JP2004364077A - 携帯端末用アダプタおよび携帯端末 - Google Patents
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Abstract
【課題】データ通信をする場合に携帯端末に装着して受信電波信号のS/N比を良くすることが可能な携帯端末用アダプタおよび携帯端末を提供する。
【解決手段】携帯端末50に着脱可能なフタの内側に、アンテナ71と高周波信号送受信部を取付けてなり、携帯端末50に装着して携帯端末50のアンテナ22と高周波信号送受信部とで、ダイバーシティ送受信を可能とすることを特徴とする。また携帯端末は携帯端末用アダプタ50の接続有無を判断し、有りの場合ダイバーシティ送受信を可能とする。
【選択図】 図9
【解決手段】携帯端末50に着脱可能なフタの内側に、アンテナ71と高周波信号送受信部を取付けてなり、携帯端末50に装着して携帯端末50のアンテナ22と高周波信号送受信部とで、ダイバーシティ送受信を可能とすることを特徴とする。また携帯端末は携帯端末用アダプタ50の接続有無を判断し、有りの場合ダイバーシティ送受信を可能とする。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能の向上を可能とする携帯端末用アダプタおよび携帯端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
代表的携帯端末である携帯電話機は広く普及し、携帯電話にカメラ機能を備え撮像した画像を送ったり、ゲームや着信メロディ等をダウンロードして楽しんだりする多くの付加機能が楽しめるようになっている。
【0003】
今後、カメラ機能は動画機能の充実や高画素化が進み、またゲームや着信メロディも高機能化が進むと考えられる。
【0004】
このような状況から、携帯端末で送受信するデータ容量は飛躍的に増加すると予想される。
【0005】
上記高機能化に伴って進行するデータの大容量化に伴い、大容量データの送受信を高速かつ安定に行う技術が必要になる。データ送受信転送速度の高速化実現の要件の一つに、雑音に対する信号の比すなわちS/N比を高くすることがある。
【0006】
一般的に多重反射等によって変動の大きい無線信号の場合、高いS/N比を安定して確保する手段として、時間的、空間的あるいは電波の偏波面など異なる信号を最適に組み合わせるダイバーシティ技術が実施されている。
【0007】
従来の携帯電話においては、ある程度条件が悪い場合に実現可能な通信速度を基準にしており、条件が良好な場合にも各携帯端末がそれ以上の速度で通信することは考慮しておらず、携帯端末は基本的な通信性能を確保できていれば良かった。
【0008】
しかしながら電波状態が良好な場合に、その状態で可能な最大限の速度でデータ通信を行うベストエフォート方式のデータ通信方式CDMA20001X EV−DOが提案され、実用化が近づきつつある。
【0009】
このデータ通信方式においては、携帯端末が受信する受信信号のS/N比が改善されれば、その分通信速度を早くできる。したがって受信信号のS/N比を良くして、S/N比の良い状態を基地局に通知することで、S/N比の状態に応じた通信処理速度を、S/N比が良い状態の場合は早い通信処理速度を、基地局から受信することができ、データを高速に処理して通信速度を早くすることができる。
【0010】
そこで、通常の場合は、基本的な性能で通信し、データ通信する場合に補助機能を付加して受信電波信号のS/N比を良くすることが望まれる。
【0011】
公知文献の例としては、携帯電話本体とページャ端末を備え、ページャ端末で基地局からの無線で送られてくる発呼者のダイアル番号データを受信してメモリに書き込む。その後ページャ端末を携帯電話本体に装着してからダイアル番号データの送信操作を行って携帯電話本体に送り、携帯電話本体では受けてダイヤル番号を表示部に表示し、携帯電話本体側で発呼者に電話をかける技術が公開されている(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
【特許文献1】
特開平8−140138号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許文献1には、本発明に関連する、データ通信する場合に補助機能を付加して受信電波信号のS/N比を良くすることについてはなんらふれていない。
【0014】
本発明の目的は、データ通信をする場合に携帯端末に装着して受信電波信号のS/N比を良くすることが可能な携帯端末用アダプタおよび携帯端末を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明による請求項1記載の携帯端末用アダプタは、携帯端末に着脱可能なフタの内側に、アンテナと高周波信号送受信部を取付けてなり、前記携帯端末に装着して前記携帯端末のアンテナと高周波信号送受信部とで、ダイバーシティ送受信を可能とすることを特徴とする。
【0016】
本発明による請求項2記載の携帯端末用アダプタは、請求項1記載の携帯端末用アダプタにおいて、前記アンテナが伸縮可能なホイップアンテナである。
【0017】
本発明による請求項3記載の携帯端末用アダプタは、請求項1記載の携帯端末用アダプタにおいて、前記アンテナが内蔵アンテナである。
【0018】
本発明による請求項4記載の携帯端末用アダプタは、請求項1記載の携帯端末用アダプタにおいて、さらにGPSアンテナとGPS信号受信部を取付けてなることを特徴とする。
【0019】
本発明による請求項5記載の携帯端末は、送受信の際、携帯端末用アダプタの装着の有無を判定し、有りならば前記携帯端末用アダプタが有するアンテナと高周波信号送受信部とともにダイバーシティ送受信をすることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態における携帯電話について、以下図1から図11を用いて説明する。各図において同一箇所には同一符号を付けた。
【0021】
図1は本発明の実施の形態における携帯電話の使用状態を示す正面斜視図である。前記携帯電話は、第1の筐体10と第2の筐体20とが、それぞれの端部で折りたたみ可能なヒンジ部30で回転可能に連結され、第2の筐体20に対して第1の筐体10を開閉することができる。以下の図1から図3は第1の筐体と第2の筐体を開いた状態を示している。
【0022】
前記携帯電話は第1の筐体10に表示部11を、第2の筐体20に操作キー21とアンテナ22を備えており、操作キー21を操作してアンテナ22より無線信号を着信し、着信したデータの内容を必要に応じ表示部11に表示する。また、第1の筐体10にレシーバ12を備え、着信した電話の内容を聞くことができる。第2の筐体20にマイク23を備え、話した音声信号をアンテナ22より相手の携帯電話に送ることができる。また、ヒンジ部30にカメラ31を備え、撮像した画像を内部メモリに記憶してから表示部11に表示し、アンテナ22より相手の携帯電話に送ったりすることができる。
【0023】
図2は図1の裏面斜視図であり、筐体の電池収納部を覆う着脱可能な電池フタを装着した図である。第2の筐体20はその裏面側に電池収納部を備え、その電池収納部に着脱可能な電池フタ40を装着して、電池フタ40で電池収納部を覆っている。
【0024】
図3は図1の裏面斜視図であり、筐体の電池収納部を覆う着脱可能なフタの内側に、付加機能部品を取り付けた携帯電話用アダプタ50を装着した場合の図である。
【0025】
図2、図3から分かるように、同じ携帯電話の電池収納部に対して、図2の電池フタ40を装着したり取り外したり、図3の携帯電話用アダプタ50を装着したり取り外したりすることができる。
【0026】
図4は本発明の実施の形態における携帯電話が閉じた状態を示す裏面斜視図であって、筐体の電池収納部に入れる電池および電池と電池収納部を覆う着脱可能な電池フタ40および携帯電話用アダプタ50を取り外した図である。
【0027】
第2の筐体20の電池収納部24に、挿入される電池60の電子接点と接続される電池接続コネクタ25を備えている。また、電池収納部24に携帯電話用アダプタ50を装着した際、携帯電話用アダプタ50の内側に取り付けた付加機能部品と電気的に接続されたアダプタ側部品接続コネクタと接触し電気接続するための電話側部品接続コネクタ26を備えている。第2の筐体20の電池収納部24に携帯電話用アダプタ50を装着すると、自動的に付加機能部品と電話側部品接続コネクタ26とを電気的に接続することができる。
【0028】
図5は電池フタを内側から見た斜視図である。電池フタ40には、電池フタ40を図4に図示の電池収納部24に装着した際、電池収納部24に設けた係止部24aと係合するためのフタ係止部40aを複数箇所に備えている。電池フタ40を図4の上側より動かして筐体20に接触させ、次に図の右側にスライドさせることにより、両方の係止部40a、24aが係止して電池フタ40が係止される。電池フタ40が係止された状態を図2に示した。
【0029】
図6は図3のVI−VIの線に沿う拡大断面図である。電池60を携帯電話用アダプタ50で覆っている。携帯電話用アダプタ50は、内面にホルダ51が取り付けられており、付加機能部品70をホルダ51に挿入した後、第2の筐体20に取り付ける。図7は図3のVII−VIIの線に沿う断面図である。
【0030】
図8は携帯電話用アダプタ50の実施の形態であり、内側から見た分解斜視図である。
【0031】
携帯電話用アダプタ50はその内側に、図6で図示した付加機能部品70を構成するところの、アンテナ71と高周波信号送受信部を有するモジュール72、および、フレキシブル基板52と、アダプタ側部品接続コネクタ53と、ネジ54で構成される。
【0032】
携帯電話用アダプタ50の内側に高周波信号送受信部を有するモジュール72を配置し、その外側にフレキシブル基板52をのせ、フレキシブル基板52の穴52aとコネクタ53の穴53aを合わせてから、コネクタ53をネジ54で固定し、高周波信号送受信部を有するモジュール72をアンテナ71と電気的に接続することで、アンテナ71と高周波信号送受信部を有するモジュール72とアダプタ側部品接続コネクタ53とが電気的に接続される。
【0033】
図8において、アンテナ71は伸縮可能なホイップアンテナである。
【0034】
電池ケースを取り外して図8の携帯電話用アダプタ50を装着すると、アダプタ側部品接続コネクタ53が電話側部品接続コネクタ26(図4)に接触して、携帯端末側のアンテナおよび高周波信号送受信部と、アダプタ50側のアンテナおよび高周波信号送受信部とでダイバーシティ送受信回路を構成し、高速かつ安定に音声通信や大容量のデータ通信の送受信等を行うことが可能になる。
【0035】
図9は携帯電話と携帯電話用アダプタ50の回路構成図である。
【0036】
携帯電話は、伸縮可能なホイップアンテナ22および、高周波信号送受信部を構成するデュプレクサ81,受信回路82,A/D変換回路83,D/A変換回路87,送信回路88、および信号処理部84を有する。
【0037】
電話を受信する場合、アンテナ22から受信した信号はデュプレクサ81を通して受信回路82に送られ、1GHz程度の高周波信号から周波数が1MHz程度のベースバンド信号を抽出し、次段のA/D変換回路83でデジタル信号に変換され、信号処理部84で復調され音声情報に変換される。音声情報は次段のD/A変換回路85でアナログ信号に変換され、レシーバ12から放音される。また、データ通信で受信したデータ情報は音声と同様の経路で信号処理部84に入力され、信号処理部84で解読され、必要に応じて表示部11で表示されたり、所定の処理を実行する。
【0038】
次に、送話の場合について説明する。マイク23で音声から変換された音声信号は、A/D変換回路86でアナログ信号からデジタル信号に変換され、信号処理部84で符号化されてから変調される。変調された音声信号は、次段のD/A変換回路87でアナログ信号に変換され、送信回路88でベースバンド周波数から高周波信号に変換された後、電力増幅され、デュプレクサ81を通してアンテナ22から送信される。
【0039】
送信および受信の際、信号処理部84に入力された送信および受信信号は一旦メモリ89に記憶され、信号処理部84で送信および受信処理されてから次段に送出される。また信号処理部84に、電話側部品接続コネクタ26と表示部11とカメラ31と操作キー21が接続されており、カメラ31は画像情報を電気信号に変換し、操作キー21は使用者が所要のキーを押すことにより携帯電話に指令情報を入力する。
【0040】
これらの動作をするための電源は電池60から、電池接続コネクタ25を通して信号処理部84を経由して各部に供給される。
【0041】
一方、携帯電話用アダプタ50は、伸縮可能なホイップアンテナ71および、高周波信号送受信部を構成するデュプレクサ73,受信回路74,A/D変換回路75,D/A変換回路76,送信回路77を有する。
【0042】
伸縮可能なホイップアンテナ71から受信した信号は、デュプレクサ73を通して受信回路74に送られ、そこで高周波信号からベースバンド信号を抽出され、次段のA/D変換回路75で8ビットのディジタル信号に量子化される。この量子化されたデジタル信号は、アダプタ側部品接続コネクタ53と電話側部品接続コネクタ26とを通して信号処理部84で復調され、携帯電話からのデジタル信号との位相差および振幅の差を補正して合成される。信号処理部84は、もともと携帯電話内でのダイバーシティ機能を行っているが、携帯電話用アダプタ50による受信信号も、それに加えてダイバーシティ処理を実行する。
【0043】
そのことによって、受信信号のS/N比を良くして、S/N比の良い状態を基地局に通知することができ、基地局から、良いS/N比に対応する早い通信処理速度を受けて、データを高速に処理してデータ通信速度を早くすることができる。
【0044】
ダイバーシティ効果を上げるために、本実施の形態では携帯電話のアンテナ22と携帯電話用アダプタ50のアンテナ71の相対位置を大きく取るため、図3に示すように第2の筐体20の主たる平面方向に投影した状態で第2の筐体を長方形に近似したときに互いに対角線に位置するように配置した。
【0045】
本実施の形態では、概ね平行な2つのアンテナの軸線の間隔は4cm程度のため、約2GHzの無線信号の波長約15cmの1/4強であり、原理的に望ましい距離7.5cm(半波長)以上とならないが、軸線方向に離れている効果も考慮すれば、空間ダイバーシティとして充分有効である。
【0046】
また、携帯電話用アダプタを携帯電話に装着してアンテナ71を伸長した状態では、上述のようにアンテナ71は第2の筐体20の対角線上のコーナー部付近から外に伸びている状態であり、一般的には第2の筐体20の中央部を手で保持することを考慮すると、2つのアンテナ22,71は手および頭などの人体から充分離れている。
【0047】
また送信信号は信号処理部84で符号化され変調される。一方は携帯電話のD/A変換回路87でアナログ信号に変換され、送信回路88で電力増幅され、デュプレクサ81を通してアンテナ22から送信される。
【0048】
もう一方の送信信号は信号処理部84で符号化され変調される。電話機側部品接続コネクタ26とアダプタ側部品接続コネクタ53とを通して、携帯電話用アダプタ50内のD/A変換回路76でアナログ信号に変換され、送信回路77で電力増幅され、デュプレクサ73を通して伸縮可能なホイップアンテナ71から送信される。
【0049】
本実施の形態では、空間ダイバーシティ方式について説明したが、選択ダイバーシティ、時間ダイバーシティ、偏波面ダイバーシティ、指向性ダイバーシティなど異なる方式のダイバーシティであっても適切な設定により送受信ダイバーシティ効果を上げることができることは言うまでもない。
【0050】
また本実施の形態では、アンテナ71として伸縮可能なホイップアンテナで説明したが、携帯電話用アダプタ50のケース内側に配置したアンテナであってもよく、この場合はケースの内側の面積をいっぱいに利用した大型アンテナとすることにより、高感度受信の無線信号を携帯電話に送ることができる。
【0051】
図10は図9における携帯電話の信号処理部84における携帯電話用アダプタ50の有無による送信および受信処理のフローチャートである。
【0052】
信号処理部84は待ち受け状態で送信信号か受信信号を感知すると(S1)、信号の判定を行う(S2)。
【0053】
信号が受信信号の場合(S2−受信)、次に携帯電話用アダプタ50の有無を判定し(S3)、携帯電話用アダプタ50が接続されているならば(S3−有)、携帯電話用アダプタ50に電池50の電源を図示していないが入れ(S4)、携帯電話と携帯電話用アダプタ50とで受信ダイバーシティ回路を構成する。
【0054】
そして受信信号はダイバーシティ受信処理され(S5)、信号処理部84で復調・符号化され(S6)、検波(出力情報に変換)される(S7)。音声情報の場合、信号処理部84を経たこの信号をD/A変換することで音声にできる(S8)。
【0055】
アダプタが接続されていない時(S3−無)は、携帯電話のアンテナ22のみで受信した信号を信号処理部84内で復調・符号化される(S6)。以降は同様に検波(S6)および音声出力される(S6)。
【0056】
一方、送信の場合(S2−送信)、携帯電話用アダプタの有無を判定し(S9)、携帯電話用アダプタ50が接続されているならば(S9−有)、携帯電話用アダプタ50に電池50の電源を図示していないが電源を入れる(S10)。次に送信すべき信号を信号処理部84内で符号化・変調して(S11)、アンテナ切替判定を行う(S12)。
【0057】
送信処理の所定のタイミングに携帯電話のアンテナ22と携帯電話用アダプタ50のアンテナ71とから交互に短時間送信して、携帯電話用アダプタ50(S12−アダプタ)あるいは携帯電話(S12−電話)のいずれか基地局側受信信号の良好な方を選択して(S12)、選択された側から送信を開始する。
【0058】
携帯電話用アダプタ50が接続されていない時(S9−無)は、送信すべき信号を信号処理部84内で符号化・復調して(S11)、D/A変換回路87および送信回路88を経て送信する。アンテナ切替を一定時間ごとに行うことによって環境の変化に対応することができる。
【0059】
図11は図10のダイバーシティ受信S5のフローチャートである。図9の携帯電話用アダプタ50内のアンテナ71で受信した高周波信号から抽出され量子化されたベースバンド信号S21と、携帯電話のアンテナ22で受信した高周波信号から量子化され抽出されたベースバンド信号S27とが、信号処理部84に入力されている時の信号処理部84の内部での処理を示す。
【0060】
携帯電話用アダプタ50の量子化されたデータはCDMA方式の携帯電話機で一般的に採用されているレイク受信処理を受け(S22)、信号を改善させる。この結果をメモリ89に格納するとともに、フィルタ処理を行って基本波成分を抽出する(S24)。同様に携帯電話の量子化されたデータはレイク受信処理を受け(S28)、信号を改善させる。この結果をメモリ89の前記携帯電話用アダプタのデータとは別の領域に格納する(S29)とともに、フィルタ処理を行って基本波成分を抽出する(S30)。
【0061】
2つの受信信号の基本波成分を比較し、携帯電話の基本波を基準として位相差と振幅の比を計算する(S31)。次いでメモリ89から携帯電話用アダプタ50のレイク受信処理された信号を読み出し(S25)、前記信号を前記(S31)で求めた位相差分だけ時間をずらし、振幅比を乗じて振幅を調整(S32)する。次いでメモリ89から携帯電話のレイク受信処理された信号を読み出し(S33)、前記調整された携帯電話用アダプタ50の信号(S32)と加える(S34)。
【0062】
以上のダイバーシティ処理された信号(S34)を復調して(S35)、例えば音声信号を袖出する。これをD/A変換し(S36)、レシーバに加えることにより音声として出力することができる。信号処理部84は上記処理を所定の周期で繰り返し実行する。
【0063】
以上の図11では携帯電話の信号と、携帯電話用アダプタ50の信号を同じ振幅に調整して加えるとして説明したが、2つの受信機およびアンテナの性能が同一ではないので、総合的に性能の高い側の信号の重みを大きくし、他方の重みを小さくして加えても良い。
【0064】
また、本実施の形態では、CDMA方式の例に沿ってレイク受信処理を行う場合を説明したが、他の方式による信号改善処理で代替可能であり、条件によっては省略できる可能性もある。
【0065】
以上説明の携帯電話用アダプタは、携帯電話と同一周波数範囲で同一方式の無線通信機能を持つ付加機能部品を備えた場合であるが、他の例として携帯電話がアンテナおよび高周波信号送受信部に加えて、GPS方式の測位機能を備えている場合においては、通信携帯電話用アダプタ50の内側に、GPSアンテナおよびGPS信号受信部とからなるGPS付加機能部品を上記実施の形態におけるアンテナ71および高周波信号送受信部に加えて備えることにより、GPS信号受信ダイバーシティ回路を構成でき、GPS信号の受信感度を向上させることができる。その結果、測位精度が向上し、受信信号が減衰する屋内などでも測位可能な範囲が増加する。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、データ通信をする場合に携帯端末に装着して受信電波信号のS/N比を良くすることが可能な携帯端末用アダプタおよび携帯端末を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における携帯電話の使用状態を示す正面斜視図である。
【図2】図1の裏面斜視図であり、筐体の電池収納部を覆う着脱可能な電池フタを装着した図である。
【図3】図1の裏面斜視図であり、筐体の電池収納部を覆う着脱可能なフタの内側に、付加機能部品を取り付けた携帯電話用アダプタを装着した図である。
【図4】本発明の実施の形態における携帯電話が閉じた状態を示す裏面斜視図であって、筐体の電池収納部に入れる電池および電池と電池収納部を覆う電池フタおよび携帯電話用アダプタを取り外した図である。
【図5】電池フタを内側から見た斜視図である。
【図6】図3のVI−VIの線に沿う拡大断面図である。
【図7】図3のVII−VIIの線に沿う断面図である。
【図8】携帯電話用アダプタの実施の形態であり、内側から見た分解斜視図である。
【図9】携帯電話と携帯電話用アダプタの回路構成図である。
【図10】図9における携帯電話の信号処理部における携帯電話用アダプタの有無による送信および受信処理のフローチャートである。
【図11】図10のダイバーシティ受信のフローチャートである。
【符号の説明】
10:第1の筐体、11:表示部、12:レシーバ、20:第2の筐体、21:操作キー、22:アンテナ、23:マイク、24:電池収納部、24a:電池収納部の係止部、25:電池接続コネクタ、26:電話側部品接続コネクタ、30:ヒンジ部、31:カメラ、40:電池フタ、40a:電池フタの係止部、50:携帯電話用アダプタ、51:ホルダ、52:フレキシブル基板、52a:フレキシブル基板の穴、53:アダプタ側部品接続コネクタ、53a:アダプタ側部品接続コネクタの穴、54:ネジ、60:電池、70:付加機能部品、71:アンテナ、72:高周波信号送受信部を有するモジュール、73:デュプレクサ、74:受信回路、75:A/D変換回路、76:D/A変換回路、77:送信回路、81:デュプレクサ、82:受信回路、83:A/D変換回路、84:信号処理部、85:D/A変換回路、86:A/D変換回路、87:D/A変換回路、88:送信回路、89:メモリ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、機能の向上を可能とする携帯端末用アダプタおよび携帯端末に関する。
【0002】
【従来の技術】
代表的携帯端末である携帯電話機は広く普及し、携帯電話にカメラ機能を備え撮像した画像を送ったり、ゲームや着信メロディ等をダウンロードして楽しんだりする多くの付加機能が楽しめるようになっている。
【0003】
今後、カメラ機能は動画機能の充実や高画素化が進み、またゲームや着信メロディも高機能化が進むと考えられる。
【0004】
このような状況から、携帯端末で送受信するデータ容量は飛躍的に増加すると予想される。
【0005】
上記高機能化に伴って進行するデータの大容量化に伴い、大容量データの送受信を高速かつ安定に行う技術が必要になる。データ送受信転送速度の高速化実現の要件の一つに、雑音に対する信号の比すなわちS/N比を高くすることがある。
【0006】
一般的に多重反射等によって変動の大きい無線信号の場合、高いS/N比を安定して確保する手段として、時間的、空間的あるいは電波の偏波面など異なる信号を最適に組み合わせるダイバーシティ技術が実施されている。
【0007】
従来の携帯電話においては、ある程度条件が悪い場合に実現可能な通信速度を基準にしており、条件が良好な場合にも各携帯端末がそれ以上の速度で通信することは考慮しておらず、携帯端末は基本的な通信性能を確保できていれば良かった。
【0008】
しかしながら電波状態が良好な場合に、その状態で可能な最大限の速度でデータ通信を行うベストエフォート方式のデータ通信方式CDMA20001X EV−DOが提案され、実用化が近づきつつある。
【0009】
このデータ通信方式においては、携帯端末が受信する受信信号のS/N比が改善されれば、その分通信速度を早くできる。したがって受信信号のS/N比を良くして、S/N比の良い状態を基地局に通知することで、S/N比の状態に応じた通信処理速度を、S/N比が良い状態の場合は早い通信処理速度を、基地局から受信することができ、データを高速に処理して通信速度を早くすることができる。
【0010】
そこで、通常の場合は、基本的な性能で通信し、データ通信する場合に補助機能を付加して受信電波信号のS/N比を良くすることが望まれる。
【0011】
公知文献の例としては、携帯電話本体とページャ端末を備え、ページャ端末で基地局からの無線で送られてくる発呼者のダイアル番号データを受信してメモリに書き込む。その後ページャ端末を携帯電話本体に装着してからダイアル番号データの送信操作を行って携帯電話本体に送り、携帯電話本体では受けてダイヤル番号を表示部に表示し、携帯電話本体側で発呼者に電話をかける技術が公開されている(例えば、特許文献1参照)。
【0012】
【特許文献1】
特開平8−140138号公報
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この特許文献1には、本発明に関連する、データ通信する場合に補助機能を付加して受信電波信号のS/N比を良くすることについてはなんらふれていない。
【0014】
本発明の目的は、データ通信をする場合に携帯端末に装着して受信電波信号のS/N比を良くすることが可能な携帯端末用アダプタおよび携帯端末を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明による請求項1記載の携帯端末用アダプタは、携帯端末に着脱可能なフタの内側に、アンテナと高周波信号送受信部を取付けてなり、前記携帯端末に装着して前記携帯端末のアンテナと高周波信号送受信部とで、ダイバーシティ送受信を可能とすることを特徴とする。
【0016】
本発明による請求項2記載の携帯端末用アダプタは、請求項1記載の携帯端末用アダプタにおいて、前記アンテナが伸縮可能なホイップアンテナである。
【0017】
本発明による請求項3記載の携帯端末用アダプタは、請求項1記載の携帯端末用アダプタにおいて、前記アンテナが内蔵アンテナである。
【0018】
本発明による請求項4記載の携帯端末用アダプタは、請求項1記載の携帯端末用アダプタにおいて、さらにGPSアンテナとGPS信号受信部を取付けてなることを特徴とする。
【0019】
本発明による請求項5記載の携帯端末は、送受信の際、携帯端末用アダプタの装着の有無を判定し、有りならば前記携帯端末用アダプタが有するアンテナと高周波信号送受信部とともにダイバーシティ送受信をすることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態における携帯電話について、以下図1から図11を用いて説明する。各図において同一箇所には同一符号を付けた。
【0021】
図1は本発明の実施の形態における携帯電話の使用状態を示す正面斜視図である。前記携帯電話は、第1の筐体10と第2の筐体20とが、それぞれの端部で折りたたみ可能なヒンジ部30で回転可能に連結され、第2の筐体20に対して第1の筐体10を開閉することができる。以下の図1から図3は第1の筐体と第2の筐体を開いた状態を示している。
【0022】
前記携帯電話は第1の筐体10に表示部11を、第2の筐体20に操作キー21とアンテナ22を備えており、操作キー21を操作してアンテナ22より無線信号を着信し、着信したデータの内容を必要に応じ表示部11に表示する。また、第1の筐体10にレシーバ12を備え、着信した電話の内容を聞くことができる。第2の筐体20にマイク23を備え、話した音声信号をアンテナ22より相手の携帯電話に送ることができる。また、ヒンジ部30にカメラ31を備え、撮像した画像を内部メモリに記憶してから表示部11に表示し、アンテナ22より相手の携帯電話に送ったりすることができる。
【0023】
図2は図1の裏面斜視図であり、筐体の電池収納部を覆う着脱可能な電池フタを装着した図である。第2の筐体20はその裏面側に電池収納部を備え、その電池収納部に着脱可能な電池フタ40を装着して、電池フタ40で電池収納部を覆っている。
【0024】
図3は図1の裏面斜視図であり、筐体の電池収納部を覆う着脱可能なフタの内側に、付加機能部品を取り付けた携帯電話用アダプタ50を装着した場合の図である。
【0025】
図2、図3から分かるように、同じ携帯電話の電池収納部に対して、図2の電池フタ40を装着したり取り外したり、図3の携帯電話用アダプタ50を装着したり取り外したりすることができる。
【0026】
図4は本発明の実施の形態における携帯電話が閉じた状態を示す裏面斜視図であって、筐体の電池収納部に入れる電池および電池と電池収納部を覆う着脱可能な電池フタ40および携帯電話用アダプタ50を取り外した図である。
【0027】
第2の筐体20の電池収納部24に、挿入される電池60の電子接点と接続される電池接続コネクタ25を備えている。また、電池収納部24に携帯電話用アダプタ50を装着した際、携帯電話用アダプタ50の内側に取り付けた付加機能部品と電気的に接続されたアダプタ側部品接続コネクタと接触し電気接続するための電話側部品接続コネクタ26を備えている。第2の筐体20の電池収納部24に携帯電話用アダプタ50を装着すると、自動的に付加機能部品と電話側部品接続コネクタ26とを電気的に接続することができる。
【0028】
図5は電池フタを内側から見た斜視図である。電池フタ40には、電池フタ40を図4に図示の電池収納部24に装着した際、電池収納部24に設けた係止部24aと係合するためのフタ係止部40aを複数箇所に備えている。電池フタ40を図4の上側より動かして筐体20に接触させ、次に図の右側にスライドさせることにより、両方の係止部40a、24aが係止して電池フタ40が係止される。電池フタ40が係止された状態を図2に示した。
【0029】
図6は図3のVI−VIの線に沿う拡大断面図である。電池60を携帯電話用アダプタ50で覆っている。携帯電話用アダプタ50は、内面にホルダ51が取り付けられており、付加機能部品70をホルダ51に挿入した後、第2の筐体20に取り付ける。図7は図3のVII−VIIの線に沿う断面図である。
【0030】
図8は携帯電話用アダプタ50の実施の形態であり、内側から見た分解斜視図である。
【0031】
携帯電話用アダプタ50はその内側に、図6で図示した付加機能部品70を構成するところの、アンテナ71と高周波信号送受信部を有するモジュール72、および、フレキシブル基板52と、アダプタ側部品接続コネクタ53と、ネジ54で構成される。
【0032】
携帯電話用アダプタ50の内側に高周波信号送受信部を有するモジュール72を配置し、その外側にフレキシブル基板52をのせ、フレキシブル基板52の穴52aとコネクタ53の穴53aを合わせてから、コネクタ53をネジ54で固定し、高周波信号送受信部を有するモジュール72をアンテナ71と電気的に接続することで、アンテナ71と高周波信号送受信部を有するモジュール72とアダプタ側部品接続コネクタ53とが電気的に接続される。
【0033】
図8において、アンテナ71は伸縮可能なホイップアンテナである。
【0034】
電池ケースを取り外して図8の携帯電話用アダプタ50を装着すると、アダプタ側部品接続コネクタ53が電話側部品接続コネクタ26(図4)に接触して、携帯端末側のアンテナおよび高周波信号送受信部と、アダプタ50側のアンテナおよび高周波信号送受信部とでダイバーシティ送受信回路を構成し、高速かつ安定に音声通信や大容量のデータ通信の送受信等を行うことが可能になる。
【0035】
図9は携帯電話と携帯電話用アダプタ50の回路構成図である。
【0036】
携帯電話は、伸縮可能なホイップアンテナ22および、高周波信号送受信部を構成するデュプレクサ81,受信回路82,A/D変換回路83,D/A変換回路87,送信回路88、および信号処理部84を有する。
【0037】
電話を受信する場合、アンテナ22から受信した信号はデュプレクサ81を通して受信回路82に送られ、1GHz程度の高周波信号から周波数が1MHz程度のベースバンド信号を抽出し、次段のA/D変換回路83でデジタル信号に変換され、信号処理部84で復調され音声情報に変換される。音声情報は次段のD/A変換回路85でアナログ信号に変換され、レシーバ12から放音される。また、データ通信で受信したデータ情報は音声と同様の経路で信号処理部84に入力され、信号処理部84で解読され、必要に応じて表示部11で表示されたり、所定の処理を実行する。
【0038】
次に、送話の場合について説明する。マイク23で音声から変換された音声信号は、A/D変換回路86でアナログ信号からデジタル信号に変換され、信号処理部84で符号化されてから変調される。変調された音声信号は、次段のD/A変換回路87でアナログ信号に変換され、送信回路88でベースバンド周波数から高周波信号に変換された後、電力増幅され、デュプレクサ81を通してアンテナ22から送信される。
【0039】
送信および受信の際、信号処理部84に入力された送信および受信信号は一旦メモリ89に記憶され、信号処理部84で送信および受信処理されてから次段に送出される。また信号処理部84に、電話側部品接続コネクタ26と表示部11とカメラ31と操作キー21が接続されており、カメラ31は画像情報を電気信号に変換し、操作キー21は使用者が所要のキーを押すことにより携帯電話に指令情報を入力する。
【0040】
これらの動作をするための電源は電池60から、電池接続コネクタ25を通して信号処理部84を経由して各部に供給される。
【0041】
一方、携帯電話用アダプタ50は、伸縮可能なホイップアンテナ71および、高周波信号送受信部を構成するデュプレクサ73,受信回路74,A/D変換回路75,D/A変換回路76,送信回路77を有する。
【0042】
伸縮可能なホイップアンテナ71から受信した信号は、デュプレクサ73を通して受信回路74に送られ、そこで高周波信号からベースバンド信号を抽出され、次段のA/D変換回路75で8ビットのディジタル信号に量子化される。この量子化されたデジタル信号は、アダプタ側部品接続コネクタ53と電話側部品接続コネクタ26とを通して信号処理部84で復調され、携帯電話からのデジタル信号との位相差および振幅の差を補正して合成される。信号処理部84は、もともと携帯電話内でのダイバーシティ機能を行っているが、携帯電話用アダプタ50による受信信号も、それに加えてダイバーシティ処理を実行する。
【0043】
そのことによって、受信信号のS/N比を良くして、S/N比の良い状態を基地局に通知することができ、基地局から、良いS/N比に対応する早い通信処理速度を受けて、データを高速に処理してデータ通信速度を早くすることができる。
【0044】
ダイバーシティ効果を上げるために、本実施の形態では携帯電話のアンテナ22と携帯電話用アダプタ50のアンテナ71の相対位置を大きく取るため、図3に示すように第2の筐体20の主たる平面方向に投影した状態で第2の筐体を長方形に近似したときに互いに対角線に位置するように配置した。
【0045】
本実施の形態では、概ね平行な2つのアンテナの軸線の間隔は4cm程度のため、約2GHzの無線信号の波長約15cmの1/4強であり、原理的に望ましい距離7.5cm(半波長)以上とならないが、軸線方向に離れている効果も考慮すれば、空間ダイバーシティとして充分有効である。
【0046】
また、携帯電話用アダプタを携帯電話に装着してアンテナ71を伸長した状態では、上述のようにアンテナ71は第2の筐体20の対角線上のコーナー部付近から外に伸びている状態であり、一般的には第2の筐体20の中央部を手で保持することを考慮すると、2つのアンテナ22,71は手および頭などの人体から充分離れている。
【0047】
また送信信号は信号処理部84で符号化され変調される。一方は携帯電話のD/A変換回路87でアナログ信号に変換され、送信回路88で電力増幅され、デュプレクサ81を通してアンテナ22から送信される。
【0048】
もう一方の送信信号は信号処理部84で符号化され変調される。電話機側部品接続コネクタ26とアダプタ側部品接続コネクタ53とを通して、携帯電話用アダプタ50内のD/A変換回路76でアナログ信号に変換され、送信回路77で電力増幅され、デュプレクサ73を通して伸縮可能なホイップアンテナ71から送信される。
【0049】
本実施の形態では、空間ダイバーシティ方式について説明したが、選択ダイバーシティ、時間ダイバーシティ、偏波面ダイバーシティ、指向性ダイバーシティなど異なる方式のダイバーシティであっても適切な設定により送受信ダイバーシティ効果を上げることができることは言うまでもない。
【0050】
また本実施の形態では、アンテナ71として伸縮可能なホイップアンテナで説明したが、携帯電話用アダプタ50のケース内側に配置したアンテナであってもよく、この場合はケースの内側の面積をいっぱいに利用した大型アンテナとすることにより、高感度受信の無線信号を携帯電話に送ることができる。
【0051】
図10は図9における携帯電話の信号処理部84における携帯電話用アダプタ50の有無による送信および受信処理のフローチャートである。
【0052】
信号処理部84は待ち受け状態で送信信号か受信信号を感知すると(S1)、信号の判定を行う(S2)。
【0053】
信号が受信信号の場合(S2−受信)、次に携帯電話用アダプタ50の有無を判定し(S3)、携帯電話用アダプタ50が接続されているならば(S3−有)、携帯電話用アダプタ50に電池50の電源を図示していないが入れ(S4)、携帯電話と携帯電話用アダプタ50とで受信ダイバーシティ回路を構成する。
【0054】
そして受信信号はダイバーシティ受信処理され(S5)、信号処理部84で復調・符号化され(S6)、検波(出力情報に変換)される(S7)。音声情報の場合、信号処理部84を経たこの信号をD/A変換することで音声にできる(S8)。
【0055】
アダプタが接続されていない時(S3−無)は、携帯電話のアンテナ22のみで受信した信号を信号処理部84内で復調・符号化される(S6)。以降は同様に検波(S6)および音声出力される(S6)。
【0056】
一方、送信の場合(S2−送信)、携帯電話用アダプタの有無を判定し(S9)、携帯電話用アダプタ50が接続されているならば(S9−有)、携帯電話用アダプタ50に電池50の電源を図示していないが電源を入れる(S10)。次に送信すべき信号を信号処理部84内で符号化・変調して(S11)、アンテナ切替判定を行う(S12)。
【0057】
送信処理の所定のタイミングに携帯電話のアンテナ22と携帯電話用アダプタ50のアンテナ71とから交互に短時間送信して、携帯電話用アダプタ50(S12−アダプタ)あるいは携帯電話(S12−電話)のいずれか基地局側受信信号の良好な方を選択して(S12)、選択された側から送信を開始する。
【0058】
携帯電話用アダプタ50が接続されていない時(S9−無)は、送信すべき信号を信号処理部84内で符号化・復調して(S11)、D/A変換回路87および送信回路88を経て送信する。アンテナ切替を一定時間ごとに行うことによって環境の変化に対応することができる。
【0059】
図11は図10のダイバーシティ受信S5のフローチャートである。図9の携帯電話用アダプタ50内のアンテナ71で受信した高周波信号から抽出され量子化されたベースバンド信号S21と、携帯電話のアンテナ22で受信した高周波信号から量子化され抽出されたベースバンド信号S27とが、信号処理部84に入力されている時の信号処理部84の内部での処理を示す。
【0060】
携帯電話用アダプタ50の量子化されたデータはCDMA方式の携帯電話機で一般的に採用されているレイク受信処理を受け(S22)、信号を改善させる。この結果をメモリ89に格納するとともに、フィルタ処理を行って基本波成分を抽出する(S24)。同様に携帯電話の量子化されたデータはレイク受信処理を受け(S28)、信号を改善させる。この結果をメモリ89の前記携帯電話用アダプタのデータとは別の領域に格納する(S29)とともに、フィルタ処理を行って基本波成分を抽出する(S30)。
【0061】
2つの受信信号の基本波成分を比較し、携帯電話の基本波を基準として位相差と振幅の比を計算する(S31)。次いでメモリ89から携帯電話用アダプタ50のレイク受信処理された信号を読み出し(S25)、前記信号を前記(S31)で求めた位相差分だけ時間をずらし、振幅比を乗じて振幅を調整(S32)する。次いでメモリ89から携帯電話のレイク受信処理された信号を読み出し(S33)、前記調整された携帯電話用アダプタ50の信号(S32)と加える(S34)。
【0062】
以上のダイバーシティ処理された信号(S34)を復調して(S35)、例えば音声信号を袖出する。これをD/A変換し(S36)、レシーバに加えることにより音声として出力することができる。信号処理部84は上記処理を所定の周期で繰り返し実行する。
【0063】
以上の図11では携帯電話の信号と、携帯電話用アダプタ50の信号を同じ振幅に調整して加えるとして説明したが、2つの受信機およびアンテナの性能が同一ではないので、総合的に性能の高い側の信号の重みを大きくし、他方の重みを小さくして加えても良い。
【0064】
また、本実施の形態では、CDMA方式の例に沿ってレイク受信処理を行う場合を説明したが、他の方式による信号改善処理で代替可能であり、条件によっては省略できる可能性もある。
【0065】
以上説明の携帯電話用アダプタは、携帯電話と同一周波数範囲で同一方式の無線通信機能を持つ付加機能部品を備えた場合であるが、他の例として携帯電話がアンテナおよび高周波信号送受信部に加えて、GPS方式の測位機能を備えている場合においては、通信携帯電話用アダプタ50の内側に、GPSアンテナおよびGPS信号受信部とからなるGPS付加機能部品を上記実施の形態におけるアンテナ71および高周波信号送受信部に加えて備えることにより、GPS信号受信ダイバーシティ回路を構成でき、GPS信号の受信感度を向上させることができる。その結果、測位精度が向上し、受信信号が減衰する屋内などでも測位可能な範囲が増加する。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、データ通信をする場合に携帯端末に装着して受信電波信号のS/N比を良くすることが可能な携帯端末用アダプタおよび携帯端末を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における携帯電話の使用状態を示す正面斜視図である。
【図2】図1の裏面斜視図であり、筐体の電池収納部を覆う着脱可能な電池フタを装着した図である。
【図3】図1の裏面斜視図であり、筐体の電池収納部を覆う着脱可能なフタの内側に、付加機能部品を取り付けた携帯電話用アダプタを装着した図である。
【図4】本発明の実施の形態における携帯電話が閉じた状態を示す裏面斜視図であって、筐体の電池収納部に入れる電池および電池と電池収納部を覆う電池フタおよび携帯電話用アダプタを取り外した図である。
【図5】電池フタを内側から見た斜視図である。
【図6】図3のVI−VIの線に沿う拡大断面図である。
【図7】図3のVII−VIIの線に沿う断面図である。
【図8】携帯電話用アダプタの実施の形態であり、内側から見た分解斜視図である。
【図9】携帯電話と携帯電話用アダプタの回路構成図である。
【図10】図9における携帯電話の信号処理部における携帯電話用アダプタの有無による送信および受信処理のフローチャートである。
【図11】図10のダイバーシティ受信のフローチャートである。
【符号の説明】
10:第1の筐体、11:表示部、12:レシーバ、20:第2の筐体、21:操作キー、22:アンテナ、23:マイク、24:電池収納部、24a:電池収納部の係止部、25:電池接続コネクタ、26:電話側部品接続コネクタ、30:ヒンジ部、31:カメラ、40:電池フタ、40a:電池フタの係止部、50:携帯電話用アダプタ、51:ホルダ、52:フレキシブル基板、52a:フレキシブル基板の穴、53:アダプタ側部品接続コネクタ、53a:アダプタ側部品接続コネクタの穴、54:ネジ、60:電池、70:付加機能部品、71:アンテナ、72:高周波信号送受信部を有するモジュール、73:デュプレクサ、74:受信回路、75:A/D変換回路、76:D/A変換回路、77:送信回路、81:デュプレクサ、82:受信回路、83:A/D変換回路、84:信号処理部、85:D/A変換回路、86:A/D変換回路、87:D/A変換回路、88:送信回路、89:メモリ。
Claims (5)
- 携帯端末に着脱可能なフタの内側に、アンテナと高周波信号送受信部を取付けてなり、前記携帯端末に装着して前記携帯端末のアンテナと高周波信号送受信部とで、ダイバーシティ送受信を可能とすることを特徴とする携帯端末用アダプタ。
- 請求項1記載の携帯端末用アダプタにおいて、前記アンテナが伸縮可能なホイップアンテナであることを特徴とする携帯端末用アダプタ。
- 請求項1記載の携帯端末用アダプタにおいて、前記アンテナが内蔵アンテナであることを特徴とする携帯端末用アダプタ。
- 請求項1記載の携帯端末用アダプタにおいて、さらにGPSアンテナとGPS信号受信部を取付けてなることを特徴とする携帯端末用アダプタ。
- 送受信の際、携帯端末用アダプタの装着の有無を判定し、有りならば前記携帯端末用アダプタが有するアンテナと高周波信号送受信部とともにダイバーシティ送受信をすることを特徴とする携帯端末。
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