glu(OtBu)Val−Val−Pro−OH(400mg,0.55mmol)(IIIfで得た)を18時間カップリングさせたところ98%の効率であった(978mgの樹脂が得られた)。
【0128】
工程VI.Ac−Glu−Glu−Val−Val−Pro−nVal(CO)−Gly−Met−Ser−Tyr−Ser−MBHAの合成:
工程Vからの樹脂(998mg)をジクロロメタン:トリフルオロ酢酸(1:1)10mlで1時間処理した。反応物を抜き取り、樹脂をジクロロメタンで完全に洗浄した。樹脂をセミカルバゾン脱保護手順Dに付し、減圧乾燥して943mgの樹脂を得た。
【0129】
工程VII.Ac−Glu−Glu−Val−Val−Pro−nVal(CO)−Gly−Met−Ser−Tyr−Ser−NH2の合成:
工程VIから得た樹脂(942.8mg)を手順Eに従ってHFで開裂させた。粗生成物(314mg)を、10ミクロンの粒子サイズ、300オングストロームのポアサイズのC−18樹脂を充填した2.2x25cm逆相カラムを水中0〜30%アセトニトリル(30分)次いで水中30〜75%アセトニトリル(30分)で溶出するHPLCに供した。所望フラクションを取り、濃縮して白色固体を得た(238mg,26%)。5ミクロンの粒子サイズ、300オングストロームのポアサイズのC−18樹脂を充填した4.6x250mm逆相カラムを5〜50%アセトニトリル(0.1%トリフルオロ酢酸含有)で溶出する分析用HPLCにより、保持時間13分の1個のピークが示された。低分解能質量スペクトルにより所望質量(MH+1265.6)が確認された。下表は他の同様の化合物の合成を示す:
【表1】
実施例1に従って合成された11量体化合物の表
【表2】
【表3】
【表4】
【0130】
HCVプロテアーゼ阻害活性のアッセイ
分光学的アッセイ: R. Zhang et al, Analytical Biochemistry, 270 (1999) 268−275(参照により本明細書に一体化させる)により記載された方法に従って、本発明の化合物に関してHCVセリンプロテアーゼの分光学的アッセイを行なった。発色性エステル基質の蛋白分解に基づく当該アッセイはHCV NS3プロテアーゼ活性の連続的モニタリングに適している。基質はSN5A−NS5Bジャンクション配列のP側に由来するものであり(Ac−DTEDVVX(Nva)、式中X=AまたはP)、そのC−末端カルボキシル基が4種の異なる発色性アルコール(3−もしくは4−ニトロフェノール、7−ヒドロキシ−4−メチル−クマリン、または4−フェニルアゾフェノール)のうちの1つでエステル化されていた。これらの新規分光学的エステル基質の合成、特徴付けおよび高処理量スクリーニングへの適用例およびHCV NS3プロテアーゼ阻害剤の詳細な反応論的評価を以下に説明する。
【0131】
材料および方法
材料: アッセイ用化学試薬に関連したバッファーをSigma Chemical Company (St. Louis, Missouri)から得た。ペプチド合成用試薬はAldrich Chemicals、Novabiochem (San Diego, California)、Applied Biosystems (Foster City, California)およびPerseptive Biosystems (Framingham, Massachusetts)から得た。ペプチドを手動で合成、あるいは自動ABIモデル431A合成装置(Applied Biosystems)で合成した。UV/VIS分光光度計モデルLAMBDA12をPerkin Elmer (Noewalk, Conneticut)から入手し、96−ウェルUVプレートをCorning (Corning, New York)から得た。プレウォーミングブロックはUSA Scientific (Ocala, Florida)から得て、96−ウェルプレートボルテックスをLabline Instruments (Melrose Park, Illinois)から得た。モノクロメーター付きSpectramax PlusマイクロタイタープレートリーダーをMolecular Devices (Sunnyvale, California)から得た。
【0132】
酵素調合物: 組換えヘテロダイマーHCV NS3/NS4Aプロテアーゼ(1a株)を、すでに公表されている方法(D. L. Sali et al, Biochemistry, 37 (1998) 3392−3401)を用いることにより調製した。アミノ酸分析によりすでに定量されている組換えHCVプロテアーゼ標準物質を用いるBiorad色素法により蛋白濃度を決定した。アッセイ開始に先立って、Biorad Bio−Spin P−6プレパックドカラムを用いて酵素保存バッファー(50mMリン酸ナトリウムpH8.0,300mM NaCl,10%グリセロール,0.05%ラウリルマルトシドおよび10mM DTT)をアッセイバッファー(25mM MOPS pH6.5,300mM NaCl,10%グリセロール,0.05%ラウリルマルトシド,5μM EDTAおよび5μM DTT)と交換した。
【0133】
基質合成および精製: R. Zhang et al,(上掲)により報告されたように基質の合成を行ない、標準的プロトコル(K. Barlos et al, Int. J. Pept. Protein Res., 37 (1991), 513−520)を用いてFmoc−Nva−OHを塩化2−クロロトリチル樹脂にアンカーリングすることにより合成を開始した。次いで、Fmoc化学を用いて手動または自動ABIモデル431ペプチド合成装置でペプチドをアッセンブリーさせた。ジクロロメタン(DCM)中10酢酸(HOAc)および10%トリフルオロエタノール(TFE)により30分間、あるいはDCM中2%トリフルオロ酢酸(TFA)により10分間、N−アセチル化され完全に保護されたペプチドフラグメントを樹脂から開裂させた。一緒にした濾液およびDCM洗液を共沸蒸発させて(あるいはNa2CO3水溶液で繰り返し抽出して)開裂に使用した酸を除去した。DCM相をNa2SO4で乾燥させ、蒸発させた。
【0134】
標準的な酸−アルコールカップリング法(K. Holmber et al, Acta Chem. Scand., B33 (1979) 410−412)を用いてエステル基質をアッセンブリーさせた。ペプチドフラグメントを無水ピリジンに溶解し(30〜60mg/ml)、これに10モル当量のクロモフォアおよび触媒量(0.1当量)のパラ−トルエンスルホン酸(pTSA)を添加した。ジクロロヘキシルカルボジイミド(DCC,3当量)を添加してカップリング反応を開始させた。生成物の形成をHPLCによりモニターし、室温で12〜72時間反応後に完了することがわかった。ピリジン溶媒を減圧蒸発させ、トルエンとともに共沸蒸発させることによりさらに除去した。DCM中95%TFAで2時間ペプチドエステルを脱保護し、無水エチルエーテルで2回抽出して過剰のクロモフォアを除去した。30%から60%までのアセトニトリルグラジエント(6カラム体積を使用)を用いるC3またはC8カラムでの逆相HPLCにより、脱保護された基質を精製した。HPLC精製後の全体の収率は約20〜30%であった。エレクトロスプレイイオン化質量スペクトル法により分子量を確認した。基質を乾燥粉末形態でデシケーション下に保存した。
【0135】
基質および生成物のスペクトル: 基質および対応クロモフォア生成物のスペクトルをpH6.5アッセイバッファー中で得た。多数の希釈率を用いて、1cmのキュベット中、最適オフピーク波長において吸光係数を決定した(3−NpおよびHMCに関して340nm、PAPに関して370nmそして4−Npに関して400nm)。最適オフピーク波長は、基質および生成物の間の吸光度の最大分別差異((生成物OD−基質OD)/基質OD)を生じる波長であると定義された。
【0136】
プロテアーゼアッセイ: 96ウェルマイクロタイタープレートにおいて200μlの反応混合物を用いてHCVプロテアーゼアッセイを30℃で行なった。アッセイバッファー条件(25mM MOPS pH6.5,300mM NaCl,10%グリセロール,0.05%ラウリルマルトシド,5μM EDTAおよび5μM DTT)をNS3/NS4Aヘテロダイマー用に最適化した(D. L. Sali et al, 上掲)。典型的には、バッファー、基質および阻害剤の150μlの混合物をウェルに入れ(DMSOの最終濃度4%v/v)、30℃で約3分間プレインキュベーションした。その後、50μlのアッセイバッファー中のプレウォームしたプロテアーゼ(12nM,30℃)を用いて反応を開始させた(最終体積200μl)。アッセイを行なっている間(60分)、モノクロメーターを装備したSpectromax Plusマイクロタイタープレートリーダーを用いて、適当な波長(3−NpおよびHMCに関して340nm、PAPに関して370nmそして4−Npに関して400nm)における吸光度の変化に関してプレートをモニターした(カットオフフィルターを用いるプレートリーダーを用いて許容される結果を得ることができる)。非酵素的加水分解に関する対象としての混合物粗不含ブランクに対して、適当な波長においてNvaとクロモフォアとの間のエステル結合の蛋白分解的開裂をモニターした。30倍の基質濃度範囲(〜6ないし200μM)において基質反応論的パラメーターの評価を行なった。リニアレグレッションを用いて初速度を決定し、ノンリニアレグレッション分析を用いてデータをミカエリス−メンテン式に当てはめることにより反応定数を得た(Mac Curve Fit 1.1, K. Raner)。酵素が十分に活性であると仮定してターンオーバー数(kcat)を計算した。
【0137】
阻害剤および不活性化剤の評価: 酵素および基質の濃度を固定して、下式で示される競争阻害反応に関する改変ミカエリス−メンテン式に従って、阻害剤濃度([I]0)に対してv0/viをプロットすることにより、競争阻害剤Ac−D−(D−Gla)−L−l−(Cha)−C−OH(27)、Ac−DTEDVVA(Nva)−OHおよびAc−DTEDVVP(Nva)−OHに対する阻害定数(Ki)を実験的に決定した:
v0/vi=1+[I]0/(Ki(1+[S]0/Km))、式中v0は阻害なしの初速度、viはいずれかの阻害剤濃度([I]0)の阻害剤存在下における初速度、[S]0は使用した基質の濃度である。リニアレグレッションを用いて得られたデータを適合させ、得られた傾き1/(Ki(1+[S]0/Km))を用いてKi *値を計算した。
【0138】
本発明の種々の化合物に関して得られたKi *値を上表に示し、表中、化合物はKi *値の範囲の順に並べてある。これらの試験結果から、本発明の化合物はNS3−セリンプロテアーゼ阻害剤として優れた有用性を有することが当業者に理解されよう。
【0139】
上記の特定の具体例に関して本発明を説明したが、本発明の多くの変更、修飾および他のバリエーションが当業者に明らかであろう。すべてのかかる変更、修飾およびバリエーションは本発明の精神および範囲内にあるものとされる。
【0140】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【表9】
【表10】
Claims (30)
- 式I:
U1は窒素原子であり、Uは−CH−であり;
ZはNH−CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONHCH(R5’)CORcであり;
R1、R2、R22、R3、R4、R5、R6、Rn、R2’、R3’、R4’、R5’、R1’、R20およびRcは下記(a)および(b)から選択される:
(a)R1は下記(i)〜(v)から選択され:
(i)Qで置換されたC1−2アルキル;
(ii)未置換またはQで置換されたC3−10アルキル;
(iii)未置換またはQで置換されたシクロアルキル;
(iv)未置換またはQで置換されたアルケニル;
(v)未置換またはQで置換されたアルキニル;
R2およびR22は下記(i)または(ii)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってアルキレン、アルケニレン、チアアルキレン、チアアルケニレン、アルキレンチアアルキレン、アルキレンアザアルキレン、アリーレン(arylene)、アルキレンアリーレンまたはジアルキレンアリーレンを形成するか;あるいは
(ii)R2およびR22はそれぞれ独立してH、アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択され;
R3はアルキル、シクロアルキル、アリール、アラルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され;
R4はアルキル、シクロアルキル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルであり;
R5はアルキルまたはシクロアルキルであり;
R6はアルキルまたはシクロアルキルであり;
Rnはアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、アリールオキシ、アラルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニル、ヘテロアラルキニル、ヘテロアリールオキシ、ヘテロアラルコキシまたはNR30R31であり;
R30およびR31はそれぞれ独立してH、アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され;
R2’はH、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
R3’はアルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され;
R4’はアラルキルまたはヘテロアラルキルであり;
R5’はアルキルまたはシクロアルキルであり;
R1’はH、アルキル、シクロアルキル、アラルキルおよびヘテロアラルキルから選択され;
R20はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリール、ヘテロアラルキル、ヘテロアラルケニルまたはヘテロアラルキニルであり;
Rcはアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、シクロアルコキシ、アルキルアミノ、アルケニルオキシ、アルケニルアミノ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アラルコキシ、ヘテロアラルコキシ、アラルキルアミノおよびヘテロアラルキルアミノから選択され;
Qはハライド、シュードハライド、ヒドロキシ、ニトリル、ホルミル、メルカプト、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、1個の二重結合を含むアルケニル、1個の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキリデン、アルキルカルボニル、アルコキシ、パーフルオロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシまたはアルキルチオであり;
R2、R22、R3、R4、R5、R6、Rn、R2’、R3’、R4’、R5’、R1’、R20およびRcは未置換であるか、あるいはそれぞれ独立してQ1から選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されており、ここにQ1はハライド、シュードハライド、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、1ないし2個の二重結合を含むアルケニル、1ないし2個の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアルキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、パーフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、ウレイド、アルキルウレイド、アリールウレイド、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アジド、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、パーフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニルまたはアルキルアリールアミノスルホニルであり;
Q1のアリールおよびヘテロアリール基は未置換であるか、あるいはそれぞれ独立してQ2から選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されており、ここにQ2はアルキル、ハライド、シュードハライド、アルコキシ、アリールオキシまたはアルキレンジオキシであり;あるいは
(b)R1およびR3、および/またはR2およびR4、および/またはR3およびR5、および/またはR4およびR6、および/またはR1およびR2’、および/またはR1’およびR3’、および/またはR2’およびR4’、および/またはR3’およびR5’、および/またはR2およびR1’、および/またはR1およびR1’は一緒になってアルキレン、アルケニレン、アルキレンアリーレン、ジアルキレンアリーレン、アルキレン−OC(O)−アルキレン、アルキレン−NHC(O)−アルキレン、アルキレン−O−アルキレン、アルキレン−NHC(O)−アルキレン−NHC(O)−アルキレン、アルキレン−C(O)NH−アルキレン−NHC(O)−アルキレン、アルキレン−NHC(O)−アルキレン−C(O)NH−アルキレン、アルキレン−S(O)m−S(O)m−アルキレンまたはアルキレン−S(O)m−アルキレンを形成し、ここにmは0〜2であり、アルキレンおよびアリーレン部分は未置換であるか、あるいはQ1で置換されており;他のものは(a)に示すように選択される]で示される化合物(そのエナンチオマー、立体異性体、回転異性体および互変異性体を包含)あるいはその医薬上許容される塩、溶媒和物または誘導体。 - ZがNH−CH(R1’)CONHCH(R2’)CONHCH(R3’)CONHCH(R4’)CONHCH(R5’)CORcであり;
R1が下記(i)〜(iv)から選択され:
(i)Qで置換されたC1−2アルキル;
(ii)未置換であるかあるいはQで置換されたC3−10アルキル;
(iii)未置換であるかあるいはQで置換されたアルケニル;あるいは
(iv)未置換であるかあるいはQで置換されたアルキニル
R2およびR22が下記(i)または(ii)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってアルキレン、チアアルキレン、またはジアルキレンアリーレンを形成する;あるいは
(ii)R2およびR22はそれぞれ独立してH、アルキルおよびアラルキルから選択され;
R3がアルキル、シクロアルキル、アリールおよびアラルキルからなる群より選択され;
R4がアルキル、ヘテロアラルキルまたはアラルキルであり;
R5がアルキルであり;
R6がアルキルであり;
Rnがアルキル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、アリールまたはアラルキルであり;
R2’がH、アルキル、シクロアルキル、アリールまたはアラルキルであり;
R3’がアルキルおよびヘテロアラルキルからなる群より選択され;
R4’がアラルキルであり;
R5’がアルキルであり;
R1’がH、アルキルおよびアラルキルから選択され;
R20がアルキル、アリール、アラルキルまたはアラルケニルであり;
Rcがアミノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキルアミノ、アルケニルアミノおよびアラルキルアミノから選択され;
Qがハライド、シュードハライド、ヒドロキシ、ニトリル、ホルミル、メルカプト、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、1個の二重結合を含むアルケニル、1個の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アルキリデン、アルキルカルボニル、アルコキシ、パーフルオロアルコキシ、アルキルカルボニルオキシまたはアルキルチオであり;
R2、R22、R3、R4、R5、R6、Rn、R2’、R3’、R4’、R5’、R1’、R20およびRcは未置換であるか、あるいはそれぞれ独立してQ1から選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されており、ここにQ1はハライド、シュードハライド、ヒドロキシ、オキソ、チア、ニトリル、ニトロ、ホルミル、メルカプト、ヒドロキシカルボニル、ヒドロキシカルボニルアルキル、アルキル、ハロアルキル、ポリハロアルキル、アミノアルキル、ジアミノアルキル、1ないし2個の二重結合を含むアルケニル、1ないし2個の三重結合を含むアルキニル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロアリールアルキル、トリアルキルシリル、ジアルキルアリールシリル、アルキルジアリールシリル、トリアリールシリル、アルキリデン、アリールアルキリデン、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、ヘテロアリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アルコキシカルボニルアルキル、アリールオキシカルボニル、アリールオキシカルボニルアルキル、アラルコキシカルボニル、アラルコキシカルボニルアルキル、アリールカルボニルアルキル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、ジアリールアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルコキシ、アリールオキシ、パーフルオロアルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、アラルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アラルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、アラルコキシカルボニルオキシ、ウレイド、アルキルウレイド、アリールウレイド、アミノ、アミノアルキル、アルキルアミノアルキル、ジアルキルアミノアルキル、アリールアミノアルキル、ジアリールアミノアルキル、アルキルアリールアミノアルキル、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、アルキルアリールアミノ、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルアミノ、アラルコキシカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノアルキル、アリールオキシカルボニルアミノアルキル、アリールオキシアリールカルボニルアミノ、アリールオキシカルボニルアミノ、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホニルアミノ、アジド、ジアルキルホスホニル、アルキルアリールホスホニル、ジアリールホスホニル、アルキルチオ、アリールチオ、パーフルオロアルキルチオ、ヒドロキシカルボニルアルキルチオ、チオシアノ、イソチオシアノ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、アルキルアミノスルホニル、ジアルキルアミノスルホニル、アリールアミノスルホニル、ジアリールアミノスルホニルまたはアルキルアリールアミノスルホニルであり;
Q1のアリールおよびヘテロアリール基は未置換であるか、あるいはそれぞれ独立してQ2から選択される1個またはそれ以上の置換基で置換されており、ここにQ2はアルキル、ハライド、シュードハライド、アルコキシ、アリールオキシまたはアルキレンジオキシである、
請求項1記載の化合物。 - R1がC3−10アルキル、またはアルケニルまたはアルキニルであり、未置換であるかあるいはQで置換されており;
R2およびR22が下記(i)または(ii)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレン、ブチレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここにブチレンおよび1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルメトキシ、2−プロペン−1−イル、N−(4−メトキシフェニル)ウレイド、3−フェノキシベンゾイルアミノ、4−メトキシフェニルメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ、ベンジル、4−メトキシベンゾイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4−メチレンジオキシベンゾイルアミノ、4−フルオロベンゾイルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、4−フェノキシベンゾイルアミノまたはアミノで置換されているか、あるいは
(ii)R2はCH2SO2Me、CH2SCH2COOH、CH2CH2COOHおよびCH2SMeから選択され、R22はHである
R3がi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−プロピルである、
請求項2記載の化合物。 - R1がC3−10アルキル、またはアルケニルまたはアルキニルであり、未置換であるかあるいはQで置換されており;
R2およびR22が下記(i)または(ii)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここに1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチルまたはヒドロキシカルボニルメトキシで置換されている;あるいは
(ii)R2はCH2SO2MeおよびCH2SCH2COOHから選択され、R22はHである
R3がi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−プロピルである、
請求項2記載の化合物。 - R1が未置換C3−10アルキルであり;
R2およびR22が一緒になってプロピレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここに1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチルまたはヒドロキシカルボニルメトキシで置換されており;
R3がi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−プロピルである、
請求項2記載の化合物。 - R1がn−Prであり;R2およびR22が一緒になって未置換プロピレンを形成する、請求項6記載の化合物。
- XがCOCH(R4)NHCOCH(R5)NHCOCH(R6)NHCORnである、請求項1記載の化合物。
- R1がC3−10アルキル、またはアルケニルまたはアルキニルであり、未置換であるかあるいはQで置換されており;
R2およびR22が下記(i)または(ii)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレン、ブチレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここにブチレンおよび1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチル、ヒドロキシカルボニルメトキシ、2−プロペン−1−イル、N−(4−メトキシフェニル)ウレイド、3−フェノキシベンゾイルアミノ、4−メトキシフェニルメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノ、ベンジル、4−メトキシベンゾイルアミノ、ベンゾイルアミノ、3,4−メチレンジオキシベンゾイルアミノ、4−フルオロベンゾイルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、4−フェノキシベンゾイルアミノまたはアミノで置換されている;あるいは
(ii)R2はCH2SO2Me、CH2SCH2COOH、CH2CH2COOHおよびCH2SMeから選択され、R22はHである
R3がi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−プロピルである、
請求項7記載の化合物。 - R1がC3−10アルキル、またはアルケニルまたはアルキニルであり、未置換であるかあるいはQで置換されており;
R2およびR22が下記(i)または(ii)から選択され:
(i)R2およびR22は一緒になってプロピレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここに1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチルまたはヒドロキシカルボニルメトキシで置換されている;あるいは
(ii)R2はCH2SO2MeおよびCH2SCH2COOHから選択され、R22はHである
R3がi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−プロピルである、
請求項7記載の化合物。 - R1が未置換C3−10アルキルであり;
R2およびR22が一緒になってプロピレンまたは1,2−ジメチレンフェニレンを形成し、ここに1,2−ジメチレンフェニレン基は未置換であり、プロピレン基は未置換であるかあるいは4−メトキシフェニルスルホニルアミノ、N−フェニルウレイドメチル、メチル、ベンゾイルアミノメチル、フェニル、3−フェノキシベンゾイルアミノメチル、N−フェニルウレイド、フェニルスルホニルアミノメチル、9−フルオレニルメトキシカルボニルアミノメチル、フェノキシカルボニルアミノメチル、イソ−ブトキシカルボニルアミノ、ヒドロキシカルボニルメチルまたはヒドロキシカルボニルメトキシで置換されており;
R3がi−Pr、シクロヘキシルまたは1−メチル−1−プロピルである、
請求項9記載の化合物。 - R1がn−Prであり;R2およびR22が一緒になって未置換プロピレンを形成する、請求項10記載の化合物。
- R4がアルキル、ヘテロアラルキまたはアラルキルであり;
R5がアルキルであり;
R6がアルキルであり;
Rnがアルキル、アルコキシ、ヘテロアリール、アリールまたはアラルキルである、
請求項7記載の化合物。 - R4がi−Prであり;
R5およびR6がCH2CH2COOHであり;
Rnがメチルである、
請求項7記載の化合物。 - R2’がCH2CH2SMe、C(OH)Me、CH2CH2S(O)Me、フェニルまたはCH2C(O)NH2であり;
R3’がヒドロキシメチル、ヒドロキシカルボニルメチルまたは4−イミダゾリルメチルであり;
R4’が4−ヒドロキシフェニルメチルであり;
R5’がヒドロキシメチルであり;
R1’がHである、
請求項2記載の化合物。 - R2’がH、アルキルまたはアリールであり;
R3’がアルキルまたはヘテロアラルキルであり;
R4’がアラルキルであり;
R5’がアルキルであり;
R1’がH、アルキルまたはアラルキルである、
請求項6記載の化合物。 - R2’がCH2CH2SMe、C(OH)Me、CH2CH2S(O)Me、フェニルまたはCH2C(O)NH2であり;
R3’がヒドロキシメチル、ヒドロキシカルボニルメチルまたは4−イミダゾリルメチルであり;
R4’が4−ヒドロキシフェニルメチルであり;
R5’がヒドロキシメチルであり;
R1’がHである、
請求項6記載の化合物。 - AcEEVVPnV−(CO)−GMSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GMdSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GMdHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GMdDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdMSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdMdSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdMHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdMDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdMdDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GGSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GGHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GGdHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GGDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GGdDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GQSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GQdSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GQdHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GQdDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdQSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdQdSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdQHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdQDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdQdDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GTSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GTdSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GTHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GTDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GTdDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GSdSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GSdHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GSdDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdSSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdSdSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdSHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdSdHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdSDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdSdDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GM(O)HYS−Am
AcEEVVPnV−(CO)−GdM(O)SYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdM(O)dHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdM(O)DYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdM(O)dDYS−Am
Ac−EEVVP−V−(CO)−GMSYS−Am
Ac−EEVVP−L−(CO)−GMSYS−Am
Ac−EEVVP−nL−(CO)−GMSYS−Am
Ac−EEVVP−Abu−(CO)−GMSYS−Am
Ac−EEVVP−(s,s)アロT−(CO)−GMSYS−Am
Ac−EEVVP−G(プロピニル)−(CO)−GMSYS−Am
からなる群より選択される請求項1記載の化合物。 - AcEEVVPnV−CO−GdMDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdMdDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GGSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GGHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GGDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GGdDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GQSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GQdSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GQdHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GQdDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdQSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdQdSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdQHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdQDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdQdDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GTSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GTdSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GTHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GTDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GTdDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GSdSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GSdHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GSdDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdSSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdSdSYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdSHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdSdHYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdSDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdSdDYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GM(O)HYS−Am
AcEEVVPnV−(CO)−GdM(O)SYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdM(O)DYS−Am
AcEEVVPnV−CO−GdM(O)dDYS−Am
Ac−EEVVP−(s,s)アロT−(CO)−GMSYS−Am
Ac−EEVVP−G(プロピニル)−(CO)−GMSYS−Am
からなる群より選択される請求項1記載の化合物。 - 請求項1記載の化合物を活性成分として含有する医薬組成物。
- C型肝炎ウイルスに関連した疾病の治療に使用される請求項19記載の医薬組成物。
- さらに医薬上許容される担体を含有する請求項19記載の医薬組成物。
- さらに抗ウイルス剤を含有する請求項21記載の医薬組成物。
- さらにインターフェロンを含有する請求項22記載の医薬組成物。
- 該抗ウイルス剤がリバビリンであり、該インターフェロンがα−インターフェロンである請求項23記載の医薬組成物。
- HCVプロテアーゼに関連した疾病の治療方法であって、治療上有効量の請求項1記載の化合物を含む医薬組成物をかかる治療を要する患者に投与することを特徴とする方法。
- 該投与が皮下投与である請求項25記載の方法。
- HCVプロテアーゼに関連した疾病を治療するための医薬の製造のための請求項1記載の化合物の使用。
- HCVプロテアーゼに関連した疾病を治療するための医薬組成物の製造方法であって、請求項1記載の化合物と医薬上許容される担体とを密接に接触させることを特徴とする方法。
- 請求項17記載の化合物の群から選択されるHCVプロテアーゼ阻害活性を示す化合物(該化合物のエナンチオマー、立体異性体、回転異性体および互変異性体を包含)あるいは該化合物の医薬上許容される塩または溶媒和物。
- HCVプロテアーゼに関連した疾病を治療するための医薬組成物であって、治療上有効量の請求項17記載の1種またはそれ以上の化合物および医薬上許容される担体を含む組成物。
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