JP2004363669A - 光通信装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】粗追尾の駆動源にステッピングモータを用いた場合でも、ステッピングモータの動作速度を遅くすることなく精追尾動作が可能であると共に、光通信開始後の精追尾動作時間を長くとることができ、光通信を効率よく実施できる追尾誤差の少ない安価な光通信装置を提供する。
【解決手段】相手通信装置から出射される通信光を受光する回動可能な光受信部2と、光受信部2を回動させて通信光を粗追尾する粗追尾部3と、光受信部2で受光された通信光を偏向して精追尾する精追尾部4と、光通信を制御する光通信制御部5と、光通信制御部5からの指令により粗追尾部3および精追尾部4の動作を制御する統合追尾制御部6とを具え、少なくとも光通信の実施時に、精追尾部4による精追尾動作が最も長い時間連続するように、統合追尾制御部6により粗追尾部3および精追尾部4による追尾動作を制御する。
【選択図】 図1
【解決手段】相手通信装置から出射される通信光を受光する回動可能な光受信部2と、光受信部2を回動させて通信光を粗追尾する粗追尾部3と、光受信部2で受光された通信光を偏向して精追尾する精追尾部4と、光通信を制御する光通信制御部5と、光通信制御部5からの指令により粗追尾部3および精追尾部4の動作を制御する統合追尾制御部6とを具え、少なくとも光通信の実施時に、精追尾部4による精追尾動作が最も長い時間連続するように、統合追尾制御部6により粗追尾部3および精追尾部4による追尾動作を制御する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工衛星その他の空間移動体である相手通信装置を追尾して、通信光軸を補正しながら光通信を行う光通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の光通信装置として、例えば図6に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この光通信装置は、相手光を受信する光アンテナ51と、光アンテナ51で受信された光信号の光軸を外部操作量に応じて調整する光学系52と、光学系52からの出力光を比較的広い視野で受光する粗追尾センサ53および比較的狭い視野で受光する精追尾センサ54と、光学系52からの出力光軸を粗追尾センサ53および精追尾センサ54のそれぞれのほぼ中心に導くように光学系52に操作量を入力する追尾制御回路55とを備えている。
【0004】
光アンテナ51は、前面にミラーを備えており、この前面ミラーの向きを外部駆動信号に応じて調整することで、入射光軸の傾きを調整できるようになっている。光学系52は、光アンテナ51からの入力光を2分するビームスプリッタ52aと、光アンテナ51の前面ミラーの傾きを変化させて光学系52への入射光軸の向きを設定する粗追尾機構52bと、外部信号に応じて向きを自在に可変可能な精追尾ミラーを備えビームスプリッタ52aからの分光を所定方向に反射する精追尾機構52cとを有している。粗追尾センサ53および精追尾センサ54は、それぞれ光の入射位置に応じた検出信号を出力する光センサで、光を検出する視野は粗追尾センサ53の方が広く設定されている。
【0005】
また、追尾制御回路55は、粗追尾センサ53への入射光軸が当該センサの中心に来るように光アンテナの向きを制御する粗追尾制御部55aと、精追尾センサ54への入射光軸が当該センサの中心に来るように精追尾機構52cの反射ミラーの向きを制御する精追尾制御部55bと、粗追尾センサ53のほぼ中心に入射光軸を導くための操作量に基づいて精追尾センサ54のほぼ中心に入射光軸を導くための操作量を予測して、その予測操作量を粗追尾センサ53のほぼ中心に入射光軸を導く間に光学系52に入力する入射方向予測演算部55cとを備えている。
【0006】
なお、光アンテナ51の向きは、粗追尾機構角度検出器56で検出されて粗追尾制御部55aにフィードバックされるようになっており、精追尾機構52cの反射ミラーの向きは、精追尾機構角度検出器57で検出されて精追尾制御部55bにフィードバックされるようになっている。
【0007】
図6に示す光通信装置において、光アンテナ51で相手装置から受光した光ビームは、ビームスプリッタ52aで2分され、その一方の光ビームが粗追尾センサ53に入力されて、センサ中心位置から光入射位置に向かうずれベクトル、すなわち光アンテナ51の指向中心(粗追尾センサ53の受光素子の中心)と光ビーム入射方向との成す角(以下、粗追尾誤差角という)が検出される。この粗追尾センサ53で検出される粗追尾誤差角は粗追尾制御部55aに出力され、これにより粗追尾誤差角が0となるように、粗追尾機構52bによって光アンテナ51の前面ミラーの駆動が制御されるようになっている。
【0008】
また、粗追尾センサ53からの出力ベクトル(粗追尾誤差角およびその誤差方向)および粗追尾制御部55aから粗追尾機構52bに出力される制御信号(駆動速度および駆動方向)は、入射方向予測演算部55cにも入力され、ここで入力信号に基づいて粗追尾センサ53の視野内での受信光の動きが予測されると共に、その予測結果から精追尾センサ54において受信光を最短時間で受信させるための精追尾機構52cの精追尾ミラー操作角(リセンタリング角)が算出されて、そのリセンタリング角が精追尾制御部55bに出力される。
【0009】
一方、ビームスプリッタ52で2分された他方の光ビームは、精追尾機構52cを介して精追尾センサ54に入力され、ここで入射光軸のセンサ中心位置からのずれベクトル、すなわち精追尾機構52cに装備された精追尾ミラーの基準位置からの傾き角(以下、精追尾誤差角という)が検出される。この精追尾センサ54で検出される精追尾誤差角は精追尾制御部55bに出力され、これにより相手光の追尾時において、精追尾誤差角が0となるように、精追尾機構52cによって精追尾ミラーの駆動が制御されるようになっている。また、相手光の捕捉時には、入射方向予測演算部55cで算出されたリセンタリング角に基づいて、精追尾センサ54で光を受信するまでの時間が最短になるように、精追尾制御部55bにより精追尾機構52cの駆動が制御されるようになっている。
【0010】
すなわち、図6に示した光通信装置では、図7にフローチャートを示すように、粗追尾センサ53により相手光が受光されると(ステップS51)、その出力である粗追尾誤差角とその誤差方向とを表わすベクトルが、粗追尾制御部55aおよび入射方向予測演算部55cに入力され、これにより粗追尾制御部55aを介して粗追尾誤差角が0、すなわち粗追尾センサ53の中心に入射光軸が位置するように粗追尾機構52bの駆動が制御されると共に、その粗追尾機構52bの制御信号である駆動速度および駆動方向が入射方向予測演算部55cに入力される。
【0011】
これと同時に、入射方向予測演算部55cにおいて、入力信号に基づいて粗追尾センサ53の視野内での受信光の動きが予測され(ステップS52)、さらにその予測結果に基づいて、精追尾センサ54の中心に受信光を最短時間で入射させるための精追尾機構52cの精追尾ミラー操作角(リセンタリング角)が算出される(ステップS53)。
【0012】
この入射方向予測演算部55cで算出されたリセンタリング角は、精追尾制御部55bに入力され、そのリセンタリング角に基づいて精追尾機構52cが駆動されて、精追尾センサ54の視野が粗追尾センサ53の視野中心に近づけられる(ステップS54)。
【0013】
これにより、精追尾センサ54で相手光が受信されたら、その後は、精追尾センサ54で検出される精追尾誤差角に基づいて、その精追尾誤差角が0となるように、すなわち精追尾センサ54の中心に入射光軸が位置するように精追尾機構52cによる追尾制御が行われ、精追尾センサ54で相手光が受信されない場合には、ステップS52からの動作が繰り返し実行される(ステップS55)。
【0014】
このように、図6に示した光通信装置では、入射方向予測演算部55cにより、粗追尾センサ53への入射光軸位置に応じて精追尾センサ54への入射光軸位置を予測し、精追尾センサ54のほぼ中心に入射光軸が位置するように予め精追尾機構52cを駆動制御するので、相手光を受光してから捕捉動作を完了して追尾状態へ移行するまでにかかる時間(捕捉時間)を短縮できることが期待される。しかも、予測操作量による制御を精追尾センサ54に相手光が受光されるまで繰り返し実行するので、より補足時間を短縮できることが期待される。
【0015】
ここで、粗追尾機構52bは、一般に2軸ジンバルを用いて前面ミラーの角度を制御するようにしており、その各軸の駆動源としてステッピングモータを用いることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0016】
一方、衛星等の飛翔体を追尾するアンテナをステッピングモータにより駆動するモータ駆動装置として、一定時間間隔毎に入力されるパルス列をカウントするカウンタのカウント値を、予め設定されるパルスコンペア値と比較し、一致した場合に出力パルスを発生させてステッピングモータを1ステップ駆動させ、パルスコンペア値を計算する際には、漸化式を用いて、直接、カウンタ値を計算するレジスタで、1回のインクリメント操作と1回の除算を行うことにより、等角加速度で目的の速度へ加速、減速させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0017】
【特許文献1】
特開平10−190582号公報
【特許文献2】
特開平5−108159号公報
【特許文献3】
特開平10−327598号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に開示の光通信装置において、粗追尾機構52bをステッピングモータにより通常の駆動方法で駆動すると、その動きは図8(a)に示すように階段状になる。また、精追尾機構52cは、粗追尾機構52bが1ステップ動作する毎に精追尾センサ54が相手光を受光するように制御されるので、その動きは図8(b)に示すように鋸歯波状となる。このため、粗追尾機構52bの動きと精追尾機構52cの動きとを合成した全体の追尾動作は、図8(c)に一部拡大して示すように、ステッピングモータによる粗駆動ステップの加速度によって追尾動作にオーバーシュートが発生することになる。
【0019】
このように、追尾動作にオーバーシュートが発生すると、そのオーバーシュートの部分で、相手通信装置とのリンクが切断されて通信不能となるおそれがあることから、通常は、粗追尾機構52bが駆動を停止しているオーバーシュートのない部分で、精追尾機構52cのみを駆動して相手通信装置と光通信を行うようにしている。
【0020】
しかしながら、特許文献1に開示されているような従来の光通信装置では、精追尾機構52cを構成する精追尾ミラーの回動範囲が、中立位置(0度)から±θとすると、粗追尾機構52bが1ステップ動作する毎に、精追尾ミラーを0度に復帰させ、相手通信装置との追尾制御を実施しているが光通信は実施していないアイドル追尾状態では、0度から追尾方向に応じた所定の閾値θf(<θ)まで回動させて精追尾を行い、θfに達したら粗追尾機構52bを1ステップ動作させて粗追尾を行うと共に、精追尾ミラーを0度に復帰させて精追尾を行う動作を繰り返し実施している。
【0021】
また、追尾制御と光通信とを同時に実施する光通信追尾状態では、精追尾ミラーが0度から追尾方向に最大θ回動する間に、精追尾しながら光通信を実施するようにしている。すなわち、図9に示すように、相手通信装置である飛翔体61が西から東に反時計方向に移動している場合には、粗追尾機構52bが停止している状態で、精追尾制御によって精追尾ミラー52c′が0度から反時計方向に最大θ回動する間に光通信を実施するようにしている。したがって、この従来の制御におけるアイドル追尾状態および光通信追尾状態を含む全体の追尾動作は、図10に示すようになる。
【0022】
このように、従来の光通信装置では、粗追尾機構52bが1ステップ動作する毎に、精追尾ミラーを0度に復帰させるようにしているため、精追尾ミラーの回動範囲が0度から±θの合計2θあっても、光通信追尾状態では最大で半分のθの精追尾角度レンジでしか光通信を実施できない。このため、θの範囲で光通信が終了しない場合には、光通信を一旦中断し、粗追尾機構52bを1ステップ動作させると共に、精追尾ミラーを0度に復帰させてから、光通信を再開する必要がある。
【0023】
このため、光通信に時間がかかることが懸念されると共に、光通信を中断して粗追尾機構52bを1ステップ動作させた際のオーバーシュートによって精追尾誤差が生じることが懸念される。
【0024】
なお、ステッピングモータ駆動によるオーバーシュートの発生を防止するため、ステッピングモータを特許文献3に開示の駆動装置により駆動して、光アンテナ51を回動軸周りに等角加速度で目的の速度へ加速、減速させることもできるが、このようにすると制御回路の構成が複雑かつ高価になると共に、ステッピングモータの動作速度が遅くなって、精追尾誤差が生じることが懸念される。
【0025】
また、滑らかな追尾動作を実現するために、ステッピングモータに代えてDCモータやACモータを用いることも考えられるが、この場合にはモータ自身にクローズドループ等の制御機構を要するため、駆動回路の構成が複雑かつ高価になることが懸念される。
【0026】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、粗追尾の駆動源にステッピングモータを用いた場合でも、ステッピングモータの動作速度を遅くすることなく精追尾動作が可能であると共に、光通信開始後の精追尾動作時間を長くとることができ、光通信を効率よく実施できる追尾誤差の少ない安価な光通信装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る光通信装置の発明は、架台に対して回動自在に支持され、相手通信装置から出射される通信光を受光する光受信部と、
前記光受信部を回動させて前記相手通信装置からの通信光を比較的広い追尾角度レンジ内で粗追尾する粗追尾部と、
前記光受信部で受光された通信光を比較的狭い追尾角度レンジ内で偏向して精追尾する精追尾部と、
前記相手通信装置との光通信を制御する光通信制御部と、
前記光通信制御部からの指令信号を受けて、前記粗追尾部および前記精追尾部の動作を制御する統合追尾制御部とを具え、
少なくとも前記相手通信装置との光通信の実施時に、前記精追尾部による精追尾動作が最も長い時間連続するように、前記統合追尾制御部により前記粗追尾部および前記精追尾部による追尾動作を制御して、前記相手通信装置の通信光軸を補正しながら光通信を行うよう構成したことを特徴とするものである。
【0028】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の光通信装置において、前記粗追尾部は、
前記光受信部を回動させるモータ駆動部と、
前記光受信部で受光された通信光の受光位置を検出する粗追尾センサと、
前記粗追尾センサの出力に基づいて前記モータ駆動部による前記光受信部の回動を制御する粗追尾制御部とを有することを特徴とするものである。
【0029】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の光通信装置において、前記モータ駆動部は、駆動源としてのステッピングモータを有することを特徴とするものである。
【0030】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光通信装置において、前記精追尾部は、
前記光受信部で受光された通信光を偏向する回動可能なガルバノミラーと、
前記ガルバノミラーで偏向された通信光を2方向に分離するビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタで分離された一方の通信光を受光して前記光通信制御部へ導光する光通信受光部と、
前記ビームスプリッタで分離された他方の通信光を受光して、前記一方の通信光が前記光通信受光部に入射する基準受光位置からのずれを検出する精追尾センサと、
前記精追尾センサの出力に基づいて、通信光が前記精追尾センサの基準受光位置に入射するように前記ガルバノミラーの回動を制御する精追尾制御部とを有することを特徴とするものである。
【0031】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の光通信装置において、前記統合追尾制御部には、前記ガルバノミラーの回動範囲内において2つの角度閾値を設定し、これら角度閾値に基づいて前記精追尾制御部による前記ガルバノミラーの回動を制御するよう構成したことを特徴とするものである。
【0032】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の光通信装置において、前記角度閾値は、前記光通信制御部から与えられる前記相手通信装置の移動情報または過去の追尾履歴から予測される移動方向に基づいて設定することを特徴とするものである。
【0033】
請求項7に係る発明は、請求項5または6に記載の光通信装置において、前記光通信制御部は、前記統合追尾制御部に対して前記相手通信装置との光通信の未実施時に、前記相手通信装置からの通信光のみを追尾するアイドル追尾指令を与えるよう構成したことを特徴とするものである。
【0034】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の光通信装置において、前記アイドル追尾指令によるアイドル追尾状態では、前記角度閾値に基づいて前記統合追尾制御部により前記粗追尾部および前記精追尾部の動作を制御するよう構成したことを特徴とするものである。
【0035】
請求項9に係る発明は、請求項7または8に記載の光通信装置において、前記統合追尾制御部は、前記アイドル追尾時に、前記精追尾部に対して前記ガルバノミラーによる精追尾開始角度のオフセット指令を与えるよう構成したことを特徴とするものである。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による光通信装置の実施の形態について、図1〜図5を参照して説明する。
【0037】
図1は本発明の実施の形態による光通信装置の概略構成を示す図、図2は詳細な構成を示すブロック図、図3および図4はそれぞれ動作を説明するための図、図3は同じく動作を説明するフローチャートである。
【0038】
図1に示すように、本実施の形態の光通信装置は、図示しない相手通信装置から出射される通信光を受光するように架台1に対して回動自在に支持された光受信部を構成する光アンテナ2と、この光アンテナ2を回動させて相手通信装置からの通信光を比較的広い追尾角度レンジ内で追尾する粗追尾部3と、光アンテナ2で受光された通信光を比較的狭い追尾角度レンジ内で偏向して追尾する精追尾部4と、相手通信装置の追尾および光通信を制御する光通信制御部5と、この光通信制御部5からの指令信号を受けて粗追尾部3および精追尾部4の動作を制御する統合追尾制御部6とを有している。なお、光アンテナ2は、例えば架台1に垂直な軸およびそれと直交する軸を中心に回動可能な2軸ジンバルを用いて、架台1に対して2次元方向に回動可能に支持し、各軸をステッピングモータ(図示せず)により駆動するようにする。
【0039】
図2に示すように、粗追尾部3は、光アンテナ2の各軸を駆動するステッピングモータを有するモータ駆動部7と、光アンテナ2で受光された相手通信装置からの通信光を2分するビームスプリッタ8と、このビームスプリッタ8で2分された一方の通信光を受光してその2次元方向の受光位置を検出する粗追尾センサ9と、統合追尾制御部6からの指令により粗追尾センサ9の出力に基づいてモータ駆動部7による光アンテナ2の回動を制御する粗追尾制御部10とを有している。
【0040】
また、精追尾部4は、粗追尾部3のビームスプリッタ8で2分された他方の通信光を偏向する2次元方向に回動可能なガルバノミラー11と、このガルバノミラー11で偏向された通信光を2分するビームスプリッタ12と、このビームスプリッタ12で2分された一方の通信光を受光する光通信受光部13と、ビームスプリッタ12で2分された他方の通信光を受光して、一方の通信光が光通信受光部13に入射する基準受光位置からの2次元方向のずれを検出する精追尾センサ14と、統合追尾制御部6からの指令により精追尾センサ14の出力に基づいてガルバノミラー11の回動を制御する精追尾制御部15とを有している。なお、光通信受光部13で受光された通信光は、例えば光ファイバ16を介して光通信制御部5に導光する。また、ガルバノミラー11には、その回動角を検出する角度センサ17を設け、この角度センサ17で検出された回動角を統合追尾制御部6に供給すると共に、精追尾制御部15に供給して精追尾制御部15によるガルバノミラー11の駆動をフィードバック制御するようにする。
【0041】
本実施の形態では、精追尾部4のガルバノミラー11の回動範囲が、中立位置(0度)から±θ度とすると、相手通信装置の追尾制御は実施しているが光通信は実施していないアイドル追尾状態では、粗追尾部3のモータ駆動部7により光アンテナ2を1ステップ動作させて粗追尾を行うと同時に、ガルバノミラー11を追尾方向とは反対方向に最大傾きまで回動させ、その状態からガルバノミラー11を追尾方向に第1の角度閾値α1まで回動させて精追尾を行い、回動角がα1に達したら再び光アンテナ2を追尾方向に1ステップ動作させて粗追尾を行うと同時に、ガルバノミラー11を追尾方向とは反対方向に最大傾きまで回動させて精追尾を開始する動作を繰り返し実施する。ここで、第1の角度閾値α1は、ガルバノミラー11を追尾方向とは反対方向に最大に傾けた状態から、少なくとも粗追尾部3の角度分解能以上の量だけ内側(追尾方向側)に入った位置の角度、例えばガルバノミラー11が中立位置あるいはその近傍に位置する角度として、予め統合追尾制御部6に記憶しておく。
【0042】
また、追尾制御と光通信とを同時に実施する光通信追尾状態では、光アンテナ2が停止している状態で、ガルバノミラー11が追尾方向とは反対方向に最大傾きまで回動した状態から、追尾方向に第2の角度閾値α2まで回動する間に、精追尾しながら光通信を実施する。ここで、第2の角度閾値α2は、ガルバノミラー11が追尾方向とは反対方向に最大傾きまで回動した状態から、例えば追尾方向に最大傾きまで回動したときの角度である+2θまたは−2θ、あるいはその近傍の角度とし、第1の角度閾値α1と同様に予め統合追尾制御部5に記憶しておく。
【0043】
すなわち、図3に示すように、相手通信装置である飛翔体31が西から東に反時計方向(+方向)に移動している場合には、光アンテナ2を粗追尾部3により+方向に1ステップ(例えば、+θ)回動させて粗追尾すると同時に、ガルバノミラー11を追尾方向とは反対方向に−θ回動させ、その状態からガルバノミラー11が精追尾によって+方向の第2の角度閾値α2まで回動する間に光通信を実施する。したがって、この光通信追尾状態におけるガルバノミラー11による精追尾角度レンジは、最大2θとなり、前述した従来例の場合の2倍となる。なお、図4は、本実施の形態による前述したアイドル追尾状態および光通信追尾状態を含む全体の追尾動作を示している。
【0044】
なお、第1の角度閾値α1および第2の角度閾値α2は、例えば光通信制御部5から与えられる相手通信装置の移動情報または過去の追尾履歴から予測される移動方向に基づいて設定する。
【0045】
このように、本実施の形態では、少なくとも相手通信装置との光通信の実施時すなわち光通信追尾状態では、精追尾部4のガルバノミラー11による精追尾動作が最も長い時間連続するように、統合追尾制御部6により粗追尾部3および精追尾部4の動作を制御して、相手通信装置の通信光軸を補正しながら光通信を実施する。
【0046】
以下、本実施の形態の光通信装置による追尾制御について、図5に示すフローチャートを参照しながら、さらに詳細に説明する。なお、以下の説明では、図3に示したように飛翔体31が西から東に反時計方向(+方向)に移動するものとする。
【0047】
先ず、統合追尾制御部6は、光通信制御部5からの通信開始コマンドの受信の有無を監視し(ステップS1)、通信開始コマンドがない場合すなわちアイドル追尾状態の場合には、精追尾部4の角度センサ17で検出されるガルバノミラー11の角度信号と光通信制御部5に記憶されている第1の角度閾値α1とを比較して、ガルバノミラー11の角度が第1の角度閾値α1を超えているか否かを監視し(ステップS2)、超えている場合すなわちガルバノミラー11の角度が第1の角度閾値α1よりも内側(+側)に入っている場合には、ガルバノミラー11の角度が第1の角度閾値α1よりも外側(−側)に戻るように、粗追尾部3のモータ駆動部7により光アンテナ2を追尾方向(+方向)に回動させて(ステップS3)、ステップS2に戻る。
【0048】
ステップS2において、ガルバノミラー11の角度が第1の角度閾値α1よりも外側にあることが確認されたら、光通信制御部5から与えられる最適待機状態情報を受信して(ステップS4)、光アンテナ2およびガルバノミラー11の追尾系の角度が最適待機状態となっているか否かを判定し(ステップS5)、最適待機状態になっていない場合には、最適待機状態となるように光アンテナ2およびガルバノミラー11を駆動して(ステップS6)、ステップS5に戻り、最適待機状態になっている場合にはステップS1に戻ることで、光アンテナ2およびガルバノミラー11を、ステップS1において通信開始コマンドを受信するまで、最適待機状態に制御する。
【0049】
ここで、最適待機状態とは、例えば、粗追尾センサ9が矩形の場合、飛翔体31の移動軌跡が当該センサ9の受光面対角線上の端から端を移動する状態で、且つ通信が開始されたときに、ガルバノミラー11のみで連続して追尾できる時間が最長になると予測される状態であり、より具体的には、図3に示したように飛翔体31が+方向に移動している場合には、光アンテナ2が飛翔体31に正対し、かつガルバノミラー11が中立位置にある状態から、光アンテナ2の向きを+方向にθ、ガルバノミラー11を−方向にθオフセットさせた状態である。
【0050】
一方、ステップS1において、統合追尾制御部6が光通信制御部5からの通信開始コマンドを受信したら、統合追尾制御部6は、粗追尾制御部10および精追尾制御部15に対してアイドル追尾制御中止指令を発信すると同時に、精追尾制御部15に対して光通信追尾制御の指令を発信する。これにより、粗追尾動作は停止され、精追尾動作のみで光通信追尾制御が実施される。
【0051】
この光通信追尾状態では、統合追尾制御部6において、精追尾部4の角度センサ17で検出されるガルバノミラー11の角度信号と光通信制御部5に記憶されている第2の角度閾値α2とを比較して、ガルバノミラー11の角度が第2の角度閾値α2を超えているか否かを監視し(ステップS7)、超えていない場合には光通信制御部5からの通信終了コマンドを受信するまで精追尾を実行しながら光通信を実施し(ステップS8)、通信終了コマンドを受信したら粗追尾部3も含めてアイドル追尾状態に切り替えて、光通信制御部5からの新たな指令を待つ(ステップS9)。
【0052】
また、ステップS7において、ガルバノミラー11の角度が第2の角度閾値α2を超えた場合には、光通信制御部5にその旨を伝えると同時に、粗追尾部3も含めてアイドル追尾状態に切り替えて、光通信制御部5からの新たな指令を待つ(ステップS10)。
【0053】
このように、本実施の形態によれば、粗追尾の駆動源にステッピングモータを用いる安価な構成で、光通信追尾状態ではステッピングモータを停止した状態で、ガルバノミラー11による精追尾角度レンジを、従来例の場合と比較して2倍の最大2θとすることができるので、ステッピングモータの駆動に基づく追尾誤差を生じることなく、光通信を効率よく実施することができる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。アイドル追尾制御および光通信追尾制御は、光通信制御部5からの指令によらず、過去の相手通信装置との追尾制御履歴を記憶装置に記憶し、相手通信装置の移動速度および移動方向が同じ場合には、記憶装置に記憶されている追尾制御情報を読み出して、相手通信装置を簡単に追尾制御することもできる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくとも相手通信装置との光通信の実施時に、精追尾部による精追尾動作が最も長い時間連続するように、統合追尾制御部により精追尾部および粗追尾部による追尾動作を制御するようにしたので、粗追尾の駆動源にステッピングモータを用いた場合でも、ステッピングモータの動作速度を遅くすることなく、それを停止した状態で精追尾動作が可能となる。したがって、安価な構成で、追尾誤差が少なく、かつ効率よく光通信を実施できる光通信装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による光通信装置の概略構成を示す図である。
【図2】同じく、詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】同じく、動作を説明するための図である。
【図4】同じく、動作を説明するための図である。
【図5】同じく、動作を説明するフローチャートである。
【図6】従来の光通信装置の構成を示す図である。
【図7】図6に示す光通信装置の動作を説明するフローチャートである。
【図8】同じく、動作を説明するための図である。
【図9】同じく、動作を説明するための図である。
【図10】同じく、動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 架台
2 光アンテナ(光受信部)
3 粗追尾部
4 精追尾部
5 光通信制御部
6 統合追尾制御部
7 モータ駆動部
8 ビームスプリッタ
9 粗追尾センサ
10 粗追尾制御部
11 ガルバノミラー
12 ビームスプリッタ
13 光通信受光部
14 精追尾センサ
15 精追尾制御部
16 光ファイバ
17 角度センサ
31 飛翔体(相手通信装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は、人工衛星その他の空間移動体である相手通信装置を追尾して、通信光軸を補正しながら光通信を行う光通信装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の光通信装置として、例えば図6に示すようなものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この光通信装置は、相手光を受信する光アンテナ51と、光アンテナ51で受信された光信号の光軸を外部操作量に応じて調整する光学系52と、光学系52からの出力光を比較的広い視野で受光する粗追尾センサ53および比較的狭い視野で受光する精追尾センサ54と、光学系52からの出力光軸を粗追尾センサ53および精追尾センサ54のそれぞれのほぼ中心に導くように光学系52に操作量を入力する追尾制御回路55とを備えている。
【0004】
光アンテナ51は、前面にミラーを備えており、この前面ミラーの向きを外部駆動信号に応じて調整することで、入射光軸の傾きを調整できるようになっている。光学系52は、光アンテナ51からの入力光を2分するビームスプリッタ52aと、光アンテナ51の前面ミラーの傾きを変化させて光学系52への入射光軸の向きを設定する粗追尾機構52bと、外部信号に応じて向きを自在に可変可能な精追尾ミラーを備えビームスプリッタ52aからの分光を所定方向に反射する精追尾機構52cとを有している。粗追尾センサ53および精追尾センサ54は、それぞれ光の入射位置に応じた検出信号を出力する光センサで、光を検出する視野は粗追尾センサ53の方が広く設定されている。
【0005】
また、追尾制御回路55は、粗追尾センサ53への入射光軸が当該センサの中心に来るように光アンテナの向きを制御する粗追尾制御部55aと、精追尾センサ54への入射光軸が当該センサの中心に来るように精追尾機構52cの反射ミラーの向きを制御する精追尾制御部55bと、粗追尾センサ53のほぼ中心に入射光軸を導くための操作量に基づいて精追尾センサ54のほぼ中心に入射光軸を導くための操作量を予測して、その予測操作量を粗追尾センサ53のほぼ中心に入射光軸を導く間に光学系52に入力する入射方向予測演算部55cとを備えている。
【0006】
なお、光アンテナ51の向きは、粗追尾機構角度検出器56で検出されて粗追尾制御部55aにフィードバックされるようになっており、精追尾機構52cの反射ミラーの向きは、精追尾機構角度検出器57で検出されて精追尾制御部55bにフィードバックされるようになっている。
【0007】
図6に示す光通信装置において、光アンテナ51で相手装置から受光した光ビームは、ビームスプリッタ52aで2分され、その一方の光ビームが粗追尾センサ53に入力されて、センサ中心位置から光入射位置に向かうずれベクトル、すなわち光アンテナ51の指向中心(粗追尾センサ53の受光素子の中心)と光ビーム入射方向との成す角(以下、粗追尾誤差角という)が検出される。この粗追尾センサ53で検出される粗追尾誤差角は粗追尾制御部55aに出力され、これにより粗追尾誤差角が0となるように、粗追尾機構52bによって光アンテナ51の前面ミラーの駆動が制御されるようになっている。
【0008】
また、粗追尾センサ53からの出力ベクトル(粗追尾誤差角およびその誤差方向)および粗追尾制御部55aから粗追尾機構52bに出力される制御信号(駆動速度および駆動方向)は、入射方向予測演算部55cにも入力され、ここで入力信号に基づいて粗追尾センサ53の視野内での受信光の動きが予測されると共に、その予測結果から精追尾センサ54において受信光を最短時間で受信させるための精追尾機構52cの精追尾ミラー操作角(リセンタリング角)が算出されて、そのリセンタリング角が精追尾制御部55bに出力される。
【0009】
一方、ビームスプリッタ52で2分された他方の光ビームは、精追尾機構52cを介して精追尾センサ54に入力され、ここで入射光軸のセンサ中心位置からのずれベクトル、すなわち精追尾機構52cに装備された精追尾ミラーの基準位置からの傾き角(以下、精追尾誤差角という)が検出される。この精追尾センサ54で検出される精追尾誤差角は精追尾制御部55bに出力され、これにより相手光の追尾時において、精追尾誤差角が0となるように、精追尾機構52cによって精追尾ミラーの駆動が制御されるようになっている。また、相手光の捕捉時には、入射方向予測演算部55cで算出されたリセンタリング角に基づいて、精追尾センサ54で光を受信するまでの時間が最短になるように、精追尾制御部55bにより精追尾機構52cの駆動が制御されるようになっている。
【0010】
すなわち、図6に示した光通信装置では、図7にフローチャートを示すように、粗追尾センサ53により相手光が受光されると(ステップS51)、その出力である粗追尾誤差角とその誤差方向とを表わすベクトルが、粗追尾制御部55aおよび入射方向予測演算部55cに入力され、これにより粗追尾制御部55aを介して粗追尾誤差角が0、すなわち粗追尾センサ53の中心に入射光軸が位置するように粗追尾機構52bの駆動が制御されると共に、その粗追尾機構52bの制御信号である駆動速度および駆動方向が入射方向予測演算部55cに入力される。
【0011】
これと同時に、入射方向予測演算部55cにおいて、入力信号に基づいて粗追尾センサ53の視野内での受信光の動きが予測され(ステップS52)、さらにその予測結果に基づいて、精追尾センサ54の中心に受信光を最短時間で入射させるための精追尾機構52cの精追尾ミラー操作角(リセンタリング角)が算出される(ステップS53)。
【0012】
この入射方向予測演算部55cで算出されたリセンタリング角は、精追尾制御部55bに入力され、そのリセンタリング角に基づいて精追尾機構52cが駆動されて、精追尾センサ54の視野が粗追尾センサ53の視野中心に近づけられる(ステップS54)。
【0013】
これにより、精追尾センサ54で相手光が受信されたら、その後は、精追尾センサ54で検出される精追尾誤差角に基づいて、その精追尾誤差角が0となるように、すなわち精追尾センサ54の中心に入射光軸が位置するように精追尾機構52cによる追尾制御が行われ、精追尾センサ54で相手光が受信されない場合には、ステップS52からの動作が繰り返し実行される(ステップS55)。
【0014】
このように、図6に示した光通信装置では、入射方向予測演算部55cにより、粗追尾センサ53への入射光軸位置に応じて精追尾センサ54への入射光軸位置を予測し、精追尾センサ54のほぼ中心に入射光軸が位置するように予め精追尾機構52cを駆動制御するので、相手光を受光してから捕捉動作を完了して追尾状態へ移行するまでにかかる時間(捕捉時間)を短縮できることが期待される。しかも、予測操作量による制御を精追尾センサ54に相手光が受光されるまで繰り返し実行するので、より補足時間を短縮できることが期待される。
【0015】
ここで、粗追尾機構52bは、一般に2軸ジンバルを用いて前面ミラーの角度を制御するようにしており、その各軸の駆動源としてステッピングモータを用いることが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0016】
一方、衛星等の飛翔体を追尾するアンテナをステッピングモータにより駆動するモータ駆動装置として、一定時間間隔毎に入力されるパルス列をカウントするカウンタのカウント値を、予め設定されるパルスコンペア値と比較し、一致した場合に出力パルスを発生させてステッピングモータを1ステップ駆動させ、パルスコンペア値を計算する際には、漸化式を用いて、直接、カウンタ値を計算するレジスタで、1回のインクリメント操作と1回の除算を行うことにより、等角加速度で目的の速度へ加速、減速させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0017】
【特許文献1】
特開平10−190582号公報
【特許文献2】
特開平5−108159号公報
【特許文献3】
特開平10−327598号公報
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許文献1に開示の光通信装置において、粗追尾機構52bをステッピングモータにより通常の駆動方法で駆動すると、その動きは図8(a)に示すように階段状になる。また、精追尾機構52cは、粗追尾機構52bが1ステップ動作する毎に精追尾センサ54が相手光を受光するように制御されるので、その動きは図8(b)に示すように鋸歯波状となる。このため、粗追尾機構52bの動きと精追尾機構52cの動きとを合成した全体の追尾動作は、図8(c)に一部拡大して示すように、ステッピングモータによる粗駆動ステップの加速度によって追尾動作にオーバーシュートが発生することになる。
【0019】
このように、追尾動作にオーバーシュートが発生すると、そのオーバーシュートの部分で、相手通信装置とのリンクが切断されて通信不能となるおそれがあることから、通常は、粗追尾機構52bが駆動を停止しているオーバーシュートのない部分で、精追尾機構52cのみを駆動して相手通信装置と光通信を行うようにしている。
【0020】
しかしながら、特許文献1に開示されているような従来の光通信装置では、精追尾機構52cを構成する精追尾ミラーの回動範囲が、中立位置(0度)から±θとすると、粗追尾機構52bが1ステップ動作する毎に、精追尾ミラーを0度に復帰させ、相手通信装置との追尾制御を実施しているが光通信は実施していないアイドル追尾状態では、0度から追尾方向に応じた所定の閾値θf(<θ)まで回動させて精追尾を行い、θfに達したら粗追尾機構52bを1ステップ動作させて粗追尾を行うと共に、精追尾ミラーを0度に復帰させて精追尾を行う動作を繰り返し実施している。
【0021】
また、追尾制御と光通信とを同時に実施する光通信追尾状態では、精追尾ミラーが0度から追尾方向に最大θ回動する間に、精追尾しながら光通信を実施するようにしている。すなわち、図9に示すように、相手通信装置である飛翔体61が西から東に反時計方向に移動している場合には、粗追尾機構52bが停止している状態で、精追尾制御によって精追尾ミラー52c′が0度から反時計方向に最大θ回動する間に光通信を実施するようにしている。したがって、この従来の制御におけるアイドル追尾状態および光通信追尾状態を含む全体の追尾動作は、図10に示すようになる。
【0022】
このように、従来の光通信装置では、粗追尾機構52bが1ステップ動作する毎に、精追尾ミラーを0度に復帰させるようにしているため、精追尾ミラーの回動範囲が0度から±θの合計2θあっても、光通信追尾状態では最大で半分のθの精追尾角度レンジでしか光通信を実施できない。このため、θの範囲で光通信が終了しない場合には、光通信を一旦中断し、粗追尾機構52bを1ステップ動作させると共に、精追尾ミラーを0度に復帰させてから、光通信を再開する必要がある。
【0023】
このため、光通信に時間がかかることが懸念されると共に、光通信を中断して粗追尾機構52bを1ステップ動作させた際のオーバーシュートによって精追尾誤差が生じることが懸念される。
【0024】
なお、ステッピングモータ駆動によるオーバーシュートの発生を防止するため、ステッピングモータを特許文献3に開示の駆動装置により駆動して、光アンテナ51を回動軸周りに等角加速度で目的の速度へ加速、減速させることもできるが、このようにすると制御回路の構成が複雑かつ高価になると共に、ステッピングモータの動作速度が遅くなって、精追尾誤差が生じることが懸念される。
【0025】
また、滑らかな追尾動作を実現するために、ステッピングモータに代えてDCモータやACモータを用いることも考えられるが、この場合にはモータ自身にクローズドループ等の制御機構を要するため、駆動回路の構成が複雑かつ高価になることが懸念される。
【0026】
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の目的は、粗追尾の駆動源にステッピングモータを用いた場合でも、ステッピングモータの動作速度を遅くすることなく精追尾動作が可能であると共に、光通信開始後の精追尾動作時間を長くとることができ、光通信を効率よく実施できる追尾誤差の少ない安価な光通信装置を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に係る光通信装置の発明は、架台に対して回動自在に支持され、相手通信装置から出射される通信光を受光する光受信部と、
前記光受信部を回動させて前記相手通信装置からの通信光を比較的広い追尾角度レンジ内で粗追尾する粗追尾部と、
前記光受信部で受光された通信光を比較的狭い追尾角度レンジ内で偏向して精追尾する精追尾部と、
前記相手通信装置との光通信を制御する光通信制御部と、
前記光通信制御部からの指令信号を受けて、前記粗追尾部および前記精追尾部の動作を制御する統合追尾制御部とを具え、
少なくとも前記相手通信装置との光通信の実施時に、前記精追尾部による精追尾動作が最も長い時間連続するように、前記統合追尾制御部により前記粗追尾部および前記精追尾部による追尾動作を制御して、前記相手通信装置の通信光軸を補正しながら光通信を行うよう構成したことを特徴とするものである。
【0028】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の光通信装置において、前記粗追尾部は、
前記光受信部を回動させるモータ駆動部と、
前記光受信部で受光された通信光の受光位置を検出する粗追尾センサと、
前記粗追尾センサの出力に基づいて前記モータ駆動部による前記光受信部の回動を制御する粗追尾制御部とを有することを特徴とするものである。
【0029】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の光通信装置において、前記モータ駆動部は、駆動源としてのステッピングモータを有することを特徴とするものである。
【0030】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光通信装置において、前記精追尾部は、
前記光受信部で受光された通信光を偏向する回動可能なガルバノミラーと、
前記ガルバノミラーで偏向された通信光を2方向に分離するビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタで分離された一方の通信光を受光して前記光通信制御部へ導光する光通信受光部と、
前記ビームスプリッタで分離された他方の通信光を受光して、前記一方の通信光が前記光通信受光部に入射する基準受光位置からのずれを検出する精追尾センサと、
前記精追尾センサの出力に基づいて、通信光が前記精追尾センサの基準受光位置に入射するように前記ガルバノミラーの回動を制御する精追尾制御部とを有することを特徴とするものである。
【0031】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載の光通信装置において、前記統合追尾制御部には、前記ガルバノミラーの回動範囲内において2つの角度閾値を設定し、これら角度閾値に基づいて前記精追尾制御部による前記ガルバノミラーの回動を制御するよう構成したことを特徴とするものである。
【0032】
請求項6に係る発明は、請求項5に記載の光通信装置において、前記角度閾値は、前記光通信制御部から与えられる前記相手通信装置の移動情報または過去の追尾履歴から予測される移動方向に基づいて設定することを特徴とするものである。
【0033】
請求項7に係る発明は、請求項5または6に記載の光通信装置において、前記光通信制御部は、前記統合追尾制御部に対して前記相手通信装置との光通信の未実施時に、前記相手通信装置からの通信光のみを追尾するアイドル追尾指令を与えるよう構成したことを特徴とするものである。
【0034】
請求項8に係る発明は、請求項7に記載の光通信装置において、前記アイドル追尾指令によるアイドル追尾状態では、前記角度閾値に基づいて前記統合追尾制御部により前記粗追尾部および前記精追尾部の動作を制御するよう構成したことを特徴とするものである。
【0035】
請求項9に係る発明は、請求項7または8に記載の光通信装置において、前記統合追尾制御部は、前記アイドル追尾時に、前記精追尾部に対して前記ガルバノミラーによる精追尾開始角度のオフセット指令を与えるよう構成したことを特徴とするものである。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による光通信装置の実施の形態について、図1〜図5を参照して説明する。
【0037】
図1は本発明の実施の形態による光通信装置の概略構成を示す図、図2は詳細な構成を示すブロック図、図3および図4はそれぞれ動作を説明するための図、図3は同じく動作を説明するフローチャートである。
【0038】
図1に示すように、本実施の形態の光通信装置は、図示しない相手通信装置から出射される通信光を受光するように架台1に対して回動自在に支持された光受信部を構成する光アンテナ2と、この光アンテナ2を回動させて相手通信装置からの通信光を比較的広い追尾角度レンジ内で追尾する粗追尾部3と、光アンテナ2で受光された通信光を比較的狭い追尾角度レンジ内で偏向して追尾する精追尾部4と、相手通信装置の追尾および光通信を制御する光通信制御部5と、この光通信制御部5からの指令信号を受けて粗追尾部3および精追尾部4の動作を制御する統合追尾制御部6とを有している。なお、光アンテナ2は、例えば架台1に垂直な軸およびそれと直交する軸を中心に回動可能な2軸ジンバルを用いて、架台1に対して2次元方向に回動可能に支持し、各軸をステッピングモータ(図示せず)により駆動するようにする。
【0039】
図2に示すように、粗追尾部3は、光アンテナ2の各軸を駆動するステッピングモータを有するモータ駆動部7と、光アンテナ2で受光された相手通信装置からの通信光を2分するビームスプリッタ8と、このビームスプリッタ8で2分された一方の通信光を受光してその2次元方向の受光位置を検出する粗追尾センサ9と、統合追尾制御部6からの指令により粗追尾センサ9の出力に基づいてモータ駆動部7による光アンテナ2の回動を制御する粗追尾制御部10とを有している。
【0040】
また、精追尾部4は、粗追尾部3のビームスプリッタ8で2分された他方の通信光を偏向する2次元方向に回動可能なガルバノミラー11と、このガルバノミラー11で偏向された通信光を2分するビームスプリッタ12と、このビームスプリッタ12で2分された一方の通信光を受光する光通信受光部13と、ビームスプリッタ12で2分された他方の通信光を受光して、一方の通信光が光通信受光部13に入射する基準受光位置からの2次元方向のずれを検出する精追尾センサ14と、統合追尾制御部6からの指令により精追尾センサ14の出力に基づいてガルバノミラー11の回動を制御する精追尾制御部15とを有している。なお、光通信受光部13で受光された通信光は、例えば光ファイバ16を介して光通信制御部5に導光する。また、ガルバノミラー11には、その回動角を検出する角度センサ17を設け、この角度センサ17で検出された回動角を統合追尾制御部6に供給すると共に、精追尾制御部15に供給して精追尾制御部15によるガルバノミラー11の駆動をフィードバック制御するようにする。
【0041】
本実施の形態では、精追尾部4のガルバノミラー11の回動範囲が、中立位置(0度)から±θ度とすると、相手通信装置の追尾制御は実施しているが光通信は実施していないアイドル追尾状態では、粗追尾部3のモータ駆動部7により光アンテナ2を1ステップ動作させて粗追尾を行うと同時に、ガルバノミラー11を追尾方向とは反対方向に最大傾きまで回動させ、その状態からガルバノミラー11を追尾方向に第1の角度閾値α1まで回動させて精追尾を行い、回動角がα1に達したら再び光アンテナ2を追尾方向に1ステップ動作させて粗追尾を行うと同時に、ガルバノミラー11を追尾方向とは反対方向に最大傾きまで回動させて精追尾を開始する動作を繰り返し実施する。ここで、第1の角度閾値α1は、ガルバノミラー11を追尾方向とは反対方向に最大に傾けた状態から、少なくとも粗追尾部3の角度分解能以上の量だけ内側(追尾方向側)に入った位置の角度、例えばガルバノミラー11が中立位置あるいはその近傍に位置する角度として、予め統合追尾制御部6に記憶しておく。
【0042】
また、追尾制御と光通信とを同時に実施する光通信追尾状態では、光アンテナ2が停止している状態で、ガルバノミラー11が追尾方向とは反対方向に最大傾きまで回動した状態から、追尾方向に第2の角度閾値α2まで回動する間に、精追尾しながら光通信を実施する。ここで、第2の角度閾値α2は、ガルバノミラー11が追尾方向とは反対方向に最大傾きまで回動した状態から、例えば追尾方向に最大傾きまで回動したときの角度である+2θまたは−2θ、あるいはその近傍の角度とし、第1の角度閾値α1と同様に予め統合追尾制御部5に記憶しておく。
【0043】
すなわち、図3に示すように、相手通信装置である飛翔体31が西から東に反時計方向(+方向)に移動している場合には、光アンテナ2を粗追尾部3により+方向に1ステップ(例えば、+θ)回動させて粗追尾すると同時に、ガルバノミラー11を追尾方向とは反対方向に−θ回動させ、その状態からガルバノミラー11が精追尾によって+方向の第2の角度閾値α2まで回動する間に光通信を実施する。したがって、この光通信追尾状態におけるガルバノミラー11による精追尾角度レンジは、最大2θとなり、前述した従来例の場合の2倍となる。なお、図4は、本実施の形態による前述したアイドル追尾状態および光通信追尾状態を含む全体の追尾動作を示している。
【0044】
なお、第1の角度閾値α1および第2の角度閾値α2は、例えば光通信制御部5から与えられる相手通信装置の移動情報または過去の追尾履歴から予測される移動方向に基づいて設定する。
【0045】
このように、本実施の形態では、少なくとも相手通信装置との光通信の実施時すなわち光通信追尾状態では、精追尾部4のガルバノミラー11による精追尾動作が最も長い時間連続するように、統合追尾制御部6により粗追尾部3および精追尾部4の動作を制御して、相手通信装置の通信光軸を補正しながら光通信を実施する。
【0046】
以下、本実施の形態の光通信装置による追尾制御について、図5に示すフローチャートを参照しながら、さらに詳細に説明する。なお、以下の説明では、図3に示したように飛翔体31が西から東に反時計方向(+方向)に移動するものとする。
【0047】
先ず、統合追尾制御部6は、光通信制御部5からの通信開始コマンドの受信の有無を監視し(ステップS1)、通信開始コマンドがない場合すなわちアイドル追尾状態の場合には、精追尾部4の角度センサ17で検出されるガルバノミラー11の角度信号と光通信制御部5に記憶されている第1の角度閾値α1とを比較して、ガルバノミラー11の角度が第1の角度閾値α1を超えているか否かを監視し(ステップS2)、超えている場合すなわちガルバノミラー11の角度が第1の角度閾値α1よりも内側(+側)に入っている場合には、ガルバノミラー11の角度が第1の角度閾値α1よりも外側(−側)に戻るように、粗追尾部3のモータ駆動部7により光アンテナ2を追尾方向(+方向)に回動させて(ステップS3)、ステップS2に戻る。
【0048】
ステップS2において、ガルバノミラー11の角度が第1の角度閾値α1よりも外側にあることが確認されたら、光通信制御部5から与えられる最適待機状態情報を受信して(ステップS4)、光アンテナ2およびガルバノミラー11の追尾系の角度が最適待機状態となっているか否かを判定し(ステップS5)、最適待機状態になっていない場合には、最適待機状態となるように光アンテナ2およびガルバノミラー11を駆動して(ステップS6)、ステップS5に戻り、最適待機状態になっている場合にはステップS1に戻ることで、光アンテナ2およびガルバノミラー11を、ステップS1において通信開始コマンドを受信するまで、最適待機状態に制御する。
【0049】
ここで、最適待機状態とは、例えば、粗追尾センサ9が矩形の場合、飛翔体31の移動軌跡が当該センサ9の受光面対角線上の端から端を移動する状態で、且つ通信が開始されたときに、ガルバノミラー11のみで連続して追尾できる時間が最長になると予測される状態であり、より具体的には、図3に示したように飛翔体31が+方向に移動している場合には、光アンテナ2が飛翔体31に正対し、かつガルバノミラー11が中立位置にある状態から、光アンテナ2の向きを+方向にθ、ガルバノミラー11を−方向にθオフセットさせた状態である。
【0050】
一方、ステップS1において、統合追尾制御部6が光通信制御部5からの通信開始コマンドを受信したら、統合追尾制御部6は、粗追尾制御部10および精追尾制御部15に対してアイドル追尾制御中止指令を発信すると同時に、精追尾制御部15に対して光通信追尾制御の指令を発信する。これにより、粗追尾動作は停止され、精追尾動作のみで光通信追尾制御が実施される。
【0051】
この光通信追尾状態では、統合追尾制御部6において、精追尾部4の角度センサ17で検出されるガルバノミラー11の角度信号と光通信制御部5に記憶されている第2の角度閾値α2とを比較して、ガルバノミラー11の角度が第2の角度閾値α2を超えているか否かを監視し(ステップS7)、超えていない場合には光通信制御部5からの通信終了コマンドを受信するまで精追尾を実行しながら光通信を実施し(ステップS8)、通信終了コマンドを受信したら粗追尾部3も含めてアイドル追尾状態に切り替えて、光通信制御部5からの新たな指令を待つ(ステップS9)。
【0052】
また、ステップS7において、ガルバノミラー11の角度が第2の角度閾値α2を超えた場合には、光通信制御部5にその旨を伝えると同時に、粗追尾部3も含めてアイドル追尾状態に切り替えて、光通信制御部5からの新たな指令を待つ(ステップS10)。
【0053】
このように、本実施の形態によれば、粗追尾の駆動源にステッピングモータを用いる安価な構成で、光通信追尾状態ではステッピングモータを停止した状態で、ガルバノミラー11による精追尾角度レンジを、従来例の場合と比較して2倍の最大2θとすることができるので、ステッピングモータの駆動に基づく追尾誤差を生じることなく、光通信を効率よく実施することができる。
【0054】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。アイドル追尾制御および光通信追尾制御は、光通信制御部5からの指令によらず、過去の相手通信装置との追尾制御履歴を記憶装置に記憶し、相手通信装置の移動速度および移動方向が同じ場合には、記憶装置に記憶されている追尾制御情報を読み出して、相手通信装置を簡単に追尾制御することもできる。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば、少なくとも相手通信装置との光通信の実施時に、精追尾部による精追尾動作が最も長い時間連続するように、統合追尾制御部により精追尾部および粗追尾部による追尾動作を制御するようにしたので、粗追尾の駆動源にステッピングモータを用いた場合でも、ステッピングモータの動作速度を遅くすることなく、それを停止した状態で精追尾動作が可能となる。したがって、安価な構成で、追尾誤差が少なく、かつ効率よく光通信を実施できる光通信装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による光通信装置の概略構成を示す図である。
【図2】同じく、詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】同じく、動作を説明するための図である。
【図4】同じく、動作を説明するための図である。
【図5】同じく、動作を説明するフローチャートである。
【図6】従来の光通信装置の構成を示す図である。
【図7】図6に示す光通信装置の動作を説明するフローチャートである。
【図8】同じく、動作を説明するための図である。
【図9】同じく、動作を説明するための図である。
【図10】同じく、動作を説明するための図である。
【符号の説明】
1 架台
2 光アンテナ(光受信部)
3 粗追尾部
4 精追尾部
5 光通信制御部
6 統合追尾制御部
7 モータ駆動部
8 ビームスプリッタ
9 粗追尾センサ
10 粗追尾制御部
11 ガルバノミラー
12 ビームスプリッタ
13 光通信受光部
14 精追尾センサ
15 精追尾制御部
16 光ファイバ
17 角度センサ
31 飛翔体(相手通信装置)
Claims (9)
- 架台に対して回動自在に支持され、相手通信装置から出射される通信光を受光する光受信部と、
前記光受信部を回動させて前記相手通信装置からの通信光を比較的広い追尾角度レンジ内で粗追尾する粗追尾部と、
前記光受信部で受光された通信光を比較的狭い追尾角度レンジ内で偏向して精追尾する精追尾部と、
前記相手通信装置との光通信を制御する光通信制御部と、
前記光通信制御部からの指令信号を受けて、前記粗追尾部および前記精追尾部の動作を制御する統合追尾制御部とを具え、
少なくとも前記相手通信装置との光通信の実施時に、前記精追尾部による精追尾動作が最も長い時間連続するように、前記統合追尾制御部により前記粗追尾部および前記精追尾部による追尾動作を制御して、前記相手通信装置の通信光軸を補正しながら光通信を行うよう構成したことを特徴とする光通信装置。 - 前記粗追尾部は、
前記光受信部を回動させるモータ駆動部と、
前記光受信部で受光された通信光の受光位置を検出する粗追尾センサと、
前記粗追尾センサの出力に基づいて前記モータ駆動部による前記光受信部の回動を制御する粗追尾制御部とを有することを特徴とする請求項1に記載の光通信装置。 - 前記モータ駆動部は、駆動源としてのステッピングモータを有することを特徴とする請求項2に記載の光通信装置。
- 前記精追尾部は、
前記光受信部で受光された通信光を偏向する回動可能なガルバノミラーと、
前記ガルバノミラーで偏向された通信光を2方向に分離するビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタで分離された一方の通信光を受光して前記光通信制御部へ導光する光通信受光部と、
前記ビームスプリッタで分離された他方の通信光を受光して、前記一方の通信光が前記光通信受光部に入射する基準受光位置からのずれを検出する精追尾センサと、
前記精追尾センサの出力に基づいて、通信光が前記精追尾センサの基準受光位置に入射するように前記ガルバノミラーの回動を制御する精追尾制御部とを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の光通信装置。 - 前記統合追尾制御部には、前記ガルバノミラーの回動範囲内において2つの角度閾値を設定し、これら角度閾値に基づいて前記精追尾制御部による前記ガルバノミラーの回動を制御するよう構成したことを特徴とする請求項4に記載の光通信装置。
- 前記角度閾値は、前記光通信制御部から与えられる前記相手通信装置の移動情報または過去の追尾履歴から予測される移動方向に基づいて設定することを特徴とする請求項5に記載の光通信装置。
- 前記光通信制御部は、前記統合追尾制御部に対して前記相手通信装置との光通信の未実施時に、前記相手通信装置からの通信光のみを追尾するアイドル追尾指令を与えるよう構成したことを特徴とする請求項5または6に記載の光通信装置。
- 前記アイドル追尾指令によるアイドル追尾状態では、前記角度閾値に基づいて前記統合追尾制御部により前記粗追尾部および前記精追尾部の動作を制御するよう構成したことを特徴とする請求項7に記載の光通信装置。
- 前記統合追尾制御部は、前記アイドル追尾時に、前記精追尾部に対して前記ガルバノミラーによる精追尾開始角度のオフセット指令を与えるよう構成したことを特徴とする請求項7または8に記載の光通信装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2003
- 2003-06-02 JP JP2003156385A patent/JP2004363669A/ja not_active Withdrawn
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