JP2004362352A - 煙感知器感度試験装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】煙感知器の感度試験をより正確に行うことのできる煙感知器感度試験装置を提供する。
【解決手段】煙発生器4により発煙動作が開始される(ステップ♯3)と、煙濃度測定器6は、煙濃度の測定を開始し、制御部20内の記憶部22は、一定の時間間隔で計測される煙濃度を示す煙濃度データを煙濃度測定器6から取得して記憶する(ステップ♯4)。そして、煙感知器100から発報信号が出力される(ステップ♯5でYES)と、表示制御部24は、この時点(発報信号を受信した時点)より前述の遅延時間T前の時点、すなわち煙感知器100が、煙濃度が閾値を超えたと判断してパルスの出力を開始した時点における煙濃度データを記憶部22から読み出し(ステップ♯6)、この煙濃度データに係る煙濃度をLCD9に表示させる。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、煙濃度が所定の閾値に達したことを検知する煙感知器の動作を試験する煙感知器感度試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、煙濃度が所定の閾値に達したことを検知する煙感知器の動作を試験するものとして、例えば下記特許文献1に開示された煙感知器感度試験装置がある。
【0003】
この煙感知器感度試験装置は、ハウジング内の上下に設けられた煙導入路と、下側の煙導入路に設置された煙発生装置と、煙発生装置により発生させた煙を上側の煙導入路に送るファンと、上側の煙導入路上に設置された煙濃度センサと、煙濃度センサにより検出される煙濃度に応じて煙発生装置のヒータの加熱量を制御するコントローラとを備えており、流動パラフィンをヒータで加熱することにより発生した煙を、上側の煙導入路上に設置された試験対象の煙感知器の周囲に送り、煙濃度に関する規格範囲内で煙感知器が正常に発報するか否かを試験するように構成されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−318491号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の煙感知器感度試験装置においては、次のような要因によって良品を不良品と判断してしまう場合があった。
【0006】
すなわち、喫煙や調理により発生した煙を火災による煙であると誤って報知するのを防止または低減するため、煙濃度が予め設定された閾値を達した時点で煙感知器に発報させるところを、所定時間遅延して発報させるようにし、所定の表示部にその発報時の煙濃度を表示するように構成されている場合がある。
【0007】
この場合、試験者は、この表示部に表示された発報時の煙濃度が前述の規格範囲内にあるか否かを判断することで、良品か不良品かを判定することとなる。
【0008】
しかしながら、煙感知器が、煙濃度がその閾値を達したことを検出できていても、遅延させた発報時の煙濃度が規格範囲内にないときには、良品であるにも拘らず不良品であると判定されることとなる。
【0009】
また、発煙量を手動でコントロールするように構成したときには、前述のように発報動作を遅延させることで、同一の煙感知器を試験する場合であっても、手動で設定される発煙量の多さによって発報時点の煙濃度が異なることから、例えば発報を遅延させている間に、煙濃度が前述の規格範囲外となったときにも、本来良品であるはずの煙感知器が不良品と判定される場合が生じることとなる。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、煙感知器の感度試験をより正確に行うことのできる煙感知器感度試験装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、煙濃度が予め設定された閾値を超えた時点から所定時間遅延して発報信号を出力する煙感知器の感度を試験するための煙感知器感度試験装置であって、煙を生成する煙生成手段と、煙が生成されると、前記煙生成手段により生成された煙の濃度を一定の時間間隔で検出する煙濃度検出手段と、前記煙濃度検出手段により検出された煙濃度を記憶する記憶手段と、前記煙感知器から出力される前記発報信号を受信する受信手段と、煙濃度を表示する表示手段と、前記受信手段により前記発報信号が受信されると、この発報信号を受信した時点より前記所定時間前の時点における煙濃度を前記記憶手段から取得し、その取得した煙濃度を前記表示手段に表示させる制御手段とを備えることを特徴とする煙感知器感度試験装置である。
【0012】
この発明によれば、煙生成手段により煙が生成されると、煙濃度検出手段によりこの煙濃度が一定の時間間隔で検出され、この検出された煙濃度が記憶手段により記憶される。そして、受信手段により、煙感知器から出力される発報信号が受信されると、制御手段により、この発報信号を受信した時点より前記所定時間前の時点における煙濃度が前記記憶手段から取得され、その取得した煙濃度が表示手段に表示される。このように、煙濃度が閾値に達したことを検出したときの煙濃度が表示手段に表示されるから、煙感知器に対する良品か不良品かの判定を正確に行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、煙濃度が予め設定された閾値を超えた時点から所定時間遅延して発報信号を出力する煙感知器の感度を試験するための煙感知器感度試験装置であって、煙を生成する煙生成手段と、前記煙生成手段により生成された煙の濃度を検出する煙濃度検出手段と、前記煙感知器から出力される前記発報信号を受信する受信手段と、煙濃度を表示する表示手段と、前記受信手段により前記発報信号が受信されると、所定のタイミングにおける煙濃度を前記表示手段に表示させる制御手段とを備え、前記煙生成手段は、電流が供給されることにより発熱し、その熱により燻煙対象物を燻煙させる発熱手段と、前記発熱手段に電流を供給する電流供給手段と、互いに電気抵抗値が異なる複数の電流路を前記電流供給手段と前記発熱手段との間に形成する電気回路と、前記煙濃度検出手段により検出される煙濃度と、煙濃度に関する基準値との大小に応じたフィードバック制御により、前記電流供給手段で前記発熱手段に電流を供給するための電流路を選択する電流路制御手段とを備えることを特徴とする煙感知器感度試験装置である。
【0014】
この発明によれば、煙生成手段に、互いに電気抵抗値が異なる複数の電流路を電流供給手段と発熱手段との間に形成する電気回路と、煙濃度検出手段により検出される煙濃度と、煙濃度に関する基準値との大小に応じたフィードバック制御により前記電流路を選択する電流路制御手段とを備えたので、煙濃度検出手段により検出される煙濃度と前述の基準値との大小に応じて、自動的に煙濃度が制御される。
【0015】
これにより、発煙量を手動でコントロールする従来の構成のように、同一の煙感知器を試験する場合でも、手動で設定される発煙量の多さによって発報時点の煙濃度が異なることが防止または低減され、煙感知器に対する良品か不良品かの判定を正確に行うことができる。
【0016】
その際、請求項3に記載の発明のように、前記電気回路を、互いに電気抵抗値の異なるn個(nは2以上の整数)の電気抵抗素子が相互に並列接続して構成すると、次の式1で表されるパターン数の電流値で電流を発煙手段に供給することができる。
【0017】
【数式1】
Figure 2004362352
【0018】
(Cは組合せを意味するCombinationの頭文字)
また、請求項4に記載の発明のように、前記電気回路を、互いに電気抵抗値の異なる3つの電気抵抗素子のうち、2つの電気抵抗素子が直列接続され、この直列回路と他の電気抵抗素子とが並列接続されているとともに、前記直列回路における一方の電気抵抗素子にスイッチング素子が並列接続されてなるようにしてもよい。
【0019】
また、請求項5に記載の発明のように、前記電気回路を、互いに電気抵抗値の異なる3つの電気抵抗素子のうち、2つの電気抵抗素子が直列接続され、この直列回路と他の電気抵抗素子とが並列接続されているとともに、前記直列接続された2つの電気抵抗素子の接続点が前記電流供給手段に導線で接続されてなるようにしてもよい。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係る煙感知器感度試験装置の実施形態について説明する。
【0021】
図1は、煙感知器感度試験装置1の構成を示す図である。
【0022】
図1に示すように、煙感知器感度試験装置1は、例えばジュラルミン等の材質で構成された筺体2を有し、該筺体2内の空間が仕切り板3により上下2槽に分割されている。下槽の空間は、前述の仕切り板3により密閉されており、当該下槽に、煙発生器4、ファン5、煙濃度測定器6、仕切り板7、及び試験対象物としての煙感知器100が配設される一方、上槽には、煙濃度調整用ダイヤル8及びLCD(Liquid Crystal Display)9が配設されている。
【0023】
煙感知器100は、仕切り板3に開閉可能に取り付けられた取付板10に固定され、後述するように、煙発生器4により下槽内で発生させた煙を感知するものである。
【0024】
煙発生器4は、下槽内の空間の略中央部に略水平に配設された仕切り板7の下部適所に配設され、例えば図2に示すように、電源11と、可変抵抗器12と、コイル13と、布地14とを備えて構成される。
【0025】
可変抵抗器12とコイル13とは、電源11とグランドGNDとの間で直列接続されている。コイル13は、例えばニクロム等の材質からなり、油が付着された布地14に巻き付けられた状態で設置されている。
【0026】
このような構成を備える煙発生器4において、電源11から可変抵抗器12を介してコイル13に電流を供給することで該コイル13を発熱させ、これにより、布地14に付着された油を燻煙させる。
【0027】
また、本実施形態においては、上槽に配設された前述の煙濃度調整用ダイヤル8を時計周りもしくは反時計周りに回転操作することで、可変抵抗器12の抵抗値を変化させることができるようになっている。したがって、煙濃度調整用ダイヤル8を回転操作することにより、コイル13に流れる電流値及びコイル13の発熱量が変化し、延いては油の燻煙により発生する煙の発生量を変化させることができる。
【0028】
ファン5は、下槽内の空間の略中央部に略水平に仕切り板7を保持するように該仕切り板7の下方に配設され、該仕切り板7により下槽内の空間に形成された図1において略楕円形状の通気路に沿って、煙発生器4により発生させた煙を矢印Aの方向に仕切り板7の周囲を循環させるためのものである。
【0029】
煙濃度測定器6は、仕切り板7の上面に固定され、ファン5により循環される煙を感知して、下槽内の煙濃度を測定するものである。
【0030】
煙濃度調整用ダイヤル8は、前述したように、煙発生器4に備えられる可変抵抗器12の抵抗値を調整することで、発生させる煙の濃度を調整するためのものであり、例えば、時計周りに回転操作されると煙濃度の上昇率が大きく設定され、反時計周りに回転操作されると煙濃度の上昇率が小さく設定される。
【0031】
LCD9は、煙濃度測定器6により測定された煙濃度の数値を表示するものである。
【0032】
図3は、煙感知器100のブロック構成を示す図である。
【0033】
煙感知器100は、喫煙や調理により発生した煙を火災による煙であると誤って報知するのを防止または低減するため、煙濃度がその閾値に達すると、一定の周期でパルスを出力するとともに、そのパルスの数をカウントし、パルスの数が所定値に達すると発報信号を出力することで、所定時間遅延して発報動作を行うように構成されている。
【0034】
図3に示すように、煙感知器100は、煙濃度検出部101と、判定部102と、パルス出力部103と、カウント部104と、発報部105とを備える。
【0035】
煙濃度検出部101は、所定の領域内(当該試験装置1による試験時には下槽領域内)の煙濃度を一定の周期で検出するものである。
【0036】
判定部102は、煙濃度検出部101により検出される煙濃度が前述の閾値より大きいか否かを判定するものである。
【0037】
パルス出力部103は、煙濃度検出部101により検出される煙濃度が予め設定された閾値に達すると、所定の周期でパルスを出力するものである。
【0038】
カウント部104は、パルス出力部103により出力されるパルスの数をカウントするものである。
【0039】
発報部105は、カウント部104によるカウント値が所定値に達すると、火災が発生した旨を示す発報信号を所定の発報先(当該試験装置1による試験時には該試験装置1)に出力するものである。
【0040】
図4は、煙感知器感度試験装置1のブロック構成を示す図である。
【0041】
図4に示すように、煙感知器感度試験装置1は、火災受信回路15と、煙濃度測定器6と、多重伝送ドライバー・レシーバー16と、LCDコントローラ17と、LCD9と、電源回路18と、電源スイッチSWと、制御部20とを備える。
【0042】
火災受信回路15は、煙感知器100から出力される前述の発報信号を受信し、制御部20にその信号を伝達するための回路である。
【0043】
煙濃度測定器6は、図1に示す煙濃度測定器6に相当するものであり、電源スイッチSWがオンされ、煙発生器4により煙の生成が開始されると一定の時間間隔で煙濃度を測定し、煙濃度データを、多重伝送ドライバー・レシーバー16を介して制御部20に出力するものである。
【0044】
多重伝送ドライバー・レシーバー16は、煙濃度測定器6から出力される煙濃度データを制御部20に送信するものである。
【0045】
LCDコントローラ17は、制御部20からの信号によりLCD9へ文字等を表示させるものである。
【0046】
LCD9は、図1に示すLCD9に相当するものである。
【0047】
電源回路18は、商用電源100Vを降圧し、当該試験装置1に備えられる図略の電源ボタンの操作により電源スイッチSWがオンされると、煙感知器感度試験装置1内の各部及び煙感知器100に電源を供給するものである。
【0048】
制御部20は、例えば制御プログラムを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAMからなる後述の記憶部が内蔵されたマイクロコンピュータからなり、上述した各部材の駆動を有機的に制御して煙感知器感度試験装置1の試験動作を統括制御するものである。
【0049】
ここで、従来の煙感知器感度試験装置において発生する問題点と、本実施形態における特徴部分について説明する。
【0050】
従来の煙感知器感度試験装置では、煙濃度が所定の閾値に達してから所定時間が経過した後に煙感知器100から出力される発報信号を受けて、その発報時点における煙濃度をLCD9に表示するように構成されていた。そして、上記発報時点における煙濃度が、予め設定された煙濃度の範囲内にあるか否かで、煙感知器100の良品・不良品を判定するようにしていた。
【0051】
図5は、時間の経過とともに煙濃度が略一定の割合で増加する場合において、煙感知器100が良品と判定される場合(a)と、煙感知器100が不良品と判定される場合(b)との一例を示す図である。
【0052】
図5(a)は、時刻T=T1で煙濃度が閾値に達したことを検知し、その時点から所定時間t経過した時刻T=T2で発報した煙感知器100の動作を示し、一方、図5(b)は、時刻T=T3で煙濃度が閾値に達したことを検知し、その時点から所定時間t経過した時刻T=T4で発報した煙感知器100の動作を示す。
【0053】
なお、所定時間tは、前述したように、喫煙や調理により発生した煙を火災による煙であると誤って報知するのを防止または低減すべく設けられた発報タイミングの遅延時間である。
【0054】
従来では、煙感知器100から発報信号が出力された時点の煙濃度が斜線で示す良品領域にあるときに、煙感知器100を良品と判定し、煙濃度が良品領域外にあるときには不良品と判定することから、図5(a)に示す動作を行う煙感知器100については、前述のように発報動作の遅延期間に煙濃度が上昇しても、発報時(時刻T=T2)の煙濃度が良品領域内にあるため、良品と判定されることとなる。
【0055】
一方、図5(b)に示す動作を行う煙感知器100については、前述の遅延期間に煙濃度が上昇したことで、発報時(時刻T=T4)の煙濃度が良品領域外となったことにより、不良品であると判定されることとなる。
【0056】
しかし、図5(b)の場合、煙感知器100は時刻T=T3で煙濃度が所定の閾値に達したことを検出できていて良品であると判定されるべきものであるにも拘らず、発報時の煙濃度が良品領域外となっているために不良品であると誤って判定される。
【0057】
このような誤判定を防止すべく、本実施形態では、煙濃度が前述の閾値に達したことを煙感知器100が検知した時点の煙濃度で前述の判定が行われるようにしている。
【0058】
この構成を実現すべく、図4に示すように、制御部20は、煙濃度情報受信部21と、記憶部22と、発報信号受信部23と、表示制御部24とを備える。
【0059】
煙濃度情報受信部21は、煙濃度測定器6により一定の時間間隔で測定された煙濃度に係る情報(以下、煙濃度データという)を、該煙濃度測定器6から多重伝送ドライバー・レシーバー16を介して受信するものである。
【0060】
記憶部22は、前述の遅延時間についての情報を予め記憶するとともに、図6に示すように、多重伝送ドライバー・レシーバー16及び煙濃度情報受信部21を介して煙濃度測定器6から一定の時間間隔で受信した煙濃度データを累積的に記憶するものである。例えば、図6に示すように、煙濃度測定器6による煙濃度の測定が開始してから時間Δt経過後に煙濃度測定器6から煙濃度データ(C)を受信すると、記憶部22は、この煙濃度データを記憶し、さらに時間Δt経過後に煙濃度測定器6から煙濃度データ(C)を受信すると、記憶部22は、煙濃度データ(C)に加えて煙濃度データ(C)を記憶する。
【0061】
発報信号受信部23は、煙感知器100から出力される前述の発報信号を受信するものである。
【0062】
表示制御部24は、発報信号受信部23により発報信号が受信されると、前記記憶部22に記憶されている煙濃度データのうち、この発報信号を受信した時点から所定時間だけ遡った時点の煙濃度データを記憶部22から読み出し、この煙濃度データに係る煙濃度をLCD9に表示させるものである。例えば、図6に示すように、煙濃度測定器6による煙濃度の測定が開始してから時間nΔt経過後に煙感知器100から発報信号が出力され、この発報信号を受信した時点から所定時間だけ遡った時刻が時刻2Δtであるものとすると、表示制御部24は、この時刻2Δtにおける煙濃度CをLCD9に表示させる。
【0063】
次に、煙感知器感度試験装置1の試験動作について図7にしたがって説明する。
【0064】
図7に示すように、図略の電源ボタンがオンされる(ステップ♯1でYES)と、煙感知器100において煙濃度が閾値に達したことを検知してから発報信号を出力するまでの出力パルス数に相当する前述の遅延時間が設定された(ステップ♯2)後、煙発生器4により発煙動作が開始され(ステップ♯3)、煙濃度測定器6は、煙濃度の測定を開始し、制御部20内の記憶部22は、一定の時間間隔で計測される煙濃度を示す煙濃度データを煙濃度測定器6から取得して記憶する(ステップ♯4)。
【0065】
そして、煙感知器100から発報信号が出力される(ステップ♯5でYES)と、表示制御部24は、この時点(発報信号を受信した時点)より前述の遅延時間T前の時点、すなわち煙感知器100が、煙濃度が閾値を超えたと判断してパルスの出力を開始した時点における煙濃度データを記憶部22から読み出し(ステップ♯6)、この煙濃度データに係る煙濃度をLCD9に表示させる(ステップ♯7)。
【0066】
以上のように、煙濃度が所定の閾値に達したものと判断した時点の該煙濃度をLCD9に表示するように構成したから、試験者は、この煙濃度に基づいて煙感知器100に対する良品・不良品の判定を行うことができ、その判定の正確性を向上することができる。
【0067】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
【0068】
本実施形態の煙感知器感度試験装置は、以下に説明する従来の構成において生じていた問題点を解消するものである。
【0069】
従来では、煙発生器のコイルに供給する電流(供給電流)の大きさを所定の操作部により手動で変化させることで、コイルの発熱量、延いては煙濃度を変化させるように構成していたが、このような構成にあっては次のような問題点が生じる。
【0070】
図8は、同一の煙感知器100に対し異なる3種類の発煙パターンで試験を行った場合の該煙感知器100の動作を示すものである。曲線Aは、電源からの供給電流を比較的大きくした場合の煙濃度の変化を示し、曲線Bは、電源からの供給電流を始めのうち(時刻T=T7まで)は非常に小さくしていたが、煙感知器がなかなか発報しなかったため、途中(時刻T=T7)から煙濃度の上昇率を曲線Aの場合と略同様の上昇率に設定した場合の煙濃度の変化を示し、曲線Cは、曲線Bにおいて時刻T=T7までの上昇率とT=T7以降の上昇率との略中間の上昇率に設定した場合の煙濃度の変化を示す。なお、斜線で示す領域は良品領域を示す。
【0071】
図8に示すように、曲線Aの場合、煙感知器100が時刻T=T5で所定の閾値に達したことを検出し、その検出した時点から所定時間t経過後の時刻T=T6で発報しているが、この場合、煙濃度の上昇率が大き過ぎて発報するまでの間に良品領域を超え、発報時点における煙濃度が良品領域外となっているため、不良品と判定されることとなる。
【0072】
一方、曲線Cの場合、煙感知器100が時刻T=T8で所定の閾値に達したことを検出し、その検出した時点から所定時間t経過後の時刻T=T10で発報しており、発報時点における煙濃度が良品領域内にあるため、良品と判定されることとなる。
【0073】
このように、手動で設定される供給電流の大きさによって発報時点の煙濃度が異なってくるため、同一の煙感知器100を試験した場合であっても、本来良品であるはずの煙感知器100が不良品と判定される場合がある。
【0074】
また、曲線Bの場合には、途中(時刻T=T7)で煙濃度の上昇率を大きくしたものの、煙濃度の上昇率が非常に小さい時刻T=T7までの期間の分、曲線Aの場合に比して煙感知器100の試験に多くの時間(T9−T5)を要するとともに、試験者が、前述した操作部の操作量と煙濃度の上昇率との関係を適切に把握していないと、再調整後の供給電流の上昇率が大き過ぎた場合には、図8に示すように、発報時(時刻T=T11)の煙濃度が良品領域を超え、その結果、曲線Aの場合と同様に不良品と判定されることとなる。
【0075】
以上のように、コイル13に供給する電流の大きさを手動で変化させる構成にあっては、良品の煙感知器が不良品と誤って判定されたり、試験時間に多大な時間を要したりすることがある。
【0076】
そこで、本実施形態では、煙濃度の上昇率に応じて同一の煙感知器100でも判定結果がばらついたり、試験時間の延長化を防止するため、自動的に煙濃度を調整し、各煙感知器100に対し適切と考えられる略同一の発煙パターンで試験を行うようにしている。以下、各煙感知器100に対し略同一の発煙パターンで試験を行う構成について説明する。
【0077】
なお、本実施形態においては、煙発生器4の構成と該煙発生部4の制御が主に第1の実施形態と異なるだけで、その他の部分については、第1の実施形態と略同様であるから、第1の実施形態との相違点を主として説明する。したがって、第1の実施形態における部材と同一部材については、同一の番号を付している。
【0078】
図9に示すように、煙発生器4は、図2に示す電源11及び可変抵抗器12に代えて、電気抵抗値の異なる電気抵抗素子R1,R2,R3(電気抵抗値R,R,R>R>R)を備え、これらの電気抵抗素子R1,R2,R3が制御部20とコイル13との間で並列接続された構成を有する。これにより、互いに電気抵抗値が異なる複数の電流路が制御部20とコイル13との間に形成されている。
【0079】
そして、本実施形態では、コイル13に供給する電流の電流路が制御部20により択一的に選択されるようになっている。すなわち、ポートA〜CのうちポートAにのみハイ信号を出力し、ポートB,Cにロー信号を出力することで、電気抵抗素子R1を介してコイル13に電流を供給する。
【0080】
同様に、ポートA〜CのうちポートBにのみハイ信号を出力し、ポートA,Cにロー信号を出力することで、電気抵抗素子R2を介してコイル13に電流を供給し、ポートA〜CのうちポートCにのみハイ信号を出力し、ポートA,Bにロー信号を出力することで、電気抵抗素子R3を介してコイル13に電流を供給する。
【0081】
このように、検出する煙濃度に応じてコイル13に供給する電流の電流路を自動的に切り替えることにより、コイル13への供給電流の大きさを切り替えてコイル13の発熱量を自動調整し、これにより予め設定された煙濃度の上昇率(後述する基準の発煙パターンの上昇率)で発煙するようにしている。
【0082】
発煙パターンを予め設定された発煙パターンに略沿わせる制御を行うべく、図9に示すように、制御部20は、計時部25、記憶部26と、煙濃度情報受信部27と、判定部28と、切替制御部29と、発報信号受信部30と、表示制御部31とを備える。
【0083】
計時部25は、試験開始時点からの時間を計時するものである。
【0084】
記憶部26は、前述の予め設定された基準の発煙パターンを記憶しておくものである。記憶部26は、例えば、図8の曲線Cに示す発煙パターンを基準の発煙パターンとすると、この基準の発煙パターンについて、試験開始からの時刻と煙濃度とをテーブル形式で記憶するものである。
【0085】
煙濃度情報受信部27は、煙濃度測定器6から出力される煙濃度データを多重伝送ドライバー・レシーバー16を介して受信し、この煙濃度データを記憶部26に格納するものである。
【0086】
判定部28は、煙濃度情報受信部27により煙濃度データが受信され、その煙濃度データが記憶部26に記憶されるたびに、この煙濃度データが示す煙濃度(以下、測定濃度という)と、前述の記憶部26から読み出した、その時刻における煙濃度(以下、基準濃度という)との大小を判定するものである。
【0087】
切替制御部29と、試験開始時においては、ポートBから抵抗R2を介してコイル13に電流を供給し、一定の周期ごとに、判定部28により行われる判定の結果に応じて、コイル13に供給する電流の電流路を切り替えるものである。すなわち、切替制御部29は、判定部28により測定濃度が基準濃度より大きいと判定されたときには、コイル13への供給電流を減少させるため、ポートAから抵抗R1を介してコイル13に電流を供給し、測定濃度が基準濃度より小さいと判定されたときには、コイル13への供給電流を増加させるため、ポートCから抵抗R3を介してコイル13に電流を供給する。
【0088】
発報信号受信部30は、煙感知器100から出力される前述の発報信号を受信するものである。
【0089】
表示制御部31は、発報信号受信部23により発報信号が受信されると、この時点で煙濃度情報受信部27により受信された煙濃度データが示す煙濃度をLCD9に表示させるものである。
【0090】
次に、煙感知器感度試験装置1の試験動作について図10にしたがって説明する。なお、記憶部26は、前述したように、基準の発煙パターンをテーブル形式で予め記憶しているものとする。
【0091】
図10に示すように、図略の電源ボタンがオンされる(ステップ♯11でYES)と、切替制御部29は、ポートBからのみハイ信号を出力し、これにより煙発生器4による発煙動作及び計時部25による計時が開始される(ステップ♯12)。
【0092】
そして、記憶部28は、煙濃度測定器6から出力される煙濃度データを記憶し、この煙濃度データが示す測定濃度と基準濃度との大小を判定する(ステップ♯14)。その判定の結果、測定濃度が基準濃度と一致する場合(ステップ♯14でYES)には、切替制御部29は、コイル13に供給する電流の電流路を維持してステップ♯18の処理に進む。
【0093】
また、測定濃度が基準濃度より大きい場合(ステップ♯14でNO、♯15でYES)には、切替制御部29は、ポートAから抵抗R1を介してコイル13に電流を供給することで供給電流の電流値を小さくし(ステップ♯16)、測定濃度が基準濃度より小さい場合(ステップ♯14でNO、♯15でNO)には、切替制御部29は、ポートCから抵抗R3を介してコイル13に電流を供給することで、供給電流の電流値を大きくする(ステップ♯17)。
【0094】
煙感知器100から発報信号が出力されるまで(ステップ♯18でNO)、ステップ♯13〜♯17までの処理が一定の周期(煙濃度測定器6から煙濃度データが出力される周期)で繰り返し行われ、煙感知器100から発報信号が出力される(ステップ♯18でYES)と、表示制御部31は、この発報信号の出力時点で取得した煙濃度データが示す煙濃度をLCD9に表示させる(ステップ♯19)。
【0095】
このように、コイル13に供給する電流の電流路、すなわちコイル13への供給電流の大きさを自動的に切り替えて、コイル13の発熱量を自動調整することで、予め設定された基準の発煙パターン(例えば図8の曲線Cに示す発煙パターン)に略沿うように発煙させるようにしたので、煙濃度の上昇率に応じて同じ煙感知器でも判定結果にばらつきが生じたり、試験時間が延長化するなどの不具合が発生したりするのを防止することができる。
【0096】
なお、本発明は、上記実施形態に限らず、次の変形形態(1),(2)も採用可能である。
【0097】
(1)第2の実施形態においては、煙発生器4について、制御部20に3つのポートA〜Cを設け、コイル13と制御部20との間に、それぞれ異なる電気抵抗値R〜Rを有する3つの電気抵抗素子R1〜R3を並列接続するとともに、コイル13に供給する電流の電流路を択一的に選択するように構成したが、これに限らず、互いに電気抵抗値が異なるようにより多くの電流路を形成するように構成すれば、よりきめ細かな発煙制御を行うことができる。
【0098】
例えば、電気抵抗素子の数を増やし、各電気抵抗素子を制御部20とコイル13との間で相互に並列接続してもよい。ただし、この場合には、電気抵抗素子の数に伴って、ポートの数も増やす必要がある。
【0099】
ポートの数を増やすことなく、きめ細かな発煙制御を行うためには、例えば第2の実施形態において、3つのポートのうち2のポートまたは全てのポートから同時にハイ信号を出力する電流供給パターンを含めてもよい。
【0100】
すなわち、図9、図11に示すように、いずれかのポートに択一的にハイ信号を出力するパターンに加えて、ポートA,Bにオン信号、ポートCにオフ信号を入力した場合には、制御部20とコイル13との間に構成される電気回路の合成抵抗値はR×R/(R+R)となり、ポートAにオフ信号、ポートB,Cにオン信号を入力した場合には、当該電気回路の合成抵抗値はR×R/(R+R)となり、ポートA,Cにオン信号、ポートBにオフ信号を入力した場合には、当該電気回路の合成抵抗値はR×R/(R+R)となり、全てのポートA〜Cにオン信号を入力した場合には、当該電気回路の合成抵抗値はR×R×R/(R+R+R)となる。
【0101】
ここで、例えばR=2R=5Rとしたときの合成抵抗値は、図11の最下段に示した値となり、この場合、コイル13に供給する電流の電流路を択一的に選択するパターンも含めて、計7通りの異なる電流をコイル13に供給することができる。
【0102】
ポートAにオン信号、ポートB,Cにオフ信号を入力して合成抵抗値をRに設定するパターンをパターン▲1▼、ポートA,Cにオフ信号、ポートBにオン信号を入力して合成抵抗値を(1/2)×Rに設定するパターンをパターン▲2▼、ポートA,Bにオフ信号、ポートCにオン信号を入力して合成抵抗値を(1/5)×Rに設定するパターンをパターン▲3▼、ポートA,Bにオン信号、ポートCにオフ信号を入力して合成抵抗値を(1/3)×Rに設定するパターンをパターン▲4▼、ポートAにオフ信号、ポートB,Cにオン信号を入力して合成抵抗値を(1/7)×Rに設定するパターンをパターン▲5▼、ポートA,Cにオン信号、ポートBにオフ信号を入力して合成抵抗値を(1/6)×Rに設定するパターンをパターン▲6▼、すべてのポートA〜Cにオン信号を入力して合成抵抗値を(1/8)×Rに設定するパターンをパターン▲7▼とする。
【0103】
例えば、試験開始時には、パターン▲3▼で電流をコイル13に供給し、煙の測定濃度が基準濃度より大きい場合は、パターン▲4▼に切り替えて供給電流の電流値を小さくし、それでも大きい場合は、パターン▲2▼さらにはパターン▲1▼へと切り替える。
【0104】
一方、煙の測定濃度が基準濃度より小さい場合は、パターン▲3▼からパターン▲6▼に切り替えて供給電流の電流値を大きくし、それでも小さい場合は、パターン▲5▼さらにはパターン▲7▼へと切り替える。
【0105】
これによれば、ポートの数を増やすことなく、第2の実施形態に比してよりきめ細かな発煙制御を行うことができる。
【0106】
一般的に、n個の電気抵抗素子とn個のポートとを設け、電気抵抗素子を互いに並列接続して、1または複数のポートから同時にハイ信号を出力するように構成した場合、前述の数式1で表される数の電流供給パターンを備えることができる。
【0107】
電気抵抗素子及びポートの数が多いほど、多くの電流供給パターンを備えることができ、よりきめ細かな発煙制御を行うことができるが、煙感知器感度試験装置1の大型化やコスト等の問題が生じるので、両者の兼ね合いにより決定すればよい。
【0108】
また、制御部20とコイル13との間に構成される電気回路の他の構成として、例えば次のように構成してもよい。
【0109】
図12(a)に示す煙発生器4の電気回路は、例えば、前述の電気抵抗素子R1〜R3とトランジスタTr1とを用いて構成されている。制御部20のポートBに接続された電気抵抗素子R2とR3との直列接続回路と、制御部20のポートAに接続された電気抵抗素子R1とが、制御部20とコイル13との間で並列接続されている。また、トランジスタTr1のコレクタ端子が、電気抵抗素子R2とR3との接続点Pに接続され、エミッタ端子がコイル13に接続され、ベース端子が制御部20のポートCに接続されている。
【0110】
そして、トランジスタTr1をスイッチング素子として使用し、各ポートA〜Cから出力する信号(ハイ信号とロー信号)の組合せを変えることで、コイル13に供給する電流の大きさを変化させることができる。
【0111】
すなわち、図12(b)に示すように、ポートAにオン信号、ポートB,Cにオフ信号を入力した場合には、当該電気回路の合成抵抗値はRとなり、ポートA,Cにオフ信号、ポートBにオン信号を入力した場合には、当該電気回路の合成抵抗値は(R+R)となり、ポートA,Bにオン信号、ポートCにオフ信号を入力した場合には、当該電気回路の合成抵抗値はR(R+R)/(R+R+R)となり、ポートAにオフ信号、ポートB,Cにオン信号を入力した場合には、当該電気回路の合成抵抗値はRとなり、全てのポートA〜Cにオン信号を入力した場合には、当該電気回路の合成抵抗値はR×R/(R+R)となる。
【0112】
ここで、上記と同様に、例えばR=2R=5Rとしたときの合成抵抗値は、図12の最下段に示した値となり、この場合、計5通りの異なる電流をコイル13に供給することができる。
【0113】
ポートAにオン信号、ポートB,Cにオフ信号を入力して合成抵抗値をRに設定するパターンをパターン▲1▼、ポートA,Cにオフ信号、ポートBにオン信号を入力して合成抵抗値を(7/10)×Rに設定するパターンをパターン▲2▼、ポートA,Bにオン信号、ポートCにオフ信号を入力して合成抵抗値を(7/17)×Rに設定するパターンをパターン▲3▼、ポートAにオフ信号、ポートB,Cにオン信号を入力して合成抵抗値を(1/2)×Rに設定するパターンをパターン▲4▼、すべてのポートA〜Cにオン信号を入力して合成抵抗値を(1/3)×Rに設定するパターンをパターン▲5▼とする。
【0114】
例えば、試験開始時には、パターン▲4▼で電流をコイル13に供給し、煙の測定濃度が基準濃度より大きい場合は、パターン▲2▼に切り替えて供給電流の電流値を小さくし、それでも大きい場合は、パターン▲1▼に切り替える。
【0115】
一方、煙の測定濃度が基準濃度より小さい場合は、パターン▲4▼からパターン▲3▼に切り替えて供給電流の電流値を大きくし、それでも小さい場合は、パターン▲5▼に切り替える。
【0116】
これにより、異なる5種類の電流をコイル13に供給することができ、上記第2の実施形態に比して、より細かな発煙制御を行うことができる。
【0117】
さらに、制御部20とコイル13との間に構成される電気回路の他の構成として、次のように構成してもよい。
【0118】
図13(a)に示す電気回路は、電気抵抗素子R1〜R3を備え、電気抵抗素子R1,R2の直列回路を制御部20のポートAとコイル13との間に接続し、電気抵抗素子R1とR2との接続点Qと制御部20のポートBとを導線で結線し、電気抵抗素子R2とコイル13との接続点Rと、制御部20のポートCとの間に電気抵抗素子R3を接続して構成されている。
【0119】
そして、各ポートA〜Cから出力する信号(ハイ信号とロー信号)の組合せを変えることで、コイル13に供給する電流の大きさを変化させることができる。
【0120】
すなわち、図13(b)に示すように、ポートAにオン信号、ポートB,Cにオフ信号を入力した場合には、当該電気回路の合成抵抗値は(R+R)となり、ポートA,Cにオフ信号、ポートBにオン信号を入力した場合には、当該電気回路の合成抵抗値はRとなり、ポートA,Bにオフ信号、ポートCにオン信号を入力した場合には、当該電気回路の合成抵抗値はRとなり、ポートAにオフ信号、ポートB,Cにオン信号を入力した場合には、当該電気回路の合成抵抗値はR×R/(R+R)となり、ポートA,Cにオン信号、ポートBにオフ信号を入力した場合には、当該電気回路の合成抵抗値はR(R+R)/(R+R+R)となる。
【0121】
ここで、上記と同様に、例えばR=2R=5Rとしたときの合成抵抗値は、図13の最下段に示した値となり、この場合、計5通りの異なる電流をコイル13に供給することができる。
【0122】
ポートAにオン信号、ポートB,Cにオフ信号を入力して合成抵抗値を(3/2)×Rに設定するパターンをパターン▲1▼、ポートA,Cにオフ信号、ポートBにオン信号を入力して合成抵抗値を(1/2)×Rに設定するパターンをパターン▲2▼、ポートA,Bにオフ信号、ポートCにオン信号を入力して合成抵抗値を(1/5)×Rに設定するパターンをパターン▲3▼、ポートAにオフ信号、ポートB,Cにオン信号を入力して合成抵抗値を(1/7)×Rに設定するパターンをパターン▲4▼、ポートA,Cにオン信号、ポートBにオフ信号を入力して合成抵抗値を(3/17)×Rに設定するパターンをパターン▲5▼とする。
【0123】
例えば、試験開始時には、パターン▲3▼で電流をコイル13に供給し、煙の測定濃度が基準濃度より大きい場合は、パターン▲2▼に切り替えて供給電流の電流値を小さくし、それでも大きい場合は、パターン▲1▼に切り替える。
【0124】
一方、煙の測定濃度が基準濃度より小さい場合は、パターン▲3▼からパターン▲5▼に切り替えて供給電流の電流値を大きくし、それでも小さい場合は、パターン▲4▼に切り替える。
【0125】
これにより、異なる5種類の電流をコイル13に供給することが可能で、上記第2の実施形態に比して、より細かな発煙制御を行うことができる。
【0126】
(2)上記第2の実施形態では、煙感知器100から発報信号が出力されると、その信号を受信したときの煙濃度をLCD9に表示するようにしたが、第1の実施形態のように、煙濃度が閾値に達したことを煙感知器100が検出したときの煙濃度をLCD9に表示するように構成するとさらに好ましい。
【0127】
【発明の効果】
本発明によれば、煙生成手段により煙が生成されると、煙濃度検出手段によりこの煙濃度が一定の時間間隔で検出され、この検出された煙濃度が記憶手段により記憶され、受信手段により、煙感知器から出力される発報信号が受信されると、制御手段により、この発報信号を受信した時点より前記所定時間前の時点における煙濃度が前記記憶手段から取得され、その取得した煙濃度が表示手段に表示されるようにしたから、煙濃度が閾値に達したことを検出したときの煙濃度を表示手段に表示することができ、煙感知器に対する良品か不良品かの判定を正確に行うことができる。
【0128】
本発明によれば、煙生成手段に、互いに電気抵抗値が異なる複数の電流路を電流供給手段と発熱手段との間に形成する電気回路と、煙濃度検出手段により検出される煙濃度と、煙濃度に関する基準値との大小に応じたフィードバック制御により前記電流路を選択する電流路制御手段とを備えたので、煙濃度検出手段により検出される煙濃度と前述の基準値との大小に応じて、自動的に煙濃度が制御されるようにしたから、発煙量を手動でコントロールする従来の構成のように、同一の煙感知器を試験する場合でも、手動で設定される発煙量の多さによって発報時点の煙濃度が異なることが防止または低減され、煙感知器に対する良品か不良品かの判定を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】煙感知器感度試験装置の構成を示す図である。
【図2】煙発生器の構成を示す図である。
【図3】煙感知器のブロック構成を示す図である。
【図4】煙感知器感度試験装置のブロック構成を示す図である。
【図5】時間の経過とともに煙濃度が略一定の割合で増加する場合において、煙感知器が良品と判定される場合(a)と、煙感知器が不良品と判定される場合(b)との一例を示す図である。
【図6】記憶部に記憶される煙濃度データを示す図である。
【図7】煙感知器感度試験装置の試験動作を示すフローチャートである。
【図8】同一の煙感知器に対し異なる3種類の発煙パターンで試験を行った場合の該煙感知器の動作を示すものである。
【図9】第2の実施形態における煙発生器の構成を示す図である。
【図10】第2の実施形態における煙感知器感度試験装置の試験動作を示すフローチャートである。
【図11】第2の実施形態において、3つのポートのうち2のポートまたは全てのポートから同時にハイ信号を出力する電流供給パターンを含む電流供給パターンを示す図である。
【図12】煙発生器の他の変形例を示す図である。
【図13】同じく煙発生器の他の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 煙感知器感度試験装置
4 煙発生器
6 煙濃度測定器
9 LCD表示部
13 コイル
20 制御部
21 煙濃度情報受信部
22 記憶部
23 発報信号受信部
24 表示制御部
25 計時部
26 記憶部
27 煙濃度情報受信部
28 判定部
29 切替制御部
30 発報信号受信部
31 表示制御部
100 煙感知器
101 煙濃度検出部
102 判定部
103 パルス出力部
104 カウント部
105 発報部
R1,R2,R3 電気抵抗素子
Tr1 トランジスタ

Claims (5)

  1. 煙濃度が予め設定された閾値を超えた時点から所定時間遅延して発報信号を出力する煙感知器の感度を試験するための煙感知器感度試験装置であって、
    煙を生成する煙生成手段と、
    煙が生成されると、前記煙生成手段により生成された煙の濃度を一定の時間間隔で検出する煙濃度検出手段と、
    前記煙濃度検出手段により検出された煙濃度を記憶する記憶手段と、
    前記煙感知器から出力される前記発報信号を受信する受信手段と、
    煙濃度を表示する表示手段と、
    前記受信手段により前記発報信号が受信されると、この発報信号を受信した時点より前記所定時間前の時点における煙濃度を前記記憶手段から取得し、その取得した煙濃度を前記表示手段に表示させる制御手段と
    を備えることを特徴とする煙感知器感度試験装置。
  2. 煙濃度が予め設定された閾値を超えた時点から所定時間遅延して発報信号を出力する煙感知器の感度を試験するための煙感知器感度試験装置であって、
    煙を生成する煙生成手段と、
    前記煙生成手段により生成された煙の濃度を検出する煙濃度検出手段と、
    前記煙感知器から出力される前記発報信号を受信する受信手段と、
    煙濃度を表示する表示手段と、
    前記受信手段により前記発報信号が受信されると、所定のタイミングにおける煙濃度を前記表示手段に表示させる制御手段とを備え、
    前記煙生成手段は、
    電流が供給されることにより発熱し、その熱により燻煙対象物を燻煙させる発熱手段と、
    前記発熱手段に電流を供給する電流供給手段と、
    互いに電気抵抗値が異なる複数の電流路を前記電流供給手段と前記発熱手段との間に形成する電気回路と、
    前記煙濃度検出手段により検出される煙濃度と、煙濃度に関する基準値との大小に応じたフィードバック制御により、前記電流供給手段で前記発熱手段に電流を供給するための電流路を選択する電流路制御手段と
    を備えることを特徴とする煙感知器感度試験装置。
  3. 前記電気回路は、互いに電気抵抗値の異なるn個(nは2以上の整数)の電気抵抗素子が相互に並列接続して構成されていることを特徴とする請求項2に記載の煙感知器感度試験装置。
  4. 前記電気回路は、互いに電気抵抗値の異なる3つの電気抵抗素子のうち、2つの電気抵抗素子が直列接続され、この直列回路と他の電気抵抗素子とが並列接続されているとともに、前記直列回路における一方の電気抵抗素子にスイッチング素子が並列接続されてなることを特徴とする請求項2に記載の煙感知器感度試験装置。
  5. 前記電気回路は、互いに電気抵抗値の異なる3つの電気抵抗素子のうち、2つの電気抵抗素子が直列接続され、この直列回路と他の電気抵抗素子とが並列接続されているとともに、前記直列接続された2つの電気抵抗素子の接続点が前記電流供給手段に導線で接続されてなることを特徴とする請求項2に記載の煙感知器感度試験装置。
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