JP2004364244A - 変調方法、変調装置、復調装置及び無線通信システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 従来の変調方式よりも周波数利用効率を向上させることができる変調装置を提供すること。
【解決手段】 第1及び第2の直交変調器109、110は、それぞれシンボル周期の2/4周期の遅延差が与えられたナイキスト信号同士を、ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調する。第3の直交変調器113は、第1の直交変調器109により得られた変調信号と第2の直交変調器110により得られた変調信号とを、所定周波数の搬送波を用いて直交変調する。これにより、1シンボル期間T内に4つのナイキスト信号が互いに干渉しない状態で配置された変調信号を得ることができる。
【選択図】 図10

Description

本発明は変調方法、変調装置、復調装置及び無線通信システムに関し、例えば移動通信に適用し得る。
近年、情報処理技術の普及といわゆるIT(Information Technology)化社会の急速な進展により、情報通信に対する要求と拡大は目覚しいものがある。社会と社会の間は当然のことながら、さらには個人と社会をつなぐ通信インフラについても、高速化と無線化が望まれている。こうした移動通信に対する一層の需要は、豊富な周波数資源をも枯渇させてしまう。
現在、この課題の解決に対してMIMO(MultiInput Multi Output)と呼ばれる自然空間における空間多重通信が研究されている。しかし、時々刻々変化する伝搬環境を利用しての通信高度化は、基地局のみならず個人の持つ端末機器においても多大の信号処理を行う必要があり、消費電力の増大や装置の重厚長大化、しいてはコスト増加を招くものである。したがって本質的な解決方法としては、ベースバンドにおける変調効率の向上が切望されるところである。
現在の移動通信の変調方式は、いわゆるディジタル通信といわれる直交位相変調を基調とするもので、現在のところ最も高い周波数利用効率が得られるものである。その頂点にあるものが直交位相振幅変調(QAM)である。この変調方式を用いて移動環境下で通信を行う場合、高速変動を伴うマルチパスフェージングの下では16QAMが最大であり、4bit/sec/2Hzすなわち2bit/sec/Hzが頂点となっている。
この通信を複数のアンテナを用いて複数の伝播経路を用いることにより、可能な限りの独立性を確保してさらなる周波数利用効率を求める研究がなされている。例えば垂直偏波と水平偏波を用いれば同一の周波数上で別々の情報を送ることが可能になり、それぞれに16QAMを用いることにより、最大で4bit/sec/Hzになるという目論見である。しかし、反射波や移動環境において垂直偏波と水平偏波の直交性(独立性)を受信側で完全に生かすための信号処理は、これまでの装置を2倍持つ以上に大きな負担となる。
同様にN本のアンテナを用いて、N倍の伝送速度を追求する研究もなされているが、N本の伝搬路の独立性を完全に確保することは困難なことは言うまでもない。
したがって時々刻々変化する伝搬環境を利用するのではなく、基本的にはベースバンドにおける変調効率の向上を図ることが先決である。
これまで周波数利用効率を高めた技術基盤はナイキスト理論いわれる隣接信号波と直交性の高い(隣接信号シンボルと干渉性の低い)独立信号波利用技術と、パーシャルレスポンスあるいはウェーブレットといわれる隣接信号波との符号間干渉に対する解決技術である。
ナイキスト理論の最も代表的な例は、sin(x)/xで示される。この信号を表す関数をsinc関数という。sinc関数は、孤立波であるとともに、隣接信号波の信号点においてはゼロクロスになるので、お互いに干渉しない。
従来の通信では、sin(x)/xのxを、時間軸変数としたものが位相変調(PSK)なり直交振幅変調(QAM)であり、周波数軸変数としたものが直交周波数多重通信(OFDM)である。時間軸と周波数軸は物理的には直交するので、これらはさらに一方を一次変調とし他方を二次変調として例えば16QAM−OFDMとすることが可能であり、高い周波数利用効率の維持と移動通信能力の確保を実現するなど、高度の通信効果を得ている。
ここで従来のディジタル変調技術について詳しく説明する。ディジタル変調は高い周波数利用効率を実現することが主たる目的の一つである。その技術を帯域制限技術という。すなわち与えられた周波数帯域幅内で可能が限りの高い情報伝送を実現する技術のことである。アナログ伝送では情報量そのもので変調を行うために冗長であるだけでなく圧縮や高能率化変調を行う余地が少ない。
ディジタル変調の帯域制限技術はナイキストフィルタによる方法が代表的である。ナイキストフィルタによる方法は、シンボルにナイキスト特性を与えることにより時間軸上の信号(シンボル)間干渉を低減して密度の高いシンボル埋め込みを図る方法である。
信号間干渉を防ぐにはシンボル区間周期毎にゼロクロスしなければならない。これをナイキスト第1基準という。これを満たすフィルタをナイキストフィルタと呼ぶ。このナイキストフィルタを実現する代表例が、sinc関数である。シンボル周期をTとするときのsinc関数h(t)は下式で表される。
h(t) = sin(πt/T) / (πt/T) ……… (1)
ディジタルフィルタで、このナイキストフィルタを構成する場合は、ベースバンド入力信号(シンボル)を4倍のオーバサンプリングで取り込む。
ここで、ナイキストフィルタにより帯域制限される度合いは、ロールオフ率で定められる。ロールオフ率は0から1までの値を取る。例えばロールオフ率が0.5の場合は、所要帯域幅が伝送速度の1.5倍となる。このため周波数利用効率を高めるためには、ロールオフ率を0にすることが望まれる。
図21は、従来のディジタル直交変調(QPSK)の原理図である。I軸信号はcosine搬送波上に載せられるので位相ゼロに信号点すなわちナイキスト波の頂点が配置される。Q軸信号はsine搬送波上に載せられるので位相π/2に信号点すなわちナイキスト波の頂点が配置される。I軸信号については、情報信号が”1”の場合に上に凸の極性とすると図21中のI軸信号(+1)として示した波形位置に配置される。情報信号が”0”または”−1”の場合に下に凸の配置となるので図21中のI軸信号(−1)として示した波形位置に配置される。
同様にQ軸信号については、情報信号が”1”の場合に上に凸の極性とすると図21中のQ軸信号(+1)として示した波形位置に配置される。情報信号が”0”または”-1”の場合に下に凸の配置となるので図21中のQ軸信号(-1)として示した波形位置に配置される。
従来の方法ではナイキスト波形が完全にシンボル期間Tの間に1つとなっている。これはNRZ(non-return-to-zero)信号のナイキスト信号化を行っているためであり、ナイキスト波の縁部分すなわち図21で示せばI軸信号(+1)の場合に位相πの位置ではNullとなるものの、電位としてNullすなわちゼロ電位になるわけではない。このため、OFDMのように隣接シンボルをπ位置に配置できない。
その状態を図22に示す。図22は直交変調のI軸信号のみに着目したものである。ナイキスト理論からすれば、位相間隔π毎にシンボルを配置できるはずであるが、ナイキスト波のNull点はゼロではなく”-1”となっている。このため、後続の隣接シンボルのナイキスト波に完全に干渉してしまうことになり、合成値がゼロになってしまう。すなわち、ナイキスト理論から見たπ位相へのシンボル配置は不可能なのである。
以上が、従来のディジタル変調方式の現状であり、周波数利用効率の向上を押し止める原因である。
特公平7−14171号公報
上述したように従来提案されている変調方式は、ほぼ共通してI−Q平面上に築かれたものである。この平面は2次元である。したがって基本的には多値化しないかぎりは1シンボル期間内に送ることができる情報は2ビットである。そして現在のところ、高速移動の環境下では16QAMが実際上最も周波数利用効率の良い変調方式となっている。しかしながら、限られた周波数資源のもとで、さらに多くの情報を伝送するためには、一段と周波数利用効率の良い変調方式の実現が望まれる。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、従来の変調方式よりも周波数利用効率を向上させることができる変調方法、変調装置、復調装置及び無線通信システムを提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため本発明の変調方法は、第1の入力シンボルと第2の入力シンボルを直交変調する変調方法であって、第1の入力シンボルのナイキスト信号と、このナイキスト信号に対して前記入力シンボルのシンボル周期の1/4周期の整数倍の遅延差を与えた第2の入力シンボルのナイキスト信号とを、前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調するようにする。
この方法によれば、入力シンボル周期Tの1/4周期の整数倍の遅延差のある第1及び第2のナイキスト信号を、コサイン波(搬送波)を用いて直交変調するので、第1及び第2のナイキスト信号を互いに干渉させることなく、入力シンボルの1シンボル期間T内に収めることができるようになる。但し、これだけでは、直流成分をもつようになるので、2次変調を行うと周波数帯域幅が結局2倍に広がってしまう。そのため上記コサイン波をナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍に選定した。この結果、T/2ごとにナイキスト波のシンボル点を互いに干渉させることなく配置することができる。すなわちT/2ごとに、一方のナイキスト波が最大となるとき他方のナイキスト波がヌル点となる関係の2つのナイキスト波をつくることができる。これにより、帯域幅を広げることなく、従来の2倍のシンボルを収容した変調信号を形成できるようになる。
また本発明の変調方法は、4系統の入力シンボルに対してシンボル周期の1/4周期ずつの遅延差を与えてナイキスト成形することによりシンボル周期の1/4周期ずつの遅延差を有する第1〜第4のナイキスト信号を得るステップと、シンボル周期の2/4周期分の遅延差を有する第1と第2のナイキスト信号、シンボル周期の2/4周期分の遅延差を有する第3と第4のナイキスト信号をそれぞれ前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調する1次変調ステップと、1次変調ステップで得た、前記第1と第2のナイキスト信号の直交変調信号と、前記第3と第4のナイキスト信号の直交変調信号とを、所定周波数の搬送波を用いて直交変調する2次変調ステップとを含むようにする。
本発明の変調方法は、4系統の入力シンボルに対してシンボル周期の1/4周期ずつの遅延差を与えてナイキスト成形することによりシンボル周期の1/4周期ずつの遅延差を有する第1〜第4のナイキスト信号を得るステップと、シンボル周期の1/4周期分の遅延差を有する第1と第2のナイキスト信号、シンボル周期の1/4周期分の遅延差を有する第3と第4のナイキスト信号を所定周波数の搬送波を用いて直交変調する1次変調ステップと、前記1次変調ステップで得た、前記第1と第2のナイキスト信号の直交変調信号と、前記第3と第4のナイキスト信号の直交変調信号とを、それぞれ前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調する2次変調ステップとを含むようにする。
これらの方法によれば、2次変調ステップにより得られる変調信号は、単純に2つのナイキスト信号を直交変調した場合と比較して周波数帯域が広がらず、かつ第1〜第4の入力シンボルについての第1〜第4のナイキスト信号が互いに干渉を受けることなく配置されたものとなる。よって、従来と同一周波数帯域内に従来の2倍のシンボルを干渉無く配置した変調信号を得ることができる。
本発明の変調装置は、第1の入力シンボルについての第1のナイキスト信号と、このナイキスト信号に対して入力シンボル周期の1/4周期の整数倍の遅延差をもった第2の入力シンボルについての第2のナイキスト信号とを入力し、この第1及び第2のナイキスト信号をこれらのナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を用いて直交変調する直交変調器を具備する構成を採る。
この構成によれば、入力シンボル周期Tの1/4周期の整数倍の遅延差のある第1及び第2のナイキスト信号を、コサイン波(搬送波)を用いて直交変調するので、第1及び第2のナイキスト信号を互いに干渉させることなく、入力シンボルの1シンボル期間T内に収めることができるようになる。加えて、上記コサイン波の周波数をナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍に選定したので、直流成分が抑制され、2次変調を行った場合でも実質的な周波数帯域が広がらずに済む。よって、帯域幅を広げることなく、従来の2倍のシンボルを収容した変調信号を形成できるようになる。
本発明の変調装置は、4系統の入力シンボルに対してシンボル周期の1/4周期ずつの遅延差を与える遅延器群と、前記4系統のシンボルからそれぞれナイキスト信号を形成するナイキストフィルタと、それぞれシンボル周期の2/4周期の遅延差をもつナイキスト信号同士を入力し、入力したナイキスト信号を前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調する第1及び第2の直交変調器と、第1の直交変調器により得られた変調信号と、第2の直交変調器により得られた変調信号とを所定周波数の搬送波を用いて直交変調する第3の直交変調器とを具備する構成を採る。
本発明の変調装置は、4系統の入力シンボルに対してシンボル周期の1/4周期ずつの遅延差を与える遅延器群と、前記4系統のシンボルからそれぞれナイキスト信号を形成するナイキストフィルタと、それぞれシンボル周期の1/4周期の奇数倍の遅延差をもつナイキスト信号同士を入力し、所定周波数の搬送波を用いて直交変調する第1及び第2の直交変調器と、前記第1の直交変調器により得られた変調信号と、前記第2の直交変調器により得られた変調信号とを前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調する第3の直交変調器とを具備する構成を採る。
これらの構成によれば、第1の直交変調器により1シンボル期間T内に2つのナイキスト信号が互いに干渉しない状態で配置された変調信号が得られると共に、第2の直交変調器により1シンボル期間T内に2つのナイキスト信号が互いに干渉しない状態で配置された変調信号が得られる。そして第3の直交変調器により1シンボル期間T内に4つのナイキスト信号が互いに干渉しない状態で配置された変調信号が得られる。この結果、帯域幅を広げることなく、従来の2倍のシンボルを収容した変調信号を形成できるようになる。
本発明の変調装置は、4系統の入力シンボルに対してシンボル周期の1/4周期ずつの遅延差を与える遅延器群と、前記4系統のシンボルからそれぞれナイキスト信号を形成するナイキストフィルタと、それぞれシンボル周期の1/4周期の整数倍の遅延差をもつナイキスト信号同士を入力し、入力したナイキスト信号を前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数で交互に出力する第1及び第2の直交変調器と、第1の直交変調器により得られた変調信号と、第2の直交変調器により得られた変調信号とを所定周波数の搬送波を用いて直交変調する第3の直交変調器とを具備する構成を採る。
この構成によれば、帯域幅を広げることなく従来の2倍のシンボルを収容した変調信号を形成できるようになると共に、第1及び第2の直交変調器をスイッチング素子やシフトレジスタ等で構成できるようになる。
本発明の復調装置は、第1及び第2のナイキスト信号が直交変調されてなる変調信号を、前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を用いて直交復調する直交復調器を具備する構成を採る。
本発明の復調装置は、変調信号を入力し、この変調信号を所定の搬送波周波数を用いて直交復調することにより第1及び第2の復調信号を得る第1の直交復調器と、第1の復調信号を、前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を用いて直交復調することにより第3及び第4の復調信号を得る第2の直交復調器と、第2の復調信号を、前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を用いて直交復調することにより第5及び第6の復調信号を得る第3の直交復調器とを具備する構成を採る。
本発明の復調装置は、変調信号を入力し、この変調信号を前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を用いて直交復調することにより第1及び第2の復調信号を得る第1の直交復調器と、前記第1の復調信号を所定の搬送波周波数を用いて直交復調することにより第3及び第4の復調信号を得る第2の直交復調器と、前記第2の復調信号を所定の搬送波周波数を用いて直交復調することにより第5及び第6の復調信号を得る第3の直交復調器とを具備する構成を採る。
これらの構成によれば、上記本発明の変調装置を用いて形成された変調信号を良好に復調して、復調信号を得ることができるようになる。
本発明の無線通信システムは、上記変調装置と、上記復調装置とを具備する構成を採る。
この構成によれば、従来と同一周波数帯域で従来の2倍の伝送速度の通信が可能な無線通信システムを実現することができる。
以上説明したように、本発明によれば、第1の入力シンボルのナイキスト信号と、このナイキスト信号に対して前記入力シンボルのシンボル周期の1/4周期の整数倍の遅延差をもった第2の入力シンボルのナイキスト信号とを、前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調するようにしたことにより、従来の2倍以上の周波数利用効率の変調方式を実現することができる。
本発明の発明者らは、もしI−Q平面上に4次元空間を構築できれば、1シンボル期間内に送ることができる情報は4ビット(QPSKの場合)となり、周波数効率は2倍に改善されると考えた。
但し、複数のQPSK環をI−Q平面上に置くことは不可能なので、図1に示すように、少なくとも第3の軸をI−Q平面上に直交して設ける必要がある。ここで必要となるのは当然のことであるが、どのような物理量で新たな軸を作るのかということである。本発明では、第3の軸(Z軸)を位相次元として考えることとした。
ここでQPSK環を1シンボル期間内に2基収容することは、すなわちI軸上にナイキスト波が2個存在することを意味する。図2はこれを示したものである。ナイキスト波は2シンボル期間で主要な部分が構成され、その直交性はシンボル期間T毎に得られる。したがって1シンボル期間内に2箇所の直交性を確立するためには、シンボル期間を1/2に短縮することが不可欠である。従来の方法でこれを実現しようとすると、周波数帯域幅は2倍を要することとなり、周波数利用効率の向上につなげるための方法はSSB(Single SideBand)化が想起されるのみであった。
本発明は、このような考察に基づいてなされたもので、1シンボル期間内に2個のナイキスト波を収容する方法(以下これをdual QPSK方式と呼ぶ)を提供するものである。
先ず、本発明のdual QPSK方式におけるQPSK環の置き方について説明する。dual QPSK方式は位相間多重を図ったものであり、Z軸を位相変調の位相差成分と定義すると、図3のような配置(但し図3はπ/2−offset dual QPSKを示す)となる。
図4に、本発明によるdual QPSK方式の基本的な考え方を示す。この図を見て容易に理解できるように、実施の形態の方式は独立した包絡線を4個保有する。あたかも搬送波を構成する解析信号による円筒の上に独立した4基のナイキスト波包絡線を貼り付けたようなモデルとなる。1シンボル期間内に4基のナイキスト波を収容するためにそれぞれのシンボル点は90度毎に差をつけて配置する。
図2に戻って説明する。1シンボル期間内でナイキスト波を2個配置すると、図2(a)に示すようにシンボル間干渉が発生するため従来はナイキスト波を点T/2に配置していない。本発明の発明者らは、ナイキスト波に特定の搬送波周波数において変調を施せば、シンボル間干渉が回避できることを見出して、本発明に至った。
図5を用いて、本発明によるdual QPSK方式を具現化する基本的考えを示す。図5(a)、(b)はともにシンボル周期Tのナイキスト波に周期2Tのコサイン波を乗算(変調)したものを重ねて示したものである。この図からも明白なとおり、変調後の波形もナイキスト波であることが分かる。ただし、周期は元のナイキスト波の1/2となる。これを数式で示すと、ナイキスト波はsinc関数で表せるので、シンボル周期Tのナイキスト波と周期2Tの搬送波(コサイン波)の積は、次式のようになる。
Figure 2004364244
(2)式からも分かるように、積(変調出力)もsinc関数であり周期はT/2となる。このため、変調後の信号同士を加え合わせても相互の干渉は生じない。図5(c)は、合成した際の波形を示している。
このように、コサイン波(搬送波)を、互いにシンボル周期の1/4の整数倍の遅延差を与えた2つのナイキスト信号に乗算することが本発明の第1の要件である。これにより、コサイン波を乗算した後の(すなわち変調後の)2つのナイキスト信号は、互いに干渉しなくなる。
ただし、周期2Tの搬送波は、変調後にDC(直流)領域を含むので搬送波周波数を高める必要がある。しかしながら単純に搬送波周波数を高めると、ナイキスト波のシンボル点が互いに干渉してしまう。
本発明の第2の要件は、前記コサイン波(搬送波)の周波数をナイキスト信号の基本周波数の奇数倍に設定することである。つまり、乗算するコサイン波(搬送波)の周期を2T/(2n+1)とする。図6に、ナイキスト波形に、周期が2T/(2n+1)の搬送波を乗じた場合の波形を示す(n=0,1,2の例)。図6からも明らかなように、本発明のように2Tを基本周期とする奇数次高調波を用いれば、T/2ごとに配置したナイキスト波のシンボル点を干渉させずに済むことができるようになる。因みに図6は、搬送波の周期を2T、2T/3、2T/5にしたものを示している。
すなわち本発明の骨子は、第1の入力シンボルのナイキスト信号と、このナイキスト信号に対して入力シンボルのシンボル周期の1/4の整数倍の遅延差をもった第2の入力シンボルのナイキスト信号とを、ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調する直交変調器を設けることである。このような直交変調器を設けるようにすれば、二重の直交変調を行った場合でもナイキスト信号同士を干渉させずに、4つのナイキスト信号を1シンボル期間内に配置することができ、同一周波数帯域内に従来の2倍のシンボルを収めることができるようになる。
さらに別の見方で本発明の原理を説明する。図7は、ナイキスト波形を用いれば、I軸及びQ軸でシンボル区間内に2ビットを送れることを示している。I軸とQ軸は、直交変調上ではπ/2の位相差を持つことは周知のとおりである。
図8は、従来のI軸とQ軸による2次元への信号対応(コンスタレーション)を超えて、本発明による新たな2軸が加わって4次元空間をもたらすことを示すものである。I軸、Q軸それぞれにナイキスト信号をπ間隔で挿入する。このとき、従来からの位相点と新たな位相点との間にはナイキスト信号の直交性はなく、すなわち相手側の信号点に対してNullとなることは保証されない。
そこで本発明では、図5に示したように、この新たな位相点へのシンボル配置を可能とするために、従来のシンボルと新たなシンボルを単純に加えるのではなく、コサイン波(搬送波)を乗算することで直交性を与える。さらに上述したように、コサイン波(搬送波)をナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数とすることで、帯域が広がることを抑制する。
図9は、本発明におけるI軸とQ軸への各々への新たなシンボルの挿入位置を示した図である。この図からも分かるように、本発明ではπの位相差関係にある2信号を直交変調する。換言すれば、本発明は2重の直交変調を行うものである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図10に、本発明の実施の形態1に係る変調装置の構成を示す。変調装置100は無線通信システムの送信側に設けられている。変調装置100は4系統のデータ信号(入力シンボル)Bit1、Bit2、Bit3、Bit4に対してシンボル区間Tを4等分の1ずつした遅延差を付加する遅延器群102、103、104と、シンボル区間Tの1/2の遅延差を持つ信号同士を入力とする2群の第1及び第2の直交変調器109、110と、その出力を入力とする第3の直交変調器113とを有し、4系統の情報に対して2段構えの直交変調を施して2重のQPSK処理を施すようになっている。
変調装置100は送信データ(TXData)をシリアルパラレル変換回路(S/P)101により4系列に並列化する。次に並列化したビットBit1、Bit2、Bit3、Bit4に対して、遅延器102、103、104によって、シンボル周期Tの1/4であるT/4の遅延差を付加する。これにより、シンボル区間内の4等分の位相点にシンボルが配置される。つまり、位相ゼロ、位相π/2、位相π、位相3π/2の位置に配置される。
変調装置100は、遅延処理後の4信号をそれぞれナイキストフィルタ105、106、107、108により成形し、T/2の遅延差関係(つまり位相差πの関係)にある2信号同士の2組に分けて、第1の直交変調器109及び第2の直交変調器110に入力させる。
第1の直交変調器109はナイキスト信号を周期2T/(2n+1),(n:整数)の搬送波で一次変調することにより、入力した2信号を合成する。同様に、第2の直交変調器110はナイキスト信号を周期2T/(2n+1),(n:整数)の搬送波で一次変調することにより、入力した2信号を合成する。
このようにして得られた2系統の変調信号は、バンドパスフィルタ(BPF)111、112に入力される。バンドパスフィルタ111、112は、一次変調により発生したイメージ信号及びスプリアス成分を除去し、フィルタリング後の信号を第3の直交変調器113に送出する。
第3の直交変調器113は、入力された2系統の変調信号を高次周波数(ω)で直交変調する(2次変調)。第3の直交変調器113から出力される2次変調後の信号は、バンドパスフィルタ114によりイメージ信号及びスプリアス成分が除去された後に、無線伝搬路に送出される。
かくして、変調装置100により、4本の入力信号情報が1シンボル期間内に90度ずつの差をもつナイキスト波として収容された変調信号が得られる。図11にその概念図を示す。I軸信号上にT/2差で収容した2信号のナイキスト合成波があり、Q軸信号上にI軸とはT/4の差でスタートするナイキスト合成波がある。シンボル周期Tの1/4の時間差で並ぶ時刻t,t,t,tの包絡線上に4信号の信号点が表現される。
図12に、変調装置100によって形成された変調信号を復調する復調装置200の構成を示す。復調装置200は、無線通信システムの受信側に設けられている。復調装置200は変調信号を第1の直交復調器201に入力する。第1の直交復調器200は入力した変調信号を高次周波数(ω)で直交復調することにより、第1及び第2の復調信号を得る。
この2系統の復調信号は、バンドパスフィルタ202、203を介して第2及び第3の直交復調器204、205に入力される。第2及び第3の直交復調器204、205は、それぞれ、周期2T/(2n+1),(n:整数)の搬送波で入力信号を直交復調する。
そして第2及び第3の直交復調器204、205から出力された4系統の復調信号は、ナイキストフィルタ206、207、208、209及びシンボル区間Tを4等分の1ずつした遅延差を付加する遅延器群210、211、212を介して復調ビットBit1、Bit2、Bit3、Bit4とされる。復調ビットBit1、Bit2、Bit3、Bit4はパラレルシリアル変換回路(P/S)213により直列化され、これにより受信データ(RXout)が得られる。
このように復調装置200を用いれば、変調装置100により変調された信号を良好に復調して元の変調前のビットを復元することができる。
次に、図10に示す変調装置100を送信側に設け、図12に示す復調装置200を受信側に設けた無線通信システムの、変調動作の確認とAWGN環境下でBERのシミュレーションを行ったので記載する。
本発明で重要なことは、ナイキスト波をシンボル周期の1/2に配置できるかどうかにある。これは1次変調において確認するものである。図13にこれを確認するためのシミュレーション結果を示す。図13(a)はシンボル入力(ナイキスト成形後)を示し、図13(b)は1次変調用搬送波を示し、図13(c)は1次変調出力信号を示す。因みに、これらはI軸またはQ軸の一方に相当する。図13(a)のナイキスト入力と図13(c)の1次変調出力を見ると、ナイキスト波の信号点が確実に表現されていることが分かる。
図14に、2次変調出力波とその帯域幅を示すスペクトルを示す。2次変調においては直交変調によりI軸成分とQ軸成分が合成され4種類の包絡線が合成されたものとなる(図14(a))。またスペクトル(図14(b))からは帯域幅が1Hzであることが分かる。入力のシンボル周期は1sec(ナイキスト波周期:0.5Hz)としてシミュレーションを行ったので、変調により両側波が発生して1Hz/−3dBとなっていることは理論が正しいことを示している。
次に、本発明の変調方式の通信品質が16QAMより優れていることが周波数利用効率改善の大前提となる。図15に、AWGN環境下でのBER対S/Nのシミュレーション結果を示す。このシミュレーション結果から、本発明の変調方式はQPSKとほぼ同等のBERを示し、同等の伝送速度をもつ16QAMに対しては10−2点でも4dB以上のS/N特性を示す優れたものであることが分かる。
かくして本実施の形態によれば、それぞれシンボル周期の1/2(2/4)の遅延差をもつナイキスト信号同士を入力し、入力したナイキスト信号をナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調する第1及び第2の直交変調器109、110と、第1の直交変調器109により得られた変調信号と、第2の直交変調器110により得られた変調信号とを所定周波数の搬送波を用いて直交変調する第3の直交変調器113とを設けたことにより、帯域幅を広げることなく、従来の2倍のシンボルを収容した変調信号を形成し得る変調装置100を実現できる。
(実施の形態2)
上述した実施の形態1では、1シンボル期間に伝送できる情報量が4ビットであった。これは従来の16QAMに匹敵するものである。他方、従来の変調方式では64QAMなどのさらに多値化を図った方式がある。この実施の形態では、変調方式による更なる高能率化を行い、従来の多値化に対応する方法を提案する。
図16に、本発明の実施の形態2による変調装置の構成を示す。図16では、図10との対応部分には同一符号を付し、その部分についての説明は省略する。変調装置300は送信データ(TXData)をマッピング処理部301に入力する。マッピング処理部301は送信データ(TXData)に対して並列化処理と誤り訂正符号化を主とするマッピング処理を施す。マッピング処理部301は、処理後の1ビット目と2ビット目を加算器302に、3ビット目と4ビット目を加算器304に、5ビット目と6ビット目を加算器303に、7ビット目と8ビット目を加算器305に送出する。
各加算器302〜305は、入力した2ビットの信号を加算することにより2ビットの信号をまとめる。加算器302の出力はナイキストフィルタ105に送られ、他の加算器303〜305の出力は遅延器102〜104を介してナイキストフィルタ106〜108に送られる。これにより、各ナイキストフィルタ105〜108から出力されるナイキスト信号は1波で2ビット分の情報をもつようになる。続く処理は、図10と同様である。
図17に、変調装置300によって形成された変調信号を復調する復調装置400の構成を示す。復調装置400は無線通信システムの受信側に設けられている。なお図17では、図12との対応部分には同一符号を付し、その部分についての説明は省略する。復調装置400は、ナイキスト信号をアナログディジタル変換するアナログディジタル変換器(A/D)401〜404を有することと、デマッピング処理部405を有することを除いて、図12の復調装置200と同様の構成でなる。
各アナログディジタル変換回路401〜404は、ナイキストフィルタ206〜209から出力されるナイキスト信号を閾値判定することにより、2ビット分の情報を得る。デマッピング処理部405は、入力した8系統のビットに対して、直列化処理と誤り訂正復号化処理を主とするデマッピング処理を施すことにより、受信データ(RXout)を得る。
かくして本実施の形態によれば、実施の形態1の構成に加えて、ナイキスト信号自体を多値化したことにより、実施の形態1と同一周波数帯域内で実施の形態1の2倍のデータを伝送できるようになり、さらなる周波数利用効率の向上が可能となる。
(実施の形態3)
図10に示した実施の形態1ならびに図16に示した実施の形態2においては、並列信号とした送信データをシンボル区間内の4等分の位相点にシンボル配置した後、すなわち位相ゼロ、位相π/2、位相π、位相3π/2の位置に置いた後に一次変調で位相ゼロと位相πのシンボルを直交変調し、同時に位相π/2と位相3π/2のシンボルを直交変調した。すなわち位相差π(すなわちシンボル周期の1/2の遅延差)をもつシンボル信号を一次変調した。
この結果、受信側では第1段階で位相差π/2の直交復調を行うことになるが、動的変化の激しい環境下での直交復調は、位相差πの復調よりも位相間誤差が大きくなる可能性が高く、符号間干渉や伝送上のひずみに弱いと考えられる。このためこの実施の形態では、第1、第2の直交変調では位相差π/2(すなわちシンボル周期の1/4の遅延差)の関係にあるシンボル同士を扱うものとする。
図16との対応部分に同一符号を付して示す図18に、本発明の実施の形態3による変調装置500の構成を示す。前述の通り、第1及び第2の直交変調器501、502では、シンボル周期の1/4の遅延差を有するナイキスト信号を入力して位相差π/2の通常の直交変調を行うので、用いる搬送波周波数はωcとする。他方、第3の直交変調器503では位相差πでの合成を行うので、用いる搬送波周波数は(2n+1)ωoとする。この場合、(2n+1)ωoによるシンボル半周期点での干渉軽減効果を確実なものとするためにはωcをωoの偶数倍の周波数とすべきである。
図17との対応部分に同一符号を付して示す図19に、本発明の実施の形態3による復調装置600の構成を示す。復調装置600は受信側に設けられ、送信側に設けられた変調装置500により変調されて送信された変調信号を復調する。
復調装置600は、第1の直交復調器601で用いる搬送波周波数を(2n+1)ωoとする。他方、第2及び第3の直交復調器602、603では位相差π/2の通常の直交復調を行うので、用いる搬送波周波数はωcとする。
かくして、本実施の形態の変調方式によれば、実施の形態1や実施の形態2の効果に加えて、一段と符号間干渉や伝送上のひずみに強い変調方式を実現できる。
なおこの実施の形態では、シンボル周期の1/4周期の遅延差を有するナイキスト信号同士を所定の搬送波周波数ωで一次変調し、一次変調により得られた2系統の信号をナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて二次変調する場合について述べたが、遅延差は1/4周期に限らず3/4周期でもよく、要はシンボル周期の1/4周期の奇数倍の遅延差を有する信号同士を一次変調すればよい。
(実施の形態4)
この実施の形態では、ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調する直交変調器を別の構成にて実現した場合について説明する。基本的な原理は、実施の形態1〜3と同様である。
図10との対応部分に同一符号を付して示す図20において、本実施の形態の変調装置700は、一次変調を行う第1及び第2の変調器としてシフトレジスタ701、702を有する。変調装置700は、各シフトレジスタ701、702に入力される2系統のナイキスト信号のうち一方の極性をインバータ703、704により反転させる。この実施の形態の場合、Bit3とBit4の極性を反転させる。
これにより、変調装置700は、I軸の正信号Bit1、I軸の負信号Bit3を得ると共に、Q軸の正信号Bit2、Q軸の負信号Bit4を得るようになっている。
こうして得られたI軸の正信号Bit1、I軸の負信号Bit3はシフトレジスタ701に入力されると共に、Q軸の正信号Bit2、Q軸の負信号Bit4はシフトレジスタ702に入力される。
シフトレジスタ701は、I軸の正信号Bit1、I軸の負信号Bit3に間にゼロを挿間しながら順次シンボル周期の奇数倍のクロックで出力する。同様に、シフトレジスタ702は、Q軸の正信号Bit2、Q軸の負信号Bit4に間にゼロを挿間しながら順次シンボル周期の奇数倍のクロックで出力する。
つまり、シフトレジスタ701、702は、それぞれ、シンボル周期の1/4周期の整数倍の遅延差をもつナイキスト信号同士を入力し(この実施の形態の場合、シンボル周期の1/2)、入力したナイキスト信号をナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数で交互に出力する。
この処理は、第1の入力シンボルのナイキスト信号と、このナイキスト信号に対して入力シンボルのシンボル周期の1/4周期の整数倍だけ遅延差をもった第2の入力シンボルのナイキスト信号とを、ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調することに相当する。
なおシリアルパラレル変換器(S/P)101、シフトレジスタ701、702、直交変調器113はそれぞれ、独立のクロック信号を生成するクロック生成部705からのクロック信号により動作するようになっている。
この結果、バンドパスフィルタ114からは図4に示すようなI軸及びQ軸がそれぞれに独立に2ビットのシンボルを持った変調出力が得られる。
本発明は、例えば周波数利用効率の向上が求められる無線通信システムに適用して好適である。
本発明により新たなシンボルが加わった場合のコンスタレーション図の例 ナイキスト波の多重とシンボル期間を示す図 本発明によるQPSK環の置き方を示す図 本発明の基本となる変調波の信号配置と方法を示す図 搬送波によるナイキスト波の変調の説明に供する波形図 搬送波の周波数をシンボル周期の奇数倍に設定すればT/2点で干渉が生じないことを示す波形図 ナイキスト波形を用いればI軸及びQ軸でシンボル区間内に2ビットを送れることを示す図 I軸、Q軸それぞれにナイキスト信号をπ間隔で挿入した場合を示す図 本発明におけるI軸とQ軸への各々への新たなシンボルの挿入位置を示す図 本発明の実施の形態1に係る変調装置の構成を示すブロック図 実施の形態1の変調装置により得られる変調信号の波形を示す波形図 本発明の実施の形態1に係る復調装置の構成を示すブロック図 実施の形態1の変調装置により得られる1次変調波形のシミュレーション結果を示す図 実施の形態1の変調装置により得られる2次変調波形のシミュレーション結果を示す図 実施の形態1の変調装置により得られる変調信号と、従来のQPSK、16QAMとの通信品質を比較したシミュレーション結果を示す図 実施の形態2の変調装置の構成を示す図 実施の形態2の復調装置の構成を示す図 実施の形態3の変調装置の構成を示す図 実施の形態3の復調装置の構成を示す図 実施の形態4の変調装置の構成を示す図 従来のディジタル直交変調(QPSK)の原理説明に供する図 従来の直交変調のシンボル配置とナイキスト理論から新たにシンボルを考えるべき位置とを示す図
符号の説明
100、300、500、700 変調装置
101 シリアルパラレル変換器(S/P)
102〜104、210〜212 遅延器
105〜108、206〜209 ナイキストフィルタ
109、501 第1の直交変調器
110、502 第2の直交変調器
111、112、114、202、203 バンドパスフィルタ(BPF)
113、503 第3の直交変調器
200、400、600 復調装置
201、601 第1の直交復調器
204、602 第2の直交復調器
205、603 第3の直交復調器
213 パラレルシリアル変換器(P/S)
301 マッピング処理部
302〜305 加算器
401〜404 アナログディジタル変換器(A/D)
405 デマッピング処理部
701、702 シフトレジスタ
703、704 インバータ
T シンボル周期
TXData 送信データ
RXout 受信データ

Claims (13)

  1. 第1の入力シンボルと第2の入力シンボルを直交変調する変調方法であって、
    前記第1の入力シンボルのナイキスト信号と、このナイキスト信号に対して前記入力シンボルのシンボル周期の1/4周期の整数倍の遅延差を与えた前記第2の入力シンボルのナイキスト信号とを、前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調する
    ことを特徴とする変調方法。
  2. 4系統の入力シンボルに対してシンボル周期の1/4周期ずつの遅延差を与えてナイキスト成形することにより、シンボル周期の1/4周期ずつの遅延差を有する第1〜第4のナイキスト信号を得るステップと、
    シンボル周期の2/4周期分の遅延差を有する第1と第2のナイキスト信号、シンボル周期の2/4周期分の遅延差を有する第3と第4のナイキスト信号をそれぞれ前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調する1次変調ステップと、
    前記1次変調ステップで得た、前記第1と第2のナイキスト信号の直交変調信号と、前記第3と第4のナイキスト信号の直交変調信号とを、所定周波数の搬送波を用いて直交変調する2次変調ステップと
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の変調方法。
  3. 4系統の入力シンボルに対してシンボル周期の1/4周期ずつの遅延差を与えてナイキスト成形することにより、シンボル周期の1/4周期ずつの遅延差を有する第1〜第4のナイキスト信号を得るステップと、
    シンボル周期の1/4周期分の遅延差を有する第1と第2のナイキスト信号、シンボル周期の1/4周期分の遅延差を有する第3と第4のナイキスト信号を所定周波数の搬送波を用いて直交変調する1次変調ステップと、
    前記1次変調ステップで得た、前記第1と第2のナイキスト信号の直交変調信号と、前記第3と第4のナイキスト信号の直交変調信号とを、それぞれ前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調する2次変調ステップと
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の変調方法。
  4. 第1の入力シンボルについての第1のナイキスト信号と、このナイキスト信号に対して入力シンボル周期の1/4周期の整数倍の遅延差をもった第2の入力シンボルについての第2のナイキスト信号とを入力し、この第1及び第2のナイキスト信号をこれらのナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を用いて直交変調する直交変調器を具備する
    ことを特徴とする変調装置。
  5. 4系統の入力シンボルに対してシンボル周期の1/4周期ずつの遅延差を与える遅延器群と、
    前記4系統のシンボルからそれぞれナイキスト信号を形成するナイキストフィルタと、
    それぞれシンボル周期の2/4周期の遅延差をもつナイキスト信号同士を入力し、入力したナイキスト信号を前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調する第1及び第2の直交変調器と、
    前記第1の直交変調器により得られた変調信号と、前記第2の直交変調器により得られた変調信号とを所定周波数の搬送波を用いて直交変調する第3の直交変調器と
    を具備することを特徴とする請求項4に記載の変調装置。
  6. 4系統の入力シンボルに対してシンボル周期の1/4周期ずつの遅延差を与える遅延器群と、
    前記4系統のシンボルからそれぞれナイキスト信号を形成するナイキストフィルタと、
    それぞれシンボル周期の1/4周期の奇数倍の遅延差をもつナイキスト信号同士を入力し、所定周波数の搬送波を用いて直交変調する第1及び第2の直交変調器と、
    前記第1の直交変調器により得られた変調信号と、前記第2の直交変調器により得られた変調信号とを前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を搬送波として用いて直交変調する第3の直交変調器と
    を具備することを特徴とする請求項4に記載の変調装置。
  7. 4系統の入力シンボルに対してシンボル周期の1/4周期ずつの遅延差を与える遅延器群と、
    前記4系統のシンボルからそれぞれナイキスト信号を形成するナイキストフィルタと、
    それぞれシンボル周期の1/4周期の整数倍の遅延差をもつナイキスト信号同士を入力し、入力したナイキスト信号を前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数で交互に出力する第1及び第2の直交変調器と、
    前記第1の直交変調器により得られた変調信号と、前記第2の直交変調器により得られた変調信号とを所定周波数の搬送波を用いて直交変調する第3の直交変調器と
    を具備することを特徴とする変調装置。
  8. 第1及び第2のナイキスト信号が直交変調されてなる変調信号を、前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を用いて直交復調する直交復調器を具備する
    ことを特徴とする復調装置。
  9. 変調信号を入力し、この変調信号を所定の搬送波周波数を用いて直交復調することにより第1及び第2の復調信号を得る第1の直交復調器と、
    前記第1の復調信号を、前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を用いて直交復調することにより第3及び第4の復調信号を得る第2の直交復調器と、
    前記第2の復調信号を、前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を用いて直交復調することにより第5及び第6の復調信号を得る第3の直交復調器と
    を具備することを特徴とする請求項8に記載の復調装置。
  10. 変調信号を入力し、この変調信号を前記ナイキスト信号のもつ基本周波数の奇数倍の周波数のコサイン波を用いて直交復調することにより第1及び第2の復調信号を得る第1の直交復調器と、
    前記第1の復調信号を所定の搬送波周波数を用いて直交復調することにより第3及び第4の復調信号を得る第2の直交復調器と、
    前記第2の復調信号を所定の搬送波周波数を用いて直交復調することにより第5及び第6の復調信号を得る第3の直交復調器と
    を具備することを特徴とする請求項8に記載の復調装置。
  11. 請求項4に記載の変調装置と、請求項8に記載の復調装置と、を具備することを特徴とする無線通信システム。
  12. 請求項5に記載の変調装置と、請求項9に記載の復調装置と、を具備することを特徴とする無線通信システム。
  13. 請求項6に記載の変調装置と、請求項10に記載の復調装置と、を具備することを特徴とする無線通信システム。
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