JP2004361179A - 沸騰水型原子炉の炉心および燃料集合体 - Google Patents
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Abstract
【課題】▲1▼経済性評価のコスト緒言が変動しても最適な設計を選択でき、▲2▼プルトニウムの需給バランスが崩れた場合にもMOX燃料集合体製造体数、予備ウラン燃料集合体体数に影響を及ぼさないような設計が可能となり、炉心サイズ、出力密度、運転期間が変わっても、目標の取出燃焼度を達成することができるようにすること。
【解決手段】プルトニウム及び可燃性毒物を含まない第1のウラン燃料棒と、可燃性毒物を含みプルトニウムを含まない第2の可燃性毒物入り燃料棒と、プルトニウムを富化した第3のMOX燃料棒を正方格子状に束ねた燃料集合体が少なくとも2種類以上装荷される沸騰水型原子炉の炉心に関するものであり、異なる燃料集合体間では、燃料集合体のMOX燃料棒の形状および少なくとも1種類以上のMOX燃料棒の等価核分裂性物質濃度が同一であり、第3のMOX燃料棒の本数が異なるか、または、第1のウラン燃料棒と第2の可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度が異なるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】プルトニウム及び可燃性毒物を含まない第1のウラン燃料棒と、可燃性毒物を含みプルトニウムを含まない第2の可燃性毒物入り燃料棒と、プルトニウムを富化した第3のMOX燃料棒を正方格子状に束ねた燃料集合体が少なくとも2種類以上装荷される沸騰水型原子炉の炉心に関するものであり、異なる燃料集合体間では、燃料集合体のMOX燃料棒の形状および少なくとも1種類以上のMOX燃料棒の等価核分裂性物質濃度が同一であり、第3のMOX燃料棒の本数が異なるか、または、第1のウラン燃料棒と第2の可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度が異なるようにする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の技術的分野】
本発明は、沸騰水型原子炉の炉心及びその炉心に装荷するMOX燃料集合体に関する。
【0002】
【従来技術】
資源の有効利用やエネルギーセキュリィティなどの観点から、使用済み燃料の再処理により回収されたプルトニウムをウランと混合したウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(以下、MOX燃料と記す)を軽水炉で用いるプルサーマルが行われる予定である。
【0003】
プルトニウムはα線の放出強度が強く、人体への内部被爆を防止する必要がある。また崩壊や自発核分裂によって中性子やγ線を放出する。このためプルトニウムを含む燃料の製造や加工は、ウラン燃料に比べて密閉された状態で行わなければならない。また、遮蔽設備がより多く必要であること、除染や保守管理に厳重な注意が必要なことなど、設備や工程に関して多くの配慮をしなければならない。したがってプルトニウムを含む燃料ペレット及び燃料棒の製作に関しては、多数個のペレットを製造すること、富化度などの異なるものを多数種類製造することは経済的に不利となる。
【0004】
一方、プルトニウムを含む燃料集合体は、輸送、計量管理、臨界管理に厳しい条件が課せられるので、燃料集合体1体あたりに含まれるプルトニウムの割合をできるだけ大きくしてプルトニウムを含む燃料体数を減らすことが望まれる。
【0005】
一般に、燃料経済性(FCC:Fuel Cycle Costの略)は、金利の効果を無視すれば以下のように表される。
FCC={(原材料費)+(転換・濃縮費)+(加工費)+(輸送費)+ (貯蔵・再処理費)}/(1体あたりの発生エネルギー) (A)
分母は、(1体あたりの発生エネルギー)=(取出燃焼度)×(燃料重量)なので、取出燃焼度を高めることが、燃料経済性上有利である。
【0006】
MOX燃料の場合は、ウラン燃料と比べて、(転換・濃縮費)は必要ないが、製造・加工、輸送などに厳しい条件が課せられるので、(加工費)、(輸送費)、(貯蔵・再処理費)などの単価は高くなる傾向にある。
【0007】
ここで、一定量のプルトニウムを消費する際、同一取出燃焼度の条件でMOX燃料の経済性を高めるには、以下の2つの設計の方向性がある。
▲1▼ 加工費低減の観点から、MOXペレット及びMOX燃料棒の製造個数を減らすため、燃料集合体中のMOX燃料棒の棒平均のプルトニウム富化度を高くし、さらに、富化度種類を減らすことができるような燃料集合体内の位置にMOX燃料棒を配置する。
▲2▼ MOX燃料の輸送費、貯蔵費低減の観点から、MOX燃料集合体を削減するため、燃料集合体1体あたりのプルトニウムの装荷量(1体あたりのMOX燃料棒数)を増やす。
【0008】
▲1▼は、燃料集合体内の局所出力分布の平坦化のため、核燃料物質が低い燃料集合体外周部はウラン燃料棒で構成し、燃料集合体内部はプルトニウム富化度を高くしたMOX燃料棒で構成した、いわゆる「アイランド型」の設計の方向である。
【0009】
▲2▼は、可燃性毒物を除く燃料棒を全てMOX燃料棒で構成した「ディスクリート型」の設計の方向である。
【0010】
さらに、経済性評価のためのコスト緒言によっては、例えば、特許第2886555号明細書に記載されているように、燃料集合体外周部のコーナーに近い一部の燃料棒のみをウラン燃料棒に置き換えたアイランド型とディスクリート型の中間の、いわゆる「変形ディスクリート型」の設計が最適となる場合もある。
【0011】
以上のように、燃料集合体内のMOX燃料棒とウラン燃料棒の構成および配置は、設計概念によって異なっている。
【0012】
一方、可燃性毒物入り燃料棒の構成、配置についても種々の設計概念がある。通常、可燃性毒物入り燃料棒はウラン燃料棒で構成されている。これは、MOX燃料棒に可燃性毒物を混入すると、ペレット製造ライン数の増加または稼働率低下により加工費が増加すること、また、可燃性毒物入りMOX燃料棒の照射実績が少ないことなどによる。可燃性毒物入り燃料棒の燃料集合体内の配置については、現行のウラン燃料と同様に燃料集合体の内部に配置する場合、また、MOX燃料の特性を考慮して、燃料集合体外周部に配置する設計概念がある。一般に、MOX燃料は、ウラン燃料に比べて、熱中性子吸収断面積の大きいプルトニウムの存在により、燃料集合体内の中性子スペクトルが硬くなるので、可燃性毒物入り燃料棒の反応度価値が低下する。この傾向は、MOX燃料棒の割合の多いディスクリート型で顕著である。これを解決する方法としては、例えば、特公平4−60236号公報記載のように、可燃性毒物入り燃料棒を燃料集合体外周部に配置したり、さらに、特開平7−301688号公報記載のように、可燃性毒物入り燃料棒だけでなく短尺燃料棒を燃料集合体外周部に配置することにより、炉停止余裕を改善する方法もある。なお、アイランド型の設計は、ディスクリート型に比べてMOX燃料棒の割合が少なく、外周部のウラン燃料棒に近い位置は中性子スペクトルの硬化は比較的少ないので、従来までの設計では、必ずしも可燃性毒物入り燃料棒の外周配置が必要ではなかった。
【0013】
現在計画されているMOX燃料集合体の取出燃焼度は、ウラン燃料集合体よりも低く設定されている。ウラン燃料集合体とMOX燃料集合体のトータルの経済性は下式のようになる。
仮にウラン燃料集合体とMOX燃料集合体の費用及び重量が同程度であれば、
トータルのFCC≒[費用/重量]×[ウラン燃料体数/ウラン取出燃焼度+MOX体数/MOX取出燃焼度] (C)
【0014】
ここで、現在は、ウラン取出燃焼度>MOX取出燃焼度なので、MOX燃料集合体体数を増加させることは取出燃焼度の高いウラン燃料集合体の体数を減少させることになるので、(C)式より、ウラン燃料集合体とMOX燃料集合体のトータルの燃料経済性は悪くなる。
【0015】
以上述べたことが、現時点でアイランド型よりディスクリート型の設計が主流となっている理由の1つである。図11に、ディスクリート型MOX燃料集合体11の一例を示す。上記MOX燃料集合体11は、可燃性毒物入り燃料棒及びMOX燃料棒を有する多数本の燃料棒12が、8行8列の正方格子状に配列されるとともに中央部に水ロッド14が配設され、チャンネルボックス13により覆われている。そして、可燃性毒物入り燃料棒を除く位置には、全てMOX燃料棒が配置されている。
【0016】
しかしながら、MOX燃料集合体の高燃焼度化に伴い、MOX燃料集合体とウラン燃料集合体の取出燃焼度が同程度になれば、MOX燃料集合体体数を増加させてもトータルの燃料経済性で不利とはならず、(B)式の費用の部分、すなわち、MOX燃料集合体単体の経済性が重要となってくる。この場合、MOX燃料集合体の加工費低減効果も重要になってくるので、アイランド型MOX燃料集合体の設計が有利な面が出てくる。
【0017】
ただし、経済性の観点だけでなく、余剰プルトニウムを持たないようにするため、プルトニウムの消費が優先される場合もある。この場合は、燃料集合体あたりのプルトニウム装荷量の多いディスクリート型の方が燃料集合体輸送の効率の面から有利となる。この傾向は、輸送費の高い海外加工のMOX燃料集合体で顕著である。
【0018】
また、再処理工場の稼働率によって原料となるプルトニウムの供給量が変化する可能性があり、加工工場で製造可能なMOX燃料ペレット数、MOX燃料棒数が変動する可能性がある。この場合、プルトニウムの供給量に応じてMOX燃料集合体の製造体数を調節することもできるが、MOX燃料集合体と同時に装荷されるウラン燃料集合体の体数が変動するので、予備のウラン燃料集合体を確保しておく必要がある。さらに、MOX燃料集合体の体数の変動は、MOX燃料集合体の輸送、貯蔵施設の設備容量に影響を及ぼすので、輸送、貯蔵施設のための初期投資が大きくなる恐れがある。
【0019】
一方、プルトニウム供給量の変動をMOX燃料集合体中のMOX燃料棒の装荷割合で調整すれば、ウラン燃料集合体の体数には影響がないので予備のウラン燃料集合体は必要はない。ただし、MOX加工工場において予備のウラン燃料棒を見込んでおく必要があるが、ウラン燃料集合体ではなくウラン燃料棒として保管する方が燃料集合体として組み立てる際に融通性があり、貯蔵スペースの観点からも有利である。さらに、MOX燃料集合体の体数が変動しないので、MOX燃料集合体の輸送、貯蔵施設の設備容量には影響を及ぼさない。
【0020】
以上のように、MOX燃料集合体の経済性は、その時々の状況でコスト緒言(加工費、輸送費など)が変われば、最適な設計概念が変わる可能性がある。また、経済性だけでなくプルトニウムの加工と消費のバランスを考慮する場合にも、望ましい設計概念が異なってくる。したがって、状況が変化した場合により適切な設計概念を選ぶようにするには、アイランド型からディスクリート型設計まで広い範囲の柔軟な設計を予め用意しておくことが有効である。
【0021】
次に、燃料集合体中のMOX燃料棒の装荷割合の柔軟な設計が有効な点を、別の観点から説明する。
【0022】
沸騰水型原子炉の炉心は、出力密度、炉心サイズの異なる種々のプラントが存在し、また、運転期間も各電力の計画によって変動する場合がある。ウラン燃料においては、それぞれに応じ、集合体平均濃縮度を調整した最適な設計を採用している。
【0023】
例えば、改良型沸騰水型原子炉などのように出力密度が高いプラントでは、Xe反応度損失が多くなり、さらに、サイクル燃焼度が長くなり同一取出燃焼度下ではバッチ数(=全燃料体数/新燃料体数)が小さくなるのでサイクル末期の炉心平均反応度が低下する(参考文献:H・Wグレイブス「核燃料管理の方法と解析」の線形反応度モデル)。したがって、出力密度が高い場合は、燃料集合体あたりの核分裂性物質量を増加させ所定の取出燃焼度を達成できるような設計を採用している。
【0024】
炉心サイズが小さくなる場合は、体系からの中性子漏洩量が増加しサイクル末期の炉心平均反応度が低下するので、所定の取出燃焼度を達成するには、燃料集合体あたりの核分裂性物質量を増加させる必要がある。
【0025】
また、運転期間が長くなる場合はサイクル燃焼度が長くなるので、出力密度増加の場合と同様に、所定の取出燃焼度を達成できるようにするには、燃料集合体あたりの核分裂性物質量を増加させる必要がある。
【0026】
燃料集合体あたりの核分裂性物質量を増加させるのはウラン燃料では容易である。しかし、MOX燃料の場合は、加工費低減の観点からプルトニウム富化度(または等価核分裂性物質濃度)を共通設計とする場合がある。図12に一例を示すが、この設計では図11に対して可燃性毒物燃料棒のみの濃縮度を変更している。この場合は可燃性毒物燃料棒本数が少ないので、標準プラントの標準設計からの平均濃縮度の調整幅が小さく、所定の取出燃焼度を達成できない場合がある。したがって、濃縮度の増加幅を確保するには、濃縮度調整可能なウラン棒数を増加させ、ウラン燃料棒の濃縮度を調整するか、もしくは、基準設計のウラン燃料棒の一部を反応度的に高いMOX燃料棒で置き換える必要があり、アイランド型設計に近い方が濃縮度の調整幅が大きく有利となる。なお、MOX燃料棒の反応度をウラン燃料棒と比較する指標としては、等価核分裂性物質濃度が適用できる。(参考文献:TLR−067改訂1 沸騰水型原子力発電所 混合酸化物燃料のプルトニウム組成変化について)
【0027】
以上のように、出力密度、炉心サイズ、運転期間など種々の設計ニーズに柔軟に対応するには、アイランド型に近い設計からディスクリート型に近い設計まで柔軟に変更可能な設計を用意しておくことも1つの方法である。
【0028】
逆に、以上の説明では、燃料集合体の平均取出燃焼度を一定の条件としていたが、この条件をはずして燃料棒の熱機械設計の鍵となるペレット最高燃焼度に同一の制約を課した場合を考える。
【0029】
現行のウラン燃料棒の濃縮度は加工上5%以下の制限が決められており、これを変更するには加工設備を更新する必要があるので加工費を増加させ、濃縮度の増加は濃縮費自体を増加させるので、コストアップにつながる。一方、MOX燃料棒は、濃縮費に相当するものはなく、現行の加工工場ではプルトニウム富化度の上限値がウラン濃縮度5%よりも実質的に高めに設定されている。したがって、高燃焼度化に対しては、ウラン燃料集合体よりMOX燃料集合体の方が有利である。
【0030】
この場合、同一のペレット最高燃焼度の制限下で燃料集合体の取出燃焼度を高めるためには、燃料集合体の熱的特性(局所出力ピーキング係数、燃焼度ピーキング係数)の良好なディスクリート型MOX燃料集合体の方が有利である。この理由を以下に述べる。一般に、ウラン燃料棒はMOX燃料棒に比べPu−240がないので転換比が低く、燃料棒の燃焼度進行に伴う局所出力の低下が大きくなる。特に、燃料集合体間の非沸騰水領域に近く熱中性子束の多い燃料集合体外周部にウラン燃料棒を配置し、熱中性子束の少ない燃料集合体内部にMOX燃料棒を配置したアイランド型MOX燃料集合体では、外周部のウラン燃料棒の局所出力の低下が内部のMOX燃料棒に比べて顕著となり、燃焼後半の局所出力ピーキング、燃焼度ピーキングが高くなる傾向にある。この傾向は、ペレット最高燃焼度を増加させるものである。
【0031】
したがって、燃料の高燃焼度化にはプルトニウム富化度の制限の緩いMOX燃料集合体の方が有利であり、同じペレット最高燃焼度の制約下では、ディスクリート型MOX燃料集合体の方が有利となる場合もある。
【0032】
既に述べたように、ディスクリート型MOX燃料集合体は加工費の観点では不利であるが、燃料集合体平均の取出燃焼度自体を高めることができれば、MOX燃料集合体1体あたりの発生エネルギーが増し燃料経済性の評価式の分母に直接影響して燃料経済性の大幅な向上が期待できるので、将来においてMOX燃料集合体の取出燃焼度がウラン燃料集合体を超えた場合は、アイランド型設計からディスクリート型設計に切り替える方が有利となることも考えられる。
【0033】
【特許文献1】
特公平4−60236号公報
【特許文献2】
特開平7−301688号公報
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
MOX燃料集合体の高燃焼度に伴い、MOX燃料集合体の取出燃焼度がウラン燃料集合体と同程度になってくると、ディスクリート型とアイランド型の設計の経済性は競合してくる。また、経済性だけでなく、その時点でのプルトニウムの製造と消費のバランスを確保するためにも、適切な設計概念が異なってくる。したがって、従来のように、ディスクリート型MOX燃料集合体のみ、アイランド型MOX燃料集合体のみとそれぞれ単独に設計を行っているのでは、状況の変化に応じて適切な設計概念を選ぶことが難しくなる。
【0035】
一方、炉心サイズ、出力密度、運転期間によっても、同じ取出燃焼度を達成するためには、燃料集合体あたりの核分裂性物質量を微調整する必要があるが、ウラン燃料で行われているのと同様に、単に、MOX燃料棒のプルトニウム富化度を微調整する方法では、プルトニウム富化度種類が増加し、MOX燃料ペレットの製造工程に負担がかかる。
【0036】
また、将来において、MOX燃料集合体の取出燃焼度がウラン燃料集合体を大きく超える場合は、ウラン濃縮度やプルトニウム富化度の上限値から、加工費に有利なアイランド型ではなく、取出燃焼度増加に有利なディスクリート型が有利となる可能性があり、アイランド型からディスクリート型に近づける逆方向の設計の融通性も必要となる。
【0037】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ディスクリート型MOX燃料集合体からアイランド型MOX燃料集合体、またはその逆のアイランド型MOX燃料集合体からディスクリート型MOX燃料集合体への設計変更が容易になるように、あらかじめ広い範囲の設計を考慮しておくことにより、状況の変化に柔軟に対応できるような複数種類のMOX燃料集合体を提供すること、また、それらが装荷された原子炉の炉心を提供することにある。
【0038】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、プルトニウム及び可燃性毒物を含まない第1のウラン燃料棒と、可燃性毒物を含みプルトニウムを含まない第2の可燃性毒物入り燃料棒と、プルトニウムを富化した第3のMOX燃料棒を正方格子状に束ねた燃料集合体が少なくとも2種類以上装荷される沸騰水型原子炉の炉心において、異なる燃料集合体間では、燃料集合体のMOX燃料棒の形状および少なくとも1種類以上のMOX燃料棒の等価核分裂性物質濃度が同一であり、第3のMOX燃料棒の本数が異なるか、または、第1のウラン燃料棒と第2の可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度が異なることを特徴とする。
【0039】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、運転期間が長いサイクルに装荷されるMOX燃料集合体の方が、標準サイクル用のMOX燃料集合体より、ウラン燃料棒と可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度が高いか、またはMOX燃料棒の本数が多くて、MOX燃料集合体平均の等価核分裂性物質濃度が高くなっていることを特徴とする。
【0040】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、少なくとも1種類の燃料集合体において、正方格子状の燃料棒配置の最外周部の一部または全部が、ウラン燃料棒または可燃性毒物入り燃料棒で構成されていることを特徴とする。
【0041】
請求項4に係る発明は、ウラン燃料集合体と、前記ウラン燃料集合体と取出燃焼度が同じ第1のMOX燃料集合体と、前記ウラン燃料集合体より取出燃焼度の高い第2のMOX燃料集合体が装荷された沸騰水型原子炉の炉心において、第1のMOX燃料集合体より第2のMOX燃料集合体の方が、燃料集合体中における全燃料棒に対するMOX燃料棒本数の割合が多いことを特徴とする。
【0042】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、第1および第2のMOX燃料集合体における、少なくとも1種類以上の等価核分裂性物質濃度が互いに同一であることを特徴とする。
【0043】
請求項6に係る発明は、炉心サイズが小さい、或いは、出力密度が高いプラントに装荷されるMOX燃料集合体において、標準プラント用のMOX燃料集合体に比し、ウラン燃料棒と可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度が高いかまたはMOX燃料棒の本数を多くすることにより、MOX燃料集合体平均の等価核分裂性物質濃度が高くなるようにしてあることを特徴とする。
【0044】
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明において、正方格子状の燃料棒配置の最外周部の一部または全部が、ウラン燃料棒または可燃性毒物入り燃料棒で構成されていることを特徴とする。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0046】
図1(a)および図1(b)は、本発明の第1の実施の形態のMOX燃料集合体の代表断面の模式図である。1、2…はウラン燃料棒を表し、P1、P2…はそれぞれ富化度が異なるMOX燃料棒を表し、G1、G2…はそれぞれ濃縮度が異なる可燃性毒物入り燃料棒を表し、それぞれ数字が小さいほど濃縮度、富化度が低くなっている。図1(a)と図1(b)は短尺燃料棒(15)の位置が異なっており燃料集合体形状は異なっているが、MOX燃料棒の形状は同じである。図1(a)はMOX燃料棒が24本の場合、図1(b)はMOX燃料棒が36本の場合であり、取出燃焼度は約45GWd/tである。
【0047】
図1(a)と図1(b)の燃料集合体は、プルトニウム及び可燃性毒物を含まない第1のウラン燃料棒1、2、3と、可燃性毒物を含みプルトニウムを含まない第2の可燃性毒物入り燃料棒G1或いはG2と、プルトニウムを富化した第3のMOX燃料棒P1を正方格子状に束ねた構成としてあり、両者の違いは、「P1」のMOX燃料棒本数、「1」と「1’」のウラン燃料棒の濃縮度(前者:3.9wt%、後者:3.5wt%)、「G1」と「G2」の可燃性毒物入り燃料棒の濃縮度(前者:3.2wt%、後者:2.4wt%)であり、これにより、ウラン燃料棒と可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度は、図1(a)で3.1wt%、図1(b)で2.7wt%となっている。MOX燃料棒におけるプルトニウム富化度は、共に5.6wt%Pufと共通の設計としているので、どちらの設計を採用してもペレットの製造工程を変更する必要はない。
【0048】
図2に、両燃料の40%ボイド状態の無限増倍率の燃焼変化を比較する。炉心平均燃焼度は、線形反応度モデルより、サイクル燃焼度(約10GWd/t)と取出燃焼度の和の1/2で近似できるので約27.5GWd/t(=(45+10)/2)となる。図2に示すように、炉心平均燃焼度時の無限増倍率はほぼ等価となっている。さらに、図1(b)に示すように、可燃性毒物を燃料集合体の最外周部に配置することにより、MOX燃料棒を24本から36本まで(1.5倍)大幅に増加させることが可能である。
【0049】
本発明の原子炉の炉心は、これらの燃料を各サイクル毎のプルトニウムのバランスに応じて装荷するものである。例えば、第Nサイクルでは当初の予定通り図1(a)の燃料を112体装荷した後、仮に、第N+1サイクルで加工工場からのMOX燃料の供給量が1.5倍程度に増加したとしても、図1(b)の設計に切り替えれば、新燃料の装荷体数は当初の計画通り(MOX燃料:112体、ウラン燃料:56体)のままでよいので図3のような燃料装荷パターンになる。すなわち、各サイクル毎のMOX燃料の輸送または貯蔵体数(112体)とウラン燃料の装荷体数(52体)を維持したまま、プルトニウムの消費量を調整できる。燃料装荷パターンについても、基準設計である平衡炉心のパターンに近い炉心で構成できるので、炉心管理上の作業量が低減できる。一方、MOX燃料を図1(a)から図1(b)のようにフレキシブルに変更しない場合は、MOX新燃料は168体(=112×1.5)程度、ウラン燃料0体となり、MOX新燃料の輸送体数や使用済みMOX燃料の貯蔵体数が168体と増加する。
【0050】
すなわち、異なる燃料集合体間でMOX燃料棒の本数、または、ウラン燃料棒と可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度を変えれば、燃料集合体の反応度を調整することができるので、炉心サイズ、出力密度、運転期間等が変わっても、同じ取出燃焼度(燃料集合体1体から同じエネルギーを取り出せる)の設計とすることができる。
【0051】
また、製造時期の異なる燃料集合体間でMOX燃料棒の本数を変えればプルトニウムの消費量を変更できるので、各プラントにおけるウラン燃料集合体の予備体数を変更することなく、プルトニウムの製造と消費のバランスをとることができる。
【0052】
これらの場合、MOX燃料棒の形状は同じで、プルトニウム富化度(または等価核分裂性物質濃度)は少なくとも1種類以上は共通化して本数のみの調整なので、MOXペレットの製造工程には大きな影響を及ぼさない。
【0053】
また、最外周部をウラン燃料棒で構成することにより、濃縮度調整またはMOX燃料棒との置換用の燃料棒本数が増加するので反応度調整幅が増加し、プルトニウムの需給バランスや運転期間の変更に対する調整幅が大きくできる。さらに、最外周部の可燃性毒物入り燃料棒の配置を許容すれば、燃料集合体あたりのプルトニウム装荷量を多くできる。
【0054】
図4(a)および図4(b)は、本発明の第2の実施の形態のMOX燃料集合体の断面方向の模式図である。これらはMOX燃料棒が24本のアイランド型の設計で、プルトニウム富化度は共に5.6wt%Pufである。図4(a)は図1(a)と短尺燃料棒(15)の位置が異なることを除き同じであり、13ヶ月運転用の燃料である。図4(b)は15ヶ月運転用の燃料で、図4(a)と同じ燃料集合体形状である。図4(a)と図4(b)の違いは、「2」の燃料棒の濃縮度が2.4wt%なのに対し、「2’」の燃料棒の濃縮度は3.2wt%となっていることで、これにより、ウラン燃料棒と可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度は、図4(a)で3.1wt%、図4(b)で3.3wt%となっている。
【0055】
図5に、図4(a)および図4(b)のMOX燃料の40%ボイド状態の無限増倍率を比較する。図4(b)は、図4(a)より運転期間が2ヶ月伸びた分(約1GWd/t)だけ炉心平均燃焼度が大きくなるが、図5より、炉心平均燃焼度時点の無限増倍率の値は同程度となっていることがわかる。したがって、図4(b)の燃料を用いれば、図4(a)の基準設計より2ヶ月長い運転期間が数サイクル続いたとしても、プルトニウム富化度を図4(a)から変更することなく、目標とするMOX燃料の取出燃焼度(約45GWdt)を達成できる。
【0056】
図6(a)および図6(b)は、本発明の第3の実施の形態のMOX燃料集合体の断面方向の模式図である。図6(a)は、MOX燃料棒が24本の場合で、図4(a)と同じ設計である。図6(b)は、MOX燃料棒が28本の場合である。プルトニウム富化度は両設計ともに5.6wt%Pufである。図6(a)と図6(b)の違いは、「1」のウラン燃料棒本数が後者の方が多く、「G1」と「G3」の可燃性毒物入り燃料棒の濃縮度(前者:3.2wt%、後者:2.8wt%)が相違している。これにより、ウラン燃料棒と可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度は、図6(a)、図6(b)ともに3.1wt%となっている。図6(b)は、出力密度の高いプラントに用いられる燃料である。
【0057】
図7に、図6(a)および図6(b)のMOX燃料の40%ボイド状態の無限増倍率を比較する。図6(b)の方が5.6wt%PufのMOX燃料棒が4本多く燃料集合体平均の等価核分裂性物質濃度が高くなっているので、図6(a)よりも炉心平均燃焼度が0.5GWd/t程度長いところで、無限増倍率がほぼ同等となっている。これをサイクル燃焼度増加分に換算すると、倍の1GWd/t程度(サイクル燃焼度の1/10程度)となる。したがって、図6(b)のMOX燃料は、図6(a)のプラントに比べて10%程度出力密度を増加したプラントに装荷したとしても、プルトニウム富化度を図6(a)から変更することなく、目標とするMOX燃料の取出燃焼度(約45GWd/t)を達成できる。
【0058】
さらに、図6(a)を標準プラント用のMOX燃料集合体、図6(b)を炉心サイズが小さいプラント用のMOX燃料集合体と見なせば、本発明の第4の実施の形態となる。この場合、燃料集合体の無限増倍率は、炉心平均燃焼時においてほぼ等価となるように調整されている。したがって、炉心サイズが小さいプラントでも、プルトニウム富化度を変更することなく、目標とするMOX燃料集合体の取出燃焼度(約45GWd/t)を達成できる。
【0059】
図8(a)および図8(b)は、本発明の第5の実施の形態のMOX燃料集合体の断面方向の模式図である。図8(a)は、取出燃焼度45GWd/tでMOX燃料棒40本の設計であり、図8(b)は、取出燃焼度50GWd/tでMOX燃料棒62本の設計である。図8(b)は、図8(a)よりも、MOX燃料棒の富化度を2種類とも高くし、さらに、燃料集合体の最外周部にMOX燃料棒を多数配置することにより、燃料集合体平均の等価核分裂性物質濃度を高めている。
【0060】
図9に、図8(a)および図8(b)のMOX燃料集合体の40%ボイド状態の無限増倍率を比較する。炉心平均燃焼度は、図8(a)が27.5GWd/t、図8(b)は取出燃焼度5GWd/tの伸長分を考慮して30GWd/tであり、無限増倍率はほぼ同じ値になっている。
【0061】
図10に、両燃料の燃焼度ピーキングの推移を示す。図8(b)の方がプルトニウム最高富化度が高いにもかかわらず、燃焼期間全般を通じて楽な特性となっている。図8(b)の方が、燃料寿命末期の無限増倍率が高い(50GWd/tで3%程度)のでノード平均の燃焼度は若干高くなる可能性があるが、燃料集合体内のMOX燃料棒の燃焼度ピーキングは有意に低い(50GWd/tで8%程度)ので、ペレット最高燃焼度は低くなると考えられる。
【0062】
したがって、ペレット最高燃焼度に同じ制約を課した場合は、図8(b)のようにディスクリート型MOX燃料の方が取出燃焼度を高くできるので、MOX燃料集合体の燃料経済性上は有利である。したがって、MOX燃料集合体の取出燃焼度が高くなれば、燃料集合体あたりのMOX燃料棒の装荷量を増加させる方法が有利となる。
【0063】
ところで、ウラン濃縮度を高めるには濃縮費用がかかるがプルトニウム富化度の増加はコストアップには影響が少なく、また、現行の加工工場ではウラン棒の濃縮度上限よりもMOX燃料棒の富化度上限の方が緩く設定されているので、ペレット最高燃焼度に同一の制約を課した場合にMOX燃料集合体の取出燃焼度をより高めた設計とするには、燃料集合体あたりのMOX燃料棒本数を高める方が有利となる。
【0064】
なお、図8(b)の低プルトニウム富化度を図8(a)と共通設計としておけば、図8(a)から図8(b)に切り替える場合に、設計変更が容易であり、燃料棒形状が同じ場合は同じ加工工程を利用でき、また、図8(a)の余剰燃料棒を図8(b)に流用できるメリットがある。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、MOX燃料集合体の取出燃焼度がウラン燃料集合体と同程度になった場合に、MOX燃料棒のプルトニウム富化度を共通設計とし、MOX燃料棒数またはウラン燃料棒の平均濃縮度を調整し、アイランド型からディスクリート型に近い幅広い設計を用意しておき、それら複数種類のMOX燃料集合体を原子炉に装荷することにより、▲1▼経済性評価のコスト緒言が変動しても最適な設計を選択でき、▲2▼プルトニウムの需給バランスが崩れた場合にもMOX燃料集合体製造体数、予備ウラン燃料体数に影響を及ぼさないような設計が可能となる。また、炉心サイズ、出力密度、運転期間が変わっても、炉心平均燃焼度時の無限増倍率を調整できるので、目標の取出燃焼度を達成することができる。
【0066】
また、将来、MOX燃料集合体の取出燃焼度がウラン燃料集合体を超える場合には、MOX燃料の取出燃焼度が高いほどMOX燃料棒本数を増やしたディスクリート型設計に近づくので、燃焼度ピーキングが改善されペレット最高燃焼度の悪化を緩和することができる。これにより、MOX燃料集合体の取出燃焼度増加を実現でき、MOX燃料集合体の燃料経済性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料集合体の第1の実施の形態を示す2種類の燃料集合体の横断面図。
【図2】本発明の燃料集合体の第1の実施の形態である2種類の燃料集合体の無限増倍率の推移図。
【図3】本発明の燃料集合体の第1の実施の形態を示し、図1の燃料集合体が装荷された1/4炉心図。
【図4】本発明の燃料集合体の第2の実施の形態を示す2種類の燃料集合体の横断面図。
【図5】本発明の燃料集合体の第2の実施の形態である2種類の燃料集合体の無限増倍率の推移図。
【図6】本発明の燃料集合体の第3の実施の形態を示す2種類の燃料集合体の横断面図。
【図7】本発明の燃料集合体の第3の実施の形態である2種類の燃料集合体の無限増倍率の推移図。
【図8】本発明の燃料集合体の第4の実施の形態を示す2種類の燃料集合体の横断面図。
【図9】本発明の燃料集合体の第4の実施の形態である2種類の燃料集合体の無限増倍率の推移図。
【図10】本発明の燃料集合体の第4の実施の形態である2種類の燃料集合体の燃焼度ピーキング係数の推移図。
【図11】沸騰水型原子炉のMOX燃料集合体の横断面図。
【図12】沸騰水型原子炉のMOX燃料集合体の横断面図。
【符号の説明】
11 燃料集合体
12 燃料棒
13 チャンネルボックス
14 水ロッド
15 短尺燃料棒
16 十字型制御棒
【発明の技術的分野】
本発明は、沸騰水型原子炉の炉心及びその炉心に装荷するMOX燃料集合体に関する。
【0002】
【従来技術】
資源の有効利用やエネルギーセキュリィティなどの観点から、使用済み燃料の再処理により回収されたプルトニウムをウランと混合したウラン・プルトニウム混合酸化物燃料(以下、MOX燃料と記す)を軽水炉で用いるプルサーマルが行われる予定である。
【0003】
プルトニウムはα線の放出強度が強く、人体への内部被爆を防止する必要がある。また崩壊や自発核分裂によって中性子やγ線を放出する。このためプルトニウムを含む燃料の製造や加工は、ウラン燃料に比べて密閉された状態で行わなければならない。また、遮蔽設備がより多く必要であること、除染や保守管理に厳重な注意が必要なことなど、設備や工程に関して多くの配慮をしなければならない。したがってプルトニウムを含む燃料ペレット及び燃料棒の製作に関しては、多数個のペレットを製造すること、富化度などの異なるものを多数種類製造することは経済的に不利となる。
【0004】
一方、プルトニウムを含む燃料集合体は、輸送、計量管理、臨界管理に厳しい条件が課せられるので、燃料集合体1体あたりに含まれるプルトニウムの割合をできるだけ大きくしてプルトニウムを含む燃料体数を減らすことが望まれる。
【0005】
一般に、燃料経済性(FCC:Fuel Cycle Costの略)は、金利の効果を無視すれば以下のように表される。
FCC={(原材料費)+(転換・濃縮費)+(加工費)+(輸送費)+ (貯蔵・再処理費)}/(1体あたりの発生エネルギー) (A)
分母は、(1体あたりの発生エネルギー)=(取出燃焼度)×(燃料重量)なので、取出燃焼度を高めることが、燃料経済性上有利である。
【0006】
MOX燃料の場合は、ウラン燃料と比べて、(転換・濃縮費)は必要ないが、製造・加工、輸送などに厳しい条件が課せられるので、(加工費)、(輸送費)、(貯蔵・再処理費)などの単価は高くなる傾向にある。
【0007】
ここで、一定量のプルトニウムを消費する際、同一取出燃焼度の条件でMOX燃料の経済性を高めるには、以下の2つの設計の方向性がある。
▲1▼ 加工費低減の観点から、MOXペレット及びMOX燃料棒の製造個数を減らすため、燃料集合体中のMOX燃料棒の棒平均のプルトニウム富化度を高くし、さらに、富化度種類を減らすことができるような燃料集合体内の位置にMOX燃料棒を配置する。
▲2▼ MOX燃料の輸送費、貯蔵費低減の観点から、MOX燃料集合体を削減するため、燃料集合体1体あたりのプルトニウムの装荷量(1体あたりのMOX燃料棒数)を増やす。
【0008】
▲1▼は、燃料集合体内の局所出力分布の平坦化のため、核燃料物質が低い燃料集合体外周部はウラン燃料棒で構成し、燃料集合体内部はプルトニウム富化度を高くしたMOX燃料棒で構成した、いわゆる「アイランド型」の設計の方向である。
【0009】
▲2▼は、可燃性毒物を除く燃料棒を全てMOX燃料棒で構成した「ディスクリート型」の設計の方向である。
【0010】
さらに、経済性評価のためのコスト緒言によっては、例えば、特許第2886555号明細書に記載されているように、燃料集合体外周部のコーナーに近い一部の燃料棒のみをウラン燃料棒に置き換えたアイランド型とディスクリート型の中間の、いわゆる「変形ディスクリート型」の設計が最適となる場合もある。
【0011】
以上のように、燃料集合体内のMOX燃料棒とウラン燃料棒の構成および配置は、設計概念によって異なっている。
【0012】
一方、可燃性毒物入り燃料棒の構成、配置についても種々の設計概念がある。通常、可燃性毒物入り燃料棒はウラン燃料棒で構成されている。これは、MOX燃料棒に可燃性毒物を混入すると、ペレット製造ライン数の増加または稼働率低下により加工費が増加すること、また、可燃性毒物入りMOX燃料棒の照射実績が少ないことなどによる。可燃性毒物入り燃料棒の燃料集合体内の配置については、現行のウラン燃料と同様に燃料集合体の内部に配置する場合、また、MOX燃料の特性を考慮して、燃料集合体外周部に配置する設計概念がある。一般に、MOX燃料は、ウラン燃料に比べて、熱中性子吸収断面積の大きいプルトニウムの存在により、燃料集合体内の中性子スペクトルが硬くなるので、可燃性毒物入り燃料棒の反応度価値が低下する。この傾向は、MOX燃料棒の割合の多いディスクリート型で顕著である。これを解決する方法としては、例えば、特公平4−60236号公報記載のように、可燃性毒物入り燃料棒を燃料集合体外周部に配置したり、さらに、特開平7−301688号公報記載のように、可燃性毒物入り燃料棒だけでなく短尺燃料棒を燃料集合体外周部に配置することにより、炉停止余裕を改善する方法もある。なお、アイランド型の設計は、ディスクリート型に比べてMOX燃料棒の割合が少なく、外周部のウラン燃料棒に近い位置は中性子スペクトルの硬化は比較的少ないので、従来までの設計では、必ずしも可燃性毒物入り燃料棒の外周配置が必要ではなかった。
【0013】
現在計画されているMOX燃料集合体の取出燃焼度は、ウラン燃料集合体よりも低く設定されている。ウラン燃料集合体とMOX燃料集合体のトータルの経済性は下式のようになる。
仮にウラン燃料集合体とMOX燃料集合体の費用及び重量が同程度であれば、
トータルのFCC≒[費用/重量]×[ウラン燃料体数/ウラン取出燃焼度+MOX体数/MOX取出燃焼度] (C)
【0014】
ここで、現在は、ウラン取出燃焼度>MOX取出燃焼度なので、MOX燃料集合体体数を増加させることは取出燃焼度の高いウラン燃料集合体の体数を減少させることになるので、(C)式より、ウラン燃料集合体とMOX燃料集合体のトータルの燃料経済性は悪くなる。
【0015】
以上述べたことが、現時点でアイランド型よりディスクリート型の設計が主流となっている理由の1つである。図11に、ディスクリート型MOX燃料集合体11の一例を示す。上記MOX燃料集合体11は、可燃性毒物入り燃料棒及びMOX燃料棒を有する多数本の燃料棒12が、8行8列の正方格子状に配列されるとともに中央部に水ロッド14が配設され、チャンネルボックス13により覆われている。そして、可燃性毒物入り燃料棒を除く位置には、全てMOX燃料棒が配置されている。
【0016】
しかしながら、MOX燃料集合体の高燃焼度化に伴い、MOX燃料集合体とウラン燃料集合体の取出燃焼度が同程度になれば、MOX燃料集合体体数を増加させてもトータルの燃料経済性で不利とはならず、(B)式の費用の部分、すなわち、MOX燃料集合体単体の経済性が重要となってくる。この場合、MOX燃料集合体の加工費低減効果も重要になってくるので、アイランド型MOX燃料集合体の設計が有利な面が出てくる。
【0017】
ただし、経済性の観点だけでなく、余剰プルトニウムを持たないようにするため、プルトニウムの消費が優先される場合もある。この場合は、燃料集合体あたりのプルトニウム装荷量の多いディスクリート型の方が燃料集合体輸送の効率の面から有利となる。この傾向は、輸送費の高い海外加工のMOX燃料集合体で顕著である。
【0018】
また、再処理工場の稼働率によって原料となるプルトニウムの供給量が変化する可能性があり、加工工場で製造可能なMOX燃料ペレット数、MOX燃料棒数が変動する可能性がある。この場合、プルトニウムの供給量に応じてMOX燃料集合体の製造体数を調節することもできるが、MOX燃料集合体と同時に装荷されるウラン燃料集合体の体数が変動するので、予備のウラン燃料集合体を確保しておく必要がある。さらに、MOX燃料集合体の体数の変動は、MOX燃料集合体の輸送、貯蔵施設の設備容量に影響を及ぼすので、輸送、貯蔵施設のための初期投資が大きくなる恐れがある。
【0019】
一方、プルトニウム供給量の変動をMOX燃料集合体中のMOX燃料棒の装荷割合で調整すれば、ウラン燃料集合体の体数には影響がないので予備のウラン燃料集合体は必要はない。ただし、MOX加工工場において予備のウラン燃料棒を見込んでおく必要があるが、ウラン燃料集合体ではなくウラン燃料棒として保管する方が燃料集合体として組み立てる際に融通性があり、貯蔵スペースの観点からも有利である。さらに、MOX燃料集合体の体数が変動しないので、MOX燃料集合体の輸送、貯蔵施設の設備容量には影響を及ぼさない。
【0020】
以上のように、MOX燃料集合体の経済性は、その時々の状況でコスト緒言(加工費、輸送費など)が変われば、最適な設計概念が変わる可能性がある。また、経済性だけでなくプルトニウムの加工と消費のバランスを考慮する場合にも、望ましい設計概念が異なってくる。したがって、状況が変化した場合により適切な設計概念を選ぶようにするには、アイランド型からディスクリート型設計まで広い範囲の柔軟な設計を予め用意しておくことが有効である。
【0021】
次に、燃料集合体中のMOX燃料棒の装荷割合の柔軟な設計が有効な点を、別の観点から説明する。
【0022】
沸騰水型原子炉の炉心は、出力密度、炉心サイズの異なる種々のプラントが存在し、また、運転期間も各電力の計画によって変動する場合がある。ウラン燃料においては、それぞれに応じ、集合体平均濃縮度を調整した最適な設計を採用している。
【0023】
例えば、改良型沸騰水型原子炉などのように出力密度が高いプラントでは、Xe反応度損失が多くなり、さらに、サイクル燃焼度が長くなり同一取出燃焼度下ではバッチ数(=全燃料体数/新燃料体数)が小さくなるのでサイクル末期の炉心平均反応度が低下する(参考文献:H・Wグレイブス「核燃料管理の方法と解析」の線形反応度モデル)。したがって、出力密度が高い場合は、燃料集合体あたりの核分裂性物質量を増加させ所定の取出燃焼度を達成できるような設計を採用している。
【0024】
炉心サイズが小さくなる場合は、体系からの中性子漏洩量が増加しサイクル末期の炉心平均反応度が低下するので、所定の取出燃焼度を達成するには、燃料集合体あたりの核分裂性物質量を増加させる必要がある。
【0025】
また、運転期間が長くなる場合はサイクル燃焼度が長くなるので、出力密度増加の場合と同様に、所定の取出燃焼度を達成できるようにするには、燃料集合体あたりの核分裂性物質量を増加させる必要がある。
【0026】
燃料集合体あたりの核分裂性物質量を増加させるのはウラン燃料では容易である。しかし、MOX燃料の場合は、加工費低減の観点からプルトニウム富化度(または等価核分裂性物質濃度)を共通設計とする場合がある。図12に一例を示すが、この設計では図11に対して可燃性毒物燃料棒のみの濃縮度を変更している。この場合は可燃性毒物燃料棒本数が少ないので、標準プラントの標準設計からの平均濃縮度の調整幅が小さく、所定の取出燃焼度を達成できない場合がある。したがって、濃縮度の増加幅を確保するには、濃縮度調整可能なウラン棒数を増加させ、ウラン燃料棒の濃縮度を調整するか、もしくは、基準設計のウラン燃料棒の一部を反応度的に高いMOX燃料棒で置き換える必要があり、アイランド型設計に近い方が濃縮度の調整幅が大きく有利となる。なお、MOX燃料棒の反応度をウラン燃料棒と比較する指標としては、等価核分裂性物質濃度が適用できる。(参考文献:TLR−067改訂1 沸騰水型原子力発電所 混合酸化物燃料のプルトニウム組成変化について)
【0027】
以上のように、出力密度、炉心サイズ、運転期間など種々の設計ニーズに柔軟に対応するには、アイランド型に近い設計からディスクリート型に近い設計まで柔軟に変更可能な設計を用意しておくことも1つの方法である。
【0028】
逆に、以上の説明では、燃料集合体の平均取出燃焼度を一定の条件としていたが、この条件をはずして燃料棒の熱機械設計の鍵となるペレット最高燃焼度に同一の制約を課した場合を考える。
【0029】
現行のウラン燃料棒の濃縮度は加工上5%以下の制限が決められており、これを変更するには加工設備を更新する必要があるので加工費を増加させ、濃縮度の増加は濃縮費自体を増加させるので、コストアップにつながる。一方、MOX燃料棒は、濃縮費に相当するものはなく、現行の加工工場ではプルトニウム富化度の上限値がウラン濃縮度5%よりも実質的に高めに設定されている。したがって、高燃焼度化に対しては、ウラン燃料集合体よりMOX燃料集合体の方が有利である。
【0030】
この場合、同一のペレット最高燃焼度の制限下で燃料集合体の取出燃焼度を高めるためには、燃料集合体の熱的特性(局所出力ピーキング係数、燃焼度ピーキング係数)の良好なディスクリート型MOX燃料集合体の方が有利である。この理由を以下に述べる。一般に、ウラン燃料棒はMOX燃料棒に比べPu−240がないので転換比が低く、燃料棒の燃焼度進行に伴う局所出力の低下が大きくなる。特に、燃料集合体間の非沸騰水領域に近く熱中性子束の多い燃料集合体外周部にウラン燃料棒を配置し、熱中性子束の少ない燃料集合体内部にMOX燃料棒を配置したアイランド型MOX燃料集合体では、外周部のウラン燃料棒の局所出力の低下が内部のMOX燃料棒に比べて顕著となり、燃焼後半の局所出力ピーキング、燃焼度ピーキングが高くなる傾向にある。この傾向は、ペレット最高燃焼度を増加させるものである。
【0031】
したがって、燃料の高燃焼度化にはプルトニウム富化度の制限の緩いMOX燃料集合体の方が有利であり、同じペレット最高燃焼度の制約下では、ディスクリート型MOX燃料集合体の方が有利となる場合もある。
【0032】
既に述べたように、ディスクリート型MOX燃料集合体は加工費の観点では不利であるが、燃料集合体平均の取出燃焼度自体を高めることができれば、MOX燃料集合体1体あたりの発生エネルギーが増し燃料経済性の評価式の分母に直接影響して燃料経済性の大幅な向上が期待できるので、将来においてMOX燃料集合体の取出燃焼度がウラン燃料集合体を超えた場合は、アイランド型設計からディスクリート型設計に切り替える方が有利となることも考えられる。
【0033】
【特許文献1】
特公平4−60236号公報
【特許文献2】
特開平7−301688号公報
【0034】
【発明が解決しようとする課題】
MOX燃料集合体の高燃焼度に伴い、MOX燃料集合体の取出燃焼度がウラン燃料集合体と同程度になってくると、ディスクリート型とアイランド型の設計の経済性は競合してくる。また、経済性だけでなく、その時点でのプルトニウムの製造と消費のバランスを確保するためにも、適切な設計概念が異なってくる。したがって、従来のように、ディスクリート型MOX燃料集合体のみ、アイランド型MOX燃料集合体のみとそれぞれ単独に設計を行っているのでは、状況の変化に応じて適切な設計概念を選ぶことが難しくなる。
【0035】
一方、炉心サイズ、出力密度、運転期間によっても、同じ取出燃焼度を達成するためには、燃料集合体あたりの核分裂性物質量を微調整する必要があるが、ウラン燃料で行われているのと同様に、単に、MOX燃料棒のプルトニウム富化度を微調整する方法では、プルトニウム富化度種類が増加し、MOX燃料ペレットの製造工程に負担がかかる。
【0036】
また、将来において、MOX燃料集合体の取出燃焼度がウラン燃料集合体を大きく超える場合は、ウラン濃縮度やプルトニウム富化度の上限値から、加工費に有利なアイランド型ではなく、取出燃焼度増加に有利なディスクリート型が有利となる可能性があり、アイランド型からディスクリート型に近づける逆方向の設計の融通性も必要となる。
【0037】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ディスクリート型MOX燃料集合体からアイランド型MOX燃料集合体、またはその逆のアイランド型MOX燃料集合体からディスクリート型MOX燃料集合体への設計変更が容易になるように、あらかじめ広い範囲の設計を考慮しておくことにより、状況の変化に柔軟に対応できるような複数種類のMOX燃料集合体を提供すること、また、それらが装荷された原子炉の炉心を提供することにある。
【0038】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、プルトニウム及び可燃性毒物を含まない第1のウラン燃料棒と、可燃性毒物を含みプルトニウムを含まない第2の可燃性毒物入り燃料棒と、プルトニウムを富化した第3のMOX燃料棒を正方格子状に束ねた燃料集合体が少なくとも2種類以上装荷される沸騰水型原子炉の炉心において、異なる燃料集合体間では、燃料集合体のMOX燃料棒の形状および少なくとも1種類以上のMOX燃料棒の等価核分裂性物質濃度が同一であり、第3のMOX燃料棒の本数が異なるか、または、第1のウラン燃料棒と第2の可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度が異なることを特徴とする。
【0039】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、運転期間が長いサイクルに装荷されるMOX燃料集合体の方が、標準サイクル用のMOX燃料集合体より、ウラン燃料棒と可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度が高いか、またはMOX燃料棒の本数が多くて、MOX燃料集合体平均の等価核分裂性物質濃度が高くなっていることを特徴とする。
【0040】
請求項3に係る発明は、請求項1または2に係る発明において、少なくとも1種類の燃料集合体において、正方格子状の燃料棒配置の最外周部の一部または全部が、ウラン燃料棒または可燃性毒物入り燃料棒で構成されていることを特徴とする。
【0041】
請求項4に係る発明は、ウラン燃料集合体と、前記ウラン燃料集合体と取出燃焼度が同じ第1のMOX燃料集合体と、前記ウラン燃料集合体より取出燃焼度の高い第2のMOX燃料集合体が装荷された沸騰水型原子炉の炉心において、第1のMOX燃料集合体より第2のMOX燃料集合体の方が、燃料集合体中における全燃料棒に対するMOX燃料棒本数の割合が多いことを特徴とする。
【0042】
請求項5に係る発明は、請求項4に係る発明において、第1および第2のMOX燃料集合体における、少なくとも1種類以上の等価核分裂性物質濃度が互いに同一であることを特徴とする。
【0043】
請求項6に係る発明は、炉心サイズが小さい、或いは、出力密度が高いプラントに装荷されるMOX燃料集合体において、標準プラント用のMOX燃料集合体に比し、ウラン燃料棒と可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度が高いかまたはMOX燃料棒の本数を多くすることにより、MOX燃料集合体平均の等価核分裂性物質濃度が高くなるようにしてあることを特徴とする。
【0044】
請求項7に係る発明は、請求項6に係る発明において、正方格子状の燃料棒配置の最外周部の一部または全部が、ウラン燃料棒または可燃性毒物入り燃料棒で構成されていることを特徴とする。
【0045】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0046】
図1(a)および図1(b)は、本発明の第1の実施の形態のMOX燃料集合体の代表断面の模式図である。1、2…はウラン燃料棒を表し、P1、P2…はそれぞれ富化度が異なるMOX燃料棒を表し、G1、G2…はそれぞれ濃縮度が異なる可燃性毒物入り燃料棒を表し、それぞれ数字が小さいほど濃縮度、富化度が低くなっている。図1(a)と図1(b)は短尺燃料棒(15)の位置が異なっており燃料集合体形状は異なっているが、MOX燃料棒の形状は同じである。図1(a)はMOX燃料棒が24本の場合、図1(b)はMOX燃料棒が36本の場合であり、取出燃焼度は約45GWd/tである。
【0047】
図1(a)と図1(b)の燃料集合体は、プルトニウム及び可燃性毒物を含まない第1のウラン燃料棒1、2、3と、可燃性毒物を含みプルトニウムを含まない第2の可燃性毒物入り燃料棒G1或いはG2と、プルトニウムを富化した第3のMOX燃料棒P1を正方格子状に束ねた構成としてあり、両者の違いは、「P1」のMOX燃料棒本数、「1」と「1’」のウラン燃料棒の濃縮度(前者:3.9wt%、後者:3.5wt%)、「G1」と「G2」の可燃性毒物入り燃料棒の濃縮度(前者:3.2wt%、後者:2.4wt%)であり、これにより、ウラン燃料棒と可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度は、図1(a)で3.1wt%、図1(b)で2.7wt%となっている。MOX燃料棒におけるプルトニウム富化度は、共に5.6wt%Pufと共通の設計としているので、どちらの設計を採用してもペレットの製造工程を変更する必要はない。
【0048】
図2に、両燃料の40%ボイド状態の無限増倍率の燃焼変化を比較する。炉心平均燃焼度は、線形反応度モデルより、サイクル燃焼度(約10GWd/t)と取出燃焼度の和の1/2で近似できるので約27.5GWd/t(=(45+10)/2)となる。図2に示すように、炉心平均燃焼度時の無限増倍率はほぼ等価となっている。さらに、図1(b)に示すように、可燃性毒物を燃料集合体の最外周部に配置することにより、MOX燃料棒を24本から36本まで(1.5倍)大幅に増加させることが可能である。
【0049】
本発明の原子炉の炉心は、これらの燃料を各サイクル毎のプルトニウムのバランスに応じて装荷するものである。例えば、第Nサイクルでは当初の予定通り図1(a)の燃料を112体装荷した後、仮に、第N+1サイクルで加工工場からのMOX燃料の供給量が1.5倍程度に増加したとしても、図1(b)の設計に切り替えれば、新燃料の装荷体数は当初の計画通り(MOX燃料:112体、ウラン燃料:56体)のままでよいので図3のような燃料装荷パターンになる。すなわち、各サイクル毎のMOX燃料の輸送または貯蔵体数(112体)とウラン燃料の装荷体数(52体)を維持したまま、プルトニウムの消費量を調整できる。燃料装荷パターンについても、基準設計である平衡炉心のパターンに近い炉心で構成できるので、炉心管理上の作業量が低減できる。一方、MOX燃料を図1(a)から図1(b)のようにフレキシブルに変更しない場合は、MOX新燃料は168体(=112×1.5)程度、ウラン燃料0体となり、MOX新燃料の輸送体数や使用済みMOX燃料の貯蔵体数が168体と増加する。
【0050】
すなわち、異なる燃料集合体間でMOX燃料棒の本数、または、ウラン燃料棒と可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度を変えれば、燃料集合体の反応度を調整することができるので、炉心サイズ、出力密度、運転期間等が変わっても、同じ取出燃焼度(燃料集合体1体から同じエネルギーを取り出せる)の設計とすることができる。
【0051】
また、製造時期の異なる燃料集合体間でMOX燃料棒の本数を変えればプルトニウムの消費量を変更できるので、各プラントにおけるウラン燃料集合体の予備体数を変更することなく、プルトニウムの製造と消費のバランスをとることができる。
【0052】
これらの場合、MOX燃料棒の形状は同じで、プルトニウム富化度(または等価核分裂性物質濃度)は少なくとも1種類以上は共通化して本数のみの調整なので、MOXペレットの製造工程には大きな影響を及ぼさない。
【0053】
また、最外周部をウラン燃料棒で構成することにより、濃縮度調整またはMOX燃料棒との置換用の燃料棒本数が増加するので反応度調整幅が増加し、プルトニウムの需給バランスや運転期間の変更に対する調整幅が大きくできる。さらに、最外周部の可燃性毒物入り燃料棒の配置を許容すれば、燃料集合体あたりのプルトニウム装荷量を多くできる。
【0054】
図4(a)および図4(b)は、本発明の第2の実施の形態のMOX燃料集合体の断面方向の模式図である。これらはMOX燃料棒が24本のアイランド型の設計で、プルトニウム富化度は共に5.6wt%Pufである。図4(a)は図1(a)と短尺燃料棒(15)の位置が異なることを除き同じであり、13ヶ月運転用の燃料である。図4(b)は15ヶ月運転用の燃料で、図4(a)と同じ燃料集合体形状である。図4(a)と図4(b)の違いは、「2」の燃料棒の濃縮度が2.4wt%なのに対し、「2’」の燃料棒の濃縮度は3.2wt%となっていることで、これにより、ウラン燃料棒と可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度は、図4(a)で3.1wt%、図4(b)で3.3wt%となっている。
【0055】
図5に、図4(a)および図4(b)のMOX燃料の40%ボイド状態の無限増倍率を比較する。図4(b)は、図4(a)より運転期間が2ヶ月伸びた分(約1GWd/t)だけ炉心平均燃焼度が大きくなるが、図5より、炉心平均燃焼度時点の無限増倍率の値は同程度となっていることがわかる。したがって、図4(b)の燃料を用いれば、図4(a)の基準設計より2ヶ月長い運転期間が数サイクル続いたとしても、プルトニウム富化度を図4(a)から変更することなく、目標とするMOX燃料の取出燃焼度(約45GWdt)を達成できる。
【0056】
図6(a)および図6(b)は、本発明の第3の実施の形態のMOX燃料集合体の断面方向の模式図である。図6(a)は、MOX燃料棒が24本の場合で、図4(a)と同じ設計である。図6(b)は、MOX燃料棒が28本の場合である。プルトニウム富化度は両設計ともに5.6wt%Pufである。図6(a)と図6(b)の違いは、「1」のウラン燃料棒本数が後者の方が多く、「G1」と「G3」の可燃性毒物入り燃料棒の濃縮度(前者:3.2wt%、後者:2.8wt%)が相違している。これにより、ウラン燃料棒と可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度は、図6(a)、図6(b)ともに3.1wt%となっている。図6(b)は、出力密度の高いプラントに用いられる燃料である。
【0057】
図7に、図6(a)および図6(b)のMOX燃料の40%ボイド状態の無限増倍率を比較する。図6(b)の方が5.6wt%PufのMOX燃料棒が4本多く燃料集合体平均の等価核分裂性物質濃度が高くなっているので、図6(a)よりも炉心平均燃焼度が0.5GWd/t程度長いところで、無限増倍率がほぼ同等となっている。これをサイクル燃焼度増加分に換算すると、倍の1GWd/t程度(サイクル燃焼度の1/10程度)となる。したがって、図6(b)のMOX燃料は、図6(a)のプラントに比べて10%程度出力密度を増加したプラントに装荷したとしても、プルトニウム富化度を図6(a)から変更することなく、目標とするMOX燃料の取出燃焼度(約45GWd/t)を達成できる。
【0058】
さらに、図6(a)を標準プラント用のMOX燃料集合体、図6(b)を炉心サイズが小さいプラント用のMOX燃料集合体と見なせば、本発明の第4の実施の形態となる。この場合、燃料集合体の無限増倍率は、炉心平均燃焼時においてほぼ等価となるように調整されている。したがって、炉心サイズが小さいプラントでも、プルトニウム富化度を変更することなく、目標とするMOX燃料集合体の取出燃焼度(約45GWd/t)を達成できる。
【0059】
図8(a)および図8(b)は、本発明の第5の実施の形態のMOX燃料集合体の断面方向の模式図である。図8(a)は、取出燃焼度45GWd/tでMOX燃料棒40本の設計であり、図8(b)は、取出燃焼度50GWd/tでMOX燃料棒62本の設計である。図8(b)は、図8(a)よりも、MOX燃料棒の富化度を2種類とも高くし、さらに、燃料集合体の最外周部にMOX燃料棒を多数配置することにより、燃料集合体平均の等価核分裂性物質濃度を高めている。
【0060】
図9に、図8(a)および図8(b)のMOX燃料集合体の40%ボイド状態の無限増倍率を比較する。炉心平均燃焼度は、図8(a)が27.5GWd/t、図8(b)は取出燃焼度5GWd/tの伸長分を考慮して30GWd/tであり、無限増倍率はほぼ同じ値になっている。
【0061】
図10に、両燃料の燃焼度ピーキングの推移を示す。図8(b)の方がプルトニウム最高富化度が高いにもかかわらず、燃焼期間全般を通じて楽な特性となっている。図8(b)の方が、燃料寿命末期の無限増倍率が高い(50GWd/tで3%程度)のでノード平均の燃焼度は若干高くなる可能性があるが、燃料集合体内のMOX燃料棒の燃焼度ピーキングは有意に低い(50GWd/tで8%程度)ので、ペレット最高燃焼度は低くなると考えられる。
【0062】
したがって、ペレット最高燃焼度に同じ制約を課した場合は、図8(b)のようにディスクリート型MOX燃料の方が取出燃焼度を高くできるので、MOX燃料集合体の燃料経済性上は有利である。したがって、MOX燃料集合体の取出燃焼度が高くなれば、燃料集合体あたりのMOX燃料棒の装荷量を増加させる方法が有利となる。
【0063】
ところで、ウラン濃縮度を高めるには濃縮費用がかかるがプルトニウム富化度の増加はコストアップには影響が少なく、また、現行の加工工場ではウラン棒の濃縮度上限よりもMOX燃料棒の富化度上限の方が緩く設定されているので、ペレット最高燃焼度に同一の制約を課した場合にMOX燃料集合体の取出燃焼度をより高めた設計とするには、燃料集合体あたりのMOX燃料棒本数を高める方が有利となる。
【0064】
なお、図8(b)の低プルトニウム富化度を図8(a)と共通設計としておけば、図8(a)から図8(b)に切り替える場合に、設計変更が容易であり、燃料棒形状が同じ場合は同じ加工工程を利用でき、また、図8(a)の余剰燃料棒を図8(b)に流用できるメリットがある。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、MOX燃料集合体の取出燃焼度がウラン燃料集合体と同程度になった場合に、MOX燃料棒のプルトニウム富化度を共通設計とし、MOX燃料棒数またはウラン燃料棒の平均濃縮度を調整し、アイランド型からディスクリート型に近い幅広い設計を用意しておき、それら複数種類のMOX燃料集合体を原子炉に装荷することにより、▲1▼経済性評価のコスト緒言が変動しても最適な設計を選択でき、▲2▼プルトニウムの需給バランスが崩れた場合にもMOX燃料集合体製造体数、予備ウラン燃料体数に影響を及ぼさないような設計が可能となる。また、炉心サイズ、出力密度、運転期間が変わっても、炉心平均燃焼度時の無限増倍率を調整できるので、目標の取出燃焼度を達成することができる。
【0066】
また、将来、MOX燃料集合体の取出燃焼度がウラン燃料集合体を超える場合には、MOX燃料の取出燃焼度が高いほどMOX燃料棒本数を増やしたディスクリート型設計に近づくので、燃焼度ピーキングが改善されペレット最高燃焼度の悪化を緩和することができる。これにより、MOX燃料集合体の取出燃焼度増加を実現でき、MOX燃料集合体の燃料経済性を改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料集合体の第1の実施の形態を示す2種類の燃料集合体の横断面図。
【図2】本発明の燃料集合体の第1の実施の形態である2種類の燃料集合体の無限増倍率の推移図。
【図3】本発明の燃料集合体の第1の実施の形態を示し、図1の燃料集合体が装荷された1/4炉心図。
【図4】本発明の燃料集合体の第2の実施の形態を示す2種類の燃料集合体の横断面図。
【図5】本発明の燃料集合体の第2の実施の形態である2種類の燃料集合体の無限増倍率の推移図。
【図6】本発明の燃料集合体の第3の実施の形態を示す2種類の燃料集合体の横断面図。
【図7】本発明の燃料集合体の第3の実施の形態である2種類の燃料集合体の無限増倍率の推移図。
【図8】本発明の燃料集合体の第4の実施の形態を示す2種類の燃料集合体の横断面図。
【図9】本発明の燃料集合体の第4の実施の形態である2種類の燃料集合体の無限増倍率の推移図。
【図10】本発明の燃料集合体の第4の実施の形態である2種類の燃料集合体の燃焼度ピーキング係数の推移図。
【図11】沸騰水型原子炉のMOX燃料集合体の横断面図。
【図12】沸騰水型原子炉のMOX燃料集合体の横断面図。
【符号の説明】
11 燃料集合体
12 燃料棒
13 チャンネルボックス
14 水ロッド
15 短尺燃料棒
16 十字型制御棒
Claims (7)
- プルトニウム及び可燃性毒物を含まない第1のウラン燃料棒と、可燃性毒物を含みプルトニウムを含まない第2の可燃性毒物入り燃料棒と、プルトニウムを富化した第3のMOX燃料棒を正方格子状に束ねた燃料集合体が少なくとも2種類以上装荷される沸騰水型原子炉の炉心において、異なる燃料集合体間では、燃料集合体のMOX燃料棒の形状および少なくとも1種類以上のMOX燃料棒の等価核分裂性物質濃度が同一であり、第3のMOX燃料棒の本数が異なるか、または、第1のウラン燃料棒と第2の可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度が異なることを特徴とする沸騰水型原子炉の炉心。
- 運転期間が長いサイクルに装荷されるMOX燃料集合体の方が、標準サイクル用のMOX燃料集合体より、ウラン燃料棒と可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度が高いか、またはMOX燃料棒の本数が多くて、MOX燃料集合体平均の等価核分裂性物質濃度が高くなっていることを特徴とする、請求項1記載の沸騰水型原子炉の炉心。
- 少なくとも1種類の燃料集合体において、正方格子状の燃料棒配置の最外周部の一部または全部が、ウラン燃料棒または可燃性毒物入り燃料棒で構成されていることを特徴とする、請求項1または2記載の沸騰水型原子炉の炉心。
- ウラン燃料集合体と、前記ウラン燃料集合体と取出燃焼度が同じ第1のMOX燃料集合体と、前記ウラン燃料集合体より取出燃焼度の高い第2のMOX燃料集合体が装荷された沸騰水型原子炉の炉心において、第1のMOX燃料集合体より第2のMOX燃料集合体の方が、燃料集合体中における全燃料棒に対するMOX燃料棒本数の割合が多いことを特徴とする、沸騰水型原子炉の炉心。
- 第1および第2のMOX燃料集合体において、少なくとも1種類以上の等価核分裂性物質濃度が同一であることを特徴とする、請求項4記載の沸騰水型原子炉の炉心。
- 炉心サイズが小さい、或いは、出力密度が高いプラントに装荷されるMOX燃料集合体において、標準プラント用のMOX燃料集合体に比し、ウラン燃料棒と可燃性毒物入り燃料棒の平均濃縮度が高いかまたはMOX燃料棒の本数を多くすることにより、MOX燃料集合体平均の等価核分裂性物質濃度が高くなるようにしてあることを特徴とする、MOX燃料集合体。
- 正方格子状の燃料棒配置の最外周部の一部または全部が、ウラン燃料棒または可燃性毒物入り燃料棒で構成されていることを特徴とする、請求項6記載の燃料集合体。
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