JP2004362972A - 燃料電池システム、燃料電池システムの発電方法、及び電気機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発熱源11で発生した熱を燃料電池27に供給することにより、燃料電池27の温度を調整することができ、燃料電池27を発電に好適な温度に維持しながら発電を行うことが可能となる。これにより、従来コンピュータ10から排出されていた無駄なエネルギーを排出することなく発電に利用することができるとともに、燃料電池27の発電効率を高めることができる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気機器から発生する熱を利用して温度調整を行う燃料電池システム、燃料電池システムの発電方法、及び電気機器に関する。さらに詳しくは、発熱源から発生する熱を利用することによって電気エネルギー効率良く利用するとともに、燃料電池の発電効率を高めることができる燃料電池システム、燃料電池システムの発電方法、及び電気機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータに搭載される各種半導体デバイスの高性能化、及びコンピュータの小型化などに伴い、半導体デバイスの高出力化、高密度、及び高集積化による発熱の増大は極めて大きな問題となってきている。このような半導体デバイスが発熱することによって生じる熱は、例えば、ヒートシンクや冷却ファンの如き冷却装置を用いることにより強制的に冷却され、コンピュータ内の温度上昇が抑制されている。また、電気機器に設けられる電気回路を構成する各種電子部品如き発熱源もヒートシンクや冷却ファンの如き冷却装置を用いることにより冷却される場合もある。また、コンピュータの如き電子装置に限定されず、電子装置を含む各種電気機器の温度上昇を抑制することは、電気機器の安定した駆動を行うためには重要な技術とされる。
【0003】
また、近年、上述した電気機器を駆動するための電源として、燃料電池を採用することが検討されてきている。燃料電池は、水素と酸素との化学反応によって発電が行われ、生成される生成物が水であることから、環境を汚染することがない発電装置として注目されており、各種電気機器の電源として利用するための技術開発が活発に行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した電気機器で発生する熱は、発熱源が強制的に冷却されることにより電気機器外部に排熱される。このような熱は、発熱源とされる半導体デバイス、その他の電子部品などの消費電力に比例した割合で電気エネルギーが熱エネルギーに変換されたものである。このような消費電力は電気機器の実使用上不可避なことであり、排熱された熱エネルギーは、電気機器の駆動に寄与しないエネルギー損失とされる。
【0005】
また、上述した発熱源を冷却するためには冷却装置を駆動するための電力が必要であり、この冷却装置で消費される消費電力も電源から供給される電力に対して無視できないエネルギー損失となる。したがって、上述した発熱源で発生する熱エネルギーを利用することで電源から供給される電力を有効に利用し、電気機器の省電力化を実現する技術が求められている。さらに、電気機器の省電力化を実現する技術とあわせて、特に、燃料電池の発電効率を高める技術も求められている。
【0006】
よって、本発明は、発熱源から発生する熱を利用することによって電気エネルギーを効率良く利用するとともに、燃料電池の発電効率を高めることができる燃料電池システム、燃料電池システムの発電方法、及び電気機器を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる燃料電池システムは、燃料電池と、電気機器が有する発熱源から前記燃料電池に熱伝達を行うことによって前記燃料電池の温度を調整する温度調整手段とを備えることを特徴とする。このような燃料電池システムによれば、発熱源から燃料電池に熱伝達を行うことによりこれまで排熱されてきた熱エネルギーを利用することができ、エネルギー損失を低減することができる。さらに、発熱源の熱エネルギーによって燃料電池の温度を発電に好適な温度に調整することができることから、燃料電池の発電効率を高めることもできる。
【0008】
さらに、本発明にかかる燃料電池システムにおいては、前記温度調整手段を、所要の熱量を伝達する熱伝達路とすることもできる。例えば、前記熱伝達路を、前記熱伝達を媒介する流体の流路とすることにより、流体を介して燃料電池の温度を調整することができる。さらにこのような流路を、前記発熱源から熱を受け取るヒートシンクに近接するように形成しても良い。流路がヒートシンクに近接していることにより、流路に効率良く熱伝達を行うことができる。また、前記流体を、前記発電を行う際に使用される燃料流体及び酸化用流体の少なくとも一方としても良く、燃料流体及び酸化用流体の少なくとも一方の温度を発電反応に好適な温度に調整することができる。
【0009】
また、本発明にかかる燃料電池システムは、改質器を更に備えていても良く、前記温度調整手段による前記熱伝達によって前記改質器や燃料の温度を調整することもできる。これにより、燃料の発電反応に用いられる燃料の改質を効率良く行うことができる。また、本発明にかかる燃料電池システムは、気化器を更に備えていても良く、前記温度調整手段による前記熱伝達によって前記気化器や燃料の温度を調整することもできる。よって、発熱源の熱を燃料の気化に必要な熱エネルギーとして利用することができ、エネルギー損失を低減することができる。
【0010】
本発明にかかる燃料電池システムは、前記燃料電池に熱伝達される過剰な熱量を排熱する排熱手段とを備えることもできる。これにより、燃料電池から過剰な熱を排熱することができ、温度調整を効率良く行うことが可能となる。また、前記排熱手段を、前記過剰な熱量を排熱する排熱路とすることができる。例えば、前記排熱路を、前記過剰な熱量を伝達するための流体の流路とすることにより、流体の温度を調整することができ、効率良く燃料電池の温度を調整することができる。さらにこのような流路を前記燃料電池の外部に設けられたヒートシンクに近接するように形成しても良い。流路がヒートシンクに近接していることにより、流路から効率良く排熱することができる。
【0011】
本発明にかかる燃料電池システムの発電方法は、電気機器が有する発熱源から、燃料電池を備える燃料電池システムへ熱伝達を行い、前記熱伝達によって前記燃料電池システムの温度を調整して発電を行うことを特徴とする。本発明にかかる燃料電池システムの発電方法によれば、発熱源から燃料電池に熱伝達を行うことにより、これまで排熱されてきた熱エネルギーを利用することができ、エネルギー損失を低減することができる。さらに、発熱源の熱エネルギーによって燃料電池の温度を発電に好適な温度に調整することができることから、燃料電池の発電効率を高めることもできる。
【0012】
本発明にかかる電気機器は、発熱源と、前記発熱源を収納する筐体と、燃料電池と、前記発熱源から熱伝達を行うことによって前記燃料電池の温度を調整する温度調整手段とを備える燃料電池システムとを有し、前記燃料電池システムから電力を供給されることにより駆動されることを特徴とする。本発明にかかる電気機器によれば、発電源の熱エネルギーを効率良く利用することができるとともに、電源とされる燃料電池の発電効率を高めることができる。これにより、電気機器全体のエネルギー損失を低減することができ、電気機器の省電力化を図ることができる。さらに、本発明にかかる電気機器おいては、前記燃料電池システムが前記筐体内に組み込まれることにより前記燃料電池システムと前記筐体とを一体としても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる燃料電池システム、燃料電池システムの発電方法、及び電気機器について図1乃至図3を参照しながら説明する。なお、本実施形態にかかる燃料電池システム、燃料電池システムの発電方法、及び電気機器は一例であり、本発明の思想の範囲内であれば、これら燃料電池システム、燃料電池システムの発電方法、及び電気機器は便宜変更可能であることはいうまでもない。
【0014】
図1は、本実施形態にかかるコンピュータ10を示す構成図である。コンピュータ10は、CPU11、CPU11を駆動するための電力を供給する燃料電池システム19、及びこれらを収納する筐体12から構成される。なお、コンピュータ10と燃料電池システム19は筐体12に収納されて一体とされている。
【0015】
CPU11は、燃料電池システム19から電力の供給を受けて作動する半導体デバイスであり、作動時にはエネルギー損失を生じて発熱する。すなわち、CPU11は、コンピュータ10内で作動することによってコンピュータ10内の温度上昇の原因となる熱を発生する発熱源とされる。発熱源は、CPU11の如き半導体デバイスに限定されず、例えば、データの処理量が多いコンピュータグラフィック用のデータ処理システムを構成する各種電子部品でも良い。また、発熱源は、CPU11、メモリ、グラフィクスカードなどを制御するノースブリッジでも良い。すなわち、発熱源は、コンピュータ10の如き電気機器に搭載されて駆動されることにより発熱するものであれば、上述した電子部品に限定されるものではないが、特に発熱量が大きいものが好ましい。なお、本実施形態ではCPU11を除く発熱源は図示していない。また、図中CPU11の如き発熱源を一つしか示していないが、発熱源とされる電子部品はコンピュータ10内に各種複数配設されていても良く、さらに、異なる種類の電子部品であっても良い。
【0016】
燃料電池システム19は、コンピュータ10に駆動電力を供給する電源であり、燃料ポンプ21、空気ブロア22,31、水ポンプ23,33、気化器24、改質器25、一酸化炭素除去器26、燃料電池27、気水分離器32、及びヒートシンク41,42から構成される。なお、燃料ポンプ21、空気ブロア22,31,水ポンプ22,31は本実施形態のようにコンピュータ10に搭載されていても良いし、コンピュータ10外部に配置しておくこともできる。また、コンピュータ10に搭載される燃料ポンプ21、空気ブロア22,31、水ポンプ23,33として、充分に小型、且つ軽量のものを用いれば、コンピュータ10の携帯性を損なうものではない。
【0017】
燃料ポンプ21は、燃料を気化器24に供給する。燃料はメタノールの如き炭化水素を用いることができ、気化器24、改質器25及び一酸化炭素除去器26を介して水素が取り出され、この水素が燃料電池27に供給されて発電が行われる。燃料ポンプ21から供給される燃料、水ポンプ23から供給される水、空気ブロア22から供給される空気は、流路20Aを介して気化器24に供給される。なお、流路20Aは一つの流路として図示しているが、燃料、水、空気のそれぞれについて個別の流路とされていても良い。
【0018】
ヒートシンク41は、流路20Aを介して、燃料及び水、さらに空気を所定の温度になるように加熱、又は保温する。改質器25で燃料と水とを反応させて水素を取り出すためには、燃料ガスと水蒸気との温度を例えば250℃〜300℃程度に維持することが必要であり、ヒートシンク41は、気化器24から供給される燃料、水及び空気の温度を維持、又は上昇させるためにCPU11から受け取った熱をこれら燃料、水及び空気に供給する。
【0019】
図2は、ヒートシンク41から流路20Aに熱伝達する状態を説明するための図である。ヒートシンク41は、長手方向が略平行な突条部41aを複数有してなり、流路20Aをこれら突条部41aの間を蛇行するように配設することができる。ヒートシンク41の入り口から流路20Aを介して流動する燃料は、ヒートシンク41に設けられた突条部41aの間を蛇行して流動する間に突条部41aから熱を受け取り加熱、又は保温されてヒートシンク41の出口側から流路20Aを介して気化器24に送られる。すなわち、流路20Aはヒートシンク41を介してCPU11から熱を受け取ることで流路20Aを流動する流体の温度を調整する温度調整手段とされる。このような温度調整手段は、熱を伝達する熱伝達路を構成することで、流体の温度を調整し、さらにこの流体を介して燃料電池システム19の温度を調整することができる。また、流路20Aは上述した構造に限定されず、ヒートシンク41の内部に形成することもでき、ヒートシンク41内部に流路20Aが一体化された構造にすることもできる。
【0020】
ヒートシンク41に設けられた突条部41aと流路20Aを近接されることができることから、突条部41aと流路20Aとが近接する領域を増大させることが可能となり、効率良くヒートシンク41から流路20Aに熱を伝達することができる。したがって、別途温度調整用のヒーターを駆動させることなく、従来排熱されることによって利用されていなかったCPU11の熱エネルギーを燃料の温度を調整するために利用することができる。さらに、流路20Aを流動する燃料の温度を上昇させておくことにより、気化器24に設けられるヒーターの出力を低減することができ、燃料を気化するために気化器24から燃料に供給される熱量を低減することもできる。ヒートシンク41に設けられる突条部41aの個数を変更することにより、流路20Aに供給される熱量を調整することも可能である。
【0021】
気化器24は、燃料と水とを加熱することによって蒸発させ、燃料ガス及び水蒸気、さらに空気を改質器25に送る。ここで、CPU11の如き発熱源で発生した熱がコンピュータ10の外部に排熱されることなく、燃料ガスや水蒸気、及び空気を加熱するためにCPU11から気化器24に供給される。CPU11の如き発熱源から気化器24に熱を伝達するためには、CPU11と気化器24とを直接接触させても良いし、熱伝達が効率良く行われるようにCPU11と気化器24とを近接して配設しておいても良い。すなわち、CPU11と気化器24とを直接接触することで熱伝達路を形成しても良いし、CPU11と気化器24とが近接して配置された状態でこれらCPU11と気化器24との間の空間を熱伝達路として熱伝達を行うことができる。また、CPU11と気化器24のレイアウトによって熱伝達する熱量を調整して、気化器24の温度を調整してもよく、さらに気化器24の温度をモニターして熱伝達量を調整しても良い。
【0022】
改質器25は、流路20Bを介して供給された水と燃料とを反応させて水素を取り出す。水素を取り出す際には、水蒸気と燃料ガスとを上述した250℃〜300℃程度の温度に維持することが重要であることから、CPU11から改質器25に熱を供給し、この熱を水蒸気と燃料ガスの温度調整に利用することができる。CPU11の如き発熱源から改質器25に熱を伝達するためには、CPU11と改質器25とを直接接触させても良いし、熱伝達が効率良く行われるようにCPU11と改質器25とを近接して配設しておいても良い。すなわち、CPU11と改質器25とを直接接触することで熱伝達路を形成しても良いし、CPU11と改質器25とが近接して配置された状態でこれらCPU11と改質器25との間の空間を熱伝達路として熱伝達を行うことができる。
【0023】
また、CPU11と改質器25とのレイアウトによって熱伝達する熱量を調整して、改質器25の温度を調整してもよく、さらに改質器25の温度をモニターして熱伝達量を調整しても良い。すなわち、別途温度調整用のヒーターを駆動させることなく、燃料、水の温度を調整することができ、従来排熱されることによって利用されていなかったCPU11の熱エネルギーを再利用することができる。改質器25は、改質器25で取り出された水素と水素を取り出す際に発生した一酸化炭素除去器26とを流路20Cを介して一酸化炭素除去器26に送る。一酸化炭素除去器26は改質器25で取り出された水素とともに発生する一酸化炭素を除去し、流路20Dを介して燃料電池27に水素を供給する。また、流路20DをCPU11から熱を受け取るヒートシンクに通し、所定の温度に水素を加熱してから燃料電池27に水素を供給しても良い。
【0024】
燃料電池27は、空気ブロア31から供給された空気と流路20Dを介して供給された水素とを反応させて発電を行う。燃料電池27が備える発電体が固体高分子伝導膜の如き伝導膜を有する場合には、水ポンプ33から供給される水によって伝導膜が適度な吸湿状態に維持されて発電が行われる。また、燃料電池27の発電効率を高めるためには、燃料電池27の温度を調整し、発電体の温度を水素と空気に含まれる酸素とが反応しやすい温度に調整することも重要となり、例えば、空気ブロア31から燃料電池27に空気を供給するための流路にヒートシンクを配置し、このヒートシンクによってCPU11から空気の流路に熱を伝達することもできる。これにより、流路を流動する空気によって燃料電池27に熱が伝達され、燃料電池27の温度を調整することもできる。
【0025】
また、CPU11の如き発熱源を燃料電池27と直接接するように配置し、CPU11から直接燃料電池27に熱伝達させても良いし、燃料電池27とCPU11とを近接して配置することによって伝達される熱量を調整し、燃料電池27の温度を調整することもできる。すなわち、発熱源とされるCPU11と燃料電池27との配置や燃料電池27に供給される空気がCPU11で生じた熱を燃料電池27に伝達することにより発電効率を高めることができ、従来排熱されていたCPU11の熱が燃料電池27の発電効率を高めるために有効に利用されることになる。さらに、従来、CPU11で発生した熱を排熱するために設けられていた冷却ファンを駆動させることがないため、燃料電池27で発電した電力をコンピュータ10を駆動するための電力して効率良く利用することができ、さらにコンピュータ10の外部に排出されて無駄となっていたエネルギーを有効に利用することができる。また、コンピュータ10には、冷却ファンの如き冷却装置が配設されていてもいなくともどちらでも良い。コンピュータ10に冷却装置が配設されている場合には、冷却装置の駆動の有無を制御しても良い。また、燃料電池27が伝導膜を備える発電体を有する場合には、燃料電池27の温度を調整することによりこの発電体の温度を調整することが可能となり、これにより発電体の吸湿状態を制御することもできる。
【0026】
燃料電池27で発電が行われた際の未反応の燃料ガスは、流路20Eを介して再度気化器24に送られる。流路20Eは、ヒートシンク42を介してCPU11の熱を受け取り、未反応の燃料ガスは温度調整された状態で気化器24に送られる。また、ヒートシンク42はCPU11から熱が伝達されて未反応の燃料ガスの温度調整を行うだけでなく、CPU11から熱が伝達されることなく未反応の燃料ガスや燃料電池27から排出される空気を冷却するための冷却装置とすることもできる。また、ヒートシンク42に冷却装置を配設しておくことにより、上述した未反応の燃料について最適な温度制御を行うこともできる。
【0027】
図3は、流路20Eからヒートシンク42を介して放熱する状態を説明するための図である。ヒートシンク42は、長手方向が略平行な突条部42aを複数有してなり、流路20Eをこれら突条部42aの間を蛇行するように配設することができる。すなわち、ヒートシンク42の入り口から流路20Eを介して流動する未反応の燃料ガスは、ヒートシンク42に設けられた突条部42aの間を蛇行して流動する間に突条部42aから放熱することにより冷却されて、ヒートシンク42の出口側から流路20Eを気化器24に送られる。これにより、ヒートシンク42に設けられた突条部42aと流路20Eを近接されることができるとともに、突条部42と流路20Eとが近接する領域を増大させることが可能となり、効率良くヒートシンク42から流路20Eに放熱することができる。したがって、流路20Eは流路20Eを流動する未反応の燃料ガスから熱を排熱するための排熱手段であり、流路20Eが未反応の燃料ガスから熱を排熱する排熱路を構成する。発電反応によって燃料電池システム19に蓄熱されることを抑制することができる。これにより、燃料電池27の温度上昇を抑制することが可能となる。燃料電池27の温度上昇を抑制することにより、燃料電池27が備える発電体を構成する伝導膜の湿度を発電反応に好適な状態に維持することができる。
【0028】
さらに、燃料を介して放熱することにより、発電反応に好適な温度となるように燃料電池27の温度を調整することも可能であり、これにより発電効率を高めることができる。また、流路20Eに限定されず、流路20A〜20Dから放熱することによって、これら流路を流れる流体の温度を調整して燃料電池27の温度を調整することも可能である。したがって、燃料電池システム19内を流動する燃料ガス、燃料から取り出される水素、および空気の温度調整することにより、燃料電池システム19の温度調整が可能となり、燃料ガスから水素を取り出すための反応効率を高め、さらに燃料電池27で行われる発電反応の効率を高めることが可能となる。さらに、CPU11の如き発熱源で発生する熱を排熱することなく燃料電池システムの温度調整に利用することによって、別途CPU11から排熱するために駆動される冷却装置によって燃料電池27で発電される電力が消費されることがなく、燃料電池システム19によって発電を行わせるための周辺機器で消費される電力を低減することができる。したがって、燃料電池27によって発電される電力をコンピュータ10の如き電気機器で有効に利用することができるとともに、燃料電池27の発電効率を高めることが可能となる。
【0029】
燃料電池27から排出される空気に含まれる水分は、気水分離器32によって分離され、水ポンプ33に送られて再度燃料電池27の湿度を維持するための水分として利用される。酸素を殆ど含まない空気は、気水分離器32から外部に排出される。
【0030】
このように、本実施形態にかかる燃料電池システム19及びコンピュータ10の如き電気機器によれば、コンピュータ10に配設されたCPU11の如き発熱源によって生じる熱を、燃料電池システム19に使用される燃料、水及び空気を加熱、又は保温するために利用することができる。これにより、別途温度調整用にヒーターを設けることなく、燃料から水素を取り出すことができる。さらに燃料電池27の温度を調整できることから、燃料電池27を発電に好適な温度に維持することが可能となる。また、CPU11の如き発電源で発生した熱は、従来燃料電池システム19の過剰な温度上昇を招く原因となっていたが、この熱を燃料電池燃料電池システム19の温度調整に利用することにより別途燃料電池27の冷却装置を駆動させることなく円滑な発電を行うことが可能となる。よって、コンピュータ10の如き電気機器で従来排出されていた無駄なエネルギーを低減することができるとともに、燃料電池27の発電効率を高めることもできる。
【0031】
また、本実施形態では、電気機器の一例としてコンピュータ10を挙げて説明したが、本発明にかかる電気機器はコンピュータに限定されるものでなく、例えばプロジェクター装置の如き投影装置であっても良い。プロジェクター装置は、光源としてランプを有し、このランプは点灯状態で高温になる場合があることから、ランプから発生する熱を燃料電池システムの温度の調整に利用することにより、コンピュータ10と同様に従来熱エネルギーとして排出されていた無駄なエネルギーを有効に利用することができ、且つ燃料電池を電源としてプロジェクターを駆動する場合にはこの燃料電池の発電効率を高めることができる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明にかかる燃料電池システム、燃料電池システムの発電方法、及び電気機器によれば、電気機器に配設された発熱源の熱を燃料の加熱、又は保温に利用することができる。したがって、メタノールの如き炭化水素を燃料する場合であっても、発電反応に直接使用される水素の生成を効率良く行うことができ、従来排熱されることにより電気機器の駆動に寄与しないエネルギー損失とされていた無駄なエネルギーを有効に利用することが可能となる。
【0033】
さらに、本発明にかかる燃料電池システム、燃料電池システムの発電方法、及び電気機器によれば、電気機器に配設された発熱源の熱によって燃料電池やその他燃料電池システムを構成する周辺装置の温度を調整するために利用することができ、別途温度調整用のヒーターを設けることなく燃料電池システムを発電に好適な温度になるように調整することが可能となる。また、燃料の流路を介して燃料を冷却し、過剰な熱を外部に排熱することもでき、燃料電池システムの加熱、保温、及び冷却を組み合わせることに燃料電池システムを発電に好適な温度に維持し、発電効率を高めることが可能となる。
【0034】
さらに、本発明にかかる燃料電池システム、燃料電池システムの発電方法、及び電気機器によれば、発熱源を冷却するための冷却装置が不要となることから、従来この冷却装置を駆動するために消費されていた電力を低減することができ、燃料電池システムで発電された電力を電気機器を駆動するための電力として効率良く利用することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる電気機器を示す構成図である。
【図2】本実施形態における流路20Aが加熱される状態を説明するための図である。
【図3】本実施形態における流路20Eから放熱される状態を説明するための図である。
【符号の説明】
10 コンピュータ
11 発熱源
12 筐体
19 燃料電池システム
20A〜20E 流路
21 燃料ポンプ
22,31 空気ブロア
23,33 水ポンプ
24 気化器
25 改質器
26 一酸化炭素除去器
27 燃料電池
32 気水分離器
41,42 ヒートシンク
41a,42a 突条部
Claims (15)
- 燃料電池と、
電気機器が有する発熱源から前記燃料電池に熱伝達を行うことによって前記燃料電池の温度を調整する温度調整手段とを備えること
を特徴とする燃料電池システム。 - 前記温度調整手段は、所要の熱量を伝達する熱伝達路であること
を特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記熱伝達路は、前記熱伝達を媒介する流体の流路であること
を特徴とする請求項2記載の燃料電池システム。 - 前記流路は、前記発熱源から熱を受け取るヒートシンクに近接するように形成されていること
を特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。 - 前記流体は、前記発電を行う際に使用される燃料流体及び酸化用流体の少なくとも一方であること
を特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。 - 前記燃料流体及び酸化用流体の少なくとも一方の温度が、前記流路で調整されること
を特徴とする請求項5記載の燃料電池システム。 - 改質器を更に備え、
前記温度調整手段は、前記熱伝達によって前記改質器の温度を調整すること
を特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 気化器を更に備え、
前記温度調整手段は、前記熱伝達によって前記気化器の温度を調整すること
を特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記燃料電池に熱伝達される過剰な熱量を排熱する排熱手段を備えること
を特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。 - 前記排熱手段は、前記過剰な熱量を排熱する排熱路であること
を特徴とする請求項9記載の燃料電池システム。 - 前記排熱路は、前記過剰な熱量を伝達するための流体の流路であること
を特徴とする請求項10記載の燃料電池システム。 - 前記流路は、前記燃料電池の外部に設けられたヒートシンクに近接するように形成されていること
を特徴とする請求項11記載の燃料電池システム。 - 電気機器が有する発熱源から、燃料電池を備える燃料電池システムへ熱伝達を行い、
前記熱伝達によって前記燃料電池システムの温度を調整して発電を行うこと
を特徴とする燃料電池システムの発電方法。 - 発熱源と、
前記発熱源を収納する筐体と、
燃料電池と、前記発熱源から熱伝達を行うことによって前記燃料電池の温度を調整する温度調整手段とを備える燃料電池システムとを有し、
前記燃料電池システムから電力を供給されることにより駆動されること
を特徴とする電気機器。 - 前記燃料電池システムが前記筐体内に組み込まれることにより前記燃料電池システムと前記筐体とが一体とされること
を特徴とする請求項14記載の電気機器。
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