JP2004501158A - ポドフィロトキシンカルバマートおよびチオカルバマート誘導体、その製造法、ならびにそれらを含有する医薬組成物 - Google Patents

ポドフィロトキシンカルバマートおよびチオカルバマート誘導体、その製造法、ならびにそれらを含有する医薬組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、式(I)〔式中、Rは、水素、アルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールアルコキシカルボニル、ヘテロシクロアルコキシカルボニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アリールアルキルスルホニルおよびホスホノのうちから選ばれる基を表し;Rは、酸素原子または硫黄原子を表し;Rは、水素原子、アルキル、シクロアルキルまたはアリールアルキル基を表し;Xは、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキレン基を表し;Rは、1もしくは2個の基で場合により置換されたアミノ、式−N(R)−X−OR(式中、R、XおよびRは、説明中に定義されたとおり)で示される基、式−N(R)−X−NR(式中、R、X、RおよびRは、説明中に定義されたとおり)で示される基、ヒドロキシル、アルコキシ、アリールオキシ、式−O−X−OR(式中、RおよびXは、説明中に定義されたとおり)で示される基、および−式−O−X−NR(式中、R、RおよびXは、説明中に定義されたとおり)で示される基のうちから選ばれる基を表す〕で示される化合物、その異性体、および薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩に関する。本発明は、医薬の製造に有用である。

Description

【0001】
本発明は、新規なポドフィロトキシンカルバマートおよびチオカルバマート化合物、その製造法、ならびにそれらを含有する医薬組成物に関する。
【0002】
本発明の化合物は、ポドフィロトキシン、すなわち、癌の治療におけるその使用について公知である、天然リグナンの誘導体である。他の合成誘導体、たとえばエトポシドおよびテニポシドは、現在、特に小細胞肺癌の治療に、化学療法剤として用いられている。これらの様々な化合物は、トポイソメラーゼIIの触媒活性を阻害することによって作用する。
【0003】
これらの化合物には、様々な修飾、たとえば、特許出願JP 948782、WO 97/13776およびUS 3,634,459に記載された修飾がなされている。にもかかわらず、抗癌治療の必要性は、同時に、より活性に富み、より可溶性であり、より充分に許容される医薬を得るとの目的で、新たな抗腫瘍および細胞毒性薬剤の絶え間ない開発を求めている。
【0004】
本発明の化合物は、新規であるということに加えて、従来観察されたそれに優る、驚異的なin vitroおよびin vivo活性を有する。したがって、本出願人が発見した化合物は、それらを癌の治療に特に役立つようにさせる特性を有する。
【0005】
より詳しくは、本発明は、式(I):
【0006】
【化13】
Figure 2004501158
【0007】
〔式中、
は、水素、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル、アリール、アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリール、アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいヘテロアリール(C〜C)アルキル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルコキシ部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルコキシカルボニル、ヘテロシクロアルコキシカルボニル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキルスルホニル、およびホスホノから選ばれる基を表し、
【0008】
は、酸素原子または硫黄原子を表し、
【0009】
は、水素原子、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル基、シクロアルキル基、あるいはアルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキル基を表し、
【0010】
Xは、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキレン基を表し、
【0011】
は、
−直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル、アリール、およびアルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキルから選ばれる、同一または異なる1または2個の基で場合により置換されたアミノ;
【0012】
−式−N(R)−X−OR(式中、Rは、上記に定義されたとおりであり、Xは、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキレン基を表し、Rは、水素、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル、アリール、およびアルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキルから選ばれる基を表す)で示される基;
【0013】
−式−N(R)−X−NR(式中、RおよびXは、上記に定義されたとおりであり、RおよびRは、同一であるか、または異なってもよい、それぞれ、水素、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル、アリール、およびアルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキルから選ばれる基を表す)で示される基;
【0014】
−ヒドロキシル;
【0015】
−直鎖または分岐鎖(C〜C)アルコキシ、
【0016】
−アリールオキシ;
【0017】
−式−O−X−OR(式中、RおよびXは、上記に定義されたとおりである)で示される基;および
【0018】
−式−O−X−NR(式中、R、RおよびXは、上記に定義されたとおりである)で示される基
から選ばれる基を表す〕
で示される化合物、その異性体、および薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩に関し、ここで、
【0019】
*アリールは、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、インダニルおよびベンゾシクロブチルから選ばれる基を意味するが、これらの基は、それぞれ、場合により、ハロゲン、ヒドロキシル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキルアミノ、各アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいジ(C〜C)アルキルアミノ、カルボキシル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルコキシカルボニル、直鎖または分岐鎖(C〜C)トリハロアルキル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキルカルボニルオキシ、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキルカルボニル、およびアミノ部分が、同一または異なる1または2個の直鎖もしくは分岐鎖(C〜C)アルキル基で場合により置換されたアミノカルボニルから選ばれる、同一または異なる1個またはそれ以上の置換基を有し、
【0020】
*ヘテロアリールは、芳香族単環基、芳香族二環基、または一方の環が芳香族であり、他方の環が部分的に水素化された二環基を意味し、ここで各基は、それぞれ、5〜12個の環員を有し、酸素、窒素および硫黄から選ばれる1、2または3個のヘテロ原子を環系に含み、該ヘテロアリールは、アリール基の場合に記載されたのと同じ置換基で場合により置換されていることができ、
【0021】
*シクロアルキルは、飽和または不飽和であるが、芳香族性を有さず、3〜10個の炭素原子を有し、ハロゲン、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル、直鎖または分岐鎖(C〜C)トリハロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキルアミノ、および各アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいジ(C〜C)アルキルアミノから選ばれる、同一または異なる1個またはそれ以上の基で場合により置換された、単環もしくは二環の基を意味し、
【0022】
*ヘテロシクロアルキルは、酸素、窒素および硫黄から選ばれる1または2個のヘテロ原子を環系に含む、上記に定義されたとおりのシクロアルキル基を意味するが、該ヘテロシクロアルキルは、シクロアルキル基の場合に記載された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されている。
【0023】
異性体は、鏡像異性体およびジアステレオ異性体を意味するとして理解しなければならない。
【0024】
薬学的に許容され得る酸のうちでは、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、乳酸、ピルビン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、アスコルビン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、ショウノウ酸等が、いかなる限定も意味することなく列挙され得る。
【0025】
薬学的に許容され得る塩基のうちでは、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチルアミン、tert−ブチルアミン等が、いかなる限定も意味することなく列挙され得る。
【0026】
本発明によれば好ましい置換基Rは、水素原子である。
【0027】
本発明によれば好ましい置換基Rは、酸素原子である。
【0028】
非常に好都合な実施態様では、本発明の好適な化合物は、Xが直鎖(C〜C)アルキレン基を表す、式(I)の化合物である。
【0029】
本発明によれば好ましい置換基Rは、水素原子、または直鎖もしくは分岐鎖(C〜C)アルキル基である。
【0030】
本発明の好都合な実施態様によれば、本発明の好適な化合物は、Rが、
・同一または異なる1または2個の直鎖もしくは分岐鎖(C〜C)アルキル基で置換されたアミノ、
【0031】
・式−N(R)−X−OR(式中、Rは、水素原子、または直鎖もしくは分岐鎖(C〜C)アルキル基を表し、XおよびRは、式(I)について定義されたとおりである)で示される基、および
【0032】
・式−O−X−OR(式中、XおよびRは、式(I)について定義されたとおりである)で示される基
から選ばれる基を表す、式(I)の化合物である。
【0033】
特に好都合な実施態様では、本発明の好適な化合物は、Rが、基−N(R)−X−ORまたは−O−X−OR(式中、Rは、水素原子を表し、Xは、直鎖(C〜C)アルキレン鎖を表し、Rは、水素原子を表す)を表す、式(I)の化合物である。
【0034】
本発明の好適な化合物は、
・(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−(ジメチルアミノ)エチル(メチル)カルバマート、
・(5S,5aS,8aR,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−(ジメチルアミノ)エチル(メチル)カルバマート、
・(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=3−(ジメチルアミノ)プロピルカルバマート、
・(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルカルバマート、
・(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕エチルカルバマート、
・(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−(ジメチルアミノ)エチルカルバマート
である。
【0035】
好適な化合物の異性体、および薬学的に許容され得る酸または塩基との付加塩は、本発明の不可欠の部分を形成する。
【0036】
本発明は、式(I)の化合物を製造する方法にも及び、該方法は、式(II):
【0037】
【化14】
Figure 2004501158
【0038】
で示される化合物を出発材料として用い、これを、塩基性条件下で、
−式(III):
【0039】
【化15】
Figure 2004501158
【0040】
〔式中、R′は、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル、アリール、アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリール、アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいヘテロアリール(C〜C)アルキル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキルカルボニル、ヘテロシクロアルキルカルボニル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキルスルホニル、アリールスルホニル、およびアルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキルスルホニルから選ばれる基を表し、Xは、水素原子またはハロゲン原子を表す〕
で示される化合物の作用に付して、式(IV/A):
【0041】
【化16】
Figure 2004501158
【0042】
〔式中、R′は、上記に定義されたとおりである〕
で示される化合物を得るか、あるいは式(II)で示される化合物を塩基性条件下で、
−式(V):
【0043】
【化17】
Figure 2004501158
【0044】
〔式中、Gは、ヒドロキシル官能基に対する慣用の保護基を表し、Lは、有機化学に慣用される離脱基を表す〕
で示される化合物の作用に付して、式(IV/B):
【0045】
【化18】
Figure 2004501158
【0046】
〔式中、Gは、上記に定義されたとおりである〕
で示される化合物を得て、
【0047】
式(IV/A)および(IV/B)の化合物の全体が、式(IV):
【0048】
【化19】
Figure 2004501158
【0049】
〔式中、Tは、上記に定義されたとおりの基R′またはGを表す〕
で示される化合物を構成し、式(IV)の化合物を、塩基性媒体中で、式(VI):
【0050】
Ph−O−C(R)Cl          (VI)
【0051】
〔式中、Phは、場合により置換されたフェニル基を表し、Rは、酸素原子または硫黄原子を表す〕
で示される化合物で処理して、式(VII):
【0052】
【化20】
Figure 2004501158
【0053】
〔式中、T、PhおよびRは、上記に定義されたとおりである〕
で示される化合物を得て、式(VII)の化合物を、塩基性媒体中で、式(VIII):
【0054】
【化21】
Figure 2004501158
【0055】
〔式中、R、RおよびXは、式(I)について定義されたとおりである〕
で示される化合物と反応させて、Tが基R′を表すか、または基Gを表すかに応じて、それぞれ、式(I)の化合物の特定の場合である、式(I/a)の化合物、または式(IX)の化合物を得て:
【0056】
【化22】
Figure 2004501158
【0057】
〔式中、R′、G、R、R、RおよびXは、上記に定義されたとおりである〕
式(IX)の化合物のヒドロキシル官能基を、有機化学の慣用の方法に従って脱保護して、式(I)の化合物の特定の場合である、式(I/b):
【0058】
【化23】
Figure 2004501158
【0059】
〔式中、R、R、RおよびXは、式(I)について定義されたとおりである〕
で示される化合物を得て、
【0060】
式(I/a)および(I/b)の化合物が、本発明の化合物の全体を構成し、必要ならば、該化合物を、慣用の精製手法に従って精製し、望みであれば、慣用の分離手法に従って、それらの異なる異性体へと分離してよく、望みであれば、薬学的に許容され得る酸または塩基とのそれらの付加塩へと転化することを特徴とする。
【0061】
式(II)、(V)、(VI)および(VIII)の化合物は、商業的に入手できる化合物であるか、または有機合成の慣用の方法に従って得られるかのいずれかである。
【0062】
式(I)の化合物は、特に有用な抗腫瘍特性を示す。それらは、マウスおよびヒト腫瘍由来の細胞系に対して優れた細胞毒性をin vitroで有し、in vivoで活性である。これらの化合物の特徴的な特性は、それらを抗腫瘍剤として処置に用いるのを可能にする。
【0063】
本発明は、式(I)の化合物、その光学異性体、または薬学的に許容され得る酸もしくは塩基とのその付加塩の少なくとも1種類を活性成分として、単独でか、または薬学的に許容され得る、不活性の、無害の賦形剤もしくは担体と組み合わせて含む医薬組成物にも関する。
【0064】
本発明による組成物のうち、より特別には、経口、非経口(静脈内、筋肉内または皮下)、経皮もしくは貫皮、鼻内、直腸、経舌、眼内または呼吸器投与に適したもの、特に錠剤もしくは糖衣錠、舌下錠、軟ゼラチンカプセル剤、硬ゼラチンカプセル剤、坐薬、クリーム剤、軟膏剤、皮膚用ゲル剤、注射用もしくは飲用製剤、エアゾル、点眼剤もしくは点鼻剤が列挙され得る。
【0065】
有用な投与量は、患者の年齢および体重、投与経路、疾患の性質および重篤度、ならびにあり得る関連する治療の投与に応じて変化し、1回またはそれ以上の投与として1日あたり0.5〜500mgの範囲にわたる。
【0066】
下記の実施例は、本発明を例示するが、いかなる方法でもそれを限定するものではない。用いた出発材料は、公知の生成物、または公知の手順に従って製造された生成物のいずれかである。
【0067】
製造例1:(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−{〔(ベンジルオキシ)カルボニル〕オキシ}−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=4−ニトロフェニル=カルボナート
工程1:4−〔(5R,5aS,8aS,9S)−9−ヒドロキシ−6−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル〕−2,6−ジメトキシフェニル=ベンジル=カルボナート
0.55mmolのトリエチルアミン、および0.37mmolのクロロギ酸ベンジルを、0℃およびアルゴン下で、無水ジクロロメタン10ml中0.25mmolの(5R,5aS,8aS,9S)−9−ヒドロキシ−5−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−5,8,8a,9−テトラヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−6(5aH)−オンの溶液に、逐次加えた。1時間撹拌した後、反応混合物を水洗した。次いで、有機相を乾燥し、濾過し、次いで減圧下で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル:60/40)によって、期待された生成物を単離することができた。
【0068】
工程2:(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−{〔(ベンジルオキシ)カルボニル〕オキシ}−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=4−ニトロフェニル=カルボナート 無水ピリジン0.155mlを、無水ジクロロメタン5ml中1.71mmolのクロロギ酸p−ニトロフェニルの溶液に加えた。反応混合物中に白沈が形成された。次いで、ジクロロメタン5ml中0.502mmolの工程1で得られた化合物の溶液を、アルゴン下で滴加した。撹拌を環境温度で45分間実施し、次いで、水15mlを反応混合物に注入した。有機相を、水洗し、MgSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(シクロヘキサン/酢酸エチル:4/1)によって、期待された生成物を単離することができた。
【0069】
融点=125〜130℃
【0070】
例1:(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−(ジメチルアミノ)エチル(メチル)カルバマート
工程1:4−〔(5R,5aS,8aS,9S)−9−({〔〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕(メチル)アミノ〕カルボニル}オキシ)−6−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル〕−2,6−ジメトキシフェニル=ベンジル=カルボナート
0.228mmolのN,N,N′−トリメチルエチレンジアミン、および0.228mmolのトリエチルアミンを、環境温度およびアルゴン下で、無水ジクロロメタン5ml中0.171mmolの製造例1の化合物の溶液に逐次加えた。1時間撹拌した後、反応混合物を加水分解した。次いで、有機相を水洗し、次いでMgSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:97/3)によって、期待された生成物を単離することができた。
【0071】
融点=102〜103℃
【0072】
工程2:(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−(ジメチルアミノ)エチル(メチル)カルバマート
5%炭素担持パラジウム(90.8mg)を、酢酸エチル8ml中0.138mmolの工程1で得た化合物の溶液に加えた。反応混合物を、水素雰囲気下で(大気圧)、1時間45分撹拌し、次いで、セライト越しに濾過して、触媒を除去した。次いで、濾液を減圧下で濃縮した。未精製残渣を、シリカゲルでのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:60/40)に付して、期待された生成物を単離することができた。
【0073】
融点=184〜186℃
質量スペクトル(ES/MS):m/z=529〔M+H〕、551〔M+Na〕
【0074】
例2:(5S,5aS,8aR,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−(ジメチルアミノ)エチル(メチル)カルバマート
工程1:4−〔(5R,5aR,8aS,9S)−9−({〔〔2−(ジメチルアミノ)エチル〕(メチル)アミノ〕カルボニル}オキシ)−6−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル〕−2,6−ジメトキシフェニル=ベンジル=カルボナート
0.184mmolのN,N,N′−トリメチルエチレンジアミン、および0.184mmolのトリエチルアミンを、無水ジクロロメタン4ml中0.141mmolの製造例1の化合物の溶液に逐次加えた。環境温度およびアルゴン下で、2時間30分撹拌した後、反応混合物に、テトラヒドロフラン3ml、およびテトラヒドロフラン中1Mのフッ化テトラブチルアンモニウム溶液(0.285mmol)を反応混合物に加えた。2時間の反応の後、0.3mmolのフッ化テトラブチルアンモニウムを加えた。撹拌を3時間30分実施し、反応混合物を、水(15ml)に注入し、ジクロロメタン(10ml)で希釈した。水相をジクロロメタンで抽出し、併せた有機相を、水、およびNaClの飽和水溶液で洗浄し、次いでMgSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。シリカゲルでのクロマトグラフィー(ジクロロメタン/メタノール:97/3)によって、期待された生成物を単離することができた。
【0075】
質量スペクトル(DIC/NH):m/z=663〔M+H〕
【0076】
工程2:(5S,5aS,8aR,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−(ジメチルアミノ)エチル(メチル)カルバマート
この生成物は、例1の工程2の手順に従い、上記工程1で得た化合物を基質として用いて得た。
【0077】
質量スペクトル(DIC/NH):m/z=529〔M+H〕
【0078】
例3:(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=3−(ジメチルアミノ)プロピルカルバマート
この生成物は、例1の工程1および2に従い、工程1での試薬として、N,N,N′−トリメチルエチレンジアミンに代えてジメチルアミノプロピルアミンを用いて得た。
【0079】
〔α〕(CHCl)=−23°
質量スペクトル(DIC/NH):m/z=529〔M+H〕
【0080】
例4:(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルカルバマート
この生成物は、例1の工程1および2に従い、工程1での試薬として、N,N,N′−トリメチルエチレンジアミンに代えて2−アミノエトキシエタノールを用いて得た。
【0081】
質量スペクトル(DIC/NH):m/z=683〔M+NH
【0082】
例5:(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕エチルカルバマート
この生成物は、例1の工程1および2に従い、工程1での試薬として、N,N,N′−トリメチルエチレンジアミンに代えて2−アミノエチルアミノエタノールを用いて得た。
【0083】
例6:(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−(ジメチルアミノ)エチルカルバマート
この生成物は、例1の工程1および2に従い、工程1での試薬として、N,N,N′−トリメチルエチレンジアミンに代えてジメチルアミノエチルアミンを用いて得た。
【0084】
本発明化合物の薬理学的研究
例7:in vitro活性
本発明の化合物を、様々なヒトおよびマウス細胞系で試験した:
−マウス白血病L1210、
−類表皮癌A−431、
−非小細胞肺癌A549、
−小細胞肺癌H69、
−大腸癌HT29、
−類表皮頬癌KB−3−1。
【0085】
細胞を、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、50単位/mlのペニシリン、50μg/mlのストレプトマイシン、および10mMHEPES、pH7.4を含む、RPMI1640完全培地で培養した。細胞を、マイクロプレート上に分布させ、細胞毒性化合物に4x倍加期間、すなわち48〜96時間にわたって接触させた。次いで、生存細胞の数を、比色分析アッセイのミクロ培養テトラゾリウムアッセイ〔J. Carmichael et al., Cancer Res.;47, 936−942 (1987)〕によって定量した。結果を、IC50、すなわち処理された細胞の増殖を50%阻害する細胞毒性濃度として表した。これらの試験で、例6の化合物は、下記のIC50値を有する:
【0086】
【表1】
Figure 2004501158
【0087】
例8:細胞周期に対する作用
様々な濃度の試験化合物の存在下で、L1210細胞を37℃で21時間温置した。次いで、70%エタノール(v/v)を用いて、細胞を固定し、PBS中で2回洗浄し、100μg/mlのRNアーゼ、および50μg/mlのヨウ化プロピジウムを含有するPBS中で、20℃で30分間温置した。結果を、21時間後にG2+M期に蓄積していた細胞の、対照と比較した百分率(対照=20%)として表した。100nMの濃度で、例6の化合物は、21時間後にG2+M期における細胞の86%の蓄積を誘導した。
【0088】
例9:in vivo活性
*P388白血病に対する化合物の抗腫瘍活性
P388系(マウス白血病)は、National Cancer Institute(Frederick、米国)により供給された。この腫瘍細胞(10細胞)を、0日目に、体重18〜20gの雌のBDF1系マウス(Iffa−Credo、フランス国)(6匹の群)の腹腔内に接種した。生成物は、1日目に静脈内経路で投与した。抗腫瘍活性を、%T/Cとして表した:
%T/C=(処置動物の生存時間の中央値)/(対照動物の生存時間の中央値)X100
【0089】
例6の化合物は、P388白血病に対して活性を有し、6.25mg/kgで203%のT/Cを誘導した。
【0090】
*Lewis肺癌に対する化合物の抗腫瘍活性
Lewis肺癌(LLC)は、C57B1/6系マウスの肺に自発的に出現する充実性腫瘍であり、皮下経路での断片の継代移植によって維持される。LLCは、Division of Cancer Treatment, Tumor Repository, National Cancer Institute, Frederick, MD、米国から入手した。4〜6週齢のマウスは、Iffa Credo(Lyon、フランス国)から入手し、実験の開始時点では20〜22gの体重であった。
【0091】
実験第1日目(D0)に、腫瘍を取り出し、約30mgの断片に切断し、直ちにB6D2F1系マウスに皮下経路で移植した。次いで、断片を移植したマウスを、処置群と対照群とに無作為に区分した(1群につき7匹)。
【0092】
抗腫瘍活性を評価するのに用いたパラメーターは、生存時間の延長であった。加えて、90日目の実験終了時に、各群における生存動物の数を計数した。
【0093】
生成物は、下記のスキームに従って投与した。結果は、先行する試験と同様にして算出した%T/Cとして表した。
【0094】
【表2】
Figure 2004501158
【0095】
例10:医薬組成物:注射用液剤
実施例の化合物            10mg
注射製剤用蒸留水           25ml

Claims (11)

  1. 式(I):
    Figure 2004501158
    〔式中、Rは、水素、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル、アリール、アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリール、アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいヘテロアリール(C〜C)アルキル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルコキシカルボニル、アリールオキシカルボニル、アルコキシ部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルコキシカルボニル、ヘテロシクロアルコキシカルボニル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキルスルホニル、およびホスホノから選ばれる基を表し、
    は、酸素原子または硫黄原子を表し、
    は、水素原子、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル基、シクロアルキル基、あるいはアルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキル基を表し、
    Xは、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキレン基を表し、
    は、
    −直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル、アリール、およびアルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキルから選ばれる、同一または異なる1または2個の基で場合により置換されたアミノ;
    −式−N(R)−X−OR(式中、Rは、上記に定義されたとおりであり、Xは、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキレン基を表し、Rは、水素、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル、アリール、およびアルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキルから選ばれる基を表す)で示される基;
    −式−N(R)−X−NR(式中、RおよびXは、上記に定義されたとおりであり、RおよびRは、同一であるか、または異なってもよい、それぞれ、水素、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル、アリール、およびアルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキルから選ばれる基を表す)で示される基;
    −ヒドロキシル;
    −直鎖または分岐鎖(C〜C)アルコキシ、
    −アリールオキシ;
    −式−O−X−OR(式中、RおよびXは、上記に定義されたとおりである)で示される基;および
    −式−O−X−NR(式中、R、RおよびXは、上記に定義されたとおりである)で示される基
    から選ばれる基を表す〕
    で示される化合物、その異性体、および薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩(ここで、
    *アリールは、フェニル、ビフェニル、ナフチル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチル、インデニル、インダニルおよびベンゾシクロブチルから選ばれる基を意味するが、これらの基は、それぞれ、場合により、ハロゲン、ヒドロキシル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルコキシ、シアノ、ニトロ、アミノ、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキルアミノ、各アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいジ(C〜C)アルキルアミノ、カルボキシル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルコキシカルボニル、直鎖または分岐鎖(C〜C)トリハロアルキル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキルカルボニルオキシ、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキルカルボニル、およびアミノ部分が、同一または異なる1または2個の直鎖もしくは分岐鎖(C〜C)アルキル基で場合により置換されたアミノカルボニルから選ばれる、同一または異なる1個またはそれ以上の置換基を有し、
    *ヘテロアリールは、芳香族単環基、芳香族二環基、または一方の環が芳香族であり、他方の環が部分的に水素化された二環基を意味し、ここで各基は、それぞれ、5〜12個の環員を有し、酸素、窒素および硫黄から選ばれる1、2または3個のヘテロ原子を環系に含み、該ヘテロアリールは、アリール基の場合に記載されたのと同じ置換基で場合により置換されていることができ、
    *シクロアルキルは、飽和または不飽和であるが、芳香族性を有さず、3〜10個の炭素原子を有し、ハロゲン、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル、直鎖または分岐鎖(C〜C)トリハロアルキル、ヒドロキシル、アミノ、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキルアミノ、および各アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいジ(C〜C)アルキルアミノから選ばれる、同一または異なる1個またはそれ以上の基で場合により置換された、単環もしくは二環の基を意味し、
    *ヘテロシクロアルキルは、酸素、窒素および硫黄から選ばれる1または2個のヘテロ原子を環系に含む、上記に定義されたとおりのシクロアルキル基を意味するが、該ヘテロシクロアルキルは、シクロアルキル基の場合に記載された1個またはそれ以上の置換基で場合により置換されており、
    *異性体は、鏡像異性体およびジアステレオ異性体を意味する)。
  2. が、水素原子を表すことを特徴とする、請求項1記載の式(I)の化合物、その異性体、および薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
  3. が、酸素原子を表すことを特徴とする、請求項1記載の式(I)の化合物、その異性体、および薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
  4. Xが、直鎖(C〜C)アルキレン基を表すことを特徴とする、請求項1記載の式(I)の化合物、その異性体、および薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
  5. が、水素原子、または直鎖もしくは分岐鎖(C〜C)アルキル基を表すことを特徴とする、請求項1記載の式(I)の化合物、その異性体、および薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
  6. が、
    ・同一または異なる1または2個の直鎖もしくは分岐鎖(C〜C)アルキル基で置換されたアミノ、
    ・式−N(R)−X−OR(式中、Rは、水素原子、または直鎖もしくは分岐鎖(C〜C)アルキルを表し、XおよびRは、式(I)について定義されたとおりである)で示される基、および
    ・式−O−X−OR(式中、XおよびRは、式(I)について定義されたとおりである)で示される基
    から選ばれる基を表すことを特徴とする、請求項1記載の式(I)の化合物、その異性体、および薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
  7. が、基−N(R)−X−ORまたは−O−X−OR(式中、Rは、水素原子を表し、Xは、直鎖(C〜C)アルキレン鎖を表し、Rは、水素原子を表す)を表すことを特徴とする、請求項1または6のいずれかに記載の式(I)の化合物、その異性体、ならびに薬学的に許容され得る酸または塩基とのその付加塩。
  8. ・(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−(ジメチルアミノ)エチル(メチル)カルバマート、・(5S,5aS,8aR,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−(ジメチルアミノ)エチル(メチル)カルバマート、
    ・(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=3−(ジメチルアミノ)プロピルカルバマート、
    ・(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルカルバマート、
    ・(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−〔(2−ヒドロキシエチル)アミノ〕エチルカルバマート、または
    ・(5S,5aS,8aS,9R)−9−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシフェニル)−8−オキソ−5,5a,6,8,8a,9−ヘキサヒドロフロ〔3′,4′:6,7〕ナフト〔2,3−d〕〔1,3〕ジオキソール−5−イル=2−(ジメチルアミノ)エチルカルバマートである、請求項1記載の式(I)の化合物、その異性体、ならびに薬学的に許容され得る酸もしくは塩基とのその付加塩。
  9. 請求項1記載の式(I)の化合物を製造する方法であって、式(II):
    Figure 2004501158
    で示される化合物を出発材料として用い、これを、塩基性条件下で、
    −式(III):
    Figure 2004501158
    〔式中、R′は、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキル、アリール、アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキル、ヘテロアリール、アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいヘテロアリール(C〜C)アルキル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキルカルボニル、ヘテロシクロアルキルカルボニル、直鎖または分岐鎖(C〜C)アルキルスルホニル、アリールスルホニル、およびアルキル部分が直鎖または分岐鎖状であってよいアリール(C〜C)アルキルスルホニルから選ばれる基を表し、Xは、水素原子またはハロゲン原子を表す〕
    で示される化合物の作用に付して、式(IV/A):
    Figure 2004501158
    〔式中、R′は、上記に定義されたとおりである〕
    で示される化合物を得るか、あるいは式(II)で示される化合物を塩基性条件下で、
    −式(V):
    Figure 2004501158
    〔式中、Gは、ヒドロキシル官能基に対する慣用の保護基を表し、Lは、有機化学に慣用される離脱基を表す〕
    で示される化合物の作用に付して、式(IV/B):
    Figure 2004501158
    〔式中、Gは上記に定義されたとおりである〕
    で示される化合物を得て、
    式(IV/A)および(IV/B)の化合物の全体が、式(IV):
    Figure 2004501158
    〔式中、Tは、上記に定義されたとおりの基R′またはGを表す〕
    で示される化合物を構成し、式(IV)の化合物を、塩基性媒体中で、式(VI):
    Figure 2004501158
    〔式中、Phは、場合により置換されたフェニル基を表し、Rは、酸素原子または硫黄原子を表す〕
    で示される化合物で処理して、式(VII):
    Figure 2004501158
    〔式中、T、PhおよびRは、上記に定義されたとおりである〕
    で示される化合物を得て、式(VII)の化合物を、塩基性媒体中で、式(VIII):
    Figure 2004501158
    〔式中、R、RおよびXは、式(I)について定義されたとおりである〕
    で示される化合物と反応させて、Tが基R′を表すか、または基Gを表すかに応じて、それぞれ、式(I)の化合物の特定の場合である、式(I/a)の化合物、または式(IX)の化合物を得て:
    Figure 2004501158
    〔式中、R′、G、R、R、RおよびXは、上記に定義されたとおりである〕
    式(IX)の化合物のヒドロキシル官能基を、有機化学の慣用の方法に従って脱保護して、式(I)の化合物の特定の場合である、式(I/b):
    Figure 2004501158
    〔式中、R、R、RおよびXは、式(I)について定義されたとおりである〕
    で示される化合物を得て、
    式(I/a)および(I/b)の化合物が、本発明の化合物の全体を構成し、必要ならば、該化合物を、慣用の精製手法に従って精製し、望みであれば、慣用の分離手法に従って、それらのそれぞれの異性体へと分離してよく、望みであれば、薬学的に許容され得る酸または塩基とのそれらの付加塩へと転化することを特徴とする方法。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の少なくとも1種類の化合物を活性成分として、単独でか、または薬学的に許容され得る、不活性の、無害の賦形剤もしくは担体と組み合わせて含む医薬組成物。
  11. 癌を処置するのに用いるための、請求項1〜8のいずれか一項に記載の少なくとも1種類の活性成分を含有する、請求項10記載の医薬組成物。
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