JP2004361569A - 可動式ピンアレイの製造方法および可動式ピンアレイ - Google Patents

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Shigemi Sato
茂美 佐藤
Akira Kubota
晃 窪田
Kenichi Miyazawa
健一 宮沢
Satoshi Kinoshita
悟志 木下
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Abstract

【課題】容易かつ確実にピンを高密度に配置し得る可動式ピンアレイの製造方法および可動式ピンアレイを提供することにある。
【解決手段】本発明の可動式ピンアレイの製造方法は、複数のピン3と、前記各ピン3を可動自在に支持するガイド部2とを有する可動式ピンアレイ1の製造方法であって、溶解可能な複数の犠牲ピンを設ける第1の工程と、前記各犠牲ピンを取り囲むようにガイド部2の母材を形成する第2の工程と、前記母材を、前記各犠牲ピンを含む所定形状に加工する第3の工程と、前記各犠牲ピンをそれぞれ溶解して除去し、複数の通路21を形成する第4の工程とを備え、複数の通路21を有するガイド部2を形成するガイド部形成工程と、前記ガイド部形成工程で形成した前記ガイド部2の各通路21にそれぞれピン3を可動自在に取り付けるピン取付け工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動式ピンアレイの製造方法および可動式ピンアレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイに用いられる可動式ピンアレイの一例として、所定の間隔ごとに互いに平行をなすように設けられる複数のピンと、これらの複数のピンを駆動させる駆動機構とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この場合、複数のピンは、表板に設けた貫通孔内に挿着されることにより上下方向に可動自在に支持され、各ピンは上下方向に移動することにより先端が表板の表面から出没するようになっている。
【0003】
また、駆動機構は、表板の下方に設けられる上プレートと下プレートとの間で保持されるステッピングモータ、ステッピングモータのシャフトの回転運動を直線運動に変換する直線移動機構等から構成されている。
直線移動機構は、ステッピングモータのシャフトの先端部に螺設される雄ネジと、雄ネジと相互に螺合するピンの内面に螺設される雌ネジと、ピンを上下方向に移動可能に支持する表板の下面側に設けられる案内棒とから構成されている。
【0004】
そして、ステッピングモータを駆動させてシャフトを回転させることにより、シャフトの雄ネジのピンの雌ネジに対する相対的な螺合位置が変化してピンが上方または下方に移動し、ピンの先端が表板の表面から出没する。このようにして、複数のピンの先端により、触角情報として所定の凹凸パターンが提示され、この凹凸パターンを手指で触れることにより、所定の情報を認識することができる。
【0005】
しかしながら、上記のような構成の従来の可動式ピンアレイにあっては、表板に設けた貫通孔内にピンを挿着することによりピンを上下方向に可動自在に支持し、ピンの内面に螺設した雌ネジとステッピングモータのシャフトに螺設した雄ネジとを相互に螺合させることにより、ステッピングモータの回転運動を直線運動に変換してピンを上下方向に可動させ、ピンがシャフトに対して回転するのを防止するために表板の下面側に案内棒を設けているため、各ピンを支持する部分の構造が複雑になってしまい、加工、組立てに手間がかかり、製造コストが高くなってしまう。
また、構造上、ピンを細く、隣接するピン間のピッチを狭くすることが困難である(ピンを高密度に配置することが困難である)。このため、微細な凹凸パターンを提示することができないという欠点がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−44289号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、容易かつ確実にピンを高密度に配置し得る可動式ピンアレイの製造方法および可動式ピンアレイを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法は、複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイの製造方法であって、
溶解可能な複数の犠牲ピンを設ける第1の工程と、
前記各犠牲ピンを取り囲むようにガイド部の母材を形成する第2の工程と、
前記母材を、前記各犠牲ピンを含む所定形状に加工する第3の工程と、
前記各犠牲ピンをそれぞれ溶解して除去し、複数の通路を形成する第4の工程とを備え、複数の通路を有するガイド部を形成するガイド部形成工程と、
前記ガイド部形成工程で形成した前記ガイド部の各通路にそれぞれピンを可動自在に取り付けるピン取付け工程とを有することを特徴とする。
これにより、ガイド部を容易に精度良く形成することができ、また、加工、組立てを容易にすることができ、また、製造コストを低減することができ、安価なものを提供することができる。
【0009】
また、ガイド部の通路を細く、隣接する通路間のピッチを狭くすることができ(通路を高密度に配置することができ)、ピンを細く、隣接するピン間のピッチを狭くすることができる(ピンを高密度に配置することができる)。これにより、本発明の可動式ピンアレイを、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合において、微細な凹凸パターンを提示することができる。
【0010】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記第1の工程において、少なくとも1つの平面を有し、溶解可能な基台の該平面上に、前記各犠牲ピンをそれぞれ設けるのが好ましい。
これにより、犠牲ピンを容易に所定の配列に設けることができる。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記各犠牲ピンをそれぞれ前記平面に対して略垂直に設けるのが好ましい。
これにより、前記基台を溶解して除去することによって、前記基台の平面に対応する平面と、この平面に対して略垂直な複数の通路とを有するガイド部を形成することができる。
【0011】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記基台は、板状をなしているのが好ましい。
これにより、例えば、基台に各犠牲ピンを設ける作業や、前記母材を所定形状に加工する作業を容易に行うことができる。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記第3の工程において、前記基台の前記各犠牲ピンが設けられた前記平面が残るように加工するのが好ましい。これにより、前記基台を溶解して除去することによって、前記基台の平面に対応する平面を有するガイド部を形成することができる。
【0012】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記第4の工程において、前記基台を溶解して除去するのが好ましい。
これにより、前記基台の平面に対応する平面を有するガイド部を形成することができる。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記基台と前記各犠牲ピンとが同種の材料で形成されるのが好ましい。
これにより、前記基台と前記各犠牲ピンとを、共通の溶解剤(例えば、強酸、有機溶剤等)を用いて同一工程で(同時に)溶解して除去することができる。
【0013】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記各犠牲ピンは、それぞれ、金属で形成されるのが好ましい。
これにより、強度の高い犠牲ピンが得られ、ガイド部の各通路をさらに精度良く形成することができる。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記各犠牲ピンは、それぞれ、樹脂で形成されるのが好ましい。
これにより、任意の形状の犠牲ピンを容易かつ迅速に形成することができ、また、コストを低減することができる。
【0014】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記第2の工程において、前記母材を金属で形成するのが好ましい。
これにより、例えば、メッキ法、特に電解メッキ法等を用いることによって、容易、迅速かつ確実に、母材を形成することができる。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記第2の工程において、メッキ法により前記母材を形成するのが好ましい。
これにより、容易、迅速かつ確実に、母材を形成することができる。
【0015】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記メッキ法は、電解メッキ法であるのが好ましい。
これにより、容易、迅速かつ確実に、母材を形成することができる。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記各犠牲ピンとして、それぞれ、側面に凸部を有するものを用い、前記第4の工程において、前記各犠牲ピンを溶解して除去し、前記各通路の内面に、それぞれ、前記凸部に対応する凹部を形成するのが好ましい。
【0016】
これにより、ピンの側面と通路の内面(壁面)との真空吸着を防止(または抑制)することができ、ピンの可動(移動)を円滑に行うことができる。
また、前記凹部を、例えば、潤滑油等の潤滑剤を貯留する貯留部として利用することができる。すなわち、凹部に、例えば、潤滑油等の潤滑剤を供給し、貯留しておくことにより、ピンの可動をより円滑に行うことができ、また、その潤滑効果が長期間得られ、これによりピンの安定した動作が長期的に得られる。
【0017】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記凹部を前記通路に沿って複数形成するのが好ましい。
これにより、ピンの側面と通路の内面(壁面)との真空吸着をより確実に防止(または抑制)することができ、ピンの可動をより円滑に行うことができる。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、潤滑剤を前記凹部に貯留するのが好ましい。
これにより、ピンの可動をより円滑に行うことができ、また、その潤滑効果が長期間得られ、これによってピンの安定した動作が長期的に得られる。
【0018】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記各ピンは、それぞれ、前記通路に可動自在に挿着されるピン本体と、前記ガイド部の両端から突出する前記ピン本体の両端部にそれぞれ設けられ、前記通路よりも大きい頭部とを有するのが好ましい。
これにより、ガイド部からピンが脱落するのが防止され、ピンの安定した動作が長期的に得られることになる。
【0019】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記各ピンの両頭部は、それぞれ、筒状をなし、該頭部に前記ピン本体が挿入されるのが好ましい。
これにより、ガイド部へのピンの挿着を容易かつ確実に行うことができる。
本発明の可動式ピンアレイは、複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイであって、
本発明の可動式ピンアレイの製造方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、ガイド部を容易に精度良く形成することができ、また、加工、組立てを容易にすることができ、また、製造コストを低減することができ、安価なものを提供することができる。
【0020】
また、ガイド部の通路を細く、隣接する通路間のピッチを狭くすることができ(通路を高密度に配置することができ)、ピンを細く、隣接するピン間のピッチを狭くすることができる(ピンを高密度に配置することができる)。これにより、本発明の可動式ピンアレイを、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合において、微細な凹凸パターンを提示することができる。
【0021】
本発明の可動式ピンアレイでは、前記各通路の内面と、前記各ピンの表面とのうちの少なくとも一方には、フッ素樹脂の膜が設けられているのが好ましい。
これにより、ガイド部のピンとの接触面の撥水性、耐食性、耐酸性、耐摩耗性等を向上させることができ、また、ピンに対する摩擦が低減され、様々な使用環境において優れた耐久性を発揮することができるとともに、ピンをより円滑に可動(移動)させることができる。
【0022】
本発明の可動式ピンアレイでは、前記各通路の内面にそれぞれ凹部が形成されるのが好ましい。
これにより、ピンの側面と通路の内面(壁面)との真空吸着を防止(または抑制)することができ、ピンの可動(移動)を円滑に行うことができる。
また、前記凹部を、例えば、潤滑油等の潤滑剤を貯留する貯留部として利用することができる。すなわち、凹部に、例えば、潤滑油等の潤滑剤を供給し、貯留しておくことにより、ピンの可動をより円滑に行うことができ、また、その潤滑効果が長期間得られ、これによりピンの安定した動作が長期的に得られる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の可動式ピンアレイの製造方法および可動式ピンアレイを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
ここで、以下の実施形態では、本発明の可動式ピンアレイを、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合について説明するが、本発明の可動式ピンアレイの用途は、これに限定されるものではない。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、本発明の可動式ピンアレイの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示す可動式ピンアレイのガイド部を示す斜視図、図3は、図1に示す可動式ピンアレイのピンを示す側面図である。
これらの図に示す可動式ピンアレイ1は、触覚情報を提示する触覚ディスプレイに用いられるものであって、触覚情報を提示(表示)する複数の触知素子として、複数のピン3と、複数のピン3を可動(移動)自在に支持するガイド部(ガイド手段)2とを備えている。
【0025】
図1および図2に示すように、ガイド部2の外形(全体形状)は、本実施形態では、四角柱形状(直方体形状)をなしており、このガイド部2には、図1および図2中、上下方向に貫通した複数の通路(孔部)21が設けられている。
本実施形態では、各通路21の形状は、それぞれ、円柱状をなしており(各通路21の横断面形状は、それぞれ、円形状をなしており)、各通路21は、それぞれ、同一内径に形成されている。また、本実施形態では、各通路21は、互いに平行になるように設けられている。また、本実施形態では、図2中、左右方向に、直線状に等間隔で形成された通路21の列が、複数列形成されており、隣り合う列の通路21は、図2中、左右方向に、互いに、半ピッチずれている。
【0026】
このガイド部2は、各通路21内に、それぞれ後述するピン3のピン本体31が可動(移動)自在に挿着(設置)されるようになっており、各ピン3の移動方向をそれぞれ規制するガイドとして機能する。すなわち、ガイド部2は、各ピン3を、それぞれ、その長手方向(軸方向)にのみ移動し得るように支持する。
このガイド部2(後述するガイド部2の母材7)は、例えば、電鋳(電解メッキ法)等のメッキ法を用いて形成される。これにより、微細な通路21を、容易に、精度良く、高密度に形成することができる。
【0027】
また、ガイド部2の各通路21の内周面(ピン3との接触面)には、それぞれ、フッ素樹脂の膜が設けられているのが好ましい。フッ素樹脂の膜を形成する方法は各種あり、特に限定されないが、Ni−Pメッキ(電解メッキ、無電解メッキの両方可能)にPTFE(ポリ4フッ化エチレン)を共析メッキさせる方法が好ましい。これにより、ガイド部2のピン3との接触面の撥水性、耐食性、耐酸性、耐摩耗性等を向上させることができ、また、ピン3に対する摩擦が低減され、様々な使用環境において優れた耐久性を発揮することができるとともに、ピン3をより円滑に可動させることができる。
【0028】
ここで、前記フッ素樹脂の膜を設ける箇所を、前記通路21の内周面に代えて、ガイド部2の各通路21の内周面と接触する後述する各ピン3の表面(外面)、すなわち、各通路21の内周面と接触する各ピン本体31の表面としてもよく、また、通路21の内周面とピン3(ピン本体31)の表面の両方としてもよい。
【0029】
ガイド部2(母材7)の構成材料としては、例えば、各種金属、各種樹脂、各種セラミックス等を用いることができるが、これらのうちでは、各種金属を用いるのが好ましい。各種金属を用いることにより、ガイド部2を、メッキ法、特に電鋳(電解メッキ法)等により形成することができる。
前記金属としては、特に限定されず、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、または、これらのうちの少なくとも1つを含む合金(例えば、ステンレス鋼等)等が挙げられるが、これらのうちでは、ニッケルまたはニッケルを含む合金が好ましい。
【0030】
図1および図3に示すように、各ピン3は、それぞれ、ガイド部2によって可動自在に支持されるピン本体(シャフト部)31と、ガイド部2の両端から突出するピン本体31の両端部にそれぞれ設けられる頭部32a、32bとで構成されており、これらのピン3の一方の頭部(触知部)32aによって所定の凹凸パターン(触覚情報)が提示される。
【0031】
各ピン本体31は、それぞれ、本実施形態では、横断面での形状が円形状をなす棒状体であって、同一長さ、同一外径(直径)に形成されている。
各ピン本体31の構成材料としては、それぞれ、例えば、ステンレス鋼、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の各種金属、各種樹脂、各種セラミックス等を用いることができる。
【0032】
前記ガイド部2の厚さ(ピン3の長手方向におけるガイド部2の長さ)は、ピン本体31の両端部がガイド部2の図1中、上下方向の両端から所定量突出するように設定されており、ガイド部2の両端から突出する各ピン本体31の両端部には、それぞれ頭部32a、32bが一体に設けられている。
頭部32aは、触覚情報の提示側(表示面側)に配置され、ユーザーに対して触覚情報を提示する(ユーザーにより触れられる)触知部を構成する。一方、頭部32bは、前記と反対側(内部側)に配置される。
【0033】
各頭部32a、32bは、それぞれ、本実施形態では、円筒状(筒状)をなし、同一長さ、同一内径、同一外径に形成され、各ピン3の全長が同一となるように各ピン本体31の両端部に挿入された状態で固着手段により固着されている。各頭部32a、32bの構成材料としては、それぞれ、例えば、ステンレス鋼、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の各種金属、各種樹脂、各種セラミックス等を用いることができる。
【0034】
固着手段としては、例えば、嵌合、接着剤(接着)、ろう材(ろう付け)等や、これらのうちの任意の2以上の組合せが挙げられる。嵌合の場合には、ピン本体31と頭部32a、32bとの嵌め合いをきつくして、ピン3の可動時に頭部32a、32bがピン本体31から抜けないようにする。また、接着剤またはろう付けの場合には、例えば、ピン本体31と頭部32a、32bとの嵌め合いを緩くする。
【0035】
接着剤としては、ピン本体31、頭部32a、32bの材質に応じたものを選択して使用すればよく、例えば、ゴム系、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系等の接着剤が挙げられる。また、ろう付け用のろう材としては、ピン本体31、頭部32a、32bの材質に応じたものを選択して使用すればよく、ピン本体31、頭部32a、32bよりも低融点の金属、例えば、銅、ニッケル、金、銀等が挙げられる。
【0036】
各頭部32a、32bは、それぞれ、その外径(直径)が、各通路21の内径(直径)よりも大きく、かつ隣接する通路21、21間のピッチよりも小さく形成されている。これにより各頭部32a、32bが、ストッパーとして機能し、各ピン3がガイド部2から脱落するのが防止されるとともに、各ピン3の可動時に隣接する頭部32a、32a同士、隣接する32b、32b同士が互いに接触するのが防止される。
【0037】
この可動式ピンアレイ1の各ピン3は、それぞれ、例えば、駆動機構(図示せず)に連結され、駆動機構の駆動によりその長手方向(図1中上下方向)に変位(移動)し、長手方向の所定の位置に保持(位置決め)されるようになっている。これにより、凹凸パターンによる触覚情報が複数のピン3の頭部32aによって提示(表示)され、この凹凸パターンを手指で触れることにより、所定の情報を認識することができる。
前記駆動機構としては、特に限定されず、例えば、ACモータ、DCモータ、ステッピングモータ(パルスモータ)等の小型モータと小型モータの回転を直線運動に変換する変換機構とを組み合わせたアクチュエータ、固定子と移動子とを組み合わせたリニア駆動素子等を用いることができる。
【0038】
次に、上記のように構成した可動式ピンアレイ1の製造方法について説明する。
図4〜図16には、それぞれ、本発明の可動式ピンアレイの製造方法の第1実施形態が示されている。
図4〜図11には、それぞれ、ガイド部形成工程が示されており、図4は、ガイド部形成工程において用いる基板および犠牲ピン(組み立て途中)の構成例を示す斜視図、図5は、図4中のA−A線での断面図、図6は、ガイド部形成工程において用いる基板および犠牲ピン(組み立て後)の構成例を示す斜視図、図7〜図11は、それぞれ、図4中のA−A線での断面に対応する図である。
【0039】
また、図12〜図16には、それぞれ、ピン取付け工程が示されており、図12は、ピン本体の一端部に頭部を取り付ける手順を説明するための図、図13は、ピン本体の一端部に頭部を取り付けた状態を示す図、図14は、ガイド部の通路にピン本体を挿通させる手順を説明するための図、図15は、ガイド部の通路から突出させたピン本体の他端部に頭部を取り付ける手順を説明するための図、図16は、ガイド部の通路にピンを取り付けた状態を示す図である。
【0040】
この可動式ピンアレイ1の製造方法は、複数のピン3を可動自在に支持するガイド部2を形成(製造)するガイド部形成工程と、複数のピン3をガイド部2に取り付けるピン取付け工程とを備えている。
ガイド部形成工程は、電鋳(電解メッキ法)により、複数の通路21を有する金属製のガイド部2を形成する工程であって、下記の手順に従う。
このガイド部形成工程では、所定の溶解剤(溶解手段)により溶解可能な図4〜図6に示す型6を用いる。
【0041】
この型6は、所定の溶解剤により溶解可能な基板(板状の基台)4と、所定の溶解剤により溶解可能な複数の犠牲ピン5とで構成されている。
基板4の平面視での外形(図4中上側から見たときの外形)は、略四角形をなしており、また、基板4の図4中上側の面42は、平滑(平坦)な平面をなしている。
【0042】
基板4の面42には、複数の凹部(有底の穴)41が、それぞれ、面42に対して略垂直に設けられている。これらの凹部41は、それぞれ、ガイド部2の各通路21に対応するように形成されている。すなわち、凹部41は、平面視での形状、数、配列(配置)が、それぞれ、ガイド部2の通路21と同一となるように形成されている。
【0043】
また、各凹部41の内径(直径)は、それぞれ、各犠牲ピン5の外径(直径)より若干小さく設定されている。これにより、犠牲ピン5を凹部41内に挿入し、凹部41に嵌合させた場合において、犠牲ピン5と凹部41との嵌め合いがきつくなり、凹部41から犠牲ピン5が抜けてしまうのを防止することができ、また、凹部41と犠牲ピン5との間に隙間が生じてしまうのを防止することができる。
【0044】
一方、各犠牲ピン5の外形(平面視での外形)は、それぞれ、ガイド部2の各通路21の形状(平面視での形状)と同一の形状をなしている。また、各犠牲ピン5の長さは、それぞれ、各通路21の長さよりも少し長く設定されている。
図4および図5に示すように、前記基板4の各凹部41内には、それぞれ、前記各犠牲ピン5が打ち込まれる(挿入、嵌合される)。これにより、図6に示すように、基板4の面42に対し、複数の犠牲ピン5がそれぞれ略垂直に立設された型6が得られる。この型6の各犠牲ピン5は、それぞれ、ガイド部2の各通路21に対応し、その数および配列(配置)は、ガイド部2の通路21と同じになる。
【0045】
基板4、各犠牲ピン5の構成材料としては、それぞれ、例えば、各種金属、各種樹脂等を用いることができ、後述する母材7(ガイド部2)の材質に応じたものを選択して使用する。
その具体例としては、例えば、基板4、各犠牲ピン5の構成材料として真鍮(Cu−Zn系合金)、母材7の構成材料としてニッケルの組み合わせと、基板4、各犠牲ピン5の構成材料としてアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、母材7の構成材料としてニッケルの組み合わせ等が挙げられる。なお、この2つの組み合わせに限定されないことは、言うまでもない。
【0046】
ここで、基板4の構成材料と、各犠牲ピン5の構成材料とは、同一でもよく、また、異なっていてもよい。
但し、基板4と各犠牲ピン5とが同種の材料で形成されるのが好ましい。これにより、後述する第4の工程において、基板4と各犠牲ピン5、すなわち、型6全体を、共通の溶解剤を用いて同一工程で(同時に)溶解して除去することができる。
同種の材料とは、組成が同一のものの他、例えば、略同様の化学的特性や物理的特性を有するもの等も含まれる。その同種の材料の具体例としては、例えば、添加元素の種類や含有量が異なる真鍮等が挙げられる。
【0047】
以下、第1の工程〜第4の工程を有するガイド部形成工程を説明する。
<第1の工程>
第1の工程では、図4および図5に示すように、基板4の各凹部41内に、それぞれ、各犠牲ピン5を打ち込む(挿入、嵌合する)。これにより、図6に示すように、基板4の面42に対し、複数の犠牲ピン5がそれぞれ略垂直に立設された型6が得られる。
【0048】
また、型6が樹脂で形成されている場合には、型6の表面に、導電性を有する膜(導電膜)、例えば、金属製の膜(金属膜)を形成する。この導電膜は、後述する電解メッキにおいて、電極(メッキ用の電極)として機能する。
前記導電膜は、例えば、無電解メッキ法や、低温蒸着法等により形成することができる。なお、導電膜の形成は、型6を組み立てた後にその型6に対して行ってもよく、また、組み立て前の基板4や各犠牲ピン5に対して行ってもよい。
【0049】
<第2の工程>
第2の工程では、電解メッキ(電気メッキ)法により、型6に、金属製のガイド部2の母材7を形成する。
すなわち、図7に示すように、所定のメッキ液が貯留(収容)されているメッキ槽8内に型6をセットし、その型6に対し、電解メッキ(電気メッキ)を施す。これにより、図8に示すように、型6に対してガイド部2の母材7が形成される。この母材7は、型6の基板4および各犠牲ピン5をそれぞれ取り囲むように形成される。
次いで、前記型6および母材7で構成された一体化物9をメッキ槽8内から取り出す。
【0050】
<第3の工程>
第3の工程では、一体化物9(母材7)を、基板4の平面42が含まれ(残り)、かつ、各犠牲ピン5が含まれる所定形状に加工する。
すなわち、図9に示すように、一体化物9(一体化物9の6面)に対し、例えば、研削加工等を施し、直線aで表される面(位置)、直線b1で表される面、直線b2で表される面、直線cで表される面および図示しない他の2面まで研削(除去)する。これにより、図10に示す一体化物9が得られる。
前記研削の順序としては、一体化物9の6面のうち、最初が図9中上側の面(直線aで表される面)、最後が図9中下側の面(直線cで表される面)であるのが好ましい。
【0051】
<第4の工程>
第4の工程では、図11に示すように、溶解剤により、一体化物9から型6(基板4および各犠牲ピン5)を溶解して除去する。これにより、ガイド部2の各通路21および面23がそれぞれ形成される。すなわち、複数の通路21を有するガイド部2が形成される。
【0052】
ここで、前述したように、基板4の面42は、平滑な平面をなしているので、その面42に密着(対向)していたガイド部2の面23は、面42に相当する平滑な平面をなす。
従って、ガイド部2の面23を、触覚情報の提示側(表示面側)とすることにより、好適な触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)を実現することができる。
【0053】
用いる溶解剤としては、特に限定されず、母材7、基板4、犠牲ピン5の材質に応じたものを選択して使用する。すなわち、母材7、基板4、犠牲ピン5のうち、基板4、犠牲ピン5のみを選択的に溶解するもの、換言すれば、基板4、犠牲ピン5を溶解し、かつ、母材7を溶解しないか、または、母材7を溶解しても、その度合いが、基板4、犠牲ピン5に対して(比べて)極めて小さいものを用いる。
【0054】
例えば、基板4、犠牲ピン5のいずれか一方または両方を金属で形成した場合、その金属を溶解する溶解剤としては、例えば、強酸等が挙げられる。
強酸としては、例えば、硝酸、硫酸、塩酸、フッ酸等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、例えば、水を混合する場合や、前記強酸を2種以上混合して用いる場合には、配合比を調整すること等により、濃度(規定度)やpH(水素イオン濃度)を調整することができる。
【0055】
また、基板4、犠牲ピン5のいずれか一方または両方を樹脂で形成した場合、その樹脂を溶解する溶解剤としては、例えば、硝酸、硫酸、アンモニア、過酸化水素、水、二硫化炭素、四塩化炭素等の無機溶媒や、メチルエチルケトン(MEK)、アセトン、ジエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルイソプロピルケトン(MIPK)、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、グリセリン等のアルコール系溶媒、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン(THP)、アニソール、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)等のエーテル系溶媒、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、フェニルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、トルエン、キシレン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ピリジン、ピラジン、フラン、ピロール、チオフェン等の芳香族複素環化合物系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化合物系溶媒、酢酸エチル、酢酸メチル、ギ酸エチル等のエステル系溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、スルホラン等の硫黄化合物系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、ギ酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸系溶媒等の有機溶媒等から選択される1種または2種以上を混合したものや、これらに、硝酸、硫酸、塩化水素、フッ化水素、リン酸等の酸性物質、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニア等のアルカリ性物質、過マンガン酸カリウム(KMnO)、二酸化マンガン(MnO)、二クロム酸カリウム(KCr)、オゾン、濃硫酸、硝酸、サラシ粉、過酸化水素、キノン類等の酸化剤、チオ硫酸ナトリウム(Na)、硫化水素、過酸化水素、ヒドロキノン類等の還元剤を混合したもの等が挙げられる。
【0056】
また、例えば、2種以上を混合して用いる場合には、配合比を調整すること等により、濃度やpHを調整することができる。
基板4、犠牲ピン5を除去する方法としては、例えば、溶解剤を噴霧する方法、液体状態の溶解剤(溶解液)に浸漬する方法、液体状態の溶解剤(溶解液)に浸漬した状態で電解する方法等が挙げられるが、この中でも特に、液体状態の溶解剤(溶解液)に浸漬する方法が好ましい。これにより、基板4、犠牲ピン5の除去をさらに容易かつ確実に行うことが可能となる。
なお、基板4、犠牲ピン5の除去を液体状態の溶解剤(溶解液)に浸漬することにより行う場合、例えば、浸漬時に、その溶解剤(溶解液)に振動(例えば、超音波振動等)を加えてもよい。これにより、基板4、犠牲ピン5の除去の効率をさらに向上させることができる。
【0057】
ピン取付け工程は、上記ガイド部形成工程で形成したガイド部2の各通路(孔部)21に、それぞれ、ピン本体31と頭部32a、32bとで構成されたピン3を可動自在に取り付ける工程であって、下記の手順に従う。
このピン取付け工程では、まず、図12および図13に示すように、前述した構成のピン本体31および頭部32a、32bをそれぞれ複数用意し、各ピン本体31の一端部に、それぞれ、頭部32aを固着手段により固着させる。
【0058】
次いで、図14に示すように、この状態で各ピン本体31を、それぞれ、ガイド部2の各通路21内に上方から挿通させ、図15および図16に示すように、各通路21の下端から突出した各ピン本体31の他端部にそれぞれ頭部32bを固着手段によりそれぞれ一体に固着させる。
前記固着手段としては、前述したように、例えば、嵌合、接着剤(接着)、ろう材(ろう付け)等や、これらのうちの任意の2以上の組合せが挙げられる。
【0059】
このようにして、ガイド部2の各通路21にそれぞれ各ピン3を可動自在に取り付けることにより、図1に示す可動式ピンアレイ1が製造される。
以上説明したように、この可動式ピンアレイ1およびその製造方法によれば、ガイド部2を容易に精度良く形成することができ、また、加工、組立てを容易にすることができ、また、製造コストを低減することができ、安価なものを提供することができる。
【0060】
特に、ガイド部2の通路21を細く、隣接する通路21、21間のピッチを狭くすることができ(通路21を高密度に配置することができ)、ピン3を細く、隣接するピン3、3間のピッチを狭くすることができる(ピン3を高密度に配置することができる)。これにより、この可動式ピンアレイ1を、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合において、微細な凹凸パターンを提示することができる。
【0061】
なお、本発明では、母材7の形成方法は、電解メッキ法に限らず、例えば、他のメッキ法でもよく、また、メッキ法以外の方法でもよい。
また、本発明では、ガイド部2の外形(全体形状)は、特に限定されず、ガイド部2の平面視での外形を、例えば、四角形状以外の多角形状(三角形状、五角形状、六角形状、八角形状等)、円形状、半円形状、楕円形状、半楕円形状等としてもよいし、また、この他の形状としてもよい。
また、本発明では、ガイド部2における通路21の数や各通路21の配列、すなわち、ピン3の数や各ピン3の配列は、図示のものに限定されない。
【0062】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
図17は、本発明の可動式ピンアレイの第2実施形態を示す部分断面図、図18は、図17に示す可動式ピンアレイのガイド部を示す斜視図である。
以下、第2実施形態の可動式ピンアレイ1およびその製造方法について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0063】
図17および図18に示すように、第2実施形態の可動式ピンアレイ1では、ガイド部2の各通路21の内面(壁面)に、それぞれ、複数(図示例では2つ)の凹部22が形成されている。これらの凹部22は、各通路21において、それぞれ、対応する通路21に沿って(ピン3の移動方向に沿って)配置されている。通路21の前記凹部22の形成された部位においては、凹部22の形成されていない部位に比べて、その内径が大きくなっている。
【0064】
これらの凹部22により、各ピン3のピン本体31の側面と各通路21の内面(壁面)との真空吸着がそれぞれ防止(または抑制)され、これにより、各ピン3がそれぞれ円滑に可動(移動)することができる。
また、各凹部22を、それぞれ例えば、潤滑油等の潤滑剤を貯留する貯留部として利用することができる。すなわち、各凹部22に、それぞれ、例えば、潤滑油等の潤滑剤を供給し、貯留しておくことにより、ピン3の可動をより円滑に行うことができ、また、その潤滑効果が長期間得られ、これによりピン3の安定した動作が長期的に得られる。
【0065】
次に、上記のように構成した可動式ピンアレイ1の製造方法について説明する。なお、ピン取付け工程は、前述した第1実施形態と同様であるので、ガイド部形成工程のみを説明する。
図19は、本発明の可動式ピンアレイの製造方法の第2実施形態にかかるガイド部形成工程において用いる犠牲ピンの構成例を示す斜視図である。
【0066】
第2実施形態では、ガイド部形成工程において、図19に示す複数の凸部(図示例では2つ)51を有する犠牲ピン5を用いる。これらの凸部51は、犠牲ピン5の軸に沿って配置されている。また、各凸部51は、それぞれ、犠牲ピン5の外周面(側面)に、1周に渡って形成されている。従って、犠牲ピン5の前記凸部51の形成された部位においては、凸部51の形成されていない部位に比べて、その外径が大きくなっている。
【0067】
これにより、各犠牲ピン5をそれぞれ溶解することによって、ガイド部2の各通路21の内面(壁面)に、それぞれ、各凸部51に対応する各凹部22が形成され、複数の凹部22が形成された複数の通路21を有するガイド部2が得られる。
この可動式ピンアレイ1およびその製造方法によれば、前述した第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0068】
また、凸部51を有する犠牲ピン5を用いることにより、容易かつ確実に、ガイド部2の通路21に凹部22を形成することができる。
なお、本発明では、犠牲ピン5における凸部51の数や位置、すなわち、ガイド部2の各通路21における凹部22の数や位置は、図示のものに限定されない。
【0069】
以上、本発明を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可動式ピンアレイの第1実施形態を示す斜視図。
【図2】図1に示す可動式ピンアレイのガイド部を示す斜視図。
【図3】図1に示す可動式ピンアレイのピンを示す側面図。
【図4】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図5】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図6】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図7】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図8】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図9】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図10】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図11】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図12】第1実施形態におけるピン取付け工程を説明するための図。
【図13】第1実施形態におけるピン取付け工程を説明するための図。
【図14】第1実施形態におけるピン取付け工程を説明するための図。
【図15】第1実施形態におけるピン取付け工程を説明するための図。
【図16】第1実施形態におけるピン取付け工程を説明するための図。
【図17】本発明の可動式ピンアレイの第2実施形態を示す部分断面図。
【図18】図17に示す可動式ピンアレイのガイド部を示す斜視図。
【図19】第2実施形態で用いる犠牲ピンを示す斜視図。
【符号の説明】
1……可動式ピンアレイ 2……ガイド部 21……通路 22……凹部 23……面 3……ピン 31……ピン本体 32a、32b……頭部 4……基板 41……凹部 42……面 5……犠牲ピン 51……凸部 6……型 7……母材 8……メッキ槽 9……一体化物

Claims (16)

  1. 複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイの製造方法であって、
    溶解可能な複数の犠牲ピンを設ける第1の工程と、
    前記各犠牲ピンを取り囲むようにガイド部の母材を形成する第2の工程と、
    前記母材を、前記各犠牲ピンを含む所定形状に加工する第3の工程と、
    前記各犠牲ピンをそれぞれ溶解して除去し、複数の通路を形成する第4の工程とを備え、複数の通路を有するガイド部を形成するガイド部形成工程と、
    前記ガイド部形成工程で形成した前記ガイド部の各通路にそれぞれピンを可動自在に取り付けるピン取付け工程とを有することを特徴とする可動式ピンアレイの製造方法。
  2. 前記第1の工程において、少なくとも1つの平面を有し、溶解可能な基台の該平面上に、前記各犠牲ピンをそれぞれ設ける請求項1に記載の可動式ピンアレイの製造方法。
  3. 前記各犠牲ピンをそれぞれ前記平面に対して略垂直に設ける請求項2に記載の可動式ピンアレイの製造方法。
  4. 前記基台は、板状をなしている請求項2または3に記載の可動式ピンアレイの製造方法。
  5. 前記第3の工程において、前記基台の前記各犠牲ピンが設けられた前記平面が残るように加工する請求項2ないし4のいずれかに記載の可動式ピンアレイの製造方法。
  6. 前記第4の工程において、前記基台を溶解して除去する請求項2ないし5のいずれかに記載の可動式ピンアレイの製造方法。
  7. 前記基台と前記各犠牲ピンとが同種の材料で形成される請求項2ないし6のいずれかに記載の可動式ピンアレイの製造方法。
  8. 前記各犠牲ピンは、それぞれ、金属で形成される請求項1ないし7のいずれかに記載の可動式ピンアレイの製造方法。
  9. 前記各犠牲ピンは、それぞれ、樹脂で形成される請求項1ないし7のいずれかに記載の可動式ピンアレイの製造方法。
  10. 前記第2の工程において、前記母材を金属で形成する請求項1ないし9のいずれかに記載の可動式ピンアレイの製造方法。
  11. 前記第2の工程において、メッキ法により前記母材を形成する請求項1ないし10のいずれかに記載の可動式ピンアレイの製造方法。
  12. 前記メッキ法は、電解メッキ法である請求項11に記載の可動式ピンアレイの製造方法。
  13. 前記各犠牲ピンとして、それぞれ、側面に凸部を有するものを用い、前記第4の工程において、前記各犠牲ピンを溶解して除去し、前記各通路の内面に、それぞれ、前記凸部に対応する凹部を形成する請求項1ないし12のいずれかに記載の可動式ピンアレイの製造方法。
  14. 前記各ピンは、それぞれ、前記通路に可動自在に挿着されるピン本体と、前記ガイド部の両端から突出する前記ピン本体の両端部にそれぞれ設けられ、前記通路よりも大きい頭部とを有する請求項1ないし13のいずれかに記載の可動式ピンアレイの製造方法。
  15. 前記各ピンの両頭部は、それぞれ、筒状をなし、該頭部に前記ピン本体が挿入される請求項14に記載の可動式ピンアレイの製造方法。
  16. 複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイであって、
    請求項1ないし15のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする可動式ピンアレイ。
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