JP2004504246A - 吸引フィーダー - Google Patents

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Abstract

この種の吸引フィーダーはガラスの加工で使用され、貴金属からなる加熱可能な供給ライン(1)を有する。この供給ラインは耐火材料(3a)を有するハウジング(4a)に断熱状態で埋設されている。このハウジングは溶融ガラス供給装置への連結用連結フランジ(5)と、供給ラインから塊を取出す吸引球(7)と操作が係合する出口フランジと、を有する。本発明によれば、供給ライン(1)を包囲する材料(3a,4a)は、構造及び/又は物質的に、負圧を供給ライン(1)の外周に製造できるように構成され、それにより供給ライン(1)の機械的圧縮を最小限にし、かつ気泡を吸い込まない。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、作業時、加熱可能であり、熱的に絶縁状態で、溶融ガラス用分配装置との連結用の連結要素と、吸引要素により機能的に係合するための出口要素、とを有するハウジングに埋め込まれている貴金属又は貴金属合金の供給ラインを備えたガラス加工用吸引フィーダー、特にガラスの塊を該供給ラインから採取する吸引球に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラスの製造と加工において、ガラスの溶融塊が開始製造物として通常必要とされる。大抵のガラス加工設備では、ガラス職人はガラスを開放面から、所謂、前方張り出し部から採取する。しかし、ガラスの塊が液滴フィーダー又は吸引フィーダーから採取されることも公知である。この発明が注目する吸引フィーダーでは、ガラスの塊を溶融物から吸引により生成する。これらの吸引フィーダーはチャンネル領域とフィーダー領域の双方で使用される。
図2及び図3には、2つの典型的な吸引フィーダーが示されている。図2の吸引フィーダーは、耐火材料の複数の層2,3、すなわち裏当て組成物2及び絶縁材3で包囲される貴金属(合金)製の管1から構成されている。それと共に、それらの層2,3は、全体の構造に必要な安定度を付与する鋼製の室4に内蔵される。貴金属管2それ自体は、熱流が2つ以上のフランジ5,6(その組立て品の長さに依存する)を経由して供給されるように交流により直接加熱される。通常、この貴金属管2は90°上向きに曲げられている。この吸引フィーダーは、全体のシステムにおけるガラスの高さが丁度、上フランジ6の上端部にあるように設計される。通常、所謂、吸引リングがこのフランジ6の上に配置され、このリングの直径が、関連する製品の範囲の関数として選択される。この技術によって、高温開放面でガラスが蒸発する可能性が最小に低下するようになっている。
【0003】
直径が関連する製品にも依存する所謂吸引球7が上フランジ6上に、あるいは連携吸引リング上に配置され、この吸引球7は所定の負圧で貴金属管2からガラスを吸引する。これが「吸引フィーダー」と呼ばれる由縁である。圧力と時間が所定通り経過した後、この吸引球7がガラスで満たされたら、その球を吸引フィーダーから上げ、球に入っているガラスの塊を他の加工のために他の場所に運ぶ。通常、他の加工はガラス職人によって行われ、ガラスの塊がブローアップされるか、圧縮される。
該吸引フィーダーは、現存するガラス分配チャンネルシステム上の任意の場所どこにでも配置することができる。取り付けは対応する通孔を備えた所謂レンガ部分8に、あるいは、直接白金チャンネルに行われる。
曲げられた該金属管1は、約500〜1000mmの長さの場合、典型的な直径が約120〜300mmであり、具体的には該管1は通常、ガラスの入り口部位から出口まで円錐状に先細りになっている。この直径の大きさは製品の所定範囲に依存するが、又、必要な加熱容量(装置のプロセス温度及び熱バランス)と断続的な引き抜きを考慮しなければならない。
【0004】
ガラス職人がまだ容易に採集可能なガラスの小さな塊(≦=15kg)の場合、図2の吸引フィーダーが通常使用される。大きな塊(150kg以下、特殊な機械を使用してのガラス職人による加工で)の場合、図3の吸引フィーダー、すなわち、耐火レンガ製の容器9(所謂ボウル)とこの容器に載置された貴金属円錐体10の組み合わせが使用される。この貴金属円錐体10も直接加熱される。具体的には、ガラスを直接加熱する電極ヒーターによりレンガ容器9が加熱される。
前方張り出し部からガラスを取り出す今なお利用されている技術と比較して、貴金属(又はその合金)を使用するこの吸引フィーダーは、該プロセスに必要な温度を良好に、より安定的に確立することができる。しかし、このフィーダーの耐火ライニングがあると、ヒーターがガラスの容積を非対称的に加熱するため、違った温度のガラスが1つの製品に合体することが起こることがあり、それが所謂「冷間縞」の発生を引き起こす。この縞は、適切で妥当な温度制御により回避できる。レンガの小片、縞あるいは耐火材の腐食により生じる気泡がまた製品に見出される。これらの気泡は耐火材の腐食で生じる。
【0005】
外部から多孔性耐火材を介してガラス溶融物に入り込む気泡を防止することが、ドイツ特許DE4202278C2に記載されている。多孔性耐火材により生じる気泡の問題は非常に高密度の材料(高温での腐食に安定度がある)だけがガラスと接触して使用されれば、回避することができる。
実際、ガラスの品質に極端に悪影響を及ぼすことがある更に他の欠点は、図2,3で示された上記公知吸引フィーダーに関連する。
【0006】
最初の問題は使用される貴金属構成要素、すなわち管1と円錐体10の安定度である。
ガラス溶融物での使用では、最大温度を超えてはいけない。適切な材料の溶融温度に近づけば近づく程、その機械的安定度が低くなる。ガラス溶融物で使用する典型的な温度では(比較的、高温を要する少なくとも特殊ガラスの場合)、白金が軟化し、紙と同じコンシステンシーを有する。そのため機械的安定度により使用期間が非常に制約されたものとなる。機械的安定度を改善するため、貴金属管には所謂ビードが設けられる。さらに、背後の耐火材に固定される取付け補強リングは付加的な安定度を備えるが、これは熱バランスに悪影響を及ぼす。
【0007】
貴金属構成要素1及び10の内部での吸引プロセス時、ガラス側面にかけられる負圧によって、負圧の確立及び減少が瞬時に生じ、大気圧が貴金属被覆の外側に常に行き渡り、特に吸引球7の近くで該構成要素を潰すことができるため、貴金属被覆が定期的に厳しい圧力変動にさらされる。これが温度条件を変え、処理量を厳しく制限するため、その結果、製造が最早可能でなくなる。この問題は、材料が高温とガラス腐食によりさらに脆くなり、初期の安定度が大きく低下するため、溶接シームや長時間使用においてさらに重要な問題となっている。従って、今まで、比較的小さな径の吸引フィーダーだけが使用されてきた。
【0008】
第2の問題は吸引気泡である。
すなわち、吸引フィーダーユニットは、後加工への移動場所に直接配置されているので、この位置ではガラス溶融物から気泡を除去する機会がなくなる。
特に、図3の実施形態では、ガラス組成物内に行き渡る負圧のため気泡が外部から吸引される危険な場所が幾つかある。他方、貴金属円錐体10と耐火性ボウル9及びそのボウル内の熱電対用リードスルー(leadthrough)との間に接続部があり、加熱電極用の孔に沿ってクラックが生じることがある。ガラスはシームやクラックに入り込み、それらを密封することが可能であるが、温度と負圧の過程がそれぞれの物でなお異なり、不安定な密封やガラス化を助長し、上記気泡の吸引を可能にする。
一般に、貴金属構成要素1、10は、商用名「クォーザル(Quarzal)」で公知でセラミック材料の裏当て組成物2に埋設されるが、それは硬化(cure)プロセスでは完全な耐漏性ではないため、長期間の使用あるいは化学的又は機械的作用による脆化の結果としてこれらの貴金属構成要素で発生するクラックから空気を吸引することもある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、作業時、加熱可能であり、熱的に絶縁状態で、溶融ガラス用分配装置との連結用の連結要素と、吸引要素により機能的に係合するための出口要素と、を有するハウジングに埋め込まれている貴金属又は貴金属合金の供給ラインを備えたガラス加工用吸引フィーダー、特にガラスの塊を該供給ラインから、上記圧力ストレスを無くすか、少なくとも低減し、あるいは気泡を吸引しないように採取する吸引球を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、この目的は供給ラインを包囲する材料が構造的に、及び/又は材料的に、稼動時、負圧を供給ラインの外周で発生することができるように構成されることで達成される。
先行技術で利用されている大気圧の場合と比べて、供給ラインで外圧を低下すると、供給管に対する圧力ストレスが低下し、機械的ストレスが生じない。さらに、外側の負圧が気泡の吸引を防止する。
構造的には、本発明による対応は、本発明の最善の形態では、ハウジングが吸引ポンプへの少なくとも1つの接続ネックを取付ける耐真空金属ハウジングとして具体化されれば、特に簡単に解決することができる。
吸引ポンプ、すなわち真空ポンプの適切な選択により、望ましい負圧を好ましくは鋼製の金属ハウジング内に設定することができる。
【0011】
供給ラインの圧力ストレスは、本発明の特徴では操作時、1〜900ミリバールの範囲、好ましくは50〜400ミリバールの範囲の負圧を供給ラインの外部に設定できれば、特に僅かに保持することができる。
本発明の他の特徴においては、該供給ラインの外部負圧が吸引プロセス時、最低の内圧より低ければ好ましい。その結果として、供給ラインはある意味でその内側から幾分「ふくらみ」があり、従って、さらに安定化する。
本発明の一つの最善の形態では、供給ラインの断熱の場合、少なくとも1つの耐火層の多孔質材料が設けられることが好ましい。この多孔質材料の耐火層が良好な断熱を確保するばかりでなく、全体のシステムが、供給ラインの外部に負圧を発生するための特殊な構造設備を必要とせずに、好ましい負圧に迅速に排気することが可能であるという特定の利点もある。
【0012】
本発明の吸引フィーダーの場合、先行技術の場合のように、供給ラインを操作時90°だけ上に曲がった、円錐状に先細りになった管として、あるいは上部の方に先細りになった円錐部分として具体化することができる。
接続部と出口要素はフランジとして具体化されるのが好ましい。
供給ラインの直接電気加熱が用意される場合、この接続フランジがハウジングに絶縁形態で設けられる。間接又は誘導加熱が用意される場合、この接続フランジを直接ハウジングに好適に溶接することができる。
【0013】
【発明の実施形態】
本発明を図1に示した本発明の典型的な実施形態に基づいてさらに詳しく説明する。
概略断面図である図1は、図2の吸引フィーダーの実施形態に基づくものであり、上向きに90°曲げられ、円錐状に先細り形状の供給ラインとして貴金属又はその合金製の管1を備えた本発明の1つの典型的な実施形態を示す。図2の吸引フィーダーに対応する構成要素を同じ参照番号で示す。
それにより、本発明に係る設備を、白金円錐体10を備えた図3の吸引フィーダーで使用することもできる。
本発明は、貴金属構成要素1,10の内部、ガラス保持側とその外側との間の吸引プロセスの負圧の差が上記問題(供給ラインの安定度、気泡の吸引)の源である認識に基づいている。
【0014】
本発明によれば、この圧力差は負圧を貴金属構成要素の外部にも与えることで回避される。これは耐火ライニング2,3aと共に貴金属構成要素1の外側がネック11,12を介して吸引される耐真空鋼製室4aで包囲される対応によって図1に従って最も簡単に達成することができる。このようにして圧力ストレスが除去され、気泡は最早吸引されることができない。この負圧を吸引圧力より下げることは更に有利である。何故ならその結果、貴金属構成要素1が内側から幾分「ふくらみ」、これによって付加的に安定が得られるからである。
この方法では、純粋に貴金属吸引フィーダーに予めアクセスできないある範囲の製品をここで製造できるように、この領域のフィーダー構造体の耐火材バージョンを完全に不要とすることが可能である。
【0015】
貴金属構成要素1の外側に必要な負圧を供給するポンプ(図示せず)は吸引機能のため、ライニング2,3aでのいかなる漏れも容易に制御することが可能である。貴金属構成要素1の直接加熱の場合、必要な電流供給のため、ここで使用される高温に対し、100%耐真空を保証する電気的絶縁材料がないため、そのような漏れが常に存在する。逆に、標準熱電対や圧力測定装置は耐真空状態で取付けることができる。直接加熱の場合、50Hzの交流が最も経済的な手段である。耐真空が特に重要であれば、誘導加熱のような間接加熱を使用することもできる。その場合、入口、出口フランジ5,6を真空ハウジング4aに直接溶接することができる。
貴金属構成要素1,10はクォーザル構成要素2で便宜的に裏当てされる(通常のように)。これは外側方向に一枚以上の耐火層をなすもので、一方でその多孔質のために断熱材として作用し、他方では全体的システムから望ましい負圧に急速にエア抜きを行うことができる大きな利点を有し、それによって貴金属構成要素1の外側に直接迅速に負圧を増加可能なような真空容器の内部の構造設備が不要となる。所謂、軽量耐火レンガが材料として特に適してしる。
【0016】
ガラス職人が作業を開始する前に、外負圧が増大されることが適切である。
図3の貴金属管1の場合、以下のパラメータが適用される:すなわち、
−材料:全貴金属(合金)、好ましくは白金、白金ロジウム10−30、
−材料厚さ:0.1〜30mm、好ましくは0.5〜3mm、
−管の大きさ:直径1〜1000mm、好ましくは50〜400mm、
−管の長さ:100〜5000mm、好ましくは500〜1500mm、
−管加熱:直接又は間接(例えば誘導加熱)、
ライニング3a用の耐火材の数は、1〜10枚、好ましくは2〜3枚であり、多孔質材料がその低熱伝導性とその早い排気時間のために好ましい。
貴金属管の外側の負圧範囲は1〜900ミリバール、好ましくは50〜400ミリバールであり、この外部圧力は、吸引プロセス時作られる最小内圧より低いのが好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の図2の吸引フィーダーの実施形態に基づく本発明の1つの典型的な実施形態を示す。
【図2】典型的な1つの公知吸引フィーダーを示す。
【図3】典型的な他の1つの公知吸引フィーダーを示す。

Claims (10)

  1. 作業時、加熱可能であり、熱的絶縁状態で、溶融ガラス用分配装置(8,9)との連結用の連結要素(5)と、吸引要素により機能的に係合するための出口要素(6)と、を有するハウジング(4a)に埋め込まれている貴金属又は貴金属合金の供給ライン(1,10)を備えたガラス加工用吸引フィーダー、特にガラスの塊を該供給ライン(1,10)から採取する吸引球(7)において、
    前記供給ライン(1,10)を包囲する材料(3a,4a)が構造的に、及び/又は材料的に、操作時、負圧を供給ライン(1,10)の外周で発生することができるように構成されていることを特徴とする吸引フィーダー。
  2. 前記ハウジング(4a)が、吸引ポンプへ連結されるための少なくとも1つのネック(11,12)を取付けた耐真空金属ハウジングとして具体化されることを特徴とする請求項1に記載の吸引フィーダー。
  3. 操作時、1〜900ミリバールの範囲、好ましくは50〜400ミリバールの範囲の負圧を供給ライン(1,10)の外部に設定することができることを特徴とする請求項1又は2に記載の吸引フィーダー。
  4. 該供給ライン(1,10)での外部負圧が吸引プロセス時、最小の内圧より低いことを特徴とする請求項3に記載の吸引フィーダー。
  5. 供給ライン(1,10)の断熱のために、多孔質材料の少なくとも1つの耐火層が設けられること特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の吸引フィーダー。
  6. 前記供給ラインとして、操作時90°だけ上に曲がった、円錐状に先細りになった管(1)が用いられることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸引フィーダー。
  7. 前記供給ラインが、上部の方に先細りになった円錐部分として構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の吸引フィーダー。
  8. 前記連結部と出口要素(5,6)は連結フランジとして構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の吸引フィーダー。
  9. 供給ライン用のヒーターが設けられることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の吸引フィーダー。
  10. 供給ライン用の誘導ヒーターが設けられることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の吸引フィーダー。
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