JP2004361496A - 可動式ピンアレイの製造方法および可動式ピンアレイ - Google Patents
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Abstract
【課題】容易かつ確実にピンを高密度に配置し得る可動式ピンアレイの製造方法および可動式ピンアレイを提供することにある。
【解決手段】本発明の可動式ピンアレイの製造方法は、複数のピン3と、前記各ピン3を可動自在に支持するガイド部2とを有する可動式ピンアレイ1の製造方法であって、層状に設けた材料に対し選択的に光を照射し、複数の通路21を有するガイド部2の一部を構成する層を形成する工程を複数回繰り返し行うことにより、複数の層を順次積層してゆき、前記ガイド部2を形成するガイド部形成工程と、前記ガイド部形成工程で形成した前記ガイド部2の各通路21にそれぞれピン3を可動自在に取り付けるピン取付け工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の可動式ピンアレイの製造方法は、複数のピン3と、前記各ピン3を可動自在に支持するガイド部2とを有する可動式ピンアレイ1の製造方法であって、層状に設けた材料に対し選択的に光を照射し、複数の通路21を有するガイド部2の一部を構成する層を形成する工程を複数回繰り返し行うことにより、複数の層を順次積層してゆき、前記ガイド部2を形成するガイド部形成工程と、前記ガイド部形成工程で形成した前記ガイド部2の各通路21にそれぞれピン3を可動自在に取り付けるピン取付け工程とを有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動式ピンアレイの製造方法および可動式ピンアレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイに用いられる可動式ピンアレイの一例として、所定の間隔ごとに互いに平行をなすように設けられる複数のピンと、これらの複数のピンを駆動させる駆動機構とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この場合、複数のピンは、表板に設けた貫通孔内に挿着されることにより上下方向に可動自在に支持され、各ピンは上下方向に移動することにより先端が表板の表面から出没するようになっている。
【0003】
また、駆動機構は、表板の下方に設けられる上プレートと下プレートとの間で保持されるステッピングモータ、ステッピングモータのシャフトの回転運動を直線運動に変換する直線移動機構等から構成されている。
直線移動機構は、ステッピングモータのシャフトの先端部に螺設される雄ネジと、雄ネジと相互に螺合するピンの内面に螺設される雌ネジと、ピンを上下方向に移動可能に支持する表板の下面側に設けられる案内棒とから構成されている。
【0004】
そして、ステッピングモータを駆動させてシャフトを回転させることにより、シャフトの雄ネジのピンの雌ネジに対する相対的な螺合位置が変化してピンが上方または下方に移動し、ピンの先端が表板の表面から出没する。このようにして、複数のピンの先端により、触角情報として所定の凹凸パターンが提示され、この凹凸パターンを手指で触れることにより、所定の情報を認識することができる。
【0005】
しかしながら、上記のような構成の従来の可動式ピンアレイにあっては、表板に設けた貫通孔内にピンを挿着することによりピンを上下方向に可動自在に支持し、ピンの内面に螺設した雌ネジとステッピングモータのシャフトに螺設した雄ネジとを相互に螺合させることにより、ステッピングモータの回転運動を直線運動に変換してピンを上下方向に可動させ、ピンがシャフトに対して回転するのを防止するために表板の下面側に案内棒を設けているため、各ピンを支持する部分の構造が複雑になってしまい、加工、組立てに手間がかかり、製造コストが高くなってしまう。
また、構造上、ピンを細く、隣接するピン間のピッチを狭くすることが困難である(ピンを高密度に配置することが困難である)。このため、微細な凹凸パターンを提示することができないという欠点がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−44289号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、容易かつ確実にピンを高密度に配置し得る可動式ピンアレイの製造方法および可動式ピンアレイを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法は、複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイの製造方法であって、
光造形法により複数の通路を有するガイド部を形成するガイド部形成工程と、
前記ガイド部形成工程で形成した前記ガイド部の各通路にそれぞれピンを可動自在に取り付けるピン取付け工程とを有することを特徴とする。
これにより、任意の形状を有するガイド部を容易に精度良く形成することができ、また、加工、組立てを容易にすることができ、また、製造コストを低減することができ、安価なものを提供することができる。
【0009】
また、ガイド部の通路を細く、隣接する通路間のピッチを狭くすることができ(通路を高密度に配置することができ)、ピンを細く、隣接するピン間のピッチを狭くすることができる(ピンを高密度に配置することができる)。これにより、本発明の可動式ピンアレイを、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合において、微細な凹凸パターンを提示することができる。
【0010】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法は、複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイの製造方法であって、
層状に設けた材料に対し選択的に光を照射し、複数の通路を有するガイド部の一部を構成する層を形成する工程を複数回繰り返し行うことにより、複数の層を順次積層してゆき、前記ガイド部を形成するガイド部形成工程と、
前記ガイド部形成工程で形成した前記ガイド部の各通路にそれぞれピンを可動自在に取り付けるピン取付け工程とを有することを特徴とする。
これにより、任意の形状を有するガイド部を容易に精度良く形成することができ、また、加工、組立てを容易にすることができ、また、製造コストを低減することができ、安価なものを提供することができる。
【0011】
また、ガイド部の通路を細く、隣接する通路間のピッチを狭くすることができ(通路を高密度に配置することができ)、ピンを細く、隣接するピン間のピッチを狭くすることができる(ピンを高密度に配置することができる)。これにより、本発明の可動式ピンアレイを、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合において、微細な凹凸パターンを提示することができる。
【0012】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記材料の主成分は、光硬化性樹脂であり、前記ガイド部形成工程において、前記材料に対し選択的に光を照射して該光硬化性樹脂を硬化させ、前記層を形成するのが好ましい。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記材料は、粉末状をなしており、前記ガイド部形成工程において、前記材料に対し選択的に光を照射して該材料を焼結し、前記層を形成するのが好ましい。
【0013】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記材料の主成分は、金属であるのが好ましい。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記金属は、鉄、銅、または、これらのうちの少なくとも一方を含む合金であるのが好ましい。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記各ピンは、それぞれ、前記通路に可動自在に挿着されるピン本体と、前記ガイド部の両端から突出する前記ピン本体の両端部にそれぞれ設けられ、前記通路よりも大きい頭部とを有するのが好ましい。
これにより、ガイド部からピンが脱落するのが防止され、ピンの安定した動作が長期的に得られることになる。
【0014】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記各ピンの両頭部は、それぞれ、筒状をなし、該頭部に前記ピン本体が挿入されるのが好ましい。
これにより、ガイド部へのピンの挿着を容易かつ確実に行うことができる。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記各通路の内面に、それぞれ、凹部を形成するのが好ましい。
【0015】
これにより、ピンの側面と通路の内面(壁面)との真空吸着を防止(または抑制)することができ、ピンの可動(移動)を円滑に行うことができる。
また、前記凹部を、例えば、潤滑油等の潤滑剤を貯留する貯留部として利用することができる。すなわち、凹部に、例えば、潤滑油等の潤滑剤を供給し、貯留しておくことにより、ピンの可動をより円滑に行うことができ、また、その潤滑効果が長期間得られ、これによりピンの安定した動作が長期的に得られる。
【0016】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記凹部を前記通路に沿って複数形成するのが好ましい。
これにより、ピンの側面と通路の内面(壁面)との真空吸着をより確実に防止(または抑制)することができ、ピンの可動をより円滑に行うことができる。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、潤滑剤を前記凹部に貯留するのが好ましい。
これにより、ピンの可動をより円滑に行うことができ、また、その潤滑効果が長期間得られ、これによってピンの安定した動作が長期的に得られる。
【0017】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記ガイド部形成工程において照射する光は、レーザー光であるのが好ましい。
本発明の可動式ピンアレイは、複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイであって、
本発明の可動式ピンアレイの製造方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、任意の形状を有するガイド部を容易に精度良く形成することができ、また、加工、組立てを容易にすることができ、また、製造コストを低減することができ、安価なものを提供することができる。
【0018】
また、ガイド部の通路を細く、隣接する通路間のピッチを狭くすることができ(通路を高密度に配置することができ)、ピンを細く、隣接するピン間のピッチを狭くすることができる(ピンを高密度に配置することができる)。これにより、本発明の可動式ピンアレイを、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合において、微細な凹凸パターンを提示することができる。
【0019】
本発明の可動式ピンアレイは、複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイであって、
前記ガイド部は、光造形法により形成され、複数の通路を有しており、前記各通路にそれぞれ前記各ピンを可動自在に設けたことを特徴とする。
これにより、任意の形状を有するガイド部を容易に精度良く形成することができ、また、加工、組立てを容易にすることができ、また、製造コストを低減することができ、安価なものを提供することができる。
【0020】
また、ガイド部の通路を細く、隣接する通路間のピッチを狭くすることができ(通路を高密度に配置することができ)、ピンを細く、隣接するピン間のピッチを狭くすることができる(ピンを高密度に配置することができる)。これにより、本発明の可動式ピンアレイを、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合において、微細な凹凸パターンを提示することができる。
【0021】
本発明の可動式ピンアレイでは、前記各通路の内面にそれぞれ凹部が形成されているのが好ましい。
これにより、ピンの側面と通路の内面(壁面)との真空吸着を防止(または抑制)することができ、ピンの可動(移動)を円滑に行うことができる。
また、前記凹部を、例えば、潤滑油等の潤滑剤を貯留する貯留部として利用することができる。すなわち、凹部に、例えば、潤滑油等の潤滑剤を供給し、貯留しておくことにより、ピンの可動をより円滑に行うことができ、また、その潤滑効果が長期間得られ、これによりピンの安定した動作が長期的に得られる。
【0022】
本発明の可動式ピンアレイでは、前記各通路の内面と、前記各ピンの表面とのうちの少なくとも一方には、フッ素樹脂の膜が設けられているのが好ましい。
これにより、ガイド部のピンとの接触面の撥水性、耐食性、耐酸性、耐摩耗性等を向上させることができ、また、ピンに対する摩擦が低減され、様々な使用環境において優れた耐久性を発揮することができるとともに、ピンをより円滑に可動(移動)させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の可動式ピンアレイの製造方法および可動式ピンアレイを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
ここで、以下の実施形態では、本発明の可動式ピンアレイを、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合について説明するが、本発明の可動式ピンアレイの用途は、これに限定されるものではない。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、本発明の可動式ピンアレイの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示す可動式ピンアレイのガイド部を示す斜視図、図3は、図1に示す可動式ピンアレイのピンを示す側面図である。
これらの図に示す可動式ピンアレイ1は、触覚情報を提示する触覚ディスプレイに用いられるものであって、触覚情報を提示(表示)する複数の触知素子として、複数のピン3と、複数のピン3を可動(移動)自在に支持するガイド部(ガイド手段)2とを備えている。
【0025】
図1および図2に示すように、ガイド部2の外形(全体形状)は、本実施形態では、六角柱形状をなしており、このガイド部2には、図1および図2中、上下方向に貫通した複数の通路(孔部)21が設けられている。
本実施形態では、各通路21の形状は、それぞれ、円柱状をなしており(各通路21の横断面形状は、それぞれ、円形状をなしており)、各通路21は、それぞれ、同一内径に形成されている。また、本実施形態では、各通路21は、互いに平行になるように設けられている。また、本実施形態では、図2中、左右方向に、直線状に等間隔で形成された通路21の列が、複数列形成されており、隣り合う列の通路21は、図2中、左右方向に、互いに、半ピッチずれている。
【0026】
このガイド部2は、各通路21内に、それぞれ後述するピン3のピン本体31が可動(移動)自在に挿着(設置)されるようになっており、各ピン3の移動方向をそれぞれ規制するガイドとして機能する。すなわち、ガイド部2は、各ピン3を、それぞれ、その長手方向(軸方向)にのみ移動し得るように支持する。
このガイド部2は、光造形法により形成(造形)される。これにより、微細な通路21を、容易に、精度良く、高密度に形成することができる。なお、光造形法には、例えば、液状(流体)の材料(液状材料)を用いる方式や、粉末状(粒状)の材料(粉末材料)を用いる方式等、種々の方式があるが、本発明では、いずれの方式を用いてもよい。
【0027】
また、ガイド部2の各通路21の内周面(ピン3との接触面)には、それぞれ、フッ素樹脂の膜が設けられているのが好ましい。フッ素樹脂の膜を形成する方法は各種あり、特に限定されないが、Ni−Pメッキ(電解メッキ、無電解メッキの両方可能)にPTFE(ポリ4フッ化エチレン)を共析メッキさせる方法が好ましい。これにより、ガイド部2のピン3との接触面の撥水性、耐食性、耐酸性、耐摩耗性等を向上させることができ、また、ピン3に対する摩擦が低減され、様々な使用環境において優れた耐久性を発揮することができるとともに、ピン3をより円滑に可動させることができる。
【0028】
ここで、前記フッ素樹脂の膜を設ける箇所を、前記通路21の内周面に代えて、ガイド部2の各通路21の内周面と接触する後述する各ピン3の表面(外面)、すなわち、各通路21の内周面と接触する各ピン本体31の表面としてもよく、また、通路21の内周面とピン3(ピン本体31)の表面の両方としてもよい。
【0029】
ガイド部2の構成材料としては、例えば、各種金属、各種樹脂、各種セラミックス等を用いることができる。
前記金属としては、特に限定されず、例えば、鉄、銅、アルミニウム、または、これらのうちの少なくとも1つを含む合金(例えば、ステンレス鋼等)等が挙げられるが、鉄、銅、または、これらのうちの少なくとも一方を含む合金(例えば、ステンレス鋼等)が好ましい。
【0030】
図1および図3に示すように、各ピン3は、それぞれ、ガイド部2によって可動自在に支持されるピン本体(シャフト部)31と、ガイド部2の両端から突出するピン本体31の両端部にそれぞれ設けられる頭部32a、32bとで構成されており、これらのピン3の一方の頭部(触知部)32aによって所定の凹凸パターン(触覚情報)が提示される。
【0031】
各ピン本体31は、それぞれ、本実施形態では、横断面での形状が円形状をなす棒状体であって、同一長さ、同一外径(直径)に形成されている。
各ピン本体31の構成材料としては、それぞれ、例えば、ステンレス鋼、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の各種金属、各種樹脂、各種セラミックス等を用いることができる。
【0032】
前記ガイド部2の厚さ(ピン3の長手方向におけるガイド部2の長さ)は、ピン本体31の両端部がガイド部2の図1中、上下方向の両端から所定量突出するように設定されており、ガイド部2の両端から突出する各ピン本体31の両端部には、それぞれ頭部32a、32bが一体に設けられている。
頭部32aは、触覚情報の提示側(表示面側)に配置され、ユーザーに対して触覚情報を提示する(ユーザーにより触れられる)触知部を構成する。一方、頭部32bは、前記と反対側(内部側)に配置される。
【0033】
各頭部32a、32bは、それぞれ、本実施形態では、円筒状(筒状)をなし、同一長さ、同一内径、同一外径に形成され、各ピン3の全長が同一となるように各ピン本体31の両端部に挿入された状態で固着手段により固着されている。
各頭部32a、32bの構成材料としては、それぞれ、例えば、ステンレス鋼、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の各種金属、各種樹脂、各種セラミックス等を用いることができる。
【0034】
固着手段としては、例えば、嵌合、接着剤(接着)、ろう材(ろう付け)等や、これらのうちの任意の2以上の組合せが挙げられる。嵌合の場合には、ピン本体31と頭部32a、32bとの嵌め合いをきつくして、ピン3の可動時に頭部32a、32bがピン本体31から抜けないようにする。また、接着剤またはろう付けの場合には、例えば、ピン本体31と頭部32a、32bとの嵌め合いを緩くする。
【0035】
接着剤としては、ピン本体31、頭部32a、32bの材質に応じたものを選択して使用すればよく、例えば、ゴム系、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系等の接着剤が挙げられる。また、ろう付け用のろう材としては、ピン本体31、頭部32a、32bの材質に応じたものを選択して使用すればよく、ピン本体31、頭部32a、32bよりも低融点の金属、例えば、銅、ニッケル、金、銀等が挙げられる。
【0036】
各頭部32a、32bは、それぞれ、その外径(直径)が、各通路21の内径(直径)よりも大きく、かつ隣接する通路21、21間のピッチよりも小さく形成されている。これにより各頭部32a、32bが、ストッパーとして機能し、各ピン3がガイド部2から脱落するのが防止されるとともに、各ピン3の可動時に隣接する頭部32a、32a同士、隣接する32b、32b同士が互いに接触するのが防止される。
【0037】
この可動式ピンアレイ1の各ピン3は、それぞれ、例えば、駆動機構(図示せず)に連結され、駆動機構の駆動によりその長手方向(図1中上下方向)に変位(移動)し、長手方向の所定の位置に保持(位置決め)されるようになっている。これにより、凹凸パターンによる触覚情報が複数のピン3の頭部32aによって提示(表示)され、この凹凸パターンを手指で触れることにより、所定の情報を認識することができる。
前記駆動機構としては、特に限定されず、例えば、ACモータ、DCモータ、ステッピングモータ(パルスモータ)等の小型モータと小型モータの回転を直線運動に変換する変換機構とを組み合わせたアクチュエータ、固定子と移動子とを組み合わせたリニア駆動素子等を用いることができる。
【0038】
次に、上記のように構成した可動式ピンアレイ1の製造方法について説明する。
図4〜図12には、それぞれ、本発明の可動式ピンアレイの製造方法の第1実施形態が示されている。
図4〜図7には、それぞれ、ガイド部形成工程が示されており、図4〜図7は、それぞれ、図2中のA−A線での断面に対応する模式図である。なお、説明の都合上、図4〜図7には、それぞれ、互いに直交するx軸、y軸およびz軸(x−y−z座標系)を想定する。この場合、z軸方向が鉛直方向に設定されている。
【0039】
また、図8〜図12には、それぞれ、ピン取付け工程が示されており、図8は、ピン本体の一端部に頭部を取り付ける手順を説明するための図、図9は、ピン本体の一端部に頭部を取り付けた状態を示す図、図10は、ガイド部の通路にピン本体を挿通させる手順を説明するための図、図11は、ガイド部の通路から突出させたピン本体の他端部に頭部を取り付ける手順を説明するための図、図12は、ガイド部の通路にピンを取り付けた状態を示す図である。
【0040】
この可動式ピンアレイ1の製造方法は、複数のピン3を可動自在に支持するガイド部2を光造形法により形成(造形)するガイド部形成工程と、複数のピン3をガイド部2に取り付けるピン取付け工程とを備えている。
ガイド部形成工程は、未硬化の光硬化性樹脂を主成分とする液状の材料(液状材料)に対し選択的に(所定のパターンに沿って)レーザー光(光)を照射してその光硬化性樹脂を硬化させ、複数の通路21を有するガイド部2を形成する工程であって、下記の手順に従う。
【0041】
このガイド部形成工程では、図4に示す光造形装置4を用いる。この光造形装置4は、自由液面方式の光造形装置であって、造形されるガイド部(造形物)2を載置(保持)するステージ(保持部)42と、ステージ42を昇降させる(z軸方向に移動させる)昇降機構41と、レーザー光を発する(照射する)レーザー照射部43と、液状の材料が貯留(収容)されている液槽44と、図示しない制御手段とを有している。レーザー照射部43は、図示しない移動機構により、x軸方向およびy軸方向にそれぞれ移動し得るようになっている。また、前記制御手段により、前記移動機構、昇降機構41およびレーザー照射部43等、光造形装置4全体の駆動が制御される。
【0042】
なお、使用する光造形装置は、このようなものに限らず、例えば、規制液面方式の光造形装置等であってもよい。
使用するレーザーとしては、特に限定されず、用いる材料等に応じて適切なものが選択されるが、例えば、CO2レーザー等の気体レーザー、YAGレーザー等の固体レーザー、半導体レーザー、エキシマレーザー、色素レーザー、自由電子レーザー、紫外線レーザー、赤外線レーザー等が挙げられる。
【0043】
なお、レーザー以外の光源を用い、光源から発せられた光(光束)を光学系により集光させて材料に照射してもよいことは、言うまでもない。
ここで、光硬化性とは、例えば、赤外線(赤外光)のような熱線、可視光、紫外線(紫外光)等の光の照射により、未硬化物(材料)中の分子鎖の成長や架橋反応が誘起され、硬化性成分が硬化する性質のことを意味する。
【0044】
ガイド部2の材料として用いる光硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、紫外線(紫外光)により硬化する樹脂(紫外線硬化性樹脂)、可視光により硬化する樹脂、赤外線(赤外光)等の熱線(熱)により硬化する樹脂(熱硬化性樹脂)等が挙げられ、これらのうちでは、紫外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂が好ましく、紫外線硬化性樹脂がより好ましい。
【0045】
前記紫外線硬化性樹脂としては、例えば、エステルアクリレート、エーテルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、アミノ樹脂アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0046】
また、ガイド部2の材料中には、前記樹脂材料の他に、添加剤として、例えば、光重合開始剤、光増感剤、重合促進剤等が含まれていてもよい。
前記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン等の分子内結合開裂型光重合開始剤、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−エチルアントラキノン、イソブチルチオキサンソン等の分子間水素引抜き型光重合開始剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0047】
ガイド部形成工程では、まず、図4に示すように、ステージ42上に材料が1層分設けられるように(層状に設けられるように)、ステージ42をz軸方向の所定の位置に移動させる。
そして、レーザー照射部43をx軸方向、y軸方向に移動させつつ、そのレーザー照射部43により、ステージ42上の材料に対し、選択的にレーザー光を照射する。このレーザー光の照射は、形成(造形)するガイド部2の立体像をx−y平面で輪切りにしてなる対応する層の断面形状データに基づいてなされる。
これにより、図5に示すように、ステージ42上に設けられた1層分の材料のうち、レーザー光の照射された部位が硬化し、ガイド部2の最下層の部分(1層分)が形成される。
【0048】
次いで、図6に示すように、ステージ42を1層分下降させ(沈め)、ステージ42上に形成されたガイド部2の1層分の部分上に、材料を1層分設ける(層状に設ける)。
そして、前記と同様に、レーザー照射部43をx軸方向、y軸方向に移動させつつ、そのレーザー照射部43により、ステージ42上の材料に対し、選択的にレーザー光を照射する。
【0049】
これにより、図7に示すように、ステージ42上に設けられた2層目の材料(1層分の材料)のうち、レーザー光の照射された部位が硬化し、ガイド部2の2層目の部分(1層分)が形成される。
以下、前記の動作(工程)を繰り返し行って、ガイド部2の一部を構成する複数の層を順次積層してゆく。これにより、複数の通路21を有するガイド部2が形成される。
【0050】
ピン取付け工程は、上記ガイド部形成工程で形成したガイド部2の各通路(孔部)21に、それぞれ、ピン本体31と頭部32a、32bとで構成されたピン3を可動自在に取り付ける工程であって、下記の手順に従う。
このピン取付け工程では、まず、図8および図9に示すように、前述した構成のピン本体31および頭部32a、32bをそれぞれ複数用意し、各ピン本体31の一端部に、それぞれ、頭部32aを固着手段により固着させる。
【0051】
次いで、図10に示すように、この状態で各ピン本体31を、それぞれ、ガイド部2の各通路21内に上方から挿通させ、図11および図12に示すように、各通路21の下端から突出した各ピン本体31の他端部にそれぞれ頭部32bを固着手段によりそれぞれ一体に固着させる。
前記固着手段としては、前述したように、例えば、嵌合、接着剤(接着)、ろう材(ろう付け)等や、これらのうちの任意の2以上の組合せが挙げられる。
このようにして、ガイド部2の各通路21にそれぞれ各ピン3を可動自在に取り付けることにより、図1に示す可動式ピンアレイ1が製造される。
【0052】
以上説明したように、この可動式ピンアレイ1およびその製造方法によれば、光造形法によりガイド部2を形成(製造)するので、任意の形状を有するガイド部2を容易に精度良く形成することができ、また、加工、組立てを容易にすることができ、また、製造コストを低減することができ、安価なものを提供することができる。
【0053】
特に、ガイド部2の通路21を細く、隣接する通路21、21間のピッチを狭くすることができ(通路21を高密度に配置することができ)、ピン3を細く、隣接するピン3、3間のピッチを狭くすることができる(ピン3を高密度に配置することができる)。これにより、この可動式ピンアレイ1を、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合において、微細な凹凸パターンを提示することができる。
【0054】
なお、本発明では、ガイド部2の外形(全体形状)は、特に限定されず、ガイド部2の平面視での外形を、例えば、六角形状以外の多角形状(三角形状、四角形状、五角形状、八角形状等)、円形状、半円形状、楕円形状、半楕円形状等としてもよいし、また、この他の形状としてもよい。
また、ガイド部2における通路21の数や各通路21の配列、すなわち、ピン3の数や各ピン3の配列は、図示のものに限定されない。
【0055】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
図13は、本発明の可動式ピンアレイの第2実施形態を示す部分断面図、図14は、図13に示す可動式ピンアレイのガイド部を示す斜視図である。
以下、第2実施形態の可動式ピンアレイ1およびその製造方法について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0056】
図13および図14に示すように、第2実施形態の可動式ピンアレイ1では、ガイド部2の各通路21の内面(壁面)に、それぞれ、複数(図示例では2つ)の凹部22が形成されている。これらの凹部22は、各通路21において、それぞれ、対応する通路21に沿って(ピン3の移動方向に沿って)配置されている。通路21の前記凹部22の形成された部位においては、凹部22の形成されていない部位に比べて、その内径が大きくなっている。
【0057】
これらの凹部22により、各ピン3のピン本体31の側面と各通路21の内面(壁面)との真空吸着がそれぞれ防止(または抑制)され、これにより、各ピン3がそれぞれ円滑に可動(移動)することができる。
また、各凹部22を、それぞれ例えば、潤滑油等の潤滑剤を貯留する貯留部として利用することができる。すなわち、各凹部22に、それぞれ、例えば、潤滑油等の潤滑剤を供給し、貯留しておくことにより、ピン3の可動をより円滑に行うことができ、また、その潤滑効果が長期間得られ、これによりピン3の安定した動作が長期的に得られる。
【0058】
次に、上記のように構成した可動式ピンアレイ1の製造方法について説明する。なお、ピン取付け工程は、前述した第1実施形態と同様であるので、ガイド部形成工程のみを説明する。
図15〜図17には、それぞれ、本発明の可動式ピンアレイの製造方法の第2実施形態にかかるガイド部形成工程が示されており、図15〜図17は、それぞれ、図14中のB−B線での断面に対応する模式図である。なお、説明の都合上、図15〜図17には、それぞれ、互いに直交するx軸、y軸およびz軸(x−y−z座標系)を想定する。この場合、z軸方向が鉛直方向に設定されている。
【0059】
ガイド部形成工程では、まず、図15に示すように、ステージ42上に材料が1層分設けられるように(層状に設けられるように)、ステージ42をz軸方向の所定の位置に移動させる。
そして、レーザー照射部43をx軸方向、y軸方向に移動させつつ、そのレーザー照射部43により、ステージ42上の材料に対し、選択的にレーザー光を照射する。このレーザー光の照射は、形成(造形)するガイド部2の立体像をx−y平面で輪切りにしてなる対応する層の断面形状データに基づいてなされる。
これにより、図16に示すように、ステージ42上に設けられた1層分の材料のうち、レーザー光の照射された部位が硬化し、ガイド部2の最下層の部分(1層分)が形成される。
【0060】
次いで、ステージ42を1層分下降させ(沈め)、ステージ42上に形成されたガイド部2の1層分の部分上に、材料を1層分設ける(層状に設ける)。
そして、前記と同様に、レーザー照射部43をx軸方向、y軸方向に移動させつつ、そのレーザー照射部43により、ステージ42上の材料に対し、選択的にレーザー光を照射する。
これにより、ステージ42上に設けられた2層目の材料(1層分の材料)のうち、レーザー光の照射された部位が硬化し、ガイド部2の2層目の部分(1層分)が形成される。
【0061】
以下、前記の動作(工程)を繰り返し行って、ガイド部2の一部を構成する複数の層を順次積層してゆくが、図17に示すように、通路21の凹部22を形成する箇所においては、凹部22を形成しない箇所よりも、その内径が大きなるようにレーザー光を照射して材料を硬化させる。このようにして、複数の凹部22が形成された複数の通路21を有するガイド部2が得られる。
この可動式ピンアレイ1およびその製造方法によれば、前述した第1実施形態と同様の効果も得られる。
なお、ガイド部2の各通路21における凹部22の数や位置は、図示のものに限定されない。
【0062】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。
以下、第3実施形態の可動式ピンアレイ1およびその製造方法について、前述した第1実施形態や第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0063】
第3実施形態の可動式ピンアレイ1の製造方法では、粉末状(粒状)の材料(粉末材料)を用いる方式の光造形法により、ガイド部2を形成(造形)する。この場合、例えば、レーザー光によって粉末状の材料を焼結(融着)させる方法(レーザー焼結法)等を用いることができる。このレーザー焼結法は、粉末状の材料を、レーザー光(例えば、CO2レーザー)の熱により、一層ごとに焼結(融着)しながら造形する方法である。
【0064】
すなわち、本実施形態では、ガイド部形成工程において、層状に設けた粉末状の材料に対し選択的に(所定のパターンに沿って)レーザー光を照射してその材料を焼結し、ガイド部2の一部を構成する層を形成する工程を複数回繰り返し行うことにより、複数の層を順次積層してゆき、ガイド部2を形成する。
前記材料(特に材料の主成分)としては、例えば、各種金属、各種樹脂(例えば、各種熱可塑性樹脂)等を用いることができる。したがって、金属製のガイド部2と、樹脂製のガイド部2のいずれも製造することができる。
前記材料(特に材料の主成分)として用いる金属としては、特に限定されないが、鉄、銅、または、これらのうちの少なくとも一方を含む合金(例えば、ステンレス鋼等)が好ましい。
【0065】
次に、レーザー焼結法を用いたガイド部形成工程について説明する。
ガイド部形成工程では、まず、図示しないリコーターが移動し、そのリコーターにより、図示しないプラットホーム(保持部)上に、1層分の材料を撒くとともに、所定の均一な厚みの材料の層(均一な平面)を形成する。なお、このリコーターには、図示しない材料タンクから材料が供給されるようになっている。
【0066】
そして、層状に設けられた材料に対し、選択的にレーザー光を照射する。このレーザー光の照射は、形成(造形)するガイド部2の立体像をx−y平面で輪切りにしてなる対応する層の断面形状データに基づいてなされる。
これにより、1層分の材料のうち、レーザー光の照射された部位が焼結(融着)し、ガイド部2の最下層の部分(1層分)が形成される。
【0067】
次いで、プラットホームを1層分下降させ、リコーターにより、そのプラットホーム上に形成されたガイド部2の1層分の部分上に、1層分の材料を撒くとともに、所定の均一な厚みの材料の層を形成する。
そして、前記と同様に、プラットホーム上の材料に対し、選択的にレーザー光を照射する。
これにより、プラットホーム上に設けられた2層目の材料(1層分の材料)のうち、レーザー光の照射された部位が焼結(融着)し、ガイド部2の2層目の部分(1層分)が形成される。
【0068】
以下、前記の動作(工程)を繰り返し行って、ガイド部2の一部を構成する複数の層を順次積層してゆく。これにより、複数の通路21を有するガイド部2が形成される。
なお、ピン取付け工程は、前述した第1実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0069】
この可動式ピンアレイ1およびその製造方法によれば、前述した第1実施形態や第2実施形態と同様の効果が得られる。
そして、本実施形態では、材料を幅広い材料の中から選択することができ、また、製造時間をより短くすることができ、また、コストを低減することができる。
【0070】
以上、本発明を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可動式ピンアレイの第1実施形態を示す斜視図。
【図2】図1に示す可動式ピンアレイのガイド部を示す斜視図。
【図3】図1に示す可動式ピンアレイのピンを示す側面図。
【図4】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図5】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図6】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図7】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図8】第1実施形態におけるピン取付け工程を説明するための図。
【図9】第1実施形態におけるピン取付け工程を説明するための図。
【図10】第1実施形態におけるピン取付け工程を説明するための図。
【図11】第1実施形態におけるピン取付け工程を説明するための図。
【図12】第1実施形態におけるピン取付け工程を説明するための図。
【図13】本発明の可動式ピンアレイの第2実施形態を示す部分断面図。
【図14】図13に示す可動式ピンアレイのガイド部を示す斜視図。
【図15】第2実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図16】第2実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図17】第2実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【符号の説明】
1……可動式ピンアレイ 2……ガイド部 21……通路 22……凹部 3……ピン 31……ピン本体 32a、32b……頭部 4……光造形装置 41……昇降機構 42……ステージ 43……レーザー照射部 44……液槽
【発明の属する技術分野】
本発明は、可動式ピンアレイの製造方法および可動式ピンアレイに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイに用いられる可動式ピンアレイの一例として、所定の間隔ごとに互いに平行をなすように設けられる複数のピンと、これらの複数のピンを駆動させる駆動機構とを備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この場合、複数のピンは、表板に設けた貫通孔内に挿着されることにより上下方向に可動自在に支持され、各ピンは上下方向に移動することにより先端が表板の表面から出没するようになっている。
【0003】
また、駆動機構は、表板の下方に設けられる上プレートと下プレートとの間で保持されるステッピングモータ、ステッピングモータのシャフトの回転運動を直線運動に変換する直線移動機構等から構成されている。
直線移動機構は、ステッピングモータのシャフトの先端部に螺設される雄ネジと、雄ネジと相互に螺合するピンの内面に螺設される雌ネジと、ピンを上下方向に移動可能に支持する表板の下面側に設けられる案内棒とから構成されている。
【0004】
そして、ステッピングモータを駆動させてシャフトを回転させることにより、シャフトの雄ネジのピンの雌ネジに対する相対的な螺合位置が変化してピンが上方または下方に移動し、ピンの先端が表板の表面から出没する。このようにして、複数のピンの先端により、触角情報として所定の凹凸パターンが提示され、この凹凸パターンを手指で触れることにより、所定の情報を認識することができる。
【0005】
しかしながら、上記のような構成の従来の可動式ピンアレイにあっては、表板に設けた貫通孔内にピンを挿着することによりピンを上下方向に可動自在に支持し、ピンの内面に螺設した雌ネジとステッピングモータのシャフトに螺設した雄ネジとを相互に螺合させることにより、ステッピングモータの回転運動を直線運動に変換してピンを上下方向に可動させ、ピンがシャフトに対して回転するのを防止するために表板の下面側に案内棒を設けているため、各ピンを支持する部分の構造が複雑になってしまい、加工、組立てに手間がかかり、製造コストが高くなってしまう。
また、構造上、ピンを細く、隣接するピン間のピッチを狭くすることが困難である(ピンを高密度に配置することが困難である)。このため、微細な凹凸パターンを提示することができないという欠点がある。
【0006】
【特許文献1】
特開平8−44289号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、容易かつ確実にピンを高密度に配置し得る可動式ピンアレイの製造方法および可動式ピンアレイを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法は、複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイの製造方法であって、
光造形法により複数の通路を有するガイド部を形成するガイド部形成工程と、
前記ガイド部形成工程で形成した前記ガイド部の各通路にそれぞれピンを可動自在に取り付けるピン取付け工程とを有することを特徴とする。
これにより、任意の形状を有するガイド部を容易に精度良く形成することができ、また、加工、組立てを容易にすることができ、また、製造コストを低減することができ、安価なものを提供することができる。
【0009】
また、ガイド部の通路を細く、隣接する通路間のピッチを狭くすることができ(通路を高密度に配置することができ)、ピンを細く、隣接するピン間のピッチを狭くすることができる(ピンを高密度に配置することができる)。これにより、本発明の可動式ピンアレイを、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合において、微細な凹凸パターンを提示することができる。
【0010】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法は、複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイの製造方法であって、
層状に設けた材料に対し選択的に光を照射し、複数の通路を有するガイド部の一部を構成する層を形成する工程を複数回繰り返し行うことにより、複数の層を順次積層してゆき、前記ガイド部を形成するガイド部形成工程と、
前記ガイド部形成工程で形成した前記ガイド部の各通路にそれぞれピンを可動自在に取り付けるピン取付け工程とを有することを特徴とする。
これにより、任意の形状を有するガイド部を容易に精度良く形成することができ、また、加工、組立てを容易にすることができ、また、製造コストを低減することができ、安価なものを提供することができる。
【0011】
また、ガイド部の通路を細く、隣接する通路間のピッチを狭くすることができ(通路を高密度に配置することができ)、ピンを細く、隣接するピン間のピッチを狭くすることができる(ピンを高密度に配置することができる)。これにより、本発明の可動式ピンアレイを、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合において、微細な凹凸パターンを提示することができる。
【0012】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記材料の主成分は、光硬化性樹脂であり、前記ガイド部形成工程において、前記材料に対し選択的に光を照射して該光硬化性樹脂を硬化させ、前記層を形成するのが好ましい。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記材料は、粉末状をなしており、前記ガイド部形成工程において、前記材料に対し選択的に光を照射して該材料を焼結し、前記層を形成するのが好ましい。
【0013】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記材料の主成分は、金属であるのが好ましい。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記金属は、鉄、銅、または、これらのうちの少なくとも一方を含む合金であるのが好ましい。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記各ピンは、それぞれ、前記通路に可動自在に挿着されるピン本体と、前記ガイド部の両端から突出する前記ピン本体の両端部にそれぞれ設けられ、前記通路よりも大きい頭部とを有するのが好ましい。
これにより、ガイド部からピンが脱落するのが防止され、ピンの安定した動作が長期的に得られることになる。
【0014】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記各ピンの両頭部は、それぞれ、筒状をなし、該頭部に前記ピン本体が挿入されるのが好ましい。
これにより、ガイド部へのピンの挿着を容易かつ確実に行うことができる。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記各通路の内面に、それぞれ、凹部を形成するのが好ましい。
【0015】
これにより、ピンの側面と通路の内面(壁面)との真空吸着を防止(または抑制)することができ、ピンの可動(移動)を円滑に行うことができる。
また、前記凹部を、例えば、潤滑油等の潤滑剤を貯留する貯留部として利用することができる。すなわち、凹部に、例えば、潤滑油等の潤滑剤を供給し、貯留しておくことにより、ピンの可動をより円滑に行うことができ、また、その潤滑効果が長期間得られ、これによりピンの安定した動作が長期的に得られる。
【0016】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記凹部を前記通路に沿って複数形成するのが好ましい。
これにより、ピンの側面と通路の内面(壁面)との真空吸着をより確実に防止(または抑制)することができ、ピンの可動をより円滑に行うことができる。
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、潤滑剤を前記凹部に貯留するのが好ましい。
これにより、ピンの可動をより円滑に行うことができ、また、その潤滑効果が長期間得られ、これによってピンの安定した動作が長期的に得られる。
【0017】
本発明の可動式ピンアレイの製造方法では、前記ガイド部形成工程において照射する光は、レーザー光であるのが好ましい。
本発明の可動式ピンアレイは、複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイであって、
本発明の可動式ピンアレイの製造方法により製造されたことを特徴とする。
これにより、任意の形状を有するガイド部を容易に精度良く形成することができ、また、加工、組立てを容易にすることができ、また、製造コストを低減することができ、安価なものを提供することができる。
【0018】
また、ガイド部の通路を細く、隣接する通路間のピッチを狭くすることができ(通路を高密度に配置することができ)、ピンを細く、隣接するピン間のピッチを狭くすることができる(ピンを高密度に配置することができる)。これにより、本発明の可動式ピンアレイを、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合において、微細な凹凸パターンを提示することができる。
【0019】
本発明の可動式ピンアレイは、複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイであって、
前記ガイド部は、光造形法により形成され、複数の通路を有しており、前記各通路にそれぞれ前記各ピンを可動自在に設けたことを特徴とする。
これにより、任意の形状を有するガイド部を容易に精度良く形成することができ、また、加工、組立てを容易にすることができ、また、製造コストを低減することができ、安価なものを提供することができる。
【0020】
また、ガイド部の通路を細く、隣接する通路間のピッチを狭くすることができ(通路を高密度に配置することができ)、ピンを細く、隣接するピン間のピッチを狭くすることができる(ピンを高密度に配置することができる)。これにより、本発明の可動式ピンアレイを、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合において、微細な凹凸パターンを提示することができる。
【0021】
本発明の可動式ピンアレイでは、前記各通路の内面にそれぞれ凹部が形成されているのが好ましい。
これにより、ピンの側面と通路の内面(壁面)との真空吸着を防止(または抑制)することができ、ピンの可動(移動)を円滑に行うことができる。
また、前記凹部を、例えば、潤滑油等の潤滑剤を貯留する貯留部として利用することができる。すなわち、凹部に、例えば、潤滑油等の潤滑剤を供給し、貯留しておくことにより、ピンの可動をより円滑に行うことができ、また、その潤滑効果が長期間得られ、これによりピンの安定した動作が長期的に得られる。
【0022】
本発明の可動式ピンアレイでは、前記各通路の内面と、前記各ピンの表面とのうちの少なくとも一方には、フッ素樹脂の膜が設けられているのが好ましい。
これにより、ガイド部のピンとの接触面の撥水性、耐食性、耐酸性、耐摩耗性等を向上させることができ、また、ピンに対する摩擦が低減され、様々な使用環境において優れた耐久性を発揮することができるとともに、ピンをより円滑に可動(移動)させることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の可動式ピンアレイの製造方法および可動式ピンアレイを添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
ここで、以下の実施形態では、本発明の可動式ピンアレイを、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合について説明するが、本発明の可動式ピンアレイの用途は、これに限定されるものではない。
【0024】
(第1実施形態)
図1は、本発明の可動式ピンアレイの第1実施形態を示す斜視図、図2は、図1に示す可動式ピンアレイのガイド部を示す斜視図、図3は、図1に示す可動式ピンアレイのピンを示す側面図である。
これらの図に示す可動式ピンアレイ1は、触覚情報を提示する触覚ディスプレイに用いられるものであって、触覚情報を提示(表示)する複数の触知素子として、複数のピン3と、複数のピン3を可動(移動)自在に支持するガイド部(ガイド手段)2とを備えている。
【0025】
図1および図2に示すように、ガイド部2の外形(全体形状)は、本実施形態では、六角柱形状をなしており、このガイド部2には、図1および図2中、上下方向に貫通した複数の通路(孔部)21が設けられている。
本実施形態では、各通路21の形状は、それぞれ、円柱状をなしており(各通路21の横断面形状は、それぞれ、円形状をなしており)、各通路21は、それぞれ、同一内径に形成されている。また、本実施形態では、各通路21は、互いに平行になるように設けられている。また、本実施形態では、図2中、左右方向に、直線状に等間隔で形成された通路21の列が、複数列形成されており、隣り合う列の通路21は、図2中、左右方向に、互いに、半ピッチずれている。
【0026】
このガイド部2は、各通路21内に、それぞれ後述するピン3のピン本体31が可動(移動)自在に挿着(設置)されるようになっており、各ピン3の移動方向をそれぞれ規制するガイドとして機能する。すなわち、ガイド部2は、各ピン3を、それぞれ、その長手方向(軸方向)にのみ移動し得るように支持する。
このガイド部2は、光造形法により形成(造形)される。これにより、微細な通路21を、容易に、精度良く、高密度に形成することができる。なお、光造形法には、例えば、液状(流体)の材料(液状材料)を用いる方式や、粉末状(粒状)の材料(粉末材料)を用いる方式等、種々の方式があるが、本発明では、いずれの方式を用いてもよい。
【0027】
また、ガイド部2の各通路21の内周面(ピン3との接触面)には、それぞれ、フッ素樹脂の膜が設けられているのが好ましい。フッ素樹脂の膜を形成する方法は各種あり、特に限定されないが、Ni−Pメッキ(電解メッキ、無電解メッキの両方可能)にPTFE(ポリ4フッ化エチレン)を共析メッキさせる方法が好ましい。これにより、ガイド部2のピン3との接触面の撥水性、耐食性、耐酸性、耐摩耗性等を向上させることができ、また、ピン3に対する摩擦が低減され、様々な使用環境において優れた耐久性を発揮することができるとともに、ピン3をより円滑に可動させることができる。
【0028】
ここで、前記フッ素樹脂の膜を設ける箇所を、前記通路21の内周面に代えて、ガイド部2の各通路21の内周面と接触する後述する各ピン3の表面(外面)、すなわち、各通路21の内周面と接触する各ピン本体31の表面としてもよく、また、通路21の内周面とピン3(ピン本体31)の表面の両方としてもよい。
【0029】
ガイド部2の構成材料としては、例えば、各種金属、各種樹脂、各種セラミックス等を用いることができる。
前記金属としては、特に限定されず、例えば、鉄、銅、アルミニウム、または、これらのうちの少なくとも1つを含む合金(例えば、ステンレス鋼等)等が挙げられるが、鉄、銅、または、これらのうちの少なくとも一方を含む合金(例えば、ステンレス鋼等)が好ましい。
【0030】
図1および図3に示すように、各ピン3は、それぞれ、ガイド部2によって可動自在に支持されるピン本体(シャフト部)31と、ガイド部2の両端から突出するピン本体31の両端部にそれぞれ設けられる頭部32a、32bとで構成されており、これらのピン3の一方の頭部(触知部)32aによって所定の凹凸パターン(触覚情報)が提示される。
【0031】
各ピン本体31は、それぞれ、本実施形態では、横断面での形状が円形状をなす棒状体であって、同一長さ、同一外径(直径)に形成されている。
各ピン本体31の構成材料としては、それぞれ、例えば、ステンレス鋼、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の各種金属、各種樹脂、各種セラミックス等を用いることができる。
【0032】
前記ガイド部2の厚さ(ピン3の長手方向におけるガイド部2の長さ)は、ピン本体31の両端部がガイド部2の図1中、上下方向の両端から所定量突出するように設定されており、ガイド部2の両端から突出する各ピン本体31の両端部には、それぞれ頭部32a、32bが一体に設けられている。
頭部32aは、触覚情報の提示側(表示面側)に配置され、ユーザーに対して触覚情報を提示する(ユーザーにより触れられる)触知部を構成する。一方、頭部32bは、前記と反対側(内部側)に配置される。
【0033】
各頭部32a、32bは、それぞれ、本実施形態では、円筒状(筒状)をなし、同一長さ、同一内径、同一外径に形成され、各ピン3の全長が同一となるように各ピン本体31の両端部に挿入された状態で固着手段により固着されている。
各頭部32a、32bの構成材料としては、それぞれ、例えば、ステンレス鋼、銅、銅合金、アルミニウム、アルミニウム合金等の各種金属、各種樹脂、各種セラミックス等を用いることができる。
【0034】
固着手段としては、例えば、嵌合、接着剤(接着)、ろう材(ろう付け)等や、これらのうちの任意の2以上の組合せが挙げられる。嵌合の場合には、ピン本体31と頭部32a、32bとの嵌め合いをきつくして、ピン3の可動時に頭部32a、32bがピン本体31から抜けないようにする。また、接着剤またはろう付けの場合には、例えば、ピン本体31と頭部32a、32bとの嵌め合いを緩くする。
【0035】
接着剤としては、ピン本体31、頭部32a、32bの材質に応じたものを選択して使用すればよく、例えば、ゴム系、エポキシ系、アクリル系、シリコーン系等の接着剤が挙げられる。また、ろう付け用のろう材としては、ピン本体31、頭部32a、32bの材質に応じたものを選択して使用すればよく、ピン本体31、頭部32a、32bよりも低融点の金属、例えば、銅、ニッケル、金、銀等が挙げられる。
【0036】
各頭部32a、32bは、それぞれ、その外径(直径)が、各通路21の内径(直径)よりも大きく、かつ隣接する通路21、21間のピッチよりも小さく形成されている。これにより各頭部32a、32bが、ストッパーとして機能し、各ピン3がガイド部2から脱落するのが防止されるとともに、各ピン3の可動時に隣接する頭部32a、32a同士、隣接する32b、32b同士が互いに接触するのが防止される。
【0037】
この可動式ピンアレイ1の各ピン3は、それぞれ、例えば、駆動機構(図示せず)に連結され、駆動機構の駆動によりその長手方向(図1中上下方向)に変位(移動)し、長手方向の所定の位置に保持(位置決め)されるようになっている。これにより、凹凸パターンによる触覚情報が複数のピン3の頭部32aによって提示(表示)され、この凹凸パターンを手指で触れることにより、所定の情報を認識することができる。
前記駆動機構としては、特に限定されず、例えば、ACモータ、DCモータ、ステッピングモータ(パルスモータ)等の小型モータと小型モータの回転を直線運動に変換する変換機構とを組み合わせたアクチュエータ、固定子と移動子とを組み合わせたリニア駆動素子等を用いることができる。
【0038】
次に、上記のように構成した可動式ピンアレイ1の製造方法について説明する。
図4〜図12には、それぞれ、本発明の可動式ピンアレイの製造方法の第1実施形態が示されている。
図4〜図7には、それぞれ、ガイド部形成工程が示されており、図4〜図7は、それぞれ、図2中のA−A線での断面に対応する模式図である。なお、説明の都合上、図4〜図7には、それぞれ、互いに直交するx軸、y軸およびz軸(x−y−z座標系)を想定する。この場合、z軸方向が鉛直方向に設定されている。
【0039】
また、図8〜図12には、それぞれ、ピン取付け工程が示されており、図8は、ピン本体の一端部に頭部を取り付ける手順を説明するための図、図9は、ピン本体の一端部に頭部を取り付けた状態を示す図、図10は、ガイド部の通路にピン本体を挿通させる手順を説明するための図、図11は、ガイド部の通路から突出させたピン本体の他端部に頭部を取り付ける手順を説明するための図、図12は、ガイド部の通路にピンを取り付けた状態を示す図である。
【0040】
この可動式ピンアレイ1の製造方法は、複数のピン3を可動自在に支持するガイド部2を光造形法により形成(造形)するガイド部形成工程と、複数のピン3をガイド部2に取り付けるピン取付け工程とを備えている。
ガイド部形成工程は、未硬化の光硬化性樹脂を主成分とする液状の材料(液状材料)に対し選択的に(所定のパターンに沿って)レーザー光(光)を照射してその光硬化性樹脂を硬化させ、複数の通路21を有するガイド部2を形成する工程であって、下記の手順に従う。
【0041】
このガイド部形成工程では、図4に示す光造形装置4を用いる。この光造形装置4は、自由液面方式の光造形装置であって、造形されるガイド部(造形物)2を載置(保持)するステージ(保持部)42と、ステージ42を昇降させる(z軸方向に移動させる)昇降機構41と、レーザー光を発する(照射する)レーザー照射部43と、液状の材料が貯留(収容)されている液槽44と、図示しない制御手段とを有している。レーザー照射部43は、図示しない移動機構により、x軸方向およびy軸方向にそれぞれ移動し得るようになっている。また、前記制御手段により、前記移動機構、昇降機構41およびレーザー照射部43等、光造形装置4全体の駆動が制御される。
【0042】
なお、使用する光造形装置は、このようなものに限らず、例えば、規制液面方式の光造形装置等であってもよい。
使用するレーザーとしては、特に限定されず、用いる材料等に応じて適切なものが選択されるが、例えば、CO2レーザー等の気体レーザー、YAGレーザー等の固体レーザー、半導体レーザー、エキシマレーザー、色素レーザー、自由電子レーザー、紫外線レーザー、赤外線レーザー等が挙げられる。
【0043】
なお、レーザー以外の光源を用い、光源から発せられた光(光束)を光学系により集光させて材料に照射してもよいことは、言うまでもない。
ここで、光硬化性とは、例えば、赤外線(赤外光)のような熱線、可視光、紫外線(紫外光)等の光の照射により、未硬化物(材料)中の分子鎖の成長や架橋反応が誘起され、硬化性成分が硬化する性質のことを意味する。
【0044】
ガイド部2の材料として用いる光硬化性樹脂としては、特に限定されないが、例えば、紫外線(紫外光)により硬化する樹脂(紫外線硬化性樹脂)、可視光により硬化する樹脂、赤外線(赤外光)等の熱線(熱)により硬化する樹脂(熱硬化性樹脂)等が挙げられ、これらのうちでは、紫外線硬化性樹脂または熱硬化性樹脂が好ましく、紫外線硬化性樹脂がより好ましい。
【0045】
前記紫外線硬化性樹脂としては、例えば、エステルアクリレート、エーテルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、アミノ樹脂アクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジアリルフタレート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0046】
また、ガイド部2の材料中には、前記樹脂材料の他に、添加剤として、例えば、光重合開始剤、光増感剤、重合促進剤等が含まれていてもよい。
前記光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン等の分子内結合開裂型光重合開始剤、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、2−エチルアントラキノン、イソブチルチオキサンソン等の分子間水素引抜き型光重合開始剤等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
また、前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
【0047】
ガイド部形成工程では、まず、図4に示すように、ステージ42上に材料が1層分設けられるように(層状に設けられるように)、ステージ42をz軸方向の所定の位置に移動させる。
そして、レーザー照射部43をx軸方向、y軸方向に移動させつつ、そのレーザー照射部43により、ステージ42上の材料に対し、選択的にレーザー光を照射する。このレーザー光の照射は、形成(造形)するガイド部2の立体像をx−y平面で輪切りにしてなる対応する層の断面形状データに基づいてなされる。
これにより、図5に示すように、ステージ42上に設けられた1層分の材料のうち、レーザー光の照射された部位が硬化し、ガイド部2の最下層の部分(1層分)が形成される。
【0048】
次いで、図6に示すように、ステージ42を1層分下降させ(沈め)、ステージ42上に形成されたガイド部2の1層分の部分上に、材料を1層分設ける(層状に設ける)。
そして、前記と同様に、レーザー照射部43をx軸方向、y軸方向に移動させつつ、そのレーザー照射部43により、ステージ42上の材料に対し、選択的にレーザー光を照射する。
【0049】
これにより、図7に示すように、ステージ42上に設けられた2層目の材料(1層分の材料)のうち、レーザー光の照射された部位が硬化し、ガイド部2の2層目の部分(1層分)が形成される。
以下、前記の動作(工程)を繰り返し行って、ガイド部2の一部を構成する複数の層を順次積層してゆく。これにより、複数の通路21を有するガイド部2が形成される。
【0050】
ピン取付け工程は、上記ガイド部形成工程で形成したガイド部2の各通路(孔部)21に、それぞれ、ピン本体31と頭部32a、32bとで構成されたピン3を可動自在に取り付ける工程であって、下記の手順に従う。
このピン取付け工程では、まず、図8および図9に示すように、前述した構成のピン本体31および頭部32a、32bをそれぞれ複数用意し、各ピン本体31の一端部に、それぞれ、頭部32aを固着手段により固着させる。
【0051】
次いで、図10に示すように、この状態で各ピン本体31を、それぞれ、ガイド部2の各通路21内に上方から挿通させ、図11および図12に示すように、各通路21の下端から突出した各ピン本体31の他端部にそれぞれ頭部32bを固着手段によりそれぞれ一体に固着させる。
前記固着手段としては、前述したように、例えば、嵌合、接着剤(接着)、ろう材(ろう付け)等や、これらのうちの任意の2以上の組合せが挙げられる。
このようにして、ガイド部2の各通路21にそれぞれ各ピン3を可動自在に取り付けることにより、図1に示す可動式ピンアレイ1が製造される。
【0052】
以上説明したように、この可動式ピンアレイ1およびその製造方法によれば、光造形法によりガイド部2を形成(製造)するので、任意の形状を有するガイド部2を容易に精度良く形成することができ、また、加工、組立てを容易にすることができ、また、製造コストを低減することができ、安価なものを提供することができる。
【0053】
特に、ガイド部2の通路21を細く、隣接する通路21、21間のピッチを狭くすることができ(通路21を高密度に配置することができ)、ピン3を細く、隣接するピン3、3間のピッチを狭くすることができる(ピン3を高密度に配置することができる)。これにより、この可動式ピンアレイ1を、触覚情報を提示(表示)する触覚ディスプレイ(触覚ディスプレイの表示部)に適用した場合において、微細な凹凸パターンを提示することができる。
【0054】
なお、本発明では、ガイド部2の外形(全体形状)は、特に限定されず、ガイド部2の平面視での外形を、例えば、六角形状以外の多角形状(三角形状、四角形状、五角形状、八角形状等)、円形状、半円形状、楕円形状、半楕円形状等としてもよいし、また、この他の形状としてもよい。
また、ガイド部2における通路21の数や各通路21の配列、すなわち、ピン3の数や各ピン3の配列は、図示のものに限定されない。
【0055】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。
図13は、本発明の可動式ピンアレイの第2実施形態を示す部分断面図、図14は、図13に示す可動式ピンアレイのガイド部を示す斜視図である。
以下、第2実施形態の可動式ピンアレイ1およびその製造方法について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0056】
図13および図14に示すように、第2実施形態の可動式ピンアレイ1では、ガイド部2の各通路21の内面(壁面)に、それぞれ、複数(図示例では2つ)の凹部22が形成されている。これらの凹部22は、各通路21において、それぞれ、対応する通路21に沿って(ピン3の移動方向に沿って)配置されている。通路21の前記凹部22の形成された部位においては、凹部22の形成されていない部位に比べて、その内径が大きくなっている。
【0057】
これらの凹部22により、各ピン3のピン本体31の側面と各通路21の内面(壁面)との真空吸着がそれぞれ防止(または抑制)され、これにより、各ピン3がそれぞれ円滑に可動(移動)することができる。
また、各凹部22を、それぞれ例えば、潤滑油等の潤滑剤を貯留する貯留部として利用することができる。すなわち、各凹部22に、それぞれ、例えば、潤滑油等の潤滑剤を供給し、貯留しておくことにより、ピン3の可動をより円滑に行うことができ、また、その潤滑効果が長期間得られ、これによりピン3の安定した動作が長期的に得られる。
【0058】
次に、上記のように構成した可動式ピンアレイ1の製造方法について説明する。なお、ピン取付け工程は、前述した第1実施形態と同様であるので、ガイド部形成工程のみを説明する。
図15〜図17には、それぞれ、本発明の可動式ピンアレイの製造方法の第2実施形態にかかるガイド部形成工程が示されており、図15〜図17は、それぞれ、図14中のB−B線での断面に対応する模式図である。なお、説明の都合上、図15〜図17には、それぞれ、互いに直交するx軸、y軸およびz軸(x−y−z座標系)を想定する。この場合、z軸方向が鉛直方向に設定されている。
【0059】
ガイド部形成工程では、まず、図15に示すように、ステージ42上に材料が1層分設けられるように(層状に設けられるように)、ステージ42をz軸方向の所定の位置に移動させる。
そして、レーザー照射部43をx軸方向、y軸方向に移動させつつ、そのレーザー照射部43により、ステージ42上の材料に対し、選択的にレーザー光を照射する。このレーザー光の照射は、形成(造形)するガイド部2の立体像をx−y平面で輪切りにしてなる対応する層の断面形状データに基づいてなされる。
これにより、図16に示すように、ステージ42上に設けられた1層分の材料のうち、レーザー光の照射された部位が硬化し、ガイド部2の最下層の部分(1層分)が形成される。
【0060】
次いで、ステージ42を1層分下降させ(沈め)、ステージ42上に形成されたガイド部2の1層分の部分上に、材料を1層分設ける(層状に設ける)。
そして、前記と同様に、レーザー照射部43をx軸方向、y軸方向に移動させつつ、そのレーザー照射部43により、ステージ42上の材料に対し、選択的にレーザー光を照射する。
これにより、ステージ42上に設けられた2層目の材料(1層分の材料)のうち、レーザー光の照射された部位が硬化し、ガイド部2の2層目の部分(1層分)が形成される。
【0061】
以下、前記の動作(工程)を繰り返し行って、ガイド部2の一部を構成する複数の層を順次積層してゆくが、図17に示すように、通路21の凹部22を形成する箇所においては、凹部22を形成しない箇所よりも、その内径が大きなるようにレーザー光を照射して材料を硬化させる。このようにして、複数の凹部22が形成された複数の通路21を有するガイド部2が得られる。
この可動式ピンアレイ1およびその製造方法によれば、前述した第1実施形態と同様の効果も得られる。
なお、ガイド部2の各通路21における凹部22の数や位置は、図示のものに限定されない。
【0062】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について説明する。
以下、第3実施形態の可動式ピンアレイ1およびその製造方法について、前述した第1実施形態や第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0063】
第3実施形態の可動式ピンアレイ1の製造方法では、粉末状(粒状)の材料(粉末材料)を用いる方式の光造形法により、ガイド部2を形成(造形)する。この場合、例えば、レーザー光によって粉末状の材料を焼結(融着)させる方法(レーザー焼結法)等を用いることができる。このレーザー焼結法は、粉末状の材料を、レーザー光(例えば、CO2レーザー)の熱により、一層ごとに焼結(融着)しながら造形する方法である。
【0064】
すなわち、本実施形態では、ガイド部形成工程において、層状に設けた粉末状の材料に対し選択的に(所定のパターンに沿って)レーザー光を照射してその材料を焼結し、ガイド部2の一部を構成する層を形成する工程を複数回繰り返し行うことにより、複数の層を順次積層してゆき、ガイド部2を形成する。
前記材料(特に材料の主成分)としては、例えば、各種金属、各種樹脂(例えば、各種熱可塑性樹脂)等を用いることができる。したがって、金属製のガイド部2と、樹脂製のガイド部2のいずれも製造することができる。
前記材料(特に材料の主成分)として用いる金属としては、特に限定されないが、鉄、銅、または、これらのうちの少なくとも一方を含む合金(例えば、ステンレス鋼等)が好ましい。
【0065】
次に、レーザー焼結法を用いたガイド部形成工程について説明する。
ガイド部形成工程では、まず、図示しないリコーターが移動し、そのリコーターにより、図示しないプラットホーム(保持部)上に、1層分の材料を撒くとともに、所定の均一な厚みの材料の層(均一な平面)を形成する。なお、このリコーターには、図示しない材料タンクから材料が供給されるようになっている。
【0066】
そして、層状に設けられた材料に対し、選択的にレーザー光を照射する。このレーザー光の照射は、形成(造形)するガイド部2の立体像をx−y平面で輪切りにしてなる対応する層の断面形状データに基づいてなされる。
これにより、1層分の材料のうち、レーザー光の照射された部位が焼結(融着)し、ガイド部2の最下層の部分(1層分)が形成される。
【0067】
次いで、プラットホームを1層分下降させ、リコーターにより、そのプラットホーム上に形成されたガイド部2の1層分の部分上に、1層分の材料を撒くとともに、所定の均一な厚みの材料の層を形成する。
そして、前記と同様に、プラットホーム上の材料に対し、選択的にレーザー光を照射する。
これにより、プラットホーム上に設けられた2層目の材料(1層分の材料)のうち、レーザー光の照射された部位が焼結(融着)し、ガイド部2の2層目の部分(1層分)が形成される。
【0068】
以下、前記の動作(工程)を繰り返し行って、ガイド部2の一部を構成する複数の層を順次積層してゆく。これにより、複数の通路21を有するガイド部2が形成される。
なお、ピン取付け工程は、前述した第1実施形態と同様であるので、その説明は省略する。
【0069】
この可動式ピンアレイ1およびその製造方法によれば、前述した第1実施形態や第2実施形態と同様の効果が得られる。
そして、本実施形態では、材料を幅広い材料の中から選択することができ、また、製造時間をより短くすることができ、また、コストを低減することができる。
【0070】
以上、本発明を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。
また、本発明は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可動式ピンアレイの第1実施形態を示す斜視図。
【図2】図1に示す可動式ピンアレイのガイド部を示す斜視図。
【図3】図1に示す可動式ピンアレイのピンを示す側面図。
【図4】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図5】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図6】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図7】第1実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図8】第1実施形態におけるピン取付け工程を説明するための図。
【図9】第1実施形態におけるピン取付け工程を説明するための図。
【図10】第1実施形態におけるピン取付け工程を説明するための図。
【図11】第1実施形態におけるピン取付け工程を説明するための図。
【図12】第1実施形態におけるピン取付け工程を説明するための図。
【図13】本発明の可動式ピンアレイの第2実施形態を示す部分断面図。
【図14】図13に示す可動式ピンアレイのガイド部を示す斜視図。
【図15】第2実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図16】第2実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【図17】第2実施形態におけるガイド部形成工程を説明するための図。
【符号の説明】
1……可動式ピンアレイ 2……ガイド部 21……通路 22……凹部 3……ピン 31……ピン本体 32a、32b……頭部 4……光造形装置 41……昇降機構 42……ステージ 43……レーザー照射部 44……液槽
Claims (15)
- 複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイの製造方法であって、
光造形法により複数の通路を有するガイド部を形成するガイド部形成工程と、
前記ガイド部形成工程で形成した前記ガイド部の各通路にそれぞれピンを可動自在に取り付けるピン取付け工程とを有することを特徴とする可動式ピンアレイの製造方法。 - 複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイの製造方法であって、
層状に設けた材料に対し選択的に光を照射し、複数の通路を有するガイド部の一部を構成する層を形成する工程を複数回繰り返し行うことにより、複数の層を順次積層してゆき、前記ガイド部を形成するガイド部形成工程と、
前記ガイド部形成工程で形成した前記ガイド部の各通路にそれぞれピンを可動自在に取り付けるピン取付け工程とを有することを特徴とする可動式ピンアレイの製造方法。 - 前記材料の主成分は、光硬化性樹脂であり、前記ガイド部形成工程において、前記材料に対し選択的に光を照射して該光硬化性樹脂を硬化させ、前記層を形成する請求項2に記載の可動式ピンアレイの製造方法。
- 前記材料は、粉末状をなしており、前記ガイド部形成工程において、前記材料に対し選択的に光を照射して該材料を焼結し、前記層を形成する請求項2に記載の可動式ピンアレイの製造方法。
- 前記材料の主成分は、金属である請求項2または4に記載の可動式ピンアレイの製造方法。
- 前記金属は、鉄、銅、または、これらのうちの少なくとも一方を含む合金である請求項5に記載の可動式ピンアレイの製造方法。
- 前記各ピンは、それぞれ、前記通路に可動自在に挿着されるピン本体と、前記ガイド部の両端から突出する前記ピン本体の両端部にそれぞれ設けられ、前記通路よりも大きい頭部とを有する請求項1ないし6のいずれかに記載の可動式ピンアレイの製造方法。
- 前記各ピンの両頭部は、それぞれ、筒状をなし、該頭部に前記ピン本体が挿入される請求項7に記載の可動式ピンアレイの製造方法。
- 前記各通路の内面に、それぞれ、凹部を形成する請求項1ないし8のいずれかに記載の可動式ピンアレイの製造方法。
- 前記凹部を前記通路に沿って複数形成する請求項9に記載の可動式ピンアレイの製造方法。
- 潤滑剤を前記凹部に貯留する請求項9または10に記載の可動式ピンアレイの製造方法。
- 前記ガイド部形成工程において照射する光は、レーザー光である請求項1ないし11のいずれかに記載の可動式ピンアレイの製造方法。
- 複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイであって、
請求項1ないし12のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする可動式ピンアレイ。 - 複数のピンと、前記各ピンを可動自在に支持するガイド部とを有する可動式ピンアレイであって、
前記ガイド部は、光造形法により形成され、複数の通路を有しており、前記各通路にそれぞれ前記各ピンを可動自在に設けたことを特徴とする可動式ピンアレイ。 - 前記各通路の内面にそれぞれ凹部が形成されている請求項14に記載の可動式ピンアレイ。
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US7538427B2 (en) | 2005-03-08 | 2009-05-26 | Seiko Epson Corporation | Microchannel structure and manufacturing method therefor, light source device, and projector |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20060905 |