JP2004363270A - 半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法およびその装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】研磨時の半導体ウェーハの研磨面内の温度を均一化し、この研磨面内の研磨レートを一定化して、高平坦度ウェーハを得る半導体ウェーハの研磨温度均一化制御方法およびその装置を提供する。
【解決手段】研磨時、シリコンウェーハWの研磨面内の各異なる位置の温度を5本の熱電対17A〜17Eで測定し、その検出信号に基づき、この研磨面内の温度分布を作成する。これに従って、研磨面内の温度が一定になるように研磨ヘッド13の回転速度、研磨定盤12の回転速度、研磨ヘッド13からの研磨圧力、研磨液の供給量、キャリアプレート16の温度、冷媒流路12aへの冷媒の供給量を制御する。結果、研磨時のウェーハWの研磨面内の温度が均一化し、研磨面内の研磨レートが均一となり、ウェーハWの研磨面の平坦度が高まる。
【選択図】 図1
【解決手段】研磨時、シリコンウェーハWの研磨面内の各異なる位置の温度を5本の熱電対17A〜17Eで測定し、その検出信号に基づき、この研磨面内の温度分布を作成する。これに従って、研磨面内の温度が一定になるように研磨ヘッド13の回転速度、研磨定盤12の回転速度、研磨ヘッド13からの研磨圧力、研磨液の供給量、キャリアプレート16の温度、冷媒流路12aへの冷媒の供給量を制御する。結果、研磨時のウェーハWの研磨面内の温度が均一化し、研磨面内の研磨レートが均一となり、ウェーハWの研磨面の平坦度が高まる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法およびその装置、詳しくは半導体ウェーハの研磨面の測定温度に基づき、各種の研磨条件を変更してこのウェーハの研磨面内を特定の温度分布に制御する半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
面取り後、エッチングされたシリコンウェーハには、次の研磨工程で、その表面に機械的化学的研磨が施される。ここで、研磨装置により、その表面が平滑で無歪の鏡面に仕上げられる。
一般的な研磨装置は、上面に研磨布が張設された研磨定盤と、研磨定盤の上方に対向して配置され、その下面にシリコンウェーハが所定の保持構造により保持された研磨ヘッドとを備えている。
研磨時は、研磨砥粒を含む研磨剤(スラリー)を研磨布に供給しながら、研磨ヘッドと一体的に回転中のシリコンウェーハを、研磨布の表面(研磨作用面)に摺接させることにより、研磨する。
【0003】
このような研磨装置によるシリコンウェーハの研磨は、研磨布とシリコンウェーハとの摺接面において、研磨布とシリコンウェーハとの間に介在される研磨剤の摩擦熱および反応熱により促進される。
摩擦熱は、研磨布の表面に所定の温度分布を発生させるとともに、シリコンウェーハに対しても、その研磨面内で所定の温度分布を発生させる。このようなシリコンウェーハの研磨面内の温度分布は、研磨布上に供給される研磨剤による冷却効果および研磨定盤の冷媒流路に供給される冷却水による冷却効果と、研磨ヘッドからシリコンウェーハに作用される研磨圧力のバラつきによる仕事量の違いなどにより生じる。そして、この研磨面内の温度分布が、シリコンウェーハの研磨レートに影響を及ぼしていた。
特に、研磨されるシリコンウェーハが高平坦度な研削ウェーハの場合には、研磨面内の研磨レートを一定にして研磨面の平坦度を低下させないようにすることが、研磨工程における重要な課題の一つとなっていて、これには研磨面内の温度分布を把握して各バッチで常に同じ温度分布となるように制御することが必要である。
【0004】
従来、この研磨時に生じる熱(研磨熱)を測定する方法としては、研磨定盤の側部上方に配置された非接触式の赤外線放射温度計により、研磨中の研磨布の表面温度を検出する方法が知られている。赤外線放射温度計からの検出信号は、研磨装置の制御部に送られ、この信号に基づく制御部からの指令によって、研磨布上に供給される研磨剤の供給量、および、研磨定盤に供給される冷却水の供給量などを制御し、研磨布の表面の温度の不均一を解消していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の研磨熱を検出する方法は、非接触式の赤外線放射温度計を用いた研磨布の表面温度の検出方法であった。このため、研磨中のシリコンウェーハの研磨面内の温度を測定することはできなかった。したがって、研磨布の温度分布よりもシリコンウェーハの研磨レートに大きな影響をおよぼすウェーハの研磨面内の温度分布を測定し、この温度分布に基づいて、ウェーハの研磨面内の温度を制御し、より高い平坦度のシリコンウェーハを製造することはできなかった。
【0006】
【発明の目的】
この発明は、研磨時の半導体ウェーハの研磨面内の温度の分布を制御し、これによりこの研磨面内の研磨レートを均一化し、半導体ウェーハの研磨面の平坦度を高めることができる半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法およびその装置を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、研磨布に研磨剤を供給し、研磨ヘッドのウェーハ保持面に保持された半導体ウェーハを上記研磨布に摺接させて研磨する際、この半導体ウェーハの研磨面の温度が特定の分布になるよう制御する半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法であって、上記研磨時の半導体ウェーハの研磨面内での複数位置の温度を測定する工程と、この測定した温度に基づき、この半導体ウェーハの研磨面が特定の温度分布となるように、その研磨条件を制御する工程とを備えた半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。
この方法を適用可能な研磨装置としては、例えば、半導体ウェーハを研磨ヘッドに真空吸着する方式の装置、キャリアプレートを介して、半導体ウェーハを研磨ヘッドにワックス接着するワックスマウント方式の装置、または、水を含むバックパッドによって半導体ウェーハを研磨ヘッドに保持するワックスレスマウント方式の装置などが挙げられる。
さらに、研磨装置は、研磨ヘッドを研磨定盤の上方に対向して配置したものでも、これとは上下逆に配置したものでもよい。研磨ヘッドの素材は限定されない。ただし、セラミックス、低膨張率の金属(合金を含む)、鋳鉄、鉄鋼などが好ましい。
【0008】
半導体ウェーハは、代表的なシリコンウェーハ以外にも、例えばガリウム砒素ウェーハ(GaAsウェーハ)などを採用することができる。
研磨布は、通常、研磨定盤の研磨ヘッドとの対向面に展張される。この研磨布としては、例えば硬質ウレタンパッド、不織布パッドなどが挙げられる。
研磨布および研磨ヘッドは両方を回転させてもよいし、研磨布だけを回転、または研磨ヘッドだけを回転させてもよい。
研磨剤としては、例えば焼成シリカやコロイダルシリカ(研磨砥粒)、アミン(加工促進剤)および有機高分子(ヘイズ抑制剤)などを混合したものなどを採用することができる。このうち、コロイダルシリカは、珪酸微粒子が凝集しないで1次粒子のまま水中に分散した、透明もしくは不透明の乳白色のコロイド液として提供される。
【0009】
半導体ウェーハの研磨面内の温度分布は、例えば研磨ヘッドのウェーハ保持面付近に複数の温度センサを配設し、各温度センサから得られた温度データに基づき作成することができる。温度分布の作成は、通常、コンピュータによる自動作成である。その際、得られた温度分布を表、グラフとして出力することができる。また、上記温度データに基づき、手作業によって温度分布を求めてもよい。
制御される研磨条件としては、例えば研磨ヘッドの回転速度、研磨定盤の回転速度、研磨ヘッドから半導体ウェーハへの研磨圧力、研磨剤の供給量、研磨ヘッドのウェーハ保持部材の温度、研磨定盤内の冷媒流路に供給される冷媒の温度などが挙げられる。これらのうち、1つだけを制御してもよいし、2つ以上を同時または時間差をつけて制御してもよい。
温度分布に基づく研磨条件の制御は、通常、コンピュータを利用した自動制御である。ただし、作業者による手作業でもよい。
【0010】
請求項2に記載の発明は、上記研磨面内で複数位置の温度を測定する工程が、上記ウェーハ保持面付近に配設された複数の温度センサを用いて測定し、測定した温度データに基づいて研磨面内の温度分布を算出する請求項1に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。
温度センサとしては、例えば熱電対、バイメタル式温度計、サーミスタ温度計などの接触式の温度センサを採用することができる。熱電対の種類としては、例えばJISで規格されたB,R,Sなどを採用することができる。さらには、光高温計、赤外線などの放射温度計などの非接触式の温度センサも採用することができる。
温度センサは、研磨ヘッドのヘッド本体のウェーハ保持面付近に埋め込むことができる。そのほか、研磨ヘッドの下面にキャリアプレートが取り付けられる場合には、このキャリアプレート内に埋め込んでもよい。同じ測定条件にするために、各温度センサのウェーハ裏面からの距離(研磨ヘッドのウェーハ保持面側の残厚)をほぼ一定にする必要がある。
【0011】
1枚の半導体ウェーハに対する温度センサの使用本数は、2本または3本以上である。例えば、バッチ式の研磨装置では、1バッチ内の全ての半導体ウェーハに対して、2本以上の温度センサを配置することができる。または、1バッチ内の特定の半導体ウェーハだけに、サンプル的に複数本の温度センサを配置してももよい。
温度センサからの検出信号は、例えば研磨ヘッドの回転軸の軸線に沿って形成した配線路内を通過するリード線を利用することで、直接、研磨装置の制御部に送信してもよい。その他、研磨ヘッドにデータロガーを取り付け、ここでデジタル変換されたデータを、研磨ヘッドと装置本体との間に設けられた発光部(赤外線発光式など)および受光部を用いて、送信してもよい。
【0012】
請求項3に記載の発明は、上記研磨条件は、上記研磨ヘッドの回転速度である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。
半導体ウェーハの研磨面内の温度を下げるときは、研磨ヘッドの回転速度を低下させる。一方、半導体ウェーハの研磨面内の温度を上げるときは、その回転速度を高める。
【0013】
請求項4に記載の発明は、上記研磨条件は、上記研磨布が展設された研磨定盤の回転速度である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。
半導体ウェーハの研磨面内の温度を下げるときは、研磨定盤の回転速度を低下させる。一方、半導体ウェーハの研磨面内の温度を上げるときは、その回転速度を高める。
【0014】
請求項5に記載の発明は、上記研磨条件は、上記研磨ヘッドから半導体ウェーハに作用する研磨圧力である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。
半導体ウェーハの研磨面内の温度を下げるときは、研磨ヘッドからの研磨圧力(例えば研磨装置に搭載されたエアシリンダなどの加圧装置)を小さくする。一方、半導体ウェーハの研磨面内の温度を上げるときは、その研磨圧力を大きくする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、上記研磨条件は、上記研磨剤の供給量である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。
半導体ウェーハの研磨面内の温度を下げるときには、研磨剤の供給量を多くする。一方、半導体ウェーハの研磨面内の温度を上げるときは、その供給量を減らす。
【0016】
請求項7に記載の発明は、上記研磨条件は、上記研磨ヘッドに設けられて、半導体ウェーハを保持するウェーハ保持部材の温度である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。
ウェーハ保持部材の温度は、例えばヒータ、熱交換器などを利用して変更する。
半導体ウェーハの研磨面内の温度を下げるときには、ウェーハ保持部材の温度を下げる。一方、半導体ウェーハの研磨面内の温度を上げるときは、ウェーハ保持部材の温度を上げる。
【0017】
請求項8に記載の発明は、上記研磨条件は、上記研磨定盤の内部に形成された冷媒流路を流れる冷媒の温度である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。冷媒としては、例えば水、オイルなどが挙げられる。
半導体ウェーハの研磨面内の温度を下げるときは、冷媒の温度を下げて研磨定盤の温度を下げる。一方、半導体ウェーハの研磨面内の温度を上げるときは、この冷媒の温度を上げて研磨定盤の温度を上げる。
【0018】
請求項9に記載の発明は、研磨布に研磨剤を供給し、研磨ヘッドのウェーハ保持面に保持された半導体ウェーハを上記研磨布に摺接させて研磨する際、半導体ウェーハの研磨面の温度を制御する半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置であって、上記研磨時の半導体ウェーハの研磨面の複数位置で温度を測定する温度測定手段と、測定した温度に基づき、この半導体ウェーハの研磨面内の温度が特定の分布となるように上記研磨での条件を制御する研磨条件制御手段とを備えた半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
温度分布測定手段は、例えば研磨ヘッドのウェーハ保持面付近に配設された複数の温度センサと、各温度センサから得られたデータから温度分布を求める制御部とを有することができる。得られた温度分布は、表化、グラフ化してモニタ装置に画像表示したり、プリンタにより印刷表示することができる。
研磨条件制御手段は、例えば制御対象が研磨ヘッドの回転速度および研磨定盤の回転速度の場合には、各回転モータの回転速度を変更する変速機などを含むことができる。
【0019】
請求項10に記載の発明は、上記温度測定手段が、上記ウェーハ保持面に近接して設けられ、この半導体ウェーハの研磨面内の異なる位置の温度をそれぞれ測定する複数の温度センサを有し、各温度センサの測定温度に基づき、上記半導体ウェーハの研磨面内を特定の温度分布に制御する請求項9に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
【0020】
請求項11に記載の発明は、上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨ヘッドの回転速度である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
【0021】
請求項12に記載の発明は、上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨定盤の回転速度である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
【0022】
請求項13に記載の発明は、上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨ヘッドから半導体ウェーハに作用する研磨圧力である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
【0023】
請求項14に記載の発明は、上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨剤の供給量である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
【0024】
請求項15に記載の発明は、上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨ヘッドに設けられて、半導体ウェーハを保持するウェーハ保持部材の温度である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
【0025】
請求項16に記載の発明は、上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨定盤の内部に形成された冷媒流路を流れる冷媒の温度である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
【0026】
【作用】
この発明によれば、研磨時、半導体ウェーハの研磨面内の異なる位置の温度を、例えばウェーハ裏面側から複数の温度センサにより測定し、その検出信号に基づき、半導体ウェーハの研磨面内の温度分布を得る。
得られた温度分布に基づき、この研磨面内の温度が特定の分布(例えば5個のセンサでの検出温度差が一定:図4参照)になるように、例えば研磨ヘッドの回転速度、研磨定盤の回転速度、研磨ヘッドからの研磨圧力、研磨剤の供給量、研磨ヘッドのウェーハ保持部材の温度、研磨定盤内の冷媒流路に供給される冷媒の温度などの研磨条件を制御する。これにより、研磨時の半導体ウェーハの研磨面内の温度が特定の分布となり、その結果、この研磨面内の研磨レートが均一となり、半導体ウェーハの研磨面の平坦度を高めることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は、この発明の第1の実施例に係る半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置が適用された研磨装置の縦断面図である。図2は、この発明の第1の実施例に係るキャリアプレートの平面図である。図3は、この発明の第1の実施例に係る半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置の制御回路を示すブロック図である。図4は、この発明の第1の実施例に係る研磨時の半導体ウェーハの研磨面内での経時的な温度変化を示すグラフである。
図1において、10はバッチ式の研磨装置であり、この研磨装置10は、主に、表面に硬質ウレタンパッド製の研磨布11が展張された研磨定盤12と、この上方に配設された研磨ヘッド13とを備えている。
【0028】
研磨定盤12は、回転モータM1により回転駆動される構成であって、その上層部の全域には冷媒流路12aが内設されている。この冷媒流路12aには、供給ポンプP1を介して、図示しない貯水槽の冷却水(冷媒)が循環供給されている。円形の研磨布11の中央部の上方には、スラリーノズルNが配置されている。スラリーノズルNからは、スラリーポンプP2により圧送された研磨剤(スラリー)が流出される。スラリーの供給量、温度はコントロール可能に構成されている。
研磨ヘッド13は、円盤状のヘッド本体14を有している。このヘッド本体14の外周部下面には、厚肉な環状フランジ14aが一体形成されている。環状フランジ14aの下端面には、シリコーンゴム製の環状の緩衝体15が固着されている。この緩衝体15を介して、厚さ20mmのセラミックス製の円形のキャリアプレート(ウェーハ保持部材)16が、ヘッド本体14に対して着脱自在に支持されている。
【0029】
キャリアプレート16は、そのウェーハ保持面(下面)に5枚のシリコンウェーハWがワックス貼着される。キャリアプレート16のウェーハ保持面のうち、特定のシリコンウェーハWが保持される部分には、5つの小孔16a〜16eが形成されている。これらの5つの小孔16a〜16eは、平面視してキャリアプレート16の中心と、シリコンウェーハWの中心とを通過する(キャリアプレート16の半径方向に延びる)1本の仮想線上に一定ピッチで配置されている。また、各小孔16a〜16eの深さは、キャリアプレート16の上面から下面近傍(この下面から各0.5mmの位置)に達するとともに、その直径は1.5〜2mmの円形孔である。図1を参照して、各小孔16a〜16eの具体的な形成位置を示す。すなわち、それぞれ平面視して、キャリアプレート16の中心に最も近い位置に小孔16aが形成され、ウェーハ中心位置に小孔16cが形成され、キャリアプレート16の中心から最も離れた位置に小孔16eが形成され、小孔16bが小孔16aと小孔16cとの中間位置に形成され、小孔16cと小孔16eとの中間位置に小孔16dが形成されている。
【0030】
各小孔16a〜16eには合計5本の熱電対(温度センサ)17A〜17Eがそれぞれ挿入されており、これらの熱電対17A〜17Eは、上記ウェーハ保持面に保持されるシリコンウェーハWの研磨面内の温度を測定する。具体的には、小孔16aに熱電対17Aが、小孔16bに熱電対17Bが、小孔16cに熱電対17Cが、小孔16dに熱電対17Dが、小孔16eに熱電対17Eがそれぞれ挿入・固定されている。これらの熱電対17A〜17Eは、その設置位置でのキャリアプレートの温度を検出することができる。
そして、キャリアプレート16の上面の一側部分には、各熱電対17A〜17Eからの検出アナログ信号をデジタル変換するデータロガー18が取り付けられている。また、ヘッド本体14の上には、平面視して円形のフードFにより覆われた環状のおもり19が搭載されている。おもり19による研磨ヘッド13の全体荷重(静荷重)が、緩衝体15を介して、キャリアプレート16の外周部に付加される構成である。
【0031】
ヘッド本体14の中央部上には、回転モータM2から延びた回転軸20の下端が固着されており、この回転モータM2は、研磨装置10の上部架台10aに内蔵されている。また、フードFの外周部の一部分上には発光部22が固定され、この発光部22は、データロガー18により変換された温度データを、上部架台10aの下面に設けられた受光部21に向かって、赤外線信号として発信する。受光部21が受光した温度データの信号は制御部Cに送られる。
フードFの外周部のうち、回転軸20を中心とした発光部22とは反対側の部分上には、上面が鏡面仕上げされた反射板23が固定されている。この上部架台10aの下面のうち、回転軸20を中心とした受光部21とは反対側の位置には、反射板23に向かって光を照射する光電センサ24が設けられている。光電センサ24によりデータ送信のタイミングを計り、その送信タイミングで発光部22から受光部21に向かって温度データを含む赤外線の信号が照射される。
【0032】
図示しないが、研磨ヘッドの環状フランジ14aとキャリアプレート16との間の空間は緩衝体15を介して密閉されているため、この空間に空気圧をかける機構を有している。なお、この空気圧は、所定の範囲で任意に圧力を変えることができ、キャリアプレート16を介して各シリコンウェーハWが研磨布11に所定の加圧力で押し付けられる。
【0033】
ここで、図3を参照して、第1の実施例の研磨面の温度制御装置の制御回路を説明する。
制御部Cの入力側にはデータロガー18が接続されている。制御部Cの出力側には、研磨定盤12の回転モータM1、研磨ヘッド13の回転モータM2、冷却水の供給ポンプP1、研磨剤を圧送するスラリーポンプP2および研磨ヘッド13の中心荷重を調整するエアシリンダ30がそれぞれ接続されている。さらに、このデータロガー18の入力側には、5本の熱電対17A〜17Eが接続されている。
したがって、シリコンウェーハWの研磨面内の各温度の検出信号は、各熱電対17A〜17Eからデータロガー18を介して制御部Cに送られる。その後、この制御部Cから回転モータM1,M2、ポンプP1,P2および空気圧(具体的にはエアシリンダ30)に対して、適宜、その出力を制御する指令が出される。この指令に基づき、研磨定盤12の回転速度、研磨ヘッド13の回転速度、冷媒の温度、研磨剤の供給量および研磨ヘッドの中心荷重が適宜制御される。制御部Cからの制御指令は、1つの駆動源(例えば回転モータM1)だけに発信される場合の他、複数の駆動源(5つ全部を含む)に対して発信される場合もある。
【0034】
次に、第1の実施例に係る研磨装置10の作動を説明する。
研磨時には、研磨定盤12上の研磨布11に焼成シリカやコロイダルシリカなどの研磨砥粒を含む研磨剤を供給しながら、研磨布11と各シリコンウェーハWとの間に所定の荷重(圧力)および相対速度を与えることで行われる。
この研磨時には、緩衝体15を介して、おもり19の全体荷重が環状フランジ14aからキャリアプレート16の外周部に作用する。また、空気圧によりキャリアプレート16の中心部に中心荷重が作用する。すなわち、これらの静荷重と中心荷重とのバランスを保った状態で、シリコンウェーハWは鏡面研磨される。
【0035】
その際、研磨中のシリコンウェーハWの研磨面内の温度が、5本の熱電対17A〜17Eにより電圧値として検出される。各検出信号はデータロガー18によりデジタル変換され、その後、光電センサ24で計られたタイミングにより、発光部22から受光部21に向かって赤外線信号として送信される。受光部21が受光した信号は制御部Cに伝達され、ここで各温度データに基づき、経時的に、シリコンウェーハWの研磨面内の温度分布が求められる。得られた温度分布は、図4のグラフに示すようにモニタ表示され、またはプリンタにより印刷表示される。
その後、この温度分布を示すグラフに基づき、制御部Cからの制御指令信号により、シリコンウェーハWの研磨面内の温度が特定の分布になるように各研磨条件が変更される。すなわち、回転モータM1に対して研磨定盤12の回転速度を増減する指令が出される。また、回転モータM2に対しては、研磨ヘッド13の回転速度を増減させる指令が出される。さらに、供給ポンプP1に対しては、研磨定盤12内の冷媒流路12aを流れる冷却水の温度上昇/降下指令が出され、スラリーポンプP2に対しては、研磨布11上に供給される研磨剤の増減指令信号が出される。そして、研磨ヘッド13に対しては、キャリアプレート16への中心荷重の増減指令信号が出される。
このように制御することで、シリコンウェーハWの研磨面内の温度が特定の分布(例えば一定、または、特定の温度勾配)になる。その結果、この研磨面内での研磨レートがほぼ均一化され、研磨後のシリコンウェーハWの平坦度を、従来の研磨布11の表面温度を均一化する場合に比べて、より高めることができる。
【0036】
次に、図5に基づき、この発明の第2の実施例を説明する。
図5は、この発明の第2の実施例に係る半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置が適用された研磨装置の縦断面図である。
この第2の実施例は、第1の実施例の研磨面の温度制御装置をCMP(Chemical Mechanical Polishing)式の研磨装置10Aに適用した例である。すなわち、図示しないものの、研磨ヘッド13Aには、第1の実施例で開示された5本の熱電対17A〜17Eなどを有する研磨面の温度制御装置が配備されている。
図5に示すように、研磨装置10Aはワックスレスマウント方式で、研磨ヘッド13Aのヘッド本体14の環状フランジ14aの下面に、環状のテンプレート31が固着されている。ヘッド本体14の内部空間には、シリコンウェーハWの保持ベースとなる保持プレート(ウェーハ保持部材)32が収納されている。この実施例では、図示しないものの保持プレート32に小孔16a〜16eが形成されている。保持プレート32の下面には、保水性を有する不織布製のバックパッド33が設けられ、この保持プレート32の上面の略全域には、シリコンウェーハWの研磨面内の温度が特定分布になるように保持プレート32を加熱するヒータHが設けられている。特定分布とは、実際に平坦度が高いものが得られたバッチでの温度分布などである。
【0037】
研磨時には、バックパッド33に純水を供給し、その表面張力によって、テンプレート31の孔部内に収容されたシリコンウェーハWをその裏面側から保持する。このとき、シリコンウェーハWは、その研磨面の全域をテンプレート31の端面から所定高さだけ下方に向かって突出させている。そして、スラリーノズルNを介して、遊離砥粒を含む研磨剤を研磨布11の研磨作用面に供給しながら、研磨ヘッド13Aを研磨定盤12上で回転させることで、シリコンウェーハWの研磨面が鏡面研磨される。
この研磨中に得られた温度分布に基づき、制御部Cからの制御指令により、ヒータHを介して、シリコンウェーハWの研磨面内の温度が一定になるように保持プレート32の温度が制御される。これにより、保持プレート32の反りが解消される。
その他の構成、作用、効果は、第1の実施例から推測可能な範囲であるので、説明を省略する。
【0038】
【発明の効果】
この発明によれば、研磨時の半導体ウェーハの研磨面内で複数位置の温度を測定し、これらの温度に基づき、この研磨面内の温度が特定分布になるように研磨条件を制御するので、半導体ウェーハの研磨面内の温度を特定分布(最適条件)にすることができ、これによりウェーハの研磨面内の研磨レートが均一化し、その結果、高い平坦度の半導体ウェーハを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に係る半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置が適用された研磨装置の縦断面図である。
【図2】この発明の第1の実施例に係るキャリアプレートの平面図である。
【図3】この発明の第1の実施例に係る半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置の制御回路を示すブロック図である。
【図4】この発明の第1の実施例に係る研磨時の半導体ウェーハの研磨面内での経時的な温度変化を示すグラフである。
【図5】この発明の第2の実施例に係る半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置が適用された研磨装置の縦断面図である。
【符号の説明】
10,10A 研磨装置、
11 研磨布、
12 研磨定盤、
12a 冷媒流路、
13,13A 研磨ヘッド、
16 キャリアプレート(ウェーハ保持部材)、
17A〜17E 熱電対(温度センサ)、
32 保持プレート(ウェーハ保持部材)、
C 制御部、
W シリコンウェーハ(半導体ウェーハ)。
【発明の属する技術分野】
この発明は半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法およびその装置、詳しくは半導体ウェーハの研磨面の測定温度に基づき、各種の研磨条件を変更してこのウェーハの研磨面内を特定の温度分布に制御する半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
面取り後、エッチングされたシリコンウェーハには、次の研磨工程で、その表面に機械的化学的研磨が施される。ここで、研磨装置により、その表面が平滑で無歪の鏡面に仕上げられる。
一般的な研磨装置は、上面に研磨布が張設された研磨定盤と、研磨定盤の上方に対向して配置され、その下面にシリコンウェーハが所定の保持構造により保持された研磨ヘッドとを備えている。
研磨時は、研磨砥粒を含む研磨剤(スラリー)を研磨布に供給しながら、研磨ヘッドと一体的に回転中のシリコンウェーハを、研磨布の表面(研磨作用面)に摺接させることにより、研磨する。
【0003】
このような研磨装置によるシリコンウェーハの研磨は、研磨布とシリコンウェーハとの摺接面において、研磨布とシリコンウェーハとの間に介在される研磨剤の摩擦熱および反応熱により促進される。
摩擦熱は、研磨布の表面に所定の温度分布を発生させるとともに、シリコンウェーハに対しても、その研磨面内で所定の温度分布を発生させる。このようなシリコンウェーハの研磨面内の温度分布は、研磨布上に供給される研磨剤による冷却効果および研磨定盤の冷媒流路に供給される冷却水による冷却効果と、研磨ヘッドからシリコンウェーハに作用される研磨圧力のバラつきによる仕事量の違いなどにより生じる。そして、この研磨面内の温度分布が、シリコンウェーハの研磨レートに影響を及ぼしていた。
特に、研磨されるシリコンウェーハが高平坦度な研削ウェーハの場合には、研磨面内の研磨レートを一定にして研磨面の平坦度を低下させないようにすることが、研磨工程における重要な課題の一つとなっていて、これには研磨面内の温度分布を把握して各バッチで常に同じ温度分布となるように制御することが必要である。
【0004】
従来、この研磨時に生じる熱(研磨熱)を測定する方法としては、研磨定盤の側部上方に配置された非接触式の赤外線放射温度計により、研磨中の研磨布の表面温度を検出する方法が知られている。赤外線放射温度計からの検出信号は、研磨装置の制御部に送られ、この信号に基づく制御部からの指令によって、研磨布上に供給される研磨剤の供給量、および、研磨定盤に供給される冷却水の供給量などを制御し、研磨布の表面の温度の不均一を解消していた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、従来の研磨熱を検出する方法は、非接触式の赤外線放射温度計を用いた研磨布の表面温度の検出方法であった。このため、研磨中のシリコンウェーハの研磨面内の温度を測定することはできなかった。したがって、研磨布の温度分布よりもシリコンウェーハの研磨レートに大きな影響をおよぼすウェーハの研磨面内の温度分布を測定し、この温度分布に基づいて、ウェーハの研磨面内の温度を制御し、より高い平坦度のシリコンウェーハを製造することはできなかった。
【0006】
【発明の目的】
この発明は、研磨時の半導体ウェーハの研磨面内の温度の分布を制御し、これによりこの研磨面内の研磨レートを均一化し、半導体ウェーハの研磨面の平坦度を高めることができる半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法およびその装置を提供することを、その目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、研磨布に研磨剤を供給し、研磨ヘッドのウェーハ保持面に保持された半導体ウェーハを上記研磨布に摺接させて研磨する際、この半導体ウェーハの研磨面の温度が特定の分布になるよう制御する半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法であって、上記研磨時の半導体ウェーハの研磨面内での複数位置の温度を測定する工程と、この測定した温度に基づき、この半導体ウェーハの研磨面が特定の温度分布となるように、その研磨条件を制御する工程とを備えた半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。
この方法を適用可能な研磨装置としては、例えば、半導体ウェーハを研磨ヘッドに真空吸着する方式の装置、キャリアプレートを介して、半導体ウェーハを研磨ヘッドにワックス接着するワックスマウント方式の装置、または、水を含むバックパッドによって半導体ウェーハを研磨ヘッドに保持するワックスレスマウント方式の装置などが挙げられる。
さらに、研磨装置は、研磨ヘッドを研磨定盤の上方に対向して配置したものでも、これとは上下逆に配置したものでもよい。研磨ヘッドの素材は限定されない。ただし、セラミックス、低膨張率の金属(合金を含む)、鋳鉄、鉄鋼などが好ましい。
【0008】
半導体ウェーハは、代表的なシリコンウェーハ以外にも、例えばガリウム砒素ウェーハ(GaAsウェーハ)などを採用することができる。
研磨布は、通常、研磨定盤の研磨ヘッドとの対向面に展張される。この研磨布としては、例えば硬質ウレタンパッド、不織布パッドなどが挙げられる。
研磨布および研磨ヘッドは両方を回転させてもよいし、研磨布だけを回転、または研磨ヘッドだけを回転させてもよい。
研磨剤としては、例えば焼成シリカやコロイダルシリカ(研磨砥粒)、アミン(加工促進剤)および有機高分子(ヘイズ抑制剤)などを混合したものなどを採用することができる。このうち、コロイダルシリカは、珪酸微粒子が凝集しないで1次粒子のまま水中に分散した、透明もしくは不透明の乳白色のコロイド液として提供される。
【0009】
半導体ウェーハの研磨面内の温度分布は、例えば研磨ヘッドのウェーハ保持面付近に複数の温度センサを配設し、各温度センサから得られた温度データに基づき作成することができる。温度分布の作成は、通常、コンピュータによる自動作成である。その際、得られた温度分布を表、グラフとして出力することができる。また、上記温度データに基づき、手作業によって温度分布を求めてもよい。
制御される研磨条件としては、例えば研磨ヘッドの回転速度、研磨定盤の回転速度、研磨ヘッドから半導体ウェーハへの研磨圧力、研磨剤の供給量、研磨ヘッドのウェーハ保持部材の温度、研磨定盤内の冷媒流路に供給される冷媒の温度などが挙げられる。これらのうち、1つだけを制御してもよいし、2つ以上を同時または時間差をつけて制御してもよい。
温度分布に基づく研磨条件の制御は、通常、コンピュータを利用した自動制御である。ただし、作業者による手作業でもよい。
【0010】
請求項2に記載の発明は、上記研磨面内で複数位置の温度を測定する工程が、上記ウェーハ保持面付近に配設された複数の温度センサを用いて測定し、測定した温度データに基づいて研磨面内の温度分布を算出する請求項1に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。
温度センサとしては、例えば熱電対、バイメタル式温度計、サーミスタ温度計などの接触式の温度センサを採用することができる。熱電対の種類としては、例えばJISで規格されたB,R,Sなどを採用することができる。さらには、光高温計、赤外線などの放射温度計などの非接触式の温度センサも採用することができる。
温度センサは、研磨ヘッドのヘッド本体のウェーハ保持面付近に埋め込むことができる。そのほか、研磨ヘッドの下面にキャリアプレートが取り付けられる場合には、このキャリアプレート内に埋め込んでもよい。同じ測定条件にするために、各温度センサのウェーハ裏面からの距離(研磨ヘッドのウェーハ保持面側の残厚)をほぼ一定にする必要がある。
【0011】
1枚の半導体ウェーハに対する温度センサの使用本数は、2本または3本以上である。例えば、バッチ式の研磨装置では、1バッチ内の全ての半導体ウェーハに対して、2本以上の温度センサを配置することができる。または、1バッチ内の特定の半導体ウェーハだけに、サンプル的に複数本の温度センサを配置してももよい。
温度センサからの検出信号は、例えば研磨ヘッドの回転軸の軸線に沿って形成した配線路内を通過するリード線を利用することで、直接、研磨装置の制御部に送信してもよい。その他、研磨ヘッドにデータロガーを取り付け、ここでデジタル変換されたデータを、研磨ヘッドと装置本体との間に設けられた発光部(赤外線発光式など)および受光部を用いて、送信してもよい。
【0012】
請求項3に記載の発明は、上記研磨条件は、上記研磨ヘッドの回転速度である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。
半導体ウェーハの研磨面内の温度を下げるときは、研磨ヘッドの回転速度を低下させる。一方、半導体ウェーハの研磨面内の温度を上げるときは、その回転速度を高める。
【0013】
請求項4に記載の発明は、上記研磨条件は、上記研磨布が展設された研磨定盤の回転速度である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。
半導体ウェーハの研磨面内の温度を下げるときは、研磨定盤の回転速度を低下させる。一方、半導体ウェーハの研磨面内の温度を上げるときは、その回転速度を高める。
【0014】
請求項5に記載の発明は、上記研磨条件は、上記研磨ヘッドから半導体ウェーハに作用する研磨圧力である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。
半導体ウェーハの研磨面内の温度を下げるときは、研磨ヘッドからの研磨圧力(例えば研磨装置に搭載されたエアシリンダなどの加圧装置)を小さくする。一方、半導体ウェーハの研磨面内の温度を上げるときは、その研磨圧力を大きくする。
【0015】
請求項6に記載の発明は、上記研磨条件は、上記研磨剤の供給量である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。
半導体ウェーハの研磨面内の温度を下げるときには、研磨剤の供給量を多くする。一方、半導体ウェーハの研磨面内の温度を上げるときは、その供給量を減らす。
【0016】
請求項7に記載の発明は、上記研磨条件は、上記研磨ヘッドに設けられて、半導体ウェーハを保持するウェーハ保持部材の温度である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。
ウェーハ保持部材の温度は、例えばヒータ、熱交換器などを利用して変更する。
半導体ウェーハの研磨面内の温度を下げるときには、ウェーハ保持部材の温度を下げる。一方、半導体ウェーハの研磨面内の温度を上げるときは、ウェーハ保持部材の温度を上げる。
【0017】
請求項8に記載の発明は、上記研磨条件は、上記研磨定盤の内部に形成された冷媒流路を流れる冷媒の温度である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法である。冷媒としては、例えば水、オイルなどが挙げられる。
半導体ウェーハの研磨面内の温度を下げるときは、冷媒の温度を下げて研磨定盤の温度を下げる。一方、半導体ウェーハの研磨面内の温度を上げるときは、この冷媒の温度を上げて研磨定盤の温度を上げる。
【0018】
請求項9に記載の発明は、研磨布に研磨剤を供給し、研磨ヘッドのウェーハ保持面に保持された半導体ウェーハを上記研磨布に摺接させて研磨する際、半導体ウェーハの研磨面の温度を制御する半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置であって、上記研磨時の半導体ウェーハの研磨面の複数位置で温度を測定する温度測定手段と、測定した温度に基づき、この半導体ウェーハの研磨面内の温度が特定の分布となるように上記研磨での条件を制御する研磨条件制御手段とを備えた半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
温度分布測定手段は、例えば研磨ヘッドのウェーハ保持面付近に配設された複数の温度センサと、各温度センサから得られたデータから温度分布を求める制御部とを有することができる。得られた温度分布は、表化、グラフ化してモニタ装置に画像表示したり、プリンタにより印刷表示することができる。
研磨条件制御手段は、例えば制御対象が研磨ヘッドの回転速度および研磨定盤の回転速度の場合には、各回転モータの回転速度を変更する変速機などを含むことができる。
【0019】
請求項10に記載の発明は、上記温度測定手段が、上記ウェーハ保持面に近接して設けられ、この半導体ウェーハの研磨面内の異なる位置の温度をそれぞれ測定する複数の温度センサを有し、各温度センサの測定温度に基づき、上記半導体ウェーハの研磨面内を特定の温度分布に制御する請求項9に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
【0020】
請求項11に記載の発明は、上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨ヘッドの回転速度である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
【0021】
請求項12に記載の発明は、上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨定盤の回転速度である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
【0022】
請求項13に記載の発明は、上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨ヘッドから半導体ウェーハに作用する研磨圧力である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
【0023】
請求項14に記載の発明は、上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨剤の供給量である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
【0024】
請求項15に記載の発明は、上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨ヘッドに設けられて、半導体ウェーハを保持するウェーハ保持部材の温度である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
【0025】
請求項16に記載の発明は、上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨定盤の内部に形成された冷媒流路を流れる冷媒の温度である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置である。
【0026】
【作用】
この発明によれば、研磨時、半導体ウェーハの研磨面内の異なる位置の温度を、例えばウェーハ裏面側から複数の温度センサにより測定し、その検出信号に基づき、半導体ウェーハの研磨面内の温度分布を得る。
得られた温度分布に基づき、この研磨面内の温度が特定の分布(例えば5個のセンサでの検出温度差が一定:図4参照)になるように、例えば研磨ヘッドの回転速度、研磨定盤の回転速度、研磨ヘッドからの研磨圧力、研磨剤の供給量、研磨ヘッドのウェーハ保持部材の温度、研磨定盤内の冷媒流路に供給される冷媒の温度などの研磨条件を制御する。これにより、研磨時の半導体ウェーハの研磨面内の温度が特定の分布となり、その結果、この研磨面内の研磨レートが均一となり、半導体ウェーハの研磨面の平坦度を高めることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1は、この発明の第1の実施例に係る半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置が適用された研磨装置の縦断面図である。図2は、この発明の第1の実施例に係るキャリアプレートの平面図である。図3は、この発明の第1の実施例に係る半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置の制御回路を示すブロック図である。図4は、この発明の第1の実施例に係る研磨時の半導体ウェーハの研磨面内での経時的な温度変化を示すグラフである。
図1において、10はバッチ式の研磨装置であり、この研磨装置10は、主に、表面に硬質ウレタンパッド製の研磨布11が展張された研磨定盤12と、この上方に配設された研磨ヘッド13とを備えている。
【0028】
研磨定盤12は、回転モータM1により回転駆動される構成であって、その上層部の全域には冷媒流路12aが内設されている。この冷媒流路12aには、供給ポンプP1を介して、図示しない貯水槽の冷却水(冷媒)が循環供給されている。円形の研磨布11の中央部の上方には、スラリーノズルNが配置されている。スラリーノズルNからは、スラリーポンプP2により圧送された研磨剤(スラリー)が流出される。スラリーの供給量、温度はコントロール可能に構成されている。
研磨ヘッド13は、円盤状のヘッド本体14を有している。このヘッド本体14の外周部下面には、厚肉な環状フランジ14aが一体形成されている。環状フランジ14aの下端面には、シリコーンゴム製の環状の緩衝体15が固着されている。この緩衝体15を介して、厚さ20mmのセラミックス製の円形のキャリアプレート(ウェーハ保持部材)16が、ヘッド本体14に対して着脱自在に支持されている。
【0029】
キャリアプレート16は、そのウェーハ保持面(下面)に5枚のシリコンウェーハWがワックス貼着される。キャリアプレート16のウェーハ保持面のうち、特定のシリコンウェーハWが保持される部分には、5つの小孔16a〜16eが形成されている。これらの5つの小孔16a〜16eは、平面視してキャリアプレート16の中心と、シリコンウェーハWの中心とを通過する(キャリアプレート16の半径方向に延びる)1本の仮想線上に一定ピッチで配置されている。また、各小孔16a〜16eの深さは、キャリアプレート16の上面から下面近傍(この下面から各0.5mmの位置)に達するとともに、その直径は1.5〜2mmの円形孔である。図1を参照して、各小孔16a〜16eの具体的な形成位置を示す。すなわち、それぞれ平面視して、キャリアプレート16の中心に最も近い位置に小孔16aが形成され、ウェーハ中心位置に小孔16cが形成され、キャリアプレート16の中心から最も離れた位置に小孔16eが形成され、小孔16bが小孔16aと小孔16cとの中間位置に形成され、小孔16cと小孔16eとの中間位置に小孔16dが形成されている。
【0030】
各小孔16a〜16eには合計5本の熱電対(温度センサ)17A〜17Eがそれぞれ挿入されており、これらの熱電対17A〜17Eは、上記ウェーハ保持面に保持されるシリコンウェーハWの研磨面内の温度を測定する。具体的には、小孔16aに熱電対17Aが、小孔16bに熱電対17Bが、小孔16cに熱電対17Cが、小孔16dに熱電対17Dが、小孔16eに熱電対17Eがそれぞれ挿入・固定されている。これらの熱電対17A〜17Eは、その設置位置でのキャリアプレートの温度を検出することができる。
そして、キャリアプレート16の上面の一側部分には、各熱電対17A〜17Eからの検出アナログ信号をデジタル変換するデータロガー18が取り付けられている。また、ヘッド本体14の上には、平面視して円形のフードFにより覆われた環状のおもり19が搭載されている。おもり19による研磨ヘッド13の全体荷重(静荷重)が、緩衝体15を介して、キャリアプレート16の外周部に付加される構成である。
【0031】
ヘッド本体14の中央部上には、回転モータM2から延びた回転軸20の下端が固着されており、この回転モータM2は、研磨装置10の上部架台10aに内蔵されている。また、フードFの外周部の一部分上には発光部22が固定され、この発光部22は、データロガー18により変換された温度データを、上部架台10aの下面に設けられた受光部21に向かって、赤外線信号として発信する。受光部21が受光した温度データの信号は制御部Cに送られる。
フードFの外周部のうち、回転軸20を中心とした発光部22とは反対側の部分上には、上面が鏡面仕上げされた反射板23が固定されている。この上部架台10aの下面のうち、回転軸20を中心とした受光部21とは反対側の位置には、反射板23に向かって光を照射する光電センサ24が設けられている。光電センサ24によりデータ送信のタイミングを計り、その送信タイミングで発光部22から受光部21に向かって温度データを含む赤外線の信号が照射される。
【0032】
図示しないが、研磨ヘッドの環状フランジ14aとキャリアプレート16との間の空間は緩衝体15を介して密閉されているため、この空間に空気圧をかける機構を有している。なお、この空気圧は、所定の範囲で任意に圧力を変えることができ、キャリアプレート16を介して各シリコンウェーハWが研磨布11に所定の加圧力で押し付けられる。
【0033】
ここで、図3を参照して、第1の実施例の研磨面の温度制御装置の制御回路を説明する。
制御部Cの入力側にはデータロガー18が接続されている。制御部Cの出力側には、研磨定盤12の回転モータM1、研磨ヘッド13の回転モータM2、冷却水の供給ポンプP1、研磨剤を圧送するスラリーポンプP2および研磨ヘッド13の中心荷重を調整するエアシリンダ30がそれぞれ接続されている。さらに、このデータロガー18の入力側には、5本の熱電対17A〜17Eが接続されている。
したがって、シリコンウェーハWの研磨面内の各温度の検出信号は、各熱電対17A〜17Eからデータロガー18を介して制御部Cに送られる。その後、この制御部Cから回転モータM1,M2、ポンプP1,P2および空気圧(具体的にはエアシリンダ30)に対して、適宜、その出力を制御する指令が出される。この指令に基づき、研磨定盤12の回転速度、研磨ヘッド13の回転速度、冷媒の温度、研磨剤の供給量および研磨ヘッドの中心荷重が適宜制御される。制御部Cからの制御指令は、1つの駆動源(例えば回転モータM1)だけに発信される場合の他、複数の駆動源(5つ全部を含む)に対して発信される場合もある。
【0034】
次に、第1の実施例に係る研磨装置10の作動を説明する。
研磨時には、研磨定盤12上の研磨布11に焼成シリカやコロイダルシリカなどの研磨砥粒を含む研磨剤を供給しながら、研磨布11と各シリコンウェーハWとの間に所定の荷重(圧力)および相対速度を与えることで行われる。
この研磨時には、緩衝体15を介して、おもり19の全体荷重が環状フランジ14aからキャリアプレート16の外周部に作用する。また、空気圧によりキャリアプレート16の中心部に中心荷重が作用する。すなわち、これらの静荷重と中心荷重とのバランスを保った状態で、シリコンウェーハWは鏡面研磨される。
【0035】
その際、研磨中のシリコンウェーハWの研磨面内の温度が、5本の熱電対17A〜17Eにより電圧値として検出される。各検出信号はデータロガー18によりデジタル変換され、その後、光電センサ24で計られたタイミングにより、発光部22から受光部21に向かって赤外線信号として送信される。受光部21が受光した信号は制御部Cに伝達され、ここで各温度データに基づき、経時的に、シリコンウェーハWの研磨面内の温度分布が求められる。得られた温度分布は、図4のグラフに示すようにモニタ表示され、またはプリンタにより印刷表示される。
その後、この温度分布を示すグラフに基づき、制御部Cからの制御指令信号により、シリコンウェーハWの研磨面内の温度が特定の分布になるように各研磨条件が変更される。すなわち、回転モータM1に対して研磨定盤12の回転速度を増減する指令が出される。また、回転モータM2に対しては、研磨ヘッド13の回転速度を増減させる指令が出される。さらに、供給ポンプP1に対しては、研磨定盤12内の冷媒流路12aを流れる冷却水の温度上昇/降下指令が出され、スラリーポンプP2に対しては、研磨布11上に供給される研磨剤の増減指令信号が出される。そして、研磨ヘッド13に対しては、キャリアプレート16への中心荷重の増減指令信号が出される。
このように制御することで、シリコンウェーハWの研磨面内の温度が特定の分布(例えば一定、または、特定の温度勾配)になる。その結果、この研磨面内での研磨レートがほぼ均一化され、研磨後のシリコンウェーハWの平坦度を、従来の研磨布11の表面温度を均一化する場合に比べて、より高めることができる。
【0036】
次に、図5に基づき、この発明の第2の実施例を説明する。
図5は、この発明の第2の実施例に係る半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置が適用された研磨装置の縦断面図である。
この第2の実施例は、第1の実施例の研磨面の温度制御装置をCMP(Chemical Mechanical Polishing)式の研磨装置10Aに適用した例である。すなわち、図示しないものの、研磨ヘッド13Aには、第1の実施例で開示された5本の熱電対17A〜17Eなどを有する研磨面の温度制御装置が配備されている。
図5に示すように、研磨装置10Aはワックスレスマウント方式で、研磨ヘッド13Aのヘッド本体14の環状フランジ14aの下面に、環状のテンプレート31が固着されている。ヘッド本体14の内部空間には、シリコンウェーハWの保持ベースとなる保持プレート(ウェーハ保持部材)32が収納されている。この実施例では、図示しないものの保持プレート32に小孔16a〜16eが形成されている。保持プレート32の下面には、保水性を有する不織布製のバックパッド33が設けられ、この保持プレート32の上面の略全域には、シリコンウェーハWの研磨面内の温度が特定分布になるように保持プレート32を加熱するヒータHが設けられている。特定分布とは、実際に平坦度が高いものが得られたバッチでの温度分布などである。
【0037】
研磨時には、バックパッド33に純水を供給し、その表面張力によって、テンプレート31の孔部内に収容されたシリコンウェーハWをその裏面側から保持する。このとき、シリコンウェーハWは、その研磨面の全域をテンプレート31の端面から所定高さだけ下方に向かって突出させている。そして、スラリーノズルNを介して、遊離砥粒を含む研磨剤を研磨布11の研磨作用面に供給しながら、研磨ヘッド13Aを研磨定盤12上で回転させることで、シリコンウェーハWの研磨面が鏡面研磨される。
この研磨中に得られた温度分布に基づき、制御部Cからの制御指令により、ヒータHを介して、シリコンウェーハWの研磨面内の温度が一定になるように保持プレート32の温度が制御される。これにより、保持プレート32の反りが解消される。
その他の構成、作用、効果は、第1の実施例から推測可能な範囲であるので、説明を省略する。
【0038】
【発明の効果】
この発明によれば、研磨時の半導体ウェーハの研磨面内で複数位置の温度を測定し、これらの温度に基づき、この研磨面内の温度が特定分布になるように研磨条件を制御するので、半導体ウェーハの研磨面内の温度を特定分布(最適条件)にすることができ、これによりウェーハの研磨面内の研磨レートが均一化し、その結果、高い平坦度の半導体ウェーハを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施例に係る半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置が適用された研磨装置の縦断面図である。
【図2】この発明の第1の実施例に係るキャリアプレートの平面図である。
【図3】この発明の第1の実施例に係る半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置の制御回路を示すブロック図である。
【図4】この発明の第1の実施例に係る研磨時の半導体ウェーハの研磨面内での経時的な温度変化を示すグラフである。
【図5】この発明の第2の実施例に係る半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置が適用された研磨装置の縦断面図である。
【符号の説明】
10,10A 研磨装置、
11 研磨布、
12 研磨定盤、
12a 冷媒流路、
13,13A 研磨ヘッド、
16 キャリアプレート(ウェーハ保持部材)、
17A〜17E 熱電対(温度センサ)、
32 保持プレート(ウェーハ保持部材)、
C 制御部、
W シリコンウェーハ(半導体ウェーハ)。
Claims (16)
- 研磨布に研磨剤を供給し、研磨ヘッドのウェーハ保持面に保持された半導体ウェーハを上記研磨布に摺接させて研磨する際、この半導体ウェーハの研磨面の温度が特定の分布になるよう制御する半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法であって、
上記研磨時の半導体ウェーハの研磨面内での複数位置の温度を測定する工程と、
この測定した温度に基づき、この半導体ウェーハの研磨面が特定の温度分布となるように、その研磨条件を制御する工程とを備えた半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法。 - 上記研磨面内で複数位置の温度を測定する工程が、
上記ウェーハ保持面付近に配設された複数の温度センサを用いて測定し、測定した温度データに基づいて研磨面内の温度分布を算出する請求項1に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法。 - 上記研磨条件は、上記研磨ヘッドの回転速度である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法。
- 上記研磨条件は、上記研磨布が展設された研磨定盤の回転速度である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法。
- 上記研磨条件は、上記研磨ヘッドから半導体ウェーハに作用する研磨圧力である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法。
- 上記研磨条件は、上記研磨剤の供給量である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法。
- 上記研磨条件は、上記研磨ヘッドに設けられて、半導体ウェーハを保持するウェーハ保持部材の温度である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法。
- 上記研磨条件は、上記研磨定盤の内部に形成された冷媒流路を流れる冷媒の温度である請求項1または請求項2に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御方法。
- 研磨布に研磨剤を供給し、研磨ヘッドのウェーハ保持面に保持された半導体ウェーハを上記研磨布に摺接させて研磨する際、半導体ウェーハの研磨面の温度を制御する半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置であって、
上記研磨時の半導体ウェーハの研磨面の複数位置で温度を測定する温度測定手段と、
測定した温度に基づき、この半導体ウェーハの研磨面内の温度が特定の分布となるように上記研磨での条件を制御する研磨条件制御手段とを備えた半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置。 - 上記温度測定手段が、
上記ウェーハ保持面に近接して設けられ、この半導体ウェーハの研磨面内の異なる位置の温度をそれぞれ測定する複数の温度センサを有し、
各温度センサの測定温度に基づき、上記半導体ウェーハの研磨面内を特定の温度分布に制御する請求項9に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置。 - 上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨ヘッドの回転速度である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置。
- 上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨定盤の回転速度である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置。
- 上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨ヘッドから半導体ウェーハに作用される研磨圧力である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置。
- 上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨剤の供給量である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置。
- 上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨ヘッドに設けられた、半導体ウェーハを保持するウェーハ保持部材の温度である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置。
- 上記研磨条件制御手段により制御される研磨条件が、上記研磨定盤の内部に形成された冷媒流路を流れる冷媒の温度である請求項9または請求項10に記載の半導体ウェーハの研磨面の温度制御装置。
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