JP2004364144A - 色変換方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】少ない計算量で適正な色変換後の色成分値の算出が可能な色変換方法、及び色変換方法を実現するためのプログラムを提供する。
【解決手段】L*a*b*値によって規定される入力点が与えられると、おおよそ黒色(及びグレー)を表わすX軸を中心にクロマ軸(CMY軸)が放射状に延びているCK空間上において、X軸の両端点の中点に所定点が設けられる。そして、所定点を基準として26個の方向に沿って各方向にそれぞれ3つの距離に位置する複数の比較点を設定するステップと、その複数の比較点のうち入力点との色差が最小となる点を次回の所定点とするステップとを含むプロセスを繰り返す。そして、より小さな色差が得られなくなった時点における所定点を、L*a*b*空間上の入力点に対応するCK空間上の出力点(CMYK値で規定される点)と決定する。
【選択図】 図6

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、所定の色空間の値を、他の色空間の値に変換する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピュータのディスプレイ上に表示される画像を付属のプリンタで出力するような場合には、ディスプレイに対応したRGB(レッド、グリーン、ブルー)信号をプリンタに対応するCMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)信号に変換しなければならない。
【0003】
ここで、所定の色に対して、ディスプレイ用のRGB信号もプリンタ用のCMYK信号も各々の機器の特性に依存したものとなる。よって、RGB信号からCMYK信号への適正な変換を行うためには、一旦機器の特性に依存しない表色系で色を表現する信号に変換しなければならない。例えば、RGB信号を一旦L*a*b*信号等の各機器の特性に依存しない表色系で色を表現する信号に変換後、そのL*a*b*信号をCMYK信号に変換しなければならない。
【0004】
そして、第1の色空間(例えば、L*a*b*空間)の値を第2の色空間(例えば、CMYK空間)の値に変換するためには、実験的な手法等で複数点における対応関係をサンプリングによって求めた上で、全体の対応関係を所定の近似式で表し、第1の色空間の値をその近似式に適用することで、第2の色空間の値に変換することが考えられる。
【0005】
しかし、一般に、ディスプレイとプリンタ等、異なる機器の間では、再現可能な色の範囲(いわゆる、ガマットの範囲)が異なる。そのため、上述したような近似式を用いた手法では、変換後の値がマイナスになる等、与えられた第1の色空間の値を適正な第2の色空間の値に変換できない場合がある。また、近似式を求めるためのサンプリング点数を増加させたり、近似式の次数を増加させても、第2の色空間の値への変換が、必ずしも適正となる訳ではない。
【0006】
そこで、第2の色空間において、各色成分を示す各軸方向に複数かつ等間隔の格子点を設定し、各格子点について、対応する第1の色空間の各色成分値を実験的に求めて、第1と第2の色空間との間における値の対応関係を示すテーブルを作成する。そして、第1の色空間上の点(入力点)が与えられると、その入力点と第2の色空間上の全格子点に対応する第1の色空間上の点との色差を計算して、色差が最小となる格子点を求める。更に、色差が最小となる格子点付近の複数点を順次選びつつ、その複数点に対応する第1の色空間上の点のうち入力点との色差が最小となる点に対応する第2の色空間上の点を、第1の色空間上の入力点に対応する点として採用することにより、色変換後の色成分値の算出を適正に行う手法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0007】
このような技術に関する先行技術文献としては、以下のようなものがある。
【0008】
【特許文献1】
米国特許第5692071号明細書。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1で提案された手法では、まず、第1と第2の色空間との間における値の対応関係を示す全格子点について、与えられた第1の色空間の入力点との色差を求める等、しらみつぶしに対応点を探すため、計算量が膨大となり、長時間の計算時間を要する。特に、見た目に近いものに変換するためには、単純に各色成分値の差の2乗の和の平方根によって色差を算出したのでは、不十分な場合が多く、CIEDE2000やBFD方式等といった煩雑な色差計算式を用いた方が好ましいが、このような式を用いる場合には、更に計算量が膨大となる。そして、その結果、メモリ等のハードウェア資源の増大によるコストアップや装置の大型化等といった不利益をも招く。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、少ない計算量で適正な色変換後の色成分値の算出が可能な色変換方法、及び色変換方法を実現するためのプログラムを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、予め用意した第1の色空間と第2の色空間とを関連づけたデータに基づいて、前記第1の色空間上の入力点に対応する第2の色空間上の出力点を演算する色変換方法であって、(a)前記第2の色空間上の所定点に対応する前記第1の色空間上の点と、前記所定の入力点との間の基準色差を算出するステップと、(b)前記第2の色空間上で、前記所定点から複数の方向に沿って、各方向にそれぞれ複数の距離に位置する複数の比較点を設定するステップと、(c)前記複数の比較点に対応する前記第1の色空間上の複数の対応比較点と前記入力点との間における比較色差をそれぞれ算出するステップと、(d)前記比較色差が最小となる前記比較点を色差最小点として検出するステップと、(e)前記色差最小点に係る比較色差が前記基準色差よりも小さい場合は、前記色差最小点を前記所定点として再設定するとともに、前記色差最小点に係る比較色差を前記基準色差として更新して、前記(b)から(d)ステップを実行するプロセスを繰り返すステップと、(f)前記色差最小点に係る比較色差が所定の基準を満たすようになった時点で、前記所定点を前記出力点として決定するステップとを備えることを特徴とする。
【0012】
また、請求項2の発明は、予め用意した第1の色空間と第2の色空間とを関連づけたデータに基づいて、前記第1の色空間上の入力点に対応する第2の色空間上の出力点を演算する色変換方法であって、(a)前記第2の色空間上の所定点に対応する前記第1の色空間上の点と、前記所定の入力点との間の基準色差を算出するステップと、(b)前記第2の色空間上で、前記所定点から複数の方向に沿って、各方向にそれぞれ複数の距離に位置する複数の比較点を設定するステップと、(c)前記複数の比較点に対応する前記第1の色空間上の複数の対応比較点と前記入力点との間における比較色差をそれぞれ算出するステップと、(d)前記比較色差が最小となる前記比較点を色差最小点として検出するステップと、(e)前記色差最小点に係る比較色差が前記基準色差よりも小さい場合は、前記色差最小点を前記所定点として再設定するとともに、前記色差最小点に係る比較色差を前記基準色差として更新して、前記(b)から(d)ステップを実行するプロセスを繰り返すステップと、(f)所定の条件を満足するときに前記距離の数を減少させるステップと、(g)前記色差最小点に係る比較色差が所定の基準を満たすようになった時点で、前記所定点を前記出力点として決定するステップとを備えることを特徴とする。
【0013】
また、請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の色変換方法であって、前記距離の数が少なくとも3つ以上であり、前記複数の距離どうしが前記所定点から近い比較点から順に幾何級数的に増大していることを特徴とする。
【0014】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の色変換方法であって、前記複数の方向が、前記第2の色空間における各色成分値の軸方向に沿った少なくとも6方向を含むことを特徴とする。
【0015】
また、請求項5の発明は、コンピュータに、請求項1から請求項4のいずれかに記載された色変換方法を実行させることを特徴とするプログラムである。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
<(1)色変換装置の要部構成>
図1は、本発明の実施形態に係る色変換装置1の要部構成を示すブロック図である。
【0018】
図1に示すように、色変換装置1は、一般的なパーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」と略称する)とほぼ同様な構成を有し、主に、CPU10、RAM11、ROM12、ハードディスク20、ディスクドライブ30、及びディスプレイ40を備えて構成される。
【0019】
CPU10は、色変換装置1の全体を制御するもので、ROM12やハードディスク20内に格納されるプログラムを読み込むことで、各種機能や演算を実現する。例えば、ハードディスク20内に格納される色変換テーブル作成用のプログラムを読み込むことで、後述する色変換テーブルの作成等を行う。色変換テーブルの作成方法については、後程詳述する。
【0020】
ハードディスク20は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)で表色する色空間(以下、「CMYK空間」と称する)上の複数の点と、その点に対応するL*a*b*で表色する色空間(以下、「L*a*b*空間」と称する)上の点とを関連付けたデータテーブル(以下、「C−Lテーブル」と称する)TBを格納している。C−LテーブルTBについては、後程詳述する。なお、以下では、L*a*b*空間を、第1の色空間とも称する。
【0021】
ディスクドライブ30は、CD−ROM等の各種記憶媒体Meを着装可能なものであり、ディスクドライブ30に記憶媒体Meを着装した状態で、CPU10から出力される各種データを記憶媒体Meに書き込んだり、記憶媒体Meに記憶された各種データやプログラム等をCPU10やハードディスク20に読み込む事ができる。
【0022】
ディスプレイ40は、一般的な液晶ディスプレイ等で構成され、CPU10から出力される画像信号に基づいて各種画像を表示するものである。例えば、色変換テーブル作成用のプログラムがCPU10によって実行される際には、そのプログラムに沿った各種操作画面や実行画面等がディスプレイ40上に表示される。
【0023】
<(2)色変換テーブルの作成>
ここでは、CPU10において実施されるL*a*b*空間上の点(値)をCMYK空間上の点(値)に変換するための色変換テーブル(以下、「L−C変換テーブル」と称する)(プロファイル)の作成について説明する。このL−C変換テーブルは、パソコンに付属するプリンタ等に用いられるものである。例えば、画像信号として入力されるRGB信号を機器に依存しないL*a*b*表色系の値(以下、「L*a*b*値」と称する)に変換後、L*a*b*値をプリンタのトナー(色材)の色を表すCMYK表色系の値(以下、「CMYK値」と称する)に変換する際に用いられる。
【0024】
なお、以下では、L*a*b*空間上の点をCMYK空間上の点に変換することをL*a*b*値からCMYK値への変換とも称し、CMYK空間上の点をL*a*b*空間上の点に変換することをCMYK値からL*a*b*値への変換とも称する。
【0025】
L*a*b*値からCMYK値へ直接変換するためのL−C変換テーブルは、規則的に配列されたL*a*b*値に対するCMYK値の一覧表であるため、与えられたL*a*b*値に対して、その値によって表される色を最も良く表現するCMYK値の組合せを求めれば作成することができる。
【0026】
CMYK値からL*a*b*値への変換テーブル(C−Lテーブル)TBは、一定間隔でCMYK値を少しずつ変化させて生成されるCMYK値の組合せについて、実際にプリンタでプリントアウトして、その色を測色することにより容易に作成することができる。そして、ここで作成するL−C変換テーブルは、C−LテーブルTBに基づくCMYK値からL*a*b*値への変換に対する逆変換を行うことによって、作成することができる。
【0027】
しかし、L*a*b*空間上の点とCMYK空間上の点との対応関係は1対1ではなく、1対多であるため、本件発明者は特開2002−369023号公報において、CMYK空間を予めL*a*b*空間と1対1対応が付くような三次元空間に整理することを提案している。このように、一旦、1対1の対応関係が付けば、CMYK値からL*a*b*値への逆変換であるL*a*b*値からCMYK値への変換は簡単に求めることができる。
【0028】
以下では、まず、CMYK空間を予めL*a*b*空間と1対1対応が付くような三次元空間に整理する方法、及びC−LテーブルTBの作成について簡単に説明した後に、L−C変換テーブルの作成について更に説明する。
【0029】
<(2−1)CK色空間とL*a*b*空間とを対応付けるC−Lテーブルの作成>CMYK空間を三次元に整理するときに用いる座標系は、おおよそ黒色(及びグレー)を表わすK軸を中心に、クロマ軸が放射状に延びているものとなるため、この三次元空間をCK(クロマ軸−ブラック軸)空間と称することにする。
【0030】
図2は、本実施形態に係るCK空間(ここでは、CK空間I)の具体例を示す概念図である。
【0031】
まず、図2(A)に示すように、CMYで平面を作る。即ち、平面上に原点を中心として放射状にCMY軸をとる。C軸とY軸とに挟まれた部分は、CとYとを組合せてできる色が網羅されることになる。M軸とY軸とに挟まれた部分、M軸とC軸とに挟まれた部分も同様となる。この平面により、CMYのうち2色を使って表現される色(いわゆるハイキーな色)はすべて表現することができる。また、この平面上に同じ色が二度出てくることはない。
【0032】
ここで、図2(B)に示すように、CMY平面に垂直なK軸を追加して三次元空間(CK空間I)を作成する。この空間で表現される色は、図2(A)で作成したCMY平面の色に黒を加えたものである。黒が最大のときを唯一の例外として、この空間中の異なる位置に同じ色が出てくることはない。しかも、この空間は必要な色を網羅する。
【0033】
このようにして、L*a*b*値とCMYK値とが1対1対応する色空間(CK空間I)が作成される。CK空間Iの値に対応するL*a*b*空間の値は、上述したように、実際にCMYK値を種々組み合わせてプリントアウトしたものを測色すれば簡単に求まる。また、CK空間Iの値からL*a*b*空間の値への変換は、1対1の対応を有しているため、様々な手法で容易に逆変換(L*a*b*空間の値からCK空間Iの値への変換)を行うことができる。そして、CK空間Iでの値(座標)が決まれば直ちにCMYK値を得ることができる。
【0034】
なお、このとき、Kに対応するプリンタのKトナーが完全な無彩色である必要性はない。ここでは、上述した逆変換が適切に行われていれさえすれば、Kトナーが無彩色でなくとも、与えられた無彩色を示すL*a*b*値に対して、適切な量のCMYが加わって無彩色となるCMYK値が決まるからである。
【0035】
このようにして整理した色空間(CK空間I)の値に基づいて、L*a*b*値からCMYK値への変換を行うと、CMYのうちの2色とKのみを使った変換(すなわち、K値が最大となるような変換)となる。即ち、画像は「C及びM」、「M及びY」、又は「Y及びC」と、K成分(グレー成分)とで表現される。
【0036】
ところで、K値が最大となるような変換では、例えば、面積変調タイプのプリンタ等を用いてプリントアウトされる出力画像のハイライト部分にざらつき感が発生し易くなる。しかし、CK空間は、CMYK値をL*a*b*値と1対1に対応するように整理した空間であるから、整理の仕方(CK空間の作り方)を変えることで、出力画像におけるKの使用量が最大となる変換から、Kの代わりにCMYを多く使う変換まで自由に表現することができる。そこで、上述した画質の劣化を抑制するために、K値が最大となるような変換をせずに、ある程度CMY値の混合によってグレー成分を表現することができる。
【0037】
図3は、K軸をCMYK値混成の軸(以下、「X軸」と称する)としたCK空間(CK空間II)の具体例を示す概念図である。ここでは、X軸上の点はCMYK値が混合された所定の組合せによって表現される。
【0038】
図4は、K値の代わりにCMY値を多く使う場合のX軸上におけるCMYK値の組合せを示す概念図である。図4(A)は、X軸上におけるK値及びCMY値の変化の一例を示しており、横軸がX軸の値(X値)、縦軸がCMYK値を示す。図4(B)は、X軸から離れたときのCMY値の変化、即ち、CMY方向のスケール値の増加に伴う実際のCMY値の増加を示しており、横軸がCMY方向のスケール値を示し、縦軸が実際のCMY値を示している。また、図4(B)では、X=X,X,XのそれぞれにおけるCMY平面上での実際のCMY値の変化を示すラインLn,Ln,Lnを示している。
【0039】
図4(A)に示すように、X軸方向のスケール値が小さな場合(X=X〜X)、即ち、ハイライト部分では、グレー成分はCMYのみの混合によって表現され、ある程度、グレー成分が大きくなった時点で、CMY値は増加させずに、X値の増加に比例してK値を増加させる。このようなCMYK値の混合によって、X軸上で、ほぼグレーになり、かつ色の濃さがX方向に対して単調に増加するように設定される。
【0040】
また、図4(B)に示すように、X軸から離れたときは、X軸上のCMY値から始まって次第にCMY値が増加するようにする。このようにすることで、上述のCK空間Iと同様に、CK空間II中の異なる位置に同じ色が出てくることもなく、この空間は必要な色を網羅する。
【0041】
なお、本明細書中では、CK空間I,IIを総称してCK空間とも称している。また、CK空間とCMYK空間とは、ともに色をCMYK値で表す空間である意味では、同じ色空間を示していると言えるため、CK空間とCMYK空間とを総称して第2の色空間とも称することとする。
【0042】
なお、図2(B)及び図3に示すように、六角柱で表現される色空間でデータを管理すると計算処理が煩雑となるため、図2(B)及び図3のXY平面(又はKY平面)で切断展開し、CMY軸を直交させ、さらに等間隔に格子点を設定し、その格子点に対応する色を示す値(データ)が記述されたC−LテーブルTB(図5)をハードディスク20内に格納している。
【0043】
図5は、CK空間上のデータを記述したC−LテーブルTBを示す図である。図5に示すように、中心をCMY平面の原点とし、上方向がM成分が濃くなっていく方向(M方向)、左方向がC成分が濃くなっていく方向(C方向)、右方向および下方向をともにY成分が濃くなっていく方向(Y方向)としている。また、紙面を貫通する方向をX(又はK)成分が濃くなっていく方向(X(又はK)方向)としている。
【0044】
このようにCMYK値を示すCK空間を三次元配列で表現することにより、CMYK値を、4つの変数ではなく、上下方向、左右方向、紙面貫通方向よりなる3つの方向の変数で表現することができる。その結果、後述する計算処理を簡素化することができる。
【0045】
また、C−LテーブルTBは、原点を中心とした各色成分方向にCMYK方向を各8分割した点、即ち、各色成分方向に対して等間隔に配列する格子点についての色データ(各色成分値)を格納する。なお、図5の各格子点に付された符合は(紙面貫通方向,下方向,右方向)の位置を示すアドレス情報であり、例えば、図中の格子点Ptの位置は(2,15,8)で示される。また、ここでは、各色成分方向に8分割したが、この分割数を更に増加させ、より多くのデータを記憶することで、より正確な計算処理及び色変換を行なうこともできる。
【0046】
図5に示されるような配列の格子点の位置に、CMYK値とそれに対応するL*a*b*値とをデータとして格納し、例えば、L*a*b*値からCMYK値への変換を行なう場合には、そのL*a*b*値と色差が最も小さなL*a*b*値を格子配列内から読出し、その位置に格納されたCMYK値を得ることができる。しかし、例えば、各色成分について100階調を確保するために、大量のCMYK値の組合せに対応するL*a*b*値を格納するとデータ容量が膨大となる。そこで、ここでは、必要な階調分解能よりも粗い所定間隔(原点を中心とした各色成分方向に8分割した点)の値のみを格納し、その間隙中の値は、(1)式に示されるような一般的な補間式を用いた線形補間(以下、「線形立方体補間」と称する)によって求める。
【0047】
【数1】
Figure 2004364144
【0048】
なお、(1)式では、L*a*b*値のうちのL値を例にとって、補間式を示している。そして、[i][j][k]等のLの添え字はC−LテーブルTBのアドレスを示すため、例えば、L[i][j][k]は、アドレス(i,j,k)におけるL値のことを示す。また、s,t,uはそれぞれ0〜1の値でCK空間の格子点の間隙中におけるi,j,k方向(各色成分値を示す軸方向)の位置を示す。
【0049】
そして、ここで、C−LテーブルTBに格納された各色成分方向に8分割された格子点の値を用いた線形立方体補間によって、更に12分割した点の値を求めることで、各CMYK値について97階調(100階調程度)を保証することができる。こうして、所定の階調分解能におけるCK空間上の任意の点に対応するL*a*b*値がその階調分解能に対応する色総数よりも少ない有限個(ここでは、2025個)のL*a*b*値(2025個の格子点におけるCMYK値の組合せについてプリントアウトしたものを測色した結果としてのL*a*b*値)から求めることができる。
【0050】
このようにして、例えば、CMYK値について97階調を保証した色データ(各色成分値)を求めることができ、更に、そのCMYK値に対応する約266万(=96×3+(8×4+1)×96)個のL*a*b*値を線形立方体補間によって求めることができる。なお、与えられたL*a*b*値(目標L*a*b*値)と色差が最も小さなL*a*b*値に対応するCMYK値(対応CMYK値)を探す場合に、目標L*a*b*値と上述した約266万個全てのL*a*b*値(比較L*a*b*値)との色差を算出し、色差が最小となる比較L*a*b*値(色差最小L*a*b*値)に対応するCMYK値を対応CMYK値とする手法が確実な手法として考えられる。しかし、この手法では、色差の比較が約266万回も必要となるため、計算量が膨大となる。
【0051】
そこで、本実施形態では、少ない計算量で目標L*a*b*値に対応する対応CMYK値を求めることができる手法を用いている。つまり、色変換装置1は、予め用意した第1の色空間(ここでは、L*a*b*空間)と第2の色空間(ここでは、CK空間)とを関連付けたC−LテーブルTB(データテーブル)に基づいて、第1の色空間上の目標L*a*b*値によって規定される点(入力点)に対応する第2の色空間上の対応CMYK値によって規定される点(出力点)を演算によって求める。このような手法による演算を複数の目標L*a*b*値に対して、順次行うことでL−C変換テーブルを作成することができる。以下、具体的なL−C変換テーブルの作成動作について説明する。
【0052】
<(2−2)L−C変換テーブルの作成動作>
ここでは、L*a*b*空間を等間隔に分割して得られる格子点をCMYK空間上の点に変換するためのL−C変換テーブル(プロファイル)の作成動作について説明する。
【0053】
図6は、L−C変換テーブルの作成動作フローを示すフローチャートであり、本動作フローはCPU10で実行・制御される。また、図7及び図8は、目標L*a*b*値に対応する対応CMYK値の検索・決定方法を説明するための概念図である。
【0054】
ここでは、L*a*b*空間を等間隔に分割して得られる格子点のL*a*b*値(目標L*a*b*値)が記憶媒体Meに記憶されており、CPU10が、その目標L*a*b*値に対応する対応CMYK値を順次検索・決定して、決定された対応CMYK値を対応する目標L*a*b*値と関連づけて記憶媒体Meに書き込むことで、L−C変換テーブルを記憶媒体Me内に作成する。
【0055】
つまり、ここでは、まず、対応CMYK値が記載されておらず、目標L*a*b*値のみが記載されているL−C変換テーブル(以下、「Lテーブル」と称する)が記憶された記憶媒体Meがディスクドライブ30に着装される。そして、L−C変換テーブルの作成動作フローによって、記憶媒体Me内のLテーブルに対応CMYK値が追加記載されることにより、L−C変換テーブルが作成・完成される。
【0056】
以下、図7及び図8を参照しつつ、図6に示すL−C変換テーブルの作成動作フローについて説明する。
【0057】
まず、Lテーブルが記憶された記憶媒体Meがディスクドライブ30に着装され、CPU10が、ハードディスク20に記憶される色変換テーブル作成用のプログラムを読み込むことで、図6に示すL−C変換テーブルの作成動作フローを開始し、ステップS1に進む。
【0058】
ステップS1では、記憶媒体Meから1つの目標L*a*b*値を読出すことによって入力されて、ステップS2に進む。つまり、ここでは、目標L*a*b*値によって規定されるL*a*b*空間上の1つの点(入力点)のデータを受け付ける。
【0059】
ステップS2では、CK空間のX軸(又は、K軸)の両端点の中点(所定点SP)と入力点との色差を算出し、ステップS3に進む。つまり、ここでは、CPU10が、第2の色空間上の所定点SPに対応する第1の色空間の点と、所定の入力点との色差(基準色差)を算出する。なお、ここでは、所定点SPはX軸の両端点の中点であるため、X軸(又は、K軸)を8分割して設けられた格子点にもあたる。
【0060】
ステップS3では、CK空間上において、所定点SPを中心(基準)として、複数の方向に沿って、各方向にそれぞれ複数の距離だけ離隔した複数の点(比較点)を設定し、ステップS4に進む。つまり、ここでは、CPU10が、第2の色空間上で、所定点SPから複数の方向に沿って、各方向にそれぞれ複数の距離に位置する複数の比較点を設定する。
【0061】
図7は、所定点SPを中心として比較点を設定する方向について説明するための模式図である。なお、図7では、C、M、Y、K(又はX)の4方向も併せて示している。また、図8は、所定点SPを中心として設定される比較点(黒丸)の位置を説明するための図であり、図8では、所定点SPを含みかつ、C、M、Y、K(又はX)の軸のうちの2軸を含む平面でCK空間を切った断面図を示している。
【0062】
ここでは、図7に示すように、例えば、所定点SPを中心として内包するとともに、C、M、Y、K(又はX)の値が取り得る区間範囲を各辺とするような立方体CBを想定し、黒丸で示すような、立方体CBの8頂点、各辺の12個の中点、及び各面の中心点6個のそれぞれに向かう方向、つまり、C、M、Y、K(又はX)の4軸方向を含む放射線状の26方向を、比較点を設定する基準となる方向(以下「参照方向」)として選定する。
【0063】
そして、図8に示すように、各参照方向について、所定点SPからの距離が1:0.25:0.08(この比を使用する理由は後述する)という関係を持つ3点の位置につき、最も所定点SPから遠い位置から順に、それぞれ第1群〜第3群の比較点を設定する。すなわち、所定点SPを中心とする立方体CBの各頂点、各辺の中点、及び各面の中心点に向かう26の参照方向について、所定点SPからの距離が互いに異なる複数の位置にそれぞれ比較点を配置することにより、第1群の26個の比較点RP1と、第2群の26個の比較点RP2と、第3群の26個の比較点RP3との、合計78個の比較点が設けられることになる。具体的には、ステップS3において、所定点SPからの距離が1:0.25:0.08の関係を有する複数群の位置に、それぞれ第1群の26個の比較点RP1と、第2群の26個の比較点RP2と、第3群の26個の比較点RP3とが設定され、以上によって合計78点の比較点が得られる。
【0064】
また、各参照方向についての所定点SPから最も離隔した比較点RP1と所定点SPとの距離は、各参照方向について最も近い関係にある格子点の距離と一致する。つまり、各参照方向に沿って設けられる3つの比較点と所定点SPとの距離関係は、各参照方向について格子点間の距離の1倍、0.25倍、0.08倍の関係となる。
【0065】
ステップS4では、ステップS3で設定した複数(ここでは、78個)の比較点を示すL*a*b*値と、ステップS1で入力された目標L*a*b*値との色差を算出して、ステップS5に進む。ここでは、CK空間上の78個の比較点に対応するL*a*b*値を、C−LテーブルTBに格納されるL*a*b*値に基づいた線形立方体補間計算によって求める。つまり、ここでは、CPU10が、複数の比較点に対応する第1の色空間上の複数の点(対応比較点)と、所定の入力点との間におけるそれぞれの色差(比較色差)を算出する。
【0066】
ステップS5では、ステップS4で算出した78個の色差のうち、入力点(目標L*a*b*値によって規定される点)との関係で、色差が最小となる比較点(以下、「色差最小点」)を検出し、ステップS6に進む。つまり、ここでは、比較色差が最小となる第2の色空間上の比較点を色差最小点として検出する。
【0067】
ステップS6では、入力点と所定点SPとの色差よりも、入力点と色差最小点との色差の方が小さいか否かを判別する。ここでは、色差最小点との色差の方が小さい場合は、ステップS7に進み、色差最小点との色差の方が大きな場合は、ステップS8に進む。
【0068】
ステップS7では、ステップS5で検出された色差最小点を新たな所定点SPとして再設定して、ステップS3に戻る。つまり、入力点との関係で、所定点SPとの色差よりも色差最小点との色差の方が小さい限りは、順次、検出される色差最小点を新たな所定点SPとして再設定しつつ、ステップS3からS7の一連の処理工程を繰り返す。換言すれば、色差最小点に係る比較色差が基準色差よりも小さい場合は、色差最小点を新たな所定点SPとして再設定するとともに、色差最小点に係る比較色差を基準色差として更新して、ステップS3からS6を実行するプロセスを繰り返す。
【0069】
ステップS8では、所定点SPのCMYK値を、目標L*a*b*値(入力点を規定する値)に対応する対応CMYK値(出力点を規定する値)として決定し、その対応CMYK値を、記憶媒体Me内に、対応する目標L*a*b*値と関連づけて記憶して、ステップS9に進む。ここでは、ステップS6において、入力点との関係で、所定点SPとの色差の方が、色差最小点との色差よりも小さいものと判断されたため、所定点SPが入力点と最も色差の小さな点、即ち、入力点を最も適正に色変換した対応CMYK値が規定する点(出力点)であるものと判断する。
【0070】
そして、ここでは、ステップS3からS7の一連の処理工程を繰り返しながら、つまりは、最初に設定されていた所定点SP(X軸(又は、K軸)の両端点の中点)から、入力点との関係で徐々に色差が小さくなる点に、所定点SPを再設定しながら、所定点SPとの色差が最小となった時点で、その時点における所定点SPを対応CMYK値によって規定される出力点として決定する。換言すれば、色差最小点に係る比較色差が基準色差よりも大きくなり始めることによって、その時点での所定点SPが入力点に最も近い点であることが判明した時点で、色差最小点に係る比較色差が所定の基準を満たすようになったものとして、その時点における所定点SPを出力点として決定する。
【0071】
ステップS9では、次の入力点があるか否かを判別する。つまり、記憶媒体MeのLテーブルに記載された全ての目標L*a*b*値について、対応CMYK値を検索・決定し、記憶媒体Meに書き込んだか否かを判別する。ここでは、未だ対応する対応CMYK値が検索・決定されていない目標L*a*b*値(以下、「未検索L*a*b*値」と称する)が残っている場合は、次の入力点があるものとして、ステップS1に戻り、未検索L*a*b*値が残っていない場合は、次の入力点がないものとして、L−C変換テーブルの作成動作フローを終了する。
【0072】
つまり、ここでは、記憶媒体MeのLテーブルに記載された全ての目標L*a*b*値について、対応CMYK値を検索・決定するまで、ステップS1からS9までの処理を繰り返して、L−C変換テーブルが最終的に完成される。
【0073】
このように、この実施形態では、CK空間領域内のあらゆる点に対して比較的近い距離にある点としてX軸(又は、K軸)の両端点の中点に着目し、この中点を所定点SPの初期設定位置として採用しているため、ステップS3からS7までの処理を比較的少ない回数だけ繰り返すことによって、1つの目標L*a*b*値に対応する対応CMYK値を検索・決定することができる。具体的数値として、この実施形態では多くとも約20回目までに必要なCMYK値を得ることが可能であり、これに対応して多くとも、約1560(=78点×20回)点の色差を求めることで十分な精度で対応CMYK値を検索・決定することができる。そして、L−C変換テーブル全体を完成させる際には、X軸(又は、K軸)の両端点の中点からの距離がより近い対応CMYK値が多く存在するため、平均的に見ると、約780(=78点×10回)点の色差を求めることで適正な対応CMYK値を検索・決定することができる。
【0074】
ここで、特許文献1で示す先行技術を適用した場合を考える。特許文献1で示す先行技術では、1点の入力点に対応する出力点を検索・決定するために、まず全ての格子点と入力点とについて色差を求め、更に、色差が最小となる格子点付近で細かく色差を求めなければならない。よって、先行技術では、少なくとも格子点総数である2025点について色差を求め、さらに細かく色差を求めなければならないため、本実施形態に係る対応CMYK値の検索・決定方法よりも遙かに多くの点について色差を求めなければならない。
【0075】
ここで、いわゆる一般的な色差(L値、a値、b値の差の2乗の和の平方根)を用いた場合、色差が小さいのに見た目に色の差が大きく感じられたり、逆に色差が大きいのに見た目には近似した色に見えると言った現象が頻繁に発生する。つまり、単純に色差が小さい色に変換するよりも、全く別のむしろ色差が大きな色に変換した方が、より見た目には近似したものとなることがある。このような見た目と色差との乖離を補うために、CIEDE2000やBFD式等といった色差式が提案されており、適正な色変換を実施しようとすれば、これらの色差式を使って色差最小の色に変換することが、より近い色に変換するためには必要となる。
【0076】
しかし、こうした色差式は一般に複雑で、適正な色変換後の色成分値の算出について高速化、短時間化を図るためには、色差を算出する回数を減少させることが決め手となる。このような観点より、本実施形態に係る対応CMYK値の検索・決定方法では、従来技術よりも、色差の算出回数を大幅に削減することが可能であるため、全体としての計算量も大幅に削減することが可能となる。その結果、少ない計算量で適正な色変換後の色成分値を算出できる。
【0077】
以上を概念的に説明したものが図9から図11であり、対応CMYK値の検索・決定方法の説明するための概念図を示している。実際には3次元空間であるCK空間上で対応CMYK値を検索するが、図面が複雑化して、分かり難くなるのを防ぐために、図8と同様に、図9から図11では、所定点SPを含みかつ、C、M、Y、K(又はX)の軸のうちの2軸を含む平面でCK空間を切った断面図を示し、その断面上で対応CMYK値を検索しているような図を示している。なお、図9から図11では、順次再設定される所定点を白丸SP1〜SP4、所定点を中心として設けられる比較点を黒丸、入力点に対応する目標点TGを星印で示している。
【0078】
例えば、図9に示すように、ある時点における所定点SP1を中心として、各参照方向に沿って複数の距離(以下、「特定距離」)に比較点が設けられ、その比較点の中で目標点TGとの色差が最も小さい色差最小点が次回の所定点SP2とされる。そして、各参照方向、及び特定距離を固定したまま、図10に示すように、所定点SP2を中心として、各参照方向に沿って特定距離に比較点が設けられ、その比較点の中で目標点TGとの色差が最も小さい色差最小点が次回の所定点SP3とされる。更に、図11に示すように、所定点SP3を中心として、各参照方向に沿って特定距離に比較点が設けられ、その比較点の中で目標点TGとの色差が最も小さい色差最小点が次回の所定点SP4とされる。このような処理を繰り返すことによって、CK空間中の少数の点に対応する計算を必要とするだけで所定点SPは入力点に対応する位置に急速に収束してゆき、最終的に最適な点を見いだすことができるわけである。
【0079】
<(2−3)比較点の設定について>
上述した対応CMYK値の検索・決定方法では、所定点SPを基準として各参照方向に沿って設けられる3つの比較点と所定点SPとの距離関係は、各参照方向について格子点間の距離の1倍、0.25倍、0.08倍の関係となっている。このような3つの距離に比較点を設けた理由について、以下説明する。
【0080】
図12から図14は、目標L*a*b*値に対応する対応CMYK値の検索動作例を示す図である。実際には3次元空間上で対応CMYK値を検索するが、図面が複雑化して、分かり難くなるのを防ぐために、図8と同様に、図12から図14では、所定点SPを含みかつ、C、M、Y、K(又はX)の軸のうちの2軸を含む平面でCK空間を切った断面図を示し、その断面上で対応CMYK値を検索しているような図を示している。なお、図12から図14では、白丸が所定点SP、黒丸が比較点、星印が入力点に対応する目標点TG、若干大きな黒丸が次に設定される所定点NPを示している。
【0081】
まず、所定点SPから各参照方向に沿って格子点間の距離の0.08倍の位置に第3群の比較点を設けるのは、各色成分(CMYK)について約100階調の精度を出すためである。しかし、もしも、所定点SPから各参照方向に沿って格子点間の距離の0.08倍の位置にしか比較点を設けないとすると、図6に示すステップS3からS7の一連の工程を1回行ったのみでは、所定点SPをあまり遠くの位置に移動させることができず、多くの場合、一連の処理を100回程度行わなければ、対応CMYK値を検索・決定することができない。
【0082】
そこで、ここでは、所定点SPから各参照方向に沿って格子点間の距離の1倍の距離に第1群の比較点を設けることによって、初期設定される所定点SPから目標点TGまでの距離が長い場合でも、少ないステップ、即ち、少ない計算量で、所定点SPを目標点TGまで近づけることができるようにしている。
【0083】
例えば、目標点TGが所定点SPから遠距離に存在している場合は、図12に示すように、目標点TGとの関係で、所定点SPから格子点間の距離の1倍、即ち、所定点SPから遠距離に設定される比較点との色差が、全比較点との色差の中で、最小となる。そして、前回の所定点SPから次回の所定点NPまでの距離が、格子点間の距離の1倍となる。つまり、図6に示すステップS3からS7の一連の工程を1回行うだけで、格子点間の距離の1倍だけ所定点SPを移動させることができる。その結果、対応CMYK値を短時間で検索・決定することができる。
【0084】
また、ここでは、格子点の位置に所定点SPが初期設定されるため、所定点SPから各参照方向に沿った格子点間の距離の1倍の位置は格子点上の点となり、格子点のL*a*b*値は、元々C−LテーブルTBに記述されているため、線形立方体補間をする回数を低減することもできる。
【0085】
また、目標点TGが所定点SPから比較的近距離に存在している場合は、図13に示すように、目標点TGとの関係で、所定点SPから所定方向に沿った格子点間の距離の0.25倍、即ち、所定点SPから比較的近距離に設定される第2群の比較点との色差が、全比較点との色差の中で、最小となる。そして、前回の所定点SPから次回の所定点NPまでの距離が、格子点間の距離の0.25倍となる。つまり、図6に示すステップS3からS7の一連の工程を1回行うだけで、格子点間の距離の0.25倍だけ所定点SPを移動させることができる。
【0086】
更に、目標点TGが所定点SPからごく近距離に存在している場合は、図示を省略するが、目標点TGとの関係で、所定点SPから所定方向に沿った格子点間の距離の0.08倍、即ち、所定点SPからごく近距離に設定される第3群の比較点との色差が、全比較点との色差の中で、最小となる。そして、前回の所定点SPから次回の所定点NPまでの距離が、格子点間の距離の0.08倍となる。つまり、図6に示すステップS3からS7の一連の工程を1回行うだけで、格子点間の距離の0.08倍だけ所定点SPを移動させることができる。このように、所定点SPを基準として各参照方向に沿って比較点が設けられる距離として、格子点間の距離の0.08倍というごく近距離の値を採用することによって、各色成分に対して100階調程度の高精度を出すことができる。
【0087】
また、色空間(ここでは、CK空間)には、目標点TGとの関係において、色差が最小となる点の他に、色差が局所的に小さくなる所謂「凹み」と言われる領域が出現することがある。
【0088】
図14に示すように、所定点SPの比較的近くに凹みBRが存在すると、所定点SPから格子点間の距離の0.08倍等の位置にしか比較点を設けなかったときには、凹みBRの領域中の点が、目標点TGとの関係で色差が最小となる点として誤って決定する場合がある。この凹みBRの大きさは、例えば、格子点間の距離の10分の1から数分の1程度の場合が多い。
【0089】
そこで、本実施形態では、所定点SPから遠距離にあたる格子点間の距離の1倍の位置に第1群の比較点を設定することで、所定点SPの近くに凹みBRが存在していても、凹みBRの領域を飛び越えて、目標点TGに所定点SPを近づけていくことができるため、対応CMYK値を誤って決定することを防止できる。
【0090】
なお、上述した対応CMYK値の検索・決定の高速化、及び高精度化を図るためには、所定点SPと比較点との距離を短距離と長距離の2種類としても良い。しかし、2種類のうちの短距離の方は、検索・決定の高精度化を図るために、ある程度短いものとしなければならない一方で、長距離の方は、検索・決定の高速化を図るために、ある程度長いものとしなければならない。そのため、例えば、格子点間の距離の1倍と0.08倍といったように、2種類の距離の差が大き過ぎる場合には、所定点SPからごく近距離にある比較点は、凹みの領域に入ってしまい、所定点SPから遠距離にある比較点は、目標点TGを大きく飛び越してしまう可能性がある。その結果、対応CMYK値を誤って決定するといった事態を招くこともある。
【0091】
よって、対応CMYK値の検索・決定の高速化と高精度化との両立を図るために、上述の如く、所定点SPを中心として各参照方向に沿って設けられる比較点と所定点SPとの距離の関係が1:0.25:0.08等となるようにするのが好ましい。即ち、各参照方向に沿って設けられる比較点の数nが3以上のとき、各比較点と所定点SPとのそれぞれの距離 D1,D2,…Dnどうしの比D2/D1、D3/D2、…が、所定点SPに近い比較点から順に2以上の比で順次に増大させることが好ましい。これらの比の好ましい範囲は2〜5であり、さらに好ましくは約3〜4である。
【0092】
この実施形態でのこれらの比は、
D2/D1=0.25:0.08= 25/8 =3.125
D3/D2=1:0.25 = 4.000
であって、いずれも約3〜4の中にある。
【0093】
換言すれば、所定点SPから参照方向に沿ったそれぞれの比較点までの距離が幾何級数的に増大しており、その増大比が2以上である(好ましくは2〜5の範囲、さらに好ましくは3〜4)と言うこともできる。このように、所定点SPから参照方向に沿ったそれぞれの比較点までの距離の数が少なくとも3つ以上であり、各参照方向に沿って設けられる複数の比較点どうしの間の距離を、所定点SPから近い方から順に幾何級数的に増大させることにより、入力点に対応する出力点の検索・決定精度、即ち、色変換後の色成分値の算出精度を更に向上させることができる。
【0094】
また、ここでは、所定点SPを中心として比較点を設定する参照方向を26方向としたが、これには限られず、例えば、所定点SPを中心として、各色成分値の軸方向である6方向(ここでは、CK空間における互いに直交する前後左右上下の6方向)としても良い。換言すれば、所定点SPを中心として比較点が設けられる複数の参照方向が、第2の色空間における各色成分値の軸方向に沿った少なくとも6方向を含むようにしても良い。このように、所定点SPを中心として少なくとも6方向に比較点を設けることにより、所定点SPから見た全方位について、目標点TGに近接した出力点を検索・決定することとなるため、出力点の検索・決定の高速化を図ることができる。即ち、出力点を検索・決定する際の更なる計算量の減少を図ることができ、色変換後の色成分値の算出に要する時間を更に圧縮することができる。また、ある程度の検索・決定精度も得ることができる。
【0095】
しかし、所定点SPを中心として6方向(上下左右前後方向)に沿ってしか比較点を設けない場合は、所定点SPから見て斜め方向に目標点TGが存在した場合には、出力点を精度良く検索・決定することができない可能性がある。つまり、適正な出力点から若干ずれた点を出力点として検索・決定してしまう可能性がある。よって、出力点の検索・決定精度を確保するとの観点からは、所定点SPを中心として、26方向等、6方向よりも多くの参照方向に比較点を設けるようにした方がより好ましい。
【0096】
以上のように、本実施形態に係る色変換装置1では、第2の色空間(ここでは、CK空間)上の所定点SPを基準として、複数の参照方向に沿って、各参照方向にそれぞれ複数の距離に位置する複数の比較点を設定するステップと、その複数の比較点のうち入力点との色差が最小となる点を次回の所定点とするステップとを含む一連の工程を繰り返す。そして、より小さな色差が得られなくなった時点における所定点SPを、第1の色空間(ここでは、L*a*b*空間)上の入力点に対応する第2の色空間上の出力点と決定する。その結果、第1の色空間における所定の色データに対応する第2の色空間における最適色データを効率良く探し出すことができる。即ち、少ない計算量で適正な色変換後の色成分値を算出できる。
【0097】
<(3)その他>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0098】
◎例えば、上述した実施形態では、目標L*a*b*値が与えられてから対応CMYK値を決定するまで、所定点SPを中心とした26方向に沿って、各参照方向に所定点SPから3つの距離にあたる位置に比較点を設け、それらを固定的に使用していたが、これに限られるものではない。例えば、与えられた入力点に対して適正なCMYK値を決定するための一連の繰返しプロセスのうち、所定の条件が満足されるようになったステップでは、比較点を特定する距離の数(以下「特定距離数」)を当初の数から変更してもよい。つまり、特定距離数は固定でもよいが可変でもよく、可変とする場合には、特定距離数を途中から減少させて、当初の特定距離数よりも小さい数を使用することが好ましい。すなわち、そのような可変モードでは、特定距離数として3で出発し、途中からは特定距離数をそれよりも少ない数(1や2)に変更することができる。
【0099】
具体的には、所定点SPから各参照方向に沿って比較点が設けられる3つの距離のうち、1回でも所定点SPから格子点間の0.25倍の距離に位置する比較点と所定点SPとの色差が最小となった場合は、その後は、所定点SPから格子点間の0.25倍と0.08倍の2つの距離にのみ各参照方向に沿って比較点を設けたり、1回でも所定点SPから格子点間の0.08倍の距離に位置する比較点と所定点SPとの色差が最小となった場合は、その後は、所定点SPから格子点間の0.08倍のみの1つの距離に比較点を設けるようにしても良い。
【0100】
即ち、所定点SPとの関係で色差が最小となる比較点と所定点SPとの距離によって規定される所定の条件に基づいて、特定距離数を減少させても良い。換言すれば、所定点SPとの関係で色差が最小となる比較点と所定点SPとの距離が近づけば近づくほど、比較点を設ける距離のうち、より近距離のものを残す方向に減少させても良い。
【0101】
また、所定点SPから格子点間の0.08倍、0.25倍、1倍の距離に位置する比較点を26方向について設けるステップを含む図6に示すステップS3からS7の一連の工程を所定回数行った後は、所定点SPが目標点TGに近づいているものとみなして、所定点SPから格子点間の0.25倍、0.08倍の2つの距離の位置に比較点を26方向について設けるようにしても良い。つまり、比較点の設定回数によって規定される所定の条件に基づいて特定距離数を減少させても良い。
【0102】
このように、回数や距離等によって規定される所定の条件に基づいて、特定距離数を減少させることによって、出力点を検索・決定するまでに設定される比較点の総数を減少させることができるため、更に少ない計算量で適正な色変換後の色成分値を算出できる。その結果、適正な色変換後の色成分値を算出する処理の高速化を更に図ることができる。
【0103】
◎また、上述した実施形態では、目標L*a*b*値が与えられてから対応CMYK値を決定するまで、所定点SPを中心とした26方向に沿って、各参照方向に所定点SPから3つの距離にあたる位置に比較点を設けたが、これに限られるものではなく、例えば、最初は、所定点SPから複数の参照方向に沿って、各参照方向に1つの距離だけ離隔した位置に比較点を設け、所定の条件に達した後は、各参照方向に沿って特定距離数を増加させても良い。
【0104】
具体的には、入力点が与えられると、所定点SPと入力点との間の基準色差を算出するステップ、所定点SPを中心とした26方向に沿って各参照方向に所定点SPから格子点間の1倍のみの1つの距離に比較点を設けるステップ、比較点と所定点SPとの比較色差を算出するステップ、及び色差最小点を検出するステップを含む一連の工程を繰り返しつつ、色差最小点に係る比較色差が基準色差よりも大きくなった時点で、所定点SPを中心とした26方向に沿って、各参照方向に所定点SPから格子点間の0.08倍、0.25倍のみの2つの距離の位置に比較点を設けるようにしても良い。なお、所定回数だけ各参照方向に沿って1つの距離のみに比較点を設けるステップを含む一連の工程を繰り返した後に、特定距離数を2つに増加させても良い。
【0105】
つまり、入力点が与えられた際には、まず、第2の色空間上で、所定点SPから複数の参照方向に沿って、各参照方向に1点ずつ所定点SPから離隔した位置に比較点を設けることによって、複数の比較点を設け、所定の回数や色差の算出結果等に応じた所定の条件を満足するときに、所定点SPを中心として複数の比較点が設定される各参照方向に沿った距離の数を増加させる。このような構成とすることにより、更に少ない計算量で、入力点に応じた出力点、即ち、適正な色変換後の色成分値を算出できる。その結果、適正な色変換後の色成分値を算出する処理の高速化を更に図ることができる。
【0106】
◎また、上述した実施形態では、目標L*a*b*値が与えられてから対応CMYK値を決定するまで、所定点SPを中心とした26方向に沿って、各参照方向に所定点SPから3つの距離にあたる位置に比較点を設けたが、これに限られるものではなく、例えば、途中までは、所定点SPを中心とした6方向等に沿って、各参照方向に所定点SPから3つの距離にあたる位置に比較点を設け、所定の条件が満足されるようになったステップでは、比較点を設ける参照方向の数(以下、「特定方向数」)を増加させても良い。
【0107】
具体的には、出力点の検索・決定を開始して、所定点SPを中心とした6方向に沿って比較点を設けるステップを2、3回行った後に、所定点SPを中心とした26方向に沿って比較点を設けるようにしても良い。つまり、ここでは、回数等によって規定される所定の条件で特定方向数を増加させても良い。
【0108】
このように、回数等によって規定される所定の条件に基づいて、特定方向数を増加させることによって、出力点を検索・決定するまでに設定される比較点の総数を減少させることができるとともに、最終的には、所定点SPを中心とした多くの方向を対象として比較点を設けるため、計算量の抑制と出力点の検索・決定精度の向上とを併せて達成することができる。
【0109】
◎また、上述した実施形態では、L*a*b*の表色系とCMYKの表色系との組合せを対象とした色変換について説明したが、これに限られるものではなく、例えば、XYZの表色系とCMYKの表色系との組合せ等、他の表色系の組合せを対象とした色変換であっても良い。
【0110】
◎また、上述した実施形態では、所定点SPを中心とした26方向に沿って、所定点SPから3つの距離に比較点を設けたが、これに限られるものではなく、例えば、各方向に沿って、所定点SPから4つ以上の距離の位置に比較点を設けても良い。
【0111】
◎また、多くのプリンターでは、転写不良等を防止するために、同一場所に重ね打ちすることができる最大トナー量(インク量)に制限がある。一般的に、各トナーを同一場所に打つことができる最大量を1とした場合には、同一場所に打つことができるCMYKのトナー量の総計の最大値は2.5〜3.5程度とされる。よって、ここでは、CK空間のうち、トナー量が2.5以上となるような位置は出力点として決定しないようにすることが好ましい。
【0112】
そこで、例えば、C−LテーブルTBを作成する段階で、トナー量が2.5以上となるような点のデータを記載しないようにしたり、出力点を検索・決定する際に、比較点を設定する度にその点のCMYK値がトナー量≧2.5となる点であるか否かを計算して、トナー量≧2.5とならないように、出力点を検索・決定するようにすることが望ましい。
【0113】
◎また、上述した実施形態では、本発明は、C−L変換テーブルを作成するために、目標L*a*b*値に対応する対応CMYK値を検索・決定するものとして説明したが、これに限られるものではなく、例えば、1フレームの画像データ全体を異なる表色系の値に変換する場合等、所定の色空間から他の色空間への種々の色変換に適用することができる。
【0114】
◎また、上述した実施形態では、目標L*a*b*値が与えられる度に、CK空間のX軸(又は、K軸)の両端点の中点に所定点SPを設けて、出力点の検索・決定を開始したが、これに限られるものではなく、例えば、C−L変換テーブルを作成する際には、近似したL*a*b*値が目標L*a*b*値として順次与えられるため、次の出力点を検索・決定する際には、前回決定した出力点の位置を所定点SPが初期設定される点とすることによって、非常に少ない計算量で出力点を検索・決定することができる。即ち、極めて少ない計算量で適正な色変換後の色成分値を算出できる。
【0115】
なお、上述した1フレームの画像データ全体について、異なる表色系の値に変換する場合等にも、隣接する画素を順次色変換することを想定すると、隣接する画素は近似した色を示す場合が多いため、次の出力点を検索・決定する際には、前回決定した出力点の位置を所定点SPが初期設定される点とすることによって、非常に少ない計算量で目標点を検出することができる。
【0116】
◎なお、所定点SPを中心とした各方向に沿って比較点を設ける場合における「各方向に沿って」とは、所定点SPを中心とした各方向を示す線上のみではなく、若干ずれた位置をも含む意を示すが、例えば、所定点SPを基準として、各方向を示す線に対して所定の許容誤差程度にまで傾いていてもよい。たとえば第1の参照方向に対して最も相対角度が近い第2の参照方向があったとき、第1の参照方向と第2の参照方向との相対角度θに対して、第1の参照方向からθ/2(好ましくはθ/3)よりも小さな角度範囲の方向にある比較点を、「第1の参照方向に沿ったの比較点」のひとつとすることができる。
【0117】
◎上述した具体的実施形態には以下の構成を有する発明が含まれている。
【0118】
(1) 予め用意した第1の色空間と第2の色空間とを関連づけたデータに基づいて、前記第1の色空間上の入力点に対応する第2の色空間上の出力点を演算する色変換方法であって、
(a) 前記第2の色空間上の所定点に対応する前記第1の色空間上の点と、前記所定の入力点との間の基準色差を算出するステップと、
(b) 前記第2の色空間上で、前記所定点から複数の方向に沿って離隔した複数の比較点を設定するステップと、
(c) 前記複数の比較点に対応する前記第1の色空間上の複数の対応比較点と前記入力点との間における比較色差をそれぞれ算出するステップと、
(d) 前記比較色差が最小となる前記比較点を色差最小点として検出するステップと、
(e) 前記色差最小点に係る比較色差が前記基準色差よりも小さい場合は、前記色差最小点を前記所定点として再設定するとともに、前記色差最小点に係る比較色差を前記基準色差として更新して、前記(b)から(d)ステップを実行するプロセスを繰り返すステップと、
(f) 所定の条件を満足するときに、前記(b)ステップにおいて前記複数の比較点が設定される各前記方向に沿った距離の数を増加させるステップと、
(g) 前記色差最小点に係る比較色差が所定の基準を満たすようになった時点で、前記所定点を前記出力点として決定するステップと、
を備えることを特徴とする色変換方法。
【0119】
(1)に記載の発明によれば、第2の色空間上の所定点を基準として、複数の方向に沿って離隔した複数の比較点を設定し、設定された複数の比較点のうち、第1の色空間上の入力点との色差が最小となる点を次回の所定点とするプロセスを繰り返しつつ、所定の条件を満足するときに所定点を基準として各方向に沿って設定される比較点までの距離の数を増加し、より小さな色差が得られなくなる等、所定の基準を満たすようになった時点における所定点を、第1の色空間上の入力点に対応する第2の色空間上の出力点とするため、さらに少ない計算量で適正な色変換後の色成分値を算出できる。
【0120】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、第2の色空間上の所定点を基準として、複数の方向に沿って、各方向にそれぞれ複数の距離に位置する複数の比較点を設定し、設定された複数の比較点のうち、第1の色空間上の入力点との色差が最小となる点を次回の所定点とするプロセスを繰り返しつつ、より小さな色差が得られなくなる等、所定の基準を満たすようになった時点における所定点を、第1の色空間上の入力点に対応する第2の色空間上の出力点とするため、少ない計算量で適正な色変換後の色成分値を算出できる。
【0121】
また、請求項2に記載の発明によれば、第2の色空間上の所定点を基準として、複数の方向に沿って、各方向にそれぞれ複数の距離に位置する複数の比較点を設定し、設定された複数の比較点のうち、第1の色空間上の入力点との色差が最小となる点を次回の所定点とするプロセスを繰り返しつつ、所定の条件で所定点を基準として各方向に沿って設定される複数の比較点までの距離の数を減少させて、より小さな色差が得られなくなる等、所定の基準を満たすようになった時点における所定点を、第1の色空間上の入力点に対応する第2の色空間上の出力点とするため、さらに少ない計算量で適正な色変換後の色成分値を算出できる。
【0122】
また、請求項3に記載の発明によれば、第2の色空間上の所定点を基準として各方向に沿って設定される複数の比較点までの距離の数を少なくとも3つ以上とし、更に、所定点から各方向に沿って設定される複数の比較点までの距離どうしが所定点から近い比較点から順に幾何級数的に増大する関係を有するため、色変換後の色成分値の算出精度を更に向上させることができる。
【0123】
また、請求項4に記載の発明によれば、第2の色空間上の所定点を基準として複数の比較点が設定される複数の方向が、各色成分値の軸方向に沿った少なくとも6方向を含むため、更なる計算量の減少を図ることができ、色変換後の色成分値の算出に要する時間を更に圧縮することができる。
【0124】
また、請求項5に記載の発明によれば、請求項1から請求項4のいずれかに記載の発明と同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】色変換装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係るCK空間の具体例を示す概念図である。
【図3】K軸をCMYK混成の軸としたCK空間の具体例を示す概念図である。
【図4】K値の代わりにCMY値を多く使う場合のX軸上におけるCMYK値の組合せを示す概念図である。
【図5】CK空間上の値を記述したC−Lテーブルを示す図である。
【図6】L−C変換テーブルの作成動作フローを示すフローチャートである。
【図7】目標L*a*b*値に対応する対応CMYK値の検索・決定方法の説明図である。
【図8】目標L*a*b*値に対応する対応CMYK値の検索・決定方法の説明図である。
【図9】対応CMYK値の検索・決定方法の説明するための概念図である。
【図10】対応CMYK値の検索・決定方法の説明するための概念図である。
【図11】対応CMYK値の検索・決定方法の説明するための概念図である。
【図12】目標L*a*b*値に対応する対応CMYK値の検索動作例を示す図である。
【図13】目標L*a*b*値に対応する対応CMYK値の検索動作例を示す図である。
【図14】目標L*a*b*値に対応する対応CMYK値の検索動作例を示す図である。
【符号の説明】
1 色変換装置
10 CPU
20 ハードディスク
BR 凹み
NP 次回の所定点
SP,SP1〜SP4 所定点
TG 目標点

Claims (5)

  1. 予め用意した第1の色空間と第2の色空間とを関連づけたデータに基づいて、前記第1の色空間上の入力点に対応する第2の色空間上の出力点を演算する色変換方法であって、
    (a) 前記第2の色空間上の所定点に対応する前記第1の色空間上の点と、前記所定の入力点との間の基準色差を算出するステップと、
    (b) 前記第2の色空間上で、前記所定点から複数の方向に沿って、各方向にそれぞれ複数の距離に位置する複数の比較点を設定するステップと、
    (c) 前記複数の比較点に対応する前記第1の色空間上の複数の対応比較点と前記入力点との間における比較色差をそれぞれ算出するステップと、
    (d) 前記比較色差が最小となる前記比較点を色差最小点として検出するステップと、
    (e) 前記色差最小点に係る比較色差が前記基準色差よりも小さい場合は、前記色差最小点を前記所定点として再設定するとともに、前記色差最小点に係る比較色差を前記基準色差として更新して、前記(b)から(d)ステップを実行するプロセスを繰り返すステップと、
    (f) 前記色差最小点に係る比較色差が所定の基準を満たすようになった時点で、前記所定点を前記出力点として決定するステップと、
    を備えることを特徴とする色変換方法。
  2. 予め用意した第1の色空間と第2の色空間とを関連づけたデータに基づいて、前記第1の色空間上の入力点に対応する第2の色空間上の出力点を演算する色変換方法であって、
    (a) 前記第2の色空間上の所定点に対応する前記第1の色空間上の点と、前記所定の入力点との間の基準色差を算出するステップと、
    (b) 前記第2の色空間上で、前記所定点から複数の方向に沿って、各方向にそれぞれ複数の距離に位置する複数の比較点を設定するステップと、
    (c) 前記複数の比較点に対応する前記第1の色空間上の複数の対応比較点と前記入力点との間における比較色差をそれぞれ算出するステップと、
    (d) 前記比較色差が最小となる前記比較点を色差最小点として検出するステップと、
    (e) 前記色差最小点に係る比較色差が前記基準色差よりも小さい場合は、前記色差最小点を前記所定点として再設定するとともに、前記色差最小点に係る比較色差を前記基準色差として更新して、前記(b)から(d)ステップを実行するプロセスを繰り返すステップと、
    (f) 所定の条件を満足するときに前記距離の数を減少させるステップと、
    (g) 前記色差最小点に係る比較色差が所定の基準を満たすようになった時点で、前記所定点を前記出力点として決定するステップと、
    を備えることを特徴とする色変換方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の色変換方法であって、
    前記距離の数が少なくとも3つ以上であり、前記複数の距離どうしが前記所定点から近い比較点から順に幾何級数的に増大していることを特徴とする色変換方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の色変換方法であって、
    前記複数の方向が、前記第2の色空間における各色成分値の軸方向に沿った少なくとも6方向を含むことを特徴とする色変換方法。
  5. コンピュータに、請求項1から請求項4のいずれかに記載された色変換方法を実行させることを特徴とするプログラム。
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